JP5849191B2 - 集光型光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、集光して電力に変換する集光型光電変換装置に関する。
近年、安全で環境に優しいエネルギー源として太陽光を用いる太陽電池などの光電変換装置が注目されている。光電変換装置においては、発電効率を高めるために太陽光を集光する集光型が用いられている。また、光電変換装置に用いられている光電変換素子(発電素子)は、高い変換効率を有する素子であるが非常に高価であるため、光電変換装置においては集光倍率を、例えば1000倍以上の高倍率の光学系機構を設けて、高価な光電変換素子の有効利用が図られている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年においては、大電力を出力する大きな光電変換装置の開発が進められており、光電変換装置の大型化が図られている。
特開昭53−53040号公報
上記のように、太陽光を利用したエネルギー源として開発が進められている光電変換装置においては、高い倍率の集光型であるとともに、大型化が図られているため、光電変換装置における撓みや歪みが大きな課題となっている。
集光型光電変換装置においては、光学系機構(レンズなど)で集光した光の焦点スポットが小さな光電変換素子の受光領域上に配置される必要がある。また、集光型光電変換装置においては、大出力を得るために、光学系機構と光電変換素子などで構成される発電モジュールを多数縦横に平面的に配設して、大きなパネル状(平板状)に構成されている。
また、集光型光電変換装置は、光学系機構が常に太陽の位置に向き、それぞれの光電変換素子の受光領域上に太陽光の焦点スポットが配置されるように太陽追尾機構が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、集光型光電変換装置においては、環境温度が大きく変化する地域に設置される場合が多く、構成部材における膨張係数の違いなどに起因して反りや歪みが発生する場合がある。
本開示は、パネルに撓みや歪みなどが生じても、高い発電効率を有する集光型光電変換装置を提供する。
本開示における集光型光電変換装置としては、
集光された光が入射されて発電する複数の光電変換素子を有する発電モジュールが平板状に並設された発電パネルと、
前記発電パネルを支持し、前記発電パネルの受光面を光に対向させる光追尾機構を備える支持部と、を具備する集光型光電変換装置であって、
前記発電パネルの受光面を光に対向した状態において、前記複数の光電変換素子における一部の光電変換素子が、受光領域の中心を集光スポットの中心から上下左右の4方向に
所定距離ずらして配置されて、4方向の位置ずれを検出する第1位置ずれ検出素子と第2位置ずれ検出素子と第3位置ずれ検出素子と第4位置ずれ検出素子とを備えた位置ずれ検出素子群で構成され、
前記第1位置ずれ検出素子と前記第2位置ずれ検出素子と前記第3位置ずれ検出素子と前記第4位置ずれ検出素子が直列に接続されており、
前記位置ずれ検出素子群が前記発電パネルの受光面の少なくとも3カ所に設けられ、前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの前記第1位置ずれ検出素子と前記第2位置ずれ検出素子と前記第3位置ずれ検出素子と前記第4位置ずれ検出素子の検出電圧に基づいて前記光追尾機構が軌道位置を修正するよう構成されている。
本開示における集光型光電変換装置は、パネルに撓みや歪みなどが生じても、高い発電効率を有する。
(a)実施の形態1の集光型光電変換装置における発電パネルの正面側を示す斜視図、および(b)発電パネルの背面側を示す斜視図である。 実施の形態1における発電モジュールを示す分解斜視図である。 実施の形態1における発電パネルの製造方法を示す図である。 実施の形態1における発電モジュールにおける発電素子の構造を示す断面図である。 実施の形態1における発電素子の半導体層の断面図である。 実施の形態1における発電素子の配線基板への実装方法を模式的に示す図である。 (a)通常発電素子を有する集光素子部を示す断面図、および(b)位置ずれ検出素子を有する集光素子部を示す断面図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置における4つの位置ずれ検出素子の受光領域がそれぞれ太陽に対向して配置された状態を示す図である。 集光スポットが上側に位置ずれした場合の各位置ずれ検出素子および通常発電素子を示す図である。 集光スポットが上側の方向であり、かつ右側の方向に位置ずれした場合の各位置ずれ検出素子および通常発電素子を示す図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置において、位置ずれ検出素子が配線実装された配線基板を示す図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置において、位置ずれ検出素子が配線実装された配線基板を示す図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置における第1の検出方法における太陽追尾システムのフローチャートである。 実施の形態1の集光型光電変換装置における第2の検出方法における太陽追尾システムのフローチャートである。 太陽光が集光素子部に入射したときの太陽光の角度と集光スポットの位置ずれとの関係を説明する図である。 3組の位置ずれ検出素子を発電パネルに設ける場合の例示を示す図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置における発電モジュールの発電回路に複数の位置ずれ検出素子を設けた構成例を示す回路図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置において、発電パネルの4隅および中央部に位置ずれ検出素子を設けた例を示す図である。 実施の形態1の集光型光電変換装置において、複数の位置ずれ検出素子を発電パネルの所定の位置に設置した場合における位置ずれ検出および角度修正方法を示す太陽追尾プログラムのフローチャートである。 実施の形態1の集光型光電変換装置において、複数の位置ずれ検出素子を発電モジュールの所定の位置に設置した場合における位置ずれ検出および角度修正方法を示す太陽追尾プログラムのフローチャートである。 実施の形態3の集光型光電変換装置における発電モジュールの位置ずれ検出直列回路の回路構成を示す図である。 実施の形態3の集光型光電変換装置における変形例を示す図である。 位置ずれ検出素子群の配置例を示す図である。 位置ずれ検出素子群の配置例を示す図である。 位置ずれ検出素子群の配置例を示す図である。 位置ずれ検出素子群の配置例を示す図である。
以下に、実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
第1の態様の集光型光電変換装置は、
集光された光が入射されて発電する複数の光電変換素子を有する発電モジュールが平板状に並設された発電パネルと、
前記発電パネルを支持し、前記発電パネルの受光面を光に対向させる光追尾機構を備える支持部と、を具備する集光型光電変換装置であって、
前記発電パネルの受光面を光に対向した状態において、前記複数の光電変換素子における一部の光電変換素子が、受光領域の中心を集光スポットの中心から上下左右の4方向に所定距離ずらして配置されて、4方向の位置ずれを検出する第1位置ずれ検出素子と第2位置ずれ検出素子と第3位置ずれ検出素子と第4位置ずれ検出素子とを備えた位置ずれ検出素子群で構成され、
前記第1位置ずれ検出素子と前記第2位置ずれ検出素子と前記第3位置ずれ検出素子と前記第4位置ずれ検出素子が直列に接続されており、
前記位置ずれ検出素子群が前記発電パネルの受光面の少なくとも3カ所に設けられ、前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの前記第1位置ずれ検出素子と前記第2位置ずれ検出素子と前記第3位置ずれ検出素子と前記第4位置ずれ検出素子の検出電圧に基づいて前記光追尾機構が軌道位置を修正するよう構成されている。
上記のように構成された第1の態様の集光型光電変換装置は、大型のパネルにおいて撓みや歪みなどが生じても高い発電効率を得ることができる。
第2の態様の集光型光電変換装置において、前記の第1の態様における前記発電モジュールが備える前記複数の光電変換素子は、前記発電パネルの受光面を光に対向した状態において、受光領域の中心を集光スポットの中心から上下左右の4方向に所定距離ずらして配置された前記位置ずれ検出素子群と、受光領域の中心を集光スポットの中心と一致するよう配置された複数の通常光電変換素子と、により構成され、
前記発電モジュールは、前記位置ずれ検出素子群に複数の通常光電変換素子が直列に接続された複数の位置ずれ検出直列回路と、複数の通常光電変換素子が直列に接続された複数の通常発電素子直列回路と、の並列回路により構成されている。
上記のように構成された第2の態様の集光型光電変換装置は、位置ずれの発生を検出したとき、発電回路全体の電圧低下の割合を小さくすることができるとともに、発電回路の電流量低下の割合を小さくすることが可能となる。
第3の態様の集光型光電変換装置においては、前記の第2の態様における前記位置ずれ検出直列回路の前記位置ずれ検出素子群に用いられている光電変換素子の短絡電流の値は、当該位置ずれ検出直列回路において用いられている通常光電変換素子における最も小さい短絡電流の値より大きな値を有する。
上記のように構成された第3の態様の集光型光電変換装置は、位置ずれ発生により位置ずれ検出素子の電流値が低下した場合において、発電効率および発電量に対する影響を小さくすることが可能となる。
第4の態様の集光型光電変換装置においては、前記の第2の態様又は第3の態様の前記位置ずれ検出直列回路における前記位置ずれ検出素子群に用いられている光電変換素子が前記通常発電素子直列回路における前記通常光電変換素子より出力電圧が高い素子が用いられている。
上記のように構成された第4の態様の集光型光電変換装置は、位置ずれ検出時において位置ずれ検出素子の電圧値が低下した場合において、集光型光電変換装置の全体の発電回路に対する影響を小さくすることができる。
第5の態様の集光型光電変換装置において、前記の第1の態様から第4の態様のいずれかの態様において、前記位置ずれ検出素子群は、前記発電パネルにおける少なくとも3カ所の前記位置ずれ検出素子群が直列に接続されている。
上記のように構成された第5の態様の集光型光電変換装置は、発電パネルにおける複数個所の位置ずれ検出素子群の各電圧を同じ電流値での電圧測定とすることが可能となり、精度の高い電圧測定が可能となり、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
第6の態様の集光型光電変換装置においては、前記の第1の態様から第4の態様のいずれかの態様において、前記位置ずれ検出素子群が前記発電モジュールにおける受光面における少なくとも3カ所に設けられ、当該発電モジュールにおける少なくとも3カ所の前記位置ずれ検出素子群が直列に接続されている。
上記のように構成された第6の態様の集光型光電変換装置は、発電モジュールにおける複数個所の位置ずれ検出素子群の各電圧を同じ電流値での電圧測定とすることが可能となり、精度の高い電圧測定が可能となり、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
第7の態様の集光型光電変換装置においては、前記の第1の態様から第6の態様のいずれかの態様における前記支持部は、前記発電パネルにおける受光面の反対側にある裏面の中央部において支持部材により支持され、前記光追尾機構により2軸方向に回動するように構成されており、
少なくとも3カ所の前記位置ずれ検出素子群が、前記発電パネルの中央部を中心として同一円上にあり、互いに等間隔の位置に配設されている。
上記のように構成された第7の態様の集光型光電変換装置は、発電パネルにおける受光面が太陽に対向するように、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
第8の態様の集光型光電変換装置において、前記の第1の態様から第6の態様のいずれかの態様における前記発電パネルは受光面が略四角形状であり、
前記位置ずれ検出素子群は、前記発電パネルの受光面の四隅に設けられている。
上記のように構成された第8の態様の集光型光電変換装置は、発電パネルにおける受光
面が太陽に対向するように、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
第9の態様の集光型光電変換装置において、前記の第1の態様から第6の態様のいずれかの態様における前記発電パネルは受光面が略四角形状であり、
前記位置ずれ検出素子群は、前記発電パネルの受光面の四隅および中央部に設けられている。
上記のように構成された第9の態様の集光型光電変換装置は、発電パネルにおける受光面が太陽に対向するように、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
第10の態様の集光型光電変換装置において、前記の第1の態様から第9の態様のいずれかの態様における前記光追尾機構は、4方向における逆方向の位置ずれを検出する前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの検出電圧の電圧差を算出して、前記発電パネルを2軸方向に回動させて前記光追尾機構のずれ角を修正するよう構成されている。
上記のように構成された第10の態様の集光型光電変換装置は、発電パネルにおける受光面が太陽に対向するように、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
第11の態様の集光型光電変換装置において、前記の第1の態様から第9の態様のいずれかの態様において、前記光追尾機構は、4方向における位置ずれを検出する前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの検出電圧と、当該位置ずれ検出素子群と直列に接続された通常光電変換素子の検出電圧との電圧差を算出して、前記発電パネルを2軸方向に回動させて前記光追尾機構のずれ角を修正するよう構成されている。
上記のように構成された第11の態様の集光型光電変換装置は、発電パネルにおける受光面が太陽に対向するように、精度の高い太陽追尾動作が可能となる。
集光型光電変換装置における全ての光電変換素子の受光領域のそれぞれには太陽光の焦点スポットが配置されるように、太陽の位置を追尾する太陽追尾機構が設けられている。パネル状に構成された集光型光電変換装置においては、多少の撓みや歪みの発生は避けられない構造である。例えば、我々の実験によれば、使用する材料の組み合わせによっては、70℃の温度差により、複数の光電変換ユニットで構成された20cm×20cmの平板状の発電モジュールの一方の端部を水平方向に保持した状態において、対向する他方の端部が水平方向に対して約0.7度のずれ(撓み)が生じていた。このように、発電モジュールにおいても撓みが発生しており、複数の発電モジュールをパネル状に構成した集光型光電変換配置においては、さらに大きな構造上の撓みや構造部材の膨張係数の違いに等に起因する歪み等が生じている。このため、このように集光型光電変換配置に生じる撓みや歪み等を考慮して、全ての光電変換素子の受光領域に対して可能な限り太陽光の焦点スポットを配置するよう構成することは、発電効率を高めるためには重要である。したがって、本開示にかかる集光型光電変換装置においては、刻々に変化する太陽の位置を正確に追尾し、撓みや歪み等を考慮して、そのときの最大の発電量を発生させて、高い発電効率を有する構成例を示している。
また、集光型光電変換装置においては、構造が大型化するとともに、複雑な構成の太陽追尾機構が設けられているため、重量増加、および製造コストの増大に繋がるため、本開示においては軽量化および製造コストの軽減を図った集光型光電変換装置の例を示している。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示にかかる実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明
や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
《実施の形態1》
以下、実施の形態1の集光型光電変換装置の一例について添付の図面を参照しつつ説明する。また、以下の実施の形態1における説明において、上下左右の方向は該当する図面上における上下左右の方向を示すものであり、実際の装置の上下左右を示すものではない。なお、以下の集光型光電変換装置においては太陽の位置を追尾する太陽追尾機構を備えた構成について説明するが、単に光を追尾する光追尾機構を備えた集光型光電変換装置として構成することも可能である。
図1の(a)は、光である太陽光を受ける発電パネルの正面側を示す斜視図であり、図1の(b)は発電パネルの背面側を示す斜視図である。
図1に示すように、実施の形態1の集光型光電変換装置は、太陽光を受光する受光面を有する発電パネル1と、発電パネル1を支持し、発電パネル1の受光面を太陽光に対向させる光追尾機構である太陽追尾機構2aを備える支持部2と、を具備している。支持部2には、太陽追尾機構2aの他に、発電パネル1を所定位置に保持するための基台2b、および太陽追尾機構2aを駆動制御する制御部等が設けられている。太陽追尾機構は、例えば、2軸(X軸、Y軸)による駆動制御であり、発電パネル1の受光面が太陽の軌道を外れたことを検知したときに駆動制御される構成である。
発電パネル1は複数の発電モジュール4を有する。基板上に、複数の発電モジュール4は、各発電モジュール4の側面が接するように配置される。基板の一例は、放熱板である。各発電モジュール4の側面が接するとは、接着剤等を介して接していることを含む。発電パネル1は平板状に構成されている。各発電モジュール4は、集光レンズと光電変換素子(以下、発電素子と称す)と配線基板とを有する集光素子部(太陽電池部)を備える。発電モジュール4の一例は、複数の集光レンズ(レンズアレイ)と、集光レンズに対向して配線基板上に設けられた複数の発電素子とが一体的に形成される。図1に示す平板状の発電パネル1には9個の発電モジュール4を縦横のそれぞれに3個並設した構成例で示したが、さらに多くの発電モジュール4を縦横に平面的(平板状)に並設された構成でもよい。なお、発電モジュール4は、少なくとも1つの集光レンズと少なくとも1つの発電素子とを備えていれば良い。
発電素子は、受光領域に入射した光のエネルギーを電気エネルギーに変換する。発電素子の受光領域とは、発電素子の表面のうち入射した光エネルギーを電気エネルギーに変換する領域を意味する。発電素子の表面全体を発電素子の受光領域としても良い。なお、発電素子の受光領域は、集光素子部の受光部とも表記する。
集光レンズは、表面と裏面とを有する。集光レンズは、表面に入射した光を、裏面側に配置される発電素子の受光領域に向かって集光する。光の例は太陽光である。集光レンズの例は、フレネルレンズ、平凸レンズ、両凸レンズ、プリズム、複合レンズなどである。集光レンズは、表面に入射した光を光の屈折を利用して裏面方向に光を集光する。なお、集光レンズは、上記のものに限定されるものではなく、同様の機能を有するものであれば用いることが可能である。
集光レンズと入射する光の波長とにより、集光された光が発電素子の表面を通過する領域は予め設計される。発電素子の受光領域は、集光された光が通過する集光領域だけではなく、集光領域から所定の距離以下だけ離れた位置を含んでいても良い。所定の距離の例は、集光レンズ及び発電素子の製造誤差に依存する長さである。望ましい受光領域の例は、集光レンズの裏面を通過する光のエネルギーに対して、受光領域を通過する光のエネルギーが95%以上100%未満である。これにより、追尾誤差により、予め設計された光が集光レンズの裏面を通過する領域からずれた領域を光が通過する場合でも、発電素子に入射しない光の量を低減することができる。
図2は、1つの発電モジュール4の一例を示す分解斜視図である。図2に示すように、発電モジュール4は、配線基板6と、配線基板6上に縦横に整列された複数の発電素子7と、複数の発電素子7に対応するように複数の集光レンズ5aが平板状に集合されたレンズアレイ5と、を備える。例えば、レンズアレイ5と配線基板6とは、各集光レンズ5aの焦点位置が発電素子7の表面(受光領域)の位置となるように、透明接着剤、例えば、シリコーン樹脂などにより接着されて固定されている。
図3は実施の形態1における発電パネル1の製造方法を示す図である。図2に示す複数の発電モジュール4は、発電パネル1の枠体8上に並設されて、機械的および/または化学的な固定手段、例えばネジ止め、接着剤などを用いて互いに固定されている。このとき、各発電モジュール4間は、各発電モジュール4に設けられた接続端子により、当該発電パネル1の仕様に応じて所望の状態に電気的に接続されて、発電パネル1が構成されている。
図4は実施の形態1における発電モジュール4における発電素子7の構造を示す断面図である。図4に示すように、発電素子7の半導体層101の上面には櫛型形状に形成された第1電極102が設けられており、半導体層101の下面には第2電極103が設けられている。半導体層101の上面は受光領域100となっている。第1電極102が櫛形形状であるため、受光領域100を照射した太陽光が第1電極102により遮蔽されにくく、半導体層101に入射して吸収されるように構成されている。
第1電極102は半導体層101の背面側(下面側)に導出する第3電極106に電気的に接続されており、第2電極103は半導体層101の背面側に導出する第4電極107に電気的に接続されている。なお、発電素子7においては、絶縁層104および導体層105を設けて、半導体層101の両面に形成された第1電極102および第2電極103それぞれの電気的接続関係が構成されている。
第1電極102および第2電極103の材料は、それぞれ、AuGe合金、Ni、Auの積層膜、およびTi、Pt、Auの積層膜を使用している。また、第3電極106および第4電極107の材料は、それぞれ、AuまたはNiを使用することができる。
図5は実施の形態1における発電素子7の半導体層101の断面を拡大して示した図である。図5における各層の厚み関係(比率)は実際の厚み関係(比率)を示すものではない。図5において、半導体層101は、p−GaAs基板201、p−GaInNAs層202、n−GaInNAs層203、第1トンネル接合層204、p−GaAs層205、n−GaAs層206、第2トンネル接合層207、p−InGaP層208、およびn−InGaP層209が積層されて構成されている。
実施の形態1における発電素子7の一例としては、略正方形形状を有し、その縦横寸法は、例えば1mm×1mmである。また、発電素子7の受光領域100の一例としては、略正方形形状であり、その縦横寸法が、例えば、550μm×550μmである。このよ
うな寸法を有する発電素子7においては、太陽光が入射する受光部は平面的には略四角形である集光レンズ5aを用いているため、この集光レンズ5aにより集光された集光スポットが略矩形であり、例えば、400μm×400μmの縦横寸法を有する集光スポット形状である。
なお、実施の形態1における各発電モジュール4の受光部を平面的には四角形状で示したが、発電モジュール4の受光部(受光面)および集光素子部の受光部(受光面)としては四角形状に特定されるものではなく、多角形状または円形形状等で構成することも可能である。
図6は発電モジュール4における発電素子7の配線基板6への実装方法を模式的に示す図である。図6に示すように、ガラスエポキシ基板に配線10が予め施されて構成された配線基板6上に発電素子7が実装されている。配線10が予め施されている配線基板6において、発電素子7が実装される位置であり、発電素子7のp電極とn電極が接続される対応する接続部には、クリーム半田(Su−Ag−Bi−Cu)3が塗布されている。当該クリーム半田3の融点以上に配線基板6が加熱されて、チップマウンターにより発電素子7が配線基板6上の所定位置に順次実装される。
[太陽位置検出システム]
上記のように構成された実施の形態1の集光型光電変換装置において、太陽位置を検出する太陽位置検出システムについて説明する。
複数の発電素子で構成された発電回路(太陽電池)において、直列回路構成では、回路内の各発電素子の電流値は同じである。この場合、直列回路の電流値は、回路内において発電する電流量が最も小さい発電素子の電流値に制限される。また、直列回路の電圧値は、回路内の発電素子の電圧の総和となる。したがって、発電素子の受光領域に対して集光スポットがずれた場合(位置ずれが発生した場合)には、当該発電素子の電流値および電圧値がともに低下する。そのため、直列回路の電流量は、集光スポットのずれが発生した発電素子の電流値に制限され、直列回路の電圧値は、集光スポットのずれが発生した発電素子の電圧低下分だけ低下する。
複数の直列回路が並列に接続されて構成された発電回路全体において、その発電回路全体の電流値は、複数の直列回路の電流値の総和となる。一方、発電回路全体の電圧値は電圧値が最も小さい直列回路の電圧値に制限される。
太陽電池では、発電回路全体で電流×電圧が最大となる条件で動作する。したがって、発電素子中のいずれかの発電素子で集光スポットのずれが発生した場合、その発電素子が含まれる直列回路の動作電流値および動作電圧値が変化し、発電回路全体の動作電流値および動作電圧値も変動する。
実施の形態1においては、上記のように集光スポットのずれが発生した場合に生じる電圧値変動および電流値変動の現象を用いて、太陽位置検出システムを構築している。
但し、集光スポットのずれが発生した場合には当該発電素子による発電量が低下するため、発電回路全体の発電量も低下するという問題を有する。しかし、実施の形態1の構成においては、太陽位置検出システムに用いる位置ずれ検出素子として、発電回路全体を構成する多数の発電素子における一部の発電素子のみを用いて、発電回路全体としての発電量の大幅な低下を抑制した構成である。
図7の(a)は、太陽光を電力に変換する機能を有する発電素子7である通常発電素子
(通常光電変換素子)7nを有する1個分の集光素子部を示す断面図である。図7の(b)は、太陽光を電力に変換する機能とともに太陽位置の検出の機能をも有する位置ずれ検出素子7sを有する1個分の集光素子部を示す断面図である。図7の(b)に示すように、位置ずれ検出素子7sを有する集光素子部は、配線基板6に電圧測定端子9が設けられており、配線基板6の裏面から外部に当該位置ずれ検出素子7sの電圧信号を取り出すことができる構造になっている。通常光電変換素子は、集光された光が通過する領域である集光領域の中心位置と一致する受光領域の中心位置を有する。通常光電変換素子の受光領域の中心位置は、集光領域の中心位置から第1の所定距離離れた位置であっても良い。所定距離の例は、集光レンズ及び発電素子の製造誤差に依存する。位置ずれ検出素子は、集光された光が通過する領域である集光領域(集光スポットとも表記する。)の中心位置から第2の所定距離離れた位置に、受光領域の中心位置を有する。集光領域の中心位置から上方向、下方向、右方向、左方向にそれぞれずれた位置に受光領域の中心を有する位置ずれ検出素子を、第1の位置ずれ検出素子、第2の位置ずれ検出素子、第3の位置ずれ検出素子、第4の位置ずれ検出素子とも表記する。また、第1の位置ずれ検出素子、第2の位置ずれ検出素子、第3の位置ずれ検出素子、及び第4の位置ずれ検出素子を含む複数の検出素子を、位置ずれ検出素子群7Sとも表記する。なお、第2の所定距離は後述する。
以下の太陽位置検出システムにおける位置ずれ検出方法の説明において、太陽光を電力に変換する機能を有する発電素子7を通常発電素子(通常光電変換素子)7nと称し、太陽光を電力に変換する機能とともに太陽の軌道から外れた位置ずれの検出の機能も有する発電素子7を位置ずれ検出素子7sと称する。
図8は、実施の形態1の集光型光電変換装置における4つの位置ずれ検出素子7sの受光領域100がそれぞれ太陽に対向して配置された状態を示す図であり、位置ずれが発生していない状態を示している。図8において、(a)は第1位置ずれ検出素子7Aを示し上側の方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出素子7sである。同様に、図8の(b)は第2位置ずれ検出素子7Bを示し下側の方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出素子7sであり、図8の(c)は第3位置ずれ検出素子7Cを示し右側の方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出素子7sであり、図8の(d)は第4位置ずれ検出素子7Dを示し左側の方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出素子7sである。図8の(e)は通常発電素子7nが太陽と対向する正確な位置に配置されている状態を示している。なお、実施の形態1において、上下右左の4方向の位置ずれを検出する第1位置ずれ検出素子7Aと第2位置ずれ検出素子7Bと第3位置ずれ検出素子7Cと第4位置ずれ検出素子7Dとを位置ずれ検出素子群7Sと称す。
図8に示す発電素子7s、7nにおいて、受光領域100内に太陽光の集光スポット300が配置されて、集光スポット300が受光領域100を照射しており、各発電素子7s(7A、7B、7C、7D)、7nは所定の発電量を発生させている。図8において、1点鎖線の十字の交点は、通常発電素子7nにおいて、位置ずれがない場合の集光スポット300の中心位置を示している。
図8に示すように、位置ずれ検出素子群7Sにおける各位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の受光領域100の中心は、位置ずれがない場合の集光スポット300の中心位置(図8における1点鎖線の十字の交点位置)からずらして配置されている。但し、位置ずれがない場合においては、集光スポット300が各位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の受光領域100内に確実に配置されて、全ての位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)が発電に寄与できる状態にある。
[位置ずれ検出方法]
図9は、集光スポット300が上側に位置ずれした場合の各位置ずれ検出素子7s(7
A、7B、7C、7D)および通常発電素子7nを示す図である。図9においては、図8と同様に、位置ずれ検出素子群7Sにおける各位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の受光領域100を焦点スポット300が照射している状態を示している。
図9に示すように、集光スポット300が上側の方向に位置ずれした場合には、上側の方向の位置ずれを検出する第1位置ずれ検出素子7Aのみ、集光スポット300が受光領域100からはみ出している。この結果、第1位置ずれ検出素子7Aの出力電圧のみが低下するため、集光スポット300が受光領域100に対して上側の方向にずれたことを検知することができる。
なお、下側の方向、左側の方向、または右側の方向における位置ずれについても、第2位置ずれ検出素子7B、第3位置ずれ検出素子7C、または第4位置ずれ検出素子7Dの出力電圧を検出して、基準となる他の出力電圧と比較することにより、同様に検知することができる。
図10は、集光スポット300が上側の方向であり、かつ右側の方向に位置ずれした場合の各位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)および通常発電素子7nを示す図である。図10に示すように、第1位置ずれ検出素子7A(図10の(a))および第3位置ずれ検出素子7C(図10の(c))において、集光スポット300が受光領域100から上側および右側の方向にはみ出している。したがって、第1位置ずれ検出素子7Aおよび第3位置ずれ検出素子7Cのそれぞれの電圧測定端子9により電圧低下を検出することにより、集光スポット300が右上側の方向に位置ずれしたことを検知することができる。同様に、右下側の方向、左上側の方向、左下側の方向などの斜め方向の位置ずれについても検知することが可能である。
位置ずれ検出素子群7Sにおける位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の各検出電圧を、それぞれV、V、V、Vとし、位置ずれ検出素子7sに直列接続された通常発電素子7nの検出電圧をVとすると、具体的な検出方法としては、例えば、下記表1に示す方法がある。
Figure 0005849191
表1に示すように、位置ずれの検出方法としては、例えば、2つの検出方法がある。第1の検出方法は、逆方向の位置ずれを検出する位置ずれ検出素子7sの差電圧(V−V)および(V−V)を検出して位置ずれの発生を検知するものである。具体的には、上側の方向の位置ずれの発生は、第1位置ずれ検出素子7Aの検出電圧Vが第2位置ずれ検出素子7Bの検出電圧Vより大きいときに検知することができる。反対に、下側の方向の位置ずれの発生は、第1位置ずれ検出素子7Aの検出電圧Vが第2位置ずれ検出素子7Bの検出電圧Vより小さいときに検知することができる。その他の方向への位置ずれは、表1に示すように、差電圧(V−V)および(V−V)において基準値以上の正負状態を検出したとき検知することができる。したがって、第1の検出方法は、4つの位置ずれ検出素子7sの検出電圧のみで位置ずれを検出する方法である。
第2の検出方法は、位置ずれ検出素子群7Sに直列に接続された通常発電素子7nの検出電圧Vを基準電圧として、各位置ずれ検出素子7sのそれぞれの検出電圧V、V、V、Vと比較するものである。したがって、第2の検出方法は、4つの位置ずれ検出素子7sと1つの通常発電素子7nの5つの検出電圧で位置ずれを検出する方法である。
第1の検出方法および第2の検出方法はともに、発電パネル1における略同一領域に設けられている逆方向の位置ずれを示す発電素子7の電圧差によって位置ずれを検出する方法であるため、発電パネル1における受光面の領域毎に直達日射量が変動しても、当該発電素子7(7s)においては同様に変動するため、検出電圧には影響しにくい検出方法である。
図11は、第1の検出方法を用いる場合に位置ずれ検出素子群7Sが配線実装された配線基板6を示しており、位置ずれ検出直列回路80における発電素子7である通常発電素子7nおよび位置ずれ検出素子群7Sが取り付けられた配線基板6を示す図である。図11の(a)は配線基板6の実装面を示す平面図であり、(b)は(a)に示した配線基板6のB−B‘線による断面図である。図11に示すように、位置ずれ検出素子群7Sにおける4個の位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)のそれぞれに電圧測定用端子9が接続されている。電圧測定用端子9は、配線基板6を貫通して、配線基板6の配線10が施された面の反対側の面から電圧信号を取り出すことができるように構成されている。また、配線基板6の両端部には発電モジュール4間を電気的に接続するための接続端子13が設けられている。
図12は、第2の検出方法を用いる場合に位置ずれ検出素子群7Sおよび基準となる通常発電素子7nが配線実装された配線基板6を示しており、発電素子7である通常発電素子7nおよび位置ずれ検出素子群7Sが取り付けられた配線基板6を示す図である。図12の(a)は配線基板6の実装面を示す平面図であり、(b)は(a)に示した配線基板6のB−B‘線による断面図である。図12に示すように、位置ずれ検出直列回路80における1個の通常発電素子7nと4個の位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)のそれぞれに電圧測定用端子9が接続されている。電圧測定用端子9は、配線基板6を貫通して、配線基板6の配線10が施された面の反対側の面から電圧信号を取り出すことができるように構成されている。また、配線基板6の両端部には発電モジュール4間を電気的に接続するための接続端子13が設けられている。
上記のように構成された発電素子7が実装された配線基板6は、前述の図2に示したように、レンズアレイ5が透明接着剤、例えば、シリコーン樹脂によりで接着されて、発電モジュール4が製造されている。なお、図2においては配線基板6上の配線10、電圧測定端子9、および接続端子13などの要素は省略している。このように製造された発電モジュール4は、ネジ止めまたは接着などにより発電パネル1の枠体8上に平板状に並設されて、固定される(図3参照)。この時、各発電モジュール4間は、仕様に応じて接続端子13により直列または並列に接続され、発電パネル1の全体の発電回路が構成されている。
[太陽追尾システム]
図13は、実施の形態1の集光型光電変換装置における位置ずれを検出し、太陽追尾の軌道位置を修正するための前記の第1の検出方法における太陽追尾システムのフローチャートを示す。この太陽追尾システムにおいては、集光型光電変換装置に設けられた制御部において各位置ずれ検出素子7sの検出電圧情報等に基づいて2軸(X軸、Y軸)の回転軸を備えた太陽追尾機構2aを駆動制御するものである。
太陽追尾プログラムが起動すると、ステップ1001において位置ずれ検出素子群7Sにおける各位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の電圧(V、V、V、V)を検出する。
ステップ1002においては、位置ずれ検出素子群7Sの上側方向の位置ずれ検出素子7Aと下側方向の位置ずれ検出素子7Bとの第1電圧差(V−V)、および右側方向の位置ずれ検出素子7Cと左側方向の位置ずれ検出素子7Dとの第2電圧差(V−V)のそれぞれが基準値以上であるか否かが検出される。ここで用いられる基準値は、ずれ角と電圧差との関係を実験により求めて基準値が決定される。基準値としては、電圧差が20〜30mV、ずれ角が0.25°程度で設定することが望ましい。
ステップ1002においていずれの電圧差(V−V)、(V−V)も基準値未満であれば、太陽追尾機構の軌道位置を維持する(ステップ1003)。
一方、ステップ1002において少なくともいずれかの電圧差(V−V)、(V−V)が基準値以上であれば、前述の表1に示した第1の検出方法の電圧差(V−V)、(V−V)の正負状態に応じて太陽追尾方向を決定するとともに、その電圧差に応じて位置ずれの修正角度を算出する(ステップ1004)。
ステップ1005においては、算出された修正角度に応じて太陽追尾機構2aの軌道位置を修正して、第1の検出方法による太陽追尾プログラムが終了する。
なお、実施の形態1における太陽追尾機構2aは、2軸(X軸およびY軸)の回動制御により太陽の軌道を追尾するシステムであり、上側方向の位置ずれ検出素子7Aと下側方向の位置ずれ検出素子7Bとの第1電圧差(V−V)によりX軸が回動制御されており、右側方向の位置ずれ検出素子7Cと左側方向の位置ずれ検出素子7Dとの第2電圧差(V−V)によりY軸が回動制御されている。
なお、図13に示したフローチャートは、表1に示した第1の検出方法による太陽追尾プログラムであるが、表2に示した第2の検出方法による太陽追尾プログラムにおいては、図14に示したフローチャートとなる。この太陽追尾プログラムを実行する太陽追尾システムにおいては、集光型光電変換装置に設けられた制御部において各位置ずれ検出素子7sの検出電圧情報、および通常発電素子7nの検出電圧情報等に基づいて2軸(X軸、Y軸)の回転軸を備えた太陽追尾機構2aを駆動制御する。
図14に示すように、ステップ2001においては、各位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の電圧(V、V、V、V)、および同じ直列回路に接続された通常発電素子7nの電圧(V)を検出する。
ステップ2002においては、各位置ずれ検出素子7sと通常発電素子7nとのそれぞれの電圧差(V−V)、(V−V)、(V−V)、(V−V)が基準値以上であるか否かを検出する。
ステップ2002においていずれの電圧差も基準値未満であれば、太陽追尾機構2aの軌道位置を維持する(ステップ2003)。
一方、ステップ2002において少なくともいずれかの電圧差(V−V)、(V−V)、(V−V)、(V−V)が基準値以上であれば、前述の表1に示した第2の検出方法の電圧差の正負状態に応じて追尾方向を決定するとともに、その電圧差に応じて位置ずれの修正角度を算出する(ステップ2004)。
ステップ2005においては、算出された修正角度に応じて太陽追尾機構2aの軌道位置を修正して、第2の検出方法による太陽追尾プログラムが終了する。
[太陽追尾機構の軌道修正方法]
次に、位置ずれ発生時に検出した電圧差ΔVにより、太陽追尾機構2aの軌道位置の修正方法について説明する。
図15は、太陽光が集光素子部に入射したときの太陽光の角度と集光スポット300の位置ずれとの関係を説明する図である。図15の(a)は、位置ずれが生じていない場合の発電素子7における受光領域100と集光スポット300との位置関係を示す図である。図15の(b)〜(e)は、集光レンズ5a、発電素子7、配線基板6などを備えた発電モジュール4の集光素子部を模式的に記載した断面図である。
以下の説明においては、図15の(a)に示すように、発電素子7の受光領域100の縦横の長さをWとし、集光スポット300の縦横の長さをWとして説明する。なお、具体的な例示としては、例えば、Wが550μmであり、Wが400μmである。
図15における(b)は、位置ずれが生じていない場合における発電素子7の受光領域100における集光スポット300の位置を示し、(c)は太陽光が移動して集光スポット300が発電素子7の発電領域100の限界までずれた状態を示している。
位置ずれが発生していない場合において、集光スポット300の中心が発電素子7の受光領域100の中心となるように、発電素子7を設置したとき、集光スポット300がずれて、受光領域100からはみ出し始める限界のずれ量Dは、下記式(1)である。
D=(W−W)/2 (1)
即ち、上記の例示においては、D=75μmとなる。
図15の(d)は、発電素子7を位置ずれ検出素子7sとして、位置ずれが発生していない場合において、集光スポット300の中心から距離sだけずらした位置が発電素子7の受光領域100の中心となるように、位置ずれ検出素子7sを設置した状態を示している。図15の(e)は、太陽光が移動して集光スポット300が位置ずれ検出素子7sの受光領域100の限界までずれた状態を示している。
図15の(d)に示す位置ずれ検出素子7sにおいて、集光スポット300がずれて受光領域100からはみ出し始める限界のずれ量Dsは、下記式(2)である。
Ds=(W−W)/2−s (2)
即ち、上記の例示において、ずらした距離sを35μmとすると、Ds=40μmとなる。
この時のレンズアレイ5の集光レンズ5a内の太陽光の入射ずれ角度θは、集光レン
ズ5aの高さをhとすると、下記式(3)で表される。
θ=tan−1(Ds/h) (3)
レンズアレイ5の屈折率をnとすると、集光スポット300がずれて受光領域100からはみ出し始める限界のずれ量がDsの場合の、レンズアレイ5の集光レンズ5aに入射する太陽光の入射ずれ角度θは、下記式(4)となる。
θ=sin−1(n×sinθ) (4)
さらに、集光スポット300が受光領域100からはみ出して、そのときのずれ量がD’となった場合において、レンズアレイ5の集光レンズ5aに入射する太陽光の入射ずれ角度θ’は、そのときの集光レンズ5a内の太陽光の入射ずれ角度をθ‘とすると、下記式(5)および式(6)で表される。
θ’=tan−1(D’/h) (5)
θ’=sin−1(n×sinθ’) (6)
Figure 0005849191
表2は、位置ずれ検出素子7sに位置ずれ(集光ずれ)が発生している場合において、集光スポット300のずれ量(集光ずれ量)に対する発電回路全体の発電量低下量および太陽追尾のためにずれ修正に必要なずれ角(入射ずれ角度)との関係を計算した結果の一例を示す。集光ずれ量は、集光スポット300のスポット面において受光領域100からはみ出した面積比で示している。集光ずれ量は、(D’−D)/Wにて計算される。また、この計算に用いた発電回路は、5つの発電素子7で構成された直列回路を10列の並列回路に構成したものである。
計算に用いたパラメータは、W=550μm、W=400μm、s=35μm、h=17mm、n=1.49である。また、発電素子7である位置ずれ検出素子7sとしては、前述の図7の(b)に示した素子の構成を用いている。
表2に示すように、位置ずれ(集光ずれ)が発生しても、発電回路全体の発電量の低下がほとんどないことが理解できる。また、位置ずれを安定して検出できる電圧差ΔVとして数十mVが必要であり、かつ、極力位置ずれの小さい段階で検出できることが望ましいことを考慮すると、表2からは、集光ずれ量としては1〜2%程度で検出することが望ましい。また、表2に示すように、集光ずれ量が2.0%の場合において、同じ直列回路を構成する位置ずれ検出素子7sの電圧差ΔVは24mVであった。この時の太陽追尾のずれ修正量であるずれ角は、0.261°であり、太陽の1分間あたりの移動量(約0.25°)に匹敵する。したがって、太陽追尾システムの太陽追尾プログラムにおいては、1分程度毎に起動すればよい。
次に、第1の位置ずれ検出素子の受光領域の中心位置と、集光領域の中心位置との距離
の例を示す。第2の所定の距離の例として、上述の下記の条件を満たす集光スポット300の中心からずらした量sを示す。
(条件1)位置ずれの検出角度は、太陽が1分間で移動する角度である0.25°
(条件2)検出時のずれ量(光量)は1〜2%(以降、R=1〜2%とする)
0.25°ずれた時の位置ずれ量D1(距離)は、下記式(7)で表せる。
D1=h×tan(sin−1(sin(0.25)/n)) (7)
一方、集光スポット300がずれて受光領域100からはみ出し始める限界位置から、ずれ量(光量)が1〜2%になるずれ量D2(距離)は、下記式(8)である。
D2=W2×R (8)
集光スポット300がずれて受光領域100からはみ出し始める限界位置は、Ds=(W1−W2)/2−s、という式(2)を満たす。
よって、(条件1)及び(条件2)を満たすためには、式(7)、式(8)、および式(2)を用いて、下記式(9)で表すことができる。
(W1−W2)/2−s +W2×R
= h×tan(sin−1(sin(0.25)/n)) (9)
式(9)を整理すると、位置ずれ検出素子7sをずらして設置するずれ量、すなわち、第2の所定距離は、
s=(W1−W2)/2+W2×R− h×tan(sin−1(sin(0.25)/n))となる。
ここで、発電素子7の受光領域100の縦横の長さをW1、集光スポット300の縦横の長さをW2、集光レンズ5aの高さをh、レンズの屈折率をnとする。例えば、W1=550μm、W2=400μm、h=17mm、n=1.49、R=2%とすると、
s=33μmとなる。
[発電パネルのたわみ等の対応策]
パネル状の集光型光電変換配置における発電パネル1、発電モジュール4が完全に平坦であれば、位置ずれ検出素子7sとしては1組あれば対応可能である。しかし、発電パネル1等の重量による撓み、反り、風による撓み、接着した構造部材間の線膨張係数の違い等により、発電パネル1、発電モジュール4の平坦性は低下し、1組の位置ずれ検出素子7sでは正確な位置ずれ検出および修正を行うことは困難である。特に、発電モジュール4は、図2に示したように、例えば、PMMAからなるレンズアレイ5や、例えば、ガラスエポキシ基板からなる配線基板6などの線膨張係数の異なる材料を接着して構成されているため、太陽光による温度上昇、季節による温度変化により、撓み、反り、歪み等が生じている。このような発電モジュール4を複数組み合わせてパネル状に形成した集光型光電変換装置においては、重量による反り、構造上の撓み、および/または構造部材の膨張係数の違い等に起因する歪み等(以下、単に撓み等と称する)が生じるため、このような撓み等を考慮して、当該集光型光電変換装置の発電効率を高めることは重要である。
そこで、実施の形態1の集光型光電変換装置においては、四角いパネル状の発電パネル1および発電モジュール4における主要な面(主面)の少なくとも3カ所の位置に位置ずれ検出素子7sが配置されている。図23から図26に、発電パネルの上面から見た時の位置ずれ検出素子群7Sの配置例を示す。図23に示す例は、発電パネル1を上面から見た時、対角を結ぶ2つの線(231a、231b)により分けられる4つの領域の少なく
とも3ヵ所に位置ずれ検出素子群7Sが配置される。
図24に示す例は、発電パネル1を上面から見た時、対向する各辺の中心位置を結ぶ2つの線(241a、241b)により分けられる4つの領域の少なくとも3ヵ所に位置ずれ検出素子群7Sが配置される。
図25に示す例は、発電パネル1を上面から見た時、いずれか1つの対角を結ぶ線(251a)で分けられる2つの領域(A領域及びB領域)のうち1つの領域(A領域)に少なくとも1つの位置ずれ検出素子群7Sが配置される。他方の領域(B領域)において、対角線(251a)の中心と対向する対角とを結ぶ線(251b)で分けられる2つの領域にそれぞれ位置ずれ検出素子群7Sが配置される。
図26に示す例は、発電パネル1を上面から見た時、いずれか1つの対向する各辺の中心位置を結ぶ線(261b)で分けられる2つの領域(A領域及びB領域)のうち1つの領域(A領域)に少なくとも1つの位置ずれ検出素子群7Sが配置される。例えば、A領域の中心付近に、位置ずれ検出素子群7Sが配置される。他方の領域(B領域)において、対向する各辺の中心位置を結ぶ線(261b)と対向する辺の中心とを結ぶ線(261a)で分けられる2つの領域にそれぞれ位置ずれ検出素子群7Sが配置される。
これにより、発電パネル1において、撓み又は歪みやすい二つの軸を基準とした撓み又は歪みを検出できる位置に位置ずれ検出素子群7Sを配置することできる。
また、3組の位置ずれ検出素子群7Sを発電パネル1に設ける場合、3組の位置ずれ検出素子群7Sは、例えば、発電パネル1の裏面の略中央(中央部)を支持する支持部2の支持部材、例えば支持軸(鉛直方向に延設された回転軸)を中心として発電パネル1の略同一円上にあり、互いに等間隔の位置に配設する構成としてもよい。ただし、上記の「同一円上」、および「等間隔」とは、完全に同一円、又は完全に等しい距離を指すものではなく、実質的に同様の効果を奏する範囲を含む。なお、図16は、3組の位置ずれ検出素子群7Sを発電パネル1に設ける場合の例示であり、3組の位置ずれ検出素子群7Sが、太陽追尾機構2aの支持軸(鉛直方向に延設された回転軸)を中心として発電パネル1の略同一円上にあり、互いに等間隔の位置に配設されて例を示している。
なお、4組の位置ずれ検出素子群7Sを受光面が略四角形状である発電パネル1に設ける場合には、例えば、受光部分が四角面形状の発電パネル1において、その四隅に位置ずれ検出素子群7Sを配設することにより、支持部2の支持位置から最も遠い発電パネル1の四隅における撓み等を検知して、その撓み等に対応して最も発電効率の高い状態に発電パネル1を配置することが可能となる。
さらに、5組の位置ずれ検出素子群7Sを発電パネル1に設ける場合には、例えば、前記のように、受光面が略四角形状である発電パネル1の四隅に位置ずれ検出素子群7Sを配設するとともに、発電パネル1において支持部2における支持部材の支持位置(例えば、中央部)に対応する位置に1組の位置ずれ検出素子群7Sを設けることにより、さらに当該発電パネル1の撓み等の状態に関する検出精度を高めることが可能となり、より高精度に発電パネル1を配置して発電効率の高い集光型光電変換装置とすることが可能となる。
なお、上記の実施の形態1の構成においては、発電パネル1の少なくとも3カ所の位置に位置ずれ検出素子群7Sを配設する構成で説明したが、発電モジュール4に対しても同様に少なくとも3カ所の位置に位置ずれ検出素子群7Sを設けた構成としてもよい。このように構成された同じ構成の発電モジュール4を用いて発電パネル1を構成することにより、発電パネル1における所望の位置において位置ずれの検出が可能となり、各種形状の
発電パネル1に対応することが可能な構成となる。
[発電モジュールにおける位置ずれ検出素子の配置構成]
図17は、発電モジュール4の発電回路に複数の位置ずれ検出素子群7Sを設けた構成例を示す回路図である。図17においては、発電素子7をダイオードで表記しており、位置ずれ検出素子群7S(7A、7B、7C、7D)を白抜きのダイオードで表している。図17において、(a)は発電モジュール4の発電回路に3組の位置ずれ検出素子群7Sを設けた例であり、(b)および(c)は発電モジュール4の発電回路に4組の位置ずれ検出素子群7Sを設けた例であり、(d)は、発電モジュール4の発電回路に5組の位置ずれ検出素子群7Sを設けた例である。
図17に示すように、実施の形態1の構成においては、発電回路における1つの直列回路に対して1組の位置ずれ検出素子群7S(7A、7B、7C、7D)のみを設けており、1つの直列回路には2組以上の位置ずれ検出素子群7Sを設置しない構成である。これは、位置ずれ検出素子7sを有する直列回路(位置ずれ検出直列回路80)を通常の発電素子(通常発電素子;通常光電変換素子)7と同数で構成された他の直列回路(通常発電素子直列回路70)に流れる電流値にできるだけ近い電流値で電圧差ΔVを測定するためである。
図17の(a)に示す発電モジュール4は、発電回路における下方両側の位置と、上方中央の位置の3カ所に位置ずれ検出素子群7Sの各組が配設されている。このように位置ずれ検出素子群7Sの3組を発電モジュール4に配設することにより、少なくとも当該発電モジュール4の主面の位置が規定されるとともに、この主面の位置ずれを検出することが可能となる。
なお、実施の形態1の集光型光電変換装置においては、発電モジュール4における位置ずれ検出素子群7Sの組数および配設位置は、集光型光電変換装置の仕様、構成等に応じて適宜変更されるものであり、以下に例示として4組および5組の位置ずれ検出素子群7Sを配設した構成例について説明する。
図17の(b)および(c)の発電モジュール4は、発電回路の4隅にそれぞれ1組の位置ずれ検出素子群7Sを配設している。ただし、図17の(c)に示す発電回路においては、4隅の位置ずれ検出素子群7Sを最も外側の直列回路の位置となるように配置するために、両側にそれぞれ2列設けられている位置ずれ検出直列回路80を交差させている。このように配線することにより、位置ずれ検出素子群7Sの各組が発電モジュール4において最も外側の位置になるとともに、それぞれの位置ずれ検出直列回路80における配設条件が同じとなる。
図17の(d)は、図17の(b)に示した構成において、発電モジュール4の中央部に位置ずれ検出素子群7Sを設けた例である。なお、図17の(c)に示した構成において、発電モジュール4の中央部に位置ずれ検出素子群7Sを設けてもよい。
上記のように構成された発電モジュール4を用いて、複数の発電モジュール4にて構成された発電パネル1における少なくとも3組の位置ずれ検出素子群7Sを用いて、当該発電パネル1の撓み等を検知し、太陽光を効率高く受光できるように所望の状態に太陽追尾制御を行うことができる。
図18は略四角形状の受光面を有する発電パネル1の4隅および中央部に位置ずれ検出素子群7Sを設けた例を示す図である。前述の発電モジュール4の場合と同様に、発電パネル1における発電回路の1つの直列回路には1組の位置ずれ検出素子群7Sが設けられ
ている。また、発電パネル1における中央部の位置ずれ検出素子群7Sは、太陽追尾機構の支持部2における支持部材上、例えば発電パネルの重心の位置に対応する位置に設けた場合には、この中央部は重力、風等による反り、たわみが小さく、発電パネル1における受光面の基準として利用できる。
なお、図18においては、発電パネル1における5カ所の発電モジュール4に位置ずれ検出素子群7Sを設けた例で説明したが、集光型光電変換装置における発電パネル1としては少なくとも3カ所の発電モジュール4に位置ずれ検出素子群7Sを配設することにより対応することができる。このように位置ずれ検出素子群7Sを発電パネル1の3カ所の位置に配設することにより、少なくとも当該発電パネル1の主面の位置が規定されるとともに、この主面の位置ずれを検出することが可能となる。
なお、3組の位置ずれ検出素子群7Sを発電パネル1に設ける場合においては、例えば、発電パネル1の裏面の中央部を支持する支持部2の太陽追尾機構2aの支持部材、例えば支持軸(鉛直方向に延設された回転軸)を中心として同一円上にあり、互いに等間隔の位置に3組の位置ずれ検出素子群7Sを配設することにより、各位置ずれ検出素子群7Sが支持軸から等距離であり、発電パネル1において同様の影響を受ける位置に配置される。その結果、3組の位置ずれ検出素子群7Sからの検出電圧の比較が容易であり、精度の高い撓み等を検出することが可能となる。ただし、上記の「同一円上」、および「等間隔」とは、完全に同一円、又は完全に等しい距離を指すものではなく、実質的に同様の効果を奏する範囲を含むものである。
また、発電パネル1における位置ずれ検出素子群7Sの配設位置においては、その検出値に対して、当該発電パネルの構成等を考慮して重み付けて演算処理を行うことにより、位置ずれ検出精度をさらに高めることが可能となる。
[複数の位置ずれ検出素子の位置ずれ検出および角度修正方法]
図19は、複数の位置ずれ検出素子群7Sを発電パネル1の所定の位置に設置した場合の、位置ずれ検出および角度修正方法を示す太陽追尾プログラムのフローチャートである。この太陽追尾プログラムは、集光型光電変換装置に設けられた制御部において実行されており、各位置ずれ検出素子7sの検出電圧情報、および通常発電素子7nの検出電圧情報等が入力された制御部がこれらの情報に基づいて2軸(X軸、Y軸)の回転軸を備えた太陽追尾機構2aを駆動制御している。
先ず始めのステップ3001において、制御部は複数の位置ずれ検出素子7sのそれぞれにおける電圧を検出する。その検出された電圧に基づいて、上下方向(X軸)、左右方向(Y軸)に関する位置ずれ検出素子7sの電圧差ΔVを検出し、それぞれの電圧差ΔVに基づいて太陽追尾のずれ角を算出する(ステップ3002)。
次に、制御部はステップ3002において算出されたそれぞれのずれ角の最大値と最小値との差であるばらつきを算出する(ステップ3003)。
ステップ3004においては、制御部が算出されたそれぞれのばらつきが基準値以下であるか否かを判断する。ばらつきが基準値以下であれば、発電パネル1の反り、撓み、歪みが小さいことを示している。反対に、ばらつきが基準値を超えていれば、反り、撓み、歪みが大きすぎて、どのようにずれ角を修正しても発電パネル1において集光スポット300が受光領域100からはみ出す発電素子7が発生していることを示している。このような状況においては、例えば、前述の表2に示した数値の算出において用いたパラメータの場合、X軸、Y軸のいずれかにおいて、ずれ角の最大値と最小値の差が約0.8°(例えば、ずれ角が0.4°以上で集光スポット300が受光領域100からはみ出す場合に、X軸方向のずれ角の最小値が−0.3°、最大値が0.5°の場合など)を超えるばらつきを有するときには、当該発電パネル1を有する集光型光電変換装置が故障信号を装置外部に出力するよう構成されている(ステップ3005)。この状況においては、メンテナンスを行い、当該発電パネル1の再調整、例えば、発電パネル1の枠体8と発電モジュール4との間にスペーサを設ける等の調整作業が行われる。
太陽追尾のずれ角の最大値と最小値との差が基準値(例えば、0.8°)以下となり、発電パネル1に多少の反り、撓み、歪みがあっても、適切な太陽追尾の角度修正を行うことにより、当該発電パネル1における各集光スポット300がそれぞれの受光領域100からはみ出るような発電素子7が発生しない場合には、それぞれの位置ずれ検出素子7sにより検出されたずれ角の平均値を算出する(ステップ3006)。複数箇所の太陽追尾のずれ角の平均値は、概ね発電パネル全体の太陽追尾のずれ角と考えてよい。したがって、この平均値に基づいて太陽追尾の角度修正処理が行われる。
ステップ3007においてずれ角の平均値が基準値以上であれば、ステップ3009において太陽追尾の角度修正を平均値分だけ実行される。一方、ステップ3007においてずれ角の平均値が基準値未満であれば、ステップ3008において太陽追尾機構の軌道位置を維持する。
図20は、複数の位置ずれ検出素子7sを発電モジュール4の所定の位置に設置した場合の、位置ずれ検出および角度修正方法を示す太陽追尾プログラムのフローチャートである。この太陽追尾プログラムにおいても、集光型光電変換装置に設けられた制御部において実行されており、各位置ずれ検出素子7sの検出電圧情報、および通常発電素子7nの検出電圧情報等に基づいて制御部が2軸(X軸、Y軸)の回転軸を備えた太陽追尾機構2aを駆動制御している。
先ず始めのステップ4001において、発電パネル1に搭載している全ての発電モジュールにおける複数の位置ずれ検出素子7sのそれぞれにおける電圧を検出する。その検出された電圧に基づいて、上下方向(X軸)、左右方向(Y軸)の電圧差ΔVを検出し、それぞれの電圧差ΔVに基づいて、制御部は太陽追尾のずれ角を算出する(ステップ4002)。
次に、制御部は、ステップ4002において算出された各発電モジュール4におけるそれぞれのずれ角の最大値と最小値との差であるばらつきを算出する(ステップ4003)。
ステップ4004においては、制御部が算出された各発電モジュール4におけるそれぞれのばらつきが基準値以下であるか否かを判断する。ばらつきが基準値以下であれば、発電モジュールの反り、撓み、歪みが小さいことを示している。反対に、ばらつきが基準値を超えていれば、反り、撓み、歪みが大きすぎて、どのようにずれ角を修正しても発電モジュール4において集光スポット300が受光領域100からはみ出す発電素子7が発生していることを示している。このような状況においては、例えば、前述の表2の算出において用いたパラメータの場合、X軸、Y軸のいずれかにおいて、ずれ角の最大値と最小値の差が約0.8°(例えば、ずれ角が0.4°以上で集光スポット300が受光領域100からはみ出す場合に、X軸方向のずれ角の最小値が−0.3°、最大値が0.5°の場合など)を超えるばらつきを有するときには、当該発電モジュール4が故障していることを示す故障信号が装置外部へ出力される(ステップ4005)。この状況においては、メンテナンスを行い、不良箇所の発電モジュール4の再調整・交換などを行う。
ステップ4004において、各発電モジュール4におけるばらつきが基準値以下であれ
ば、ステップ4006において、制御部は、複数の発電モジュール4で構成された発電パネル1の全体における太陽追尾のずれ角の最大値と最小値の差を算出する。次のステップ4007においては、前述のステップ4004と同様に、例えば、前述の表2の算出において用いたパラメータの場合の例では、X軸、Y軸のいずれかにおいて、ずれ角の最大値と最小値の差が約0.8°を超えるばらつきを有する場合、当該発電パネル1が故障していることを示す故障信号を出力する(ステップ4005)。この場合には、メンテナンスを行い、当該発電パネル1の再調整、例えば、発電パネル1の枠体8と発電モジュール4との間にスペーサを設ける等の調整作業が行われる。
発電パネル1の全体において、太陽追尾のずれ角の最大値と最小値との差が一定値(例えば、0.8°)以下となり、発電パネル1に多少の反り、撓み、歪みがあっても、適切な太陽追尾の角度修正動作を行うことにより、当該発電パネル1における集光スポット300が受光領域100からはみ出るような発電素子7が発生しない場合には、発電パネル1の全体の太陽追尾のずれ角の平均値を算出する(ステップ4008)。このように算出された平均値が基準値と比較され(ステップ4009)、平均値が基準値以上であれば太陽追尾の角度修正動作が行われる(ステップ4011)。反対に、平均値が基準値を超えていれば、太陽追尾機構の軌道位置が維持される(ステップ4010)。
なお、図19および図20に示した太陽追尾プログラムについては、図13に示した太陽追尾プログラムにおいて説明したように1分毎程度に起動すればよい。
上記のように構成された実施の形態1の集光型光電変換装置は、刻々に変化する太陽の位置を正確に追尾し、撓み、歪み、反り等を考慮して、そのときの最大の発電量を発生させて、発電効率を高めることができる構成を有するとともに、発電モジュールおよび/または発電パネルにおいて効率の高い発電に適さない状態となったときには故障信号を装置外部へ出力して適切な対処を行うことが可能な構成となっている。
また、実施の形態1の集光型光電変換装置においては、発電回路における一部の光電変換素子である発電素子を用いて太陽追尾の位置ずれ検出機構が構成されているため、重量増加および製造コストの増大に繋がることがなく、軽量化および製造コストの低減を図ることができる。
以上のように、実施の形態1の集光型光電変換装置は、簡単な構成の追尾機構を用いて装置の軽量化および低コスト化を達成するとともに、大型のパネルにおいて撓みや歪み等が生じても、そのときの太陽の位置における最適な位置に配置されて最大の発電量を得ることができるものである。
《実施の形態2》
以下、実施の形態2の集光型光電変換装置の一例について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態2の集光型光電変換装置の説明においては、前述の実施の形態1における要素と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態2の集光型光電変換装置における位置ずれ検出直列回路を有する発電回路は、位置ずれ発生時の発電量低下を抑制するために、以下のような回路構成としている。実施の形態2における位置ずれ検出直列回路80は、前述の実施の形態1において説明した位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)と複数の通常発電素子7nとの直列回路で構成されている。
もし、発電回路を構成する全ての発電素子を位置ずれ検出に用いた場合には、位置ずれ
発生時に発電量が大きく低下する。そこで、実施の形態1および実施の形態2の集光型光電変換装置においては、位置ずれ検出時の発電量低下を回避するために、下記の構成を有している。
実施の形態2の集光型光電変換装置においては、実施の形態1の集光型光電変換装置と同様に、位置ずれが発生していない状態では集光スポット300の中心位置に受光領域100の中心が設定された発電素子(通常発電素子)7nと、集光スポット300の中心位置が受光領域100の中心位置からずれた位置に配置された位置ずれ検出を兼ねた発電素子(位置ずれ検出素子)7sの両方で発電を行う構成である。
実施の形態2の集光型光電変換装置においては、通常発電素子7nのみを直列に接続して構成された複数の通常発電素子直列回路70と、集光スポットの中心位置からそれぞれ上側、下側、左側、右側の各方向に位置をずらした4個の位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)が複数の通常発電端子7nと直列に接続された複数の位置ずれ検出直列回路80と、により発電回路が構成されている。上記のように、位置ずれ検出直列回路80には複数の通常発電端子7nが直列に接続されており、位置ずれ検出直列回路80における1つの位置ずれ検出素子7A、7B、7C、7Dの分担電圧が小さくなるよう構成されている。
特に、実施の形態2の集光型光電変換装置においては、位置ずれ検出直列回路80に設けられる位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)としては、当該位置ずれ検出直列回路80に設けられている通常発電素子7nにおける最も小さい短絡電流の素子よりも、短絡電流が大きな特性を有する素子が用いられている。即ち、位置ずれのない発電状態において、通常発電素子直列回路70の電圧よりも位置ずれ検出直列回路80の電圧が大きくなるように、予め、位置ずれ検出直列回路80におけるそれぞれの発電素子7が選択されている。
上記のように、実施の形態2の集光型光電変換装置においては、位置ずれ検出直列回路80を構成する位置ずれ検出素子7s(7A、7B、7C、7D)の仕様を特定するものであり、基本的な構成は前述の実施の形態1の集光型光電変換装置の構成と同じである。したがって、その違いについて、前述の図17の(a)に示した発電モジュール4の発電回路を用いて説明する。
図17の(a)〜(d)に示した発電回路は、多数の通常発電素子直列回路70と、所定の位置に設けられた複数の位置ずれ検出直列回路80とにより並列回路が構成されている。このように、多数の通常発電素子直列回路70を設けるとともに、各位置ずれ検出直列回路80に多数の通常発電素子7を設けることにより、位置ずれの発生を検出したとき、発電回路全体の電圧低下の割合を小さくすることができるとともに、発電回路の電流量低下の割合を小さくすることが可能となる。
実施の形態2の集光型光電変換装置においては、位置ずれ検出素子7sとして短絡電流ができるだけ大きい素子が用いられている。即ち、位置ずれ検出直列回路80において用いられている通常発電素子7の短絡電流より大きな値を持つ発電素子が位置ずれ検出素子7sとして用いられている。このように、位置ずれ検出素子7sとして大きな短絡電流の素子を用いることにより、位置ずれ発生により位置ずれ検出素子7sの電流値が低下した場合において、発電効率および発電量に対する影響を小さくすることが可能となる。
また、実施の形態2の集光型光電変換装置においては、発電素子7の特性のばらつきを考慮に入れて、予め出力電圧の高い特性を有する発電素子を選別しておき、位置ずれ検出直列回路80の全体の電圧が、通常発電素子直列回路70の全体の電圧よりも高くなるよ
うに、予め位置ずれ検出直列回路80に出力電圧の高い特性を有する発電素子を用いている。このように構成することにより、位置ずれ検出時において位置ずれ検出素子7sの電圧値が低下した場合においても、集光型光電変換装置の全体の発電回路に対する影響を小さくすることができる。
以上のように、実施の形態2の集光型光電変換装置は、前述の実施の形態1における作用、効果を奏するとともに、さらに位置ずれ検出時の発電量の低下を抑制することが可能となり、高い発電効率を得ることができる。
《実施の形態3》
以下、実施の形態3の集光型光電変換装置の一例について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態3の集光型光電変換装置の説明においては、前述の実施の形態1および実施の形態2における要素と同様の機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
実施の形態3の集光型光電変換装置は、前述の実施の形態1および実施の形態2の集光型光電変換装置の技術的特徴に加えて、位置ずれ検出素子7sによる検出精度をさらに高めるための構成を有するものである。
集光型光電変換装置において、複数個所の位置ずれ検出素子7sの電圧を測定するに当たり、同じ電流値での電圧を測定することが望ましい。このため、それぞれの位置ずれ検出直列回路80においては、同じ仕様の部品を用いて同じ電流値となるように構成されているが、電流値は必ずしも一致しない。
そこで、実施の形態3の集光型光電変換装置においては、以下のように構成して位置ずれ検出素子7sによる検出精度をさらに高める構成とした。
図21は、実施の形態3の集光型光電変換装置における発電モジュール4の位置ずれ検出直列回路80の回路構成を示す図である。図21に示すように、発電モジュール4における4隅の位置と、中央部の位置に5組の位置ずれ検出素子群7S(7A,7B,7C,7D)が設けられており、それぞれが直列に接続されている。したがって、5組の位置ずれ検出素子群7Sのそれぞれの発電素子には同じ電流値が流れ、それぞれの電圧差を精度高く検出できるように構成されている。このような回路構成の場合、位置ずれを検出したときの位置ずれ検出直列回路80における電圧低下が大きくならないように、予め、この位置ずれ検出直列回路80に用いられている位置ずれ検出素子7sとしては、他の通常発電素子7nの開放電圧より高い開放電圧を有する素子を使用している。このように位置ずれ検出直列回路80における位置ずれ検出素子7sの仕様を予め選択しておくことにより、位置ずれ検出時において通常発電素子直列回路70よりも電圧が低くなりすぎるのを抑えることが可能となり、発電量の低下を抑制することができる。
図22は、実施の形態3の集光型光電変換装置における別の構成例(変形例)を示す図である。図22に示す集光型光電変換装置は、発電パネル1の4隅と中央部に5組の位置ずれ検出素子群7S(7A、7B、7C、7D)が設けられており、それぞれが直列に接続されている。したがって、5組の位置ずれ検出素子群7Sのそれぞれの発電素子には同じ電流値が流れ、発電パネル1のX軸およびY軸を駆動制御するために、それぞれの電圧差を精度高く検出できるように構成されている。このように構成された発電パネル1においても、位置ずれを検出したときの位置ずれ検出直列回路80における電圧低下が大きくならないように、予め、この位置ずれ検出直列回路80に用いられている位置ずれ検出素子7sとしては、他の通常発電素子7nの開放電圧より高い開放電圧を有する素子を使用する。このように位置ずれ検出直列回路80における位置ずれ検出素子7sの仕様を予め
選択して、位置ずれ検出時において通常発電素子直列回路70よりも電圧が低くなりすぎるのを抑えて、発電パネル1における発電量の低下を抑制することができる。
実施の形態3の集光型光電変換装置においては、発電モジュール4(図21)または発電パネル1(図22)における4隅と中央部に5組の位置ずれ検出素子群7S(7A、7B、7C、7D)を設けた例で説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、主要な平面(主面)を規定することができる3カ所の位置や、四隅の位置に位置ずれ検出素子群7S(7A、7B、7C、7D)を設けてもよく、少なくとも3カ所の位置に位置ずれ検出素子群7S(7A、7B、7C、7D)を設けてそれぞれを直列に接続する構成であれば、精度の高い電圧差を測定することが可能となる。
上記のように実施の形態3の集光型光電変換装置においては、複数箇所の位置ずれ検出素子7sのいずれにおいても同じ電流値で電圧差を検出することができるため、精度高く電圧差を測定することができ、高精度なずれ角の検出、および太陽追尾動作を行うことが可能となる。
なお、実施の形態3の集光型光電変換装置においては、電圧差に基づく太陽追尾の角度修正方法として前述の実施の形態1において説明した方法(第1の検出方法又は第2の検出方法)が用いられる。
また、各実施の形態において用いた太陽追尾プログラムは、集光型光電変換装置の制御部において、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク、磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
なお、前記様々な実施の形態又は変形例のうちの任意の実施の形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示においては、通常光電変換素子と、第1の位置ずれ検出素子、第2の位置ずれ検出素子、第3の位置ずれ検出素子、及び第4の位置ずれ検出素子を含む位置ずれ検出素子群とを有する受光面を備える発電パネルであって、
前記通常光電変換素子は、入射した光を集光する通常集光レンズと、前記集光された光を通過する集光領域の中心と一致する中心位置を有する通常受光領域を有し、前記通常受光領域で受光した光を電気に変換し、
前記第1の光電変換素子は、入射した光を集光する第1の集光レンズと、前記集光された光を通過する集光領域の中心から上方向にずれた位置に中心位置を有する第1の受光領域を有し、前記第1の受光領域で受光した光を電気に変換し、
前記第2の光電変換素子は、入射した光を集光する第1の集光レンズと、前記集光された光を通過する集光領域の中心から下方向にずれた位置に中心位置を有する第2の受光領域を有し、前記第2の受光領域で受光した光を電気に変換し、
前記第3の光電変換素子は、入射した光を集光する第3の集光レンズと、前記集光された光を通過する集光領域の中心から右方向にずれた位置に中心位置を有する第3の受光領域を有し、前記第3の受光領域で受光した光を電気に変換し、
前記第4の光電変換素子は、入射した光を集光する第4の集光レンズと、前記集光された光を通過する集光領域の中心から左方向にずれた位置に中心位置を有する第4の受光領域を有し、前記第4の受光領域で受光した光を電気に変換し、
前記位置ずれ検出素子群は、前記受光面の少なくとも3ヵ所に配置される、
発電パネルである。
また、本開示においては、前記発電パネルを支持し、前記発電パネルの受光面を光に対向させる光追尾機構を備える集光型光電変換装置であって、
前記光追尾機構は、前記位置ずれ検出素子群における第1の位置ずれ検出素子、第2の位置ずれ検出素子、第3の位置ずれ検出素子、第4の位置ずれ検出素子のそれぞれの変換された電気の大きさを用いて、前記受光面を光に対向させる方向を変更する、
集光型光電変換装置である。
本開示の集光型光電変換装置は、安全で環境に優しいエネルギー源として太陽光を利用する太陽電池などにおいて用いられる。
1 発電パネル
2 支持部
2a 太陽追尾機構
2b 基台
4 発電モジュール
5 レンズアレイ
6 配線基板
7 発電素子
7n 通常発電素子(通常光電変換素子)
7s 位置ずれ検出素子
7S 位置ずれ検出素子群
70 通常発電素子直列回路
80 位置ずれ検出直列回路
100 受光領域
300 集光スポット

Claims (11)

  1. 集光された光が入射されて発電する複数の光電変換素子を有する発電モジュールが平板状に並設された発電パネルと、
    前記発電パネルを支持し、前記発電パネルの受光面を光に対向させる光追尾機構を備える支持部と、を具備する集光型光電変換装置であって、
    前記発電パネルの受光面を光に対向した状態において、前記複数の光電変換素子における一部の光電変換素子が、受光領域の中心を集光スポットの中心から上下左右の4方向に所定距離ずらして配置されて、4方向の位置ずれを検出する第1位置ずれ検出素子と第2位置ずれ検出素子と第3位置ずれ検出素子と第4位置ずれ検出素子とを備えた位置ずれ検出素子群で構成され、
    前記第1位置ずれ検出素子と前記第2位置ずれ検出素子と前記第3位置ずれ検出素子と前記第4位置ずれ検出素子が直列に接続されており、
    前記位置ずれ検出素子群が前記発電パネルの受光面の少なくとも3カ所に設けられ、前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの前記第1位置ずれ検出素子と前記第2位置ずれ検出素子と前記第3位置ずれ検出素子と前記第4位置ずれ検出素子の検出電圧に基づいて前記光追尾機構が軌道位置を修正するよう構成された集光型光電変換装置。
  2. 前記発電モジュールが備える前記複数の光電変換素子は、前記発電パネルの受光面を光に対向した状態において、受光領域の中心を集光スポットの中心から上下左右の4方向に所定距離ずらして配置された前記位置ずれ検出素子群と、受光領域の中心を集光スポットの中心と一致するよう配置された複数の通常光電変換素子と、により構成され、
    前記発電モジュールは、前記位置ずれ検出素子群に複数の通常光電変換素子が直列に接続された複数の位置ずれ検出直列回路と、複数の通常光電変換素子が直列に接続された複数の通常発電素子直列回路と、の並列回路により構成された請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  3. 前記位置ずれ検出直列回路の前記位置ずれ検出素子群に用いられている光電変換素子の短絡電流の値は、当該位置ずれ検出直列回路において用いられている通常光電変換素子における最も小さい短絡電流の値より大きな値を有する請求項2に記載の集光型光電変換装置。
  4. 前記位置ずれ検出直列回路における前記位置ずれ検出素子群に用いられている光電変換素子は、前記通常発電素子直列回路における前記通常光電変換素子より出力電圧が高い素子が用いられた請求項2に記載の集光型光電変換装置。
  5. 前記位置ずれ検出素子群は、前記発電パネルにおける少なくとも3カ所の前記位置ずれ検出素子群が直列に接続された請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  6. 前記位置ずれ検出素子群は、前記発電モジュールにおける受光面における少なくとも3カ所に設けられ、当該発電モジュールにおける少なくとも3カ所の前記位置ずれ検出素子群が直列に接続された請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  7. 前記支持部は、前記発電パネルにおける受光面の反対側にある裏面の中央部において支持部材により支持され、前記光追尾機構により2軸方向に回動するように構成されており、
    少なくとも3カ所の前記位置ずれ検出素子群が、前記発電パネルの中央部を中心として同一円上にあり、互いに等間隔の位置に配設された請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  8. 前記発電パネルは受光面が略四角形状であり、
    前記位置ずれ検出素子群は、前記発電パネルの受光面の四隅に設けられた請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  9. 前記発電パネルは受光面が略四角形状であり、
    前記位置ずれ検出素子群は、前記発電パネルの受光面の四隅および中央部に設けられた請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  10. 前記光追尾機構は、4方向における逆方向の位置ずれを検出する前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの検出電圧の電圧差を算出して、前記発電パネルを2軸方向に回動させて前記光追尾機構のずれ角を修正するよう構成された請求項1に記載の集光型光電変換装置。
  11. 前記光追尾機構は、4方向における位置ずれを検出する前記位置ずれ検出素子群におけるそれぞれの検出電圧と、当該位置ずれ検出素子群と直列に接続された通常光電変換素子の検出電圧との電圧差を算出して、前記発電パネルを2軸方向に回動させて前記光追尾機構のずれ角を修正するよう構成された請求項1に記載の集光型光電変換装置。
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