JP5848691B2 - 砥石保持装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に開示された研磨装置においては、研磨砥石が強力な接着剤により砥石フランジに接着されているので、摩耗した研磨砥石を新たな研磨砥石に交換する交換作業に長時間を要してしまうという問題がある。具体的には、摩耗した研磨砥石を砥石フランジから除去する作業と、新たな研磨砥石を接着剤により砥石フランジに接着する作業とが、交換作業として必要となる。
摩耗した研磨砥石を砥石フランジから除去するには、剥離溶剤を接着剤に塗布する方法や、接着剤に熱を加える方法があるが、いずれも数時間程度の作業時間を要する。また、新たな研磨砥石を接着剤により砥石フランジに接着する場合、接着剤が乾燥するまでに5〜10時間程度の作業時間を要する。
そして、交換作業を行っている間は、研磨装置による被研磨体の研磨を行うことができず、研磨装置の作業効率が著しく低下してしまうという問題がある。
また、交換作業に伴って消耗品である剥離溶剤や接着剤が用いられるので、交換作業を行うことによるコストの負担が大きいという問題がある。
また、前述した剥離溶剤や接着剤等の材料は、研磨装置の周囲の環境や研磨装置により研磨される製版ロールにとって望ましい性質を持っていない場合もあり、これらの材料をできる限り用いたくないという要望もある。
本発明に係る砥石保持装置は、円柱状の研磨砥石をその中心軸周りに回転させる回転機構に取り付けられる円板状の取付座と、該取付座の軸線を挟む両側に配置され、前記軸線に直交する方向に移動可能に前記取付座に取り付けられ、前記研磨砥石の前記中心軸方向の一端面に接触させられる端部接触面と前記研磨砥石の外周面に接触させられる円弧内面状の外周接触面とを有する平面視扇形の一対の保持部材と、一対の該保持部材を相互に近接する方向に移動させる締結具とを備えることを特徴とする。
このようにすることで、研磨砥石の交換作業を容易にかつ短時間に行うことが可能となる。
このようにすることで、研磨砥石が備える貫通孔がボス部により保持され、研磨砥石をより確実に回転機構に取り付けることが可能となる。また、貫通孔がボス部により保持され、研磨砥石の中心軸と取付座の軸線とが一致するので、接着剤の乾燥によって研磨砥石の中心軸が取付座の軸線からずれてしまうという従来の不具合を防止することができる。また、一対の保持部により研磨砥石の外周面に加えられる研磨砥石の中心軸に向かう押圧力を、ボス部により研磨砥石の貫通孔に加えられる研磨砥石の外方に向かう押圧力で相殺することにより、研磨砥石が破壊される可能性を低くすることができる。
このようにすることで、研磨砥石の貫通孔の径に応じてボス部を交換し、研磨砥石をより確実に回転機構に取り付けることが可能となる。
このようにすることで、一対の保持部の外周接触面と研磨砥石の外周面との間の摩擦力が高められ、研磨砥石が一対の保持部に強固に保持される。したがって、研磨砥石が中心軸周りに回転する際に、研磨砥石が外れる可能性を低減することができる。特に、水等の研磨液を研磨砥石にかけながら研磨する場合、研磨砥石が研磨液を吸収して膨張するのに応じて、研磨砥石の外周面と一対の保持部の外周接触面との間の摩擦力がより高められ、研磨砥石が外れる可能性をより低減することができる。
このようにすることで、アリ溝とアリ溝に摺動可能に係合する凸部により、一対の保持部材を取付座に対して、取付座の軸線に直交する方向に移動可能に取り付けることができる。
このようにすることで、一対の保持部材を相互に近接する方向に移動させて締結する際に、一方の保持部材の締結孔に挿入された締結ボルトの方向に合わせて、他方の保持部材の嵌合孔に嵌合される円柱状部材が軸線周りに回転することにより、締結ボルトの雄ネジ部と円柱状部材のネジ孔とを適切に締結させることができる。
本実施形態に係る砥石保持装置1は、図1〜図6に示されるように、取付座2と、一対の保持部材3(保持部材3a,3b)と、締結具4(締結ボルト4a,4b,円柱状部材4c,4d)と、ボス部5とを備える。砥石保持装置1は、円柱状の研磨砥石Pをその中心軸C周りに回転させる研磨装置の回転機構(不図示)の先端に設けられたフランジ部Fに固定され、研磨砥石Pを保持するものである。取付座2と、一対の保持部材3と、締結具4と、ボス部5の材料としては、例えば、アルミ等の金属材料を用いるのが望ましい。
後述するように、一対の保持部材3は研磨砥石Pを保持する部材であり、研磨砥石Pの中心軸方向の一端面に接触させられる端部接触面S1と研磨砥石Pの外周面に接触させられる円弧内面状の外周接触面S2とを有する。
図4に示されるように、一対の保持部材3は、平面視が半円形の保持部材3a,3bにより構成されている。
保持部材3aには、前述した取付座本体2aのアリ溝2rに摺動可能に係合する凸部3cが設けられている。同様に、保持部材3bには、前述した取付座本体2aのアリ溝2sに摺動可能に係合する凸部3dが設けられている。一対の保持部材3が取付座2に取り付けられた状態において、凸部3c,3dは、それぞれ取付座2の回転中心となる軸線に直交する方向に延びており、図4において点線で示される根元部の幅W3よりも、実線で示される先端部の幅W4が広い形状となっている。
なお、凸部3cがアリ溝2rに摺動可能に係合するように、幅W3が幅W1よりも狭く、幅W4が幅W2よりも狭くなっている。同様に、凸部3dがアリ溝2sに摺動可能に係合するように、幅W3が幅W1よりも狭く、幅W4が幅W2よりも狭くなっている。
一対の保持部材3は研磨砥石Pを保持する部材であり、図5に示されるように、研磨砥石Pの中心軸方向の一端面に接触させられる端部接触面S1と研磨砥石Pの外周面に接触させられる円弧内面状の外周接触面S2とを有する。保持部材3a,3bは平面視が半円形の部材であり、図1に断面が示されるように、研磨砥石Pの中心軸の近くに位置する部分の中心軸方向の幅W5が狭く、研磨砥石Pの中心軸から遠くに位置する部分の中心軸方向の幅W6が広い。そして、保持部材3a,3bの幅W5の部分の一端面が端部接触面S1となっており、保持部材3a,3bの幅W5の部分の研磨砥石P側の面が外周接触面S2となっている。外周接触面S2は、図5に示されるように、円弧内面状の面となっている。
ボス部5は研磨砥石Pの貫通孔に嵌合する円柱状の部材であり、ボス部5の外径Dと研磨砥石Pの貫通孔の内径とは略一致している。また、ボス部5は、図1に示されるように、取付座本体2aに締結ボルト6により締結される部材であり、取付座2に着脱可能に設けられている。研磨砥石Pの貫通孔の径に応じた適切な外形Dとなるボス部5を交換することにより、研磨砥石Pを適切に保持するように砥石保持装置1を構成することができる。
先ず始めに、取り付ける対称となる研磨砥石Pの貫通孔の内径に対応する外径を有するボス部5を取付座2の取付座本体2aに装着する。その後、取付座2を作業台等の平面上に、棒ネジ2b,2dが平面上に突き当てられないように退避された状態で配置する。
また、本実施形態の砥石保持装置1は、締結ボルト4aと締結ボルト4bによる締結の度合いを均等にしなくとも保持部材3aと保持部材3bとを締結することができる構造となっている。
このようにすることで、研磨砥石Pの交換作業を容易にかつ短時間に行うことが可能となる。
このようにすることで、研磨砥石Pが備える貫通孔がボス部5により保持され、研磨砥石Pをより確実に回転機構に取り付けることが可能となる。また、貫通孔がボス部5により保持され、研磨砥石Pの中心軸Cと取付座2の軸線とが一致するので、接着剤の乾燥によって研磨砥石Pの中心軸Cが取付座2の軸線からずれてしまうという従来の不具合を防止することができる。また、一対の保持部材3により研磨砥石Pの外周面に加えられる研磨砥石Pの中心軸Cに向かう押圧力を、ボス部5により研磨砥石Pの貫通孔に加えられる研磨砥石Pの外方に向かう押圧力で相殺することにより、研磨砥石Pが破壊される可能性を低くすることができる。
このようにすることで、研磨砥石Pの貫通孔の径に応じてボス部5を交換し、研磨砥石Pをより確実に回転機構に取り付けることが可能となる。
このようにすることで、一対の保持部材3の外周接触面S2と研磨砥石Pの外周面との間の摩擦力が高められ、研磨砥石Pが一対の保持部材3に強固に保持される。したがって、研磨砥石Pが中心軸C周りに回転する際に、研磨砥石Pが外れる可能性を低減することができる。特に、水等の研磨液を研磨砥石Pにかけながら研磨する場合、研磨砥石Pが研磨液を吸収して膨張するのに応じて、研磨砥石Pの外周面と一対の保持部材3の外周接触面S2との間の摩擦力がより高められ、研磨砥石Pが外れる可能性をより低減することができる。
このようにすることで、アリ溝2r,2sとアリ溝2r,2sに摺動可能に係合する凸部3c,3dにより、一対の保持部材3を取付座2に対して、取付座2の軸線に直交する方向に移動可能に取り付けることができる。
このようにすることで、一対の保持部材3を相互に近接する方向に移動させて締結する際に、一方の保持部材3の締結孔3f,3gに挿入された締結ボルト4a,4bの方向に合わせて、他方の保持部材3の嵌合孔3h,3iに嵌合される円柱状部材4c,4dが軸線周りに回転することにより、締結ボルト4a,4bの雄ネジ部と円柱状部材4c,4dのネジ孔とを適切に締結させることができる。
2 取付座
2a 取付座本体
2b,2d 棒ネジ
2c,2e ナット
2f〜2m 貫通孔
2n〜2q 貫通孔
2r,2s アリ溝
3 一対の保持部材
3a,3b 保持部材
3c,3d 凸部
3f,3g 締結孔
3h,3i 嵌合孔
3j〜3q ネジ孔
4a,4b 締結ボルト
4c,4d 円柱状部材
5 ボス部
E1 アリ溝2rの端部
E2 アリ溝2sの端部
E3 凸部3cの端部
E4 凸部3dの端部
P 研磨砥石
S1 端部接触面
S2 外周接触面
W1 アリ溝の開口部の幅
W2 アリ溝の奧部の幅
W3 凸部の根元部の幅
W4 凸部の先端部の幅
Claims (6)
- 円柱状の研磨砥石をその中心軸周りに回転させる回転機構に取り付けられる円板状の取付座と、
該取付座の軸線を挟む両側に配置され、前記軸線に直交する方向に移動可能に前記取付座に取り付けられ、前記研磨砥石の前記中心軸方向の一端面に接触させられる端部接触面と前記研磨砥石の外周面に接触させられる円弧内面状の外周接触面とを有する平面視扇形の一対の保持部材と、
一対の該保持部材を相互に近接する方向に移動させる締結具とを備える砥石保持装置。 - 前記研磨砥石が前記中心軸に沿って貫通する貫通孔を備え、
前記取付座に、前記貫通孔に嵌合する円柱状のボス部が設けられている請求項1に記載の砥石保持装置。 - 前記ボス部が前記取付座に着脱可能に設けられている請求項2に記載の砥石保持装置。
- 前記外周接触面に、凹凸部が設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の砥石保持装置。
- 前記取付座および前記一対の保持部材のいずれか一方に、前記軸線に直交する方向に延びるアリ溝が設けられており、
前記取付座および前記一対の保持部材のいずれか他方に、前記アリ溝に摺動可能に係合する凸部が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の砥石保持装置。 - 前記締結具が、先端部に雄ネジ部を備える締結ボルトと、該雄ネジ部と締結可能なネジ孔が外周面に設けられた円柱状部材とを備え、
前記一対の保持部材が、前記軸線に直交する方向に延びる締結孔と、該円柱状部材が前記中心軸と平行な軸線周りに回転可能に嵌合される嵌合孔を備え、
前記締結孔に挿入された前記締結ボルトの前記雄ネジ部が、前記嵌合孔に嵌合された前記円柱状部材の前記ネジ孔に締結される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の砥石保持装置。
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