JP5898522B2 - Dc−dcコンバータ - Google Patents

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Description

この発明は、DC−DCコンバータに関し、特に、電流モード制御のDC−DCコンバータに関するものである。
DC−DCコンバータの制御方式は、電圧モード制御と電流モード制御とに大別される。電流モード制御は、電圧モード制御に比べて、出力電圧変動に対して高速に応答するともに制御安定性に優れている特徴がある。しかしながら、電流モード制御では、インダクタの通電率が50%を超えるとインダクタ電流が不安定になることが知られている。通常、インダクタ電流の安定化のためにスロープ補償と呼ばれる手法が用いられる。
たとえば、特開2009−153289号公報(特許文献1)に記載されるDC−DCコンバータでは、インダクタ電流の検出信号とスロープ電圧とを加算することによって得られる補償電圧と、出力電圧の帰還電圧と基準電圧との差に応じた誤差電圧とが比較される。そして、補償電圧が誤差電圧を超えたときスイッチング回路がオフ状態になる。さらにこの文献の例では、昇圧コンバータの場合に、スロープ電圧の傾きが出力電圧と入力電圧との差に比例するように設定され、降圧コンバータの場合に、スロープ電圧の傾きが出力電圧に比例するように設定される。
上記の文献と異なり、非線形のスロープ電圧を発生することによって、出力電圧が変化した際にも安定動作を補償するスロープ補償回路が提案されている。たとえば、特開2005−229744号公報(特許文献2)は、トランジスタのゲート電圧を線形に変化させることにより、当該トランジスタの電流値を2次的に変化させ、その電流値に対応するスロープ電圧を作成する技術を開示する。特開2008−72833号公報(特許文献3)は、スイッチング素子に流れる電流に比例する電流を積分することにより、2次曲線の傾斜を有するスロープ電圧を生成する技術を開示する。
特開2009−153289号公報 特開2005−229744号公報 特開2008−72833号公報
上記の特開2005−229744号公報(特許文献2)および特開2008−72833号公報(特許文献3)のように非線形なスロープ電圧を生成する場合には、できるだけ簡単な回路構成で非線形の傾斜を有する所望のスロープ電圧を生成することが望ましい。
この発明の目的は、簡単な回路構成で非線形なスロープ電圧を生成することが可能な電流モード制御方式のDC−DCコンバータを提供することである。
この発明は一局面においてDC−DCコンバータであって、入力電圧が与えられる入力ノードと、接地電圧が与えられる接地ノードと、出力電圧を出力するための出力ノードと、第1のスイッチング素子と、インダクタと、スロープ電流を生成するスロープ補償回路と、制御回路とを備える。第1のスイッチング素子は、入力ノードまたは接地ノードに一端が接続される。インダクタは、第1のスイッチング素子の他端と接続される。制御回路は、インダクタを流れる電流に比例した電圧とスロープ電流に比例した電圧との合計電圧と、出力電圧に比例した電圧と所定の参照電圧との差に基づく誤差電圧との比較によって、第1のスイッチング素子をオフ状態に切替える電流モード制御を行なう。上記のスロープ補償回路は、容量素子と、第2のスイッチング素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、電流源回路とを含む。第2のスイッチング素子は、容量素子と並列に接続され、第1のスイッチング素子がオン状態のときにオフ状態となる。第1のトランジスタは、第1の主電極が入力ノードまたは接地ノードに接続される。第2のトランジスタは、ダイオード接続され、第1の主電極が容量素子を介して第1のトランジスタの第1の主電極と接続され、制御電極が第1のトランジスタの制御電極と接続される。電流源回路は、第1および第2のトランジスタの各第2の主電極と接続され、第1および第2のトランジスタのサイズの比に比例した電流を第1および第2のトランジスタにそれぞれ流す。スロープ電流は、第1のトランジスタの第2の主電極と電流源回路との接続経路から分岐した経路を通って、第1のトランジスタに流入または第1のトランジスタから流出する。
好ましくは、電流源回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、定電流源とを含む。第3のトランジスタは、入力ノードと接地ノードとの間に第1のトランジスタと直列に接続される。第4のトランジスタは、入力ノードと接地ノードとの間に第2のトランジスタと直列に接続される。第5のトランジスタは、ダイオード接続され、第3および第4のトランジスタとカレントミラーを構成する。定電流源は、第5のトランジスタに所定の電流を流す。第1および第2のトランジスタのサイズの比は、第3および第4のトランジスタのサイズの比に等しい。
好ましくは、DC−DCコンバータは、第1のスイッチング素子と入力ノードまたは接地ノードとの間に挿入された第1の抵抗素子をさらに備える。この場合、制御回路は、第2の抵抗素子と、比較器とを含む。第2の抵抗素子は、第1の抵抗素子と第1のスイッチング素子との接続ノードに一端が接続され、他端がスロープ補償回路と接続されることによって、スロープ電流が流れる。比較器は、上記の合計電圧として第2の抵抗素子の他端の電圧を受けて、誤差電圧と比較する。第1のスイッチング素子は、比較器の出力に応じてオフ状態に切替わる。
好ましくは、制御回路は、第3のスイッチング素子と、抵抗素子と、比較器とを含む。第3のスイッチング素子は、第1のスイッチング素子がオン状態のときにオン状態となる。抵抗素子は、インダクタと第1のスイッチング素子との接続ノードに第3のスイッチング素子を介して一端が接続され、他端がスロープ補償回路と接続されることによって、第1のスイッチング素子がオン状態のときにスロープ電流が流れる。比較器は、上記の合計電圧として抵抗素子の他端の電圧を受けて、誤差電圧と比較する。この場合、第1のスイッチング素子は、比較器の出力に応じてオフ状態に切替わる。
好ましくは、制御回路は、さらに、インダクタを流れる電流に比例した電圧が所定の上限電圧を超えたときに第1のスイッチング素子をオフ状態にする過電流制御を行なう。
この発明によれば、簡単な回路構成で非線形なスロープ電圧(スロープ電流に比例した電圧)を生成することができる。
この発明の実施の形態1によるDC−DCコンバータ1の構成を示す回路図である。 図1の各部の信号波形を示す図である。 図1のDC−DCコンバータ1の比較例としてのDC−DCコンバータ901の構成を示す図である。 図3の各部の信号波形を示す図である。 図1のDC−DCコンバータ1の変形例としてのDC−DCコンバータ2の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態2によるDC−DCコンバータ3の構成を示す回路図である。 図6のスロープ補償回路24の変形例の構成を示す回路図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
<実施の形態1>
[DC−DCコンバータ1の構成]
図1は、この発明の実施の形態1によるDC−DCコンバータ1の構成を示す回路図である。
図1を参照して、DC−DCコンバータ1は、入力ノードND1と、接地ノードND2と、出力ノードND3と、直流電圧変換を行なう変換部10と、制御回路11と、スロープ補償回路14とを含む。入力ノードND1には入力電圧Vinが与えられ、接地ノードND2には接地電圧GNDが与えられる。出力電圧Voutを出力するための出力ノードND3と接地ノードND2との間には負荷9が接続される。
(変換部10の構成)
変換部10は、いわゆる降圧チョッパと呼ばれる回路であり、入力された直流電圧Vinを降圧することによって出力電圧Voutを生成する。変換部10は、スイッチング素子としてのPMOS(Positive-channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタTR1と、NMOS(Negative-channel MOS)トランジスタTR2と、インダクタLと、平滑用のコンデンサC1と、インダクタ電流ILの検出用の抵抗素子R4とを含む。
トランジスタTR1,TR2は、この順で入力ノードND1と接地ノードND2との間に直列に接続される。インダクタLは、トランジスタTR1,TR2の接続ノードND4と出力ノードND3との間に接続される。コンデンサC1は、出力ノードND3と接地ノードND2との間に接続される。
トランジスタTR2は、同期整流素子として用いられ、トランジスタTR1がオン状態のときにオフ状態となり、トランジスタTR1がオフ状態のときにオン状態になるように制御回路11によってオン・オフが制御される。トランジスタTR2に代えてダイオードを設けてもよい。この場合、ダイオードのカソードが接続ノードND4に接続され、ダイオードのアノードが接地ノードND2に接続される。
抵抗素子R4は、トランジスタTR1のソースと入力ノードND1との間に挿入される。抵抗素子R4は、トランジスタTR1がオン状態のときにインダクタLに流れるインダクタ電流ILを検出するために設けられる。
(制御回路11の構成)
制御回路11は、インダクタLを流れるインダクタ電流ILに比例した電圧と、スロープ補償回路14が生成するスロープ電流Isに比例した電圧との合計電圧Vsumを生成する。さらに制御回路11は、出力電圧Voutに比例した電圧と所定の参照電圧Vrefとの差に基づく誤差電圧Veを生成し、誤差電圧Veと合計電圧Vsumとの比較によってトランジスタTR1をオフ状態に切替える電流モード制御を行なう。具体的に、制御回路11は、誤差アンプEAMPと、電圧シフト回路12と、抵抗素子R1と、比較器CMPと、RSフリップフロップFFと、ドライブ回路DRVとを含む。
誤差アンプEAMPは、+端子に参照電圧Vrefを受け、−端子に出力電圧Voutまたは出力電圧Voutを抵抗分圧した電圧を受け、これらの差を増幅した電圧を電圧シフト回路12に出力する。誤差アンプEAMPの後段にフィードバック補償回路(位相補償回路)を設け、フィードバック補償回路の出力を電圧シフト回路12に出力するようにしてもよい。
電圧シフト回路12は、接地電圧GNDを基準とした誤差アンプEAMPの出力を、入力電圧Vinを基準とした電圧に変換するための回路である。
具体的に、電圧シフト回路12は、抵抗素子R2,R3と、NPN型のバイポーラトランジスタTR3と、PNP型のバイポーラトランジスタTR4と、定電流源13とを含む。抵抗素子R2、バイポーラトランジスタTR3、および抵抗素子R3は、この順で入力ノードND1と接地ノードND2との間に直列に接続される。定電流源13およびバイポーラトランジスタTR4は、この順で入力ノードND1と接地ノードND2との間に直列に接続される。バイポーラトランジスタTR3のベースが、定電流源13とバイポーラトランジスタTR4との接続ノードND7(バイポーラトランジスタTR4のエミッタ)に接続される。バイポーラトランジスタTR4のベースには、誤差アンプEAMPの出力電圧が入力される。
上記構成の電圧シフト回路12によれば、誤差アンプEAMPの出力電圧(すなわち、バイポーラトランジスタTR4のベース電圧)が増加すると、バイポーラトランジスタTR4のコレクタ電流が減少するので、バイポーラトランジスタTR3のベース電流が増加する。この結果、バイポーラトランジスタTR3のコレクタ電流(すなわち、抵抗素子R2を流れる電流)が増加するので、抵抗素子R2にかかる電圧が増加する(すわなち、接続ノードND6の電位が低下する)。抵抗素子R2の電圧(すなわち、入力ノードND1と接続ノードND6との電位差)が、誤差電圧Veとして比較器CMPに入力される。
抵抗素子R1は、スロープ補償回路14が生成するスロープ電流Isを電圧に変換するためのものである。抵抗素子R1の一端は変換部10の抵抗素子R4とトランジスタTR1との接続ノードND9に接続され、抵抗素子R1の他端(ノードND5)は、スロープ補償回路14に接続される。したがって、図1の場合、スロープ電流Isは、入力ノードND1から、変換部10の抵抗素子R4、ノードND9、および抵抗素子R1を順に通って、スロープ補償回路14に流入する。抵抗素子R1の他端(ノードND5)の電位は、インダクタ電流ILによって抵抗素子R4に生じる電圧降下と、スロープ電流Isによって抵抗素子R1に生じる電圧降下との合計電圧Vsumを、入力電圧Vinから減じた値(Vin−Vsum)に等しい。
なお、スロープ電流Isの大きさはマイクロアンペアオーダーであるので、インダクタ電流ILに比べて極めて小さい。したがって、スロープ電流Isによって抵抗素子R4に生じる電圧降下は無視できる。抵抗素子R1の抵抗値はインダクタLおよび負荷9のインピーダンスの大きさに比べて十分に大きいので、インダクタ電流ILは抵抗素子R1にほとんど流れない。
比較器CMPは、電圧シフト回路12のノードND6の電位(Vin−Ve)と、抵抗素子R1の端点(ノードND5)の電位(Vin−Vsum)とを比較し、ノードND6の電位よりもノードND5の電位(Vin−Vsum)が低くなったときにハイレベル(Hレベル)の信号を出力する。すなわち、比較器CMPは、合計電圧Vsumが誤差電圧Veを超えたときにHレベルの信号を出力する。
比較器CMPは、さらに、過電流保護(OCP:Over Current Protection)のための基準電位(Vin−Vocp)と、抵抗素子R1の端点(ノードND5)の電位(Vin−Vsum)とを比較し、基準電位(Vin−Vocp)よりもノードND5の電位が低くなったときにHレベルの信号を出力する。すなわち、比較器CMPは、合計電圧Vsumが過電流保護電圧Vocpを超えたときにHレベルの信号を出力する。
RSフリップフロップFFは、セット端子Sにクロック信号CLKを受け、リセット端子Rに比較器CMPの出力を受ける。フリップフロップFFは、クロック信号CLKがHレベルに切替わったときに(クロック信号CLKの立上がりエッジで)セット状態になり、比較器CMPの出力がHレベルに切替わったときにリセット状態になる。
ドライブ回路DRVは、フリップフロップFFの反転出力/Qを増幅した信号を、トランジスタTR1,TR2の各ゲートに出力する。したがって、フリップフロップFFがセット状態のとき、トランジスタTR1がオン状態であり、トランジスタTR2がオフ状態である。フリップフロップFFがリセット状態のとき、トランジスタTR1がオフ状態であり、トランジスタTR2がオン状態である。
なお、トランジスタTR1,TR2を介した貫通電流を防止するために、フリップフロップFFがセット状態からリセット状態に切替わったときには、ドライブ回路DRVはトランジスタTR1を先にオフし、その次にトランジスタTR2をオンするように制御することが望ましい。フリップフロップFFがリセット状態からセット状態に切替わったときには、ドライブ回路DRVは、トランジスタTR2を先にオフし、その次にトランジスタTR1をオンするように制御することが望ましい。
(スロープ補償回路14の構成)
スロープ補償回路14は、トランジスタTR1がオン状態に切り替わったときから徐々に増加し、トランジスタTR1がオフ状態に切替わったときに0にリセットされるスロープ電流Isを生成する。電流モード制御では、インダクタの通電率が50%を超えるとインダクタ電流が不安定になることが知られており、スロープ電流Isはその安定化のために用いられる。
具体的にスロープ補償回路14は、PMOSトランジスタTR10〜TR12と、NMOSトランジスタTR13〜TR15と、コンデンサC2と、定電流源16とを含む。PMOSトランジスタTR10〜TR12と定電流源16とによって、NMOSトランジスタTR13,TR14のドレインに電流I1,I2をそれぞれ供給する電流源回路15が構成される。以下、スロープ補償回路14を構成する各構成要素間の接続について説明する。
トランジスタTR13は、そのゲートとドレインとが互いに接続された、いわゆるダイオード接続のトランジスタである。トランジスタTR13のソースは、コンデンサC2を介して接地ノードND2に接続される。
トランジスタTR14のゲートは、トランジスタTR13のゲートに接続され、トランジスタTR14のソースは接地ノードND2に接続される。したがって、コンデンサC2が設けられていない場合、トランジスタTR13,TR14は通常のカレントミラーを構成する。
トランジスタTR15は、コンデンサC2と並列に接続される。トランジスタTR15のゲートには、フリップフロップFFの反転出力/Qが入力される。したがって、フリップフロップFFがリセット状態のとき(すなわち、トランジスタTR1がオフ状態のとき)トランジスタTR15が導通し、これによってコンデンサC2に蓄積された電荷が放出される。
トランジスタTR11は、入力ノードND1と接地ノードND2との間にトランジスタTR13と直列に接続される。すなわち、トランジスタTR11のソースは入力ノードND1に接続され、トランジスタTR11のドレインはトランジスタTR13のドレインに接続される。
トランジスタTR12は、入力ノードND1と接地ノードND2との間にトランジスタTR14と直列に接続される。すなわち、トランジスタTR12のソースは入力ノードND1に接続され、トランジスタTR12のドレインはトランジスタTR14のドレインに接続される。
トランジスタTR12,TR14の接続ノードND8は、前述の抵抗素子R1の端点(ノードND5)に接続される。言い換えると、トランジスタTR12,TR14間を接続する電流経路上のノードND8から分岐し、抵抗素子R1の端点(ノードND5)に達する電流経路が設けられる。スロープ電流Isは、この電流経路を通ってトランジスタTR14に流入する。
トランジスタTR10は、そのゲートとドレインとが互いに接続された、いわゆるダイオード接続のトランジスタである。トランジスタTR10のソースは入力ノードND1に接続され、トランジスタTR10のゲートは、トランジスタTR11,TR12の各ゲートに接続される。すなわち、トランジスタTR10,TR11,TR12はカレントミラーを構成する。
定電流源16は、トランジスタTR10のドレインと接地ノードND2との間に接続され、トランジスタTR10に定電流I0を流す。したがって、トランジスタTR10とカレントミラーを構成するトランジスタTR11,TR12には、トランジスタTR10,TR11,TR12の各サイズ(ゲート幅Wとゲート長Lとの比W/L)に応じた電流が流れる。トランジスタTR11,TR12に流れる電流をそれぞれI1,I2とし、トランジスタTR10,TR11,TR12のサイズをそれぞれW10/L10、W11/L11、W12/L12とすれば、
I0:I1:I2=W10/L10:W11/L11:W12/L12 …(1)
の関係が成立つ。トランジスタTR10〜TR12のサイズが互いに等しい場合には、
I0=I1=I2 …(2)
となる。
トランジスタTR11と直列接続されたトランジスタTR13には、トランジスタTR11からの電流I1が流れる。トランジスタTR12と直列接続されたトランジスタTR14には、トランジスタTR12からの電流I2とスロープ電流Isとを合計した電流が流れる。
ここで、この実施の形態のスロープ補償回路14の場合、トランジスタTR13,TR14のサイズの比を、トランジスタTR11,TR12のサイズの比に等しくする点に特徴がある。すなわち、トランジスタTR13,TR14のサイズをそれぞれW13/L13、W14/L14とすると、
W11/L11:W12/L12=W13/L13:W14/L14 …(3)
の関係が成立つ。言い換えると、電流源回路15は、トランジスタTR13,TR14のサイズの比に比例した電流I1,I2を、トランジスタTR13,TR14にそれぞれ供給する。トランジスタTR13,TR14のサイズが互いに等しい場合には、トランジスタTR11,TR12のサイズも互いに等しくなり、この場合、I1=I2の関係が成り立つ。
(スロープ補償回路14の動作)
次に、スロープ補償回路14の動作について説明する。
一般に、MOSトランジスタに流れる電流は、MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧の2乗にほぼ等しい。図1のスロープ補償回路14の場合、トランジスタTR14のゲート・ソース間電圧は、トランジスタTR13のゲート・ソース間電圧とコンデンサC2の電圧との和に等しい。したがって、トランジスタTR14に流れる電流は、コンデンサC2の充電電圧に応じて変化する。
まず、フリップフロップFFがリセット状態(変換部10に設けられたPMOSトランジスタTR1はオフ状態)の場合について説明する。この場合、フリップフロップFFの反転出力/QがHレベルとなるので、トランジスタTR15がオン状態となる。これにより、コンデンサC2に蓄積された電荷は放出され、その電圧はほぼ0になる。このとき、トランジスタTR13,TR14はカレントミラー回路を構成しているのと同じであるので、上式(3)の関係から、トランジスタTR14に流れる電流は、トランジスタTR12に流れる電流I2に等しくなり、スロープ電流Isは0になる。
次に、フリップフロップFFがセット状態(変換部10に設けられたPMOSトランジスタTR1はオン状態)の場合について説明する。フリップフロップFFの反転出力/QがHレベルからLレベルに切替わると、スロープ補償回路14に設けられたトランジスタTR15がオフ状態に切替わるので、コンデンサC2は、定電流I1によって充電を開始する。これにより、コンデンサC2の電圧はフリップフロップFFがセット状態に切替わってからの時間に比例して増加する。トランジスタTR14に流れる電流は、電流I2から非線型的に(時間の2乗にほぼ比例して)増加するので、スロープ電流Isも0から非線型的に(時間の2乗にほぼ比例して)増加する。その後、フリップフロップFFがリセット状態に戻ると、スロープ電流Isは0に戻る。
[DC−DCコンバータ1の動作]
図2は、図1の各部の信号波形を示す図である。図2のグラフは、上から順に、図1のフリップフロップFFに入力されるクロック信号CLKの波形、フリップフロップFFの反転出力/Q、スロープ補償回路14のコンデンサC2の電圧V(C2)、スロープ電流Is、インダクタ電流IL、比較器CMPの−端子入力(ノードND5の電位)、比較器CMPの出力を示す。以下、図1、図2を参照して、DC−DCコンバータ1の動作について説明する。
時刻t1より前の状態では、フリップフロップFFがリセット状態(変換部10に設けられたPMOSトランジスタTR1はオフ状態)である。この場合、フリップフロップFFの反転出力/QがHレベルとなるので、コンデンサC2の電圧は0となり、スロープ電流Isは0となる。変換部10に設けられたトランジスタTR1はオフ状態であるので、ノードND5の電位は入力ノードの電位Vinに等しい(合計電圧Vsumは0)。
時刻t1にクロック信号CLKがLレベルからHレベルに切替わる。これによって、フリップフロップFFがセット状態になり、フリップフロップFFの反転出力/QがLレベルになる。これによりトランジスタTR15がオフ状態になるので、コンデンサC2の電圧は時間の経過に伴って0から直線的に増加し、スロープ電流Isは、時間の経過に伴って0から非線型的(ほぼ時間の2乗に比例して)増加する。さらに、トランジスタTR1がオン状態になるので、インダクタ電流ILが徐々に増加する。したがって、抵抗素子R4,R1の抵抗値をそれぞれr4,r1とすれば、ノードND5の電位は、入力電圧Vinから、抵抗素子R4による電圧降下(IL×r4)と抵抗素子R1による電圧降下(Is×r1)とを減じた値に等しい。
時刻t3で、ノードND5の電位が、ノードND6の電位(Vin−Ve)または過電流保護の電位レベル(Vin−Vocp)に達すると、比較器CMPの出力がLレベルからHレベルに切替わる。これによって、フリップフロップFFがリセット状態に戻る。時刻t4以降は、時刻t1からの繰返しである。
[実施の形態1の効果]
以上とおり、実施の形態1のDC−DCコンバータ1によれば、簡単な構成のスロープ補償回路14によって非線型のスロープ電流を生成し、生成したスロープ電流によって電流制御モード時のインダクタ電流を安定化することができる。以下、比較例のスロープ補償回路914と対比しながら、この実施の形態の場合のスロープ補償回路14の特徴について補足する。
図3は、図1のDC−DCコンバータ1の比較例としてのDC−DCコンバータ901の構成を示す図である。図3のDC−DCコンバータ901は、スロープ補償回路の構成が図1のDC−DCコンバータ1と異なる。図3のスロープ補償回路914は、図1の電流源回路15に代えて、トランジスタTR13に電流I0(=I1)を供給する定電流源17が設けられている点で図1のスロープ補償回路14と異なる。すなわち、スロープ補償回路914は、NMOSトランジスタTR13〜TR15と、コンデンサC2と、定電流源17とを含む。
ダイオード接続されたトランジスタTR13のソースは、コンデンサC2を介して接地ノードND2に接続される。トランジスタTR13のドレインと入力ノードND1との間にトランジスタTR13に電流I0(=I1)を流す定電流源17が設けられる。
トランジスタTR14のゲートは、トランジスタTR13のゲートに接続され、ソースは接地ノードND2に接続される。トランジスタTR14のドレインは抵抗素子R1の端点ND5に接続される。
トランジスタTR15は、コンデンサC2と並列に接続される。トランジスタTR15のゲートには、フリップフロップFFの反転出力/Qが入力される。したがって、フリップフロップFFがリセット状態のとき(すなわち、トランジスタTR1がオフ状態のとき)トランジスタTR15が導通し、これによってコンデンサC2に蓄積された電荷が放出される。
図3のその他の構成は図1の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図4は、図3の各部の信号波形を示す図である。図4のグラフは、上から順に、図3のフリップフロップFFに入力されるクロック信号CLKの波形、フリップフロップFFの反転出力/Q、スロープ補償回路914のコンデンサC2の電圧V(C2)、スロープ電流Isの波形を示す。
時刻t1より前の状態では、フリップフロップFFがリセット状態(変換部10に設けられたPMOSトランジスタTR1はオフ状態)である。この場合、フリップフロップFFの反転出力/QがHレベルとなるので、コンデンサC2の電圧は0となる。この場合、スロープ電流Isとして、トランジスタTR13,TR14のサイズの比に比例した電流I2が流れる。トランジスタTR13,TR14のサイズが互いに等しい場合には、電流I2は定電流源17の出力電流I0に等しい。
時刻t1にクロック信号CLKがLレベルからHレベルに切替わる。これによって、フリップフロップFFがセット状態になり、フリップフロップFFの反転出力/QがLレベルになる。これによりトランジスタTR15がオフ状態になるので、コンデンサC2の電圧は時間の経過に伴って0から直線的に増加し、スロープ電流Isは、時間の経過に伴って初期値のI2から非線型的(ほぼ時間の2乗に比例して)増加する。
時刻t3で、ノードND5の電位が、ノードND6の電位(Vin−Ve)または過電流保護の電位レベル(Vin−Vocp)に達すると、比較器CMPの出力がLレベルからHレベルに切替わる。これによって、フリップフロップFFがリセット状態に戻り、スロープ電流Isが初期値のI2に戻る。時刻t4以降は、時刻t1からの繰返しである。
このように比較例のDC−DCコンバータ901の場合には、フリップフロップFFがリセット状態の場合にスロープ電流Isの値が0に戻らない。これに対して、図1のDC−DCコンバータ1の場合には、フリップフロップFFがリセット状態の場合にスロープ電流Isの値が0に戻る。この結果、誤差電圧Veや過電流保護電圧Vocpとの比較をより精度良く行なうことができる。
<実施の形態1の変形例>
図5は、図1のDC−DCコンバータ1の変形例としてのDC−DCコンバータ2の構成を示す回路図である。
図5のDC−DCコンバータ2の変換部10Aは、抵抗素子R4を含んでいない点で図1のDC−DCコンバータ1の変換部10と異なる。
図5の制御回路11Aは、抵抗素子R5とPMOSトランジスタTR5とをさらに含む点で図1の制御回路11と異なる。抵抗素子R5およびトランジスタTR5はこの順で、入力ノードND1と接続ノードND4との間に直列に接続される。抵抗素子R1の一端は、抵抗素子R5とトランジスタTR5との接続ノードND10に接続される。すなわち、抵抗素子R1の一端はトランジスタTR1とインダクタLとの接続ノードND4にトランジスタTR5を介して接続される。トランジスタTR5のゲートにはドライブ回路DRVの出力信号が入力される。したがって、トランジスタTR5は、トランジスタTR1がオン状態のときにオン状態になる。
図5に示すDC−DCコンバータ2の場合には、インダクタ電流ILは、トランジスタTR1のオン抵抗を利用して検出される。そして、トランジスタTR1がオン状態のときの抵抗素子R1の他端(ノードND5)の電位によって、インダクタ電流ILに比例する電圧(トランジスタTR1のオン抵抗による電圧降下)と、スロープ電流Isに比例する電圧(抵抗素子R1による電圧降下)との合計電圧が検出される。トランジスタTR1がオフ状態のときはトランジスタTR5もオフ状態になり、抵抗素子R5がプルアップ抵抗として機能するので、ノードND5の電位は入力電圧Vinに等しくなる。図5のその他の点は図1の場合と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
その他、図1、図5には、変換部10として、非絶縁型のDC−DCコンバータ1が示されているが、これに代えて絶縁型のDC−DCコンバータにもこの発明を適用することができる。
<実施の形態2>
[DC−DCコンバータ3の構成]
図6は、この発明の実施の形態2によるDC−DCコンバータ3の構成を示す回路図である。実施の形態2のDC−DCコンバータ3では、変換部20として昇圧チョッパが設けられている点で実施の形態1の場合と異なる。具体的に、図6を参照して、DC−DCコンバータ3は、入力ノードND1と、接地ノードND2と、出力ノードND3と、直流電圧変換を行なう変換部20と、制御回路21と、スロープ補償回路24とを含む。
(変換部20の構成)
変換部20は、いわゆる昇圧チョッパと呼ばれる回路であり、入力ノードND1に入力された直流電圧Vinを昇圧することによって出力電圧Voutを生成し、生成した出力電圧Voutを出力ノードND3を介して負荷9に出力する。変換部20は、スイッチング素子としてのNMOSトランジスタTR21と、同期整流素子としてのNMOSトランジスタTR22と、インダクタLと、平滑用のコンデンサC1と、インダクタ電流ILの検出用の抵抗素子R4とを含む。
インダクタL、トランジスタTR21、および抵抗素子R4は、この順で入力ノードND1と接地ノードND2との間に直列に接続される。トランジスタTR22は、インダクタLとトランジスタTR21の接続ノードND4と出力ノードND3との間に接続される。コンデンサC1は、出力ノードND3と接地ノードND2との間に接続される。
同期整流素子としてのトランジスタTR22に代えてダイオードを設けてもよい。この場合、ダイオードのアノードが接続ノードND4に接続され、ダイオードのカソードが出力ノードND3に接続される。
(制御回路21の構成)
制御回路21は、実施の形態1の場合と同様に、スロープ補償付きの電流モード制御によって、トランジスタTR21,TR22をオンおよびオフに切替える。具体的に制御回路21は、誤差アンプEAMPと、抵抗素子R1と、比較器CMPと、RSフリップフロップFFと、ドライブ回路DRVと、インバータ22とを含む。
誤差アンプEAMPは、+端子に参照電圧Vrefを受け、−端子に出力電圧Voutまたは出力電圧Voutを抵抗分圧した電圧を受け、これらの差を増幅した電圧を比較器CMPに出力する。誤差アンプEAMPの後段にフィードバック補償回路(位相補償回路)を設け、フィードバック補償回路の出力を比較器CMPに出力するようにしてもよい。
抵抗素子R1は、スロープ補償回路24が生成するスロープ電流Isを電圧に変換するためのものである。抵抗素子R1の一端は変換部20の抵抗素子R4とトランジスタTR21との接続ノードND9に接続され、抵抗素子R1の他端(ノードND5)は、スロープ補償回路24に接続される。したがって、図6の場合、スロープ電流Isは、スロープ補償回路24から流出し、抵抗素子R1、変換部20のノードND9、抵抗素子R4を順に通って接地ノードND2に流入する。抵抗素子R1の他端(ノードND5)の電位は、インダクタ電流ILによって抵抗素子R4に生じる電圧降下と、スロープ電流Isによって抵抗素子R1に生じる電圧降下との合計電圧Vsumに等しい。
比較器CMPは、誤差アンプEAMPから出力された誤差電圧Veと、抵抗素子R1の端点(ノードND5)の電位(合計電圧Vsum)とを比較し、合計電圧Vsumが誤差電圧Veを超えたときにHレベルの信号を出力する。
比較器CMPは、さらに、過電流保護(OCP:Over Current Protection)のための基準電位(過電流保護電圧Vocp)と、抵抗素子R1の端点(ノードND5)の電位(合計電圧Vsum)とを比較し、合計電圧Vsumが過電流保護電圧Vocpを超えたときにHレベルの信号を出力する。
RSフリップフロップFFは、セット端子Sにクロック信号CLKを受け、リセット端子Rに比較器CMPの出力を受ける。フリップフロップFFは、クロック信号CLKがHレベルに切替わったときに(クロック信号CLKの立上がりエッジで)セット状態になり、比較器CMPの出力がHレベルに切替わったときにリセット状態になる。
ドライブ回路DRVは、フリップフロップFFの出力Qを増幅した信号を、トランジスタTR21のゲートと、インバータ22を介してトランジスタTR22のゲートとに出力する。したがって、フリップフロップFFがセット状態のとき、トランジスタTR21がオン状態であり、トランジスタTR22がオフ状態である。フリップフロップFFがリセット状態のとき、トランジスタTR21がオフ状態であり、トランジスタTR22がオン状態である。
(スロープ補償回路24の構成)
スロープ補償回路24は、トランジスタTR21がオン状態に切り替わったときから徐々に増加し、トランジスタTR21がオフ状態に切替わったときに0にリセットされるスロープ電流Isを生成する。
具体的にスロープ補償回路24は、NMOSトランジスタTR30〜TR32と、PMOSトランジスタTR33〜TR35と、コンデンサC2と、定電流源36とを含む。NMOSトランジスタTR30〜TR32と定電流源36とによって、PMOSトランジスタTR33,TR34のドレインから電流I1,I2をそれぞれ引き出す電流源回路25が構成される。以下、スロープ補償回路24を構成する各構成要素間の接続について説明する。
トランジスタTR33は、そのゲートとドレインとが互いに接続された、いわゆるダイオード接続のトランジスタである。トランジスタTR33のソースは、コンデンサC2を介して入力ノードND1に接続される。
トランジスタTR34のゲートは、トランジスタTR33のゲートに接続され、トランジスタTR34のソースは入力ノードND1に接続される。したがって、コンデンサC2が設けられていない場合、トランジスタTR33,TR34は通常のカレントミラーを構成する。
トランジスタTR35は、コンデンサC2と並列に接続される。トランジスタTR35のゲートには、フリップフロップFFの出力Qが入力される。したがって、フリップフロップFFがリセット状態のとき(すなわち、トランジスタTR21がオフ状態のとき)トランジスタTR35が導通し、これによってコンデンサC2に蓄積された電荷が放出される。
トランジスタTR31は、入力ノードND1と接地ノードND2との間にトランジスタTR33と直列に接続される。すなわち、トランジスタTR31のソースは接地ノードND2に接続され、トランジスタTR31のドレインはトランジスタTR33のドレインに接続される。
トランジスタTR32は、入力ノードND1と接地ノードND2との間にトランジスタTR34と直列に接続される。すなわち、トランジスタTR32のソースは接地ノードND2に接続され、トランジスタTR32のドレインはトランジスタTR34のドレインに接続される。
トランジスタTR32,TR34の接続ノードND8は、前述の抵抗素子R1の端点(ノードND5)に接続される。言い換えると、トランジスタTR32,TR34間を接続する電流経路上のノードND8から分岐し、抵抗素子R1の端点(ノードND5)に達する電流経路が設けられる。スロープ電流Isは、トランジスタTR34から流出し、この電流経路を通って抵抗素子R1に流入する。
トランジスタTR30は、そのゲートとドレインとが互いに接続された、いわゆるダイオード接続のトランジスタである。トランジスタTR30のソースは接地ノードND2に接続され、トランジスタTR30のゲートは、トランジスタTR31,TR32の各ゲートに接続される。すなわち、トランジスタTR30,TR31,TR32はカレントミラーを構成する。
定電流源36は、トランジスタTR30のドレインと入力ノードND1との間に接続され、トランジスタTR30に定電流I0を流す。したがって、トランジスタTR30とカレントミラーを構成するトランジスタTR31,TR32には、トランジスタTR30,TR31,TR32の各サイズ(ゲート幅Wとゲート長Lとの比W/L)に応じた電流が流れる。トランジスタTR31,TR32に流れる電流をそれぞれI1,I2とし、トランジスタTR30,TR31,TR32のサイズをそれぞれW30/L30、W31/L31、W32/L32とすれば、
I0:I1:I2=W30/L30:W31/L31:W32/L32 …(4)
の関係が成立つ。
互いに直列接続されたトランジスタTR31,TR33には、等しい電流I1が流れる。トランジスタTR34には、トランジスタTR32を流れる電流I2とスロープ電流Isとを合計した電流が流れる。
ここで、この実施の形態のスロープ補償回路24の場合、トランジスタTR33,TR34のサイズの比を、トランジスタTR31,TR32のサイズの比に等しくする点に特徴がある。すなわち、トランジスタTR33,TR34のサイズをそれぞれW33/L33、W34/L34とすると、
W31/L31:W32/L32=W33/L33:W34/L34 …(5)
の関係が成立つ。言い換えると、電流源回路25は、トランジスタTR33,TR34のサイズの比に比例した電流I1,I2を、トランジスタTR33,TR34にそれぞれ流す。トランジスタTR33,TR34のサイズが互いに等しい場合には、トランジスタTR31,TR32のサイズも互いに等しくなり、この場合、I1=I2の関係が成り立つ。
(スロープ補償回路24の動作)
次に、スロープ補償回路24の動作について説明する。トランジスタTR34のゲート・ソース間電圧は、トランジスタTR33のゲート・ソース間電圧とコンデンサC2の電圧との和に等しい。したがって、トランジスタTR34に流れる電流は、コンデンサC2の充電電圧に応じて変化する。
まず、フリップフロップFFがリセット状態(変換部20に設けられたNMOSトランジスタTR21はオフ状態)の場合について説明する。この場合、フリップフロップFFの出力QがLレベルとなるので、トランジスタTR35がオン状態となる。これにより、コンデンサC2に蓄積された電荷は放出され、その電圧はほぼ0になる。このとき、トランジスタTR33,TR34はカレントミラー回路を構成しているのと同じであるので、上式(5)の関係から、トランジスタTR34に流れる電流は、トランジスタTR32に流れる電流I2に等しくなり、スロープ電流Isは0になる。
次に、フリップフロップFFがセット状態(変換部20に設けられたNMOSトランジスタTR21はオン状態)の場合について説明する。フリップフロップFFの出力QがLレベルからHレベルに切替わると、スロープ補償回路24に設けられたトランジスタTR35がオフ状態に切替わるので、コンデンサC2は、定電流I1によって充電を開始する。これにより、コンデンサC2の電圧はフリップフロップFFがセット状態に切替わってからの時間に比例して増加する。トランジスタTR34に流れる電流は、電流I2から非線型的に(時間の2乗にほぼ比例して)増加するので、スロープ電流Isも0から非線型的に(時間の2乗にほぼ比例して)増加する。フリップフロップFFがリセット状態に戻ると、スロープ電流Isは0に戻る。
以上の構成のDC−DCコンバータ3によれば、簡単な構成のスロープ補償回路24によって非線型のスロープ電流Isを生成し、生成したスロープ電流Isによって電流制御モード時のインダクタ電流を安定化することができる。
なお、図5で説明したように、図6のDC−DCコンバータ3の場合にも、抵抗素子R4を設けずに、NMOSトランジスタTR21のオン抵抗を利用してインダクタ電流ILを検出することができる。
<実施の形態2の変形例>
図7は、図6のスロープ補償回路24の変形例の構成を示す回路図である。図7を参照して、スロープ補償回路34は、図1に示したスロープ補償回路14の構成にさらにPMOSトランジスタTR16,TR17で構成されるカレントミラーを付加したものである。ダイオード接続されたトランジスタTR16は、入力ノードND1とノードND8との間に接続される。トランジスタTR17は、入力ノードND1と、図6のノードND5との間に接続され、そのゲートはトランジスタTR16のゲートに接続される。
図1のスロープ補償回路14は、スロープ電流Isが流入する電流シンクであった。図7のスロープ補償回路34は、PMOSトランジスタTR16,TR17によって構成されるカレントミラーを追加することによって、スロープ電流Isを流出する電流ソースとして機能するようにしたものである。
なお、電流シンクとして機能する図1のスロープ補償回路14も、電流ソースとして機能する図6のスロープ補償回路24にカレントミラーを構成する2個のNMOSトランジスタを付加した回路に置き換えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2,3 DC−DCコンバータ、10,10A,20 変換部、11,21 制御回路、12 電圧シフト回路、13,16,17,36 定電流源、14,24,34 スロープ補償回路、15,25 電流源回路、22 インバータ、C1,C2 コンデンサ、CLK クロック信号、CMP 比較器、DRV ドライブ回路、EAMP 誤差アンプ、FF フリップフロップ、GND 接地電圧、IL インダクタ電流、Is スロープ電流、L インダクタ、ND1 入力ノード、ND2 接地ノード、ND3 出力ノード、R1,R2,R3,R4,R5 抵抗素子、TR1,TR2,TR5,TR10〜TR17,TR21,TR22,TR30〜TR35 MOSトランジスタ、TR3,TR4 バイポーラトランジスタ、Vin 入力電圧、Vocp 過電流保護電圧、Vout 出力電圧、GND 接地電圧、Vsum 合計電圧。

Claims (5)

  1. 入力電圧が与えられる入力ノードと、
    接地電圧が与えられる接地ノードと、
    出力電圧を出力するための出力ノードと、
    前記入力ノードまたは前記接地ノードに一端が接続された第1のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子の他端と接続されたインダクタと、
    スロープ電流を生成するスロープ補償回路と、
    前記インダクタを流れる電流に比例した電圧と前記スロープ電流に比例した電圧との合計電圧と、前記出力電圧に比例した電圧と所定の参照電圧との差に基づく誤差電圧との比較によって、前記第1のスイッチング素子をオフ状態に切替える電流モード制御を行なう制御回路とを備え、
    前記スロープ補償回路は、
    容量素子と、
    前記容量素子と並列に接続され、前記第1のスイッチング素子がオン状態のときにオフ状態となる第2のスイッチング素子と、
    第1の主電極が前記入力ノードまたは前記接地ノードに接続された第1のトランジスタと、
    第1の主電極が前記容量素子を介して前記第1のトランジスタの第1の主電極と接続され、制御電極が前記第1のトランジスタの制御電極と接続される、ダイオード接続された第2のトランジスタと、
    前記第1および第2のトランジスタの各第2の主電極と接続され、前記第1および第2のトランジスタのサイズの比に比例した電流を前記第1および第2のトランジスタにそれぞれ流す電流源回路とを含み、
    前記スロープ電流は、前記第1のトランジスタの第2の主電極と前記電流源回路との接続経路から分岐した経路を通って、前記第1のトランジスタに流入または前記第1のトランジスタから流出する、DC−DCコンバータ。
  2. 前記電流源回路は、
    前記入力ノードと前記接地ノードとの間に前記第1のトランジスタと直列に接続された第3のトランジスタと、
    前記入力ノードと前記接地ノードとの間に前記第2のトランジスタと直列に接続された第4のトランジスタと、
    前記第3および第4のトランジスタとカレントミラーを構成する、ダイオード接続された第5のトランジスタと、
    前記第5のトランジスタに所定の電流を流す定電流源とを含み、
    前記第1および第2のトランジスタのサイズの比は、前記第3および第4のトランジスタのサイズの比に等しい、請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
  3. 前記第1のスイッチング素子と前記入力ノードまたは前記接地ノードとの間に挿入された第1の抵抗素子をさらに備え、
    前記制御回路は、
    前記第1の抵抗素子と前記第1のスイッチング素子との接続ノードに一端が接続され、他端が前記スロープ補償回路と接続されることによって、前記スロープ電流が流れる第2の抵抗素子と、
    前記合計電圧として前記第2の抵抗素子の前記他端の電圧を受けて、前記誤差電圧と比較する比較器とを含み、
    前記第1のスイッチング素子は、前記比較器の出力に応じてオフ状態に切替わる、請求項1または2に記載のDC−DCコンバータ。
  4. 前記制御回路は、
    前記第1のスイッチング素子がオン状態のときにオン状態となる第3のスイッチング素子と、
    前記インダクタと前記第1のスイッチング素子との接続ノードに前記第3のスイッチング素子を介して一端が接続され、他端が前記スロープ補償回路と接続されることによって、前記第1のスイッチング素子がオン状態のときに前記スロープ電流が流れる抵抗素子と、
    前記合計電圧として前記抵抗素子の前記他端の電圧を受けて、前記誤差電圧と比較する比較器とを含み、
    前記第1のスイッチング素子は、前記比較器の出力に応じてオフ状態に切替わる、請求項1または2に記載のDC−DCコンバータ。
  5. 前記制御回路は、さらに、前記インダクタを流れる電流に比例した電圧が所定の上限電圧を超えたときに前記第1のスイッチング素子をオフ状態にする過電流制御を行なう、請求項1〜4のいずれか1項に記載のDC−DCコンバータ。
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