先ず、本発明に係る移動端末及び符号化レート低減方法の実施形態の説明の前に、上述した従来技術の課題について、図12及び図13を参照して詳細に説明する。図12は、時刻tHO前後における送信側の画像符号化レートを示す図である。図13は、時刻tHO前後における送信側のバッファに蓄積されているデータパケット量を示す図である。図12及び図13において、時刻tHOはinter−RATハンドオーバの手続きが完了した時刻であり、時刻tHOに通信方式A(例:LTE)から通信方式B(例:HPSA)に切り替わるとする。
時刻tHOにおけるinter−RATハンドオーバによって、送信側の端末に割り当てられた最大伝送レートは、通信方式Aに対応した最大伝送レートから通信方式Bに対応した最大伝送レートに低下する。
なお、最大伝送レートとは、1つの基地局において端末毎に許可された伝送レートの最大値であり、実際の伝送レートは、最大伝送レート以下となり、通信の輻輳度合いによって変化する。
送信側は、inter−RATハンドオーバが実行されるまでは、通信方式Aに対応した最大伝送レートを超えない範囲で画像符号化レートで画像データの符号化を行って画像符号化データのデータパケットをバッファに格納し、格納されたデータパケットを通信方式Aで受信側に送信する。
なお、画像符号化レートとは、撮像部11から入力した画像信号をデジタル化し、さらにそれに誤り訂正を施した後のレートのことであり、これが通信方式に要求されている最大伝送レート以下になる必要があり、さらに、通信回線の混雑具合(通信の輻輳度合い)によって変化する。
また、本実施形態では、省略しているが、最大伝送レートだけではなく、従来と同じように、通信回線の混雑状況も考慮して画像符号化レートを決定している。
送信側は、時刻tHOにおいてinter−RATハンドオーバが実行されると、通信方式Bに対応した最大伝送レートを超えないような画像符号化レートで映像データの符号化を行って画像符号化データのデータパケットをバッファに格納し、格納されたデータパケットを通信方式Bで受信側に送信する。
ところが、時刻tHOの直前に符号化された画像符号化データのデータパケットは通信方式Aに対応した最大伝送レートを超えないような伝送レートでバッファから出力されることが想定されている。このため、inter−RATハンドオーバの直後に通信方式Bに対応した最大伝送レートを超えないような伝送レートでバッファから出力されても、格納されたデータパケットのうち一部のデータパケットがバッファから出力されずにバッファ内に滞留する。
この結果、図13に示す様に、inter−RATハンドオーバの直後には、データパケットのバッファの格納量が一時的に増大し、画像符号化データのバッファオーバーフローが発生する。更に、格納され続けたデータパケットが送信されずにバッファに滞留すると、送信側から受信側への伝送路においてパケット損失が発生することがあった。
以下、本発明に係る通信端末及び符号化レート低減方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下、本発明に係る通信端末は、例えば携帯電話機であるが携帯電話機に限定されず、例えばスマートフォン、無線通信機能を有するタブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)若しくは電子書籍端末でもよい。
本発明は、装置としての通信端末である以外に、通信端末との間で通信可能に接続されている無線基地局と通信端末とを含む移動体通信システム、又は通信端末をコンピュータとして動作させるためのプログラムとして表現することが可能である。更に、本発明は、通信端末により実行される処理(ステップ)を含む方法として表現することも可能である。
(通信システム)
以下、本実施形態の通信端末1を含む移動体通信網31、更には複数の移動体通信網31〜33,…を含む通信システム100の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の通信システム100のシステム構成を示すシステム構成図である。図1に示す通信システム100は、複数の移動体通信網31〜33,…がコアネットワークNWを介して接続されて構成されている。以下の説明において、説明を簡単にするために、図1に示す通信システム100では3つの移動体通信網31〜33を図示し、通信システム100は例えば3つの移動体通信網31〜33を含む構成とする。
各々の移動体通信網31〜33は、例えば3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)において規格化されているLTE方式、3Gに分類されるW−CDMA方式若しくはCDMA2000方式、3.5Gに分類されるHSPA方式、又は2Gに分類されるGSM(登録商標)方式の各移動体通信技術を用いたネットワークのうちいずれかのネットワークである。
各々の移動体通信網31〜33には、使用可能に割り当てられている通信端末(例えば通信端末1)との通信を中継する無線基地局が設置されている。具体的には、移動体通信網31にはソース基地局SBSが設置され、移動体通信網32にはターゲット基地局TBSが設置され、移動体通信網33には相手端末側基地局PBSが設置されている。ソース基地局SBS、ターゲット基地局TBS及び相手端末側基地局PBSは、マクロ基地局、ピコ基地局又はフェムト基地局でもよい。
以下、通信端末1が移動体通信網31においてソース基地局SBSと無線通信する場合の通信方式を通信方式A(例えばLTE方式)とし、通信端末1が移動体通信網32においてターゲット基地局TBSと無線通信する場合の通信方式を通信方式B(例えばHSPA方式)として説明する。また、本実施形態において、inter−RATハンドオーバは、通信端末1に割り当てられた通信方式が、移動体通信網31(LTE通信網)の通信方式Aから、移動体通信網32(HSPA通信網)の通信方式Aとは異なる通信方式Bに切り替わることを表す。
LTE方式が用いられる移動体通信網31で使用可能に割り当てられた通信端末1の伝送レートは、例えば10Mbps(mega bit per second)である。HSPA方式が用いられる移動体通信網32で使用可能に割り当てられた通信端末1の伝送レートは、例えば1Mbps(kilo bit per second)である。
ソース基地局SBSは、移動体通信網31で使用可能に割り当てられた通信端末1との通信を中継し、コアネットワークNWを介して他の移動体通信網32,33と通信する。本実施形態では、ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバが実行される前では、通信端末1と無線通信する接続基地局となる。
ソース基地局SBSは、後述する回線品質測定結果を通信端末1から受信する。ここで、回線品質測定結果が、例えばソース基地局SBSが提供する移動体通信網31における通信方式Aの通信回線の回線品質測定結果が所定の閾値未満であって、且つターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32における通信方式Bの通信回線の回線品質測定結果が同閾値を超えているとする。この場合、ソース基地局SBSは、通信端末1との通信方式を、ソース基地局SBSが提供する移動体通信網31における通信方式Aから、ターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32における通信方式Bに切り替える事、即ち、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする事を決定する。
ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバする事を決定した後、コアネットワークNWを介して、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨をターゲット基地局TBSに送信する。即ち、ソース基地局SBSとターゲット基地局TBSとの間で、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨が共有される。
ソース基地局SBSは、ターゲット基地局TBSとの間で、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨を共有した後、inter−RATハンドオーバ情報を生成して通信端末1に送信する。
ここで、inter−RATハンドオーバ情報は、通信端末1の接続先である基地局を例えばソース基地局SBSからターゲット基地局TBSに変更するための変更情報として、通信端末1の無線通信部16、ソース基地局SBS及びターゲット基地局TBS間においてinter−RATハンドオーバの手続きの実行を指示するためのコマンド情報である。このコマンド情報には、通信方式Bに関する情報、及び、新しい接続基地局となるターゲット基地局TBSの識別情報等が更に含まれている。通信方式Bに関する情報は、例えば通信方式Bの方式名(例えばHSPA方式)である。
なお、通信方式Aの最大伝送レートAmaxに関する情報、通信方式Bの最大伝送レートBmaxに関する情報、及びinter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2に関する情報は、例えば画像符号化部12において既知情報のパラメータとして予め設定されているとする。また、通信方式Aの最大伝送レートAmaxに関する情報、通信方式Bの最大伝送レートBmaxに関する情報、及びinter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2に関する情報は、通信端末1において既知情報のパラメータとして予め設定されていない場合にはinter−RATハンドオーバ情報に含まれてもよい。
なお、上記通信方式Aの最大伝送レートAmaxや通信方式Bの最大伝送レートBmax等の情報は、ソース基地局SBS、若しくは、受信部19のどちらで生成し、送信しても良い。ただし、ソース基地局SBSにて生成して当該情報を送信する場合、3GPP等の規格を変える必要があるため、受信部19で生成し、当該情報を送信するほうが容易である。
ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバ情報を生成して通信端末1に送信した後、通信端末1とソース基地局SBSとターゲット基地局TBSとの間で、inter−RATハンドオーバの手続きを実行する。inter−RATハンドオーバの手続きの実行が終了すると、通信端末1の接続基地局はターゲット基地局TBSとなり、通信端末1が使用可能に割り当てられる通信方式は通信方式Bとなる。
ターゲット基地局TBSは、inter−RATハンドオーバの手続きの終了後に、移動体通信網32で使用可能な端末として通信端末1を割り当てる。ターゲット基地局TBSは、移動体通信網32で使用可能に割り当てられた通信端末1との通信を中継し、コアネットワークNWを介して他の移動体通信網31,33と通信する。本実施形態では、ターゲット基地局TBSは、inter−RATハンドオーバが行われた後では、通信端末1と無線通信する接続基地局となる。
相手端末側基地局PBSは、移動体通信網33で使用可能に割り当てられた相手端末40との通信を中継し、コアネットワークNWを介して他の移動体通信網31,32と通信する。相手端末40は、通信端末1の通信相手となる端末であって、後述する通信端末1と同様の構成を有すると共に同様に動作する。
(通信端末)
次に、本実施形態の通信端末1の構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の通信端末1の内部構成を示すブロック図である。図2に示す通信端末1は、操作部9、制御部10、撮像部11、バッファ15、アンテナAntが接続されている無線通信部16、表示部24、タイマ部25、RAM(Random Access Memory)26及びROM(Read Only Memory)27を含む構成である。制御部10は、画像符号化部12、誤り訂正符号付加部13、送信パケット生成部14、受信パケット復号部20、誤り訂正符号復号部21、画像復号部22及び表示制御部23を含む構成である。制御部10の各部は、通信端末1に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)を用いて構成されている。無線通信部16は、送信部17、回線品質測定部18及び受信部19を含む構成である。
図2ではアンテナAntと無線通信部16とが通信端末1の一部の構成として含まれる様に図示しているが、アンテナAntと無線通信部16とは通信端末1とは別体の構成としてもよい(図3参照)。図3は、本実施形態の変形例の通信端末1’の内部構成を示すブロック図である。図3に示す様に、アンテナAnt及び無線通信部16の構成を含む通信ユニットとしての通信モデム28が通信端末1’に接続されることによって、図2に示す通信端末1と同様の構成となる。なお、以下では、アンテナAnt及び無線通信部16は通信端末1の一部の構成として含まれるものとして説明する(図2参照)が、以下の説明は図2に示す無線通信部16を図3に示す通信モデム28に読み替えても適用可能である。
通信端末1’として具体的にはノートPCなどが挙げられ、通信モデム28をUSBで接続して通信端末1として、画像データのやり取りを行うことができ、例えばweb会議を行うことができる。
また、通信端末1’において、撮像部11や、表示部24が別体であってもよく、その場合には、例えば通信端末1’の本構成をTV会議システムとする場合、通信端末1’はTV会議システ用端末本体であり、撮像部11が外付けのカメラ、表示部24がTVとなる。
操作部9は、通信端末1のユーザが通信端末1に対する操作を入力するためのユーザインターフェースであり、ユーザの操作内容(例えば撮像ボタンの押下)に応じた操作信号を撮像部11に出力する。操作部9は、通信端末1が携帯電話機である場合には、英数字等を入力するテンキー、オンフック又はオフフックを行う通話器キー及びファンクションキー等の各種キーで構成可能である。また、操作部9は、例えば通信端末1がスマートフォンである場合には、表示部24の上に配置され、ユーザの指又はスタイラスペンによる入力操作を受け付け可能なタッチパネルで構成される。なお、図1では操作部9からの操作信号は撮像部11に出力されているが、ユーザの操作内容に応じて、当該操作内容に応じた操作信号は通信端末1のアプリケーションに出力されてもよい。
撮像部11は、被写体となる対象物の撮像によって静止画又は動画を構成する画像データを取得するCCD(Charge Coupled Device)若しくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であるイメージセンサ等により構成され、操作部9から出力された操作信号に応じて、被写体となる対象物を撮像する。撮像部11は、撮像により取得された画像データを画像符号化部12に出力する。
符号化部としての画像符号化部12は、撮像部11から出力された画像データを取得する。画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、移動体通信網31における通信方式Aに対応した最大伝送レートAmaxを超えないように画像符号化レートを決定し、決定された画像符号化レートで画像データを符号化する。
画像符号化部12は、受信部19から出力されたinter−RATハンドオーバ情報を取得する。画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバ情報を取得したとき、inter−RATハンドオーバ情報を基に、通信方式Aを基に決定された画像符号化レートを、inter−RATハンドオーバのハンドオーバ先基地局であるターゲット基地局TBSと通信端末1との通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えない範囲の画像符号化レートとなるように低減する。
画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバ情報を取得した時刻tPRを起点に、画像符号化部12に保存されているinter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2が経過する前に、画像符号化レートを低減する。画像符号化部12における画像符号化レートの低減方法については、図6〜図8を参照して後述する。
なお、上述したように、画像符号化部12に保存されていない場合には、inter−RATハンドオーバ情報に含まれる情報を使って、画像符号化レートを低減する。
画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、新しい接続基地局であるターゲット基地局TBSと通信端末1との通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えない範囲ように画像符号化レートを決定し、決定された画像符号化レートで画像データを符号化する。画像符号化部12は、符号化された画像符号化データを誤り訂正符号付加部13に出力する。
誤り訂正符号付加部13は、画像符号化部12から出力された画像符号化データを取得し、例えば相手端末40が受信した送信データパケットにエラーが存在するときに当該エラーを訂正可能とするための所定の誤り訂正符号を画像符号化データに付加する。所定の誤り訂正符号は、例えばハミング符号又はリードソロモン符号であるがこれらに限定されない。誤り訂正符号付加部13は、誤り訂正符号が付加された画像符号化データを送信パケット生成部14に出力する。
送信パケット生成部14は、誤り訂正符号付加部13から出力された、誤り訂正符号が付加された画像符号化データを取得し、アンテナAntを介して送信するための送信データパケットを生成する。送信パケット生成部14は、生成された送信データパケットをバッファ15に一時的に格納する。送信パケット生成部14は、所定時間経過T1毎に、バッファ15に格納された送信データパケットを読み出して送信部17に出力する。パラメータT1の詳細については後述する。
バッファ15は、送信パケット生成部14により生成された送信データパケットを一時的に格納する。inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、バッファ15に格納された送信データパケットは、所定時間経過T1毎に送信パケット生成部14に出力されて無線通信部16及びアンテナAntを介してソース基地局SBSに送信される。inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、バッファ15に格納された送信データパケットは、所定時間経過T1毎に送信パケット生成部14に出力されて無線通信部16及びアンテナAntを介してターゲット基地局TBSに送信される。
送信部17は、送信パケット生成部14から出力された送信データパケットを取得する。送信部17は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、アンテナAntを介して、送信データパケットを所定の変調方式に従って変調してソース基地局SBSに送信する。送信部17は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、アンテナAntを介して、送信データパケットを所定の変調方式に従って変調してターゲット基地局TBSに送信する。
送信部17は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、アンテナAntを介して、回線品質測定部18から出力された通信方式Aの通信回線に関する回線品質測定結果を所定の変調方式に従って変調してソース基地局SBSに送信する。送信部17は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、アンテナAntを介して、回線品質測定部18から出力された通信方式Bの通信回線に関する回線品質測定結果を所定の変調方式に従って変調してターゲット基地局TBSに送信する。
回線品質測定部18は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、パイロットチャネルを介してアンテナAntにおいて受信された参照信号を基に、通信方式Aの通信回線に関する回線品質を測定する。回線品質測定部18は、通信方式Aの通信回線に関する回線品質測定結果を送信部17に出力する。参照信号は、アンテナAntを介して受信部19により受信された後に回線品質測定部18に入力されてもよいし、又は、アンテナAntを介して回線品質測定部18に直接入力されてもよい。
回線品質測定部18は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、パイロットチャネルを介してアンテナAntにおいて受信された参照信号を基に、通信方式Bの通信回線に関する回線品質を測定する。回線品質測定部18は、通信方式Bの通信回線に関する回線品質測定結果を送信部17に出力する。
また、本実施形態において通信方式Aの通信回線に関する回線品質は、ソース基地局SBSと通信端末1との間の通信方式Aの通信回線だけでなく、ソース基地局SBSが提供する移動体通信網31のセルに隣接するセルを含む移動体通信網(例えば移動体通信網32)を提供するターゲット基地局TBSと通信端末1との間の通信方式Bの通信回線を含んでもよい。
同様に、本実施形態において通信方式Bの通信回線に関する回線品質は、ターゲット基地局TBSと通信端末1との間の通信方式Bの通信回線だけでなく、ターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32のセルに隣接するセルを含む移動体通信網(例えば移動体通信網31)を提供するソース基地局SBSと通信端末1との間の通信方式Aを含んでもよい。
通信回線に関する回線品質の回線品質測定結果は、通信端末1が使用可能に割り当てられている移動体通信網31の通信方式がLTE方式である場合には、RSRP(Reference Signal Received Power)又はRSRQ(Reference Signal Received Quality)である。また、通信回線に関する回線品質の回線品質測定結果は、通信端末1が使用可能に割り当てられている移動体通信網31の通信方式がUTRA方式(UMTS Terrestrial Radio Access)である場合には、RSCP(Received Signal Code Power)又はEc/No(RSCP/RSSI(Received Signal Strength Indicator))である。
また、通信回線に関する回線品質の回線品質測定結果は、通信端末1が使用可能に割り当てられている移動体通信網31の通信方式がGERAN方式(GSM(登録商標) EDGE Radio Access Network)である場合には、RSSIである。また、通信回線に関する回線品質の回線品質測定結果は、通信端末1が使用可能に割り当てられている移動体通信網31の通信方式がCDMA2000方式である場合には、パイロット信号の信号電力値である。
受信部19は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、ソース基地局SBSから送信された送信データパケットを、アンテナAntを介して、受信データパケットとして受信する。受信部19は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、ターゲット基地局TBSから送信された送信データパケットを、アンテナAntを介して、受信データパケットとして受信する。受信部19は、受信データパケットを、送信側において施された変調方式に対応する復調方式に従って復調して受信パケット復号部20に出力する。
受信部19は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、通信方式Aでソース基地局SBSを経由して相手端末40と通信を行っている通信端末1と、相手端末40との間の往復遅延時間(RTT:ラウンドトリップタイム)を検出する。
受信部19は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行後では、通信方式Bでターゲット基地局TBSを経由して相手端末40と通信を行っている通信端末1と、相手端末40との間の往復遅延時間(RTT:ラウンドトリップタイム)を検出する。
受信部19は、検出されたRTTに関する情報を、画像符号化部12に出力している。
受信部19は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行前では、接続基地局であるソース基地局SBSからinter−RATハンドオーバ情報(inter−RAT HO情報)を受信する。受信部19は、inter−RATハンドオーバ情報を画像符号化部12に出力する。以下、画像符号化部12が受信部19からinter−RATハンドオーバ情報を取得した時刻を時刻tPRとする。即ち、画像符号化部12は、時刻tPRにおいて、inter−RATハンドオーバ情報の存在を認知する。
アンテナAntは、図2又は図3に示す通信端末1では1つのアンテナとして構成されているが、例えば送信部17に対応する送信アンテナ、回線品質測定部18に対応するモニタアンテナ、及び受信部19に対応する受信アンテナの3つのアンテナを用いて構成されてもよい。また、アンテナAntは、1つのアンテナとして構成されている場合又は3つのアンテナを用いて構成されている場合に拘わらず、それぞれアンテナ素子を用いて構成されてもよい。
受信パケット復号部20は、受信部19から出力された受信データパケットを取得し、受信データパケットを復号する。受信パケット復号部20は、復号された受信データパケットを誤り訂正符号復号部21に出力する。なお、復号された受信データパケットには、画像符号化データと、例えば通信端末1が受信した受信データパケットにエラーが存在するときに当該エラーを訂正可能とするための所定の誤り訂正符号とが付加された構成である。
誤り訂正符号復号部21は、受信パケット復号部20から出力された、誤り訂正符号が付加された画像符号化データを取得し、誤り訂正符号が付加された画像符号化データから誤り訂正符号を復号する。誤り訂正符号復号部21は、画像符号化データにエラーが存在している場合には、誤り訂正符号を用いて画像符号化データのエラーを訂正し、訂正後の画像符号化データを画像復号部22に出力する。誤り訂正符号復号部21は、画像符号化データにエラーが存在していない場合には、誤り訂正符号を取り除き、画像符号化データを画像復号部22に出力する。
画像復号部22は、誤り訂正符号復号部21から出力された画像符号化データを取得し、取得された画像符号化データを復号する。画像復号部22は、復号された画像データ及び当該画像データを表示部24に表示する旨の表示指示を表示制御部23に出力する。
表示制御部23は、画像復号部22から出力された画像データ及び表示指示を取得し、表示指示に基づいて画像データを表示部24に表示させる。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成され、表示制御部23の制御の下で、画像復号部22によって復号された画像データを表示する。
タイマ部25は、例えば通信端末1をコンピュータとして動作させるOS(operating system)の機能の一つであり、通信端末1のシステムクロック(時計)である。タイマ部25の出力信号、即ち通信端末1の時間情報は、制御部10の各部に入力される。また、タイマ部25は、制御部10に含める様に構成されてもよい。なお、図2では、タイマ部25からの矢印の図示を省略している。
RAM26は、通信端末1の各部の各動作におけるワークメモリに利用される。通信端末1において、RAM26とバッファ15とは共用して構成されてもよい。なお、図2では、RAM26への矢印の図示を省略している。
ROM27は、通信端末1の制御部10の各部の各動作が予め規定されたプログラムを記憶している。なお、制御部10の各部は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、制御部10の各部がソフトウェアにより構成される際には、通信端末1に内蔵されているCPUが制御部10の各部の各動作が予め規定されたプログラムをROM27から読み出すことにより、制御部10の各部が動作可能となる。なお、図2においては、ROM27への矢印の図示を省略している。
次に、パラメータT1、T2、時刻tPR、時刻tHO、最大伝送レートAmax、最大伝送レートBmax及びバッファ15に入出力される送信データパケットの関係について図4を参照して説明する。図4は、画像符号化レートの可変最小単位時間の区間毎の、符号化された画像符号化データ、送信される送信データパケット、通信方式、及びバッファ15に入力される送信データパケットの量を示す説明図である。
パラメータT1は、画像符号化部12における画像符号化レートの可変最小単位時間(以下「画像符号化レート最小単位時間」という)である。即ち、画像符号化部12は、画像符号化レート最小単位時間T1により規定された時間の間、画像符号化レートを変更することができない。例えば撮像部11から出力された映像データが1秒60枚のフレームの画像データで構成されている場合には、画像符号化レート最小単位時間T1は、少なくとも10枚のフレームに相当する時間の間では画像符号化レートを変更させない時間として、10×(1/60)(=約167)[msec]とする。
図4では、(m−4)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)は時刻t1から時刻t2まで、(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)は時刻t2から時刻t3まで、(m−2)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−2)は時刻t3から時刻t4まで、(m−1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−1)は時刻t4から時刻t5まで、m番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m)は時刻t5から時刻t6まで、(m+1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m+1)は時刻t6から時刻t7までである。パラメータmは5以上の自然数とする。
パラメータT2は、上述した様に、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間を表す。具体的には、パラメータT2は、inter−RATハンドオーバのプロトコル処理が開始されてから終了するまでに要する時間(例えば600[msec])である。
パラメータtPRは、上述した様に、ソース基地局SBSから送信されたinter−RATハンドオーバ情報を画像符号化部12が取得した時刻を表す。パラメータtHOは、パラメータT2の終了時刻を表す。具体的には、パラメータtHOは、inter−RATハンドオーバのプロトコル処理が終了した時刻を表す。inter−RATハンドオーバのプロトコル処理が終了して通信方式が通信方式Aから通信方式Bへの切り替わりが終了する時刻tHOまでは、通信端末1における最大伝送レートはAmax[bps]である。inter−RATハンドオーバのプロトコル処理が終了して通信方式が通信方式Aから通信方式Bへの切り替わりが終了する時刻tHO以降では、通信端末1における最大伝送レートはBmax[bps]である。
図4では、(m−4)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)の区間の間に、画像符号化部12がinter−RATハンドオーバ情報を取得し(時刻t=tPR)、m番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m)の区間の間にinter−RATハンドオーバのプロトコル処理が終了したとする(時刻t=tHO)。
(m−4)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)の区間に画像符号化部12により符号化された画像符号化データP1の送信データパケットは、(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)の区間に送信される。また、(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)の区間に画像符号化部12により符号化された画像符号化データP2の送信データパケットは、(m−2)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−2)の区間に送信される。同様な処理が繰り返され、m番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m)の区間に画像符号化部12により符号化された画像符号化データP5の送信データパケットは、(m+1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m+1)の区間に送信される。
画像符号化部12における画像符号化レートは、(m−4)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)の区間では通信方式Aに対応した最大伝送レートAmaxを超えないような画像符号化レートER(m−4)となる。画像符号化部12における画像符号化レートは、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)の次の区間に相当する、(m−3)番目〜(m+1)番目、…の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)〜T1(m+1)…以降の区間では、各画像符号化レート最小単位時間毎に計算され通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えないようにそれぞれ直接低減された画像符号化レートER(m−3)、ER(m−2)、ER(m−1)、ER(m)、ER(m+1)、…となる。これらの画像符号化レートは、通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えないような画像符号化レートであるが、理想的には最大伝送レートBmax又はほぼ最大伝送レートBmax以下であって且つ最大伝送レートBmaxに近い値であることが好ましい。
この場合、バッファ15に入力される符号化済みの送信データパケットの量は、図4に示す様に、(m−4)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)の区間ではER(m−5)T1、(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)の区間ではER(m−4)T1、(m−2)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−2)の各区間ではER(m−3)T1、(m−1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−1)の各区間ではER(m−2)T1、m番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m)の各区間ではER(m−1)T1、更に(m+1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m+1)の各区間ではER(m)T1となる。
但し、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)の次の区間に相当する、(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)以降の区間では、画像符号化部12における画像符号化レートは、画像符号化レート最小単位時間T1毎に計算され、通信方式Bに対応した最大伝レートBmaxを超えないようにそれぞれ直接低減された画像符号化レートに限定されなくてもよい。例えば後述する様に、(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)以降の区間における画像符号化レートは、(m−3)番目〜(m−1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−3)の区間からT1(m−1)の区間までに段階的に徐々に低減され、(m−1)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−1)において通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えないような画像伝送レートであればよい。
従って、バッファ15に入力される符号化済みの送信データパケットの量は、図4と異なり、(m−4)及び(m−3)番目の画像符号化レート最小単位時間T1(m−4)及びT1(m−3)の区間ではそれぞれER(m−5)T1、ER(m−4)T1となり、(m−2)番目以降の画像符号化レート最小単位時間T1(m−2)〜T1(m+1)ではそれぞれER(m−3)T1、ER(m−2)T1、ER(m−1)T1、ER(m)T1となる。また、バッファ15から出力される符号化済みの送信データパケットの量は、バッファ15からの出力時における実際の伝送レートに応じて決定される。
次に、移動体通信網31における通信端末1及びソース基地局SBS並びに移動体通信網32におけるターゲット基地局TBS間におけるinter−RATハンドオーバに関する信号のやり取りを、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の通信端末1、ソース基地局SBS及びターゲット基地局TBS間におけるinter−RATハンドオーバに関する信号のやり取りを説明するシーケンス図である。
移動体通信網31において、通信端末1の無線通信部16とソース基地局SBSとの間では、移動体通信網31における通信方式Aに応じたデータ伝送が行われている(S11)。なお、図5には図示を省略しているが、後述のステップS16又はステップS25で説明している場合に限らず、通信端末1とソース基地局SBSと又はターゲット基地局TBSとの間では、ステップS11と同様のデータ伝送は継続しているとする。
無線通信部16の回線品質測定部18は、パイロットチャネルを介してアンテナAntにより受信された参照信号を基に、通信方式Aの通信回線に関する回線品質を測定する(S12)。回線品質測定部18は、通信方式Aの通信回線に関する回線品質測定結果を送信部17に出力する。送信部17は、回線品質測定部18から出力された回線品質測定結果をソース基地局SBSに送信する(S13)。
また、画像符号化部12は、ステップS12及びS13で説明した無線通信部16の動作とは独立して、移動体通信網31における通信方式Aの最大伝送レートAmaxを超えないような画像符号化レートで画像データを符号化する(S14)。画像符号化部12により符号化された画像符号化データは、誤り訂正符号付加部13により誤り訂正符号が付加され、送信パケット生成部14により送信データパケットとして生成されてバッファ15に格納される。
更に、バッファ15に格納された送信データパケットは、符号化された画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の画像符号化レート最小単位時間T1の区間に、バッファ15から無線通信部16の送信部17に出力される(S15)。送信部17は、送信データパケットを、アンテナAntを介して、ソース基地局SBSに送信する。即ち、移動体通信網31において、通信端末1の無線通信部16とソース基地局SBSとの間では、移動体通信網31における通信方式Aに応じたデータ伝送が行われている(S16)。
ソース基地局SBSは、無線通信部16の送信部17から送信された回線品質測定結果又は送信データパケットを受信する。ここで、回線品質測定結果が、例えばソース基地局SBSが提供する移動体通信網31における通信方式Aの通信回線の回線品質測定結果が所定の閾値未満であって、且つターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32における通信方式Bの通信回線の回線品質測定結果が同閾値を超えているとする。この場合、ソース基地局SBSは、通信端末1との通信方式を、ソース基地局SBSが提供する移動体通信網31における通信方式Aから、ターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32における通信方式Bに切り替える事、即ち、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする事を決定する(S17)。
ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバする事を決定した後、コアネットワークNWを介して、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨をターゲット基地局TBSに送信する。即ち、ソース基地局SBSとターゲット基地局TBSとの間で、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨が共有される(S18)。
ソース基地局SBSは、ターゲット基地局TBSとの間で、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨を共有した後、inter−RATハンドオーバ情報を生成して通信端末1に送信する(S19)。無線通信部16の受信部19は、inter−RATハンドオーバ情報を画像符号化部12に出力する(S20)。
ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバ情報を生成して通信端末1に送信した後、通信端末1とソース基地局SBSとターゲット基地局TBSとの間で、inter−RATハンドオーバの手続きを実行する(S21)。inter−RATハンドオーバの手続きの実行が終了すると、通信端末1の接続基地局はターゲット基地局TBSとなり、通信端末1が使用可能に割り当てられる通信方式は通信方式Bとなる。
無線通信部16、ソース基地局SBS及びターゲット基地局TBSの間でinter−RATハンドオーバの手続きが実行している間、画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバ情報を取得した時刻tPRを起点に、inter−RATハンドオーバ情報に含まれるinter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2が経過する前に、画像符号化レートを低減する(S22)。ステップS22の画像符号化レートの低減方法については通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えないような画像伝送レートに直接低減する方法でもよいし、図7又は図8において後述する段階的に低減する方法でもよい。
画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行が終了した時刻tHO以降では、移動体通信網32における通信方式Bに対応した最大伝送レートBmaxを超えないような画像符号化レートで画像データを符号化する(S23)。画像符号化部12により符号化された画像符号化データは、誤り訂正符号付加部13により誤り訂正符号が付加され、送信パケット生成部14により送信データパケットとして生成されてバッファ15に格納される。
更に、バッファ15に格納された送信データパケットは、符号化された画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の画像符号化レート最小単位時間T1の区間に、バッファ15から無線通信部16の送信部17に出力される(S24)。送信部17は、送信データパケットを、アンテナAntを介して、ソース基地局SBSに送信する。即ち、移動体通信網32において、通信端末1の無線通信部16とターゲット基地局TBSとの間では、移動体通信網32における通信方式Bに応じたデータ伝送が行われている(S25)。
次に、画像符号化部12による画像符号化レートの低減方法について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、本実施形態の通信端末1における時刻tPR以前、時刻tPR〜時刻tHO、及び時刻tHO以降の通信方式の最大伝送レートのグラフを示す図である。図6の横軸は時間t[sec]であり、同図の縦軸は通信端末1の通信方式の最大伝送レート[bps]である。図7は、本実施形態の通信端末1における画像符号化レートの第1低減方法の詳細を説明するフローチャートである。図8は、本実施形態の通信端末1における画像符号化レートの第2低減方法の詳細を説明するフローチャートである。
画像符号化レートは、時刻tPRまでは通信方式Aに対応する最大伝送レートAmaxを超えない範囲で変化している。画像符号化レートは、時刻tPR〜tHOまでは通信方式Aに対応する最大伝送レートAmaxを超えない値の範囲から通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えない値の範囲に向かって段階的に徐々に低減される。画像符号化レートは、更に、時刻tHO以降では最大伝送レートBmaxを超えない範囲になる。なお、図6に示す時刻t1〜t7は図4に示す時刻t1〜t7と同様である。
即ち、図4に示した画像符号化レートの低減方法は、最大伝送レートを変化させてそれに伴い画像符号化レートを低減させるものであり、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間における最大伝送レートAmaxに基づく画像符号化レートから、次の画像符号化レート最小単位時間T1の区間以降では新しい通信方式Bの最大伝送レートBmaxに基づく画像符号化レートER(m−3)に直接低減する方法である。以下、この低減方法の以外に、2つの低減方法を説明する。2つの低減方法に共通する区間数k(後述参照)を、数式(1)により示す。数式(1)において、[x]は実数xの小数点以下を切り捨てて整数値を算出するための関数であり、パラメータkは自然数である。なお、パラメータT1とT2とは数式(2)を満たす。
画像符号化レートの第1の低減方法は、画像符号化部12の利用可能な通信帯域を決める方法であり、通信方式Aに対応し通信端末1に割り当てられた最大伝送レートAmaxから通信方式Bに対応し通信端末1に割り当てられた最大伝送レートBmaxへ最大伝送レートを変更し、それに従って画像符号化レート最小単位時間T1毎に段階的に徐々に画像符号化レートを低減する方法である。この第1の低減方法の詳細は図7を参照して後述する。第1の低減方法によれば、画像符号化部12は、画像符号化レート最小単位時間T1毎の最大伝送レートを素早く算出することができ、それを用いて画像符号化レートを算出することができる。
画像符号化レートの第2の低減方法は、送信データパケットから推定される往復遅延時間RTTを基に算出した画像符号化レートを用いて画像符号化レートを可変する場合に、画像符号化レート最小単位時間T1毎に継続して算出された画像符号化レートER(n)、通信方式Bの最大伝送レートBmaxを基に、移動体通信網31における通信方式Aに対応した画像符号化レートを、画像符号化レート最小単位時間T1毎に段階的に徐々に低減する方法である。この第2の低減方法の詳細は図8を参照して後述する。第2の低減方法によれば、画像符号化部12は、コアネットワークNWの実情の輻輳状態に応じた通信回線の品質を考慮して、画像符号化レートの最小単位時間T1毎の画像符号化レートを適切に算出することができる。
なお、第1の低減方法は、通信端末1がある時刻に通信できる最大転送レート(最大伝送レート)を求めるものであり、画像符号化レートは、最大転送レート以下になるように符号化される。第2の低減方法は、ある時刻の画像符号化レートを直接求めるものである。
まず、画像符号化レートの第1の低減方法について図7を用いて説明する。図7において、画像符号化部12は、タイマ部25からの出力をタイマリセットし(S31)、以後、タイマ部25からの出力を基に画像符号化レート最小単位時間T1の(区間の)経過を認知する(S32)。画像符号化部12は、受信部19からinter−RATハンドオーバ情報を取得した場合に(S33、YES)、タイマ部25からの出力を基に時刻t=tPRとする(S34)。画像符号化部12が受信部19からinter−RATハンドオーバ情報を取得しない場合には(S33、NO)、画像符号化部12の処理はステップS34に進まず、画像符号化部12の画像符号化レートは、通信方式Aに対応する最大伝送レートAmaxを超えない値の範囲に設定されている。
更に、画像符号化部12は、時刻tPRを起点にinter−RATハンドオーバ情報に含まれる時間T2が経過するまでの間において、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の同区間から時間T2が終了するときの時刻tHOを含む同区間までの区間数kを、数式(1)に従って算出する(S35)。
画像符号化部12は、パラメータnを初期化し(S36)、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の同区間における画像符号化レートを算出する際に必要となる最大伝送レートA’max(n)を、数式(3)に従って算出する(S37)。パラメータnは、1〜kの自然数であり、図6の例ではk=4であるため1,2,3,4である。画像符号化部12は、通信方式Aにおける最大伝送レートAmax、通信方式Bにおける最大伝送レートBmax、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2に関する情報を取得している。
画像符号化部12は、ステップS37で算出されたA’max(n)を超えない範囲で、n番目の画像符号化レート最小単位時間T1の区間における画像符号化レートER(n)を算出し(S38)、算出された画像符号化レートER(n)で撮像部11からの画像データを符号化する。ステップS38の後、パラメータnが最大値kに達したか否かが問われる(S39)。パラメータnが最大値kに達した場合には(S39、YES)、図7のフローチャートの処理は終了する。パラメータnが最大値kに達していない場合には(S39、NO)、パラメータnがインクリメントされ(S40)、ステップS37の処理に移行する。
なお、数式(3)の場合、通信方式の最大伝送レートを用いて画像符号化レートを決定しているため、実際の回線状況を反映していない。そのため、数式(3)に加えて、通常と同じようにRTTを用いて演算した画像符号化レートを基に画像符号化レートを決定するほうが好ましい。
次に、画像符号化レートの第2の低減方法について図8を用いて説明する。図8において、画像符号化部12は、タイマ部25からの出力をタイマリセットし(S31)、以後、タイマ部25からの出力を基に画像符号化レート最小単位時間T1の(区間の)経過を認知する(S32)。画像符号化部12は、画像符号化レート最小単位時間T1の経過毎に受信部19からRTTを取得し、取得されたRTTを基に画像符号化レートERを画像符号化レート最小単位時間T1毎に算出しているとする。
画像符号化部12は、受信部19からinter−RATハンドオーバ情報を取得した場合に(S33、YES)、タイマ部25からの出力を基に時刻t=tPRとする(S34)。画像符号化部12が受信部19からinter−RATハンドオーバ情報を取得しない場合には(S33、NO)、画像符号化部12の処理はステップS34に進まず、画像符号化部12の画像符号化レートは通常通り算出される。
更に、画像符号化部12は、時刻tPRを起点にinter−RATハンドオーバ情報に含まれる時間T2が経過するまでの間において、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の同区間から時間T2が終了するときの時刻tHOを含む同区間までの区間数kを、数式(1)に従って算出する(S35)。
画像符号化部12は、通信方式Aに対する最大伝送レートAmaxに関する情報及び通信方式Bに対する最大伝送レートBmaxに関する情報を取得している。画像符号化部12は、パラメータnを初期化し(S36)、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の同区間における画像符号化レートER’(n)を、数式(4)に従って算出する(S47)。数式(4)において、画像符号化レートER(n)は、過去の画像符号化レートER(n−1)、受信部19から受信したRTT、最大伝送レートAmaxに基づいてInter−RAT HO時以外の通常時と同じ計算式で算出した画像符号化レートを表す。更に、n=1のときのER(0)は、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間における画像符号化レートを表す。
画像符号化部12は、ステップS47で算出されたER’(n)を、n番目の画像符号化レート最小単位時間T1の区間における画像符号化レートとし(S48)、算出された画像符号化レートER’(n)で撮像部11からの画像データを符号化する。ステップS48の後、パラメータnが最大値kに達したか否かが問われる(S39)。パラメータnが最大値kに達した場合には(S39、YES)、図8のフローチャートの処理は終了する。パラメータnが最大値kに達していない場合には(S39、NO)、パラメータnがインクリメントされ(S40)、ステップS37の処理に移行する。
図9は、本実施形態の通信端末1のバッファ15において時刻tPR以前、時刻tPR〜時刻tHO、及び時刻tHO以降に格納される各送信データパケットの量の一例のグラフを示す図である。時刻tPR以前では、通信方式Aの最大伝送レートAmaxを超えないように画像符号化レートで符号化されており、バッファ15には多くの送信データパケットが格納される。
時刻tPR〜tHOの間では、画像符号化レートが通信方式Aに対応する最大伝送レートAmaxを超えない画像符号化レートから通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えない画像符号化レートに向かって段階的に徐々に低減(図7又は図8参照)している。このため、バッファ15内に格納される送信データパケットの量も時刻tPRから時刻tHOに向かって段階的に漸減していく。時刻tHO以降では、通信方式Bの最大伝送レートBmaxを超えない画像符号化レートで符号化されており、バッファ15には時刻tPR以前に比べて少ない送信データパケットが格納される。
以上により、本実施形態の通信端末1は、データ伝送に使用可能な伝送レートが現状よりも低い伝送レートとなるinter−RATハンドオーバが実行された後でも、バッファ15内に格納された送信データパケットの滞留の発生を抑制し、更に、送信データパケットの滞留に起因したパケット損失の発生確率を低減することができる。
以上、図面を参照しながら実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施形態の変更例または修正例、更に各種実施形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、上述した画像符号化部12における画像符号化レートは、上述した低減方法のうちいずれかの低減方法により実現可能であるが、例えば次の低減方法によって実現してもよい。具体的には、画像符号化部12は、予め限定的に指定された複数の画像符号化レートの値を有しており、上記第1の低減方法、第2の低減方法によって求めた値を満たす画像符号化レートに最も近い候補の画像符号化レート、又は、求めた値を満たす画像符号化レートの算出値以下であって複数の画像符号化レートの値に最も近い画像符号化レートに決定する。
なお、上述した実施形態では、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2が画像符号化レート最小単位時間T1に比べて相当に大きい関係がある場合を説明した(図10(a)参照)。図10(a)は、時間T2が画像符号化レート最小単位時間T1に比べて十分に長い場合の時間T2と画像符号化レートの可変最小単位時間T1との関係を示す図である。図10(a)はパラメータk=6の例である。
画像符号化部12は、パラメータkが3以上の自然数である場合には、上述した実施形態の様に数式(3)又は数式(4)に従って、n番目の画像符号化レート最小単位時間T1の区間における画像符号化レートを、画像符号化レート最小単位時間T1毎に算出し、算出された画像符号化レートを用いて画像データを符号化する。
また、画像符号化部12は、パラメータk=2の場合には、上述した実施形態の様に数式(3)又は数式(4)を用いず、1番目及び2番目の各画像符号化レート最小単位時間T1の区間における画像符号化レートER(1)、ER(2)を、通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えない画像符号化レートに決定し、決定された画像符号化レートで画像データを符号化する。
また、画像符号化部12は、パラメータkが2未満の自然数、即ち1である場合には、時刻tPRを含む画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の同区間における画像符号化レートER(1)を通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えない画像符号化レートとする。更に、送信パケット生成部14は、送信データパケットのうち重要性の低いパケット(例えばデータパケット)を間引き、重要性の高いパケット(例えば制御パケット)を送信部17に出力する。また、送信パケット生成部14は、送信データパケットのうち重要性の低いパケットとして例えばPフレーム若しくはBフレームを間引き、重要性の高いパケットとして例えばIフレームを送信部17に出力してもよい。
また、パラメータkが例えば1又は2であると、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とあまり変わらない場合がある(図10(b)参照)。図10(b)は、時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とがあまり変わらない場合の時間T2と画像符号化レートの可変最小単位時間T1との関係を示す図である。図10(b)はパラメータk=2の例である。
図10(b)に示す様に、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とがあまり変わらない場合、画像符号化部12は、時間T2の経過後に更に引き延ばし時間ΔT2が経過するまでに、図7又は図8で説明した様に画像符号化レートを徐々に低減してもよい(図11参照)。
図10(b)に示す様に、引き延ばし時間ΔT2は、時刻tHOから時刻tCHまでの所定の時間であり、時刻tHOにinter−RATハンドオーバのプロトコル処理が終了した後であって、所定の時間(≒(tCH−tHO))の経過後に通信方式が通信方式Aから通信方式Bへの切り替わりが終了するまでに要する時間である。従って、画像符号化部12は、時間T2と引き延ばし時間ΔT2との合計の時間T2’の間に、画像符号化レートを、上述した第1の低減方法又は第2の低減方法に従って通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えないような画像符号化レートに向けて段階的に徐々に低減する。これにより、通信端末1は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とがあまり変わらない場合でも、画像符号化レートを段階的に徐々に低減することができ、バッファ15に滞留する送信データパケットの量を漸減することができ、パケット損失の発生確率を効果的に低減することができる。
inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とがあまり変わらない場合の、通信端末1、ソース基地局SBS及びターゲット基地局TBS間におけるinter−RATハンドオーバに関する信号のやり取りを、図11を参照して説明する。図11は、時刻tPR〜時刻tHOまでの時間T2と画像符号化レートの可変最小単位時間T1とがあまり変わらない場合における通信端末、ソース基地局及びターゲット基地局間におけるinter−RATハンドオーバに関する信号のやり取りを説明するシーケンス図である。
移動体通信網31において、通信端末1の無線通信部16とソース基地局SBSとの間では、移動体通信網31における通信方式Aに応じたデータ伝送が行われている(S11)。なお、図11には図示を省略しているが、後述のステップS16又はステップS25で説明している場合に限らず、通信端末1とソース基地局SBSと又はターゲット基地局TBSとの間では、ステップS11と同様のデータ伝送は継続しているとする。
無線通信部16の回線品質測定部18は、パイロットチャネルを介してアンテナAntにより受信された参照信号を基に、通信方式Aの通信回線に関する回線品質を測定する(S12)。回線品質測定部18は、通信方式Aの通信回線に関する回線品質測定結果を送信部17に出力する。送信部17は、回線品質測定部18から出力された回線品質測定結果をソース基地局SBSに送信する(S13)。
また、画像符号化部12は、ステップS12及びS13で説明した無線通信部16の動作とは独立して、移動体通信網31における通信方式Aに対応する最大伝送レートAmaxを超えない範囲で画像符号化レートを決定し、決定された画像符号化レートで画像データを符号化する(S14)。画像符号化部12により符号化された画像符号化データは、誤り訂正符号付加部13により誤り訂正符号が付加され、送信パケット生成部14により送信データパケットとして生成されてバッファ15に格納される。
更に、バッファ15に格納された送信データパケットは、符号化された画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の画像符号化レート最小単位時間T1の区間に、バッファ15から無線通信部16の送信部17に出力される(S15)。送信部17は、送信パデータパケットを、アンテナAntを介して、ソース基地局SBSに送信する。即ち、移動体通信網31において、通信端末1の無線通信部16とソース基地局SBSとの間では、移動体通信網31における通信方式Aに応じたデータ伝送が行われている(S16)。
ソース基地局SBSは、無線通信部16の送信部17から送信された回線品質測定結果又は送信データパケットを受信する。ここで、回線品質測定結果が、例えばソース基地局SBSが提供する移動体通信網31における通信方式Aの通信回線の回線品質測定結果が所定の閾値未満であって、且つターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32における通信方式Bの通信回線の回線品質測定結果が同閾値を超えているとする。この場合、ソース基地局SBSは、通信端末1との通信方式を、ソース基地局SBSが提供する移動体通信網31における通信方式Aから、ターゲット基地局TBSが提供する移動体通信網32における通信方式Bに切り替える事、即ち、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする事を決定する(S17)。
ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバする事を決定した後、コアネットワークNWを介して、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨をターゲット基地局TBSに送信する。即ち、ソース基地局SBSとターゲット基地局TBSとの間で、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨が共有される(S18)。
ソース基地局SBSは、ターゲット基地局TBSとの間で、通信端末1との通信に関してinter−RATハンドオーバする旨を共有した後、inter−RATハンドオーバ情報を生成して通信端末1に送信する(S19)。無線通信部16の受信部19は、inter−RATハンドオーバ情報を画像符号化部12に出力する(S20)。
ソース基地局SBSは、inter−RATハンドオーバ情報を生成して通信端末1に送信した後、通信端末1とソース基地局SBSとターゲット基地局TBSとの間で、inter−RATハンドオーバの手続きを実行する(S21)。inter−RATハンドオーバの手続きは時刻tPRに開始されて時刻tHOに終了する。inter−RATハンドオーバの手続きの実行が終了すると、無線通信部16、ソース基地局SBS及びターゲット基地局TBS間では、所定の引き延ばし時間ΔT2の経過後に、通信方式が通信方式Aから通信方式Bに切り替わる(S26)。この場合、通信端末1の接続基地局はターゲット基地局TBSとなり、通信端末1が使用可能に割り当てられる通信方式は通信方式Bとなる。
画像符号化部12は、inter−RATハンドオーバ情報を取得した時刻tPRを起点に、無線通信部16、ソース基地局SBS及びターゲット基地局TBSの間でinter−RATハンドオーバの手続きの実行が終了して更に所定の引き延ばし時間ΔT2が経過するまでの間、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2及び所定の引き延ばし時間ΔT2による合計時間T2’が経過する前に、画像符号化レートを、通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えないような画像符号化レートに低減する(S27)。ステップS27の画像符号化レートの低減方法は図4、図7又は図8にて説明した低減方法と同様であるため、説明は省略する。
画像符号化部12は、所定の引き延ばし時間ΔT2が終了した時刻tCH以降では、移動体通信網32における通信方式Bに対応する最大伝送レートBmaxを超えないような画像符号化レートで画像データを符号化する(S23)。画像符号化部12により符号化された画像符号化データは、誤り訂正符号付加部13により誤り訂正符号が付加され、送信パケット生成部14により送信データパケットとして生成されてバッファ15に格納される。
更に、バッファ15に格納された送信データパケットは、符号化された画像符号化レート最小単位時間T1の区間の次の画像符号化レート最小単位時間T1の区間に、バッファ15から無線通信部16の送信部17に出力される(S24)。送信部17は、送信パデータパケットを、アンテナAntを介して、ソース基地局SBSに送信する。即ち、移動体通信網32において、通信端末1の無線通信部16とターゲット基地局TBSとの間では、移動体通信網32における通信方式Bに応じたデータ伝送が行われている(S25)。
なお、画像符号化レートを通信方式Bの最大伝送レート以下になるような画像符号化レートに確実に合わせられる様に、引き延ばし時間ΔT2を導入し、通信方式Aから通信方式Bに切り替わるタイミングを遅らせるようにしている。更に、通信端末1は、通信端末1にてinter−RATハンドオーバのプロトコル処理をする際に、ソース基地局SBSからの通信に対してすぐに応答せずに、基地局に対する応答時間を間延びさせることで、inter−RATハンドオーバのプロトコル処理時間T2を延長し、通信方式Aから通信方式Bに切り替わるタイミングを遅らせることにより、画像符号化レートを通信方式Bの最大伝送レート以下になるような画像符号化レートに確実に合わせる様にすることもできる。
以下、上述した様な本発明に係る通信端末及び符号化レート低減方法の構成、作用及び効果を説明する。
本発明に係る第1の発明は、第1の基地局及び前記第1の基地局とは異なる通信方式で通信する第2の基地局に接続される通信端末であって、前記第1の基地局及び前記第2の基地局に接続される通信部と、所定時間T毎に前記第1の基地局又は前記第2の基地局に応じた符号化レートで符号化し前記通信部に出力する符号化部と、を備え、前記通信部は、前記第1の基地局に接続されているときであって、前記第1の基地局から前記第2の基地局へ接続先を変更する場合、前記第2の基地局への接続の変更が完了する前に、前記第2の基地局に関する情報を含み第1の基地局から第2の基地局に変更する旨を示す変更情報を前記符号化部に出力し、前記符号化部は、前記変更情報を取得すると、前記第1の基地局に応じた符号化レートから前記第2の基地局に応じた符号化レートに変更する。
本発明に係る第1の発明によれば、通信端末は、データ伝送に使用可能な最大伝送レートが現状よりも低い最大伝送レートとなる移動体通信網へのハンドオーバの手続きの実行後でも、バッファ内におけるデータパケットの滞留に起因したパケット損失の発生確率を低減することができる。
本発明に係る第2の発明は、第1の発明に係る通信端末であって、前記通信部は前記第1の基地局から前記第2の基地局へ接続先を変更する手続を開始するときに、前記符号化部に前記変更情報を送信する。
本発明に係る第2の発明によれば、画像符号化レートを早めに落とすことでき、より効率的に画像符号化レートを低減させることができる。
本発明に係る第3の発明は、第1又は第2の発明に係る通信端末であって、前記変更情報は、前記第1の基地局から前記第2の基地局へ変更する際にかかる時間を更に含む。
本発明に係る第3の発明によれば、通信端末は、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間が通信端末において既知でない場合に、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間を認知することができる。
本発明に係る第4の発明は、第1〜第3の発明のうちいずれかの発明に係る通信端末であって、前記通信部は、前記第1の基地局から前記第2の基地局に変更するための手続を終えた後、所定時間後、前記第1の基地局から前記第2の基地局に通信を切り替える。
本発明に係る第4の発明によれば、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とがあまり変わらない場合でも、画像符号化レートを段階的に低減することができ、バッファ15に滞留する送信データパケットの量を漸減することができ、パケット損失の発生確率を効果的に低減することができる。
本発明に係る第5の発明は、第1〜第3の発明のうちいずれかの発明に係る通信端末であって、前記通信部は、前記第1の基地局から前記第2の基地局に変更するための手続において、前記第1又は前記第2の基地局へ応答するタイミングを遅らせ、前記第1の基地局から前記第2の基地局へ変更する際にかかる時間を延長する。
本発明に係る第6の発明によれば、inter−RATハンドオーバの手続きの実行に要する時間T2と画像符号化レート最小単位時間T1とがあまり変わらない場合でも、画像符号化レートを段階的に低減することができ、バッファ15に滞留する送信データパケットの量を漸減することができ、パケット損失の発生確率を効果的に低減することができる。
本発明に係る第6の発明は、第1〜第5の発明のうちいずれかの発明に係る通信端末であって、前記符号化部は、前記第1及び第2の基地局に対応する前記通信端末に割り当てられた送信可能なデータ量である各最大伝送レートに基づき、前記符号化レートを、前記第1の最大伝送レート未満の値から前記第2の最大伝送レート未満の値へ前記符号化レートの可変最小単位時間毎に徐々に低減する。
本発明に係る第6の発明によれば、通信端末は、画像符号化レート最小単位時間T1毎の画像符号化レートを素早く算出することができる。
本発明に係る第7の発明は、第1〜第5の発明のうちいずれかの発明に係る通信端末であって、前記符号化部は、前記符号化レートの可変最小単位時間の区間毎のラウンドトリップタイムと、前記第2の基地局に対応する前記通信端末に割り当てられた送信可能なデータ量である最大伝送レートとに基づき、前記画像符号化レートを可変最小単位時間毎に徐々に低減する。
本発明に係る第7の発明によれば、通信端末は、移動端末は、コアネットワークNWの輻輳状態に応じたRTTを考慮して、画像符号化レートの最小単位時間T1毎の画像符号化レートを適切に算出することができる。
本発明に係る第8の発明は、第1の基地局及び前記第1の基地局とは異なる通信方式で通信する第2の基地局に接続された通信ユニットに接続される通信端末であって、所定時間T毎に前記第1の基地局又は前記第2の基地局に応じた符号化レートで符号化し前記通信ユニットに出力する符号化部と、を備え、前記符号化部は、前記第2の基地局に関する情報を含み、前記通信ユニットが第1の基地局から第2の基地局に変更する旨を示す変更情報を受信すると、前記第1の基地局に応じた符号化レートから前記第2の基地局に応じた符号化レートに変更する。
本発明に係る第8の発明によれば、端末は、データ伝送に使用可能な最大伝送レートが現状よりも低い最大伝送レートとなる移動体通信網へのハンドオーバの手続きの実行後でも、バッファ内におけるデータパケットの滞留に起因したパケット損失の発生確率を低減することができる。
本発明に係る第9の発明は、第1の基地局及び前記第1の基地局とは異なる通信方式で通信する第2の基地局に接続される通信端末において、前記第1の基地局及び前記第2の基地局に接続される通信部と、所定時間T毎に前記第1の基地局又は前記第2の基地局に応じた符号化レートで符号化し前記通信部に出力する符号化部と、を備えた通信端末の符号化レート低減方法であって、前記通信部が、前記第1の基地局に接続されているときであって、前記第1の基地局から前記第2の基地局へ接続先を変更する場合、前記第2の基地局への接続の変更が完了する前に、前記通信部に前記第2の基地局に関する情報を含み第1の基地局から第2の基地局に変更する旨を示す変更情報を前記符号化部に出力するステップと、前記符号化部が、前記変更情報を受信すると、前記第1の基地局に応じた符号化レートから前記第2の基地局に応じた符号化レートに変更するステップと、を備える。
本発明に係る第9の発明によれば、データ伝送に使用可能な最大伝送レートが現状よりも低い最大伝送レートとなる移動体通信網へのハンドオーバの手続きの実行後でも、バッファ内におけるデータパケットの滞留に起因したパケット損失の発生確率を低減することができる。
本発明に係る第10の発明は、第1の基地局及び前記第1の基地局とは異なる通信方式で通信する第2の基地局に接続された通信ユニットに接続される通信端末において、所定時間T毎に前記第1の基地局又は前記第2の基地局に応じた符号化レートで符号化し前記通信ユニットに出力する符号化部と、を備え通信端末の符号化レート低減方法であって、前記符号化部は、前記第2の基地局に関する情報を含み、前記通信ユニットが第1の基地局から第2の基地局に変更する旨を示す変更情報を受信すると、前記第1の基地局に応じた符号化レートから前記第2の基地局に応じた符号化レートに変更するステップを備える。
本発明に係る第10の発明によれば、データ伝送に使用可能な最大伝送レートが現状よりも低い最大伝送レートとなる移動体通信網へのハンドオーバの手続きの実行後でも、バッファ内におけるデータパケットの滞留に起因したパケット損失の発生確率を低減することができる。