JP5812289B2 - 水封装置及びダスト排出方法 - Google Patents
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Description
使用にあっては、チャンバー82へのコークス86装入時、バケット87がチャンバー82上部に吊り上げられた後、装入蓋85を持ち上げ、この装入蓋85に連結された装入装置(コークス装入時のガイドウェイ)88が、チャンバー82上部にセッティングされる。その後、バケット87に設置された底板89と、装入装置88に設置された天板90が開放され、バケット87内のコークス86がチャンバー82内へ装入される。
そこで、例えば、特許文献1には、環状樋(水封トラフ)内に配置した空気配管から噴出させた気泡を、装入蓋(炉蓋)と環状樋の内側壁との間を経由して、チャンバー(冷却塔)の内部に送り込む方法が開示されている。これにより、空気配管から吹き込まれた空気は、気泡となって環状樋内を上昇し、シール水(封止水)を撹拌する作用を呈するため、環状樋内に堆積したダストを浮上させ、このダストをシール水と共に環状樋内から外部へ排出させるものである。
このため、例えば、作業者が定期的に環状樋内のダストの除去作業を行わなければならず、作業性が悪かった。
(1):蓋部を有する容器の上部周縁に環状樋が設けられ、該環状樋に供給されるシール水に前記蓋部の周縁下部を水没させて、前記容器内のガスを外部から遮断する水封装置において、
前記環状樋内に堆積したダストを前記環状樋に設けられた排水口から排出するため、少なくとも前記環状樋の軸心を中心として前記排水口とは対向する位置に設置され、前記環状樋内の前記シール水の水位を上下に変動させる放水を行う放水用配管と、堆積した前記ダストの方向かつ前記排水口の方向にガスを噴射するガス噴射用配管とを有することを特徴とする水封装置。
従って、環状樋内のダストを、簡単な構成で容易に除去できる。
ここで、噴射口の軸心を斜め下方へ向け、蓋部の周縁下端と環状樋の底面との間にガスを噴射させるので、蓋部の径方向内側に堆積したダストを崩壊させ、環状樋内のより多くのダストを、排水口を介して環状樋から排出できる。
図1(A)〜(D)に示すように、本発明の一実施の形態に係る水封装置10は、蓋部11を有する容器12の上部周縁に環状樋13が設けられ、この環状樋13に供給されるシール水14に蓋部11の周縁下部15を水没させて、容器12内のガスを外部から遮断する装置であり、複数の放水用配管16と複数のガス噴射用配管(以下、単にガス用配管ともいう)17とを有するものである。なお、本実施の形態では、水封装置10を、コークス乾式消火設備のコークス装入口に設けているため、容器12がチャンバー82に、蓋部11が装入蓋85に、それぞれ該当する(図5参照)。
以下、詳しく説明する。
この放水用配管16の設置個数は、環状樋13の軸心を中心として、排水口19とは対向する位置に2個、及びこの2個の放水用配管16から排水口19側へ間隔をあけて1個ずつ、合計4個である。これにより、環状樋13の略全周に渡って、堆積したダスト18を排水口19側へ流すことができる。
なお、放水用配管16の設置個数は、これに限定されるものではなく、環状樋の規模等に応じて、1個又は2個以上の複数個に設定してもよい。また、その設置位置も、これに限定されるものではなく、例えば、ダストが堆積し易い場所を考慮して設定してもよい。更に、排水口19は、環状樋13の外周側壁の下部に設けたが、これに限らず、環状樋の底面に設けてもよい。
この各放水用配管16は、その各基部が給水用配管(図示しない)に接続され、この給水用配管に設けられた給水用開閉弁により、環状樋13内への給水の開始や停止、更にはその流量制御(例えば、5〜10m3/時間程度、流速にして1.5m/秒以上程度)ができる構成となっている。
これにより、各放水用配管16から環状樋13内への給水の開始や停止を、略同時に行うことができるが、各放水用配管16に給水用開閉弁をそれぞれ設け、各放水用配管16からの環状樋13内への給水の開始や停止、及び流量制御を、個別に行うこともできる。
これにより、シール水供給用配管から環状樋13内に、シール水を常時供給し、この供給された余剰分のシール水を、シール水排水口から溢れ出させて、環状樋13内にあるシール水の水面レベルを常に一定に保つと共に、蓋部11による水封を確実に行っている。なお、このシール水供給用配管から供給されるシール水の流量は、例えば、容器12内部からの熱によりシール水が昇温し蒸発しても、水封が確実に実施されるように、例えば、5m3/時間以下程度に制御されており、上記した各放水用配管16からの全給水流量(供給流量)よりも少なくなっている(放水用配管16からの全給水流量の方が多い)。
なお、排水口19によるシール水14の排水能力は、全放水用配管16による給水能力より大きくしている(例えば、1.5倍以上程度)。
上記した給水用開閉弁と排水用開閉弁22の制御は、制御手段(例えば、コンピュータ)により行われる。また、シール水供給用配管にも開閉弁が設けられ、その流量制御を制御手段により行うことができる。
これにより、環状樋13内のシール水14の水位を上下に変動させ、排水口19へ向かうシール水14の流れを形成して、図2(A)に示すように、環状樋13内の外周側(蓋部11に覆われていない領域、即ち蓋部11より外側)に堆積したダスト18を排水口19へ流す。
このガス用配管17の設置個数は、環状樋13の軸心を中心として、等角度(等ピッチ)に8個である。これにより、環状樋13の略全周に渡って、堆積したダスト18にガスを噴射して崩壊させると共に、崩壊したダスト18を排水口19側へ送り出すことができる。
なお、ガス用配管17の設置個数は、これに限定されるものではなく、環状樋の規模等に応じて、1個又は2個以上の複数個に設定することもできる。また、その設置位置も、これに限定されるものではなく、例えば、ダストが堆積し易い場所を考慮してランダムに設定することもできる。
これにより、各ガス用配管17へのガス供給圧力を、略同じ圧力に制御できるが、各ガス用配管17にガス供給源をそれぞれ設け、各ガス用配管17へのガス供給圧力を、個別に制御することもできる。
このガス供給源の制御は、上記した制御手段により行われる。
具体的には、ガス用配管17の軸心を、図1(B)に示すように、平面視して環状樋13の接線方向Lに対し40度以上55度以下の範囲内(θ1)で傾斜させ、更に、図1(D)に示すように、水平方向から下方へ55度以下(好ましくは40度以上)の範囲内(θ2)で傾斜させる。
これにより、図2(B)に示すように、蓋部11の周縁下端25と環状樋13の底面26との間にガスを噴射させ、環状樋13内の内周側(蓋部11に覆われた領域、即ち蓋部11内)に堆積したダスト18を崩壊させて排水口19側へ流す。
容器12の使用にあっては、環状樋13内にダスト18が堆積するため、例えば、シール水14によるシール性が低下する前に、ダスト18の除去を開始する。なお、ダスト18の除去を開始する時期(頻度)は、過去のダスト18の堆積状況(堆積速度)に基づいて、適宜設定できる。
このとき、ガス用配管17からのガスの噴射は、連続的に行われている。
これにより、環状樋13内のシール水14の水位を、図3(A)に示す通常のレベルから、図3(B)に示すレベルまで、一時的に上昇させる。
ここで、排水口19によるシール水14の排水能力は、前記したように、全放水用配管16による給水能力より大きく調整されているため、環状樋13内のシール水14の水位を、図3(B)に示すレベルから、図3(C)に示すレベルまで、低下させることができる。なお、このとき、全放水用配管16による給水流量を、給水開始時(環状樋13内のシール水14の水位上昇時)より低下させてもよい。
以上に示したように、環状樋13内のシール水14の水位を上下に変動させることで、環状樋13内の円周方向全体に渡って、排水口19へ向かうシール水14の流速の速い流れが形成される。
これにより、環状樋13内の外周側に堆積したダスト18が排水口19へ向けて流れ出し、環状樋13から排出される(図2(A)参照)。
このように、環状樋13内に堆積したダスト18を排水口19から排出した後は、排水用開閉弁22を閉状態にして、環状樋13内からのシール水14の排水を停止する。そして、環状樋13内のシール水14の水位を、図3(A)に示すレベルまで上昇させた後、給水用開閉弁を閉状態にして、各放水用配管16から環状樋13内への給水を停止する。
なお、図4で行った試験には、図1(B)に示す水封装置を用いた。
また、図4では、各放水用配管からの給水流量を、5m3/時間と7m3/時間に設定して、ガス噴射用配管の傾斜角度θ1がダストの堆積量に及ぼす影響について検討した。このダストの堆積量は、ダストの除去を行わなかった場合を100質量%とした。
なお、各放水用配管からの全給水流量を増加させ過ぎた場合には、環状樋からシール水が漏れ出し、例えば、容器の側壁が腐食する等の恐れがあるため、ダストを除去できる範囲で、全給水流量を低減することが好ましい。
ここで、ガス噴射用配管の傾斜角度θ2は、55度を超えると、堆積したダストに向けてガスを噴射できず(ダストを崩壊できず)、噴出したガスが環状樋の底面に衝突して、環状樋からシール水が漏れ出す場合があったため、55度以下の範囲内で設定した。また、ガス噴射用配管の傾斜角度θ2が40度未満になると、噴出したガスが、蓋部11の周縁下部15に衝突する場合があったので、40度以上に設定した。しかし、この傾斜角度θ2は、環状樋13の深さや、周縁下部15の長さによって異なるものである。
なお、上記した噴射用配管の傾斜角度θ1の設定角度は、種々の規模の環状樋の場合でも適用可能な範囲であり、例えば、環状樋の規模等に応じて、上記した範囲内で種々設定できる。一方、噴射用配管の傾斜角度θ2は、環状樋の側壁の高さや、蓋部の周縁下部の高さ方向の位置によって異なる。
そして、次回のダスト18の除去時に、上記した方法を繰り返し行う。
従って、本発明の水封装置及びダスト排出方法を用いることで、環状樋内のダストを簡単な構成で容易に除去できる。
また、前記実施の形態においては、水封装置を、コークス乾式消火設備のコークス装入口に設けた場合について説明したが、シール水が供給される環状樋を有し、この環状樋内にダストが堆積するものであれば、これに限定されるものではなく、水封装置を、例えば、転炉のスカート部等に設けることも可能である。この場合、ダスト排出方法も勿論適用できるが、ガス噴射用配管から噴射するガスには、不活性ガスを用いる。
Claims (4)
- 蓋部を有する容器の上部周縁に環状樋が設けられ、該環状樋に供給されるシール水に前記蓋部の周縁下部を水没させて、前記容器内のガスを外部から遮断する水封装置において、
前記環状樋内に堆積したダストを前記環状樋に設けられた排水口から排出するため、少なくとも前記環状樋の軸心を中心として前記排水口とは対向する位置に設置され、前記環状樋内の前記シール水の水位を上下に変動させる放水を行う放水用配管と、堆積した前記ダストの方向かつ前記排水口の方向にガスを噴射するガス噴射用配管とを有することを特徴とする水封装置。 - 請求項1記載の水封装置において、前記ガス噴射用配管を前記環状樋の外周縁上部に配置し、しかも前記ガス噴射用配管の噴射口を前記シール水に水没させると共に、前記噴射口の軸心を斜め下方へ向け、前記蓋部の周縁下端と前記環状樋の底面との間に前記ガスを噴射させることを特徴とする水封装置。
- 請求項1又は2記載の水封装置において、コークス乾式消火設備のコークス装入口に設けられていることを特徴とする水封装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水封装置のダスト排出方法であって、前記放水用配管による前記シール水の放水を前記環状樋へ行いながら、前記ガス噴射用配管による前記ガスの噴射を前記環状樋へ行うことにより、前記シール水の放水で前記環状樋内の前記シール水の水位を上下に変動させて前記排水口へ向かう前記シール水の流れを形成すると共に、前記ガスの噴射で堆積した前記ダストを崩壊させて、該ダストを前記排水口から排出することを特徴とする水封装置のダスト排出方法。
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