以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である商品収納装置が適用された自動販売機を示すものであり、図1は正面図であり、図2は制御系を示すブロック図である。ここで例示する自動販売機は、例えば缶入り飲料やペットボトル入り飲料等の商品を冷却、若しくは加熱した状態で販売するもので、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、前面に形成された開口が外扉2によって開閉される直方体状の筐体である。外扉2は断熱材が適宜用いられて構成してあり、断熱ガラス等の透明板材を嵌め込んでなる窓部2aを有している。従って、当該自動販売機は外扉2の窓部2aを介して内部を視認することができるものである。また、外扉2の左端側の左側面の中央部には図示せぬ把手が設けられている。
上記本体キャビネット1は、内部が上下2つに区画されており、上側が収納室1a、下側が機械室1bとなっている。収納室1aは、その内部を予め設定された温度状態に保持する室であり、該収納室1aを構成する壁部材はそれぞれ断熱材によって構成してある。また、収納室1aには、蒸発器等のような収納室1aの内部空気を冷却するための手段(図示せず)や、電熱ヒータ等のような収納室1aの内部空気を加熱するための手段(図示せず)が設けてある。一方、機械室1bには、上記蒸発器とともに冷凍サイクルを構成する冷凍機(図示せず)や各種の制御機器等(図示せず)が設けてある。
このような本体キャビネット1における左側面の上方部位には、入力処理ユニット10が取り付けてある。入力処理ユニット10は、箱状のユニット本体11を備えている。このユニット本体11は、堅牢な構成を有している。ユニット本体11の前面には、硬貨投入口12やラック選択ボタン13等が設けてある。また、このユニット本体11の左側部は図示せぬユニット扉により開閉可能となっており、ユニット扉を開移動させるとモード選択ボタン14及び解除ボタン15が露出するよう設けてある。このユニット扉は、常時は図示せぬロック機構により開移動が規制されており、管理者等がロック機構を操作することにより開移動可能になるものである。更に、ユニット本体11の内部には、金銭処理装置16が設けてある。
硬貨投入口12は、硬貨を投入するための開口である。ラック選択ボタン13は、複数(図示の例では4つ)あり、上下に並ぶよう設けられた押ボタンである。ラック選択ボタン13は、それぞれが後述する商品収納装置20を構成する商品ラック30a〜30dと関連づけられており、利用者に押下操作されることにより入力信号を制御手段100に与えるものである。また、それぞれのラック選択ボタン13には、例えばLED等の光源13aが内蔵されている。これら光源13aは、制御手段100から与えられる点灯指令に応じて点灯するものである。
モード選択ボタン14は、管理者に押下操作されることにより、補充信号を制御手段100に与えるものである。解除ボタン15は、管理者に押下操作されることにより、解除信号を制御手段100に与えるものである。
金銭処理装置16は、硬貨投入口12を通じて投入された硬貨の真偽と金種とを識別し、金種毎に硬貨を収容する金銭処理を行うものである。この金銭処理装置16は、硬貨投入口12を通じて投入された金額情報を制御手段100に与えるとともに、釣銭の払い出しを行うものである。釣銭の払い出しは、硬貨返却口17を通じて行う。尚、金銭処理装置16は、硬貨投入口12を通じて硬貨が投入された後に利用者により返却ボタン18が操作された場合にも、硬貨返却口17を通じて投入された硬貨の払い出しを行うものである。また、金銭処理装置16は、識別できなかった硬貨についても硬貨返却口17を通じて硬貨の払い出しを行うものである。
上記本体キャビネット1における収納室1aには商品収納装置20が設けてある。図3は、図1に示した自動販売機の商品収納装置20を示す斜視図であり、一部の構成要素を取り除いた状態で示している。
この図3にも示すように、商品収納装置20は、商品ラック30a〜30dとラック選択機構40とを備えて構成してある。
商品ラック30a〜30dは、複数(図示の例では4つ)設けてある。商品ラック30a〜30dは、左右一対のラック支持側板31間に架け渡されるよう上下方向に沿って複数段設けてある。ラック支持側板31は、鋼板を屈曲加工することにより形成されたもので、図4に示すように、それぞれが上下方向に沿って延在する態様で収納室1aに設けてある。そして、左前側ラック支持側板31aと右前側ラック支持側板31bとで左右一対の関係を成しており、左後側ラック支持側板31cと右後側ラック支持側板31dとで左右一対の関係を成している。左後側ラック支持側板31c及び右後側ラック支持側板31dには、互いに対向する面から突出する態様で商品ラック30a〜30dを支持するための支持片31c1,31d1(図4参照)が設けてある。左前側ラック支持側板31a及び右前側ラック支持側板31bには、その前面31a1,31b1、すなわち本体キャビネット1の前面開口を臨む面に締結部材であるネジ部材Nが挿通可能なネジ孔31a2,31b2が複数形成されている。
各商品ラック30a〜30dは、後方部位である後方水平部材321が支持片31c1,31d1に係止され、前方部位である前方ベース部材322が左前側ラック支持側板31a及び右前側ラック支持側板31bの前面31a1,31b1に所定のネジ孔31a2,31b2にネジ部材Nが挿通して螺合することにより該ネジ部材Nに締結されて取り付けてある。
本実施の形態においては、各商品ラック30a〜30dは、ペットボトル入り飲料の商品を収納するものであって同一の構成を有している。ここで、ペットボトル入り飲料の商品は、図1に示すように、キャップ200が着脱可能に取り付けられるキャップ取付部200aから胴体部201までの間に括れ部分202を有する容器(ペットボトル)の内部に飲料が封入されたものである。
それぞれの商品ラック30a〜30dは、複数(図示の例では5つ)の商品収納コラム33を左右方向に沿って並設することにより構成してある。これら商品収納コラム33は、それぞれレール部材34を備えている。レール部材34は、前後方向に沿って延在するもので商品収納通路33aを画成するものである。
図5は、図1及び図3に示した商品収納コラム33を構成するレール部材34を示す斜視図であり、図6は、図5に示したレール部材34の分解斜視図である。これら図5及び図6に示すように、レール部材34は、レール基体341と前端レール部342とを備えて構成してある。
レール基体341は、鋼板を適宜屈曲して形成したものであり、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。このレール基体341は、基部3411と左下延部3412と右下延部3413とが一体的に形成されることで、正面から見た場合に下方に開口するコ字状を成している。
基部3411は、前後方向に沿って延在する水平部位である。この基部3411は、その後端部が後方水平部材321に支持され、かつ前端部が前方ベース部材322に支持されている。左下延部3412は、基部3411の左端部から下方に向けて延在するとともに、その延在端部が右方に向けて屈曲することで左側縁端部3412a(図12参照)が形成され、正面から見た場合にL字状を成している。右下延部3413は、基部3411の右端部から下方に向けて延在するとともに、その延在端部が左方に向けて屈曲することで右側縁端部(図示せず)が形成され、正面から見た場合に逆L字状を成している。
これら左下延部3412及び右下延部3413は、左右一対となっており、互いの間隙で商品収納通路33aの一部を画成しており、その幅(左側縁端部3412aと右側縁端部との最小幅)は、対象商品(ペットボトル入り飲料)の括れ部分202の最大幅よりも大きく、かつ該商品のキャップ取付部200aの最大幅よりも小さいものである。
前端レール部342は、樹脂材により形成したものであり、左側前端レール部342Lと右側前端レール部342Rとが左右一対となって構成してある。
左側前端レール部342Lは、前端左基部3421と左側前端縁端部3421aとが一体に形成され、正面から見た場合にL字状を成している。前端左基部3421は、上下方向に沿って延在する平板状部位である。左側前端縁端部3421aは、前端左基部3421の下端部を右方に向けて屈曲することで形成したものである。
右側前端レール部342Rは、前端右基部3422と右側前端縁端部3422aとが一体に形成され、正面から見た場合に逆L字状を成している。前端右基部3422は、上下方向に沿って延在する平板状部位である。右側前端縁端部3422aは、前端左基部3421の下端部を左方に向けて屈曲することで形成したものである。
これら左側前端レール部342L及び右側前端レール部342Rは、互いの間隙で商品収納通路33aの前端部(下流側端部)を画成しており、前方に向かうに連れて漸次下方に向けて傾斜している。
このような左側前端レール部342L及び右側前端レール部342Rは、レール基体341の前端部に進入可能な大きさを有しており、該前端部に進入して所定部位が係止されることで、左側前端レール部342Lの左側前端縁端部3421aが左側縁端部3412aに連続し、かつ右側前端レール部342Rの右側前端縁端部3422aが右側縁端部に連続する態様で装着されている。
かかる左側前端レール部342L及び右側前端レール部342Rが装着されることで、レール部材34は、前端部(下流側端部)が漸次下方に傾斜する態様で湾曲して成るものである。
図7及び図8は、それぞれ図5及び図6に示した前端レール部342の構成を示すもので、ともに上方から見た場合を示す断面平面図である。これら図7及び図8に示すように、左側前端レール部342L及び右側前端レール部342Rには、互いに対応する個所に隆起部3421a1,3422a1が設けてある。
左側前端レール部342Lの隆起部3421a1(以下、左側隆起部3421a1ともいう)は、左側前端縁端部3421aの略中央領域において商品収納通路33aに向けて隆起することで形成してある。そして、左側前端縁端部3421aの略中央領域には、左側長孔部3421a2及び左側突起部3421a3が設けてある。左側長孔部3421a2は、前後方向が長手方向となる長孔である。左側突起部3421a3は、左側長孔部3421a2において左側隆起部3421a1が形成される部位と対向する部位において左側隆起部3421a1が形成される部位に向けて突出するよう形成してある。
右側前端レール部342Rの隆起部3422a1(以下、右側隆起部3422a1ともいう)は、右側前端縁端部3422aの略中央領域における左側隆起部3421a1に対向する個所にて商品収納通路33aに向けて隆起することで形成してある。そして、右側前端縁端部3422aの略中央領域には、右側長孔部3422a2及び右側突起部3422a3が設けてある。右側長孔部3422a2は、前後方向が長手方向となる長孔である。右側突起部3422a3は、右側長孔部3422a2において右側隆起部3422a1が形成される部位と対向する部位において右側隆起部3422a1が形成される部位に向けて突出するよう形成してある。
このような前端レール部342(左側前端レール部342L及び右側前端レール部342R)においては、左側隆起部3421a1と右側隆起部3422a1との幅L1が対象商品(ペットボトル入り飲料)の括れ部分202の最大幅よりも小さく形成してある。これにより図8に示すように、左右の隆起部3421a1,3422a1間にて商品の前後移動を規制するようにし、後述する取出操作若しくは補充操作により商品が前方若しくは後方に向けて押圧される場合に、左側前端縁端部3421aの略中央領域において左側長孔部3421a2の左側隆起部3421a1の形成部位が左側突起部3421a3に当接するまで弾性変形し、かつ右側前端縁端部3422aの略中央領域において右側長孔部3422a2の右側隆起部3422a1の形成部位が右側突起部3422a3に当接するまで弾性変形することで、左右の隆起部3421a1,3422a1間の幅L1が括れ部分202の最大幅よりも大きくなるようにして該商品の移動を許容している。
上記レール部材34においては、前方より商品収納通路33aに商品の括れ部分202が挿入されるよう商品が起立した姿勢で投入されると、レール基体341の左側縁端部3412及び右側縁端部、前端レール部342の右側前端縁端部3422a及び左側前端縁端部3421aに商品のキャップ取付部200aの一部が載置する。これにより、レール部材34は、商品のキャップ取付部200aを支持することでこの商品を吊り下げた状態で支持するとともに、この商品を商品収納通路33aに前後方向に沿って並ぶよう収納させるものである。そして、レール部材34自体を前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で取り付けることにより、商品収納通路33aに収納された商品は、自身の自重により前方に向けて移動可能な状態で収納される。
この場合において、商品収納通路33aに収納される商品のうち最前の商品(最下流商品)は、前端レール部342における左右の隆起部3421a1,3422a1間より後方側に位置し、これら左右の隆起部3421a1,3422a1により前方への移動が規制されている。
図9は、図1や図3に示した商品ラック30a〜30dの要部を示す平面図であり、図10は、図9に示した商品ラック30a〜30dの要部を右斜め前方より見た場合を示す斜視図であり、図11は、図9に示した商品ラック30a〜30dの要部を右斜め後方より見た場合を示す斜視図である。これら図9〜11においては、図示を明確にすべく、適宜構成要素を省略している。また図12は、商品ラック30a〜30dを構成する商品収納コラム33を模式的に示すもので、右側から見た場合を示す縦断面図である。
これら図9〜11に示すように、上記商品ラック30a〜30dは、取出機構50と、支持機構60と、規制機構(規制手段)70とを備えて構成してある。
取出機構50は、商品収納コラム33毎に設けられており、メインゲート部材51と、サブゲート部材52とを備えて構成してある。
図13は、取出機構50を示す斜視図であり、図14は、取出機構50の主要素の分解斜視図であり、図15は、取出機構50を右側から見た側面図であり、図16は、取出機構50を左側から見た側面図である。これら図13〜図16を適宜利用しながら取出機構50について説明する。
メインゲート部材51は、左右方向に沿って延在し、かつ最前商品の上方域において後述する右側支持部材323及び左側支持部材(図示せず)に架設されたゲート軸部53に支持される第1基端部511と、この第1基端部511よりも前方側に向けて延在し、その途中から下方に向けて突出する形態を成す第1先端部512とを備えている。この第1先端部512の下方部位には湾曲面を構成する摺動部512aが設けてある。このメインゲート部材51は、ゲート軸部53の中心軸を中心としてその中心軸回りに回動することが可能である。このメインゲート部材51とゲート軸部53との間には、ゲートバネ部材54が介在されている。そのため、メインゲート部材51は、ゲートバネ部材54に付勢されて下方に向けて回動した姿勢となっており、第1先端部512が商品収納通路33aに進出している。
このようにメインゲート部材51の第1先端部512が商品収納通路33aに進出している場合には、かかる第1先端部512は最前商品の前方域に位置している。そして、メインゲート部材51は、ゲートバネ部材54の付勢力に抗して上方に向けて回動すると、第1先端部512が商品収納通路33aから退避することになる。また、メインゲート部材51は、後方に向けて突出する第1係合片513を有している。
サブゲート部材52は、メインゲート部材51よりも後方側に設けられており、上記第1基端部511に進入して上記ゲート軸部53に支持される第2基端部521と、この第2基端部521よりも後方側に延在し、かつその下端部が第2基端部521よりも下方に突出する第2先端部522とを備えている。このサブゲート部材52は、ゲート軸部53の中心軸回りに回動することが可能である。つまり、サブゲート部材52は、メインゲート部材51と共通の軸部の中心軸回りに回動可能に配設されたものである。
このようなサブゲート部材52は、メインゲート部材51とコイルバネ部材55を介して連結されている。より詳細には、メインゲート部材51の引掛溝516とサブゲート部材52の引掛溝526との間にコイルバネ部材55が引っ掛けられることにより、該コイルバネ部材55に付勢されて、メインゲート部材51とサブゲート部材52との互いの位置関係が規定されている。
これにより、サブゲート部材52は、メインゲート部材51の第1先端部512が商品収納通路33aに進出している場合には、自身の第2先端部522が商品収納通路33aから退避した姿勢となるものである。その一方、メインゲート部材51の第1先端部512が商品収納通路33aから退避する場合には、第2先端部522が商品収納通路33aに進出した姿勢となるものである。このように第2先端部522が商品収納通路33aに進出している場合には、かかる第2先端部522は、最前から2番目の商品(第2商品)の前方域に位置している。
また、サブゲート部材52は、左方に向けて突出する第2係合片523を有している。この第2係合片523は、メインゲート部材51における第1係合片513の前方側の凹みに進入して係止している。
更に、サブゲート部材52は、押圧部529を有している。押圧部529は、サブゲート部材52の下端部分、すなわち第2基端部521の下端部分と第2先端部522の下端部分とを連結する態様で設けてある。かかる押圧部529は、前方側の第1押圧面529aと、後方側の第2押圧面529bとが連続して形成されるもので、図12に示すように、サブゲート部材52が商品収納通路33aから退避した場合にも、最前商品のキャップ200に第1押圧面529aが当接するものである。
このようなサブゲート部材52は、メインゲート部材51とコイルバネ部材55を介して連結されるものなので、基本的にはメインゲート部材51と一体的に回動するものである。しかしながら、サブゲート部材52は、第2先端部522に対して商品収納通路33aから退避させるような力が作用したときには、該コイルバネ部材55の付勢力に抗して上方に回動するものである。
図17は、図9〜図11に示した商品ラック30a〜30dの一部の構成要素の分解斜視図である。この図17を適宜利用して説明する。
支持機構60は、固定板61と、スライド板62と、ロック部材63とを備えて構成してある。固定板61は、各商品ラック30a〜30dにおいてそれぞれの商品収納コラム33の前方側上方域を左右方向に沿って延在するよう設けてある。この固定板61は、右側端部が右側支持部材323に支持され、かつ左側端部が図示せぬ左側支持部材に支持されることで固定されている。
右側支持部材323は、鋼板を屈曲加工及び切削加工等することにより形成したもので、前後方向が長手方向となるものである。この右側支持部材323は、前方ベース部材322の右端部に固定されており、上下方向に沿って延在する右側支持基部3231と、この右側支持基部3231の上端縁部より水平方向に向けて延在する上方水平部3232と、右側支持基部3231の下端縁部より右方に向けて延在する下方右延部3233とを有している。右側支持基部3231には、複数の貫通孔3231aが設けてある。
左側支持部材は、右側支持部材323と同様に鋼板を屈曲加工及び切削加工等することにより形成したもので、前後方向が長手方向となるものである。この左側支持部材は、前方ベース部材322の左端部に固定されており、右側支持部材323と左右一対となるように構成してある。
これにより、固定板61は、右側端部が右側支持部材323における右側支持基部3231の貫通孔3231aを貫通した状態でネジ部材等により固定されており、左側端部が左側支持部材における貫通孔を貫通した状態でネジ部材等により固定されている。
このような固定板61は、上下方向に沿って延在する固定基部611と、この固定基部611の下端より後方に屈曲して延在する固定底部612と、この固定底部612の後端より上方に屈曲して延在する固定上延部613とを有している。
この固定底部612には、固定基部611に形成された切欠611aに連続する切欠部612aが複数形成されている。ここで、固定底部612に形成される切欠部612aの数は、商品ラック30a〜30dを構成する商品収納コラム33の数に一致していて5つである。
スライド板62は、各商品ラック30a〜30dにおいてそれぞれの商品収納コラム33の前方側上方域を左右方向に沿って延在するよう設けてある。スライド板62は、上下方向に沿って延在するスライド基部621と、このスライド基部621の所定個所の下端より前方に屈曲して延在するスライド底部622と、このスライド底部622の前端より上方に屈曲して延在するスライド上延部623と、スライド基部621の上端より前方に屈曲して延在するスライド前延部624とを有している。
このようなスライド板62は、固定板61の固定基部611の後方側においてこの固定板61と平行となるように設けてある。つまり、スライド板62は、固定基部611と固定上延部613との間における固定底部612の上方域に自身のスライド底部622が載置されるよう設けられており、右側端部が右側支持部材323の貫通孔3231aを貫通している。また、スライド板62におけるスライド基部621には、切欠部612aの数に対応した複数(例えば5つ)の挿通部621aが形成されている。
また、スライド板62のスライド前延部624には、複数(図17中には2つ)のスライド作用片624aが設けてある。スライド作用片624aは、スライド前延部624より前方に向けて突出する態様で設けてある。
かかるスライド板62は、その右端にスライド当接部625が設けられており、かかるスライド当接部625は、スライドバネ部材626を介して前方ベース部材322に連結されている。これにより、スライド板62は、スライドバネ部材626により常時右方に向けて付勢されており、常態においては基準位置に位置している。
ロック部材63は、例えば樹脂材から形成されたものであり、前端部631、上部632、後端部633及び下部634が連続して形成されることで中空部635を有して成るものである。このロック部材63の前端部631には、前方に向けて突出する突出片631aが設けてある。このようなロック部材63は、図9〜図12に示すように、上部632がスライド板62の挿通部621aを挿通する態様で、自身の中空部635を固定板61に貫通されることで設けてある。つまり、ロック部材63の前端部631は、固定板61の固定基部611の前方側にあり、ロック部材63の後端部633は、固定板61の固定上延部613の後方側にあり、ロック部材63の下部634は、固定板61の固定底部612の下方側にある。このロック部材63の後端部633には、後方に向けて突出するロック作用片633aが設けてある。
このようなロック部材63は、自身の後端部633がロックバネ部材636を介して前方ベース部材322に連結されており、かかるロックバネ部材636により右方に向けて付勢されている。
かかるロック部材63の後方域には、取出検出スイッチ3が設けてある。取出検出スイッチ3は、前方ベース部材322の後端部633に取り付けられており、それぞれが商品収納コラム33に対応して設けてある。この取出検出スイッチ3は、常態においてはオフ状態となっておりロック部材63がロックバネ部材636により付勢されて右方に向けて移動する場合に、該ロック部材63のロック作用片633aが取出検出スイッチ3の接触子3aを押圧することでオン状態となり、オン信号を制御手段100に与えるものである。
規制機構70は、ガイド部材71と、第1リンク部材(調整部材)72と、第2リンク部材73と、リンクスライド部材74とを備えて構成してある。
ガイド部材71は、各商品ラック30a〜30dにおいてそれぞれの商品収納コラム33の前方側上方域を左右方向に沿って延在するよう設けてある。より詳細には、ガイド部材71は、右側端部が右側支持部材323の貫通孔3231aを貫通し、かつ図示せぬ左側端部が左側支持部材の貫通孔を貫通して、自身に取り付けられる段付ネジ71aが右側支持部材323及び左側支持部材の上方水平部3232に設けられた長孔3232aを挿通することにより、前後方向に沿って移動可能に設けてある。そして、自身と前方ベース部材322とを連結するガイドバネ部材71bにより後方に向けて付勢されており、常態においては、後方に移動して基準位置に位置している。このようにガイド部材71が基準位置に位置する場合には、ガイド部材71の下方に開口する収容域71cがメインゲート部材51の突部(進入可能部位)512bの回動軌跡上に位置することとなる。
この収容域71cには、図18の(a)に示すように複数の駒部材711が設けてある。これら駒部材711は、ガイド部材71の収容域71cにそれぞれが左右方向に沿ってスライド移動可能に収容されている。そして、ガイド部材71における収容域71cに形成されるスペースS1,S2の合計幅は、取出機構50を構成するメインゲート部材51の突部512bの幅よりも僅かに大きいものである。
第1リンク部材72は、図9〜図11に示したように、右側支持部材323の下方右延部3233の上方域においてゲート軸部53の中心軸回りに回動可能に設けてある。この第1リンク部材72は、ゲート軸部53に挿通される挿通部位より前方側の前方部位721と、該挿通部位より後方側の後方部位722とを有して略V字状を成している。
このような第1リンク部材72は、第1リンクバネ部材723により前方部位721が上方に向けて回動するように付勢されており、これによりガイド部材71が基準位置に位置する場合には、前方部位721がガイド部材71の収容域71cに進入している。このように第1リンク部材72の前方部位721がガイド部材71の収容域71cに進入する場合には、図18の(b)に示すように、かかる収容域71cのスペースS1,S2の合計幅は、メインゲート部材51の突部512bの幅よりも小さくなるようにしてある。これにより、第1リンク部材72の前方部位721が収容域71cに進入する場合には、いずれのメインゲート部材51も収容域71cに進入することができない。
ところで、ガイド部材71がガイドバネ部材71bの付勢力に抗して前方に移動する場合には、かかるガイド部材71の後端部に押圧されることで第1リンク部材72は、第1リンクバネ部材723の付勢力に抗して前方部位721が下方に向けて回動し、かかる前方部位721が収容域71cから離脱することになる。
第2リンク部材73は、図9〜図11に示したように、前方ベース部材322に固定された第2リンク支持板324にリンク軸部733の中心軸回りに回動可能に設けてある。この第2リンク部材73は、リンク軸部733よりその径外方向に二股状に分岐しており、第1リンク端部731がスライド板62のスライド作用片624aに当接している一方、第2リンク端部732がガイド部材71に当接している。
このような第2リンク部材73は、スライド板62が基準位置から左方に向けてスライド移動する場合に、リンク軸部733の中心軸回りに回動して第2リンク端部732がガイド部材71をガイドバネ部材71bの付勢力に抗して前方に向けて移動させるものである。
リンクスライド部材74は、第1リンク部材72の後方域において、右側支持部材323の貫通孔3231aを貫通する態様でリンクスライドバネ部材741を介して前方ベース部材322に連結されており、常態においてはリンクスライドバネ部材741に付勢されて右方に移動して基準位置に位置している。このようにリンクスライド部材74が基準位置にある場合、リンクスライド当接部742が基準位置に位置するスライド板62のスライド当接部625の下方域に位置している。
このリンクスライド部材74の前端上延部743は第1リンク部材72の後方部位722に当接している。かかるリンクスライド部材74の前端上延部743は、図17に示すように、水平当接部7431と傾斜当接部7432とが連続して形成されている。傾斜当接部7432は、右方に向かうに連れて漸次上方に傾斜する部位である。
このようなリンクスライド部材74は、基準位置に位置する場合には、第1リンク部材72と水平当接部7431で当接し、第1リンク部材72の前方部位721が上方に回動した姿勢となることを許容する一方、基準位置から左方に移動する場合には、第1リンク部材72と傾斜当接部7432で当接することで、第1リンクバネ部材723の付勢力に抗して第1リンク部材72の前方部位721を下方に回動させるものである。
次に、ラック選択機構40について説明する。ラック選択機構40は支持ロッド41を備えて構成してある。支持ロッド41は、例えば六角柱状の棒状体であり、図4に示したように、右前側ラック支持側板31bに自身の中心軸回りに回転可能となるよう設けてある。より詳細には、支持ロッド41は、その上端部が右前側ラック支持側板31bの上端片31b3に支持され、その下端部が最下段の商品ラック30dの高さレベルに対応して設けられたカムベース部材31b4に支持されて、自身の中心軸回りに回転可能となるよう設けてある。
この支持ロッド41の上端部には連結ギヤ42が設けてある。連結ギヤ42は図示せぬ連係ギヤを介してモータMの出力ギヤ(図示せず)に噛合している。ここでモータMは、制御手段100(図2参照)から駆動指令が与えられることにより駆動する駆動源であり、出力ギヤを上方から見た場合にこの出力ギヤを時計回りに回転させるものである。これにより該出力ギヤに連係ギヤを介して歯合する連結ギヤ42も上方から見た場合に時計回りに回転することとなり、支持ロッド41も自身の中心軸を中心として時計回りに回転するものである。
このような支持ロッド41には複数(例えば4つ)の切替カム部材43が取り付けられている。切替カム部材43は、自身の六角形状の貫通孔431が支持ロッド41に貫通されるよう取り付けられており、それぞれが各商品ラック30a〜30dの高さレベルに対応している。これら各切替カム部材43は、支持ロッド41と一体的に回転するものである。また、切替カム部材43は、支持ロッド41に貫通された状態で該支持ロッド41の延在方向(上下方向)に沿って移動可能であり、各商品ラック30a〜30dの高さレベルに応じて位置を移動させることができる。つまり、切替カム部材43は、各商品ラック30a〜30dの高さレベルに応じて追従することができる。
図19は、図4に示した支持ロッド41に取り付けられた切替カム部材43を示す斜視図であり、(a)は最上段の商品ラック30aに対応した切替カム部材43(以下、第1切替カム部材43aともいう)、(b)は最上段から二段目の商品ラック30bに対応した切替カム部材43(以下、第2切替カム部材43bともいう)、(c)は最上段から三段目の商品ラック30cに対応した切替カム部材43(以下、第3切替カム部材43cともいう)、(d)は最下段の商品ラック30dに対応した切替カム部材43(以下、第4切替カム部材43dともいう)について示すものである。
この図19に示すように、上記切替カム部材43には、基準位置となる待機部位432がそれぞれ形成されているとともに、第1突片43a1,43b1,43c1,43d1と、第2突片43a2,43b2,43c2と、第3突片43a3,43b3,43c3,43d3とがそれぞれ設けてある。第1突片43a1,43b1,43c1,43d1は、切替カム部材43の外周面の下方側において径外方向に向けて突出するよう設けられており、販売部位を構成するものである。この第1突片43a1,43b1,43c1,43d1は、切替カム部材43の中心軸(支持ロッド41の中心軸)を基準として時計回りに例えば60°にわたって形成されている。第2突片43a2,43b2,43c2は、第1突片43a1,43b1,43c1の端部より上方に向けて延在するよう形成されている。第4切替カム部材43dを除く切替カム部材43の第3突片43a3,43b3,43c3は、第2突片43a2,43b2,43c2から中心軸(支持ロッド41の中心軸)を基準として反時計回りに所定角度離隔した個所に設けられており、上下方向に沿って延在するものである。第4切替カム部材43dの第3突片43d3は、第1突片43d1の端部より上方に向けて延在するよう形成されている。つまり、第4切替カム部材43dには、第3突片43d3の形状により兼用しているため、第2突片が形成されていない。
そして、支持ロッド41に取り付けられた各切替カム部材43は、第1突片43a1,43b1,43c1,43d1が互いに該支持ロッド41の中心軸回りに所定角度だけ離隔した態様で設けられており、待機部位432及び第3突片43a3,43b3,43c3,43d3は、互いに上下に一致するよう設けてある。
ここで各切替カム部材43における第1突片43a1,43b1,43c1,43d1及び第3突片43a3,43b3,43c3,43d3の設置例について述べる。尚、ここで示すものは一例であり、本発明はこれに限定されないことはいうまでもない。
第2切替カム部材43bにおいては、第1突片43b1が第1切替カム部材43aの第1突片43a1及び第2突片43a2に対して支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに60°ずれて設けてある。
第3切替カム部材43cにおいては、第1突片43c1が第2切替カム部材43bの第1突片43b1に対して支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに60°ずれて設けてある。
第4切替カム部材43dにおいては、第1突片43d1が第3切替カム部材43cの第1突片43c1に対して支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに60°ずれて設けてある。
そして、第1切替カム部材43aにおける第3突片43a3は、該第1切替カム部材43aにおける第1突片43a1から支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに240°ずれて設けてある。第2切替カム部材43bにおける第3突片43b3は、該第2切替カム部材43bにおける第1突片43b1から支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに180°ずれて設けてある。また、第3切替カム部材43cにおける第3突片43c3は、該第3切替カム部材43cにおける第1突片43c1から支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに120°ずれて設けられており、第4切替カム部材43dにおける第3突片43d3は、該第4切替カム部材43dにおける第1突片43d1から支持ロッド41の中心軸を基準として反時計回りに60°ずれて設けてある。
このように六角柱状の棒状体である支持ロッド41の一の側面には、複数の切替カム部材43の待機部位432が対応し、該支持ロッド41の他の側面には、複数の切替カム部材43の第3突片43a3,43b3,43c3,43d3が対応している。そして、支持ロッド41の残りの側面には、切替カム部材43の第1突片43a1,43b1,43c1,43d1が個別に対応している。
これにより、支持ロッド41の各側面にそれぞれのポジションを対応させることで、支持ロッド41が360°回転する場合に、各ポジションを60°ずつ均等に配置させることができる。
上述した切替カム部材43の回転角度位置は、モード検出スイッチ4(図2参照)により検出される。モード検出スイッチ4は、モータMの出力ギヤに噛合するモードギヤ(図示せず)の状態を検出することで切替カム部材43の回転角度位置を検出するものである。かかるモード検出スイッチ4は、回転角度位置を検出すると、その旨を検出信号として制御手段100に与える。ここでモード検出スイッチ4が、検出する回転角度位置の一例について述べる。尚、ここで示すものは一例であり、本発明はこれに限定されないことはいうまでもない。
モード検出スイッチ4が検出する回転角度位置は、「待機位置」、「60°回転位置」、「120°回転位置」、「180°回転位置」、「240°回転位置」、「300°回転位置」の6つである。
「待機位置」は、基準となる位置であり、図20の(a)〜(d)に示すように、切替カム部材43の待機部位432が前方を臨んでいる。この場合には、いずれもがスライド板62及びリンクスライド部材74に当接しない位置である。
「60°回転位置」は、「待機位置」から支持ロッド41が時計回りに60°回転した位置である。図21の(a)に示すように、かかる位置では、第1切替カム部材43aの第1突片43a1が最上段の商品ラック30aにおけるリンクスライド当接部742に当接してこれを左方に移動させる。また、図21の(b)〜(d)に示すように、第2切替カム部材43b、第3切替カム部材43c及び第4切替カム部材43dはいずれもスライド板62やリンクスライド部材74に当接していない。
「120°回転位置」は、「待機位置」から支持ロッド41が時計回りに120°回転した位置である。図22の(b)に示すように、かかる位置では、第2切替カム部材43bの第1突片43b1が最上段から二段目の商品ラック30bにおけるリンクスライド当接部742に当接してこれを左方に移動させる。また、図22の(a)に示すように、「120°回転位置」に至る途中で、第1切替カム部材43aの第2突片43a2がリンクスライド当接部742及びスライド当接部625に当接してこれらを左方に移動させる。更に、図22の(c)及び(d)に示すように、第3切替カム部材43c及び第4切替カム部材43dはいずれもスライド板62やリンクスライド部材74に当接していない。
「180°回転位置」は、「待機位置」から支持ロッド41が時計回りに180°回転した位置である。図23の(c)に示すように、かかる位置では、第3切替カム部材43cの第1突片43c1が最上段から三段目の商品ラック30cにおけるリンクスライド当接部742に当接してこれを左方に移動させる。また、図23の(b)に示すように、「180°回転位置」に至る途中で、第2切替カム部材43bの第2突片43b2がリンクスライド当接部742及びスライド当接部625に当接してこれらを左方に移動させる。更に、図23の(a)及び(d)に示すように、第1切替カム部材43a及び第4切替カム部材43dはいずれもスライド板62やリンクスライド部材74に当接していない。
「240°回転位置」は、「待機位置」から支持ロッド41が時計回りに240°回転した位置である。図24の(d)に示すように、かかる位置では、第4切替カム部材43dの第1突片43d1が最下段の商品ラック30dにおけるリンクスライド当接部742に当接してこれを左方に移動させる。また、図24の(c)に示すように、「240°回転位置」に至る途中で、第3切替カム部材43cの第2突片43c2がリンクスライド当接部742及びスライド当接部625に当接してこれらを左方に移動させる。更に、図24の(a)及び(b)に示すように、第1切替カム部材43a及び第2切替カム部材43bはいずれもスライド板62やリンクスライド部材74に当接していない。
「300°回転位置」は、「待機位置」から支持ロッド41が時計回りに300°回転した位置である。かかる位置では、図25の(a)〜(d)に示すように、すべての切替カム部材43の第3突片43a3,43b3,43c3,43d3が各商品ラック30a〜30dにおけるスライド当接部625及びリンクスライド当接部742に当接してこれらを左方に移動させる。
そして、かかる「300°回転位置」から再び「待機位置」まで支持ロッド41が回転すると、スライド板62及びリンクスライド部材74は、基準位置に戻ることになる。
図26は、図2に示した制御手段100が実施する販売制御処理の主な処理内容について示すフローチャートである。かかる販売制御処理を説明しながら、上記商品収納装置20を備えた自動販売機の動作について説明する。
かかる販売制御処理において制御手段100は、金銭処理装置16から与えられた投入額(金額情報)が商品価格以上となる場合(ステップS101:Yes)、該当するラック選択ボタン13を有効なものとする(ステップS102)。
有効なものとしたラック選択ボタン13のうち最上段の商品ラック30aに関連付けられたラック選択ボタン13が押下操作された場合(ステップS103:Yes)、制御手段100は、押下操作されたラック選択ボタン13に内蔵される光源13aを所定のパターンに従って点灯させる(ステップS104)。このステップS104では、光源13aを常時点灯させるものとする。そして、制御手段100は、かかるステップS104を実施した後、販売指令が与えられたものとしてモータMを駆動させる(ステップS105)。
モード検出スイッチ4により「60°回転位置」が検出された場合(ステップS106:Yes)、制御手段100は、モータMを駆動停止にするとともに、上記ステップS104で常時点灯させた光源13aを所定のパターンに従って例えば点滅点灯させる(ステップS107,ステップS108)。
「60°回転位置」で停止させたので、支持ロッド41は「待機位置」から60°時計回りに回転し、第1切替カム部材43aの第1突片43a1がリンクスライド当接部742に当接する。これにより、リンクスライド部材74は、図27に示すように、リンクスライドバネ部材741の付勢力に抗して左方に向けて移動する。
このようにリンクスライド部材74が左方に向けて移動すると、リンクスライド部材74の傾斜当接部7432が第1リンク部材72と当接する結果、第1リンク部材72の前方部位721を第1リンクバネ部材723の付勢力に抗して下方に向けて回動させることができる。これにより、第1リンク部材72の前方部位721がガイド部材71の収容域71cから離脱する結果、ガイド部材71の収容域71cのスペースS1,S2の合計幅がメインゲート部材51の突部512bの幅よりも小さい状態(図18の(b)に示す状態)から、図18の(a)に示すようにスペースS1,S2の合計幅が該突部512bの幅よりも大きい状態になる。これにより、最上段の商品ラック30aにおける各取出機構50のメインゲート部材51は、ゲートバネ部材54に付勢されているものの上方に向けて回動することが可能になる。
ところで、最上段の商品ラック30a以外の商品ラック30b〜30dでは、それぞれの商品ラック30b〜30dに対応する高さレベルに取り付けられた切替カム部材43(第2切替カム部材43b、第3切替カム部材43c、第4切替カム部材43d)がリンクスライド当接部742に当接していない。従って、最上段以外の商品ラック30b〜30dでは、ガイド部材71の収容域71cのスペースS1,S2の合計幅がメインゲート部材51の突部512bの幅よりも小さい状態となっており、これらの商品ラック30b〜30dでは、各商品収納コラム33に収納された商品を取り出すことを防止している。
そして、利用者が商品ラック30aの例えば右から1番目の商品収納コラム33に収納された最前商品を、その上部を後方に傾倒させた姿勢で前方に引き出す取出操作を行うと、次のように動作する。
まず、前端レール部342において、左側前端縁端部3421aの略中央領域における左側長孔部3421a2の左側隆起部3421a1の形成部位が左側突起部3421a3に当接するまで弾性変形し、かつ右側前端縁端部3422aの略中央領域における右側長孔部3422a2の右側隆起部3422a1の形成部位が右側突起部3422a3に当接するまで弾性変形することで、左右の隆起部3421a1,3422a1間の幅L1が括れ部分202の最大幅よりも大きくなり、最前商品の移動が許容される。
そして、図28及び図29に示すように、取出操作により最前商品に当接されるメインゲート部材51は、ゲートバネ部材54の付勢力に抗して第1先端部512が商品収納通路33aから退避するよう上方に向けて回動する。この場合、押圧部529が最前商品のキャップ200に当接するサブゲート部材52も最前商品の姿勢の変化に追従し、メインゲート部材51と一体的に第2先端部522が商品収納通路33aに進出する態様で下方に向けて回動する。
このようにサブゲート部材52は、下方に向けて回動する場合、すなわち商品収納通路33aに進出する場合、最前商品のキャップ200に当接する押圧部529の第2押圧面529bが該最前商品を前方に向けて押圧する。
その後、サブゲート部材52の第2先端部522が取り出された最前商品と最前から2番目の商品との間に位置する。
このようにメインゲート部材51が上方に回動し、かつサブゲート部材52が回動する結果、ロック部材63がロックバネ部材636に付勢されて右方に向けて移動する。そして、ロック部材63の突出片631aがサブゲート部材52の第2係合片523の上方に位置し、これによりサブゲート部材52は、下方に向けて回動した姿勢に保持される。これにより、メインゲート部材51も上方に向けて回動した姿勢に保持される。従って、最前から2番目の商品より後方側に収納された商品を前方に向けて移動させることができず、同一の商品収納コラム33において複数の商品が前方に取り出されることを規制することができる。
また、上方に向けて回動したメインゲート部材51は、図18の(c)に示すように第1先端部512の突部512bがガイド部材71の収容域71cに進入することになる。これにより最上段の商品ラック30aにおける他の商品収納コラム33に配設された取出機構50のメインゲート部材51は、突部512bが駒部材711の存在によりガイド部材71の収容域71cに進入することが阻止され、結果的に上方に向けて回動することができない。従って、同一の商品ラック30a〜30dにおいて他の商品収納コラム33から商品が取り出されることを抑制することができる。
このような最前商品の取出操作の結果、ロック部材63がロックバネ部材636に付勢されて右方に向けて移動すると、ロック作用片633aが対応する取出検出スイッチ3の接触子3aを押圧し、これにより、オフ状態にあった取出検出スイッチ3はオン状態になってオン信号を制御手段100に与えることとなる。
取出検出スイッチ3から所定時間内にオン信号が与えられると(ステップS109:Yes,ステップS110:No)、制御手段100は、点滅点灯させていた光源13aを消灯する(ステップS111)。その後、制御手段100は、金銭処理装置16に取出指令出力を与えるとともに、解除指令をモータMに与えて駆動させる(ステップS112,ステップS113)。
かかる制御手段100より取出指令出力が与えられた金銭処理装置16では、釣銭がある場合には釣銭を硬貨返却口17に払い出すとともに、商品価格に相当する金銭を金種毎に収容する。
また、モータMを駆動させることで、支持ロッド41を所定の停止位置である「待機位置」まで時計回りに回転させる。
この支持ロッド41の回転により、第1切替カム部材43aは、第1突片43a1に連続する第2突片43a2が、スライド板62のスライド当接部625にも当接する。これによりスライド板62は、スライドバネ部材626の付勢力に抗して左方に移動することになる。このスライド板62が左方に向けて移動することで、ロック部材63もロックバネ部材636の付勢力に抗して左方に向けて移動し、サブゲート部材52の上方から離脱する。これによりサブゲート部材52の上方域は開放される。これによりゲートバネ部材54に付勢されてメインゲート部材51が下方に向けて回動するとともに、サブゲート部材52も上方に向けて回動する。そして、メインゲート部材51の第1先端部512が商品収納通路33aに進出し、サブゲート部材52の第2先端部522が商品収納通路33aから退避する。
その後、支持ロッド41の回転により第1切替カム部材43aの第2突片43a2と、スライド当接部625及びリンクスライド当接部742との当接が解除されると、スライド板62及びリンクスライド部材74は、スライドバネ部材626及びリンクスライドバネ部材741に付勢されてそれぞれ右方に向けて移動して元の状態に戻る。そうすると、第1リンク部材72は、リンクスライド部材74の水平当接部7431と当接することとなり、第1リンクバネ部材723に付勢されて前方部位721が上方に回動して、ガイド部材71の収容域71cに進入する。これにより、ガイド部材71の収容域71cのスペースS1,S2の合計幅がメインゲート部材51の突部512bの幅よりも小さくなり、メインゲート部材51の突部512bの進入を規制する。つまり、各メインゲート部材51は、上方に向けて回動することができない。
そして、モード検出スイッチ4により所定位置、すなわち「待機位置」が検出された場合(ステップS114:Yes)、制御手段100は、モータMを駆動停止にさせ(ステップS115)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。これによれば、利用者が選択した1つの商品を販売することができる。
一方、上記ステップS109及びステップS110において、所定時間内に取出検出スイッチ3からオン信号が与えられない場合(ステップS109:No,ステップS110:Yes)、制御手段100は、点滅点灯させていた光源13aを消灯する(ステップS116)。その後、制御手段100は、金銭処理装置16に未取出指令出力を与える(ステップS117)。かかる制御手段100より未取出指令出力が与えられた金銭処理装置16は、投入硬貨を硬貨返却口17に払い出す。
そして、未取出指令出力を与えた制御手段100は、解除指令を与えてモータMを駆動させ(ステップS118)、その後に上述したステップS114及びステップS115の処理を行ってから手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
次に、上記自動販売機において商品を補充する場合について説明する。図30は、図2に示した制御手段100が実施する補充制御処理の主な処理内容について示すフローチャートである。かかる補充制御処理を説明しながら、上記商品収納装置20を備えた自動販売機において商品を補充する場合について説明する。
かかる補充制御処理において制御手段100は、管理者によりモード選択ボタン14が押下操作された場合(ステップS131:Yes)、補充指令が与えられたものとしてモータMを駆動させる(ステップS132)。
モード検出スイッチ4により所定の位置として「300°回転位置」が検出された場合(ステップS133:Yes)、制御手段100は、モータMを駆動停止にする(ステップS134)。
ここで「300°回転位置」では、図25を用いて説明したように、すべての切替カム部材43の第3突片43a3,43b3,43c3,43d3が各商品ラック30a〜30dにおけるスライド板62のスライド当接部625及びリンクスライド部材74のリンクスライド当接部742に当接してこれらを左方に移動させた状態に保持している。
このようにリンクスライド部材74を基準位置から左方に移動させることで、リンクスライド部材74の傾斜当接部7432が第1リンク部材72と当接する結果、第1リンク部材72の前方部位721を第1リンクバネ部材723の付勢力に抗して下方に向けて回動させることができる。これにより、第1リンク部材72の前方部位721がガイド部材71の収容域71cから離脱する。そして、スライド板62を基準位置から左方に移動させることで、スライド作用片624aも左方に移動することとなり、これにより第2リンク部材73は、リンク軸部733の中心軸回りに回動し、第2リンク端部732でガイド部材71を前方に向けて押圧する。この結果、ガイド部材71は、図31に示すように、ガイドバネ部材71bの付勢力に抗して基準位置から前方に向けて移動し、ガイド部材71の収容域71cがメインゲート部材51の突部512bの回動軌跡から離脱する位置に位置することとなる。このようにガイド部材71の収容域71cをメインゲート部材51の突部512bの回動軌跡から離脱させることで、取出機構50のすべてのメインゲート部材51は、上方に向けて回動することが可能になる。つまり、すべての商品収納通路33a(商品収納コラム33)に対して同時に商品を補充することが可能になる。
そして、図32に示すように、前方側より商品収納通路33aに補充商品を進入させる。このように補充商品を商品収納通路33aに進入させると、この補充商品のキャップ200がメインゲート部材51の第1先端部512における摺動部512aに当接して摺動することとなる。この場合において、メインゲート部材51は、自身の摺動部512aが湾曲面を構成していることから、かかる補充商品に押圧されることで上方に向けて回動する。これによりサブゲート部材52は、メインゲート部材51の回動に応じて下方に回動する。
よって、進入された商品は、サブゲート部材52の押圧部529に当接することとなるが、かかるサブゲート部材52は、ロック部材63によりその回動が規制されているわけではないので、コイルバネ部材55の付勢力に抗して上方に向けて回動し第2先端部522が商品収納通路33aから退避する。よって、商品収納コラム33の前方域から所定本数の商品を進入させて補充を行うことができる。
この場合においても、前端レール部342においては、左側前端縁端部3421aの略中央領域における左側長孔部3421a2の左側隆起部3421a1の形成部位が左側突起部3421a3に当接するまで弾性変形し、かつ右側前端縁端部3422aの略中央領域における右側長孔部3422a2の右側隆起部3422a1の形成部位が右側突起部3422a3に当接するまで弾性変形することで、左右の隆起部3421a1,3422a1間の幅L1が括れ部分202の最大幅よりも大きくなり、商品の補充移動が許容される。
このようにして管理者により所定本数の商品の補充が行われた後に、管理者により解除ボタン15が押下操作された場合(ステップS135:Yes)、制御手段100は、解除指令をモータMに与えて駆動させる(ステップS136)。
そして、モード検出スイッチ4により所定位置、すなわち「待機位置」が検出された場合(ステップS137:Yes)、制御手段100は、モータMを駆動停止にさせ(ステップS138)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
上記商品収納装置20においては、商品収納コラム33毎において商品収納通路33aに対して進退移動する態様で回動可能に設けられたメインゲート部材51が、常態においては商品収納通路33aに進出して最前商品(最下流商品)の前方側(下流側)に位置する一方、商品収納通路33aから退避する場合には最前商品が取り出されることを許容している。そして、商品収納コラム33の並設方向に沿って延在するガイド部材71と、ガイド部材71の収容域71cに該ガイド部材71の延在方向に沿ってスライド移動可能に収容された複数の駒部材711とを有して成る規制機構70が、常態においては、収容域71cに第1リンク部材72の前方部位721を進入させることにより該収容域71cにおけるスペースの合計幅をメインゲート部材51の突部512bの幅よりも小さくしてすべてのメインゲート部材51が商品収納通路33aから退避することを規制する一方、該商品ラック30a〜30dのうちいずれかにおいて商品の取り出しが許容される場合には、収容域71cから第1リンク部材72の前方部位721を離脱させることにより該収容域71cのスペースの合計幅を突部512bの幅よりも大きくしていずれか1つのメインゲート部材51が商品収納通路33aから退避することを許容し、かつ他のメインゲート部材51が商品収納通路33aから退避することを規制している。これにより、従来の商品収納装置のようにバケット駆動手段を用いなくても、商品ラック30a〜30dのいずれかの販売が許容された場合には、利用者が一度の取出操作で複数の商品を取り出すことを抑制することができる。従って、コストの低減化を図りながら、商品ラック30a〜30dのいずれかから複数の商品が一度の取出操作で取り出されることを防止することができる。
また、規制機構70が、商品ラック30a〜30dのいずれかにおける商品の補充が許容される場合には、ガイド部材71をメインゲート部材51における突部512bの回動軌跡から離脱する位置に移動させてすべてのメインゲート部材51が商品収納通路33aから退避することを許容するので、すべての商品収納通路33a(商品収納コラム33)に対して同時に商品を補充することが可能になり、また、各商品収納コラム33毎に設けた取出検出スイッチ3の信号検知により、商品収納コラム33毎の売上げ計数を管理することができるため、商品の補充効率の向上を図ることができる。
そして、本発明の実施の形態である商品収納装置20によれば、サブゲート部材52が商品収納通路33aに進出する場合に、上部が上流側に傾倒した姿勢となって取り出される最前商品に押圧部529が当接して該最前商品を前方側に向けて押圧するので、該最前商品の取り出しをアシストし、最も下流側にある商品を上部が上流側に傾倒した姿勢で良好に取り出させることができる。
上記商品収納装置20によれば、サブゲート部材52の押圧部529が、該サブゲート部材52が商品収納通路33aから退避する場合に、最前商品に当接するので、該最前商品を所望の姿勢に保持することができる。
また、上記商品収納装置20においては、商品収納通路33aの前端部(下流側端部)を画成する前端レール部342(左側前端レール部342L及び右側前端レール部342R)が、前方に向かうに連れて漸次下方に向けて傾斜している。これにより、商品補充を行う際に補充作業者である管理者は、前端レール部342により形成される商品収納通路33aに沿って商品を進入させることで、メインゲート部材51の第1先端部512の摺動部512aに商品を当接させて該メインゲート部材51を回動させることができ、前端レール部342が商品補充の際の案内部材としての役割を果たすことができる。
更に、上記商品収納装置20においては、左側前端レール部342Lにおける左側隆起部3421a1、左側長孔部3421a2及び左側突起部3421a3と、右側前端レール部342Rにおける右側隆起部3422a1、右側長孔部3422a2及び右側突起部3422a3が、常態においては商品の括れ部分(202)よりも幅狭となって最前商品が前方に向けて通過することを規制する一方、最前商品が取出操作される場合には、該最前商品に押圧されることで括れ部分(202)よりも幅広となるよう弾性変形して該最前商品の通過を許容する規制部を構成している。そして、このように常態において最前商品が前方に向けて通過することを規制するので、既述のようにレール部材34が前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で取り付けることにより、商品収納通路33aに収納された商品は、自身の自重により前方に向けて移動可能な状態で収納されているが、最前商品が隆起部3421a1,3422a1間で移動が規制されることにより、収納された商品の荷重がメインゲート部材51に作用する虞れがない。これによりメインゲート部材51の強度を必要以上に高くする必要がない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のように種々の変更を行うことができる。
図33は、本発明の実施の形態である前端レール部の変形例を示すもので、(a)は左側前端レール部の斜視図であり、(b)は右側前端レール部の斜視図である。
左側前端レール部352Lは、樹脂材により形成したものであり、前端左基部3521と左側前端縁端部3521aとが一体に形成され、正面から見た場合にL字状を成している。前端左基部3521は、上下方向に沿って延在する平板状部位である。この前端左基部3521の後端部には、上方に向けて屈曲しつつ前方に向けて屈曲し、その後前方に向かうに連れて漸次上方に傾斜する左側レールバネ部材3521bが設けてある。左側前端縁端部3521aは、前端左基部3521の下端部を右方に向けて屈曲することで形成したものである。
このような左側前端レール部352Lは、レール基体351の前端部に進入して該レール基体351に装着されるものである。より詳細に説明すると、図34に示すように、前端左基部3521の左面より左方に突出するよう設けられた前後一対の係合突部(図示せず)のうち後方側の係合突部がレール基体351の左下延部3512に形成された左基準孔(図示せず)に挿通し、かつ前方側の係合突起が上記左基準孔を中心に形成された円弧状の左側円弧状長孔3512bに挿通し、更に左側レールバネ部材3521bの延在端部がレール基体351の基部3511の下面に当接している。
右側前端レール部352Rは、左側前端レール部352Lと左右一対となるもので、樹脂材により形成したものである。この右側前端レール部352Rは、前端右基部3522と右側前端縁端部3522aとが一体に形成され、正面から見た場合に逆L字状を成している。前端右基部3522は、上下方向に沿って延在する平板状部位である。この前端右基部3522の後端部には、上方に向けて屈曲しつつ前方に向けて屈曲し、その後前方に向かうに連れて漸次上方に傾斜する右側レールバネ部材3522bが設けてある。右側前端縁端部3522aは、前端右基部3522の下端部を左方に向けて屈曲することで形成したものである。
このような右側前端レール部352Rは、レール基体351の前端部に進入して該レール基体351に装着されるものである。より詳細に説明すると、図34に示すように、前端右基部3522の右面より右方に突出するよう設けられた前後一対の係合突部3522c,3522dのうち後方側の係合突部3522cがレール基体351の右下延部3513に形成された右基準孔3513aに挿通し、かつ前方側の係合突部3522dが上記右基準孔3513aを中心に形成された円弧状の右側円弧状長孔3513bに挿通し、更に右側レールバネ部材3522bの延在端部がレール基体351の基部3511の下面に当接している。
このようにしてレール基体351の前端部に装着された左側前端レール部352L及び右側前端レール部352Rは、互いの間隙で商品収納通路33aの前端部(下流側端部)を画成しており、前方に向かうに連れて漸次下方に向けて傾斜している。
このような構成を有する左側前端レール部352L及び右側前端レール部352Rは、左側レールバネ部材3521b及び右側レールバネ部材3522bの弾性復元力により、それぞれ個別に上下に弾性変位することができる。これにより、最下流商品(最下流商品)の取出姿勢に応じて追従することができ、最下流商品を好みの姿勢で取り出させることができる。
図35は、本発明の実施の形態である商品収納装置の変形例の主要な構成を示す斜視図である。ここで例示する商品収納装置は、商品収納コラムを画成するレール部材36のレール基体361には、シャッタ機構80が設けてある。シャッタ機構80は、シャッタ部材81と取付台82とを備えて構成してある。
シャッタ部材81は、図36に示すように、樹脂材により形成されており、シャッタ軸部811の一端部に当接部812が設けられ、かつシャッタ軸部811の他端部にシャッタ本体部813が設けてある。図36中の符号814は、シャッタ係止片である。
取付台82は、図37に示すように、樹脂材により形成されており、シャッタ部材81を貫通させるためのシャッタ開口821が設けてある。
このようなシャッタ機構80は、取付台82をレール基体361の所定部位に取り付け、シャッタ部材81を、シャッタ本体部813が取付台82のシャッタ開口821を貫通し、かつシャッタ軸部811が取付台82の取付溝822に進入した状態で配設することで構成してある。
そして、図35に示すように、シャッタ係止片814と取付台82の取付係止片823との間に付勢手段であるシャッタバネ83を介在させることにより、シャッタ部材81は、シャッタバネ83に付勢されてシャッタ本体部813が商品収納通路33aに進出している。この場合、シャッタ本体部813は、サブゲート部材52の後方域であって商品収納通路33aにおける最前商品と、最前商品の後方に隣接する第2商品との間に進出しており、当接部812は、メインゲート部材51の第1係合片513の下方域に位置している。
このようなシャッタ部材81は、常態においては、シャッタバネ83に付勢されることで商品収納通路33aに進出して第2商品が下流側に移動することを規制している。これにより、第2商品以降の商品の荷重が最前商品に作用することを防止することができる。
そして、最前商品の取出操作によりメインゲート部材51が上方に回動して商品収納通路33aから退避する場合、図38に示すように該メインゲート部材51の第1係合片513に当接部812が当接されることで、シャッタ部材81は、シャッタバネ83の付勢力に抗してシャッタ軸部811の中心軸回りに回動し、レール基体361に形成された切欠開口361bを介して商品収納通路33aから退避する。これにより、第2商品が前方側(下流側)に移動することができる。
このようにシャッタ部材81は、商品収納通路33aに対して進退移動する態様で回動可能に設けられ、常態においてはシャッタバネ83に付勢されることで商品収納通路33aに進出して第2商品が下流側に移動することを規制する一方、メインゲート部材51が商品収納通路33aから退避する場合には、当接部812が該メインゲート部材51に当接されることでシャッタバネ83の付勢力に抗して商品収納通路33aから退避して第2商品が下流側に移動することを許容するものである。
このような構成を有する商品収納装置によれば、シャッタ部材81が第2商品が下流側に移動することを規制するので、最下流商品に第2商品以降の荷重が作用することを防止できる。
以上、本発明の好適な実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限られるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、サブゲート部材52の押圧部529は、商品収納通路33aに進出する場合に、最下流商品である最下流商品に当接していたが、本発明においては、押圧部は、商品収納通路に進出する場合、最下流商品に当接しなくてもよい。
上述した実施の形態では、入力処理ユニット10に金銭処理装置16を備えて硬貨が投入されて販売処理を行う自動販売機について述べたが、本発明に係る商品収納装置が適用される自動販売機においては、図39に示すように、入力処理ユニットを設けずに本体キャビネット1にリーダライタ部19を備えて、かかるリーダライタ部19に所定のカードが翳されることにより商品の販売処理を行うものであっても良い。かかる自動販売機の場合には、ラック選択ボタン13は、例えば本体キャビネット1において、各段の商品ラック30a〜30dの上方側前方部位の所定位置に設けるようにし、モード選択ボタン14を最下段の商品ラック30dの下方側前方部位の所定位置に設けるようにしても良い。このような構成によれば、入力処理ユニットが不要となり、自動販売機の省スペース化を図ることが可能になる。