JP5822347B2 - 一次電池用ファイバー状電極およびそれを用いた一次電池 - Google Patents
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導電性のファイバー状素材からなる集電体3,5としては、例えば、カーボンファイバーが最も好ましく、他にニッケル線、銅線、アルミニウム線、鋼線、金属被覆したポリオレフィンを使用することができる。あるいは、集電体3,5として、木綿糸、絹糸又はポリエステル樹脂製糸のような耐酸化性又は耐アルカリ性が良好でない繊維状材料を、耐電解液性及び耐酸化性に優れたポリオレフィン系樹脂で被覆し、さらに金属で被覆した材料も使用可能である。さらには、金属被覆した繊維を電解法又は加熱処理により酸化させて、内側の炭素又はポリオレフィンを酸化分解することにより得られる細い中空糸状で多孔質の金属繊維を使用してもよい。
正極活物質層4を形成する活物質としては、例えば二酸化マンガン(MnO2)を使用することによって、マンガン一次電池またはアルカリマンガン電池用のファイバー状正極1を得ることができる。他の例として、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を得て、これを酸化処理することによって一次電池用オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)ファイバー状正極1を得ることができる。マンガン塩およびニッケル塩の混合水溶液中で陰分極することによって、MnO2とNi(OH)2を共析する方法も採用可能である。さらに、MnO2またはNi(OH)2のいずれか一方を電解析出しておき、他方をその上からコーティングする方法も可能である。その際、例えば、Ni(OH)2を電解析出した後でこれを次亜塩素酸ナトリウム水溶液で酸化処理し、NiOOHを形成したものをマンガン塩に浸漬し、次いで苛性アルカリ水溶液に浸漬することによって、MnO2層を形成することもできる。こうして得たMnO2−NiOOH(および/またはNi(OH)2)の複合化材料も一次電池用ファイバー状正極1の活物質として使用可能である。その他に、活物質の特性向上を目的に添加剤が利用されるが、本願でも正極活物質への添加物として、炭素、コバルト、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、イットリウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、リチウムからなる水酸化物または酸化物のいずれか一種類以上を含有していてもよい。
また、いずれの場合においても、ファイバー状集電体3,5表面に活物質層4,6を形成する前に、ファイバー状集電体3,5の束を開繊する工程を設けることが必要である。ファイバー束を開繊して薄いシート状に加工することによって、ファイバー状集電体一本一本の間に隙間を設けることができ、ファイバーの一本一本に薄く均一な活物質被膜層の形成が容易になる。ファイバー束を開繊する方法としては、ファイバー束に空気を吹き付けるエアフロー方式又は真空ポンプを利用してファイバー束周辺の空気を吸引する方式を一例として挙げることができる。
一次電池用集電体3,5として最適なカーボンファイバー状素材を用いる場合には、集電体3,5をメッキして表面を金属被覆することによって集電体である集電体3,5の導電性が向上し、大電流放電のような電池特性が向上し得る。ファイバー状集電体表面に導電性を付与するか、又はファイバー状集電体表面の導電性を向上させるため、必要に応じて開繊したファイバー状集電体をメッキして、金属被膜を形成させてもよい。メッキする金属は、電池の動作電圧の範囲において化学的に安定な金属でなければならない。このような観点から、リチウム電池の正極集電体3としては、ファイバー状素材をアルミニウムメッキすることが好ましく、負極集電体5としては、ファイバー状素材を銅メッキまたはニッケルメッキすることが好ましい。
正極活物質又は負極活物質の微粉末を、バインダ、増粘剤又は導電助剤と共に水のような溶媒に混合してスラリーを作製し、これを平らなガラス基板上又は片面離型したポリエチレンシート上でファイバーに塗布した後、ドクターブレードのようなスリット又はダイスのような細孔を通して均一な厚さの塗膜を成形する。次いで、ガラス基板の加熱又はスラリーを塗布したファイバーに温風を当てることにより、短時間でスラリーを乾燥させ、ファイバー上に薄い正極活物質被膜層又は負極活物質被膜層を形成することが可能である。このままの状態でも、ファイバー状電極として機能し得るが、さらにプレス成型することによって集電体であるファイバーと活物質との密着性を向上させることができる。この方法は、均一で薄い活物質膜を繊維一本一本に形成するという点では、電解析出法の次の候補として挙げられる。
正極集電体3の表面に正極活物質層4を形成する工程(A)及び負極集電体5の表面に負極活物質層6を形成する工程(B)の後に、ファイバー状正極1及び/又はファイバー状負極2の表面にセパレータ被膜を形成する工程(C1)を行うことが好ましい。この工程(C1)では、ファイバーが束状で製造された場合に、その束を開繊することによって得たシート状に加工されたファイバー状正極1及び/又はファイバー状負極2の表面に、従来の板状電極に用いている薄いシート状セパレータ、すなわちアルカリ系一次電池の場合には、ポリアミド製不織布又は親水処理したポリオレフィン系不織布、リチウム電池の場合には、ポリプロピレン又はポリエチレン製の微多孔膜を形成させる。一方、ファイバー状正極1及びファイバー状負極2の間にセパレータを挟む構造とすることによって、電池を構成することも可能である。
本発明の一次電池Cで使用する電解質は、一次電池用として一般に使用し得る電解質であれば特に限定されない。電気絶縁性でイオン伝導性を兼ね備えた固体電解質をファイバー状電極上に析出させ、固体電解質膜を形成することにより、電解液漏れがなく、一次電池の安全性を向上させることができる。
前述の金属アルコキシドを塗布して加水分解する方法、ゾル−ゲル法がファイバー状電極表面にセパレータ層を作製する方法にも適用可能である。例えば、ZrO2のような親水性を向上させることができる酸化物をゾル−ゲル法やアルコキシドを塗布する方法によってファイバー上に形成することによって、セパレータ層とすることができる。酸化物だけでは、脆くて曲げに弱い場合には、さらに親水性のポリマー被膜を形成することが好ましい。
ファイバー状正極1、セパレータ及びファイバー状負極2を、端部が水平方向にずれた状態で交互に積層することにより、ファイバー状電極群を形成し得る。ファイバー状正極1及び/又はファイバー状負極2にセパレータ被膜を形成している場合、一方のファイバー状電極と対極となるファイバー状電極を交互に積層し、そのまま圧縮すれば、ファイバー状正極−セパレータ−ファイバー状負極からなる電極群を得ることができる。このとき、ファイバー状正極1とファイバー状負極2の端部は、それぞれ1〜5mm程度ずらして積層することによって、端子形成が容易になる。
図3に示すファイバー状電極製造設備を用いて、二酸化マンガンを活物質とするファイバー状正極を作製した。図3において、PAN系の炭素繊維(以下、カーボンファイバーと称する。)の10000本の束12を巻付けローラ11にロール状に巻き付ける。巻付けローラ11から巻き戻されたカーボンファイバー12の束は上下一対のガイドローラ13a、13bを経て、コンプレッサー(図示せず)によって圧縮された加圧空気14を吹き付けられて、初めの1cm幅から5cm幅に開繊する。加圧空気14は、一組の散気板15a,15bによってカーボンファイバーの束の幅方向に分散させる。散気板15a,15bには、それぞれ、加圧空気14が炭素繊維の束の幅方向にほぼ均一に吹き付けられるように複数本の櫛目状の間隙を設けている。
実施例1と同様の装置を用い、図3の電解槽17中の水溶液を0.5mol/Lの硝酸ニッケル水溶液に変更し、浴温を25℃、対極を厚さ2mmのニッケル板とした。電流密度を50mA/cm2として、回転ローラ27を10cm/min.の速度で回転しながら、10分間電解析出を行った。電解析出後のカーボンファイバー12を走査電子顕微鏡で観察したところ、活物質層として3〜5μm程度の厚さの水酸化ニッケル被膜層がカーボンファイバー12上に形成していることを認めた。
図4は、ファイバー状電極製造設備の他の実施例を示す概略構成図である。図4に示すファイバー状電極製造設備を用いて、一次電池用ファイバー状オキシ水酸化ニッケル正極を作製した。図3において、PAN系のカーボンファイバー32の10000本の束が巻付けローラ31にロール状に巻き付けられている。巻付けローラ31から巻き戻されたPAN系カーボンファイバー32の束は上下一対のガイドローラ33a、33bを経て、コンプレッサー(図示せず)によって圧縮された加圧空気34を吹き付けられて、元の1cmの幅から5cmの幅に開繊される。加圧空気34は、一組の散気板35a,35bによって炭素繊維の束の幅方向に分散される。この散気板35a、35bは、散気板15a、15bと同じ働きをする。
実施例1と同様の装置を用い、図3の電解槽17を亜鉛メッキ浴にした。電解槽(メッキ槽)17の浴組成は、硫酸亜鉛が200g/L、金属亜鉛が30g/L、硫酸アンモニウムが30g/L、浴温が40℃、pHが4である(金属亜鉛は浴中に懸濁している)。対極としては厚さ2mmの亜鉛板を用いた。電流密度を10mA/cm2として、回転ローラ27を10cm/min.の速度で回転しながら、10分間電解析出を行った。電解析出後のカーボンファイバーを走査電子顕微鏡で観察したところ、活物質層として3〜5μm程度の厚さの亜鉛被膜層がカーボンファイバー12上に形成されていることが認められた。その後、カーボンファイバーシートに亜鉛メッキしたものを水洗し、乾燥させることによって、ファイバー状亜鉛負極を得た。
図4のメッキ槽37を銅メッキ浴にすることで、電解析出槽47を亜鉛メッキ浴に変更した。さらに第3槽となるアルカリ水洗槽を取り外した以外は、実施例3と同様の装置を用いて、ファイバー状亜鉛負極を得た。メッキ槽37の浴組成は、硫酸銅五水和物が300g/Lで、金属銅が30g/Lで、硫酸が60g/Lで、浴温が30℃とした。メッキ槽37の底部には厚さ2mmの銅板38を載置して、対極とした。また、浴中には撹拌子を設置し、撹拌しながら銅メッキ処理を行った。
ファイバー状電極製造方法の実施例3で得たファイバー状正極にセパレータの被膜を形成するために、図5に示す装置を用いた。この実施例では、それぞれ実施例4で得られたファイバー状正極またはファイバー状負極を用いた。図5の装置において、ローラ118を経て供給される厚さ約50μmの活物質被膜層が形成されたシート状カーボンファイバー101に対して、スプレー102から霧状の水蒸気を噴霧して洗浄し、空気103を吹き付けて乾燥し、滴下装置104からイオン透過性ポリマーである、濃度10重量%のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体のトルエン溶解液のスラリーを滴下する。このSEBSには20重量%のZrO2を添加してある。SEBSは疎水性であるが、ZrO2を添加することで親水性を付与でき、アルカリ電解液系一次電池のセパレータとして使用できる。このSEBSのスラリーはスクレーパ105の入口付近に液溜まり119を形成して、スクレーパ通過後のシート状カーボンファイバー101に均一なスラリーの膜が形成されるようにした。
図9は、正極、負極少なくともいずれか一方にセパレータ被膜を形成してなるファイバー状正極1とファイバー状負極2とを一体化して圧縮成形しつつ切断するための加圧切断装置の概略構成図である。図9において、左側のダイス141と右側のダイス142には上下方向に一定間隔で間隙を設けており、左側のダイス141に設けられた間隙と右側のダイス142に設けた間隙は上下で段違いとなるように形成している。この実施例では、左側のダイス141に設けた間隙には上記(5)の実施例で得られたファイバー状負極2を挿入し、右側のダイス142に設けられた間隙には上記(6)の実施例で得られたファイバー状正極1とセパレータの積層体144を挿入している。この場合、左側のダイス141と右側のダイス142の内壁間の距離Lに比べてファイバー状電極の挿入長さが短くなるように、ファイバー状電極端部と左側のダイス141または右側のダイス142の内壁との間には間隙Sが形成される。このように、正極1と負極2の端部が上下方向に重ならないようにすることで、後工程における端子形成が容易になる。
図11(a)〜(d)は上記(7)に記載した方法で製造されたファイバー状電極積層体のファイバー状正極1とファイバー状負極2の配置を具体的に示す模式図である。シート状ファイバー状正極1とシート状ファイバー状負極2とを上下方向に交互に配置して圧縮することにより、図11(a),(b)に示すように、外周にセパレータ被膜が形成された各ファイバー状正極1はその外側4箇所においてファイバー状負極2に接触し、外周にセパレータ被膜が形成された各ファイバー状負極2はその外側4箇所においてファイバー状正極1に接触し、ファイバー状正極1同士は接触せず、ファイバー状負極2同士は接触しないような配置であり、電極間距離を最短にすることができる配置である。図11(b)は図11(a)を45度右方向または左方向に回転させた状態を示すものであり、両者は等価である。
図12に示すように、実施例1のファイバー状二酸化マンガン正極と実施例5のファイバー状亜鉛負極を用いて図10(c)のように作製したファイバー状電極積層体161の両側面にポリプロピレン製のスペーサ162を介してステンレス製の角型断面の電槽163(負極端子)を配置し、角型断面の電槽163の他方の端面にもポリプロピレン製のスペーサ164、164を取り付け、6モル/LのKOH水溶液6gをファイバー状電極積層体161に注入し、ステンレス製の蓋165(正極端子)で密閉し、図1に示す一次電池Cを製造した。このファイバー一次電池Cに用いたファイバー状正極1中の活物質量からの計算容量は5Ahである。500mAの電流で放電を行ったところ、1.5Vの平坦な放電電圧を示し、放電容量4.7Ahを得た。次いで、同じ構成の別の電池を用いて、5Aで放電を行ったところ、500mAの電流値で放電した場合と同程度の放電容量や電圧を保持していた。さらに、同じ構成の別の電池を用いて50Aの電流で放電を行ったところ、放電電圧1.38Vで4Ahの放電が可能であった。
図13(a)に示すように、上記(9)の製造例1で得た角型断面のファイバー電池Cを10個並列に接続したうえで、5個ずつ2段に積層し、この積層体171をポリプロピレン製のセル172内に収納し、正極端子側と負極端子側を、それぞれニッケルメッキ鋼板173、174で蓋をすることで、図13(b)に示す50Ah電池175を構成した。5Aの電流で放電を行ったところ、1.5V/セルの平坦な放電電圧を示し、放電容量47Ahを得た。次いで、50Aで放電を行ったところ、5Aの電流値で放電した場合と同程度の放電容量や1.45V/セルの平坦な電圧を保持していた。さらに、同じ構成の別の電池を用いて500Aの電流で放電を行ったところ、放電電圧1.38Vで4Ahの放電が可能であった。
正極を実施例4のファイバーオキシ水酸化ニッケル正極に替えた以外は、(9)の製造例1と同様の方法を用い、このファイバー電池に用いたファイバー状正極中の活物質量からの計算容量は4.5Ahとした。450mAの電流で放電を行ったところ、放電初期は1.7Vであったが、徐々に低下し、1.5Vの平坦な放電電圧を示し、放電容量4.2Ahを得た。次いで、同じ構成の別の電池を用いて4.5Aで放電を行ったところ、450mAの電流値で放電した場合と同程度の放電容量と1.45Vの電圧を保持していた。さらに、同じ構成の別の電池を用いて50Aの電流で放電を行ったところ、放電電圧1.41Vで3.78Ahの放電が可能であった。
また、図3の装置において、電解槽17をメッキ槽として用い、実施例5の銅めっき浴の浴組成をメッキ槽17に満たして、開繊したカーボンファイバー12に銅メッキを施し、次いで、図5の装置を用いて、滴下装置104から滴下するスラリーとして亜鉛粉末:CMC:水= 100:0.2:20の割合で混合したスラリーを用い、図14に示すように、炭素繊維からなる負極集電体5に亜鉛の負極活物質被膜層6を形成し、シート状のファイバー状負極2を得た。負極集電体5と負極活物質層6との間には、銅のメッキ層182が設けられている。図15は図14のXV−XV線に沿った断面図である。
上記(6)の実施例で得たファイバー状正極とセパレータの積層体に亜鉛金属の被膜を形成した。前記(5)の実施例のように、電解メッキ法によって亜鉛被膜を形成したファイバー状負極を(6)の実施例で得たファイバー状正極とセパレータの積層体に積み重ねることも可能であるが、亜鉛粉末をセパレータ層の上から塗布しても良い。そこで、上記(6)に記載の実施例において、シート状カーボンファイバー101としてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体の被膜が形成された活物質被膜層を有するカーボンファイバーを用い、滴下装置104から滴下するスラリーとして、亜鉛粉末:CMC:水= 100:0.2:20の割合で混合したスラリーを用い、上記(12)に記載の実施例と同じ方法で、ファイバー状正極とセパレータの積層体の上に、さらに亜鉛被膜層を形成し、ファイバー状正極とセパレータと負極層の積層体を製造した。
ファイバー状正極として、実施例1のようなファイバー状二酸化マンガン電極を用い、セパレータにポリプロピレンエマルジョンを用いた被膜を形成し、リチウム粉末:PVdF:NMP=100:0.2:20の重量比で混合したスラリーを用いた以外は前記(12)と同様の方法で、ファイバー状正極−セパレータ−負極層の積層体を得た。電解液としてプロピレンカーボネートと1,2ジメトキシエタンの混合溶媒に過塩素酸リチウムを溶解したものを6g注入し、密閉化することによってファイバー二酸化マンガン−リチウム一次電池を得た。ファイバー状の正極−セパレータ積層体を用いることで、セパレータ表面積を従来と比べて大幅に増大させることができた。また、セパレータ自体も薄いので、リチウムの電極間移動距離も大幅に減少させることが可能であり、内部抵抗を減少させて、高出力放電させることが可能である。これの電池容量は1.5Ahであった。
2 負極(電極)
3 正極集電体
4 正極活物質層
5 負極集電体
6 負極活物質層
12,32 カーボンファイバー(ファイバー状素材)
101 シート状カーボンファイバー
161 ファイバー状電極積層体
163 負極端子
165 正極端子
C 一次電池
Claims (15)
- 一次電池に用いられる電極であって、
導電性のファイバー状素材からなる集電体と、
開繊した前記ファイバー状素材の束に電解析出または電解メッキを施すことによって前記集電体表面上に被膜層として形成された活物質層と、
を備える一次電池用ファイバー状電極。 - 請求項1において、当該電極がファイバー状正極であり、前記活物質層が、正極活物質であって、NiOOH、MnO2、Ag2O、AgO、TiO2で表される化合物からなる群から選ばれた一種類以上の物質からなる一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項2において、前記正極活物質が、β型NiOOH、γ型NiOOHまたはこれらの混合相からなる一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項3において、前記正極活物質が、γ型NiOOHを含み、このγ型NiOOHにおけるニッケル元素の一部が、アルミニウムおよびマンガンからなる群から選ばれた一種類以上の元素によって置換されている一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項1から4のいずれか一項において、当該電極がファイバー状負極であり、前記活物質層が、負極活物質であって、亜鉛、リチウム、マグネシウム、およびこれらのうちの少なくとも1種類を含む合金からなる群から選ばれた一種類以上の物質からなる一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項1から5のいずれか一項において、前記集電体と前記活物質層との間に、金属メッキ被膜が設けられている一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項1から6のいずれか一項において、前記電解析出または電解メッキによる被膜層の形成が、前記ファイバー状素材からなる集電体を作用極として金属塩水溶液中で電解析出する工程、苛性アルカリ水溶液に浸漬処理する工程、および活物質層を酸化処理する工程の少なくともいずれか一つを含む一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項7において、前記金属塩水溶液中で陰分極によって得られた前記正極の活物質層に、導電剤として金属粉または炭素が添加されている一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項7または8において、前記金属塩水溶液中で陰分極によって得られた前記正極の活物質層に、バインダが添加されている一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項7から9のいずれか一項において、前記金属塩水溶液として、ニッケル、クロム、マンガン、コバルト、鉄、リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、チタン、銅、銀、金、錫、鉛、ロジウム、白金またはパラジウムの塩の少なくとも一種類以上の金属塩を含む水溶液を用いる一次電池用ファイバー状電極。
- 請求項1から10のいずれか一項に記載の一次電池用ファイバー状電極を、正極および負極の少なくとも一方として備える一次電池。
- 請求項11において、前記ファイバー状正極および前記ファイバー状負極の少なくともいずれか一方の表面にセパレータとなる被膜が形成されている一次電池。
- 請求項11において、前記ファイバー状電極の表面に固体電解質膜が形成されている一次電池。
- 請求項11から13のいずれか一項において、複数の前記ファイバー状正極を圧縮成形した正極群および複数の前記ファイバー状負極を圧縮成形した負極群を備えており、前記正極群の端部に正極端子が設けられ、かつ前記負極群の端部に負極端子が設けられている一次電池。
- 請求項11から14のいずれか一項において、複数の前記ファイバー状正極を接着剤で固定することにより形成された正極群および複数の前記ファイバー状負極を接着剤で固定することにより形成された負極群を備える一次電池。
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