JP5784241B2 - レンズ駆動装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタルカメラ等に用いられるレンズ駆動装置及び方法に関する。
デジタルカメラやビデオカメラ等は、フォーカシングやズーミングのために、レンズ駆動装置が設けられている。このレンズ駆動装置のモータとして、磁石とヨークとコイルとから構成されるボイスコイルモータを用い、高速化を図っているものがある。このボイスコイルモータでは、コイルに電流を流すことにより、電磁力を推力としてコイルがヨーク上を移動する。コイルをレンズと一体に取付ければ、コイルと一緒にレンズを移動することができる。レンズとしては、例えば、フォーカスレンズや変倍レンズ等がある。フォーカスレンズは、移動によって被写体像のピントを調節する。変倍レンズは例えばズームレンズに設けられ、被写体像の遠近倍率を調節する。このように、ボイスコイルモータをレンズ駆動装置に用いることにより、デジタルカメラやビデオカメラ等の小型化や、レンズ駆動時の静音化も図れる。
特許文献1では、レンズを保持するコイルに対して、磁石を有する二つのヨークを相対向する位置に配置し、これら二つのヨークの間で磁気センサを位置検出手段として配置している。これにより、磁気センサに対する洩れ磁束の影響を軽減している。また、特許文献2では、撮像素子の4辺のうち、少なくとも隣接する2辺と光軸方向において平行となるように二つのヨークをそれぞれ配置して、2個の駆動用磁気回路を構成している。一方の駆動用磁気回路が有するコイルへの通電方向は、他方のコイルへの通電方向とは光軸方向を基準として反転し、かつ一方の磁石の撮像素子側の極性は他方の磁石の撮像素子側の極性と反対にして、撮像素子を防磁している。
特開平10−225083号公報 特開2011−123432号公報
ところで、磁石の磁束密度は周囲の温度変化や経年変化に伴って変化することが知られている。そのため、コイルに一定の駆動電流を流した場合に、発生する電磁力の大きさが、周囲の温度や時間の経過によって異なることがある。電磁力の大きさにバラツキが生じると、電磁力を推力として移動するレンズの移動速度にもバラツキが生じ、安定してレンズを駆動させることができなくなる。特許文献1及び2のレンズ駆動方法のように、駆動対象がフォーカスレンズや変倍レンズである場合には、ピントや撮影倍率の調整速度にバラツキが生じて、撮影者に違和感を与えてしまう。
また、レンズ駆動のために光軸方向に延びた磁石に沿ってコイルを移動させる際、コイルが磁石から受ける磁束密度は、光軸方向における磁石の中央付近よりも、光軸方向における磁石の両端付近の方が小さいことが知られている。そのため、コイルに一定の駆動電流を流した場合、磁石の中央付近で発生する電磁力よりも、磁石の両端付近で発生する電磁力の方が小さくなる。その結果、コイルとともに磁石に沿って移動するレンズの移動速度は、磁石の中央付近よりも両端付近のほうが遅くなる。この問題に対しては、コイルの移動範囲を磁石の中央付近のみに限定することで、レンズの移動速度の変動を抑制することが可能である。しかしながら、デジタルカメラやビデオカメラ等の小型化のためには、磁石の中央付近のみを使用する場合に無駄となってしまう両端付近まで活用する必要がある。このことから、コイルの移動範囲を磁石の中央付近のみならず両端付近にまで広げた場合でも、レンズの移動速度を安定させることが要請されている。
本発明は、レンズ移動時の速度変動を抑えて、撮影者に違和感を与えないようにしたレンズ駆動装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のレンズ駆動装置は、レンズを保持して光軸方向に移動可能なレンズ枠と、ボイスコイルモータと、位置検出部と、第1記憶テーブルと、初期磁束密度記憶部と、磁束密度測定部と、磁束密度比率算出部と、係数補正部と、制御部とを備える。ボイスコイルモータは、レンズの光軸方向に延びた磁石、磁石の磁界内に配され、かつレンズ枠が取付けられたコイルを有する。コイルに電流を流すと、この電流と磁石の磁束密度とに基づき発生した電磁力によって、コイルがレンズ枠と一体に光軸方向に移動する。位置検出部は、磁石に対するコイルの光軸方向位置を検出する。第1記憶テーブルは、光軸方向への磁石の磁束密度分布における低下部分による電磁力の低下を補って一定とするように電流を補正する第1補正係数を、コイル位置ごとに記憶する。初期磁束密度記憶部は、初期磁束密度として、コイル位置のうちの1つである基準位置における磁束密度を記憶する。磁束密度測定部は、基準位置における磁束密度を測定して測定磁束密度を得る。磁束密度比率算出部は、初期磁束密度と測定磁束密度との比率である磁束密度比率を求める。係数補正部は、磁束密度比率に基づいて、第1記憶テーブルに記憶された各第1補正係数を、磁石の磁束密度が初期磁束密度の場合に発生する電磁力が得られるように補正する。制御部は、位置検出部で検出されたコイル位置に対応して第1記憶テーブルから読み出した第1補正係数を用いて、コイルに流す電流を制御する。
磁束密度測定部は、電源投入によって測定磁束密度を測定することが好ましい。
また、磁束密度測定部と第1更新部とを備えることが好ましい。磁束密度測定部は、一定の時間が経過するたびに測定磁束密度を測定する。第1更新部は、磁束密度比率に基づいて補正された新しい第1補正係数を用いて、第1記憶テーブルをコイル位置ごとに更新する。
本発明のレンズ駆動方法は、レンズの光軸方向に延びた磁石、磁石の磁界内に配されかつレンズを保持するレンズ枠が取付けられたコイルを有するボイスコイルモータを用いて、コイルに流す電流を制御し、電流と磁石の磁束密度とに基づき発生した電磁力によって、コイルをレンズ枠と一体に光軸方向に移動するレンズ駆動方法であって、コイル位置検出ステップと、第1補正係数取得ステップと、磁束密度測定ステップと、磁束密度比率取得ステップと、係数補正ステップと、制御ステップとを含む。コイル位置検出ステップは、磁石に対して光軸方向におけるコイルのコイル位置を検出する。第1補正係数取得ステップは、光軸方向への磁石の磁束密度分布における低下部分による電磁力の低下を補って一定とするように電流を補正する第1補正係数をコイル位置ごとに記憶した第1記憶テーブルから、コイル位置検出ステップで検出されたコイル位置に対応する第1補正係数を得る。磁束密度測定ステップは、コイル位置のうちの1つである基準位置における磁束密度を測定して測定磁束密度を得る。磁束密度比取得ステップは、予め記憶した基準位置における磁石の初期磁束密度と、磁束密度測定ステップで測定した測定磁束密度との比率である磁束密度比率を得る。係数補正ステップは、磁束密度比率に基づいて、各第1補正係数を、磁石の磁束密度が初期磁束密度の場合に発生する電磁力が得られるように補正する。制御ステップは、コイルに流す電流を、係数補正ステップで補正した第1補正係数で補正する。
本発明によれば、磁石の磁束密度のバラツキや温度変化、経年変化などに応じてコイルへの電流を制御することにより、レンズ移動時の速度変動を抑えることができる。
本発明のレンズ駆動装置の概略の構成を示す斜視図である。 図1におけるII−II線相当の断面図である。 レンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 コイル位置と磁束密度の関係を示すグラフである。 磁束密度と第1補正係数との関係をコイル位置ごとに示すグラフである。 レンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。 第2実施形態のレンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 磁束密度と第2補正係数との関係を温度ごとに示すグラフである。 第2実施形態におけるレンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。 第3実施形態のレンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 磁束密度と第3補正係数との関係を経過時間ごとに示すグラフである。 第3実施形態におけるレンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。 第4実施形態のレンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 コイル位置と磁束密度との関係を示すグラフである。 磁束密度比率による第1補正係数の補正を説明するグラフである。 第4実施形態におけるレンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例の電気的構成を示すブロック図である。 第5実施形態のレンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 仰俯角と第4補正係数との関係を示すグラフである。 第5実施形態におけるレンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。 第6実施形態のレンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 移動時間と移動速度の関係を区間ごとに示すグラフである。 速度比率を説明する説明図である。 速度比率による第1補正係数の補正を説明する説明図である。 第6実施形態におけるレンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。 第7実施形態のレンズ駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。 レンズの駆動手順の前半を示すフローチャートである。 レンズの駆動手順の後半を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態のレンズ駆動装置11は、被写体を撮影するデジタルカメラ等に設けられる。レンズ駆動装置11は、レンズ鏡筒12(図2参照)と、ボイスコイルモータ(以下、VCM(voice coil motor)という)13,14とを有する。図2に示すように、レンズ鏡筒12は、ガイド15,16と、レンズ17と、レンズ枠18とを有する。図1に示すように、ガイド15,16は、例えば、光軸OPを中心とした180°の回転対称位置で、光軸OPに平行に配置される。
レンズ鏡筒12には図示を省略した複数枚のレンズが収容されている。本実施形態におけるレンズ17は、その複数枚のレンズのうち、カメラのピントを調節するフォーカスレンズである。なお、フォーカスレンズの代わりに、ズームレンズを構成する変倍レンズのレンズ駆動装置として用いてもよい。レンズ枠18には、光軸方向に貫通するガイド孔19,20が設けられている。ガイド孔19,20は、光軸OPを中心とした180°の回転対称位置で互いにレンズ枠18の隅部に配置され、それぞれガイド15,16が挿通される。これにより、レンズ枠18は、光軸方向へ移動自在に支持され、かつ光軸周りへの移動が規制される。
図1に示すように、レンズ枠18の上部には第1VCM13が配置され、レンズ枠18の右側部には第2VCM14が配置されている。ここで、上部や上側とは、レンズ駆動装置11を含むカメラを被写体に向けて撮影する際の上側をいう。また、右部や右側とは、撮影者の右手側を示す。本実施形態では2つの第1及び第2のVCM13,14を有しており、レンズ重量が比較的大きい場合でも、レンズを安定して移動することができる。第1VCM13は、ヨーク21と、磁石23と、コイル25とを有する。第2VCM14は、ヨーク22と、磁石24と、コイル26とを有する。
ヨーク21は全体が略U字状に形成され、外側平板部21Aと、内側平板部21Bと、これら平板部21A,21Bを接続する曲状部21Cを有する。外側及び内側平板部21A,21Bは光軸方向に伸びている。外側平板部21Aの内側面(光軸側の面)には磁石23が光軸方向に配置されている。曲状部21Cはレンズ鏡筒12に固定されることにより、ヨーク21がレンズ鏡筒12内に取り付けられる。ヨーク21は、磁石23の磁束を外側平板部21A側から内側平板部21B側に誘導する役割を持つ。
磁石23は、ヨーク21の外側平板部21A側にS極が着磁され、反対側の内側平板部21B側にN極が着磁されている。磁石23は、例えば、フェライト磁石、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石等から選択される。
コイル25は、レンズ枠18の上部に取付けられている。コイル25は、コイル25の中空部分をヨーク21の内側平板部21Bが貫通するように配置される。また、コイル25は、フレキシブル配線板(図示は省略)によって、電流を流す(供給する)VCMドライバ27を介してシステムコントローラ29に接続されている。したがって、磁石23の磁界内でVCMドライバ27からコイル25に電流が流されて発生した電磁力によって、コイル25が内側平板部21Bに沿って光軸方向に移動する。これによって、コイル25と一体に取付けられたレンズ枠18が光軸方向に移動可能となる。
VCM13は、コイル25に電流が流されると、磁界と電流とによって電磁力を発生させる(いわゆる、フレミングの左手の法則(Fleming's left-hand rule))。この電磁力が発生する方向を光軸方向と一致させることにより、電磁力を推力としてコイル25が光軸方向に移動する。
第2VCM14のヨーク22も、第1VCM13のヨーク21と同様の構成であり、外側平板部22Aと、内側平板部22Bと、曲状部22Cを有し、全体が略U字になっている。外側平板部22Aの光軸側の面には磁石24が取り付けられている。また、コイル26もコイル25と同様の構成である。コイル26は、レンズ枠18の右側部に、コイル26の中空部分をヨーク22の内側平板部22Bが貫通するように配置されている。コイル26は、フレキシブル配線板によって、VCMドライバ28を介してシステムコントローラ29に接続されている。VCM14もVCM13と同様であり、磁石24の磁界内にあるコイル26に電流が流されることによって光軸方向に発生させた電磁力を推力として、コイル26がヨーク22上で光軸方向に移動する。
ここで、コイル25,26の移動速度は、レンズ重量や摺動抵抗等に起因する略一定の抵抗力と、電磁力とによって決まる。より具体的には、抵抗力よりも電磁力が大きければコイル25,26は加速し、抵抗力よりも電磁力が小さければコイル25,26は減速し、抵抗力と電磁力とが略等しければコイル25,26は等速移動する。これを踏まえると、電流をI とし、磁界の強度が一定であった場合、停止しているコイル25,26を移動させるには、抵抗力よりも電磁力を大きくするために電流I を増大させる。逆に、移動しているコイル25,26を停止させるには、抵抗力よりも電磁力を小さくするために電流I を減少させれば良い。また、コイル25,26の移動速度を一定に維持するためには、抵抗力と電磁力とが略等しくなるように電流I を略一定に維持すれば良い。
なお、コイル25,26に流す電流の方向を反転させれば、発生する電磁力の方向も反転するため、コイル25,26の移動方向が反転する。したがって、電流の方向を制御して、コイル25,26の移動方向を変えることにより、レンズ枠18と一緒にレンズ17が光軸方向に往復可能になる。
コイル25,26の磁石23,24に対するコイル位置Pは、多極着磁磁石31とMRセンサ(Magnetoresistive sensor)32とによって検出する。多極着磁磁石31は、レンズ枠18に取り付けられている。MRセンサ32は、多極着磁磁石31と向き合うようにレンズ鏡筒12の内壁に取り付けられている。多極着磁磁石31は、光軸方向に沿ってN極とS極が交互に配列したパターンで着磁されている。着磁のパターン幅は、例えば100μm程度である。MRセンサ32は、例えば磁界の強さに応じて電気抵抗値が変化する各種の磁気抵抗(MR)素子を用いて構成されている。
MRセンサ32は、多極着磁磁石31のN極S極交互配列パターンに応じたパルス信号、または周期的に変化する電気信号をシステムコントローラ29に出力する。この出力に基づいて、システムコントローラ29は、コイル位置Pを検出する。MRセンサ32以外にも、ポテンショメータやエンコーダなどを用い、これらの信号をシステムコントローラ29に入力することで、コイル位置Pを検出しても良い。
図3に示すように、システムコントローラ29は、第1記憶テーブル33と、原点位置検出部34と、電流演算部35と、電流制御部36とを備える。また、システムコントローラ29は、図示は省略したが、操作部、CPU、画像処理回路、メモリ、ディスプレイ、A/D変換回路等のデジタルカメラに必要な構成を備えている。操作部は、電源ボタンやレリーズボタン、ズーム操作ボタン等、複数の操作部材を有する。これら操作部材の操作によって、システムコントローラ29は、デジタルカメラの電源のON/OFFや撮影準備処理(露出調節やフォーカス調節)、撮影処理、変倍動作等を制御する。CPUは、CMOSやCCD等の撮像部の動作を、所定のプログラムによって制御する。これにより、レンズ17によって撮像面に結像された被写体の像を画素毎に光電変換し、被写体の画像をメモリ等に出力する。画像処理回路は、撮像部が出力する画像にA/D変換やホワイトバランス補正やガンマ補正等の各種画像処理を施す。また、各種画像処理が施された画像を、メモリや着脱自在なメディアカード等に記憶したり、ディスプレイに表示したりする。
第1記憶テーブル33は、コイル25,26のコイル位置Pと第1補正係数C1との関係を予め記憶している。第1補正係数C1は、光軸方向における磁石23,24の磁束密度Bの分布を示す磁束密度分布B に基づいて、コイル25,26に流す電流をコイル位置Pごとに補正する。図4に示すように、磁束密度分布BDは、例えば光軸方向において、磁石23の端部に向かうほど磁束密度Bが小さくなる減少領域Ba,Bcと、磁束密度Bの変動が少なく略一定の定常領域Bbとを有する。本実施形態では、減少領域Ba側を撮影者側とし、減少領域Bc側を被写体側としている。また、磁束密度分布BDは、例えば、製造時において、設定した条件(例えば、水平状態、25℃、5V、500mA、0.1s等)でコイル位置Pごとに測定した磁束密度Bの分布である。なお、修理等で磁石を取り替えた場合には、修理後の磁石を測定した時点で得られた磁束密度の分布である。
ここで、磁束密度分布B の減少領域Baにあるコイル位置Pにおける磁束密度Bと、定常領域Bbにあるコイル位置Pにおける磁束密度Bとを比較すると、磁束密度B<磁束密度Bとなる。したがって、このコイル位置P及びコイル位置Pをコイルが通過する際に電流Iが一定に維持されていた場合には、コイル位置Pで発生する電磁力Fと、コイル位置Pで発生する電磁力Fとの大小関係は、磁束密度B,Bの大小関係と同様に、電磁力F<電磁力Fとなる。このように、コイル位置Pごとに電磁力Fが異なると、抵抗力と電磁力Fとが略等しくならず、電磁力Fを推力として移動するレンズ17が不等速に運動する。
このため、図5に示すように、磁束密度Bが一定でない場合でもコイルの移動速度を一定に維持するために、第1補正係数C1によって電流Iを補正する。第1補正係数の分布C1は磁束密度分布B に対応している。例えば、磁束密度Bが一定に分布した定常領域Bbに対しては、第1補正係数C1が一定に分布した定常領域C1bとなる。また、撮影者側に向かうほど磁束密度が小さくなる減少領域Baに対しては、第1補正係数C1が増加する増加領域C1aとなり、被写体側に向かうほど磁束密度が小さくなる減少領域Bcに対しては、第1補正係数C1が増加する増加領域C1cとなる。このように、第1補正係数C1は、磁束密度Bが一定の場合のみならず、磁束密度Bが一定でない場合も電流Iを補正する。
図2,図3に示すように、原点位置検出部34は、フォトインタラプタ(Photo Interrupter :以下、PIとして記載する)37とインデックス片38を備えている。PI37はレンズ鏡筒12の内部の被写体側に設けられる。インデックス片38はレンズ枠18に設けられ、レンズ枠18の移動によってPI37の溝に入り込むように構成されている。原点位置検出部34は、レンズ枠18の移動に伴って移動するインデックス片38をPI37で検出することにより、レンズ枠18が原点位置Pに位置していることを検出する。原点位置検出部34で検出された原点位置Pの情報は、電流制御部36に入力される。なお、PI37以外の位置センサ、例えばマイクロスイッチなどを用いてレンズ枠18が原点位置Pに位置していることを検出しても良い。
電流演算部35は、検出されたコイル位置Pに対応する第1補正係数C1で電流Iを補正して、補正後の電流I×C1を求める。より具体的には、まず、MRセンサ32からコイル位置Pの情報が入力されると、第1記憶テーブル33から、そのコイル位置Pに対応した第1補正係数C1を読み出す。そして、その読み出した第1補正係数C1を用いて電流Iを補正する。この補正後の電流I×C1はコイル位置Pごとに求める。したがって、補正後の電流I×C1の分布は、第1補正係数の分布C1に対応しており、定常領域C1bでは一定で、増加領域C1a及び増加領域C1cでは増加する。このように、電流Iを第1補正係数C1で補正することによって、磁界が変化した場合やコイル位置Pごとに磁束密度Bが変化しても、電磁力Fを一定に維持することができる。電流演算部35で求めた補正後の電流I×C1の情報は、電流制御部36に入力される。
電流制御部36は、VCMドライバ27,28を介して、コイル25,26に電流を流すか否か、及び電流を流す方向の反転等の制御を行う。電流制御部36は、入力された補正後の電流の情報に基づいて、コイル25,26に補正後の電流を流す。そして、移動するコイル25,26が、合焦位置等の目的の位置に達した際に、補正後の電流を停止する。
また、電流制御部36は、電源ボタンが押されて電源ON状態になると通電を検知し、VCMドライバ27,28を介して、コイル25,26に電流Iを流す。そして、原点位置検出部34から原点位置Pの情報が入力されると、その原点位置Pで電流Iを停止することで、レンズ枠18を原点位置Pで止めることができる。これにより、電源ON直後のレンズ枠18の位置の再現性が得られる。なお、電源ON直後のレンズ枠18の位置の再現性を得るために、コイル25,26に電流Iを流したが、補正後の電流を流しても良い。電源OFF状態にするために電源ボタンが再び押された場合は、任意のコイル位置Pにあるコイル25,26を原点位置Pに移動させてから電源OFF状態にしても良い。
次に、図6及び図7のフローチャートを参照して、第1実施形態の作用を説明する。まず、デジタルカメラで撮影を行う際に、電源ボタンが操作されて電源がONされる(S10)。次に、電流IがVCMドライバ27,28からコイル25,26に流れる(S11)。電流Iが流れることによって、コイル25,26と一緒にレンズ17が光軸方向に移動する(S12)。そして、PI37によって原点位置Pにレンズ17が位置することを検出する(S13)。検出した原点位置Pで、コイル25,26への電流Iを止め、レンズ17の移動を停止させる(S14)。
次に、レンズ17が停止している原点位置Pを基に、第1記憶テーブル33から、原点位置Pに対応する第1補正係数C1を取得する(S15)。取得した第1補正係数C1を用いて電流Iを補正した電流I×C1を算出する(S16)。算出した補正後の電流I×C1を、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S17)。補正後の電流I×C1が流れることによって、コイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S18)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S19―Yes)、補正後の電流I×C1の流れを止める(S20)。
レンズ17の移動が完了していない場合は(S19−No)、コイル位置Pを検出する(S21)。検出したコイル位置Pを基に、第1記憶テーブル33から、コイル位置Pに対応する第1補正係数C1を取得する(S22)。取得した第1補正係数C1を用いて電流Iを補正した電流I×C1を算出する(S23)。算出した補正後の電流I×C1を、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S24)。これによりコイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S25)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S26―Yes)、補正後の電流I×C1の流れを止める(S27)。レンズ17の移動が完了していない場合は(S26−No)、レンズ17の移動が完了するまでS21〜S26を繰り返す。
第1実施形態では、第1記憶テーブル33に予め記憶されているコイル位置Pごとの第1補正係数C1を用いて電流Iを補正することで、コイル位置Pごとに発生する電磁力Fを一定にしている。これにより、電磁力Fを推力とするレンズ17移動時の速度変動を抑えることができる。そして、フォーカスレンズや変倍レンズであるレンズ17の移動時の速度変動が抑えられることにより、ピント調節時や撮像倍率変更時のレンズの移動速度変動に伴う撮影者の違和感を無くすことができる。また、レンズ17の移動速度にバラツキがあると、移動速度に合わせてレンズ17を停止制御する必要があるが、レンズ17の移動速度が一定になるため、毎回同じようにレンズ17を停止させることができる。また、第1補正係数C1は、光軸方向における磁石23,24の磁束密度のバラツキに対応しているため、磁束密度が安定しない磁石23,24の両端部分においても、レンズ17の移動速度を一定にすることができる。したがって、磁石23,24の中央部分のみならず両端部分まで使用したレンズ駆動が可能となり、装置全体の小型化が可能となる。
なお、本実施形態では、補正後の電流を、電流Iと第1補正係数C1との乗算により求めたが、磁束密度の変化に応じて電流を補正することができれば、その他の演算方法で補正後の電流を求めても良い。
[第2実施形態]
図8に示すように、第2実施形態のレンズ駆動装置41は第1補正係数C1に加えて、温度センサ42及び第2補正係数C2を用いて電流を更に補正する。温度センサ42は、磁石23,24の周囲の温度Tを検出する。そして、検出した温度Tに対応する第2補正係数C2を用いて電流を補正する。この場合には、システムコントローラ29に代えて、例えば、システムコントローラ43が用いられる。レンズ駆動装置41は、温度センサ42を有し、これに対応してシステムコントローラ43が異なっていること以外は、レンズ駆動装置11と同様の構成を備える。したがって、以下においては、温度センサ42及びシステムコントローラ43の構成と、それに関連する部分を説明し、重複する構成の説明を省略している。
温度センサ42は、例えば、レンズ鏡筒12の内部に配置されたサーミスタであり、磁石23,24の周囲の温度Tを検出することで、間接的に磁石23,24の温度Tを検出する。なお、磁石23,24の表面に接触するように配置して、磁石23,24の表面温度を検出しても良い。温度センサ42は、システムコントローラ43に接続され、検出した温度Tの情報をシステムコントローラ43に入力する。
システムコントローラ43は、第2記憶テーブル44と、電流演算部45とを備える。システムコントローラ43は、第2記憶テーブル44と、電流演算部45以外は、システムコントローラ29と同様に構成されている。
第2記憶テーブル44は、図9に示すように、温度Tと第2補正係数C2との関係を予め、例えば製造時等に記憶している。第2補正係数C2は、温度Tの変化に伴って変化する磁束密度分布BDに基づいて、検出した温度Tごとに電流を補正する。磁束密度分布BDは、温度Tが上がるほど磁束密度Bが小さくなり、温度Tが下がるほど磁束密度Bが大きくなる磁石の温度特性に基づいて分布している。このように、温度Tの変化に伴って磁束密度Bに変化が生じるため、コイル25,26に電流を流した場合、温度Tの変化に伴って電磁力Fが変化する。したがって、電磁力Fを推力とするコイル25,26の移動速度が、温度Tの変化によって変化する。
このため、第2補正係数C2は、温度Tが変化してもコイル25,26を移動させる電磁力Fが一定となるように、温度Tごとに電流を補正する。温度Tごとの第2補正係数の分布C2DTは、例えば基準温度25℃から温度60℃に変化した場合、磁束密度Bが磁束密度B25から磁束密度B60に変化する比率r(=B60/B25)で減磁しているのに対して、第2補正係数C2は第2補正係数C225から第2補正係数C260に変化する比率r(=C260/C225)で増加するように設定される。ここで、比率r、比率rは、例えば増減が逆転した等しい数値である。
なお、図9では、比率r,rを、太い矢印でベクトル表示している。また、以下に説明する図13、図17、図18、図28、図29の各実施形態における比率r,r ,r も同様にして太い矢印でベクトル表示している。また、実用の温度Tの範囲(例えば、−20℃〜60℃(−20℃以上60℃以下))内で第2補正係数C2の関係を示しているが、デジタルカメラの使用環境などに応じて、その他の温度Tの範囲域で、第2補正係数C2を設定してもよい。
図8に示すように、電流演算部45は、検出されたコイル位置Pに対応する第1補正係数C1と、検出された温度Tに対応する第2補正係数C2とで、電流Iを補正した電流I×C1×C2を求める。より具体的には、まず、MRセンサ32からコイル位置Pの情報が入力されると、第1記憶テーブル33から、そのコイル位置Pに対応した第1補正係数C1を読み出す。さらに、温度センサ42から温度Tの情報が入力されると、第2記憶テーブル44から、その温度Tに対応した第2補正係数C2を読み出す。そして、読み出した第1補正係数C1及び第2補正係数C2を用いて電流Iを補正する。この補正後の電流I×C1×C2はコイル位置Pごと及び温度Tごとに求められる。このように、電流Iを第1補正係数C1及び第2補正係数C2で補正することによって、温度の変化に伴って磁束密度が変化した場合でも、電磁力Fを一定に維持することができる。電流演算部45で求めた補正後の電流I×C1×C2の情報は、電流制御部36に入力される。
次に、図10及び図11のフローチャートを参照して、第2実施形態の作用を説明する。まず、第1実施形態と同様に、カメラの電源がONされた後、電流Iをコイル25,26に流してレンズ17を光軸方向に移動させる。そして、検出した原点位置Pでレンズ17を停止させ、その原点位置Pにおける第1補正係数C1を第1記憶テーブル33から取得する(S10〜S15)。
次に、温度Tを検出する(S30)。検出した温度Tを基に、第2記憶テーブル44から、温度Tに対応する第2補正係数C2を取得する(S31)。そして、取得した第1補正係数C1及び第2補正係数C2を用いて電流Iを補正した電流I×C1×C2を算出する(S32)。算出した補正後の電流I×C1×C2を、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S33)。補正後の電流I×C1×C2の流れによってコイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S34)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S35―Yes)、補正後の電流I×C1×C2の流れを止める(S36)。
レンズ17の移動が完了していない場合(S35−No)は、コイル位置Pを検出し、そのコイル位置Pを基に、第1記憶テーブル33から、コイル位置Pに対応する第1補正係数C1を取得する(S21,S22)。次に、温度Tを検出する(S37)。検出した温度Tを基に、第2記憶テーブル44から、温度Tに対応する第2補正係数C2を取得する(S38)。取得した第1補正係数C1及び第2補正係数C2を用いて電流Iを補正して、補正後の電流I×C1×C2を算出する(S39)。算出した補正後の電流I×C1×C2を、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S40)。補正後の電流I×C1×C2の流れによってコイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S41)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S42―Yes)、補正後の電流I×C1×C2の流れを止める(S43)。レンズ17の移動が完了していない場合は(S42−No)、レンズ17の移動が完了するまでS21〜S42を繰り返す。
第2実施形態では、第1記憶テーブル33に予め記憶されているコイル位置Pごとの第1補正係数C1に加え、第2記憶テーブル44に予め記憶されている温度Tごとの第2補正係数C2を用いて、電流を更に補正して電磁力Fが一定となるようにしている。したがって、レンズ駆動装置41を含むデジタルカメラ等を室内から室外に移動させた場合などの温度Tの急激な変化や、レンズ駆動装置41の連続駆動に伴う発熱によって磁石23,24の温度Tが上昇した場合でも、レンズ17移動時の速度変動が抑えられる。
なお、第2実施形態では、常に温度Tを測定したが、温度Tの測定を開始する温度測定ボタン(図示省略)が押された任意のタイミングで温度Tを測定してもよい。また、温度Tの測定は、一定の時間が経過するたびに行ってもよい。この場合は、タイマー(図示省略)等を用いて、温度Tを測定する時間を予め設定しておく。定期的に温度Tを測定することにより、常に温度Tを検出する場合と比較して装置の負荷が軽減される。また、定期的に測定された温度Tを線形近似等で近似し、温度Tの変化を推定し、この推定した温度Tに基づいて電流を補正してもよい。
[第3実施形態]
図12に示すように、第3実施形態のレンズ駆動装置51は、時計回路52を用いて経過時間を計測し、その経過時間に対応した第3補正係数C3を用いて電流を更に補正する。この場合、例えば、システムコントローラ53が使用される。このレンズ駆動装置51は、時計回路52及びシステムコントローラ53が異なっていること以外は、レンズ駆動装置11と同様の構成を備える。したがって、以下においては、時計回路52及びシステムコントローラ53の構成とそれに関連する部分を説明し、重複構成の説明は省略している。
時計回路52は、磁石23,24の磁束密度分布BDを測定した基準時刻からの経過時間tを計測している。基準時刻は、例えば、製造時において、設定した条件で磁石23,24の磁束密度分布BDを測定した時刻である。なお、修理等で磁石を取り替えた場合は、その修理時において磁束密度分布BDを再測定した時点を基準時刻とする。時計回路52は、システムコントローラ53に接続され、計測した経過時間tの情報をシステムコントローラ53に入力する。なお、経過時間tを計測するタイミングは、カメラの電源がONにされた時や、これ以外に数日単位や、数ヶ月単位でも、数年単位でも良く、任意に設定可能である。また、時計回路52をシステムコントローラ53とは別個に設けた例で説明しているが、システムコントローラ53内で時計回路52を構成してもよい。
システムコントローラ53は、第3記憶テーブル54と、電流演算部55とを備える。システムコントローラ53は、第3記憶テーブル54と、電流演算部55以外は、システムコントローラ29と同様に構成されている。
第3記憶テーブル54は、経過時間tと第3補正係数C3との関係を予め記憶している。図13に示すように、第3補正係数C3は、時間の経過に応じて変化する磁石23,24の磁束密度分布BDに基づいて、経過時間tごとに、コイル25,26への電流を補正する。ここで、磁石23,24の磁束密度は、時間の経過にしたがい減磁する傾向がある。そのため、電流Iをコイル25,26に流した場合、発生する電磁力Fは時間が経過するほど小さくなる。したがって、電磁力Fを推力とするコイル25,26の移動速度は、時間の経過に伴って遅くなる。
このため、第3補正係数C3は、コイル25,26を移動させる電磁力Fが、時間が経過しても一定となるように、経過時間tごとに電流を補正する。経過時間tごとの第3補正係数の分布C3Dtは、例えば、図13に示すように、基準時刻(経過時間t)から経過時間tが経過した場合、磁束密度Bが磁束密度Bt0から磁束密度Btiに比率rで減磁しているのに対して、第3補正係数C3は第3補正係数C3から第3補正係数C3に比率rで増加するように設定される。ここで、比率rと比率rは、例えば増減が逆転した等しい数値である。
図12に示すように、電流演算部55は、検出されたコイル位置Pに対応する第1補正係数C1と、計測した経過時間tに対応する第3補正係数C3とにより、電流Iを補正した電流I×C1×C3を求める。まず、MRセンサ32からコイル位置Pの情報が入力されると、第1記憶テーブル33から、そのコイル位置Pに対応した第1補正係数C1を読み出す。さらに、時計回路52で計測した経過時間tの情報が入力されると、第3記憶テーブル54から、その経過時間tに対応した第3補正係数C3を読み出す。そして、読み出した第1補正係数C1及び第3補正係数C3を用いて電流Iを補正する。この補正後の電流I×C1×C3はコイル位置Pごと及び経過時間tごとに求められる。このように、電流Iを第1補正係数C1及び第3補正係数C3により、補正することによって、時間の経過に伴って磁束密度が変化した場合でも、電磁力Fを一定に維持することができる。電流演算部55で求めた補正後の電流I×C1×C3の情報は、電流制御部36に入力される。
次に、図14及び図15のフローチャートを参照して、第3実施形態の作用を説明する。まず、第1実施形態と同様に、カメラの電源がONされた後、電流Iをコイル25,26に流してレンズ17を光軸方向に移動させる。そして、検出した原点位置Pでレンズ17を停止させ、その原点位置Pにおける第1補正係数C1を第1記憶テーブル33から取得する(S10〜S15)。
次に、時計回路52から経過時間tを読み出す(S50)。この経過時間tを基に、第3記憶テーブル54から、経過時間tに対応する第3補正係数C3を取得する(S51)。取得後は、補正電流の算出(S52)、補正電流による通電とレンズ移動(S53,S54)、レンズ移動完了時の通電停止(S55,S56)の各処理が行われる。
レンズ17の移動が完了していない場合(S55−No)は、図15に示すように、コイル位置の検出(S21)、第1補正係数C1 の取得(S22)、補正電流の算出(S57)、補正電流による通電とレンズ移動(S58,S59)、レンズ移動完了時の通電停止(S60,S61)、レンズ移動未完時のレンズ移動完了処理(S21〜S61)の各処理を行う。
第3実施形態では、第1記憶テーブル33に予め記憶されているコイル位置Pごとの第1補正係数C1に加え、第3記憶テーブル54に予め記憶されている経過時間tごとの第3補正係数C3を用いて、電流を更に補正して電磁力Fが一定となるようにした。これにより、時間の経過によって磁石23,24の磁束密度Bが減磁した場合でも、レンズ17移動時の速度変動が抑えられる。
第3実施形態では、原点位置Pからレンズ17を移動させる際に第3補正係数C3を取得したのみで、それ以降のレンズ17の移動では同じ第3補正係数C3を用いて電流を補正している。これに代えて、新たに経過時間tを計測して取得した第3補正係数C3を用いて電流を補正してもよい。
第3実施形態では、電源ON時に経過時間tを読み取っている。これに代えて、経過時間tの計測を開始する経過時間計測ボタン(図示省略)が押された任意のタイミングで、経過時間tを読み取り、この経過時間tによる補正モードが選択されたときに経時変化による磁束密度の変動に起因するレンズの移動速度の変動を抑えてもよい。
[第4実施形態]
図16〜図18に示すように、第4実施形態のレンズ駆動装置61は、基準位置Pにおいて磁気センサ62で測定した測定磁束密度BPb と、同じく基準位置Pで予め測定しておいた基準となる初期磁束密度BPbとの比率である磁束密度比率rを用いて第1補正係数C1を修正する。この場合、例えば、システムコントローラ63が使用される。レンズ駆動装置61は、磁気センサ62及びシステムコントローラ63が異なっていること以外は、レンズ駆動装置11と同様の構成を備える。したがって、磁気センサ62及びシステムコントローラ63の構成とそれに関連する部分を説明し、重複構成の説明は省略している。
磁気センサ62は、例えばホール素子を用いたセンサが用いられる。磁気センサ62は電源ボタンが押されて通電を検知すると、磁石23,24の基準位置Pにおける磁束密度を測定し測定磁束密度BPb を得る。磁気センサ62は、例えば、磁石23,24が固定された面と反対側の外側平板部21A,22Aに固定される。この磁気センサ62が固定された位置が基準位置Pであり、この基準位置Pにおいて、磁石23,24の測定磁束密度BPb を測定する。基準位置Pは、磁石23,24の測定磁束密度BPb を測定することができる位置であれば任意の位置で良いが、第1補正係数C1を決める基となった磁束密度分布B を測定した各位置であることが好ましい。磁気センサ62は、システムコントローラ63に接続され、基準位置Pで測定した測定磁束密度BPb の情報をシステムコントローラ63に入力する。
図16に示すように、システムコントローラ63は、初期磁束密度記憶部64と、磁束密度比率算出部65と、係数補正部66と、電流演算部67とを備える。システムコントローラ63は、初期磁束密度記憶部64と、磁束密度比率算出部65と、係数補正部66と、電流演算部67以外は、システムコントローラ29と同様に構成されている。
初期磁束密度記憶部64は、基準位置Pにおいて予め測定した磁石23,24の磁束密度を初期磁束密度BPbとして記憶している。初期磁束密度BPbは、製造時において、設定した条件で測定した基準位置Pの磁束密度である。なお、修理等で磁石を取り替えた場合は、修理後に取り替えられた磁石を測定した時点で得られた磁束密度が初期磁束密度BPbとして記憶される。初期磁束密度BPbは、磁気センサ62を用いて測定したが、基準位置Pにおける磁石23,24の磁束密度を測定することができるものであればよく、用いるセンサや測定方法は特に限定されない。
磁束密度比率算出部65は、磁気センサ62から測定磁束密度BPb の情報が入力されると、初期磁束密度記憶部64から初期磁束密度BPbを読み出して、測定磁束密度BPb と初期磁束密度BPbとの比率である磁束密度比率rを求める。磁束密度比率rは、図17に示すように、基準位置Pにおいて、測定磁束密度BPb が初期磁束密度BPbよりも減磁していた場合、その減磁した比率が磁束密度比率rとして求められる。ここで、コイル25,26に流す電流が同じであれば、測定磁束密度BPb に基づく電磁力Fmは、初期磁束密度BPbに基づく電磁力Fよりも小さくなる。したがって、測定磁束密度BPb による電磁力Fmで移動するコイルの移動速度は、初期磁束密度BPbによる電磁力Fで移動するコイルの移動速度よりも遅くなる。そこで、コイルの移動速度を一定に維持するために、磁束密度の変化の割合である磁束密度比率rに応じて電流を補正する必要がある。図16に示すように、磁束密度比率算出部65で求めた磁束密度比率rの情報は、係数補正部66に入力される。
係数補正部66は、磁束密度比率算出部65から入力された磁束密度比率rにより、第1記憶テーブル33に記憶された第1補正係数C1を補正して、補正後の第1補正係数C1cを求める。例えば、初期磁束密度BPbから測定磁束密度BPb に減磁した場合、図18に示すように、減磁した割合である磁束密度比率rに応じて、第1補正係数C1をコイル位置Pごとに増大させる。このように、磁束密度比率rによる補正後の第1補正係数C1cをコイル位置Pごとに求めれば、磁束密度比率rで一様に増大した補正後の第1補正係数の分布C1cが得られる。
図16に示すように、電流演算部67は、検出されたコイル位置Pに対応して磁束密度比率rで補正された第1補正係数C1cによって電流Iを補正する。まず、MRセンサ32からコイル位置Pの情報が入力されると、係数補正部66を介して、コイル位置Pに対応する第1補正係数C1を第1記憶テーブルから読み出す。読み出した第1補正係数C1は、係数補正部66によって磁束密度比率rで補正される。そして、その補正後の第1補正係数C1cで電流Iを補正することによって、補正後の電流I×C1cが求められる。この補正後の電流I×C1cはコイル位置Pごとに求める。このように、電流Iを補正後の第1補正係数C1cで補正することによって、時間の経過や温度の変化に伴って磁束密度が変化した場合でも、電磁力Fを一定に維持することができる。電流演算部67で求めた補正後の電流I×C1cの情報は、電流制御部36に入力される。
次に、図19及び図20のフローチャートを参照して第4実施形態の作用を説明する。まず、電源がON(S10)になると、磁気センサ62は、基準位置Pにおける測定磁束密度BPb を測定する(S70)。次に、初期磁束密度記憶部64に記憶されている基準位置Pにおける初期磁束密度BPbと測定磁束密度BPb とを比較して磁束密度比率rを算出する(S71)。次に、電流Iをコイル25,26に流してレンズ17を光軸方向に移動させ、検出した原点位置Pでレンズ17を停止させる(S11〜14)。
次に、レンズ17が停止している原点位置Pに対応した第1補正係数C1を磁束密度比率rで補正して、補正後の第1補正係数C1cを算出する(S72)。算出した補正後の第1補正係数C1cを用いて、電流Iを補正した電流I×C1cを算出する(S73)。そして、補正後の電流I×C1cを、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S74)。補正後の電流I×C1cが流れることによってコイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S75)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S76―Yes)、補正後の電流I×C1cの流れを止める(S77)。
レンズ17の移動が完了していない場合は(S76−No)、図20に示すように、コイル位置P の検出(S21)、補正後の第1補正係数C1 cの算出(S78)、補正電流の算出(S79)、補正電流の通電及びレンズ移動(S80,S81)、レンズの移動完了処理、電流の停止(S82、S83)を行う。また、レンズ17の移動が完了していない場合は(S82−No)、レンズ17の移動が完了するまでS21〜S82を繰り返す。
本実施形態では、電源投入によって、基準位置Pで測定した測定磁束密度BPb と、基準位置Pで予め測定しておいた初期磁束密度BPbとに基づいて磁束密度比率rを求め、その磁束密度比率rを補正係数用の補正データとして用いて、第1補正係数C1を補正した。これにより、補正後の第1補正係数C1cで電流を制御できることから、時間の経過や温度の変化に伴って磁束密度が変化した場合でも、一定の電磁力Fを発生させることができる。したがって、レンズ17移動時の速度変動が抑えられる。
第4実施形態では、電源投入によって、基準位置Pの測定磁束密度BPb を測定したが、測定磁束密度BPb の測定を開始する磁束密度測定ボタン(図示省略)が押された任意のタイミングで、測定磁束密度BPb を測定しても良い。
なお、一定の時間が経過するたびに、基準位置Pで測定磁束密度BPb を繰り返し測定しても良い。この場合、図21に示すように、タイマー68を用いて、測定磁束密度BPb を測定する時間を予め設定しておく。また、第1更新部69を備え、一定の時間が経過するたびに求めた磁束密度比率rを用いて補正後の第1補正係数C1cを求め、その補正後の第1補正係数C1cで第1記憶テーブル33に記憶された第1補正係数C1を更新しても良い。このように、一定の時間が経過するたびに第1記憶テーブル33を更新すれば、コイル位置Pを検出するたびに第1補正係数C1を補正する場合よりも装置の負荷を軽減することができる。
また、一定の時間が経過するたびに測定された測定磁束密度BPb を線形近似等で近似することで、測定磁束密度BPb の変化を推定することができる。このように測定磁束密度BPb の変化を推定すれば、推定した測定磁束密度BPb に基づいて磁束密度比率rが求められる。そして、この磁束密度比率rを用いて補正された第1補正係数C1cによって電流が補正される。この場合には、新しい磁束密度比率rが求められるまでの間は、推定した磁束密度比率rで第1補正係数C1を補正することができる。したがって、測定磁束密度BPb の測定回数が減って装置の負荷が軽減され、レンズ17移動時の速度変動が抑えられる。
なお、磁石の磁束密度の経時劣化は、温度T等の外乱の影響を受けやすいことから、磁束密度比率rが5%未満の場合は、磁束密度比率rを用いた電流補正を制限してもよい。また、磁石の磁束密度の経時劣化が小さい場合や線形近似等で近似した場合は、経時的な変動は十分に小さい値として見積もることができるため、電源投入直後の磁束密度の変化は、温度の変化に依存する傾向が強い。そのため、その磁束密度の変化から、温度Tを推定し、この推定した温度Tに基づき電流を補正してもよい。
[第5実施形態]
図22に示すように、第5実施形態のレンズ駆動装置71は、姿勢センサ72を用いてレンズ鏡筒12の仰俯角θを検出し、検出した仰俯角θに対応した第4補正係数C4を用いて電流を更に補正する。この場合、例えば、システムコントローラ73が使用される。このレンズ駆動装置71は、姿勢センサ72及びシステムコントローラ73が異なっていること以外は、レンズ駆動装置11と同様の構成を備える。したがって、以下においては、姿勢センサ72及びシステムコントローラ73の構成と、それに関連する部分を説明し、重複構成の説明は省略している。
姿勢センサ72は、レンズ鏡筒12の仰俯角θを検出する。姿勢センサ72は、例えば、ジャイロセンサとその処理回路等で構成され、少なくともレンズ鏡筒12の仰俯角θを検出でき、レンズ駆動装置71の駆動を妨げなければ、どのように配置されても良い。仰俯角θは、レンズ鏡筒12を有するデジタルカメラの傾きに基づいた値であり、水平を基準として上向きの角度(仰角)を正の数、下向きの角度(俯角)を負の数で表すものとする。姿勢センサ72は、システムコントローラ73に接続され、検出した仰俯角θの情報をシステムコントローラ73に入力する。
システムコントローラ73は、第4記憶テーブル74と、電流演算部75とを備える。システムコントローラ73は、第4記憶テーブル74と、電流演算部75を備えること以外は、システムコントローラ29と同様であるため、重複する説明は省略している。
第4記憶テーブル74は、仰俯角θと第4補正係数C4との関係を予め記憶している。第4補正係数C4は、仰俯角θの大きさに応じてコイル25,26に流す電流を補正する。ここで、レンズ鏡筒12を有するデジタルカメラを仰角が大きくなるように傾けた場合、撮影者側から被写体側にレンズ17を移動させるときに、VCM13,14が力不足になる可能性がある。逆に、俯角が大きくなるように傾けた場合は、被写体側から撮影者側にレンズ17を移動させるときに、VCM13,14が力不足になる可能性がある。このように、VCM13,14の力不足によってレンズ17の駆動が限界に近づくと、レンズ17を高速で正確に移動させることが困難となる。そのため、仰俯角θが大きい場合には、仰俯角θが小さい場合よりも大きい電流を流して力を得る必要がある。このように大きい電流が流れた場合に磁束密度Bが変化すれば、発生する電磁力Fの変化は大きくなる。仰俯角θが大きい場合は電流が大きいため、電磁力Fに対する磁束密度の変化の影響が大きくなる。したがって、電磁力Fを推力とするコイル25,26の移動速度への影響も大きくなる。
このため、第4補正係数C4は、仰俯角θが大きい場合に大きい電流が流れてもコイル25,26を移動させる電磁力Fが一定となるように、仰俯角θごとに電流を補正する。
図23は、第4補正係数C4の一例を示している。レンズ鏡筒12を有するデジタルカメラを水平に維持した水平状態を0°として、レンズを真上に向けた状態の仰俯角θは+90°となり、真下に向けた状態の仰俯角θは−90°となる。第4補正係数の分布C4は、水平状態における第4補正係数C4が最小となり、仰俯角θが+90°及び−90°の時の第4補正係数C4+90及びC4−90が最大となる。最小第4補正係数は例えば「1」であり、水平状態を基準にしている。
図22に示すように、電流演算部75は、第1補正係数C1と第4補正係数C4とに基づいて電流Iを補正し、補正後の電流I×C1×C4を求める。まず、MRセンサ32からコイル位置Pの情報が入力されると、第1記憶テーブル33から、そのコイル位置Pに対応した第1補正係数C1を読み出す。姿勢センサ72から仰俯角θの情報が入力されると、第4記憶テーブル74から、その仰俯角θに対応した第4補正係数C4を読み出す。そして、第1補正係数C1及び第4補正係数C4により電流Iを補正する。この補正後の電流I×C1×C4はコイル位置Pごと及び仰俯角θごとに求める。このように、電流Iを第1補正係数C1及び第4補正係数C4で補正することによって、仰俯角θに応じて電流が大きくなった場合でも、電磁力Fを一定に維持することができる。電流演算部75で求めた補正後の電流I×C1×C4の情報は、電流制御部36に入力される。
次に、図24及び図25のフローチャートを参照して、第5実施形態の作用を説明する。撮影時には、第1実施形態と同様に、カメラの電源がONされた後、電流Iをコイル25,26に流してレンズ17を光軸方向に移動させる。そして、検出した原点位置Pでレンズ17を停止させ、その原点位置Pにおける第1補正係数C1を第1記憶テーブル33から取得する(S10〜S15)。
次に、レンズ鏡筒12の仰俯角θの測定(S80)、仰俯角θに対応する第4補正係数C4の取得(S81)、取得した第1補正係数C1 及び第4補正係数C4 を用いて補正電流I の算出(S82)、算出後の補正電流のコイル25,26への供給(S83)の各処理を行う。これにより、コイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S84)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S85―Yes)、補正後の電流I ×C1 ×C4 の流れを停止する(S86)。
レンズ17の移動が完了していない場合は(S85−No)、図25に示すように、コイル位置の検出(S21)、第1補正係数C1 の取得(S22)、仰俯角の測定(S87)、第4補正係数C4 の取得(S88)、補正電流の算出(S89)、補正電流の通電及びレンズ移動(S90,S91)、レンズの移動完了処理、電流の停止(S92、S93)を行う。また、レンズ17の移動が完了していない場合は(S92−No)、レンズ17の移動が完了するまでS21〜S92を繰り返す。
本実施形態では、第1記憶テーブル33に予め記憶されているコイル位置Pごとの第1補正係数C1に加え、第4記憶テーブル74に予め記憶されている仰俯角θごとの第4補正係数C4を用いて、電流を更に補正して電磁力Fが一定となるようにしたから、デジタルカメラの仰俯角θが大きくなった際に、力を得るために電流が大きくなっていたとしても、レンズ17移動時の速度変動が抑えられる。
[第6実施形態]
図26に示すように、第6実施形態のレンズ駆動装置81は、コイル25,26の移動範囲を複数に分割した区間Sごとに求めた移動速度と、予め区間Sごとに測定して記憶しておいた基準となる移動速度との比率を用いて第1補正係数C1を補正する。この場合、例えば、システムコントローラ83が使用される。このレンズ駆動装置81は、システムコントローラ83が異なっていること以外は、レンズ駆動装置11と同様の構成を備える。システムコントローラ83は、基準速度記憶部84と、移動時間計測部85と、移動速度算出部86と、速度比率算出部87と、第5記憶テーブル88と、電流演算部89とを備える。以下、システムコントローラ83の構成と、それに関連する部分を説明し、重複構成の説明は省略している。
基準速度記憶部84は、予め測定したコイル25,26の移動速度を基準移動速度vとして記憶している。基準移動速度vは、製造時において、設定した条件でコイル25,26を移動範囲全体にわたって移動させた際に、区間Sごとに得られた移動速度である。なお、修理等で磁石を取り替えた場合は、修理後に、区間Sごとに測定したコイル25,26の移動速度が基準移動速度vとして記憶される。基準移動速度vを得る方法としては、区間Sを移動するコイル25,26の移動時間を計測し、その移動時間と区間Sの長さDとから求めても良いし、速度センサ等を用いて区間Sごとに測定しても良い。なお、区間Sの数は任意に決められるが、例えば、メモリの容量に応じて数10〜1000に分割されることが好ましい。また、区間Sごとの長さDは、全て同じ長さでも良いし、異なる長さで任意に設定しても良い。
移動時間計測部85は電源ボタンが押されて通電を検知すると、電流Iによりコイル25,26を移動範囲全体にわたって往復させ、コイル25,26が各区間Sを移動する際に要した移動時間tを計測する。移動時間tは、各区間Sを往復するコイル25,26の位置をMRセンサ32で追跡することで、区間Sごとに計測される。区間Sの長さD及び区間Sの数は、基準速度記憶部84で基準移動速度vを記憶した区間Sの長さD及び区間Sの数と同じとなるように設定される。また、往復は、電源投入時のコイル25,26のコイル位置Pを往復の開始位置とし、コイル25,26に流す電流Iの方向を反転させることにより、コイル25,26の移動方向を反転させて行われる。なお、電源をOFFした際に、レンズ枠18を原点位置Pまで移動させて停止させていた場合は、往復の開始位置は原点位置Pとなる。移動時間計測部85で計測された区間Sごとの移動時間tの情報は、移動速度算出部86に入力される。
移動速度算出部86は、移動時間計測部85から各区間Sの移動時間tの情報が入力されると、その移動時間tと区間Sの長さDとに基づくコイル25,26の移動速度である算出移動速度vを求める。算出移動速度vは、全ての区間Sについて求める。まず、図27に示すように、区間Sが移動範囲全体を均等な長さDで15分割した区間S〜S15であった場合、区間S,S15において、移動した時間が等しい移動時間tM1,tM15であれば、その移動時間tM1,tM15と区間S,S15の長さDとから、等しい速度の算出移動速度v,v15が求められる。同様に、区間S,S14において移動時間tM2,tM14であれば、算出移動速度v,v14が求められ、区間S,S13で移動時間tM3,tM13であれば、算出移動速度v,v13が求められ、区間S〜S12で移動時間tM4〜tM12であれば、算出移動速度v〜v12が求められる。移動速度算出部86で求めた区間Sごとの算出移動速度vの情報は、速度比率算出部87に入力される。
速度比率算出部87は、移動速度算出部86から区間Sごとの算出移動速度vが入力されると、同じ区間Sの算出移動速度vと基準移動速度vとを比較して、移動速度の比率である速度比率rを区間Sごとに求める。例えば、図28に示すように、区間S〜S15のそれぞれにおいて算出移動速度vと基準移動速度vとを比較することにより、区間S〜S15のそれぞれで速度比率rv1〜rv15が求められる。速度比率算出部87で求めた区間Sごとの速度比率rの情報は、第5記憶テーブル88に入力される。
第5記憶テーブル88は、速度比率算出部87で求めた速度比率rを区間Sごとに記憶する。ここで、区間Sはコイル25,26の移動範囲を複数に分割したものであるから、複数のコイル位置Pが1つの区間S内に含まれる場合がほとんどである。したがって、第5記憶テーブル88は、コイル25,26のコイル位置Pを複数含む区間Sごとに速度比率rを記憶する。
電流演算部89は、第1補正係数C1dを用いて、補正後の電流を求める。先ず、第1記憶テーブル33からコイル位置Pに対応する第1補正係数C1dを読み出す。また、第5記憶テーブル88から、コイル位置Pを含む区間Sに対応する速度比率rを読み出す。そして、速度比率rによって、第1補正係数C1dを補正する。このように、電流Iを補正後の第1補正係数C1dで補正することによって、時間の経過や温度の変化に伴って磁束密度が変化した場合でも、電磁力Fを一定に維持することができる。電流演算部89で求めた補正後の電流I×C1dの情報は、電流制御部36に入力される。
速度比率rによる第1補正係数C1の補正は、1つの区間Sに複数のコイル位置Pが含まれることから、その区間Sでは、複数の第1補正係数C1が同じ速度比率rで一様に補正されることになる。したがって、区間Sごとに補正されて得られる補正後の第1補正係数の分布C1dは、区間Sの分割数が少なければ、隣り合う区間Sの境界の段差が際立ってしまう。そのため、図29に示すように、区間Sの分割数を多くして、隣り合う区間Sの境界の段差が小さくなった補正後の第1補正係数の分布C1dが得られるようにすることが望ましい。
次に、図30及び図31のフローチャートを参照して、第6実施形態の作用を説明する。電源がON(S10)された後、電流IがVCMドライバ27,28からコイル25,26に流される(S100)。電流Iを流す方向が反転され、コイル25,26と一緒にレンズ17が光軸方向に往復する(S101)。コイル25,26が全ての区間Sを移動する際に、区間Sごとの移動時間tの計測(S102)、区間Sごとの移動時間tと、区間Sの長さDとにより区間Sごとの算出移動速度vの算出(S103)が行われる。次に、区間Sごとの算出移動速度vと、区間Sごとの基準移動速度vとから、移動速度の速度比率r 区間Sごとに算出される(S104)。そして、原点位置Pを検出し、原点位置Pでレンズ17を停止させる(S13、S14)。
次に、レンズ17が停止している原点位置Pに対応した第1補正係数C1を、その原点位置Pを含む区間Sの速度比率rv0で補正して、補正後の第1補正係数C1dが算出される(S105)。次に、第1補正係数C1dを用いた電流I×C1dの算出(S106)、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に補正後の電流I ×C1 dの供給(S107)の各処理を経て、コイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S108)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S109―Yes)、補正後の電流I×C1dの流れを停止する(S110)。
レンズ17の移動が完了していない場合は(S109−No)、図31に示すように、レンズ17のコイル位置Pの検出(S21)、コイル位置Pに対応した第1補正係数C1を速度比率rviで補正する第1補正係数C1dの算出(S111)、第1補正係数C1dを用いた電流I×C1dの算出(S112)、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に補正後の電流I ×C1 dの供給(S113)の各処理を経て、レンズ17が移動する(S114)。レンズ17の移動が完了した場合は(S115―Yes)、補正後の電流I×C1dの流れの停止(S116)、レンズ17の移動が完了していない場合は(S115−No)、レンズ17の移動が完了するまでS21〜S115を繰り返す。
本実施形態では、電源投入によって、区間Sごとに求めた算出移動速度vと、区間Sごとに予め記憶しておいた基準移動速度vとに基づいて速度比率rを求め、その速度比率rを補正係数用の補正データとして用いて第1補正係数C1を補正する。これにより、区間Sごとの補正後の第1補正係数C1dで電流を制御できることから、時間の経過や温度が変化した場合、或いはガイドとガイド孔における摩擦特性が変化した場合でも、レンズ17移動時の速度変動が抑えられる。
[第7実施形態]
第6実施形態のレンズ駆動装置81では、コイル位置Pを検出するたびに、第1記憶テーブル33から読み出した第1補正係数C1を、第5記憶テーブル88から読み出した速度比率rで補正している。これに代えて、図32に示すように、第7実施形態のレンズ駆動装置91は、第1記憶テーブル33に記憶された第1補正係数C1を速度比率rで補正し、この第1補正係数C1dを用いて、第1記憶テーブル33を更新する。この場合、例えば、システムコントローラ93が使用される。このシステムコントローラ93は第2更新部94を備えている。第2更新部94は第1記憶テーブル33の更新を行う。このシステムコントローラ93は、第2更新部94が異なっていること以外は、システムコントローラ29及びシステムコントローラ83と構成が重複する。したがって、以下においては、第2更新部94に関連する部分を説明し、重複構成の説明は省略している。
第2更新部94は、第1記憶テーブル33の第1補正係数Cを更新する。この更新は、一定の時間が経過するたびに、第1記憶テーブル33のコイル位置Pごとの第1補正係数C1を、コイル位置Pが含まれる区間Sの速度比率rに基づき求め、この求めた第1補正係数C1で上書きすることで行われる。この更新は、全てのコイル位置Pで行われる。更新された第1記憶テーブル33は、電流演算部35によって、コイル位置Pに対応した補正後の第1補正係数C1dが読み出されて、その補正後の第1補正係数C1dにより電流Iが補正される。
次に、図30、図33、図34のフローチャートを参照して、第7実施形態の作用を説明する。まずは第6実施形態と同様に図30に示すように、図示しない電源のONにより電流Iでコイル25,26を往復させる。そして、区間Sごとに計測した移動時間tと、区間Sの長さDとに基づいて算出移動速度vを算出し、予め記憶した基準移動速度vと比較することで、区間Sごとに速度比率rを算出する(S10,S100〜S104)。
次に、図33に示すように、区間Sごとに算出した速度比率rと、その区間Sに含まれているコイル位置Pに対応して第1記憶テーブルに記憶された第1補正係数C1とに基づいて、補正後の第1補正係数C1dを算出する(S120)。コイル位置Pごとの補正後の第1補正係数C1dによって、同じコイル位置Pの第1補正係数C1を上書きすることにより第1記憶テーブルを更新する(S121)。そして、原点位置Pを検出し、原点位置Pでレンズ17を停止させる(S13、S14)。
次に、レンズ17が停止している原点位置Pを基に、更新された第1記憶テーブル33から、原点位置Pに対応する補正後の第1補正係数C1dを取得する(S122)。取得した補正後の第1補正係数C1dを用いて電流Iを補正した電流I×C1dを算出する(S123)。算出した補正後の電流I×C1dを、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S124)。補正後の電流I×C1dが流れることによってコイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S125)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S126―Yes)、補正後の電流I×C1dの流れを停止する(S127)。
レンズ17の移動が完了していない場合は(S126−No)、図34に示すように、コイル位置P を検出する(S21)。検出したコイル位置Pを基に、更新した第1記憶テーブル33から、コイル位置Pに対応する補正後の第1補正係数C1dを取得する(S128)。取得した補正後の第1補正係数C1dを用いて電流Iを補正した電流I×C1dを算出する(S129)。算出した補正後の電流I×C1dを、VCMドライバ27,28を介してコイル25,26に流す(S130)。補正後の電流I×C1d が流れることによってコイル25,26と一緒にレンズ17が移動する(S131)。そして、レンズ17の移動が完了した場合は(S132―Yes)、補正後の電流I×C1dの流れを停止する(S133)。レンズ17の移動が完了していない場合は(S132−No)、レンズ17の移動が完了するまでS21〜S132を繰り返す。
本実施形態では、速度比率rで補正した補正後の第1補正係数C1dを用いて、第1記憶テーブル33を更新する。したがって、コイル位置Pを検出するたびに、速度比率rを用いて第1補正係数C1を補正する場合と比較して、区間Sごとに速度比率rを記憶しておくテーブルが必要ないため、メモリ使用量を削減できる。また、一定の時間が経過するたびに第1記憶テーブル33を更新することから、常に第1補正係数C1を補正する場合と比較して装置の負荷を軽減できる。
なお、第7実施形態は、一定の時間が経過するたびに、第1記憶テーブルを更新したが、常に第1記憶テーブル33を更新することも可能である。
第6実施形態及び第7実施形態は、移動時間の計測を開始する計測開始ボタン(図示省略)が押された任意のタイミングでコイル25,26を往復させて、移動時間tを計測するようにしても良い。この場合は、前回の移動時間tの計測から一定の時間が経過したにもかかわらず、再び移動時間tの計測が行われないような場合には、移動時間tを計測して求められる速度比率rによって第1補正係数C1を補正するように促す表示やアラーム等で警告しても良い。
第6実施形態及び第7実施形態では、基準速度記憶部84に記憶された区間Sの分割数及び区間Sごとの長さDと、移動時間計測部85で移動時間を計測した際の区間Sの分割数及び区間Sごとの長さDとを等しく設定している。このため、区間Sごとに算出移動速度vを求めずに、移動時間tを用いて第1補正係数C1を補正することもできる。ただし、この場合は、基準となる基準移動時間tM0を区間Sごとに予め記憶しておく必要がある。そして、基準移動時間tM0と往復の際に計測した移動時間tとを比較して、それら移動時間の比率である時間比率rを区間Sごとに求める。区間Sの長さDが等しく設定されていることから、移動時間tが短い区間では移動速度が速く、逆に移動時間tが長い区間では移動速度は遅くなる。そのため、求めた時間比率rを用いて第1補正係数C1を補正し、その補正後の第1補正係数C1dによって電流を制御すれば、区間Sごとの移動時間が全て等しくなることから、それぞれの区間Sを同じ移動速度で移動させることが可能となる。
上記各実施形態は、矛盾しない範囲で相互に組み合わせてもよい。例えば、実施形態1〜7を適宜組み合わせて実施してよい。また、第1実施形態から第7実施形態ではVCMを2つ使用したが、これに限らず1つでも良く、3つ以上使用しても良い。また、第1実施形態から第7実施形態では、一方のVCM13をレンズ鏡筒12の上部に配置し、他方のVCM14をレンズ鏡筒12の右側部に配置したが、レンズ枠18を光軸方向に移動させられる配置であれば、どのように配置されても良い。
なお、上記各実施形態において、図示を省略した電源ボタンが押されて電源ON状態になった直後に、電流演算部55により電流の補正を開始してもよい。
11,41,51,61,71,81,91 レンズ駆動装置
17 レンズ
13,14 ボイスコイルモータ
29,43,53,63,73,83,93 システムコントローラ
33 第1記憶テーブル
35,45,55,67,75,89 電流演算部
36 電流制御部
44 第2記憶テーブル
54 第3記憶テーブル
65 磁束密度比率算出部
69 第1更新部
74 第4記憶テーブル
87 速度比率算出部
88 第5記憶テーブル
94 第2更新部

Claims (4)

  1. レンズを保持して光軸方向に移動可能なレンズ枠と、
    前記光軸方向に延びた磁石、前記磁石の磁界内に配されかつ前記レンズ枠に取付けられたコイルを有し、前記コイルに流された電流と前記磁石の磁束密度とに基づき発生した電磁力によって、前記コイルが前記レンズ枠と一体に前記光軸方向に移動するボイスコイルモータと、
    前記光軸方向における、前記磁石に対する前記コイルのコイル位置を検出する位置検出部と、
    前記光軸方向への前記磁石の磁束密度分布における低下部分による前記電磁力の低下を補って一定とするように前記電流を補正する第1補正係数を前記コイル位置ごとに記憶した第1記憶テーブルと、
    初期磁束密度として、前記コイル位置のうちの1つである基準位置における磁束密度を記憶した初期磁束密度記憶部と、
    前記基準位置における磁束密度を測定して測定磁束密度を得る磁束密度測定部と、
    前記初期磁束密度と前記測定磁束密度との比率である磁束密度比率を求める磁束密度比率算出部と、
    前記磁束密度比率に基づいて、前記第1記憶テーブルに記憶された前記各第1補正係数を、前記磁石の磁束密度が前記初期磁束密度の場合に発生する前記電磁力が得られるように補正する係数補正部と、
    前記位置検出部で検出された前記コイル位置に対応して前記第1記憶テーブルから読み出した前記第1補正係数により、前記コイルに流す前記電流を制御する制御部と、
    を備えるレンズ駆動装置。
  2. 前記磁束密度測定部は、電源投入によって前記測定磁束密度を測定する請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記磁束密度測定部は、一定の時間が経過するたびに前記測定磁束密度を測定し、
    前記磁束密度比率に基づいて補正された新しい前記第1補正係数により、前記第1記憶テーブルを前記コイル位置ごとに更新する第1更新部を備える請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  4. レンズの光軸方向に延びた磁石、前記磁石の磁界内に配されかつ前記レンズを保持するレンズ枠が取付けられたコイルを有するボイスコイルモータを用いて、前記コイルに流す電流を制御し、前記電流と前記磁石の磁束密度とに基づき発生した電磁力によって、前記コイルを前記レンズ枠と一体に前記光軸方向に移動するレンズ駆動方法において、
    前記磁石に対して前記光軸方向における前記コイルのコイル位置を検出するコイル位置検出ステップと、
    前記光軸方向への前記磁石の磁束密度分布における低下部分による前記電磁力の低下を補って一定とするように前記電流を補正する第1補正係数を前記コイル位置ごとに記憶した第1記憶テーブルから、前記コイル位置検出ステップで検出された前記コイル位置に対応する前記第1補正係数を得る第1補正係数取得ステップと、
    前記コイル位置のうちの1つである基準位置における磁束密度を測定して測定磁束密度を得る磁束密度測定ステップと、
    予め記憶した前記基準位置における前記磁石の初期磁束密度と、前記磁束密度測定ステップで測定した前記測定磁束密度との比率である磁束密度比率を得る磁束密度比率取得ステップと、
    前記磁束密度比率に基づいて、前記各第1補正係数を、前記磁石の磁束密度が前記初期磁束密度の場合に発生する前記電磁力が得られるように補正する係数補正ステップと、
    前記コイルに流す前記電流を、前記係数補正ステップで補正した前記第1補正係数で補正する制御ステップと
    を含むレンズ駆動方法。
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