JP5910350B2 - エンボス加工用シート、及びエンボスシートの製造方法 - Google Patents

エンボス加工用シート、及びエンボスシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンボス加工用シート、及びエンボスシートの製造方法に関する。
近年、各種音響・映像機器類のキャビネット、扉等の建具、家具、容器等の外表面を加飾するのに、表面に凹凸模様が賦形されたエンボスシートが使用されている(例えば、特許文献1)。このようなエンボスシートは、遠赤ヒーター、近赤ヒーター、セラミックヒーター等のヒーターを用いて、凹凸のないシートを非接触の状態で加熱し、該シートの温度を軟化点温度以上まで上昇させた後に、エンボスロールと加圧ロールの間に送り挟圧してシート表面に凹凸模様を賦形し、最後にシートを冷却ロールで冷却することで製造されるのが一般的である。
加飾を目的とするエンボスシートはその性質上、表面は透明若しくは白色を呈している必要がある。しかしながら、透明若しくは白色を呈するシートは熱の吸収効率が低く、該シートを、ヒーター等を用いて非接触の状態で加熱する場合には、シートを軟化点以上までさせる加熱時間が長く、生産性が低いものであった。
なお、凹凸のないシートを、加熱ロール等に接触させた状態で加熱する場合には、シート表面が透明若しくは白色を呈しているか否かにかかわらず、ほぼ同等の温度上昇を示すが、このような方法を採用した場合には、加熱ロールに軟化したシートが貼りつく問題が生ずる場合も多く、生産性の向上を見込むことはできない。
特開平8−11252号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、エンボスシートの生産速度を向上させることができるエンボス加工用シート、及び生産速度を向上させることのできるエンボスシートの製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、エンボス加工に用いられるエンボス加工用シートであって、基材上の少なくとも一部に、加熱により透明化する熱透明化層が設けられ、加熱前の前記熱透明化層は、白色以外の色を呈することを特徴とする。
また、前記熱透明化層は、該熱透明化層の軟化点以下の温度で透明化するものであってもよい。また、前記基材が、熱可塑性樹脂であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明の方法は、エンボスシートの製造方法であって、エンボス加工用シートを準備する工程と、ヒーターを用いて前記エンボス加工用シートを非接触の状態で加熱する加熱工程と、前記エンボス加工用シートの表面に凹凸模様を賦形する賦形工程と、を有し、前記エンボス加工用シートが、基材上の少なくとも一部に、加熱により透明化する熱透明化層を有し、かつ加熱前の熱透明化層が白色以外の色を呈していることを特徴とする。
本発明のエンボス加工用シートによれば、このエンボス加工用シートを用いてエンボスシートの生産速度を向上させることができる。また、本発明のエンボスシートの製造方法によれば、生産速度を向上させることができる。
本発明のエンボス加工用シートの一例を示す概略断面図である。 本発明のエンボス加工用シートを用いて得られるエンボスシートの一例を示す概略断面図である。 本発明のエンボスシートの製造方法を説明するための工程図である。 本発明のエンボスシートの製造方法に用いられる製造装置の一例を示す図である。
以下、本発明のエンボス加工用シートについて図面を用いて具体的に説明する。なお、図1は、本発明のエンボス加工用シートの一例を示す概略断面図である。
<<エンボス加工用シート>>
図1に示すように、本発明のエンボス加工用シート10は、基材1上の少なくとも一部に熱透明化層5が設けられた構成をとる。そして、本発明では、熱透明化層5が、加熱により透明化する層であるとともに、加熱前の熱透明化層5は白色以外の色を呈している点に特徴を有するものである。なお、図1では、基材1上の全面に熱透明化層5が設けられた構成をとっているが、この構成に限定されるものではなく、凹凸模様の賦形を所望する位置に熱透明化層5が設けられていればよい。
以下、本発明のエンボス加工用シート10の各構成について具体的に説明する。
(熱透明化層)
基材1上の少なくとも一部に設けられる熱透明化層5は、加熱により透明化するとともに、加熱前に白色以外の色を呈する層である。
加熱により透明化する熱透明化層5の構成としては、例えば、(i)発色状態からの昇温過程で消色を開始し、特定温度以上で完全消色状態を呈し、降温過程で発色を開始し、特定温度以下で完全発色状態に復帰する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む構成や、(ii)感熱消色性インキ組成物を熱透明化層5に含む構成等を挙げることができる。
上記(i)の熱透明化層5としては、例えば、特開2009−019195号公報に提案がされている(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物と、重量平均分子量が800〜20000の合成ポリオレフィンワックスとを少なくともマイクロカプセルに内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含むものを挙げることができる。
上記(ii)の熱透明化層5としては、例えば、特開2010−229333号公報に提案がされているロイコ染料、顕色剤、結晶性物質からなる顕色粒子、及び塩基性物質からなる消色剤を含む感熱インキ組成物を含むものを挙げることができる。
上記で例示した材料等を含む熱透明化層5とすることで、熱透明化層5を加熱によって透明化させることができる。これにより、例えば、基材1上に絵柄層等が印刷されている場合であっても、透明化した熱透明化層上から、該絵柄層等を良好に視認させることができ、意匠性に優れる。
なお、本発明、本願明細書で言う「透明化」とは、無色透明のみならず、半透明、有色透明も含まれる。すなわち、熱透明化層5側から基材1をみたときに、基材1を視認することができる程度に、加熱によって透明化するものであればよい。
熱透明化層5の加熱によって透明化する温度は、熱透明化層5が軟化する温度よりも低い温度であることが好ましい。透明化する温度が、熱透明化層5が軟化する温度よりも高い場合には、熱透明化層5を軟化させた後に、さらに透明化させるために加熱を行う必要があり、生産性が低下するためである。
さらに、熱透明化層5は、加熱前の状態では白色以外の色を呈している。この条件を満たすものであれば特に限定はなく各種の色を選択することができる。このような熱透明化層5を有するエンボス加工用シートによれば、最表面に白色、或いは透明の層を有するエンボス加工用シートと比較して、熱の吸収効率を向上させることができる。これにより、熱透明化層5、或いは基材1を軟化させるまでに要する時間を、従来用いられてきた白色、或いは透明の層を加熱する場合と比較して飛躍的に短縮させることができ、生産性を向上させることができる。特に、本発明のエンボス加工用シート10は、非接触の状態でヒーター等を用いて加熱を行うことで、熱透明化層5を軟化させる製造方法を用いる場合に良好である。
上記のように、熱透明化層5は白色以外の色であればよいが、さらなる熱の吸収効率を向上させるためには、熱透明化層5の色は、あらゆる波長領域の光を吸収する「黒色」、黒色に近似する「灰色」、紫色、青紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、黄赤色(橙色)、赤色、或いはこれらの混合色などの「可視光領域に吸収極大を有する色」、可視光領域、近赤外光領域、中赤外光領域、若しくは遠赤外光領域に吸収極大を有する色であることが好ましい。これらの色の中でも、色濃度が高いものが、熱の吸収効率の点から特に好ましく、「黒色」或いは黒色に近い熱の吸収効率を有する色が特に好ましい。換言すれば、熱透明化層5の色は、光の反射率が低いものを用いることが好ましい。
熱透明化層5を白色以外の層とする方法としては、例えば、上述した電子供与性呈色性有機化合物や、ロイコ染料等として、白色以外の色素材料を用いることで、熱透明化層5の色を白色以外の所望の色とすることができる。
熱透明化層5の光の透過率は、色素材料の含有量等によって適宜調整することができるが、可視光の全波長範囲に対する光の透過率が10%以下であることが好ましい。透過率を上記範囲とすることで、さらなる熱の吸収効率の向上が期待できる。なお、上記光の透過率は、例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計、U−4100により測定することができる。
また、本発明のエンボス加工用シート10は、凹凸模様を賦形する位置に応じて、以下に例示する3つの実施形態を挙げることができる。なお、何れの態様をとる場合であっても、熱透明化層5は、加熱によって透明化する層であり、加熱前には白色以外の色を呈するものである。
「第1の実施形態」
第1の実施形態のエンボス加工用シートは、熱透明化層5のみに凹凸模様を賦形することを目的とする、すなわち、熱透明化層5のみを軟化させて凹凸模様を賦形することを目的としたエンボス加工用シートである。図2(a)に第1の実施形態のエンボス加工用シート10上に凹凸模様を賦形したエンボスシート200を示す。
第1の実施形態における熱透明化層5は、該熱透明化層5の存在によって熱の吸収効率を向上させて、熱透明化層5自体が軟化する時間を短縮させる役割を果たしている。
第1の実施形態において、熱透明化層5の厚みが、賦形を所望する凹凸模様の凹部の深さよりも薄い場合には、凹凸模様を賦形することができない場合がある。したがって、熱透明化層5の厚みを、賦形を所望する凹凸模様の凹部の深さよりも厚く設定することが必要である。なお、熱透明化層5の厚みは、凹凸模様の凹部の深さに応じて適宜設定することができ、特に限定はない。
「第2の実施形態」
第2の実施形態のエンボス加工用シートは、熱透明化層5、及び後述する基材1に凹凸模様を賦形することを目的とする、すなわち、熱透明化層5、及び基材1をともに軟化させて凹凸模様を賦形することを目的としたエンボス加工用シートである。図2(b)に第2の実施形態のエンボス加工用シート10上に凹凸模様を賦形したエンボスシート200を示す。
第2の実施形態における熱透明化層5は、該熱透明化層5の存在によって熱の吸収効率を向上させて、熱透明化層5及び基材1が軟化するまでの時間を短縮させる役割を果たしている。つまり、熱透明化層5が軟化するまでの時間を短縮させるとともに、該熱透明化層5による熱の吸収効率の向上を利用して、基材1が軟化するまでの時間を短縮させている。
第2の実施形態における熱透明化層5の厚みは、賦形を所望する凹凸模様の凹部の深さよりも薄くてもよいが、熱透明化層5の色や、色濃度によっては、所望の熱の吸収効率を得られない場合がある。したがって、この場合には、熱透明化層5の色や、色濃度に応じて、熱の吸収効率を向上させることができる厚みに適宜設定することが必要である。例えば、熱の吸収効率に極めて優れる加熱前に黒色を呈する熱透明化層5を設ける場合には、該層の厚みを他の色と比較して薄くすることができる。
「第3の実施形態」
第3の実施態様のエンボス加工用シートは、熱透明化層5自体は軟化させず、基材1を軟化させて凹凸模様を賦形することを目的としたエンボス加工用シートである。図2(c)に第3の実施形態のエンボス加工用シート10上に凹凸模様を賦形したエンボスシート200を示す。
第3の実施形態における熱透明化層5は、熱透明化層5による高い熱の吸収効率を利用して基材1を軟化させる補助的な役割を果たしている。具体的には、熱透明化層5によって熱の吸収効率を向上させ、基材1が軟化するまでの時間を短縮させることを目的とするものである。
第3の実施形態において、熱透明化層5の厚みが非常に厚い場合には、基材1を軟化させた場合であっても、基材1に凹凸模様を賦形することができない場合が生じうることから、熱透明化層5上から基材1の表面に凹凸模様を賦形できる程度の厚みに設定しておくことが望ましい。具体的には、基材1の凹凸模様の賦形を妨げない程度の厚み、例えば、30μm以下とすることが好ましい。
(基材)
基材1は、熱透明化層5を支持するために設けられ、基材1について特に限定はない。例えば、上述した第1の実施形態のエンボス加工用シートのように、基材1自体への凹凸模様の賦形を目的としない場合には、基材1としてあらゆるものを使用することができる。例えば、後述する熱可塑性樹脂等から構成される樹脂板のほかに、軟化する温度が、熱透明化層5よりも高い、ガラス板や、金属板等も用いることができる。
一方、上述した第2の実施形態、及び第3の実施形態のエンボス加工用シートのように、基材1自体にも凹凸模様の賦形を目的とする場合には、ガラス板や、金属板等は、基材1として好ましくない。この場合には、基材1として、熱により軟化する熱可塑性樹脂から構成される樹脂板等を好適に使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチロール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン−イソプレンゴム、フッ素樹脂、ナイロン(登録商標)等を挙げることができる。また、これらのエラストマーや酸変性物などを挙げることができる。
基材1の軟化点についても特に限定はなく、上記第2の実施形態のエンボス加工用シートにおいては、基材1の軟化点が、熱透明化層5の軟化点よりも高くてもよく、低くともよい。上記第3の実施形態のエンボス加工用シートにおいては、基材1の軟化点よりも熱透明化層5の軟化点が高くなるようなものの使用が好ましい。いずれにせよ、加熱前に白色以外の色を呈する熱透明化層5の存在によって熱の吸収効率を向上させることができ、熱透明化層5及び/又は基材1が軟化するまでの時間を短縮させることができる。
基材1の厚みについても特に限定はなく、上記第1の実施形態のエンボス加工用シートにおいては、熱透明化層5を保持することができる厚みを有していればよい。また、上記第2の実施形態、及び第3の実施形態のエンボス加工用シートにおいては、凹凸模様を賦形することができる範囲内の厚みとすればよい。
基材1上には、所定の色の絵柄が形成されていてもよい。このようなエンボス加工用シートによれば、熱透明化層5上から凹凸模様を賦形することで、絵柄に立体感を持たせるとともに、意匠性を向上させることができる。
また、基材1が所定の色に着色されていてもよい。このような場合であっても、着色された基材1と、該基材上に設けられる白色以外の色を呈する熱透明化層5との相乗効果によって、熱の吸収効率を高めることができる。また、基材1が所定の色によって着色されている場合には、該基材上に設けられる熱透明化層5は、基材1の色よりも、熱の吸収効率が高い色を選択することが好ましい。なお、基材1が所定の色に着色されているとは、基材1の全てが着色されている場合や、基材1に上述した所定の色の絵柄が形成されている場合も含む。
本発明のエンボス加工用シートの製造方法としては、上記で説明した加熱前に白色以外の色を呈し、加熱することが透明化する材料を、適当な溶媒に分散させた塗工液を調製し、この塗工液を、基材1上に従来公知の塗工方法を用いて、塗工し、乾燥することで製造することができる。
以上、本発明のエンボス加工用シートについて具体的に説明を行ったが、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各種の変更を加えてもよい。また、上記実施形態では、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料や、感熱消色性インキ組成物を用いた熱透明化層5を中心に説明を行ったが、加熱前に白色以外の色を呈し、かつ加熱することで透明化する材料であれば、いかなるものであっても使用することができる。
<<エンボスシートの製造方法>>
以下、本発明のエンボスシートの製造方法について図面を用いて具体的に説明する。なお、図3は、本発明のエンボスシートの製造方法を説明するための工程図であり、図4は、本発明のエンボスシートの製造方法に用いられる製造装置の一例を示す図である。
本発明のエンボスシートの製造方法は、エンボス加工用シートを準備する準備工程(S1)と、ヒーターを用いてエンボス加工用シートを非接触の状態で加熱する加熱工程(S2)と、エンボス加工用シートの表面に凹凸模様を賦形する賦形工程(S3)とを有している。
図4に示す製造装置100は、搬送されるエンボス加工用シート10を非接触の状態で加熱する加熱装置11と、複数のヒーター14と、これらヒーター14を収容するヒーターボックス15とを有している。
エンボスロール12は円柱形状からなり、その表面には、エンボス加工用シート10に賦形される凹凸模様に対応する凹凸パターン12aが形成されている。エンボスロール12は、加圧ロール13との間で、加熱装置11によって加熱されたエンボス加工用シート10を挟圧するものである。エンボスロール12に隣接する金属ロール17は、エンボス加工用シートを下流側に案内する。以下、この製造装置100を用いた場合を例に挙げ、各工程について具体的に説明する。
(エンボス加工用シートを準備する工程)
本工程で準備されるエンボス用加工シート10は、上述した本発明のエンボス加工用シート10をそのまま使用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(加熱工程)
加熱工程は、ヒーター14を用いてエンボス加工用シート10を非接触の状態で加熱する工程である。具体的には、エンボス加工用シート10が軟化するまで加熱する工程である。ヒーター14としては、遠赤外線ヒーター、中赤外線ヒーター、近赤外線ヒーター、セラミックヒーター等を挙げることができる。
上記本発明のエンボス加工用シートで説明したように、エンボス加工用シートを構成する熱透明化層は、加熱前には白色以外の色を呈していることから、ヒーター14からの熱の吸収効率を向上させることができる。これにより、エンボス加工用シート10が軟化するまでの時間を短縮させることができ、生産速度を向上させることができる。なお、本工程終了時には、エンボス加工用シートは軟化しているとともに、熱透明化層5は透明化している。
(賦形工程)
賦形工程は、エンボス加工用シートの表面に凹凸模様を賦形する工程である。例えば、図4に示す製造装置100を用いる場合には、上記加熱工程で軟化させたエンボス加工用シートを、凹凸パターン12aを有するエンボスロール12と、加圧ロール13との間で挟圧することでエンボス加工用シート10の表面に凹凸模様が賦形される。
次いで、凹凸模様が賦形されたエンボス加工用シートを冷却することで、表面に凹凸模様が賦形されたエンボスシート200が得られる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として厚みが120μmのEVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)(エバフレックス(登録商標)、三井・デュポン ポリケミカル(株)製)を用い、この基材上に、加熱前に黒色を呈する熱透明化層用インキ(メタモカラー(登録商標)、パイロット(株)製)を厚み10μmとなるように塗工乾燥して熱透明化層を形成することで、実施例1のエンボス加工用シートを得た。なお、熱透明化層用インキの透明化温度は65℃であり、EVA樹脂の軟化点は70〜80℃である。また、熱透明化層の軟化点は70℃である。
(比較例1)
熱透明化層を形成しなかった以外は全て実施例1と同様にして比較例1のエンボス加工用シートを得た。
実施例、及び比較例のエンボス加工用シートを、ヒーターを用いて75℃で加熱し、EVA樹脂が軟化するまでの時間を確認した。実施例1のエンボス加工用シートは、1秒でEVA樹脂が軟化したのに対し、比較例のエンボス加工用シートでは、EVA樹脂が軟化するまで、3秒を要した。また、加熱後の、実施例1のエンボス加工用シートを確認したところ、熱透明化層が透明化しており、EVA樹脂の視認性を妨げないことが確認できた。
以上より、加熱前に白色以外の色を呈する熱透明化層を有するエンボス加工用シートによれば、エンボス加工用シートを軟化させる時間を短縮させることができる。また、熱透明化層は加熱によって透明化することから、意匠性を損なうこともない。
10・・・エンボス加工用シート
1・・・基材
5・・・熱透明化層
100・・・エンボスシート製造装置
11・・・加熱装置
12・・・エンボスロール
13・・・加圧ロール
14・・・ヒーター
15・・・ヒーターボックス
17・・・金属ロール
200・・・エンボスシート

Claims (4)

  1. エンボス加工に用いられるエンボス加工用シートであって、
    基材上の少なくとも一部に、加熱により透明化する熱透明化層が設けられ、
    加熱前の前記熱透明化層は、白色以外の色を呈することを特徴とするエンボス加工用シート。
  2. 前記熱透明化層は、該熱透明化層の軟化点以下の温度で透明化することを特徴とする請求項1に記載のエンボス加工用シート。
  3. 前記基材が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンボス加工用シート。
  4. エンボスシートの製造方法であって、
    エンボス加工用シートを準備する工程と、
    ヒーターを用いて前記エンボス加工用シートを非接触の状態で加熱する加熱工程と、
    前記エンボス加工用シートの表面に凹凸模様を賦形する賦形工程と、
    を有し、
    前記エンボス加工用シートが、基材上の少なくとも一部に、加熱により透明化する熱透明化層を有し、かつ加熱前の熱透明化層が白色以外の色を呈していることを特徴とするエンボスシートの製造方法。
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