JP5929620B2 - ポリエーテルポリアミド組成物 - Google Patents
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Description
本発明のポリエーテルポリアミド組成物は、ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリエーテルポリアミド(A)並びに安定剤(B)を含む。
ポリエーテルポリアミド(A)は、ジアミン構成単位が上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。該ポリエーテルポリアミド(A)を用いることで、柔軟性、引張破断伸び等の機械的特性に優れるポリエーテルポリアミド組成物とすることができる。
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位は、上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)に由来する構成単位を含む。上記一般式(1)における(x+z)の数値は1〜30であり、好ましくは2〜25、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜15である。また、yの数値は1〜50であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。x、y、zの値が上記範囲より大きい場合、溶融重合の反応途中に生成するキシリレンジアミンとジカルボン酸とからなるオリゴマーやポリマーとの相溶性が低くなり、重合反応が進行しづらくなる。
また、上記一般式(1)におけるR1はいずれもプロピレン基を表す。−OR1−で表されるオキシプロピレン基の構造は、−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−、−OCH2CH(CH3)−のいずれであってもよい。
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位は、キシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含む。キシリレンジアミン(a−2)としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物であることが好ましく、メタキシリレンジアミン、又はメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物であることがより好ましい。
キシリレンジアミン(a−2)がメタキシリレンジアミンに由来する場合、得られるポリエーテルポリアミドは、柔軟性、結晶性、溶融成形性、成形加工性、強靭性に優れたものとなる。
キシリレンジアミン(a−2)が、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物に由来する場合、得られるポリエーテルポリアミドは柔軟性、結晶性、溶融成形性、成形加工性、強靭性に優れ、さらに高耐熱性、高弾性率を示す。
ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)以外のジアミン構成単位を構成しうるジアミン化合物としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジカルボン酸構成単位は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できるが、これらの中でも結晶性、高弾性の観点からアジピン酸及びセバシン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく使用される。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸構成単位を構成しうるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
ジカルボン酸成分として、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸との混合物を使用する場合、ポリエーテルポリアミド(A)の成形加工性は向上し、また、ガラス転移温度が上昇し、それにより耐熱性も向上させることができる。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸とのモル比(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸/イソフタル酸)は、50/50〜99/1が好ましく、70/30〜95/5がより好ましい。
ポリエーテルポリアミド(A)は、キシリレンジアミン(a−2)と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とから形成される高結晶性のポリアミドブロックをハードセグメントとし、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)由来のポリエーテルブロックをソフトセグメントとすることで、溶融成形性及び成形加工性に優れる。さらに得られたポリエーテルポリアミドは強靭性、柔軟性、結晶性、耐熱性等に優れている。
ポリエーテルポリアミド(A)の製造は、特に限定されるものではなく、任意の方法、重合条件により行うことができる。例えば、ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)等のジアミン)とジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸等のジカルボン酸)とからなる塩を水の存在下に加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法によりポリエーテルポリアミド(A)を製造することができる。また、ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)等のジアミン)を溶融状態のジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸等のジカルボン酸)に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によってもポリエーテルポリアミド(A)を製造することができる。この場合、反応系を均一な液状態で保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
この際、ジアミン成分のうち、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)については、ジカルボン酸成分とともに予め反応槽内に仕込んでおいてもよい。ポリエーテルジアミン化合物(a−1)を予め反応槽内に仕込んでおくことで、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)の熱劣化を抑制することができる。その場合もまた、反応系を均一な液状態で保つために、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)以外のジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
また、セバシン酸に含まれるモノカルボン酸(オクタン酸、ノナン酸、ウンデカン酸等)は、0〜1質量%が好ましく、0〜0.5質量%がより好ましく、0〜0.4質量%が更に好ましい。この範囲であると、得られるポリエーテルポリアミドの品質が良く、重合に影響を及ぼさないため好ましい。
本発明に用いられる安定剤(B)は、熱安定性及び耐熱老化性の向上の観点から、好ましくはアミン系化合物(B1)、有機硫黄系化合物(B2)、フェノール系化合物(B3)、リン系化合物(B4)及び無機系化合物(B5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。さらに、溶融成形時の加工安定性、熱安定性及び耐熱老化性の向上の観点、並びに成形品の外観、特に着色防止の観点から、アミン系化合物(B1)、有機硫黄系化合物(B2)及び無機系化合物(B5)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。
アミン系化合物(B1)としては、芳香族第2級アミン系化合物が好ましく、ジフェニルアミン骨格を有する化合物、フェニルナフチルアミン骨格を有する化合物及びジナフチルアミン骨格を有する化合物がより好ましく、ジフェニルアミン骨格を有する化合物及びフェニルナフチルアミン骨格を有する化合物がさらに好ましい。
これらの中でも、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン及びN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンが好ましく、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン及び4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが特に好ましい。
有機硫黄系化合物(B2)としては、メルカプトベンゾイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、チオウレア系化合物及び有機チオ酸系化合物が好ましく、メルカプトベンゾイミダゾール系化合物及び有機チオ酸系化合物がより好ましい。
これらの中でも、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート及びペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンゾイミダゾール、及びジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネートがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が特に好ましい。
有機硫黄系化合物(B2)の分子量は、通常200以上、好ましくは500以上であり、その上限は通常3,000である。
アミン系化合物(B1)及び有機硫黄系化合物(B2)の好適な組合せとしては、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選ばれる少なくとも1種のアミン系化合物(B1)と、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール及びペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)から選ばれる少なくとも1種の有機硫黄系化合物(B2)との組合せが挙げられる。さらに、アミン系化合物(B1)がN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、有機硫黄系化合物(B2)がペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)である組合せがより好ましい。
また、アミン系化合物(B1)及び有機硫黄系化合物(B2)を併用する場合は、耐熱老化性の向上の観点から、本発明のポリエーテルポリアミド組成物中の含有量比(質量比)で、アミン系化合物(B1)/有機硫黄系化合物(B2)が好ましくは0.05〜15、より好ましくは0.1〜5、更に好ましくは0.2〜2である。
フェノール系化合物(B3)としては、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(例えば、株式会社エーピーアイ コーポレーション製、商品名:ヨシノックス425として入手可能)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブAO−40、住友化学(株)製、商品名:Sumilizer BBM−Sとして入手可能)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(例えば、川口化学工業(株)製、商品名:アンテージクリスタルとして入手可能)、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(例えば、住友化学(株)製、商品名:Sumilizer GA−80、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブAO−80として入手可能)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、BASF社製、商品名:Irganox(R)245として入手可能)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、BASF社製、商品名:Irganox259として入手可能)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(例えば、BASF社製、商品名:Irganox565として入手可能)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、BASF社製、商品名:Irganox1010、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブAO−60として入手可能)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例えば、BASF社製、商品名:Irganox1035として入手可能)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、BASF社製、商品名:Irganox1076、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブAO−50として入手可能)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)(例えば、BASF社製、商品名:Irganox1098として入手可能)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル(例えば、BASF社製、商品名:Irganox1222として入手可能)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えば、BASF社製、商品名:Irganox1330として入手可能)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(例えば、BASF社製、商品名:Irganox3114、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブAO−20として入手可能)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール(例えば、BASF社製、商品名:Irganox1520として入手可能)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、BASF社製、商品名:Irganox1135として入手可能)等を例示できるがこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン及びN,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)のヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
リン系化合物(B4)としては、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物が好ましい。
またフェノール系化合物及びリン系化合物の併用は、色調改良効果に優れた効果を発揮するので好ましい。
無機系化合物(B5)としては、銅化合物及びハロゲン化物が好ましい。
無機系化合物(B5)として使用される銅化合物は、種々の無機酸または有機酸の銅塩であって、後述のハロゲン化物を除くものである。銅としては、第1銅、第2銅のいずれでもよく、その具体例としては、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、リン酸銅、ステアリン酸銅の他、ハイドロタルサイト、スチヒタイト、パイロライト等の天然鉱物が挙げられる。
また、無機系化合物(B5)として使用されるハロゲン化物としては、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物;ハロゲン化アンモニウム及び有機化合物の第4級アンモニウムのハロゲン化物;ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリル等の有機ハロゲン化物が挙げられ、その具体例としては、ヨウ化アンモニウム、ステアリルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムアイオダイド等が挙げられる。これらの中では、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金属塩が好適である。
本発明のポリエーテルポリアミド組成物には、その特性が阻害されない範囲で、艶消剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤を、必要に応じて配合することができる。
本発明のポリエーテルポリアミド組成物の相対粘度は、成形性及び他の樹脂との溶融混合性の観点から、好ましくは1.1〜3.0の範囲、より好ましくは1.1〜2.9の範囲、更に好ましくは1.1〜2.8の範囲である。当該相対粘度は実施例に記載の方法により測定される。
引張強度保持率(%)=〔130℃72時間熱処理後のフィルムの破断時応力(MPa)/130℃72時間熱処理前のフィルムの破断時応力(MPa)〕×100
ここで、フィルムの破断時応力は実施例に記載の方法により測定される。
本発明のポリエーテルポリアミド組成物は、前記ポリエーテルポリアミド(A)に、安定剤(B)ならびにその他の成分を配合して得られる。配合の方法は特に限定されず、反応槽内で溶融状態のポリエーテルポリアミド(A)に安定剤(B)等を添加する手法や、ポリエーテルポリアミド(A)に対し安定剤(B)等をドライブレンドし、押出機にて溶融混練する手法などが挙げられる。
本発明のポリエーテルポリアミド組成物を溶融混練する方法については、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等が挙げられるが、これらのなかでも、生産性、汎用性等の点から二軸押出機を用いる方法が好ましい。その際、溶融混練温度は、ポリエーテルポリアミド(A)の融点以上、融点より80℃高い温度以下の範囲に設定することが好ましく、該(A)成分の融点より10℃高い温度以上、該融点より60℃高い温度以下の範囲に設定することがより好ましい。溶融混練温度をポリエーテルポリアミド(A)の融点以上とすることで、該(A)成分の固化を抑制することができ、融点より80℃高い温度以下とすることで、該(A)成分の熱劣化を抑制することができる。
溶融混練における滞留時間は1〜10分の範囲に調整することが好ましく、2〜7分の範囲に調整することがより好ましい。滞留時間を1分以上とすることで、ポリエーテルポリアミド(A)と安定剤(B)との分散が十分となり、滞留時間を10分以下とすることでポリエーテルポリアミド(A)の熱劣化を抑制することができる。
二軸押出機のスクリューは少なくとも1箇所以上の逆目スクリューエレメント部分及び/又はニーディングディスク部分を有し、該部分においてポリエーテルポリアミド組成物を一部滞留させながら溶融混練を行うことが好ましい。
溶融混練したポリエーテルポリアミド組成物は、そのまま押出成形し、フィルム等の成形品としてもよく、一度ペレットとした後、改めて押出成型、射出成型等を行って種々の成形品としてもよい。
本発明の成形品は、前記ポリエーテルポリアミド組成物を含むものであり、本発明のポリエーテルポリアミド組成物を従来公知の成形方法により各種形態に成形することで得ることができる。成形法としては、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、プレス成形、ダイレクトブロー成形、回転成形、サンドイッチ成形及び二色成形等の成形法を例示することができる。
本発明のポリエーテルポリアミド組成物を含む成形品は、優れた熱安定性及び耐熱老化性を兼ね備えており、自動車部品、電機部品、電子部品等として好適である。特に、ポリアミド樹脂組成物を含んでなる成形品としては、ホース、チューブ又は金属被覆材が好ましい。
試料0.2gを精秤し、96%硫酸20mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温槽中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から下式により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0
まず試料をフェノール/エタノール混合溶媒、及びベンジルアルコール溶媒にそれぞれ溶解させ、カルボキシル末端基濃度とアミノ末端基濃度を塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液の中和滴定により求めた。数平均分子量は、アミノ末端基濃度及びカルボキシル末端基濃度の定量値から次式により求めた。
数平均分子量=2×1,000,000/([NH2]+[COOH])
[NH2]:アミノ末端基濃度(μeq/g)
[COOH]:カルボキシル末端基濃度(μeq/g)
示差走査熱量の測定はJIS K7121、K7122に準じて行った。示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:DSC−60)を用い、各試料をDSC測定パンに仕込み、窒素雰囲気下にて昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、急冷する前処理を行った後に測定を行った。測定条件は、昇温速度10℃/分で、300℃で5分保持した後、降温速度−5℃/分で100℃まで測定を行い、ガラス転移温度Tg、結晶化温度Tch及び融点Tmを求めた。
(引張弾性率及び引張破断伸び率の測定)
引張弾性率及び引張破断伸び率の測定はJIS K7161に準じて行った。作製した厚さ約100μmのフィルムを10mm×100mmに切り出して試験片とした。引張試験機((株)東洋精機製作所製、ストログラフ)を用いて、測定温度23℃、湿度50%RH、チャック間距離50mm、引張速度50mm/分の条件で引張試験を実施し、引張弾性率及び引張破断伸び率を求めた。
まずフィルムに対して熱風乾燥機にて130℃、72時間の熱処理を行った。次に、熱処理前後のフィルムについてJIS K7127に準じて引張試験を行い、破断時の応力(MPa)を求めた。なお、装置は引張試験機((株)東洋精機製作所製、ストログラフ)を使用し、試験片幅を10mm、チャック間距離を50mm、引張速度を50mm/分とし、測定温度を23℃、測定湿度を50%RHとして測定した。熱処理前後の破断時の応力の比を引張強度保持率とし、下記式より引張強度保持率(%)を算出した。この引張強度保持率が高いほど耐熱老化性に優れることを意味する。
引張強度保持率(%)=〔130℃72時間熱処理後のフィルムの破断時応力(MPa)/130℃72時間熱処理前のフィルムの破断時応力(MPa)〕×100
YI値の測定はJIS K−7105に準じて行った。作製した厚さ約100μmのフィルムを50mm×50mmに切り出して試験片とした。測定装置は、曇価測定装置(日本電色工業(株)製、型式:COH−300A)を使用した。
ジカルボン酸、又はポリエーテルポリアミドをプレス機で錠剤成形し、蛍光X線分析(XRF)を実施した。蛍光X線分析装置((株)リガク製、商品名:ZSX Primus)を用い、管球はRh管球(4kw)を使用した。分析窓用フィルムはポリプロピレンフィルムを使用し、真空雰囲気下で、照射領域30mmφでEZスキャンを実施した。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸584.60g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6832g及び酢酸ナトリウム0.4759gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)490.32gとポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)400.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。ηr=1.38、[COOH]=110.17μeq/g、[NH2]=59.57μeq/g、Mn=11783、Tg=71.7℃、Tch=108.3℃、Tm=232.8℃。
次に、得られたポリエーテルポリアミド100質量部と、安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックWhite、安定剤(B1−1))0.5質量部とをドライブレンドし、直径30mmのスクリュー及びTダイを備える二軸押出機にて温度260℃で押出成形し、厚さ約100μmの無延伸フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1−1における安定剤の種類を各々表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にしてフィルムを得、前記引張試験を行った。結果を表1に示す。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸584.5g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6210g及び酢酸ナトリウム0.4325gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)544.80gを滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドを得た。ηr=2.10、[COOH]=104.30μeq/g、[NH2]=24.58μeq/g、Mn=15500、Tg=86.1℃、Tch=153.0℃、Tm=239.8℃。
得られたポリアミドを、温度260℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表1に示す。
実施例1−1において得られたポリエーテルポリアミドを、温度260℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表1に示す。
XTJ−542:米国HUNTSMAN社製のポリエーテルジアミン。米国HUNTSMAN社のカタログによれば、前記一般式(1)におけるx+zの概数は6.0、yの概数は9.0、概略重量平均分子量は1000である。
安定剤(B1−1):N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックWhite)
安定剤(B1−2):4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックCD)
安定剤(B2−1):ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)
安定剤(B2−2):2−メルカプトベンゾイミダゾール(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックMB)
安定剤(B3−1):3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGA−80)
安定剤(B3−2):N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)(BASF製、商品名:Irganox1098)
安定剤(B4−1):ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト((株)アデカ製、商品名:アデカスタブPEP−45)
安定剤(B4−2):テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)(BASF製、商品名:Irgafos P−EPQ)
安定剤(B5−1):ヨウ化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
安定剤(B5−2):塩化カリウム(和光純薬工業(株)製)
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸555.37g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6490g及び酢酸ナトリウム0.4521gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。270℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)326.06gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)139.74g(モル比(MXDA/PXDA=70/30))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)380.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。ηr=1.36、[COOH]=64.82μeq/g、[NH2]=100.70μeq/g、Mn=12083、Tg=79.3℃、Tch=107.1℃、Tm=251.4℃。
次に、得られたポリエーテルポリアミド100質量部と、安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックWhite、安定剤(B1−1))0.5質量部とをドライブレンドし、直径30mmのスクリュー及びTダイを備える二軸押出機にて温度280℃で押出成形し、厚さ約100μmの無延伸フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表2に示す。
実施例2−1における安定剤の種類を各々表2に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にしてフィルムを得、前記引張試験を行った。結果を表2に示す。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にアジピン酸730.8g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6322g及び酢酸ナトリウム0.4404gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。275℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)476.70gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)204.30g(モル比(MXDA/PXDA=70/30))の混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドを得た。ηr=2.07、[COOH]=55.70μeq/g、[NH2]=64.58μeq/g、Mn=16623、Tg=89.0℃、Tch=135.0℃、Tm=257.0℃。
得られたポリアミドを、温度275℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表2に示す。
実施例2−1において得られたポリエーテルポリアミドを、温度280℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表2に示す。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にセバシン酸(硫黄原子濃度70ppm)667.4g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6587g及び酢酸ナトリウム0.4588gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)404.51gとポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)330.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。ηr=1.29、[COOH]=100.8μeq/g、[NH2]=38.4μeq/g、Mn=14368、Tg=29.2℃、Tch=58.0℃、Tm=185.0℃。ポリエーテルポリアミド中の硫黄原子濃度は33ppmだった。
次に、得られたポリエーテルポリアミド100質量部と、安定剤として4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックCD、安定剤(B1−2))0.5質量部とをドライブレンドし、直径30mmのスクリュー及びTダイを備える二軸押出機にて温度235℃で押出成形し、厚さ約100μmの無延伸フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験及びYI値の測定を行った。結果を表3に示す。
実施例3−1における安定剤の種類を各々表3に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例3−1と同様にしてフィルムを得、前記引張試験及びYI値の測定を行った。結果を表3に示す。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にセバシン酸(硫黄原子濃度0ppm)809.0g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6210g及び酢酸ナトリウム0.4325gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)544.80gを滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドを得た。ηr=1.80、[COOH]=88.5μeq/g、[NH2]=26.7μeq/g、Mn=17300、Tg=61.2℃、Tch=114.1℃、Tm=191.5℃。
得られたポリアミドを、温度220℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験及びYI値の測定を行った。結果を表3に示す。
実施例3−1において得られたポリエーテルポリアミドを、温度235℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験及びYI値の測定を行った。結果を表3に示す。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にセバシン酸667.43g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6587g及び酢酸ナトリウム0.4588gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)283.16gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)121.35g(モル比(MXDA/PXDA=70/30))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:XTJ−542)330.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドを得た。ηr=1.31、[COOH]=81.62μeq/g、[NH2]=68.95μeq/g、Mn=13283、Tg=12.9℃、Tch=69.5℃、Tm=204.5℃。
次に、得られたポリエーテルポリアミド100質量部と、安定剤としてN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)製、商品名:ノクラックWhite、安定剤(B1−1))0.5質量部とをドライブレンドし、直径30mmのスクリュー及びTダイを備える二軸押出機にて温度260℃で押出成形し、厚さ約100μmの無延伸フィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表4に示す。
実施例4−1における安定剤の種類を各々表4に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例4−1と同様にしてフィルムを得、前記引張試験を行った。結果を表4に示す。
実施例4−1又は4−2における安定剤の添加量を表4に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例4−1又は4−2と同様にしてフィルムを得、前記引張試験を行った。結果を表4に示す。
実施例4−1における安定剤の種類及び添加量を各々表4に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例4−1と同様にしてフィルムを得、前記引張試験を行った。結果を表4に示す。
撹拌機、窒素ガス導入口、縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器にセバシン酸829.2g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6365g及び酢酸ナトリウム0.4434gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で溶融させた。260℃まで徐々に昇温しながら、そこへメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)390.89gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)167.53g(モル比(MXDA/PXDA=70/30))の混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドを得た。ηr=2.20、[COOH]=81.8μeq/g、[NH2]=26.9μeq/g、Mn=18400、Tg=65.9℃、Tch=100.1℃、Tm=213.8℃。
得られたポリアミドを、温度240℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表4に示す。
実施例4−1において得られたポリエーテルポリアミドを、温度260℃で押出成形を行い、厚さ約100μmの無延伸フィルムを作成した。
得られたフィルムを用いて、前記引張試験を行った。結果を表4に示す。
Claims (14)
- 安定剤(B)が、アミン系化合物(B1)、有機硫黄系化合物(B2)、フェノール系化合物(B3)、リン系化合物(B4)及び無機系化合物(B5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- 安定剤(B)の含有量が、ポリエーテルポリアミド(A)100質量部に対して0.01〜1質量部である、請求項1又は2に記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- キシリレンジアミン(a−2)が、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- キシリレンジアミン(a−2)が、メタキシリレンジアミンである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- キシリレンジアミン(a−2)が、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- メタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンの総量に対するパラキシリレンジアミンの割合が90モル%以下である、請求項6に記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- 炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸及びセバシン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- ポリエーテルポリアミド組成物の相対粘度が1.1〜3.0である、請求項1〜8のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- ポリエーテルポリアミド組成物の融点が170〜270℃である、請求項1〜9のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- 下式で算出される引張強度保持率が75%以上である、請求項1〜10のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
引張強度保持率(%)=〔130℃72時間熱処理後のフィルムの破断時応力(MPa)/130℃72時間熱処理前のフィルムの破断時応力(MPa)〕×100 - 安定剤(B)が、アミン系化合物(B1)、有機硫黄系化合物(B2)及び無機系化合物(B5)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜11のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のポリエーテルポリアミド組成物を含む成形品。
- ホース、チューブ又は金属被覆材である、請求項13に記載の成形品。
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