JP5807423B2 - ナフトピジルの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明者らは、これらの従来技術の問題に鑑み、ナフトピジルの高収量、高純度の製造方法の開発を行った。
(a)1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(以下、「2MOPP」という。)塩酸塩を溶剤と混合するステップ、
(b)ステップ(a)の混合液中で2MOPP塩酸塩をフリー体に変換するステップ、
(c)ステップ(b)の混合液と1,2−エポキシ−3−(1−ナフチルオキシ)プロパン(以下、「ENOP」という。)とを混合し、2MOPPフリー体とENOPとを反応させるステップ、
を包含する方法に関する。
好ましい実施形態において、反応に使用される塩基は無機塩基である。
より好ましい実施形態において、無機塩基はナトリウムメトキシドである。
本発明の方法は、一つの実施形態において、(d)ステップ(c)の反応後の混合液にトルエンと水を加えて不純物を水層に除去するステップをさらに包含する。
本発明の方法はまた、一つの実施形態において、(e)ステップ(d)で得られたトルエン層にメタノールを加えて混合溶剤とし、この混合溶剤からナフトピジルを析出させるステップをさらに包含する。
好ましい実施形態において、トルエン:メタノールの混合比は1:1〜1:5である。
(a)2MOPP塩酸塩を溶剤と混合するステップ、(b)(a)の混合液中で2MOPP塩酸塩をフリー体に変換するステップ、および(c)次いで、この混合液とENOPを混合し、2MOPPフリー体とENOPを反応させてナフトピジルを得るステップにより特徴付けられる。
香族炭化水素類、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが挙げられるがこれらに限定されない。取り扱いの容易さからアルコール、特にメタノールが好ましい。
わちナフトピジルの生成は、反応液を液体クロマトグラフ法により分析することによって確認することができる。
乾燥することで医薬原薬として供することが可能なナフトピジルが得られる。
1)2MOPP−一塩酸塩の使用
ガラス攪拌棒とテフロン半月板を備えた10L4頭フラスコに2MOPP−HCl(434.1g、1.9mmol)、メタノール1316gおよび28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(366.2g、1.9mmol)を加え、攪拌しながら50℃に加温した。続いて、ENOPのメタノール溶液618g(ENOP380g、1.9mol含有)を滴下ロートを用いて40分かけて添加した。添加終了後は微黄色の懸濁液となった。滴下終了してから18時間攪拌した後、加温減圧濃縮してメタノール(2801g)を除去した。得られた黄色懸濁液にトルエン(6488g)と水(373g)を加え、60℃に加温攪拌した。トルエン層、水層共に懸濁していないことを確認後15分静置してから水層を分離した。続いて水(373g)を加えて15分攪拌し、15分静置した後水層を分離した。残ったトルエン層を加温減圧濃縮してトルエンを黄色の懸濁液状になるまで除去した後、メタノール(373g)を加え、均一溶液になるまで60℃にて攪拌した。溶液が均一な状態であるのを確認後、室温まで冷却して18時間攪拌した。懸濁液を磁製ヌッチェとろ紙で吸引濾過し、続いてメタノール(594g)で2回洗浄し、得られた湿結晶を乾燥してナフトピジル572.5g(収率76.9%)を得た。HPLC測定結果(単純面積百分率):ナフトピジル99.4%、ヒドロキシフェニル不純物0.008%
十字攪拌子を備えた100mL試験管に2MOPP−2HCl(6.5g、24.5mmol)、メタノール(23mL)および28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(9.45g、49mmol)を加え、スターラーで攪拌しながら50℃に加温した。ENOPのメタノール溶液10.8g(ENOP4.9g、24.5mmol含有)を滴下ロートを用い63分かけて添加した。滴下終了してから5時間50℃で攪拌した後、30℃以下に冷却し12時間攪拌した。懸濁液を200mLナス型フラスコに移し、メタノールをエバポレーションにて除去した後トルエン(86mL)を加え、60℃に加温した。水(8.6g)を加えてさらに攪拌してから水層を分液ロートで分離した。得られたトルエン層をエバポレーションして乾固させた後、トルエン(40mL)を加え、加温攪拌した。溶解確認後10℃まで冷却し、結晶を析出させた。懸濁液を磁製ヌッチェとろ紙で吸引濾過し、続いてメタノール(8.6mL)で2回洗浄し、得られた湿結晶を乾燥してナフトピジル6.84g(収率79%)を得た。HPLC測定結果(単純面積百分率):ナフトピジル97.4%、ヒドロキシフェニル不純物0.011%
十字攪拌子を備えた100mL試験管に2MOPP(1.68g、8.74mmol)、メタノール(7.6mL)を加え、スターラーで攪拌したところ、無色透明な溶液となった。溶液を50℃に加温した後、ENOPのメタノール溶液7.99g(ENOP1.75g、8.74mmol含有)を一度に添加した。添加終了してから6時間50℃で攪拌した後、25℃以下に冷却し15時間攪拌した。懸濁液を200mLナス型フラスコに移し、メタノールをエバポレーションにて除去した後トルエン(34mL)を加え、60℃に加温した。水(2g)を加えてさらに攪拌してから水層を分液ロートで分離した。得られたトルエン層を100mLナス型フラスコに移し、エバポレーションして乾固させた後、トルエン(3.4mL)とメタノール(17.2mL)を加え、加温攪拌した。溶解確認後10℃まで冷却し、結晶を析出させた。懸濁液を磁製ヌッチェとろ紙で吸引濾過し、続い
てメタノール(4mL)で2回洗浄し、得られた湿結晶を乾燥してナフトピジル2.47g(収率72%)を得た。HPLC測定結果(単純面積百分率):ナフトピジル99.4%、ヒドロキシフェニル不純物0.142%
上記のように、出発物質として2MOPP塩酸塩を用いた場合、2MOPPフリー体から開始する方法と比較してヒドロキシフェニル不純物の比率が10分の1以下に低下した。
また、2MOPP塩酸塩を用いる本発明の方法では追加の精製作業を行わなくてもすでにヒドロキシフェニル不純物の含有率が0.1%以下に抑えられている点にも注目すべきである。我が国においては、新原薬の不純物に関するガイドラインが定められており、これによれば1日あたりの最大投与量が2g以下の場合、0.10%以上含まれる不純物について構造を決定し、0.15%以上含まれる物質については個々に安全性を確認しその結果を規制当局に報告する義務がある(H14.12.16医薬審発第1216001号
新有効成分含有医薬品のうち原薬の不純物に関するガイドライン)。ナフトピジルは既に承認された原薬ではあるが、ヒドロキシフェニル不純物の含有率が0.15%を超えるのであれば、ヒドロキシフェニル不純物の安全性を試験することが医薬品の安全性を担保するうえで望ましいと考えられる。安全性の確認を避けるためにはその含有率が0.15%以下になるまで精製を繰り返さねばならない。どちらの作業も多大な時間と労力と費用と要するものである。不純物が0.10%以上0.15%以下の場合、構造決定を行う必要があるが、0.1%程度の低い含有率の物質を分析のために単離するのは通常困難を伴う。また不純物の構造確認をするために別途これを合成する必要があるが、不純物として生成する物質はもともと生成が難しくかつ合成情報も少ないためこれも労力と費用と要する作業である。比較例(従来法)では不純物の構造決定が必要であり、ロット間のばらつきを考慮すると安全性試験が必要になることも少なくないと考えられる。一方、本発明の製法を用いることで、これらの追加的作業を行う必要性はほぼなくなったと言える。したがって本発明の製法は、科学的に優れた方法であるにとどまらず、経済的な面でもその利益は非常に大きいと言える。
1)トルエン/メタノール混合溶剤による精製
粗製ナフトピジル(91.0%)を用いた再結晶溶剤の検討を以下のとおり行った。粗製ナフトピジル5gを100mL試験管に入れ、粗製ナフトピジル重量に対しメタノール(0〜10倍体積)とトルエン(0〜5倍体積)を加えた。加熱を開始し徐々に液温を上げ、溶解を確認した時点で液温を30分維持した後10℃まで冷却し、結晶を析出させた。懸濁液をヌッチェとろ紙で吸引濾過し、続いてメタノール(4mL)で2回洗浄した後シャーレに取り、送風乾燥機で乾燥させた。得られた結晶量をHPLCで分析し、ナフトピジル及び不純物の単純面積百分率を求めた。得られた結果を以下の表にまとめる。
トルエン/メタノール混合溶剤系を用いてナフトピジルを析出させた場合、トルエン単独またはメタノール単独の場合よりもナフトピジルを高純度で精製することができた。トルエン:メタノールの混合比が2:5の場合に最も純度が高くなった(99.62%)。
Claims (3)
- 1−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]−3−(1−ナフチルオキシ)−2−プロパノール(以下、「ナフトピジル」という。)の製造方法であって、
(a)1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(以下、「2MOPP」という。)塩酸塩をメタノールと混合するステップ、
(b)ステップ(a)の混合液中で、2MOPP塩酸塩とナトリウムメトキシドとの反応により、2MOPP塩酸塩をフリー体に変換するステップ、
(c)ステップ(b)の混合液と1,2−エポキシ−3−(1−ナフチルオキシ)プロパン(以下、「ENOP」という。)とを混合し、2MOPPフリー体とENOPとを反応させるステップ、
(d)ステップ(c)の反応後の混合液にトルエンと水を加えて不純物を水層に除去するステップ、
を包含する、方法。 - (e)ステップ(d)で得られたトルエン層にメタノールを加えて混合溶剤とし、この混合溶剤からナフトピジルを析出させるステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
- トルエン:メタノールの混合比が1:1〜1:5である、請求項2に記載の方法。
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