JP5840882B2 - 墓石の外柵における燈明台装置 - Google Patents

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Description

本発明は、墓石を囲んで配置される石材製の外柵における燈明台装置に関するもので、特には、外柵の一部に燈明台として使用可能な内部空間を備えるとともに、内部空間に燈明以外の物品も納められるようにしたものである。
本発明において、外柵とは、墓石を囲んで配置される石材製の構築物を意味しており、墓石に向かって正面の参拝口は開口し、左右両側面と背面の三方に低い囲みをめぐらしたもので、通常はそれによって墓の区域つまり墓所が画定されている。墓所には、墓石とともに水鉢、香炉及び拝石、花立て、墓誌、灯篭などが付属しており、また、外柵の前端部分には親柱などと称する石塊が配置され、その正面に家紋を彫り込んだものが良く見受けられる。墓所はお参りするところであり、墓参者は必要なものを持参しかつ持ち帰るものという観念から、墓所には上記付属物以外の何物も置かないのが普通である。しかし、忘れ物がある場合には、十分な墓参ができないことになる。
また、上記のような従来の墓所の設備では、墓参者は、墓石を清掃し、花立てに花を生け、線香に火を付けるなどの動作を狭い墓所にて行うことになる。特に、暗い状況において灯篭に火を点す場合には、頭など身体の一部を墓石や灯篭などにぶつける恐れがある。そこで、本発明者は墓所用燈明空間付きの羽目石を考案し、先に実用新案の登録を出願して第3135829号の実用新案登録を得ている。これによって、外柵の前部に設けた燈明の明かりで、墓所に入る前でも墓前を照明することができ、安全性が高められるようになった。
ところが、従来の燈明の火入れ口は、石燈籠の時代の構造を引き継いでいるためか、燈明空間が吹きさらしの環境にあり、ゴミや埃の侵入を防ぐことができない。また、虫の侵入も避けられず、ときには蜂が巣を作るという問題も起こる。紙を貼った格子枠を火入れ口に嵌め込んで、風除けのために蓋をすることは従来から行われているが、その程度のものでは強風によって吹き飛ばされ、紛失することもしばしばである。墓所の設備は全てが石材製であるため、このような不便があり、中々改善が進まなかったという特殊な事情がある。他の先行技術を見ると、例えば、特開2007−327323号があるが、この燈明台は外部から内部を看取するため石材に窓や透孔を設けており、風雨の影響を或る程度抑制できるとしても、その効果は限定されると思われる。
そこで本発明者は、内部に燈明台として使用可能な内部空間を有し、かつ、上記内部空間への物品の出し入れのために火入れ口を備えた石材製の外柵部材を具備し、上記火入れ口に、引き戸又は開き扉から成る開閉手段を装備した構成を有する燈明台装置を開発し、その成果の一部について特許出願をした。同出願に係る発明は石材加工の観点から、最も合理的と考えられる構造を目標としてなされており、ほぼ直方体形状を有する内部空間の左(外側)又は右(内側)と正面に開放部分を有しているが、各開放部分を専用の閉塞部材によって閉塞する構造を取っていた。このため、石材の加工性は良く、経済性も良いが部品点数が多くなり、組み立てに手数が掛かるものであった。また、比較的小さい部材の接合で組み立てられるため強度上の不安もあり、外力を受けると破壊の恐れがある。墓所の性格上、墓所の設備は恒久的であることが望まれる。
実用新案登録第3135829号 特開2007−327323号
本発明は前記の観点からなされたもので、その課題は、燈明台として使用可能であり、また、墓参に使用する物品も収納可能な内部空間を外柵に設けるとともに、この内部空間と外部空間を通じる開口部分を隣接する2面に亘る構造とし、曲がり形状に形成した石材製の閉塞部材によって上記開口部分を閉塞することで強度を高め、生産性と信頼性を向上できるようにすることである。また、本発明の他の課題は、よりスマートな外観を具備し得るようにした墓石の外柵における燈明台装置を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は墓石を囲んで配置される石材製の外柵において、外柵の一部を構成する、石材製の外柵部材と、燈明台として使用可能にするために、上記外柵部材の内部に備えられる内部空間と、上記内部空間を外部空間に通じさせるために、内部空間を構成する面において少なくとも隣接する2面に亘って形成された開口部分と、上記隣接する2面に亘る開口部分を閉塞するために、曲がり形状に形成された石材製の閉塞部材と、内部空間への物品の出し入れを可能にする火入れ口を、内部空間の内側の側面を閉塞する内側面閉塞部分又は内部空間の外側の側面を閉塞する外側面閉塞部分のどちらかに開口するとともに、火入れ口に装備した引き戸又は開き扉から成る開閉手段を具備して構成するという手段を講じたものである。

内部空間の具体的形状は、自由にデザインすることができる。また、本発明の燈明台装置は、上記内部空間への物品の出し入れのために火入れ口を備えた石材製の外柵部材を具備しているが、外柵の前後左右及び上面、正面等のどの面に火入れ口を設けるかについても自由に選択することができる。火入れ口は、上記の物品類を出し入れするために、少なくとも片手を差し入れることができるだけの大きさを有する。ここで、外柵部材とは、外柵の一部を構成する部材を意味している。例えば、墓石に向かって左右両側面と背面から成る外柵では、左側面の外柵部分や右側面の外柵部分が1個の石材から成るもの、また、複数個の石材を組み合わせて成るもの、共に存在するので、どちらの外柵部材にも内部空間を形成することができる。
本発明の燈明台装置では、外柵部材を燈明台として使用するために、内部を刳り抜いて形成した内部空間を有し、上記内部空間を外部空間に通じさせるために、内部空間を構成する面において隣接する2面に亘って形成された開口部分を有している。内部空間が直方体かそれに近い形状の場合、その六面の内の一面からでも内部空間を刳り抜き、或いは彫り込んで形成することはできるが、それにはコアビットなどと通称する工具を用い、時間と手間をかけて加工しなければならない。他方、隣接する2面に亘って形成した開口部分を有している内部空間の場合には、丸鋸を用いた切断が可能であるから、加工性は格段に良好であり、生産性向上という課題にも適合する。なお、開口部分は少なくとも2面に亘って形成されていれば良いから、3面に亘る場合もあり得る。
また、上記開口部分の閉塞のために、隣接する2面に亘る曲がり形状に形成された石材製の閉塞部材を適用する。内部空間の内側又は外側どちらかの側面、正面及び上面の4面の内の少なくとも隣接する2面に亘って形成した開口部分であるから、ほぼL字型、J字型を含む曲がり形状になる。つまり、隣接2面の境界部分が直角であれば閉塞部材の断面形状は概ねL字型、曲面であればJ字型と言って良い。L字型、J字型等は、上記のように合理的な形状であると言えるが、必ずしもこれらの形状に限定されるものではない。何れにしても、ほぼL字型、J字型等の形状選択を可能にしたことは、石材製の閉塞部材にデザイン的な変化を与える自由が生じるので、好ましい要素である。
本発明の装置は、さらに、内部空間への物品の出し入れを可能にする火入れ口を上記内側又は外側どちらかの閉塞部材に開口するとともに、火入れ口に装備した引き戸又は開き扉から成る開閉手段を具備している。上記内部空間は、内側面又は外側面のどちらを火入れ口として開放しても良いのでこのように記載しており、開放した内側面又は外側面を含む閉塞部材に火入れ口を形成するものである。但し、複数の墓所が隣接した配置を取る場合、火入れ口は内部空間の内側面に配置せざるを得ないが、また、実際にもこの例が多いであろう。開閉手段は、石材以外の材料を用いなくても、つまり、石材だけで形成し、設置することも可能である。また、極端に狭い場所でも開閉可能としたい場合には引き戸から成る開閉手段が適しているが、両開き或いは片開き式の開き戸の選択が可能であることは、外観や構造の改善に有効である。
本発明において、閉塞部材は、内部空間を構成する内側又は外側どちらかの側面、正面及び上面の4面の内の、少なくとも隣接する2面に亘るほぼL字型、J字型を含む曲がり形状に形成することができる。特に、内部空間の内側又は外側どちらかの側面を閉塞する内側面閉塞部分又は外側面閉塞部分と、内部空間の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分とが連続して形成されている場合、閉塞部材はその平面形状がほぼL字型又はJ字型に形成される。しかし、それだけではなく、内部空間の上面を閉塞する上面閉塞部分と、内部空間の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分とが連続して形成されることもあり、この場合には側面形状がL字型又はJ字型に形成される。
開閉手段を構成するものが石材製の引き戸である場合、内部空間の開放した側の上下の縁に前後方向に沿って溝部又は桟材を設け、上記引き戸はその上部と下部を溝部に摺動可能に嵌め込み、或いは桟材に引き戸を宛がって取り付けられており、上記引き戸を外部から覆うように、閉塞部材の内側面閉塞部分又は外側面閉塞部分が外柵部材に接合されているという構成を取り得る。上記の構成は、引き戸を嵌めるいわゆる敷居に相当するものと鴨居に相当するものを、共に溝部だけで形成すること、共に桟材だけで形成することを許容するものである。しかしながら、開閉手段を開き扉方式に形成することも可能であり、その場合、火入れ口に金属製部材から成る扉外枠を接合するとともに、扉外枠に金属製部材から成る開き扉を、ヒンジ部を用いて開閉可能に取り付けた構造とすることができる。
なお、上記の引き戸又は開き扉及び石材製の正面閉塞部材は、任意の模様から成る開口部を設けることができるが、これらの開口部は、光を透過するシート状の素材によって閉塞されていても良い。光を透過するシート状の素材であれば、燈明の本来の機能を妨げることがなく、かつまた、塵埃や虫の侵入の防止に最も効果的である。上記の素材としては旧来の紙類の他、プラスチックシート、ガラス等を使用することができる。
本発明は以上のように構成されかつ作用するものであるから、燈明台として使用可能であり、また、墓参に使用する物品も収納可能な内部空間を外柵に設けるとともに、この内部空間と外部空間を通じる開口部分を隣接する2面に渡る構造とするとともに、上記開口部分をほぼL字型、J字型を含む曲がり形状に形成した石材製の閉塞部材によって閉塞するように改良したことで強度が高められ、生産性と信頼性を向上することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、閉塞部材をほぼL字型、J字型を含む曲がり形状に形成することによりスマートな外観を具備し得るようにした墓石の外柵における燈明台装置を提供することができる。
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係る外柵における燈明台装置10を適用した墓石の一例を示すものである。図中、符号11は墓石を示しており、水鉢12、花立て13、香炉14等を具備し、それらを囲んで外柵15が配置されている。外柵15は向かって左側面部分15a、背面部分15b及び右側面部分15cとから構成されている。16、17は左右の外柵部材であり、左外柵部材16は外柵の左側面部分15aの前方部分を構成し、右外柵部材17は外柵の右側面部分15cの前方部分を構成している。
左外柵部材16と右外柵部材17とは、それぞれの内部に燈明台として使用可能な内部空間18を有しており(図2参照)、ここに本発明の燈明台装置10が構成されている。内部空間18は左右対称で左右の区別があるが、備えるべき構成は基本的に左右で相違がないので、以後、左側の内部空間18を主として説明し、必要が生じた場合に右側の説明を追加することとする。本発明の燈明台装置10では、装置を構成するほぼ全てが石材製品から成っている。本発明に係る装置の例1は図1及び図2に示されており、その石材製の外柵部材16、17の上記内部空間18は、上面と正面の2面が開口部分19A、19Bになっている。また、内部空間18の外側壁(左側面、但し右外柵部材17については右側面)16aの切欠き部16bの上部と、内側壁(右側面、但し右外柵部材17については左側面)16cの切欠き部16dの上部もそれぞれ部分的な開口部分になっている。
例1の場合、閉塞部材20は、内部空間18の上面の開口部分19Aを閉塞する上面閉塞部分20Aと、内部空間18の正面の開口部分19Bを閉じる正面閉塞部分20Bとが連続しており、かつ、一体化によって側面形状がほぼL字型に形成された閉塞部材20となっている。上面閉塞部分20Aは、外側面の上部切欠き部16bと、内側面の上部切欠き部16dに載置されるとともに、正面閉塞部分20Bは外柵部材16の正面部16eに接触してそれぞれ接合され、このとき上面閉塞部分20Aの後端は内部空間18の奥壁上部に接触して接合される(図1参照)。故に、石材製品から成る外柵部材16、17及び閉塞部材20であるが、何れも丸鋸を用いて加工することができる。なお、接合には石材用接着剤が用いられる。
例1の閉塞部材20は、その上面閉塞部分20Aの下面の内側に、前後方向に沿った溝部22aを有している。溝部22aは、開閉手段を構成する石材製の引き戸21の摺動機構22の上位の部分として設けられており、摺動機構22の下位の部分としては、前後方向の桟材22bが内部空間18の下面の内側に取り付けられ、内側面の一部22cとの間に引き戸21の下辺を受け入れる摺動機構22の一部を形成している(図3参照)。図示の桟材22bには金属製のL型部材を用いているが、これは石材製品を用いて単なる棒状に形成したものでも代用できる。また、閉塞部材20の正面閉塞部分20Bは装飾的な小開口20dを有しており、小開口20dは、墓に適した模様で構成され、通気可能であることが望ましい。しかし、光を透過するシート状の素材によって閉じることもできる。
引き戸21は、火入れ口23の部分を開閉するものであるが、この引き戸自体にも小窓24が形成されている。同様の小窓25は、内部空間18の外側面を閉塞している外側壁16aにも設けられている。小窓24、25は、通常は、陰陽思想にモチーフを取った模様から成り、同時に、一種の装飾と燈明の燃焼のための通気を兼ねているものである。しかし、燈明台として使用するときには、墓参者等が引き戸21を開けることができ、通気も確保し易く、墓参が終われば引き戸21を閉めて燈明が消えても良いので、小窓24、25が貫通した構造である必要性は必ずしもない。よって、小窓24、25の代わりに単なる凹状の模様を形成するという選択、或いは正面閉塞部分20Bの小開口20d等については、光を透過するシート状の素材によって閉じるという選択も可能である。正面閉塞部分20Bの小開口20dも非貫通状の単なる模様などとして形成可能であるので、開口或いは窓といっても文言上のことである。
上記した例1の外柵における燈明台装置10は、側面形状がほぼL字型(J字型も可)に形成された閉塞部材20から成ることを特徴とするものであるが、次に平面形状がほぼL字型に形成された閉塞部材から成る例2について、図4及び図5を参照して説明する。例2の場合は、図示されているとおり、正面と内面(右側面、但し右外柵部材17については左側面)の2面が開口部分19B、19Cとなっている(図5参照)。そして、閉塞部材は内部空間18の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分26Bと、内部空間18の内側の側面を閉塞する内側面閉塞部分26Cとが連続して形成されるので、平面形状がほぼL字型の閉塞部材26となる。例2の外柵部材16及び閉塞部材26についても、何れも丸鋸を用いて加工することができる。
例2の場合、外柵部材16には、その内側面の正面側に内側面閉塞部材26Cの納まる浅い凹状部分16fが形成されており、凹状部分16fは、その上部にて内部空間18に通じている。また、内部空間18の開放している側の上下の縁に前後方向に沿って、切欠き状の溝部27a、27bがそれぞれ形成されている。これらの溝部27a、27bは、開閉手段である石材製の引き戸28に対する、例2の摺動機構27を構成する。閉塞部材26は上記凹状部分16fの面と、これを囲む上下及び奥の端面そして正面部16eに接触してそれぞれ接合される。凹状部分16fを設けることにより閉塞部材26の取り付け時に自動的に位置決めされるという利点を生じるが、しかし、凹状部分16fを設けずに内部空間18の容積を広く取るという選択も可能である。内部空間18への物品の出し入れのための火入れ口29は、内側面閉塞部分26Cの引き戸28に対応する位置に形成されている。なお、正面閉塞部分26Bは外柵部材16の正面のほぼ全面を覆っており、例1におけるのと同様の小開口20dを有する。また、小窓24、25又はその代わりの単なる凹状の模様も、例1と同様に形成される。
内部空間18を構成する面の内の、少なくとも隣接する2面に亘る曲がり形状は、ほぼL字型のみならず、J字型を含む形状を取ることができるので、次にJ字型の形状を含む閉塞部材に関する例3について、図6〜図8を参照して説明する。例3の場合も図示されているとおり、正面と内面(右側面、但し右外柵部材17については左側面)の2面が開口部分19B、19Cとなっている点は例2の場合と同じである(図7参照)。しかし、正面と内面の隣接2面の境界部分が曲面で構成されており、そして、閉塞部材は内部空間18の内側の側面を閉塞する内側面閉塞部分30Cと、内部空間18の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分30Bとが連続して形成されるので、このため、平面形状がほぼJ字型の閉塞部材30となる。例3の外柵部材16及び閉塞部材30についても、何れも丸鋸を用いて加工することができる。
例3の場合、引き戸21の開閉手段を構成する摺動機構22は、例1又は例4と同様に構成される。即ち、上位の部分は溝部22aが上面壁16gの下面に、内方の縁に沿うように設けられており(図示せず)、摺動機構22の下位の部分は、前後方向の桟材22bを内部空間18の下面の内側の前後方向に取り付け、接合後の内側面閉塞部分30Cとの間に引き戸31の下辺を配置する摺動機構の一部を形成している(図7参照)。内部空間18と後方の主柱部分18aが外柵部材16、17の前後方向の全長に及んで形成されているので、閉塞部材30もまた前後に長い形態を有している。例3の場合、内部空間18は外側壁16a、上面壁16g、下面壁16h、主柱部分18aによって囲まれており、特に大きい収容力を必要とする場合に有効な方法である。例3における火入れ口32は、内側面閉塞部分30Cの前部に形成されている。上記閉塞部材30と上面壁16gは段状の係合部33a、33bにて係合するとともに、J字の曲面側の端部34aと外面壁16aの前端34bにて位置決めされ、このとき後端は主柱部分18aの内面側に接触して接合される。
さらに、内部空間18を構成する面の上面、正面及び内側の側面の3面に亘って形成された開口部分19A、19B、19Cを有し、かつ、これらの開口部分を閉塞する閉塞部材を具備した例4について、図9を参照して説明する。例4の場合、内部空間18は上記3面において外部空間に通じているので、閉塞部材も内部空間18の上面を閉塞する上面閉塞部分35Aと、内部空間18の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分35Bと、内部空間18の内側の側面を閉じる内側面閉塞部分35Cが連続して一体に形成される。故に、平面形状と側面形状の何れもがほぼL字型の閉塞部材35となる。例4の外柵部材16及び閉塞部材35についても、何れも丸鋸を用いて加工することができる。
例4の場合、火入れ口36は内側面閉塞部分35Cに形成されており、火入れ口36の開閉手段は例1又は例3と同様である。即ち、石材製の引き戸37の摺動機構22の上位の部分として溝部22aが設けられており、摺動機構22の下位の部分としては、前後方向の桟材22bが内部空間18の下面の内側に取り付けられ、内側面閉塞部分35Cの内面との間にて引き戸37の下辺を受け入れる摺動機構22の一部を形成している(図9参照)。他の構成については、これまでの例1〜3と同様であるので、図面中に符号を援用して詳細な説明は省略する。なお、閉塞部材35は、例2における場合と同様に、凹状部分16fの面と、正面部16eに接触し、かつ、上面閉塞部分35Aが外側壁上端部16iに載置され、後端は内部空間18の奥壁上部に接触してそれぞれ接合される。
開閉手段を、開き扉方式に形成することも可能である。そのため各例における火入れ口29に金属製部材から成る扉外枠38を接合するとともに、扉外枠38に金属製部材から成る開き扉39を、ヒンジ部40を用いて開閉可能に取り付けた構造のものすることができる(図10、図11参照)。ヒンジ部40については扉外枠38と開き扉39の一端部に上下方向の軸孔41a、41bを形成し、その軸孔41a、41bにヒンジ軸42を差し込んで構成される。このものは、扉外枠38にて火入れ口23、29、32、36に接合することで使用することができる。なお、上記開き扉39は窓状開口部39aを有している。43aは磁性体から成る摘み、43bは磁気吸着部を示す。金属製部材の素材としては、例えば、ステンレススチール或いは真鍮などの、錆び難く、耐候性を有するものを使用することが望ましい。45は化粧板材を示しており、板面に小窓24を有する。
このように構成されている本発明の燈明台装置10では、引き戸24、28、31及び37又は開き扉39などによって構成されている開閉手段を開いて、内部空間18に、例えば、燭台44を配置することができる(図3参照)。燭台44の光は、例えば、正面閉塞部分20B、26B、30B、35Bに形成された小開口20d、内側面閉塞部分26C、30A、35Cに形成された小窓24、25などを通して周囲を照らし、所期の目的を果たすことになる。目的に反して、光に引き寄せられる虫害を減少するか無くすには、上記小開口20d、小窓24、25を、光を透過するシート状の素材によって閉塞することが好適である。また、内部空間18には、墓参に使われる、燈明以外の様々な物品も収納可能であり、墓参や墓の管理をつつがなく行うことができる。以上のように、内部空間18は左右対称であるから左右の区別があるが、備えるべき構成は基本的に左右で相違がないので、左の外柵部材16と右の外柵部材17を置き換えて読むことにより、右の外柵部材17にも左の外柵部材16と同じ構成が備えられることを、容易に理解することができるであろう。
本発明に係る墓石の外柵における燈明台装置の一例を示す墓所の斜視図である。 同上における灯明台装置の例1を分解して示す斜視図である。 同じく外柵部材を示す正面図である。 同じく本発明に係る装置の例2を左方から見た斜視図である。 同じく左方から示す分解斜視図である。 同じく本発明に係る装置の例3を左方から見た斜視図である。 同じく左方から示す分解斜視図である。 同じく右後方から見た分解斜視図である。 同じく本発明に係る装置の例4を右後方方から見た分解斜視図である。 同じく開閉手段を外側から示す斜視図である。 同じく開閉手段を内側から示す斜視図である。
10 墓石の外柵における燈明台装置
11 墓石
12 水鉢
13 花立て
14 香炉
15 外柵
16 左外柵部材
17 右外柵部材
18 内部空間
19A、19B、19C 開口部分
20、26、30、35 閉塞部材
20A、35A 上面閉塞部分
20B、26B、30B、35B 正面閉塞部分
26C、30C、35C 内側面閉塞部分
21、28、31、37 引き戸
22、27 摺動機構
23、29、32、36 火入れ口
24、25 小窓
33a、33b 係合部
34a 端部、34b 前端
38 扉外枠
39 開き扉
40 ヒンジ部
41a、41b 軸孔
42 ヒンジ軸
43a 摘み、43b 磁気吸着部
44 燭台
45 化粧板材

Claims (4)

  1. 墓石を囲んで配置される石材製の外柵において、
    外柵の一部を構成する、石材製の外柵部材と、
    燈明台として使用可能にするために、上記外柵部材の内部に備えられる内部空間と、
    上記内部空間を外部空間に通じさせるために、内部空間を構成する面において少なくとも隣接する2面に亘って形成された開口部分と、
    上記隣接する2面に亘る開口部分を閉塞するために、曲がり形状に形成された石材製の閉塞部材と、
    内部空間への物品の出し入れを可能にする火入れ口を、内部空間の内側の側面を閉塞する内側面閉塞部分又は内部空間の外側の側面を閉塞する外側面閉塞部分のどちらかに開口するとともに、火入れ口に装備した引き戸又は開き扉から成る開閉手段
    を具備して構成された墓石の外柵における燈明台装置。
  2. 閉塞部材は、内部空間を構成する内側又は外側どちらかの側面、正面及び上面の4面の内の、少なくとも隣接する2面に亘るほぼL字型、J字型を含む曲がり形状に形成されている請求項1記載の墓石の外柵における燈明台装置。
  3. 閉塞部材は、内部空間の内側又は外側どちらかの側面を閉塞する内側面閉塞部分又は外側面閉塞部分と、内部空間の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分とが連続して形成されており、平面形状がほぼL字型又はJ字型に形成された閉塞部材から成ることを特徴とする請求項1記載の墓石の外柵における燈明台装置。
  4. 閉塞部材は、内部空間の上面を閉塞する上面閉塞部分と、内部空間の正面を閉じる石材製の正面閉塞部分とが連続して形成されており、側面形状がほぼL字型又はJ字型に形成された閉塞部材から成ることを特徴とする請求項1記載の墓石の外柵における燈明台装置。
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