JP5880786B2 - 細胞培養容器 - Google Patents

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Description

本発明は、受精卵などの個別管理が必要な細胞を培養するための細胞培養容器に関する。
培養系で精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製して、さらに受精卵を卵割、桑実胚、胚盤胞の段階を経て、透明帯から孵化した脱出胚盤胞の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胚盤胞の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術(ART)が、家畜領域のみならずヒトの不妊医療でも確立されている。
しかし、体外受精による妊娠成功率は必ずしも高くはなく、たとえばヒトにおいては、その妊娠成功率は、依然として25〜35%程度に留まっている。その原因の一つとして、培養において子宮への移植に適した良質な受精卵を得られる確率が高くないことが挙げられる。培養された受精卵は、専門家が顕微鏡で個別に観察することにより、子宮への移植に適した良質な受精卵であるか否か判別されている。
体外受精においては、容器中に培養液のドロップを作り、この中に受精卵を入れて体外培養するマイクロドロップ法が用いられることが多い。従来、このマイクロドロップ法には、細胞培養容器として、底面が単一平面であり、直径が30〜60mmのシャーレが使用され、シャーレの底面に、培養液のドロップを、間隔をあけて複数個作製し、その中で細胞を培養する方法が使用されてきた。
通常のシャーレでドロップを作成すると、受精卵自身の細胞運動やドロップ内の対流によって受精卵の位置が変わってしまい、その中で培養して観察していた受精卵の特定が難しくなるという問題があった。したがって、受精卵の位置を制御できる手段が求められていた。
受精卵の培養効果をより効率的にするためには受精卵同士の相互作用(パラクライン効果)を利用することが好ましいとされている。これらの効果を利用しつつ、受精卵の位置を制御する目的で、シャーレの底面に受精卵のサイズと同程度のマイクロウェルを形成し、複数個のマイクロウェルを覆うように培養液のドロップを添加し、培養液で満たされたマイクロウェルに受精卵を配置して培養を行うシステムが知られている。それにより複数の受精卵の位置を制御して個別観察を可能としつつ、少量の培養液の中で複数の受精卵の培養を行うことができ、パラクライン効果を利用できる。
特許第4724854号公報
本発明者らは、受精卵培養を行う際に、マイクロウェルを有する細胞培養容器を利用すると、マイクロウェルのサイズが小さいため培養液を入れる際に気泡がウェル内に残ってしまい、気泡を抜くための作業が必要で作業が煩雑であるという課題を見出した。
したがって本発明は、細胞を収容するためのマイクロウェルを有する培養容器を用いたマイクロドロップ法による細胞培養において、マイクロウェル内に気泡が残りにくく、培養作業性を向上させることが可能な細胞培養容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、マイクロウェルの側面に凹凸構造を形成することにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)底部と側壁とを有する細胞培養容器であって、
底部に、細胞を収容するためのマイクロウェルが一つ以上配置されており、
マイクロウェルが底面と側面と開口部とを有し、
マイクロウェルの側面に凹凸構造が形成されている、
細胞培養容器。
(2)マイクロウェルの側面が親水性面である、(1)に記載の細胞培養容器。
(3)凹凸構造が、2以上のライン状の凹凸構造である、(1)または(2)に記載の細胞培養容器。
(4)凹凸構造が、2以上のドット状の突起および/または2以上のドット状の窪みによって構成される、(1)または(2)に記載の細胞培養容器。
(5)マイクロウェルの開口部の開口幅が0.1mm以上1mm以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(6)マイクロウェルの底面が、平滑な表面である、(1)〜(5)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(7)マイクロウェルの底面の表面粗さが、3μm以下の最大高さ(Ry)である、(6)に記載の細胞培養容器。
(8)2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の幅および凹部の幅が、開口部の外縁部分の長さの1/320〜1/4の範囲である、(3)および(5)〜(7)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(9)2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の凹部に対する高さが、開口部の開口幅の1/1000〜1/1.5の範囲である、(3)および(5)〜(8)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(10)2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の幅に対する凸部の高さの比が、0.1〜1.5の範囲である、(3)および(5)〜(9)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(11)2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の幅および凹部の幅が、15〜70μmの範囲である、(3)および(5)〜(10)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(12)2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の凹部に対する高さが、1〜70μmの範囲である、(3)および(5)〜(11)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(13)マイクロウェルの底面が、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きの傾斜面を有する逆円錐形状であり、
マイクロウェルの側面が、細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対して傾斜しており、
2以上のライン状の凹凸構造において、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における凸部の断面が方形状または円弧状の形状である、(3)および(5)〜(12)のいずれかに記載の細胞培養容器。
(14)底部と側壁とを有する細胞培養容器であって、
底部に、細胞を収容するためのマイクロウェルが一つ以上配置されており、
マイクロウェルが底面と側面と開口部とを有し、
細胞培養容器の底部が、マイクロウェルおよびマイクロウェルの周囲を含めて親水性面である、
細胞培養容器。
(15)親水性面の水接触角が70°以下である、(1)〜(14)のいずれかに記載の細胞培養容器。
本発明により、培養作業性が向上した細胞培養容器が提供される。
本発明の細胞培養容器の一実施形態の上面図を示す概略図である。 本発明の細胞培養容器の一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のマイクロウェルの一実施形態の拡大斜視図を示す概略図である。 図3のマイクロウェルの上面図を示す概略図である。 本発明のマイクロウェルの一実施形態の拡大斜視図を示す概略図である。 本発明のマイクロウェルの一実施形態の拡大斜視図を示す概略図である。 本発明の細胞培養容器を用いた細胞培養方法の一実施形態の垂直断面図を示す概略図である。 本発明のマイクロウェルの一実施形態の拡大斜視図を示す概略図である。 図8Aのマイクロウェルの上面図を示す概略図である。 図8BのマイクロウェルのX−X’断面図を示す概略図である。 本発明のマイクロウェルの一実施形態の拡大斜視図を示す概略図である。 図9Aのマイクロウェルの上面図を示す概略図である。 図9BのマイクロウェルのX−X’断面図を示す概略図である。 本発明のマイクロウェルの一実施形態の拡大斜視図を示す概略図である。 図10Aのマイクロウェルの上面図を示す概略図である。 図10BのマイクロウェルのX−X’断面図を示す概略図である。
以下、本発明について説明する。
本発明の細胞培養容器の一実施形態の概略図を図1〜4に示す。図1は上面図を、図2は垂直断面図を、図3はマイクロウェルの拡大斜視図を示し、図4はマイクロウェルの拡大上面図を示す。
図1〜4に示されるように、本発明の細胞培養容器1は、
底部2と側壁3とを有し、
底部2に、細胞を収容するためのマイクロウェル4が一つ以上配置されており、
マイクロウェル4が底面5と側面6と開口部7とを有し、
マイクロウェルの側面6に凹凸構造8が形成されている、
ことを特徴とする。
なお、図1および図2には、複数のマイクロウェルを囲む内壁9が記載されているが、内壁は必須の構成要件ではない。
細胞を収容するためのマイクロウェルの側面に凹凸構造を形成することにより、マイクロウェルに培養液を滴下したときに、気泡が残りにくく、気泡を抜くための作業が必要ないため、培養作業性を向上させることができる。
マイクロウェルは、底面と側面と開口部を有し、凹部を形成する。マイクロウェル側面の凹凸構造は特に制限されないが、微小なマイクロウェルの側面に形成することから、微小な凹凸構造であることが好ましい。また、マイクロウェルの側面全体において気泡抜けを向上させる観点から、凹凸構造は、マイクロウェルの側面全体に形成されていることが好ましい。本発明において、「凹凸構造が、マイクロウェルの側面全体に形成されている」とは、例えば、マイクロウェルの側面の総面積に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、とりわけ好ましくは約100%の領域が、凹凸構造が形成されている領域であることを意味する。凹凸構造は、マイクロウェルの側面だけでなく、マイクロウェルの開口部の周囲や、マイクロウェルの底面に形成されていてもよい。細胞培養容器の底部全面に形成されていてもよい。しかし、マイクロウェルに細胞を収容して顕微鏡等で観察することを考慮すると、マイクロウェルの底面には、凹凸構造が形成されていないことが好ましい。本発明において、「マイクロウェルの底面に凹凸構造が形成されていない」とは、例えば、マイクロウェルの底面の総面積に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、とりわけ好ましくは約100%の領域が、凹凸構造が形成されていない領域であることを意味する。マイクロウェルの底面に、凹凸構造が形成されていると、光の屈折や透過性が低下することで、収容した細胞を顕微鏡観察する際に影響を与えることがあるため好ましくない。ただし、その場合であっても、製造プロセスに起因してどうしても形成されてしまうような凹凸構造、すなわち、本発明の凹凸構造の幅や深さよりも微細な凹凸構造の存在を排除するものではない。
マイクロウェルの底面は、平滑な表面であることが好ましい。本発明において、「マイクロウェルの底面が、平滑な表面である」とは、例えば、マイクロウェルの底面の総面積に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、とりわけ好ましくは約100%の領域が、平滑な表面であることを意味する。例えば、マイクロウェルの底面が下記で説明する底面幅を有する場合、例えば0.1mm以上、好ましくは0.12mm以上、より好ましくは0.15mm以上の直径を有する円形の領域が、平滑な表面であることが好ましい。上記円形の直径は、X+m(ここでXは観察対象となる細胞の最大径を表す)と規定することもできる。ここで、mは、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.02mm以上である。また、本発明において、「平滑な表面」とは、可能な限り小さい表面粗さであることを意味する。例えば、マイクロウェルの底面の表面粗さは、3μm以下の最大高さ(Ry)であることが好ましく、1μm以下のRyであることがより好ましく、0.5μm以下のRyであることがさらに好ましい。本明細書において、最大高さ(Ry)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜き取り部分における山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率方向に測定した値(マイクロメートル単位)を意味する。本発明の細胞培養容器では、観察対象となる細胞をマイクロウェルに収容して、培養および観察を行う。細胞の観察を行う場合、通常は、以下において説明する観察装置を用いて、マイクロウェルの底面方向または開口部方向から細胞の画像を取得する。この際、マイクロウェルの底面に本発明の凹凸構造の幅や深さよりも微細な凹凸構造、すなわち微細な山および谷が多数存在する場合、該底面の表面粗さが大きくなり、結果として細胞の画像が不鮮明となる可能性がある。それ故、マイクロウェルの底面が、上記の特徴を有する平滑な表面である場合、細胞の観察において鮮明な画像を取得することができる。
なお、マイクロウェルの底面の表面粗さは、例えば、本発明の細胞培養容器を作製する際に使用する金型の表面に磨き処理を行う等の手段によって、該金型の加工精度を高めることにより、小さい値とすることができる。
凹凸構造の形状は、気泡抜けを向上させる形状であれば、特に制限されないが、2以上のライン状の凹凸構造や、2以上のドット状の突起および/または2以上のドット状の窪みによって構成される凹凸構造が挙げられる。
2以上のライン状の凹凸構造としては、2以上のライン状の凸部がスペースを挟んで連続して形成されている構造や、2以上のライン状の凹部がスペースを挟んで連続して形成されている構造などが挙げられる。2以上のライン状の凸部がスペースを挟んで連続して形成されている構造は、スペース部分を凹部とみなすことができるので、実質的には、2以上のライン状の凹部がスペースを挟んで連続して形成されている構造ともいえる。以下、凸部をラインとし、凹部をスペースとして説明する。ライン状の凸部は、マイクロウェルの底面から開口部に向かう方向に形成されていることが好ましい。例えば、マイクロウェルの底面と平行な面上に配置されるようなライン、すなわちマイクロウェルの底面と平行な面上のマイクロウェル側面に沿ったリング状のラインも考えられるが、マイクロウェルを射出成形などで製造する場合に加工が難しく、気泡抜け効果も弱いと考えられる。マイクロウェルの側面が底面に垂直な場合は、ライン状の凸部も、底面に垂直に形成されていることが好ましいが、マイクロウェル側面に沿って多少傾いていてもよい。その場合、傾きは垂直方向に対して30°以下であることが好ましい。ここで、傾きは、マイクロウェル側面の展開図において、垂直な場合のラインに対する角度として規定できる。
マイクロウェルの側面が底面に対して傾斜している場合には、例えば、図3および4に示すように、ライン状の凸部も底面に対してマイクロウェル側面と同じ角度で傾斜するが、底面の重心を通り底面に垂直な面と側面との交線上にライン状凸部が存在するように形成されていることが好ましい。この場合も、例えば、図5に示すように、ラインがマイクロウェル側面に沿って多少傾いていてもよく、傾きは垂直方向に対して30°以下であることが好ましい。この場合も、傾きは、マイクロウェル側面の展開図における、傾きのない場合のライン(すなわち、図3のライン)に対する角度として規定できる。また、ラインおよびスペースは、直線でも曲線でもよいが、成形が容易であること、および気泡抜け効果が高いことから直線であることが好ましい。
2以上のライン状の凹凸構造において、2以上のライン状の凸部は、いずれも実質的に略同一の幅および高さを有することが好ましい。また、2以上のスペースに相当する凹部は、いずれも実質的に略同一の幅および高さ(深さ)を有することが好ましい。
2以上のライン状の凹凸構造において、ライン状の凸部の幅(例えば、図4のX、図8BのX11、図9BのX21、図10BのX31)およびスペースに相当する凹部の幅(例えば、図4のX、図8BのX12、図9BのX22、図10BのX32)は、開口部の外縁部分の長さの、1/3140〜1/4.5の範囲、好ましくは1/314〜1/4.5の範囲、さらに好ましくは1/165〜1/15の範囲、特に好ましくは1/82.5〜1/15の範囲である。
ライン状の凹凸構造において、1個のライン状の凸部の幅およびスペースに相当する1個の凹部の幅は、それぞれ実質的に略一定であることが好ましい。この場合、ライン状の凸部の幅(例えば、図4のX、図8BのX11、図9BのX21、図10BのX31)は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは10μm以上、特に好ましくは15μm以上、とりわけ好ましくは20μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下であり、好ましくは1〜70μmの範囲、より好ましくは10〜70μmの範囲、さらに好ましくは15〜70μmの範囲、特に好ましくは20〜70μmの範囲である。スペースに相当する凹部の幅(例えば、図4のX、図8BのX12、図9BのX22、図10BのX32)は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下であり、好ましくは1〜70μmの範囲、より好ましくは10〜70μmの範囲、さらに好ましくは15〜70μmの範囲、特に好ましくは20〜70μmの範囲である。なお、本発明の細胞培養容器において、ライン状の凸部の幅およびスペースに相当する凹部の幅は、例えば、三次元測定レーザー顕微鏡によって任意のマイクロウェルにおける複数の凹凸構造の凸部の幅および凹部の幅を測定し、該測定値の平均値をそれぞれ算出することにより、決定することができる。
凸部および凹部幅を一定以上とすることで、加工成形精度が悪くなるおそれを回避できる。また、一定以下とすることで、マイクロウェルの構造に対して凹凸構造が大きくなり形状の作成が困難になることを回避できる。好ましくは、ライン状の凸部の幅と凹部の幅は同一である。成形加工時には幅が同じほうが、樹脂の流動性を制御しやすく加工精度が向上すると考えられる。
ライン状の凹凸構造において、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面におけるライン状の凸部の断面は、方形状または円弧状の形状であることが好ましい。ここで、マイクロウェルの底面の重心は、マイクロウェルの底面の外縁を含む本発明の細胞培養容器の底部と平行な面にマイクロウェルの底面を投影した図形における重心を意味する。ライン状の凸部の断面が方形状の場合、該凸部の断面は、以下において説明する高さ(例えば、図4のY、図8CのY10、図9CのY20)を有する方形状であることが好ましい。この場合、凸部の角部分は、丸みを帯びている、すなわち曲率を有していてもよい。ライン状の凸部の断面が円弧状の場合、該凸部の断面は、以下において説明する高さ(例えば、図10CのY30)を有し、100〜500μmの範囲、好ましくは200〜400μmの範囲の曲率半径を有する円弧状であることが好ましい。上記の場合、2つのライン状の凸部の間に存在する凹部は、該2つのライン状の凸部のスペース部分となる。それ故、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における凹部の断面は、マイクロウェルの側面の断面と同一となる。
また、ライン状の凸部のスペース部分(凹部)に対する高さ(例えば、図4のY、図8CのY10、図9CのY20、図10CのY30)は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下であり、好ましくは1〜70μmの範囲、より好ましくは5〜70μmの範囲あるいは1〜50μmの範囲、さらに好ましくは5〜50μmの範囲である。ライン状の凹凸構造において、各凸部の凹部に対する高さが実質的に一定の場合(例えば、図8A〜Cの細胞培養容器の凹凸構造18および図9A〜Cの細胞培養容器の凹凸構造28の如くライン状の凸部の断面が方形状の場合)、上記の値は、各凸部の天面の凹部の底面からの垂直距離(例えば、図8CのY10)を意味する。ライン状の凹凸構造において、各凸部の凹部に対する高さが一定ではない場合(例えば、図10A〜Cの細胞培養容器の凹凸構造38)、上記の値は、各凸部の天面の凹部の底面からの垂直距離の最大値、すなわち各凸部の凹部に対する最大高さ(例えば、図10CのY30)を意味する。ライン状の凸部の幅に対する高さの比(例えば、図4のY/X、図8BおよびCのY10/X11、図9BおよびCのY20/X21、図10BおよびCのY30/X31)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.2以上、特に好ましくは0.3以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下であり、好ましくは0.05〜1.5の範囲、より好ましくは0.1〜1.5の範囲、さらに好ましくは0.2〜1.5の範囲、特に好ましくは0.2〜1.0の範囲、とりわけ好ましくは0.3〜1.0の範囲である。なお、本発明の細胞培養容器において、凸部の凹部に対する高さは、例えば、三次元測定レーザー顕微鏡によって任意のマイクロウェルにおける複数の凸部の高さを測定し、該測定値の平均値を算出することにより、決定することができる。また、凸部の幅に対する高さの比は、前記で説明した手段によって決定された凸部の幅および高さの値を用いて算出することができる。
高さを一定以上とすることで、濡れ性の向上が得られず気泡が残るおそれを回避できる。また、一定以下とすることで、マイクロウェルの構造に対して加工成形精度が悪くなって濡れ性の向上効果が小さくなり、気泡残りが発生しやすくなるおそれを回避できる。
2以上のドット状の突起および/または2以上のドット状の窪みによって構成される凹凸構造においてドットの形状は特に制限されない。ドット状の突起および窪みの形状としては、錐体、錐台、柱体、ランダムな異方性凹凸状等が挙げられる。錐体状、錐台状、および柱体状の突起および窪みが加工性の点から好ましい。例えば、図6は、円柱状の突起が側面に形成されたマイクロウェルの拡大斜視図を示す。
錐体状突起および錐台状突起の場合は、突起の先端ほど細くなる形状が加工性の点から好ましく、錐体状窪みおよび錐台状窪みの場合は、窪みの開口側ほど開口幅が広くなる形状が加工性の点から好ましい。錐体状突起、錐台状突起および柱体状突起の幅、ならびに錐体状窪み、錐台状窪みおよび柱体状窪みの開口幅は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
突起の幅および窪みの開口幅を一定以上とすることで、加工成形精度が悪くなるおそれを回避できる。また、一定以下とすることで、マイクロウェルの構造に対して窪み部分が大きくなり形状の作成が困難になることを回避できる。
突起の幅は、突起の軸に垂直な切断面の図形における最大径の最大値をさし、錐体状突起、錐台状突起および柱体状突起の幅は、錐体および柱体の底面または錐台の下底の最大径をさし、底面または下底が円の場合は直径をさす。窪みの開口幅は、窪みの開口部の図形における最大径をさし、開口部の図形が円の場合は直径をさす。
ドット状突起の高さおよびドット状窪みの深さは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。突起の幅に対する突起の高さの比(高さ/幅)、ならびに窪みの開口幅に対する窪みの深さの比(深さ/開口幅)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1以下である。
突起の高さおよび窪みの深さを一定以上とすることで、加工成形精度が悪くなるおそれを回避できる。また、一定以下とすることで、マイクロウェルの構造に対して突起部分および窪み部分が大きくなり形状の作成が困難になることを回避できる。また、高さの比を一定以下とすることで、側面の窪みや突起形状を射出成形等で形成する場合に、金型から垂直剥離する際の剥離が困難になったり、形状が破壊されてしまったりする可能性を回避できる。
ドット状突起のピッチおよびドット状窪みのピッチは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
ピッチを一定以上とすることで、加工成形精度が悪くなるおそれを回避できる。また、一定以下とすることで、マイクロウェルの構造に対して突起部分および窪み部分が大きくなり形状の作成が困難になることを回避できる。
ドット状突起のピッチは、隣り合う2つの突起の間隔であり、突起の中心間の距離をさす。ここで、突起の中心は、突起の先端部における図形の重心とする。ドット状窪みのピッチは、隣り合う2つの窪みの間隔であり、窪みの中心間の距離をさす。ここで、窪みの中心は、窪みの開口部の図形の重心とする。ピッチは通常平均ピッチをさし、平均ピッチは、ある突起に関しては、近接する全ての突起とのピッチから平均値を算出したものをさし、ある窪みに関しては、近接する全ての窪みとのピッチから平均値を算出したものをさす。
ドット状突起とドット状窪みは混在していてもよいが、加工性の観点から、ドット状突起のみまたはドット状窪みのみが形成されていることが好ましく、ドット状突起のみが形成されていることがより好ましい。突起と窪みが混在すると金型加工や成形加工が困難になり、形状の精度が悪化する可能性があり、所望する濡れ性の向上効果が得られない可能性がある。
マイクロウェルの側面に凹凸構造を形成する方法については、特に制限されない。マイクロウェルを有する細胞培養容器を射出成形により製造する場合は、マイクロウェルの成形とともに側面の凹凸構造も射出成形により容易に製造することができる。あるいは、エッチングを利用した種々の方法を用いることもできる。
マイクロウェルの側面に凹凸構造を形成することで、既存の樹脂がもつ濡れ性に対して、親水性を向上させることができる。例えば、水やアルコール等の接触角値が小さくなり、液滴の滑りがよくなる。また、マイクロウェルの側面への凹凸構造の形成によって、凹凸構造がないものよりも気泡が除去しやすくなることで作業性が向上する。さらに、側面に形成する凹凸構造の形状やサイズを限定することでマイクロウェルの生産性を向上させることができる。
凹凸構造に加えて、マイクロウェルの側面を親水性面とすることにより、気泡抜け性能をさらに向上させることができる。少なくともマイクロウェルの側面が親水性面であればよいが、マイクロウェルの底面も親水性面であることが好ましく、マイクロウェルの周囲も親水性面であることがより好ましく、細胞培養容器の底部全体が親水性面であることがさらに好ましい。細胞培養容器の全体が親水性面であってもよい。本発明において、「マイクロウェルの側面が親水性面である」とは、例えば、マイクロウェルの側面の総面積に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、とりわけ好ましくは約100%の領域が親水性面であることを意味する。また、本発明において、「マイクロウェルの底面が親水性面である」とは、例えば、マイクロウェルの底面の総面積に対して、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、とりわけ好ましくは約100%の領域が親水性面であることを意味する。親水性面には、容器やマイクロウェルを構成する材料自体が親水性である場合のその親水性の表面、および容器やマイクロウェルの表面を親水化処理することによりその表面を親水性面としたものが含まれる。側面以外にもマイクロウェル周囲が親水性面であることで、液体の流動性がより向上し気泡が残る可能性が低くなる。また、親水化処理する場合には、全体を一括処理する方が、生産性が高くより安定した処理を実施できる。
親水化処理は、当技術分野で通常用いられる方法で実施することができ、特に制限されない。例えば、プラズマ処理、コーティング処理、UV照射処理、EB照射処理、表面への親水性ポリマー等のグラフト重合処理等が挙げられるが、処理対象の形状が3次元的に微細で複雑な構造を有していても全体を均一に処理できる観点からプラズマ処理が好ましい。なお、親水化処理は、マイクロウェルを有する細胞培養容器を成形後に実施することが好ましい。
プラズマ処理としては、不活性ガスを用いたプラズマ処理が挙げられる。不活性ガスとしては、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)等の希ガス、窒素(N)および酸素(O)等が挙げられる。処理対象への長期親水化保持の観点から酸素ガスやアルゴンガスを用いたプラズマ処理が好ましい。また、表面の劣化(分解やエッチング)等を防ぐ観点では、大気圧下で発生させる低温プラズマ処理が好ましい。
真空下でのプラズマ発生時の圧力は、好ましくは1Pa以下であり、好ましくは0.2Pa以上、より好ましくは0.4Pa以上である。プラズマ発生時のガス総流量は、特に制限されないが、通常5〜50ml/分、好ましくは10〜30ml/分である。流量を上記範囲とすることにより、プラズマを発生させた際の圧力のブレを抑制することができる。プラズマに照射する時間は、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下、さらに好ましくは1分以下で、かつ好ましくは2秒以上、より好ましくは10秒以上である。照射時間が短すぎるとプラズマ処理の効果が得られにくい場合がある。プラズマ発生部に与えられる電力は、好ましくは100W以上、より好ましくは200W以上、さらに好ましくは300W以上であり、好ましくは500W以下である。電力を一定以上とすることにより、プラズマが安定するためバラつきを抑制することができる。
また、大気圧下でのプラズマ発生時は、ガス総流量は、特に制限されないが、例えばアルゴンガスであると通常1〜10l/分、好ましくは3〜7l/分である。流量を上記範囲とすることにより、プラズマを発生させた際の圧力のブレを抑制することができる。プラズマに照射する時間は、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下、さらに好ましくは1分以下で、かつ好ましくは2秒以上、より好ましくは10秒以上である。照射時間を一定以上とすることでプラズマ処理の効果を確実に付与できる。真空下および大気圧下ともに上記のようなプラズマ照射条件とすることにより、より安定的かつ長期的に維持できる親水化処理が可能となる。
コーティング処理としては、親水性ポリマーによるコーティング処理が挙げられる。親水性ポリマーは、炭素成分を含み、ポリマーの主鎖もしくは側鎖に親水性の官能基を含むポリマーのことを指す。親水性ポリマーは、水溶性や水膨潤性を有する、炭素酸素結合を含む水溶性ポリマーであることが好ましい。親水性ポリマーは、恒常的に水溶性や水膨潤性を有するものであってもよいし、光、温度、pHなどの所定の刺激により水溶性や水膨潤性を示すものであってもよい。
親水性ポリマーの具体例としては、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド等のヒドロゲルポリマー、これらと他のモノマーとの共重合体や、グラフト重合体などが挙げられる。中でもポリアルキレングリコールは様々な分子量のものが市販されており、かつ生体適合性に優れているので好適に用いることができる。ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなどが挙げられ、本発明においては親水性ポリマーとして、ポリエチレングリコールが特に好適に用いられる。
上記のような親水性ポリマーなどの親水性材料で容器を形成することにより、親水化処理なしでもその表面を親水性面とすることができる。その他の親水性材料としては、ポリアクリロニトリル、ナイロン6、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、フェノール樹脂などが挙げられる。
親水性面とは、水接触角が70°以下である面のことをいう。親水性面の水接触角は、好ましくは60°以下、より好ましくは50°以下、さらに好ましくは45°以下、特に好ましくは40°以下であり、好ましくは10°以上である。水接触角が上記範囲であれば、十分な親水性を有しているといえ、したがって、気泡抜け効果も高いといえる。なお、水接触角は、23℃において測定される水接触角をさす。
マイクロウェルの開口部は、細胞を収容可能な開口幅を有する。ここで、マイクロウェルの開口部の開口幅は、マイクロウェルの開口部の外縁が形成する図形の最短径の長さをさす。従って、マイクロウェルの開口部の外縁が円形である場合、開口幅は円の直径に等しく、その直径は、培養する細胞の最大寸法より大きいものとなる。本発明の細胞培養容器により受精卵を培養する場合、胚盤胞の段階まで培養することが望ましいため、円形の開口部の直径は、胚盤胞の段階の細胞の最大寸法より大きいものであることが望ましい。また、マイクロウェルの開口部の開口幅(例えば図3および図4のR、図8CのR10、図9CのR20、図10CのR30、マイクロウェルの開口部の外縁が円形である場合はその直径)は、好ましくは0.1mm以上1mm以下である。好ましくは0.25mm以上、より好ましくは0.26mm以上、さらに好ましくは0.27mm以上であり、好ましくは0.7mm未満、さらに好ましくは0.45mm未満である。また、上記マイクロウェルの開口部の開口幅は、X+m(ここでXは細胞の最大径を表す)と規定することもできる。ここで、mは、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.02mm以上である。
マイクロウェルの深さは、マイクロウェルの開口部から最深部までを垂直に測った深さ(例えば図3のL、図8CのL10、図9CのL20、図10CのL30)をいい、好ましくは0.1mm以上0.5mm以下である。マイクロウェルの深さは、浅過ぎると、培養容器の輸送時や細胞の分裂時などに細胞が動き、細胞がマイクロウェルの範囲外に出てしまう恐れがあるため、確実に細胞をマイクロウェル内に保持できるように設定される。例えば、細胞をマイクロウェル内に保持するには、深さが細胞の最大径の1/3以上であることが好ましく、1/2以上であることがさらに好ましい。一方、深過ぎると、マイクロウェル内に培養液や細胞を導入することが難しくなるため、細胞をマイクロウェル内に保持しつつ、深過ぎない値になるよう適宜設定される。例えば、深さの上限をマイクロウェルの開口部の開口幅に対して3倍以下とすることができる。さらに、培養液の導入を容易にするためには、深さはマイクロウェルの開口幅の1倍以下であることが好ましく、1/2以下であることが特に好ましい。
マイクロウェルの底面は、細胞培養容器の使用時の配置で、水平な平面であってもよいし、最も低い位置から外縁に進むに従って高くなるような傾斜面を有していてもよい。マイクロウェルの底面は、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きの傾斜面を有する形状であることが好ましく、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きで且つ少なくとも一部分が直線的な傾斜である傾斜面を有する形状であることがより好ましく、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きの傾斜面を有する逆円錐形状であることがさらに好ましく、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きの傾斜面を有し、該底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する直線を中心軸とする逆直円錐形状であることが特に好ましい。上記の傾斜面において、最も低い位置は、マイクロウェルの底面の外縁以外の領域に配置されることが好ましく、マイクロウェルの重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する直線上に配置されることがより好ましい。ここで、マイクロウェルの底面の重心は、マイクロウェルの底面の外縁を含む本発明の細胞培養容器の底部と平行な面にマイクロウェルの底面を投影した図形における重心を意味する。傾斜面を有する場合、細胞培養容器の底部の表面に対する下向きの傾斜角度、例えば、該細胞培養容器の使用時の配置で水平面に対する傾斜角度(例えば図8のθ11、図9のθ21、図10のθ31)は、好ましくは45°以下、より好ましくは30°以下、特に好ましくは10°以下、とりわけ好ましくは5〜10°の範囲、とりわけ特に好ましくは約7°である。底面が傾斜面を有することにより、細胞をマイクロウェルの中心部(最深部)に維持することができ、すなわち多少の揺れを与えても細胞が中心位置から移動しないため、顕微鏡下において細胞を探す必要がなく観察しやすいという利点がある。
マイクロウェルの底面は、細胞を収容可能な底面幅を有する。ここで、マイクロウェルの底面の底面幅は、マイクロウェルの底面と側面との接続部によって形成される図形の最短径の長さをさす(例えば図8CのR’10、図9CのR’20、図10CのR’30)。従って、マイクロウェルの底面が円形である場合、底面幅は円の直径に等しく、その直径は、培養する細胞の最大寸法より大きいものとなる。以下において説明するように、マイクロウェルの底面と側面との接続部が曲率を有する場合、底面幅は、底面と側面との接続部が曲率を有さないと仮定した場合の該接続部によって形成される図形の最短径の長さをさす(例えば図8CのR’10、図9CのR’20)。本発明の細胞培養容器により受精卵を培養する場合、胚盤胞の段階まで培養することが望ましいため、マイクロウェルの底面の底面幅は、胚盤胞の段階の細胞の最大寸法より大きいものであることが望ましい。また、マイクロウェルの底面の底面幅は、好ましくは0.1mm以上1mm以下である。好ましくは0.25mm以上、より好ましくは0.26mm以上、さらに好ましくは0.27mm以上であり、好ましくは0.7mm未満、さらに好ましくは0.45mm未満である。また、上記マイクロウェルの底面の底面幅は、X+m(ここでXは細胞の最大径を表す)と規定することもできる。ここで、mは、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.02mm以上である。
マイクロウェルの側面は、細胞培養容器の使用時の配置で、水平面に垂直であってもよいし、傾斜していてもよい。マイクロウェルの側面は、細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対して傾斜していることが好ましい。すなわち、マイクロウェルの側面は、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における断面において、細胞培養容器の底部の表面に対して傾斜していることが好ましい。ここで、マイクロウェルの底面の重心は、マイクロウェルの底面の外縁を含む本発明の細胞培養容器の底部と平行な面にマイクロウェルの底面を投影した図形における重心を意味する。傾斜している場合は、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における断面において、細胞培養容器の底部の表面と平行な面に対するマイクロウェルの側面の傾斜角度、例えば、該細胞培養容器の使用時の配置で水平面に対する角度(例えば図3のθ、図8Cのθ10、図9Cのθ20、図10Cのθ30)は、好ましくは45°以上、より好ましくは60°以上、特に好ましくは70°以上であり、好ましくは90°未満、より好ましくは85°以下、特に好ましくは80°以下であり、好ましくは45〜85°の範囲、より好ましくは60°〜80°の範囲である。或いは、細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対するマイクロウェルの側面の傾斜角度、例えば、該細胞培養容器の使用時の配置で垂直な直線に対する角度(例えば図3の90°−θ、図8Cの90°−θ10、図9Cの90°−θ20、図10Cの90°−θ30)は、好ましくは0°超、より好ましくは5°以上、特に好ましくは10°以上であり、好ましくは45°以下、より好ましくは30°以下、特に好ましくは20°以下であり、好ましくは5〜45°の範囲、より好ましくは10°〜30°の範囲である。側面がこのような角度θ(例えば図8Cのθ10、図9Cのθ20、図10Cのθ30)で傾斜していることにより、培養液を添加したときに、マイクロウェル内に気泡が残るのを防止できる。また、細胞がマイクロウェルから飛び出すのを防止することができ、多少の振動や横揺れを与えても細胞をマイクロウェル内に保持することができる。
特に好ましくは、本発明の細胞培養容器は、
マイクロウェルの底面が、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きの傾斜面を有する逆円錐形状であり、
マイクロウェルの側面が、細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対して傾斜しており、
2以上のライン状の凹凸構造において、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における凸部の断面が方形状または円弧状の形状である。上記形状を有することにより、本発明の細胞培養容器は、培養液を添加したときに、長期間に亘ってマイクロウェル内に気泡が残るのを実質的に防止できる。また、細胞がマイクロウェルから飛び出すのを防止することができ、多少の振動や横揺れを与えても細胞をマイクロウェル内に保持することができる。
マイクロウェルの底面と側面との接続部や開口端、或いは2以上のライン状の凹凸構造における凸部と底面との接続部や凸部の開口端側の端部は、丸みを帯びていること、すなわち曲率を有することが好ましい。その場合、曲率は、それぞれ好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.02mm以上であり、好ましくは0.1mm以下、より好ましくは0.07mm以下である。マイクロウェルの底面と側面との接続部や開口端、或いは2以上のライン状の凹凸構造における凸部と底面との接続部や凸部の開口端側の端部に曲率を持たせることにより、気泡がより抜けやすくなることで作業性が改善すること、およびプラスチックによる射出成形加工が容易になり歩留まりが向上するなどの効果が期待できる。
細胞培養容器のサイズは、特に制限されないが、開口部が好ましくは円形で、開口幅(例えば、図2のr)が、好ましくは30〜60mm、特に35mmのものが用いられる。これは従来の細胞培養に用いられているシャーレと同等のサイズであり、汎用のシャーレから簡便に作製できること、および既存の培養装置等に適合しやすいことから、上記のようなサイズのものが好ましい。
マイクロウェルは、細胞培養容器の底部に、少なくとも1個形成され、好ましくは4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上が、近接して形成されている。マイクロウェルは、複数個が近接して形成されていればよく、さらに近接していないマイクロウェルが別途形成されていてもよい。また、複数個近接して形成されたマイクロウェルの群が、複数群配置されていてもよく、それらの群は互いに近接していなくてもよい。近接するマイクロウェル間のピッチは1mm以下、好ましくは0.7mm以下、さらに好ましくは0.45mm以下である。観察装置として、1/2インチのCCD素子、4、10、20倍の対物レンズを備えたものがよく用いられる。このような観察装置で、4倍の対物レンズを選択した場合の観察可能な視野はおよそ1.6mm×1.2mmであり、この観察視野内に4個以上のマイクロウェルが含まれるように設計することが好ましい。ただし、上記ピッチは収容する細胞の種類に依存して異なる。上記のようなピッチでマイクロウェルを密に配置することにより、細胞を個別に管理しつつ多くの細胞を同時に培養でき、さらに顕微鏡の一視野に多くの細胞が入るため、一度に多くの細胞の画像を取得することができる。
マイクロウェル間のピッチは近接するマイクロウェルの中心間の距離である。マイクロウェルの中心は、マイクロウェルの開口部の外縁が形成する図形の重心とし、外縁が円形であればその円の中心をさす。マイクロウェル間のピッチは通常平均ピッチをさし、平均ピッチは、あるマイクロウェルに関しては、近接する全てのマイクロウェルとのピッチから平均値を算出したものをさす。
複数個近接して形成されたマイクロウェルは、例えば、図1および図2に示すように、それらを囲む内壁により、培養容器内のその他の部分と隔てられていてもよい。当該実施形態では、近接したマイクロウェルの群ごとに内壁で囲まれており、複数のマイクロウェルの群が細胞培養容器の底面に存在する場合は、群ごとに内壁で囲まれることが好ましい。通常、受精卵等の培養においては、培養容器に受精卵を含む培養液の液滴を形成し、液滴をオイルで覆うことにより培養液の乾燥が防止されている。複数個近接して形成されたマイクロウェルの群をさらに内壁で囲むことにより、その内部に培養液を収容して安定なドロップを形成し、培養液の分散を防ぐことができる。培養液をミネラルオイル等のオイルで覆う場合も同様である。
細胞培養容器の材質は、特に制限されない。具体的には、金属、ガラス、およびシリコン等の無機材料、プラスチック(例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。細胞培養容器は、当業者に公知の方法で製造することができる。例えば、プラスチック材料からなる培養容器を製造する場合には、慣用の成形法、例えば射出成形により製造することができる。
細胞培養容器は、培養細胞の非特異的接着を防止し、また培養液のドロップが表面張力によって偏ることを防止する観点から、プラズマ処理などの表面親水化処理することが好ましい。製造後の容器に付着している菌数(バイオバーデン数)が100cfu/容器以下であることが好ましい。また、さらにγ線滅菌などの滅菌処理を施されていることがより好ましい。
細胞培養容器は、受精卵の発育を促進するような表面処理または表面コートがなされていてもよい。特に、受精卵の発育を促進するために、他の器官の細胞(例えば、子宮内膜細胞や卵管上皮細胞)と共培養をする場合、これらの細胞をあらかじめ培養容器に接着させる必要がある。このような場合に、培養容器の表面に細胞接着性の材料をコートすると有利である。
培養対象となる細胞は、特に制限されないが、例えば、受精卵、卵細胞、ES細胞(胚性幹細胞)およびiPS細胞(人工多能性幹細胞)が挙げられる。卵細胞は、未受精の卵細胞をさし、未成熟卵母細胞および成熟卵母細胞が含まれる。受精卵は、受精後、卵割により2細胞期、4細胞期、8細胞期と細胞数が増えていき、桑実胚を経て、胚盤胞へと発生する。受精卵には、2細胞胚、4細胞胚および8細胞胚などの初期胚、桑実胚、胚盤胞(初期胚盤胞、拡張胚盤胞および脱出胚盤胞を含む)が含まれる。胚盤胞は、胎盤を形成する潜在能力がある外部細胞と胚を形成する潜在能力がある内部細胞塊からなる胚を意味する。ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊から得られる未分化な多能性または全能性細胞をさす。iPS細胞は、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子(転写因子)を導入することにより、ES細胞に似た分化万能性を持たせた細胞をさす。すなわち、本実施形態において細胞には、受精卵や胚盤胞のように複数の細胞の集合体も包含される。
細胞培養容器は、好ましくは哺乳動物および鳥類の細胞、特に哺乳動物の細胞の培養に好適である。哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜が挙げられる。一実施形態において細胞培養容器は、ヒトの受精卵の培養に特に好適である。
通常、マイクロウェルを覆うように培養液Aを添加した後、培養液を覆うようにオイルBを添加し、さらに培養液中に細胞Cを添加する。これらの作業は、通常ピペットやガラスキャピラリー等の器具を用いて実施される。本実施形態の細胞培養容器は、開口が大きいので、これらの操作を比較的容易に実施できる(図7)。
培養は、通常、細胞培養容器を培養細胞の発育および維持に必要なガスを含む環境雰囲気および一定の環境温度をもたらすインキュベータに入れることにより実施される。必要なガスには、水蒸気、遊離酸素(O)および二酸化炭素(CO)が含まれる。環境温度とCO含有量を調節することにより、培養液のpHを一定時間内に安定させることができる。安定なCO含有量と安定な温度により安定なpHが得られる。画像比較プログラムにより、培養中の細胞の画像を予め保存された画像と比較することにより、培養の際の温度、ガスおよび培養液などの培養条件を調節することもできる。
例えば受精卵を培養する場合には、通常、培養後に、子宮への移植に適した良質な受精卵であるか否かが判別される。判別は自動で行ってもよいし、顕微鏡等により手動で行ってもよい。培養細胞の自動判別においては、顕微鏡により取得された培養容器内の細胞の画像をCCDカメラ等の検出装置によって撮像し、得られた像を輪郭抽出処理に付し、画像中の細胞に該当する部分を抽出し、抽出された細胞の画像を画像解析装置で解析することによりその質を判別することができる。画像の輪郭抽出処理については、例えば、特開2006−337110に記載された処理を利用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
<比較例>
開口部が直径335μmの円形であり、底面が直径285μmの円形であり、深さが150μmのマイクロウェルであって、側面が80°で傾斜している(θ=80°)マイクロウェルが、底部に25個(5×5)形成されたポリスチレン製の細胞培養容器を作製した。各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下した。その結果、すべてのマイクロウェルに気泡が残った。気泡を容易に抜くことができず、細胞培養を実施できなかった。
<実施例1>
比較例で作製した細胞培養容器をプラズマ処理により親水化し、半年間保管したものについて、容器表面の水接触角を測定したところ、50°であった。
各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下したところ、気泡が数個残ったものの容器の側面を簡単にたたくと気泡は容易に取り除くことができた。よってどのマイクロウェルでも培養を行うことができた。
<実施例2>
比較例で作製した細胞培養容器をプラズマ処理により親水化し、2年間保管したものについて、容器表面の水接触角を測定したところ、60°であった。
各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下したところ、気泡が残って容器の側面をたたいても取り除くことができないマイクロウェルが数個あった。
<実施例3>
開口部が直径335μmの円形であり、底面が直径285μmの円形であり、深さが150μmのマイクロウェルであって、図1〜図4に示すように、マイクロウェル側面に幅(X)が20μmで深さ(Y)が5μmのライン状の凹凸構造を有し、側面が80°で傾斜している(θ=80°)マイクロウェルが、底部に25個(5×5)形成された細胞培養容器を作製した。
各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下した。その結果、気泡はほとんど残ったが容器の側面を簡単にたたくと気泡は容易に取り除くことができた。よってどのマイクロウェルでも培養を行うことができた。
<実施例4>
実施例3で作製し、プラズマ処理により親水化した細胞培養容器を半年間保管したものについて、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角を測定したところ、50°であった。別途ライン状凹凸構造上の水接触角が測定できるように実施例3でマイクロウェル側面に作成したライン状凹凸構造と同様の構造を水平な表面に成形した板を作成し、同様のプラズマ処理を行ったサンプルについて水接触角を測定したところ、半年間保管したものは水接触角が10°であった。
各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下したところ、気泡は一つも残らなかった。よってどのマイクロウェルでも培養を行うことができた。
<実施例5>
実施例3で作製し、プラズマ処理により親水化した細胞培養容器を2年間保管したものについて、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角を測定したところ、60°であった。また、別途ライン状凹凸構造上の水接触角が測定できるように実施例3でマイクロウェル側面に作成したライン状凹凸構造と同様の構造を水平な表面に成形した板を作成し、同様のプラズマ処理を行ったサンプルについて水接触角を測定したところ、2年間保管したものは30°であった。
各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下したところ、気泡は一つも残らなかった。よってどのマイクロウェルでも培養を行うことができた。
<実施例6>
実施例3で作製し、プラズマ処理により親水化した細胞培養容器を2年半保管したものについて、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角を測定したところ、70°であった。また、別途ライン状凹凸構造上の水接触角が測定できるように実施例3でマイクロウェル側面に作成したライン状凹凸構造と同様の構造を水平な表面に成形した板を作成し、同様のプラズマ処理を行ったサンプルについて水接触角を測定したところ、2年半保管したものは50°であった。
各マイクロウェルに水を100μLずつ滴下したところ、気泡が数個残ったものの容器の側面を簡単にたたくと気泡は容易に取り除くことができた。
上記の結果を以下の表1にまとめる。
Figure 0005880786
結果の表示
×:すべてのマイクロウェルに気泡が残り、気泡を容易に抜くことができず、細胞培養を実施できなかった。
△:気泡が残り、容器の側面を簡単にたたいても細胞培養を行うことができないマイクロウェルが存在した。
○:気泡は残るが、容器の側面を簡単にたたくと気泡は容易に取り除くことができ、どのマイクロウェルでも細胞培養を行うことができた。
◎:気泡は一つも残らず、どのマイクロウェルでも細胞培養を行うことができた。
なお、上記実施例において、水接触角の測定は協和界面科学製DM−300を用いて測定した。具体的には、マイクロシリンジに水1μLの液滴を作製し、液滴を滴下後1秒後に、滴下した液滴の形状からθ/2法で接触角を測定した。
<実施例7>
マイクロウェルが底部に25個(5×5)形成されており、該マイクロウェルの開口部(R10)が直径335μmの円形であり、該マイクロウェルの底面(R’10)が直径285μmの円形であり、該マイクロウェルの深さ(L10)が161μmであり、該マイクロウェルの底面が、該細胞培養容器の底部の表面に対して下向きにθ11=約7°の傾斜面を有し、該底面の重心(すなわち円形の中心)を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する直線を中心軸とする逆直円錐形状であり、該マイクロウェルの側面が、該細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対して約20°傾斜している(すなわち、該マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における断面において、該マイクロウェルの側面は、該細胞培養容器の底部の表面と平行な面に対してθ10=約80°傾斜している)、ポリスチレン製の細胞培養容器を、射出成形によって作製した。図8に示すように、前記細胞培養容器のマイクロウェルの側面には、凸部の幅(X11)および凹部の幅(X12)が25μmであり、マイクロウェルの底面の重心を通る該底面に直交する面における凸部の断面が、10μmの高さ(Y10)を有する方形状である、ライン状の凹凸構造を形成した。前記細胞培養容器のマイクロウェルの底面の表面粗さは、0.5μmの最大高さ(Ry)であった。なお、マイクロウェルの底面の表面粗さは、高精度形状測定システム(KS-1100、KEYENCE社製)を用いて、2μmの測定ピッチで観察した三次元形状データから、マイクロウェルの底面の測定データを抽出し、Ry値を計算することによって決定した。
得られた細胞培養容器をプラズマ処理により親水化し、半年間保管したものについて、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角を測定したところ、50°であった。これに対し、ライン状の凹凸構造の部分の水接触角を測定したところ、10°であった。プラズマ処理後、2年間保管した細胞培養容器の場合、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角は60°であった。これに対し、ライン状の凹凸構造の部分の水接触角を測定したところ、30°であった。
プラズマ処理後、半年間保管した細胞培養容器のマイクロウェル部分に100μLの水を滴下したところ、気泡は一つも残らずに培養が可能であった。同様に、プラズマ処理後、2年間保管した細胞培養容器のマイクロウェル部分に100μLの水を滴下したところ、気泡は一つも残らずに培養が可能であった。
<実施例8>
実施例7の細胞培養容器において、凸部の幅(X21)および凹部の幅(X22)を50μm、凸部の高さ(Y20)を10μmに変更した以外は実施例7と同様の特徴を有するポリスチレン製の細胞培養容器を、射出成形によって作製した(図9)。
得られた細胞培養容器をプラズマ処理により親水化し、半年間保管したものについて、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角を測定したところ、50°であった。これに対し、ライン状の凹凸構造の部分の水接触角を測定したところ、15°であった。プラズマ処理後、2年間保管した細胞培養容器の場合、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角は60°であった。これに対し、ライン状の凹凸構造の部分の水接触角を測定したところ、35°であった。
プラズマ処理後、半年間保管した細胞培養容器のマイクロウェル部分に100μLの水を滴下したところ、気泡は一つも残らずに培養が可能であった。同様に、プラズマ処理後、2年間保管した細胞培養容器のマイクロウェル部分に100μLの水を滴下したところ、気泡は一つも残らずに培養が可能であった。
<実施例9>
マイクロウェルが底部に25個(5×5)形成されており、該マイクロウェルの開口部(R30)が直径525μmの円形であり、該マイクロウェルの底面(R’30)が直径285μmの円形であり、該マイクロウェルの深さ(L30)が239μmであり、該マイクロウェルの底面が、該細胞培養容器の底部の表面に対して下向きにθ31=約7°の傾斜面を有し、該底面の重心(すなわち円形の中心)を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する直線を中心軸とする逆直円錐形状であり、該マイクロウェルの側面が、該細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対して約29°傾斜している(すなわち、該マイクロウェルの底面の重心を通る該底面に直交する面における断面において、該マイクロウェルの側面は、該細胞培養容器の底部の表面と平行な面に対してθ30=約61°傾斜している)、ポリスチレン製の細胞培養容器を、射出成形によって作製した。図10に示すように、前記細胞培養容器のマイクロウェルの側面には、凸部の幅(X31)および凹部の幅(X32)が25μmであり、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における凸部の断面が、10μmの最大高さ(Y30)を有し、300μmの曲率半径を有する円弧状の形状である、ライン状の凹凸構造を形成した。前記細胞培養容器のマイクロウェルの底面の表面粗さは、0.5μmの最大高さ(Ry)であった。なお、マイクロウェルの底面の表面粗さは、高精度形状測定システム(KS-1100、KEYENCE社製)を用いて、2μmの測定ピッチで観察した三次元形状データから、マイクロウェルの底面の測定データを抽出し、Ry値を計算することによって決定した。
得られた細胞培養容器をプラズマ処理により親水化し、半年間保管したものについて、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角を測定したところ、50°であった。これに対し、ライン状の凹凸構造の部分の水接触角を測定したところ、10°であった。プラズマ処理後、2年間保管した細胞培養容器の場合、容器表面(凹凸構造がない部分)の水接触角は60°であった。これに対し、ライン状の凹凸構造の部分の水接触角を測定したところ、30°であった。
プラズマ処理後、半年間保管した細胞培養容器のマイクロウェル部分に100μLの水を滴下したところ、気泡は一つも残らずに培養が可能であった。同様に、プラズマ処理後、2年間保管した細胞培養容器のマイクロウェル部分に100μLの水を滴下したところ、気泡は一つも残らずに培養が可能であった。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願第2013-188598号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
1:細胞培養容器
2:底部
3:側壁
4,14,24,34:マイクロウェル
5,15,25,35:マイクロウェル底面
6,16,26,36:マイクロウェル側面
7,17,27,37:マイクロウェル開口部
8,18,28,38:凹凸構造
9:内壁
r:細胞培養容器の開口幅
R,R10,R20,R30:マイクロウェルの開口幅
R’10,R’20,R’30:マイクロウェルの底面幅
L,L10,L20,L30:マイクロウェルの深さ
θ,θ10,θ20,θ30:マイクロウェル側面の傾斜角度
θ11,θ21,θ31:マイクロウェル底面の傾斜角度
,X11,X21,X31:凸部の幅
,X12,X22,X32:凹部の幅
Y,Y10,Y20,Y30:凸部の高さ
A:培養液
B:オイル
C:細胞

Claims (16)

  1. 底部と側壁とを有するプラスチック材料を含む細胞培養容器であって、
    底部に、細胞を収容するためのマイクロウェルが一つ以上配置されており、
    マイクロウェルが底面と側面と開口部とを有し、
    マイクロウェルの側面に凹凸構造が形成されており、
    凸部の凹部に対する高さが5μm以上である
    細胞培養容器。
  2. マイクロウェルの側面が親水性面である、請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 凹凸構造が、2以上のライン状の凹凸構造である、請求項1または2に記載の細胞培養容器。
  4. 2以上のライン状の凹凸構造が、マイクロウェルの側面に沿って傾いて配置されており、該傾きが垂直方向に対して30°以下である、請求項3に記載の細胞培養容器。
  5. 凹凸構造が、2以上のドット状の突起および/または2以上のドット状の窪みによって構成される、請求項1または2に記載の細胞培養容器。
  6. マイクロウェルの開口部の開口幅が0.1mm以上1mm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  7. マイクロウェルの底面が、平滑な表面である、請求項1〜のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  8. マイクロウェルの底面の表面粗さが、3μm以下の最大高さ(Ry)である、請求項に記載の細胞培養容器。
  9. 2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の幅および凹部の幅が、開口部の外縁部分の長さの1/320〜1/4の範囲である、請求項3、4およびのいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  10. 2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の凹部に対する高さが、開口部の開口幅の1/1000〜1/1.5の範囲である、請求項3、4およびのいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  11. 2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の幅に対する凸部の高さの比が、0.1〜1.5の範囲である、請求項3、4および10のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  12. 2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の幅および凹部の幅が、15〜70μmの範囲である、請求項3、4および11のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  13. 2以上のライン状の凹凸構造において、凸部の凹部に対する高さが、〜70μmの範囲である、請求項3、4および12のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  14. マイクロウェルの底面が、細胞培養容器の底部の表面に対して下向きの傾斜面を有する逆円錐形状であり、
    マイクロウェルの側面が、細胞培養容器の底部の表面に直交する直線に対して傾斜しており、
    2以上のライン状の凹凸構造において、マイクロウェルの底面の重心を通り且つ細胞培養容器の底部と平行な面に直交する面における凸部の断面が方形状または円弧状の形状である、請求項3、4および13のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  15. 細胞培養容器の底部が、マイクロウェルおよびマイクロウェルの周囲を含めて親水性面である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の細胞培養容器。
  16. 親水性面の水接触角が70°以下である、請求項15に記載の細胞培養容器。
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