JP5812630B2 - 廃棄物焼却プラント - Google Patents

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本発明は、ごみや産業廃棄物などの被燃焼物を燃焼させ焼却処理する焼却炉にアンモニア水又は尿素水などの脱硝薬剤を供給し脱硝処理するための廃棄物焼却プラントに関する。
ごみや産業廃棄物などの被燃焼物を焼却処理するごみ焼却炉として、ストーカ式焼却炉が用いられている。ストーカ式焼却炉は、固定段と可動段の火格子を交互に配置してなるストーカを備え、油圧装置により可動段を往復移動させることにより、ホッパから投入された被燃焼物の攪拌と移送を行いながら、ストーカの上流側に配置された乾燥帯でごみの乾燥を行い、次の主燃焼帯で一次空気を投入しながら主燃焼を行い、最下流側のおき燃焼帯で燃え残り分のおき燃焼を行うように構成された焼却炉である。ストーカ式焼却炉は、二次燃焼室から排出される排ガスをボイラに導き、このボイラにおいて排ガス熱により蒸気を発生させて排ガス熱を回収し、蒸気を発生させている。
廃棄物焼却炉などから排出される排ガスは窒素酸化物(NOx)などの有害物質等を含む。そのため、排ガス中に含まれるNOxを除去するため、焼却炉内にアンモニア(NH3)水や尿素水などのような脱硝薬剤を噴霧して脱硝する方法、いわゆる無触媒脱硝方法(選択性無触媒還元法:SNCR)を用いた無触媒脱硝システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
いわゆる無触媒脱硝方法は、焼却炉内の燃焼排ガス中に脱硝薬剤を吹込み、焼却過程にて生成したNOxを還元する方法である。焼却炉の壁面には脱硝薬剤を炉内へ供給する脱硝薬剤ノズルを複数個備えている。脱硝薬剤としてNH3を用いた場合、被燃焼物を燃焼することで発生する一酸化窒素(NO)とNH3との反応は、800℃〜1000℃の温度範囲で行うことが最適とされている。そのため、この温度領域にNH3水など脱硝薬剤を噴霧することで、最も効果的に脱硝を行うことができる。よって、従来の無触媒脱硝システムは、炉内の温度分布を計測またはシミュレーションにより推定して、800℃〜1000℃のガス温度範囲に脱硝薬剤を噴霧するようにしている。
特開2009−103381号公報
ここで、燃料として用いる被燃焼物はごみや産業廃棄物などのような固体であるため、被燃焼物の燃料性状や燃焼状態が大きく変化し易いため、燃料性状や燃焼状態に応じて炉内の温度分布(温度場)や燃焼排ガス組成などの変動が生じ易い。すなわち、焼却炉の稼動中に被燃焼物の燃料性状が大きく変化し、被燃焼物の発熱量が低下または上昇した場合や、ストーカ上で急激に燃焼反応が進行した場合、焼却炉内の温度分布や燃焼排ガスのガス組成などが大きく変化する。
従来の無触媒脱硝システムは、被燃焼物の燃料性状や燃焼状態が変化し、炉内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた際、脱硝薬剤を脱硝に適した温度領域(例えば、800℃〜1000℃)に噴霧することができず、燃焼排ガス中に含まれるNOxの脱硝反応を効率良く行うことができない場合がある、という問題があった。
また、炉内に温度分布計測手段やシミュレーション装置などを設置する必要があり、焼却炉内の構成が複雑となり、設備コストが増大する、という問題がある。
そのため、炉内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた際、炉内の温度場の変動を迅速かつ適切に抑制し、脱硝に適した温度領域(例えば、800℃〜1000℃)に脱硝薬剤を噴霧し、脱硝を安定して効率良く行うことを可能としつつ、簡素な装置構成で実現することができる廃棄物を焼却する焼却炉がもとめられている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、炉内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた場合であっても、炉内の温度場の変動を迅速かつ適切に抑制し、安定して効率良く脱硝を行うことができると共に、簡素な装置構成で実現することができる廃棄物焼却プラントを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明に係る第1の発明は、廃棄物を燃焼させ、焼却処理する焼却炉に脱硝薬剤を吹き込んで脱硝する脱硝薬剤供給手段を有する廃棄物焼却プラントであって、前記焼却炉は、前記焼却炉内に一次空気を導入して前記廃棄物を焼却処理する一次燃焼領域と、前記廃棄物の未燃焼物あるいは不完全燃焼物を二次空気により二次燃焼させる二次燃焼領域と、前記焼却炉の壁面に設けられ、前記廃棄物を焼却処理することにより生じた燃焼排ガスに脱硝薬剤溶液を噴霧する脱硝薬剤供給ノズルとを有すると共に、前記脱硝薬剤供給ノズルよりも前記燃焼排ガスのガス流れ方向の上流側であって、前記二次空気を供給する二次空気供給ノズルよりも前記燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側の前記焼却炉の壁面に設けられ前記燃焼排ガスを撹拌する撹拌用空気を供給する撹拌用空気供給ノズルを有することを特徴とする廃棄物焼却プラントである。
第2の発明は、第1の発明において、さらに、前記燃焼排ガスに水を噴霧する水噴霧ノズルを有する廃棄物焼却プラントである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記二次空気供給ノズルの設置位置から前記燃焼排ガス撹拌手段の設置位置との間における前記燃焼排ガスの滞留時間が、下記式(1)、(2)を満たす廃棄物焼却プラントである。
1秒≦S≦2秒 ・・・(1)
S=A/G ・・・(2)
尚、式中、二次空気供給ノズルの設置位置から燃焼排ガス撹拌手段の設置位置までの間における燃焼排ガスの滞留時間をSとし、二次空気供給ノズルの設置位置から燃焼排ガス撹拌手段の設置位置までの間における空間の容積をAとし、二次燃焼室内を通過する全ガス量をGとする。
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、前記焼却炉は、前記撹拌用空気供給ノズルより前記燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側の壁面に絞り部を有する廃棄物焼却プラントである。
第5の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、前記脱硝薬剤供給ノズルが複数設けられ、各脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の濃度および前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径が各々異なる廃棄物焼却プラントである。
第6の発明は、第1から第5の何れか1つの発明において、前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径を調整する廃棄物焼却プラントである。
第7の発明は、第1から第6の何れか1つの発明において、前記脱硝薬剤供給ノズルが、前記脱硝薬剤溶液の濃度が1質量%以上〜5質量%以下であって、平均粒子径が50μm以上〜300μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第1の脱硝薬剤供給ノズルと、前記脱硝薬剤溶液の濃度が3質量%以上〜20質量%以下であって、平均粒子径が30μm以上〜100μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第2の脱硝薬剤供給ノズルと、を含み、前記第1の脱硝薬剤供給ノズルの両側に前記第2の脱硝薬剤供給ノズルを設けた3つの脱硝薬剤供給ノズルを1組として前記二次燃焼室の壁面に設けられる廃棄物焼却プラントである。
第8の発明は、第1から第7の何れか1つの発明において、炉内温度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度を調整する廃棄物焼却プラントである。
第9の発明は、廃棄物を燃焼させ、焼却処理する焼却炉に脱硝薬剤を吹き込んで脱硝する脱硝薬剤供給手段を有する廃棄物焼却プラントであって、前記焼却炉は、前記焼却炉内に一次空気を導入して前記廃棄物を焼却処理する一次燃焼領域と、前記廃棄物の未燃焼物あるいは不完全燃焼物を二次空気により二次燃焼させる二次燃焼領域と、前記焼却炉の壁面に設けられ、前記廃棄物を焼却処理することにより生じた燃焼排ガスに脱硝薬剤溶液を噴霧する脱硝薬剤供給ノズルとを有し、前記脱硝薬剤供給ノズルが、前記脱硝薬剤溶液の濃度が1質量%以上〜5質量%以下であって、平均粒子径が50μm以上〜300μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第1の脱硝薬剤供給ノズルと、前記脱硝薬剤溶液の濃度が3質量%以上〜20質量%以下であって、平均粒子径が30μm以上〜100μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第2の脱硝薬剤供給ノズルと、を含み、前記第1の脱硝薬剤供給ノズルの両側に前記第2の脱硝薬剤供給ノズルを設けた3つの脱硝薬剤供給ノズルを1組とし、当該1組の脱硝薬剤供給ノズルが前記二次燃焼室の壁面に対向して設けられることを特徴とする廃棄物焼却プラントである。
第10の発明は、第9の発明において、前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径を調整する廃棄物焼却プラントである。
11の発明は、第9または10の発明において、炉内温度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度を調整する廃棄物焼却プラントである。
12の発明は、第1から第11の何れか1つの発明において、前記焼却炉から排出される前記燃焼排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラを有する廃棄物焼却プラントである。
13の発明は、第12の発明において、前記ボイラで発生する蒸気発生量に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度を調整する廃棄物焼却プラントである。
このように、本発明によれば、焼却炉が、燃焼排ガスを攪拌するための燃焼排ガス撹拌手段を有することで、炉内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた場合であっても、炉内の温度場の変動を迅速かつ適切に抑制し、安定して効率良く脱硝を行うことができると共に、簡素な装置構成で実現することができる。
また、本発明によれば、焼却炉が、燃焼排ガスに脱硝薬剤溶液を噴霧する脱硝薬剤供給ノズルを複数設け、各脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の濃度および前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径を各々異なるようにすることで、炉内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた場合であっても、炉内の温度場の変動に対して迅速かつ適切に対応し、安定して効率良く脱硝を行うことができると共に、簡素な装置構成で実現することができる。
図1は、本実施形態に係る廃棄物焼却プラントの構成を示す図である。 図2は、脱硝薬剤供給ノズル、攪拌用空気ノズル(水噴霧ノズル)、二次空気供給ノズルの位置関係を示す図である。 図3は、滞留時間と燃焼排ガス中のO2濃度との関係を示す図である。 図4は、炉内温度または蒸気流量の増減に対して脱硝薬剤溶液41の濃度を変化させるタイミングを示すチャートである。 図5は、炉内温度が所定の温度範囲内の場合における脱硝薬剤溶液の分散状態を模式的に示す図である。 図6は、炉内温度が所定の温度範囲の上限閾値以上になった場合における脱硝薬剤溶液の分散状態を模式的に示す図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る廃棄物焼却プラントの構成を簡略に示す図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係る廃棄物焼却プラントの二次燃焼室の断面の構成を簡略に示す図である。 図9は、本発明の第4の実施形態に係る廃棄物焼却プラントの構成を簡略に示す図である。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態および実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態および実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態および実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
[第1の実施形態]
本発明による第1の実施形態に係る廃棄物焼却プラントについて説明する。図1は、本実施形態に係る廃棄物焼却プラントの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aは、ごみホッパ11と、燃焼炉(ストーカ炉)12と、脱硝薬剤供給手段13と、撹拌用空気供給ノズル14と、水噴霧ノズル15、ボイラ16とを有するものである。本実施形態では、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15が、燃焼排ガス撹拌手段として用いられる。
被燃焼物17がごみホッパ11に投入される。被燃焼物17としては、例えば、ごみ、廃棄物、産業廃棄物等が挙げられる。ごみホッパ11に投入された被燃焼物17は間欠的に往復運動する給塵装置(フィーダ)18により焼却炉12内へと供給される。
焼却炉12は、ごみホッパ11に投入された被燃焼物17を攪拌、前進させながら乾燥、燃焼する炉である。焼却炉12は、ストーカ21と、一次燃焼室22と、二次燃焼室23とを有する。ストーカ21は、焼却炉12の炉内底部に設けられ、ごみホッパ11から供給された被燃焼物17を移送する。ストーカ21は、主として乾燥帯を構成する乾燥帯ストーカ21aと、主として燃焼帯を構成する主燃焼帯ストーカ21bと、主としておき燃焼帯を構成するおき燃焼帯ストーカ21cとで構成される。乾燥帯ストーカ21aは、ごみホッパ11からの投入口に対して最上流側に位置し、主燃焼帯ストーカ21bは乾燥帯ストーカ21aの下流側に位置し、おき燃焼帯ストーカ21cは主燃焼帯ストーカ21bの下流で最下流側に位置している。ここで、主燃焼帯とは、ごみ層上で火炎を上げて燃えている領域を指している。
ストーカ21は、固定火格子の間に配設した移動火格子を備えている。移動火格子の往復運動により被燃焼物17をごみホッパ11からストーカ21に投入した後、被燃焼物17を乾燥帯ストーカ21aで乾燥し、主燃焼帯ストーカ21bで主燃焼を行い、最後におき燃焼帯ストーカ21cでおき燃焼を行う。なお、本実施形態では主燃焼帯ストーカ21bは3つ設けるようにしているが、1つでも複数でもよい。おき燃焼帯ストーカ21cの下流側には灰ホッパシュート26が設けられている。また、ストーカ21の上方には一次燃焼室22が設けられ、更にその上方には二次燃焼室23が設けられている。おき燃焼帯ストーカ21cでの燃焼後の主灰は、灰ホッパシュート26で捕集されて排出される。
ストーカ21には、ストーカ21の下部の風箱に開口する一次空気管27が配設されている。これら一次空気管27は、一次空気主管28から分配されており、この一次空気主管28には一次空気供給用の押込送風機(ファン)31と蒸気式空気予熱器(SAH)32とが設置されている。すなわち、ファン31から圧送された一次空気33は、一次空気主管28を通って予熱された後、一次空気管27からストーカ21に供給される。また、一次空気管27内には、一次空気管27内の通路を開閉する開閉弁34aがそれぞれ設けられ、一次空気主管28内には、一次空気主管28内の通路を開閉する開閉弁34bが設けられている。また、開閉弁34a、34bは、一次空気管27、一次空気主管28内の通路の開閉を調整できるものであれば、特に限定されるものではなく、オリフィスを用いてもよい。
一次燃焼室22は、炉内に投入された廃棄物を火格子上にて移送しながら火格子の下方から一次空気33を導入して火格子上方で一次空気33により廃棄物を焼却処理する炉内の領域である。本実施形態において、一次燃焼室22は、焼却炉12内に一次空気33を導入して廃棄物を焼却処理する一次燃焼領域となる。焼却炉12内のストーカ21には、一次空気管27を介してそれぞれ一次空気33が供給され、一次燃焼室22で被燃焼物17が高温燃焼される。
二次燃焼室23は、一次燃焼室22の上方に設けられ、一次燃焼室22から発生した未燃ガスを二次空気35により二次燃焼を行う炉内の領域である。本実施形態において、二次燃焼室23は、被燃焼物17の未燃焼物あるいは不完全燃焼物を二次空気35により二次燃焼を行う二次燃焼領域となる。二次燃焼室23の壁面には、二次空気供給ノズル36a〜36dが設けられている。二次空気供給ノズル36a、36bは一次燃焼室22の乾燥帯側に設けられ、二次空気供給ノズル36c、36dは二次燃焼室23のおき燃焼帯側に設けられている。二次空気供給用の押込送風機(ファン)37には二次空気管38が連結されている。二次空気管38には蒸気式空気予熱器(SAH)39が設けられている。二次空気管38は蒸気式空気予熱器(SAH)39の下流側で2つに分岐しており、1本の二次空気管38aは乾燥側の二次空気供給ノズル36a、36bに接続され、1本の二次空気管38bはおき燃焼帯側の二次空気供給ノズル36c、36dに接続されている。分岐した二次空気管38a、38bには、それぞれ開閉弁34cが設けられており、乾燥帯側とおき燃焼帯側の二次空気供給ノズル36a〜36dで、二次空気35の供給量を調整することができる。なお、乾燥帯側とおき燃焼帯側の二次空気供給ノズル36a〜36dは、それぞれガス流に沿って二次燃焼室23に複数段設けてもよい。その場合、その数に合わせて二次空気管38を分岐する。
燃焼排ガスは、二次空気供給ノズル36a〜36dから供給される二次空気35によって二次燃焼室23において更なる高温燃焼がなされて完全燃焼される。
脱硝薬剤供給手段13は、焼却炉12に脱硝薬剤溶液41を供給するものである。脱硝薬剤供給手段13は、脱硝薬剤溶液41を貯蔵する脱硝薬剤貯蔵タンク42と、脱硝薬剤溶液41を供給する脱硝薬剤供給管43と、脱硝薬剤溶液41を二次燃焼室23内に噴霧する脱硝薬剤供給ノズル44とを有する。脱硝薬剤供給ノズル44は、二次燃焼室23の壁面に対向するように少なくとも1対設けられ、燃焼排ガスに脱硝薬剤溶液41を噴霧する。脱硝薬剤としては、例えば、アンモニア水(NH3水)や尿素水などが挙げられる。脱硝薬剤供給管43には、調節弁V11が設けられ、脱硝薬剤溶液41の供給量を調整する。脱硝薬剤溶液41は、脱硝薬剤貯蔵タンク42から脱硝薬剤供給管43を介して二次燃焼室23に送給され、脱硝薬剤供給ノズル44から二次燃焼室23内に噴霧される。
脱硝薬剤供給手段13は、脱硝薬剤供給管43に水45を供給し、脱硝薬剤溶液41の脱硝薬剤の濃度を1質量%〜10質量%の所定濃度に調整する。水45は、水供給タンク46から水供給管47を介して脱硝薬剤供給管43に供給される。水供給管47には、調節弁V12が設けられ、水45の供給量を調整する。脱硝薬剤溶液41がNH3水である場合、NH3の濃度は例えば25質量%程度であり、脱硝薬剤溶液41が尿素水である場合、尿素水の濃度は例えば40質量%程度である。そのため、脱硝薬剤貯蔵タンク42内に含まれる脱硝薬剤溶液41の濃度は比較的高濃度(例えば25質量%〜40質量%)である。この場合、脱硝薬剤供給ノズル44から二次燃焼室23内に噴霧される脱硝薬剤溶液41の分散性は低く、貫通力が低いため、脱硝効率が低下する。脱硝薬剤溶液41に水45を供給し、脱硝薬剤溶液41の濃度を上記のような所定濃度に調整することで、脱硝薬剤の供給量が同一の場合における脱硝薬剤溶液41の炉内における噴霧貫通力を増大することができるため、より少ない脱硝薬剤で同等の脱硝性能を得ることができる。
燃焼排ガス撹拌手段として、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15が、焼却炉12の壁面に設けられている。撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15は、脱硝薬剤供給ノズル44の燃焼排ガスのガス流れ方向の上流側であって、二次空気35を供給する二次空気供給ノズル36a〜36dよりも燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側の焼却炉12の壁面に設けられている。本実施形態においては、燃焼排ガス撹拌手段として、撹拌用空気供給ノズル14と水噴霧ノズル15との両方を用いているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、撹拌用空気供給ノズル14と水噴霧ノズル15との何れか一方でもよい。
撹拌用空気供給ノズル14は、燃焼排ガスを攪拌する撹拌用空気48を供給するものであり、水噴霧ノズル15と同程度の高さに設けられている。撹拌用空気48は、二次空気管38cから供給される二次空気35が用いられる。撹拌用空気48は、二次空気35が用いられる場合に限定されるものではなく、一次燃焼室22から抜き出した燃焼排ガスを二次空気35として二次燃焼室23に再循環させる循環排ガス、または排ガス処理設備を通過した後の燃焼排ガス(図示しない)を二次空気35として二次燃焼室23に再循環させる循環排ガスであってもよい。
水噴霧ノズル15は、炉内に水49を噴霧するためのノズルである。水49は、水供給タンク46から水供給管50を介して水噴霧ノズル15に供給される。
よって、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15を、脱硝薬剤供給ノズル44の燃焼排ガスのガス流れ方向の上流側であって、二次空気35を供給する二次空気供給ノズル36a〜36dよりも燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側の焼却炉12の壁面に設け、炉内に撹拌用空気48、水49の何れか一方又は両方を噴霧することができる。これにより、燃焼排ガスは、撹拌用空気48と水49との何れか一方又は両方により混合される。撹拌用空気48と水49との何れか一方又は両方による燃焼排ガスとの混合作用により、炉内の燃焼排ガスのガス温度の分布およびガス成分の濃度の均一化を図ることができる。この結果、脱硝薬剤を燃焼排ガスに供給する前に、脱硝に最適な温度場を形成することができると共に、燃焼排ガスの空間的な温度場、濃度場の均一化を促進することができ、脱硝性能の安定化を最小の部品点数で図ることができる。
撹拌用空気48および水49は、燃焼排ガスを二次空気35と完全燃焼させた後に供給されることが脱硝効率の向上を図る観点から好ましく、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15は、二次空気供給ノズル36b、36dの設置位置から燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側に所定距離離れた位置に設けるのが好ましい。図2は、脱硝薬剤供給ノズル、攪拌用空気ノズル(水噴霧ノズル)、二次空気供給ノズルの位置関係を示す図である。図2に示すように、二次空気供給ノズル36b、36dの設置位置から撹拌用空気供給ノズル14と水噴霧ノズル15との何れか一方または両方の設置位置までの間における燃焼排ガスの滞留時間は、下記式(1)、(2)を満たすことが好ましい。
1sec≦S≦2sec ・・・(1)
S=A/G ・・・(2)
尚、二次空気供給ノズル36b、36dの設置位置から撹拌用空気供給ノズル14と水噴霧ノズル15との何れか一方または両方の設置位置までの間における燃焼排ガスの滞留時間をSとし、二次空気供給ノズル36b、36dの設置位置から撹拌用空気供給ノズル14と水噴霧ノズル15との何れか一方または両方の設置位置までの間における空間の容積をAとし、二次燃焼室23内を通過する全ガス量をGとする。
燃焼排ガスの滞留時間Sを、上記式(1)のように、1秒以上とするのは、燃焼排ガスを二次空気35と完全燃焼させるために要する時間であるからである。燃焼排ガスを二次空気35と完全燃焼させることができたか否かは、例えば、燃焼排ガス中のO2濃度から求めることができる。燃焼排ガスの滞留時間Sと燃焼排ガス中のO2濃度との関係を予め求めておき、燃焼排ガス中のO2濃度が所定値近傍になった時間まで燃焼させることで、燃焼排ガスを二次空気35と完全燃焼させることができることになる。
図3は、滞留時間と燃焼排ガス中のO2濃度との関係を示す図である。図3に示すように、燃焼排ガスの滞留時間Sが1秒程度で燃焼排ガス中のO2濃度が所定値で安定する。よって、燃焼排ガスの滞留時間Sが1秒以上の場合には、燃焼排ガスは二次空気35と完全燃焼させることができるといえる。
したがって、燃焼排ガスの滞留時間Sが、上記式(1)、(2)を満たすことにより、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15の何れか一方又は両方の設置位置を、二次空気供給ノズル36a〜36dの設置位置よりも燃焼排ガスの滞留時間Sで少なくとも1秒以上下流側に設けることとなる。焼却炉12内における燃焼反応は、通常、混合律速であり、二次空気供給ノズル36b、36dからの二次空気35と燃焼排ガスとの混合は、燃焼排ガスの滞留時間Sが約1秒程度経過した段階で完了する。二次空気35と燃焼排ガスとの混合が完了した後、燃焼排ガスに脱硝薬剤を供給する前に、撹拌用空気供給ノズル14から供給される撹拌用空気48および水噴霧ノズル15から噴霧される水49の何れか一方又は両方を燃焼排ガスに予め供給する。これにより、燃焼排ガスのガス温度場、ガス成分の濃度場を均一にした状態で燃焼排ガスに脱硝薬剤を供給することができるため、安定した脱硝を行うことができる。また、燃料発熱量が高い場合には、撹拌用空気供給ノズル14から供給される撹拌用空気48および水噴霧ノズル15から噴霧される水49の何れか一方又は両方は、燃焼排ガスのガス温度を冷却することもできるため、脱硝薬剤供給ノズル44のノズル位置で、脱硝を行うために最適な温度領域(例えば、800℃〜1000℃)に保つことができる。
このように、燃焼排ガスを二次空気35と完全燃焼させた後、脱硝薬剤を燃焼排ガスに供給することができるため、被燃焼物17と二次空気35とが反応する燃焼反応が不十分であったことにより生じるCO等の未燃成分の排出を抑制することができる。また、燃焼排ガスを二次空気35と完全燃焼させた後、攪拌用空気48や水49を燃焼排ガスとの混合撹拌に活用し、排ガス温度の調整を行うことができ、脱硝薬剤を適正な温度領域に噴霧することができるため、脱硝薬剤の供給量の低減を図ることができ、脱硝効率の向上を図ることができる。
二次燃焼室23内には、二次燃焼室23内の炉内温度を測定するための排ガス温度計51aが設けられている。これにより、炉内温度を早期かつ正確に測定することができる。排ガス温度計51aとしては、例えば、熱電対、赤外線高温計などが用いられる。また、図1では、排ガス温度計51aは、1つしか設けていないが、二次燃焼室23内の鉛直軸方向または水平方向に複数設けるようにしてもよい。これにより、二次燃焼室23内の温度分布を測定することができる。また、本実施形態では、二次燃焼室23の下流側に排ガス温度計51bを設けている。この排ガス温度計51bで二次燃焼室23内の炉内温度を測定するようにしてもよい。
二次燃焼室23にて燃焼後、脱硝薬剤を含んだ排ガスは、二次燃焼室23からボイラ16に供給される。
ボイラ16は、焼却炉12からの燃焼排ガスで蒸気を発生させるためのものである。ボイラ16の排ガス出口には、煙道53が設けられている。ボイラ16は、燃焼排ガスとボイラ16内を循環する水と熱交換して蒸気を発生させる。燃焼排ガスはボイラ16で熱回収された後、煙道53を通過して排ガス処理設備を通過後、外部に排出される。
ボイラ16内には、燃焼排ガスと水と熱交換して発生した蒸気流量を測定するための蒸気流量測定器54が設けられている。これにより、ボイラ16において発生した蒸気流量を測定することができる。
煙道53の出口には、燃焼排ガス中の酸素(O2)濃度または一酸化炭素濃度(CO)を測定するための酸素(O2)/一酸化炭素(CO)濃度測定器55を設けるようにしてもよい。また、高温、高ばいじん雰囲気でO2濃度やCO濃度の測定が可能な測定器である場合には、O2/CO濃度測定器55を焼却炉12の出口により近い位置に設ける。これにより、より短い時間の誤差で焼却炉12における燃焼状態の変化を把握することができ、より高い応答性で燃焼制御をすることができる。
さらに煙道53の燃焼排ガスの下流側には、燃焼排ガスを降温するための減温塔(図示省略)と、燃焼排ガス中から飛灰等を取り除くためのバグフィルタ(図示省略)と、燃焼排ガスを外気へと排出するための煙突(図示省略)とが、順次、設けられている。煙道53から排出された燃焼排ガスは、ガス温度を下げ、飛灰等を除去した後、大気中に排出される。
本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aは、制御装置60を有する。制御装置60は、ボイラ16での蒸気流量を安定して発生させるために焼却炉12で燃焼を制御するほか、脱硝薬剤溶液41の供給量、脱硝薬剤の濃度を調整し、効率よく脱硝薬剤溶液41を燃焼排ガスに供給するようにする。制御装置60は、開閉弁34a〜34d、調節弁V11、V12、排ガス温度計51a、51b、蒸気流量測定器54およびO2/CO濃度測定器55と電気的に接続されている。排ガス温度計51a、51b、蒸気流量測定器54およびO2/CO濃度測定器55は、各々測定した値を制御装置60へと信号として送信している。制御装置60は、一次空気管27や二次空気管38等の各開閉弁34a〜34d、調節弁V11、V12の開度を個別に調整し、制御している。
(脱硝薬剤溶液の脱硝薬剤濃度の制御)
制御装置60は、排ガス温度計51aで測定される二次燃焼室23の炉内温度や蒸気流量測定器54で測定されるボイラ16で発生するボイラ16の蒸気流量の値に基づいて脱硝薬剤供給ノズル44から噴霧される脱硝薬剤溶液41の濃度を調整する。
図4は、炉内温度または蒸気流量の増減に対して脱硝薬剤溶液41の濃度を変化させるタイミングを示すチャートである。図4に示すように、炉内温度が、設定値から上限閾値(例えば設定値+50℃)と下限閾値(例えば設定値−50℃)との範囲内の場合、脱硝薬剤が通常の所定濃度の脱硝薬剤溶液41を供給する。このとき、脱硝薬剤の濃度の増減信号はOFFとなる。図4に示す設定値とは、炉内温度が脱硝薬剤が脱硝反応を行うのに最適な温度領域(800℃〜1000℃)内の温度の値、または焼却炉の処理負荷設定としてのボイラ16の蒸気流量の設定値をいう。
図5は、炉内温度が所定の温度範囲内の場合における脱硝薬剤溶液41の分散状態を模式的に示す図である。図5に示すように、炉内温度が所定の温度範囲内の場合では、脱硝薬剤供給ノズル44から噴霧された脱硝薬剤溶液41は、燃焼排ガスの流れに沿って下流側に流れる。そのため、脱硝薬剤供給ノズル44から噴霧された脱硝薬剤溶液41の到達領域Aは、脱硝に適した温度領域Bとその領域Bの炉内中心部分に形成される主要な還元反応領域Cに重なる。主要な還元反応領域Cは、脱硝反応を行うのに最適な温度領域(800℃〜1000℃)である。このとき、二次燃焼室23内に液体で供給されている脱硝薬剤は、蒸発してガス化してから燃焼排ガスの主要な還元反応領域Cに供給できるため、燃焼排ガスと混合して脱硝反応を安定して行うことができる。
炉内温度が下限閾値(例えば設定値−50℃)以下になった場合は、制御装置60は、脱硝薬剤溶液41の脱硝薬剤の供給濃度を増大させる必要があると判断する。このとき、脱硝薬剤の濃度の増減信号は、脱硝薬剤の濃度の増大側にONとなる。そして、制御装置60は、脱硝薬剤貯蔵タンク42から供給される脱硝薬剤溶液41の供給量は変化させず、脱硝薬剤の供給量を一定としたまま、水45の供給量を減少させる。これにより、炉内に噴霧される脱硝薬剤溶液41の濃度を高くすることができるため、炉内温度が下限閾値において形成される炉内の適正な脱硝領域に脱硝薬剤溶液41を噴霧し、脱硝薬剤を供給することができ、脱硝効率を高めることができる。
また、焼却炉12内で急激に燃焼反応が進行し、炉内温度が上限閾値(例えば設定値+50℃)以上になった場合は、制御装置60は、脱硝薬剤溶液41の脱硝薬剤の供給濃度を減少させる必要があると判断する。このとき、脱硝薬剤の濃度の増減信号は、脱硝薬剤の濃度の減少側にONとなる。図6は、炉内温度が所定の温度範囲の上限閾値以上になった場合における脱硝薬剤溶液41の分散状態を模式的に示す図である。図6に示すように、炉内温度が所定の温度範囲の上限閾値以上の場合では、脱硝に適した温度領域Bは燃焼ガスのガス流れ方向の下流側に移動するため、領域Bの炉内中心部分に形成される主要な還元反応領域Cも燃焼ガスのガス流れ方向の下流側に移動する。そのため、炉内温度が所定の温度範囲内の場合と同様にして、所定の脱硝薬剤の濃度の脱硝薬剤溶液41を脱硝薬剤供給ノズル44から噴霧しても、脱硝薬剤溶液41が蒸発して生じる脱硝薬剤を主要な還元反応領域Cに到達させることはできない。よって、安定した脱硝を行うことができないこととなる。
そこで、制御装置60は、脱硝薬剤貯蔵タンク42から供給される脱硝薬剤溶液41の供給量は変化させず、脱硝薬剤の供給量を一定としたまま、水45の供給量を増大させる。これにより、噴霧された脱硝薬剤溶液41の蒸発が遅れ、炉内温度が上限閾値において形成される炉内の適正な脱硝領域にガス状の脱硝薬剤を供給することができ、脱硝効率を高めることができる。
また、脱硝薬剤溶液41の濃度の調整については、上記の炉内温度による制御に替えて又は併用して、蒸気流量に基づいて調整を行うようにしてもよい。すなわち、蒸気流量が下限閾値(例えば設定値−5%t/h)以下になった場合や、上限閾値(例えば設定値+5%t/h)以上になった場合に上記と同様に、制御装置60は、蒸気流量に応じて炉内に噴霧される脱硝薬剤溶液41の脱硝薬剤の供給濃度を制御し、炉内の適正な脱硝領域に脱硝薬剤溶液41を噴霧することで、脱硝効率を高めることができる。
したがって、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aは、排ガス温度計51a、蒸気流量測定器54により、焼却炉12での燃焼状態の変化を検知することで、制御装置60は脱硝薬剤溶液41の供給濃度により早くフィードバックすることが可能となり、焼却設備系外に排出されるNOx排出量を低減することが可能となる。すなわち、脱硝薬剤の供給量自体は変化させず、脱硝薬剤溶液41の脱硝薬剤濃度を変化させることで、脱硝薬剤溶液41の噴霧貫通力(噴霧蒸発時間)を調整することにより、噴霧された脱硝薬剤が蒸発して脱硝反応に最適な空間領域に到達させることを実現することができる。これにより、少ない脱硝薬剤供給ノズル本数で、脱硝反応に最適な空間領域に脱硝薬剤の供給量の制御が可能となる。更に、炉内温度計は運転管理のために通常設置されており、ボイラ16において蒸気流量測定器54などのようなボイラ蒸発量検出手段は通常設置されているため、付加的な検出手段を設けることなく行うことが可能となる。
なお、炉内温度、蒸気流量は、測定した瞬間の値に基づいて制御する他に、一定時間にわたって測定した平均値(移動平均)や、その平均値との偏差、または変化の勾配を算出して、これらの下限閾値または上限閾値を設定して制御することもできる。このように平均値、偏差、変化の勾配を用いることで、炉内温度、蒸気流量の急激な変化に対して過剰に応答することを防ぎ、脱硝効率の更なる安定化を図ることができる。
本実施形態においては、炉内温度、蒸気流量のいずれか1つを用いる場合について説明したが、炉内温度および蒸気流量の両方を用いて制御を行うこともできる。例えば、その中の炉内温度および蒸気流量の両方が閾値を超える場合には、脱硝薬剤溶液41の脱硝薬剤の供給濃度の増減の制御を行うようにすることで、急激な変化に過剰に応答することを防ぎ、脱硝効率の更なる安定化を図ることができる。
このように、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aによれば、焼却炉12内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた場合であっても、炉内の温度場の変動を迅速かつ適切に抑制し、安定して効率良く脱硝を行うことができると共に、簡素な装置構成で実現することができる。
また、本実施形態においては、燃焼排ガス撹拌手段として、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15を用いた場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、燃焼排ガスを撹拌できるものであれば、撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15にかえて用いてもよいし、これらと併用してもよい。
また、本実施形態においては、ボイラを設けるようにしているが、本実施形態に係る廃棄物焼却プラントは、これに限定されるものではなく、ボイラ16を設けなくてもよい。
[第2の実施形態]
本発明による第2の実施形態に係る廃棄物焼却プラントについて、図面を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る廃棄物焼却プラントの構成を簡略に示す図である。なお、第1の実施形態と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。図7に示すように、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Bは、図1に示す第1の実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aの二次燃焼室23の撹拌用空気供給ノズル14より下流側の壁面に断面を狭くした絞り部61を有し、脱硝薬剤供給ノズル44の噴霧位置を絞り部61とほぼ同等の位置となるようにしたものである。
二次燃焼室23の炉の断面形状を絞り、焼却炉12の鉛直軸方向における断面積を小さくすることで、絞り部61の位置に設けた脱硝薬剤供給ノズル44から供給された脱硝薬剤溶液41はより少ないノズル本数で空間的な温度場、濃度場の均一化を実現することができる。また、絞り部61により焼却炉12の鉛直軸方向における断面積を小さくすることで、絞り部61の上流付近に燃焼排ガスが集まるため、燃焼排ガスの温度場、濃度場の均一化を促進することができる。
よって、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Bによれば、脱硝薬剤溶液41の噴霧領域における二次燃焼室23内の脱硝薬剤供給ノズル44の噴霧位置の炉断面積を狭くしているため、燃焼排ガスの空間的な温度場、濃度場の均一化をさせた領域に脱硝薬剤溶液41を噴霧させることができ、脱硝性能を更に高めることができる。
なお、本実施形態においては、絞り部61を脱硝薬剤供給ノズル44の噴霧位置とほぼ同等の位置に設けるようにしたが、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Bはこれに限定されるものではなく、撹拌用空気供給ノズル14より下流側の壁面であれば特に限定されるものではない。
[第3の実施形態]
本発明による第3の実施形態に係る廃棄物焼却プラントについて、図面を参照して説明する。本実施形態に係る廃棄物焼却プラントは、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aの構成と同様であるため、本実施形態においては、二次燃焼室の断面を示す図のみを用いて説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る廃棄物焼却プラントの二次燃焼室の断面の構成を簡略に示す図である。なお、第1の実施形態と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。図8に示すように、本実施形態に係る廃棄物焼却プラントは、二次燃焼室23の壁面に、脱硝薬剤の濃度が低く、平均粒子径が大きい脱硝薬剤溶液41Aを噴霧する第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと、脱硝薬剤の濃度が高く、平均粒子径が小さい脱硝薬剤溶液41Bを噴霧する第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを有するものである。また、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aの両側に設けた1対の第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを1組として二次燃焼室23の壁面に対抗するように設けている。
なお、本実施形態において、脱硝薬剤溶液41Aの脱硝薬剤の濃度が低いとは、脱硝薬剤の濃度が、例えば、1質量%以上〜5質量%以下をいい、脱硝薬剤溶液41Bの脱硝薬剤の濃度が高いとは、脱硝薬剤の濃度が、例えば、3質量%以上〜20質量%以下をいう。
また、脱硝薬剤溶液41Aの平均粒子径が大きいとは、平均粒子径が、例えば、50μm以上〜300μm以下をいい、脱硝薬剤溶液41Bの平均粒子径が小さいとは、平均粒子径が、例えば、30μm以上〜100μm以下をいう。
第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aから噴霧される脱硝薬剤溶液41Aは平均粒子径が大きいため、脱硝薬剤溶液41Aの蒸発時間が長くなり、二次燃焼室23内の中心部分まで到達することができ、脱硝薬剤溶液41Aの噴霧領域Aは広くなる。一方、第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bから噴霧される脱硝薬剤溶液41Bは平均粒子径が小さいため、脱硝薬剤溶液41Bの蒸発時間が短くなり、第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bの近傍にしか到達することができず、脱硝薬剤溶液41Bの噴霧領域Bは狭い。
よって、本実施形態に係る廃棄物焼却プラントによれば、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aの両側に設けた一対の第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bを1組として二次燃焼室23の壁面に設けている。そして、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aおよび一対の第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bから脱硝薬剤溶液41A、41Bを噴霧することで、脱硝薬剤溶液41A、41Bの蒸発時間を調整して脱硝薬剤を二次燃焼室23内に噴霧させることができる。これにより、二次燃焼室23内に脱硝薬剤溶液41A、41Bの分散の均一化を図ることができるため、脱硝効率を更に高めることができる。
本実施形態においては、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを設けるようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、複数の脱硝薬剤供給ノズル同士の間で、各脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される脱硝薬剤溶液の濃度および前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径が各々異なるようにしたものであればよい。
また、本実施形態においては、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを設けるようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、脱硝薬剤供給ノズルに供給される脱硝薬剤溶液の濃度に応じて脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される脱硝薬剤溶液の平均粒子径を調整するようにしたものであればよい。
[第4の実施形態]
本発明による第4の実施形態に係る廃棄物焼却プラントについて、図面を参照して説明する。図9は、本発明の第4の実施形態に係る廃棄物焼却プラントの構成を簡略に示す図である。なお、第1の実施形態から第3の実施形態と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。図9に示すように、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Cは、図1に示す第1の実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Aの燃焼排ガス撹拌手段として用いられる撹拌用空気供給ノズル14および水噴霧ノズル15を設けずに、脱硝薬剤供給ノズル44を複数設け、各脱硝薬剤供給ノズル44から噴霧される脱硝薬剤溶液41の濃度および脱硝薬剤溶液41の平均粒子径が各々異なるようにしたものである。
脱硝薬剤供給ノズル44は、上記の図8に示すように、二次燃焼室23の壁面に、脱硝薬剤の濃度が低く、平均粒子径が大きい脱硝薬剤溶液41Aを噴霧する第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと、脱硝薬剤の濃度が高く、平均粒子径が小さい脱硝薬剤溶液41Bを噴霧する第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを有するようにする。また、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aの両側に設けた1対の第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを1組として二次燃焼室23の壁面に対抗するように設けられる。
上述の通り、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aから噴霧される脱硝薬剤溶液41Aは平均粒子径が大きいため、脱硝薬剤溶液41Aの蒸発時間が長くなり、二次燃焼室23内の中心部分まで到達することができ、脱硝薬剤溶液41Aの噴霧領域Aは広くなる。一方、第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bから噴霧される脱硝薬剤溶液41Bは平均粒子径が小さいため、脱硝薬剤溶液41Bの蒸発時間が短くなり、第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bの近傍にしか到達することができず、脱硝薬剤溶液41Bの噴霧領域Bは狭い。
よって、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Cによれば、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと、一対の第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを1組として二次燃焼室23の壁面に設けているため、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aおよび一対の第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bから脱硝薬剤溶液41A、41Bの蒸発時間を調整して脱硝薬剤を二次燃焼室23内に噴霧させることができる。これにより、二次燃焼室23内に脱硝薬剤溶液41A、41Bの分散の均一化を図ることができるため、脱硝効率を更に高めることができる。
本実施形態においては、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを設けるようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、複数の脱硝薬剤供給ノズル同士の間で、各脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される脱硝薬剤溶液の濃度および前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径が各々異なるようにしたものであればよい。
また、本実施形態においては、第1の脱硝薬剤供給ノズル44Aと第2の脱硝薬剤供給ノズル44Bとを設けるようにしているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、脱硝薬剤供給ノズルに供給される脱硝薬剤溶液の濃度に応じて脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される脱硝薬剤溶液の平均粒子径を調整するようにしたものであればよい。
このように、本実施形態に係る廃棄物焼却プラント10Cによれば、焼却炉12内の温度場や燃焼排ガスのガス組成などの変動が生じた場合であっても、炉内の温度場の変動に対して迅速かつ適切に対応し、安定して効率良く脱硝を行うことができると共に、簡素な装置構成で実現することができる。
10A〜10C 廃棄物焼却プラント
11 ごみホッパ
12 焼却炉(ストーカ炉)
13 脱硝薬剤供給手段
14 撹拌用空気供給ノズル
15 水噴霧ノズル
16 ボイラ
17 被燃焼物
18 給塵装置
21 ストーカ
21a 乾燥帯ストーカ
21b 主燃焼帯ストーカ
21c おき燃焼帯ストーカ
22 一次燃焼室
23 二次燃焼室
26 灰ホッパシュート
27 一次空気管
28 一次空気主管
31、37 押込送風機(ファン)
32、39 蒸気式空気予熱器(SAH)
33 一次空気
34a〜34d 開閉弁
35 二次空気
36a〜36d 二次空気供給ノズル
38、38a、38b 二次空気管
41、41A、41B 脱硝薬剤溶液
42 脱硝薬剤貯蔵タンク
43 脱硝薬剤供給管
44、44A、44B 脱硝薬剤供給ノズル
45、49 水
46 水供給タンク
47、50 水供給管
48 撹拌用空気
51a、51b 排ガス温度計
53 煙道
54 蒸気流量測定器
55 酸素/一酸化炭素濃度測定器
60 制御装置
61 絞り部
V11、V12 調節弁

Claims (13)

  1. 廃棄物を燃焼させ、焼却処理する焼却炉に脱硝薬剤を吹き込んで脱硝する脱硝薬剤供給手段を有する廃棄物焼却プラントであって、
    前記焼却炉は、前記焼却炉内に一次空気を導入して前記廃棄物を焼却処理する一次燃焼領域と、前記廃棄物の未燃焼物あるいは不完全燃焼物を二次空気により二次燃焼させる二次燃焼領域と、前記焼却炉の壁面に設けられ、前記廃棄物を焼却処理することにより生じた燃焼排ガスに脱硝薬剤溶液を噴霧する脱硝薬剤供給ノズルとを有すると共に、
    前記脱硝薬剤供給ノズルよりも前記燃焼排ガスのガス流れ方向の上流側であって、前記二次空気を供給する二次空気供給ノズルよりも前記燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側の前記焼却炉の壁面に設けられ前記燃焼排ガスを撹拌する撹拌用空気を供給する撹拌用空気供給ノズルを有することを特徴とする廃棄物焼却プラント。
  2. 請求項1において、
    さらに、前記燃焼排ガスに水を噴霧する水噴霧ノズルを有する廃棄物焼却プラント。
  3. 請求項1または2において、
    前記二次空気供給ノズルの設置位置から前記燃焼排ガス撹拌手段の設置位置との間における前記燃焼排ガスの滞留時間が、下記式(1)、(2)を満たす廃棄物焼却プラント。
    1秒≦S≦2秒 ・・・(1)
    S=A/G ・・・(2)
    尚、式中、二次空気供給ノズルの設置位置から燃焼排ガス撹拌手段の設置位置までの間における燃焼排ガスの滞留時間をSとし、二次空気供給ノズルの設置位置から燃焼排ガス撹拌手段の設置位置までの間における空間の容積をAとし、二次燃焼室内を通過する全ガス量をGとする。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    前記焼却炉は、前記撹拌用空気供給ノズルより前記燃焼排ガスのガス流れ方向の下流側の壁面に絞り部を有する廃棄物焼却プラント。
  5. 請求項1から4の何れか1つにおいて、
    前記脱硝薬剤供給ノズルが複数設けられ、
    各脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の濃度および前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径が各々異なる廃棄物焼却プラント。
  6. 請求項1から5の何れか1つにおいて、
    前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径を調整する廃棄物焼却プラント。
  7. 請求項1から6の何れか1つにおいて、
    前記脱硝薬剤供給ノズルが、
    前記脱硝薬剤溶液の濃度が1質量%以上〜5質量%以下であって、平均粒子径が50μm以上〜300μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第1の脱硝薬剤供給ノズルと、
    前記脱硝薬剤溶液の濃度が3質量%以上〜20質量%以下であって、平均粒子径が30μm以上〜100μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第2の脱硝薬剤供給ノズルと、
    を含み、
    前記第1の脱硝薬剤供給ノズルの両側に前記第2の脱硝薬剤供給ノズルを設けた3つの脱硝薬剤供給ノズルを1組として前記二次燃焼室の壁面に設けられる廃棄物焼却プラント。
  8. 請求項1から7の何れか1つにおいて、
    炉内温度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度を調整する廃棄物焼却プラント。
  9. 廃棄物を燃焼させ、焼却処理する焼却炉に脱硝薬剤を吹き込んで脱硝する脱硝薬剤供給手段を有する廃棄物焼却プラントであって、
    前記焼却炉は、前記焼却炉内に一次空気を導入して前記廃棄物を焼却処理する一次燃焼領域と、前記廃棄物の未燃焼物あるいは不完全燃焼物を二次空気により二次燃焼させる二次燃焼領域と、前記焼却炉の壁面に設けられ、前記廃棄物を焼却処理することにより生じた燃焼排ガスに脱硝薬剤溶液を噴霧する脱硝薬剤供給ノズルとを有し、
    前記脱硝薬剤供給ノズルが、
    前記脱硝薬剤溶液の濃度が1質量%以上〜5質量%以下であって、平均粒子径が50μm以上〜300μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第1の脱硝薬剤供給ノズルと、
    前記脱硝薬剤溶液の濃度が3質量%以上〜20質量%以下であって、平均粒子径が30μm以上〜100μm以下の脱硝薬剤溶液を噴霧する第2の脱硝薬剤供給ノズルと、
    を含み、
    前記第1の脱硝薬剤供給ノズルの両側に前記第2の脱硝薬剤供給ノズルを設けた3つの脱硝薬剤供給ノズルを1組とし、当該1組の脱硝薬剤供給ノズルが前記二次燃焼室の壁面に対向して設けられることを特徴とする廃棄物焼却プラント。
  10. 請求項9において、
    前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルから噴霧される前記脱硝薬剤溶液の平均粒子径を調整する廃棄物焼却プラント。
  11. 請求項9または10において、
    炉内温度に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度を調整する廃棄物焼却プラント。
  12. 請求項1から11の何れか1つにおいて、
    前記焼却炉から排出される前記燃焼排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラを有する廃棄物焼却プラント。
  13. 請求項12において、
    前記ボイラで発生する蒸気発生量に応じて前記脱硝薬剤供給ノズルに供給される前記脱硝薬剤溶液の濃度を調整する廃棄物焼却プラント。
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