JP5791029B2 - 薄型正極構造体、その製造方法及び薄型リチウム空気電池 - Google Patents
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Description
積層した電池セルを大容量にするためには並列接続する必要があるが、バイポーラプレートはその用途には向かない上、非常に厚く、積層した際の体積が大きくなってしまう問題がある。
前記負極構造体及び前記正極構造体は、それぞれタブと呼ばれる金属端子に接続されることにより、積層された複数のセルは並列接続され、容量を増やすように設計されている。(非特許文献2(図2))。
本発明は、以下の構成を有する。
なお、以下の構成において、正極基材の一面とは、箔状の基材の最も広い2面のいずれかのことであり、溝とは有限の幅と深さを有し奥行方向にある一定の長さをもった周囲に対して凹んだ部位のことであり、孔とは、例えば、前記溝が正極材や正極基材によって蓋をされた、トンネル状の空間のことである。
(3)前記正極基材がNi、Al、Cuのいずれかの金属若しくはその合金を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の薄型正極構造体。
(7) 前記開口部を閉塞するように前記収納容器に遮蔽フィルムが取り付けられるととともに、前記積層体から突出された前記正極基材の端部が前記収納容器外に露出されるように、前記正極基材に前記遮蔽フィルムが取り付けられていることを特徴とする(6)に記載の薄型リチウム空気電池。
<薄型リチウム空気電池>
まず、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池について説明する。
図1は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池の一例を示す図であり、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は平面図である。
図2は、図1の薄型リチウム空気電池の図であり、図2(a)は正側面図であり、図2(b)は右側面図である。
収納容器用のフィルム材91a、91bには、少なくともその表面が電気絶縁性を有する材料を用いる。突出した2つのタブ間が電気的に短絡することを防止するためである。例えば、金属箔が熱による接着性のあるポリマーフィルムで被覆されたラミネートフィルムを用いることができる。
図2(a)、(b)に示すように、2枚上下に配置された平面視略長方形状の収納容器用のフィルム材91a、91bは、その周辺部一面側及び他面側において接着されている。
図3(a)、(b)に示すように、2枚の収納容器用のフィルム材91a、91bが周辺部で接着されたことによって形成された収納容器92の内部には、空気電池本体である積層体80が収納されている。
図4に示すように、積層体80は、2つの薄型セパレータ83の間に、3つの単位構造体88が薄型セパレータ83を挟んで積層されてなる。
単位構造体88は、薄型正極構造体86と、薄型セパレータ83と、薄型負極構造体87が積層されてなる。薄型負極構造体87は、負極基材84の両面に負極材85が積層されてなり、薄型正極構造体86Aは、正極基材81Aの両面に正極材82A1、82A2が形成されてなる。
薄型セパレータ83は、絶縁体からなる。例えば、繊維状のポリプロピレンやポリエチレンからなる多孔性のフィルムを用いることができる。これにより、Liイオンを含む電解液を含浸するためLiイオンは薄型セパレータを通過でき、かつ正極材と負極材の直接接触による短絡を回避できる。
負極基材84は、金属の薄板や箔からなる。金属を用いることにより、集電体として機能させることができる。
負極材85は、Li薄膜又はLi箔からなる。これにより、Li薄膜又はLi箔を構成するLiを負極活物質として利用できる。Li薄膜又はLi箔は、公知の方法、例えばLiを負極基材上に真空蒸着するか、圧延したLiの箔を負極基材上に貼り付けることにより、容易に行うことができる。
図4では、負極基材84の両面に負極材85を形成しているが、片面のみでも良い。
図5は、本発明の実施形態である薄型正極構造体の一例を示す図であり、図5(a)は斜視図であり、図5(b)は平面図である。
図6は、図5の薄型正極構造体の図であり、図6(a)は図5(b)のD−D’線における断面図であり、図6(b)は図6(a)のF部における拡大図である。
正極基材81Aは、略板状であり、一面及び他面に溝が形成されている。これらの溝は、正極材82A1、82A2が配置されることにより、ガスの流路用の孔15Aとされている。ガスの流路用の孔15Aは正極基材11の側面すべてに連通されている。
幅l、mの長さは同一としても、異なるようにしてもよい。例えば、幅l、mは10nm〜500μmとし、ガスの流路用の孔15Aのピッチ(周期)は100μm〜1mmとし、ガスの流路用の孔15Aの深さは0.1μm〜10μmとする。
なお、ガスの流路用の孔15Aの幅、深さ、ピッチ及び方向は正極基材81A面内において同一である必要はなく、無規則に形成してもよい。
ガスの流路用の孔15Aが形成された正極基材81Aの一面は、各辺を3等分する線d1、d2、d3、d4で区画したときに、平面視略格子状に9つの領域R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9に区画される。
区画された9つの領域R1〜R9はそれぞれ平面視略矩形状であり、これらの領域すべてに、ガスの流路用の孔15Aが少なくとも1つ形成されており、各領域の境界において隣接する領域のガスの流路用の孔15Aに連通されている。さらに正極基材81Aの端部と接する領域においては、少なくともその一部においてガスの流路用の孔15Aが外部と連通されている。
以上の構造によって、ガスの流路用の孔15Aの空気又は酸素ガスの流路として用いたときに、空気又は酸素ガスを正極材の隅々まで均一に供給することができる。
正極基材81Aは、溝が形成されたシリコン(Si)11Aと、金属層17Aと、撥油性分子からなる層18Aとから構成されている。正極基材81Aに形成された溝は、81Aaと接するように正極材82A1を配置することにより、トンネル状のガスの流路用の孔15Aとされる。
金属層17Aは、Ni、Al、Cuのいずれかの金属若しくはその合金からなる。これにより、正極基材81A表面の電気抵抗を下げ、電池性能を保つことができる。金属層17Aとシリコン(Si)11Aの間には、密着層としてTiやTaを1〜20nm配置してもよい。
正極材82A1の材料としては、炭素(C)又は炭素を主成分とする複合材料を用いる。炭素(C)又は炭素を主成分とする複合材料としては、例えば、炭素の微粒子あるいはカーボンナノチューブやナノホーンのような炭素ナノ構造体を挙げることができる。細孔の径sは1nm以上1000nm以下とされている。細孔21Acを有することにより、細孔21Ac内に電解液を浸透させることができ、Liイオンを効率的に輸送することができる。
例えばグラフェン片が積層した構造の場合、隣接するグラフェン片との間隔が1nm未満の場合、それはほぼグラファイトと同様であり、空気電池として動作しにくく、かわりにLiイオンのインターカレーションが起こってしまう。また1000nm以上の場合、反応場として炭素表面密度が小さくなりすぎ、大容量化の目的を果たさなくなる。
図7及び図8は、図5(a)に示す薄型正極構造体の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図7(a)に示すように、板状のシリコン(Si)11Aを用意する。
次に、図7(b)に示すように、一面及び他面に密着性改善層12を形成してから、密着性改善層12を覆うように、マスク層13を形成する。
密着性改善層12の材料としては、ヘキサメチルジシラン(HMDS)等を用いる。
マスク層13の厚みは、例えば、20μm程度とする。なお、マスク層13としては、フォトレジスト又はSiO2を用いる。
次に、図7(d)に示すように、パターニングしたマスク層13をマスクとして用いて、ドライエッチング法により、密着性改善層12をエッチング除去するとともに、シリコン(Si)11に断面幅l’の溝14Aを形成する。
なお、ドライエッチング法の代わりに、ウェットエッチング法を用いてもよい。形状の精度は低くてよいためである。
次に、図8(b)に示すように、シリコン(Si)11の溝14A内面、一面及び他面を覆うように金属層17Aを形成する。
金属層17Aを設けることにより、正極基材81A表面の電気抵抗(内部抵抗)を低減できる。金属層17Aの成膜には、CVD法、スパッタリング法又は電解メッキ法を用いる。金属層17Aの厚みkは、溝14Aが埋まらない厚さ、すなわち溝深さのl/2以下であればよいが、酸素ガス流路の断面幅lを溝14Aの断面幅l’の半分以上残す厚さ以下とすることが好ましい。空気又は酸素ガス流路の機能低下を抑制するためである。金属層17Aと基板11Aの間には、密着層としてTiやTaを1〜20nmの厚みでスパッタリング法やCVD法を用いて配置してもよい。
成膜方法としては、例えば、撥油性分子を分散させた溶液に、基板を浸漬させて撥油性分子を表面吸着させるディッピング法、又は、大気もしくは真空中にて撥油性高分子自体を加熱する気相蒸着法を用いることができる。その他、スピンコーティング法、刷毛塗り法等を用いることができる。これらの成膜方法を用いることにより、撥油性分子を金属層17Aの表面に均一に化学吸着させることができ、撥油性分子からなる層18を形成できる。
正極材82A1、82A2の形成方法としては、プラズマCVD法若しくはcat−CVD法等の各種気相化学反応法(CVD法)又はスパッタ法等を用いる。CVD法では、炭化水素材料としてCH4、CH3OH、C2H2、C2H6、もしくはベンゼン環を有す分子を用いる。
プラズマCVD法若しくはホットワイアーCVD若しくはcat−CVD法を用いた場合には、プラズマや触媒の作用により原料分子から成長に適したラジカルを生成することができ、気相反応の進行が促進され、成膜に必要な基材加熱温度を低くできる効果がある。
成膜時の基材加熱温度は400℃以下とすることが好ましい。
また、板状の正極材82A1、82A2を押し付けて、接着する方法を用いてもよい。
以上の工程により、図6(a)に示す薄型正極構造体86Aを製造することができる。
図9は、薄型リチウム電池の使用方法の一例を示す説明図である。
図9に示すように、薄型リチウム電池101は、格納容器201内に格納されて使用される。
格納容器201には、ガス排気管202B及びガス供給管202Aが取り付けられており、202A、202Bの接続部以外は密閉されている。
ガス排気管202Bに接続したポンプ203により、格納容器201内を減圧可能とされている。格納容器201内を減圧後、ガス排気管202Bのバルブ204を閉じ、ガス供給部(図示略)からポンプ203を動作させることにより、格納容器201内を空気又は酸素ガスで充填することができる。
格納容器201内に空気又は酸素ガスを充填すると、薄型リチウム電池101の収納容器の開口部99から薄型正極構造体内に空気又は酸素ガスを供給することができ、電池反応を開始させることができる。
図10に示すように、本発明の第1の実施形態である薄型リチウム空気電池101が4枚積層配置されている。各薄型リチウム空気電池101は、タブ連結部材96により、直列に接続されるようにタブ97、98が接続されている。
このように積層枚数を増やすことにより、容易に出力電圧を高めることもできる。
<薄型正極構造体>
図11は、本発明の実施形態である薄型正極構造体の別の一例を示す図である。
図11(a)に示すように、本発明の実施形態である薄型正極構造体86Bは、平面視略矩形状の正極基材81Bの両面に四角柱状の正極材82B1、82B2が並列配置され、正極基材81Bと正極材82B1、82B2とを覆うように、撥油性分子からなる層18Bが形成されて、概略構成されている。
図11(a)、(b)に示すように、隣接する正極材82B1、82B2の間に、幅nの平面視線状のガスの流路用の溝14Bが一定間隔で平行に形成されている。
ガスの流路用の溝14Bが形成された正極基材81Bの一面は、各辺を3等分する線d1、d2、d3、d4で区画したときに、区画された9つの領域R1〜R9はそれぞれ平面視略矩形状であり、これらの領域すべてに、ガスの流路用の溝14Bは、各領域の境界において隣接する領域のガスの流路用の溝14Bに連通されている。さらに正極基材81Aの端部と接する領域においては、少なくともその一部においてガスの流路用の溝14Bが外部と連通されている。
上記の構造により、ガスの流路用の溝14Bの空気又は酸素ガスの流路として用いることができ、空気又は酸素ガスを正極材の隅々まで均一に供給することができる。
図12(a)、(b)に示すように、正極基材81Bは、シリコン(Si)もしくはSiO2からなる11Bと、シリコン(Si)11Bを被覆する金属層17Bとから構成されている。金属層17B上には、断面視四角柱状の正極材82B1、82B2が並列に配置されている。隣接する正極材82B1、82B2の間であって、金属層17B上には、絶縁層19が形成されている。正極材82B1、82B2及び絶縁層19を覆うように、撥油性分子からなる層18Bが形成されている。隣接する正極材82B1、82B2の間に断面幅nのガスの流路用の溝14Bが形成されている。
ガスの流路用の溝14Bは、一側面からその対向側面に連通されている。よって、一側面からその対向側面のいずれかから、空気又は酸素ガスを薄型正極構造体86B内に供給することができる。薄型正極構造体86Bの一面側及び他面側に薄型セパレータを配置され、ガスの流路用の溝14Bは空気又は酸素ガスを流通させる流路として機能する。
金属層17Bの材料は、Ni、Al、Cuのいずれかの金属若しくはその合金を用いる。
撥油性分子からなる層18Bは、フルオロアルキルシラン類である。
図13は、図11(a)に示す薄型正極構造体の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図13(a)に示すように、断面視略矩形状のシリコン(Si)11Bを用意する。
次に、図13(b)に示すように、シリコン(Si)もしくはSiO2基板11Bの一面に、金属層17Bを形成する。
絶縁体薄膜の材料としては、電気的な耐圧の高い材料が好ましく、有機物であっても、無機物であってもよい。特に、SiO2やAl2O3等が好ましい。絶縁体薄膜の膜厚は10nm以上1μm以下とする。
絶縁層19のストライプ幅は0.1μm以上1mm以下とする。また、ストライプ周期は0.2μm以上2mm以下とする。
カーボンナノチューブやナノホーンといった炭素系ナノ構造体を用いた場合、炭素系ナノ構造体は、主として、触媒として機能する金属層17B上でのみ選択的に正極材82Bを成長する。しかし、炭素系ナノ構造体は、金属層17B上でのみ完全に選択成長するわけではなく、絶縁層19上に若干堆積する。絶縁層19上に若干堆積する炭素系ナノ構造体については、正極材82B1成長後に、CF4、CHF3又はSF6等のガスを用いて、プラズマ中でドライエッチング処理することにより、除去する。
次に、第1の実施形態に記載の方法と同様の方法で、一面側及び他面側を覆うように撥油性分子からなる層18Bを形成する。
なお、正極基材81Bと金属層17B上に形成した絶縁層19の上に、あらかじめ撥油性分子からなる層18Bを形成しておいてもよい。また、絶縁層19をフルオロアルキルシラン類からなる分子によって形成することにより、絶縁層19と撥油性分子からなる層18Bを兼ねてもよい。このとき、後から正極材82B1,82B2を形成するが、正極材82B1,82B2表面に撥油性分子からなる層18Bはなくてもよい。
以上の工程により、薄型正極構造体86Bを形成できる。
<薄型正極構造体>
図14は、本発明の実施形態である薄型正極構造体の更に別の一例を示す図であって、図14(a)は斜視図であり、図14(b)は平面図である。
図15の薄型正極構造体の図であって、図15(a)は図14(b)のI−I’線における断面図であり、図15(b)は図15(a)のJ部における拡大図である。
図14(a)、図15(a)に示すように、本発明の実施形態である薄型正極構造体86Cは、正極基材81Cの両面に正極材82C1、82C2が形成されてなる。
発泡金属からなる正極基材81Cは、3次元網目状のガスの流路用の孔15Cを有する。
ガスの流路用の孔15Cが形成された正極基材81Cの一面は、各辺を3等分する線d1、d2、d3、d4で区画したときに、区画された9つの領域R1〜R9はそれぞれ平面視略矩形状であり、これらの領域すべてに、ガスの流路用の孔15Cの開口部が形成されている。
これにより、ガスの流路用の孔15Cの空気又は酸素ガスの流路として用いたときに、空気又は酸素ガスを正極材の隅々まで均一に供給することができる。
まず、市販の板状の発泡金属材料を用意する。
次に、第1の実施形態で示した方法と同様にして、前記発泡金属材料の両面に正極材82C1、82C2を形成する。
次に、撥油性分子蒸気を吹き付けて、発泡金属材料の孔の内表面に撥油性分子からなる層を形成する。
以上の工程により、薄型正極構造体86Cを製造できる。
その後、前記発泡金属材料の両面に正極材82C1、82C2を形成する。上記プラズマ工程により孔内の撥油性分子が除去された領域にも正極材82C1、82C2が被覆するようにすることが好ましい。CVD法で正極材82C1、82C2を形成する場合は成膜時の圧力、炭素系2次粒子を分散させ塗布し乾燥させる方法を用いる場合には、乾燥前のプレス圧力で制御できる。
この方法で、薄型正極構造体86Cを製造してもよい。
<薄型正極構造体>
まず、平面視略四角形状の板状のSi基板上にヘキサメチルジシラン(HMDS)からなる密着性改善層を塗布した。
次に、密着性改善層上にフォトレジストを20μm程度の厚みで塗布してから、フォトリソグラフィー法により、パターニングして、一面に平面視略格子状の凹部を形成した。
次に、ドライエッチング法により、Si基板に縦横に延伸する溝を形成した。次に、マスクとして用いたフォトレジストを除去した。
次に、電解メッキ法により、Niからなる金属層を0.1μmの厚みで形成して、金属層被膜基板を形成した。
次に、10〜100mTorrのArガスにRFにてプラズマを生じさせて、ドライエッチング法により、正極材を配置する部分の撥油性分子からなる層を除去した。
次に、CH4を用い、成膜時の基材加熱温度は400℃以下として、プラズマCVD法により、一面の金属層の露出面に接するとともに、一面側を覆うように炭素系材料を成膜し、正極材を形成した。これにより、Si溝は孔とされた。また、他面も同様に炭素系材料を成膜し、正極材を形成した。
以上により、実施例1の薄型正極構造体を製造した。
まず、Niからなる基板の一面に、CVD法により、SiO2からなる絶縁体薄膜を100nmの厚さで成膜してから、フォトリソグラフィー法により、前記絶縁体薄膜をストライプ状パターンとした。
次に、原料としてカーボンナノチューブを用い、触媒CVD法により、露出したNi金属上に炭素系材料を選択成長した。
次に、CF4ガスを用いて、プラズマ中でドライエッチングして、絶縁体薄膜上の炭素系材料を除去して、平面視線状の正極材を、一定間隔で離間して、複数形成した。
次に、実施例1と同様の方法で、絶縁体薄膜上に撥油性分子からなる層を塗布した。
以上により、実施例2の薄型正極構造体を製造した。
正極材と酸素ガス流路が同一面内に設置されるため、実効的電極面積が減少した。しかし、酸素ガスが正極材の両側から供給され、電池反応の効率を向上させた。
まず、正極基材として、平面視略矩形状の発泡金属からなる板材を用意した。
次に、実施例1と同様の方法により、発泡金属からなる板材の両面に炭素系材料を成膜し、正極材を形成した。
次に、Arガスのフローにより、発泡金属からなる板材に撥油性分子からなる蒸気を流入させて、発泡金属の細孔の内壁に撥油性分子からなる層を形成した。
以上により、実施例3の薄型正極構造体を製造した。
実施例1の薄型正極構造体、セパレータ及び薄型負極構造体を積層してなる単位構造体を、セパレータを介して3つ積層して、積層体を形成した。
このとき、薄型正極構造体、セパレータ及び薄型負極構造体はそれぞれ、対向する面が最大限接面するように重ねた。また、薄型正極構造体の正極基材の2側面を、セパレータの2側面に合わせ、前記正極基材の他の2側面を、セパレータの他の2側面に対して突出するように配置した。また、薄型負極構造体の負極基材の3側面を、セパレータの3側面に合わせ、前記負極基材の他の1側面を、セパレータの他の1側面に対して突出するように配置した。
セパレータとしては、ポリエチレン繊維からなる膜厚250μmのものを用いた。
また、薄型負極構造体としては、10μm厚のCu箔の両面にLi膜が20μmつけられたものを用いた。
次に、突出させた薄型正極構造体の正極基材の他の1側面をまとめて、正極用タブに圧着し、突出させた薄型負極構造体の負極基材の他の1側面をまとめて、負極用タブに圧着した。
次に、積層体を電解液に含浸してから、収納容器の開口部から、突出させた薄型正極構造体の1側面が露出されるように、積層体を収納容器内に収納した。なお、格納容器はラミネート・パッケージにより、完全に封止した。
次に、前記収納容器を格納容器内に配置し、正極用タブ及び負極用タブにそれぞれ正極用ブレード及び負極用ブレードを接続してから、格納容器を封止した。格納容器の一のガス管を酸素ボンベに接続し、他のガス管をポンプに接続した。
以上により、実施例4の薄型リチウム空気電池を製造した。
実施例2の薄型正極構造体を用いた他は実施例4と同様にして、実施例5の薄型リチウム空気電池を製造した。
実施例3の薄型正極構造体を用いた他は実施例4と同様にして、実施例6の薄型リチウム空気電池を製造した。
Claims (7)
- リチウム空気電池の電極として用いられる薄型正極構造体であり、板状の正極基材に多孔体からなる正極材が接合された薄型正極構造体であって、
前記正極基材に一の側面から対向する側面に通ずる空気又は酸素ガスの流路用の孔が形成されており、
前記ガスの流路用の孔の内面に撥油性分子からなる層が形成されており、
前記正極基材の一面及び/又は他面に形成された溝を覆うように板状の正極材が接合され、前記溝がガスの流路用の孔とされていることを特徴とする薄型正極構造体。 - 前記正極材が炭素又はその複合材料からなることを特徴とする請求項1に記載の薄型正極構造体。
- 前記正極基材がNi、Al、Cuのいずれかの金属若しくはその合金を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄型正極構造体。
- 前記正極基材の一面又は他面が平面視略矩形状であるときに、各辺を3等分する線で前記一面又は他面を区画したときに、前記一面又は他面上の区画された9つの領域のすべてに、ガスの流路用の孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄型正極構造体。
- 板状の正極基材の一面又は他面に一の側面から対向する側面に通ずる溝を形成してから、前記溝を覆うように、板状の多孔体からなる正極材を接合する工程により、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄型正極構造体を製造することを特徴とする薄型正極構造体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄型正極構造体と、薄型セパレータと、Li薄膜又はLi微粒子で被膜された板状の負極基材からなる薄型負極構造体と、が積層された積層体を収納容器内に収納した薄型リチウム空気電池であって、前記薄型正極構造体の正極基材が前記収納容器外に配置された正極タブに接続されるとともに、前記正極基材の端部が、前記収納容器に設けられた開口部で、前記収納容器外に露出されていることを特徴とする薄型リチウム空気電池。
- 前記開口部を閉塞するように前記収納容器に遮蔽フィルムが取り付けられるととともに、前記積層体から突出された前記正極基材の端部が前記収納容器外に露出されるように、前記正極基材に前記遮蔽フィルムが取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の薄型リチウム空気電池。
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