本発明の実施形態に係る被回転体の駆動構造及び画像形成装置の一例について説明する。
(全体構成)
図1には、本発明の実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。なお、X方向、−X方向、Y方向、−Y方向、Z方向、−Z方向は、図中に示す矢印方向である。そして、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、奥から手前へ向かう矢印を意味する。また、画像形成装置10をユーザー(図示省略)が立つ側から正面視して、X方向は右方向、−X方向は左方向、Y方向は上方向、−Y方向は下方向、Z方向は奥行き方向、−Z方向は手前方向に相当している。
画像形成装置10は、カバー部材(図示省略)が外部に取り付けられるとともに内部に各構成部品が設けられる装置本体10Aを有している。また、画像形成装置10は、記録媒体の一例としての記録用紙Pが収容される用紙収容部22と、記録用紙Pに画像を形成する画像形成部24と、用紙収容部22から画像形成部24へ記録用紙Pを搬送する搬送部26と、画像形成部24で形成された画像を記録用紙Pに定着する定着装置60と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、詳細を後述する被回転体の駆動構造の一例としての感光体駆動構造100及び現像ロール駆動構造110(図2参照)と、を有している。
画像形成部24は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像剤像(以後、トナー画像という)を形成する画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kと、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kで形成されたトナー画像が転写される転写手段の一例としての中間転写ベルト34と、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に転写する転写手段の一例としての一次転写ロール36と、一次転写ロール36によって中間転写ベルト34に転写されたトナー画像を中間転写ベルト34から記録用紙Pへ転写する転写手段の一例としての二次転写ロール38と、を有している。なお、画像形成部24は、上記の構成に限定されず他の構成であっても良く、記録用紙Pに画像を形成するものであればよい。
画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、Z方向に対して傾斜した状態で、装置本体10A内に並んで配置されている。また、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、一方向(一例として図1における時計回り方向)へ回転する被回転体及び像保持体の一例としての感光体31をそれぞれ有している。なお、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、同様の構成となっている。このため、図1では、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kを構成する各部材の符号について、Y、M、C、Kを省略している。また、以後の説明では、Y、M、C、Kを区別して説明する必要が無い場合は、符号のY、M、C、Kを省略して記載することがある。
感光体31は、導電性の支持体の表面に感光層を設けた構成とされており、静電潜像(潜像の一例)を保持するとともに予め設定された回転速度で回転するようになっている。そして、各感光体31の周囲には、感光体31の回転方向の上流側から順に、感光体31を帯電させる帯電ロール33と、帯電ロール33によって帯電した感光体31の外周面を露光する露光装置42と、露光装置42の露光で感光体31に形成された静電潜像を現像してトナー画像(図示省略)を形成する現像装置44と、トナー画像を一次転写した後の感光体31の外周面を清掃するクリーニングユニット45と、が設けられている。
帯電ロール33は、一例として、導電性のシャフト(図示省略)の周囲に導電性の弾性体層が形成された構成となっており、電圧印加部(図示省略)からシャフトに放電可能となる電圧が印加されることで、接地された感光体31との間の電位差により放電が行われ、感光体31の外周面を一例として負極性に帯電させる。
露光装置42は、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの斜め下方に設けられており、帯電ロール33によって帯電した感光体31の外周面を露光して静電潜像を形成する。詳細には、露光装置42は、4つの画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kに共通に構成された、4つの半導体レーザ(図示省略)が設けられており、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが、階調データに応じて出射されるようになっている。
半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、シリンドリカルレンズ(図示省略)を介して回転多面鏡であるポリゴンミラー42Aに照射され、ポリゴンミラー42Aによって偏向走査される。そして、ポリゴンミラー42Aによって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、結像レンズ及び複数枚のミラー(図示省略)を通り、ガラス製のウインドウ43Y、43M、43C、43Kを介して、感光体31上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光されるようになっている。なお、感光体31上の静電潜像は、制御部20から送られた画像信号に基づいて形成される。そして、制御部20から送られる画像信号は、一例として、制御部20が外部装置から取得した画像信号である。
現像装置44は、回転可能に設けられ感光体31へ現像剤(一例として、トナー)を供給する被回転体、現像手段、及び現像回転体の一例としての現像ロール44Aと、現像ロール44Aへ付与される現像剤を攪拌しながら循環搬送する複数の搬送部材44Bと、を有している。
クリーニングユニット45は、クリーニングブレード45Aを有しており、クリーニングブレード45Aの先端が感光体31の外周面と接触している。これにより、感光体31の外周面に付着している残留トナーや紙粉などを掻き取るようになっている。
なお、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kは、それぞれユニット本体を構成する筐体(図示省略)内に感光体31、帯電ロール33、現像装置44、及びクリーニングユニット45が設けられており、これらが装置本体10Aに対して一体となって装着され、又は装置本体10Aから取り外し(離脱)されるようになっている。
一方、中間転写ベルト34は、無端状(環状)に形成されると共に、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kの上側(Y方向側)に回転可能に配置されている。中間転写ベルト34の内側には、中間転写ベルト34が巻き掛けられる巻掛ロール52、53、54、55がX方向を軸方向として回転可能に設けられている。そして、中間転写ベルト34は、巻掛ロール52、53、54、55のいずれかが回転駆動されることによって、感光体31と接触しながら一方向(一例として、図1における反時計回り方向(矢印A方向))へ循環移動(回転)するようになっている。なお、巻掛ロール52は、二次転写ロール38と対向する対向ロールとされている。
また、中間転写ベルト34を間にして巻掛ロール53と対向する位置には、二次転写後の中間転写ベルト34の外周面に付着した残留トナーや紙粉などを清掃するクリーニングユニット57が設けられている。クリーニングユニット57は、クリーニングブレード57Aを有しており、クリーニングブレード57Aの先端が中間転写ベルト34の外周面と接触している。これにより、中間転写ベルト34の外周面に付着している残留トナーや紙粉などを掻き取るようになっている。
一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んで感光体31に対向している。そして、一次転写ロール36と感光体31との間が、感光体31に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写される一次転写位置とされている。また、一次転写ロール36には、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されるようになっており、接地された感光体31と電圧が印加された一次転写ロール36との間の電位差により、トナー画像が感光体31から中間転写ベルト34上へ一次転写される構成となっている。
二次転写ロール38は、中間転写ベルト34を挟んで巻掛ロール52に対向している。そして、二次転写ロール38と巻掛ロール52との間が、中間転写ベルト34に転写されたトナー画像が記録用紙Pに転写される二次転写位置とされている。また、二次転写ロール38には、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されるようになっており、接地された巻掛ロール52と電圧が印加された二次転写ロール38との間の電位差により、トナー画像が中間転写ベルト34上から記録用紙P上へ二次転写される構成となっている。
搬送部26は、用紙収容部22に収容された記録用紙Pを送り出す送出ロール56と、送出ロール56により送り出された記録用紙Pが搬送される搬送路58と、搬送路58に沿って配置された搬送ロール59と、搬送路58における搬送ロール59よりも下流側で且つ二次転写位置よりも上流側に配置された位置合せロール61と、を有している。
搬送路58は、用紙収容部22から二次転写位置を経て、装置本体10Aの上部に設けられた排出部17まで延びている。そして、位置合せロール61は、中間転写ベルト34上に形成されたトナー画像が二次転写位置へ到達するタイミングに合わせて、記録用紙Pを二次転写位置へ搬送するようになっている。また、搬送路58における二次転写位置よりも下流側の位置には、画像形成部24によって記録用紙Pに形成されたトナー画像を記録用紙Pに定着させる定着装置60が設けられている。
定着装置60は、内部に熱源(一例としてハロゲンランプ)を有する加熱ロール60Aと、加熱ロール60Aとともに記録用紙Pを挟んで加圧する加圧ロール60Bと、を有している。加熱ロール60Aは、搬送路58に対して中間転写ベルト34側に設けられている。そして、搬送路58における定着装置60よりも下流側の位置には、トナー画像が定着された記録用紙Pを排出部17へ排出する排出ロール62が設けられている。
一方、装置本体10A内には、表面にトナー画像が定着された記録用紙Pを反転させて、再び二次転写位置へ搬送するための反転搬送路64が、搬送路58に対する中間転写ベルト34側とは反対側に設けられている。反転搬送路64には、複数の搬送ロール65が設けられている。そして、記録用紙Pの両面に画像を形成する場合には、表面にトナー画像が定着された記録用紙Pが、排出ロール62の逆回転によりスイッチバックされて反転搬送路64内に導かれ、位置合せロール61を経由して二次転写位置へ搬送されるようになっている。これにより、裏面(両面)の画像形成が行われる。
(要部構成)
次に、感光体駆動構造100及び現像ロール駆動構造110について説明する。
図2に示すように、装置本体10A内の−X方向側には、感光体31を駆動する感光体駆動構造100と、現像ロール44A(図1参照)を駆動する現像ロール駆動構造110とが設けられている。
感光体駆動構造100は、X方向を軸方向とする円柱状の回転軸31Aの−X方向側の端部に被係合部の一例としての第1カップリング部材102が設けられた感光体31と、駆動源の一例としてのモータ90によって回転駆動される駆動力伝達部材の一例としての第1ギヤ104と、第1カップリング部材102と第1ギヤ104とを連結する連結部材の一例としての第1連結部材106と、弾性を有し第1連結部材106を第1カップリング部材102側へ付勢する弾性部材及び付勢手段の一例としてのスプリング108と、を有している。
一方、図3(B)に示すように、現像ロール駆動構造110は、現像ロール44A(図3(A)参照)と、モータ90(図2参照)によって回転駆動される駆動力伝達部材の一例としての第2ギヤ114と、詳細を後述する被係合部の一例としての第2カップリング部材112(図3(A)参照)と第2ギヤ114とを連結する連結部材の一例としての第2連結部材116と、第2連結部材116をカップリング部材112へ付勢する弾性部材及び付勢手段の一例としてのスプリング118(図9参照)と、を有している。
図3(A)に示すように、現像ロール44Aは、X方向を軸方向とするDカット状の回転軸44Cを有している。そして、回転軸44Cの−X方向側の端部には、現像ギヤ44Dが取り付けられている。また、現像装置44の筐体44Eで−X方向側の側壁44Fにおける現像ギヤ44Dの−Y方向側(下側)には、−X方向へ突出した軸部47Aが設けられている。
さらに、軸部47Aには、伝達部材の一例としての伝達ギヤ47が回転可能に設けられており、現像ギヤ44Dの歯部と伝達ギヤ47の歯部とが噛み合っている。加えて、軸部47Aにおける伝達ギヤ47よりも−X方向側の端部には第2カップリング部材112が回転可能に設けられている。このように、現像ロール44Aは、回転軸44Cに駆動力を伝達する伝達ギヤ47の軸部47Aに、間接的に第2カップリング部材112が設けられている。
ここで、図3(B)に示すように、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32K(図1参照)それぞれに対して、感光体駆動構造100Y、100M、100C、100K、及び現像ロール駆動機構110Y、110M、110C、110Kが設けられている。なお、感光体駆動構造100Y、100M、100C、100Kは、同様の構成であるため、以後の説明では符号のY、M、C、Kを省略する。また、現像ロール駆動機構110Y、110M、110C、110Kは、同様の構成であるため、以後の説明では符号のY、M、C、Kを省略する。
さらに、図3(B)に示すように、装置本体10A内の−X方向側には、Y−Z面に沿って直立する側板13が設けられている。そして、側板13のX方向側の面には、各感光体駆動構造100の各第1ギヤ104及び各第1連結部材106と、各現像ロール駆動構造110の各第2ギヤ114及び各第2連結部材116と、を支持するケース部材122が取り付けられている。
(感光体駆動構造)
次に、感光体駆動構造100の詳細について説明する。
図4及び図5(A)に示すように、第1カップリング部材102は、円筒状の取付部102Aと、取付部102Aの外径よりも大きい外径で取付部102Aの−X方向側に取付部102Aと一体成形され−X方向側へ開口した第1カップリング部102Bと、を有している。なお、図4では、図2に示す配置状態から第1カップリング部材102、第1連結部材106、及び第1ギヤ104を回転方向に90°回転した状態が示されている。
取付部102Aには、回転軸31A(図2参照)の−X方向側の端部が圧入される孔部102Cが形成されている。そして、孔部102Cの内壁には、径方向の内側へ突出したストッパ部102Dが形成されている。
第1カップリング部102Bには、後述する第1連結部材106の第1球状部106B(図5(B)参照)の外周面と面接触可能な大きさで且つ球面状の凹部102Eが形成されている。また、第1カップリング部102B(凹部102E)には、回転軸方向(X方向)と交差する方向(径方向外側へ向かう方向であり、図4では+Y、−Y方向で示している)に窪んだ第1溝部102F、102Gが形成されている。第1溝部102Fと第1溝部102Gは、第1カップリング部材102の周方向で180°(中心角が180°)離れた位置に各1つ形成されている。さらに、第1カップリング部102Bの−X方向側には、X方向に対して径方向内側へ傾斜した案内面102Hが形成されている。
加えて、第1溝部102F、102Gにおいて、第1カップリング部材102を回転させるための力を受ける側壁102I、102Jは、感光体31(図1参照)の回転方向(以後、R方向という)で第1連結部材106の回転に伴って後述する第1凸部106D、106Eと接触したときに、第1凸部106D、106Eが、第1カップリング部材102の開口していない側(X方向側)へ移動するように回転方向に垂直な面に対して傾斜している。詳細には、−X方向側に向けてR方向側(回転方向側)とは反対側に傾斜している。
図5(B)に示すように、第1連結部材106は、円柱状の軸部106Aを有している。軸部106Aの軸方向の一端(図4におけるX方向側の端部)には、第1球状部106Bが形成されており、他端(図4における−X方向側の端部)には、軸部106Aから径方向に張り出した部分の一例としての第2球状部106Cが形成されている。また、第1球状部106Bの外周面には、半球状の第1凸部106D、106Eが形成されており、第2球状部106Cの外周面には、半球状の第2凸部106F、106Gが形成されている。
さらに、図4に示すように、第2球状部106Cには、スプリング108の一端が収容されて固定される収容部106Hが形成されている。収容部106Hは、−X方向に開口した有底(X方向側が底となる)の穴であり、スプリング108の一端を収容可能な大きさとなっている。
図6(B)に示すように、第1凸部106D、106Eは、第1連結部材106を軸方向に見て、第1球状部106Bの周方向で180°離れて2つ形成されている。詳細には、第1連結部材106を軸方向に見たときの軸中心を点O、第1凸部106Dの頂点を点A、第1凸部106Eの頂点を点Bとしたとき、線分OAと線分OBとのなす角度θAが180°となっている。また、第1凸部106D、106Eは、第1溝部102F、102G(図4参照)と軸方向(図4のX方向)に離脱可能に係合する(周方向で係合する)大きさとなっている。
図6(C)に示すように、第2凸部106F、106Gは、第1連結部材106を軸方向に見て、第2球状部106Cの周方向で180°離れて2つ形成されている。詳細には、第1連結部材106を軸方向に見たときの軸中心を点O、第2凸部106Fの頂点を点C、第2凸部106Gの頂点を点Dとしたとき、線分OCと線分ODとのなす角度θBが180°となっている。また、第2凸部106F、106Gは、後述する第1ギヤ104の第2溝部104F、104G(図4参照)と周方向で係合する大きさとなっている。
また、図6(A)に示すように、第1連結部材106は、第1凸部106Dの頂点である点A、第1凸部106Eの頂点である点B、第2凸部106Fの頂点である点C、及び第2凸部106Gの頂点である点Dが、同一平面M1上に配置されている。
ここで、図6(D)に示すように、画像形成装置10において、感光体31を−X方向に見て、感光体31の外周面の露光位置を点E、中間転写ベルト34上における一次転写位置を点F、感光体31の軸中心を点Oとしたとき、線分OEと線分OFとのなす角度θCが180°となっている。
図4、図7、及び図8(A)、(B)に示すように、第1ギヤ104は、Y−Z面に沿った面内で回転する円盤状のギヤ部104Aと、ギヤ部104Aから−X方向側へ突出した円筒状の軸部104Bと、ギヤ部104AからX方向側へ突出した円筒状の連結部104Cと、を有している。
ギヤ部104Aは、モータ90(図2参照)から複数のギヤ(図示省略)を介して駆動力(回転力)が伝達されるようになっている。また、軸部104Bは、X方向側が開放されるとともに−X方向側が閉じられ、即ち、X方向に向けて開放された凹状部104Dが形成されている。
連結部104Cには、X方向(回転軸方向)に沿って配置される回転中心に第1カップリング部材102側(X方向側)へ開口した穴部104Eが形成されている。そして、穴部104Eには、X方向と交差する方向(径方向)に窪んだ第2溝部104F、104Gが形成されている。さらに、連結部104CのX方向側の端部には、第1連結部材106の第2球状部106Cが穴部104E内へ挿入された後で取り付けられる規制部材107が設けられている。
図7に示すように、規制部材107は、−X方向に見て環状の規制部107Aと、規制部107Aの周方向に間隔をあけるとともに規制部107Aの外周縁から−X方向側へ突出した複数の爪部107Bと、規制部107AのX方向側に一体で設けられた筒部107Cと、を有している。そして、規制部107A及び筒部107Cには、−X方向に貫通した貫通孔107Dが形成されている。また、規制部107AのX方向側の外周縁には、周方向に間隔をあけるとともに−X方向へ窪んだ複数の被係合部107Gが形成されている。
貫通孔107Dの内径は、第1連結部材106の第1球状部106Bの外径よりも大きく且つ第2球状部106Cの外径よりも小さく設定されている。また、筒部107Cには、周方向で180°離れた位置に溝部107E、107Fが形成されている。溝部107E、107Fは、筒部107Cの径方向に窪んでおり、第1凸部106D、106Eが内側を通過可能な大きさとなっている。
一方、第1ギヤ104の連結部104Cには、規制部材107の複数の爪部107Bと係合する係合穴104Hが形成されている。さらに、連結部104Cにおける穴部104Eの穴壁には、径方向内側へ向けて突出した係合凸部104Iが形成されている。
図4に示すように、スプリング108は、穴部104E内で−X方向側の一端が凹状部104D内に収容され、X方向側の他端が収容部106H内に収容されている。そして、スプリング108は、感光体駆動構造100の組み付け状態において、第1連結部材106を凹部102E側(X方向側)へ付勢する。
図2に示すように、側板13のX方向側で且つケース部材122内には、Y−Z面に沿って配置された支持板123が設けられている。そして、支持板123における感光体31の回転軸31Aの軸線(図示省略)上の部位には、X方向側に開放された穴部124Aを有する軸受部材124が取り付けられている。また、ケース部材122のX方向側の側壁122Aにおける感光体31の回転軸31Aの軸線(図示省略)上の部位には、−X方向側に開放された孔部125Aを有する軸受部材125が取り付けられている。
ここで、図7に示すように、第1ギヤ104の穴部104E内にスプリング108の一端を挿入した後、図8(A)に示すように、第2凸部106Fを第2溝部104Fに挿入し、第2凸部106Gを第2溝部104Gに挿入して、穴部104E内に第1連結部材106の第2球状部106Cを挿入する。なお、図7では、規制部材107と第1ギヤ104との係合を分かりやすくするために、規制部材107を第1連結部材106よりも第1ギヤ104に近い側に配置して示しているが、組み付け時には、第1連結部材106の第2球状部106Cの方が、規制部材107よりも先に第1ギヤ104に組み付けられる。
続いて、第1連結部材106の第1凸部106D(図5(B)参照)を溝部107Eに挿入し、第1凸部106Eを溝部107Fに挿入して、軸部106Aを貫通孔107Dに挿入する。この状態で、爪部107Bを係合穴104Hに係合させ、係合凸部104Iに被係合部107Gに係合させることで、図8(B)に示すように、第1ギヤ104に対して第1連結部材106が組み付けられる。
図4に示すように、第1連結部材106は、スプリング108の付勢力によりX方向側へ付勢される。ここで、第2球状部106Cの外径の方が規制部材107の貫通孔107Dの内径よりも大きいため、感光体31(図1参照)を取り外すとき、スプリング108の付勢力によりX方向側へ移動する第2球状部106Cが、規制部材107と接触する。このように、第2球状部106CのX方向側への移動が、規制部材107により規制されるので、第1連結部材106が第1ギヤ104から外れることが抑制される。なお、図4では、感光体31(図1参照)が装置本体10A(図1参照)に装着され、第1カップリング部材102が第1連結部材106を−X方向に押し付けているので、第1連結部材106と規制部材107とが接触していない。
続いて、図2に示すように、第1ギヤ104の軸部104Bを軸受部材124の穴部124A内に挿入し、連結部104Cを軸受部材125の孔部125A内に挿入する。即ち、第1ギヤ104を軸受部材124、125で挟むことで、第1ギヤ104がX方向を軸方向として回転可能に支持される。
ここで、図8(A)及び図13(A)に示すように、第1カップリング部材102と第1連結部材106とを連結した状態では、一例として、第1凸部106Dと第1溝部102Fとの周方向における隙間d1が、第2凸部106Fと第2溝部104Fとの周方向における隙間d2よりも広くなっている。
(現像ロール駆動構造)
次に、現像ロール駆動構造110の詳細について説明する。
図9及び図10(A)に示すように、第2カップリング部材112は、円筒状の取付部112Aと、取付部112Aの外径よりも大きい外径で取付部112Aの−X方向側に取付部112Aと一体成形され−X方向側へ開口した第2カップリング部112Bと、を有している。取付部112Aには、軸部47A(図3(A)参照)の−X方向側の端部が挿入される孔部112Cが形成されている。なお、軸部47Aの外周面と孔部112Cの内周面との間には僅かな隙間があり、第2カップリング部材112は、軸部47Aの−X方向側の端部で回転可能となっている。また、軸部47Aには、第2カップリング部材112の抜け止めとなるCリング(図示省略)が設けられている。
第2カップリング部112Bには、後述する第2連結部材116の第1球状部116B(図10(B)参照)の外周面と接触可能な大きさで且つ球面状の凹部112Dが形成されている。また、図10(A)に示すように、第2カップリング部112Bには、回転軸方向(X方向)と交差する方向(径方向外側へ向かう方向)に窪んだ第1溝部112E、112F、112Gが形成されている。
第1溝部112E、112F、112Gは、第2カップリング部材112の周方向で互いに120°(中心角が120°)離れた位置に形成されている。さらに、第2カップリング部112Bの−X方向側には、X方向に対して径方向内側へ傾斜した案内面112Hが形成されている。
加えて、第1溝部112E、112F、112Gにおいて、第2カップリング部材112が回転したときに駆動を伝える側壁112I、112J、112Kは、感光体31(図1参照)の回転方向(R方向)で後述する第1凸部116D、116E、116F(図10(B)参照)と接触したときに第1凸部116D、116E、116Fが第2カップリング部材112の開口していない側(X方向側)へ移動するように回転方向に垂直な面に対して傾斜している。詳細には、−X方向側に向けてR方向側(回転方向側)とは反対側に傾斜している。
図10(B)に示すように、第2連結部材116は、円柱状の軸部116Aを有している。軸部116Aの軸方向の一端(図10(B)におけるX方向側の端部)には、第1球状部116Bが形成されており、他端(図10(B)における−X方向側の端部)には、軸部116Aから径方向に張り出した部分の一例としての第2球状部116Cが形成されている。また、第1球状部116Bの外周面には、半球状の第1凸部116D、116E、116Fが形成されており、第2球状部116Cの外周面には、半球状の第2凸部116G、116H、116Iが形成されている。
さらに、図9に示すように、第2球状部116Cには、スプリング118の一端が収容されて固定される収容部116Jが形成されている。収容部116Jは、−X方向に開口した有底(X方向側が底となる)の穴であり、スプリング118の一端を収容可能な大きさとなっている。
図11(A)に示すように、第1凸部116D、116E、116F及び第2凸部116G、116H、116Iは、第2連結部材116を軸方向(−X方向)に見て、第1球状部116B、第2球状部116Cの周方向にそれぞれ120°離れて形成されている。なお、第2球状部116Cの外径は第1球状部116Bの外径よりも僅かに大きいが、ここでは同じ図を用いて説明する。
詳細には、第2連結部材116を軸方向に見たときの軸中心を点O、第1凸部116D及び第2凸部116Gの頂点を点G、第1凸部116E及び第2凸部116Hの頂点を点H、第1凸部116F及び第2凸部116Iの頂点を点Iとしたとき、線分OGと線分OHとのなす角度θD、線分OHと線分OIとのなす角度θE、線分OIと線分OGとのなす角度θFが、いずれも120°となっている。また、第1凸部116D、116E、116Fは、第1溝部112E、112F、112G(図10(A)参照)と軸方向(図10(A)のX方向)に離脱可能に係合する(周方向で係合する)大きさとなっている。
また、図9に示すように、第2凸部116G、116H、116Iは、後述する第2ギヤ114の第2溝部114F、114G、114Hと周方向で係合する大きさとなっている。なお、第1凸部116D、116E、116Fは同様の構成であり、第2凸部116G、116H、116Iは同様の構成であるため、図9及び図11(B)では、第1凸部116D、116E、116F及び第2凸部116G、116H、116Iをまとめて図示している。
図11(B)に示すように、第2連結部材116は、第1凸部116D、116E、116Fの頂点である点Jと、第2凸部116G、116H、116Iの頂点である点Kとが、同一平面M2上に配置されている。
図9に示すように、第2ギヤ114は、Y−Z面に沿った面内で回転する円盤状のギヤ部114Aと、ギヤ部114Aから−X方向側へ突出した円筒状の軸部114Bと、ギヤ部114AからX方向側へ突出した円筒状の連結部114Cと、を有している。
ギヤ部114Aは、モータ90(図2参照)から複数のギヤ(図示省略)を介して駆動力(回転力)が伝達されるようになっている。また、軸部114Bは、X方向側が開放されるとともに−X方向側が閉じられ、即ち、X方向に向けて開放された凹状の被取付部114Dが形成されている。
連結部114Cには、X方向(回転軸方向)に沿って配置される回転中心に第2カップリング部材112側(X方向側)へ開口した穴部114Eが形成されている。そして、穴部114Eには、X方向と交差する方向(径方向)に窪んだ第2溝部114F、114G、114Hが形成されている。さらに、連結部114CのX方向側の端部には、第2連結部材116の第2球状部116Cが穴部114E内へ挿入された後で取り付けられる規制部材117が設けられている。
なお、規制部材117は、規制部材107(図7参照)において周方向で180°離れて2つ形成されていた溝部107E、107Fが、120°毎の3箇所になったものであり、他の構成は規制部材107と同様であるため、説明を省略する。同様に、第2ギヤ114と規制部材117との係合についても、第1ギヤ104と規制部材107(図7参照)との係合と同様であるため、説明を省略する。
スプリング118は、穴部114E内で−X方向側の一端が被取付部114D内に収容され、X方向側の他端が収容部116J内に収容されている。そして、スプリング118は、現像ロール駆動構造110の組み付け状態において、第2連結部材116を凹部112D側(X方向側)へ付勢する。
ここで、第2ギヤ114の穴部114E内にスプリング118の一端を挿入した後、第2凸部116G、116H、116Iを第2溝部114F、114G、114Hに挿入し、穴部114E内に第2連結部材116の第2球状部116Cを挿入する。そして、規制部材117を第2ギヤ114に取り付ける。このようにして、第2ギヤ114に対して第2連結部材116が組み付けられる。
第2連結部材116は、スプリング118の付勢力によりX方向側へ付勢されるが、第2球状部116Cの外径の方が規制部材117の貫通孔117Aの内径よりも大きいため、第2球状部116Cが規制部材117と接触する。これにより、第2球状部116CのX方向側への移動が規制され、第2連結部材116が第2ギヤ114から外れることが抑制される。なお、図9では、感光体31(図1参照)が装置本体10A(図1参照)に装着され、第2カップリング部材112が第2連結部材116を−X方向に押し付けているので、第2連結部材116と規制部材117とが接触していない。
続いて、第2ギヤ114の軸部114Bを軸受部材124の穴部124A(図2参照)内に挿入し、連結部114Cを軸受部材125の孔部125A(図2参照)内に挿入する。即ち、第2ギヤ114を軸受部材124、125で挟むことで、第2ギヤ114がX方向を軸方向として回転可能に支持される。
なお、第2カップリング部材112と第2連結部材116とを連結した状態では、一例として、第1凸部116D、116E、116Fと第1溝部112E、112F、112Gとの周方向における隙間(図示省略)が、第2凸部116G、116H、116Iと第2溝部114F、114G、114Hとの周方向における隙間(図示省略)よりも広くなっている。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10では、用紙収容部22から送出ロール56によって送り出された記録用紙Pが、搬送ロール59で搬送され、位置合せロール61によって二次転写位置へ送り込まれる。
一方、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kでは、帯電ロール33によって帯電した感光体31が露光装置42によって露光され、感光体31に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置44によって現像され、感光体31にトナー画像が形成される。そして、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kで形成された各色のトナー画像は、一次転写位置にて中間転写ベルト34上に重ねられ、カラー画像が形成される。このカラー画像は、二次転写位置にて記録用紙Pへ転写される。
トナー画像が転写された記録用紙Pは、定着装置60へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置60により定着される。なお、記録用紙Pの表面(片面)のみにトナー画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録用紙Pが排出ロール62により排出部17へ排出される。一方、記録用紙Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録用紙Pが、排出ロール62でスイッチバックされ反転して反転搬送路64へ送り込まれる。さらに、記録用紙Pは、反転搬送路64から再び二次転写位置へ送り込まれ、画像が記録されていない反対面(裏面)に上記と同様の工程でトナー画像が形成され、排出ロール62により排出部17へ排出される。このようにして、一連の画像形成動作が行われる。
(比較例)
次に、比較例の感光体駆動構造200について説明する。
図16には、比較例の感光体駆動構造200が示されている。比較例の感光体駆動構造200は、−X方向を軸方向とする回転軸202Aを備えた感光体202と、回転軸202Aの−X方向側の端部に取り付けられた第1カップリング部材204と、第1カップリング部材204と係合する第2カップリング部材206と、感光体202を回転駆動するためのギヤ208と、第2カップリング部材206とギヤ208とを連結する連結部材210と、を有している。
連結部材210は、X方向を軸方向とする円柱状の軸部210Aと、軸部210AのX方向側の端部に形成された第1球状部210Bと、軸部210Bの−X方向側の端部に形成された第2球状部210Cと、を有している。また、連結部材210には、軸部210A及び第1球状部210BをY方向に貫通した円柱状の第1ピン212Aと、軸部210A及び第2球状部210CをY方向に貫通した円柱状の第2ピン212Bとが設けられている。
第2カップリング部材206の回転中心には、−X方向側へ開口した穴部206Bと、穴部206Bから回転軸方向と交差する方向に窪んだ溝部206C、206Dとが形成されている。さらに、ギヤ208の回転中心には、X方向側へ開口した穴部208Aと、穴部208Aから径方向に窪んだ溝部208B、208Cとが形成されている。
そして、ピン212Aの両端部が溝部206C、206D内に挿入され、ピン212Bの両端部が溝部208B、208C内に挿入されることで、第2カップリング部材206とギヤ208が連結されている。なお、第2カップリング部材206は、連結部材210の軸部210Aの周囲に設けられたスプリング214によって、X方向側へ付勢されている。
一方、第1カップリング部材204には、−X方向側へ向けて係合凸部204Aが形成されており、第2カップリング部材206には、X方向側へ向けて係合凹部206Aが形成されている。そして、係合凸部204Aと係合凹部206Aとを係合させることで、第1カップリング部材204と第2カップリング部材206とが連結される。なお、感光体駆動構造200では、第1カップリング部材204からX方向側の部分が、第2カップリング部材206に対して着脱される。
ここで、比較例の感光体駆動構造200では、感光体202が回転している間にギヤ208に対する回転軸202Aの軸芯ずれが生じたとき、連結部材210が傾斜することでギヤ208から感光体202へ駆動力は伝達される。
しかし、比較例の感光体駆動構造200では、第1カップリング部材204と連結部材210との間に第2カップリング部材206が介在しているため、第2カップリング部材206の部品精度、第1カップリング部材204と第2カップリング部材206との組み付け精度、及び第2カップリング部材206とギヤ208との組み付け精度に応じて、感光体202の回転速度むらが大きくなる。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
(感光体駆動構造の作用)
図2に示すように、画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kを装置本体10Aに取り付けるとき、まず、装置本体10A内にX方向側から画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Kを挿入する。
続いて、図12(A)、(B)、及び図13(A)に示すように、感光体駆動構造100では、連結部材106の第1球状部106Bが案内面102Hに案内され、第1溝部102F、102Gに第1凸部106D、106Eが挿入されて、第1カップリング部材102から第1ギヤ104までが連結される。このとき、スプリング108によって、第1カップリング部材102の−X方向側への押し込み時の衝撃力が吸収される。
また、第1連結部材106は、第1球状部106B及び第2球状部106Cを有しているので、第1カップリング部材102と第1ギヤ104とが偏心方向及び軸方向(X方向)に移動可能に連結される。そして、第1ギヤ104の駆動力(回転力)が、第1連結部材106及び第1カップリング部材102を介して感光体31(図1参照)へ伝達されるようになる。
続いて、図2に示すように、モータ90が駆動され、第1ギヤ104が回転するとともに第1連結部材106が回転し、第1カップリング部材102が回転する。ここで、第1ギヤ104と第1カップリング部材102との間に軸芯ずれが生じていない状態では、第1ギヤ104、第1連結部材106、及び第1カップリング部材102のそれぞれの回転軸線(図示省略)は一致している。この場合、第1ギヤ104の角速度は、一定のままで第1連結部材106及び第1カップリング部材102に伝達される。
また、第1カップリング部材102が回転するとき、図14に示すように、第1カップリング部材102の側壁102Iが−X方向側に向けてR方向側(回転方向側)とは反対側に傾斜しているので、側壁102Iと第1連結部材106の第1凸部106Dとが接触した状態では、第1凸部106DにR方向に対して傾いた反力F1が作用する。なお、第1凸部106E(図4参照)側も同様の作用であるため、第1凸部106E側の説明は省略する。
反力F1は、R方向成分の力F2と、−X方向成分の力F3とに分解される。即ち、側壁102Iが傾斜していることにより、第1連結部材106には、第1カップリング部材102内へ第1連結部材106を留めさせる力(スラスト力)が作用する。これにより、第1カップリング部材102から第1連結部材106が外れることが抑制される。
一方、図15に示すように、第1ギヤ104と第1カップリング部材102との間に軸芯ずれが生じた場合(一例として、第1ギヤ104の回転軸線L1と第1カップリング部材102の回転軸線L2とがずれ量ΔRを有して偏心しており、第1連結部材106の回転軸線L3が、他の回転軸線L1、L2に対して傾斜角度θ1で傾斜している場合)は、第1連結部材106の第1ギヤ104側において、軸部106Aの傾斜角度θ1に応じて角速度変動が生じる。しかし、第1連結部材106の第1カップリング部材102側では、第1ギヤ104側で生じた角速度変動を相殺する角速度変動が生じるため、第1カップリング部材102及び感光体31(図1参照)は、一定の角速度で回転することになる。
ここで、第1連結部材106と第1カップリング部材102との間には、他の駆動力伝達部材が介在しないので、他の駆動力伝達部材が介在する比較例の感光体駆動構造200(図16参照)に比べて、各部材の精度の積み上げによるガタが小さくなり、感光体31(図1参照)の回転速度むらが抑制される。そして、感光体31の回転速度むらが抑制されることから、画像形成装置10(図1参照)における記録用紙P上の画像の位置ずれが抑制される。
また、図4に示すように、感光体駆動構造100では、第1ギヤ104に規制部材107が取り付けられているので、第1連結部材106が第1ギヤ104から離脱することが抑制される。
さらに、感光体駆動構造100では、第1凸部106D、106E、第1溝部102F、102G、第2凸部106F、106G、第2溝部104F、104Gというように、それぞれ2つずつ設けられているので、第1凸部106D、106Eと第1溝部102F、102Gとの各係合部位、及び第2凸部106F、106Gと第2溝部104F、104Gとの各係合部位に作用する負荷が、1つずつ設ける構成に比べて低減される。
加えて、感光体駆動構造100では、第1凸部106Dと第1凸部106E、第2凸部106Fと第2凸部106Gが周方向で180°離れているので、第1凸部又は第2凸部が周方向で180°離れていない構成に比べると、感光体31の回転の位相変動が抑制される。
そして、図6(D)に示すように、画像形成装置10では、露光位置(点E)と転写位置(点F)が、感光体31の周方向で180°離れている。これにより、例えば、露光位置で感光体31の周速度が速く、引き伸ばされた状態で静電潜像が形成されても、この静電潜像は、転写位置で感光体31の周速度が遅くなることで、縮んだ状態で中間転写ベルト34に転写される。この画像伸縮の作用によって、記録用紙P上の画像の位置ずれがさらに抑制される。
また、図4に示すように、感光体駆動構造100では、第2球状部106Cに収容部106Hが形成されているので、スプリング108が第1連結部材106から外れることが抑制される。
さらに、図8(A)及び図13(A)に示すように、感光体駆動構造100では、第1凸部106D、106Eと第1溝部102F、102Gとの隙間d1が、第2凸部106F、106Gと第2溝部104F、104Gとの隙間d2よりも大きいので、第1カップリング部材102を第1連結部材106に連結するときに、凹部102Eに第2球状部106Bを嵌め易い。これにより、感光体31(図1参照)を装置本体10A(図1参照)に取り付けるときの操作性(組み付け性)が向上する。
なお、感光体駆動構造100において、例えば、感光体31が、クリーニングブレード45A(図1参照)がめくれるなどして強い負荷(押圧力)を受けて回転不能となるとき、第1カップリング部材102には強い負荷が作用してクラックなどが生じる場合がある。しかし、第1カップリング部材102の大きさに比べて、第1連結部材106の第1凸部106D、106Eの大きさは小さく、且つ半球状となっているため、第1連結部材106の第1凸部106D、106Eに強い負荷が作用しても、第1凸部106D、106Eが削れて無くなることは生じにくい。これにより、装置本体10A(図1参照)側に設けられ交換作業に時間と手間を要する第1連結部材106及び第1ギヤ104を交換しなくて済む。
(現像ロール駆動構造の作用)
一方、図9及び図13(B)に示すように、現像ロール駆動構造110では、連結部材116の第1球状部116Bが案内面112Hに案内され、第1溝部112E、112F、112Gに第1凸部116D、116E、116Fが挿入されて、第2カップリング部材112から第2ギヤ114までが連結される。このとき、スプリング118によって、第2カップリング部材112の−X方向側への押し込み時の衝撃力が吸収される。
また、第2連結部材116は、第1球状部116B及び第2球状部116Cを有しているので、第2カップリング部材112と第2ギヤ114とが偏心方向及び軸方向(X方向)に移動可能に連結される。そして、第2ギヤ114の駆動力(回転力)が、第2連結部材116及び第2カップリング部材112を介して現像ロール44A(図1参照)へ伝達されるようになる。
続いて、図9に示すように、モータ90(図2参照)が駆動され、第2ギヤ114が回転するとともに第2連結部材116が回転し、第2カップリング部材112が回転する。ここで、第2ギヤ114と第2カップリング部材112との間に軸芯ずれが生じていない状態では、第2ギヤ114、第2連結部材116、及び第2カップリング部材112のそれぞれの回転軸線(図示省略)は一致している。この場合、第2ギヤ114の角速度は、一定のままで第2連結部材116及び第2カップリング部材112に伝達される。
また、第1カップリング部材102が回転するとき、図10(A)に示す側壁112I、112J、112Kが−X方向側に向けてR方向側(回転方向側)とは反対側に傾斜しているので、側壁112I、112J、112Kと第1凸部116D、116E、116F(図10(B)参照)とが接触した状態では、第1凸部116D、116E、116FにR方向に対して傾いた反力が作用する。これにより、第2連結部材116には、第2カップリング部材112内へ第2連結部材116を留めさせる力(スラスト力)が作用する。これにより、第2カップリング部材112から第2連結部材116が外れることが抑制される。
一方、図9に示す現像ロール駆動構造110において、第2ギヤ114と第2カップリング部材112との間に軸芯ずれが生じた場合は、第2連結部材116の第2ギヤ114側において、軸部116Aの傾斜角度に応じて角速度変動が生じる。しかし、第2連結部材116の第2カップリング部材112側では、第2ギヤ114側で生じた角速度変動を相殺する角速度変動が生じるため、第2カップリング部材112及び感光体31(図1参照)は、一定の角速度で回転することになる。
ここで、第2連結部材116と第2カップリング部材112との間には、他の駆動力伝達部材が介在しないので、他の駆動力伝達部材が介在する比較例の感光体駆動構造200(図16参照)に比べて、各部材の精度の積み上げによるガタが小さくなり、感光体31(図1参照)の回転速度むらが抑制される。そして、感光体31の回転速度むらが抑制されることから、画像形成装置10(図1参照)における記録用紙P上の画像の位置ずれが抑制される。
また、図9に示すように、現像ロール駆動構造110では、第2ギヤ114に規制部材117が取り付けられているので、第2連結部材116が第2ギヤ114から離脱することが抑制される。
さらに、現像ロール駆動構造110では、第1凸部116D、116E、116F、第1溝部112E、112F、112G、第2凸部116G、116H、116I、第2溝部114F、114G、114Hというように、それぞれ3つずつ設けられているので、第1凸部116D、116E、116Fと第1溝部112E、112F、112Gとの各係合部位、及び第2凸部116G、116H、116Iと第2溝部114F、114G、114Hとの各係合部位に作用する負荷が、1つずつ設ける構成に比べて低減される。即ち、現像ロール44A(図1参照)に作用する負荷が大きくても負荷が分散された状態で現像ロール44Aが回転される。
また、現像ロール駆動構造110では、第2球状部116Cに収容部116Jが形成されているので、スプリング118が第2連結部材116から外れることが抑制される。
ここで、現像ロール駆動構造110において、例えば、感光体31がクリーニングブレード45A(図1参照)から強い負荷(押圧力)を受けて回転不能となるとき、第2カップリング部材112には強い負荷が作用してクラックなどが生じる場合がある。しかし、第2カップリング部材112の大きさに比べて、第2連結部材116の第1凸部116D、116E、116Fの大きさは小さく、且つ半球状となっているため、第2連結部材116の第1凸部116D、116E、116Fに強い負荷が作用しても、第1凸部116D、116E、116Fに傷が生じにくい。これにより、装置本体10A(図1参照)側に設けられている第2連結部材116及び第2ギヤ114を交換しなくて済む。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
被回転体は、感光体31や現像ロール44Aに限らず、装置本体10Aに対して着脱を行い且つ駆動源で駆動するものに対して用いてもよい。例えば、中間転写ベルト34を駆動するための駆動ロールや、加熱ロール60Aなどに用いてもよい。
また、第1凸部、第1溝部、第2凸部、第2溝部の数は、各1つずつとしてもよく、また、4つ以上の複数としてもよい。
さらに、付勢手段は、スプリングに換えて、ゴム部材を用いたり、あるいは、磁石の反発力を利用したものであってもよい。
軸部から径方向に張り出した部分は、第2球状部に限らず、第2球状部とは別に円盤状(環状)のフランジ部であってもよい。
被係合部側(第1、第2カップリング部材側)の回転軸を嵌め込む部位を複数の平板で構成し、あるいは、第1、第2溝部の周囲に薄肉部を設けておき、第1、第2カップリング部材と第1、第2連結部材との連結部分に負荷が作用したときに、第1、第2カップリング部材側が先に壊れるように構成してもよい。