図1は、実施例1に係る生体認証装置のブロック図である。図1に示すように、本実施例に係る生体認証装置は、指紋画像取得部1、指紋特徴情報抽出部2、静脈画像取得部3、静脈特徴情報抽出部4、指浮検出部5及び認証情報DB(Data Base)6を有する。さらに、本実施例に係る生体認証装置は、認証情報入力部10、基準取得部20、認証部30、位置補正部40及び通知部50を有している。
認証情報入力部10は、指紋情報入力部11及び静脈情報入力部12を有している。
指紋情報入力部11は、指を置く領域が設けられ、その領域に置かれた指の指紋情報を検出するセンサを有する入力装置である。ここで、指を置くとは、センサ面に指を接触させる接触型でもよいし、センサに対して指をかざす非接触型でもよい。利用者は、指紋情報入力部11の指を置く領域に、自己の指を置くことで、自己の指の指紋情報の入力を行うことができる。ここで、本実施例では、指紋情報入力部11を用いて利用者が人差し指、中指及び薬指の指紋を入力する場合で説明する。ただし、本実施例に係る生体認証装置は、入力する指紋としてどの指の指紋を用いても動作可能である。
静脈情報入力部12は、手のひらを置く領域が設けられ、その領域に置かれた手のひらの静脈情報を検出するセンサを有する入力装置である。利用者は、静脈情報入力部12の手のひらを置く領域に、自己の手のひらを置くことで、自己の手のひらの静脈情報の入力を行うことができる。以下では、指紋情報と手のひら静脈情報を合わせて「生体情報」と言う場合がある。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11が検出した指紋情報から指紋の撮像を行い人差し指、中指及び薬指の指紋の指紋画像を取得する。そして、指紋画像取得部1は、取得した指紋画像を指浮検出部5へ出力する。さらに、指紋画像取得部1は、しわ検出の通知を指浮検出部5から受けると、取得した指紋画像を指紋特徴情報抽出部2へ出力する。
指浮検出部5は、指紋画像取得部1から人差し指、中指及び薬指の指紋を指紋画像の入力を受ける。そして、指浮検出部5は、受信した指紋画像から関節位置のしわの抽出を実行する。ここで、指浮検出部5は、しわの抽出が行えた場合、指紋画像取得部1及び静脈画像取得部3へしわ検出の通知を行う。これに対して、しわの抽出が行えなかった場合には、指浮検出部5は、後述する指浮通知部51へ指が浮いている旨の通知を行う。このように、指紋情報に指の関節位置のしわが含まれないことを検出することで、関節位置のしわを入力するよう利用者に通知でき、確実に関節位置のしわの情報を取得することができるようになる。これにより、関節位置のしわと指紋特徴情報とを用いた指の方向の算出を確実に行うことができる。
ここで、本実施例では、指のしわの画像を確実に取得するため指浮検出部5を設けたが、利用者に適切な指の配置を指導するなど、しわの画像の取得が確実であれば、指浮検出部5を設けなくてもよい。
指紋特徴情報抽出部2は、人差し指、中指及び薬指の指紋を指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、指紋の紋様パターンを決定するための特徴的な情報である指紋特徴情報をそれぞれの指について取得する。この指紋特徴情報とは、例えば、指紋の隆線の端点や分岐点の位置や方向などを表す情報である。そして、指紋特徴情報抽出部2は、人差し指、中指及び薬指の指紋特徴情報及び指紋画像を基準取得部20の指方向検出部21に出力する。
基準取得部20は、指方向検出部21、2指選択部22及び基準算出部23を有している。
図2は、指の方向の検出を説明するための図である。ここで、図2では、説明の便宜上中指を例に記載しているが実際には全ての指について同様の処理がなされる。指方向検出部21は、人差し指、中指及び薬指の指紋特徴情報及び指紋画像を指紋特徴情報抽出部2から受信する。指方向検出部21は、受信した各指の指紋特徴情報から各指の指紋の図2に示す指紋中心101を求める。さらに、指方向検出部21は、受信した指紋画像から遠位置指節間関節(第一関節)近傍に形成されるしわを抽出する。そして、指方向検出部21は、しわの延びている方向を示す有力方向102を抽出する。例えば、指方向検出部21は、周波数解析やランダムに2点を繰返し抽出して方向を求めて統計をとるなどにより有力方向を求めることができる。ここで、指方向検出部21による有力方向の算出には特に制限は無い。次に、指方向検出部21は、しわから得られる有力方向102に対して指紋中心101から垂線を下ろす。そして、指方向検出部21は、垂線を下ろした方向103を指の長軸方向とする。以下では、指の長軸方向を単に「指の方向」と言う。
指方向検出部21は、人差し指、中指及び薬指それぞれの指の方向を求める。そして、指方向検出部21は、人差し指、中指及び薬指それぞれの指の方向の情報及び各指の指紋中心の位置情報を2指選択部22へ出力する。
2指選択部22は、人差し指、中指及び薬指それぞれの指の方向の情報及び各指の指紋中心の位置情報の入力を指方向検出部21から受ける。2指選択部22は、各指紋の方向の情報や指紋中心の位置情報から両端の指を特定する。本実施例では、2指選択部22は、人差し指及び薬指を両端の指として特定する。そして、2指選択部22は、人差し指及び薬指の方向を両端の指の方向とする。そして、2指選択部22は、両端の指の情報、人差し指、中指及び薬指それぞれの指の方向の情報並びに各指の指紋中心の位置情報を基準算出部23へ出力する。
図3は、両端の指の方向を用いた基準方向及び基準位置の算出を説明するための図である。また、図4は、各指の指紋の情報の一例を表す図である。基準算出部23は、両端の指の情報、人差し指、中指及び薬指それぞれの指の方向の情報並びに各指の指紋中心の位置情報を2指選択部22から受ける。本実施例では、基準算出部23は、両端の指の情報として、薬指の方向である図3の指方向111及び人差し指の方向である図3の指方向112の入力を受ける。より詳しくは、基準算出部23は、例えば、図4の表120に示すよう指毎の指紋中心の位置座標、角度で表されるしわの方向、及び角度で表される指の方向を取得する。このように、表120で示される指の方向の角度で図3の指方向111及び指方向112が表される。
そして、基準算出部23は、各指の方向の情報から指が開いているか否かを判定する。例えば、基準算出部23は、両端の指の方向がなす角度が予め決められた閾値を超えるか否かによって指が開いているか否かを判定する。
そして、指が開いている場合、基準算出部23は、図3に示すように、指方向111と指方向112との交点114を求める。次に基準算出部23は、指方向111と指方向112とがなす角の内角二等分線115を求める。この内角二等分線115は、実際に検出された中指の指方向113とはずれている。そこで、基準算出部23は、交点114を中心として中指の指紋画像117を内角二等分線115と一致するまで回転させる。これにより、基準算出部23は、中指の指紋画像117を中指の指紋画像116に移動する。そして、基準算出部23は、図3の中指の指紋画像116を基準位置とする。さらに、基準算出部23は、基準位置から内角二等分線115に沿って交点114に向かう方向を基準方向とする。ここで、図5は手の平静脈画像を移動するための各パラメータの一例を表す図である。図5の表121のように、基準算出部23は、交点114の情報として両端の指の方向の交点を表す座標を取得する。また、基準算出部23は、基準位置の情報として中指の指紋画像116の座標を取得する。また、基準算出部23は、基準方向の情報として内角二等分線115の角度を取得する。
また、指が開いていない場合、基準算出部23は、2指選択部22により選択されなかった指を特定する。本実施例では、基準算出部23は、2指選択部22により選択されなかった指として中指を特定する。そして、基準算出部23は、中指の指紋中心座標を基準位置とし、中指の方向を基準方向とする。ここで、本実施例では、処理が停滞することを避けるため指が開いていない場合にも認証が行えるように、両端以外の指を用いて基準位置及び基準方向を設定したが、より正確を期すために、基準算出部23が、利用者に指を開く指示を通知するようにしてもよい。また、登録時のみ、基準算出部23が、利用者に指を開く指示を通知し、認証時には両端以外の指を用いて基準位置及び基準方向を設定するようにしてもよい。このようにすることで、登録時には正確な情報が得られ、認証時にはその正確な情報を用いて迅速に認証が行えるようになる。
基準算出部23は、登録処理の場合には、求めた基準位置と基準方向を認証情報DB6へ出力する。また、基準算出部23は、認証処理の場合には、求めた基準位置と基準方向を指紋画像回転移動部42へ出力する。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12が検出した静脈情報から手のひら静脈の撮像を行い手のひら静脈画像を取得する。そして、静脈画像取得部3は、指浮検出部5からしわ検出の通知を受けると、登録処理の場合、取得した手のひら静脈画像を静脈特徴情報抽出部4へ出力する。これに対して、認証処理の場合、静脈画像取得部3は、指浮検出部5からしわ検出の通知を受けると、取得した手のひら静脈画像を後述する静脈画像補正部41へ出力する。
登録処理の場合、静脈特徴情報抽出部4は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する。ここで、静脈特徴情報とは、例えば、静脈の延びる方向を示す情報などである。そして、静脈特徴情報抽出部4は、抽出した静脈特徴情報を登録処理部31へ出力する。
これに対して、認証処理の場合、静脈特徴情報抽出部4は、後述する静脈画像補正部41によって補正された手のひら静脈画像の入力を静脈画像補正部41から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する。さらに、静脈特徴情報抽出部4は、抽出した静脈特徴情報を後述する照合処理部32へ出力する。
認証情報DB6は、メモリやハードディスクなどの記憶装置である。そして、認証情報DB6は、登録時には、登録処理部31からの指示を受けて、基準算出部23から入力された基準方向及び基準位置に対応付けて、登録処理部31から入力された静脈特徴情報を格納する。
認証情報DB6は、例えば、複数の利用者の登録時の静脈特徴情報、基準方向及び基準位置といった生体情報を維持管理する。このように複数の利用者の生態情報を維持管理することで、生体認証装置は、認証情報DB6が有する生体情報と入力された生体情報とを比較し、IDの入力なしに全利用者の生体情報から本人の生体情報を識別して、認証を行うことが可能となる。
位置補正部40は、静脈画像補正部41と指紋画像回転移動部42を有している。
指紋画像回転移動部42は、認証処理の場合、認証時の基準方向及び基準位置の入力を受ける。さらに、指紋画像回転移動部42は、当該利用者の登録時の基準方向及び基準位置を認証情報DB6から取得する。
そして、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向と認証時の基準方向とがなす角度を算出する。そして、指紋画像回転移動部42は、算出した角度を回転角とする。次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準位置と認証時の基準位置の距離を算出する。そして、指紋画像回転移動部42は、算出した距離を移動距離とする。
指紋画像回転移動部42は、回転角及び移動距離を静脈画像補正部41へ出力する。
静脈画像補正部41は、認証処理の場合、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。さらに、静脈画像補正部41は、回転角及び移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。
静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像の認証時の基準位置を中心として回転角分その手のひら静脈画像を回転移動させる。さらに、静脈画像補正部41は、回転移動させた手のひら静脈画像の移動距離分の平行移動を行う。
静脈画像補正部41は、回転移動及び平行移動により補正を行った手のひら静脈画像を静脈特徴情報抽出部4へ出力する。
認証部30は、登録処理部31及び照合処理部32を有している。
登録処理部31は、登録処理の場合、静脈特徴情報の入力を静脈特徴情報抽出部4から受ける。そして、登録処理部31は、受信した静脈特徴情報を基準算出部23が算出した登録時の基準方向及び基準位置に対応させて認証情報DB6に記憶させる。
照合処理部32は、認証処理の場合、認証時の静脈特徴情報の入力を静脈特徴情報抽出部4から受ける。また、照合処理部32は、登録時の静脈特徴情報を認証情報DB6から取得する。そして、照合処理部32は、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報とを照合する。照合処理部32は、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報のいずれかが一致した場合、認証成功の通知を認証結果通知部52へ出力する。また、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報のいずれもが不一致の場合、認証失敗の通知を認証結果通知部52へ出力する。
通知部50は、指浮通知部51及び認証結果通知部52を有する。
指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、例えば、モニタ(不図示)に指が浮いている旨のメッセージを表示するなどして、利用者に手のひらの置きなおしを通知する。
認証結果通知部52は、照合処理部32から照合結果を受信する。そして、認証結果通知部52は、当該認証結果に基づいて動作する他の装置に認証結果を通知したり、モニタ(不図示)に認証結果を通知することで利用者に認証結果を通知したりする。
次に、図6を参照して、本実施例に係る生体認証装置による登録処理の流れを説明する。図6は、実施例1に係る生体認証処理による登録処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS101)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS102)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS103)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS104)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS105)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS105否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS106)、その後ステップS101へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS105肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS107)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS108)。そして、基準取得部20は、登録時の基準位置及び基準方向を認証情報DB6へ出力する。
静脈特徴情報抽出部4は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS109)。
登録処理部31は、静脈特徴情報を静脈特徴情報抽出部4から受信する。そして、登録処理部31は、基準取得部20が算出した登録時の基準位置及び基準方向に対応させて、静脈特徴情報を認証情報DB6に格納させ、当該利用者の生体情報の登録を行う(ステップ110)。
次に、図7を参照して、本実施例に係る生体認証装置による認証処理の流れを説明する。図7は、実施例1に係る生体認証装置による認証処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS201)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS202)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS203)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS204)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS205)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS205否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS206)、その後ステップS201へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS205肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS207)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS208)。そして、基準取得部20は、認証時の基準位置及び基準方向を指紋画像回転移動部42へ出力する。
指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向及び基準位置を認証情報DB6から取得する(ステップS209)。
次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向と認証時の基準方向のなす角度を回転角として算出する(ステップS210)。
次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準位置と認証時の基準位置との距離を平行移動距離として算出する(ステップS211)。
静脈画像補正部41は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。さらに、静脈画像補正部41は、認証時の基準位置、回転角及び平行移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。そして、静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像を、基準位置を中心として回転角度回転させ、さらに、移動距離移動させて手のひら静脈画像の位置を補正する(ステップS212)。
静脈特徴情報抽出部4は、補正された手のひら静脈画像の入力を静脈画像補正部41から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS213)。
照合処理部32は、静脈特徴情報を静脈特徴情報抽出部4から受信する。さらに、照合処理部32は、登録時の静脈特徴情報を認証情報DB6から取得する。そして、照合処理部32は、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報を照合する(ステップS214)。照合処理部32は、認証の成否を認証結果通知部52に通知する。そして、認証結果通知部52は、利用者に認証結果を通知する。
次に、図8を参照して、本実施例に係る生体認証装置による基準算出の流れを説明する。図8は、実施例1に係る生体認証装置による基準算出のフローチャートである。
指方向検出部21は、各指の指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、指方向検出部21は、各指の第一関節の関節位置のしわを抽出する(ステップS301)。
さらに、指方向検出部21は、各指のしわの有力方向及び各指の指紋中心の情報を取得する(ステップS302)。
そして、指方向検出部21は、指紋中心からしわの有力方向へ垂線を下ろし、各指の方向を取得する(ステップS303)。
2指選択部22は、各指の方向の情報及び指紋中心の情報の入力を指方向検出部21から受ける。そして、2指選択部22は、各指の方向や指紋中心の情報から両端の2指である人差し指と薬指を選択する(ステップS304)。
基準算出部23は、選択した人差し指と薬指の情報、各指の方向の情報及び各指の指紋中心の情報を2指選択部22から受信する。そして、基準算出部23は、人差し指の方向と薬指の方向とを比較する(ステップS305)。
そして、基準算出部23は、指が開いているか否かを判定する(ステップS306)。指が開いている場合(ステップS306肯定)、基準算出部23は、人差し指の方向と薬指の方向との交点を算出する(ステップS307)。
さらに、基準算出部23は、人差し指の方向と薬指の方向とがなす角度の内角二等分線を算出する(ステップS308)。
そして、基準算出部23は、中指の指紋中心が内角二等分線に一致するように人差し指の方向と薬指の方向との交点を中心に回転移動する(ステップS309)。
基準算出部23は、基準位置を回転した後の中指の指紋中心とし、基準方向を人差し指の方向と薬指の方向とがなす角度の内角二等分線の方向とする(ステップS310)。
これに対して、指が開いていない場合(ステップS306否定)、基準算出部23は、基準位置を中指の指紋中心とし、基準方向を中指の方向とする(ステップS311)。
〔ハードウェア構成〕
次に、生体認証装置のハードウェア構成について説明する。図9は、生体認証装置のハードウェア構成図である。図9に示すように、生体認証装置は、CPU(Central Processing Unit)201、指紋センサ202、手のひら静脈センサ203、キーボード204及びマウス205を有している。さらに、生体認証装置は、ROM(Read Only Memory)206、RAM(Random Access Memory)207、通信インタフェース208、記憶装置209及び電源210を有している。
生体認証装置では、CPU201が、指紋センサ202、手のひら静脈センサ203、キーボード204、マウス205、ROM206、RAM207、通信インタフェース208、記憶装置209及び電源210と接続されている。
指紋センサ202は、図1に示した指紋情報入力部11及び指紋画像取得部1の機能を実現する。手のひら静脈センサ203は、図1に示した静脈情報入力部12及び静脈画像取得部3の機能を実現する。記憶装置209は、図1に示した認証情報DB6の機能を実現する。キーボード204及びマウス205を用いることで、利用者は、識別番号などの生体情報以外の情報の入力を行える。また、通信インタフェース208は、生体認証装置が外部との通信を行う際に用いられる。電源210は、各部に電源を供給する。
そして、CPU201、ROM206及びRAM207は、例えば、図1に示した指紋特徴情報抽出部2、静脈特徴情報抽出部4、指浮検出部5、基準取得部20、認証部30及び位置補正部40等の機能を実現する。例えば、ROM206は、図1に例示した指紋特徴情報抽出部2、静脈特徴情報抽出部4、指浮検出部5、基準取得部20、認証部30及び位置補正部40等による処理を実現する各種プログラムを記憶している。そして、CPU201が、これらの各種プログラムを読み出して実行することで、上述した各機能を実現するプロセスを生成する。
以上に説明したように、本実施例に係る生体認証装置は、取得した画像を回転させて登録時の画像と方向及び位置を一致させ照合を行うことができる。これにより、どのような位置に手のひらや指を置いても高精度な照合が行えるため、手のひらや指の置き方の自由度が高くなる。さらに、適当な位置に指と手のひらを置くことで登録ができるので、生体情報の登録を簡単に行うことができる。
また、3指の情報を用いて両端の指の指方向交点部分の内角二等分線を中央の指の方向とすることで、指全体の開き方の違いを吸収することができる。さらに、中央の指と両端の各々の指との挟角が均等で無い場合でも、中央の指の指紋画像を両端の指の指方向交点部分の内角二等分線上まで回転移動することで、3指の各指の均等な開き方を再現することができる。したがって、指の開き方が均等で無い場合でも、静脈画像の位置あわせが容易に行える。すなわち、両端の2指の方向を用いて基準方向を定めるので、ぶれの少ない方向を基準とすることができ、認証の精度を向上させることができる。
また、回転移動と平行移動のみで、認証時の静脈情報を登録時の静脈情報に近接させることができ、静脈画像の位置あわせを容易に行うことができる。
(変形例1)
次に、実施例1の一つの変形例について説明する。図10は、実施例1の変形例1に係る生体認証システムのブロック図である。
本変形例に係る生体認証システムは、実施例1の生体認証装置をクライアント100及びサーバ200を有するクライアントサーバシステムとしたものである。
クライアント100は、指紋画像取得部1、指紋特徴情報抽出部2、静脈画像取得部3、静脈特徴情報抽出部4、指浮検出部5、認証情報入力部10、基準取得部20、位置補正部40、通知部50及び通信制御部7を有する。認証部30、認証情報DB6及び通信制御部8を有する。ここで、図10において、図1と同じ符号を有する各部は特に説明の無い限り同じ機能を有するものとする。
クライアント100について説明する。静脈画像取得部3は、登録時及び認証時のいずれにおいても、手のひら静脈画像を静脈画像補正部41へ出力する。
基準算出部23は、実施例1と同様に基準方向及び基準位置を算出する。そして、基準算出部23は、登録時及び認証時のいずれにおいても基準方向及び基準位置を指紋画像回転移動部42へ出力する。
指紋画像回転移動部42は、正規化基準方向及び正規化基準位置を予め記憶している。ここで、正規化基準方向とは、標準となる基準方向であり、例えば、90°(垂直)が設定される。また、正規化基準位置とは、標準となる基準位置で、例えば、座標(50,160)が設定される。
指紋画像回転移動部42は、基準方向及び基準位置の入力を基準算出部23から受ける。そして、指紋画像回転移動部42は、登録時及び認証時のいずれにおいても、正規化基準方向から基準算出部23が求めた基準方向を減算する。そして、指紋画像回転移動部42は、減算結果を回転角度とする。また、指紋画像回転移動部42は、正規化基準位置から基準算出部23が求めた基準位置を減算する。そして、指紋画像回転移動部42は、減算結果を移動距離とする。
そして、指紋画像回転移動部42は、求めた回転角度と移動距離を静脈画像補正部41へ出力する。
静脈画像補正部41は、基準位置の情報、回転角度及び移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。静脈画像補正部41は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、登録時及び認証時のいずれにおいても、静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像の基準位置を中心として回転角度分その手のひら静脈画像を回転させ、さらに、移動距離分の平行移動を行い手のひら静脈画像の位置を補正する。
静脈画像補正部41は、補正した手のひら静脈画像を静脈特徴情報抽出部4へ出力する。
静脈特徴情報抽出部4は、登録時及び認証時のいずれにおいても、補正された手のひら静脈画像の入力を静脈画像補正部41から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する。そして、静脈特徴情報抽出部4は、静脈特徴情報を通信制御部7へ出力する。
通信制御部7は、例えばネットワークを介してサーバ200の通信制御部8と接続されている。そして、通信制御部7と通信制御部8とは、データの授受が可能である。
通信制御部7は、静脈特徴情報の入力を静脈特徴情報抽出部4から受ける。そして、通信制御部7は、静脈特徴情報を通信制御部8へ送信する。また、通信制御部7は、認証結果を通信制御部8から受信する。そして、通信制御部7は、受信した認証結果を認証結果通知部52へ出力する。
次に、サーバ200について説明する。通信制御部8は、静脈特徴情報をクライアント100の通信制御部7から受信する。そして、通信制御部8は、登録処理の場合、受信した静脈特徴情報を登録処理部31へ出力する。これに対して、認証処理の場合、通信制御部8は、受信した静脈特徴情報を照合処理部32へ出力する。
登録処理部31は、登録処理の場合、静脈特徴情報の入力を通信制御部8から受ける。そして、登録処理部31は、受信した静脈特徴情報を認証情報DB6に格納させる。
照合処理部32は、認証処理の場合、静脈特徴情報の入力を通信制御部8から受ける。そして、照合処理部32は、受信した静脈特徴情報と認証情報DB6に格納されている静脈特徴情報とを照合する。そして、照合処理部32は、照合結果を通信制御部8へ出力する。
次に、図11を参照して本変形例に係る生体認証システムにおける登録処理の流れを説明する。図11は、実施例1の変形例1に係る生体認証システムにおける登録処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS401)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS402)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS403)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS404)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS405)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS405否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS406)、その後ステップS401へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS405肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS407)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS408)。そして、基準取得部20は、登録時の基準位置及び基準方向を指紋画像回転移動部42へ出力する。
指紋画像回転移動部42は、正規化基準方向から登録時の基準方向を引いて回転角度を算出する(ステップS409)。
さらに、指紋画像回転移動部42は、正規化基準位置から登録時の基準位置を引いて平行移動距離を算出する(ステップS410)。
静脈画像補正部41は、基準位置の情報、回転角度及び移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。さらに、静脈画像補正部41は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像の基準位置を中心として回転角度分その手のひら静脈画像を回転させ、さらに、移動距離分の平行移動を行い手のひら静脈画像の位置を補正する(ステップS411)。
静脈特徴情報抽出部4は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS412)。
通信制御部7は、静脈特徴情報抽出部4が抽出した静脈特徴情報をサーバ200へ送信する(ステップS413)。
サーバ200の登録処理部31は、静脈特徴情報を通信制御部8から受信する。そして、登録処理部31は、静脈特徴情報を認証情報DB6に格納させ、当該利用者の生体情報の登録を行う(ステップS414)。
次に、図12を参照して、本変形例に係る生体認証システムによる認証処理の流れを説明する。図12は、実施例1の変形例1に係る生体認証システムによる認証処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS501)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS502)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS503)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS504)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS505)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS505否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS506)、その後ステップS501へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS505肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS507)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS508)。そして、基準取得部20は、認証時の基準位置及び基準方向を指紋画像回転移動部42へ出力する。
指紋画像回転移動部42は、正規化基準方向から認証時の基準方向を引いて回転角度を算出する(ステップS509)。
さらに、指紋画像回転移動部42は、正規化基準位置から認証時の基準位置を引いて平行移動距離を算出する(ステップS510)。
静脈画像補正部41は、基準位置の情報、回転角度及び移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。さらに、静脈画像補正部41は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像の基準位置を中心として回転角度分その手のひら静脈画像を回転させ、さらに、移動距離分の平行移動を行い手のひら静脈画像の位置を補正する(ステップS511)。
静脈特徴情報抽出部4は、補正された手のひら静脈画像の入力を静脈画像補正部41から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS512)。
通信制御部7は、静脈特徴情報抽出部4が抽出した静脈特徴情報をサーバ200へ送信する(ステップS513)。
照合処理部32は、静脈特徴情報を通信制御部8から受信する。さらに、照合処理部32は、静脈特徴情報を認証情報DB6から取得する。そして、照合処理部32は、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報を照合する(ステップS514)。
クライアント100の通信制御部7は、照合処理部32による照合結果をサーバ200の通信制御部8から受信する(ステップS515)。
以上に説明したように、本変形例に係る生体認証システムは、クライアントサーバシステムの構成で実施例1と同じ効果を有する生体認証システムを実現できる。これにより、複数のクライアントを端末として、生体認証を行うことができ、大規模なシステムに対しても対応することができる。
さらに、本変形例では、2つの装置に実施例1の各機能を分けて配置する場合で説明したが、これに限らず、3以上の複数の装置にまたがるように実施例1の各機能を配置してもよい。
(変形例2)
次に、実施例1の他の変形例について説明する。図13は、実施例1の変形例2に係る生体認証装置のブロック図である。
本変形例に係る生体認証装置は、手のひら静脈画像をブロックに分割して認証を行うことが実施例1と異なるものである。そこで、以下では、ブロック分割を用いた認証について主に説明する。ここで、図13において、図1と同じ符号を有する各部は特に説明の無い限り同じ機能を有するものとする。
本実施例に係る生体認証装置は、実施例1の各部に加えて、画像結合部70、共通面積算出部71及び位置補正部40に撮像範囲識別部43を設けたものである。
静脈画像取得部3は、受信した手のひら静脈画像を予め決められたブロックに分割する。例えば、静脈画像取得部3は、静脈画像を14×14の正方形に分割して正方形のそれぞれをブロックとする。
静脈特徴情報抽出部4は、登録処理の場合、ブロック分割された手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、ブロック分割された手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する。
また、静脈特徴情報抽出部4は、認証処理の場合、補正後のブロック分割がされた手のひら静脈画像の入力を撮像範囲識別部43から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信したブロック分割された手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する。そして、静脈特徴情報抽出部4は、静脈特徴情報を画像結合部70へ出力する。
登録処理部31は、静脈特徴情報及びその静脈特徴情報を取得したブロックの位置情報の入力を静脈特徴情報抽出部4から受ける。そして、登録処理部31は、受信した静脈特徴情報及びその静脈特徴情報を取得したブロックの位置情報を基準算出部23が算出した登録時の基準方向及び基準位置に対応させて認証情報DB6に記憶させる。
撮像範囲識別部43は、補正が行われた手のひら静脈画像における撮像範囲を予め記憶している。撮像範囲を撮像範囲識別部43は、補正後のブロック分割がされた手のひら静脈画像の入力を静脈画像補正部41から受ける。そして、撮像範囲識別部43は、回転及び移動によって撮像範囲の外となったブロックを削除する。そして、撮像範囲識別部43は、撮像範囲外のブロックを削除したブロック分割がされた手のひら静脈画像を静脈特徴情報抽出部4へ出力する。
画像結合部70は、既に当該利用者の認証を実施したことがある場合、当該利用者の前回の認証に用いた静脈特徴情報及び基準位置を記憶している。そして、当該利用者の前回の認証に用いた静脈特徴情報を記憶している場合、画像結合部70は、静脈特徴情報抽出部4から受信した今回認証時の静脈特徴情報と前回認証時の静脈特徴情報とを基準位置を合わせて合成する。例えば、画像結合部70は、今回認証時の静脈特徴情報以外の場所にある前回認証時の静脈特徴情報のうち一部を今回認証時の静脈特徴情報に加える。これにより、今回認証時の静脈特徴情報が少ない場合でも、認証範囲を拡大することができ、認証を行うことが可能となる。そして、画像結合部70は、生成した静脈特徴情報を含むブロックの数を共通面積算出部71へ出力する。これに対して、前回の認証に用いた静脈特徴情報を記憶していない場合、画像結合部70は、静脈特徴情報抽出部4から受信した静脈特徴情報を含むブロックの位置情報を共通面積算出部71へ出力する。
そして、画像結合部70は、認証続行の通知を共通面積算出部71から受けた場合、静脈特徴情報抽出部4から受信した今回認証時の静脈特徴情報を照合処理部32へ出力する。さらに、照合処理部32による認証が成功した場合、画像結合部70は、今回の静脈特徴情報及び基準位置を認証成功時の静脈特徴情報及び基準位置として保存する。これに対して、照合処理部32による認証が失敗した場合、画像結合部70は、前回の静脈特徴情報及び基準位置を認証成功時の静脈特徴情報及び基準位置として保存する。
共通面積算出部71は、静脈特徴情報が含まれるブロックの位置情報を画像結合部70から受ける。さらに、共通面積算出部71は、当該利用者の登録時の静脈特徴情報が含まれるブロックの位置情報を認証情報DB6から取得する。そして、共通面積算出部71は、登録時の静脈特徴情報を含むブロックと認証時の静脈特徴情報を含むブロックとで共通するブロックの数(以下では、「共通ブロック」と言う。)が予め設定された閾値以上の場合、共通部分の面積は十分であると判定する。共通部分の面積が十分であると判定した場合、共通面積算出部71は、認証続行を画像結合部70に通知する。これに対して、共通部分の面積が十分で無いと判定した場合、共通面積算出部71は、画像結合部70に認証の中止を通知する。この場合、手のひら静脈画像の入力から処理が再度開始される。
照合処理部32は、静脈特徴情報を画像結合部70から受ける。さらに、照合処理部32は、登録時の静脈特徴情報を認証情報DB6から取得する。そして、照合処理部32は、画像結合部70から受信した静脈特徴情報と認証情報DB6から取得した登録時の静脈特徴情報を照合する。
次に、図14を参照して、本変形例に係る生体認証装置による認証処理の流れを説明する。図14は、実施例1の変形例2に係る生体認証装置による認証処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS601)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS602)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS603)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS604)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS605)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS605否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS606)、その後ステップS601へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS605肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS607)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS608)。そして、基準取得部20は、認証時の基準位置及び基準方向を指紋画像回転移動部42へ出力する。
指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向及び基準位置を認証情報DB6から取得する(ステップS609)。
次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向と認証時の基準方向のなす角度を回転角として算出する(ステップS610)。
次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準位置と認証時の基準位置との距離を平行移動距離として算出する(ステップS611)。
静脈画像取得部3は、取得した手のひら静脈画像をブロック分割する(ステップS612)。ここで、図14のフローでは、説明の便宜上、この位置でブロック分割を行っているが、このブロック分割は、ステップS611より前であればどこで行ってもよい。
静脈画像補正部41は、ブロック分割された手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。さらに、静脈画像補正部41は、認証時の基準位置、回転角及び平行移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。そして、静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像の基準位置を中心として回転角度分その手のひら静脈画像を回転させ、さらに、移動距離分の平行移動を行い手のひら静脈画像の位置を補正する(ステップS613)。
撮像範囲識別部43は、静脈画像補正部41から受信した手のひら静脈画像から撮像範囲外に有るブロックを削除する(ステップS614)。
静脈特徴情報抽出部4は、補正された手のひら静脈画像の入力を撮像範囲識別部43から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS615)。
画像結合部70は、前回認証時の静脈特徴情報が存在するか否かを判定する(ステップS616)。前回認証時の静脈特徴情報が存在する場合(ステップS616肯定)、画像結合部70は、今回の静脈特徴情報と前回認証時の静脈特徴情報とを合成する(ステップS617)。画像結合部70は、前回認証時の静脈特徴情報が存在しないと判定した場合(ステップS616否定)、ステップS618へ進む。
共通面積算出部71は、共通ブロックの数が閾値以上か否かを判定する(ステップS618)。閾値以上の場合(ステップS618肯定)、照合処理部32は、静脈特徴情報を画像結合部70から受信する。さらに、照合処理部32は、登録時の静脈特徴情報を認証情報DB6から取得する。そして、照合処理部32は、画像結合部70から受信した静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報を照合する(ステップS619)。
照合処理部32は、認証の成否を判定する(ステップS620)。認証が成功した場合(ステップS620肯定)、照合処理部32は、認証結果通知部52に認証成功を通知する。そして、画像結合部70は、今回の静脈特徴情報及び基準位置を認証成功時の静脈特徴情報として保存する(ステップS621)。
これに対しては、認証が失敗した場合(ステップS620否定)及びブロック数が閾値を下回った場合(ステップS618否定)、画像結合部70は、前回の静脈特徴情報及び基準位置を認証成功時の静脈特徴情報及び基準位置として保存する(ステップS622)。そして、照合処理部32は、利用者に認証失敗を通知する。
図15は、ブロック分割を用いた認証を説明するための図である。図5に示す領域301は指紋画像の撮像範囲である。また、領域302が手のひら静脈画像の撮像範囲である。また、図15の紙面に向かって右側の図が認証時の状態を表しており、紙面に向かって左側の図が登録時の状態を表している。丸印303が特徴情報を表している。そして、ブロック305は、認証時の特徴情報を含むブロックである。また、ブロック304は、登録時の特徴情報を含むブロックである。
紙面に向かって右側の認証時の手のひら静脈画像は、基準位置307が登録時の基準位置に一致するように回転及び平行移動が行われる。これにより、認証時の特徴情報が含まれるブロック305がブロック306に移動される。ブロック306は、どのブロックも領域302からはみ出さないので、削られない。そして、ブロック304とブロック306とに共通するブロックが共通ブロックであり、この共通ブロックの数が閾値以上の場合、ブロック304に含まれる特徴情報とブロック306に含まれる特徴情報とが照合される。
さらに、図16は、分割ブロック及び共通ブロックの一例を示す図である。表310は、図15の状態における分割ブロック及び共通ブロックを示している。例えば、表310に示すように、図15における分割ブロックが14×14の正方形に分けられていることを表している。そして、表310に示すように、図15におけるブロック304とブロック306との共通ブロックは10個である。このように、分割ブロックが決められ、共通ブロックが求められる。
以上に説明したように、本変形例に係る生体認証装置は、撮像範囲外に有る静脈特徴情報を除いて認証を行うことができる。これにより、不要な静脈特徴情報の照合を行わずに済み、生体認証装置の処理の負荷を軽減することができる。
図17は、実施例2に係るブロック図である。本実施例に係る生体認証装置は、認証の前に登録時の静脈特徴情報の絞込みを行うことが実施例1と異なるものである。そこで、以下では、登録時の静脈特徴情報の絞込みについて主に説明する。ここで、図17において、図1と同じ符号を有する各部は特に説明の無い限り同じ機能を有するものとする。
本実施例に係る生体認証装置は、実施例1の各部に加えて絞込情報取得部60、並びに認証部30に絞込処理部33を設けたものである。
絞込情報取得部60は、指付根検出部61及び距離算出部62を有している。
図18は、指紋から指の付け根までの距離の算出を説明するための図である。図18の領域401は、指紋画像の撮像領域であり、領域402は、手のひら静脈画像の撮像領域である。
指付根検出部61は、登録時及び認証時のいずれにおいても、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、指付根検出部61は、両端の指と中央の指の付け根の位置を取得する。本実施例では、指付根検出部61は、図18に示す人差し指と中指の付け根の位置である付根位置404及び薬指と中指の付け根の位置である付根位置407を取得する。そして、指付根検出部61は、距離算出部62に指の付根の位置の情報を出力する。
距離算出部62は、指の付根の位置の情報の入力を指付根検出部61から受ける。そして、距離算出部62は、両端の指の指紋中心を取得する。本実施例では、距離算出部62は、人差し指の指紋中心403及び薬指の指紋中心406を取得する。そして、距離算出部62は、両端の指の指紋中心から両端の指と中央の指の付け根の位置までの距離を求める。本実施例では、距離算出部62は、図18の指紋中心403と付根位置404との間の距離405及び指紋中心406と付根位置407との間の距離408を求める。そして、距離算出部62は、登録処理の場合、求めた両端の指の指紋中心から両端の指と中央の指の付け根の位置までの距離を登録処理部31へ出力する。また、認証処理の場合、距離算出部62は、求めた両端の指の指紋中心から両端の指と中央の指の付け根の位置までの距離を絞込処理部33へ出力する。
登録処理部31は、静脈特徴情報抽出部4から受信した静脈特徴情報と距離算出部62から受信した両端の指の指紋中心から両端の指と中央の指の付け根の位置までの距離を対応付けて認証情報DB6へ格納する。この場合も、登録処理部31は、基準位置及び基準情報とも静脈特徴情報を対応付けて認証情報DB6に格納する。
絞込処理部33は、両端の指の指紋中心から両端の指と中央の指の付け根の位置までの距離の入力を距離算出部62から受ける。次に、絞込処理部33は、受信した両端の指の指紋中心から両端の指と中央の指の付け根の位置までの距離に対して所定の範囲内にある距離を有する静脈特徴情報を認証情報DB6から抽出する。そして、絞込処理部33は、抽出した静脈特徴情報を照合処理部32へ出力する。
照合処理部32は、絞込処理部33が抽出した静脈特徴情報の入力を受ける。さらに、照合処理部32は、静脈特徴情報抽出部4から今回の認証に用いられる静脈特徴情報の入力を受ける。そして、照合処理部32は、今回の認証に用いられる静脈特徴情報と絞込処理部33が抽出した静脈特徴情報とを照合する。
次に、図19を参照して、本実施例に係る生体認証装置による登録処理の流れを説明する。図19は、実施例2に係る生体認証処理による登録処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS701)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS702)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS703)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS704)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS705)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS705否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS706)、その後ステップS701へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS705肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS707)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS708)。そして、基準取得部20は、登録時の基準位置及び基準方向を認証情報DB6へ出力する。
絞込情報取得部60は、指紋中心から指の付け根までの距離を算出する(ステップS709)。
静脈特徴情報抽出部4は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS710)。
登録処理部31は、静脈特徴情報を静脈特徴情報抽出部4から受信する。さらに、登録処理部31は、指紋中心から指の付け根までの距離の入力を絞込情報取得部60から受ける。そして、登録処理部31は、基準位置及び基準方向に対応させて、指紋中心から指の付け根までの距離及び静脈特徴情報を認証情報DB6に格納させ、当該利用者の生体情報の登録を行う(ステップS711)。
次に、図20を参照して、本実施例に係る生体認証装置による認証処理の流れを説明する。図20は、実施例2に係る生体認証装置による認証処理のフローチャートである。
利用者は、認証情報入力部10を用いて生体情報である人差し指、中指及び薬指の指紋の情報並びに手のひらの静脈の情報を入力する(ステップS801)。
指紋画像取得部1は、指紋情報入力部11から入力された指紋の情報から指紋画像を取得する(ステップS802)。
静脈画像取得部3は、静脈情報入力部12から入力された手のひら静脈の情報から手のひら静脈画像を取得する(ステップS803)。
指浮検出部5は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指浮検出部5は、指紋画像から関節位置のしわを抽出する(ステップS804)。
指浮検出部5は、関節位置のしわが抽出できたか否かにより、指紋画像に関節位置のしわが含まれるか否かを判定する(ステップS805)。関節位置のしわが含まれない場合(ステップS805否定)、指浮検出部5は、指が浮いている旨の通知を指浮通知部51へ行う。指浮通知部51は、指が浮いている旨の通知を指浮検出部5から受信する。そして、指浮通知部51は、利用者に手のひらの置きなおしを通知する(ステップS806)、その後ステップS801へ戻る。
これに対して、関節位置のしわが含まれる場合(ステップS805肯定)、指紋特徴情報抽出部2は、指紋画像の入力を指紋画像取得部1から受ける。そして、指紋特徴情報抽出部2は、受信した指紋画像から指紋特徴情報を抽出する(ステップS807)。
基準取得部20は、指紋特徴情報の入力を指紋特徴情報抽出部2から受ける。そして、基準取得部20は、受信した指紋特徴情報から基準位置及び基準方向を算出する(ステップS808)。そして、基準取得部20は、認証時の基準位置及び基準方向を指紋画像回転移動部42へ出力する。
絞込情報取得部60は、指紋中心から指の付け根までの距離を算出する(ステップS809)。
絞込処理部33は、絞込みに該当する登録情報が存在するか否かを判定する(ステップS810)。絞込みに該当する登録情報が存在する場合(ステップS810肯定)、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向及び基準位置を認証情報DB6から取得する(ステップS811)。
次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準方向と認証時の基準方向のなす角度を回転角として算出する(ステップS812)。
次に、指紋画像回転移動部42は、登録時の基準位置と認証時の基準位置との距離を平行移動距離として算出する(ステップS813)。
静脈画像補正部41は、手のひら静脈画像の入力を静脈画像取得部3から受ける。さらに、静脈画像補正部41は、認証時の基準位置、回転角及び平行移動距離の入力を指紋画像回転移動部42から受ける。そして、静脈画像補正部41は、受信した手のひら静脈画像の基準位置を中心として回転角度分その手のひら静脈画像を回転させ、さらに、移動距離分の平行移動を行い手のひら静脈画像の位置を補正する(ステップS814)。
静脈特徴情報抽出部4は、補正された手のひら静脈画像の入力を静脈画像補正部41から受ける。そして、静脈特徴情報抽出部4は、受信した手のひら静脈画像から静脈特徴情報を抽出する(ステップS815)。
照合処理部32は、静脈特徴情報を静脈特徴情報抽出部4から受信する。さらに、照合処理部32は、登録時の静脈特徴情報を絞込処理部33から取得する。そして、照合処理部32は、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報を照合する(ステップS816)。照合処理部32は、認証時の静脈特徴情報と登録時の静脈特徴情報が合致したか否かを判定する(ステップS817)。照合処理部32が合致したと判定した場合(ステップS817否定)、ステップS819へ進む。合致しない場合(ステップS817肯定)、照合処理部32は、未照合のデータがあるか否かを判定する。照合処理部32が、未照合のデータが無いと判定した場合(ステップS818肯定)、ステップS819に進む。
これに対して、照合処理部32が、未照合のデータが有ると判定した場合(ステップS818否定)、ステップS811へ進む。
そして、ステップS817で否定又はステップS818で肯定の場合、照合処理部32は照合結果を確定する(ステップS819)。ここで、未照合のデータが無く且つ合致するデータが無い場合には、最も類似するデータに対して照合を行い照合結果を確定してもよい。そして、照合処理部32は、認証の成否を認証結果通知部52に通知する。そして、認証結果通知部52は、利用者に認証結果を通知する。
次に、図21を参照して、本実施例に係る生体認証装置による絞込処理の流れを説明する。図21は、実施例2に係る生体認証装置による絞込処理のフローチャートである。
指付根検出部61は、人差し指と中指の付け根の位置を取得する(ステップS901)。
距離算出部62は、人差し指の指紋中心を求める。そして、距離算出部62は、人差し指の指紋中心から指付根検出部61が検出した人差し指と中指の付け根の位置までの距離を算出する(ステップS902)。
指付根検出部61は、薬指と中指の付け根の位置を取得する(ステップS903)。
距離算出部62は、薬指の指紋中心を求める。そして、距離算出部62は、薬指の指紋中心から指付根検出部61が検出した薬指と中指の付け根の位置までの距離を算出する(ステップS904)。
以上に説明したように、本変形例に係る生体認証装置は、静脈特徴情報を絞り込んだ上で認証を行うことができる。これにより、不要な静脈特徴情報の照合を行わずに済み、生体認証装置の処理の負荷を軽減でき、処理を早くすることができる。