JP5841895B2 - 地盤改良工具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、軟弱地盤を掘削しながらセメント、モルタルの如き固化材を地中に吐出して建造物の荷重等に耐えることができるように地盤を改良するのに用いられる地盤改良工具の改良に関するものである。
従来技術によるこの種の地盤改良工具が特許文献1に開示されている。この特許文献に記載された工具は、回転軸を兼ねる内管21とこの内管21が回転自在に嵌入する外管51とから成り、外管51の下端から突出する内管21の下端部に掘削翼91が設けられ、また外管51の外周には撹拌翼95及び自由回転翼97が設けられており、掘削翼91で地中を掘削しながら地中内を下降し、後に述べるように、外管51の撹拌翼91よりも下方に設けられた第1の吐出口57aを開いてこの第1の吐出口57aから内管21内の固化材流路31内に供給される固化材を吐出し、工具の下降の進行で地中に吐出された固化材と土とを掘削横91と撹拌翼95とによって撹拌しながら混合する。所定の深さまで工具が下降した後、工具を上昇しつつ外管51の撹拌翼95よりも上方に設けられた第2の吐出口57bを開いてこの第2の吐出口57bから内管21内の固化材流路31内に供給されている固化材を地中に吐出し、工具の上昇の進行で同様に地中に吐出された固化材と土とを掘削翼91と撹拌翼95とによって撹拌しながら混合する。このように工具の下降と上昇とを繰り返して所定の深さで固化材と土とが混合して固化された地盤を作る。
特許文献1に開示された従来技術においては、固化材は、内管21内の固化材流路31から水平に延びる分岐孔27h1、27h2を介して外管51の第1及び第2の吐出口57a、57bにそれぞれ導かれており、これらの吐出口は、内管(回転軸)21を正回転して掘削する際に内管21の外管51に対する限定的な相対回転によって分岐孔27h1を第1の吐出口57aに整列して第1の吐出口57aを開き、内管(回転軸)21を逆回転して工具を上昇する際の内管21の外管51に対する逆方向への限定的な相対回転によって分岐孔27h1を第1の吐出口57aから外してこの第1の吐出口57aを閉じると共に、分岐孔27h2を第2の吐出口57bに整列して第2の吐出口57bを開いている。
しかし、この従来技術の工具では、固化材の吐出経路は、外管51に設けられた第1及び第2の吐出口57a、57bが内管21内の分岐孔27h1、27h2を介して内管21内の固化材流路31に連通して形成されているので、固化材が内管21の外周と外管51の内周との間に漏洩して内管(回転軸)21の外管51に対する正逆の円滑な回転を阻害して第1及び第2の吐出口57a、57bの開閉の切替えを阻害する欠点があった。
また、この従来技術の工具は、固化材を吐出する上下の2つの吐出口を有しているが、工具の下降時に、掘削翼91側にある第1(下方)の吐出口57aを開いて工具の下端側のみから固化材を掘削地中に吐出し、工具の上昇時に、第1(下方)の吐出口57aを閉じて撹拌翼95の上方にある第2の吐出口57bのみを開いて工具の上方側のみから固化材を掘削地中に吐出するので、固化材の吐出量が少なく、所定深度の地盤を強化するために工具の掘削と引き上げとを何回も繰り返えす必要があり、このため施工時間が長くなる欠点があった。
特開2007-56603号公報
本発明が解決しようとする1つの課題は、工具を二重管方式とすることなく、固化材がその流路から漏洩して吐出口の開閉を阻害することがなく、吐出口の開閉の切替えを円滑に行うことができる地盤改良工具を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、工具の上昇時には上方の吐出口だけではなく、下方の吐出口も開いたままとして固化材の吐出量を増大し、それによって所定深度の地盤を効率よく改良することができる地盤改良工具を提供することにある。
本発明の課題解決手段は、内部に固化材流路を有する中空管の形態の工具本体と、前記工具本体の先端に取り付けられた掘削翼と、前記工具本体に取り付けられた少なくとも1つの撹拌翼と、前記掘削翼と撹拌翼との間で前記工具本体に取り付けられた共回り防止翼と、前記固化材流路から固化材を地中に吐出すべき上下の吐出口とを備え、前記下方の吐出口は、前記掘削翼付近に設けられ、前記上方の吐出口は、前記撹拌翼付近に設けられている地盤改良工具において、前記撹拌翼は、前記中空管の外周に摺動自在に抱き止められる2つ割りの半円筒状の撹拌翼ホルダーと前記撹拌翼ホルダーから延びる翼部材とから成り、前記中空管は、前記中空管に一体に設けられて前記撹拌翼ホルダーの内周に設けられた円弧状の切欠きに係入して前記撹拌翼ホルダーの前記中空管に対する相対回転を所定の角度に制限する扇形突出部を備え、前記上方の吐出口は、前記工具本体の上昇時に前記撹拌翼ホルダーの前記中空管に対する第1の相対回転限度位置で前記固化材流路の上部分岐孔に整列するように前記撹拌翼ホルダーに設けられ、且つ前記撹拌翼ホルダーは、前記工具本体の下降時に前記撹拌翼ホルダーの前記中空管に対する第2の相対回転限度位置で前記上部分岐孔を閉じる分岐孔閉止弁を備えていることを特徴とする地盤改良工具を提供することにある。
本発明の上記課題解決手段において、下方の吐出口は、前記工具本体の下部分岐孔に連通し、前記工具本体の下降時も昇降時も常開の形態とするのが好ましいが、上方の吐出口と逆に、工具本体の下降時には開いているが、上昇時には、閉じるように、掘削翼に対応して開閉切替えの形態であってもよい。この形態では、前記中空管は、前記中空管に設けられて前記掘削翼ホルダーの内周に設けられた円弧状の切欠きに係入して前記掘削翼ホルダーの前記中空管に対する相対回転を所定の角度に制限する扇形突出部を備え、前記下方の吐出口は、前記工具本体の下降時には、前記掘削翼ホルダーの前記中空管に対する第1の相対回転限度位置で前記固化材流路の下部分岐孔に整列するように前記掘削翼ホルダーに設けられ、且つ前記掘削翼ホルダーは、前記工具本体の上昇時には、前記掘削翼ホルダーの前記中空管に対する第2の相対回転限度位置で前記下部分岐孔を閉じる分岐孔閉止弁を備えている。
また、本発明の課題解決手段において、撹拌翼ホルダーの円弧状切欠き、前記中空管の扇形突出部、上部分岐孔及び分岐孔閉止弁は、前記工具本体の中心線に対して相対して1対ずつ設けられているのが好ましい。
この場合、2つ割りの半円筒体に内周の一部がへこむように薄肉部と厚肉部とをそれぞれ設け、撹拌翼ホルダーの1対の円弧状切欠きは、一方の半円筒の薄肉部が他方の半円筒の厚肉部に相対するように前記2つ割りの撹拌翼ホルダーを前記工具本体に抱き止めて形成するのが好ましい。
前記撹拌翼ホルダーは、前記工具本体に硬嵌めした上下の鍔付円筒ホルダーガイドに抱き止められているのが好ましく、この場合、撹拌翼ホルダー側の円弧状切欠きに係入する扇形突出部は、この円筒ホルダーガイドに設けられている。
本発明の課題解決手段において、分岐孔閉止弁は、通常では、中空管又は円筒ホルダーガイドの外周に押し付けられるようにばね付勢される曲端面を有する弁本体から成っているのが好ましい。
本発明によれば、工具本体は、二重管方式ではなく、単管の形態であって上方の吐出口は、工具本体の下降時に吐出口閉止弁で閉じるようにしたので、固化材が二重管の間に漏洩することによる吐出口の開閉の切替えに支障を来すことがなく、吐出口の開閉を円滑に行うことができる。
また、下方の吐出口を常開の形態とすると、工具本体の下降時には、下方の吐出口のみから固化材を地中に吐出するが、工具本体の上昇時には、上下の吐出口から固化材を地中に吐出するので、固化材の吐出量が増大し、従って工具本体の下降、上昇の繰り返し回数を少なくするか繰返しを行うことなく、所定深度の改良地盤を効率よく得ることができる。
本発明の地盤改良工具の全体正面図である。 図1の工具の上方の吐出口を有する部分を示し、同図(A)は、上方の吐出口が閉じている状態の横断面図、同図(B)は、上方の吐出口が開いている状態の横断面図である。 図2(A)の分解横断面図である。 図2(A)のIV−IV線断面図である。 図1の工具の下方の吐出口を有する部分の横断面図である。 図1の工具に用いられる共回り防止翼を示し、同図(A)は、その全体の横断面図、同図(B)は、共回り防止翼ホルダーの一半部の正面図、同図(C)は、同図(B)のホルダーが回転自在に保持されるホルダーガイドの垂直断面図である。 下方の吐出口が上方の吐出口と切替わって開閉する実施の形態の横断面図である。 本発明の工具の使用状態を示し、同図(A)は、下方の吐出口が常開の形態の動作説明図、同図(B)は、下方の吐出口が切替開閉の形態の動作説明図である。
本発明の好ましい実施の形態による地盤改良工具10が図1に示されており、この地盤改良工具10は、中空内部が固化材流路30である中空管(単管)20Pの形態の工具本体20と、この工具本体20の先端に取り付けられた掘削翼40と、工具本体に取り付けられた少なくとも1つの撹拌翼50と、掘削翼40と撹拌翼50との間で工具本体20に取り付けられた共回り防止翼60と、固化材流路30から固化材を地中に吐出すべき各1対の下方と上方との吐出口70L、70Uとを備え、下方の吐出口70Lは、掘削翼40付近に設けられ、上方の吐出口70Uは、撹拌翼50付近に設けられている。
掘削翼40は、図1及び図5に示すように、工具本体20の下端付近に直接ねじ止め等で固定して取り付けられた2つ割りの形態の掘削翼ホルダー44と、この掘削翼ホルダー44に一体に形成された翼部材46とから成っている。この掘削翼40は、工具本体20の図示しない角形コネクタに連結された図示しない圧入機械によって地盤改良工具10を正回転しながら地中に押し込んで地中を掘削する。なお、図1において符号44Fは、2つ割りの掘削翼ホルダー44のホルダー半部にそれぞれ設けられたフランジであり、2つ割りのホルダー44は、このホルダー半部のフランジを相互に締め付けるようにねじ止めして工具本体20に固定される。また符号20Tは、掘削翼40による掘削を補助するために、工具本体20の下端に設けられた誘導尖端である。
1対の下方の吐出口70Lは、図5に示すように、工具本体20である中空管20P内の固化材流路30から水平に分岐して延びる1対の分岐孔32Lに連通して掘削翼40の掘削翼ホルダー42に設けられている。従って、1対の下方の吐出口70Lは、常に開いた状態に維持されている。
図示の形態では、2つの撹拌翼50Lと50Uとを有し(図1参照)、下方の撹拌翼50Lは、工具本体20に相互にねじ締め付けして取り付けられた2つ割りの撹拌翼ホルダー54Lとこの撹拌ホルダー54Lに一体に固定されている翼部材56Lとから成っている。上方の撹拌翼50Uは、図2及び図3に示すように、工具本体20に硬嵌めされた上下鍔付の円筒ホルダーガイド52Uを介して工具本体20の外周に回動自在に抱き止められた2つ割りの半円筒状の撹拌翼ホルダー54Uと、この撹拌翼ホルダー54Uに一体に固定して延びる翼部材56Uとから成っている。
工具本体20に硬嵌めされたホルダーガイド52Uは、撹拌翼ホルダー54Uの内周に設けられた1対の円弧状の切欠き54UNに係入して撹拌翼ホルダー54Uの中空管20P(実際は中空管20Pに硬嵌めされたホルダーガイド52U)に対する相対回転を所定の角度に制限する1対の扇形突出部52UPを有し、1対の上方の吐出口70Uは、工具本体20の上昇時に撹拌翼ホルダー54の中空管20Pに対する第1の相対回転限度位置で固化材流路30に連通する上部分岐孔32U及びホルダーガイド52Uの連通孔52UHに整列するように撹拌翼ホルダー54Uに設けられ(図2B参照)、且つ撹拌翼ホルダー54Uは、工具本体20の下降時に撹拌翼ホルダー54の中空管20Pに対する第2の相対回転限度位置で1対の上部分岐孔32U及びそれに連通する連通孔52UHをそれぞれ閉じる1対の分岐孔閉止弁34を備えている(図2(A)参照)。
図2及び図3、特に図3からよく理解されるように、図示の形態では、撹拌翼ホルダー54Uの2つ割りの半円筒54UA、54UBは、その内周の一部がへこむように薄肉部54TNと厚肉部54TCとをそれぞれ有し、撹拌翼ホルダー54Uの1対の円弧状切欠き54UNは、一方の半円筒54UA又は54UBの薄肉部54TNが他方の半円筒54UB又は54UAの厚肉部54TCに相対するように接合して形成される。これらの半円筒54UA、54UBは、ホルダーガイド52Uのまわりでそれぞれのフランジ54UFをねじ56(図2参照)で相互に締め付けて撹拌翼ホルダー54Uを抱き止めた状態で組み立てられる。1対の上方の吐出口70Uは、撹拌翼ホルダー54Uの厚肉部54TCに設けられている
1対の分岐孔閉止弁34は、図2及び図3に示すように、ばね34Sによって内径方向に付勢される弁本体34Bから成り、弁本体34Bは、先端に曲端面34BCを有する。図2(B)から解るように、1対の分岐孔閉止弁34は、上方の吐出口70Uの開位置では、その曲端面34BCでホルダーガイド52Uの係入溝52UGに係入しているが、この係入溝52UGはなくてもよい。この1対の分岐閉止弁34も、撹拌翼ホルダー54Uの厚肉部54TCに設けられている。
共回り防止翼60は、図1及び図6に示すように、掘削翼40と撹拌翼50との間で工具本体20である中空管20Pに硬嵌めされたホルダーガイド62とこのホルダーガイド62の周りに抱き締めて固定された2つ割りの共回り防止翼ホルダー64とこのホルダー64に一体に固定して取り付けられた1対の翼部材66とから成っている。この共回り防止翼60は、地中に吐出された固化材と土とが掘削翼40や撹拌翼50で混合撹拌される際に、この混合物が工具10と一緒に回転することがないように工具10の回転方向に対して混合物に抵抗を付与してその混合撹拌が阻害されるのを防止する機能を有する。
次に、本発明の図1乃至図6に示されている地盤改良工具10の使用状態を図8(A)を参照して述べると、地盤改良工具10の工具本体(中空管)20の上端に設けられた図示しない角形コネクタを介して圧入機械の正逆回転駆動ロッドRを接続し、工具本体20の下端の誘導尖端20Tから改良すべき地面に正回転しながら押し込む(図8(A)のa、b参照)。この工具10の下方の吐出口70Lは、常時開いているが、上方の吐出口70Uは、工具本体20である中空管20Pの正回転(図2の時計方向の回転)によって、これと一体に回転するホルダーガイド52Uの1対の扇形突出部52UPが土の抵抗を受けて回転することができない撹拌翼ホルダー54Uの切欠き54UNの右肩(段部)に係止するまでこの切欠き54UN内を相対的に図2の時計方向に回転する。
ホルダーガイド52Uの1対の扇形突出部52UPが撹拌翼ホルダー54Uの相応する切欠き54UNの回転方向の右肩に係止すると、工具本体20及びこの工具本体20と一体のホルダーガイド52Uが撹拌翼ホルダー54Uと回転方向に一緒に回りつつ、工具本体20は、図2(A)に示すように、上方の吐出口70Uを閉じた状態で掘削翼40の回転によって地中を掘削しながら下降する(図8(A)のb参照)。
この下降の過程で、圧入機械から工具本体20の固化材流路30にセメント、モルタルの如き固化材を圧送すると、固化材は、常時開いている下方の吐出口70Lから掘り下げられた地中に吐出し、掘削翼40と撹拌翼50(上下の撹拌翼50U、50L)との回転によって土と固化材とが混合攪拌されながら掘削が進行する(図8(A)のc参照)。
工具10による掘削と撹拌とが進行して図8(A)のdに示すように、所定の深度まで土が掘削した後、工具本体20を逆回転(図2の反時計方向の回転)すると、工具本体20が上昇するが、この際、上方の撹拌翼54Uの撹拌翼ホルダー54Uが土の抵抗で停止するので、ホルダーガイド52Uの1対の扇形突出部52UPが撹拌翼ボルダ―54Uの切欠き54UNの左肩(反時計方向の回転に対して)に係止するまで切欠き54UN内を相対的に反時計方向に回転する。ホルダーガイド52Uの1対の扇形突出部52UPが撹拌ホルダー54Uの切欠き54UNの左肩に係合すると、撹拌ホルダー54Uは、図2(B)に示すように、上方の吐出口70Uを開いた状態で工具本体20の逆回転(反時計方向の回転)とともに同方向に回転しつつ上昇する。
また、この上昇の過程でも、下方の吐出口70Lは、図5に示すように、工具本体20の下方の分岐孔32Lに整列したままであるので、開いた状態が維持される。従って、工具本体20の上昇時には、上下の吐出口70U、70Lから固化材が地中に吐出し、掘削翼40と撹拌翼50U、50Lとによって土と固化材とが混合されながら上昇する(図8(A)のd乃至g参照)。
このように、固化材は、工具本体20の下降時には下方の吐出口70Lから固化材を吐出し、上昇時には、上下の吐出口70U、70Lから固化材を吐出するので、固化材の吐出量が増大し、従来技術のように、上下の吐出口が下降と上昇とで開閉が切り替わる場合のように、工具本体20の下降、上昇を繰り返す必要がないか、繰り返す必要があっても繰り返し数を少なくすることができる。
共回り防止翼60は、既に述べたように、掘削翼40と上下の撹拌翼50とで土と固化材とを混合する際に、両者が一緒に回転して撹拌、混合が阻止されるのを防止する。
図2(A)、図2(B)から解るように、上方の吐出口70Uの開閉の切替えは、工具本体20に硬嵌めされたホルダーガイド52Uと撹拌翼ホルダー54Uとの相対的な回転で行われるが、ホルダーガイド52Uは、撹拌翼ホルダーとほぼ同程度の長さである上に、上方の吐出口70Uの閉位置では、分岐孔閉止弁34によって相応する分岐孔32Uを閉じるので、従来の二重管方式のように、単に吐出口を分岐孔からずらせる場合のように内外の管の間に固化材が漏洩する現象が生ずることがなく、また吐出口70Uが閉位置から開位置に切り替わる際に相応する分岐孔32Uが撹拌翼ホルダー54Uの内周面に一時的に対面しても、ホルダーガイド52Uは、二重管方式の外管に比べて極めて短いので、撹拌翼ホルダー54Uの内周に多少漏れることがあっても、漏れた固化材は、ホルダーガイド52Uの下方から漏出し、ホルダーガイド52Uと撹拌翼ホルダー54Uとの相対回転を阻害することがない。
本発明の他の実施の形態が図7に示されており、この実施の形態では、下方の吐出口70Lも上方の吐出口70Uと同様に開閉切替え式としている。この実施の形態では、掘削翼40は、工具本体20に硬嵌めされた上下の鍔付きホルダーガイド42を介して回転自在に取り付けられた2つ割りの掘削翼ホルダー44とこの掘削ホルダー44に一体に固定して取り付けられた翼部材46とから成っており、ホルダーガイド42は、掘削翼ホルダー44の1対の切欠き44N内を角度変位することができる扇形突出部42Pを有する。1対の切欠き44Nは、撹拌翼ホルダー54Uの切欠き54UNと同様に、ホルダー44の薄肉部44THと厚肉部44TCとの隣り合わせによって形成されている。この実施の形態による地盤改良工具10は、下方の吐出口70L及び掘削翼40を除いて図1乃至図6の実施の形態の地盤改良工具10と同じ構造を有する。なお、下方の吐出口70Lの分岐閉止弁は、符号34Lで示され、またホルダーガイド42の連通孔は、符号42Hで示されている。
この実施の形態の地盤改良工具10の使用状態を図7及び図8(B)を参照して述べると、下方の吐出口70Lは、工具本体20が正回転(図7の時計方向の回転)して下降する時には、ホルダーガイド42の扇形突出部42Pが掘削翼ホルダー44の切欠き44Nの右肩(図7の時計方向の右側の段部)に係合して下方の吐出口70Lが下方の分岐孔32Lに整列して開いていて工具本体20がホルダーガイド42を介して掘削翼40を回転しつつ下降するが(図7参照)、工具本体20が逆回転(図7の反時計方向の回転)して上昇する時には、図7(B)に示すように、分岐孔32L及びそれに整列する連通孔42Hは、分岐孔閉止弁34L によって閉じられる位置に回転する。
この図7の実施の形態の地盤改良工具10は、図8(B)に示されているが、この実施の形態では、工具本体20が図8(B)のaからdまでの工程は、下方の吐出口70Lが常開である図1乃至図6の実施の形態と同じであり、また、図8(B)のd’の下降工程は、図8(B)のdと同じであるが、図8(B)のe’、f及びgの上昇工程では、図7から中空管20Pが反時計方向に回転して、下方の吐出口70Lが分岐孔閉止弁34Lによって閉じられている。従って、図1乃至6の実施の形態に比べて、工具10の上昇時の固化材の吐出量が少なく、図8(B)のd’、e’に示すように、工具10の下降と上昇との繰り返しが必要となる。
しかし、この実施の形態でも、従来技術で生じていた固化材の漏洩の問題は解消され、上下の吐出口70U、70Lの開閉の切替えを円滑に行うことができる利点を有する。
本発明によれば、上記のように、工具本体は、二重管方式ではなく、単管の形態であって、開閉式の固化材吐出口は、工具本体の下降時に工具本体の分岐孔を閉止弁で閉じるようにしたので、固化材が従来技術のように二重管の間に漏洩することによる吐出口の開閉の切替えに支障を来すことがなく、吐出口の開閉を円滑に行うことができ、高い産業上の利用性を有する。
10 地盤改良工具
20 工具本体
20P 中空管
20T 誘導尖端
30 固化材流路
32U、32L 上下の各1対の分岐孔
34 分岐孔閉止弁
34S ばね
34B 弁本体
40 掘削翼
42 ホルダーガイド
42P 扇形突出部
44 掘削翼ホルダー
44N 円弧状の切欠き
44TH 薄肉部
44TC 厚肉部
44F 1対のフランジ
46 翼部材
50 撹拌翼
50U、50L 上下の撹拌翼
54L 2つ割りの撹拌翼ホルダー
56L 翼部材
52U 鍔付き円筒ホルダーガイド
52UP 1対の扇形突出部
52UG 係入溝
54U 2つ割りの撹拌翼ホルダー
54UN 1対の円弧状切欠き
54UA、54UB 2つ割りの半円筒
54TN 薄肉部
54TC 厚肉部
54UF フランジ
54TH ねじ
56U 翼部材
60 共回り防止翼
62 ホルダーガイド
64 共回り防止翼ホルダー
66 翼部材
70U、70L 上下の吐出口

Claims (7)

  1. 内部に固化材流路を有する中空管の形態の工具本体と、前記工具本体の先端に取り付けられた掘削翼と、前記工具本体に取り付けられた少なくとも1つの撹拌翼と、前記掘削翼と撹拌翼との間で前記工具本体に取り付けられた共回り防止翼と、前記固化材流路から固化材を地中に吐出すべき上方の吐出口と下方の吐出口とを備え、前記下方の吐出口は、前記掘削翼付近に設けられ、前記上方の吐出口は、前記撹拌翼付近に設けられている地盤改良工具において、前記撹拌翼は、前記中空管の外周に摺動自在に抱き止められる2つ割りの半円筒状の撹拌翼ホルダーと前記撹拌翼ホルダーから延びる翼部材とから成り、前記中空管は、前記中空管に一体に設けられて前記撹拌翼ホルダーの内周に設けられた円弧状切欠きに係入して前記撹拌翼ホルダーの前記中空管に対する相対回転を所定の角度に制限する扇形突出部を備え、前記上方の吐出口は、前記工具本体の上昇時に前記撹拌翼ホルダーの前記中空管に対する第1の相対回転限度位置で前記固化材流路の上部分岐孔に整列するように前記撹拌翼ホルダーに設けられ、且つ前記撹拌翼ホルダーは、前記工具本体の下降時に前記撹拌翼ホルダーの前記中空管に対する第2の相対回転限度位置で前記上部分岐孔を閉じる分岐孔閉止弁を備えていることを特徴とする地盤改良工具。
  2. 請求項1に記載の地盤改良工具であって、前記下方の吐出口は、前記工具本体の下部分岐孔に常時連通していることを特徴とする地盤改良工具。
  3. 請求項1に記載の地盤改良工具であって、前記掘削翼は、前記中空管の外周に摺動自在に抱き止められる2つ割りの半円筒状の掘削翼ホルダーと前記掘削翼ホルダーから延びる翼部材とから成り、前記中空管は、前記中空管に設けられて前記掘削翼ホルダーの内周に設けられた円弧状切欠きに係入して前記掘削翼ホルダーの前記中空管に対する相対回転を所定の角度に制限する扇形突出部を備え、前記下方の吐出口は、前記工具本体の下降時には、前記掘削翼ホルダーの前記中空管に対する第1の相対回転限度位置で前記固化材流路の下部分岐孔に整列するように前記掘削翼ホルダーに設けられ、且つ前記掘削翼ホルダーは、前記工具本体の上昇時には、前記掘削翼ホルダーの前記中空管に対する第2の相対回転限度位置で前記下部分岐孔を閉じる分岐孔閉止弁を備えていることを特徴とする地盤改良工具。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の地盤改良工具であって、前記撹拌翼ホルダー及び/又は前記掘削翼ホルダーの円弧状切欠き、前記中空管の扇形突出部、上部分岐孔及び分岐孔閉止弁は、前記工具本体の中心線に対して相対して1対ずつ設けられていることを特徴とする地盤改良工具。
  5. 請求項4に記載の地盤改良工具であって、前記2つ割の攪拌翼ホルダー及び/又は掘削翼ホルダーの2つ半円筒体に内周の一部がへこむように薄肉部と厚肉部とをそれぞれ設け、前記撹拌翼ホルダー及び/又は掘削翼ホルダーの1対の円弧状切欠きは、一方の半円筒の薄肉部が他方の半円筒の厚肉部に相対するように前記2つ割りの撹拌翼ホルダー及び/又は掘削翼ホルダーを前記工具本体に抱き止めて形成されていることを特徴とする地盤改良工具。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の地盤改良工具であって、前記撹拌翼ホルダー及び/又は掘削翼ホルダーは、前記工具本体に硬嵌めした上下の鍔付円筒ホルダーガイドに抱き止められ、前記円弧状切欠きに係入する扇形突出部は、前記上下の鍔付円筒ホルダーガイドに設けられていることを特徴とする地盤改良工具。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の地盤改良工具であって、前記分岐孔閉止弁は、通常では、中空管又は円筒ホルダーガイドの外周に押し付けられるようにばね付勢される曲端面を有する弁本体から成っていることを特徴とする地盤改良工具。
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