図1は、本発明の実施形態を説明するための穿刺装置の一例の構成を示す。
図1に示す穿刺装置1は、可撓性の軸部30及び軸部30の先端に連設された穿刺部31を有する穿刺針10と、穿刺針10を挿通させるシース11と、穿刺針10を操作するためのハンドル12と、穿刺部に被さって穿刺針10に装着されたプロテクタ13と、を備えている。
ハンドル12は、シース11の基端部に接続され、穿刺針10のシース11への挿入を案内するガイド部50と、穿刺針10を着脱可能に保持し、ガイド部50に対してスライド移動されるスライダ51とを有している。スライダ51に着脱可能に保持される穿刺針10は、シース11に対して挿抜自在とされる。
プロテクタ13は、詳細は後述するが、穿刺針10がハンドル12を通してシース11に挿入される際には、ハンドル12内に留め置かれて穿刺針10に沿って相対移動する。よって、穿刺針10のみがシース11に挿入される。そして、プロテクタ13は、穿刺針10がシース11及びハンドル12から抜去される際には、穿刺部に被さって穿刺針10に随伴し、ハンドル12から離脱する。
図2及び図3は、穿刺装置1の使用方法の一例を示す。
穿刺装置1は、超音波内視鏡2と共に用いられる。超音波内視鏡2は、被検体内に挿入される挿入部20と、挿入部20に連なって設けられた操作部21とを備えている。
挿入部20は、超音波振動子を含むエコー送受信部22及び撮像素子を含む撮像部23が設けられた先端部24と、先端部24の基端側に連なって設けられ、上下左右に湾曲可能に構成された湾曲部25と、湾曲部25と操作部21とを繋ぐ軟性部26とで構成されている。
操作部21には、湾曲部25の湾曲を操作するための湾曲操作部27が設けられている。湾曲操作部27は、回転操作される二つの操作ノブで構成されており、一方の操作ノブは湾曲部25の上下の湾曲操作に対応し、他方の操作ノブは湾曲部25の左右の湾曲操作に対応する。
また、操作部21には、穿刺装置1のシース11を挿通させる鉗子チャネル28の挿入口が設けられている。鉗子チャネル28は、操作部21から、挿入部20の軟性部26及び湾曲部25を経て、先端部24に達し、先端部24に開口している。鉗子チャネル28に挿入された穿刺装置1のシース11は、その先端部を超音波内視鏡2の先端部24から突出させる。
超音波内視鏡2のエコー送受信部22によって取得される被検体内のエコー像、及び撮像部23によって取得される被検体内の光学像が図示しないモニタに表示される。これらの画像による観察下において、内視鏡操作者により、超音波内視鏡2の挿入部20の挿入量や湾曲部25の湾曲が適宜調整され、穿刺装置1のシース11の先端部が被検体の検査部位を臨む位置に配置される。そして、内視鏡操作者により、穿刺針10を保持するスライダ51がガイド部50に対して押し込まれる。それにより、穿刺針10の穿刺部31が、シース11の先端部から突出して被検体の検査部位に刺さり、検査部位の組織サンプルが採取される。
図4は、穿刺針10の構成を示す。
穿刺針10は、上述の通り、可撓性の軸部30及び軸部30の先端に設けられた穿刺部31を有している。
軸部30及び穿刺部31は、中空の筒状にそれぞれ形成されており、軸部30の基端部に設けられた吸引ポート32から穿刺部31の先端に達する吸引チャネル33を内部に形成している。
穿刺針10は、吸引チャネル33に挿抜自在に挿通される可撓性のスタイレット34をさらに有している。
スタイレット34は、穿刺部31が被検体の検査部位に刺さる際に、吸引チャネル33の先端側の開口33aを塞ぐ位置に配置され、検査部位より表層の組織が吸引チャネル33内に進入することを阻止する。
そして、スタイレット34は、穿刺部31が被検体の検査部位に刺さった後に、吸引チャネル33から抜去される。スタイレット34が抜去された吸引チャネル33の吸引ポート32にシリンジ(図示せず)が接続され、吸引チャネル33内が減圧されることにより、検査部位の組織サンプルが吸引チャネル33内に吸引採取される。
穿刺部31の基端部には、穿刺部31の穿刺方向先側へのプロテクタ13の抜け落ちを規制するための係合突起35が設けられている。なお、図示の例では1つの係合突起35が設けられているが、周方向に間隔をあけて複数の係合突起を設けることもできる。
図5から図7は、プロテクタ13の構成を示す。
プロテクタ13は、穿刺針10に沿って進退可能に穿刺部31に被さる本体部40と、穿刺部31の穿刺方向先側を塞ぐ蓋部41とを備えている。
本体部40は、筒状に形成されており、内部に穿刺部31を収容する。なお、図示の例では、本体部40は、軸方向に垂直な断面が略円形の円筒状に形成されているが、その形状は特に限定されるものではなく、例えば断面が略四角形の角筒状に形成されていてもよい。
そして、本体部40の基端部には、内径側に突出する環状の係止部42が設けられており、また、本体部40の基端側には、外径側に広がるフランジ部43が連設されている。
係止部42は、穿刺部31の係合突起35に穿刺方向後側から係合する。それにより、穿刺部31の穿刺方向先側へのプロテクタ13の抜け落ちが規制され、プロテクタ13は穿刺部31に被さる位置に位置決めされる。
フランジ部43は、詳細は後述するが、穿刺針10がハンドル12を介してシース11に挿入される際に、ハンドル12に係止される。それにより、プロテクタ13はハンドル12内に留め置かれる。
蓋部41は、障壁部44と、障壁部44を支持する支持部45とで構成されている。
支持部45は、穿刺部31に沿って穿刺部31の穿刺方向先側に延び、その基端部を本体部40に接続して設けられている。図示の例において、本体部40の先端から基端側に向けて延びる平行な2本のスリットによって本体部40から区分して、本体部40と一体に形成されている。
そして、穿刺部31の穿刺方向をz方向とし、穿刺部31からみて支持部45が位置する方向をy方向として、支持部45は、y−z平面に沿ってその先端部を穿刺部31に接離させるように変位可能に構成されている。
本例では、支持部45は、上記の片持ち梁構造に加え、例えば金属薄板やゴムやエラストマーなどの弾性を呈する材料によって形成されており、弾性変形によって変位する。
障壁部44は、支持部45の先端部に支持され、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置されている。本例では、障壁部44は支持部45の先端部に連設されている。
図6に示すように、障壁部44が遮障位置に配置された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞されている(FIG.6A)。
そして、支持部45が、その先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形すると、支持部45の先端部に支持された障壁部44は、穿刺部31の穿刺方向と交差する方向(図中矢印Aで示される方向)に並進移動され、遮障位置から外れる位置に移動される。
障壁部44が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される(FIG.6B)。
そして、支持部45が上記の弾性変形から復元するのに伴い、障壁部44は遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は再び閉塞される。
支持部45には、蓋部41の閉塞状態から開放状態への遷移において、支持部45を変位させるための当接部46が設けられている。
当接部46は、支持部45を穿刺部31との間に挟み、支持部45と一体に設けられている。図示の例では、当接部46は、帯片状に形成されており、一方の端部を支持部45に固着されて支持部45と一体とされ、穿刺部31の穿刺方向後側に向けて本体部40に対して傾斜して延びて設けられている。
図7は、当接部46の構成を模式的に示す。図7には、上述の通りに変位する支持部45の変位軌跡に沿って且つ支持部45を通る平面(y−z平面)で切断された本体部40と蓋部41(障壁部44及び支持部45)と当接部46とが示されている。
当接部46は、詳細は後述するが、プロテクタ13が穿刺針10の穿刺部31に被さった状態で穿刺針10と共にハンドル12に挿入される際に、ハンドル12の所定の部位に当接する当接面46aを有している。
当接面46aは、当接部46の支持部45に固着された端部とは反対側の端部に設けられており、当接面46aを延長したときに支持部45と交わる交点46b及び本体部40によって支持される支持部45の支点45aを直径とする円Oの外側に配置されている。
当接面46aに対して力が作用した場合に、当接面46aの法線方向の外力成分Fnに基づく支持部45の支点45aを中心としたモーメントは、当接部46を本体部40側に向けて(図中、矢印Bで示される方向に)傾倒させ、支持部45を、その先端部を穿刺部31から離間させるように(図中、矢印Aで示される方向に)弾性変形させる。それにより、支持部45の先端部に支持された障壁部44は、遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
なお、図示の例では、帯片状の当接部46は、これを形成する材料の物性や断面形状などに基づいて、薄板状の支持部45に比べて高い曲げ剛性が付与されている。
図8は、ハンドル12の構成を示す。
ハンドル12は、ガイド部50と、穿刺針10の突出を操作するためのスライダ51と、シース11の突出長を調整するためのシース長調整部52と、穿刺針10の突出長を調整するための針ストッパ53とを備えている。
ガイド部50は、円筒状に形成されており、穿刺針10を挿通させる。ガイド部50の先端部はシース11の基端部に接続しており、穿刺針10はガイド部50を通してシース11に挿入される。
シース長調整部52は、円環状に形成されており、ガイド部50に沿ってスライド移動可能にガイド部50に外嵌している。シース長調整部52は、固定ネジ52aによってガイド部50に固定される。
また、シース長調整部52の先端部には、図示は省略するが、超音波内視鏡2の鉗子チャネル28(図2参照)の挿入側開口部にロックされるロック部が設けられており、ハンドル12は、このロック部を鉗子チャネル28の挿入側開口部にロックされて、超音波内視鏡2に装着される。
ガイド部50におけるシース長調整部52の固定位置に応じて、鉗子チャネル28に挿入されるシース11の長さが調整され、それにより鉗子チャネル28の先端開口から突出するシース11の突出長L1(図2参照)が調整される。ガイド部50の先端部の外周面には、シース11の突出長L1の目安となるシースゲージ56が記されている。
スライダ51は、円筒状に形成されており、ガイド部50に沿ってスライド移動可能にガイド部50の基端部に外嵌している。穿刺針10は、スライダ51の基端側の開口部54を通してガイド部50に挿入され、開口部54は、挿入された穿刺針10の吸引ポート32を保持する。
スライダ51がガイド部50の先端側に向けてスライド移動されると、吸引ポート32をスライダ51に保持された穿刺針10が押し込まれる。それにより、穿刺針10の穿刺部31がシース11の先端部から突出する。
針ストッパ53は、円環状に形成されており、ガイド部50に沿ってスライド移動可能にガイド部50に外嵌している。針ストッパ53は、固定ネジ53aによってガイド部50に固定される。
穿刺針10を突出させる際に、スライダ51は、針ストッパ53に当接するまで、ガイド部50の先端側に向けてスライド移動される。ガイド部50における針ストッパ53の固定位置に応じて、スライダ51の移動量が調整され、それによりシース11から突出する穿刺針10の突出長L2(図3参照)が調整される。ガイド部50の基端部の外周面には、穿刺針10の突出長L2の目安となる針ゲージ57が記されている。
図9は、ハンドル12の断面を示す。
スライダ51には、プロテクタ13を留置する留置部58が設けられている。
留置部58は、プロテクタ13がハンドル12に挿入される際の挿入口となるスライダ51の開口部54に連なる第1収容部60と、プロテクタ13の挿入方向に第1収容部60の先側に連なる第2収容部61とで構成されている。
第1収容部60は、プロテクタ13のフランジ部43の形状に応じた形状に、また、第2収容部61は、プロテクタ13の本体部40及び蓋部41の形状に応じた形状に、それぞれ形成されており、図示の例では、いずれも断面が略円形状に形成され、互いに同軸に設けられている。そして、第2収容部61は、第1収容部60に比べて小さい径に形成されており、第1収容部60と第2収容部61との間には、段差部62が設けられている。
プロテクタ13は、穿刺部31に被さった状態で穿刺針10と共にスライダ51の開口部54を通して留置部58に挿入される。そして、プロテクタ13は、段差部62によってフランジ部43を係止される。それにより、プロテクタ13は留置部58に留め置かれ、フランジ部43は第1収容部60に収容され、また本体部40及び蓋部41は第2収容部61に収容される。
第1収容部60は、フランジ部43より僅かに大きい径に形成されており、プロテクタ13を第1収容部60及び第2収容部61と同軸に支持する。そして、第1収容部60の内周面には、内径側に突出する複数の係止突起63が設けられており、これらの係止突起63は、段差部62に係止されたフランジ部43を段差部62との間に挟み、プロテクタ13が留置部58から脱することを阻止する。
第2収容部61は、プロテクタ13の当接部46を除く本体部40及び蓋部41の最大外径より大きく、且つ当接部46を含む本体部40及び蓋部41の最大外径より小さい径に形成されている。第2収容部61と支持部45との間には、閉塞状態から開放状態への遷移における蓋部41の支持部45の変位(先端部を穿刺部31から離間させる支持部45の変位)を許容する空間が設けられ、また、第2収容部61に続く段差部62の内径側の縁部は、プロテクタ13の挿入方向に当接部46の当接面46aに対向する。
図10から図13は、穿刺針10及びプロテクタ13がハンドル12に挿入される過程を順に示す。
まず、図10に示すように、穿刺針10がスライダ51の開口部54を通してハンドル12に挿入される。プロテクタ13もまた、穿刺部31に被さった状態で穿刺針10と共にスライダ51の開口部54を通してハンドル12に挿入される。このとき、プロテクタ13の蓋部41の障壁部44は、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置されており、蓋部41は穿刺部31の穿刺方向先側を閉塞している。
続いて図11に示すように、プロテクタ13が、例えば操作者によってハンドル12の留置部58に押し込まれ、留置部58に挿入される。プロテクタ13が留置部58に挿入されるのに伴って、プロテクタ13の当接部46は、その当接面46aにおいて留置部58の段差部62に当接し、本体部40側に傾倒される。
当接部46が本体部40側に傾倒されるのに伴って、プロテクタ13の支持部45は、その先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形し、y−z平面に沿ってその先端部を穿刺部31に接離させるように変位する。即ち、支持部45は、この支持部45を穿刺部31との間に挟むハンドル12の留置部58の内面部分と交差する方向に変位する。それにより、支持部45の先端部に支持された障壁部44は、遮障位置から外れる位置に移動され、プロテクタ13の蓋部41は開放状態に遷移し、穿刺部31の先側が開放される。
続いて図12に示すように、プロテクタ13のフランジ部43が留置部58の段差部62に係止され、プロテクタ13は留置部58に留め置かれる。このとき、プロテクタ13の当接部46は、段差部62に続く第2収容部61の内面を摺動しながら傾倒された状態に保たれ、プロテクタ13の蓋部41は開放状態に保たれる。
そして、図13に示すように、穿刺針10がさらにハンドル12に挿入され、穿刺針10は、開放状態にあるプロテクタ13の蓋部41を越えて、ハンドル12に連なるシース11に挿入される。このとき、プロテクタ13は、留置部58に留め置かれており、穿刺針10に沿って穿刺針10の基端側に相対移動する。
このように、穿刺針10がハンドル12に挿入される前において、穿刺部31に被さるプロテクタ13の蓋部41は閉塞状態にあり、穿刺針10がハンドル12に挿入された後に、蓋部41がハンドル12の留置部58内で開放状態に遷移する。それにより、穿刺部31が穿刺方向にプロテクタ13から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
さらに、プロテクタ13の蓋部41は、穿刺針10によって押圧されてこじ開けられるのではなく、プロテクタ13がハンドル12の留置部58に挿入されるのに伴って、閉塞状態から開放状態に自動的に遷移する。それにより、穿刺部31の損傷を回避することができる。
次に、図10から図13を参照して、穿刺針10及びプロテクタ13がハンドル12から抜去される過程を説明する。
まず、図13を参照して、穿刺針10が牽引される。プロテクタ13は、ハンドル12の留置部58の係止突起63に係止されており、穿刺針10との摩擦に抗して留置部58に留め置かれ、穿刺針10に沿って穿刺針10の先端側に相対移動する。
続いて図12を参照して、穿刺部31が、留置部58に留め置かれているプロテクタ13内に進入し、穿刺部31の係合突起35がプロテクタ13の係止部42に係合する。
続いて図11を参照して、係止部42を穿刺部31の係合突起35に係合させたプロテクタ13は、ハンドル12の留置部58の係止突起63を乗り越え、穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部58から脱する。
そして、図10を参照して、傾倒された状態に保たれていたプロテクタ13の当接部46がハンドル12の留置部58の第2収容部61を脱すると、当接部46の傾倒が解除され、プロテクタ13の支持部45は弾性変形から復元する。それにより、プロテクタ13の障壁部44は、遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
このように、プロテクタ13の蓋部41は、プロテクタ13がハンドル12の留置部58から脱するのに伴って自動的に閉塞状態に復帰する。よって、穿刺針10がハンドル12から抜去されたときには、穿刺針10の穿刺部31に被さるプロテクタ13の蓋部41は閉塞状態となっている。それにより、穿刺部31が穿刺方向にプロテクタ13から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
図14は、上述したプロテクタ13の変形例の構成を示す。
図14に示すプロテクタ13Aは、蓋部41の支持部45が本体部40とは別体として形成されており、支持部45は、y−z平面に直交する軸部材47を介して、その基端部を本体部40に接続して設けられている。
支持部45は、軸部材47まわりに回転可能に軸部材47に支持されており、y−z平面に沿って、その先端部を穿刺部31に接離させるように変位可能に構成されている。
そして、本例では、支持部45を、その変位方向に付勢するバネ48が設けられている。バネ48は、軸部材47に巻回され、一方の端部を支持部45に、他方の端部を本体部40にそれぞれ固定されており、支持部45の先端部が穿刺部31に接近する向きに支持部45を付勢する。
プロテクタ13Aがハンドル12の留置部58に挿入されるのに伴って、上述したプロテクタ13と同様に、当接部46が留置部58の段差部62に当接して当接部46が傾倒される。それにより、支持部45がその先端部を穿刺部31から離間させるように軸部材47まわりに回転し、障壁部44が穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
また、プロテクタ13Aがハンドル12の留置部58から脱するのに伴って、当接部46の傾倒が解除され、支持部45は、バネ48に付勢されて、その先端部を穿刺部31に接近させるように軸部材47まわりに回転し、障壁部44が遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
図15及び図16は、上述したプロテクタ13の他の変形例の構成を示す。
図15及び図16に示すプロテクタ13Bにおいて、蓋部41は、一対の障壁部44及び支持部45で構成されている。
一対の支持部45は、y方向に穿刺部31を挟んで互いに対向して設けられており、y−z平面に沿って、互いに逆向きに各々の先端部を穿刺部31に接離させるように変位可能である。そして、各支持部45には、当接部46が設けられており、当接部46が、穿刺部31側に向けて傾倒されることにより、支持部45は、その先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形する。
一対の障壁部44は、互いに重なることなく配置され、協働して穿刺部31の穿刺方向先側を部分的に遮るように設けられている。具体的には、一方の障壁部44は、穿刺部31の穿刺方向先側の上半分を遮り、他方の障壁部44は、穿刺部31の穿刺方向先側の下半分を遮るように配置され、互いに先端を突き合わせるように設けられている。
プロテクタ13Bがハンドル12の留置部58に挿入されるのに伴って、上述したプロテクタ13と同様に、当接部46が留置部58の段差部62に当接して当接部46が傾倒される。それにより、支持部45がその先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形し、障壁部44が穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の先側は開放される。
また、プロテクタ13Bがハンドル12の留置部58から脱するのに伴って、当接部46の傾倒が解除され、支持部45は、弾性変形から復元し、障壁部44が、穿刺方向にみて穿刺部31に重なる位置に移動され、穿刺部31の先側は閉塞される。
そして、一対の障壁部44の協働によって穿刺部31の先側を閉塞することにより、閉塞状態から開放状態への蓋部41の遷移において、各障壁部44を支持する支持部45の変位量を小さくすることができる。それにより、支持部45の変位を許容するために支持部45とハンドル12の留置部58との間に設けられる空間を小さくすることができ、ハンドル12の小型化を図ることができる。
なお、一対の障壁部44及び支持部45で構成されるものとして説明したが、例えば図17に示すように、穿刺部31をy方向に挟んで互いに対向する一対の支持部45及びこれらの支持部45に支持される一対の障壁部44に加え、さらに穿刺部31をx方向に挟んで互いに対向する一対の支持部45及びこれらの支持部45に支持される一対の障壁部44を設けてもよい。
図18から図20は、上述したプロテクタ13の他の変形例の構成を示す。
図18から図20に示すプロテクタ13Cにおいて、蓋部41は、上述したプロテクタ13Bと同様に、一対の障壁部44及び支持部45で構成されている。
一対の障壁部44は、互いに重なり、且つ各々が穿刺部31の穿刺方向先側を完全に遮るように設けられている。そして、各障壁部44の先端部には、切り欠き44aが形成されている。
各障壁部44が穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置された状態で、穿刺方向にみて切り欠き44aは他の障壁部44によって閉塞されており、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞されている。
各支持部45が、その先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形すると、支持部45の先端部に連設された障壁部44は、遮障位置から外れる位置に移動される。
一対の障壁部44が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、一対の障壁部44の切り欠き44aが互いに合一し、穿刺針10が貫通可能な通孔44bが形成され、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
以上のように構成されたプロテクタ13Cによれば、閉塞状態において障壁部44の各々が穿刺部31の穿刺方向先側を完全に遮り、穿刺部31の穿刺方向先側をより確実に閉塞することができ、且つ閉塞状態から開放状態への蓋部41の遷移において、各障壁部44を支持する支持部45の変位量を小さくすることもできる。
図21及び図22は、本発明の実施形態を説明するためのプロテクタの他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10及びハンドル12の各要素を適宜参照して説明する。
図21及び図22に示すプロテクタ113は、穿刺針10に沿って進退可能に穿刺部31に被さる本体部140と、穿刺部31の穿刺方向先側を塞ぐ蓋部141とを備えている。
本体部140は、角筒状に形成されており、内部に穿刺部31を収容する。本体部140の基端部には、角筒状の係止部材142が挿入されており、係止部材142は、本体部140に一体に固定されている。そして、本体部140から露呈する係止部材142の基端部には、外側に広がるフランジ部143が設けられている。
係止部材142は、角筒状の本体部140と略同軸に設けられた中央の通孔に穿刺針10を挿通させ、穿刺部31の係合突起35に穿刺方向後側から係合する。それにより、穿刺部31の穿刺方向先側へのプロテクタ113の抜け落ちが規制され、プロテクタ113は穿刺部31に被さる位置に位置決めされる。そして、係止部材142は、その通孔に挿通された穿刺針10の穿刺部31を、本体部140と略同軸に支持する。
フランジ部143は、穿刺針10がハンドル12を介してシース11に挿入される際に、ハンドル12に係止される。それにより、プロテクタ113はハンドル12内に留め置かれる。
蓋部141は、障壁部144と、障壁部144を支持する支持部145とで構成されている。
支持部145は、穿刺方向に延び、その基端部を本体部140に接続して設けられており、y−z平面に沿ってその先端部を穿刺部31に接離させるように、弾性変形によって変位可能である。
障壁部144は、接続片149を介して支持部145の先端部に接続され、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置されている。障壁部144と支持部145の先端部との間には、穿刺針10を貫通させる隙間Gがあけられている。
図22に示すように、障壁部144が遮障位置に配置された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞されている。なお、係止部材142によって支持されている穿刺部31は本体部140と同軸に保たれており、穿刺部31と本体部140との相対位置関係にズレが生じて障壁部144と支持部145の先端部との間の隙間Gが穿刺部31の穿刺方向先側に位置することはない。
そして、支持部145が、その先端部を穿刺部31に接近させるように弾性変形すると、支持部145の先端部に支持された障壁部144は、穿刺部31の穿刺方向と交差する方向(図中矢印Aで示される方向)に移動され、遮障位置から外れる位置に移動される。
障壁部144が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側には、障壁部144と支持部145の先端部との間にあけられた隙間Gが位置し、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
そして、支持部145が、上記の弾性変形から復元するのに伴い、障壁部144は遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は再び閉塞される。
支持部145には、蓋部141の閉塞状態から開放状態への遷移において、支持部145を変位させるための当接部146が設けられている。
当接部146は、支持部145を穿刺部31との間に挟み、支持部145と一体に設けられている。図示の例では、当接部146は、突起状に形成されており、支持部145に固着されて支持部145と一体とされている。当接部146には、穿刺部31の穿刺方向後側に向けて上り勾配となる当接面146aが設けられている。
当接面146aは、この当接面146aを延長したときに支持部145と交わる交点146b及び本体部140によって支持される支持部145の支点145aを直径とする円Oの内側に配置されている。
当接面146aに対して力が作用した場合に、当接面146aの法線方向の外力成分は、当接部146を穿刺部31側に押下げ、支持部145を、その先端部が穿刺部31に接近させるように弾性変形させる。それにより、支持部145の先端部に支持された障壁部144は、遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
図23から図26は、穿刺針10及びプロテクタ113がハンドル12に挿入される過程を順に示す。
まず、図23に示すように、プロテクタ113が、穿刺部31に被さった状態で穿刺針10と共にスライダ51の開口部54を通してハンドル12に挿入される。このとき、プロテクタ113の蓋部141の障壁部144は穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置にあり、蓋部141は穿刺部31の穿刺方向先側を閉塞している。
続いて図24に示すように、プロテクタ113が留置部58に挿入される。プロテクタ113が留置部58に挿入されるのに伴って、プロテクタ113の当接部146は、留置部58の段差部62に当接する。段差部62は、相対的に当接部146の傾斜面146a上を摺動し、当接部146を穿刺部31側に押圧する。
当接部146が穿刺部31側に押圧されるのに伴って、プロテクタ113の支持部145は、その先端部を穿刺部31に接近させるように弾性変形する。それにより、支持部145の先端部に接続された障壁部144は、遮障位置から外れる位置に移動され、プロテクタ113の蓋部141は開放状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
続いて図25に示すように、プロテクタ113のフランジ部143が留置部58の段差部62に係止され、プロテクタ113は留置部58に留め置かれる。このとき、プロテクタ113の当接部146は、段差部62に続く第2収容部61の内面を摺動しながら押圧された状態に保たれ、プロテクタ113の蓋部141は開放状態に保たれる。
そして、図26に示すように、穿刺針10がさらにハンドル12に挿入され、穿刺針10は、開放状態にある蓋部141を越えて、ハンドル12に連なるシース11に挿入される。このとき、プロテクタ113は、留置部58に留め置かれており、穿刺針10に沿って穿刺針10の基端側に相対移動する。
次に、図23から図26を参照して、穿刺針10及びプロテクタ113がハンドル12から抜去される過程を説明する。
まず、図26を参照して、穿刺針10が牽引される。プロテクタ113は、ハンドル12の留置部58の係止突起63に係止されており、穿刺針10との摩擦に抗して留置部58に留め置かれ、穿刺針10に沿って穿刺針10の先端側に相対移動する。
続いて図25を参照して、穿刺部31が、留置部58に留め置かれているプロテクタ113内に進入し、穿刺部31の係合突起35がプロテクタ113の係止部材142に係合する。
続いて図24を参照して、係止部材142を穿刺部31の係合突起35に係合させたプロテクタ113は、ハンドル12の留置部58の係止突起63を乗り越え、穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部58から脱する。
そして、図23を参照して、プロテクタ113の当接部146が第2収容部61を脱すると、当接部146の穿刺部31側への押圧が解除され、プロテクタ113の支持部145は弾性変形から復元する。それにより、プロテクタ113の障壁部144は遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
このように、穿刺針10がハンドル12に挿入される前において、及び穿刺針10がハンドル12から抜去されたときには、穿刺部31に被さるプロテクタ113の蓋部141は閉塞状態にあり、穿刺方向に穿刺部31がプロテクタ113から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
さらに、プロテクタ113の蓋部141は、穿刺針10によって押圧されてこじ開けられるのではなく、プロテクタ113がハンドル12の留置部58に挿入されるのに伴って、閉塞状態から開放状態に自動的に遷移する。それにより、穿刺部31の損傷を回避することができる。
なお、上述したプロテクタ113では、蓋部141の支持部145が、本体部140と一体に形成されており、弾性変形によって変位するものとして説明したが、図14に示すプロテクタ13Aと同様に、支持部145を本体部140とは別体として形成し、支持部145を回転可能に支持する軸部材を介して支持部145を本体部140に接続してもよい。
また、上述したプロテクタ113では、蓋部141が一つの障壁部144及び支持部245を備えて構成されるものとして説明したが、図27に示すように、蓋部141に一対の障壁部144及び支持部145を設け、図15に示したプロテクタ13Bと同様に、各支持部145の変位量を小さくするように構成してもよい。
さらに、図28に示すように、一対の障壁部144の各々を穿刺部31の穿刺方向先側の完全に遮るように設け、一対の障壁部144に互いに合一して穿刺針10が貫通可能な通孔を形成する切り欠き144aを形成し、図18に示したプロテクタ13Cと同様に、穿刺部31の穿刺方向先側をより確実に閉塞するように構成してもよい。
図29及び図30は、本発明の実施形態を説明するためのプロテクタの他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10の各要素を適宜参照して説明する。
図29及び図30に示すプロテクタ213は、穿刺針10に沿って進退可能に穿刺部31に被さる本体部240と、穿刺部31の穿刺方向先側を塞ぐ蓋部241とを備えている。
本体部240は、円筒状に形成されており、内部に穿刺部31を収容する。本体部240の基端部には、内径側に突出する環状の係止部242が設けられており、また、本体部240の基端側には、外径側に広がるフランジ部243が連設されている。
蓋部241は、障壁部244と、障壁部244を支持する支持部245とで構成されている。
支持部245は、穿刺方向に延び、その基端部を本体部240に接続し、その先端部を本体部240から突出させて設けられている。支持部245は、y−z平面に沿って先端部を穿刺部31に接離させるように、弾性変形によって変位可能である。
障壁部244は、支持部245の先端部に支持されており、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置されている。そして、障壁部244は、支持部245の先端が穿刺方向先側に突出するように傾斜して設けられている。
図30に示すように、障壁部244が遮障位置に配置された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞されている。
そして、支持部245が、その先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形すると、支持部245の先端部に支持された障壁部244は、穿刺部31の穿刺方向と交差する方向(図中矢印Aで示される方向)に移動され、遮障位置から外れる位置に移動される。
障壁部244が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
そして、支持部245が、上記の弾性変形から復元すると、障壁部244は、遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は再び閉塞される。
図31は、プロテクタ213と共に用いられるハンドルの構成を示す。
ハンドル212は、穿刺針10を挿通させるガイド部250と、ガイド部250に沿ってスライド移動可能にガイド部250の基端側に外嵌したスライダ251とを備えている。
スライダ251には、プロテクタ213を留置する留置部258が設けられており、留置部258は、プロテクタ213のフランジ部243を収容する第1収容部260と、プロテクタ213の本体部240及び蓋部241を収容する第2収容部261とで構成されている。第2収容部261は、第1収容部260に比べて小さい径に形成されており、第1収容部260と第2収容部261との間には、プロテクタ213のフランジ部243を係止するための段差部262が設けられている。
第2収容部261と支持部245との間には、閉塞状態から開放状態への遷移における蓋部241の支持部245の変位(先端部を穿刺部31から離間させる支持部245の変位)を許容するための空間が設けられている。
また、第2収容部261には、留置部258へのプロテクタ213の挿入方向に支持部245の先端部に対向する底264が設けられている。底264には、穿刺針10を貫通させる通孔265が形成されており、そして通孔265を囲む傾斜面266が形成されている。傾斜面266は、留置部258へのプロテクタ213の挿入方向に次第に径が拡大するように傾斜して形成されている。
図32から図35は、穿刺針10及びプロテクタ213がハンドル212に挿入される過程を順に示す。
まず、図32に示すように、プロテクタ213が、穿刺針10の穿刺部31に被さった状態で穿刺針10と共にスライダ251の開口部254を通してハンドル212に挿入される。このとき、プロテクタ213の蓋部241の障壁部244は穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置にあり、蓋部241は穿刺部31の先側を閉塞している。
続いて図33に示すように、プロテクタ213が留置部258に挿入され、プロテクタ213の支持部245の先端が留置部258の底264の傾斜面266に当接する。支持部245の先端が傾斜面266上を摺動し、支持部245はその先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形する。それにより、支持部245の先端部に支持された障壁部244は遮障位置から外れる位置に移動され、プロテクタ213の蓋部241は開放状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
続いて図34に示すように、プロテクタ213のフランジ部243が留置部258の段差部262に係止され、プロテクタ213は留置部258に留め置かれる。このとき、プロテクタ213の支持部245は、留置部258の底264の傾斜面266と接触した状態に保たれ、プロテクタ213の蓋部241は開放状態に保たれる。
そして、図35に示すように、穿刺針10がさらにハンドル212に挿入され、穿刺針10は、開放状態にあるプロテクタ213の蓋部241を越えて、ハンドル212に連なるシース11に挿入される。このとき、プロテクタ213は、留置部258に留め置かれており、穿刺針10に沿って穿刺針10の基端側に相対移動する。
次に、図32から図35を参照して、穿刺針10及びプロテクタ213がハンドル212から抜去される過程を説明する。
まず、図35を参照して、穿刺針10が牽引される。プロテクタ213は、ハンドル212の留置部258の係止突起263に係止されており、穿刺針10との摩擦に抗して留置部258に留め置かれ、穿刺針10に沿って穿刺針10の先端側に相対移動する。
続いて図34を参照して、穿刺部31が、留置部258に留め置かれているプロテクタ213内に進入し、穿刺部31の係合突起35がプロテクタ213の係止部242に係合する。
続いて図33及び図32を参照して、係止部242を穿刺部31の係合突起35に係合させたプロテクタ213は、穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部258から脱する。支持部245の先端が底264の傾斜面266から離間し、支持部245は、支持部145は弾性変形から復元する。それにより、プロテクタ213の障壁部244は遮障位置に移動され、穿刺部31の先側は閉塞される。
このように、穿刺針10がハンドル212に挿入される前において、及び穿刺針10がハンドル212から抜去されたときには、穿刺部31に被さるプロテクタ213の蓋部241は閉塞状態にあり、穿刺方向に穿刺部31がプロテクタ213から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
さらに、プロテクタ213の蓋部241は、穿刺針10によって押圧されてこじ開けられるのではなく、プロテクタ213がハンドル212の留置部258に挿入されるのに伴って、閉塞状態から開放状態に自動的に遷移する。それにより、穿刺部31の損傷を回避することができる。
図36は、上述したプロテクタ213の変形例の構成を示す。
図36に示すプロテクタ213Aは、図21に示したプロテクタ113と同様に、蓋部241の閉塞状態から開放状態への遷移において、支持部245が、y−z平面に沿ってその先端部を穿刺部31に接近させるように、弾性変形によって変位可能に構成されている。
具体的には、障壁部244は、接続片249を介して支持部245の先端部に接続されており、障壁部244と支持部245の先端部との間には、穿刺針10を貫通させる隙間Gがあけられている。
障壁部244が穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。そして、支持部245が、その先端部を穿刺部31に接近させるように弾性変形すると、支持部245の先端部に支持された障壁部244は、穿刺部31の穿刺方向と交差する方向(図中矢印Aで示される方向)に移動され、遮障位置から外れる位置に移動される。
障壁部244が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側には、障壁部244と支持部245の先端部との間にあけられた隙間Gが位置し、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
支持部245が、上記の弾性変形から復元すると、障壁部244は、遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は再び閉塞される。
図37は、プロテクタ213Aと共に用いられるハンドルの構成を示す。
図37に示すハンドル212Aでは、プロテクタ213Aを収容する留置部258の底264の傾斜面266が、留置部258へのプロテクタ213Aの挿入方向に次第に縮径するように傾斜して形成されている。
以上の構成により、プロテクタ213Aが留置部258に挿入され、プロテクタ213Aの支持部245の先端が留置部258の底264の傾斜面266に当接すると、支持部245の先端が傾斜面266上を摺動し、支持部245は、その先端部を穿刺部31に接近させるように弾性変形する。それにより、支持部245の先端部に支持された障壁部244は、遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
なお、上述したプロテクタ213,213Aでは、蓋部241の支持部245が、本体部240と一体に形成されており、弾性変形によって変位するものとして説明したが、図14に示すプロテクタ13Aと同様に、支持部245を本体部240とは別体として形成し、支持部245を回転可能に支持する軸部材を介して、支持部245を本体部240に接続してもよい。
また、上述したプロテクタ213,213Aでは、蓋部241が一つの障壁部244及び支持部245を備えて構成されるものとして説明したが、蓋部241に一対の障壁部244及び支持部245を設け、図15に示したプロテクタ13Bと同様に、各支持部245の変位量を小さくするように構成してもよい。
さらに、一対の障壁部244の各々を穿刺部31の穿刺方向先側の完全に遮るように設け、一対の障壁部244に互いに合一して穿刺針10が貫通可能な通孔を形成する切り欠きを形成し、図18に示したプロテクタ13Cと同様に、穿刺部31の先側をより確実に閉塞するように構成してもよい。
図38から図40は、本発明の実施形態を説明するためのプロテクタの他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10の各要素を適宜参照して説明する。
上述したプロテクタ13,113,213では、障壁部を移動させる支持部が、穿刺部との間に支持部を挟むハンドルの留置部の内面部分と交差する方向に変位するように構成されているが、図38から図40に示すプロテクタ313では、支持部が、穿刺部との間に支持部を挟むハンドルの留置部の内面部分に沿って変位するように構成されている。
プロテクタ313は、穿刺針10に沿って進退可能に穿刺部31に被さる角筒状の本体部340と、穿刺部31の穿刺方向先側を塞ぐ蓋部341とを備えている。
蓋部341は、障壁部344と、障壁部344を支持する支持部345とで構成されている。
支持部345は、穿刺方向に延び、その基端部を本体部340に接続して設けられており、x−z平面に沿ってその先端部を穿刺方向と交差する方向(図中矢印Aで示される方向)に移動させるように、弾性変形によって変位可能である。
障壁部244は、支持部245の先端部に支持され、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置されている。
図39に示すように、障壁部344が遮障位置に配置された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞されている。
そして、図40に示すように、支持部345が、その先端部を矢印A方向に移動させるように弾性変形すると、支持部345の先端部に支持された障壁部344は遮障位置から外れる位置に移動される。
障壁部344が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
そして、支持部345が上記の弾性変形から復元するのに伴い、障壁部344は遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は再び閉塞される。
支持部345には、蓋部341の閉塞状態から開放状態への遷移において、支持部345を変位させるための係合部346が設けられている。
係合部346は、穿刺部31とは反対側に向けて支持部345から突出して設けられている。
図41は、プロテクタ313と共に用いられるハンドルの構成を示す。
図41に示すハンドル312は、穿刺針10を挿通させるガイド部350と、ガイド部350に沿ってスライド移動可能にガイド部350の基端側に外嵌したスライダ351とを備えている。
スライダ351には、プロテクタ313を留置する留置部358が設けられており、留置部358は、プロテクタ313のフランジ部343を収容する第1収容部360と、プロテクタ313の本体部340及び蓋部341を収容する第2収容部361とで構成されている。第2収容部361は、第1収容部360に比べて小さい径に形成されており、第1収容部360と第2収容部361との間には、プロテクタ313のフランジ部343を係止するための段差部362が設けられている。
プロテクタ313の本体部340と第2収容部361との間には、蓋部341の閉塞状態から開放状態への遷移における支持部345の変位を許容するための空間が設けられている。
また、第2収容部361のx−z平面と平行な内面であって、穿刺針10の穿刺部31との間にプロテクタ313の支持部345を挟む内面には、留置部358へのプロテクタ313の挿入方向及び蓋部341の閉塞状態から開放状態への遷移における支持部345の先端部の移動方向に延びる溝367が形成されている。
図42から図45は、穿刺針10及びプロテクタ313がハンドル312に挿入される過程を順に示す。
まず、図42に示すように、プロテクタ313が、穿刺針10の穿刺部31に被さった状態で穿刺針10と共にスライダ351の開口部354を通してハンドル312に挿入される。このとき、プロテクタ313の蓋部341の障壁部344は、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置にあり、蓋部341は穿刺部31の穿刺方向先側を閉塞している。
続いて図43に示すように、プロテクタ313が留置部358に挿入される。プロテクタ313が留置部358に挿入されるのに伴って、プロテクタ313の係合部346は留置部358の溝367に進入する。
溝367は、上記の通り留置部358へのプロテクタ313の挿入方向及び蓋部341の閉塞状態から開放状態への遷移における支持部345の先端部の移動方向に延びており、プロテクタ313の係合部346が溝367に沿って進むことにより、プロテクタ313の支持部345は、x−z平面に沿ってその先端部を穿刺部31の穿刺方向と交差する方向に移動させるように弾性変形する。即ち、支持部345は、穿刺針10の穿刺部31との間にプロテクタ313の支持部345を挟む留置部358の内面に沿って、その先端部を穿刺部31の穿刺方向と交差する方向に移動させるように弾性変形する。それにより、支持部345の先端部に支持された障壁部344は、遮障位置から外れる位置に移動され、プロテクタ313の蓋部341は開放状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される
続いて図44に示すように、プロテクタ313のフランジ部343が留置部358の段差部362に係止され、プロテクタ313は留置部358に留め置かれる。このとき、プロテクタ313の係合部346は留置部358の溝367に収容されており、プロテクタ313の蓋部341は開放状態に保たれる。
そして、図45に示すように、穿刺針10がさらにハンドル312に挿入され、穿刺針10は、開放状態にある蓋部341を越えて、ハンドル312に連なるシース11に挿入される。このとき、プロテクタ313は、留置部358に留め置かれており、穿刺針10に沿って穿刺針10の基端側に相対移動する。
次に、図42から図45を参照して、穿刺針10及びプロテクタ313がハンドル312から抜去される過程を説明する。
まず、図45を参照して、穿刺針10が牽引される。プロテクタ313は、留置部358の係止突起363に係止されており、穿刺針10との摩擦に抗して留置部358に留め置かれ、穿刺針10に沿って穿刺針10の先端側に相対移動する。
続いて図44を参照して、穿刺部31が、留置部358に留め置かれているプロテクタ313内に進入し、穿刺部31の係合突起35がプロテクタ313の係止部材342に係合する。
続いて図43及び図42を参照して、係止部材342を穿刺部31の係合突起35に係合させたプロテクタ313は、留置部358の係止突起363を乗り越え、穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部358から脱する。
このとき、プロテクタ313の係合部346は溝367に沿って進み、プロテクタ313の支持部345は、弾性変形から復元する。それにより、プロテクタ313の障壁部344は遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
このように、穿刺針10がハンドル312に挿入される前において、及び穿刺針10がハンドル312から抜去されたときには、穿刺部31に被さるプロテクタ313の蓋部341は閉塞状態にあり、穿刺部31が穿刺方向にプロテクタ313から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
さらに、プロテクタ313の蓋部341は、穿刺針10によって押圧されてこじ開けられるのではなく、プロテクタ313がハンドル312の留置部358に挿入されるのに伴って、閉塞状態から開放状態に自動的に遷移する。それにより、穿刺部31の損傷を回避することができる。
なお、上述したプロテクタ313では、蓋部341が一つの障壁部344及び支持部345を備えて構成されるものとして説明したが、蓋部341に一対の障壁部344及び支持部345を設け、図15に示したプロテクタ13Bと同様に、各支持部345の変位量を小さくするように構成してもよい。
さらに、一対の障壁部344の各々を穿刺部31の穿刺方向先側の完全に遮るように設け、一対の障壁部344に互いに合一して穿刺針10が貫通可能な通孔を形成する切り欠きを形成し、図18に示したプロテクタ13Cと同様に、穿刺部31の先側をより確実に閉塞するように構成してもよい。
また、上述したプロテクタ313では、蓋部341の閉塞状態から開放状態への遷移において、障壁部344が、穿刺針10の穿刺部31との間に支持部345を挟む留置部358のx−z平面に平行な内面に沿って移動されるものとして説明したが、例えば、図46及び図47に示すように、留置部358の内面は穿刺部31を中心に湾曲していてもよい。
図46及び図47に示すプロテクタ313A及びこのプロテクタ313Aと共に用いられるハンドルでは、ハンドルの留置部358の第2収容部361は断面が略楕円形に形成されており、プロテクタ313Aの係合部346を案内する溝367が形成される留置部358の内面は穿刺部31を中心に湾曲している。
プロテクタ313Aの係合部346が溝367に沿って進むことにより、プロテクタ313Aの支持部345が穿刺部31を中心に捻転し、プロテクタ313Aの障壁部344は穿刺部31を中心に湾曲する第2収容部361の内面上で移動される。
なお、プロテクタ313Aでは、蓋部341に一対の障壁部344及び支持部345が設けられ、さらに一対の障壁部344に、互いに合一して穿刺針10が貫通可能な通孔を形成する切り欠き344aが形成されている。
図48及び図49は、本発明の実施形態を説明するためのプロテクタの他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10の各要素を適宜参照して説明する。
上述したプロテクタ13,113,213,313では、障壁部を支持する支持部が変位することによって障壁部が並進移動されるように構成されているが、図48及び図49に示すプロテクタ413では、障壁部が、穿刺部と平行な回転軸まわりに回転移動されるように構成されている。
プロテクタ413は、穿刺針10に沿って進退可能に穿刺部31に被さる角筒状の本体部440と、穿刺部31の穿刺方向先側を塞ぐ蓋部441とを備えている。
蓋部441は、障壁部444と、障壁部444を回転可能に支持する軸部材447とで構成されている。
軸部材447は、穿刺部31を挟んで互いに対向する本体部440の一対の側壁(図示の例では、x方向に対向する一対の側壁)に架け渡されており、穿刺方向に直交して設けられている。障壁部444は、穿刺方向と直交する軸まわりに回転可能に、軸部材447によって支持される。
障壁部444は、本体部440の先端側の開口部内において穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置されている。障壁部444が遮障位置に配置された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞されている。
図49に示すように、障壁部444は、軸部材447まわりに本体部440内に進入する向きに(図中矢印Aで示される方向)に回転して、遮障位置から外れる位置に移動される。障壁部444が遮障位置から外れる位置に移動された状態で、穿刺部31の穿刺方向先側は開放される。
そして、本例では、遮障位置から外れる位置に移動された障壁部444を、蓋部441の閉塞状態から開放状態への遷移における回転方向(図中矢印Aで示される方向)とは反対の回転方向に付勢するバネ448が設けられている。バネ448は、図示の例では、軸部材447に巻回され、一方の端部を障壁部444に、他方の端部を本体部440にそれぞれ固定されている。
なお、蓋部441の閉塞状態から開放状態への遷移において、障壁部444が軸部材447まわりに本体部440の外に突出する向きに(図中矢印Aで示される方向とは反対方向)に回転するように構成することもできる。ただし、この場合の障壁部444の回転方向は、穿刺方向に穿刺針10によって押圧された場合の障壁部444の回転方向に一致する。バネ448の付勢力を大きくすることによって、穿刺針10による押圧に抗して障壁部444の回転を阻止することはできるが、操作性が低下する虞もある。
よって、蓋部441の閉塞状態から開放状態への遷移において、障壁部444が軸部材447まわりに本体部440内に進入する向きに回転するように構成することが好ましい。そこで、本例では、本体部440の先端側の開口部に、開口部の内側に向けて突出する係止爪449が設けられている。係止爪449は、穿刺方向にみて先側から障壁部444の縁部に係合し、障壁部444が軸部材447まわりに本体部440の外に突出する向きに回転することを阻止する。
図50は、プロテクタ413と共に用いられるハンドルの構成を示す。
ハンドル412は、穿刺針10を挿通させる円筒状のガイド部に外嵌したスライダ451を備えている。
スライダ451には、プロテクタ413を留置する留置部458が設けられており、留置部458は、プロテクタ413のフランジ部443を収容する第1収容部460と、プロテクタ413の本体部440及び蓋部441を収容する第2収容部461とで構成されている。第1収容部460と第2収容部461との間には、プロテクタ413のフランジ部443を係止するための段差部462が設けられている。
第2収容部461には、留置部458へのプロテクタ413の挿入方向に障壁部444に対向する底464が設けられている。底464には、穿刺針10を貫通させる通孔465が形成されており、また、第2収容部461内に突出する押圧部468が形成されている。押圧部468は、留置部458に収容されたプロテクタ413の本体部440内に進入可能に形成されている。
穿刺針10及びプロテクタ413がハンドル412に挿入される際には、留置部458の底464の押圧部468が相対的にプロテクタ413の本体部440内に進入する。障壁部444は、押圧部468に押圧され、軸部材447まわりに本体部440内に進入する向きに(図中矢印Aで示される方向)に回転する。それにより、障壁部444は、穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置から外れる位置に移動され、プロテクタ413の蓋部441は閉塞状態から開放状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
また、穿刺針10及びプロテクタ413がハンドル412から抜去される際には、プロテクタ413が、係止部材442を穿刺部31の係合突起35に係合させることによって、穿刺部31に被さった状態で穿刺針10に随伴し、留置部458から脱する。このとき、プロテクタ413の障壁部444は、留置部458の底464の押圧部468から離間し、バネ448に付勢されて軸部材447まわりに回転する。それにより、障壁部444は遮障位置に移動され、プロテクタ413の蓋部441は開放状態から閉塞状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
このように、穿刺針10がハンドル412に挿入される前において、及び穿刺針10がハンドル412から抜去されたときには、穿刺部31に被さるプロテクタ413の蓋部441は閉塞状態にあり、穿刺部31が穿刺方向にプロテクタ413から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
さらに、プロテクタ413の蓋部441は、穿刺針10によって押圧されてこじ開けられるのではなく、プロテクタ413がハンドル412の留置部458に挿入されるのに伴って、閉塞状態から開放状態に自動的に遷移する。それにより、穿刺部31の損傷を回避することができる。
図51からは、上述したプロテクタ413の変形例の構成を示す。
上述したプロテクタ413では、軸部材447が穿刺部31の穿刺方向と直交して配置され、障壁部444は、穿刺方向と直交する軸まわりに回転するように構成されているが、図51に示すプロテクタ413Aでは、軸部材447が、穿刺部31の穿刺方向と平行に配置されて本体部440に支持されており、障壁部444は、穿刺方向と平行な軸まわりに回転可能に、軸部材447によって支持されている。
障壁部444には、本体部440の外側に突出する当接部446が設けられている。当接部446が本体440側に傾倒されることにより、障壁部444が軸部材447まわりに回転して遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
図52及び図53は、プロテクタ413Aと共に用いられるハンドルの構成を示す。
図52及び図53に示すハンドル412Aでは、第2収容部461の内面に、留置部458へのプロテクタ413Aの挿入方向に勾配を有する傾斜面466が形成されている。
穿刺針10及びプロテクタ413Aがハンドル412Aに挿入される際には、プロテクタ413Aの障壁部444の当接部446が、留置部458の第2収容部461の傾斜面466上を摺動し、プロテクタ413Aの本体部440側に傾倒される。当接部446が傾倒されるのに伴って、障壁部444が軸部材447まわりに回転して遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
また、穿刺針10及びプロテクタ413Aがハンドル412Aから抜去される際には、プロテクタ413Aは、係止部材442を穿刺部31の係合突起35に係合させることによって、穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部458から脱する。このとき、プロテクタ413Aの障壁部444は、部材留置部458の第2収容部461の傾斜面466から離間し、バネ448に付勢されて軸部材447まわりに回転する。それにより障壁部444が遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
図54から図56は、本発明の実施形態を説明するためのプロテクタの他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10の各要素を適宜参照して説明する。
プロテクタ513は、穿刺針10に沿って進退可能に穿刺部31に被さる本体部540と、穿刺部31の穿刺方向先側を塞ぐ蓋部541とを備えている。
本体部540及び蓋部541は、いずれも有底の円筒状に形成され、穿刺部31の穿刺方向と平行な軸C上に同軸に配置されており、蓋部541は、この軸Cまわりに本体部540に対して回転可能に、且つ軸Cに沿って本体部540に対して進退可能に、本体部540に外嵌している。
本体部540の底540a(内蓋部)は、穿刺部31の穿刺方向先側に位置しており、底540aには、穿刺針10が貫通可能な通孔570が形成されている。この通孔570は、本体部540の軸から径方向に外れて、底540aに形成されている。
本体部540の基端部には、円柱状の係止部材542が挿入されており、係止部材542は、本体部540に一体に固定されている。本体部540から露呈する係止部材542の基端部には、外側に広がるフランジ部543が設けられている。
係止部材542には、通孔571が形成されており、穿刺針10は、通孔571を通して本体部540に挿入されている。係止部材542は、穿刺部31の係合突起35に穿刺方向後側から係合する。それにより、穿刺部31の穿刺方向先側へのプロテクタ513の抜け落ちが規制され、プロテクタ513は穿刺部31に被さる位置に位置決めされる。
通孔571は、係止部材542の軸から径方向に外れて、係止部材542に形成されており、同様に本体部540の軸に対して偏倚して本体部540の底540aに設けられた通孔540bと整列している。通孔571を通して本体部540に挿入された穿刺針10は、穿刺部31の先側に本体部540の通孔570を臨んで配置されている。
蓋部541の底541aは、穿刺部31の穿刺方向先側に位置しており、底541aには、穿刺針10が貫通可能な通孔572が形成されている。通孔572は、蓋部541の軸から径方向に外れて、底541aに形成されている。
そして、本体部540の外周面及び蓋部541の内周面には、互いに係合するネジ573(ネジ溝573a及びネジ山573b)が形成されている。蓋部541が軸Cに沿って本体部540に対して移動されると、蓋部541は、ネジ573にガイドされ、軸Cまわりに本体部540に対して回転する。
図55に示すように、ネジ573の係合が維持される範囲において、蓋部541が本体部540に対して最も前進した最前位置に配置されている状態で、蓋部541及び本体部540は、軸Cまわりの相対回転に関して第1の相対関係に置かれている。この第1の相対関係において、蓋部541の通孔572は、穿刺方向にみて本体部540の通孔570から外れて配置されており、蓋部541の通孔572は本体部540によって閉塞されている。
蓋部541が最前端から本体部540に対して後退すると、蓋部541は、ネジ573にガイドされて軸Cまわりに本体部540に対して回転する。そして、図56に示すように、ネジ573の係合が維持される範囲において、蓋部541が本体部540に対して最も後退した最後位置に配置されている状態で、蓋部541及び本体部540は、軸Cまわりの相対回転に関して第2の相対関係に置かれている。この第2の相対関係において、蓋部541の通孔572は、穿刺方向にみて本体部540の通孔570に一致して配置されており、蓋部541の通孔572は開放されている。
そして、本例では、本体部540の底540aと、蓋部541の底541aとの間には、コイルバネ548が介装されている。コイルバネ548は、蓋部541を最前位置に向けて付勢する。
図57及び図58は、プロテクタ513と共に用いられるハンドルの構成を示す。
図57及び図58に示すハンドル512は、穿刺針10を挿通させる円筒状のガイド部に沿ってスライド移動可能にガイド部の基端側に外嵌したスライダ551を備えている。
スライダ551には、プロテクタ513を留置する留置部558が設けられており、留置部558は、プロテクタ513のフランジ部543を収容する第1収容部560と、プロテクタ513の本体部540及び蓋部541を収容する第2収容部561とで構成されている。第2収容部561は、第1収容部560に比べて小さい径に形成されており、第1収容部560と第2収容部561との間には、プロテクタ513のフランジ部543を係止するための段差部562が設けられている。
第2収容部561には、留置部558へのプロテクタ513の挿入方向にプロテクタ513の蓋部541に対向する底564が設けられている。底564には、穿刺針10を貫通させる通孔565が形成されている。
穿刺針10及びプロテクタ513がハンドル512に挿入される際には、プロテクタ513の蓋部541が、留置部558の底564によって押圧されて、上記の最後位置に向けて本体部540に対して相対的に移動される。そして、蓋部541は、本体部540に対する相対移動に伴って、本体部540に対して回転する。それにより、蓋部541の通孔572が、穿刺方向にみて本体部540の通孔570に一致して配置され、プロテクタ513の蓋部541は閉塞状態から開放状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
また、穿刺針10及びプロテクタ513がハンドル512から抜去される際には、プロテクタ513が、係止部材542を穿刺部31の係合突起35に係合させることによって、穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部558から脱する。このとき、プロテクタ513の蓋部541は、留置部558の底564から離間し、バネ548によって付勢されて上記の最前位置に向けて移動される。そして、蓋部514は、本体部540に対する相対移動に伴って、本体部540に対して回転する。それにより、蓋部541の通孔572は、穿刺方向にみて本体部540の通孔570から外れて配置され、プロテクタ513の蓋部541は開放状態から閉塞状態に遷移し、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
このように、穿刺針10がハンドル512に挿入される前において、及び穿刺針10がハンドル512から抜去されたときには、穿刺部31に被さるプロテクタ513の蓋部541は閉塞状態にあり、穿刺部31が穿刺方向にプロテクタ513から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
さらに、プロテクタ513の蓋部541は、穿刺針10によって押圧されてこじ開けられるのではなく、プロテクタ513がハンドル512の留置部558に挿入されるのに伴って、閉塞状態から開放状態に自動的に遷移する。それにより、穿刺部31の損傷を回避することができる。
図59は、本発明の実施形態を説明するためのハンドルの他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10及びプロテクタ13の各要素を適宜参照して説明する。
上述した種々のプロテクタ及びこれらのプロテクタと共に用いられるハンドルは、いずれもプロテクタがハンドルの留置部に挿入されるのに伴って、プロテクタの蓋部が閉塞状態から開放状態に自動的に遷移するように構成されているが、図59に示すハンドル612は、手動操作によってプロテクタ13の蓋部41を閉塞状態から開放状態に遷移させるように構成されている。
ハンドル612は、穿刺針10を挿通させる円筒状のガイド部に沿ってスライド移動可能にガイド部の基端側に外嵌したスライダ651を備えている。
スライダ651には、プロテクタ13を留置する留置部658が設けられており、留置部658は、プロテクタ13のフランジ部43を収容する第1収容部660と、プロテクタ13の本体部40及び蓋部41を収容する第2収容部661とで構成されている。第2収容部661は、第1収容部660に比べて小さい径に形成されており、第1収容部660と第2収容部661との間には、プロテクタ13のフランジ部43を係止するための段差部662が設けられている。
さらにスライダ651には、プロテクタ13のハンドル612への挿入方向と直交する方向に押下されるプッシュスイッチとして構成された操作部680が設けられている。
操作部680は、第2収容部661に配置される押圧部682を有しており、押圧部682は、スライダ651を径方向に貫通して形成された通孔681を通して、スライダ651の外に露呈する操作部680のボタン683に接続されている。
穿刺針10及びプロテクタ13がハンドル612に挿入される際には、プロテクタ13がフランジ部43を留置部658の段差部662に係止された状態で、操作部680が押下される。それにより、操作部680の押圧部682がプロテクタ13の当接部46を押圧し、当接部46は穿刺部31側に傾倒される。それにより、支持部45がその先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形し、支持部45の先端部に支持された障壁部44が穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
このように、穿刺針10がハンドル612に挿入される際に、穿刺部31がハンドル612内に収容された状態で、穿刺部31に被さるプロテクタ13の蓋部41を開放状態に遷移させることができ、穿刺針10がハンドル612に挿入される前において、穿刺方向に穿刺部31がプロテクタ513から不用意に突出せず、誤穿刺を防止することができる。
なお、穿刺針10及びプロテクタ13がハンドル612から抜去される際には、プロテクタ13が、係止部42を穿刺部31の係合突起35に係合させて穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部658の係止突起663を乗り越えて留置部658から脱する。このとき、プロテクタ13の当接部46は操作部680の押圧部682から離間し、支持部45は弾性変形から復元する。それにより、プロテクタ13の障壁部44が遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
上述したハンドル612は、図21に示すプロテクタ113に対しても適用可能である。
図60は、上述したハンドル612の変形例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10及びプロテクタ213の各要素を適宜参照して説明する。
図60に示すハンドル612Aは、操作部680が、プロテクタ213のハンドル612Aへの挿入方向と略平行な方向にスライド移動されるスライドスイッチとして構成されている。
穿刺針10及びプロテクタ213がハンドル612Aに挿入される際には、プロテクタ213がフランジ部43を留置部658の段差部662に係止された状態で、操作部680がスライド移動される。それにより、操作部680の押圧部682がプロテクタ213の障壁部244を押圧し、支持部245がその先端部を穿刺部31から離間させるように弾性変形し、支持部245の先端部に支持された障壁部244が穿刺部31の穿刺方向先側を遮る遮障位置から外れる位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側が開放される。
穿刺針10及びプロテクタ213がハンドル612Aから抜去される際には、プロテクタ213が、係止部242を穿刺部31の係合突起35に係合させて穿刺部31に被さって穿刺針10に随伴し、留置部658の係止突起663を乗り越えて留置部658から脱する。このとき、プロテクタ213の障壁部244は操作部680の押圧部682から離間し、支持部45は弾性変形から復元する。それにより、プロテクタ213の障壁部244は遮障位置に移動され、穿刺部31の穿刺方向先側は閉塞される。
上述したハンドル612Aは、図38に示すプロテクタ313や、図48に示すプロテクタ413や、図55に示すプロテクタ513に対しても適用可能である。
図61は、本発明の実施形態を説明するための穿刺針の他の例の構成を示す。なお、以下では、上述した穿刺装置1の穿刺針10及びプロテクタ13、並びにハンドル12の各要素を適宜参照して説明する。
上述した穿刺針10と種々のプロテクタとの組み合わせでは、穿刺針10及びプロテクタがハンドルから抜去される際に、プロテクタが穿刺部31に設けられた係合突起35によって穿刺部31に被さる位置に位置決めされ、そして穿刺針10に随伴するように構成されているが、図61に示す穿刺針710では、上記の係合突起35に替えて、プロテクタ13を牽引するハーネス735が用いられている。
穿刺針710は、可撓性の軸部730及び軸部730の先端に設けられた穿刺部731と、軸部730及び穿刺部731の内部に形成される吸引チャネルに挿通される可撓性のスタイレット734と、穿刺部731に被さるプロテクタ13を牽引するハーネス735とを有している。
ハーネス735は、その一方の端部を穿刺部731に被さるプロテクタ13に固定され、他方の端部を軸部730の吸引ポート732に固定されている。ハーネス735の長さは、穿刺部731に被さった状態のプロテクタ13と吸引ポート732との間の軸部730に沿った長さとされている。
穿刺針710及びプロテクタ13がハンドル12に挿入され、また、ハンドル12から抜去される際に、プロテクタ13は、上述の通り、穿刺針710に沿って進退し、プロテクタ13と穿刺針710の吸引ポート732との間の軸部730に沿った長さは変化する。プロテクタ13と吸引ポート732との間の長さの変化に対応するために、ハーネス735は、変形可能に構成されている。図示の例では、ハーネス735は、可撓性の紐で形成されており、適宜撓むことによってプロテクタ13と吸引ポート732との間の長さの変化に対応する。
穿刺針710及びプロテクタ13がハンドル12から抜去される際には、プロテクタ13は、ハンドル12の留置部58に留め置かれて、穿刺針710の先端側に向けて相対的に移動する。ハーネス735の長さが、穿刺部731に被さった状態のプロテクタ13と吸引ポート732との間の軸部730に沿った長さとされていることから、ハーネス735は、プロテクタ13が穿刺部31に被さったときに緊張し、以後、プロテクタ13を牽引する。それにより、プロテクタ13は、穿刺部31に被さる位置に位置決めされて穿刺針710に随伴し、ハンドル12から離脱する。
上記の係合突起35がシース11に進入するのに対して、ハーネス735は、シース11に進入することはなく、プロテクタ13と共にハンドル12内に収容され、あるいはハンドル12の外に置かれる。そこで、シース11を細径化することができ、それにより、穿刺部31をシース11によって安定して支持することができ、被検体の検査部位に対してより正確に穿刺することができる。
なお、ハーネス735を可撓性の紐で形成する場合に、軸部730の撓みに起因して軸部730から乖離することがないように、例えば図62に示すように、軸部730を包持するリング736を複数用い、これらのリング736を所定の間隔をあけながらハーネス735に接合することが好ましい。これにより、ハーネス735を、軸部730に倣って変形させることができる。また、ハーネス735を、軸部730に螺旋状に巻きつけて、軸部730に沿って配策するようにしてもよい。
また、ハーネス735としては、可撓性の紐に限られるものではなく、例えば蛇腹状に形成されたチューブなどの軸方向に短縮可能な可撓性のチューブを用いることもでき、軸部730を挿通させることで、軸部730から乖離を防止することもできる。
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1) 可撓性の軸部及び軸部の先端に連設された穿刺部を有する穿刺針と、穿刺針を挿通させるシースと、シースの基端部に接続され、シースへの穿刺針の挿入を案内し、シースに対して挿抜自在に穿刺針を保持するハンドルと、穿刺部に被さって穿刺針に装着され、穿刺針がハンドルを介してシースに挿入される際には、ハンドル内に留め置かれて穿刺針に沿って相対移動し、穿刺針がシース及びハンドルから抜去される際には、穿刺部に被さって穿刺針に随伴し、留置部から離脱するプロテクタと、を備え、プロテクタは、穿刺部の穿刺方向先側を塞ぐ閉塞状態と、開放状態との間で遷移可能に設けられた蓋部を含み、ハンドルは、プロテクタを留め置く留置部と、留置部に挿入されたプロテクタの蓋部を閉塞状態から開放状態に遷移させる作用部とを有している穿刺装置。
(2) (1)に記載の穿刺装置であって、作用部は、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、蓋部に作用し、蓋部を閉塞状態から開放状態に遷移させる穿刺装置。
(3) (2)に記載の穿刺装置であって、蓋部は、開放状態から閉塞状態に付勢されており、プロテクタが留置部から離脱するのに伴って、開放状態から閉塞状態に遷移する穿刺装置。
(4) (1)に記載の穿刺装置であって、作用部は、蓋部の状態遷移を手動操作する操作部である穿刺装置。
(5) (2)又は(3)に記載の穿刺装置であって、蓋部は、穿刺部の穿刺方向先側を遮る遮障位置に配置され、閉塞状態から開放状態への遷移に伴って、遮障位置から外れる位置に移動される少なくとも一つの障壁部を有する穿刺装置。
(6) (5)に記載の穿刺装置であって、蓋部は、一対又は複数対の障壁部を有し、対となる障壁部同士は互いに逆向きに移動される穿刺装置。
(7) (6)に記載の穿刺装置であって、対となる障壁部同士は、互いに合一する切り欠きを有しており、閉塞状態から開放状態への遷移に伴って互いに逆向きに移動されて切り欠きを合一させ、穿刺針が貫通可能な通孔を形成する穿刺装置。
(8) (5)から(7)のいずれか一つに記載の穿刺装置であって、障壁部は、穿刺方向に交差する方向に並進移動される穿刺装置。
(9) (8)に記載の穿刺装置であって、プロテクタは、穿刺針に沿って進退可能に穿刺部に被さる本体部を有し、蓋部は、本体部が穿刺部に被さった状態で穿刺部に沿って穿刺部の穿刺方向先側に延在し、且つ先端部を穿刺方向に交差する方向に移動せるように変位可能に本体部に支持された少なくとも一つの支持部を有し、各支持部の先端部に障壁部が支持されており、作用部は、支持部に作用して、支持部を変位させる穿刺装置。
(10) (9)に記載の穿刺装置であって、支持部は、支持部を穿刺部との間に挟む留置部の内面の法線方向に変位する穿刺装置。
(11) (10)に記載の穿刺装置であって、障壁部は、支持部の先端部に連設されており、支持部は、閉塞状態から開放状態への遷移に際して、支持部の先端部を穿刺部から離間させる方向に変位する穿刺装置。
(12) (10)に記載の穿刺装置であって、障壁部は、支持部の先端部との間に穿刺針を貫通させる隙間をあけて支持部の先端部に接続されており、支持部は、閉塞状態から開放状態への遷移に際して、支持部の先端部を穿刺部に接近させる方向に変位する穿刺装置。
(13) (11)に記載の穿刺装置であって、プロテクタは、支持部を穿刺針との間に挟んで支持部と一体に設けられた当接部を含み、当接部は、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って作用部に当接する当接面を有しており、当接面は、支持部の変位軌跡に沿って且つ支持部を通る平面内において、この当接面の延長と支持部又は本体部との交点及び本体部によって支持される支持部の支点を直径とする円の外側に配置されており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、当接面が作用部に当接して当接部が傾倒され、それにより支持部が変位する穿刺装置。
(14) (12)に記載の穿刺装置であって、プロテクタは、支持部を穿刺針との間に挟んで支持部と一体に設けられた当接部を含み、当接部は、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って作用部に当接する当接面を有しており、当接面は、支持部の変位軌跡に沿って且つ支持部を通る平面内において、この当接面の延長と支持部又は本体部との交点及び本体部によって支持される支持部の支点を直径とする円の内側に配置されており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、当接面が作用部に当接して当接部が穿刺針側に押下され、それにより支持部が変位する穿刺装置。
(15) (11)又は(12)に記載の穿刺装置であって、作用部は、穿刺方向と交差する方向に勾配を有する傾斜面として、留置部へのプロテクタの挿入方向に支持部の先端部に対向する留置部の底に設けられており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、支持部は、先端部において作用部上を摺動し、それにより変位する穿刺装置。
(16) (9)に記載の穿刺装置であって、支持部は、支持部を穿刺部との間に挟む留置部の内面に沿って変位する穿刺装置。
(17) (16)に記載の穿刺装置であって、作用部は、留置部へのプロテクタの挿入方向及び穿刺方向と交差する方向に延びる溝として、留置部の内面に設けられており、支持部の先端部には、作用部に係合する係合部が設けられており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、係合部が作用部に沿って進み、それにより支持部が変位する穿刺装置。
(18) (9)から(17)のいずれか一つに記載の穿刺装置であって、支持部は、弾性変形によって変位する穿刺装置。
(19) (5)から(7)のいずれか一つに記載の穿刺装置であって、障壁部は、穿刺方向と交差する軸まわりに回転移動される穿刺装置。
(20) (19)に記載の穿刺装置であって、作用部は、留置部へのプロテクタの挿入方向に障壁部に対向する留置部の底に設けられており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、作用部が各障壁部に当接し、それにより各障壁部が回転する穿刺装置。
(21) (5)から(7)のいずれか一つに記載の穿刺装置であって、障壁部は、穿刺方向と平行な軸まわりに回転移動される穿刺装置。
(22) (21)に記載の穿刺装置であって、作用部は、留置部へのプロテクタの挿入方向に勾配を有する傾斜面として、留置部の内面に設けられており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、障壁部は、作用部上を摺動し、それにより回転する穿刺装置。
(23) (19)から(22)のいずれか一つに記載の穿刺装置であって、プロテクタは、遮障位置に向けて障壁部を付勢する付勢部材を含む穿刺装置。
(24) (2)又は(3)に記載の穿刺装置であって、プロテクタは、穿刺針に沿って進退可能に穿刺部に被さる本体部を含み、本体部は、穿刺部の穿刺方向先側に配置され穿刺針が貫通可能な通孔が設けられた内蓋部を有しており、蓋部は、穿刺針が貫通可能な通孔を有し、穿刺方向に内蓋部に重ねられており、閉塞状態から開放状態への遷移に伴って、穿刺部に平行な回転軸まわりに本体部に対して相対回転し、通孔を内蓋部の通孔に一致させる穿刺装置。
(25) (24)に記載の穿刺装置であって、作用部は、留置部へのプロテクタの挿入方向に蓋部に対向する留置部の底に設けられており、蓋部は、回転軸に沿って進退可能に本体部に外嵌して設けられ、対向する蓋部の内周面及び本体部の外周面には、互いに係合するネジが形成されており、プロテクタが留置部に挿入されるのに伴って、蓋部は、作用部に当接して本体部に対して後退し、それにより本体部に対して相対回転する穿刺装置。
(26) (25)に記載の穿刺装置であって、プロテクタは、蓋部を本体部に対して前進させる方向に付勢する付勢部材を含む穿刺装置。
(27) (1)から(26)のいずれか一つに記載の穿刺装置であって、穿刺部の穿刺方向に穿刺部の先側へのプロテクタの抜け落ちを規制し、穿刺部に被さる位置にプロテクタを位置決めする位置決め部をさらに備える穿刺装置。
(28) (27)に記載の穿刺装置であって、位置決め部は、プロテクタを穿刺針の基端部に連結し、プロテクタを牽引するハーネスである穿刺装置。