JP5806576B2 - パイプルーフ及びパイプルーフの構築方法 - Google Patents

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本発明は、地山に挿入される複数のパイプにより構成されるパイプルーフ、及び、このパイプルーフを構築する方法に関する。
都市部等の地盤内(地山内)にトンネル等の地下構造物を構築するにあたり、地盤における地下構造物の構築予定箇所の周囲に複数のパイプを予め並設してパイプルーフ(防護屋根)を構築する、いわゆるパイプルーフ工法が知られている。
このパイプルーフ工法に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1には、パイプルーフ工法において、隣接するパイプ同士を各々の継手部で係合連結させてパイプルーフを構築することにより、隣接するパイプ間の間隙からの土砂流出を抑制することが記載されている。
特開平10−37656号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなパイプルーフ工法では、既設のパイプに隣接するように継手部同士を係合させつつ新たなパイプを地山に挿入すると、既設のパイプの継手部と新たなパイプの継手部とが接触して互いに干渉しあうことで、パイプの挿入が難しくなり、それゆえ、パイプ挿入時の作業性が低下するという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑み、地山へのパイプ挿入時の作業性を向上させることを課題とする。
そのため本発明では、複数のパイプを互いに並列に地山に挿入してパイプルーフを構築する方法として、複数の第1のパイプを互いに離間させて並列に地山に挿入する工程と、隣り合う第1のパイプ同士の間を補間する形状を有する第2のパイプを第1のパイプ間に挿入する工程と、地山に挿入された第1のパイプと第2のパイプとを一体化する工程と、を含む。第1のパイプと第2のパイプとを一体化する工程では、互いに対向する第1のパイプの側面と第2のパイプの側面とを貫通するボルトによって、第1のパイプと第2のパイプとをボルト締結することにより、第1のパイプと第2のパイプとを互いに固定する。
また、本発明に係るパイプルーフは、互いに離間して並列に地山に挿入される複数の第1のパイプと、隣り合う第1のパイプ同士の間を補間する形状を有して第1のパイプ間に挿入される第2のパイプと、を含んで構成される。第1のパイプと第2のパイプとは、互いに対向する第1のパイプの側面と第2のパイプの側面とを貫通するボルトによってボルト締結されることにより互いに固定される。
尚、ここでいう「パイプ同士の間を補間する形状」とは、パイプ同士の間を塞ぐ形状を意味する。
本発明によれば、第2のパイプが、隣り合う第1のパイプ同士の間を補間する形状を有して、第1のパイプ間に挿入される。これにより、第1のパイプ間を、上記継手部に代えて、第2のパイプによって補間することができるので(換言すれば、第2のパイプ間を、上記継手部に代えて、第1のパイプによって補間することができるので)、パイプ外周部の構成が簡素化されても、パイプ間の土砂流出を抑制することができる。また、パイプ外周部の構成が簡素化されることにより、地山へのパイプ挿入時にパイプが受ける抗力を比較的低く抑えることができるので、パイプ挿入時の作業性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態におけるパイプルーフ工法を用いて構築されるトンネル合流部を示す図 上記第1実施形態におけるパイプの構成を示す図 上記第1実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 上記第1実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 上記第1実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 本発明の第2実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 本発明の第2実施形態の変形例におけるパイプルーフの構築方法を示す図 本発明の第3実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 本発明の第4実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 本発明の第4実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図 楕円形断面を有する鋼殻構造体を示す図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、ここでは、2つのトンネルが互いに合流するトンネル合流部の構築を例にとってパイプルーフの構築について説明するが、これに限るものではない。
図1は、本発明の第1実施形態におけるパイプルーフ工法を用いて構築されるトンネル合流部を示す。
地下構造物であるトンネル合流部1は、地面2の下方(地山20)に予め掘削形成された2つのトンネル(本線トンネル3及びランプトンネル4)が互いに合流する合流部である。
本線トンネル3は、ランプトンネル4に比べて大径の断面を有しており、図示しないシールド機によって掘削形成される。このシールド機は、地山20の掘削を行いつつその後方でセグメント30の組立を行って、円筒状の覆工体30Sを構築する。
本線トンネル3に並設されるランプトンネル4においても、本線トンネル3と同様にセグメント40が組立てられて円筒状の覆工体40Sが構築される。
これらトンネルが互いに合流するトンネル合流部1は、主に、以下6つの工程を経て構築される。
(1)本線トンネル3とランプトンネル4との間のトンネル合流部施工箇所の端部近傍に、図示しない立坑を構築する。
(2)本線トンネル3の上端部3aとランプトンネル4の上端部4aとの間を塞ぐように上記立坑から複数のパイプ(後述する第1のパイプ11及び第2のパイプ12)を地山20に挿入して、なだらかなアーチ状のパイプルーフ21を構築する。
(3)本線トンネル3の下端部3bとランプトンネル4の下端部4bとの間を塞ぐように上記立坑から複数のパイプ(後述する第1のパイプ11及び第2のパイプ12)を地山20に挿入して、なだらかなアーチ状のパイプルーフ22を構築する。
(4)本線トンネル3とランプトンネル4との間でパイプルーフ21,22によって閉じられる領域5内を掘削する。
(5)パイプルーフ21,22間に位置するセグメント30a,40aを撤去する。これにより、トンネル合流部1では、パイプルーフ21,22と、上記(4)にて撤去されなかった残りのセグメント30b,40bとによって、卵形断面の大断面地下スペース6が形成される。
(6)地下スペース6内に道路7を構築する。
次に、パイプルーフ21の構築方法について、図1に加えて、図2〜図5を用いて説明する。
図2は、パイプルーフ21を構築する際に用いられる3種類のパイプの概略構成を示す図である。図3〜図5は、図1の部分Pに対応する部位の拡大図である。
パイプルーフ21は、図2(A)〜(C)に示す3種類のパイプを用いて構築される。
図2(A)に示す第1のパイプ11はつづみ形の断面を有する鋼管であり、その両側面が凹面部11aをなす。すなわち、第1のパイプ11の凹形状の両側面が凹面部11aである。この凹面部11aは、後述する第2のパイプ12の外周面(凸面部12c)に対応するように、弓形に湾曲している。また、第1のパイプ11は、トンネル軸方向に略まっすぐに延びて、その長手方向の長さは、トンネル合流部1のトンネル軸方向の長さに一致する。
図2(B)に示す第2のパイプ12は円形断面を有する鋼管である。第2のパイプ12は、トンネル軸方向に略まっすぐに延びて、その長手方向の長さは、トンネル合流部1のトンネル軸方向の長さに一致する。
第2のパイプ12の両側面には、それぞれ、一対の板状部材(例えば鋼板)12a,12bが設けられている。板状部材12a,12bは、互いに上下に離間して第2のパイプ12の側面(外周面)から横方向に外方に張り出し、かつ、第2のパイプ12の長手方向に沿って延びて第2のパイプ12に溶接されている。尚、板状部材12a,12b間の間隔は、第1のパイプ11の上下寸法により若干大きくなっている。
また、第2のパイプ12は、その円形の外周面の一部(両側面)が、第1のパイプ11の凹面部11aに対応する凸面部12cをなす。すなわち、第2のパイプ12の凸形状の両側面が凸面部12cである。
図2(C)に示す第3のパイプ13は、その内部に第1のパイプ11を挿入可能な円形断面を有する鋼管である。第3のパイプ13は、トンネル軸方向に略まっすぐに延びて、その長手方向の長さは、トンネル合流部1のトンネル軸方向の長さに一致する。
第3のパイプ13は、第1のパイプ11を地山20に挿入する際に用いられる補助パイプであり、それゆえ、第1のパイプ11が地山20に挿入された後に撤去される。
本実施形態では、第1のパイプ11、第2のパイプ12、及び第3のパイプ13を用いて、パイプルーフ21を構築する。
このパイプルーフ21の構築では、図3(A)〜図5(H)に示す工程を、図1の部分Pにて実施するのみならず、部分P以外の部分においても部分Pと同様に実施する。
パイプルーフ21の構築時には、まず、図1及び図3(A)に示すように、複数の第1のパイプ11が挿入される予定の位置に、複数の第3のパイプ13が、互いに所定間隔を空けて、上記立坑より地山20に順次挿入される。ここで、所定間隔とは、後述する図4(E)にて、第1のパイプ11間に第2のパイプ12が挿入可能なように予め設定された間隔である。
また、複数の第3のパイプ13は、その長手方向に対して略垂直な方向になだらかなアーチ状に並列配置される。
第3のパイプ13の地山20への挿入に際しては、例えば、図示しない回転掘削機を用いて第3のパイプ13挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第3のパイプ13を圧入する。このようにして回転掘削と第3のパイプ13の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第3のパイプ13の内部には空間13aが形成される。
次に、図3(B)に示すように、上記立坑より、第3のパイプ13の内部の空間13aに第1のパイプ11を挿入する。
次に、図3(C)に示すように、第3のパイプ13の内周面と第1のパイプ11の外周面との間の空間13bに充填材14を充填する。充填材14の一例としては、モルタルに掘削残土を混ぜたソイルモルタルを挙げることができる。
次に、図3(D)に示すように、第3のパイプ13を地山20より引抜く。ここで、図3(A)に示した工程の前に、第3のパイプ13の表面に土砂付着防止用の剥離剤等を予め塗布しておくことにより、第3のパイプ13を地山20よりスムーズに引抜くことができる。
また、第3のパイプ13の引抜き時には、空間13bに充填された充填材14により、地中の地盤の沈下が抑制される。
ここにおいて、図3(A)〜(D)に示した各工程が、本発明における「第1のパイプを地山に挿入する工程」に含まれる。
次に、図4(E)に示すように、上記立坑より、隣り合う第1のパイプ11間に第2のパイプ12を挿入する。これにより、パイプルーフ21を構成する複数のパイプ(第1のパイプ11及び第2のパイプルーフ12)が、その長手方向に対して略垂直な方向になだらかなアーチ状に並列配置される。
第2のパイプ12の挿入に際しては、上述の第3のパイプ13の挿入時と同様に、図示しない回転掘削機を用いて第2のパイプ12挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第2のパイプ12を圧入する。このようにして回転掘削と第2のパイプ12の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第2のパイプ12の内部には空間12dが形成される。
また、第2のパイプ12の挿入時には、第2のパイプ12に設けられた板状部材12a,12b間に第1のパイプ11が位置した状態で、第2のパイプ12が挿入される。これにより、板状部材12a,12bが第2のパイプ12の挿入をガイドすることができるので、パイプ挿入時の作業性を向上させることができる。
ここで、第2のパイプ12は、つづみ形断面を有する第1のパイプ11同士の間を補間する形状として、円形の断面形状を有している。これにより、第1のパイプ11間を、第2のパイプ12によって補間することができるので(換言すれば、第2のパイプ12間を、第1のパイプ11によって補間することができるので)、パイプ間の土砂流出を抑制することができる。
次に、パイプルーフ21の一体性を向上させて防護屋根としての機能を十分に発揮させるために、図5(F)〜(H)に示す一体化施工を行う。
一体化施工では、まず図5(F)に示すように、第1のパイプ11の凹面部11aと第2のパイプ12の凸面部12cとが対向するジャンクション部15の隙間を高圧水等により洗浄する。具体的には、例えば、第2のパイプ12の凸面部12cに適切なピッチで作業窓(図示せず)を予め設けて、この作業窓から人力で洗浄する。ここで、第2のパイプ12の板状部材12a,12bが当該隙間のカバーとして機能することで、洗浄時に当該隙間内に土砂等が入り込むことを抑制している。そして、洗浄後のジャンクション部15の隙間に高強度セメントミルクを注入する。
次に、図5(G)に示すように、ジャンクション部15(第1のパイプ11の凹面部11aと第2のパイプ12の凸面部12cと)にボルト孔(図示せず)を複数削孔し、これらボルト孔にボルト16を挿通させて、第1のパイプ11と第2のパイプ12とをボルト締結する。ここで、ボルト16が、本発明における固定手段として機能している。
尚、第2のパイプ12の内径が800mm〜2000mm程度で比較的大きい場合には、作業員が第2のパイプ12内に入って、電動ドリル等の機器を用いて、第2のパイプ12の凸面部12cから第1のパイプ11の凹面部11aに向けて、上記ボルト孔を削孔することができる。また、第1のパイプ11と第2のパイプ12とが地山20に挿入される前に上記ボルト孔を予め削孔しておいてもよい。
次に、図5(H)に示すように、第1のパイプ11の内部の空間11bと第2のパイプ12の内部の空間12dとに中詰めコンクリート17を打設する。
中詰めコンクリート17が固結すると、第1のパイプ11と第2のパイプ12とが、中詰めコンクリート17及びボルト16を介して一体化される。また、ジャンクション部15の隙間が高圧水等により洗浄されたことにより、当該隙間に注入される高強度セメントミルクが良好に第1のパイプ11の凹面部11aの表面及び第2のパイプ12の凸面部12cの表面に接触するので、高強度セメントミルクの接着性を良好に発現させることができる。
パイプルーフ22の構築方法については、上述のパイプルーフ21の構築方法と同様であるので、その説明は省略する。
ところで、地下構造物として矩形断面形状の本設躯体を構築する場合には、一般に、門型にパイプが並列配置されたパイプルーフが仮設構造で本設躯体の外縁に平行に構築される。このような門型のパイプルーフでは、支保工の架設が必須となる。
この点、本実施形態によれば、パイプルーフ21,22と本線トンネル3とランプトンネル4とによって、実質的に閉鎖したパイプのアーチが形成される。これにより、パイプルーフ21,22が自立して均衡を保持するので、支保工を削減することができる。また、パイプルーフ21,22は仮設構造としてのみならず本設構造としても用いることができる。
本実施形態によれば、パイプルーフ21,22の構築方法として、複数の第1のパイプ11を互いに離間させて並列に地山20に挿入する工程(図3)と、隣り合う第1のパイプ11同士の間を補間する形状を有する第2のパイプ12を第1のパイプ11間に挿入する工程(図4)と、を含む。これにより、第1のパイプ11間を、第2のパイプ12によって補間することができるので(換言すれば、第2のパイプ12間を、第1のパイプ11によって補間することができるので)、特許文献1に記載のような継手部を設けることなく、パイプ外周部の構成を簡素化して、パイプ間の土砂流出を抑制することができる。また、パイプ外周部の構成の簡素化により、地山20へのパイプ挿入時にパイプが受ける抗力を比較的低く抑えることができるので、パイプ挿入時の作業性を向上させることができる。
また本実施形態によれば、第1のパイプ11を地山20に挿入する工程(図3)は、複数の第3のパイプ13を互いに離間させて並列に地山20に挿入して各第3のパイプ13内に空間13aを形成する工程と(図3(A))、各第3のパイプ13内に、それぞれ、第1のパイプ11を挿入する工程と(図3(B))、第3のパイプ13と第1のパイプ11との間の空間13bに充填材14を充填する工程と(図3(C))、第3のパイプ13を地山20より引抜く工程と(図3(D))、を含む。これにより、つづみ形断面等の特殊な断面形状を有する第1のパイプ11を精度よく効率的に地山20に挿入することができる。
また本実施形態によれば、第1のパイプ11は、その両側面(凹面部11a)が凹形状をなす一方、第2のパイプ12は、その両側面(凸面部12c)が、凹面部11aに対応する凸形状をなす。これにより、第1のパイプ11の凹面部11aに第2のパイプ12の凸面部12cが嵌るので、パイプルーフ21,22におけるパイプ同士の一体性を向上させることができる。
また本実施形態によれば、第2のパイプ12は円形断面を有し、この円形の外周面の一部(凸面部12c)が凸形状をなすので、比較的簡易な構成で、第1のパイプ11の凹面部11aと第2のパイプ12の凸面部12cとの嵌め合いを実現することができる。
また本実施形態によれば、第3のパイプ13は円形断面を有するので、第1のパイプ11を地山20に挿入するための補助パイプとして比較的簡易に設置・撤去を行うことができる。
また本実施形態によれば、パイプルーフ21,22の構築方法として、第1のパイプ11と第2のパイプ12とを一体化する工程(図5)を更に含む。これにより、パイプルール21,22の一体性を十分に確保することができるので、防護屋根としての機能を十分に発揮することができる。
尚、本実施形態では、第1のパイプ11と第2のパイプ12とを、中詰めコンクリート17及びボルト16を介して一体化しているが、一体化の手法はこれに限らず、例えば、上記ボルト孔の代わりとして、上記ボルト孔より大きめの貫通孔を複数削孔し、これら貫通孔に鋼棒を差し込んで、第1のパイプ11の内部の空間11bと第2のパイプ12の内部の空間12dとに中詰めコンクリート17を打設することで、第1のパイプ11と第2のパイプ12とを、中詰めコンクリート17及び鋼棒を介して一体化してもよい。また、鋼棒の代わりとして、本線トンネル3の上端部3aから貫通孔を通過してランプトンネル4の上端部4aに延びるPC鋼線(固定手段)を用いて、このPC鋼線を緊張定着させることによって、パイプルーフ21における第1のパイプ11と第2のパイプ12との一体性を高めるようにしてもよい。尚、このPC鋼線を用いる一体化手法は、パイプルーフ22にも適用可能である。
また本実施形態では、複数のパイプ(第1のパイプ11及び第2のパイプ12)は、その長手方向に対して略垂直な方向にアーチ状に配置されているが、これらパイプの配置形状はアーチ状に限らず、例えば、パイプの配置形状として、門型状を採用することも可能である。
図6は、本発明の第2実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す図である。
図3〜図5に示す第1の実施形態と異なる点について説明する。
第1実施形態では、第1のパイプ11がつづみ形の断面形状を有し、第2のパイプ12が円形断面を有しているが、第2実施形態では、第1のパイプ31及び第2のパイプ32が双方共に矩形断面を有している。
また、第2のパイプ32の両側面には、それぞれ、パイプ挿入ガイド用の一対の板状部材(図示せず)が設けられている。これら板状部材は、互いに上下に離間して第2のパイプ32の側面(外周面)から横方向に外方に張り出し、かつ、第2のパイプ32の長手方向に沿って延びて第2のパイプ32に溶接されている。また、これら板状部材間の間隔は、第1のパイプ31の上下寸法により若干大きくなっている。尚、第2のパイプ32の地山への挿入時の安定性が十分に確保される場合には、パイプ挿入ガイド用の板状部材を設けなくてもよい。
パイプルーフ21の構築時には、まず、図6(A)に示すように、複数の第1のパイプ31が、互いに所定間隔を空けて、上記立坑より地山20に順次挿入される。ここで、所定間隔とは、後述する図6(B)にて、第1のパイプ31間に第2のパイプ32が挿入可能なように予め設定された間隔である。
第1のパイプ31の地山20への挿入に際しては、例えば、図示しない回転掘削機を用いて第1のパイプ31挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第1のパイプ31を圧入する。このようにして回転掘削と第1のパイプ31の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第1のパイプ31の内部には空間31aが形成される。
次に、図6(B)に示すように、上記立坑より、隣り合う第1のパイプ31間に第2のパイプ32を挿入する。
第2のパイプ32の挿入に際しては、上述の第1のパイプ31の挿入時と同様に、図示しない回転掘削機を用いて第2のパイプ32挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第2のパイプ32を圧入する。このようにして回転掘削と第2のパイプ32の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第2のパイプ32の内部には空間32aが形成される。
ここで、第2のパイプ32は、矩形断面を有する第1のパイプ31同士の間を補間する形状として、矩形断面を有している。これにより、第1のパイプ31間を、第2のパイプ32によって補間することができるので(換言すれば、第2のパイプ32間を、第1のパイプ31によって補間することができるので)、パイプ間の土砂流出を抑制することができる。
この後に、図6(C)に示すように、第1実施形態と同様の一体化工程を経て、ボルト16によるボルト締結と、パイプの内部の空間31a,32aへの中詰めコンクリート17の打設とにより、第1のパイプ31と第2のパイプ32とを一体化する。
図7は、図6に示した第2実施形態の変形例である。
この変形例では、第1のパイプ41及び第2のパイプ42が双方共に台形断面を有している。ここで、第1のパイプ41は、上底に比べて下底が長い等脚台形状の断面を有する。また、第2のパイプ42は、上底に比べて下底が短い等脚台形状の断面を有する。
第2のパイプ42の両側面には、それぞれ、パイプ挿入ガイド用の一対の板状部材(図示せず)が設けられている。これら板状部材は、互いに上下に離間して第2のパイプ42の側面(外周面)から横方向に外方に張り出し、かつ、第2のパイプ42の長手方向に沿って延びて第2のパイプ42に溶接されている。また、これら板状部材間の間隔は、第1のパイプ41の上下寸法により若干大きくなっている。尚、第2のパイプ42の地山への挿入時の安定性が十分に確保される場合には、パイプ挿入ガイド用の板状部材を設けなくてもよい。
図7に示す変形例では、パイプルーフ21の構築時には、まず、図7(A)に示すように、複数の第1のパイプ41が、互いに所定間隔を空けて、上記立坑より地山20に順次挿入される。ここで、所定間隔とは、後述する図7(B)にて、第1のパイプ41間に第2のパイプ42が挿入可能なように予め設定された間隔である。
第1のパイプ41の地山20への挿入に際しては、例えば、図示しない回転掘削機を用いて第1のパイプ41挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第1のパイプ41を圧入する。このようにして回転掘削と第1のパイプ41の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第1のパイプ41の内部には空間41aが形成される。
次に、図7(B)に示すように、上記立坑より、隣り合う第1のパイプ41間に第2のパイプ42を挿入する。
第2のパイプ42の挿入に際しては、上述の第1のパイプ41の挿入時と同様に、図示しない回転掘削機を用いて第2のパイプ42挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第2のパイプ42を圧入する。このようにして回転掘削と第2のパイプ42の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第2のパイプ42の内部には空間42aが形成される。
ここで、第2のパイプ42は、台形状の断面を有する第1のパイプ41同士の間を補間する形状として、台形状の断面を有している。これにより、第1のパイプ41間を、第2のパイプ42によって補間することができるので(換言すれば、第2のパイプ42間を、第1のパイプ41によって補間することができるので)、パイプ間の土砂流出を抑制することができる。
この後に、図7(C)に示すように、第1実施形態と同様の一体化工程を経て、ボルト16によるボルト締結と、パイプの内部の空間41a,42aへの中詰めコンクリート17の打設とにより、第1のパイプ41と第2のパイプ42とを一体化する。
特に本実施形態によれば、第1のパイプ31及び第2のパイプ32は双方共に矩形断面を有する。また、第1のパイプ41及び第2のパイプ42は双方共に台形断面を有する。すなわち、第1のパイプ31,41及び第2のパイプ32,42を比較的単純な断面形状とすることにより、第3のパイプ13を用いることなくパイプルーフ21,22を構築することができるので、施工工程を低減することができ、ひいては、工期を短縮することができる。
図8は、本発明の第3の実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す。
図3〜図5に示す第1実施形態と異なる点について説明する。
第3実施形態では、第1のパイプ51が円形断面を有し、第2のパイプ12の代わりとして、第2のH形鋼材(第2の形鋼材)52を用いている。
第1のパイプ51は、第1実施形態における第2のパイプ12と同様の構成を有しており、それゆえ、第1のパイプ51の両側面には、それぞれ、一対の板状部材51a,51bが設けられている。尚、板状部材51a,51b間の間隔は、第2のH形鋼材52の上下寸法により若干大きくなっている。
第2のH形鋼材52は上フランジ及び下フランジとこれらフランジ間に位置するウェブとからなり、隣り合う第1のパイプ51同士の間を補間するように、その大きさ及び形状が予め定められている。
パイプルーフ21の構築時には、まず、図8(A)に示すように、複数の第1のパイプ51が、互いに所定間隔を空けて、上記立坑より地山20に順次挿入される。ここで、所定間隔とは、後述する図8(B)にて、第1のパイプ51間に第2のH形鋼材52が挿入可能なように予め設定された間隔である。
第1のパイプ51の地山20への挿入に際しては、例えば、図示しない回転掘削機を用いて第1のパイプ51挿入用の掘削孔を形成しつつ、この回転掘削機に追従するように第1のパイプ51を圧入する。このようにして回転掘削と第1のパイプ51の圧入(挿入)とが同時に行われ、この結果、第1のパイプ51の内部には空間51cが形成される。
次に、図8(B)に示すように、上記立坑より、隣り合う第1のパイプ51間に第2のH形鋼材52を挿入(圧入)する。この圧入時には板状部材51a,51bが第2のH形鋼材52の挿入をガイドすることができるので、H形鋼材挿入時の作業性を向上させることができる。
ここで、第2のH形鋼材52は、隣接する第1のパイプ51同士の間を補間する形状として、H形の断面形状を有している。これにより、第1のパイプ51間を、第2のH形鋼材52によって補間することができるので(換言すれば、第2のH形鋼材52間を、第1のパイプ51によって補間することができるので)、パイプ間及びH形鋼材間の土砂流出を抑制することができる。
この後に、図8(C)に示すように、第1のパイプ51と第2のH形鋼材52との接触箇所を溶接することにより、第1のパイプ51と第2のH形鋼材52とを一体化する。また、第1のパイプ51の内部の空間51cに中詰めコンクリート17を打設する。
特に本実施形態によれば、パイプルーフ21が、円形断面を有する第1のパイプ51と第2のH形鋼材52とにより構成される。これにより、隣接する第1のパイプ51同士の間を、第2のH形鋼材52によって比較的容易に補間することができる。
図9及び図10は、本発明の第4の実施形態におけるパイプルーフの構築方法を示す。
図3〜図5に示す第1実施形態と異なる点について説明する。
第4実施形態では、第1のパイプ11の代わりとして、第1のH形鋼材(第1の形鋼材)61を用いる。
第1のH形鋼材61は上フランジ及び下フランジとこれらフランジ間に位置するウェブとからなり、隣り合う第2のパイプ12同士の間を補間するように、その大きさ及び形状が予め定められている。
パイプルーフ21の構築時には、上述の図3(A)に示した第3のパイプ13の地山20への挿入後に、図9(A)に示すように、上記立坑より、第3のパイプ13の内部の空間13aに第1のH形鋼材61を挿入する。
次に、図9(B)に示すように、第3のパイプ13の内周面と第1のH形鋼材61との間の空間13bに充填材14を充填する。
次に、図9(C)に示すように、第3のパイプ13を地山20より引抜く。
次に、図10(D)に示すように、上記立坑より、隣り合う第1のH形鋼材61間に第2のパイプ12を挿入すると共に、第2のパイプ12の内部に空間12dを形成する。
第2のパイプ12の挿入時には、板状部材12a,12b間に第1のH形鋼材61が位置した状態で、第2のパイプ12が挿入される。これにより、板状部材12a,12bが第2のパイプ12の挿入をガイドすることができるので、パイプ挿入時の作業性を向上させることができる。
ここで、第1のH形鋼材61は、隣接する第2のパイプ12同士の間を補間する形状として、H形の断面形状を有している。これにより、第2のパイプ12間を、第1のH形鋼材61によって補間することができるので(換言すれば、第1のH形鋼材61間を、第2のパイプ12によって補間することができるので)、パイプ間及びH形鋼材間の土砂流出を抑制することができる。
この後に、図10(E)に示すように、第1のH形鋼材61と第2のパイプ12との接触箇所を溶接することにより、第1のH形鋼材61と第2のパイプ12とを一体化する。また、第2のパイプ12の内部の空間12dに中詰めコンクリート17を打設する。
特に本実施形態によれば、地山20に挿入された各第3のパイプ13内に、それぞれ、第1のH形鋼材(第1の形鋼材)61を挿入し、この後に、第3のパイプ13と第1のH形鋼材61との間の空間13bに充填材14を充填する。これにより、複雑な断面形状を有する形鋼材であっても、上述の第1のパイプ11の代わりとして、パイプルーフ21の構成部材として、比較的簡易に精度よく地山20に挿入することができる。
尚、上記第3及び第4実施形態では、隣接するパイプ同士の間に配置される形鋼材としてH形鋼材を例にとってパイプルーフの構築を説明したが、形鋼材は、隣接するパイプ同士の間を補間する断面形状を有するものであればこれに限らず、例えば、形鋼材として、I形鋼材や溝形鋼材を用いてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、2つのトンネルが互いに合流するトンネル合流部の構築を例にとってパイプルーフの構築について説明したが、本発明に係るパイプルーフ及びその構築方法は、自由断面鋼殻構造体(例えば、図11に示すような楕円形断面を有する鋼殻構造体71)の構築に適用可能である。
鋼殻構造体(パイプルーフ)71の構築に際して、上述の第1実施形態におけるパイプルーフ及びその構築方法を適用する場合には、第1のパイプ11及び第2のパイプ12からなる鋼殻構造体71を閉ループ構造として、その内部を掘削することにより、大断面地下スペース72を確保することができる。また、第1のパイプ11及び第2のパイプ12からなる閉ループ構造を任意形状とすることにより、合理的な鋼殻構造体(パイプルーフ)を提供することができる。更に、小径の鋼殻構造体(パイプルーフ)を連続配置し連結することにより、大断面の地下構造物を提供することが可能となる。この地下構造物については、既存の近接構造物との離隔も小さく配置することが可能である。
1 トンネル合流部
2 地面
3 本線トンネル
3a 上端部
3b 下端部
4 ランプトンネル
4a 上端部
4b 下端部
5 領域
6 大断面地下スペース
7 道路
11 第1のパイプ
11a 凹面部
11b 空間
12 第2のパイプ
12a,12b 板状部材
12c 凸面部
12d 空間
13 第3のパイプ
13a,13b 空間
14 充填材
15 ジャンクション部
16 ボルト
17 中詰めコンクリート
20 地山
21,22 パイプルーフ
30,30a,30b セグメント
30S 覆工体
31 第1のパイプ
31a 空間
32 第2のパイプ
32a 空間
40,40a,40b セグメント
40S 覆工体
41 第1のパイプ
41a 空間
42 第2のパイプ
42a 空間
51 第1のパイプ
51a,51b 板状部材
51c 空間
52 第2のH形鋼材
61 第1のH形鋼材
71 鋼殻構造体(パイプルーフ)
72 大断面地下スペース

Claims (14)

  1. 複数のパイプを互いに並列に地山に挿入してパイプルーフを構築する方法であって、
    複数の第1のパイプを互いに離間させて並列に地山に挿入する工程と、
    隣り合う第1のパイプ同士の間を補間する形状を有する第2のパイプを前記第1のパイプ間に挿入する工程と、
    地山に挿入された前記第1のパイプと前記第2のパイプとを一体化する工程と、
    を含み、
    前記第1のパイプと前記第2のパイプとを一体化する工程では、互いに対向する前記第1のパイプの側面と前記第2のパイプの側面とを貫通するボルトによって、前記第1のパイプと前記第2のパイプとをボルト締結することにより、前記第1のパイプと前記第2のパイプとを互いに固定する、パイプルーフの構築方法。
  2. 前記第1のパイプと前記第2のパイプとを一体化する工程では、前記第1のパイプと前記第2のパイプとをボルト締結により互いに固定するに先立って、互いに対向する前記第1のパイプの側面と前記第2のパイプの側面との間の隙間を水で洗浄する、請求項1に記載のパイプルーフの構築方法。
  3. 前記第1のパイプと前記第2のパイプとを一体化する工程では、前記洗浄された前記隙間にセメントミルクを注入する、請求項2に記載のパイプルーフの構築方法。
  4. 前記第1のパイプは、その両側面が凹形状をなす一方、前記第2のパイプは、その両側面が、前記凹形状に対応する凸形状をなす、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のパイプルーフの構築方法。
  5. 前記第2のパイプは円形断面を有し、この円形の外周面の一部が前記凸形状をなす、請求項4に記載のパイプルーフの構築方法。
  6. 前記第1のパイプはつづみ形の断面を有し、その弓形に湾曲する両側面が前記凹形状をなす、請求項4又は請求項5に記載のパイプルーフの構築方法。
  7. 前記第1のパイプを地山に挿入する工程は、
    複数の第3のパイプを互いに離間させて並列に地山に挿入して各第3のパイプ内に空間を形成する工程と、
    各第3のパイプ内に、それぞれ、前記第1のパイプを挿入する工程と、
    前記第3のパイプと前記第1のパイプとの間の空間に充填材を充填する工程と、
    前記第3のパイプを地山より引抜く工程と、
    を含み、
    前記第2のパイプを前記第1のパイプ間に挿入する工程は、前記第2のパイプ内に空間を形成する工程を含む、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のパイプルーフの構築方法。
  8. 前記第1のパイプと前記第2のパイプとを一体化する工程では、前記第1のパイプと前記第2のパイプとをボルト締結により互いに固定した後に、前記第1のパイプの内部の空間と前記第2のパイプの内部の空間とに中詰めコンクリートを打設する、請求項7に記載のパイプルーフの構築方法。
  9. 前記第3のパイプは円形断面を有する、請求項7又は請求項8に記載のパイプルーフの構築方法。
  10. 互いに離間して並列に地山に挿入される複数の第1のパイプと、
    隣り合う第1のパイプ同士の間を補間する形状を有して前記第1のパイプ間に挿入される第2のパイプと、
    を含んで構成され
    前記第1のパイプと前記第2のパイプとは、互いに対向する前記第1のパイプの側面と前記第2のパイプの側面とを貫通するボルトによってボルト締結されることにより互いに固定される、パイプルーフ。
  11. 前記第1のパイプの内部の空間と前記第2のパイプの内部の空間とには中詰めコンクリートが打設される、請求項10に記載のパイプルーフ。
  12. 前記第1のパイプは、その両側面が凹形状をなす一方、前記第2のパイプは、その両側面が前記凹形状に対応する凸形状をなす、請求項10又は請求項11に記載のパイプルーフ。
  13. 前記第2のパイプは円形断面を有し、この円形の外周面の一部が前記凸形状をなす、請求項12に記載のパイプルーフ。
  14. 前記第1のパイプはつづみ形の断面を有し、その弓形に湾曲する両側面が前記凹形状をなす、請求項12又は請求項13に記載のパイプルーフ。
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