本発明を実施するための形態(以下実施形態と省略する)の直流定電圧電源装置は、1次側巻線と2次側巻線とを有するトランスと、1次側巻線と1次側の直流電源との間に接続され1次側巻線に交流電力を供給するスイッチング素子と、1次側巻線に流れる1次側電流を検出する1次側電流検出器と、直流電源から供給される1次側電圧を検出する1次側電圧検出器と、スイッチング素子をオンとするパルス幅が変化するパルス信号を発生する制御部と、2次側巻線に接続され2次側直流電圧を発生する2次側整流平滑回路と、2次側直流電圧を予め定める一定値とする1次側電流と1次側電圧とパルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部とを備え、制御部は、1次側電流と1次側電圧とに応じて記憶部に記憶されているパルス幅を読み出し、2次側直流電圧を一定電圧に制御する。
本発明を実施するための別の形態の直流定電圧電源装置は、入力側に直流電源を接続し、出力側に接続する負荷に直流電力を供給する直流定電圧電源装置であって、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するスイッチング素子と、スイッチング素子をオンとするパルス幅が変化するパルス信号を発生する制御部と、出力側の直流電圧を予め定める一定値とする直流電源から供給される直流電流と直流電源から供給される直流電圧とパルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部とを備え、制御部は、直流電流と直流電圧とに応じて記憶部に記憶されているパルス幅を読み出し、出力側の直流電圧を一定電圧に制御する。
本発明を実施するための形態の充電装置は、1次側巻線と2次側巻線とを有するトランスと、1次側巻線と1次側の直流電源との間に接続され1次側巻線に交流電力を供給するスイッチング素子と、1次側巻線に流れる1次側電流を検出する1次側電流検出器と、直流電源から供給される1次側電圧を検出する1次側電圧検出器と、スイッチング素子をオンとするパルス幅が変化するパルス信号を発生する制御部と、2次側巻線に接続され2次側直流電圧を発生する2次側整流平滑回路と、1次側電流と1次側電圧と基準パルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部とを備え、制御部は、充電時においては、1次側電流を制御することによって2次側に着装されるバッテリーに充電し、充電完了後において、1次側電流と1次側電圧とパルス幅との組み合わせを複数個検出し、組み合わせの1次側電流と1次側電圧とに応じて記憶部に記憶されている基準パルス幅を読み出し、検出された複数個のパルス幅の各々が、基準パルス幅によって定める所定範囲内であるか否かを判断し、複数個のパルス幅のすべてが、所定範囲内であるときにバッテリーを良品であると判定し、複数個のパルス幅のうち1個でも所定範囲内にないときにバッテリーを劣化した不良品であると判定する。
本発明を実施するための別の形態の充電装置は、入力側に直流電源を接続し、出力側にバッテリーを接続する充電装置であって、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するスイッチング素子と、スイッチング素子をオンとするパルス幅が変化するパルス信号を発生する制御部と、直流電源から供給される直流電流と直流電圧と基準パルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部とを備え、制御部は、充電時においては、直流電源から供給される直流電流を制御することによってバッテリーに充電し、充電完了後において、直流電流と直流電圧とパルス幅との組み合わせを複数個検出し、組み合わせの直流電流と直流電圧とに応じて記憶部に記憶されている基準パルス幅を読み出し、検出された複数個のパルス幅の各々が、基準パルス幅によって定める所定範囲内であるか否かを判断し、複数個のパルス幅のすべてが、所定範囲内であるときにバッテリーを良品であると判定し、複数個のパルス幅のうち1個でも所定範囲内にないときにバッテリーを劣化した不良品であると判定する。
(実施形態の直流定電圧電源装置)
図1は、実施形態の直流定電圧電源装置を示す図である。実施形態の直流定電圧電源装置の原理について図1を参照して説明をする。
図1に示す直流定電圧電源装置1は、DC-DC(ディーシー・ディーシー)コンバータ部(直流・直流変換器部)10と制御部20とを有している。
DC-DCコンバータ部10の1次側(入力側)には、1次側ターミナルTp1、1次側ターミナルTp2を介して直流電源30が接続可能とされている。2次側(出力側)には、2次側ターミナルTs1、2次側ターミナルTs2を介して負荷40が接続可能とされている。1次側と2次側とはトランス101で絶縁されている。トランス101は1次側巻線102と2次側巻線103とを有し、1次側巻線102と2次側巻線103とは同一のコア104に巻回されている。1次側巻線102は巻数がNpとされ、2次側巻線103は巻数がNsとされている。1次側巻線102は励磁インダクタLpを有している。
DC-DCコンバータ部10の1次側には、1次側巻線102に対して直列に抵抗105とスイッチング素子106とが接続されている。1次側巻線102の一端は1次側ターミナルTp1に接続され、1次側巻線102の他端、抵抗105及びスイッチング素子106からなる直列回路は1次側ターミナルTp2に接続されている。
抵抗105は、直流電源30からDC-DCコンバータ部10の1次側に流れ込む電流Ipを検出するための抵抗である。DC-DCコンバータ部10が伝送する電力に比べて抵抗105で消費される電力が無視できるほど小さくなるように抵抗105の抵抗の値は小さく設定されている。
スイッチング素子106は、制御部20からのスイッチング素子駆動信号Sdに応じてON/OFF(オン/オフ:導通/切断)する半導体素子である。スイッチング素子駆動信号Sdは、スイッチング素子106をオンとするパルス幅が変化するパルス信号である。実施形態ではスイッチング素子106は、MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)で形成されている。
DC-DCコンバータ部10の2次側の2次側巻線103には、ダイオード108とコンデンサ109とを有する2次側整流平滑回路が接続されている。コンデンサ109の両端は2次側ターミナルTs1、2次側ターミナルTs2の各々に接続されている。2次側ターミナルTs1、2次側ターミナルTs2には負荷40が接続され、DC-DCコンバータ部10の2次側から負荷40に対して電圧Eoが供給され電流Ioが流れる。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)201、第1のA/Dコンバータ(エーディ・コンバータ)202、第2のA/Dコンバータ(エーディ・コンバータ)203、PWM変調器(ピー・ダブリュウ・エム・コンバータ)204及びスイッチング素子ドライバ205を有して形成されている。A/Dコンバータ202は1次側ターミナルTp1に接続され、A/Dコンバータ203は抵抗105に接続されている。ここで、DC-DCコンバータ部10のグランドGNDと制御部20のグランドGNDとは図1に図示するように1次側ターミナルTp2と共通グランドとされている。
1次側電圧検出器として機能するA/Dコンバータ202に直流電源30の発生する電圧Edが入力される。A/Dコンバータ202の耐電圧に応じて、電圧Edを分圧して入力するようにしても良い。又、1次側電流検出器として機能するA/Dコンバータ203に抵抗105の両端に発生する電圧Vs(電流Ipに応じた電圧)が入力される。電圧VsはDC-DCコンバータ部10の1次側に流れる電流Ipに比例した電圧であり、抵抗105の値を予め既知の値に設定しているのでA/Dコンバータ203は電流Ipを検出することができる。
CPU201は、DC-DCコンバータ部10を制御する中心となる部分である。CPU201は、その内部に、いずれも図示しない、プログラムを格納するROM(ロム)、一時的な記憶のためのメモリであるRAM(ラム)を有している。CPU201と、A/Dコンバータ202と、A/Dコンバータ203と、PWM変調器204とはバスラインを介して接続されている。
A/Dコンバータ202は、直流電源30からDC-DCコンバータ部10の1次側に供給される電圧のアナログ値である電圧Edをデジタル値DEdに変換し、CPU201の求めに応じてデジタル値DEdをCPU201に送出する。A/Dコンバータ203は、直流電源30からDC-DCコンバータ部10の1次側に供給される電流Ipに応じたアナログ値である電圧Vsをデジタル値DVsに変換し、CPU201の求めに応じてデジタル値DVsをCPU201に送出する。
PWM変調器204は、CPU201でおこなわれる制御演算結果のデジタル値Doに応じてPWM信号(Pulse Width Modulation信号:パルス幅変調信号)Opwmを発生させる。PWM信号Opwmはパルス幅のデユーティ・ファクタがTon/Tsで表される信号である。時間Tonはスイッチング素子106をONとする信号を発生する時間である。又、時間Tsは1周期の時間である。ここで、スイッチング素子106をOFFとする信号を発生する時間を時間Toffとして、時間Ts=時間Ton + 時間Toffである。PWM信号Opwmは時間Tsを1周期として、繰り返して発生する。
スイッチング素子ドライバ205は、スイッチング素子106を駆動する信号であるスイッチング素子駆動信号Sdを発生する。スイッチング素子ドライバ205が遅れることなく動作する場合には、スイッチング素子駆動信号Sdのデユーティ・ファクタDfの値と、PWM信号Opwmのデユーティ・ファクタTon/Tsとは一致する。さらに、PWM信号Opwmのデユーティ・ファクタTon/Tsは、CPU201から出力されるデジタル値Doに対応する。PWM変調器204における変換誤差がない場合には、デジタル値Doが表わすデユーティ・ファクタとPWM信号Opwmのデユーティ・ファクタとは一致する。
図1に示す直流定電圧電源装置1は、制御部20が1次側にのみ接続されており、2次側と制御部20とは接続されていない点を特徴とする。
以下、数式を参照して、図1に示す直流定電圧電源装置1の動作について説明をする。以下の数式において、Ipは1次側の電流Ip、Edは1次側の電圧Ed、Lpは1次側巻線102によって形成される励磁インダクタLpのインダクタンス、Tonは時間Ton、Tsは時間Ts、Npは1次側巻線102の巻数、Nsは2次側巻線103の巻数、Ioは2次側の電流Ioを各々表すものである(図1を参照)。
電流Ipは数式1で表される。第1項は励磁電流を表し、第2項は負荷40に流れる電流を1次側に換算した電流を表す。
Ip = Ed/Lp × Ton/Ts + Ns/Np × Io・・・・数式1
抵抗105の両端の電圧Vsは数式2で表される。
Vs = Rs × Ip ・・・・数式2
数式1と数式2とから数式3が得られる。
Io = Np/Ns × (Vs /Rs - Ed /Lp × Ton/Ts)・・・・数式3
数式1ないし数式3は、図1に示す直流定電圧電源装置1が無損失であるとして導いてきた。直流定電圧電源装置1に損失がある場合には、これ以上の数式の展開は簡単ではない。しかしながら、EoとEdとVsとTon/Tsとの間には、以下の数式4に示す関係があることに本願の願書に記載の発明者ら(以下、発明者ら、と記載を省略する)は注目をして、これから先の理論展開を図った。以下において、デユーティ・ファクタDf=Ton/Tsとして説明をする。
Eo = f(Ed, Vs, Df)・・・・数式4
数式4の意味するところは以下である。DC-DCコンバータ部10の2次側ターミナルTs1、2次側ターミナルTs2を介して接続された負荷40に供給される電圧Eoは、電圧Edと電圧Vs(電流Ip)とデユーティ・ファクタDfとの関数となっているということである。
そして、数式4に示す関数が特定できれば、電圧Eoの値は、電圧Ed、電圧Vs、デユーティ・ファクタDfによって特定できることになる。ここで、電圧Edは直流電源30の性能、状態によって定まるものであるので制御部20では電圧Edの値それ自体は制御をすることができない。しかしながら、図1に示す構成によって、CPU201は電圧Edの値を検出することができる。又、デユーティ・ファクタDfは制御部20が自ら決定することができるものである。よって、制御部20では、電圧Edの値、電圧Vsの値をCPU201に入力して、デユーティ・ファクタDfを制御演算結果のデジタル値Doとして出力する演算をおこなって電圧Eoの値を定められることとなる。
さらに、数式4は、図1に示された直流定電圧電源装置1に図示しないハードウエアで構成された実際の直流定電圧電源装置に内在するすべての付随成分を含んでいる。すべての付随成分とは、例えば、図1に表わされた励磁インダクタLp以外の損失成分と負荷の特性に応じて生じる図1に示す回路図には図示しない成分である。
数式4に含まれる図1に示す回路図には図示しない損失成分の代表的なものは、配線及びトランス101の銅損(1次側巻線102と2次側巻線103の銅損)、トランス101のコア104の鉄損、コンデンサ109の誘電体損、スイッチング素子106の順方向損失及びスイッチング損失、ダイオード108の順方向損失及びスイッチング損失である。これらの直流定電圧電源装置の損失成分は、数式1ないし数式3には表されていないが、数式4はこれらの影響をすべて含んでいる。
数式4は、負荷40の特性を暗黙(implicit)に含んでいる。ここで、負荷40の特性が、抵抗負荷であるか、誘導性負荷であるか、容量性負荷であるかにかかわらず、負荷の状態は数式4に含まれる。又、負荷40が線形特性を有しない場合も負荷の状態は数式4に含まれる。現実の直流定電圧電源装置においては、負荷40の特性に応じて直流定電圧電源装置の動作が影響を受ける。例えば、負荷40が抵抗負荷であるか、誘導性負荷であるか、容量性負荷であるかに応じて、電流Ipの波形に異なりが生じ、直流定電圧電源装置の損失成分の大きさにも異なりを生じる。これらは、数式1ないし数式3には表されていないが、数式4はこれらの影響をすべて含んでいる。
数式4は、数式化が困難である損失成分を含み、又、数式化が困難である負荷の特性を含んでいる点で本実施形態においては重要な数式である。しかしながら、厳密式として数式4を特定することは困難である。例えば、負荷40がバッテリーである場合には、化学変化が介在するので、現実問題として、厳密式として数式4を特定することは困難である。
そこで、発明者らは、図1に回路図で示された直流定電圧電源装置1を現実に製造して、現実の負荷を接続し、実験結果を得て、この実験結果によって得られた実験データに基づいて数式4を用いることを考え付くに至った。
発明者らが現実に製造した図1に回路図で示された直流定電圧電源装置を直流定電圧電源装置1Rと表記する。又、発明者らが現実に用いた負荷を負荷40Rと表記する。又、発明者らが現実に用いた直流電源を直流電源30Rと表記して以下に説明をする。
直流定電圧電源装置1Rは上述したように、図1に示す直流定電圧電源装置1に損失等の付随成分が付加された現実の直流定電圧電源装置である。又、負荷40Rは、可変抵抗器である。直流電源30Rは、安定化直流電源であり、図1に示す理想電源(出力インピーダンスはゼロ、電圧変動はゼロ)である直流電源30と略同じである。
直流定電圧電源装置1Rは、以下のようにして製造された。装置を構成する主要部品である、トランス101、スイッチング素子106、抵抗105、ダイオード108、コンデンサ109としては同一製造者の同一型番の部品を使った。そして、これらの部品を同一のプリント基板(図示せず)に配置して、配線パターン、部品相互の位置関係が同一となるようにした。このような製造方法は一般の市販装置においておこなわれる通常の方法である。
このようにして製造された複数個の直流定電圧電源装置1Rの個体間の特性のばらつきはほとんどなかった。ここで、特性のばらつきの検査は、上述したように、負荷40Rとして可変抵抗器を用い、直流電源30Rとしては電圧可変の安定化直流電源を用いておこなった。
具体的には、特性のばらつきの検査は以下のようにおこなった。まず、1個の直流定電圧電源装置1Rについて以下のようにしてデータを収集した。
直流電源30Rの電圧Edの値をEd1と一定にし、負荷40Rの抵抗の値を順次低減させながら、負荷40Rの両端の電圧Eoを電圧計で検出して電圧Eoの値をEoと一定するようにCPU201から出力されるデジタル値DoをDo設定端子(図1を参照)に接続されたホストコンピュータ(図示しない)によって設定した。
このときに、電圧Vs(電流Ipに対応する)の値がΔVs(ΔIs)ずつ増加するようにし、予め定めた値であるVs1、Vs2、・・・・Vs(n-1)、Vsnとなるように負荷40Rの抵抗の値を変化させた。ΔVs(ΔIs)は予め定めた所定値である。そして、このときの、スイッチング素子駆動信号Sdのデユーティ・ファクタDfの値であるDf11、Df12、・・・・Df1(n-1)、Df1nをオシロスコープから読み取った。電圧Vsの値がVs1のときのデユーティ・ファクタDfの値がDf11であり、デジタル値Doの値がDo11である。ここで、Df11の最初の添え字は直流電源30Rの電圧Edの値をEd1にすることを意味し、Df11の2番目の添え字は電圧Vs1に対応することを意味する。
同様に、電圧Vsの値がVsnのときのデユーティ・ファクタDfの値がDf1nであり、デジタル値Doの値がDo1nである。なお、A/Dコンバータ202に入力されるアナログの電圧Edの値がEd1V(ボルト)の場合には、A/Dコンバータ202からデジタル値DEd1が出力される。又、負荷40Rの抵抗の値は、電圧Vsの値がVs1のときにR11、電圧Vsの値がVs2のときにR12、・・・・電圧Vsの値がVs(n-1)のときにR1(n-1)、電圧Vsの値がVsnのときにR1nであった。
さらに、同様にして、複数個の直流定電圧電源装置1Rについて、予め定めた値であるVs1、Vs2、・・・・Vs(n-1)、Vsnに対する複数個の直流定電圧電源装置1Rの各々について、Df11、Df12、・・・・Df1(n-1)、Df1nの値と、Do11、Do12、・・・・Do1(n-1)、Do1nの値と、このときのR11、R12、・・・・R1(n-1)、R1nのデータを収集した。ここで、Do11の最初の添え字は直流電源30Rの電圧Edの値をEd1にすることを意味し、Do11の2番目の添え字は電圧Vs1に対応することを意味する。
そして、発明者らは、複数個の直流定電圧電源装置1Rの相互間における、予め定めた値であるVs1、Vs2、・・・・Vs(n-1)、Vsnに対するDf11、Df12、・・・・Df1(n-1)、Df1nの値と、Do11、Do12、・・・・Do1(n-1)、Do1nの値と、このときのR11、R12、・・・・R1(n-1)、R1nの値のデータの内容がほとんど誤差なく一致していることを確かめた。そして、直流定電圧電源装置1R間の特性のばらつきはほとんどないことを確かめた。
さらに、発明者らは、直流電源30Rの電圧Edの値をEd1からEd2に変化させて電圧Eoの値を一定にするようにした。このときに、同様にして、複数個の直流定電圧電源装置1Rについて、予め定めた値であるVs1、Vs2、・・・・Vs(n-1)、Vsnに対する複数個の直流定電圧電源装置1Rの各々について、Df21、Df22、・・・・Df2(n-1)、Df2nの値と、Do21、Do22、・・・・Do2(n-1)、Do2nの値と、このときのR21、R22、・・・・R2(n-1)、R2nのデータを収集した。そして、直流定電圧電源装置1R間の特性のばらつきはほとんどないことを確かめた。なお、A/Dコンバータ202に入力されるアナログの電圧Edの値がEd2V(ボルト)の場合には、A/Dコンバータ202からデジタル値DEd2が出力される。
さらに、発明者らは、直流電源30Rの電圧Edの値をEdmに変化させて電圧Eoの値を一定にするようにした。このときに、同様にして、複数個の直流定電圧電源装置1Rについて、予め定めた値であるVs1、Vs2、・・・・Vs(n-1)、Vsnに対する複数個の直流定電圧電源装置1Rの各々について、Dfm1、Dfm2、・・・・Dfm(n-1)、Dfmnの値と、Dom1、Dom2、・・・・Dom(n-1)、Domnの値と、Rm1、Rm2、・・・・Rm(n-1)、Rmnのデータを収集した。そして、直流定電圧電源装置1R間の特性のばらつきはほとんどないことを確かめた。
スイッチング素子ドライバ205が遅れることなく動作し、PWM変調器204に誤差がない場合には、スイッチング素子駆動信号Sdのデユーティ・ファクタDf11、Df12、・・・・Df1(n-1)、Df1nの値と、PWM信号Opwmのデユーティ・ファクタ(Ton/Ts)11、(Ton/Ts)12、・・・・(Ton/Ts)1(n-1)、(Ton/Ts)1nの値と、CPU201が出力するDo11、Do12、・・・・Do1(n-1)、Do1nの値が示すデユーティ・ファクタの値とは一致する。よって、CPU201が出力するDo11、Do12、・・・・Do1(n-1)、Do1nの値に基づき制御をおこなつても、直流定電圧電源装置1R間の特性のばらつきはほとんど生じない。
以上の結果に基づき発明者らは、以下の知見を得た。すなわち、1次側から得られる情報である、直流電源30Rの電圧Edの値、抵抗105の両端から検出する電圧Vs(電流Ip)の値から、直流定電圧電源装置1Rについて、予め検出しておいたデユーティ・ファクタに対応するデジタル値Doを参照して電圧Eoの値を一定に保つことができるとの知見を得た。
直流定電圧電源装置1Rの制御に際して、負荷40Rの特性の情報はなんら用いていないので、このような制御をおこなう場合において負荷の性格(例えば、抵抗性、誘導性、容量性等)は何ら特定されるものでない。例えば、化学変化を伴う素子であるバッテリーが負荷40Rである場合においても、本実施形態の直流定電圧電源装置1Rにおいては、負荷の性格になんら考慮を払うことなく制御が可能である。
(実施例)
表1を参照して実施例について説明をする。実施例は図1に示す直流定電圧電源装置1を実際に製造した直流定電圧電源装置1Rについてのデータを示すものである。電圧Eoは5V(ボルト)一定となるように設定し、電圧Edを9Vから12.57Vまで変化させ、電流Ioを1A(アンペア)から5Aまで変化させた。
表1はデジタル値DEdとデジタル値DVsとに対する、デジタル値Doの値を表にしたものである。
表1の左側のデジタル値DEdについて説明をする。1行目の数値1618は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが9Vにおけるデジタル値DEd1である。2行目の数値1699は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが9.451Vにおけるデジタル値DEd2である。3行目の数値1778は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが9.890Vにおけるデジタル値DEd3である。4行目の数値1860は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが10.35Vにおけるデジタル値DEd4である。5行目の数値1940は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが10.79Vにおけるデジタル値DEd5である。6行目の数値2021は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが11.24Vにおけるデジタル値DEd6である。7行目の数値2101は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが11.69Vにおけるデジタル値DEd7である。8行目の数値2180は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが12.13Vにおけるデジタル値DEd8である。9行目の数値2260は直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが12.57Vにおけるデジタル値DEd9である。
表1の上側のデジタル値DVsについて説明をする。1列目の数値74は抵抗105から得られるアナログの電圧Vs1に対応するデジタル値DVs1である。2列目の数値139は抵抗105から得られるアナログの電圧Vs2に対応するデジタル値DVs2である。3列目の数値209は抵抗105から得られるアナログの電圧Vs3に対応するデジタル値DVs3である。4列目の数値285は抵抗105から得られるアナログの電圧Vs4に対応するデジタル値DVs4である。5列目の数値369は抵抗105から得られるアナログの電圧Vs5に対応するデジタル値DVs5である。6列目の数値466は抵抗105から得られるアナログの電圧Vs6に対応するデジタル値DVs6である。
表1のDoは、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力するデジタル値Do11の値(左上隅の数値886)からデジタル値DEd9とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力するデジタル値Do96の値(右下隅の数値874)までを表わしたものである。すなわち、表1のDoは、電圧Eoを5V一定とするためにCPU201が出力するデジタル値である。
制御部20のCPU201は、制御部20のRAM又はROMに書き込まれた表1に示すデータを参照して、デジタル値Doを出力する。例えば、直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが9V(デジタル値DEd1の数値は1618)であり、抵抗105から得られるアナログの電圧Vs(DVs1の数値は74)であることを検出した場合には、デジタル値DoとしてDo11(デジタル値Do11の数値は886)を出力する。
又、制御部20のCPU201は、例えば、直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが9.890V(デジタル値DEd3の数値は1778)であり、抵抗105から得られるアナログの電圧Vs1に対応するデジタル値DVs1の数値が74であることを検出した場合には、デジタル値DoとしてDo31(デジタル値Do31の数値は809)を出力する。
又、制御部20のCPU201は、例えば、直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが12.57V(デジタル値DEd9の数値は2260)であり、抵抗105から得られるアナログの電圧Vs2に対応するデジタル値DVs2の数値が139であることを検出した場合には、デジタル値DoとしてDo92(デジタル値Do92の数値は663)を出力する。
又、制御部20のCPU201は、例えば、直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edが11.24V(デジタル値DEd6の数値は2021)であり、抵抗105から得られるアナログの電圧Vs4に対応するデジタル値DVs4の数値が285であることを検出した場合には、デジタル値DoとしてDo64(デジタル値Do64の数値は868)を出力する。
同様にして、制御部20のCPU201は、直流電源30Rから出力されるアナログの電圧Edに対応するデジタル値DEdの値を検出し、抵抗105から得られるアナログの電圧Vsに対応するデジタル値DVsを検出して、表1を参照することによって得られるデジタル値Doを出力する。表1にないデジタル値DEdの値を検出し、表1にないデジタル値DVsを検出した場合には、切下げ、切上げ、四捨五入のいずれかの演算をおこない、表1を参照して、対応するデジタル値Doを出力する。
要するに、本実施形態の別の直流定電圧電源装置は、m個の1次側電流及びn個の1次側電圧に対応するm×n個のパルス幅をRAM、又はROMに予め記憶しておく。1次側電流及び1次側電圧を検出する毎にRAM又はROMを参照して該当するパルス幅のパルス信号(スイッチング素子駆動信号Sd)を出力することによって、2次側から出力する直流電圧を一定値に保つことができる。直流定電圧電源装置の回路構成の異なり、回路動作の異なり、さらには、負荷の特性の異なりは、すべて、RAM、又はROMに予め記憶されるm×n個のパルス幅に反映されるので、これらの種々の異なりによらず実施が可能となる。
以上述べたように、本実施形態の直流定電圧電源装置は、トランスを用いるコンバータにおいては、1次側に流れる電流及び1次側に印加される電圧を検出することによって、商用電力が供給される1次側のみを制御しトランスによって1次側と分離された2次側の直流電圧を一定の電圧にするという効果がある。そして、1次側と2次側との絶縁分離は、トランスによってなされる。制御系に入力される信号について、1次側と2次側を絶縁するためのフォトカプラー等の部品は不要である。よって、1次側の電圧と2次側の電圧とが大きく異なる場合においても、トランス以外の1次側と2次側とを分離するための高絶縁耐圧を要する部品は不要であり、1次側と2次側との間の絶縁分離を容易にすることができる。
上述した直流電圧の制御方法は、どのような直流定電圧電源装置においても実施可能である。例えば、上述したようなオン・オン型のフォワードコンバータについて実施可能であるのみならず、オン・オフ型のフライバックコンバータについても同様に実施可能である。又、シングルスイッチング素子コンバータ、ハーフブリッジコンバータ、フルブリッジコンバータ等の種々のトランスを用いた回路を採用する場合においても実施可能である。さらに、トランスを用いない、バックコンバータ、ブーストコンバータ、SEPIC、Zeta、Cukの各種コンバータにおいても実施可能である。すなわち、入力側に直流電源を接続し、出力側に負荷を接続し直流電力を供給する、すべてのDC-DCコンバータ(直流・直流変換器)において実施が可能である。また、入力側に接続される直流電源は、商用交流電源からの交流電力を直流電力に変換することによって得られるものであってもよい。
要するに、上述した本実施形態の直流定電圧電源装置は、1次側巻線102と2次側巻線103とを有するトランス101と、1次側巻線102と1次側の直流電源30との間に接続され1次側巻線102に交流電力を供給するスイッチング素子106と、1次側巻線102に流れる1次側電流(電流Ip)を検出する1次側電流検出器(抵抗105、A/Dコンバータ203)と、直流電源から供給される1次側電圧(電圧Ed)を検出する1次側電圧検出器(A/Dコンバータ202)と、スイッチング素子106をオンとするパルス幅が変化するパルス信号(スイッチング素子駆動信号Sd)を発生する制御部20と、2次側巻線103に接続され2次側直流電圧(電圧Eo)を発生する2次側整流平滑回路(ダイオード108、コンデンサ109)と、2次側直流電圧(電圧Eo)を予め定める一定値とする1次側電流(抵抗105の両端から検出する電圧Vs)と1次側電圧(電圧Ed)とパルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部(RAM、又は、ROM)とを備える。制御部20は、1次側電流(電流Ip)と1次側電圧(電圧Ed)とに応じて記憶部に記憶されているパルス幅を読み出し、2次側直流電圧(電圧Eo)を一定電圧に制御する。
以上述べたように、トランスを用いるコンバータにおいては、1次側に流れる電流及び1次側に印加される電圧を検出することによって、2次側の直流電圧を一定の電圧にするという効果がある。そして、1次側と2次側との絶縁分離は、トランスによって可能であり、制御系に入力される信号について、1次側と2次側を絶縁するためのフォトカプラー等の部品は不要である。よって、1次側の電圧と2次側の電圧が大きく異なる場合においても、1次側と2次側との絶縁分離を容易にすることができる。
(バッテリーの劣化検出機能付き充電装置)
図1に示す実施形態の直流定電圧電源装置は、制御部20における制御方法を直流定電圧電源装置1と異ならせることによって、充電装置としても機能させることができる。図2は実施形態のバッテリーの充電装置2を示す図である。
図2に示す充電装置2は、負荷40としてバッテリーを用いるので、以下の説明においては、バッテリー40と符号を付して説明をする。
図2に示す充電装置2の各構成部分において、図1と同様の構成部には同一の符号を付して説明を省略する。直流電源30は、例えば、太陽電池とバッテリーの組み合わせ(図示せず)、商用交流電源からの交流電力を直流電力に変換し、この直流電力によって充電されるバッテリー(図示せず)、風力発電装置とバッテリーの組み合わせ(図示せず)等の種々の直流電源が用いられる。
図3は別の実施形態の充電装置3を示す図である。図3に示すバッテリーの劣化検出機能付き充電装置3は、図1に示す直流定電圧電源装置1の各部に加え、さらに、商用交流電源からの交流電力を直流電力に整流する整流平滑部50を備えている。
整流平滑部50は、商用交流電源(図示せず)と接続するためのプラグ501を有している。又、ブリッジ接続されるダイオードブリッジ502を有している。又、コンデンサ503を有している。商用交流電源は、単相100V(実効値)、又は、200V(実効値)の50Hz、又は、60Hzの交流電力を出力する。ダイオードブリッジ502は、交流電力を整流し脈流電力に変換する。コンデンサ503は脈流電力を平滑し、コンデンサ503の両端から直流電力を得る。商用交流電源の実効値が100Vの場合には、コンデンサ503の両端から得られる直流電圧の値は、141V付近である。商用交流電源の実効値が200Vの場合には、コンデンサ503の両端から得られる直流電圧の値は、282V付近である。
なお、商用交流電源が3相200V (実効値)の50Hz、又は、60Hzの交流電力を出力する場合には3相の整流回路(図示せず)を設けることによって対応が可能となる。
図4は、さらに別の実施形態のバッテリーの充電装置4を示す図である。図4に示すバッテリーの充電装置4は力率改善部60を備える。力率改善部60を設ける場合においては、整流平滑部50のコンデンサ503の容量を小さくするか又はコンデンサ503を設けないようにして平滑されない全波整流波形が力率改善部60に入力されるようにする。
コンバータ部10に接続される力率改善部60は、任意の定電圧の電圧Edをコンバータ部10に対して出力する。このような、力率を改善するとともに任意の定電圧を出力する力率改善部60は周知技術である。力率改善部60を有する構成を採用する場合には、力率を改善し、さらに、コンバータ部10に供給される電圧Edの値を任意の一定電圧とすることができる。電圧Edの値は、力率改善部を周知技術である昇圧コンバータとして構成する場合には、商用交流電源から得られる最大電圧よりも高圧となる。力率改善部60を備える充電装置4は、力率改善部60を備える分、高価なものとなる。一方、力率改善部60を備えない充電装置3はより低価格で供給できる。
充電装置2、1次側整流回路を備える充電装置3、又は力率改善部60を備える充電装置4において、コンバータ部10の構成は、図1に示すものと同様であるが、例えば、1次側の電圧が141V以上である。又、例えば、2次側の電圧が400V程度であるとする場合においては、トランス101、スイッチング素子106は、これに対応するものとなる。トランス101の1次側巻線102、2次側巻線103は、各々、1次側電圧、2次側電圧に対応したものとなり、スイッチング素子106の耐圧もこれに対応したものとなる。
バッテリーの劣化検出機能付き充電装置2、バッテリーの劣化検出機能付き充電装置3、バッテリーの劣化検出機能付き充電装置4においては、バッテリー40は、例えば、400Vの電圧を発生する自動車用のバッテリーである。バッテリー40とコンバータ部10とは着脱可能とされる専用のコンセント(図示せず)によって接続又は切断ができるようにされている。
制御部20の構成は、図1に示すものと同様であるが、電圧Edは分圧されA/Dコンバータ202に入力される。又、制御部20のCPU201は、バッテリー40の充電の演算処理と劣化の検出(劣化検出)の演算処理とをおこなう。又、スイッチング素子ドライバ205は、スイッチング素子106をドライブするに十分な電圧を発生する。
劣化していない、充電済みの良品のバッテリー40を用い、電圧Edを予め定める所定範囲で変化させ、電圧Vsを予め定める所定範囲で変化させて、そのときの、デジタル値Doの値を求める。良品のバッテリー40についてのデジタル値Doの値は、バッテリー40が良品であるか否かを、すなわち、特性が良好な良品のバッテリーであるか、特性が劣化した不良品のバッテリーであるかを判断する基準パルス幅となるものである。よって、同一規格のバッテリーについて、劣化検出時に用いると同一の電圧Edと劣化検出時に用いると同一の電圧Vsとに対する複数個のデジタル値Doを求め、基準パルス幅の最大値と基準パルス幅の最小値、又は、基準パルス幅の平均値とばらつきの範囲を予め求めておく。
表2のDoは、デジタル値DEdとデジタル値DVsとに対応するCPU201が出力するデジタル値Doの値(基準パルス幅)を求めたものである。
表2は以下を示すものである。同一型番の複数個の良品のバッテリー40充電装置の負荷として接続する。そして、バッテリー40を充電した後に、バッテリー40に電流を流し、デジタル値DEdとデジタル値DVsとに対するデジタル値Doの値を測定する。複数個の良品のバッテリー40について統計処理をしたのが表2である。表2において添え字がMAXを付したものは複数個の良品のバッテリー40のうちのデジタル値Doの最大値を示し、添え字がMINを付したものは複数個の良品のバッテリー40のうちのデジタル値Doの最小値を示す。
具体的には以下のようにする。デジタル値DEdとデジタル値DVsとに対応するCPU201が出力するデジタル値Doの値、例えば、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力するデジタル値Do11の値を求める。同一型番のバッテリーであっても、デジタル値Doの値にはばらつきが生じるので、その複数個のうちの最大のデジタル値Do11の値をDo11MAXとし、その複数個のうちの最小のデジタル値Do11の値をDo11MINとし表2に書き込む。具体的には、制御部20に配されるRAM又はROMに表2の内容をテーブルとして書き込む。
デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力する最大のデジタル値Do11MAXの値、・・・・デジタル値DEd1とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力する最大のデジタル値Do16MAXの値、・・・・デジタル値DEd4とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力する最大のデジタル値Do41MAXの値、デジタル値DEd4とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力する最大のデジタル値Do46MAXの値、・・・・デジタル値DEd9とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力する最大のデジタル値Do91MAXの値、・・・・デジタル値DEd9とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力する最大のデジタル値Do96MAXの値が、制御部20のRAM又はROMに書き込まれている。ここで、デジタル値Do11MAX・・・デジタル値Do96MAXの各々は、最大基準パルス幅の1つの実施形態である。
また、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力する最小のデジタル値Do11MINの値、・・・・デジタル値DEd1とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力する最小のデジタル値Do16MINの値、・・・・デジタル値DEd4とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力する最小のデジタル値Do41MINの値、デジタル値DEd4とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力する最小のデジタル値Do46MINの値、・・・・デジタル値DEd9とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力する最小のデジタル値Do91MINの値、・・・・デジタル値DEd9とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力する最小のデジタル値Do96MINの値が、制御部20のRAM又はROMに書き込まれている。ここで、デジタル値Do11MIN・・・デジタル値Do96MINの各々は、最小基準パルス幅の1つの実施形態である。
充電が完了した後の、良品であるか不良品であるか不明のバッテリー40を負荷として充電装置2を動作させる。このとき、バッテリー40が良品であれば、例えば、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doは表2のDo11MAXとDo11MINの範囲にあるものとなる。また、例えば、デジタル値DEd4とデジタル値DVs3とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doは表2のDo43MAXとDo43MINの範囲にあるものとなる。また、例えば、デジタル値DEd9とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doは表2のDo96MAXとDo96MINの範囲にあるものとなる。このようにして、バッテリー40が良品であることを検出できる。ここで、デジタル値Doの測定の数がより大きければ、検出の精度はより向上する。
一方、例えば、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doは表2のDo11MAXとDo11MINの範囲にない場合にはバッテリー40を不良品であると判定する。また、例えば、デジタル値DEd4とデジタル値DVs3とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doは表2のDo43MAXとDo43MINの範囲にない場合にはバッテリー40を不良品であると判定する。また、例えば、デジタル値DEd9とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doは表2のDo96MAXとDo96MINの範囲にない場合にはバッテリー40を不良品であると判定する。このようにして、複数個の条件でデジタル値Doを検出してそのうちの一つでも最大基準パルス幅と最小基準パルス幅の間、すなわち、所定の範囲、にない場合には、バッテリー40は劣化した不良品であるとして検出できる。ここで、デジタル値Doの測定の数がより大きければ、検出の精度はより向上する。
図2に示す充電装置2、図3に示す充電装置3、においては、電圧Vsに対応するデジタル値DVsは制御部20のCPU201の制御によって自由に選択が可能である。しかしながら、電圧Edに対応するデジタル値DEdの値は、直流電源30、又は、商用交流電源及び整流平滑部50によって定まるので制御部20は制御をすることができない。そのために、バッテリー40の良否判定に際して、選択できるデジタル値DEdの値の範囲は限られる。この結果、バッテリー40の良否判定の精度向上には限界がある。精度向上に限界が生じる理由の一つは、狭い範囲のデジタル値DEdに関するデジタル値Doしか得られないことである。例えば、デジタル値DEdはデジタル値DEd1と固定され、デジタル値DVsをデジタル値DVs1〜デジタル値DVs6の範囲で変化させてそのときのデジタル値Doを検出できるに過ぎないからである。
精度向上に限界が生じる他の理由は、デジタル値DEdを自由に変化させることができないので、制御部20のRAM又はROMに書き込まれているデジタル値DEdに該当する値がないことがあり得るためである。この場合には、制御部20が検出するデジタル値DEdの値を切下げ、切上げ、四捨五入して、テーブルを適用することになるので精度が低下する。精度の低下を防ぐ目的で制御部20のRAM又はROMに書き込まれているデジタル値DEdの情報量を増加させるためには、より大きな記録容量が必要とされる。また、デジタル値DEdとデジタル値DVsとに対応するデジタル値Doを実験によって求める手間が必要となり、デジタル値DEdの情報量を増加させ、その結果としてデジタル値Doの情報量も増加させるには限界がある。
図4に示す充電装置4においては、制御部20が力率改善部60を制御することによって、デジタル値DEdを任意に調整が可能である。そして、制御部20のRAM又はROMのテーブルに書き込まれているデジタル値DEdと一致させることができるので、デジタル値DEdに関しては、上述した、切下げ、切上げ、四捨五入して、テーブルを適用することがなくなり精度が向上する。さらに、デジタル値DEdの範囲を広げてバッテリー40の良否判定をおこなうことができるので、良否判定の精度はより向上する。
(制御部がおこなう充電の処理の手順)
充電の処理においては、充電装置2、充電装置3、充電装置4の制御部20は、いずれも同様な処理をおこなう。制御部20は、時間経過に対する1次側の電流Ipが予め定めた充電電流プロフィールとなるようにデジタル値Doを出力する。例えば、制御部20は充電開始からの経過時間に比例して電流Ipが減少するようにデジタル値Doを出力してスイッチング素子106を制御する。例えば、9時間経過後に電流Ipを100Aから10Aまで制御する場合には、10A/hourのレートで100Aから順次充電電流を減少させる。ここで、1次側における充電電流を電圧Vsの値に換算すると、0.5V/hourのレートで5Vから順次、電圧Vsの値を減少させることになる。
具体的には、以下のようにする。例えば、10秒ごとにCPU201が、予め定めた1次側の電流Ipのプロフィール(充電電流プロフィール)を、RAM又はROMから読み出し、あるいは演算式によって求める。電圧Vs(電流Ip)に対応するデジタル値DVsを検出する。そして、CPU201は、その時間における目標とすべき電流Ipのプロフィールに対して、充電装置3が供給している電圧Vs(電流Ip)が小さい場合には、電圧Vs(電流Ip)を増加させるためにデジタル値Doを増加してスイッチング素子106をオンとするパルス幅を広げる。一方、CPU201は、その時間における目標とすべき電流Ipのプロフィールに対して、充電装置3が供給している電圧Vs(電流Ip)が大きい場合には、電圧Vs(電流Ip)を減少させるためにデジタル値Doを減少してスイッチング素子106をオンとするパルス幅を狭くする。
CPU201は、このようにして、予め定めた充電電流プロフィールでバッテリー40を充電するように制御する。そして、上述したように、充電電流が10Aの9時間後に充電は完了する。この処理は、充電装置2、充電装置3、又は力率改善部60を備える充電装置4のいずれにおいても同様におこなわれる。
(制御部がおこなうバッテリーの劣化検出の処理の手順)
制御部20は、時間が9時間経過し最終の充電電流が10Aに落着いて充電の操作を完了した後、バッテリー40の劣化検出の処理をおこなう。バッテリー40の劣化検出の処理は、力率改善部60を備える充電装置4と力率改善部60を備えない充電装置2、充電装置3とでは異なる。まず、充電装置4におけるバッテリーの劣化検出の処理を制御部20がどのようにおこなうかについて説明をする。
制御部20のCPU201と力率改善部60のCPU(図示せず)は、連携して以下の手順を実行する。ここで、充電の処理をおこなう場合には、制御部20のCPU201が力率改善部60のCPUを制御する。力率改善の処理をおこなう場合には、力率改善部60のCPUは独立して力率改善の処理をおこなう。
充電が完了したバッテリー40について、複数点においてバッテリーが良品であるか不良品であるかの判定をおこなう。判定は以下のようにしておこなう。
例えば、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doであるデジタル値Do11を求める。例えば、デジタル値DEd5とデジタル値DVs3とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doであるデジタル値Do53を求める。例えば、デジタル値DEd9とデジタル値DVs6とに対応するCPU201が出力するデジタル値Doであるデジタル値Do96を求める。ここで、デジタル値DEd1とデジタル値DEd5とデジタル値DEd9は、制御部20が力率改善部60を制御して任意に設定することができる。バッテリーの良品、不良品の判定精度を向上させるために、デジタル値DEd1とデジタル値DEd5とデジタル値DEd9は、広範囲に広がるように設定することが望ましい。ここで、CPU201は力率改善部60を制御して正確に、デジタル値DEd1に対応する電圧Ed1、デジタル値DEd5に対応する電圧Ed5、デジタル値DEd9に対応する電圧Ed9を出力することができる。また、CPU201は正確に、デジタル値DVs1、デジタル値DVs3、デジタル値DVs6を得るような、デジタル値Do11、デジタル値Do53、デジタル値Do96を自ら設定し、この値を求めることができる。
次に、デジタル値Do11がデジタル値Do11MAXとデジタル値Do11MINの所定範囲であるか否か、デジタル値Do53がデジタル値Do53MAXとデジタル値Do53MINの所定範囲であるか否か、デジタル値Do96がデジタル値Do96MAXとデジタル値Do96MINの所定範囲であるか否か、を各々判定する。デジタル値Do11、デジタル値Do53、デジタル値Do96のすべてが所定範囲である場合は、検査対象のバッテリー40は良品であると判定される。一方、デジタル値Do11、デジタル値Do53、デジタル値Do96の1個でも所定範囲でない場合は、検査対象のバッテリー40は劣化した不良品であると判定される。なお、所定範囲にあるかを判断するデジタル値Doの数は3個に限られず、2個以上の複数個であればよく、個数を多くすれば、バッテリーが良品であるか不良品であるかを検出する検出の精度が向上する。
力率改善部60を備えない充電装置3、充電装置2におけるバッテリーの劣化検出の処理を制御部20がどのようにおこなうかについて説明をする。
制御部20は、充電が完了したバッテリー40について、例えば、デジタル値DVs1に対応するCPU201が出力するデジタル値Doであるデジタル値DoA1を求める。このときのデジタル値DEdAの値をRAMに記憶する。例えば、デジタル値DVs4に対応するCPU201が出力するデジタル値Doであるデジタル値DoB4を求める。このときのデジタル値DEdBの値をRAMに記憶する。例えば、デジタル値DVs6に対応するCPU201が出力するデジタル値Doであるデジタル値DoC6を求める。このときのデジタル値DEdCの値をRAMに記憶する。ここで、CPU201は正確に、デジタル値DVs1、デジタル値DVs3、デジタル値DVs6を得るような、デジタル値DoA1、デジタル値DoB4、デジタル値DoC6を自ら設定し、この値を求めることができる。
制御部20は、デジタル値DEdAの値がRAM又はROMのテーブルに存在する場合には、例えば、デジタル値DEdAがデジタル値DEd1ある場合には直接にテーブルを参照し、デジタル値DoA1が所定範囲であるデジタル値Do11MAXとデジタル値Do11MINの範囲であるか否かを判断する。デジタル値DEdAの値がRAM又はROMのテーブルに存在しない場合には、切下げ、切上げ、四捨五入のいずれかをおこない、デジタル値DoA1が、例えば、デジタル値DEd1とデジタル値DVs1に対応するデジタル値Do11MAXとデジタル値Do11MINの範囲であるか否かを判断する。制御部20は、デジタル値DoB4、デジタル値DoC6についても同様にして、所定の範囲であるか否かを判断する。
制御部20は、デジタル値DoA1、デジタル値DoB4、デジタル値DoC6のすべてが所定の範囲である場合にバッテリー40は良品であると判断する。一方、デジタル値DoA1、デジタル値DoB4、デジタル値DoC6の1個でも所定の範囲でない場合にバッテリー40は劣化した不良品であると判断する。
制御部20は、デジタル値Doが所定範囲であるか否かを検出するに際しては、予め検出した、良品である限界の最大のデジタル値DoMAX(最大基準パルス幅)と良品である限界の最小のデジタル値DoMIN(最小基準パルス幅)とを用いた。しかしながら、複数個の良品のデジタル値の平均値であるデジタル値DoCNT(平均基準パルス幅)を用いて、例えば、デジタル値DoCNTの±10%の範囲を所定範囲とするようにしてもよい。±10%は、1例であり、例えば、±5%、±15%のような異なる値を採用できる。すなわち、デジタル値DoCNTの±10%の範囲を所定範囲とする場合には、最大基準パルス幅=デジタル値DoCNT(平均基準パルス幅)×1.1であり、最小基準パルス幅=デジタル値DoCNT(平均基準パルス幅)×0.9である。
要するに、本実施形態の充電装置は、1次側巻線102と2次側巻線103とを有するトランス101と、1次側巻線102と1次側の直流電源(直流電源30、整流平滑部50、整流平滑部50及び力率改善部60を含む)との間に接続され1次側巻線102に交流電力を供給するスイッチング素子106と、1次側巻線102に流れる1次側電流(電流Ip)を検出する1次側電流検出器(抵抗105、A/Dコンバータ203)と、直流電源から供給される1次側電圧(電圧Ed)を検出する1次側電圧検出器(A/Dコンバータ202)と、スイッチング素子106をオンとするパルス幅が変化するパルス信号(スイッチング素子駆動信号Sd)を発生する制御部20と、2次側巻線103に接続され2次側直流電圧(電圧Eo)を発生する2次側整流平滑回路(ダイオード108、コンデンサ109)と、1次側電流(抵抗105で検出する電圧Vs、すなわち電流Ip)と1次側電圧(電圧Ed)と基準パルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部(RAM、又は、ROM)とを備える。
制御部20は、充電時においては、1次側電流(電流Ip)を制御することによって2次側に着装されるバッテリー40に充電し、充電完了後において、1次側電流(電流Ip)と1次側電圧(電圧Ed)とパルス幅との組み合わせを複数個検出し、1次側電流(電流Ip)と1次側電圧(電圧Ed)とに応じて記憶部(RAM、又は、ROM)に記憶されている基準パルス幅を読み出し、検出された複数個のパルス幅の各々が、基準パルス幅によって定める所定範囲内であるか否かを判断し、複数個のパルス幅のすべてが、所定範囲内であるときにバッテリーを良品であると判定し、複数個のパルス幅のうち1個でも所定範囲内にないときにバッテリーを劣化した不良品であると判定する。
ここで、基準パルス幅は、上述した最大基準パルス幅と上述した最小基準パルス幅とによって、上述した所定範囲が定められるものである。また、基準パルス幅は、上述した平均基準パルス幅の±5%、±10%、±15%を上述した所定範囲としてもよい。
制御部20は、より具体的には、充電に際しては、バッテリー毎に指定された充電電流プロファイルとなるように、電圧Vsを所定時間毎(例えば、10秒毎)に検出してデジタル値Doを制御してスイッチング素子106のオンの時間(パルス幅)を制御しながら充電をおこなう。
そして、充電が終了した状態において、1次側電流(抵抗105で検出する電圧Vs、すなわち電流Ip)と1次側電圧(電圧Ed)とパルス幅(デジタル値Do)との組み合わせを複数個検出する。そして1次側電流(電流Ip)と1次側電圧(電圧Ed)とに応じ記憶部(RAM又はROM)に記憶されている基準パルス幅を読み出し、検出された複数個のパルス幅の各々が、基準パルス幅によって定める所定範囲内であるか否かを判断する。
(実施形態の直流定電圧電源装置及び実施形態の充電装置の変形例)
本実施形態の直流定電圧電源装置は、トランスを用いる直流定電圧電源装置に限定されるものではないことは既に述べた。また、本実施形態の充電装置は、トランスを用いる充電装置に限定されるものではないことは既に述べた。以下に、トランスを用いない直流定電圧電源装置及びトランスを用いない充電装置の1つの実施形態について説明をする。
図5は、別の実施形態の直流定電圧電源装置を示す図である。
図5に示す直流定電圧電源装置5は、インダクタ107を用いる昇圧型のDC-DCコンバータ(直流・直流変換器)部10Aを有する。直流定電圧電源装置5は直流定電圧電源装置1におけるトランス101に代えてインダクタ107を用いる。インダクタ107は、1次側ターミナルTp1とダイオード108の間に接続される。直流定電圧電源装置5において、直流定電圧電源装置1におけると同一の構成部分には同一の符合が付されている。
直流定電圧電源装置5においては、上述した直流定電圧電源装置1における上述した第1の制御方法、上述した第2の制御方法を実施することができる。また、直流定電圧電源装置5において、直流電源30に替えて図3に示す整流平滑部50を用いるようにしてもよく、さらに、図4に示す力率改善部60を用いるようにしてもよい。
図6は、さらに、また、別の実施形態のバッテリーの充電装置を示す図である。図6に示す充電装置6は、直流定電圧電源装置5と同一の構成を有している。負荷40はバッテリーである。充電装置6は、上述した充電装置2と同様の手順で充電をおこない、充電装置2と同様の手順でバッテリーが良品であるか劣化した不良品であるかを判定する。また、充電装置6において、直流電源30に替えて図3に示す整流平滑部50を用いるようにしてもよく、さらに、図4に示す力率改善部60を用いるようにしてもよい。
要するに、上述した実施形態の直流定電圧電源装置は、入力側に直流電源(直流電源30、整流平滑部50、整流平滑部50及び力率改善部60を含む)を接続し、出力側に接続する負荷40に直流電力を供給する直流定電圧電源装置であって、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するスイッチング素子106と、スイッチング素子をオンとするパルス幅が変化するパルス信号(スイッチング素子駆動信号Sd)を発生する制御部20と、出力側の直流電圧を予め定める一定値とする直流電源から供給される直流電流(抵抗105で検出する電圧Vs、すなわち電流Ip)と直流電源から供給される直流電圧(電圧Ed)とパルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部(RAM、又は、ROM)とを備える。
制御部20は、直流電流(抵抗105で検出する電圧Vs、すなわち電流Ip)と直流電圧(電圧Ed)とに応じて記憶部(RAM、又は、ROM)に記憶されているパルス幅を読み出し、出力側の直流電圧(電圧Eo)を一定電圧に制御する。
要するに、上述した実施形態の充電装置は、入力側に直流電源(直流電源30、整流平滑部50、整流平滑部50及び力率改善部60を含む)を接続し、出力側にバッテリー40を接続する充電装置であって、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するスイッチング素子106と、スイッチング素子をオンとするパルス幅が変化するパルス信号(スイッチング素子駆動信号Sd)を発生する制御部20と、直流電源から供給される直流電流(抵抗105で検出する電圧Vs、すなわち電流Ip)と直流電圧(電圧Ed)と基準パルス幅との組み合わせを複数個記憶する記憶部(RAM、又は、ROM)とを備える。
制御部20は、充電時においては、直流電源から供給される直流電流を制御することによってバッテリーに充電し、充電完了後において、組み合わせの直流電流(デジタル値DVsが対応する)と直流電圧(デジタル値DEdが対応する)とパルス幅(デジタル値Doが対応する)との組み合わせを複数個検出し、組み合わせの直流電流と直流電圧とに応じて記憶部に記憶されている基準パルス幅(デジタル値DoMAX、デジタル値DoMINが対応する)を読み出し、検出された複数個のパルス幅の各々が、基準パルス幅によって定める所定範囲内(デジタル値DoMAX〜デジタル値DoMINの範囲)であるか否かを判断し、複数個のパルス幅のすべてが、所定範囲内であるときにバッテリーを良品であると判定し、複数個のパルス幅のうち1個でも所定範囲内にないときにバッテリーを劣化した不良品であると判定する。
上述した種々の実施形態の各部分を組み合わせて新たな実施形態として実施することができる。また、本発明は、上述した実施形態、上述した実施形態の各部分を組み合わせた新たな実施形態に限るものでないことは当然である。