以下、本発明の実施の形態に係るスイング式の油圧ショベルについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図10は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1はスイング式の油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、該上部旋回体4の前側に後述のスイングポスト6を用いて左,右方向に揺動可能に支持された作業装置5とを含んで構成されている。
作業装置5は、後述する旋回フレーム18の支持ブラケット18Gに左,右方向に揺動可能に支持されたスイングポスト6と、該スイングポスト6に俯仰動可能に取付けられたブーム7と、該ブーム7の先端側に俯仰動可能に取付けられたアーム8と、該アーム8の先端側に回動可能に取付けられた作業具の1つとなるバケット9とを含んで構成されている。
スイングポスト6は、旋回フレーム18の支持ブラケット18Gを上,下方向から挟む上面部6A,下面部6Bと、該各面部6A,6Bから左,右方向に間隔をもって上側および前側に延びた左延長板6C,右延長板6Dと、該右延長板6Dから右側に延びたスイングシリンダ取付腕6E(図2参照)とにより構成されている。図3、図6に示すように、各延長板6C,6Dの上側部位はブーム支持部6C1,6D1となり、前側部位はブームシリンダ支持部6C2,6D2となっている。スイングポスト6は、各面部6A,6Bが連結ピン(図示せず)を介して支持ブラケット18Gのボス部材18G3に左,右方向(水平方向)に揺動可能に取付けられている。
ブーム7は、上面7A、下面7B、左面7C、右面7Dによって囲まれ、内部が閉塞された断面四角形状のボックス構造体として形成されている。アーム8は、ブーム7とほぼ同様に、内部が閉塞された断面四角形状のボックス構造体として形成されている。
バケット9は、土砂の掘削作業を行うときに用いる作業具であり、掘削作業以外の作業を行うときには他の作業具に交換することができる。例えば、解体作業時には、バケット9に代え、グラップル、圧砕機等(いずれも図示せず)に交換することができる。この場合、グラップル等の作業具は、掴み動作と回転動作との2つの動作を行うものであるから、バケット9の回動動作に用いていた油圧経路の他に別途油圧経路を追加する必要がある。そこで、油圧ショベル1は、作業具を交換して用いることを想定し、予め追加の油圧経路、即ち、後述のエキストラ油圧配管16E〜16Gを備えている。
図1に示すように、作業装置5のスイングポスト6とブーム7との間には、該ブーム7を作動させるブームシリンダ10が設けられ、ブーム7とアーム8との間には、該アーム8を作動させるアームシリンダ11が設けられ、アーム8とバケット9との間には、該バケット9を作動させるバケットシリンダ12が設けられている。一方、図2に示すように、スイングポスト6のスイングシリンダ取付腕6Eと旋回フレーム18との間には、該スイングポスト6を作動させるスイングシリンダ13が設けられている。
ブームシリンダ10は、基端側となるボトム側がスイングポスト6の各延長板6C,6Dのブームシリンダ支持部6C2,6D2に取付けられたチューブ10Aと、該チューブ10A内でピストン(図示せず)に連結されると共に、該チューブ10Aの先端側から伸縮可能に突出したロッド10Bとにより構成されている。このロッド10Bの先端部は、ブーム7に取付けられている。
アームシリンダ11、バケットシリンダ12は、ブームシリンダ10とほぼ同様に、チューブ11A,12Aとロッド11B,12Bとを含んで構成されている。スイングシリンダ13も、これらのシリンダ10,11,12とほぼ同様の構成を有している。
ここで、ブームシリンダ10には、ブーム落下防止弁14が取付けられている。このブーム落下防止弁14は、後述する油圧管路23Cが破損したときに、ブームシリンダ10のロッド10Bが縮小するのを抑制し、アーム8、バケット9と共にブーム7が落下するのを防止するものである。このブーム落下防止弁14には、ブームシリンダ10に圧油を給排する油圧管路23Cと制御用の油圧管路23L,23Nの作業装置側ホース23L2,23N1とが接続されている。
アームシリンダ11には、アーム落下防止弁15が取付けられている。このアーム落下防止弁15は、後述するアーム用油圧配管16B、油圧管路23Bが破損したときに、アームシリンダ11のロッド11Bが伸長するのを抑制し、アーム8、バケット9が落下するのを防止するものである。このアーム落下防止弁15には、アームシリンダ11に圧油を給排する油圧管路アーム用油圧配管16Bとパイロット油圧配管17A,17B(制御用の油圧管路23M,23Nの作業装置側ホース23M2,23N2)とが接続されている。
一方、作業装置5には、ブーム7の上面7Aに沿って延びる油圧配管群16が設けられ、この油圧配管群16は、アームシリンダ11に圧油を給排するアーム用油圧配管16A,16Bと、バケットシリンダ12に圧油を給排するバケット用油圧配管16C,16Dと、例えばバケット9をグラップル等に交換したときに使用する他の油圧経路としてのエキストラ油圧配管16E,16F,16Gとを含んでいる。これらの油圧配管16A〜16Gは、設置場所に応じて金属管と可撓性を有するホースとを適宜に組合せて形成されている。
さらに、作業装置5には、アーム落下防止弁15を制御するための2本のパイロット油圧配管17A,17Bが油圧配管群16に沿うように設けられている。このパイロット油圧配管17A,17Bは、アームシリンダ11に取付けられたアーム落下防止弁15に接続されている。
作業装置5に設けられた油圧配管群16(16A〜16G)とパイロット油圧配管17A,17Bとは、ブーム7の基端側(フート部側)の位置で接続端となっている。アーム用油圧配管16A,16Bには、制御弁装置21から延びるアーム用の油圧管路23A,23Bが接続され、バケット用油圧配管16C,16Dには、制御弁装置21から延びるバケット用の油圧管路23E,23Fが接続されている。エキストラ油圧配管16E,16F,16Gには、制御弁装置21または作動油タンク30から延びる予備の油圧管路23P,23Q,23Rの作業装置側ホース23P2,23Q2,23R1が接続され、パイロット油圧配管17A,17Bには、制御用の油圧管路23M,23Nの作業装置側ホース23M2,23N2が接続されている。
18は上部旋回体4のベースとなる旋回フレームである。この旋回フレーム18は、図4に示すように、前,後方向に延びた底板18Aと、該底板18A上に左,右方向に間隔をもって前,後方向に延びて立設された左縦板18B,右縦板18Cと、前記底板18Aの前端部位から左,右方向の左側に延びつつ屈曲して後方に延びた左サイドフレーム18Dと、前記底板18Aの前端部位から左,右方向の右側に延びつつ屈曲して後方に延びた右サイドフレーム18Eと、前記各縦板18B,18Cの後端縁に固着された状態で前記底板18A上に左,右方向に延びて立設された後横板18Fと、前側に設けられた支持ブラケット18Gとにより構成されている。
ここで、支持ブラケット18Gは、作業装置5のスイングポスト6を支持するもので、前方に突出して設けられている。支持ブラケット18Gは、左,右の縦板18B,18Cの前側部分を含んで形成され、該各縦板18B,18Cを上,下方向で挟んだ上板18G1と下板18G2とを有している。支持ブラケット18Gには、各縦板18B,18C、上板18G1、下板18G2の先端部に位置して垂直方向を軸線とする円筒状のボス部材18G3が設けられている。支持ブラケット18Gは、ボス部材18G3に挿着される連結ピン(図示せず)を介して作業装置5のスイングポスト6を左,右方向に揺動可能に支持するものである。
支持ブラケット18Gを形成する上板18G1には、右サイドフレーム18Eの前端部とほぼ同じ前,後位置の右側寄りに2個の前側めねじ孔18Hが左,右方向に間隔をもって設けられている。一方、後横板18Fには、前側めねじ孔18Hの後方に位置して1個の後側めねじ孔18Jが設けられている。図9に示すように、前側めねじ孔18Hには、後述する閉塞カバー38の前取付脚38Bを取付けるためのボルト39が螺着され、後側めねじ孔18Jには、閉塞カバー38の後取付脚38Cを取付けるためのボルト39が螺着される。
19は旋回フレーム18の後側に搭載された原動機としてのエンジン(図1中に点線で図示)で、該エンジン19は、例えば左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。エンジン19は、後述の油圧ポンプ20を駆動するものである。
20はエンジン19に取付けられた油圧ポンプで、該油圧ポンプ20は、下部走行体2、旋回装置3および作業装置5に設けられたアクチュエータに供給する圧油を吐出するものである。油圧ポンプ20は、後述の制御弁装置21と作動油タンク30とに接続されている。
21はエンジン19の前側に位置して左縦板18Bと左サイドフレーム18Dとの間に搭載された制御弁装置である。この制御弁装置21は、後述する左,右の作業操作レバー25,26、スイング操作ペダル27、予備ペダル28の操作に応じて駆動する油圧パイロット部を備えた複数個の油圧パイロット式スプール弁により形成されている。ここで、制御弁装置21は、図10に示す如く、旋回装置3の旋回モータ3Aを制御する旋回制御弁21Aと、作業装置5のアームシリンダ11を制御するアーム制御弁21Bと、スイングシリンダ13を制御するスイング制御弁21Cと、ブームシリンダ10を制御するブーム制御弁21Dと、バケットシリンダ12を制御するバケット制御弁21Eと、アクチュエータが増設されたときに使用される予備制御弁21Fとを含んで構成されている。予備制御弁21Fは、例えば、バケット9を解体作業に用いるグラップル、圧砕機等に交換したときに、追加される動作(操作)を行うための制御弁となっている。
制御弁装置21は、主管路22を介して油圧ポンプ20に接続され、それぞれの油圧パイロット部には、左,右の作業操作レバー25,26、スイング操作ペダル27、予備ペダル28から延びる後述のパイロット管路29が接続されている。
23は制御弁装置21と作業装置5に設けられた各アクチュエータを含む複数の機器、即ち、各シリンダ10,11,12,13、各落下防止弁14,15、作動油タンク30等とを接続する複数本の油圧管路を示している。
各油圧管路23は、作業装置5を動作させるときに圧油を給排する複数本の油圧管路23A〜23Fにより構成されている。これらの油圧管路23A〜23Fのうち、油圧管路23A,23Bは、制御弁装置21のアーム制御弁21Bからアームシリンダ11に圧油を給排するもので、アーム制御弁21Bと油圧配管群16のアーム用油圧配管16A,16Bとを接続する油圧ホースとして形成されている。油圧管路23C,23Dは、制御弁装置21のブーム制御弁21Dからブームシリンダ10に圧油を給排するもので、ブーム制御弁21Dとブームシリンダ10のチューブ10Aとを接続する油圧ホースとして形成されている。油圧管路23E,23Fは、制御弁装置21のバケット制御弁21Eからバケットシリンダ12に圧油を給排するもので、バケット制御弁21Eと油圧配管群16のバケット用油圧配管16C,16Dとを接続する油圧ホースとして形成されている。
これらの油圧管路23A〜23Fは、図3に示すように、制御弁装置21から旋回フレーム18の左縦板18Bの左側を該左縦板18Bに沿って前側に延び、支持ブラケット18Gのボス部材18G3を巻き込むようにしてスイングポスト6内に入り込んでいる。スイングポスト6内に入り込んだ油圧管路23A〜23Fのうち、ブーム用の油圧管路23C,23Dは、スイングポスト6の前側に配策され、ブームシリンダ10に接続されている。この場合、油圧管路23C,23Dのうち、伸び側の油圧管路23Cは、ブーム落下防止弁14を介してチューブ10Aの基端側(ボトム側)に接続され、縮み側の油圧管路23Dは、チューブ10Aの先端側に接続されている。一方、油圧管路23A,23B,23E,23Fは、スイングポスト6の後側に配策され、油圧配管群16の各油圧配管16A,16B,16C,16Dに接続されている。
さらに、油圧管路23G,23Hは、制御弁装置21の旋回制御弁21Aから旋回装置3の旋回モータ3Aに圧油を給排するもので、旋回制御弁21Aと旋回モータ3Aとを接続する油圧ホースとして形成されている。油圧管路23J,23Kは、制御弁装置21のスイング制御弁21Cからスイングシリンダ13に圧油を給排するもので、スイング制御弁21Cとスイングシリンダ13とを接続する油圧ホースとして形成されている。
次に、各油圧管路23のうちの一部の油圧管路、即ち、各油圧管路23を構成する油圧管路23A〜23K以外の油圧管路23L〜23Rについて述べる。これらの油圧管路23L〜23Rは、油圧管路23A〜23Kと異なる経路でスイングポスト6側に延びている。
油圧管路23L,23Mは、ブーム落下防止弁14,アーム落下防止弁15を制御するパイロット用の圧油を供給するものである。この油圧管路23L,23Mは、図5、図7に示すように、制御弁側ホース23L1,23M1と作業装置側ホース23L2,23M2と継手部材23L3,23M3とからなり、該継手部材23L3,23M3の位置で後述する閉塞カバー38の前取付脚38Bに支持されている。
油圧管路23Nは、ブーム落下防止弁14とアーム落下防止弁15から作動油タンク30にパイロット用の圧油を戻すものである。この油圧管路23Nは、2本の作業装置側ホース23N1,23N2と1本のタンク側ホース23N3と合流部材23N4と継手部材23N5とからなり、2本の作業装置側ホース23N1,23N2は、合流部材23N4によって合流されている。継手部材23N5は、タンク側ホース23N3と合流部材23N4とを接続しつつ、前取付脚38Bに支持されている。この場合、作業装置側ホース23N1,23N2を合流させる合流部材23N4を省略し、タンク側ホース23N3を2本設ける構成としてもよい。
ここで、油圧管路23Lの制御弁側ホース23L1は、その一端側がブーム制御弁21Dの油圧パイロット部に接続され、他端側が左,右の縦板18B,18C間を支持ブラケット18Gの上板18G1の上側に向けて前側に延び、継手部材23L3を介して前取付脚38Bに設けられた後述する他の管路導出孔43に挿通状態で取付けられている。油圧管路23Lの作業装置側ホース23L2は、その一端側が継手部材23L3に接続され、他端側がスイングポスト6内を通過した後に立ち上がってブーム落下防止弁14に接続されている。
油圧管路23Mの制御弁側ホース23M1は、油圧管路23Lの制御弁側ホース23L1とほぼ同様に、その一端側がアーム制御弁21Bの油圧パイロット部に接続され、他端側が継手部材23M3を介して前取付脚38Bに設けられた他の管路導出孔43に挿通状態で取付けられている。油圧管路23Mの作業装置側ホース23M2は、その一端側が継手部材23M3に接続され、他端側がアーム落下防止弁15にパイロット用の圧油を供給するためのパイロット油圧配管17Aに接続されている。
一方、油圧管路23Nの作業装置側ホース23N1は、その一端側がブーム落下防止弁14に接続され、他端側がスイングポスト6内を通過した後に合流部材23N4に接続されている。作業装置側ホース23N2は、その一端側がアーム落下防止弁15から圧油を戻すためのパイロット油圧配管17Bに接続され、他端側が合流部材23N4に接続されている。合流部材23N4は、継手部材23N5を介して前取付脚38Bに設けられた他の管路導出孔43に挿通状態で取付けられている。タンク側ホース23N3は、その一端側が継手部材23N5に接続され、他端側が作動油タンク30に接続されている。
油圧管路23P,23Q,23Rは、例えば、バケット9をグラップル等に交換したときに使用する他の油圧経路の一部をなすものである。油圧管路23P,23Q,23Rのうち、油圧管路23P,23Qは、追加された油圧アクチュエータが油圧シリンダの場合、伸長、縮小動作、正転、逆転動作を行うことができるように圧油を給排するものである。一方、油圧管路23Rは、追加された油圧アクチュエータが油圧モータの場合、油圧管路23Pまたは23Qから供給された圧油を動力源として使用した後に、作動油タンク30側に排出するものである。
これらの油圧管路23P,23Qは、図5、図6に示すように、その制御弁側ホース23P1,23Q1と作業装置側ホース23P2,23Q2とを、継手部材23P3,23Q3を用いて後述する物品収容ボックス40の前板40Aの位置で接続して形成されている。油圧管路23Rは、作業装置側ホース23R1とタンク側ホース23R2とを、継手部材23R3を用いて前板40Aの位置で接続して形成されている。
ここで、油圧管路23P,23Qの制御弁側ホース23P1,23Q1は、それぞれの一端側が予備制御弁21Fに接続され、他端側が左,右の縦板18B,18C間から後述の閉塞カバー38を構成する載置板38Aの管路導入孔38Dを通して管路配策空間41を前側に延び、継手部材23P3,23Q3を介して前板40Aに設けられた後述の管路導出孔42に取付けられている。油圧管路23P,23Qの作業装置側ホース23P2,23Q2は、その一端側が継手部材23P3,23Q3に接続され、他端側がエキストラ油圧配管16E,16Fに接続されている。
油圧管路23Rの作業装置側ホース23R1は、その一端側がエキストラ油圧配管16Gに接続され、他端側が継手部材23R3に接続されている。タンク側ホース23R2は、その一端側が継手部材23R3を介して管路導出孔42に取付けられ、他端側が載置板38Aの管路導入孔38Dを通って作動油タンク30に接続されている。
24はエンジン19の前側に位置して旋回フレーム18の左,右方向の左側に設けられた建屋である。この建屋24は、フロア部材(図示せず)と、該フロア部材上に設けられオペレータが着座する運転席24A(図1参照)と、該運転席24Aを覆うキャブ24Bとにより構成されている。
キャブ式の建屋24内には、運転席24Aの周囲に位置して左,右の作業操作レバー25,26、スイング操作ペダル27、予備ペダル28等が配設されている。左,右の作業操作レバー25,26は、パイロット管路29を介して各制御弁21A,21B,21D,21Eの油圧パイロット部に接続されている。スイング操作ペダル27は、パイロット管路29を介してスイング制御弁21Cの油圧パイロット部に接続されている。予備ペダル28は、パイロット管路29を介して予備制御弁21Fの油圧パイロット部に接続されている。
30はエンジン19の前側に位置して旋回フレーム18の左,右方向の右側に設けられた貯油タンクとしての作動油タンク(図2参照)である。この作動油タンク30は、油液として作動油を貯える縦長な密閉容器として形成されている。
31は作動油タンク30の左側ないし前側に隣接して旋回フレーム18に設けられた貯油タンクとしての燃料タンクである。この燃料タンク31は、油液として燃料を貯える密閉容器として形成されている。
ここで、作動油タンク30と燃料タンク31は、建屋24と左,右方向に間隔をもって配置されている。これにより、建屋24と後述の仕切カバー36との間には、後述の物品収納空間37を確保することができる。
32はエンジン19の後側に位置して旋回フレーム18の後端に取付けられたカウンタウエイトである。このカウンタウエイト32は、作業装置5との重量バランスをとるもので、円弧状の重量物として形成されている。
33は建屋24の右側に位置して設けられた外装カバーで、該外装カバー33は、エンジン19、作動油タンク30、燃料タンク31等を覆うものである。外装カバー33は、後側に位置してエンジン19の上側を覆う後カバー34と、該後カバー34の前側に開閉可能に設けられ、作動油タンク30、燃料タンク31を覆う右カバー35と、燃料タンク31の左面から上面を覆うように建屋24のキャブ24Bの右面24B1に対面して設けられた仕切カバー36とにより構成されている。ここで、右カバー35と仕切カバー36とは、前側に向け下側に湾曲して形成することにより、運転席24Aに着座したオペレータが右前側を見たときの視界を広く確保している。
仕切カバー36は、燃料タンク31に添って該燃料タンク31と建屋24との間を前,後方向に延びて配置されている。これにより、仕切カバー36は、燃料タンク31と建屋24のキャブ24Bとの間を仕切っている。仕切カバー36は、前,後方向に延びて立設され前側に向けて下向きに湾曲した縦面部36Aと、該縦面部36Aの上端縁と前端縁から右側(燃料タンク31側)に延びた縁面部36Bとにより構成されている。
37は建屋24と仕切カバー36との間に設けられた物品収納空間を示している。この物品収納空間37は、後述の物品収容ボックス40を含む物品を収納するための空間となっている。物品収納空間37は、仕切カバー36をキャブ24Bの右面24B1から右側に離間した位置に配置することにより、前,後方向に延びた凹溝状の空間として形成されている。この場合、物品収納空間37は、スイングポスト6の後側位置に配置されているから、この物品収納空間37を利用して配策される油圧管路23L〜23Rをスイングポスト6側にスムーズに受け渡すことができる。
38は物品収納空間37に収まるように前,後方向に延びて設けられた閉塞カバーを示している。この閉塞カバー38は、例えば、長尺な1枚の板体を複数個所で折り曲げることにより形成されている。閉塞カバー38は、物品収納空間37を閉塞する長尺な平板状の載置板38Aと、該載置板38Aの前,後方向の前端から屈曲して下向きに延びた後に前側に屈曲したクランク形状の前取付脚38Bと、前記載置板38Aの後端から屈曲して下向きに延びた後取付脚38Cとにより構成されている。
閉塞カバー38の載置板38Aには、前,後方向の中間部の前側寄りに位置して管路導入孔38Dが設けられている。この管路導入孔38Dは、一部の油圧管路となる油圧管路23P,23Q,23Rの制御弁側ホース23P1,23Q1、タンク側ホース23R2を後述する管路配策空間41に導入される開口となっている。載置板38Aには、後述する物品収容ボックス40を取付けるためのめねじ孔38Eが複数個所に設けられている。一方、前取付脚38Bと後取付脚38Cとには、それぞれボルト挿通孔38Fが設けられている。さらに、前取付脚38Bには、後述する他の管路導出孔43が設けられている。
ここで、閉塞カバー38の管路導入孔38Dには、図5に示すように、該管路導入孔38Dを閉塞するようにシール部材38Gが取付けられている。このシール部材38Gは、例えば柔軟なゴム材料からなる円形膜に切り込みを入れることにより形成されている。シール部材38Gは、制御弁側ホース23P1,23Q1、タンク側ホース23R2を挿通させつつ、塵埃、雨水が旋回フレーム18側に入り込むのを防止している。
閉塞カバー38は、前取付脚38Bの各ボルト挿通孔38Fにボルト39を挿入し、該各ボルト39を旋回フレーム18の支持ブラケット18G(上板18G1)に設けた前側めねじ孔18Hに螺着する。一方、後取付脚38Cのボルト挿通孔38Fにボルト39を挿入し、該ボルト39を旋回フレーム18の後横板18Fに設けた後側めねじ孔18Jに螺着する。これにより、閉塞カバー38は、物品収納空間37に固定状態で設けることができる。
40は物品収納空間37に設けられた物品収容ボックスである。この物品収容ボックス40は、その内部に工具、グリースガン、消耗品等(いずれも図示せず)の物品を収容するもので、前,後方向に長尺な箱体として形成されている。即ち、物品収容ボックス40は、図5、図8、図9に示すように、前板40A、後板40B、左板40C、右板40D、底板40Eによって上側が開口した箱体として形成され、その上側は蓋体40Fによって閉塞されている。蓋体40Fは、後部をヒンジ(図示せず)を用いて後板40Bに取付けることにより、前側に開閉可能となっている。なお、後板40Bと底板40Eとは、一体的に形成した場合を例に挙げて図示したが、これらは別部材として設け、互いに固着する構成としてもよい。
前板40Aには、その下部を後側に屈曲することにより取付部40A1が形成されている。この取付部40A1には、左,右方向に間隔をもって2個のボルト挿通孔40A2(図9中に1個のみ図示)が設けられている。
底板40Eは、前,後方向の中間部から前側部位が斜めに立ち上がった上底部40E1となり、該上底部40E1の前端は前板40Aに固着されている。これにより、底板40Eを閉塞カバー38の載置板38A上に取付けたときには、この上底部40E1の下側に後述の管路配策空間41を形成することができる。さらに、底板40Eには、該底板40Eを載置板38Aに取付けるためのボルト挿通孔(図示せず)が形成されている。
物品収容ボックス40は、前板40Aに設けたボルト挿通孔40A2、底板40Eに設けたボルト挿通孔にボルト39を挿入し、該各ボルト39を閉塞カバー38の載置板38Aに設けためねじ孔38Eに螺着することにより、載置板38A上に取付けることができる。
41は物品収容ボックス40の前側に設けられた管路配策空間を示している。この管路配策空間41は、物品収容ボックス40の高さ寸法を大きくすることなく、物品収容ボックス40の下側で油圧管路23P,23Q,23Rを配策できるようにするものである。管路配策空間41は、物品収容ボックス40の底板40Eの前側を上底部40E1として立ち上げることにより、該上底部40E1の下側に形成されている。即ち、管路配策空間41は、閉塞カバー38の載置板38A、物品収容ボックス40の前板40A、左板40C、右板40Dおよび底板40Eの上底部40E1によって囲まれた空間として形成されている。
この場合、管路配策空間41は、上底部40E1による傾斜形状により前側に向け高さ寸法が漸次大きくなるように形成されているから、前側に向けて高くなるように斜めに延びる各油圧管路23P,23Q,23Rを小さなスペースでも配策することができる。これにより、物品収容ボックス40は、工具、グリースガン、消耗品等の物品を十分に収容することができる。
42は物品収容ボックス40の前板40Aに設けられた複数個、例えば3個の管路導出孔を示している。この3個の管路導出孔42は、管路配策空間41に開口するように、閉塞カバー38の載置板38Aと底板40Eの上底部40E1との間に位置して前板40Aに貫通孔として形成されている。図8に示すように、3個の管路導出孔42は、三角形状に配置されている。なお、管路導出孔42は、前板40Aに1個、2個または4個以上設けてもよく、横一列、縦一列等の他の配置としてもよい。
各管路導出孔42には、各油圧管路23P,23Q,23Rの継手部材23P3,23Q3,23R3が挿入され、ナットによって抜止め状態に固定されている。これらの継手部材23P3,23Q3,23R3には、それぞれ制御弁側ホース23P1,23Q1、タンク側ホース23R2と作業装置側ホース23P2,23Q2,23R1とが接続されている。ここで、各管路導出孔42は、作業装置5のスイングポスト6の後側位置に配置されているから、各油圧管路23P,23Q,23Rの作業装置側ホース23P2,23Q2,23R1は、作業装置5のスイングポスト6側にスムーズに導くことができる。
43は閉塞カバー38の前取付脚38Bに設けられた複数個、例えば3個の他の管路導出孔である。この3個の他の管路導出孔43は、各油圧管路23A〜23Rのうちの他の一部となる油圧管路23L,23M,23Nをスイングポスト6側に導出させるものである。各管路導出孔43は、前取付脚38Bに貫通孔として形成され、所定の間隔をもって横一列に配置されている。これにより、他の管路導出孔43は、管路導出孔42の下側位置に、該管路導出孔42と2段で配置されている。なお、他の管路導出孔43は、前取付脚38Bに1個、2個または4個以上設けてもよく、縦一列等の他の配置としてもよい。
3個の他の管路導出孔43には、各油圧管路23L,23M,23Nの継手部材23L3,23M3,23N5が挿入され、ナットによって抜止め状態に固定されている。これらの継手部材23L3,23M3には、それぞれ制御弁側ホース23L1,23M1と作業装置側ホース23L2,23M2とが接続されている。一方、油圧管路23Nの継手部材23N5には、作業装置側ホース23N1,23N2が接続された合流部材23N4とタンク側ホース23N3とが接続されている。これらの他の管路導出孔43は、前述した管路導出孔42とほぼ同様に、作業装置5のスイングポスト6の後側位置に配置されているから、各油圧管路23L,23M,23Nの作業装置側ホース23L2,23M2,23N1,23N2は、作業装置5のスイングポスト6側にスムーズに導くことができる。
第1の実施の形態によるスイング式の油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、ブーム落下防止弁14、アーム落下防止弁15にパイロット用の圧油を給排する油圧管路23L,23M,23Nと、2つの油圧アクチュエータを有する作業具に圧油を給排する油圧管路23P,23Q,23Rとを配策する場合の作業手順および経路について述べる。
油圧管路23L,23M,23Nを配策する場合について説明する。まず、油圧管路23L,23M,23Nの継手部材23L3,23M3,23N5を、閉塞カバー38の前取付脚38Bに設けた3個の他の管路導出孔43に挿通して取付ける。この状態で、制御弁装置21から延びる制御弁側ホース23L1,23M1、作動油タンク30から延びるタンク側ホース23N3を、旋回フレーム18の支持ブラケット18Gを構成する上板18G1の上側に向けて前側に延ばし、それぞれの先端部を継手部材23L3,23M3,23N5に接続する。一方、継手部材23N5には、前取付脚38Bの前側から合流部材23N4を接続する。
次に、油圧管路23Lの作業装置側ホース23L2の一端側を継手部材23L3に接続し、他端側をブーム落下防止弁14に接続する。油圧管路23Mの作業装置側ホース23M2の一端側を継手部材23M3に接続し、他端側をアーム落下防止弁15にパイロット用の圧油を供給するためのパイロット油圧配管17Aに接続する。さらに、油圧管路23Nの2本の作業装置側ホース23N1,23N2の一端側を合流部材23N4に接続し、作業装置側ホース23N1の他端側をブーム落下防止弁14に接続し、作業装置側ホース23N2の他端側をアーム落下防止弁15から圧油を戻すためのパイロット油圧配管17Bに接続する。
次に、油圧管路23P,23Q,23Rを配策する場合について述べる。油圧管路23P,23Q,23Rの継手部材23P3,23Q3,23R3を、物品収容ボックス40の前板40Aに設けた3個の管路導出孔42に挿通して取付ける。この状態で、制御弁装置21から延びる制御弁側ホース23P1,23Q1、作動油タンク30から延びるタンク側ホース23R2を、閉塞カバー38の載置板38Aに設けた管路導入孔38Dから管路配策空間41に導入させ、この管路配策空間41を前側に延ばし、それぞれの先端部を継手部材23P3,23Q3,23R3に接続する。
次に、油圧管路23Pの作業装置側ホース23P2により、継手部材23P3とエキストラ油圧配管16Eとを接続する。油圧管路23Qの作業装置側ホース23Q2により、継手部材23Q3とエキストラ油圧配管16Fとを接続する。さらに、油圧管路23Rの作業装置側ホース23R1により継手部材23R3とエキストラ油圧配管16Gとを接続する。
第1の実施の形態によるスイング式の油圧ショベル1によって側溝掘り作業等を行う場合について説明する。なお、これから述べる油圧ショベル1の操作は、1つの例示であり、この操作方法に限定されるものではない。
運転席24Aに着座したオペレータは、スイング操作ペダル27を操作することにより、スイングシリンダ13によりスイングポスト6を左,右方向に揺動させる。この揺動角度に対応するように、左作業操作レバー25を操作し、旋回装置3により上部旋回体4をスイングポスト6の揺動方向と反対側に旋回させる。これにより、作業装置5を左,右方向に平行移動させることができ、この状態で作業装置5を俯仰動させることにより、側溝掘り作業を行うことができる。
ここで、運転席24Aに着座したオペレータが右側を見たときには、物品収容ボックス40の高さ寸法を小さく抑えたことにより、この物品収容ボックス40に視界を遮られることなく、広い視界で油圧ショベル1を操作することができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、建屋24と仕切カバー36との間には、物品を収納する物品収納空間37を設け、該物品収納空間37には、工具、その他の物品を収容する物品収容ボックス40を設ける。この物品収容ボックス40の底板40Eの前側を立ち上げることにより該底板40Eの下側に管路配策空間41を形成すると共に、該物品収容ボックス40の前板40Aに3個の管路導出孔42を設ける。これにより、各油圧管路23A〜23Rのうちの一部の油圧管路23P,23Q,23Rは、管路配策空間41から各管路導出孔42を介して作業装置5のスイングポスト6に導く構成としている。
従って、建屋24と仕切カバー36との間に物品収納空間37を設けることができ、この物品収納空間37に物品収容ボックス40を設けることができる。一方、一部の油圧管路23P,23Q,23Rは、物品収納空間37を利用して配策することができる。
このように、一部の油圧管路23P,23Q,23Rを物品収納空間37で配策した場合、この一部の油圧管路23P,23Q,23Rを避けた状態で物品収納空間37に物品収容ボックス40を設ける必要がある。例えば、一部の油圧管路23P,23Q,23Rを上側に避けた位置に物品収容ボックスを配置した場合、この物品収容ボックスの高さ寸法が大きくなってしまう。
しかし、本実施の形態による物品収容ボックス40は、底板40Eの前側を立ち上げることにより該底板40Eの下側に管路配策空間41を形成することができる。しかも、物品収容ボックス40の前板40Aには、一部の油圧管路23P,23Q,23Rが導出される3個の管路導出孔42を設けている。
これにより、制御弁装置21等から延びる複数本の油圧管路23A〜23Rのうちの一部の油圧管路23P,23Q,23Rは、管路配策空間41から各管路導出孔42を介して作業装置5のスイングポスト6側に導くことができる。この場合、管路配策空間41は、物品収容ボックス40の底板40Eの前側を立ち上げて形成しているから、物品収容ボックス40は、その高さ寸法を低く抑えることができる。
この結果、物品収容ボックス40の高さ寸法を低く抑えたことにより、運転席24Aに着座したオペレータが右側を見たときの右側方視界を良好にすることができる。これにより、油圧ショベル1の作業性を向上することができる。
一方、物品収納空間37には、該物品収納空間37を閉塞する平板状の載置板38Aと該載置板38Aの前,後方向両端から下向きに延びて旋回フレーム18に取付けられる前取付脚38B,後取付脚38Cとからなる閉塞カバー38を設ける。物品収容ボックス40は、この閉塞カバー38の載置板38A上に取付ける。これにより、管路配策空間41は、物品収容ボックス40の底板40Eと閉塞カバー38の載置板38Aとの間に形成される。この上で、載置板38Aには、一部の油圧管路23P,23Q,23Rが管路配策空間41に導入される管路導入孔38Dを設ける。従って、物品収納空間37は、閉塞カバー38の載置板38Aによって閉塞することができ、この閉塞カバー38の載置板38Aを利用して物品収容ボックス40を取付けることができる。
しかも、制御弁装置21等に接続された一部の油圧管路23P,23Q,23Rは、載置板38Aに形成した管路導入孔38Dから物品収容ボックス40の底板40Eと閉塞カバー38の載置板38Aとの間に形成した管路配策空間41に導入することができる。この管路配策空間41に導入した一部の油圧管路23P,23Q,23Rは、各管路導出孔42を介して作業装置5のスイングポスト6側に導くことができる。これにより、制御弁装置21、作動油タンク30と作業装置5との間で一部の油圧管路23P,23Q,23Rをスムーズに配策することができ、組立作業性を向上することができる。
さらに、閉塞カバー38の前取付脚38Bには、3個の他の管路導出孔43を設けているから、各油圧管路23A〜23Rのうちの他の一部の油圧管路23L,23M,23Nは、他の管路導出孔43から導出させ、作業装置5のスイングポスト6側に導くことができる。これにより、管路導出孔42と他の管路導出孔43とを上,下方向に複数段で配置することができ、物品収納空間37を通じて多くの油圧管路23L〜23Rをスイングポスト6側に導くことができる。
次に、図11ないし図13は、本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、物品収容ボックスの前板は、上側に位置して物品収容ボックスの前側を覆う閉塞部材と、該閉塞部材の下側に位置して管路配策空間の前側を覆うと共に閉塞カバーの載置板上に取付けられる取付部材とにより形成し、管路導出孔は取付部材に設ける構成としたことにある。さらに、閉塞カバーの前取付脚は、載置板と別部材の取付ベースからなり、載置板に該取付ベースを取付け、該取付ベースに他の管路導出孔を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図11、図12において、51は第2の実施の形態による閉塞カバーである。この閉塞カバー51は、第1の実施の形態による閉塞カバー38とほぼ同様に、載置板51A、前取付脚51B、後取付脚51C、管路導入孔51Dにより構成されている。しかし、第2の実施の形態による閉塞カバー51は、前取付脚51Bが載置板51Aと別部材となる取付ベースとして形成されている点で、第1の実施の形態による閉塞カバー38と相違している。
即ち、図12、図13に示すように、載置板51Aの前側には、前端から下向きに延びる逆U字状の取付部51A1が設けられ、この取付部51A1には、前取付脚51Bを取付けることができる。
前取付脚51Bは、閉塞カバー51の前側を旋回フレーム18の支持ブラケット18Gに取付けるための取付ベースとして構成されている。前取付脚51Bは、支持ブラケット18Gの上板18G1に取付けられる横板部51B1と、該横板部51B1の後端縁から立ち上がった縦板部51B2とにより構成されている。該横板部51B1には、ボルト挿通孔(図示せず)が設けられ、縦板部51B2には、後述する他の管路導出孔55が設けられている。前取付脚51Bには、ボルト39を用いて載置板51Aの取付部51A1を取付けることができ、これにより、閉塞カバー51を組み立てることができる。
52は閉塞カバー51上に設けられた第2の実施の形態による物品収容ボックスである。この物品収容ボックス52は、第1の実施の形態による物品収容ボックス40とほぼ同様に、前板52A、後板52B、左板52C、右板52D、底板52Eおよび蓋体52Fによって形成され、底板52Eの上底部52E1の下側には管路配策空間53が形成されている。しかし、第2の実施の形態による物品収容ボックス52は、前板52Aが閉塞部材52A1と取付部材52A2とから形成されている点で、第1の実施の形態による物品収容ボックス40と相違している。
即ち、物品収容ボックス52の前板52Aは、上側に位置して物品収容ボックス52の前側を覆う閉塞部材52A1と、該閉塞部材52A1の下側に位置して管路配策空間53の前側を覆うと共に、閉塞カバー51の載置板51A上に取付けられる取付部材52A2とにより形成されている。この取付部材52A2は、ボルト39を用いて載置板51Aに取付けることができる。取付部材52A2の上側には、ボルト39を用いて閉塞部材52A1の下側を取付けることができ、これにより、物品収容ボックス52を組み立てることができる。
54は物品収容ボックス52の前板52Aを形成する取付部材52A2に設けられた複数個、例えば3個の管路導出孔を示している。55は閉塞カバー51の前取付脚51Bを形成する縦板部51B2に設けられた複数個、例えば3個の他の管路導出孔を示している。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、物品収容ボックス52の前板52Aは、上側の閉塞部材52A1と下側の取付部材52A2とにより形成しているから、この下側の取付部材52A2だけを閉塞カバー51の載置板51A上に取付けた段階で、取付部材52A2に設けた管路導出孔54に対し一部の油圧管路23P,23Q,23Rを組付けることができる。この場合、取付部材52A2の周囲には、他の部品、構造物等の障害物が無いから、一部の油圧管路23P,23Q,23Rは、簡単な作業で、管路配策空間53を介して管路導出孔54から導出させることができる。一部の油圧管路23P,23Q,23Rを管路導出孔54から導出させたら、取付部材52A2に閉塞部材52A1を取付けることにより前板52Aを形成でき、物品収容ボックス52を閉塞カバー51の載置板51A上に取付けることができる。この結果、一部の油圧管路23P,23Q,23Rの配策作業、物品収容ボックス52の取付作業等の作業性を向上することができる。
一方、閉塞カバー51の前取付脚51Bは、載置板51Aと別部材の取付ベースとしているから、前取付脚51Bだけを旋回フレーム18に取付けた段階で、前取付脚51Bに設けた他の管路導出孔55に対し他の一部の油圧管路23L,23M,23Nを組付けることができる。この場合、前取付脚51Bの周囲には、他の部品、構造物等の障害物が無いから、他の一部の油圧管路23L,23M,23Nは、簡単な作業で確実に他の管路導出孔55から導出させることができる。さらに、他の一部の油圧管路23L,23M,23Nを他の管路導出孔55から導出させたら、前取付脚51Bに載置板51Aの前端を取付けることにより、閉塞カバー51を旋回フレーム18上に取付けることができる。この結果、他の一部の油圧管路23L,23M,23Nの配策作業、閉塞カバー51の取付作業等の作業性を向上することができる。
なお、第1の実施の形態では、物品収容ボックス40の前板40Aに設けた3個の管路導出孔42は、該前板40Aに貫通孔として形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば各管路導出孔の一部または全部をめねじ孔として形成し、このめねじ孔に油圧管路をなすホースを締着する構成としてもよい。この構成は、他の管路導出孔43、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
第1の実施の形態では、物品収容ボックス40の底板40Eには、前,後方向の中間部から前側部位が斜めに立ち上がった上底部40E1を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば底板の前側に立上がり部と水平部とからなるステップ状の上底部を設ける構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
一方、第1の実施の形態では、3個の管路導出孔42には、バケット9に代え、グラップル、圧砕機等に交換したときに追加される油圧アクチュエータに対して圧油を給排する油圧管路23P,23Q,23Rを接続し、3個の他の管路導出孔43には、落下防止弁14,15にパイロット用の圧油を給排する油圧管路23L,23M,23Nを接続した場合を例示している。しかし、本発明はこれらの構成に限るものではなく、例えば、各管路導出孔42,43に作業装置5のブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12等に圧油を給排する油圧管路23A〜23F等を接続する構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
各実施の形態では、旋回フレーム18の後側には原動機としてエンジン19を搭載し、該エンジン19によって油圧ポンプ20を駆動した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば原動機として電動モータを用いて油圧ポンプを駆動する構成としてもよい。また、エンジンと電動モータとを併用して油圧ポンプを駆動するハイブリッド式としてもよい。
さらに、各実施の形態では、キャブ24Bを有する建屋24を備えたキャブ仕様の油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、キャノピを有する建屋を備えたキャノピ仕様の油圧ショベルにも適用することができる。