次に本発明をスロットマシンに適用した実施の形態について説明する。
図1はスロットマシンの全体斜視図、図2は前面扉を取外して示す内部の正面図である。
スロットマシン1の筐体は、正面側が開口する箱形状の筐体本体2と、その開口部を閉じる前面扉3とから構成される。
筐体本体2は、天板2a、底板2b、背板2c、左側板2d、右側板2eからなる。
前面扉3は、左端側の上下複数カ所がヒンジによって筐体本体2に取り付けられ、ヒンジを軸として水平に揺動し、筐体本体2の開口部を開閉可能となっている。
前面扉3の右端部には、筐体本体2側と協働して前面扉3を閉鎖し施錠状態とする施錠機構4が設けられている。
前面扉3の表側は、複数の表示窓6を備える遊技パネル5、コイン投入口7、各種の操作レバーやボタン、スイッチ類を備える操作部8、コイン受け皿9、その他の演出表示部10などが設けられた公知の遊技面となっている。これらの詳細は、例えば特開2008−61739号公報に示される。
筐体本体2の内部は、仕切板2fによって上下に2分割されている。
仕切板2fの下部には、コインを貯留する貯留タンクとコインを前面扉3のコイン受け皿8へ払い出す払出装置とを備えたホッパ装置11や、電源ボックス12が配置されている。
前面扉3のコイン投入口7から投入されたコインはホッパ装置11に供給され、貯留タンクに貯留されるか、あるいはコイン受け皿9へ排出されるようになっている。
仕切板2fの上部には、前面扉3の各表示窓6に対して1対1で対応させて横に並べたリール14を同一軸線上で回転可能に支持したリールユニット15が取り付けられている。
リールユニット15の上方には、スロットマシンの制御を行う主基板ユニット20が背板2cに取付けて設置されている。
以下、主基板ユニット20の構成について詳細に説明する。
図3は主基板ユニットの正面図、図4は側面図、そして、図5は台座装置の分解斜視図である。
とくに指定しない限り、図3の状態を基準として図中の右側を主基板ユニット20の右側、図中の左側を主基板ユニット20の左側とし、図中の手前側を主基板ユニット20の前側、図中の奥側を主基板ユニット20の後側として説明する。
主基板ユニット20は、主制御装置22と、主制御装置を筐体本体2に支持する台座装置25とを備えている。主制御装置22により、遊技内容や演出処理が制御される。
台座装置25は、筐体本体2の背板2cに固定される固定ベース部26と、固定ベース部26に支持されて水平に延びる回動中心軸線Zを中心として上下に回動し傾倒姿勢をとることが可能な可動ベース部28とを備えている。
主制御装置22は可動ベース部28に保持され、図3、図4に示す保持位置から、回動中心軸線Zに直交してこれから離間する方向(上方)にスライドさせることにより、可動ベース部28から取り外し可能となっている。
主制御装置22は、後掲の図9に示すように、表裏一対の第1ボックス200と第2ボックス300によって構成される横長の矩形状の基板ボックス30と、この基板ボックス30内に収容される平板形状の主基板23とからなっている。
第1ボックス200と第2ボックス300は透明または半透明の樹脂で形成される。
主制御装置22を保持した可動ベース部28を図4の(a)に示す起立姿勢にすることにより、基板ボックス30が背板2cにそって平行になって、内部の主基板23の表面が筐体本体2の正面側から視認可能となる一方、可動ベース部28を図4の(b)に示す傾倒姿勢にすることにより、基板ボックス30も筐体本体2の正面側に傾倒して内部の主基板23の裏面が視認可能となるように構成されている。
まず、台座装置の固定ベース部26について、とくに図5を参照して説明する。
固定ベース部26は金属板のプレス成形品で、横長矩形で平坦な底板部40と、底板部40の横幅方向(左右方向)両端から後方へオフセットした後に左右外方へ延びる取付フランジ部42とを有する。
取付フランジ部42は底板部40の面と平行で、底板部40の上下に亘って延びており、背板2cに取り付けるためのネジを挿通させる穴43が形成されている。
底板部40の横幅方向両端部の上部には、可動ベース部28の上部を係止することにより可動ベース部28を起立姿勢位置に保持するための姿勢保持部材56が取り付けられている。
姿勢保持部材56は可撓性を有する合成樹脂製で、底板部40に形成した取付穴に後方から差し込まれて底板部40の前方へ延び、先端に爪57を備えている。
底板部40には、その上端から矩形状に切り欠かれた切欠部44が形成されている。切欠部44は姿勢保持部材56の取り付け位置まで、ほぼ底板部40の左右方向全幅にわたって延びている。
底板部40の下部で横幅方向中央にも、後述する可動ベース部28の裏面から突出する封止ブロック部100を受け入れる矩形の切欠部60が形成されている。
図6は固定ベース部26を背面から見た斜視図である。
切欠部44の水平な下辺からは、その全幅にわたって、後方へオフセットした後底板部40の裏面側へ折り返された取付フランジ部46が延びており、この取付フランジ部46も背板2cへの取り付け部となっている。47は取付フランジ部46を背板2cに取り付けるためのネジを挿通させる穴である。
取付フランジ部42と取付フランジ部46の各オフセット量は同一とされ、取付フランジ部42と取付フランジ部46とで固定ベース部26を背板2cに取り付けたとき、底板部40は背板2cと平行になる。
さらに、底板部40の下部裏面には、金属板のプレス成形品からなる取付フレーム部材48が取り付けられている。
取付フレーム部材48は、固定ベース部26を筐体2の背板2cに固定した場合に、底板部40と背板2cとの間に形成される空間部分の一部を埋めるもので、底板部40から後方へオフセットして取付フランジ部42および取付フランジ部46と面一の矩形状の取付面部50を有する。
後方から見たとき、取付フレーム部材48は底板部40の切欠部60をカバーしている。
取付面部50の上下左右の各辺からはそれぞれの辺の略全長にわたる脚片52が底板部40へ向かって延び、その先端は底板部40と平行に外方へ折り曲げられた接合部54となって底板部40に溶接結合されている。
取付面部50の上辺から延びた脚片の接合部54aは、その先端がさらに後方へ折り曲げられて、取付フレーム部材48自体および底板部40の剛性を高めている。
取付面部50の下辺から延びた脚片の接合部54bは、底板部40の下端まで延びてから先端が後方へ折り曲げられ、底板部40の下端部と背板2cとの間に形成される開口部分を塞ぐ下蓋部55を形成している。
なお、固定ベース部26は底板部40の上端部を筐体本体2の天板2aに当接させた状態で背板2cに固定されるので、底板部40の上端部と背板2cとの間に形成される開口部分は天板2aによって塞がれるが、必要に応じて底板部40の上端部にも上蓋部を設けることができる。
取付面部50の左右両側に離れた2カ所には背板2cに固定するためのネジを挿通させる穴62が設けられている。穴62は可動ベース部28の窓孔107に対応させてあり、その高さ位置は、可動ベース部28の回動中心軸線Zの近傍となる取付面部50の下辺寄りとなっている。
図5に戻って、底板部40の下端は前方へ折り曲げられて、可動ベース部28を支持するための水平に延びる支持フランジ部65が形成されている。
支持フランジ部65はその前縁を上方へ折り曲げてカバーフランジ67とし、これにより樋状をなしている。支持フランジ部65の左右両端は、上方に折り曲げられて互いに対向する軸支板部70、71となっている。
軸支板部70、71は底板部40の上部に取付けられた左右の姿勢保持部材56のそれぞれ下方に対応する位置に設定されている。
各軸支板部70、71には、互いに同一軸線(回動中心軸線Z)上に位置させた軸孔73が設けられている。
右側の軸支板部71には、さらに軸孔73よりも上方でかつ前方に錠取付穴75が形成されている。
カバーフランジ67の左右両端の軸支板部隣接部分は、可動ベース部28を傾倒させたときその当接部87と当接する回動ストッパ68となり、当接したとき可動ベース部28が所定の傾倒姿勢位置となるように、一段低く切り欠かれている。
支持フランジ部65の前後方向幅は、可動ベース部28の下端部の前後方向幅寸法と整合させて、可動ベース部28を固定ベース部26に支持した状態で、可動ベース部28の後述する回動軸部86とカバーフランジ67との間に形成される隙間を最小限にしている。
支持フランジ部65のカバーフランジ67の高さは、軸孔73の中心高さよりも高く、回動軸部86を前方から覆い隠すように設定されている。
これにより、回動軸部86とカバーフランジ67との間隙に、バールやスクリュードライバなどの工具の先端が差し込まれるのを困難にし、回動軸部86の破壊行為を防ぐ。
つぎに、可動ベース部28について説明する。
可動ベース部28は、所定の剛性を有する例えばポリカーボネイトなどの透明な合成樹脂製で、図5に示すように、横長矩形の底板部80と、底板部80の下端から表面側(前方)に向かって延びる載置部82と、底板部80の左右両端からそれぞれ表面側に向かって延びる側板部84、85とを有している。
載置部82には、後述するように主制御装置22(基板ボックス30)を載置する。
載置部82の前端下面には、円柱形状の回動軸部86が一体に形成されている。回動軸部86は側板部84、85の間にわたって左右に延びている。
回動軸部86の左右両端には当該回動軸部の軸心にそって軸孔88(後掲の図7参照)が形成されている。
載置部82および回動軸部86には、側板部84、85から内方へ所定距離だけ離間した位置に、軸孔88の軸心に直交してスリット溝90が設けられている。後述するように、軸孔88はスリット溝90を越えて内側まで延びている。
また、回動軸部86の両端には、固定ベース部26の回動ストッパ68に対応させて、回動軸部86の径方向外方に延びる当接部87が設けられ、前述のように、可動ベース部28を傾倒姿勢位置まで傾倒させた際に、回動ストッパ68に当接するようになっている。
底板部80の下端で横幅(左右)方向中央には封止ブロック部100が形成されている。封止ブロック部100は、大きくは横幅方向中央と、その左右両側の3つに区画され、左右の区画100aは載置部82上に突出している。また、封止ブロック部100はその3区画全体にわたって底板部80の裏面側にも突出している。
左右の区画100aはさらにそれぞれ載置部82上の前壁102と底板部80裏面側の後壁103(後掲の図23参照)との間に空間を形成しており、後述する基板ボックス30の筒状体430に対応して横方向に2室に区画されている。こうして形成された封止ブロック部100の左右4つの室はそれぞれ下端に開口している。
封止ブロック部100の載置部82上に突出した前壁102には、後述の封印ピン430が挿入される係止孔104が設けられている。係止孔104は上下に切欠き105を有している。
底板部80には、封止ブロック部100から左右に所定距離離間させて、矩形の窓穴107が形成されている。
底板部80の裏面には、後掲の図8に示すように、窓穴107の上側にネジブロック108が形成され、ネジブロック108の下端を窓穴107の上辺に一致させてある。ネジブロック108はその下端面に開口するネジ孔109を備えている。
載置部82には、横幅方向中央で封止ブロック部100の前方に、左右に長いスリット穴110が形成されている。
側板部84、85は、載置部82と略同一の前後幅で底板部80の全高さにわたって延びている。
各側板部84、85の前端には、上端および下端の一部を除いて所定の横幅(左右方向幅)の返し部112が内側に向かって延びており、また側板部84、85と底板部80の接続部には返し部112と同一の横幅をもった突条段部113が上下に延びている。
これにより、各側板部84、85の内壁には返し部112と突条段部113の間に、主制御装置の基板ボックスをスライドさせる際の一定前後幅のガイド溝114が形成される。
側板部85の上下方向略中央位置には、返し部112上から前方へ突出したあと内方(左方)へ延びる固定ブラケット部118が設けられ、底板部80に向かって垂直方向にネジを挿通させる穴119が形成されている。
底板部80の上端部には、横幅(左右方向)中央に、可動ベース部28に保持された主制御装置22を係止するための係止部120が設けられている。
係止部120は主制御装置を可動ベース部28に装着した際に、基板ボックス30に設けられた不図示の突起部と係合し、また弾性変形させることにより係合を解くことができるようになっている。
底板部80上端には係止部120を挟む左右両側に、基板ボックス30の上端部に設けられた後述のスリット溝に係止するため、上方へ延びる突出片122が形成されている。
図7は、回動軸部端部の構成を示す断面図である。
各側板部84、85の下端部には、回動軸部86の端面との間にスリット126を形成するボス板部124、125が設けられている。スリット126は回動中心軸線Zに直交し、このスリット126に固定ベース部26の軸支板部70、71が挿入される。
各ボス板部124、125には、軸孔127が回動軸部86の軸孔88と同軸上に形成されている。
支持ピン128をボス板部124の軸孔127から、軸支板部70の軸孔73を通して、回動軸部86の軸孔88に挿入し、また支持ピン128をボス板部125の軸孔127から、軸支板部71の軸孔73を通して回動軸部86の軸孔88に挿入することにより、可動ベース部28は固定ベース部26に対して回動自在に支持される。
この際、支持ピン128はボス板部124、125の軸孔127と回動軸部86の軸孔88については圧入とされるとともに、支持ピン128の頭部はボス板部124、125の外側端面に形成した凹部129内に位置して外側端面から突出しないように設定され、取り付け後の支持ピン128の取り外しができないようになっている。
図5に戻って、載置部82の上面には金属板の補強プレート130が取り付けられる。補強プレート130は、載置部82の左右のスリット溝90の間にわたる長さを有して載置部82の上面に重ね合わされる平板部132と、平板部132の後端から上方に延びて底板部80の表面に重ね合わされる縦壁134と、平板部132の左右両端から下方に延びてスリット溝90に差し込まれる軸支板部136とを備える。
軸支板部136には、スリット溝90に差し込まれた状態で回動軸部86の軸孔88と同軸上に位置する孔137が設けられ、孔137は軸孔88と同径である。
なお、底板部80の前面は補強プレート130に対応する領域116が補強プレートの板厚分だけ窪んでおり、底板部80の表面が補強プレート130とその周辺を含めて平滑な一平面をなすようになっている。
補強プレート130の平板部132には、載置部82のスリット穴110と整合するスリット穴138が形成され、縦壁134には、封止ブロック部100に整合する切欠穴140が形成されるとともに、底板部80の窓穴107にそれぞれ重なる位置に矩形の窓穴142が形成されている。
図8は窓穴部における補強プレートと底板部の固定構造を示す図である。
補強プレート130の窓穴142を形成する際の切り起こし片は、当該窓穴142の上辺から後方へ曲げられてブラケット部144となっている。ブラケット部144は、底板部80の窓穴107を通過してネジブロック108の下端面に重なる。
ブラケット部144に形成された挿通孔145を通して、固定ネジを下方からネジブロック108のネジ孔109にねじ込むことにより、補強プレート130が可動ベース部28に固定される。
この補強プレート130により、可動ベース部の剛性が高まるので、後述する第2封印部を抉るなどの試みが行われても、可動ベース部が保持している基板ボックスの撓みが抑えられ、不正行為を困難とする。
図5、図7に示すように、側板部85の下端部とボス板部125には同軸の錠取付穴89が形成されている。錠取付穴89の位置は、可動ベース部28を起立姿勢位置にしたとき、固定ベース部26の錠取付穴75と重なるよう設定され、例えば南京錠などを取り付けることによって、可動ベース部28の人為的な傾倒を禁止できる。
以上の構成を有する台座装置25は、まず、固定ベース部26の表面側から取付フランジ部42の穴43に取付ネジを挿通して、筐体本体2の背板2c内側の対応する箇所に予め設けられているナット部にねじ込む。
さらに、可動ベース部28を起立姿勢位置とした状態で、可動ベース部の補強プレート130の窓穴142と底板部80の窓孔107とを通して取付フレーム部材48の穴62に取付ネジを挿通して、筐体本体2の背板2c内側の対応する箇所に予め設けられているナット部にねじ込むことにより、背板2cに固定される。
また、背板2cに予め形成された挿通孔に、外部からネジを挿入し取付フランジ部46の穴47に設けられたナットにねじ込む。
これにより、固定ベース部26は、背板2cに対して前方および後方の両方から固定されるので、前方または後方の一方からのみでは背板2cから取り外すことができない。
とくに基板ボックス30を可動ベース部28に保持した状態では、可動ベース部の窓孔130、142が基板ボックス30によって塞がれるので、可動ベース部28の前方からこれらの窓孔にスクリュードライバの先端を差し込むこともできない。
また、取付フレーム部材48の穴62は、回動中心軸線Zの近傍であるから、可動ベース部28を傾倒姿勢とした場合でも、スクリュードライバの先端を差し込むことができない。
次に、主制御装置22の構成について説明する。
図9は主制御装置22の分解斜視図である。
基板ボックス30は表側の第1ボックス200と裏側の第2ボックス300とからなっている。
主基板23は、対角線上に位置する隅角部に設けられた一対の小孔24を通して不図示のネジにより第1ボックス200の内側に取り付けられる。主基板23上には、図示しない配線パターンが形成されるとともに、CPUやROM等のICチップを含む各種電子部品、ソケット等が実装されている。
第1ボックス200は、主基板23上の比較的背の高い電子部品等を収容可能とする主基板収容部201を有しており、その周縁部には、一段低い段部202が形成されている。
段部202には、主基板上のソケットを挿通させるための複数のソケット挿通孔203が形成されている。
主基板収容部201の表面には、封印履歴記録シートを貼付するための貼付枠204が設定されている。
第1ボックス200の右端には、上下方向略中央に固定面205が形成されている。固定面205は、基板ボックス200を可動ベース部28に載置したとき、可動ベース部28の固定ブラケット部118の裏面に重なるように設定され、基板ボックス200を可動ベース部28に固定するためのネジ孔206を備えている。
固定面205の内側(左方)には段差をもって平面部207が隣接し、基板ボックス200を可動ベース部28に固定したときに、固定ブラケット部118の表面と面一に連続するようになっている。
平面部207と固定ブラケット部118の表面は協働して封印シール(図示せず)のシール貼付面を形成する。すなわち、封印シールを平面部207と固定ブラケット部118の両者にまたがって貼付することにより、一旦剥がされるとシール貼付面に剥がされた形跡を残す。
第1ボックス200の左右両端の側壁210には、上下方向全高さにわたって外方へ突出するレール形成部211が設けられている。
第2ボックス300は、第1ボックス200に取り付けられた主基板23の裏面に対向する底板部301を有している。底板部301の内面には格子状のリブ302が設けられて剛性を高めている。底板部301の左右両端の側壁310には、上下方向全高さにわたって外方へ突出するレール形成部311が設けられている。
図10は第1ボックス200と第2ボックス300のレール形成部を示す図である。(a)はレール形成部211の側面図、(b)は(a)におけるA−A部拡大断面図、(c)はレール形成部311の側面図、(d)は(c)におけるB−B部拡大断面図、そして(e)は結合状態を示す断面図である。
レール形成部211には、側壁210の後端縁から外方に起立して、上下方向に延びる複数のリブ211bが上下に一列に並ぶように設けられ、各リブの上端から後方へ延びる片とその後端から上方へ延びる片とからなるL字状の複数の引掛部212が形成されている。
また、これらの引掛部212に接続して、引掛部212の外側に側壁210の上下方向全高さにわたる一定幅の帯板部211aが側壁210と平行に形成されている。
レール形成部311には、側壁310から外方に起立して、基板高さ方向(前後方向)に延びる片とその前端から側壁310の前縁に沿って下方へ延びる片とからなるL字状の複数の引掛部312が所定間隔をおいて上下に一列に並ぶように設けられている。
また、側壁310から外方に起立して、上下方向全高さにわたる一定幅の縦壁部311aが形成され、この縦壁部311aは、引掛部312の前後方向に延びる片の後端をつないでいる。
第1ボックス200と第2ボックス300はこれら複数の引掛部212と引掛部312との係合により結合して、中空箱状の基板ボックス30を形成する。
すなわち、第2ボックス300を第1ボックス200の裏面に対して上方に所定量ずらせた位置で、第2ボックスの引掛部312を第1ボックスの引掛部212の間に置いて第1ボックスと第2ボックスを重ね合わせ、それから第2ボックス300を第1ボックス200に対して相対的に下方へスライドさせることによって引掛部212と引掛部312が互いに係合する。
とくに図10の(e)に示すように、第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、帯板部211aの後端縁は縦壁部311aに当接するとともに、縦壁部311aの外方端縁は帯板部211aの外面と面一になるように設定されている。
これにより、第1ボックスのレール形成部211と第2ボックスのレール形成部311とは協働して、基板ボックスの上下方向に延びるレール32を形成する。
第1ボックス200の上端壁209上の後部には、左右方向全幅にわたって延びる対向壁213が設けられるとともに、対向壁213の後方(第2ボックス側)に、対向壁と平行な複数の係合突片214が左右方向一列に並んで設けられている。
第1ボックス200と第2ボックス300の結合状態において、第2ボックス300の上端壁308は第1ボックス200の上端壁209の上に重なるとともに、上端壁308の前端面308aが左右方向全幅にわたって第1ボックス200の対向壁213との当接面となるように設定されている。
さらに、第2ボックス300の上端壁308には、前端面308aの直後に、第1ボックス200を第2ボックス300との結合位置へスライドさせたときに第1ボックスの係合突片214を受け入れる係合穴316が形成されている。
第1ボックス200の下端部には、後述する角孔部241と切欠部221の間に、第1ボックス200の裏面(第2ボックス側)に開口したネジ孔216を備える連結固定部215が設定されている。
図11に示すように、第1ボックス200の裏面には、連結固定部215を区画し上方へ開口する所定高さの囲み壁217が設けられている。
そして、第2ボックス300には、第1ボックス200の連結固定部215に対応して矩形の固定ブロック304が設けられている。
固定ブロック304は、第1ボックスと第2ボックスの結合状態において、第1ボックスの連結固定部215のネジ孔216に対応する穴305を有しており、この穴305からネジをネジ孔216にねじ込むことにより、第1ボックス200と第2ボックス300とが固定される。
第2ボックス300の裏面(外面)には上端壁308から下方に延びる形で、底板部301の裏面との間にスリット溝318を形成する係合ブロック317が左右方向に複数設けられている。
スリット溝318には、基板ボックス30を可動ベース部28に保持したときに、可動ベース部28の突出片122が挿入されて係止する。
第1ボックス200の下端壁には、左右方向中央に、下方に向いた突出片218が設けられている。
突出片218は第1ボックス200の横幅の略1/3強の長さを有して左右に延びており、基板ボックス30を可動ベース部28に保持したときに、可動ベース部の載置部82および補強プレート130のスリット穴110、138に挿入されて係止する。
図3に示すように、基板ボックス30の下端部には、左右に離間した位置に第1封印部34と、左右方向中央に設けられた第3封印部38と、第3封印部の左右に隣接した第2封印部36とが並んでいる。当該部位にはA〜Fの符号が付せられている。
第1封印部34(A、A)と第3封印部38(F)は第1ボックス200と第2ボックス300を封印結合するもので、第2封印部36(B、C、D、E)は基板ボックス30を可動ベース部28に封印結合するためのものである。
第1ボックス200には、第1封印部34を形成するため、左右に離間した位置の切欠部221に封印部材220が設けられている。
また、第2封印部36と第3封印部38を形成するため、左右方向中央に1列に並んだ角孔部261、241にそれぞれ封印部材260、240が設けられている。列中央の角孔部261が第3封印部用、その両側の角孔部241が第2封印部用である。
第1ボックス200の裏面には列中央の角孔部261の左右幅を画する所定高さの隔壁261a(図11参照)が設けられている。
第2ボックス300の下端の左右に離間した位置には、第1ボックス200の切欠部221に対応して封印部材320を備える切欠部321が設けられている。
第2ボックス300の下端の左右方向中央には矩形ブロック341が設けられ、矩形ブロック341は封印部材を備えて、第1ボックス200の角孔部261と協働して第3封印部38を形成する。
矩形ブロック341と左右の固定ブロック304の間は、第1ボックス200の角孔部241に対応させたカバー板部334となっている。
カバー板部334は可動ベース部28の封止ブロック部100に対応させて 底板部301の裏面よりも前方へオフセットさせてあり、基板ボックス30を可動ベース部28に載置したときに、封止ブロック部100の前壁102の表面とカバー板部334の裏面とが面で接するように設定されている。
カバー板部334と固定ブロック304との間、およびカバー板部334と矩形ブロック341との間には、スリット336が形成され、第1ボックス200の固定部215裏面に設けた囲み壁217と、角孔部261裏面の左右に設けた隔壁261aとがこれらのスリット336に進入可能となっている。これにより、基板ボックス30の組立時に第1ボックス200と第2ボックス300のスライドを許す。
また、第1ボックス200と第2ボックス300が結合した状態では、固定部215と固定ブロック304の合わせ面が囲み壁217でカバーされ、角孔部241と矩形ブロック341の合わせ面が隔壁261aでカバーされる。
つぎに、封印結合構造について説明する。
まず、最外側の第1ボックス200の切欠部221と第2ボックス300の切欠部321との合わせ部に形成される第1封印部34の封印結合構造を説明する。
図12は第1ボックスの切欠部221における封印部材220の構造を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるC−C部断面図、(c)は(a)におけるD−D部断面図、(d)は裏面図、(e)は(d)におけるE−E部断面矢視図である。
切欠部221は下端が開放されている。
封印部材220は、切欠部221の上壁および側壁との間に間隙をおいて設けられた矩形の主板225を備え、主板225は、第1ボックス200の表面から後退した位置に配置されて、上記間隙を横切る脆弱な連結部222により上壁および側壁と接続している。連結部222は上壁との間に2本、左右の側壁との間に各1本ずつ設けられている。
ここで脆弱な連結部とは、その断面の幅が小さくあるいは薄板状に形成されて、当該連結部が接続する両側の部材よりも低強度に設定され、所定のせん断力で、あるいはニッパなどの工具で切断して封印結合構造部を第1ボックス200あるいは第2ボックス300から切除できる特性としてあることを意味する。以下、同じである。
主板225には後述する封印ピンのヘッドに対応させた上円下方形状の孔226が設けられている。そして主板225の表面には、孔226の周囲に閉じた囲み壁227が前方に突出して設けられている。孔226の主板表面側開口面は一般表面よりも後退している。これにより、囲み壁227の内側は一般表面よりも深い凹部となっている。
囲み壁227の内壁は先端(前方)へいくほど開口が広くなるように傾斜しており、内壁の根元の径は封印ピンの後述する突片の先端を包む包絡線の回りに所定の間隙が確保される程度に大きく設定されている。
主板225の孔226のサイズは、封印ピンの後述する基部よりも大きく設定されている。
主板225の裏面には、上端が開口したポケット部228が設けられ、ポケット部228のさらに裏面には袋部229が設けられている。これらの主板225、囲み壁227、ポケット部228および袋部229は一体に成形されている。
袋部229には主板225の孔226と対応する孔230、231が形成されている。
袋部の孔230、231は後述する封印ピンの軸部と整合する丸孔で、孔231の後方は閉じている。
ポケット部228は孔226と230の間を横切っている。
孔230、231の軸心は、主板225の孔226の上円部分の円中心上に一致させてある。
ポケット部228の孔230の径は袋部229の孔231よりも所定量大きく、後述する封印ピン400における弾性部407の係止爪408を収容できるように設定されている。
ポケット部228および袋部229の上端は主板225の孔226の孔縁上端よりも上方に位置する水平な平坦面229aとなっている。
図13は第2ボックス300の切欠部321の構造を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるF−F部断面図、(c)は下面図である。
切欠部321は下端が開放されている。
封印部材320は、切欠部321の上壁および側壁との間に間隙をおいて設けられたブロック部325を備え、ブロック部325は上記間隙を横切る2本の脆弱な連結部322により上壁と接続している。
ブロック部325の下端面の外形輪郭は、第1ボックス200のポケット部228と袋部229の平坦な上端面と整合する形状を有している。
ブロック部325の下端からは、ポケット部228に差し込まれる矩形の係止片326が、ブロック部325の前面と面一に下方に延びている。
係止片326には、ポケット部228に挿入されたときに袋部229の孔231と孔軸を整合するよう、孔231と同径の孔327が設けられている。
これら第1ボックス200の封印部材220と第2ボックス300の封印部材320は、図14に示す封印ピンにより結合されて基板ボックス30を封印する第1の封印結合構造を形成する。
図14の(a)は封印ピンを前方から見た斜視図、(b)は後方から見た斜視図、(c)は正面図、(d)は縦断面図、(e)は(d)におけるG−G断面図、(f)は後面図である。
封印ピン400は、PA、PP、POM、PCあるいはABS等の樹脂製で、ヘッド401と軸部402からなる。
ヘッド401は、軸部402の軸心を中心とする半円の第1領域R1と軸部402に対して垂直方向に半円の半径よりも長く延ばした方形形状の第2領域R2とを有する基部403と、基部403から延びる複数の突片404とからなっている。
突片404は第1領域R1からは放射状に延び、第2領域R2からは方形の幅方向に張り出しており、各突片404の先端を包む包絡線が全体として上円下方形状をなすようになっている。
第2領域R2の方形形状部分の裏面(軸部側)には凹部405が形成されている。
突片404は基部403の軸方向厚さよりも薄く、根元部分は基部403の先端面と面一に形成されている。突片404の先端部の前面は後方へ傾斜して、最先端は根元部分よりもさらに薄くなっている。この突片404は基部403に対して外力に弱い脆弱部となっている。
基部403には隣接する突片404、404の間に切欠部406が設けられ、切欠部406は基部403の前端側が切欠き量の大きい段差形状となっている。なお、図14において、仮想線は基部403の切欠き前の基本形状を示している。
基部403に続く軸部402は、ヘッド401側が閉じた円筒形状で、弾性部407を備えている。弾性部407は軸部402の筒壁に形成したコ字形状のスリットに囲まれて、基部403側を根元として後方へ延びる片形状をなし、先端に外方(左右方向)へ突出する係止爪408を有している。
係止爪408は前端を軸方向に垂直で基部403に対向する係止面410とし、その後部外面は軸部403と同軸のコーン形状をなして、先端が軸部の径まで縮径する傾斜面409としている。
図15は封印過程を示す図で、(a)は第1ボックス200と第2ボックス300の結合前の状態、(b)は結合時の状態を示す。
第1封印部34においては、図15の(a)に矢示で示すように、第1ボックス200と第2ボックス300を互いにスライドさせて結合する際に、第2ボックス300のブロック部325から延びる係止片326が、第1ボックス200側のポケット部228に差し込まれる。
ブロック部325の下端面がポケット部228と袋部229の上端面に当接するまで係止片326が差し込まれると、図15の(b)に示すように、主板225、係止片326、および袋部229の孔226、327、230、231が整合して一直線に並ぶ。
この状態において、(b)に矢示で示すように、前方(第1ボックス200の表面側)から主板225および係止片326の各孔226、327を貫通して、封印ピン400が袋部229の孔231まで挿入される。封印ピン400のヘッド401の形状が上円下方の異型であるため、囲み壁227の形状に合わせて位置決めすることができ、挿入作業は容易である。
この挿入の際、囲み壁227の内壁は根元が封印ピン400の突片404の包絡線よりも広く、さらに先端開口が広くなるように傾斜しているので、封印ピン400の突片404が脆弱でも周辺部材と接触して破損するおそれはない。
図16は封印ピン400が挿入されて第1ボックス200の封印部材220と第2ボックス300の封印部材320とが結合された封印結合構造を示す。(a)は図15と同方向の断面図、(b)は(a)におけるH−H部断面図である。
封印ピン400の弾性部407は軸心方向に変形して係止片326の孔327を通過し、ヘッド401の突片404が主板225の孔226開口面に接するまで挿入されると、復元して弾性部407の係止爪408が係止片326の裏面に係止する。
なお、突片404が孔226の開口面に当接したとき、封印ピン400の基部403の後端面は係止片326の前面に接するように、設定されている。
このあと、封印ピン400のヘッド401をカバーするように、硬化樹脂Pを囲み壁227内に充填する。硬化樹脂Pは、紫外線など光の照射により硬化する樹脂、加熱により硬化する樹脂あるいは空気中での時間経過により硬化する樹脂から選択するが、非可逆性の硬化樹脂が好ましい。
係止片326とブロック部325は前面が面一となっているので、主板225の裏面と面で接する。また、ブロック部325の下端も第1ボックス200のポケット部228と袋部229の上端と整合する外形輪郭の平坦面325aとなっているので、ポケット部228と袋部229の上端面に接した状態となる。
したがって、突片404が主板225の表面に着座している封印ピン400のヘッド401は、囲み壁227内に充填された硬化樹脂Pが硬化することにより、ヘッド401と主板225および硬化樹脂Pが強固な接着状態となる。
この封印結合構造では、第1ボックス200の封印部材220におけるポケット部228および袋部229は下端が閉じ、またポケット部228が開口する上端は封印部材320のブロック部325が重なって閉じているため、封印ピン400の係止爪408が係止片326に係止している部分は外部から遮断された袋構造となっている。
このため、下方から係止部分の封印ピン400に到達することができないし、後方からも袋部229の孔231が閉じているので、封印ピン400に到達することができない。
さらに、第1ボックス200のポケット部228および袋部229の上端(平坦面229a)と第2ボックス300のブロック部325の下端(平坦面325a)との合わせ面、にドライバなどを差し込んでこじ開けて封印ピン400に到達しようとしても、当該合わせ面上に封印ピン400(したがって係止爪408)は存在しない。したがって、その係止爪408に外力を及ぼすこともできない上、ブロック部325から合わせ面に垂直に延びる係止片326が封印ピン400によって第1ボックス200のポケット部228に保持されているので、袋部229とブロック部325間の合わせ面を拡げること自体が困難である。
このため、第1ボックス200と第2ボックス300を分離するためには、前方から硬化樹脂Pを削り取るなどして除去し封印ピン400を強引に抜くしかない。
ここで、封印ピン400のヘッド401は脆弱な突片404を基部403の周辺に複数備えており、これらの突片404が硬化樹脂Pと強力に接着している。また、ヘッド401の突片404はその裏面が主板225の孔226の開口面に接するように設定されているが、硬化樹脂Pはその対向面間にも回り込む。
したがって、硬化樹脂Pを除去しようとすれば必ず硬化樹脂Pとともに突片404が引きちぎられてその痕跡が残る。また、除去できなくて囲み壁227内に残った硬化樹脂Pに対して、再度硬化樹脂を流し込んでも、界面の発生により破壊の痕跡が残る。
また、主板225の孔226のサイズが係止片326の孔327よりも大きく、さらに封印ピンの基部403よりも大きく、また封印ピン400の突片404間には基部403に切欠部406が形成されている。したがって、囲み壁227内に充填された硬化樹脂Pは、図17に誇張した塗りつぶしで示すように、基部403周縁と主板225の孔226の間の間隙から主板225の裏面と第2ボックス300の係止片326との合わせ面や、さらに基部403の方形形状部分裏面の凹部405にまで回り込む。
充填する樹硬化脂Pが例えば光硬化性のものである場合には、孔226から封印部材320の孔327周辺に流れ込んだ硬化樹脂は、ヘッド前方から、すなわち主板225の表面側からの光照射だけでも容易に硬化させることができ、硬化は主板225やヘッド基部403の裏面側まで及んでいく。
したがって、封印ピン400と硬化樹脂Pとの接触面積自体も大きいため、互いの接着力も高いとともに、硬化した樹脂は第1ボックス200、第2ボックス300および封印ピン400を強固に結合しているので、間隙や裏面側には手前側から到達できないこととも相俟って、硬化樹脂P自体の除去も困難である。
さらに、封印部材220は上下方向および左右方向に配置した脆弱な連結部222で周辺部と接続され、封印部材320も上下方向に配置した脆弱な連結部322で周辺部と接続されているので、基板ボックスが可動ベース部28に保持されている状態で、封印ピン400を抉って抜き出そうとすると各方向の連結部222および322のいずれにもせん断力がかかって破壊される。したがってこの場合にも破壊の痕跡から基板ボックスの不正な開封を知ることができる。
また、第1封印部自体の解除の場合だけでなく、隣接する第2封印部を抉って封印を解除しようとした場合にも、その際の部材変形の影響を受けて、左右方向に配置したなかの当該第2封印部に近い側の連結部322がせん断力を受けて破壊される。
同様に、基板ボックスの例えば主基板収容部201などを抉った場合などにも、その部位に近い側に配置された上下方向の連結部222や322がせん断力を受けて破壊される。
なお、封印ピン400のヘッド形状としては、図14に示したほかにも種々の変形が可能である。例えば、図18の(a)は脆弱部の幅をとくに細くした突片404aを備えるもの、(b)は根元の裏面を抉って脆弱の度合いを大きくした突片404bを有するもの、(c)は先端を後方へオフセットさせた突片404cを有するもの、また、(d)はヘッドが突片404よりも前方まで延びた突出部403aを有するものである。
これらはいずれも異型部分が接着面積を増大させるのに役立つ。
上記(b)、(c)では一部の突片のみを他の突片と異ならせているが、もちろん全突片を同形状としてもよい。
このほか突片の形状を種々異ならせることができるが、ヘッドの正面形状は軸部の軸心に関して対称ではなく、特定の径方向を特徴付ける異型とするのが挿入時の位置決めを容易とする点で望ましい。
つぎに、基板ボックス30と可動ベース部28とを結合封印する第2封印部36の封印結合構造について説明する。
図19は第1ボックス200の角孔部241における封印部材を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるJ−J部断面図である。
角孔部241は底壁242を有する。
第1ボックス200を前方から見たとき、角孔部241の中央に、封印部材として軸を前後方向とした筒状体240が配置され、筒状体240はその前端部が上下の脆弱な連結部244によって角孔部241の上内壁と下内壁に連結されている。
角孔部241の底壁242は、前方から見たときの筒状体240と連結部244の輪郭に対して所定の間隙を設けた形状に切り欠かれた穴243を有し、筒状体240の後端はその穴243を貫通して底壁242よりも後方(第2ボックス側)へ突出している。
底壁242が筒状体240とつながっていないため、連結部244を切断することで筒状体240を切除できる。
筒状体240は前端から後端近くまでを大径孔247、後端部を大径孔よりも小さい小径孔248とする貫通孔246を有している。
貫通孔246の上端には、大径孔247および小径孔248のそれぞれに軸方向の溝249、250が形成されている。溝249は前端から中央まで延び、溝250は小径孔248の前端から延び、大径孔の溝249より短い。
先の図9に示すように、第2ボックス300のカバー板部334には、第1ボックス200の筒状体240に対応させて、筒状体240の後端を通過させるU字状の切欠き335が形成されている。
第1ボックス200と第2ボックス300を結合させた状態で、筒状体240の後端とカバー板部334の裏面とは面一となる。すなわち、底壁242からの筒状体240の突出長さはカバー板部334の板厚と同一に設定されている。
可動ベース部28の封止ブロック部100はその前壁102が、基板ボックス30を可動ベース部28に載置した状態で、第2ボックス300のカバー板部334の裏面と面で接するように設定されている。
図5に示したように、前壁102には、前述のように、封印ピン430が貫通する係止孔104が形成されている。
封印ピン430について説明する。
封印ピン430は、図20に示すように、筒状の第1ピン432と、第1ピン432に挿入される第2ピン450とからなり、いずれもPA、PP、POM、PCあるいはABS等の樹脂製である。
図21は第1ピンを示す図である。(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図、(d)は底面図、(e)は背面図、そして(f)は(b)におけるK−K部断面図である。
第1ピン432は、第1ボックス200の筒状体240の大径孔247に対応する径をもつ大径部433と、小径孔248に対応する径をもつ小径部434とからなる外形を有する。大径部433の長さは筒状体240の大径孔247の長さと整合している。
大径部433側を前、小径部434側を後とする。
第1ピン432の外周面には大径部433の前端から中央位置まで軸方向のキーリブ435が形成されるとともに、その延長線上に小径部434の前端からも短い軸方向のキーリブ436が形成されている。
キーリブ435、436のそれぞれの長さと高さは筒状体240の溝249、250に対応しており、キーリブ435、436を溝249、250に合わせれば、第1ピン432をその前端が筒状体240の前端と面一になるまで押し込むことができ、キーリブ435、436と溝249、250の係合により回転方向の位置も固定される。
第1ピン432は外形形状に沿った大径孔439と小径孔440とからなる貫通孔438を有している。
大径孔439には、キーリブ435に対して周方向180°の位置に、軸方向全長にわたるスリット441が形成されている。
小径部434には、キーリブ435とスリット441をむすぶ上下方向に対して、直角の左右方向に弾性部443が設けられている。弾性部443は、小径部434の筒壁に形成したコ字形状のスリットに囲まれて、大径部433側を根元とし軸方向後方へ延びる片形状をなし、後端に外方(左右方向)へ突出する係止爪444を有している。
係止爪444は前端を軸方向に垂直な係止面446とし、その後部外面は小径部434と同軸のコーン形状をなして、先端が小径部434の径まで縮径する傾斜面445としている。
第1ピン432の前端から係止爪444の係止面446までの距離は、第1ボックス200の筒状体240の長さに、可動ベース部28における封止ブロック部100の前壁102の板厚を加えた長さに対応し、基板ボックス30を可動ベース部28に載置した状態で、係止爪444が前壁102の裏面に係止するよう設定されている。
小径部434の後端の上下には、後述の第2ピンの係止爪と係合する切欠き447が設けられている。
図22は第2ピンを示す図である。(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図、(d)は背面図、そして(e)は(b)におけるL−L部断面図である。
第2ピン450は、第1ピン432の大径孔439に整合する径を有する大径部451と、小径孔440に整合する径を有する小径部452とを有し、前端が大径部451の前壁で閉じられ、小径部452の後端に開口する筒孔453を備えている。
大径部451の長さは大径孔439の長さに対応し、全長にわたってスリット441に対応する軸方向のキーリブ454が形成されている。
小径部452の後端からは、後方へ弾性部455が延びている。弾性部455は後端に外方(左右方向)へ突出する係止爪456を有し、係止爪456は前端を軸方向に垂直な係止面458とし、その後部外面は小径部452と同軸のコーン形状をなして、先端が当該小径部452の径まで縮径する傾斜面457としている。
弾性部455は、図22の(e)に示すように、第2ピン450の軸心とキーリブ454を通る直径線上の互いに反対側に設けられている。
係止面458の軸方向位置は、第2ピン450をその前端が第1ピン432の前端と面一になるまで押し込んだときに、第1ピンにおける小径部434の切欠き447の底端面に係止するように設定されている。
図23の(a)は、筒状体240に第1ピン432を挿入した状態を示し、(b)は(a)におけるM−M部断面図、(c)は第1ピン432に第2ピン450を挿入が終了した第2の封印結合状態を示し、(d)は(c)におけるN−N部断面図である。
まず、基板ボックス30を可動ベース部28に載置した状態で、第1ピン432をその先端(後端)から筒状体240に差し込んでいくと、第1ピン432の弾性部443が内径方向に撓んで、(係止爪444が小径孔248の内径まで引っ込んだ状態で小径部434が小径孔248内に進入する。
そして、係止爪444が筒状体240に続く封止ブロック部110における前壁102の係止孔104を通過すると、(a)、(b)に示すように、弾性部443が復元して係止爪444が小径部434外周面から突出し、その係止面446が前壁102の裏面に係止する。
つぎに、第2ピン450をその先端(後端)から第1ピン432に差し込んでいくと、第2ピン450の弾性部455が内径方向に撓んで、係止爪456が小径孔440の内径まで引っ込んだ状態で小径部452が小径孔440内に進入する。
そして、係止爪456が小径部後端の切欠き447に至ると、(c)、(d)に示すように、弾性部455が復元して係止爪456が小径部452の外周面から突出し、その係止面458が切欠き447の底端面に係止する。
この結果、第1ピン432および第2ピン450の前端は筒状体240の前端と面一で、第1ピン432や第2ピン450を工具で掴むことができない。
基板ボックス30側から延びた第1ピン432の係止爪444が左右に突出して封止ブロック部100の前壁102の裏面に係止することにより、基板ボックス30が可動ベース部28に結合されるが、第1ピン432内に第2ピン450が挿入されることにより弾性部443は撓むことができない。
また、第1ピン432の係止爪444が係止している前壁102の係止孔104は上下に係止爪444が通過可能な切欠き105を有しているが、第1ピン432はキーリブ435、436と溝249、250の係合により回転が規制されているので、係止爪444を切欠き105位置へ回転させることもできない。
したがって係止爪444が封止ブロック部の前壁102から外れることはなく、基板ボックス30と可動ベース部28の結合が解除されることはない。
また、係止爪444を含む封印ピン430の後端が位置する封止ブロック部100の空間は下端のみが開口しているが、可動ベース部28には平板部132を備える補強プレート130が設けられて封止ブロック部100内は閉空間となっているので、当該開口からもドライバ等によって封印ピン430に到達することはできず、基板ボックス30と可動ベース部28の結合を解除することはできない。
つぎに、第3封印部38について説明する。これは、基板ボックス30と可動ベース部28とを封印するのに用いる封印ピン430を流用して基板ボックスの第1ボックス200と第2ボックス300間を封印する。
図24は、第1ボックス200における左右方向中央の角孔部261の封印部材を示す図である。(a)は正面図、(b)は(a)におけるQ−Q部断面図である。
角孔部261にはその中央に、封印部材として軸を前後方向とした筒状体260が配置され、上下の脆弱な連結部264によって角孔部の上内壁と下内壁に連結されている。
筒状体260は左右に隣接する角孔部241における筒状体240よりも前方に突出している。
角孔部261は隣接する角孔部241と同じく底壁262を有し、底壁262は前方から見たときの筒状体260と連結部264の輪郭に対して所定の間隙を設けた形状に切り欠かれた穴263を有して、筒状体260の後端はその穴263を貫通して底壁262の裏面と面一になっている。
筒状体260は前端から後端近くまでを大径孔267、後端部を大径孔よりも小さい小径孔268とする貫通孔266を有している。
大径孔267は封印ピン430における第1ピン432の大径部433に対応する径をもち、小径孔268は小径部434に対応する径をもつ。大径孔267の長さは第1ピンの大径部433の長さと整合している。
貫通孔266の上端には、大径孔267および小径孔268のそれぞれに軸方向の溝269、270が形成されている。
大径孔267の溝269は前端から中央まで延び、小径孔268の溝270は前端から延び、大径孔の溝269より短い。
ここまでは隣接する角孔部241の筒状体240と同一で、第1ピン432を挿入可能となっている。
筒状体260の軸方向長さは、第1ピン432の前端から係止爪444の係止面446までの距離に対応しており、これにより、第1ピン432をその前端が筒状体260の前端と面一になるまで挿入したとき、係止面446が筒状体260の後端に係止する。
図25は第2ボックス300の矩形ブロック341の封印部材を示す図である。(a)は正面図、(b)は(a)におけるR−R部断面図、(c)は底面図である。
矩形ブロック341は、封印部材として、中央に軸を前後方向としたキャップ状体340が配置され、上下の脆弱な連結部344によって上壁と下壁に連結されている。
矩形ブロック341はまた前壁342を備え、前壁342は前方から見たときのキャップ状体340と連結部344の輪郭に対して所定の間隙を設けた形状に切り欠かれた穴343を有して、キャップ状体340の前端はその穴343を貫通して前壁342の前面と面一になっている。
キャップ状体340は後端が閉じ、前端に開口する筒孔346を有する。筒孔346の軸方向前半は第1ピン432の2つの係止爪444の自由状態における外方端間の距離に対応する大径孔347となっており、後半は第2ピン450における弾性部455の係止爪456を収容できるよう設定された小径孔348となっている。
矩形ブロック341の前壁342は、第1ボックス200と第2ボックス300を結合したときに、第1ボックスの角孔部261の底壁262と面で接するとともに、キャップ状体340の筒孔346と筒状体260の貫通孔266の軸が整合するように設定されている。
この状態で、前述のように第1ピン432をその前端が筒状体260の前端と面一になるまで挿入してその係止爪444を筒状体260の後端に係止させる。このとき、第1ピン432の小径部434はキャップ状体340の筒孔346内に延びる。
それから、第1ピン432に第2ピン450をその前端が筒状体260ならびに第1ピン432の前端と面一になるまで挿入すると、第2ピン450の係止爪456が第1ピン432の小径部434の切欠き447に突出して、その係止面458が切欠き447の底端面に係止して、第3の封印結合構造が形成される。図26はこの状態を示す。
これにより、第2ピン450は第1ピン432から抜けず、第1ピン432は筒状体260から抜けず、第1ピン432と第2ピン450からなる封印ピン430が第1ボックス200と第2ボックス300間の合わせ面を横切る状態に保持されるので、第1ボックス200と第2ボックス300が互いにスライドするのを阻止する。
なお、矩形ブロック341の下端には前壁342の延長線上に下方へ延びるフック314が形成されており、このフック314が第1ボックス200の下端壁における角孔部底壁262の直後に形成されたフック受け208(図26参照)に差し込まれる。
これにより、第1ボックス200と第2ボックス300の下端に沿った合わせ面からドライバを差し込んで矩形ブロック341と角孔部261を引き離すことを困難にしている。
さらに、封止ブロック部100の周辺は可動ベース部28の補強プレート130によってカバーされているので、上方から基板ボックス30と可動ベース部28の間にドライバ等を差し込んで封止ブロック部100回りを抉ろうとしても、距離が遠いうえ、可動ベース部28の撓みも抑えられるため、各封印部裏側からの封印ピン400、430の抜き取りも防止される。
また、基板ボックス30下端の横長の突出片が可動ベース部28の載置部82および補強プレート130の両スリット穴に係止するので、これによっても基板ボックス30の撓みが抑えられ、封印ピンの抜き取りが防止される。
以上の構成になる主制御装置22は次のように組み立てられ、筐体本体2内に取り付けられた台座装置25に装着される。
まず、主基板23を第1ボックス200の内側に取り付けたうえ、第1ボックスと第2ボックスを引掛部と引掛部との係合により結合して、基板ボックス30内に主基板23を収納した主制御装置22を形成する。
すなわち、第1ボックス200を第2ボックス300に対して下方に所定量ずらせた位置で、第1ボックス200の引掛部212を第2ボックス300の引掛部312間に置いて第1ボックスと第2ボックスを重ね合わせ、それから第1ボックス200を第2ボックス300に対して相対的に上方へスライドさせることによって引掛部212と引掛部312が互いに係合する。
そして、第2ボックス300の固定ブロック304の穴305から、対向している第1ボックス200の連結固定部215のネジ孔216にネジをねじ込むことにより、第1ボックスと第1ボックスを結合状態に固定して基板ボックス30とする。基板ボックス30の側壁にはレール32が形成される。
つぎに、基板ボックス30の表側(第1ボックス側)から左端の切欠部221において第1封印部34の封印を行う。
すなわち、第1ボックス200と第2ボックス300を互いにスライドさせたときに、第2ボックスの封印部材の係止片326が第1ボックスのポケット部228に挿入される。
この状態で、切欠部221における主板225の囲み壁227に囲まれた孔226に、封印ピン400を挿入する。この際、封印ピンのヘッド401から延びる突片404が囲み壁227の上円下方形状に沿うようにヘッド401の向きを定めるとともに、ヘッドの基部403の後端が孔226内に位置し、突片404の裏面が主板225の表面に接するまで挿入する。
これにより、封印ピン400の軸部402が第2ボックス300の係止片326を貫通して、係止爪408が当該係止片に係止する。
封印ピン400を挿入した後、囲み壁227内に硬化樹脂を充填することにより、前述の第1の封印結合構造が形成される。
なお、第1の封印結合構造は右端の切欠部221においても形成できるが、左右いずれを先に封印するかはあらかじめ設定されている。
第1の封印結合構造が形成された基板ボックス30は、固定ベース部26に対して傾倒姿勢とした可動ベース部28の上端から側板部84、85の間に挿入して、側壁のレールを可動ベース部の側板部のガイド溝114にガイドさせながらスライドさせ、下端を載置部82上の補強プレート130に着座させる。
この後は、可動ベース部28を起立姿勢位置として行なうと作業が容易である。
上記載置状態において、第1ボックス200の固定面205に重なった固定ブラケット部118の穴119から、固定面のネジ孔206にネジをねじ込んで、基板ボックス30を可動ベース部28に固定する。そして、固定面205に続く平面部207と固定ブラケット部118の両者にまたがって封印シールを貼付する。
また、基板ボックス30の下端に形成されている左右に長い突出片218が、可動ベース部28の載置部82および補強プレート130のスリット穴110、138に挿入されるので、基板ボックス30と可動ベース部28の間にドライバ等を差し込んで抉ろうとしても、両者の間を開くことはできない。
つぎに、基板ボックス30の第2封印部34の最左端において封印を行う。
すなわち、角孔部241における筒状体260の貫通孔266に封印ピン430を挿入する。ここでは、まず第1ピン432をその大径部のキーリブを貫通孔226の溝に合わせて押し込み、第1ピン432の前端を筒状体260の前端と面一にする。これにより第1ピン432の係止爪444が可動ベース部28の封止ブロック部100の前壁102に係止して基板ボックス30と可動ベース部28が結合される。
それから、第2ピン450をその先端から第1ピン432の貫通孔438に押し込み、大径部のキーリブを第1ピンのスリットに合わせて挿入して、第2ピン450の前端を第1ピン432ならびに筒状体260の前端と面一にする。
これにより、第2ピン450の係止爪456が第1ピン432の切欠き447の底端面に係止して第2ピンが第1ピンから抜けなくなって、第2の封印結合構造が形成され、基板ボックス30と可動ベース部28の結合状態が固定される。
また、第2ピン450のキーリブと第1ピン432のスリット、第1ピンのキーリブと筒状体の溝の各係合により、封印ピンの回転も規制される。
なお、第2の封印結合構造は他の角孔部241においても形成できるが、どの順番で封印するかはあらかじめ設定されている。
一方、第1封印部34を封印した後に基板ボックス30を第1ボックス200と第2ボックス300に分解するためには、その封印を解除しなければならない。
第1封印部34の封印を解除するには、第1ボックス200および第2ボックス300の各連結部材222、322をニッパなどの工具で切断し、各封印部材220、320を切除する。
第1封印部34においては、第1ボックス側の封印部材220のポケット部228に第2ボックス側の封印部材320の係止片326が差し込まれ、封印ピン400によって両封印部材は連結されているので、第1ボックス200または第2ボックス300の連結部材222、322の一方のみを切断するだけでは第1ボックスと第2ボックスを分離することができない。
また、第2封印部36を封印した後に基板ボックス30を可動ベース部28から取外す場合には、その封印を解除しなければならない。
第2封印部36の封印を解除するには、各連結部材244を切断して、封印部材である筒状体245を第1ボックス200から切除する。
それから、その筒状体245を90°回転させて、可動ベース部28の封止ブロック部100の前壁102に係止している封印ピン430の係止爪444を係止孔104の切欠き105に合わせることにより、筒状体245を封止ブロック部100から解放する。
これにより、基板ボックス30を可動ベース部28に対して上方へスライドさせ、可動ベース部から取外すことができる。
切除された筒状体245に組み付けられていた封印ピン430は、その第2ピン450の係止爪456を径方向内側に押し込んで第1ピン432との係止を外すことにより第1ピンから抜くことができ、その結果、第1ピン432もその係止爪444を径方向内側に押し込んで筒状体245から同様に抜くことができるので、再利用することができる。
つぎに、複数の封印部の利用順序の一例を次に示す。
まず、スロットマシンの製造時において、主基板23が基板ボックス30内に収容されて主制御装置22が組み立てられると、左端の第1封印部34(図3に示すA)が封印される。そして、主制御装置22が台座装置25に装着されると、複数の第2封印部36のうちの左端のもの(図3に示すB)が封印される。
貼付枠202に貼付された封印履歴記録シートには、第1封印部(A)を封印した日時及び封印した者の氏名が記載されるように定められ、第2封印部(B)についても同様に定められている。
したがって、封印履歴記録シートの記載内容と、封印部の切除の形跡を見比べることで、主制御装置(基板ボックス30)の不正な分解がなされていないかを容易に判断することができる。
主制御装置22の不具合発生や検査等により、主基板23を基板ボックス30から取り外す場合、封印済みの第2封印部(B)の封印が最初に解かれて主制御装置22が台座装置25から取り外され、次いで封印済みの第1封印部(A)の封印が解かれて主基板23が基板ボックス30から取り外される。
主基板23の修理や点検等が終了すると、主基板23が基板ボックス30内に収容されて主制御装置22が再組立てされる。
再封印においては、今度は基板ボックス30左端の第1封印部は封印部材が切除されており使用できないから、右端の第1封印部(A)を封印する。ここでは、正規の管理者が新たな封印ピン400を第1ボックス200の主板225の孔226から第2ボックス300の係止片326の孔327に通して両ボックスを連結し、主板の囲み壁227に硬化樹脂を充填して封印する。
つぎに、右端の第1封印部(A)を封印したこの主制御装置22を台座装置25に装着して、取外作業により封印が解除され封印部材が切除された第2封印部(B)に隣接する左端から2番目の第2封印部(C)を封印する。
封印に用いる封印ピン430は封印を解除した左端の第2封印部(B)から取り外したものを再利用する。
以下、検査ごとに封印を解除することになるが、2回目の検査後の封印は右端から2番目の第2封印部(D)のみを封印する。この場合、基板ボックス30と可動ベース部28間を封印するので、第1ボックス200と第2ボックス300間も同時に封印されている状態となる。
3回目の検査後の封印は最右端の第2封印部(E)のみを封印する。
検査その他の理由により、最後に最右端の第2封印部(E)を切除した後は、再封印可能な第2封印部は残っていないから、主基板23を基板ボックス30ごとメーカへ返送する。
この際、第2封印部に使いまわした封印ピン430を用いて、今度は第3封印部(F)を封印することにより、基板ボックス30が封印された状態で返送することができる。
本実施の形態においては、主基板23が発明における制御基板に該当し、第1ボックスが第1ケースに、第2ボックスが第2ケースに該当する。
封印部材220が第1の封印部材に、孔226が第1の孔に、封印部材320が第2の封印部材に、そして孔328が第2の孔に該当する。
また、封印ピン400が第1の封印ピンに、その係止爪408が第1の係止爪に該当し、封印ピン400に設けた係止爪408が封印部材320における係止片326に係止する構成が係止手段を形成している。そして、係止片326が第1ケースと第2ケースの重ね合わせ面を横切る壁面に該当する。
封印ピン400のヘッドの基部403から延びる突片404が脆弱部に該当する。
また、台座装置25が発明におけるベース部材に該当し、筒状体245が第1の筒状体に、封印ピン430が第2の封印ピンに該当する。そして、係止爪444が第2の係止爪、係止爪456が第3の係止爪にそれぞれ該当する。
取付フレーム部材48がカバー部材に該当する。
本実施例は以上のように構成され、基板ボックスの第1ボックスと第2ボックスの結合状態を封印する第1封印部34が、第1ボックスの孔226を備える封印部材220および第2ボックスの孔327を備える封印部材320と、ヘッド401と軸部402を備えて孔226から孔327にわたって挿通され、軸部の係止爪408による係止によってこれらの孔からの抜けを禁止された樹脂製の封印ピン400とを有し、封印部材220と封印部材320とは係止爪408まわりを囲んで外部から遮断する袋構造を形成する一方、封印ピンのヘッド401が基部403と脆弱な突片404とからなり、当該ヘッド401が硬化樹脂Pで覆われているものとした。
係止爪408まわりが外部から遮断されているから、係止爪408による係止部分へ不正にアクセスして封印を解除することはできない。
また、封印ピン400をヘッド側から強引に抜こうとしても、ヘッド401を覆っている硬化樹脂を削り取ろうとする際に、脆弱な突片404が硬化樹脂とともに引きちぎられてその痕跡が残るので、不正な試みが行われたことを容易に知ることができる。
一方、脆弱部を第1ボックス200や第2ボックス300側に設ける代わりに、封印ピン400のヘッドに突片404として設けたので、基板ボックス30の組立操作の際などに破損してしまうおそれもない。
そして、ひとつの基板ボックスから第1ボックスのみを破壊して破壊の痕跡のない第2ボックスを入手し、他の基板ボックスからは第2ボックスのみを破壊して破壊の痕跡のない第1ボックスを入手した場合でも、突片404に破壊の痕跡のない封印ピン400を得ることはできないので、破壊の痕跡のない新たな基板ボックスを作り上げることも不可能である。
封印ピンのヘッドの突片404は、基部から複数が放射方向に延びて、とくに基部403の軸方向厚さよりも薄いので、硬化樹脂を削り取ろうとする際に、樹脂とともに確実に破損して痕跡が残る。
また、第1ボックスの孔226を囲み、封印ピンのヘッド401と間隙を設けた囲み壁227が形成されているので、硬化樹脂はこの囲み壁内に充填することにより、封印ピンのヘッド回りに絞って有効かつ容易に硬化樹脂で覆うことができる。
また、封印ピン挿入の際にヘッドの脆弱部である突片404が囲み壁に接触して破損することもない。
封印ピン400のヘッド401の正面形状は、特定の径方向を特徴付ける異型の上円下方形状であり、囲み壁227は、ヘッド401の正面形状に対応した形状を有している。
すなわち、封印ピン400のヘッドの基部403は、半円部分と方形部分とからなる上円下方形状をなし、突片404は半円部分においては径方向に延び、方形部分においては幅方向に張り出して延びており、囲み壁227は突片404の先端の包絡線に対応した上円下方形状をなしているので、封印ピン400を挿入する際、ヘッド401の向きを囲み壁227の形状に合わせて位置決めすることができ、挿入作業が容易である。
封印ピン400の基部403には隣接する突片404と404の間に切欠部406が設けられて、この切欠部から封印部材220の孔226内まで硬化樹脂が流入するよう構成されているので、硬化樹脂はさらに孔226の裏側まで回り込んで封印部材320とも接着する。
また、封印ピン400の基部403における方形部分の軸部側裏面には凹部405が形成されているので、硬化樹脂がこの凹部405にも回り込んで、接着面積がさらに拡大する。
これらヘッドの裏面側に回り込んだ硬化樹脂は手前側から直接アクセスすることができないので、封印部材220や封印部材320を破壊しない限りは除去が極めて困難である。
封印部材320の孔327は封印ピン400の軸部402が貫通する径を有し、封印部材220の孔226は基部403を受け入れて孔327より大きな径を有しているので、硬化樹脂Pが例えば光硬化性のものである場合には、孔226から封印部材320の孔327周辺に流れ込んだ硬化樹脂は、ヘッド401前方からの光照射だけでも容易に硬化させることができる。
基板ボックス30は、第1ボックス200と第2ボックス300をその重ね合わせ方向に対して垂直の上下方向に互いにスライドさせて結合され、封印部材220は孔226が形成された主板225と主板の裏面に順次に続くポケット部228および袋部229を備えて、ポケット部228は上方に開口し、袋部229は主板225側にのみ開口して、孔226から挿通される封印ピン400の軸部402の先端を受容する孔230を備えている。そして、封印部材320は、ブロック部325と該ブロック部から下方に延びて327孔が形成された係止片326を備え、封印ピンの軸部402は係止片326が上記スライドによって封印部材220のポケット部228に挿入された位置における孔327を貫通するとともに、軸部402に設けられた係止爪408が係止片326に係止する構成としてあり、ブロック部325の下端すなわち係止片326が立ち下がる端面は、その係止片326をポケット部228に挿入したとき、ポケット部228および袋部229の下端と面で接するように設定されている。
すなわち、係止爪408は、封印部材320における、第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ面(平坦面229a、325a)を横切る係止片326に係止するから、ポケット部228および袋部229の上端と第2ボックス300のブロック部325の下端との合わせ面にドライバなどを差し込んでこじ開けても、封印ピン400の係止爪408と係止片326の係止部分にアクセスすることができず外力を及ぼすこともできない。
台座装置25の可動ベース部28と基板ボックス30の結合状態を封印する第2封印部36は、第1ボックス200に前後方向に設けられた筒状体245と、第2ボックス300に設けられて筒状体245を貫通させるとともに第1ボックスと第2ボックスの結合状態において裏面が筒状体245の後端と面一となるカバー板部334と、台座装置25に設けられてカバー板部334に接する前壁102を含んで閉空間を形成するとともに前壁に係止孔104を備える封止ブロック部100と、筒状体245に挿入された封印ピン430とからなる。
筒状体245は前側が大径、後側が小径の貫通孔246を有し、封印ピン430は第1ピン432と第1ピン内に挿入される第2ピン450とからなる。
第1ピン432は筒状体245の貫通孔246に対応させた前側が大径、後側が小径の外形を有するとともに、当該外形に対応させた貫通孔438を有し、後側に係止爪444を有する弾性部443を備えて、当該係止爪444が封止ブロック部100の前壁の係止孔104を貫通して前壁102の裏面に係止する。そして、第2ピン450は第1ピン432の貫通孔438に対応させた前側が大径、後側が小径の外形を有し、後端に係止爪456を有する弾性部455を備えて、当該係止爪456が第1ピン432の後端側端面に係止する構成となっている。
この構成により、基板ボックス30側から延びた第1ピン432の係止爪444が台座装置25側の前壁102の裏面に係止するとともに、第1ピン432内に第2ピン450が挿入されることにより上記係止状態が保持されて、基板ボックス30と台座装置25が結合される。そして、係止爪444、456まわりは封止ブロック部100の閉空間内にあるので、外部から係止部分へ不正にアクセスして封印を解除することはできない。
また、第1の封印部が利用できない場合でも、第2ボックス300が第1ボックスと可動ベース部28との間に挟まれるので、第2封印部の封印を解除しない限りは基板ボックス30を開くこともできない。
さらに第1ボックスと第2ボックスの結合状態を封印する第3封印部38は、第1ボックス200に前後方向に設けられた筒状体260と、これに挿入する第2封印部と同じ封印ピン430と、第2ボックス300に設けられて筒状体260を貫通した封印ピン430の先端を受容する筒孔346を備えたキャップ状体340とからなり、封印ピンの第1ピン432の係止爪444が筒状体260の後端に係止し、第2ピン450の係止爪456が第1ピン432の後端側端面に係止する構成となっている。
これにより、封印ピン430が第1ボックス200と第2ボックス300間の合わせ面を横切る状態に保持されて、第1ボックス200と第2ボックス300が互いにスライドするのを阻止するから、第1封印部が利用できない場合でも、第2封印部に用いたのと同じ封印ピン430を用いて、第1ボックス200と第2ボックス300間の結合状態を封印保持することができ、制御基板をメーカなどへ返送する際の安全を確保することができる。
台座装置25は基板ボックス30を載置して保持する可動ベース部28と、該可動ベース部をその下端を回動軸として上下に回動可能に支持する固定ベース部26とからなり、第1封印部34、第2封印部36および第3封印部38は、基板ボックス30の下端部に横方向に並べて設定され、可動ベース部28は、基板ボックス30の下端面をカバーする平板部132と、第1封印部34の裏面側と、第2封印部36および第3封印部38の周辺部の裏面側をカバーする縦壁134とを有する補強プレート130を備え、固定ベース部26は、可動ベース部28を固定ベース部26にそった起立姿勢位置にしたときに、第2封印部36と第3封印部38の裏面側をカバーする取付フレーム部材48を備えている。
これにより、基板ボックス30を可動ベース部28に保持した状態において、まず各封印部が基板ボックス30および可動ベース部28の上端から遠く、しかも補強プレート130の縦壁134の存在も手伝って、基板ボックス30と可動ベース部28の上部合わせ面からドライバなどを差し込んでも各封印部の裏側へアクセスすることは不可能となっている。
また、基板ボックス30が可動ベース部28に載置された状態で、第1封印部34、第2封印部36および第3封印部38はいずれも下方が補強プレート130の平板部132でカバーされ、後方が縦壁134および取付フレーム部材48でカバーされるので、各封印部が下方や後方からの外部力によって破壊されることをとくに困難にしている。
なお、実施の形態はスロットマシンに適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、パチンコ機その他の遊技機はもちろん、遊技機以外でも不正アクセスのおそれがある各種の制御基板の収納構造に適用することができる。
実施の形態では、第1ボックス200が第1ケースに該当し、第2ボックス300が第2ケースに該当するものとしたが、これを逆転させて、基板ボックス自体の封印に係る第1封印部については封印ピン400を第2ボックス300側から第1ボックス200側へ挿入する構成としてもよく、同様に、第3封印部についても封印ピン430を第2ボックス300側から第1ボックス200側へ挿入する構成としてもよい。
実施の形態では、封印部として第1封印部34が2箇所、第2封印部36が4箇所、第3封印部38が1箇所の例を図示したが、それぞれの個数は任意に設定することができ、また封印部相互の配置関係も図示例に限定されない。
第1封印部において、係止爪408は封印部材320における係止片326に係止するものとしたが、これに限定されず、係止片326にそわせて第1ボックス200と第2ボックス300の重ね合わせ面を横切る壁を封印部材220における袋部229に形成して、この壁に係止爪408を係止するように設定してもよい。
また、可動ベース部の補強プレートは載置部82の上面から底板部80の表面にかけて重ねたものとしたが、これに限定されず、載置部82または底板部80の一方には内挿する構成としてもよく、あるいは両方に埋め込みモールドしてもよい。