JP5852448B2 - サンドブラストレジスト組成物、及びそれを用いた表面加工方法 - Google Patents

サンドブラストレジスト組成物、及びそれを用いた表面加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、サンドブラストレジスト組成物、特にアルミニウム又はアルミウム合金に対する処理に好適に用いられるサンドブラスト組成物に関する。
ガラス、石材、陶磁器、金属、プラスチック、木材などの表面に対して、文字、図形或いは模様等の装飾を施すための一手段として、サンドブラスト法が用いられている。
サンドブラスト法では、装飾を施すべき材料の表面に、砂や合成材料等の研磨剤を吹きつけることにより、表面加工が行われる。
被処理材料(被加工基材)の所定の部分にのみ装飾等を施す場合には、加工を行わない部分をサンドブラストレジストで保護する。そして、装飾を施す部分、すなわちサンドブラストレジストに被覆されず露出している基体表面に、砂や合成材料等の研磨剤を吹きつけることにより、表面加工が行われる。
従来のサンドブラストレジスト組成物としては、例えば特許文献1に、ポリウレタンプレポリマーと、セルロース誘導体とを含むサンドブラスト用感光性樹脂組成物が記載されている。同文献のサンドブラストレジスト組成物は、ガラス、セラミックス、シリコン、金属酸化物等の硬脆材料に対してサンドブラスト工法を用いて微細なパターンを形成する際に有用であるとして紹介されている。
更に、特許文献2には、水溶性高分子の混合物を含み、有機溶剤を含まない、スクリーン印刷用のサンドブラストレジストインキが開示されている。特許文献2のサンドブラストレジストインキは、レジストマスクの形成及び剥離においても有機溶剤を必要とせず、処理性において有利である。
この他、特許文献3によると、熱可塑性エラストマーを含有するサンドブラスト用レジスト材料が提供される。このレジスト材料は、高圧のエアーを用いた高硬度の研磨剤の噴射に対しても優れた耐摩耗性を有するとされている。
このように、サンドブラストレジスト組成物の性能は種々の側面から検討されており、インキとして印刷により基材に付着させることが可能である他、感光性フィルム、ペースト、及びマスキングテープ等の形態によっても市販されている。
また、サンドブラスト処理を施す被加工基材を勘案して、サンドブラストレジストを改良する必要性も無視できない。
特に、近年では、携帯電話やデジタルカメラなどの小型モバイル製品が、急速に普及しているが、これらの小型モバイル製品は小型化・軽量化の要求を満たす必要があるため、その筐体には、一般に、アルミニウム合金薄板が利用されている。
そして、このような小型モバイル製品等はそのデザイン性が重視されるため、筐体を構成するアルミニウムないしアルミニウム合金等に文字、図形或いは模様等の装飾が施されることが多い。このような装飾を付与する方法として、サンドブラスト法が多用され、更に、耐食性、耐摩耗性、装飾性等を向上させるために、サンドブラスト後処理後のアルミニウムがアルマイト加工に付されることになる。
特開2006−78868 特開平7−252444 WO2007/091476
上述の特許文献1〜3に記載されたサンドブラストレジストは、それぞれサンドブラストから被加工基材を保護する作用を有するが、アルミニウム合金を被加工基材とし、更に耐食性、耐摩耗性の向上、及び装飾等の機能を付加するためにアルマイト処理が必要となる場合の検討が含まれていない。
一般に、従来技術によると、サンドブラスト処理後のサンドブラストレジストの剥離は、アルカリ水溶液及び水等を用いて行われている。すなわち、従来のサンドブラストレジストにはアルカリ水溶液及び水等に対する耐性がなく、アルミニウムの表面を強酸又は強アルカリ、及び水溶液で処理するアルマイト加工用のレジストとして、従来のサンドブラストレジストを兼用すれば、レジストが剥離してしまう現象が起こり易い。
そこで、本発明は、サンドブラスト耐性があり、且つアルマイト加工にも耐性がある溶剤可溶型サンドブラストレジスト組成物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るサンドブラストレジスト組成物(以下、「レジスト組成物」ともいう)は、アスファルトと熱可塑性エラストマーとを含有することを特徴とする。
本発明のサンドブラストレジスト組成物は、アスファルトと、熱可塑性エラストマーと、を含有する材料であり、印刷等により被加工基材に施すことにより、サンドブラスト処理及びアルマイト処理において、優れた耐性を有する。
すなわち、本発明のサンドブラストレジスト組成物は、アルミニウム乃至アルミニウム合金等の被処理基板に対して、サンドブラスト処理とアルマイト処理とを行う場合に、これらの双方の処理において、被処理基板の処理すべきでない部分(非処理箇所)を、その優れた耐摩耗性により良好に保護/被覆して未加工の状態に維持するため、被処理基板の表面が美しく加工される。
更に、本発明のサンドブラストレジスト組成物は、ほぼ中性の有機溶剤、特にpH5〜9の範囲の溶剤に可溶であるため、基体の表面処理に用いられた後は、これを安全かつ簡単に剥離することができる。
また、請求項2に記載のサンドブラストレジスト組成物は、アルマイト処理における加熱に対しても特に良好な耐性が得られる。
更に、請求項3に記載のサンドブラストレジスト組成物では、製造、被加工基材への施与、及びサンドブラスト後のレジスト除去(剥離)が円滑に行われる。
請求項4のサンドブラストレジスト組成物は、取り扱い容易な粘度とされ、更に使用後の剥離もほぼ中性の溶剤、特に芳香族炭化水素溶剤により容易に行われる。
また、請求項5の表面加工方法によると、被加工基材の非処理箇所がサンドブラストから確実に保護され、更に請求項6の表面加工方法によると、非処理箇所がアルマイト処理からも確実に保護される。
本発明に係るサンドブラストレジスト組成物は、主成分として、アスファルトと熱可塑性エラストマーとを含有し、これをインキとして用いた印刷等により、被加工基材のうち、サンドブラスト処理により加工すべきでない部分(非処理箇所)に施すことにより、非処理箇所を被覆、保護することができる。
本発明に用いられるアスファルトの種類に特に制限はなく、天然アスファルト及び石油アスファルトのいずれも使用可能であるが、軟化点が95℃を超過、特に110℃を超過する材料であることが好ましい。
これは、後述のアルマイト処理において、一般には、約95℃の高温に加熱されるため、アスファルトの軟化点が95℃を超過している場合に、レジスト組成物としてより安定な性能を示すためである。
軟化点が95℃を超過するアスファルトには、ブローンアスファルトが含まれる。また、本発明では軟化点が95℃以下の天然アスファルト及びストレートアスファルト等をブローンアスファルトと混合することで軟化点を95℃以上として使用することができる。
本発明では、アスファルトを単独又は複数種類の組み合わせとして使用することができ、混合物として使用する場合には、混合物としての軟化点が95℃を超過、特に110℃を超過することが好ましい。
本発明の組成物に含まれるアスファルトは、予め有機溶剤に溶解させて用いると好ましい。
本発明の組成物の必須成分であるアスファルト自体は粘稠であるため、有機溶剤に溶解させることにより、アスファルトを原料とするサンドブラストレジスト組成物の製造、被加工基材に対する施与、及びレジスト除去(剥離)が、それぞれ円滑に行うことが可能となる。
好ましい環状の炭化水素の例としてはデカリン、メチルデカリン等のデカリン誘導体、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ビシクロヘキシル等のシクロヘキサン誘導体、メチルエチルシクロペンタン、ジエチルシクロペンタン等のシクロペンタン誘導体、ジペンテン(リモネン)、パラメンタン、ピネン、ピナン、カレン、テレピン油等のテルペン系炭化水素が挙げられる。
更に、上記脂肪族、芳香族、又は脂環式炭化水素の溶媒、又はこれらの任意の溶媒混合物に極性基を有する有機化合物を添加して用いてもよい。
極性基を有する有機化合物は、酸素原子及び/又は窒素原子を分子内に有するもので、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、カルボン酸、アルデヒド、アミン、アミド等を挙げることができる。
このうち本発明では、アスファルトを良く溶解する芳香族炭化水素、また、環境に影響の少ないナフタレンフリーの芳香族炭化水素、例えばカクタスファインSF−02(ジャパンエナジー社製、又はこれらの混合物を使用すると好ましい。
本発明において、アスファルトの含有量(固形分)は、溶剤可溶型サンドブラストレジスト組成物の固形分総質量に対して、10質量%〜70質量%、特に40質量%〜70質量%であると好ましい。
アスファルト固形分含有量が上記範囲にあると、レジスト組成物全体としての粘度が好適となる上、ほぼ中性の溶剤、特に芳香族炭化水素溶剤を用いてレジスト除去を行うことが可能となる。またアルマイト耐性も良好となる。
本発明の溶剤可溶型サンドブラストレジスト組成物の、更なる必須成分である熱可塑性エラストマーは、高温で可塑化されてプラスチックと同様に成形でき、常温ではゴム弾性体(エラストマー)の性質を示す高分子材料を意味する。
本発明で使用される熱可塑性エラストマーに特に制限はなく、スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系エラストマーを用いることができる。
これらの具体例としては、
スチレン系としてタフプレン(旭化成ケミカルズ(株)社製)、タフテック(旭化成ケミカルズ(株)社製)、アサプレン(旭化成ケミカルズ(株)社製)、エラストマーAR(アロン化成(株)社製)、ラバロン(三菱化学(株)社製)、
オレフィン系として住友TPE(住友化学工業(株)製)及びミラストマー(三井化学(株)社製)、
塩化ビニル系としてサンプレーン(三菱化学(株)社製)、
ポリエステル系としてプロマロイ(三菱化学(株)社製)、ペルプレン(東洋紡績(株)社製)、
ポリウレタン系としてミラクトラン(日本ポリウレタン工業(株)社製)、ハイパーアロイアクティマー(リケンテクノス(株)社製)を挙げることができ、スチレン系が特に好ましく用いられる。
更に、スチレン系の熱可塑性エラストマーのうち、C2-Cアルケニル、好ましくはC2-Cアルケニルを有する芳香族セグメント(特に、スチレン、メチルスチレン、及びブチルスチレン)と、共役ジエンセグメント(特に、ブタジエン、イソプレン、及びジメチルブタジエン)と、を含む二元共重合体又は三元共重合体であると好ましい。
本発明において使用される熱可塑性エラストマーの代表例としては、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体が挙げられ、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、商品名「アサプレンT411」、旭化成ケミカルズ株式会社製)が特に好ましく用いられる。スチレン-プロピレン共重合体は特に弾性に優れ、サンドブラストの衝撃を緩和するからである。熱可塑性エラストマーは単独で用いても、複数種類の混合物として用いてもよい。
本発明の組成物に含まれる熱可塑性エラストマーは、予め有機溶剤に溶解させて用いると好ましい。
熱可塑性エラストマーを溶解させるために使用可能な有機溶媒は、アスファルトを溶解させるために使用可能な上述の溶剤と同様であり、このうち特に、芳香族炭化水素 カクタスファインSF−02(ジャパンエナジー社製)が好ましく用いられる。この場合にも、溶媒は単独又は複数種類の混合物を使用することができる。
また、溶剤可溶型サンドブラストレジスト組成物の固形分総質量に対する熱可塑性エラストマーの含有量(固形分)が、40質量%〜90質量%、特に60質量%〜90質量%であると好ましい。
熱可塑性エラストマーの固形分含有量が上記範囲にあると、レジスト組成物としての粘度が好適となる上、ほぼ中性の溶剤、特に芳香族炭化水素溶剤を用いてレジスト除去を行うことが可能となる。更に、サンドブラスト耐性も向上する。
更に、アスファルトの固形分含有量が上述の好ましい範囲(溶剤可溶型サンドブラストレジスト組成物の固形分総質量に対して、10質量%〜70質量%)にあり、かつ熱可塑性エラストマーの固形分含有量も上記の質量割合(溶剤可溶型サンドブラストレジスト組成物の固形分総質量に対して、40質量%〜90質量%)にあると、サンドブラスト耐性、アルマイト処理耐性(酸、アルカリ耐性)及びほぼ中性の溶剤を用いたレジスト除去性能の全てにおいて、特に優れたレジスト組成物が得られる。
これにより組成物の製造、被加工基材への施与、及びサンドブラスト後のレジスト除去(剥離)の各工程を、それぞれ円滑に行うことが可能となる。
本発明のサンドブラストレジスト組成物は、上記主成分の他に、任意成分として顔料、及び添加剤を含んでもよい。
顔料としては、各色の着色剤、例えば青色着色剤、黒色着色材、黄色着色剤、赤色着色剤、緑色着色剤、及び白色着色剤等を用いることができる。
青色着色剤としては、公知慣用の青色着色剤を使用することができるが、中でもハロゲン原子を含有していないものが好ましい。青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物を挙げることができる。
黒色着色剤としては、公知慣用の黒色着色剤を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック系の顔料、黒鉛系の顔料、酸化鉄系の顔料、アンスラキノン系の顔料、酸化コバルト系の顔料、酸化銅系の顔料、マンガン系の顔料、酸化アンチモン系の顔料、酸化ニッケル系の顔料、ペリレン系の顔料、アニリン系の顔料および硫化モリブデンや硫化ビスマスも好適な顔料として例示できる。
黄色着色剤としては、公知慣用の黄色着色剤を使用することができるが、中でもハロゲン原子を含有していないものが好ましい。モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等が挙げられる。
赤色着色剤としては、公知慣用の赤色着色剤を使用することができるが、中でもハロゲン原子を含有していないものが好ましい。モノアゾ系、ジスアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などが挙げられる。
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系が挙げられる。
白色着色剤としては、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしてはルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよい。その他、紫、オレンジ、茶色などの着色剤を加えてもよい。
これら着色剤の配合量は、サンドブラストレジスト組成物への添加量として一般的な量的割合で充分であり、例えば、組成物100質量部に対して0.01質量部以上、5質量部以下、好ましくは0.1質量部以上、1質量部以下の割合とされる。
更に、本発明の硬化性組成物には、得られる硬化物の特性を低下させない程度において、無機増粘剤を用いることができる。
無機増粘剤としては、例えば、日本アエロジル社製の#50、#200、#380などの親水性シリカ、日本アエロジル社製の#R974、#R972などの疎水性シリカ、ウイルバー・エリス社製のオルベン、ベントン38などの有機ベントナイトなどが挙げられる。これら無機増粘剤の配合量はサンドブラストレジスト組成物への添加量として一般的な量的割合で充分であり、例えば、組成物100質量部に対して0.01質量部以上、5質量部以下、好ましくは0.1質量部以上、1質量部以下の割合とされる。
また、本発明のレジスト組成物は、pH5 〜9の範囲の溶剤に可溶であり、処理後のレジストの除去/剥離を安全な条件下に簡単かつ迅速に行うことができる。
本発明で処理すべき基体(被加工基材)は、特に制限はなく、例えばガラス、石材、陶磁器、セラミックス、シリコン(シリコンウエハ)、水晶、サファイア、金属、金属酸化物、プラスチック、木材等に使用可能であり、これらの基体を良好に被覆し、これらをサンドブラスト処理する場合に優れた耐摩耗性を示す。
更に、本願発明のレジスト組成物は、サンドブラスト耐性のみならず、アルマイト処理耐性を有するため、サンドブラスト処理とアルマイト処理とを連続して行う場合のレジスト材料として有用である。すなわち、本願発明のレジスト組成物はアルミニウム又はアルミニウム合金を被加工基材とし、サンドブラスト加工に次いで、アルマイト加工を行う場合に用いられると極めて有益である。
本願発明のレジスト組成物は、被加工基材に対してスクリーン印刷法等により直接的に印刷を施すサンドブラストレジストインキとして用いることが可能である。この他、離型性のある基材上に本願発明のサンドブラストレジスト組成物をスクリーン印刷したものを、ドライフィルムとして用いることもできる。ドライフィルムとしては、例えばテープ状ないしフィルム状のマスクとして予め成形し、これを被加工基材に転写して用いることが可能である。このようなマスクは、同一のパターンの製品を大量に製造する場合には、効率化のために好ましく用いられる。
また、サンドブラスト処理は、一般に公知のサンドブラスト処理を適用可能であり、例えば、被加工基材に対して、主に、粒径1μm〜4000μmの範囲の金属粒子、サンド(研磨材)、アルミナ、ガラスビーズ等を、圧力1kg/cm〜5kg/cmにより、被加工基材に対して噴霧することにより行われる。
サンドラスト処理は、コンプレッサーによる圧縮空気に研磨材を混ぜて吹き付けても、サンドブラスター内に被加工基材を導入して研磨剤の吹き付けを行うこともできる。
更に、アルマイト処理は、アルミニウムを陽極として用い、一般には硫酸、シュウ酸、リン酸等の強酸を処理浴に用いて、電気分解することにより、アルミニウムの表面を電気化学的に酸化させ、酸化アルミニウムAl2O3(アルミナ)による酸化皮膜でコーティングする表面処理(陽極酸化処理)を意味する。
アルミニウムは本来、傷つきやすく、環境の変化にも弱い金属である為、アルミニウムの耐食性、耐摩擦性を向上させるため、更に染色による装飾などを目的として、アルマイト処理が行われる。
強酸を用いたアルマイト処理では、アルミニウム表面は多孔状(ポーラス)となり、厚さ数μmから数十μmのアルミナ多孔質皮膜が形成される。
更に、アルミナ多孔質皮膜を、沸騰水または弱酸の金属塩(例えば酢酸ニッケルなど)の高温水溶液、加圧水蒸気により水和することにより、βアルミナ化し、孔壁を水和膨張させて孔を封じる処理、すなわち封孔処理。これにより、アルミニウムの耐食性が向上する。封孔処理には、化学反応による不活性化、高分子などにより孔を埋める方法を用いてもよい。
多孔質皮膜の特性を利用して、ポーラスに金属塩や有機染料などを吸着させて着色することも可能である。
また、アルミナ処理に先立ち、通常はアルミニウムの前処理を行う。前処理の例には、ペーパーブラスト等による梨地処理、バフ・バレル研磨等による仕上げ磨き処理、及びヘアーライン・スピン等による特殊工程等の機械的前処理、強酸又は強アルカリ等により腐食させるエッチング工程、無侵食性の溶媒を用いた脱脂処理、アルカリ性又は酸性条件下で行われる化学梨地処理、化学研磨・電解研磨工程、及び酸洗い又はアルカリ浸漬の際にアルミニウム表面に生ずる残渣を除去するスマット除去工程が含まれる。
これらを適宜組み合わせてアルマイト処理前処理とすることができる。サンドブラスト加工、アルマイト加工、又はその双方を行った後の被加工基材からサンドブラストレジストを剥離するためには、例えば有機溶剤、特に芳香族炭化水素溶媒に、サンドブラストレジストを有する状態の被加工基材を5分〜30分程度、溶剤浸漬させることにより剥離することができる。基体の浸漬とともに超音波洗浄を行うことも可能でありこれにより更に剥離が促進しやすく、簡単かつ短時間での剥離が可能となる。
サンドブラストレジストの剥離に用いられる溶媒は、有機溶剤であることが好ましく、特にサンドブラストレジストの成分であるアスファルトや熱可塑性エラストマーの溶液を得るために使用可能な上述の溶剤及び各混合物を用いることができる。サンドブラストレジストの剥離には、芳香族炭化水素溶剤が極めて好ましく用いられる。
各溶媒(アスファルトの溶媒、熱可塑性エラストマーの溶媒、レジスト剥離用の溶媒)は相互に、異なる種類の溶剤を用いても、同一種類の溶剤を用いてもよいが、同種の溶剤、特に炭化水素溶剤を用いると特に好ましい。同一種類の溶剤を用いることにより、サンドブラストレジスト組成物の溶解性が向上するためにサンドブラストの剥離も良好に行われ、極めて好ましい。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。実施例において、材料の使用料の「部」及び「%」は、特に別段の記載がない限り、質量基準によるものとする。
1.溶剤可溶型サンドブラストレジストインキの作製
表1に記載の各成分を攪拌器(あわとり練太郎、(株)シンキー製、ARE−250)に導入して、25℃にて2000rpmで10分間撹拌した。
実施例1〜3、比較例1〜5のサンドブラストレジストインキを得た。
2.試験用サンプルの作製
厚さ1mmのアルミニウム板に対して、実施例1〜3、比較例1〜5により作製したサンドブラストレジストインキをそれぞれ用いてスクリーン印刷を行った。
スクリーン印刷には、L/S=10mm/10mmのパターンを形成させた100メッシュのテトロン紗のスクリーン版を用い、アルミニウム板の被加工部分にサンドブラストレジストインキによる印刷を行った。
上に印刷されたサンドブラストレジストインキを100℃で20分乾燥した。これにより、アルミニウム板上に、膜厚10及び20μmのサンドブラストレジストを有する試験用サンプル(サンプル1〜3、及び比較サンプル1〜5)が形成された。
3.サンドブラスト処理
実施例1〜3、比較例1〜5により得られたサンプル1〜3及び比較サンプル1〜5に対して、粒径150μmの鉄粉を、10cmの距離から空気圧2kg/cm2により2分間吹き付けてサンドブラスト加工を行った。
この処理による各サンプルのサンドブラスト耐性を、表1に記載する。
4.アルマイト加工
上記サンドブラスト処理後のサンプル1〜3及び比較サンプル1〜5を、アルカリエッチング工程として、水酸化ナトリウム水溶液(50g/l)に55℃で60秒浸漬した。
次に、化学研磨工程として、各サンプルをリン酸80容量%と硫酸20容量%の混合液に95℃で50秒浸漬し、これに続いて、梨地処理工程として、フッ化水素アンモニウム(200g/l)に45℃で120秒浸漬した。
この後、各サンプルを、アルマイト処理工程として硫酸水溶液(200g/l)に20℃で50分(電流密度2.0A/dm)浸漬し、最後に封孔処理工程として酢酸ニッケルに95℃で20分浸漬した。
アルマイト加工後の試験用サンプル1〜3及び比較試験用サンプル1〜5を、目視にて評価した。評価結果を表1に示す。
5.溶剤剥離試験
サンドブラスト加工及びアルマイト加工を行った後のサンプル1〜3及び比較サンプル1〜5を、カクタスファインSF−02(芳香族炭化水素系溶剤、ジャパンエナジー社製)に25℃で3分浸漬し、この間超音波洗浄を行った。
超音波洗浄による各サンプルの状態を観察した結果を表1に示す。
Figure 0005852448
*1 アスファルト:ブローンアスファルト、ストレートアスファルト、天然アスファルト、いずれも九重電気株式会社製
*2 商品名「N-770」、DIC株式会社製
*3 商品名「828」、三菱化学株式会社製
*4 商品名「アサプレン T-411」、旭化成ケミカルズ株式会社製
*5 商品名「DAP」、ダイソー株式会社製
評価1 サンドブラスト耐性の評価基準:
○:サンドブラスト耐性がある。
△:若干の剥離が認められたが、表面加工性良好。
×:サンドブラスト耐性がなく、レジストが剥れる。
評価2 アルマイト耐性
○:アルマイト耐性がある。
△:若干の剥離が認められたが、表面加工性良好。
×:アルマイト耐性がなく、レジストが剥れる。
評価3 溶剤剥離
○:剥離できる。
×:剥離できない。
以上の結果より、本発明のサンドブラストレジスト組成物は、膜厚20μmに塗工することにより、サンドブラスト処理、アルマイト処理の双方において優れた耐性を示し、かつ使用後にはレジストを容易に剥離することができる。更に、本発明のサンドブラストレジスト組成物を、膜厚10μmに塗工した場合には、サンドブラスト処理またはアルマイト処理において、若干の剥離が観察された。
更に、本発明のサンドブラストレジスト組成物は、いずれも溶媒剥離が良好に行われた。
これに対し、比較例によるサンドブラスト組成物は、膜厚にかかわらず、サンドブラスト処理またはアルマイト処理のいずれかにおいて、レジストの剥離が観察された。

Claims (6)

  1. アスファルトと、熱可塑性エラストマーと、を含有することを特徴とするサンドブラストレジスト組成物。
  2. 前記アスファルトは、軟化点が95℃を上回る材料であることを特徴とする請求項1に記載のサンドブラストレジスト組成物。
  3. 前記アスファルトが有機溶剤に溶解していることを特徴とする請求項1または2に記載のサンドブラストレジスト組成物。
  4. 記サンドブラストレジスト組成物の固形分総質量に対する前記アスファルトの含有量(固形分)が10質量%〜70質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサンドブラストレジスト組成物。
  5. 前記請求項1から4のいずれか1項に記載のサンドブラストレジスト組成物を用いて被加工基材上にサンドブラストレジストを形成し、次いで、サンドブラスト処理をし、その後、レジストの剥離を行うことを特徴とする表面加工方法。
  6. さらに、前記サンドブラスト処理後、レジスト剥離前に、アルマイト処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の表面加工方法。
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