JP5828919B2 - 車両用回転電機の製造方法 - Google Patents

車両用回転電機の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5828919B2
JP5828919B2 JP2014005155A JP2014005155A JP5828919B2 JP 5828919 B2 JP5828919 B2 JP 5828919B2 JP 2014005155 A JP2014005155 A JP 2014005155A JP 2014005155 A JP2014005155 A JP 2014005155A JP 5828919 B2 JP5828919 B2 JP 5828919B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slot
winding
turn
stator
radial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014005155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014090666A (ja
Inventor
長谷川 和哉
和哉 長谷川
和徳 田中
和徳 田中
義郎 今澤
義郎 今澤
原田 佳浩
佳浩 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2014005155A priority Critical patent/JP5828919B2/ja
Publication of JP2014090666A publication Critical patent/JP2014090666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5828919B2 publication Critical patent/JP5828919B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、例えば車両用交流発電機などの回転電機の製造方法に関し、特に固定子巻線のコイルエンド構造に関するものである。
従来の車両用交流発電機の固定子は、固定子巻線を、スロットが固定子鉄心に毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心に巻装して構成されている。固定子巻線は、素線を6スロット毎にスロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互にとるように波状に巻装して構成された1ターンの第1巻線が1スロットピッチで6本配列されてなる第1波巻き巻線群と、素線を6スロット毎にスロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互にとるように波状に、かつ第1巻線に対して電気角で180度ずらして反転するように巻装して構成された1ターンの第2巻線が1スロットピッチで6本配列されてなる第2波巻き巻線群とが、それぞれのスロット内でスロット深さ方向に第1巻線のスロット収納部位と第2巻線のスロット収納部位とを交互に、かつ1列に並ぶように3対配設されて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−58189号公報
従来の車両用交流発電機では、12本の素線を曲げ加工して第1および第2波巻き巻線群を構成する巻線アッセンブリを作製し、巻線アッセンブリを固定子鉄心のスロットにスロット深さ方向に3層に重ねて装着している。そして、曲げ加工の容易性から円形断面の素線が用いられていたので、スロット内での導体の占積率を高めることができなかった。そこで、出力向上の観点から、断面円形の素線を曲げ加工して第1および第2波巻き巻線群を構成する巻線アッセンブリを作製した後、第1および第2巻線の円形断面のスロット収納部を扁平断面に塑性変形してスロット内での占積率を高める必要があった。
近年、エンジンルームが狭小化する中で、車両負荷の増大による更なる出力向上が求められており、素線の断面積を大きくして巻線の低抵抗化を図る必要があった。
しかしながら、円形断面の素線の直径を大きくした場合、スロット収納部間を連結する断面円形のターン部同士が互いに干渉し、巻線アッセンブリを固定子鉄心のスロットにスロット深さ方向に3層に重ねて装着できなくなるという課題があった。また、巻線アッセンブリを固定子鉄心のスロットにスロット深さ方向に3層に重ねて装着できたとしても、ターン部で構成されるコイルエンド群の径方向の膨らみが増大し、ハウジングや回転子と干渉するという課題が生じる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、ターン部を、塑性変形させて、径方向に互いに面接触状態となって複数層に並べて、周方向に整然と配列しているので、大きな断面積の素線を用いた巻線アッセンブリの固定子鉄心への装着を可能とするとともに、コイルエンド群の径方向の膨らみを抑えて、ハウジングや回転子との干渉を回避できる車両用回転電機の製造方法を得ることを目的とする。
この発明による車両用回転電機の製造方法は、椀形状のフロントブラケットとリヤブラケットとからなるハウジングと、上記ハウジングに回転可能に支持されたシャフトに固定されて上記ハウジング内に配設された回転子と、内周側に開口するスロットが周方向に所定のピッチで複数配設された円環状の固定子鉄心および、上記固定子鉄心に装着された複数の巻線により構成される固定子巻線を有し、上記回転子の磁極をなすポールコアの外周面との間にギャップを確保して、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに固定された固定子と、を備え、上記複数の巻線は、それぞれ、所定スロット数離れた上記スロットの対に収納されたスロット収納部を上記固定子鉄心の端部側でターン部により連結して構成され、上記スロット収納部は、四角形断面に塑性変形されて、上記スロット内にスロット深さ方向に1列に並んで複数本収納され、上記ターン部は、塑性変形されて、径方向に互いに面接触状態となって、かつ上記スロット収納部に対して径方向に設定されたずれ量だけずらして、径方向に複数層に並んで、周方向に整然と配列されている車両用回転電機の製造方法であって、断面円形の連続線を用いて上記複数の巻線を作製する工程と、上記複数の巻線の上記スロット収納部を四角形断面に塑性変形すると同時に、上記ターン部を上記スロット収納部に対して該スロット収納部の厚み方向に設定されたずれ量だけずらす工程と、上記スロット収納部が四角形断面に塑性変形された上記複数の巻線を上記スロット収納部の厚み方向を径方向に一致させて上記固定子鉄心に装着した後、径方向に複数層に並んで周方向に整然と配列された上記ターン部の群を内径側と外径側から圧縮して、上記ターン部を径方向に互いに面接触状態とする工程と、を備える
この発明によれば、ターン部は、塑性変形されて、径方向に互いに面接触状態となって複数層に並んで、周方向に整然と配列されている。そこで、大断面積の素線を用いて巻線を作製しても、コイルエンド群の径方向の膨らみが抑えられるので、固定子巻線とハウジングや回転子との干渉が回避される。
この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の構成を説明する断面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側端面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の回路構成図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機を示す要部断面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される巻線アッセンブリを構成する素線を示す斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される巻線アッセンブリを構成する素線対を示す斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す平面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法を説明する工程図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における素線の巻回工程により作製された巻線組立体を示す平面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程を説明する図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程により作製された巻線アッセンブリを構成する素線を示す平面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程により作製された巻線アッセンブリを構成する素線対を示す平面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程により作製された巻線アッセンブリを示す平面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるスロット収納部の四角化工程を説明する図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるコイルエンドのずらし工程を説明する図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における積層鉄心を示す斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線アッセンブリの装着工程を説明する要部断面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における積層鉄心の曲げ工程を説明する斜視図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるコイルエンドのつぶし工程を説明する要部断面図である。 この発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるコイルエンドのつぶし工程後の状態を示す要部断面図である。
以下、本発明の車両用回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の構成を説明する断面図、図2はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の固定子を示す斜視図、図3はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明するリヤ側端面図、図4はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機の回路構成図、図5はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機を示す要部断面図である。
なお、図2では、口出し線などが省略されている。また、図3中、実線がリヤ側配線を示し、点線がフロント側配線を示している。
図1において、車両用回転電機としての車両用交流発電機1は、それぞれ略椀形状のアルミニウム製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるハウジング4と、このハウジング4に一対の軸受5を介して回転可能に支持されたシャフト6と、ハウジング4のフロント側に延出するシャフト6の端部に固着されたプーリ7と、シャフト6に固定されてハウジング4内に配設された回転子8と、回転子8を囲繞するようにハウジング4に固定された固定子20と、ハウジング4のリヤ側に延出するシャフト6の延出部に固定され、回転子8に電流を供給する一対のスリップリング12と、略C字形に作製され、スリップリング12の外周側に、シャフト6の軸心と直交する平面上にシャフト6を中心とする扇状に配置され、固定子20で生じる交流電圧を直流電圧に整流する整流装置13と、一対のスリップリング12の外周側に、かつ整流装置13の略C字形の先端間に配設されたブラシホルダ14内に、各スリップリング12に摺動するように収納された一対のブラシ15と、ブラシホルダ14に装着されて固定子20で生じる交流電圧の大きさを調整する電圧調整器16と、整流装置13、ブラシホルダ14および電圧調整器16を覆うようにリヤブラケット3に装着されたカバー17と、を備えている。
回転子8は、ランデル型回転子であり、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁巻線9と、界磁巻線9を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア10と、を備えている。そして、ファン11が、ポールコア10の軸方向の両端面に溶接などにより固定されている。
固定子20は、図2に示されるように、内周側に開口するスロット21aが周方向に所定ピッチで配列された円筒状の固定子鉄心21と、固定子鉄心21に巻装され、回転子8の回転に伴い、界磁巻線9からの磁束の変化で交流が生じる固定子巻線22と、各スロット21aに装着され、固定子巻線22と固定子鉄心21とを電気的に絶縁するインシュレータ25と、を備えている。そして、固定子巻線22は、後述するように、1本の素線30が、固定子鉄心21の端面側のスロット21a外で折り返されて、所定スロット数(1磁極ピッチ)毎にスロット21a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互にとるように波巻きされて巻装された巻線を複数備えている。
ここでは、回転子8の磁極数16に対応して、2つの3相交流巻線を収納するように、96本のスロット21aが固定子鉄心21に等角ピッチ(電気角で30度のピッチ)に形成されている。即ち、スロット21aは毎極毎相当たり2の割合で形成されている。
このように構成された固定子20は、固定子鉄心21の軸方向両端面をフロントブラケット2およびリヤブラケット3に軸方向両側から挟持されて、ポールコア10の外周面との間に均一なギャップを確保してポールコア10を囲繞するように配設されている。
つぎに、1相分の相巻線24の巻線構造について図3を参照して具体的に説明する。
固定子鉄心21は、所定形状に成形された磁性鋼板を積層して作製され、円環状のコアバック21bと、それぞれコアバック21bの内周面から径方向内方に延出して、周方向に等角ピッチに配列されているティース21cと、を有し、内周側に開口するスロット21aがコアバック21bと周方向に隣り合うティース21cとにより画成されている。
相巻線24は、それぞれ1本の素線30からなる第1乃至第6巻線31〜36から構成されている。素線30は、例えば絶縁被覆された銅からなる連続線で構成される。
第1巻線31は、1本の素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット21a内の外周側から1番目の位置(以下、1番地という)と外周側から2番目の位置(以下、2番地という)とを交互にとるように波巻きして構成されている。第2巻線32は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット21a内の2番地と1番地とを交互にとるように波巻きして構成されている。第3巻線33は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット21a内の外周側から3番目の位置(以下、3番地という)と外周側から4番目の位置(以下、4番地という)とを交互にとるように波巻きして構成されている。第4巻線34は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット21a内の4番地と3番地とを交互にとるように波巻きして構成されている。第5巻線35は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット21a内の外周側から5番目の位置(以下、5番地という)と外周側から6番目の位置(以下、6番地という)とを交互にとるように波巻きして構成されている。第6巻線36は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット21a内の6番地と5番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。
そして、固定子鉄心21の一端側において、スロット番号の1番から延出する第1巻線31の端部31aと、スロット番号の91番から延出する第5巻線35の端部35bとが接合され、スロット番号の1番から延出する第3巻線33の端部33aと、スロット番号の91番から延出する第1巻線31の端部31bとが接合され、さらにスロット番号の1番から延出する第5巻線35の端部35aと、スロット番号の91番から延出する第3巻線33の端部33bとが接合されて、3ターンの巻線が形成されている。
また、固定子鉄心21の他端側において、スロット番号の1番から延出する第2巻線32の端部32aと、スロット番号の91番から延出する第4巻線34の端部34bとが接合され、スロット番号の1番から延出する第4巻線34の端部34aと、スロット番号の91番から延出する第6巻線36の端部36bとが接合され、さらにスロット番号の1番から延出する第6巻線36の端部36aと、スロット番号の91番から延出する第2巻線32の端部32bとが接合されて、3ターンの巻線が形成されている。
さらに、スロット番号の43番と49番とから固定子鉄心21の一端側に延出する第1巻線31の素線30の部分が切断され、スロット番号の49番と55番とから固定子鉄心21の一端側に延出する第2巻線32の素線30の部分が切断される。そして、第1巻線31の切断端31cと第2巻線32の切断端32cとが接合されて、第1乃至第6巻線31〜36を直列接続してなる6ターンの相巻線24が形成されている。また、第1巻線31の切断端31dと第2巻線32の切断端32dとがそれぞれ口出し線(O)および中性点(N)となる。
同様にして、素線30が巻装されるスロット21aを1つずつずらして6つの相巻線24が形成されている。そして、図4に示されるように、それぞれ3つの相巻線24がY結線されて2つの3相交流巻線23が構成され、各3相交流巻線23がそれぞれ整流装置13に接続されている。各整流装置13の直流出力が並列に接続されて合成される。
ここで、スロット21aから固定子鉄心21の端面側に延出して折り返された素線30のターン部30aがコイルエンドを形成している。そして、固定子鉄心21の両端において、ターン部30aが、径方向に互いに面接触状態となって、径方向に3列となって周方向に整然と配列されてコイルエンド群22f,22rを形成している。そして、図5に示されるように、径方向に3列に並んだターン部30aの径方向幅が、中央に位置するターン部30aの径方向幅(Dcenter)、内周側に位置するターン部30aの径方向幅(Dinner)、外周側に位置するターン部30aの径方向幅(Douter)順に狭くなっている。そして、内周側のターン部30aは、ティース21cの内周端より径方向外方に位置している。
スロット収納部30bは、四角形断面に形成され、径方向に1列に6本並んでスロット21aのそれぞれに収納されている。
第1乃至第6巻線31〜36を構成するそれぞれの素線30は、1つのスロット21aから固定子鉄心21の端面側に延出し、折り返されて6スロット離れたスロット21aに入るように波巻きに巻装されている。そして、それぞれの素線30は、6スロット毎に、スロット深さ方向(径方向)に関して、内層と外層とを交互にとるように巻装されている。第2、第4および第6巻線32,34,36は、第1、第3および第5巻線31,33,35に対して、電気角で180度ずらして反転するように巻装されている。そこで、固定子巻線22は、第1巻線31を1スロットピッチで6本配列して構成される第1巻線群と第2巻線32を1スロットピッチで6本配列して構成される第2巻線群との対を、径方向に3対並べて配設したものと等価となる。この第1巻線群と第2巻線群との対は、12本の素線30を波状に成形しつつ作製した巻線アッセンブリ40で提供される。
つぎに、巻線アッセンブリ40の構造について説明する。
図6はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される巻線アッセンブリを構成する素線を示す斜視図、図7はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される巻線アッセンブリを構成する素線対を示す斜視図、図8はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを示す平面図である。
素線30は、図6に示されるように、ターン部30aにより連結され、四角形断面に成形されたスロット収納部30bが、6スロットピッチ(6P)で配列された平面状パターンに折り曲げ成形されている。そして、隣り合うスロット収納部30bは、ターン部30aにより、スロット収納部30bの配列方向とスロット収納部30bの長さ方向との両方向に直交する方向(以下、スロット収納部30bの厚み方向とする)に交互に所定量(W)ずらされている。
このようなパターンに形成された素線30は、図7に示されるように、6スロットピッチずらしてスロット収納部30bを厚み方向に重ねて配列されて素線対41を構成している。この素線対41が、第1および第2巻線31,32の対に相当する。
素線対41が、1スロットピッチずつずらされて6対配列されて、図8に示される巻線アッセンブリ40が構成される。素線30の端部が、巻線アッセンブリ40の両端の両側に6本ずつ延出されている。また、ターン部30aが巻線アッセンブリ40の両側部に整列されて配列されている。
このように構成された巻線アッセンブリ40は、後述するコイルエンドずらし工程が行われた後、径方向に3層に重ねて固定子鉄心21のスロット21aに装着され、後述するコイルエンドつぶし工程が行われた後、図3に示される結線方法に基づいて各素線30の端部を結線して固定子巻線22を形成する。
つぎに、このように構成された車両用交流発電機1の動作について説明する。
まず、電流がブラシ15およびスリップリング12を介して回転子8の界磁巻線9に供給され、磁束が発生される。この磁束により、N極とS極とがポールコア10の外周部に周方向に交互に形成される。
一方、エンジン(図示せず)の回転トルクがベルト(図示せず)およびプーリ7を介してシャフト6に伝達され、回転子8が回転される。そこで、回転磁界が固定子20の固定子巻線22に与えられ、起電力が固定子巻線22に発生する。この交流の起電力が、整流装置13で直流電流に整流され、車載負荷やバッテリに供給される。これにより、車載負荷が駆動され、バッテリが充電される。
この発明によれば、素線30のスロット収納部30bが、四角形断面に形成され、径方向に1列に6本並んでスロット21aのそれぞれに収納されているので、電気導体の占積率が高められ、車両用交流発電機1の出力向上が図られる。
固定子巻線22のコイルエンド群22f,22rにおいて、径方向に3列に並んだターン部30aの径方向幅が、中央に位置するターン部30a、内周側に位置するターン部30a、外周側に位置するターン部30aの順に狭くなっているので、コイルエンド群22f,22rの径方向の膨らみを抑えることができる。そこで、コイルエンド群22f,22rとハウジング4との干渉、およびコイルエンド群22f,22rと回転子8との干渉を抑えることができる。
内周側のターン部30aがティース21cの内周端より径方向外方に位置しているので、コイルエンド群22f,22rと回転子8との干渉を確実に防止できる。
径方向に3列に並んだターン部30aが互いに面接触となっているので、径方向に並んだターン部30a間の熱伝導性が高められる。そこで、外周側に位置する巻線アッセンブリ40を構成する素線30で発生した熱が、径方向に並んだターン部30a間を内周側に熱伝導し、内周側のターン部30aからファン11により形成された冷却風に放熱されるので、固定子巻線22の過度の温度上昇が抑えられる。さらに、径方向に3列に並んだターン部30aの温度が平均化され、温度むらがなくなり、発電効率が向上する。
内周側のターン部30aは、コイルエンドつぶし工程により径方向幅が狭くなるように変形されるので、軸方向長さが長くなる。そこで、ファン11により遠心方向に曲げられた冷却風に曝される内周側のターン部30aの面積が増大し、放熱効果が高められるので、固定子巻線22の温度上昇が一層抑えられる。
ここで、固定子20の製造方法について説明する。
図9はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法を説明する工程図、図10はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における素線の巻回工程により作製された巻線組立体を示す平面図、図11はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程を説明する図、図12はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程により作製された巻線アッセンブリを構成する素線を示す平面図、図13はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程により作製された巻線アッセンブリを構成する素線対を示す平面図、図14はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線組立体の変位工程により作製された巻線アッセンブリを示す平面図である。
以下、図9に示される工程図に基づいて固定子の製造方法を説明する。
まず、例えば国際公開第2005/074105号パンフレットの第23図乃至第25図で説明した素線の巻回工程S100により、図10に示される巻線組立体50を作製する。つまり、巻線組立体50は、12本の素線51に引き出し端部52a,52bを形成し、12本の素線51を同時に複数回繰り返して巻回し、その後引き出し端部52c,52dを形成して作製される。素線51には、曲げ加工の容易性を考慮して、断面円形の絶縁被覆された銅の連続線が用いられる。
巻線組立体50の各素線51は、図11に示されるように、複数の第1曲げ部53a、複数の第2曲げ部53b、複数の第1直線部53cおよび複数の第2直線部53dを有する。第1曲げ部53aと第2曲げ部53bは、図11中、上下に分かれて、互いに半ピッチずれて、等ピッチに配列されている。そして、第1直線部53cが第2曲げ部53bから第1曲げ部53aに向って斜めに延びてそれらを連結し、第2直線部53dが第1曲げ部53aから第2曲げ部53bに向って斜めに延びてそれらを連結している。素線51は、第2曲げ部53bから第1直線部53cを経て第1曲げ部53aに至り、さらに第1曲げ部53aから第2直線部53dを経て第2曲げ部53bに至る単位ループを繰り返すように巻回されている。なお、図11には、1本の素線51のみが示されているが、実際には、図10に示されるように、同じ形状の12本の素線51が並列するように巻回されている。
ついで、巻線組立体50の変位工程について説明する。
巻線組立体50の変位工程S101では、図11に示されるように、第1および第2ブレード54a,54bが第1および第2直線部53c,53dのそれぞれを把持するように配置され、第1および第2規制部材55a,55bが第1および第2曲げ部53a,53bに当接するように配置される。
ついで、第1直線部53cを把持する第1ブレード54aが、第1直線部53cの長さ方向の中央点を回動中心P1として、反時計回りに回動し、第2直線部53dを把持する第2ブレード54bが、第2直線部53dの長さ方向の中央点を回動中心P2として、時計回りに回動する。この第1および第2ブレード54a,54bの回動により、第1および第2直線部53c、53dの第1および第2ブレード54a,54bに把持された領域が、回動中心P1,P2を結ぶ線分と直交するように変位する。この第1および第2ブレード54a,54bの回動動作に同期して、第1および第2規制部材55a,55bが回動中心P1,P2を結ぶ線分と平行な姿勢を維持しつつ間隔を狭めるように駆動される。
これにより、各素線51は、図12に示されるように、ターン部51aで連結されたスロット収納部51bが6スロットピッチ(6P)で配列された平面状パターンに折り曲げ成形される。そして、隣り合うスロット収納部51bは、ターン部51aにより、素線51の厚み(W)分ずらされている。このように折り曲げ成形された2本の素線51は、6スロットピッチずらしてスロット収納部51bを重ねて並べられ、図13に示される素線対56を構成する。この素線対56は、スロット収納部51bが断面円形である点を除いて、図7に示される素線対41と同様に構成されている。
巻線組立体50の変位工程では、全ての第1および第2直線部53c、53dが同時に変位され、図14に示される巻線アッセンブリ57が作製される(S102)。この巻線アッセンブリ57は、この素線対56を1スロットピッチずつずらして6対配列して構成される。そして、重ねられたスロット収納部51bの対が、1スロットピッチで96対配列されている。そして、素線51のターン部51aが巻線アッセンブリ57の両側部に整列されて配列され、素線51の端部(引き出し端部52a〜52dに相当)が、巻線アッセンブリ57の両端の両側に6本ずつ延出されている。なお、この巻線アッセンブリ57は、スロット収納部51bが断面円形である点を除いて、図8に示される巻線アッセンブリ40と同様に構成されている。
つぎに、巻線アッセンブリ57のスロット収納部51bの四角化とコイルエンドのずらし工程について説明する。
図15はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるスロット収納部の四角化工程を説明する図であり、図15の(a)は四角化前の状態を示し、図15の(b)は四角化後の状態を示している。図16はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるコイルエンドのずらし工程を説明する図であり、図16の(a)はコイルエンドのずらし前の状態を示し、図16の(b)はコイルエンドのずらし後の状態を示している。図17はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における積層鉄心を示す斜視図、図18はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における巻線アッセンブリの装着工程を説明する要部断面図、図19はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法における積層鉄心の曲げ工程を説明する斜視図、図20はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるコイルエンドのつぶし工程を説明する要部断面図、図21はこの発明の一実施の形態に係る車両用交流発電機に適用される固定子の製造方法におけるコイルエンドのつぶし工程後の状態を示す要部断面図である。
S103では、スロット収納部の四角化工程とコイルエンドのずらし工程とが同時に行われる。図15および図16に示されるように、下金型60は、1スロットピッチに配設され、巻線アッセンブリ57のスロット収納部51bが挿入される凹部61と、凹部61の溝方向の両外側に凹部61の配列方向に延在し、巻線アッセンブリ57のターン部51aのずれ量δを規定する受けプレート62と、を有する。上金型63は、凹部61のそれぞれに挿入され、スロット収納部51bの圧縮量を規定する凸部64と、巻線アッセンブリ57のターン部51aを受けプレート62に押圧する押圧プレート65と、を有する。
スロット収納部の四角化およびコイルエンドのずらし工程S103では、図15の(a)および図16の(a)に示されるように、スロット収納部51bの対を、下金型60の各凹部61に挿入して、巻線アッセンブリ57が下金型60にセットされる。ついで、凸部64が凹部61のそれぞれに相対するように配置され、かつ押圧プレート65が受けプレート62に相対するように配置された上金型63を下降させる。
これにより、図15の(b)に示されるように、断面円形のスロット収納部51bが下金型60と上金型63とにより圧縮され、四角形断面に塑性変形される。ここでは、塑性変形された四角形断面は、平行な2つの直線の両端を曲線で連結したレーストラック形状の断面である。
また、図16の(b)に示されるように、巻線アッセンブリ57の両側部に整列されて配列されているターン部51aの群が、押圧プレート65により受けプレート62に押圧される。これにより、ターン部51aは、スロット収納部51bに対して厚み方向にδだけずらされる。
ここでは、それぞれ専用の下金型60と上金型63を用いて、ずれ量δ1,δ2,δ3とする3つの巻線アッセンブリ57が作製される。2つの巻線アッセンブリ57のずれ量δ1,δ2は、同じであるが、ずれ方向が逆方向となっている。そして、ずれ量δ1,δ2は、2つの巻線アッセンブリ57を重ねたときに、スロット収納部51bおよびターン部51a同士がほぼ接するように設定される。ずれ量δ3の巻線アッセンブリ57のずれ方向は、ずれ量δ2の巻線アッセンブリ57とずれ方向と同じ方向である。そして、ずれ量δ3は、ずれ量δ2,δ3の巻線アッセンブリ57を重ねたときに、スロット収納部51bおよびターン部51a同士がほぼ接するように設定される。すなわち、ずれ量δ3はずれ量δ2のほぼ2倍に設定される。
なお、S103では、スロット収納部の四角化工程とコイルエンドのずらし工程とを同時におこなっているが、スロット収納部の四角化工程後に、コイルエンドのずらし工程を実施するようにしてもよい。上金型63が凸部64と押圧プレート65とに分割構成されてもよい。
また、このスロット収納部の四角化およびコイルエンドのずらし工程S103により、円形断面のスロット収納部51bが四角形断面に塑性変形されるので、素線51および素線51により作製される巻線アッセンブリ57は、それぞれ素線30および巻線アッセンブリ40と同じ構造となるので、以下素線30および巻線アッセンブリ40として説明する。
積層鉄心39の作製工程S104では、磁性鋼板から打ち抜かれた鉄心片を積層一体化して直方体の積層鉄心39が作製される。積層鉄心39は、図17に示されるように、ティース39cがコアバック39bの一側に等ピッチに配列されて形成され、スロット39aがコアバック39bと隣り合うティース39cとにより画成されている。
ついで、巻線アッセンブリ40の装着工程S105では、まず、ずれ量δ3の巻線アッセンブリ40が、ずれ方向をコアバック39b側に向けて積層鉄心39に装着される。ついで、ずれ量δ2の巻線アッセンブリ40が、ずれ方向をコアバック39b側に向けて積層鉄心39に装着される。さらに、ずれ量δ1の巻線アッセンブリ40が、ずれ方向をスロット39aの開口側に向けて積層鉄心39に装着される。これにより、図18に示されるように、6本のスロット収納部30bが厚み方向をスロット深さ方向に一致させて1列に並んでスロット39a内に収納される。さらに、ターン部30aが互いに近接してスロット深さ方向に3層に並んで配設される。
ついで、積層鉄心39の曲げ工程S106では、図19に示されるように、積層鉄心39が、巻線アッセンブリ40が装着された状態で円環状に丸められる。そして、丸められた積層鉄心39の端面同士を突き合わせ、溶接などにより一体化し、円環状の固定子鉄心21が作製される。
ついで、コイルエンドのつぶし工程S107では、図20に示されるように、固定子鉄心21を固定して、径方向に3層に並んだターン部30aの群に内加圧プレート67を内周側から宛がい、外加圧プレート68を外周側から宛がう。そして、内加圧プレート67を外径側に所定距離移動させ、かつ外加圧プレート68を内径側に所定距離移動させる。このとき、外周側に位置するターン部30aのずれ量δ3が内周側に位置するターン部30aのずれ量δ1より大きいので、外加圧プレート68の移動量(圧縮代)を内加圧プレート67の移動量(圧縮代)より大きくするように調整している。これにより、外周側および内周側に位置するターン部30aは、外加圧プレート68および内加圧プレート67に加圧挟持され、中央に位置するターン部30aの外周面に沿うように圧縮塑性変形する。一方、中央に位置するターン部30aは、外周側および内周側に位置するターン部30aに挟まれているので、ほぼ円形断面を維持する。
そこで、図21に示されるように、コイルエンドのつぶし工程S107後の内周側、中央および外周側に位置するターン部30aの径方向幅は、Dcenter>Dinner>Douterとなっている。また、内周側および外周側に位置するターン部30aは、圧縮塑性変形し、中央に位置するターン部30aに面接触状態となっている。また、内周側に位置するターン部30aは、圧縮代に相当する分、ティース21cの内周端より外周側に変位している。
ついで、巻線の結線工程S108では、図3に示される結線方法に基づいて各素線30の端部を結線して固定子巻線22が形成され、固定子20が作製される。
この発明では、巻線アッセンブリ40が径方向に3層に重なって固定子鉄心21に装着された状態で、コイルエンドのつぶし工程S107により、径方向に3層に重なったターン部30aの群を内径側と外径側とから圧縮している。そこで、ターン部30aが塑性変形し、径方向に3層に重なったターン部30a同士が面接触状態となる。これにより、外周側に位置する巻線アッセンブリ40の素線30で発生した熱は、外周側に位置するターン部30aから中央に位置するターン部30aを介して内周側に位置するターン部30aに効率的に熱伝達されるので、径方向に3列に並んだターン部30aの温度が平均化され、温度むらがなくなり、発電効率が向上する。さらに、内周側に位置するターン部30aに伝達された熱は、内周側に位置するターン部30aからファン11による冷却風に放熱されるので、固定子巻線22の過度の温度上昇が抑制される。
また、積層鉄心39の曲げ工程S106において、最も膨らむ外周側に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aの群が、コイルエンドのつぶし工程S107で最もつぶされるので、コイルエンド群22f、22r内の空気層が減少する。そこで、コイルエンド群22f、22rの冷却効率が向上する。
また、回転子8の熱を受熱する内周側の巻線アッセンブリ40のターン部30aが中央に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aよりつぶされるので、軸方向に伸び、ファン11による冷却風に曝されるターン部30aの面積が増え、回転子8からの受熱に起因する固定子巻線22の温度上昇が抑えられる。
コイルエンドのつぶし工程により、径方向に3層に並んだターン部30aの径方向幅が、中央に位置するターン部30a、内周側に位置するターン部30a、外周側に位置するターン部30aの順に狭くなっているので、コイルエンド群22f,22rの径方向の膨らみが抑えられ、固定子巻線22と回転子8と干渉、および固定子巻線22とハウジング4との干渉が抑制される。内周側に位置するターン部30aは、ティース21cの内周端より外周側に位置しているので、固定子巻線22と回転子8と干渉が防止される。
巻線アッセンブリ40の装着工程に先立って、コイルエンドのずらし工程を行い、内周側に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aを内周側にずらし、中央に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aを外周側にずらし、外周側に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aを外周側にずらしている。そこで、巻線アッセンブリ40の装着工程において、素線30の断面積が大きくなっても、ターン部30a同士の干渉が抑えられ、巻線アッセンブリ40の固定子鉄心21への装着が容易となる。
コイルエンドのずらし工程において、内周側、中央側および外周側に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aのずらし量を、径方向に隣り合うスロット収納部30bが接する、あるいは接近するように調整している。そこで、素線30の断面積を大きくしても、ターン部30a同士が互いに干渉せず、スロット収納部30bを径方向に1列に並んでスロット21aに収納でき、巻線アッセンブリ40を径方向に3層に重ねて固定子鉄心21に巻装できる。
コイルエンドのずらし工程において、内周側および中央に位置する巻線アッセンブリ40のターン部30aのずらし量を、それぞれ、スロット収納部30bおよびターン部30a同士がほぼ接するように調整している。そこで、内周側に位置するターン部30aの内周側への膨らみが少なくなり、積層鉄心39を曲げ易くなる。また、内周側に位置するターン部30aがティース21cの内周端より径方向内側に延出しないので、積層鉄心39の曲げ工程における曲げ治具とコイルエンド群22f,22rとの干渉が回避される。
ここで、外周側に位置するターン部30aのずらし量が内周側および中央に位置するターン部30aのずらし量より多くなっているので、コイルエンドのつぶし工程では、外加圧プレート68の圧縮代が内加圧プレート67の圧縮代より多くなり、径方向に3列に並んだターン部30aの径方向幅は、必然的に、中央に位置するターン部30a、内周側に位置するターン部30a、外周側に位置するターン部30aの順に狭くなる。
なお、上記実施の形態では、車両用交流発電機について説明しているが、本発明は、車両用交流発電電動機や車両用交流電動機などの車両用回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記実施の形態では、スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成されているものとして説明しているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されず、例えば1でもよい。この場合、巻線アッセンブリは、6本の素線を波状に成形して作製される。そして、素線の端部が、巻線アッセンブリの両端の両側に3本ずつ延出される。
また、上記実施の形態では、スロット収納部の四角形断面をレーストラック形状の断面としているが、四角形断面はレーストラック形状の断面に限定されず、例えば長方形断面、正方形断面でもよい。長方形断面および正方形断面の角部は必ずしも直角である必要はなく、アール形状としてもよい。
また、上記実施の形態では、巻線アッセンブリを径方向に3層に重ねて固定子鉄心に装着されているものとしているが、巻線アッセンブリの積層数は4層以上であってもよい。この場合、ターン部の径方向幅は、中央(最内周および最外周以外)の巻線アッセンブリのターン部、内周側(最内周)の巻線アッセンブリのターン部、外周側(最外周)の巻線アッセンブリのターン部の順に狭くなっている。

Claims (1)

  1. 椀形状のフロントブラケットとリヤブラケットとからなるハウジングと、
    上記ハウジングに回転可能に支持されたシャフトに固定されて上記ハウジング内に配設された回転子と、
    内周側に開口するスロットが周方向に所定のピッチで複数配設された円環状の固定子鉄心および、上記固定子鉄心に装着された複数の巻線により構成される固定子巻線を有し、上記回転子の磁極をなすポールコアの外周面との間にギャップを確保して、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに固定された固定子と、を備え、
    上記複数の巻線は、それぞれ、所定スロット数離れた上記スロットの対に収納されたスロット収納部を上記固定子鉄心の端部側でターン部により連結して構成され、
    上記スロット収納部は、四角形断面に塑性変形されて、上記スロット内にスロット深さ方向に1列に並んで複数本収納され、
    上記ターン部は、塑性変形されて、径方向に互いに面接触状態となって、かつ上記スロット収納部に対して径方向に設定されたずれ量だけずらして、径方向に複数層に並んで、周方向に整然と配列されている車両用回転電機の製造方法において、
    断面円形の連続線を用いて上記複数の巻線を作製する工程と、
    上記複数の巻線の上記スロット収納部を四角形断面に塑性変形すると同時に、上記ターン部を上記スロット収納部に対して該スロット収納部の厚み方向に設定されたずれ量だけずらす工程と、
    上記スロット収納部が四角形断面に塑性変形された上記複数の巻線を上記スロット収納部の厚み方向を径方向に一致させて上記固定子鉄心に装着した後、径方向に複数層に並んで周方向に整然と配列された上記ターン部の群を内径側と外径側から圧縮して、上記ターン部を径方向に互いに面接触状態とする工程と、を備えることを特徴とする車両用回転電機の製造方法。
JP2014005155A 2014-01-15 2014-01-15 車両用回転電機の製造方法 Active JP5828919B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014005155A JP5828919B2 (ja) 2014-01-15 2014-01-15 車両用回転電機の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014005155A JP5828919B2 (ja) 2014-01-15 2014-01-15 車両用回転電機の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012548567A Division JP5461709B2 (ja) 2010-12-14 2010-12-14 車両用回転電機およびそれに用いられる固定子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014090666A JP2014090666A (ja) 2014-05-15
JP5828919B2 true JP5828919B2 (ja) 2015-12-09

Family

ID=50792080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014005155A Active JP5828919B2 (ja) 2014-01-15 2014-01-15 車両用回転電機の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5828919B2 (ja)

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2827139A1 (de) * 1978-06-21 1980-01-10 Balzer & Droell Kg Verfahren und vorrichtung zum formen und bandagieren der wicklungskoepfe von statoren oder rotoren elektrischer maschinen
FR2745442B1 (fr) * 1996-02-28 2003-04-11 Valeo Systemes Dessuyage Procede de fabrication d'une partie tournante bobinee de machine electrique
JP3823555B2 (ja) * 1998-08-24 2006-09-20 株式会社デンソー 回転電機の多相波巻き巻線
JP3707606B2 (ja) * 2000-02-07 2005-10-19 三菱電機株式会社 回転電機の巻線組立およびその製造方法ならびにその巻線組立を用いた回転電機の固定子
JP3621635B2 (ja) * 2000-08-10 2005-02-16 三菱電機株式会社 回転電機
JP3561249B2 (ja) * 2001-09-17 2004-09-02 三菱電機株式会社 交流発電機の固定子およびその製造方法
JP2003219591A (ja) * 2002-01-18 2003-07-31 Toyota Motor Corp 回転電機
JP3786059B2 (ja) * 2002-06-25 2006-06-14 株式会社デンソー 回転電機のセグメント順次接合ステータコイルおよびその製造方法
JP2005080488A (ja) * 2003-09-03 2005-03-24 Aisin Aw Co Ltd 回転電機ステータコイルエンドの拡張成形方法及び装置
JP2005086952A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Aisin Aw Co Ltd ステータコイル矯正方法
JP4872638B2 (ja) * 2006-12-08 2012-02-08 株式会社デンソー ステータの巻線の製造方法
JP2010239740A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Aisin Aw Co Ltd 回転電機用電機子
JP5636755B2 (ja) * 2010-06-17 2014-12-10 日産自動車株式会社 ステータコイル成形装置およびステータコイル成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014090666A (ja) 2014-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5461709B2 (ja) 車両用回転電機およびそれに用いられる固定子の製造方法
JP3078288B1 (ja) 車両用交流発電機
KR101107884B1 (ko) 차량용 회전 전기기계
JP5460884B2 (ja) 車両用回転電機およびそれに用いられる巻線アッセンブリの製造方法
JP3561249B2 (ja) 交流発電機の固定子およびその製造方法
JP3400776B2 (ja) 交流発電機
JP3484407B2 (ja) 車両用交流発電機
JP5289499B2 (ja) 回転電機
JP4007476B2 (ja) 車両用交流発電機
JP3256695B2 (ja) 交流発電機の固定子
JP3593009B2 (ja) 回転電機
JP3484412B2 (ja) 車両用交流発電機およびその固定子の製造方法
WO2008044703A1 (fr) Stator de machine électrique rotative
JP2010200596A (ja) 回転電機用電機子及びその製造方法
WO2013136845A1 (ja) 回転電機及びその生産方法
JP4625290B2 (ja) 回転電機用固定子
JP3808434B2 (ja) 回転電機の固定子
JP5828919B2 (ja) 車両用回転電機の製造方法
JP5837106B2 (ja) 車両用回転電機およびその製造方法
JP4476199B2 (ja) 回転電機の固定子
JP3644919B2 (ja) 交流発電機
WO2014061406A1 (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150123

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150902

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5828919

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250