JP5850545B2 - 電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法 - Google Patents

電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法 Download PDF

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本発明は、電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法に関し、特に、電柱付近の地盤の液状化による電柱被害を抑制可能な改良地盤構造及び地盤改良工法に関する。
地震による地盤の液状化によって、電柱などの多くの通信設備が沈下、傾斜の被害を受けている。マンホールや地中管路については、対策工法が確立され、現場への適用が進められているが、電柱についての液状化対策は、未だ確立されておらず、有効な対策工法が求められている。
電柱についての液状化対策として、電柱周りのグラベルドレーン工法(砕石埋め戻し工法)が開示されている(非特許文献1参照)。この工法は、電柱の根入れ部分の周囲1000mm四方を開削し、砕石の流出を防止するために網を敷いた上で、電柱の根入れ部分を設置し、砕石を入れて締固めるものであり、形成された砕石層を地上への排水層とすることにより、地震時における間隙水圧の上昇、すなわち、液状化の発生を抑制するものである。
「電柱基礎地盤の液状化対策に関する実験的研究」、土木学会論文集 404号/I‐11 1989年4月
図1は、グラベルドレーン工法による改良地盤の一例を示す図である。図1の改良地盤は、電柱の周辺地盤を1000mm四方、地中部2000mm掘削し、柱長が8000mmの電柱を建て、砕石で埋め戻したものである。
しかしながら、上述のグラベルドレーン工法は、電柱を新設する際に用いることはできるが、既設の電柱に適用しようとすると、電柱周囲の地盤の掘削により既設電柱が転倒等するおそれがあるため、既設の電柱に対しては適用することができない。
また、新設電柱に適用する場合であっても、掘削規模が比較的大きくなるため、現場の施工条件が制約される場合があると共に、施工コストが高くなるおそれがある。更に、砕石層に周辺地盤から土砂が入り込み、排水効果が経時的に低減してしまうという問題もある。
本発明の目的は、新設電柱に関わらず既設電柱にも適用可能であって、上記問題をも解決可能な、電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法を提供することである。
本発明の第1の態様としての改良地盤構造は、電柱付近の地盤を改良した改良地盤構造であって、地表において前記電柱の設置位置からの距離が所定距離内の位置に、地表から地中の所定位置まで砕石を積載した砕石部を備え、前記砕石部は、前記電柱の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置に形成されると共に、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シートに囲まれた砕石杭を構成しており、前記砕石杭は、前記電柱に支持されるケーブルの長手方向において、前記電柱の設置位置を中心とした両側に設けられていることを特徴とするものである。
本発明の1つの実施形態として、前記砕石部の前記砕石は、地表から前記電柱の根入れ長よりも深い位置まで積載されていることが好ましい。
本発明の第2の態様としての地盤改良工法は、電柱付近の地盤を改良する地盤改良工法であって、既設電柱の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置、かつ、前記既設電柱に支持されるケーブルの長手方向において、前記既設電柱の設置位置を中心とした両側の位置で地盤に形成された穴の内部に、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シートを設置する工程と、前記穴に設置された前記透水シートに囲まれるように砕石を積載する工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の1つの実施形態として、前記穴は、前記既設電柱の根入れ長よりも深いことが好ましい。
本発明によれば、新設電柱に関わらず既設電柱にも適用可能であって、上記問題をも解決可能な、電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法を提供することができる。
従来のグラベルドドレーン工法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態としての改良地盤構造1を示す図である。図2(a)は、改良地盤構造1の上面図であり、図2(b)は、改良地盤構造1の側面図である。 模型実験の実験系を示す図である。図3(a)は正面図であり、図3(b)は上面図である。 図4(a)は液状化対策が実施されていない模型地盤についての模型実験の実験結果を示す図であり、図4(b)は改良地盤構造1に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造1に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造1に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造1に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造1に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造1に関する模型実験の実験結果を示す図である。 本発明の一実施形態としての改良地盤構造11を示す図である。図10(a)は、改良地盤構造11の側面図であり、図10(b)は、図10(a)のI‐I断面図である。 改良地盤構造11に関する模型実験で使用する模型電柱及び模型ドレーンの寸法を示す図である。図11(a)は模型電柱及び模型ドレーンの側面図であり、図11(b)は図11(a)のII‐II断面図である。 液状化対策が実施されていない模型地盤についての加振実験の実験結果を示す図である。12(a)は、振動加速度の時刻歴であり、図12(b)は、間隙水圧値の変化の様子を示す図である。 液状化対策が実施されていない模型地盤についての加振実験の実験結果として、液状化時の電柱の動きを示した図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 改良地盤構造11に関する模型実験の実験結果を示す図である。 本発明の一実施形態としての地盤改良工法21の手順を示すフローチャート図である。 本発明の一実施形態としての地盤改良工法31の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明に係る、電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法の実施形態について、図2〜図25を参照して説明する。なお、各図において共通する部材には、同一の符号を付している。
<実施形態1>
まず、本発明に係る改良地盤構造のうち、既設電柱に適用した場合の改良地盤構造の一実施形態について説明する。図2は、既設電柱に適用した場合の改良地盤構造1を示す図である。具体的に、図2(a)は、改良地盤構造1を示す上面図であり、図2(b)は、改良地盤構造1を示す側面図である。
図2に示すように、改良地盤構造1は、既設電柱2付近の地盤を改良した改良地盤構造であって、地表において既設電柱2の設置位置からの距離が所定距離内の位置に、地表から地中の所定位置まで砕石Sを積載した砕石部3を備え、この砕石部3は、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シート4に囲まれている。なお、本実施形態における「地中の所定位置」とは、既設電柱2の根入れ長よりも深い位置である。従って、本実施形態の砕石部3の砕石Sは、地表から既設電柱2の根入れ長よりも深い位置まで積載されている。
本実施形態の砕石部3は、既設電柱2の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置に形成される。また、本実施形態の砕石部3は、透水シート4に囲まれた砕石杭を構成するものである。なお、本実施形態では、砕石部3における砕石Sとして、マンホールの液状化対策で使用可能な、単粒度砕石S−20(粒径が13mm〜20mm)を用いている。
本実施形態の透水シート4は、ポリエステル繊維を、周辺地盤の土砂粒径よりも小さい隙間となるように織ったシートである。具体的に、本実施形態では、旭化成ジオテック社製の「パブリックシート」(登録商標)の品名「♯100」や品名「♯300」を使用しているが、これらのシートに限られるものではなく、同様の性能を有するシートであれば使用可能である。なお、品名「♯100」及び品名「♯300」の性能を以下の表1に示す。
また、このようなシートは、軟弱地盤の安定や河川の法面吸出し防止のために利用されるものであるが、本実施形態ではこれを袋状に形成することにより、透水シート4として利用している。
ここで、本実施形態の透水シート4は上述したように袋状に形成されており、この透水シート4の内部に砕石Sが積載されることにより、上述の砕石部3が形成されている。なお、本実施形態では、以下、袋状の透水シート4と、この透水シート4の内部に積載された砕石Sで構成される砕石部3(砕石杭)とを併せたものを「ドレーン5」と称する。別の言い方をすれば、ドレーン5は、砕石部3(砕石杭)の周囲を透水シート4で囲んだものである。
本実施形態では、既設電柱2の設置位置ではなく、既設電柱2の設置位置の近傍、具体的には、既設電柱2の設置位置から周辺地盤を介して離隔した近傍の位置に、細径のドレーン5を設置することにより、ドレーン5の排水効果によって既設電柱2付近の地盤の液状化を抑制することができる。
本実施形態のドレーン5の外径(透水シート4の外径)は、建柱作業時などに使用する穴掘り建柱車などの機械で兼用可能なように、0.3m以上とすることが好ましい。また、既設電柱2とドレーン5との距離Lは、実地盤での検証結果から、地盤が既設電柱2を支持するための地盤支持力に影響を与えることなく施工可能な0.3mとする。
また、本実施形態のドレーン5の深さ(地表からドレーン5の末端までの長さ)は、様々な地下水位の環境に対応可能とするために、既設電柱2の根入れ長よりも深く構成されている。具体的に、本実施形態のドレーン5の深さは、既設電柱2の根入れ長を電柱長さの1/6の長さとし、この根入れ長さに0.5mを加えた深さとしているが、これに限られるものではなく、既設電柱の根入れ長よりも深い範囲で、地下水位の環境等に応じて適宜変更することが可能である。このような構成とすれば、地下水位が地表面から下がっている状態において、地震時の間隙水圧の上昇速度を遅らせることができ、既設電柱2付近における地盤の液状化発生を抑制することができる。
更に、本実施形態の砕石部3(砕石杭)は、鉛直方向上方から見た場合に(図2(a)参照)、既設電柱2の設置位置に対して、既設電柱2に支持されるケーブル6(図2(a)において二点鎖線で表示)の長手方向と平行な方向に位置している。換言すれば、本実施形態のドレーン5は、鉛直方向上方から見た場合に、既設電柱2の設置位置に対して、既設電柱2に支持されるケーブル6の長手方向と平行な方向に位置している。これは、ケーブル6の長手方向は、既設電柱2付近における他の場所と比較して、地中の埋設物が少なく、安全に施工可能なためである。
また、排水効果を向上させるためには、本実施形態のように、砕石部3(砕石杭)を、既設電柱2に支持されるケーブル6の長手方向において、複数設けることが好ましく、本実施形態のように、砕石部3(砕石杭)を、既設電柱2の設置位置を中心として両側にそれぞれ設ける構成とすることが特に好ましい。このような構成とすれば、既設電柱2の設置位置に対して一方側のみに複数の砕石部3を設ける構成と比較して、既設電柱2を支持する地盤支持力が、周辺地盤の位置によってばらつくことを抑制することができる。
以上のように、本実施形態の改良地盤構造1を用いれば、電柱を新設することなく、低コストかつ短時間で既設電柱の液状化対策を実施することができる。なお、ドレーンの径やドレーンの配置等は、実際に既設電柱が設置されている環境に応じて適宜変更することが可能である。また、本実施形態では、既設電柱2に適用した場合の改良地盤構造1と示したが、新設電柱であっても適用可能である。
[模型実験について]
以下に、本実施形態の改良地盤構造1に関する模型実験の概要と、実験結果を説明する。
[実験概要]
上述した改良地盤構造1が適用された模型地盤に設置された模型電柱について、加振実験を行った。模型電柱は、縮尺を1/10とし、以下の表2に示す相似則に基づき、関連条件の設定を行った。その関連条件の設定結果としての模型想定値を表3に示す。
l:長さ
ρ:密度
g:重力加速度
α:加速度
ε:ひずみ
:模型
:実物
模型地盤は、粒度の揃った天然砂(表4参照)を用い、水中堆積法によって作製した飽和地盤となっている。相対密度Dは、25〜30%の範囲内となるようにしている。透水係数は、クリーガー(Creager)による20%粒径と透水係数の関係から、5.1×10−3(cm/sec)と推定される。ここで、図3は本実験の実験系図を示す。図3(a)は正面図を、図3(b)は上面図を示す。図3(a)に示すように、模型地盤の中には、小型間隙水圧計を、地表面から100mm、250mm及び450mmの地点に設置している。これにより、間隙水圧を測定し、加振前の地下水位の把握と加振時の液状化発生の確認を行う(液状化発生は、事前の有効上乗載圧の計算値と間隙水圧計による実測値を比較し判断する)。
本実験では、地下水位を0mmとはせずに、地下水位が下がった状態を想定している。そのため、図3(a)及び図3(b)に示すように、地盤を作製する土槽の下部にフィルター付きの蛇口を設け、地下水位の調整が可能なものとしている。本実験では、一度地下水位を地表面と同じ高さとし、その地点から間隙水圧計をモニタリングしながら蛇口から排水を行い、想定する高さまで水位を下げることで、各実験で同じ状態の地盤となるように調整する。本実験では、水位を地表面から250mm下げた状態としている。
模型電柱は、電力線も架設する長さ15mのもので、設計荷重4.9kNの細径コンクリートポールを想定して作製している。電柱を細径コンクリートポールとしたのは、砕石範囲の増大による液状化抑制効果の向上を狙っているためである。
ドレーンの模型に使用する砕石は、実物での5号砕石(上述した単粒度砕石S−20と同じものであり、粒径が13mm〜20mmのもの)を想定し、本実験上では7号砕石(単粒度砕石S−5)を使用している。なお、7号砕石は、粒径が2.5mm〜5mmの範囲のものである。
また、本実験におけるドレーンの模型に使用する、砕石部(砕石杭)の囲い網としての透水シートは、実物では0.40mm〜0.50mmの厚さのものを使用するのに対して、0.22mmの厚さのものを使用している(透水係数については共に5×10−3cm/s)。
なお、電柱自体の重心位置、トランス等による荷重、ケーブルによる頭部の固定等は、実物に則している。ケーブルは電柱頭部にスパン長とち度の条件をそろえ、振動と垂直方向に一定の張力をかけて固定しており、電柱の動きは振動方向のみ制限されることとなる。
振動台は、水平一方向の加振が可能で、最大加振力が490Nのものを使用した。その振動の詳細を以下の表5に示す。本実験で使用する振動台の性能上、加速度は、加振開始後13秒程度で設定の加速度に達するように増加し、その後、一定の加速度での加振が実現される。また、加速度計の取り付け位置については、振動台下部に設置している。本実験では、周波数0.63Hz、150秒の実際の揺れを想定し、2Hzの正弦波、最大加振時間50秒として加振を行う。
液状化対策効果の基本的な判定方法は、土中の間隙水圧値及び加振時間を測定し、間隙水圧値の測定結果と理論値による計算(間隙水圧計250mm地点では4.66kPa)により液状化発生を判定すると共に、液状化が発生するまでの時間を比較することによって、効果の優劣を比較することにより行う。なお、本実験は、相似則を考慮した実験であるが、模型地盤を作製する上で、水と砂に関しては、現物を使用しているため、相似則により実地盤を完璧に再現したことにはなっていない。従って、様々な条件下での比較実験を行うことにより、効果の大きさを相対的に確認することとした。
また、一般的な液状化の発生要因である、埋立地等の砂地盤で地下水位が高い地域で、震度5以上の地震による揺れを想定し、振動加速度は、160Galを想定している。
[実験項目]
模型地盤の液状化発生条件の特定、模型地盤における対策構造の性能確認、及び液状化対策における囲い網の効果を検証するために、表6に示す5つの項目(ドレーン深さ、ドレーン径、囲い網、電柱とドレーンとの距離、及びドレーン本数)について条件を変えて実験を行った。
[実験結果]
図4は、本実施形態の改良地盤構造1が既設電柱への対策として有効であることを確認するために行った実験の実験結果を示すグラフである。より具体的に、図4(a)は、上記表6におけるNo.1の条件で行った加振実験の実験結果を示すグラフである。また、図4(b)は、上記表6におけるNo.2の条件で行った加振実験の実験結果を示すグラフである。図4(a)に示すように、液状化対策がなされていない模型地盤では、130Galの加速度で9秒間加振することにより液状化が発生していることがわかる。これに対して、本実施形態の改良地盤構造1が実施された模型地盤では、図4(b)に示すように、160Galの加速度で17秒間加振することにより液状化が発生している。この結果より、本実施形態の改良地盤構造1によれば、既設電柱を建て替えることなく、液状化を遅らせることができ、液状化の発生を抑制可能であることがわかる。
図5は、砕石部3(砕石杭)を取り囲む囲い網としての透水シート4の効果を確認するために行った実験の実験結果を示すグラフである。図5では、囲い網として透水シートを使用した場合の実験結果(上記表6におけるNo.2の条件下での実験結果)に加えて、囲い網として、透水シートよりも網の目が粗いポリエチレンネット(PEネット)を使用した場合の実験結果(上記表6におけるNo.3の条件下での実験結果)を、比較例として示している。
図5に示すように、周辺地盤の土砂粒径よりも目が細かく、砂の粒子を通さない透水シートの方が、液状化が発生するまでの時間が長く、液状化対策として効果的であることがわかる。
図6及び図7は、砕石量の差による効果の違いを示すグラフである。図6は、ドレーン深さが相違し、その他の条件は同様の2つ(上記表6にけるNo.2とNo.4)の実験結果を示す。また、図7は、ドレーン径が相違し、その他の条件は同様の2つ(上記表6におけるNo.2とNo.5)の実験結果を示す。
図6より、ドレーン深さが250mmと300mmとでは、液状化発生時間は1秒しか変わらず、ほぼ同様の結果が得られた。本実験では、地下水位を250mmに固定して実験を行っているため、地下水位以下の砕石量は液状化抑制効果に影響を与えないことがわかる。また、図7より、ドレーン径が15mmと30mmとでは、砕石量が多い方が液状化抑制効果は高いことがわかる。図6及び図7に示す結果から、液状化を抑制する効果は、地下水位以上、すなわち地下水位から地上側の砕石量に依存することがわかる。
図8は、電柱とドレーンとの間の距離(図8では「ドレーン距離」と記載)の差による効果の違いを示すグラフである。図8は、電柱とドレーンとの間の距離が相違し、その他の条件は同様の2つ(上記表6におけるNo.2とNo.6)の実験結果を示す。図8に示すように、電柱とドレーンとの間の距離が近い方が、液状化抑制効果が高いことがわかる。
ここで、本実施形態の改良地盤構造1では、ドレーン5を2本設置しているが、仮にドレーンを2本設置することが難しい場合には、本実施形態の2本のドレーン5の地下水位以上の砕石量と同体積の砕石量を、地下水位以上の砕石量として有する1本のドレーンに代えることにより、同等の液状化抑制効果を担保することができる。図9は、ドレーン数が異なるが、地下水位以上の砕石量の体積は同等となるようにした2つ(No.2とNo.7)の実験結果を示すものであり、液状化が発生するまでの時間がほぼ同様であることがわかる。
<実施形態2>
次に、本発明に係る改良地盤構造として、上述した実施形態1の改良地盤構造1とは異なる別の実施形態としての改良地盤構造11について説明する。図10は、本実施形態の改良地盤構造11を示す図である。具体的に、図10(a)は、改良地盤構造11の側面図であり、図10(b)は、図10(a)のI‐I断面図である。なお、本実施形態では、改良地盤構造11を、新設する電柱である新設電柱12に適用した例について説明する。
図10に示すように、改良地盤構造11は、新設電柱12付近の地盤を改良した改良地盤構造であって、地表において新設電柱12の設置位置からの距離が所定距離内の位置に、地表から地中の所定位置まで砕石Sを積載した砕石部13を備え、この砕石部13は、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シート14に囲まれている。なお、本実施形態における「地中の所定位置」は、新設電柱12の根入れ長よりも深い位置である。従って、本実施形態の砕石部13の砕石Sは、地表から新設電柱12の根入れ長よりも深い位置まで積載されている。
本実施形態の砕石部13は、新設電柱12の周囲を囲むと共に新設電柱12に隣接する位置に形成された砕石層を構成する。より具体的に、本実施形態の砕石部13は、新設電柱12の根入れ部17側面の周囲を囲むと共に新設電柱12の根入れ部17に隣接する位置に形成された筒状の砕石層と、この筒状の砕石層及び新設電柱12底面の下方に形成される柱状の砕石層とを構成している。なお、本実施形態では、砕石部13における砕石Sとして、上述の実施形態1と同様、単粒度砕石S−20(粒径が13mm〜20mm)を用いている。
なお、電柱は、通常、ケーブルやその他の設備を支えた状態で、風による荷重を受けても転倒することがないように、地盤により強固に支持されている必要がある。そのため、電柱の根入れ部17の周囲に設置される砕石部13(砕石層)には、平常時も含めて電柱を支持する機能を併せ持つことが求められる。これに対して、本実施形態で使用する砕石Sは、単粒度砕石S−20であって、マンホールの液状化対策工法として実績があると共に、本実施形態のように電柱の周辺地盤として使用した場合であっても、通常の電柱建設時と同等の地盤支持力が得られるものである。これは、実際の電柱での荷重試験を実施することにより確認されている。
本実施形態における透水シート14は、砕石部13(砕石層)の周囲を取り囲むように設けられている。換言すれば、透水シート14は、周辺地盤と砕石部13(砕石層)との間に介在する部材である。なお、本実施形態の透水シート14の材料は、上述した実施形態1における透水シート4と同様であるので、ここでは説明を省略する。
ここで、本実施形態の透水シート14は、実施形態1における透水シート4と同様、袋状に形成されており、この透水シート14の内部に新設電柱12を設置して、新設電柱12の根入れ部17の周り、すなわち、透水シート14と新設電柱12の根入れ部17との間に砕石Sを詰め込むことにより、上述の砕石部13としての砕石層が形成される。なお、本実施形態では、以下、袋状の透水シート14と、この透水シート14の内部に積載された砕石Sで構成される砕石部13(砕石層)とを併せたものを「ドレーン15」と称する。別の言い方をすれば、ドレーン15は、砕石部13(砕石層)の周囲を透水シート14で囲んだものである。
これまで、液状化対策工法については、締固め工法や間隙水圧消散工法、固結工法等が提案されてきたが、一定の区画を面的に液状化から守るための工法ばかりであり、大型の機械を必要とする大規模な工法を基本としている。東日本大震災以降は、小規模で低コストな対策工法として、宅地向けの液状化対策工法に関する検討も進められているが、電柱のように点在する設備への対策としては、一層コンパクトな対策が求められている。液状化が発生した時は、電柱は沈下、傾斜の被害を受けるが、電柱が大きく沈下、傾斜した場合、垂れ下がったケーブルによる交通障害や傾斜した電柱による家屋損壊など、二次的な被害も想定される。電柱は少しでも沈下、傾斜してしまえば、立て直しが必要となるため、液状化の発生そのものを抑えることが最も好ましいが、電柱への液状化対策は、1箇所毎の対策規模が小さいことから、周辺地盤の液状化を完全に抑え込むような大きな効果をも込むことは難しい。そのため、周辺地盤の液状化発生を遅らせることや、液状化発生時の沈下、傾斜を軽減することが可能な改良地盤構造や地盤改良工法が求められている。
本実施形態の改良地盤構造11によれば、ドレーン15による排水効果によって液状化の発生を遅らせることができると共に、液状化発生時の沈下、傾斜を軽減することが可能となる。更に、本実施形態の改良地盤構造11は、新設電柱12に対して適用する場合であっても、掘削規模を小さくすることができるため、現場の施工条件が制約され難く、施工コストも低く抑えることができる。
[模型実験について]
以下に、本実施形態の改良地盤構造11に関する模型実験の概要と、実験結果を説明する。
[実験概要]
本実験の実験概要は、上述の実施形態1で示した模型実験とほぼ同様であり、効果の判定方法の点でのみ相違する。従って、ここでは、その相違点について説明し、共通する点(表2〜表5、図3等参照)の説明は省略する。本実験における、液状化対策効果の基本的な判定は、加振中の地盤状態、間隙水圧値、及び電柱変位量(沈下、傾斜)を測定し、液状化発生までの時間や各値の変化量に基づいて行う。なお、図11に、本模型実験にて用いる模型電柱及び模型ドレーンの寸法関係を示す。具体的に、図11(a)は模型電柱及び模型ドレーンの側面図であり、図11(b)は図11(a)のII‐II断面図である。
[実験項目]
模型地盤の液状化発生条件の特定、模型地盤における対策構造の性能確認、及び液状化対策における囲い網の効果を検証するために、表7に示す5つの項目(ドレーン深さ、ドレーン径、囲い網、地下水位、及び加速度)について条件を変えて実験を行った。
[実験結果]
液状化対策を実施していない模型地盤、すなわち模型ドレーンにより囲まれていない模型電柱(図3参照)が設置された模型地盤について加振実験(上記表7のNo.1の条件での加振実験)を行い、液状化発生領域の確認を行う。まずは、通常の地盤において液状化が発生する加速度を特定するため、加速度を定めずに実験を行ったところ、加速度130Galのときに液状化が発生することがわかった。この実験での振動加速度の動き及び間隙水圧値の変化の様子を図12(a)、図12(b)に示す。
本実験では、地下水位を250mm下げた状態から実験を行っており、そこからの間隙水圧の動きを表す必要があることから、過剰間隙水圧比ではなく、間隙水圧実測値の時刻歴で表すこととする(以下の実験も同様である)。図12(b)に示すように、液状化発生時の間隙水圧値が、初期有効上載圧(σ´)とほぼ等しくなっており、本模型実験が理論と整合し、有効であることが確認できる。また、本実験の模型地盤は、130Galの加速度での加振後、10秒程度で再現性良く液状化が発生することが確認できたため、ここでは、130Galの振動によって、その対策構造の性能確認を行う。
また、液状化対策を実施していない模型地盤についての加振実験(表7におけるNo.1の条件での加振実験)では、地盤高を基準にした沈下量が235mm(以下、沈下量は地盤高を基準として表す。)、傾斜角が5度となった。図13は、液状化時の電柱の動きを表したものであり、沈下、傾斜が始まってから8秒後までの電柱の様子を1秒毎に示したものである。本実験で使用する模型地盤は、液状化が発生し易いように粒径を揃えた砂を使用しているため、液状化が発生した際には、地表面が波打つような状態となっており、電柱は土槽の底付近となる地表下500mmまで一気に沈下しているため、電柱はケーブルに吊られるような形となり、傾斜角は制限されている。また、電柱は左側へ傾斜しているが、これはトランスによる荷重の影響である。
次に、液状化対策として本実施形態の改良地盤構造11を適用した場合についての加振実験の実験結果を示す。まず、振動台の振動加速度の相違による効果の違いを確認するため、振動台の加速度を130Galとした加振実験(上記表7におけるNo.2の条件での加振実験)と、振動台の加速度を160Galとした加振実験(上記表7におけるNo.3の条件での加振実験)とを行った。図14(a)は、各加振実験における模型電柱の振動加速度の動きを示す。図14(b)は、改良地盤構造11が実施された模型地盤について、130Galの加速度で加振する加振実験の結果と、160Galの加速度で加振する加振実験の結果と、を示すグラフである。
図14に示すように、改良地盤構造11が実施された模型地盤では、130Galで50秒加振し続けても、液状化が発生しなかった。上述したように、対策が実施されていない模型地盤では、130Galの加速度で10秒程度加振すると液状化が発生したことから(図12参照)、本実施形態としての改良地盤構造11に液状化抑制効果があることが確認できる。
なお、後述する別の実験において、改良地盤構造の効果を液状化が発生するまでの時間を比較することにより評価できるように、130Galよりも大きい加速度で加振を行い、液状化が発生するまでの時間を測定した。その結果、本実験に用いた模型地盤では、160Galの加速度において24秒程度加振すると液状化が発生することがわかった。そのため、後述する実験では、160Galの加速度において24秒加振すると液状化することを基準の評価条件とする。
図15は、改良地盤構造11が実施された模型地盤について、130Galの加速度で加振する加振実験での模型電柱の動きの様子と、160Galの加速度で加振する加振実験での模型電柱の動きの様子とを示したグラフである。上述したように、130Galで加振する加振実験では、50秒間の間では液状化が発生しなかったため、図15に示すように、130Gal加振実験における電柱の沈下量及び傾斜角については、実験の前後でほとんど変化はなく、沈下量が5.1mm、傾斜角が0.1度であった。これに対して、160Galで加振する加振実験では、沈下量が139mm、傾斜角が8度となっている。
図12に示す液状化対策が実施されていない状態での加振実験(上記表7におけるNo.1の条件下での加振実験)の結果と、改良地盤構造11が実施された状態のうち図15に示す160Gal加振の加振実験(上記表7におけるNo.3の条件下での加振実験)の結果とを比較すると、液状化対策として本実施形態の改良地盤構造11が適用された、図15に示す160Gal加振の加振実験の結果の方が、沈下量を抑えられていることが確認できる。但し、加振中の傾斜角については、液状化により地盤の支持力が低下する中で電柱がゆっくりと沈下するため、傾斜状態にある時間も長くなり、図15に示す160Gal加振の加振実験の結果の方が大きくなっている。
図16は、囲い網が相違する2つの改良地盤構造について行った加振実験の実験結果を示す図である。具体的に、図16には、囲い網として透水シートを使用した場合の実験結果(上記表7のNo.3の条件での実験結果)に加えて、囲い網として、目が粗く砂が流入し易いポリエチレンネット(PEネット)を使用した場合の実験結果(上記表7のNo.4の条件での実験結果)を、比較例をして示している。
図16に示すように、囲い網としてポリエチレンネットを使用した場合、加速度が160Galに到達後、8秒後に液状化が発生しているが、透水シートを使用した場合には、加速度が160Galに到達後、24秒後に液状化が発生している。すなわち、囲い網としてポリエチレンネットを使用した場合は、透水シートを使用した場合と比較して、非常に短い時間で液状化に至っていることがわかる。電柱の沈下量、傾斜角についても、ポリエチレンネットを使用した場合では、沈下量が182mm、傾斜角が22度となり、透水シートを使用した場合と比較して劣る結果となった。
図17は、ポリエチレンネットを使用した場合の加振実験における模型電柱の動きの様子と、透水シートを使用した場合の加振実験における模型電柱の動きの様子と、を示す図である。図17からも、ポリエチレンネットを使用した場合の方が、沈下量及び傾斜角が大きいことがわかる。また、実験後、囲い網としてポリエチレンネットを使用した比較例では、砕石の間に砂が入り込んでいることが確認できた。これらの結果から、透水シートにより砕石の目詰まりを防ぐことの有効性が確認できた。
以上のように、本実施形態の改良地盤構造11の有意性が確認された。以下、透水シートを用いた改良地盤構造11の効果を更に向上させ得る3つのパラメータ(ドレーン深さ、ドレーン径及び地下水位)を用いて行った効果の確認実験の結果について説明する。なお、これらパラメータについては、上記表7のNo.3の条件を基準条件として変化させた。
図18は、ドレーン径の相違による効果の違いを示すグラフである。具体的に、図18では、ドレーン径が50mmである上記表7におけるNo.3の条件での加振実験の実験結果と、ドレーン径が100mmである上記表7におけるNo.5の条件での加振実験の実験結果と、を示している。更に、図19は、No.3の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、No.5の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、を示したグラフである。
図18に示すように、ドレーンの直径を100mmとした場合(上記表7のNo.5)、液状化は発生しなかった。この時の沈下量は0.7mm、傾斜角は0.5度であり、図19からもわかるように、模型電柱にはほとんど動きが無かった。この結果から、ドレーン径を広げ、砕石部(砕石層)を大きくすることで、間隙水圧の上昇を抑制し液状化対策効果が高まることがわかる。
図20は、ドレーン深さの相違による効果の違いを示すグラフである。具体的に、図20では、ドレーン深さが300mmである上記表7におけるNo.3の条件での加振実験の実験結果と、ドレーン深さが250mmである上記表7におけるNo.6の条件での加振実験の実験結果と、ドレーン深さが350mmである上記表7におけるNo.7の条件での加振実験の実験結果と、を示している。図20からわかるように、ドレーン深さを250mm、300mm、350mmと変化させても、液状化発生までの時間はいずれも24秒程度とほぼ等しく、地下水位よりも低い部分の範囲は、液状化発生までの時間に影響を与えないことがわかる。
また、電柱の沈下量、傾斜角については、ドレーン深さ250mmの場合(上記表7におけるNo.6の場合)、沈下量が182mmで傾斜角が8度であった。更に、ドレーン深さ350mmの場合(上記表7におけるNo.7の場合)、沈下量が104mmで傾斜角が12度であった。この結果から、ドレーン深さが深い程、沈下量が抑えられることがわかる。
図21は、上記表7におけるNo.3の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、上記表7におけるNo.6の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、上記表7におけるNo.7の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、を示すグラフである。図21に示すように、ドレーン深さ250mmの場合が、最も沈下量が大きくなっていることがわかる。但し、傾斜角も小さくなっていることから、液状化対策が実施されていない模型地盤の加振実験(上記表7におけるNo.1の条件での加振実験)と同様、沈下速度が速かったため、電柱が頭部に固定したケーブルに吊られる形になったためと考えられる。
ドレーン深さ350mmの場合(上記表7におけるNo.7の場合)については、沈下量が最も小さくなっているが、傾斜角についてもドレーン深さ300mmの場合(上記表7におけるNo.3の場合)よりも抑えられている。これは、ドレーン深さが増えたことにより、傾斜に対する抵抗も大きくなったためと考えられる。
図22は、地下水位が0mmの場合の砕石部(砕石層)の効果の違いを示すグラフである。具体的に、図22では、上記表7におけるNo.8の条件での加振実験の実験結果と、上記表7におけるNo.9の条件での加振実験の実験結果と、を示している。No.8の条件とNo.9との条件とでは、ドレーン径が相違している。この実験では、160Galの加速度で加振実験を行うべく、加速度を徐々に上げていったが、図21に示すように、ドレーン径の大きさに関わらず、加速度が上昇していく途中の130Gal付近において液状化が発生していることがわかる。電柱の沈下量、傾斜角については、上記表7におけるNo.8の条件での加振実験では、沈下量が116mm、傾斜角が14度である。また、上記表7におけるNo.9の条件での加振実験では、沈下量が64mm、傾斜角が21度である。
図23は、ドレーン径50mmで地下水位が0mmである、上記表7におけるNo.8の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、ドレーン径100mmで地下水位が0mmである、上記表7におけるNo.9の条件での加振実験における電柱の動きの様子と、を示すグラフである。図23に示すように、No.9の条件下の加振実験では、液状化が発生したケースの中では、沈下量が最も小さい結果となった。しかし、傾斜角が大きくなっている。これは、ゆっくりと沈下する分、頭部に固定したケーブルに支えられながら大きく傾斜したためと考えられる。
これらの結果より、地下水位が高い状態では、地下水位が低い状態と比較して、液状化抑制効果が低減し、ドレーン径を拡大しても液状化抑制については効果の向上が認められないことがわかる。但し、その場合であっても、ドレーン径の大きさが沈下量、傾斜角に影響を与えることがわかる。
ここまで説明した実験では、地下水位が地表面から下がった状態を想定して実験を行っている。加振開始から液状化発生までの間隙水圧の上昇の様子を見てみると(図12、図14、図16、図18及び図20)、地表下250mmの位置に設置した間隙水圧計の値は、いずれも2.5kPaの値を境に、緩やかな上昇から急激な上昇へと変化していることがわかる。この2.5kPaの値は、地下水位が地表面の時の静水圧の値と同じである。この結果は、地下水位が地表面まで達した後に間隙水圧の急激な上昇が起こり、液状化が発生したことを示している。
加振開始後のせん断ひずみにより、地中の間隙水圧は増加するが、サクションの効果もあって、地下水は未飽和状態の地表面側へ向かい易くなる。これにより、間隙水圧の急激な上昇が抑えられ、地下水位が地表面に達するまでは緩やかな上昇となっている。しかし、地下水位が地表面まで達した後は、サクションの効果が無いため、間隙水圧は急激に上昇する。従って、本実施形態の改良地盤構造11は、液状化対策が実施されていない地盤と比較して、間隙水圧の上昇を緩和し、液状化発生までの時間を遅らせることができる。
また、上述の模型実験の結果によれば、液状化対策を実施した場合には、砕石部の体積が液状化発生時の電柱の沈下、傾斜の抑制に影響を与えることがわかる。これは、本実施形態の改良地盤構造11は、透水シート14を袋状にして砕石Sを囲うことによって、新設電柱12と一体化させているためである。このような構成とすることにより、新設電柱12の径が擬似的に太くなることによる沈下への抵抗増加と、新設電柱12の長さが擬似的に長くなることによる傾斜時の回転に対する抵抗増加と、によって、地盤の支持力の低下が抑制され、電柱が沈下及び傾斜し難くなる。
更に、上述の模型実験は、電柱頭部の1箇所をケーブルで固定した状態で行っている。そのため、加振実験での電柱は、液状化により地盤の支持力が失われた後は、ケーブルにより制限されながら、沈下、傾斜することになる。その結果、沈下が早いものは傾斜が少なく、沈下が遅いものは傾斜が大きくなる。特に傾斜角については、架渉するケーブルの本数や取り付け位置、方向等により、所定量に制限し得ることがわかる。
<実施形態3>
次に、本発明に係る地盤改良工法の実施形態について説明する。ここでは、上述した実施形態1で示した改良地盤構造1を形成する地盤改良工法21について説明する。図24は、本実施形態の地盤改良工法21の手順を示すフローチャート図である。
地盤改良工法21は、既設電柱2付近の地盤を改良する地盤改良工法であって、既設電柱2の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置に、既設電柱2の根入れ長よりも深い穴を形成する工程S1と、地盤に形成された穴の内部に、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シート4を設置する工程S2と、穴に設置された透水シート4に囲まれるように砕石Sを積載する工程S3と、を含むものである(図2参照)。
穴を掘る工程S1は、例えば、通常の建柱作業に使用される、穴掘り建柱車を用いて行うことができる。この穴は、地表において既設電柱2の設置位置からの距離が所定距離内の位置から掘削される。また、掘削される穴は、既設電柱2の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置に形成されると共に、既設電柱2の根入れ長よりも深くなるまで掘削される。
次に、掘削された穴の内部に、袋状に形成された、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シート4を設置する(工程S2)。その後に、穴に設置された透水シート4に囲まれるように、すなわち、袋状の透水シート4の内部に、砕石Sを積載していく(工程S3)。なお、袋状の透水シート4の内部に砕石Sを詰め込むことによりドレーン5が形成される。より具体的に、袋状の透水シート4の内部に砕石Sを積載することにより砕石部3としての砕石杭を形成することにより、砕石部3(砕石杭)と透水シート4とで構成されるドレーン5が形成される。以上の手順により、改良地盤構造1は形成することができる。
<実施形態4>
次に、本発明に係る地盤改良工法の別の実施形態について説明する。ここでは、上述した実施形態2で示した改良地盤構造11を形成する地盤改良工法31について説明する。図25は、本実施形態の地盤改良工法31の手順を示すフローチャート図である。
地盤改良工法31は、新設電柱12付近の地盤を改良する地盤改良工法であって、地盤に穴を形成する工程S1と、地盤に形成された穴の内部に、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シート14を設置する工程S2と、新設する新設電柱12の根入れ部17を穴の内部に位置決めする工程S3と、穴に設置された透水シート14に囲まれるように、砕石Sを、穴の内部のうち、透水シート14と新設電柱12の根入れ部17との間に積載する工程S4と、を含むものである(図10参照)。
地盤に穴を形成する工程S1は、例えば、通常の建柱作業に使用される、穴掘り建柱車を用いて行うことができる。この穴は、新設される新設電柱12の根入れ長の設計値よりも深くなるまで掘削される。一例として、柱長15000mm、柱径280mm、及び根入れ長(設計値)2500mmの電柱の場合に、穴の深さを3000mmとすればよい。
地盤に形成された穴に透水シート14を設置する工程S2は、上述した実施形態3と同様、掘削された穴の内部に、袋状に形成された、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シート14を設置することにより行われる。
新設電柱12の根入れ部17を穴の内部に位置決めする工程S3では、設計値である新設電柱12の根入れ長となるように、根入れ部17を穴の内部に設置する。その後、穴に設置された透水シート14に囲まれるように、砕石Sを新設電柱12の周りに詰め込む。すなわち、砕石Sを、穴の内部のうち、袋状の透水シート14と新設電柱12の根入れ部17との間に積載する(S4)。なお、袋状の透水シート14と新設電柱12の根入れ部17との間に砕石Sを詰め込むことによりドレーン15が形成される。より具体的に、袋状の透水シート14と新設電柱12の根入れ部17との間に砕石Sを詰め込むことにより砕石部13としての砕石層を形成することにより、砕石部13(砕石層)と透水シート14とで構成されるドレーン15が形成される。以上の手順により、改良地盤構造11を形成することができる。
なお、本発明に係る改良地盤構造の実施形態として示した、上述した実施形態1、2の改良地盤構造1、11は、地盤の液状化を遅らせることにより、液状化発生を抑制することができるものであり、地盤置換率5%以下の規模であって、地下水位が低い条件下において、特に有効な液状化対策として機能するものである。
本発明は、電柱付近の改良地盤構造及び地盤改良工法に関し、特に、電柱付近の地盤の液状化による電柱被害を抑制可能な改良地盤構造及び地盤改良工法に関する。
1、11:改良地盤構造
2:既設電柱(電柱)
3:砕石部(砕石杭)
4:透水シート
5:ドレーン
6:ケーブル
12:新設電柱(電柱)
13:砕石部(砕石層)
14:透水シート
15:ドレーン
17:根入れ部
21、31:地盤改良工法
S:砕石

Claims (4)

  1. 電柱付近の地盤を改良した改良地盤構造であって、
    地表において前記電柱の設置位置からの距離が所定距離内の位置に、地表から地中の所定位置まで砕石を積載した砕石部を備え、
    前記砕石部は、前記電柱の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置に形成されると共に、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シートに囲まれた砕石杭を構成しており、
    前記砕石杭は、前記電柱に支持されるケーブルの長手方向と平行な方向に、前記電柱の設置位置を中心とした両側に設けられていることを特徴とする改良地盤構造。
  2. 前記砕石部の前記砕石は、地表から前記電柱の根入れ長よりも深い位置まで積載されていることを特徴とする、請求項1に記載の改良地盤構造。
  3. 電柱付近の地盤を改良する地盤改良工法であって、
    既設電柱の設置位置から周辺地盤を介して離隔した位置、かつ、前記既設電柱に支持されるケーブルの長手方向と平行な方向に、前記既設電柱の設置位置を中心とした両側の位置で地盤に形成された穴の内部に、周辺地盤の土砂粒径よりも目の細かい透水シートを設置する工程と、
    前記穴に設置された前記透水シートに囲まれるように砕石を積載する工程と、を含むことを特徴とする地盤改良工法。
  4. 前記穴は、前記既設電柱の根入れ長よりも深いことを特徴とする、請求項3に記載の地盤改良工法。
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