JP5816467B2 - ヒンジ装置 - Google Patents
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Description
図10に示すように、映像を視聴しないときには、ディスプレイ装置は天井に収納されて閉じており、視聴するときには、水平方向に延びるように設けられた回動軸を中心にディスプレイ装置を回動させて開き、見やすい角度になるまで回動軸を中心に回動させることができる。
まず、ディスプレイ装置が閉じた状態から30°程度まで回動するまでは、ディスプレイ装置を天井面に固定している固定手段を解除すれば、自重により回動する程度の極めて弱いトルクであればよい。30°程度までディスプレイ装置が開けば、あとはユーザが手で調整できるためである。
次に、ディスプレイ装置が90°程度まで回動するまでは、手で容易に回動可能となるような弱いトルクが必要である。90°未満ではディスプレイは見にくいので、90°程度まではユーザが一気に回動させて90°までの間で細かい角度の調整をすることはあまり想定できないためである。
図11に示すように、特許文献1に記載されたヒンジ装置によれば、ベース部材2に対して軸部材4が回動可能に取り付けられており、軸部材4にはアーム部5Aを有する制動部材5が軸部材4と一体に回動するように取り付けられている。また、制動部材5は、皿バネ6によってベース部材2に圧接されている。
皿バネ6は、平ワッシャ7及びナット8によって軸部材4に固定される。
また、ベース部材2の円弧状の溝11と同心円弧上には、突起9が入り込むことができる窪み10も形成されている。
また、制動部材5の突起9が窪み10内に入り込んで、その窪みから出るときには、そのときの抵抗力によってクリック感を生じさせることができる。
しかし、このような構成によれば、皿バネや、皿バネを止める平ワッシャと比較して、ベース部材及び制動部材が大きな径になってしまうため、スペース的に無駄が大きいという課題がある。
また、従来のヒンジ装置では、制動部材等の高精度の部品を使用しなくてはならない。高精度部品を使用すると、高コストになりまた製造にも手間がかかるという課題もある。
この構成を採用することによって、異なる圧力で変形する(その厚さが異なる)複数の皿バネを用いることにより、回動角度によってその回動トルクが変化するヒンジ装置を構成することができる。したがって、従来のヒンジ装置のように大きなスペースを必要とすることなく、回転スペースを小さくすることができる。
また、凸部がテーパ状に形成された部位に乗り上げていくことで、徐々に皿バネによる押圧力が大きくなるため、低トルクから高トルクへの切り換え時に、回動トルクを急激に上げることなく、徐々に上げることができる。
このような構成によれば、凸部がテーパ状に形成された部位に乗り上げていくことで、徐々に皿バネによる押圧力が大きくなるため、低トルクから高トルクへの切り換え時に、回動トルクを急激に上げることなく、徐々に上げることができる。
このようにして回動時に必要なトルクに合わせ、皿バネの枚数を調整すれば所望のトルクを出すことができる。
図1には、ヒンジ装置の外観構成を示し、図2には図1のヒンジ装置の分解図を示している。
ヒンジ装置30は、第1部材20と第2部材(図示せず)とが相対的に回動可能となっている構成であって、且つ回動角度によって回動トルクが変化するように設けられている。
また、第1部材20の平面部23には、軸部22の一方の端部22aを貫通させると共に後述する第1カム28の固定部29を固定するために形成された固定穴31が形成されている。
また、上記のように第1カム28の第1部材20に対向する側(図面上方側)は、第1部材20の固定穴31にはめ込まれる固定部29となっている。固定部29及び固定穴31は円形ではなく直線部分を有している同一形状となっているので、固定穴31内に挿入された固定部29は回転することなく、第1部材20に固定される。
第1の皿バネ34及び第2の皿バネ36のそれぞれは、中心に軸部22を貫通させるための貫通穴34a,36aが形成されている。
なお、本実施形態では、第1カム28、第2カム32、第1の皿バネ34及び第2の皿バネ36は全て同じ直径である。したがって、大きなスペースを必要とすることなく、回転スペースを小さくすることができるヒンジ装置30を構成することが可能である。本発明では、このスペース内で回動角度によって回動トルクを変化させることができる。
ただし、必ずしも第1カム28、第2カム32、第1の皿バネ34及び第2の皿バネ36が同じ直径である必要はないが、少なくとも第1カム28及び第2カム32の直径が、第1の皿バネ34及び第2の皿バネ36の直径以上となっていることは必要である。
第1カム28の第2カム32側(図面下方)には、第1部材20方向(図面上方)に向かって凹む凹部39が形成されている。凹部39を形成する周囲の壁面は、垂直に形成されている垂直面45と、第2カム32方向(図面下方)に向けて徐々に凹部39が広がる方向に傾斜するテーパ面41とが形成されている。
第2カム32の第1カム28側(図面上方)には、第1カム28の凹部39に進入するように第1カム28方向に突出する凸部42が形成されている。凸部42の突出長さは、凸部42が凹部39に入り込んだ時に、凸部42の上面42aが、凹部39の下面39aに当接する程度の長さである。また、凸部42の高さは、第1カム28の底面と第2カム32の上面とが当接しないような高さが必要である。
第2カム32の第2部材側(図面下方)に配置されている皿バネのうち、第2カム32に最も近い位置に配置されている皿バネは、低い圧力で変形する第1の皿バネ34である。
一般的に皿バネは薄い円盤状の板材であって、側面視すると軸部22を貫通させる貫通穴の周囲は平面状であるが、その周囲は中心方向に向かって傾斜して形成されている。この傾斜により、皿バネに圧力をかけると傾斜部分の弾性力により、接触している部分に対して所定の圧力をかけることができる。
低い圧力で変形する第1の皿バネ34は、その厚さが第2の皿バネ36と比較して薄く形成されているので、第2の皿バネ36よりも低い圧力で変形し、低い圧力がかかったときには対象物に対して圧力をかけることができる。
各第2の皿バネ36は、その厚さが第1の皿バネ34と比較して厚く形成されているので、第1の皿バネ34よりも高い圧力を付加しないと変形しない。
本実施形態では、第2の皿バネ36は4枚重ねて配置されているが、その傾斜の向きが互い違いとなるように配置されている。すなわち、4枚の第2の皿バネ36は、第1の皿バネ34側から順に、上方に凹となるように配置された第2の皿バネ36a、下方に凹となるように配置された第2の皿バネ36b、上方に凹となるように配置された第2の皿バネ36c、下方に凹となるように配置された第2の皿バネ36dとから構成される。
図4では、第1カム28の凹部39内に、第2カム32の凸部42が完全に収納されている所を示している。この状態で、第1カム28が図面右方向に回動すると、第2カム32の凸部42の上面42aが凹部39の下面39aに接する範囲内(範囲a内)で回動する。この状態においては、軸部22のフランジ部22bと第2カム32との間で各皿バネ34,36が配列方向に圧縮されるが、第1の皿バネ34のみが変形して圧力を生じさせ、4枚の第2の皿バネ36は変形せずに圧力を生じさせないように、設けられている。このときの回動トルクは低トルクであって、その大きさは一定である。
すると、低い圧力で変形する第1の皿バネ34が傾斜部分が平面状になるように変形していき、この変形に伴う圧力を生じさせる。このときの回動トルクは第1の皿バネ34の作用に伴うものであって、回動角度に応じて徐々に大きいトルクとはなるが、トルクの大きさの変化量は小さい。
このように、低トルクから高トルクへの切り換え時に徐々にトルクが大きくなるように構成したことで、トルクの大きさを急激に上げることなく、徐々に上げることができ、高トルクへの移行時における違和感を解消することができる。
第1の皿バネ34が平面状に変形してこれ以上変形しない場合、第2カム32は各第2の皿バネ36を変形させる。
各第2の皿バネ36は、第2カム32に押圧されて配列方向に圧縮されて変形し、この変形に伴う圧力を生じさせる。このときの回動トルクは第2の皿バネ36の作用に伴うものであって、高トルクであって、その大きさは一定である。
第1の皿バネ34を押圧していくと、たわみ量とバネ荷重との関係は、比例関係となり、たわみ量が増加するほどバネ荷重も直線的に増加する。
一方、第2の皿バネ36を押圧していくと、たわみ量とバネ荷重との関係は、比例関係となるが、第1の皿バネ34と比較して傾きが大きい直線となる。
まず図4の状態では、第2カム32の凸部42が、第1カム28の凹部39内にはまり込んでいる状態で回動した場合であって、第1の皿バネ34のバネ荷重のみが作用し、バネ荷重は一定である。
そして、図6の状態のように、第2カム32の凸部42が、第1カム28の底面28aに当接した状態で回動した場合、第1の皿バネ34は単なるワッシャとなり、第2の皿バネ36のバネ荷重のみが作用し、バネ荷重は一定である。
このように、本実施形態では、第1部材20と第2部材とを相対的に回動させたとき、ある回動位置までは回動時の操作荷重が一定の低い荷重であり、またこの回動位置から更に回動させると徐々に回動時の操作荷重が高くなり、次に一定の高い操作荷重となる。
しかし、本発明のヒンジ装置としては、このような構成に限定されるものではない。すなわち、第1の皿バネ34及び第2の皿バネ36の必要枚数は、回動時に必要とされるトルクに合わせて適宜変更することができる。また、第2の皿バネ36の傾斜部分の配列方向も、傾斜方向が同じ向きとなるように配列させてもよい。
ただし、皿バネの傾斜方向を同じ向きとなるように配列させると、傾斜方向が互い違いとなるように配列させたときよりも、同じたわみ量でもバネ荷重が4倍となる。したがって、回動時に必要とされるトルクに合わせて皿バネの傾斜方向の配列を決定すればよい。
クリック感をもたせるためには、第1カム28及び第2カム32の互いに接触する箇所に、凹凸嵌合する凹部及び凸部を設け、第1カム28及び第2カム32が相対的に所定角度となったときに、凹部内に凸部がはまり込むように構成すればよい。
22 軸部
23 平面部
25 固定部
27 固定用の穴
28 第1カム
29 固定部
30 ヒンジ装置
31 固定穴
32 第2カム
34 第1の皿バネ
36 第2の皿バネ
39 凹部
40 かしめ部材
41 テーパ面
42 凸部
45 垂直面
46 貫通穴
Claims (2)
- 第1部材と第2部材とを相対的に回動可能に装着し、回動角度によってその回動トルクが変化するヒンジ装置において、
第1部材と、
他端部が第2部材に固定されており、一端部が第1部材に回動可能に取り付けられている軸部と、
第1部材に固定される第1カムと、
第1カムと凹凸が噛み合うように形成され、前記軸部に固定されて軸部と共に回動可能な、第1カムと同径の第2カムと、
第2カムを第1カムに圧接させるべく、前記軸部を貫通して配置され、第1カム及び第2カムと同径の複数枚の皿バネとを具備し、
前記第1カム及び前記第2カムは、何れか一方に凹部が形成され、他方に前記凹部に進入可能な凸部が形成され、
前記凹部の側壁であって、前記凹部から前記凸部が離脱する側は、凸部が徐々に離脱するようにテーパ状に形成されており、
各前記皿バネは、低い圧力で変形する第1の皿バネと、高い圧力で変形する第2の皿バネとを含み、
前記第1カム及び前記第2カムの凹凸がはまりあっているときは、各前記皿バネのうち低い圧力で変形する第1の皿バネが変形して前記第2カムに対して低い荷重をかけて第1カムが回動可能であり、
前記軸部を回動させて前記第1カム及び前記第2カムの凹凸においていずれかに形成された凸部が他方に形成された凹部以外の箇所に乗り上げると、低い圧力で変形する第1の皿バネは圧縮されて平ワッシャと同じ状態となり、高い圧力で変形する第2の皿バネが変形して前記第2カムに対して高い荷重をかけて第1カムが回動可能であり、
前記第1カム及び前記第2カムの凹凸においていずれかに形成された凸部が他方に形成された凹部以外の箇所に乗り上げる前に凸部がテーパ上の部位に乗り上げることで、前記第2カムに対して徐々に高い荷重をかけて第1カムが回動可能であることを特徴とするヒンジ装置。 - 前記第1の皿バネは1枚、前記第2の皿バネは2枚設けられていることを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
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