JP5853870B2 - クロック分配器及び電子装置 - Google Patents

クロック分配器及び電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5853870B2
JP5853870B2 JP2012130827A JP2012130827A JP5853870B2 JP 5853870 B2 JP5853870 B2 JP 5853870B2 JP 2012130827 A JP2012130827 A JP 2012130827A JP 2012130827 A JP2012130827 A JP 2012130827A JP 5853870 B2 JP5853870 B2 JP 5853870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
clock
oscillator
unit
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012130827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013255170A (ja
Inventor
安基 富田
安基 富田
田村 泰孝
泰孝 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2012130827A priority Critical patent/JP5853870B2/ja
Priority to US13/875,837 priority patent/US8981854B2/en
Publication of JP2013255170A publication Critical patent/JP2013255170A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5853870B2 publication Critical patent/JP5853870B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/16Indirect frequency synthesis, i.e. generating a desired one of a number of predetermined frequencies using a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/18Indirect frequency synthesis, i.e. generating a desired one of a number of predetermined frequencies using a frequency- or phase-locked loop using a frequency divider or counter in the loop
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F1/00Details not covered by groups G06F3/00 - G06F13/00 and G06F21/00
    • G06F1/04Generating or distributing clock signals or signals derived directly therefrom
    • G06F1/10Distribution of clock signals, e.g. skew
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/07Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop using several loops, e.g. for redundant clock signal generation
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/08Details of the phase-locked loop
    • H03L7/099Details of the phase-locked loop concerning mainly the controlled oscillator of the loop
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/24Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal directly applied to the generator
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/08Details of the phase-locked loop
    • H03L7/0805Details of the phase-locked loop the loop being adapted to provide an additional control signal for use outside the loop

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Description

本発明は、クロック分配器及び電子装置に関する。
従来、複数の回路ブロックにバッファを介してそれぞれクロックを供給する複数の第1LC共振発振器、複数の第1LC共振発振器と同一物理的構成の第2LC共振発振器、第2LC共振発振器の帰還ループに接続される分周器、位相比較器、チャージポンプ、及びローパスフィルタを含むクロック信号の生成分配装置がある。複数の第1LC共振発振器及び第2LC共振発振器の各発振ノードの間には、抵抗素子が挿入される。
また、複数のインバータが多段にリング状に接続された少なくとも二つのリング発振回路と、導電性配線とを含み、全てのリング発振回路の中の少なくとも一つのインバータの出力が導電性配線に接続されている発振器があった。
特開2007−082158号公報 特開平11−074762号公報
上述のように、従来のクロック信号の生成分配装置は、複数の第1LC共振発振器と第2LC共振発振器の各発振ノードが抵抗素子を介して直接接続されている。このため、複数の第1LC共振発振器及び第2LC共振発振器の各発振ノードの負荷が増大し、高周波数での発振が難しくなるという問題があった。
また、従来の発振器は、全てのリング発振回路の中の少なくとも一つのインバータの出力が導電性配線を介して直接接続されているため、リング発振回路の負荷が増大し、高周波数での発振が難しくなるという問題があった。
このように、従来のクロック信号の生成分配装置、及び、従来の発振器では、発振ノード同士が直接接続されているため、発振ノードにおける負荷が増大し、高周波数での発振が難しくなる場合があった。
そこで、高周波数での発振を行うことのできるクロック分配器、及び、電子装置を提供することを目的とする。
本明細書に開示するクロック分配器の一形態によれば、複数の単位回路部と、上記単位回路部の間をそれぞれ接続する配線部と、を備え、一の上記単位回路部は、発振器と、上記発振器の出力を電流変換して、他の上記単位回路部に接続する上記配線部と接続する第1接続部に出力する第1電圧電流変換素子と、上記第1接続部の電圧を電流に変換して、上記発振器に出力する第2電圧電流変換素子と、上記発振器の出力を電流変換して、また他の上記単位回路部に接続する他の上記配線部に接続する第2接続部に出力する第3電圧電流変換素子と、上記第2接続部の電圧を電流に変換して、上記発振器に出力する第4電圧電流変換素子と、を備え、上記複数の単位回路部の発振器には、それぞれの発振周波数を制御する共通の制御信号が入力され、且つ、上記複数の単位回路部のうちの一つの単位回路部の発振器にはクロックが注入される。
また、本明細書に開示するクロック分配器の一形態によれば、第1発振器と、第2発振器と、上記第1発振器と上記第2発振器とを接続する配線部と、上記第1発振器の出力を電流変換して、上記配線部と接続する第1接続部に出力する第1電圧電流変換素子と、上記第1接続部の電圧を電流に変換して、上記第1発振器に出力する第2電圧電流変換素子と、上記第2発振器の出力を電流変換して、上記配線部と接続する第2接続部に出力する第3電圧電流変換素子と、上記第2接続部の電圧を電流に変換して、上記第2発振器に出力する第4電圧電流変換素子と、を備え、上記第1発振器及び上記第2発振器には、それぞれの発振周波数を制御する共通の制御信号が入力され、且つ、上記第1発振器又は上記第2発振器にはクロックが注入される。
更に、本明細書に開示する電子装置の一形態によれば、上述したクロック分配器と、上記クロック分配器から出力されるクロックに応じて動作する回路と、を含む。
上述した本明細書に開示するクロック分配器の一形態によれば、高周波数での発振を行うことができる。
また、上述した本明細書に開示する電子装置の一形態によれば、高周波数で発振したクロックを用いて動作するを行うことができる。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
実施の形態1のクロック分配器を含むICチップを示す図である。 実施の形態1のクロック分配器を含むマルチチャネル型の送信回路50を示す図である。 実施の形態1のクロック分配器100を示す図である。 実施の形態1のクロック分配器100の回路構成を示す図である。 図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路を説明する図である。 図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路の動作を説明するフローチャートである。 図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路の動作を説明するタイミングチャートである。 実施の形態1のクロック分配器100の変型例を示す図である。 実施の形態2のクロック分配器200を示す図である。 実施の形態2のクロック分配器200の回路構成を示す図である。 実施の形態2のクロック分配器200の変型例を示す図である。 実施の形態3のクロック分配器300を示す図である。 実施の形態3のクロック分配器300の変型例を示す図である。
以下、本明細書で開示するクロック分配器及びこのようなクロック分配器を備えた電子装置の好ましい実施の形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1のクロック分配器を含むICチップを示す図である。
図1に示すIC(Integrated Circuit:集積回路)チップ10A、10Bは、伝送路20A、20Bを介して接続されている。
ICチップ10A、10Bは、それぞれ、例えば、LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)によって構築される。伝送路20A、20Bは、例えば、ICチップ10A、10Bが実装されるバックプレーンの配線を模式化して表したものである。
ICチップ10Aは、コアロジック21A、送信回路22A、及び受信回路23Aを含む。同様に、ICチップ10Bは、コアロジック21B、送信回路22B、及び受信回路23Bを含む。
実施の形態1のクロック分配器は、例えば、送信回路22A、受信回路23A、送信回路22B、及び受信回路23Bに含まれている。
送信回路22A、受信回路23A、送信回路22B、受信回路23B、及びICチップ10A、10Bは、実施の形態1のクロック分配器を含む電子装置の一例である。
コアロジック21A、21Bは、それぞれ、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)を含むコアである。
送信回路22Aは、入力側がコアロジック21Aに接続され、出力側は伝送路20Aを介してICチップ10Bの受信回路23Bに接続されている。受信回路23Aは、出力側がコアロジック21Aに接続され、入力側は伝送路20Bを介してICチップ10Bの送信回路22Bに接続されている。
送信回路22Bは、入力側がコアロジック21Bに接続され、出力側は伝送路20Bを介してICチップ10Aの受信回路23Aに接続されている。受信回路23Bは、出力側がコアロジック21Bに接続され、入力側は伝送路20Aを介してICチップ10Aの送信回路22Aに接続されている。
バックプレーン等の伝送路20A、20Bを経て、ICチップ10Aと10Bとの間でデータを伝送する場合には、伝送データに同期したクロック信号が必要になる。
このため、実施の形態1のICチップ10A、10Bは、データを送信、受信する送信回路22A、受信回路23A、送信回路22B、及び受信回路23Bの内部に、クロックを分配するクロック分配器を含んでいる。
図2は、実施の形態1のクロック分配器を含むマルチチャネル型の送信回路50を示す図である。
送信回路50は、バッファ51〜54、電圧制御型の発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)61〜64、送信部TX0、TX1、TX2、TX3を含む。
バッファ51〜54は、送信回路50の送信部TX0〜TX3への入力データI_TXD0<N>〜I_TXD3<N>を入力する回路素子である。例えば、送信回路50が図1に示す送信回路22Aとして用いられる場合は、バッファ51〜54にはコアロジック21AからICチップ10Bに送信するためのデータが入力される。同様に、送信回路50が図1に示す送信回路22Bとして用いられる場合は、バッファ51〜54にはコアロジック21BからICチップ10Aに送信するためのデータが入力される。
VCO61〜64は、電圧制御型の発振器である。VCO61〜64は、それぞれ、クロックOCK1〜OCK4をTX0〜TX3のマルチプレクサ81〜84の入力端子に入力する。
送信部TX0、TX1、TX2、及びTX3は、それぞれ、マルチプレクサ81〜84、及びバッファ91〜94を含む。送信部TX0〜TX3は、それぞれ、VCO61〜64が発振するクロックOCK1〜OCK4に基づき、バッファ51〜54に入力される入力データI_TXD0<N>〜I_TXD3<N>をマルチプレクサ81〜84でパラレルデータからシリアルデータに変換し、バッファ91〜94から送信データTX0_OP/ON〜TX3_OP/ONを送信する。
VCO61〜64は、矢印A〜Cで示すように互いに結合しており、VCO61〜64には、周波数制御回路40が出力する位相調整信号fcntが入力される。これにより、VCO61〜64は、相互同期注入が行われる。VCO61〜64の結合関係及び相互同期注入による動作については、後述する。
また、送信回路50は、複数のVCO61〜64のうちの1つのVCO64にクロックを注入する位相同期回路70を備える。VCO61〜64は、VCO64に注入されたクロックに基づいて相互同期注入が行われることにより、位相同期回路70から注入されたクロックと同一の周波数で発振する。
位相同期回路70がVCO64に注入したクロックは、相互同期注入により、他のVCO61〜63にも分配される。ここで、位相同期回路70がVCO64に注入したクロックにノイズが含まれていると、VCO64を介して他のVCO61〜63に分配されるクロックにもノイズが含まれることになる。そのため、位相同期回路70は、ノイズの少ないクロックを生成することが好ましい。従って、位相同期回路70は、ノイズの少ないクロックを生成する発振器を有していることが好ましい。
実施の形態1では、位相同期回路70は、ノイズの少ないクロックを生成する発振器として、LC共振発振するLCVCO75を有する。なお、位相同期回路70は、ノイズの少ないクロックを生成する発振器であれば、水晶発振器等の他の発振器を有していても良い。
また、位相同期回路(Phase Locked Loop)70は、DIV(Divider)71と、PFD(Phase Frequency Detector)72と、CP(Charge Pump)73と、LPF(Low Pass Filter)74を有する。
DIV71は、分周器であり、LCVCO75とPFD72の間に接続される。DIV71は、入力されるクロックをN(Nは整数)分の1に分周し、リファレンスクロックrefclkと比較するためのクロックを生成して出力する。
PFD72は、DIV71とCP73の間に接続される。また、PFD72には、図示しない水晶発振器等からリファレンスクロックrefclkが入力される。PFD72は、DIV71から入力されるクロックと、リファレンスクロックrefclkとの位相差を検出し、位相差に応じた誤差信号(アナログ信号)を出力する。
CP73は、PFD72から出力されるアナログの誤差信号を電流の誤差信号に変換する。
LPF74は、CP73から入力される電流の誤差信号を積分し、短周期の信号を除去して、LCVCO75の位相を調整するための信号を出力する。
これにより、LCVCO75は、リファレンスクロックrefclkと位相が一致したクロックOCKEXを、VCO64に出力する。
更に、送信回路50は、LCVCO75が発振するクロック信号OCK4の周波数を計測する周波数計測器30と、周波数計測器30が周波数を計測した結果に基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号を複数のVCO61〜64に出力する周波数制御回路40とを備える。
周波数制御回路40は、複数のVCO61〜64の自走発振周波数を制御する共通の制御信号である位相調整信号fcntを複数のVCO61〜64に出力する。
複数のVCO61〜64が、クロックOCKEXと同一の周波数で発振する観点から、各VCO61〜64の自走発振周波数は±90度以内になるように、周波数制御回路40が位相調整信号fcntを複数のVCO61〜64に出力することが好ましい。
周波数制御回路40及び周波数計測器30の動作については、後述する。
送信回路50の構成要素のうち、VCO61〜64、位相同期回路70、周波数計測器30及び周波数制御回路40は、クロック分配器を構築する。
図3は、実施の形態1のクロック分配器100を示す図である。
クロック分配器100は、位相調整信号入力端子101、VCO111、121、GM素子112、113、122、123、配線130、及び出力端子141、142を含む。位相調整信号入力端子101には、周波数制御回路40から位相調整信号fcntが入力される。
また、クロック分配器100は、位相同期回路70からのクロックOCKEXを入力するクロック入力端子102と、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO111に出力するGM素子103を含む。
図3では、VCO同士の結合関係及び相互同期注入による動作を分かり易くするために、2つのVCO111、121を含むクロック分配器100を用い、図2に示す位相同期回路70、周波数計測器30及び周波数制御回路40を省略する。このような図3に示すクロック分配器100と、図2に示す送信回路50との対応関係は次の通りである。
VCO111は、図2に示すVCO64に対応し、位相同期回路70からクロックOCKEXを入力する。
また、VCO121は、図2に示すVCO61〜63のうちのいずれか一つに対応する。このため、VCO121は送信部TX0〜TX2のうちのいずれか一つと同様の送信部に接続され、クロックOCK12を出力する。
また、図3に示すGM素子112、113、122、123、及び配線130は、VCO111と121の結合関係を示しており、図2に矢印A〜Cで示すVCO61〜64の結合関係に相当する。
図3に示すように、VCO111の発振ノード111Aは、GM素子112を介して配線130の一端130Aに接続されており、GM素子113は、VCO111とGM素子112に帰還接続されている。GM素子112及び113の接続部114には、配線130の一端130Aが接続されている。ここで、VCO111は、クロックが注入される第1発振器の一例である。
GM素子112は、コンダクタンスgmfを有し、VCO111の発振ノード111Aから出力されるクロックを(電圧V1から)電流I1に変換して出力する。GM素子112は、第1電圧電流変換素子の一例である。
GM素子113は、コンダクタンス(−gmb)を有し、接続部114の電圧を電流I2に変換してVCO111に出力する。GM素子113は、第2電圧電流変換素子の一例である。
VCO121の発振ノード121Aは、GM素子122を介して配線130の他端130Bに接続されており、GM素子123は、VCO121とGM素子122に帰還接続されている。GM素子122及び123の接続部124には、配線130の他端130Bが接続されている。ここで、VCO121は、第2発振器の一例である。
GM素子122は、コンダクタンス(−gmf)を有し、VCO121の発振ノード121Aから出力されるクロックを(電圧V3から)電流I3に変換して出力する。GM素子122は第3電圧電流変換素子の一例である。
GM素子123は、コンダクタンスgmbを有し、接続部124の電圧を電流I4に変換してVCO121に出力する。GM素子123は、第4電圧電流変換素子の一例である。
配線130は、一端130AがGM素子112及び113の接続部114に接続され、他端130BがGM素子122及び123の接続部124に接続される。配線130は、LSIの内部の配線で構築される。
図3では、配線130と配線130の寄生容量を模式的に示すために、配線部131及び132と、キャパシタ133を示す。
ここで、GM素子112と122は、逆位相のクロック電圧を電流に変換しているため、配線130には、GM素子112と122の出力電流の差分(I1−I3)に応じた電圧Vcが生じる。実施の形態1のクロック分配器100では、GM素子112、122を用いて、逆位相のクロック電圧を配線130で接続することにより、GM素子112の出力電流I1と、GM素子122の出力電流I3との減算を実現している。
従って、GM素子113と123は、電圧Vcをそれぞれ電流I2、I4に変換してVCO111、121に帰還する。GM素子113と123は、ともに電圧Vcを電流に変換するため、電流I2とI4の電流値は等しい。
このため、VCO111と121に等しい電流を帰還することができる。
図3に示すクロック分配器100では、クロック入力端子102に位相同期回路70からクロックOCKEXを入力してVCO111をロック状態にすれば、VCO111と121に等しい電流を帰還して、VCO111と121で相互同期注入を行うことができる。従って、VCO111と121が、それぞれ発振するクロックOCK11とOCK12の周波数は、位相同期回路70からのクロックOCKEXと等しくなる。
VCO111と121を、クロックOCKEXに対して速やかに同期させる観点から、クロックOCKEXを変換した電流IEXの大きさは、GM素子113及び123からVCO111及び121へ出力される電流I2とI4よりも大きいことが好ましい。
次に、図4を用いて、実施の形態1のクロック分配器100の回路の詳細について説明する。
図4は、実施の形態1のクロック分配器100の回路構成を示す図である。図4では、VCO111と121がともに差動クロックを出力するものとして説明を行う。
VCO111は、3段のインバータ151、152、153と、電流源154とを含む。インバータ151〜153は、それぞれ、カレントスターブド(current starved)型のインバータであり、リング発振器を構築している。VCO111は、リング発振器の一種である。
すなわち、インバータ151〜153は、直列に接続されるとともに、インバータ153の非反転出力端子は、インバータ151の反転入力端子(図4中の下側の入力端子)に接続されている。また、インバータ153の反転出力端子は、インバータ151の非反転入力端子(図4中の上側の入力端子)に接続されている。
なお、インバータ151〜153は、一例として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)によって実現されるインバータである。
VCO111の自走発振周波数は、位相調整信号入力端子101に入力される位相調整信号fcntで電流源154の出力電流値を調整することによって制御される。
なお、VCO111が出力するクロックOCK11は、リング発振器を構築するインバータ151〜153のいずれの出力端から取り出してもよいが、図4では、一例として、インバータ152の出力をVCO111の出力として取り出している。出力端子141からは、差動形式のクロックOCK11が出力される。
また、GM素子113から帰還される電流I2の入力先は、リング発振器を構築するインバータ151〜153のいずれの入力端子であってもよいが、図4では、インバータ152の入力端子に入力する。
GM素子112は、VCO111の出力を電流変換する素子であればよく、図4では、インバータ112A、112Bを用いる。インバータ112A、112Bのコンダクタンスは、ともにgmfである。
インバータ112Aの出力端子は、GM素子113に接続されるとともに、配線130のうちの配線部134を介して、GM素子122のインバータ122Bに接続されている。インバータ112AにはVCO111のインバータ153の非反転出力端子が接続されており、インバータ122Bには、VCO121のインバータ173の反転出力端子が接続されている。
このため、線路部134には、インバータ112Aと122Bの出力電流の差分による電圧が生じる。
インバータ112Bの出力端子は、GM素子113に接続されるとともに、配線130のうちの配線部135を介して、GM素子122のインバータ122Aに接続されている。インバータ112BにはVCO111のインバータ153の反転出力端子が接続されており、インバータ122Aには、VCO121のインバータ173の非反転出力端子が接続されている。
このため、線路部135には、インバータ112Bと122Aの出力電流の差分による電圧が生じる。
GM素子113は、電流源161、及び2つのNMOS(N−type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ162、163を含む。
電流源161は、一端(図4中の上側の端子)がNMOSトランジスタ162、163のソースに接続されており、他端(図4中の下側の端子)は接地されている。
NMOSトランジスタ162は、ソースがNMOSトランジスタ163のソースに接続されるとともに電流源161に接続され、ドレインがインバータ151の非反転出力端子とインバータ152の非反転入力端子との間に接続されている。
NMOSトランジスタ163は、ソースがNMOSトランジスタ162のソースに接続されるとともに電流源161に接続され、ドレインがインバータ151の反転出力端子とインバータ152の反転入力端子との間に接続されている。
上述したVCO111には、GM素子103から差動形式のクロックOCKEXを変換した電流IEXが入力する。
GM素子103は、電流源104、及び2つのNMOS(N−type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ105、106を含む。
電流源104は、一端(図4中の上側の端子)がNMOSトランジスタ105、106のソースに接続されており、他端(図4中の下側の端子)は接地されている。
NMOSトランジスタ105は、ソースがNMOSトランジスタ106のソースに接続されるとともに電流源104に接続され、ドレインがインバータ152の非反転出力端子とインバータ153の非反転入力端子との間に接続されている。
NMOSトランジスタ106は、ソースがNMOSトランジスタ105のソースに接続されるとともに電流源104に接続され、ドレインがインバータ152の反転出力端子とインバータ153の反転入力端子との間に接続されている。
なお、GM素子103が出力する電流IEXは、インバータ152とインバータ153との間に入力されていたが、GM素子103が出力する電流IEXを、他のインバータ間に入力しても良い。
VCO121は、3段のインバータ171、172、173と、電流源174とを含む。インバータ171〜173は、それぞれ、カレントスターブド(current starved)型のインバータであり、リング発振器を構築している。VCO121は、リング発振器の一種である。
すなわち、インバータ171〜173は、直列に接続されるとともに、インバータ173の非反転出力端子は、インバータ171の反転入力端子(図4中の下側の入力端子)に接続されている。また、インバータ173の反転出力端子は、インバータ171の非反転入力端子(図4中の上側の入力端子)に接続されている。
なお、インバータ171〜173は、一例として、CMOSによって実現されるインバータである。
VCO121の自走発振周波数は、位相調整信号入力端子101に入力される位相調整信号fcntで電流源174の出力電流値を調整することによって制御される。
なお、VCO121が出力するクロックOCK12は、リング発振器を構築するインバータ171〜173のいずれの出力端から取り出してもよいが、図4では、一例として、インバータ172の出力をVCO121の出力として取り出している。出力端子142からは、差動形式のクロックOCK12が出力される。
また、GM素子123から帰還される電流I4の入力先は、リング発振器を構築するインバータ171〜173のいずれの入力端子であってもよいが、図4では、インバータ172の入力端子に入力する。
GM素子122は、VCO121の出力を電流変換する素子であればよく、図4では、インバータ122A、122Bを用いる。インバータ122A、122Bのコンダクタンスは、ともにgmfである。
インバータ122Aの出力端子は、GM素子123に接続されるとともに、配線130のうちの配線部135を介して、GM素子112のインバータ112Bに接続されている。インバータ122AにはVCO121のインバータ173の非反転出力端子が接続されており、インバータ112Bには、VCO111のインバータ153の反転出力端子が接続されている。
このため、線路部135には、インバータ122Aと112Bの出力電流の差分による電圧が生じる。
インバータ122Bの出力端子は、GM素子123に接続されるとともに、配線130のうちの配線部134を介して、GM素子112のインバータ112Aに接続されている。インバータ122BにはVCO121のインバータ173の反転出力端子が接続されており、インバータ112Aには、VCO111のインバータ153の非反転出力端子が接続されている。
このため、線路部134には、インバータ122Bと112Aの出力電流の差分による電圧が生じる。
GM素子123は、電流源181、及び2つのNMOS(N−type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ182、183を含む。
電流源181は、一端(図4中の上側の端子)がNMOSトランジスタ182、183のソースに接続されており、他端(図4中の下側の端子)は接地されている。
NMOSトランジスタ182は、ソースがNMOSトランジスタ183のソースに接続されるとともに電流源181に接続され、ドレインがインバータ171の非反転出力端子とインバータ172の非反転入力端子との間に接続されている。
NMOSトランジスタ183は、ソースがNMOSトランジスタ182のソースに接続されるとともに電流源181に接続され、ドレインがインバータ171の反転出力端子とインバータ172の反転入力端子との間に接続されている。
以上のような実施の形態1のクロック分配器100では、線路部134には、インバータ112Aと122Bの出力電流の差分による電圧が生じ、線路部135には、インバータ112Bと122Aの出力電流の差分による電圧が生じる。
このため、GM素子113の電流源161と、GM素子123の電流源181とが同一の出力電流の差分による電圧によって駆動される。線路部134と線路部135に生じる出力電流の差分による電圧は、VCO111の発振ノード111Aの出力信号と、VCO121の発振ノード121Aの出力信号との差分信号の電圧である。
従って、GM素子113と123は、線路部134と線路部135に生じる出力電流の差分による電圧をそれぞれ電流I2、I4に変換してVCO111、121に帰還する。
GM素子113と123は、ともに線路部134と線路部135に生じる出力電流の差分による電圧を電流に変換するため、電流I2とI4の電流値は等しい。
このため、VCO111と121に等しい電流を帰還することができる。
位相同期回路70からクロック入力端子102にクロックOCKEXを入力してVCO111をロック状態にすれば、VCO111と121に等しい電流を帰還され、VCO111と121で相互同期注入を行うことができる。従って、VCO111と121それぞれが発振するクロックOCK11とOCK12の周波数は等しくなる。
次に、図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路について、図面を参照して、以下に更に説明する。
図5は、図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路を説明する図である。
周波数計測器30は、VCO64が出力するクロックOCK4を入力して所定の時間の間のクロック数をカウントするカウンタ31と、カウンタ31がカウントしたカウント値を入力して保持するレジスタ32とを有する。また、周波数計測器30は、外部からスタート信号を入力して、レジスタ32を初期化するクロック生成器33を有する。周波数計測器30のクロック生成器33には、外部の上位制御回路からスタート信号が入力される。
周波数制御回路40は、周波数計測器30が周波数を計測した結果であるカウント値と、所定の周波数設定値である設定コードとを比較する比較器41を有する。比較器41には、レジスタ32からカウント値が入力される。また、比較器41には、外部の上位制御回路から設定コードが入力される。設定コードは、位相同期回路70の発振周波数と近い値に設定されることが好ましい。
また、周波数制御回路40は、比較器41が比較した結果に基づいて、各VCO61〜64の自走発振周波数を制御する制御信号である位相調整信号fcntを生成するVCO制御回路42を有する。VCO制御回路42は、制御信号生成回路の一例である。なお、クロック分配器100において、位相調整信号fcntは、各VCOの電流源の電流値を制御する制御信号である。そのような制御信号を出力する回路であれば、位相調整信号fcntを生成する回路は、周波数制御回路40に限定されるものではない。
周波数制御回路40は、VCO64の自走発振周波数を位相同期回路70の発振周波数と近い値になるように制御し、且つ複数のVCO61〜64の各自走発振周波数の位相差が±90度以内になるように、複数のVCO61〜64に対して共通の位相調整信号fcntを生成して出力する。
次に、周波数計測器30及び周波数制御回路40の動作を、図面を参照して、以下に説明する。
図6は、図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路の動作を説明するフローチャートである。図7は、図2に示す周波数計測器及び周波数制御回路の動作を説明するタイミングチャートである。
まず、ステップS10において、周波数計測器30のクロック生成器33は、スタート信号を入力する。
次に、ステップS12において、クロック生成器33は、レジスタ32及び周波数制御回路40の比較器41及びVCO制御回路42を初期化する。初期化された比較器41は、ハイ状態のフラグ信号を位相同期回路70に出力して、位相同期回路70の発振を停止させる。
また、クロック生成器33には、クロックOCK4のクロック数をカウントする所定の時間の間を定めるベースクロックが入力される。ベースクロックとしては、位相同期回路70に入力するリファレンスクロックrefclkを用いても良い。
次に、ステップS14において、カウンタ31は、ベースクロックに基づいて、OCK4のクロック数をカウントし、カウント値をレジスタ32へ出力する。クロック生成器33は、ベカウンタ31に対して、ースクロックがハイ状態の期間にわたって、クロックOCK4のクロック数をカウントさせる。
図7に示す例では、ベースクロックがハイ状態の期間にわたって、カウンタ31がクロックOCK4のクロック数をカウントした結果、カウント値である7がレジスタ32に保持される。
次に、ステップS16において、周波数制御回路40の比較器41は、レジスタ保持値が、設定コードと一致しているかを判断する。
図7に示す例では、設定コードが10であるのに対して、レジスタ保持値が7であるので、両者は一致していない。そこで、次に、ステップS18に進む。
次に、ステップS18において、VCO制御回路42は、レジスタ保持値が設定コードと近づくように、位相調整信号fcntを変更する。VCO制御回路42は、レジスタ保持値が設定コードよりも小さければ、レジスタ保持値が増加するように位相調整信号fcntを変更する。一方、VCO制御回路42は、レジスタ保持値が設定コードよりも大きければ、レジスタ保持値が減少するように位相調整信号fcntを変更する。
図7に示す例では、VCO制御回路42は、レジスタ保持値が設定コードよりも小さいので、位相調整信号fcntのコードを0から1へ変更する。
次に、ステップS14の前に戻り、ステップS16において、レジスタ保持値が設定コードと一致すると判断されるまで、ステップS14及びS16及びS18の処理が繰り返される。
図7に示す例では、カウンタ31の6回目のカウント値が、設定コードと一致して、ステップS20に進む。
次に、ステップS20において、比較器41は、ロー状態のフラグ信号を位相同期回路70に出力して、位相同期回路70の発振を開始させる。
このようにして、複数のVCO61〜64の各自走発振周波数が位相同期回路70の発振周波数と近くなった状態で、位相同期回路70が発振を開始して、VCO64に対するクロックOCKEXの出力を開始する。
上述した実施の形態1のクロック分配器によれば、従来のようにVCOの発振ノード同士を直接接続するのではなく、GM素子112、122、及び配線130を介して、VCO111の発振ノード111Aの出力信号と、VCO121の発振ノード121Aの出力信号との差分信号が得られるようにVCO111と121を結合する。
すなわち、逆位相のクロック電圧を電流に変換するGM素子112とGM素子122を、配線130で接続することにより、GM素子112の出力電流I1と、GM素子122の出力電流I3との減算を実現している。
そして、減算によって得られた電流(VCO111の発振ノード111Aの出力信号と、VCO121の発振ノード121Aの出力信号との差分信号を表す電流)をVCO111と121に帰還している。
従って、VCO111及び121の発振ノード111A及び121Aの負荷が従来のように増大することが抑制され、従来よりも高周波数での相互同期注入による同一周波数での発振を実現することができる。
また、従来のインダクタを用いたLC発振器の場合、インダクタの面積が大きいという課題があったが、実施の形態1のクロック分配器によれば、リング発振器を有しているので、回路の面積を低減できる。
更に、VCO111及び121は、上述のように相互同期注入による同一周波数で発振するため、クロックOCK11とOCK12のskewは低減される。このため、クロック分配器100は、VCO111及びVCO121から、skewの低減されたクロックを分配することができる。
更にまた、実施の形態1では、ノイズの少ないクロックを生成する位相同期回路70からクロックOCKEXを入力してVCO111をロックし、且つVCO111とVCO121で相互同期注入している。このため、クロック分配器100は、VCO111及びVCO121から、ノイズの低減されたクロックを分配することができる。
なお、以上の説明では、VCO111と121がそれぞれ3段のインバータ151〜153、171〜173を含む形態について説明したが、VCO111と121のインバータの段数は3段に限られるものではない。
また、以上の説明では、GM素子112、122がそれぞれインバータ112A及び112B、122A及び122Bを含む形態について説明したが、GM素子112、122は、それぞれ、VCO111及び121の発振ノード111A及び121Aから出力される電圧を電流に変換できる素子であれば、他の構成の回路であってもよい。
同様に、GM素子113及び123は、それぞれ、接続部114及び124に生じる差分の電圧を電流変換してVCO111及び121に出力できる回路であれば、図4に示す構成以外の回路であってもよい。
また、以上の説明では、VCO111、121は、電圧制御によって発振周波数を制御する発振器であったが、電流制御によって発振周波数を制御する発振器であっても良い。
また、以上の説明では、VCO111、121がリング発振器の一種である形態について説明したが、VCO111、121は、LC発振器であってもよい。
また、以上の説明では、位相同期回路70が出力するクロックOCKEXがVCO111に注入されていたが、クロックOCKEXはVCO121に注入されていても良い。
図8は、実施の形態1のクロック分配器100の変型例を示す図である。
変型例のクロック分配器100は、位相同期回路70が出力するクロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO111に出力するGM素子103Aと、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO121に出力するGM素子103Bとを含む。
即ち、変型例のクロック分配器100では、VCO111及びVCO121それぞれに、クロックOCKEXが注入される。
従って、2つのVCO111及びVCO121それぞれが共通のクロックOCKEXによってロックされるので、2つのVCO111,121間の相互注入によるフィードバック信号が減少する。そのため、2つのVCO111,121のループ内で生じるノイズを、上述した実施の形態1よりも低減することができる。
次に、上述したクロック分配器の他の実施の形態を、図9〜図13を参照しながら以下に説明する。他の実施の形態について特に説明しない点については、上述の実施の形態1に関して詳述した説明が適宜適用される。
<実施の形態2>
図9は、実施の形態2のクロック分配器200を示す図である。図10は、実施の形態2のクロック分配器200の回路構成を示す図である。
クロック分配器200は、位相調整信号入力端子201、VCO211、221、231、GM素子212、213、222、223、232、233、242、243、252、253、262、263、配線230A、230B、230C、及び出力端子240A、240B、240Cを含む。
また、クロック分配器200は、位相同期回路70からのクロックOCKEXを入力するクロック入力端子202と、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO211に出力するGM素子203を含む。
図9では、3つのVCO211、221、231を含むクロック分配器200を用い、図2に示す位相同期回路70、周波数計測器30及び周波数制御回路40を省略する。このような図9に示すクロック分配器200と、図2に示す送信回路50との対応関係は次の通りである。
VCO211は、図2に示すVCO64に対応し、位相同期回路70からクロックOCKEXを入力する。
VCO221、231は、図2に示すVCO61〜63のうちのいずれか二つに対応する。このため、VCO221、231は送信部TX0〜TX2のうちのいずれか二つと同様の送信部に接続され、それぞれ、クロックOCK22、OCK23を出力する。
また、図9に示すGM素子212、213、222、223、232、233、242、243、252、253、262、263、及び配線230A、230B、230Cは、VCO211、221、231の結合関係を示しており、図2に矢印A〜Cで示すVCO61〜64の結合関係に相当する。
図9に示すように、VCO211の発振ノード211Aは、GM素子212を介して配線230Aの一端(図9中の左端)に接続されており、GM素子213は、VCO211とGM素子212に帰還接続されている。GM素子212及び213の接続部214には、配線230Aの一端が接続されている。
GM素子212は、コンダクタンスgmfを有し、VCO211の発振ノード211Aから出力されるクロックを(電圧V1から)電流I1に変換して出力する。
GM素子213は、コンダクタンス(−gmb)を有し、接続部214の電圧を電流I2に変換してVCO211に出力する。
VCO221の発振ノード221Aは、GM素子222を介して配線230Aの他端(図9中の右端)に接続されており、GM素子223は、VCO221とGM素子222に帰還接続されている。GM素子222及び223の接続部224には、配線230Aの他端が接続されている。
GM素子222は、コンダクタンス(−gmf)を有し、VCO221の発振ノード221Aから出力されるクロックを(電圧V3から)電流I3に変換して出力する。
GM素子223は、コンダクタンスgmbを有し、接続部224の電圧を電流I4に変換してVCO221に出力する。
配線230Aは、一端(図9中の左端)がGM素子212及び213の接続部214に接続され、他端(図9中の右端)がGM素子222及び223の接続部224に接続される。配線230Aは、半導体集積回路の配線で構築される。
配線230Aには、実施の形態1のクロック分配器100の配線130と同様に、寄生容量が存在する。
以上のように、配線230Aに対して、GM素子212、213、222、223は対称に接続されている。
ここで、GM素子212と222は、逆位相のクロック電圧を電流に変換しているため、配線230Aには、GM素子212と222の出力電流の差分(I1−I3)に応じた電圧が生じる。実施の形態2のクロック分配器200では、GM素子212と222を用いて、逆位相のクロック電圧を配線230Aで接続することにより、GM素子212の出力電流I1と、GM素子222の出力電流I3との減算を実現している。
従って、GM素子213と223は、差分に応じた電圧をそれぞれ電流I2、I4に変換してVCO211、221に帰還する。GM素子213と223は、ともに差分に応じた電圧を電流に変換するため、電流I2とI4の電流値は等しい。
このため、VCO211と221に等しい電流を帰還することができる。これは、上述した回路の対称性によって実現されるものである。
また、VCO221の発振ノード221Aは、GM素子232を介して配線230Bの一端(図9中の左端)に接続されており、GM素子233は、VCO221とGM素子232に帰還接続されている。GM素子232及び233の接続部234には、配線230Bの一端が接続されている。
GM素子232は、コンダクタンスgmfを有し、VCO221の発振ノード221Aから出力されるクロックを(電圧V3から)電流I5に変換して出力する。
GM素子233は、コンダクタンス(−gmb)を有し、接続部234の電圧を電流I6に変換してVCO221に出力する。
VCO231の発振ノード231Aは、GM素子242を介して配線230Bの他端(図9中の右端)に接続されており、GM素子243は、VCO231とGM素子242に帰還接続されている。GM素子242及び243の接続部244には、配線230Bの他端が接続されている。
GM素子242は、コンダクタンス(−gmf)を有し、VCO231の発振ノード231Aから出力されるクロックを(電圧V5から)電流I7に変換して出力する。
GM素子243は、コンダクタンスgmbを有し、接続部244の電圧を電流I8に変換してVCO231に出力する。
配線230Bは、一端(図9中の左端)がGM素子232及び233の接続部234に接続され、他端(図9中の右端)がGM素子242及び243の接続部244に接続される。配線230Bは、半導体集積回路の配線で構築される。
配線230Bには、実施の形態1のクロック分配器100の配線130と同様に、寄生容量が存在する。
以上のように、配線230Bに対して、GM素子232、233、242、243は対称に接続されている。
ここで、GM素子232と242は、逆位相のクロック電圧を電流に変換しているため、配線230Bには、GM素子232と242の出力電流の差分(I5−I7)に応じた電圧が生じる。実施の形態2のクロック分配器200では、GM素子232と242を用いて、逆位相のクロック電圧を配線230Bで接続することにより、GM素子232の出力電流I5と、GM素子242の出力電流I7との減算を実現している。
従って、GM素子233と243は、差分に応じた電圧をそれぞれ電流I6、I8に変換してVCO221、231に帰還する。GM素子233と243は、ともに差分に応じた電圧を電流に変換するため、電流I6とI8の電流値は等しい。
このため、VCO221と231に等しい電流を帰還することができる。これは、上述した回路の対称性によって実現されるものである。
また、VCO231の発振ノード231Aは、GM素子252を介して配線230Cの一端(図9中の右端)に接続されており、GM素子253は、VCO231とGM素子252に帰還接続されている。GM素子252及び253の接続部254には、配線230Cの一端が接続されている。
GM素子252は、コンダクタンスgmfを有し、VCO231の発振ノード231Aから出力されるクロックを(電圧V5から)電流I9に変換して出力する。
GM素子253は、コンダクタンス(−gmb)を有し、接続部254の電圧を電流I10に変換してVCO231に出力する。
VCO211の発振ノード211Aは、GM素子262を介して配線230Cの他端(図9中の左端)に接続されており、GM素子263は、VCO211とGM素子262に帰還接続されている。GM素子262及び263の接続部264には、配線230Cの他端が接続されている。
GM素子262は、コンダクタンス(−gmf)を有し、VCO211の発振ノード211Aから出力されるクロックを(電圧V1から)電流I11に変換して出力する。
GM素子263は、コンダクタンスgmbを有し、接続部264の電圧を電流I12に変換してVCO211に出力する。
配線230Cは、一端(図9中の右端)がGM素子252及び253の接続部254に接続され、他端(図9中の左端)がGM素子262及び263の接続部264に接続される。配線230Cは、半導体集積回路の配線で構築される。
配線230Cには、実施の形態1のクロック分配器100の配線130と同様に、寄生容量が存在する。
以上のように、配線230Cに対して、GM素子252、253、262、263は対称に接続されている。
ここで、GM素子252と262は、逆位相のクロック電圧を電流に変換しているため、配線230Cには、GM素子252と262の出力電流の差分(I9−I11)に応じた電圧が生じる。実施の形態2のクロック分配器200では、GM素子252と262を用いて、逆位相のクロック電圧を配線230Cで接続することにより、GM素子252の出力電流I9と、GM素子262の出力電流I11との減算を実現している。
従って、GM素子253と263は、差分に応じた電圧をそれぞれ電流I10、I12に変換してVCO231、211に帰還する。GM素子253と263は、ともに差分に応じた電圧を電流に変換するため、電流I10とI12の電流値は等しい。
このため、VCO231と211に等しい電流を帰還することができる。これは、上述した回路の対称性によって実現されるものである。
以上、図9に示す実施の形態2のクロック分配器200では、回路の対称性により、VCO211、221、231に帰還される電流(I2+I12、I4+I6、I8+I10)は等しくなる。
従って、クロック分配器200では、クロック入力端子202に位相同期回路70からクロックOCKEXを入力してVCO211をロック状態にすれば、VCO211、221、231に等しい電流が帰還され、VCO211、221、231で相互同期注入を行うことができる。従って、VCO211、221、231が、それぞれ発振するクロックOCK21、OCK12、OCK13の周波数は、位相同期回路70からのクロックOCKEXと等しくなる。
VCO211と、VCO221、231とを、クロックOCKEXに対して速やかに同期させる観点から、クロックOCKEXを変換した電流IEXの大きさは、GM素子213及び263からVCO211へ出力される電流I2とI12よりも大きいことが好ましい。
なお、図9では、3つのVCO211、221、231がループ状に接続されているが、3つのVCO211、221、231は、複数の発振器の一例である。複数の発振器は、2つ又は4つ以上の発振器を用いてループ状に接続されていても良い。
VCO211と、GM素子212、213、262、263とは、一つの単位回路部を構築する。GM素子212、213、262、263は、それぞれ、第1乃至第4電圧電流変換素子の一例である。GM素子212及び213の接続部214は、第1接続部の一例であり、GM素子262及び263の接続部264は、第2接続部の一例である。
同様に、VCO221と、GM素子222、223、232、233とは、一つの単位回路部を構築する。GM素子232、233、222、223は、それぞれ、第1乃至第4電圧電流変換素子の一例である。GM素子232及び233の接続部234は、第1接続部の一例であり、GM素子222及び223の接続部224は、第2接続部の一例である。
同様に、VCO231と、GM素子242、243、252、253とは、一つの単位回路部を構築する。GM素子252、253、242、243は、それぞれ、第1乃至第4電圧電流変換素子の一例である。GM素子252及び253の接続部254は、第1接続部の一例であり、GM素子242及び243の接続部244は、第2接続部の一例である。
また、第1接続部としての接続部214、234、254と、第2接続部としての接続部224、244、264との間をそれぞれ接続する配線部230A、230B、230Cは、配線部の一例である。
このように、図9に示すクロック分配器200は、3つの単位回路部を含み、3つの単位回路部は、配線部230A、230B、230Cによってループ状に接続されている。
次に、図10を用いて、実施の形態2のクロック分配器200の回路の詳細について説明する。
図10は、実施の形態2のクロック分配器200の回路構成を示す図である。説明の便宜上、図10には、実施の形態2のクロック分配器200のうち、VCO211と、VCO211に接続される構成要素だけを示すが、クロック分配器200の回路構成の対称性(図9参照)より、VCO221、231及びその周囲の回路構成は、図10に示す回路構成と同様である。また、図10では、VCO211が差動クロックを出力するものとして説明を行う。
VCO211は、3段のインバータ151、152、153と、電流源154とを含む。インバータ151〜153は、それぞれ、カレントスターブド(current starved)型のインバータであり、リング発振器を構築している。VCO211は、リング発振器の一種である。
すなわち、インバータ151〜153は、直列に接続されるとともに、インバータ153の非反転出力端子は、インバータ151の反転入力端子(図10中の下側の入力端子)に接続されている。また、インバータ153の反転出力端子は、インバータ151の非反転入力端子(図10中の上側の入力端子)に接続されている。
なお、インバータ151〜153は、一例として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)によって実現されるインバータである。
VCO211の自走発振周波数は、位相調整信号入力端子201に入力される位相調整信号fcntで電流源154の出力電流値を調整することによって制御される。
なお、VCO211が出力するクロックOCK21は、リング発振器を構築するインバータ151〜153のいずれの出力端から取り出してもよいが、図10では、一例として、インバータ152の出力をVCO211の出力として取り出している。出力端子240Aからは、差動形式のクロックOCK21が出力される。
また、GM素子213から帰還される電流I2の入力先は、リング発振器を構築するインバータ151〜153のいずれの入力端子であってもよいが、図10では、インバータ152の入力端子に入力する。
GM素子212は、VCO211の出力を電流変換する素子であればよく、図10では、インバータ212A、212Bを用いる。インバータ212A、212Bのコンダクタンスは、ともにgmfである。
インバータ212Aの出力端子は、GM素子213に接続されるとともに、配線230Aのうちの配線部230A1を介して、GM素子222に接続されている。インバータ212AにはVCO211のインバータ153の非反転出力端子が接続されている。
インバータ212Bの出力端子は、GM素子213に接続されるとともに、配線230Aのうちの配線部230A2を介して、GM素子222に接続されている。インバータ212BにはVCO211のインバータ153の反転出力端子が接続されている。
GM素子213は、電流源161A、及び2つのNMOS(N−type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ162A、163Aを含む。
電流源161Aは、一端(図10中の上側の端子)がNMOSトランジスタ162A、163Aのソースに接続されており、他端(図10中の下側の端子)は接地されている。
NMOSトランジスタ162Aは、ソースがNMOSトランジスタ163Aのソースに接続されるとともに電流源161Aに接続され、ドレインがインバータ151の非反転出力端子とインバータ152の非反転入力端子との間に接続されている。
NMOSトランジスタ163Aは、ソースがNMOSトランジスタ162Aのソースに接続されるとともに電流源161Aに接続され、ドレインがインバータ151の反転出力端子とインバータ152の反転入力端子との間に接続されている。
GM素子262は、VCO211の出力を電流変換する素子であればよく、図10では、インバータ262A、262Bを用いる。インバータ262A、262Bのコンダクタンスは、ともに(−gmf)である。
インバータ262Aの出力端子は、GM素子263に接続されるとともに、配線230Cのうちの配線部230C1を介して、GM素子252に接続されている。インバータ262AにはVCO211のインバータ153の非反転出力端子が接続されている。
インバータ262Bの出力端子は、GM素子263に接続されるとともに、配線230Cのうちの配線部230C2を介して、GM素子252に接続されている。インバータ262BにはVCO211のインバータ153の反転出力端子が接続されている。
GM素子263は、電流源161B、及び2つのNMOS(N−type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ162B、163Bを含む。
電流源161Bは、一端(図10中の上側の端子)がNMOSトランジスタ162B、163Bのソースに接続されており、他端(図10中の下側の端子)は接地されている。
NMOSトランジスタ162Bは、ソースがNMOSトランジスタ163Bのソースに接続されるとともに電流源161Bに接続され、ドレインがインバータ151の非反転出力端子とインバータ152の非反転入力端子との間に接続されている。
NMOSトランジスタ163Bは、ソースがNMOSトランジスタ162Bのソースに接続されるとともに電流源161Bに接続され、ドレインがインバータ151の反転出力端子とインバータ152の反転入力端子との間に接続されている。
上述したVCO211には、GM素子203から差動形式のクロックOCKEXを変換した電流IEXが入力する。
GM素子203は、電流源204、及び2つのNMOS(N−type Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ205、206を含む。
電流源204は、一端(図10中の上側の端子)がNMOSトランジスタ205、206のソースに接続されており、他端(図10中の下側の端子)は接地されている。
NMOSトランジスタ205は、ソースがNMOSトランジスタ206のソースに接続されるとともに電流源204に接続され、ドレインがインバータ152の非反転出力端子とインバータ153の非反転入力端子との間に接続されている。
NMOSトランジスタ206は、ソースがNMOSトランジスタ205のソースに接続されるとともに電流源204に接続され、ドレインがインバータ152の反転出力端子とインバータ153の反転入力端子との間に接続されている。
なお、GM素子203が出力する電流IEXは、インバータ152とインバータ153との間に入力されていたが、GM素子203が出力する電流IEXを、他のインバータ間に入力しても良い。
以上、図10には、実施の形態2のクロック分配器200のうち、VCO211と、VCO211に接続される回路構成とを示した。VCO221及び231と、VCO221及び231に接続される回路は、GM素子203から差動形式のクロックOCKEXを変換した電流IEXが入力されることを除いては、同様の構成を有する。
そして、実施の形態2のクロック分配器200では、実施の形態1のクロック分配器100と同様に、配線230Aに、VCO211の発振ノード211Aの出力信号と、VCO221の発振ノード221Aの出力信号との差分信号の電圧が生じる。
また、配線230Bには、VCO221の発振ノード221Aの出力信号と、VCO231の発振ノード231Aの出力信号との差分信号の電圧が生じる。また、配線230Cには、VCO231の発振ノード231Aの出力信号と、VCO211の発振ノード211Aの出力信号との差分信号の電圧が生じる。
従って、位相同期回路70からクロック入力端子102にクロックOCKEXを入力してVCO211をロック状態にすれば、VCO211、221、及び231に等しい電流が帰還され、VCO211、221、及び231で相互同期注入を行うことができる。従って、VCO211、221、及び231が、それぞれ発振するクロックOCK21、OCK22、及びOCK23の周波数は等しくなる。
実施の形態2によれば、従来のようにVCOの発振ノード同士を直接接続するのではなく、GM素子212、222、及び配線230Aを介して、VCO211の発振ノード211Aの出力信号と、VCO221の発振ノード221Aの出力信号との差分信号が得られるようにVCO211と221を結合する。
すなわち、GM素子212と222を用いて、逆位相のクロック電圧を配線230Aで接続することにより、GM素子212の出力電流I1と、GM素子222の出力電流I3との減算を実現している。
そして、減算によって得られた電流(VCO211の発振ノード211Aの出力信号と、VCO221の発振ノード221Aの出力信号との差分信号を表す電流)をVCO211と221に帰還している。
同様に、GM素子232、242、及び配線230Bを介して、VCO221の発振ノード221Aの出力信号と、VCO231の発振ノード231Aの出力信号との差分信号が得られるようにVCO221と231を結合する。
そして、減算によって得られた電流(VCO221の発振ノード221Aの出力信号と、VCO231の発振ノード231Aの出力信号との差分信号を表す電流)をVCO221と231に帰還している。
また、GM素子252、262、及び配線230Cを介して、VCO231の発振ノード231Aの出力信号と、VCO211の発振ノード211Aの出力信号との差分信号が得られるようにVCO231と211を結合する。
そして、減算によって得られた電流(VCO231の発振ノード231Aの出力信号と、VCO211の発振ノード211Aの出力信号との差分信号を表す電流)をVCO231と211に帰還している。
これにより、実施の形態1のクロック分配器100と同様に、VCO211、221、及び231の発振ノード211A、221A、及び231Aの負荷が従来のように増大することが抑制され、従来よりも高周波数での相互同期注入による発振を実現することができる。
また、VCO211、221、231は、上述のように相互同期注入による同一周波数で発振するため、クロックOCK21、OCK22、OCK23のskewは低減される。このため、クロック分配器200は、VCO211、221、231から、skewの低減されたクロックOCK21、OCK22、OCK23を分配することができる。
更にまた、実施の形態2では、ノイズの少ないクロックを生成する位相同期回路70からクロックOCKEXを入力してVCO211をロックし、且つVCO211とVCO221とVCO231との間で相互同期注入している。このため、クロック分配器200は、VCO211、221、231から、ノイズの低減されたクロックを分配することができる。
なお、以上では、3つの単位回路部を含むクロック分配器200について説明したが、単位回路部の個数は、3つに限られず、2つ以上であれば幾つであってもよい。
また、以上の説明では、位相同期回路70からのクロックOCKEXがVCO211に注入されていたが、クロックOCKEXはVCO221又はVCO231に注入されていても良い。
図11は、実施の形態2のクロック分配器200の変型例を示す図である。
変型例のクロック分配器200は、位相同期回路70からのクロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO211に出力するGM素子203Aと、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO221に出力するGM素子203Bと、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO231に出力するGM素子203Cとを含む。
即ち、変型例のクロック分配器200では、VCO211及びVCO221及びVCO231それぞれに、クロックOCKEXが注入される。
従って、3つのVCO211及びVCO221及びVCO231それぞれが共通のクロックOCKEXによってロックされるので、3つのVCO211,221、231間の相互注入によるフィードバック信号が減少する。そのため、3つのVCO211,221、231のループ内で生じるノイズを、上述した実施の形態2よりも低減することができる。
<実施の形態3>
図12は、実施の形態3のクロック分配器300を示す図である。
クロック分配器300は、位相調整信号入力端子201、VCO211、221、231、GM素子212、213、222、223、232、233、242、243、252、262、353、363、配線230A、230B、出力端子240A、240B、240C、及び負荷回路330A、330Bを含む。
また、クロック分配器300は、位相同期回路70が出力するクロックOCKEXを入力するクロック入力端子202と、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO211に出力するGM素子203を含む。
実施の形態3のクロック分配器300は、実施の形態2の配線230Cの代わりに負荷回路330A、330Bを含むとともに、実施の形態2のGM素子253、263の代わりにGM素子353、363を含む。
その他の構成は、実施の形態2のクロック分配器200と同様であるため、同様の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。
負荷回路330Aは、GM素子252と353の接続部254に接続されており、例えば、配線230A、230Bの寄生容量と等価の容量性素子を用いることができる。負荷回路330Aは、接続部254を終端している。
負荷回路330Bは、GM素子262と363の接続部264に接続されており、負荷回路330Aと同様に、配線230A、230Bの寄生容量と等価の容量性素子を用いることができる。負荷回路330Bは、接続部264を終端している。
GM素子353、363は、電流源161A、161B(図10参照)の電流値を零にしたものである。
すなわち、GM素子353、363に流れる電流は、実施の形態2のGM素子253、263と同様である。
実施の形態3のクロック分配器300は、3つの単位回路部を含み、図12に示す3つの単位回路部のうち、両端の単位回路部は負荷回路330A、330Bによって終端されている。
このため、実施の形態3のクロック分配器300では、3つの単位回路部は直列に接続されている。
図12に示すクロック分配器300では、クロック入力端子202に位相同期回路70からクロックOCKEXを入力してVCO211をロック状態にすれば、VCO211と221との間及びVCO221とVCO231との間それぞれに等しい電流が帰還され、VCO211、221、及び231で相互同期注入を行うことができる。従って、VCO211、221、及び231が、それぞれ発振するクロックOCK21、OCK22、及びOCK23の周波数は、位相同期回路70からのクロックOCKEXと等しくなる。
以上のように、実施の形態3のクロック分配器300では、実施の形態2のクロック分配器200と同様に、VCO211、221、231は、相互同期注入による同一周波数で発振することができる。
なお、図12には、3つの単位回路部を直列に接続する形態を示したが、単位回路部の数を増やせば、4つ以上の単位回路部を直列に接続して、各単位回路部に含まれるVCOで相互同期注入を行うことができ、同一周波数で発振することができる。例えば、単位回路部の数を5つにすれば、図2に示す送信回路50に含まれるクロック分配器を実現することができる。
上述した実施の形態3によれば、配線及び回路素子の数を低減して、クロック分配器の寸法を小さくすることができる。
図13は、実施の形態3のクロック分配器300の変型例を示す図である。
変型例のクロック分配器300は、位相同期回路70からのクロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO211に出力するGM素子203Aと、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO221に出力するGM素子203Bと、クロックOCKEXの電圧を電流IEXに変換してVCO231に出力するGM素子203Cとを含む。
即ち、変型例のクロック分配器200では、VCO211及びVCO221及びVCO231それぞれに、クロックOCKEXが注入される。
従って、3つのVCO211及びVCO221及びVCO231それぞれが共通のクロックOCKEXによってロックされるので、3つのVCO211,221、231間の相互注入によるフィードバック信号が減少する。そのため、3つのVCO211,221、231のループ内で生じるノイズを、上述した実施の形態3よりも低減することができる。
本発明では、上述した実施形態のクロック分配器及び電子装置は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施の形態が有する構成要件は、他の実施の形態にも適宜適用することができる。
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。
10A ICチップ
21A コアロジック
22A 送信回路
23A 受信回路
10B ICチップ
21B コアロジック
22B 送信回路
23B 受信回路
20A、20B 伝送路
30 周波数計測器
40 周波数制御回路
50 送信回路
61〜65 VCO
TX0、TX1、TX2、TX3 送信部
70 位相同期回路
100 クロック分配器
101 位相調整信号入力端子
111、121 VCO
112、113、122、123 GM素子
130 配線
141、142 出力端子
200 クロック分配器
201 位相調整信号入力端子
211、221、231 VCO
212、213、222、223、232、233、242、243、252、253、262、263 GM素子
230A、230B、230C 配線
240A、240B、240C 出力端子
300 クロック分配器
353、363 GM素子
330A、330B 負荷回路

Claims (10)

  1. 複数の単位回路部と、
    前記単位回路部の間をそれぞれ接続する配線部と、
    を備え、
    一の前記単位回路部は、
    発振器と、
    前記発振器の出力を電流変換して、他の前記単位回路部に接続する前記配線部と接続する第1接続部に出力する第1電圧電流変換素子と、
    前記第1接続部の電圧を電流に変換して、前記発振器に出力する第2電圧電流変換素子と、
    前記発振器の出力を電流変換して、また他の前記単位回路部に接続する他の前記配線部に接続する第2接続部に出力する第3電圧電流変換素子と、
    前記第2接続部の電圧を電流に変換して、前記発振器に出力する第4電圧電流変換素子と、
    を備え、
    前記複数の単位回路部の発振器には、それぞれの発振周波数を制御する共通の制御信号が入力され、且つ、
    前記複数の単位回路部のうちの一つの単位回路部の発振器にはクロックが注入され
    前記第1接続部には、一の前記単位回路部の前記発振器の出力が変換された電流と、他の前記単位回路部の前記発振器の出力が変換された電流との差分に応じた電圧が生じ、
    前記第2接続部には、一の前記単位回路部の前記発振器の出力が変換された電流と、更に他の前記単位回路部の前記発振器の出力が変換された電流との差分に応じた電圧が生じる、クロック分配器。
  2. 前記第1電圧電流変換素子及び前記第3電圧電流変換素子は、インバータである、請求項記載のクロック分配器。
  3. 前記複数の単位回路部はループ状に接続される、請求項1又は2記載のクロック分配器。
  4. 前記複数の単位回路部は直列に接続されており、一方の端部に位置する単位回路部の第2電圧電流変換素子のコンダクタンスと、他方の端部に位置する単位回路部の第4電圧電流変換素子のコンダクタンスは零である、請求項1〜3の何れか一項記載のクロック分配器。
  5. 前記一方の端部に位置する単位回路部の第1接続部と、前記他方の端部に位置する単位回路部の第2接続部とには、容量性の負荷が接続される、請求項記載のクロック分配器。
  6. 外部からクロックが注入される前記複数の単位回路部のうちの一つの単位回路部の発振器が発振する信号の周波数を計測する周波数計測器を備える請求項1〜の何れか一項に記載のクロック分配器。
  7. 前記周波数計測器が周波数を計測した結果に基づいて前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記複数の単位回路部の発振器に出力する周波数制御回路を備える請求項に記載のクロック分配器。
  8. 前記周波数制御回路は、
    前記周波数計測器が周波数を計測した結果と、所定の周波数設定値とを比較する比較器と、
    前記比較器が比較した結果に基づいて、前記制御信号を生成する制御信号生成回路と、
    を有する請求項に記載のクロック分配器。
  9. 第1発振器と、
    第2発振器と、
    前記第1発振器と前記第2発振器とを接続する配線部と、
    前記第1発振器の出力を電流変換して、前記配線部と接続する第1接続部に出力する第1電圧電流変換素子と、
    前記第1接続部の電圧を電流に変換して、前記第1発振器に出力する第2電圧電流変換素子と、
    前記第2発振器の出力を電流変換して、前記配線部と接続する第2接続部に出力する第3電圧電流変換素子と、
    前記第2接続部の電圧を電流に変換して、前記第2発振器に出力する第4電圧電流変換素子と、
    を備え、
    前記第1発振器及び前記第2発振器には、それぞれの発振周波数を制御する共通の制御信号が入力され、且つ、
    前記第1発振器又は前記第2発振器にはクロックが注入され
    前記第1接続部及び前記第2接続部には、前記第1発振器の出力が変換された電流と、前記第2発振器の出力が変換された電流との差分に応じた電圧が生じるクロック分配器。
  10. 請求項1〜の何れか一項記載のクロック分配器と、
    前記クロック分配器から出力されるクロックに応じて動作する回路と、
    を含む、電子装置。
JP2012130827A 2012-06-08 2012-06-08 クロック分配器及び電子装置 Active JP5853870B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130827A JP5853870B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 クロック分配器及び電子装置
US13/875,837 US8981854B2 (en) 2012-06-08 2013-05-02 Clock distributor and electronic apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012130827A JP5853870B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 クロック分配器及び電子装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013255170A JP2013255170A (ja) 2013-12-19
JP5853870B2 true JP5853870B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=49714798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012130827A Active JP5853870B2 (ja) 2012-06-08 2012-06-08 クロック分配器及び電子装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8981854B2 (ja)
JP (1) JP5853870B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9356608B1 (en) 2014-04-29 2016-05-31 Microsemi Storage Solutions (U.S.), Inc. Method and apparatus for controlling mismatch in a voltage controlled oscillator array
US9467092B1 (en) * 2015-11-16 2016-10-11 International Business Machines Corporation Phased locked loop with multiple voltage controlled oscillators
CN111181552B (zh) * 2020-01-08 2023-03-24 电子科技大学 一种双向频率同步振荡器电路
CN116667796B (zh) * 2023-07-28 2023-10-13 成都世源频控技术股份有限公司 一种提高参考时钟信号抗干扰的功分放大电路及方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0569658B1 (en) * 1992-05-15 1998-08-12 STMicroelectronics S.r.l. Signals generator having not-overlapping phases and high frequency
US5475344A (en) * 1994-02-22 1995-12-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Multiple interconnected ring oscillator circuit
JP2867889B2 (ja) 1994-08-30 1999-03-10 日本電気株式会社 電圧制御発振器
JP3619352B2 (ja) 1997-08-28 2005-02-09 株式会社ルネサステクノロジ 半導体集積回路装置
JP3523031B2 (ja) 1997-11-14 2004-04-26 株式会社東芝 発振回路
US6617936B2 (en) * 2001-02-20 2003-09-09 Velio Communications, Inc. Phase controlled oscillator
JP3795364B2 (ja) * 2001-09-27 2006-07-12 シャープ株式会社 集積回路および受信装置
JP4040034B2 (ja) * 2004-05-28 2008-01-30 富士通株式会社 発振器および半導体装置
EP1608063A3 (en) * 2004-06-17 2006-09-13 STMicroelectronics S.r.l. Phase shifting coupling technique for multi-phase LC tank based ring oscillators
JP4299283B2 (ja) 2005-09-16 2009-07-22 富士通株式会社 クロック信号の生成及び分配装置
TW200733543A (en) * 2006-02-27 2007-09-01 Heng-Chia Chang Oscillator Coupling System
US7812682B2 (en) * 2009-03-05 2010-10-12 Nel Frequency Controls, Inc. Crystal-based oscillator for use in synchronized system
JP5213789B2 (ja) 2009-04-21 2013-06-19 三菱電機株式会社 高周波発振源
JP5387187B2 (ja) * 2009-07-10 2014-01-15 富士通株式会社 クロック信号分配装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8981854B2 (en) 2015-03-17
JP2013255170A (ja) 2013-12-19
US20130328632A1 (en) 2013-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5811863B2 (ja) クロック分配器、及び、電子装置
US8258882B2 (en) Clock signal distributing device
JP5853870B2 (ja) クロック分配器及び電子装置
US6441667B1 (en) Multiphase clock generator
JP2016134916A (ja) クロック発生器及びこれを含むオンチップオシレータ
JP2011071816A (ja) 周波数測定回路及びそれを有するpllシンセサイザ
US20170346444A1 (en) Semiconductor Device and Method
CN102761332A (zh) 一种时钟产生电路
Mazza et al. A Compact, Low Jitter, CMOS 65 nm 4.8–6 GHz Phase-Locked Loop for Applications in HEP Experiments Front-End Electronics
CN104641560A (zh) Rf逻辑分频器
Graber et al. Analysis and design of oscillator coupling for solving combinatorial optimization problems
KR100524165B1 (ko) 반도체 집적 회로
US10658975B2 (en) Semiconductor device and method
WO2020199216A1 (zh) 一种振荡器及设备
CN111771332A (zh) 锁相环电路
JP2011239226A (ja) 同期回路
US10187072B1 (en) Signal processing system and method thereof
US8471595B1 (en) Selectable dynamic/static latch with embedded logic
KR101783997B1 (ko) Cmos 인버터를 이용한 셀룰러 발진 네트워크 회로
US20240275393A1 (en) Power system and method for monitoring a working environment of a monitored circuit and adjusting a working voltage of the monitored circuit
Mandal et al. A low-jitter phase-locked resonant clock generation and distribution scheme
CN108418581B (zh) 一种用于生成时钟信号的电路
TW202315318A (zh) 利用注入鎖定振盪器的半速率時鐘的相位校準
Helinski et al. A linear digital VCO for Clock Data Recovery (CDR) applications
TWI508454B (zh) 時脈產生器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5853870

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150