JP5772623B2 - 動画像符号化装置、動画像符号化方法及び動画像符号化プログラム - Google Patents

動画像符号化装置、動画像符号化方法及び動画像符号化プログラム Download PDF

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Description

本発明は、動画像データに含まれるピクチャを複数のブロックに分割してブロックごとに符号化する動画像符号化装置、動画像符号化方法及び動画像符号化プログラムに関する。
動画像データは、一般に非常に大きなデータ量を有する。そのため、動画像データを扱う装置は、動画像データを他の装置へ送信しようとする場合、あるいは、動画像データを記憶装置に記憶しようとする場合、動画像データを符号化することにより圧縮する。
代表的な動画像の符号化標準技術として、ISO/IEC(International Standardization Organization/International Electrotechnical Commission)で策定されたMPEG(Moving Picture Experts Group phase)−2、MPEG−4、あるいはMPEG−4 AVC/H.264(H.264 MPEG-4 Advanced Video Coding)が広く利用されている。
このような符号化標準技術では、符号化対象のピクチャと、その前後のピクチャの情報を用いて、符号化対象のピクチャを符号化するインター符号化方法及び符号化対象ピクチャが持つ情報のみを用いて符号化するイントラ符号化方法が採用されている。
一般に、インター符号化方法で符号化されたピクチャ又はブロックの符号量は、イントラ符号化方法で符号化されたピクチャ又はブロックの符号量に比べて小さい。このように、選択された符号化モードにより、シーケンス内でピクチャの符号量の偏りが生じる。同様に、選択された符号化モードにより、ピクチャ内でブロックの符号量の偏りが生じる。
そこで、符号量が時間的に変動しても、一定の伝送レートにて符号化された動画像を含むデータストリームを伝送できるように、伝送元の装置にデータストリーム用の送信バッファが用意され、また伝送先の装置にデータストリーム用の受信バッファが用意される。
これらのバッファによる遅延(以降、バッファ遅延と呼ぶ)が、符号化装置における各ピクチャの入力から、復号装置における復号した各ピクチャの表示までの遅延(以降、コーデック遅延と呼ぶ)の主要因となる。バッファのサイズを小さくすることでバッファ遅延及びコーデック遅延は減少する。しかし、バッファのサイズが小さくなるほど、ピクチャ毎の符号量配分の自由度も減少し、その結果として再生される動画像の画質が劣化する。符号量配分の自由度は、符号量の変動度合いを意味する。
MPEG−2及びMPEG−4 AVC/H.264では、それぞれVBV(Video Buffering Verifier)とCPB(Coded Picture Buffer)と呼ばれる、理想的な復号装置における受信バッファの動作を規定している。以降、理想的な復号装置を理想復号装置と呼ぶ。
動画像符号化装置は、理想復号装置の受信バッファをオーバーフロー及びアンダーフローさせないように、符号量を制御する。理想復号装置は、復号処理に要する時間が0である瞬時復号を行うと規定されている。例えば、VBVに関する動画像符号化装置の制御を行う技術がある。
動画像符号化装置は、理想復号装置の受信バッファがオーバーフロー及びアンダーフローしないように、理想復号装置があるピクチャを復号する時刻にそのピクチャのデータが受信バッファに格納されていることを保証するように符号量を制御する。
受信バッファのアンダーフローは、動画像符号化装置が一定の伝送レートでストリームを送信した場合に、各ピクチャの符号量が多く、動画像復号装置が復号、表示するべき時刻までに、ピクチャの復号に必要なデータの伝送が完了していない場合に生じる。すなわち、受信バッファのアンダーフローは、復号装置の受信バッファ内にピクチャを復号するために必要データが存在していないことである。この場合、動画像復号装置は復号処理を行うことができないため、フレームスキップが発生することとなる。
動画像復号装置は、受信バッファのアンダーフローを起こさずに復号処理するため、受信時刻から所定の時間だけストリームを遅延させてからピクチャを表示する。
上述したように、理想復号装置では、処理時間0で、瞬時的に復号処理が完了すると規定される。そのため、動画像符号化装置へのi番目ピクチャの入力時刻をt(i)、理想復号装置における、i番目ピクチャの復号時刻をdt(i)とすれば、そのピクチャが表示可能となる時刻は、復号時刻と同様でdt(i)となる。
全てのピクチャにおいてピクチャの表示期間{t(i+1)−t(i)}と{dt(i+1)−dt(i)}が等しくなるので、復号時刻dt(i)は、入力時刻t(i)から固定時間dly分だけ遅延させた時刻{dt(i)=t(i)+dly}となる。従って、動画像符号化装置は、時刻dt(i)までに復号に必要なデータを動画像復号装置の受信バッファに伝送完了させなければならない。
図1は、従来技術による受信バッファのバッファ占有量の遷移例を示す図である。図1に示す例では、横軸は時刻を表し、縦軸は受信バッファのバッファ占有量を表す。実線のグラフ300は、各時刻におけるバッファ占有量を表す。
受信バッファでは、所定の伝送レートでバッファ占有量が回復し、各ピクチャの復号時刻にそのピクチャを復号するために用いられる分のデータがバッファから引き抜かれる。図1に示す例では、i番目ピクチャのデータが、時刻at(i)から受信バッファに入力開始され、i番目ピクチャの最後のデータが時刻ft(i)に入力される。理想復号装置は時刻dt(i)でi番目ピクチャの復号を完了し、その時刻dt(i)においてi番目ピクチャが表示可能となる。
理想復号装置が瞬時復号を行う一方で、実際の動画像復号装置は所定の復号処理時間を要し、一般には1ピクチャの復号処理時間は、ピクチャの表示期間よりも短いが、ピクチャの表示期間に近い時間が必要となる。
時刻at(i)からft(i)までi番目ピクチャのデータが受信バッファに入力されるが、各ブロックの復号に必要なデータがat(i)からft(i)内のどの時刻に到着するか保証されない。そのため、実際の動画像復号装置は、時刻ft(i)からi番目ピクチャの復号処理を開始することとなる。従って、1ピクチャの復号処理に必要な最悪の処理時間をctとすれば、実際の動画像復号装置は、時刻ft(i)+ctにしか復号処理を完了することが保証できない。
動画像符号化装置が保証しているのは、時刻dt(i)までに、そのピクチャの復号に必要なデータが復号受信バッファに到着していること、すなわち、ft(i)がdt(i)以前となることである。そのため、ft(i)が最も遅くなる場合、ft(i)はdt(i)と等しくなる。
このとき、復号処理が完了することが保証される時刻は、dt(i)+ctとなる。表示するピクチャの間隔が一定となるよう、全てのピクチャを表示するには、動画像復号装置は、各ピクチャの表示時刻を理想復号装置よりも少なくとも時間ctだけ遅延させなければならない。
MPEG−2のVBV、及びMPEG−4 AVC/H.264のCPBでは、動画像復号装置における各符号化ピクチャの到着時刻と、復号した各符号化ピクチャの表示時刻との差は、(ft(i)−at(i)+ct)となる。すなわち、符号化装置への各ピクチャ入力から、復号化装置での該当ピクチャ出力までのコーデック遅延を時間ct未満にすることは困難である。つまり、時間ctは通常1ピクチャ処理時間であるので、1ピクチャ処理時間未満のコーデック遅延を達成することは困難である。
また、MPEG−4 AVC/H.264、及び標準化作業中のHEVC(High-Efficiency Video Coding)の算術符号化方式では、量子化直交変換係数などのブロックの圧縮データを二値化し、1ビンずつ算術符号化し、ビットを出力する。
特開2003−179938号公報
JCTVC-G1103, " High-Efficiency Video Coding (HEVC) text specification Working Draft 5", Joint Collaborative Team on Video Coding of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11, December 2011
従来技術では、コーデック遅延を1ピクチャ処理時間にするのは困難であるが、コーデック遅延を1ピクチャ処理時間未満にするには、次の方法がある。例えば、この方法は、ピクチャ内の各ブロックを、複数のグループのどれか一つに割り当て、また各グループに復号開始時刻を割り当てる。グループは、例えば1ブロックラインである。ブロックラインは、ピクチャの水平方向のブロック列を表す。
各グループの発生情報量を均一にできれば、連続するグループの復号開始時刻の差はグループ当たりの処理時間と一致し、また時間ctはグループ当たりの処理時間となる。そのため、結果として、コーデック遅延をグループ当たりの処理時間にまで小さくすることが可能になる。
ところで、MPEG−4 AVC/H.264では、エントロピー符号化方式として算術符号化方式が採用されている。算術符号化方式では、符号化対象である、ピクチャ内の所定ブロックの圧縮データを二値化した後、1ビンずつ処理され、ストリームとして生成される。その際、注目ブロックの最後のビンのエントロピー符号化が開始されてから符号化されたビット列がストリームとしてエントロピー符号化部から出力されるまでの遅延(以降、エントロピー符号化遅延と呼ぶ)は一般的にはゼロではない。
注目ブロックの最後のビンに対応する符号化されたビット列は、次のブロックの圧縮データのいくつかのビンのエントロピー符号化が開始されないとストリームとして生成されないことがある。すなわち、あるグループ内の全ブロックの符号化処理の開始から終了までに送信バッファに送信したビット量(見かけ上のブロックの発生情報量)と、実際のグループの発生情報量との間に、エントロピー符号化遅延に応じた差が生じる。
このため、見かけ上のグループの発生情報量に従い、グループの復号時刻を遵守するように符号化装置が情報量を制御しても、実際のグループの全ビットが受信バッファに到着する時刻がエントロピー符号化遅延に比例して遅れる。
よって、エントロピー符号化遅延の大きさによっては、上記の受信バッファの動作規定による制約が満たされないおそれがあった。
また、上述したようにMPEG−4 AVC/H.264、及びHEVCに記載の算術符号化方式では、量子化直交変換係数などのブロックの圧縮データを二値化し、1ビンずつ算術符号化し、ビットを出力する。しかし、1ビンの入力から対応ビットの出力までの遅延最悪値が、理論上は無限となる可能性がある、という問題がある。
算術符号化は、各ビンの0又は1の発生確率を元に、ビン系列に対応する確率区間[0,1]を求め、その区間をビット表現して出力する。例えば、各ビンの0の発生確率が一律0.8での場合、ビン系列(0,1,0)の確率区間は[0.64,0.75)となり、この確率区間(小数点以下)の最短のビット表現である「11」がビット出力となる。
算術符号化方式の特性上、ビン系列の所定時点での確率区間が0.5を跨ぐ場合には、その後のビン系列によって確率区間が更に絞られ、確率区間が0.5を跨がないようになるまで、ビット出力が決定できない状態が発生する。もし、まれに入力ビン系列の確率区間が0.5を跨ぐ状態が続く場合には、遅延が無限大になる。
実際には、ピクチャの最終ブロックを符号化した後に、算術符号化器内に溜まった未出力ビットを全て掃き出す(出力する)処理が働くため、遅延上限は1ピクチャ処理時間となる。
各グループの最終ブロックの圧縮データの最終ビンに相当するビットが出力されるタイミングは、最悪の場合、ピクチャの最終ブロックの圧縮データの最終ビンの符号化時となってしまう。そのため、ピクチャ内の最初のグループの復号開始がピクチャの最終ブロックの圧縮データの最終ビン符号化時と同一になり、実質コーデック遅延が1ピクチャ処理時間以上になってしまう。
グループの最終ブロックの圧縮データの最終ビンを、確実にかつ短期間内にビット出力する方法として、グループの境界にスライスヘッダを挿入して、算術符号化器内に溜まった未出力ビット(未確定ビット)を全て掃き出す(出力する)方法が考えられる。
しかしながら、各グループ境界にスライスヘッダを挿入するのは、符号化効率の低下を招くため、ビットレートが低い場合には特に望ましくない。
そこで、開示の技術は、算術符号化を用いる場合に1ピクチャ処理時間未満のコーデック遅延を実現しつつ、符号化効率の低下を防止する動画像符号化装置、動画像符号化方法及び動画像符号化プログラムを提供することを目的とする。
開示の一態様における動画像符号化装置は、動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置であって、複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出する算出部と、前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御する符号化量制御部と、前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成するソース符号化部と、各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力するエントロピー符号化部と、を備え、前記エントロピー符号化部は、各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、前記算出部は、各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす。
開示の技術によれば、算術符号化を用いる場合に1ピクチャ処理時間未満のコーデック遅延を実現しつつ、符号化効率の低下を防止することができる。
従来技術による受信バッファのバッファ占有量の遷移例を示す図。 実施例1における動画像符号化装置の概略構成の一例を示すブロック図。 実施例1におけるエントロピー符号化部の概略構成の一例を示すブロック図。 実施例1におけるエントロピー符号化処理の一例を示すフローチャート。 実施例2におけるエントロピー符号化部の概略構成の一例を示すブロック図。 実施例2におけるエントロピー符号化処理の一例を示すフローチャート。 実施例2における符号化データ変更処理の一例を示すフローチャート。 実施例3における動画像処理装置の構成の一例を示すブロック図。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。実施例で説明する動画像符号化装置は、動画像データに含まれる各ピクチャをブロック単位で符号化し、符号化動画像データとしてビットストリームを出力する。
なお、ピクチャは、フレーム又はフィールドの何れであってもよい。フレームは、動画像データ中の一つの静止画像であり、一方、フィールドは、フレームから奇数行のデータあるいは偶数行のデータのみを取り出すことにより得られる静止画像である。
また、符号化対象の動画像は、カラー動画像であってもよく、又はモノクロ動画像であってもよい。
[実施例1]
<構成>
図2は、実施例1における動画像符号化装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図2に示す例では、動画像符号化装置20は、ソース符号化部211と、エントロピー符号化部212と、符号化量制御部213と、グループ決定部214と、グループ復号時刻情報算出部215と、復号時刻情報付加部216とを有する。
動画像符号化装置20が有するこれらの各部は、それぞれ、別個の回路として動画像符号化装置20に実装されうる。また、動画像符号化装置20が有するこれらの各部は、その各部の機能を実現する回路が集積された一つの集積回路として動画像符号化装置20に実装されてもよい。
動画像データに含まれる符号化対象ピクチャは、図示しない制御部によりブロック単位に分割され、ブロックごとにソース符号化部211に入力される。各ブロックは、例えば、16×16画素を有する。
ソース符号化部211は、内部又は外部にあるフレームメモリに蓄積された局所復号済ピクチャからイントラ予測値もしくはインター予測値を算出し、入力ブロックとの差分演算を行い、ブロック予測誤差を算出する。
ソース符号化部211は、次にブロック予測誤差に対し直交変換及び量子化を行う。量子化演算における量子化パラメータは、符号化量制御部213から与えられる。量子化された結果の量子化直交変換係数、及びイントラ予測又はインター予測のパラメータは、ブロックの圧縮データとしてエントロピー符号化部212に出力される。イントラ予測又はインター予測のパラメータは、例えばイントラ予測方向、動きベクトル情報などである。
ソース符号化部211は、量子化直交変換係数に対し逆量子化及び逆直交変換を行い、量子化誤差が重畳されたブロック予測誤差を算出する。ソース符号化部211は、最後に、量子化誤差が重畳されたブロック予測誤差に対して、イントラ予測値もしくはインター予測値を加算することで、局所復号ブロックを算出し、フレームメモリに蓄積する。
エントロピー符号化部212は、ソース符号化部211から出力される圧縮データ、グループ決定部214から出力されるグループ情報、図示しない制御部から出力されるピクチャ内のブロック番号を表すブロックカウント情報及び許容遅延情報を元に、算術符号化方式による圧縮データのエントロピー符号化を行う。エントロピー符号化部212は、算術符号化された符号化動画像データ(ビットストリーム)を出力する。以降では、出力されるビットストリームを出力ストリームとも呼ぶ。エントロピー符号化部212は、図3を用いて後述する。
なお、許容遅延情報は、各グループの復号遅延時間の遅延を示すものである。復号遅延時間の単位は、ブロック当たりの時間である。許容遅延情報は、符号化動画像データのビットレートが高い場合には、遅延を少なく、またビットレートが低い場合には遅延を大きくするように設定される。
グループ決定部214は、符号化処理中のブロックの属するグループを、図示しない制御部から受け取ったブロックカウント情報に基づいて所定方法に従って決定する。ブロックカウント情報は、ピクチャに含まれる各ブロックの番号を表す情報であり、例えば、ピクチャの左上端のブロックに対する番号が1に設定され、ラスタスキャン順に従って各ブロックに番号が割り当てられる。そして、ピクチャの右下端のブロックに対して、最大の番号が割り当てられる。なお、ブロックカウント情報は、他の順序に従って各ブロックに割り当てられた番号を含んでもよい。
グループ決定部214は、グループごとの復号処理時間を均等化するために、各グループに含まれるブロックの数ができる限り等しくなるように複数のグループを決定することが好ましい。
例えば、グループ決定部214は、ブロックライン単位で各ブロックをグループに分割すれば、任意のピクチャサイズにおいて各グループに含まれるブロックの数を等しくすることができる。例えば、ピクチャサイズが、高精細度テレビジョン放送(High Definition Television、HDTV)相当の1920画素×1088画素であり、ブロックサイズが16画素×16画素であれば、ブロックライン数は68である。
したがって、この場合、符号化対象ピクチャに含まれる各ブロックは、68個のグループの何れかに分類される。グループに含まれるブロックの数は、1から画面全体のブロック数までの間の値にしても良い。
グループ決定部214は、符号化対象ブロックが属するグループの識別情報を符号化量制御部213へ通知する。また、グループ決定部214は、グループの総数Nをグループ復号時刻情報算出部215に通知する。なお、グループ決定部214は、各グループの先頭に位置するブロックのインデックスをグループ復号時刻情報算出部215に通知してもよい。
以下、符号化対象ピクチャに含まれる水平方向のブロック数をM、垂直方向のブロック数をNとして、全ブロックを1ブロックライン単位でN個のグループに等分割した場合を例に説明するが、この例に限られない。
グループ復号時刻情報算出部215は、符号化対象ピクチャが符号化順に沿ってi番目のピクチャであるとして、i番目ピクチャの入力時刻t(i)から所定の遅延時間dly分遅延させたそのピクチャの復号時刻dt(i){=t(i)+dly}を算出する。グループ復号時刻情報算出部215は、算出したピクチャの復号時刻dt(i)に基づいて、n番目のグループが復号される時刻を表す復号時刻dgt(i,n)を算出する。
ここで、遅延時間dlyは、固定値に許容遅延情報に記述されるブロック遅延時間を加算した値となる。または、グループ復号時刻情報算出部215は、復号時刻として、dgt(i,n)の代わりに、dgt(i,n)と等価な{dgt(i,n)−dgt(i,n−1)}を算出してもよい。また、グループ復号時刻情報算出部215は、復号時刻を、適当な単位、例えば、1/90000秒単位の倍数となるように丸めてもよい。
グループ復号時刻情報算出部215は、例えば、各グループの復号時刻を、各グループの復号処理に要する時間を均等とするために、1ピクチャ当たりの復号処理に要する時間をグループ数Nで等分割するように決定する。この場合、n番目(n=1,2,...,N)のグループの復号時刻は、次の式(1)に従って算出される。
Figure 0005772623
dt(i):i番目のピクチャの復号時刻
dt(i−1):i−1番目のピクチャの復号時刻
また、復号処理に要する時間は、グループごとに均等でなくてもよい。特に、グループ復号時刻情報算出部215は、次の式(2)のように、最初に符号化・復号されるグループに対応する復号時刻dgt(i,1)のみ、1ピクチャ当たりの復号処理に要する時間を等分割した場合の復号時刻よりも遅らせてもよい。
Figure 0005772623
グループ復号時刻情報算出部215は、2番目以降に符号化、復号されるグループの復号時刻dgt(i,n)(n≧2)を、次の式(3)のように決定してもよい。
Figure 0005772623
上述したようにして復号時刻を決定することで、グループ復号時刻情報算出部215は、符号化量制御部213にて算出されるバッファ占有量を最初のグループの符号化処理開始前に大きくすることができる。その結果、符号量制御における自由度が向上する。
グループ復号時刻情報算出部215は、各グループの復号時刻を含む復号時刻情報を、符号化量制御部213に出力する。グループ復号時刻情報算出部215は、各グループの復号時刻を含む復号時刻情報、及びグループの総数Nを復号時刻情報付加部216に出力する。
符号化量制御部213は、理想復号装置の受信バッファのバッファ占有量の推定値を計算する。Rは、伝送するビットレートを表し、dは、バッファ占有量を表す。エントロピー符号化部212における、符号化処理中のブロックのエントロピー符号化処理が完了し、その発生符号量がbであるとする。この場合、bがエントロピー符号化部212から符号化量制御部213に通知される。符号化量制御部213は、dからbを減算する。
符号化量制御部213は、各グループの最後のブロックの符号化処理が行われた後に、次の式(4)に従ってバッファ占有量dを回復させる。
Figure 0005772623
符号化量制御部213は、バッファ占有量に基づいて、各ブロックに対する量子化値を算出する。その際、符号化量制御部213は、グループに含まれる全てのブロックの発生符号量の合計が、そのグループの最初のブロックの符号化処理を開始する直前のバッファ占有量d以下となるように、すなわち、符号化処理中にdが負値とならないように量子化値を制御する。
符号化量制御部213は、例えば、MPEG−2における標準化団体参照ソフトウェアTest Model5(MPEG-2 Test Model 5. April 1993.ISO-IEC/JTC1/SC29/WG11/N0400 ( http://www.mpeg.org/MPEG/MSSG/tm5/)を参照)における量子化値算出方法に従って量子化値を算出する。
次に、符号化量制御部213は、バッファ占有量dを所定の閾値DTH1と比較する。量子化値をその取り得る値の範囲のうちの最大値としたときに、各ブロックで発生する最大の符号量をb0、符号化処理中のブロックの属するグループで、まだ符号化処理を行っていないブロックの数をM0とすると、閾値DTH1は、次の式(5)で表される。
Figure 0005772623
offset:マージン項
符号化量制御部213は、バッファ占有量dと閾値DTH1とを比較した結果、dがDTH1よりも小さければ、量子化値を最大値とする。
また、最大符号量b0は、周波数係数を全て0としたときのブロックの符号量を用いてもよい。このとき、符号化量制御部213は、バッファ占有量dがDTH1よりも小さければ、符号化対象ブロックの全ての周波数係数が0に量子化されるように量子化値を決定する。
符号化量制御部213によりこの制御を行うことで、グループ内の符号化処理が済んでいない残りブロックの符号量の平均値がb0を超えなければ、仮想的な復号受信バッファはアンダーフローしない。
これにより、符号化量制御部213は、動画像符号化装置20から出力されるビットストリームを、所定のレートRに従って動画像復号装置に伝送すれば、動画像復号装置の受信バッファがアンダーフローしないように動画像データの符号量を制御することが可能となる。符号化量制御部213は、求めた量子化値をソース符号化部211へ通知する。
ここで、動画像符号化装置20は、動画像復号装置と、各ブロックが属するグループ及びグループごとの復号時刻を共有するために、少なくとも、各グループに属するブロックを表すグループ情報及び各グループの復号時刻を含む復号時刻情報を出力ストリームに付加する。動画像符号化装置20は、グループ情報及び復号時刻情報を出力ストリームに含めることで、グループ情報及び復号時刻情報を動画像復号装置に通知する。
そこで、復号時刻情報付加部216は、例えば、グループ情報を、各ピクチャ、もしくは所定のピクチャ間隔で、出力ストリームのヘッダ情報に付加する。
ヘッダ情報は、例えば、MPEG−2に規定される、シーケンスヘッダー(Sequence Header)、またはH.264/AVCに規定されるシーケンスパラメータセット(Sequence Parameter Set)又はSupplemental Enhancement Informationとする。なお、グループごとの復号時刻は、MPEG−2に規定されるピクチャヘッダー(Picture Header)、またはH.264に規定されるスライスヘッダー(Slice Header)など、各ピクチャに必ず付随されるヘッダ情報に付加されてもよい。
各グループに含まれるブロックの数が等しくなるようにグループが決定されている場合、動画像符号化装置20は、動画像復号装置へ全ブロックがN個のグループに等分割されたことを通知する。
そのために、グループ決定部214は、グループ復号時刻情報算出部215を経由して復号時刻情報付加部216に、グループ情報としてグループ数Nを通知する。復号時刻情報付加部216は、そのグループ情報を符号化する。
MPEG−2及びH.264では、マクロブロックと呼ばれる16×16画素のブロック単位で符号化が行われており、このブロック数は通常20bitで表現可能な範囲を超えない。グループの数Nの最大値は、たかだかブロック数の最大値と等しいことから、Nの符号化も固定bit長で符号化すればよい。
また、各グループに含まれるブロックの数が等しいと限られない場合、グループ決定部214は、復号時刻情報付加部216に対して、グループ数Nとともに、各グループの先頭ブロックのインデックス情報をグループ情報として通知する。
復号時刻情報付加部216は、まず、グループ数Nを符号化し、順次各グループの先頭ブロックのインデックス情報を符号化する。先頭ブロックのインデックス情報に対する符号化方法も、例えば、固定bit長の符号化方式が用いられる。
また、復号時刻情報付加部216は、グループ数N及び各グループの先頭ブロックのインデックス情報を符号化するために、ハフマン符号といった可変長符号化方式など、他の符号化方式を用いてもよい。
また、グループごとの復号時刻が、グループ復号時刻情報算出部215から復号時刻情報付加部216に通知される。その際、1番目のグループから最後のグループであるN番目のグループまで、復号時刻は、例えばdgt(i,n)−dgt(i,n−1)と差分値の形式にしてグループ復号時刻情報算出部215から復号時刻情報付加部216に通知される。
なお、第1のグループの復号時刻に関して、dgt(i,0)は、直前のピクチャの最後のグループの復号時刻dgt(i−1,N){=dt(i−1)}に設定される。復号時刻情報付加部216は、各グループの復号時刻を符号化し、その符号化された復号時刻を各ピクチャのデータに付加して、動画像復号装置に通知する。
復号時刻情報付加部216は、各差分値を、適当な精度、例えば、1/90000秒の精度で量子化した後に、32bit程度の固定bit長で符号化すればよい。また、ここでは、固定bit長で符号化する例を説明したが、復号時刻情報付加部216は、各グループの復号時刻を表す差分値を、任意の可変長符号化方式を用いて符号化してもよい。
動画像復号装置は、ビットストリーム内に含まれるグループ数Nと各グループの復号時刻情報に基づき、コーデック遅延量を算出する。各グループに含まれるブロック数が等しくなるように各グループが設定されている場合、コーデック遅延量は、1ピクチャの復号処理に必要な最悪の処理時間をctとして、ct/Nとなる。
《エントロピー符号化部》
次に、エントロピー符号化部212について説明する。図3は、実施例1におけるエントロピー符号化部の概略構成の一例を示すブロック図である。図3に示す例では、エントロピー符号化部212は、二値化部310と、算術符号化部311と、コンテキスト計算部312と、リセット判定部313と、終端符号出力部314と、カウンタ315とを有する。
二値化部310は、ソース符号化部211から入力された圧縮データを、所定の方法によって二値化する。例えば、MPEG−4 AVC/H.264のP_SLICEにおけるマクロブロックタイプ(mb_type)が、「P_L0_L0_16×8」(インター予測、2個の16×8動き予測パーティション、2個ともL0方向の予測)の場合、対応するビン系列は「011」となる。
コンテキスト計算部312は、ビン系列の各ビンに対して、コンテキストを割り当てる。コンテキストは、圧縮データの種別、ビン系列中の位置、及び上下隣接マクロブロック中の同一種別圧縮データの値等によって一意に決められる。コンテキスト毎にビンのMPS(Most Probable Symbol)値、及びその確率が割り当てられる。MPS値及びその確率は、ビンの算術符号化毎に更新される。
コンテキスト計算部312は、全コンテキストのMPS値及び、確率を保持、管理する。コンテキスト計算部312は、算術符号化部311でビンを算術符号化する場合に、対応コンテキストのMPS値及び確率を通知する。また、コンテキスト計算部312は、算術符号化部311が算術符号化したビンの値を基に、対応コンテキストのMPS値及び確率を更新する。確率は[0,1]の実数の代わりに、[0,63]のインデックスで表現される。
上述した例において、MPEG−4 AVC/H.264のP_SLICEにおけるmb_type=「P_L0_L0_16x8」の場合のコンテキスト識別子(番号)は、MSB(Most Significant Bit)から順に、14、15、17となる。
算術符号化部311は、二値化部310から出力されるビン系列を1ビン毎に算術符号化する。算術符号化部311は、内部変数として、入力ビン系列に相当する確率区間の下限値Low、確率区間幅Range、未出力ビット数outstandingBitsを保有する。未出力ビット数とは、例えば算術符号化処理において値が未確定であるため保留されているビット数をいう。また、未出力ビットは、未確定ビットとも呼ばれる。
MPEG−4 AVC/H.264のCABACの場合、確率区間は[0,1023]の整数で表現される。これら内部変数の初期値はLow = 0、Range = 510、outstandingBits = 0である。
算術符号化部311は、入力ビンに対応する、MPS値及び確率(インデックス)をコンテキスト計算部312から取得し、MPEG−4 AVC/H.264のCABACの方法にてLow、Rangeを更新する。
算術符号化部311は、更新後に確率区間が規定の精度にて確定する場合には、その位置によって1ないし複数のビットを出力すると共に、outstandingBitsが1以上の場合には、未出力ビットも全て出力してoutstandingBitsを0にする。
算術符号化部311は、更新後の確率区間が規定の精度にて確定しない場合には、確率区間によってoutstandingBitsを1増加させる。入力ビンの値は、コンテキスト計算部312に出力される。
リセット判定部313は、算術符号化部311からoutstandingBitsの値を、カウンタ315から、算術符号化部311及び終端符号出力部314が出力したビットの数をそれぞれ取得する。
また、リセット判定部313は、制御パラメータとして、動画像符号化装置20内の図示しない制御から、ブロックカウント情報、許容遅延情報、及びグループ情報を獲得する。
リセット判定部313は、エントロピー符号化部212のリセットが必要と判定した場合に、算術符号化部311、コンテキスト計算部312、終端符号出力部314に対し、リセット指示を出力する。
ここで、エントロピー符号化部212のリセットについて説明する。算術符号化部311については、算術符号化の終端処理(ビット列の終端を示すビット出力)の実行、及び内部変数の初期化である。
コンテキスト計算部312については、全コンテキストのMPS値及び確率インデックスの初期化である。終端符号出力部314については、バイトアラインビット(7ビット以下のビット列'100..0')及び次スライスヘッダの追加である。
このスライスヘッダは、ピクチャの最終ブロックの符号化完了時を除き、エントロピー符号化の区切りのみを示すものであり、ソース符号化に与える影響は無いものとする。このスライスの具体例として、例えば、非特許文献1のエントロピースライス(Entropy slice)がある。
ピクチャの最終ブロック符号化完了時の場合には、通常のスライスヘッダ(及び必要に応じてピクチャレイヤのヘッダ情報)となる。
ピクチャの最終ブロックの符号化完了時以外のリセットの判断は、ピクチャ内先頭グループ以外のグループXにおける、N番目のブロックの圧縮データに相当する全ビンを算術符号化し終えた時に行う。リセット判定部313は、以下の条件を全て満たす場合にリセットを行う。
(1)グループXの直前のグループ(X−1)の、全てのブロックの圧縮データに相当する全ビンを算術符号化し終えた時のoutstandingBitsが1以上
(2)グループXの先頭ブロックからN番目のブロックまでの全圧縮データに相当する全ビンを算術符号化し終えた時に、算術符号化部311が出力したビット数が0
なお、この条件を満たすということは、そのグループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループのN個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていないことを表す。
動画像符号化装置20が、各グループの最終ビットの復号開始時刻を決定するためには、各グループの最終ビンを算術符号化部311に入力してから、対応するビットが算術符号化部311から出力されるまでの遅延(単位はビン)の上限を抑える必要がある。
MPEG−4 AVC/H.264のCABACの場合、outstandingBitsは入力ビン系列によっては無限に増加し続ける可能性がある。この問題に対応する単純な方法としては、各グループのビン系列の算術符号化完了後に、スライス境界を入れることが挙げられるが、符号化効率が低下する。
実施例1では、outstandingBitsが非常に大きな値(数10ビット以上)に増加する確率は低い、という事実を利用する。各グループのビン系列の算術符号化完了後、一定期間経過しても依然outstandingBitsが0に戻されることが発生しなかった場合にのみ、スライス境界を入れることで、符号化効率の低下を防止する。なお、「outstandingBitsが0に戻される」とは、値が未確定だったビットが全て確定し、出力されることをいう。
例えば、実施例1では、上記の一定期間をN個(所定個)のブロック期間(処理時間)としている。算術符号化部311では、N個のブロック期間中に、MPEG−4 AVC/H.264の場合、2N個以上のビンを算術符号化するので、高確率でoutstandingBitsが0に戻されることが期待される。
また、各グループの復号開始時刻は、上記のように、算術符号化部313の遅延上限が、Nブロック期間となることが保障されるので、Nブロック期間だけ遅延させる。Nブロック期間とは、例えばN個のブロックを処理するのにかかる時間をいう。つまり、グループ復号時刻情報算出部215は、各グループの復号時刻をNブロック期間ずらす。
グループ復号時刻情報算出部215は、Nブロック期間ずらした後の復号時刻を、復号時刻情報付加部216に通知し、出力ストリームに付加させる。
終端符号出力部314は、リセット判定部313からのリセット指示に従い、バイトアラインビット及び次スライスヘッダを、出力ストリームに追加する。
カウンタ315は、算術符号化部311及び終端符号出力部314が出力したビットの数をカウントする。カウント値は、リセット判定部313、及び符号化量制御部213に出力される。
<動作>
次に、実施例1における動画像符号化装置20の動作について説明する。図4は、実施例1におけるエントロピー符号化処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、1ピクチャに対するエントロピー符号化部212の処理である。
ステップS101で、終端符号出力部314は、ピクチャのエントロピー符号化開始に当たり、まずピクチャヘッダ及びスライスヘッダの符号化を行う。この際、算術符号化部311は使用されない。終端符号出力部314は、算術符号化以外の方法でピクチャヘッダ及びスライスヘッダを生成し、出力するビットストリームに付加する。
ステップS102で、エントロピー符号化部212は、各部の初期化を行う。
ステップS103で、二値化部310は、ピクチャの各ブロックの圧縮データを順に二値化する。次に、算術符号化部311は、ビン系列を先頭から順番に1ビンずつ算術符号化する。
ステップS104で、算術符号化部311は、算術符号化したビンが、グループX(ピクチャの最終グループを除く)の最終ビンであるか否かを判定する。グループXの最終ビンであれば(ステップS104−YES)ステップS105に進み、グループXの最終ビンでなければ(ステップS104−NO)ステップS106に進む。
ステップS105で、リセット判定部313は、ビン符号化後の算術符号化部311内部の変数outstandingBitを保存する。
ステップS106で、リセット判定部313は、算術符号化されたビンがグループ(X+1)(ピクチャの先頭グループを除く)のN番目のブロックの最終ビンであるか否かを判定する。N番目のブロックの最終ビンであれば(ステップS106−YES)ステップS107に進み、N番目のブロックの最終ビンでなければ(ステップS106−NO)ステップS109に進む。
ステップS107で、リセット判定部313は、ステップS105で保存されたoutstandingBitsが1以上であり、かつグループ(X+1)の先頭からN番目のブロックまで算術符号化された時に、算術符号化部311が出力したビット数が0であるかを判定する。この条件が満たされれば(ステップS107−YES)ステップS108に進み、この条件が満たされていなければ(ステップS107−NO)ステップS109に進む。
ステップS108で、リセット判定部313は、グループ(X+1)の先頭からN番目のブロックの直後にエントロピースライスを挿入してリセットを指示する。具体的には、各部で、算術符号化の終端処理、ビットストリームのバイトアライン化、算術符号化の初期化、及びエントロピースライスヘッダの挿入が行われる。
また、グループ復号時刻情報算出部215は、各グループの復号時刻をNブロック期間だけ遅延させる。
ステップS109で、算術符号化部311は、算術符号化したビンがピクチャ内の全ブロックの圧縮データの最終ビンであるか否かを判定する。全ブロックの圧縮データの最終ビンであれば(ステップS109−YES)ステップS110に進み、全ブロックの圧縮データの最終ビンでなければ(ステップS109−NO)ステップS103に戻り、次のビンで算術符号化が行われる。
ステップS110で、終端符号出力部314は、終端符号を出力し、この処理を終了する。
以上、実施例1によれば、算術符号化を用いる場合に1ピクチャ処理時間未満のコーデック遅延を実現しつつ、符号化効率の低下を防止することができる。また、実施例1によれば、エントロピー符号化による遅延により、動画像復号装置の受信バッファにおいてアンダーフローが生じすることを防止することができる。
[実施例2]
次に、実施例2における動画像符号化装置について説明する。実施例2では、スライス境界を挿入するのではなく、算術符号化するビンを適応的に変更して、未確定ビットを出力する。
<構成>
実施例2における動画像符号化装置の構成は、実施例1における動画像符号化装置20の構成と同様であるため、同じ符号を用いる。実施例2における動画像符号化装置では、エントロピー符号化部212が実施例1と異なるため、以下、実施例2におけるエントロピー符号化部212について説明する。
《エントロピー符号化部》
図5は、実施例2におけるエントロピー符号化部212の概略構成の一例を示すブロック図である。図5に示す例では、エントロピー符号化部212は、二値化部510と、算術符号化部511と、コンテキスト計算部512と、リセット判定部513と、終端符号出力部514と、カウンタ515と、符号化データ変更部516とを有する。
二値化部510、カウンタ515は、図3に示す二値化部310、カウンタ515と同様の処理を行うため、説明を省略する。
リセット判定部513は、次の条件を全て満たす場合にリセット処理を行う。
(1)グループXの直前のグループ(X−1)の、全てのブロックの圧縮データに相当する全ビンを算術符号化し終えた時のoutstandingBitsが1以上
(2)グループXの先頭ブロックから(N−1)番目のブロックまでの全圧縮データに相当する全ビンを算術符号化し終えた時に、算術符号化部511が出力したビット数が0
また、リセット判定部513は、リセット時には、動画像符号化装置20内の、図示しない制御部に対し、グループXの先頭ブロックからN番目のブロックの符号化モードをインター予測符号化とするように、指示を出す。また、リセット部513は、符号化データ変更部516に対し、リセット情報を通知する。
上記のように、実施例2では、スライス境界を入れるのでなく、算術符号化するビンを適応的に変更して、未確定ビットを出力する。以下、この処理の詳細を説明する。
非特許文献1の方式では、インター予測符号化ブロックでの動きベクトルの符号化効率を改善する方式が採用されている。この方式では、処理ブロックに隣接する符号化済ブロックから、複数の動きベクトル(以降、動きベクトル予測値候補)を取得し、動きベクトル予測値候補の中から処理ブロックの動きベクトルの予測値として最適なものを選択する。
ビットストリームには、どの動きベクトルを選択したかを示す動きベクトル予測値インデックス情報、及び選択した動きベクトル予測値と処理ブロックの動きベクトルとの差分が含まれる。
以下、簡単化のために、動きベクトル予測値候補の数を2とする。この場合動きベクトル予測値インデックス情報のビンは0または1となる。動きベクトル予測値候補の数が3以上の場合も同等である。
算術符号化は、outstandingBitsが1以上の状況で一つの1ビンを符号化したとき、ビン値が0もしくは1のどちらか一方にて、確実に未確定ビットの値が確定する、という性質を持つ。実施例2では、この性質を利用する。
符号化データ変更部516は、入力されるデータ列を一時保持する。リセット判定部513からリセット情報が通知された場合、グループXの先頭ブロックからN番目のブロックのインター符号化圧縮データにおける、動きベクトル予測値インデックス情報までのデータを二値化部510に送る。
符号化データ変更部516は、算術符号化部511に対し、入力された動きベクトル予測値インデックス情報に相当するビンの仮の算術符号化を指示する。
算術符号化部511は、入力されたビンによってoutstandingBitsが0にリセットされたかどうかを通知する。符号化データ変更部516は、もしリセットされた場合には、入力データをそのまま算術符号化させる。
符号化データ変更部516は、もしリセットされない場合には、動きベクトル予測値インデックス情報の値(0or1)を判定させ、反転した値(1or0)を算術符号化させる。
次に、符号化データ変更部516は、ソース符号化部211から処理ブロックの動きベクトルMV(Motion Vector)と、反転した値に相当する動きベクトル予測値PMVとを取得する。符号化データ変更部516は、(MV−PMV)を符号化する動きベクトル予測誤差とする。
このようにすることで、復号処理において、ブロックNの動きベクトルを正しく復号できるため、動きベクトル予測値インデックス情報の変更による画像再生への影響は生じない。
算術符号化部511は、実施例1における算術符号化部311の動作に加え、入力ビンの仮算術符号化を行う。仮算術符号化では、入力ビンを算術符号化した場合にoutstandingBitsが0になるか否かをのみ出力し、実際の算術符号化は行わない。
コンテキスト計算部512、終端符号出力部514は、実施例1におけるコンテキスト計算部312、終端符号出力部314と異なり、リセット判定部513のリセット判定結果を受けない。ピクチャ最後でのエントロピー符号化リセット時のみ、リセット処理を行う。
すなわち、実施例2におけるエントロピー符号化部212は、各グループの圧縮データの算術符号化を終えた時点で、算術符号化処理において値が未確定のため保留されているビット数が1以上であり、かつ次のグループのN−1個のブロックの圧縮データの算術符号化により出力したビット数が0であるかを判定する。
エントロピー符号化部212は、上記の条件を満たす場合に、未確定ビットを出力するためにN番目のブロックの圧縮データの変更が必要であると判定したとき、復号結果が変更前後で変わらないように該圧縮データを変更してエントロピー符号化する。
変更が必要である場合とは、例えば、仮算術符号化を行って、outstandingBitsが0ではない場合をいう。復号結果が変更前後で変わらないように圧縮データを変更するとは、例えば、動きベクトル予測値インデックス情報の値を反転させた場合、反転させた値が示す動きベクトル予測値を用いることをいう。
<動作>
次に、実施例2による動画像符号化装置の動作について説明する。図6は、実施例2におけるエントロピー符号化処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、1ピクチャに対するエントロピー符号化部212の処理である。
ステップS201で、終端符号出力部514は、ピクチャのエントロピー符号化開始に当たり、まずピクチャヘッダ及びスライスヘッダの符号化を行う。この際、算術符号化部511は使用されない。終端符号出力部514は、算術符号化以外の方法でピクチャヘッダ及びスライスヘッダを生成し、出力するビットストリームに付加する。
ステップS202で、エントロピー符号化部212は、各部の初期化を行う。
ステップS203で、二値化部510は、ピクチャの各ブロックの圧縮データを順に二値化する。次に、算術符号化部511は、ビン系列を先頭から順番に1ビンずつ算術符号化する。
ステップS204で、算術符号化部511は、算術符号化したビンが、グループX(ピクチャの最終グループを除く)の最終ビンであるか否かを判定する。グループXの最終ビンであれば(ステップS204−YES)ステップS205に進み、グループXの最終ビンでなければ(ステップS204−NO)ステップS206に進む。
ステップS205で、リセット判定部513は、ビン符号化後の算術符号化部311内部の変数outstandingBitを保存する。
ステップS206で、リセット判定部513は、算術符号化されたビンがグループ(X+1)(ピクチャの先頭グループを除く)の(N−1)番目のブロックの最終ビンであるか否かを判定する。(N−1)番目のブロックの最終ビンであれば(ステップS206−YES)ステップS207に進み、(N−1)番目のブロックの最終ビンでなければ(ステップS206−NO)ステップS209に進む。
ステップS207で、リセット判定部513は、ステップS205で保存されたoutstandingBitsが1以上であり、かつグループ(X+1)の先頭から(N−1)番目のブロックまで算術符号化された時に、算術符号化部511が出力したビット数が0であるかを判定する。この条件が満たされれば(ステップS207−YES)ステップS208に進み、この条件が満たされていなければ(ステップS207−NO)ステップS209に進む。
ステップS208で、リセット判定部513は、グループ(X+1)の先頭からN番目のブロックの符号化データの変更を指示する。符号化データの変更処理は、図7を用いて後述する。
また、符号化データの変更処理が行われたとき、グループ復号時刻情報算出部215は、各グループの復号時刻をNブロック期間だけ遅延させる。
ステップS209で、算術符号化部511は、算術符号化したビンがピクチャ内の全ブロックの圧縮データの最終ビンであるか否かを判定する。全ブロックの圧縮データの最終ビンであれば(ステップS209−YES)ステップS210に進み、全ブロックの圧縮データの最終ビンでなければ(ステップS209−NO)ステップS203に戻り、次のビンで算術符号化が行われる。
ステップS210で、終端符号出力部514は、終端符号を出力し、この処理を終了する。
図7は、実施例2における符号化データ変更処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すステップS301で、二値化部510は、ブロックNの動きベクトル以外のブロックヘッダを二値化する。算術符号化部511は、二値化されたデータを算術符号化する。
ステップS302で、符号化データ変更部516は、動きベクトル予測値インデックス情報を、算術符号化部511で仮算術符号化するよう指示する。算術符号化部511は、動きベクトル予測値インデックス情報を仮算術符号化する。
ステップS303で、符号化データ変更部516は、算術符号化部511での仮算術符号化により、outstandingBitsが0になったかを判定する。outstandingBitsが0になっていれば(ステップS303−YES)この処理を終了し、outstandingBitsが0になっていなければ(ステップS303−NO)ステップS304に進む。
ステップS304で、符号化データ変更部516は、動きベクトル情報の符号化データを変更する。符号化データ変更部516は、例えば動きベクトル予測値インデックス情報のビットを反転させ、また反転したビットに相当する動き予測ベクトル値とブロックNの動きベクトルとの差分を、新たな動きベクトル予測誤差データとする。
以上、実施例2によれば、算術符号化を用いる場合に1ピクチャ処理時間未満のコーデック遅延を実現しつつ、符号化効率の低下を防止することができる。また、実施例2によれば、スライス境界を入れなくても、未確定ビットを掃き出すことができるようになる。
[実施例3]
図8は、動画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。動画像処理装置80は、各実施例で説明した動画像符号化装置の一例である。図8に示すように、動画像処理装置80は、制御部801、主記憶部802、補助記憶部803、ドライブ装置804、ネットワークI/F部806、入力部807、表示部808を含む。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
制御部801は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部801は、主記憶部802や補助記憶部803に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部807や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、表示部808や記憶装置などに出力する。
主記憶部802は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部801が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部803は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
ドライブ装置804は、記録媒体805、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
また、記録媒体805は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体805に格納されたプログラムは、ドライブ装置804を介して動画像処理装置80にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、動画像処理装置80により実行可能となる。
ネットワークI/F部806は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と動画像処理装置80とのインターフェースである。
入力部807は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部808の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等を有する。また、入力部807は、ユーザが制御部801に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインターフェースである。
表示部808は、LCD(Liquid Crystal Display)等を有し、制御部801から入力される表示データに応じた表示が行われる。なお、表示部808は、外部に設けられてもよく、その場合は、動画像処理装置80は、表示制御部を有する。
このように、前述した実施例で説明した動画像符号化処理は、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このプログラムをサーバ等からインストールしてコンピュータに実行させることで、前述した動画像符号化処理を実現することができる。
また、この動画像符号化プログラムを記録媒体805に記録し、このプログラムが記録された記録媒体805をコンピュータや携帯端末に読み取らせて、前述した動画像符号化処理を実現させることも可能である。
なお、記録媒体805は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。なお、記録媒体805には、搬送波は含まれない。
動画像処理装置80で実行されるプログラムは、各実施例で説明した各部を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、制御部801が補助記憶部803からプログラムを読み出して実行することにより上記各部のうち1又は複数の各部が主記憶部802上にロードされ、1又は複数の各部が主記憶部802上に生成されるようになっている。
また、前述した各実施例で説明した動画像符号化処理は、1つ又は複数の集積回路に実装してもよい。
上述した各実施例による動画像符号化装置は、様々な用途に利用される。例えば、この動画像符号化装置は、ビデオカメラ、映像送信装置、映像受信装置、テレビ電話システム、コンピュータあるいは携帯電話機に組み込まれる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置であって、
複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出する算出部と、
前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御する符号化量制御部と、
前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成するソース符号化部と、
各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力するエントロピー符号化部と、を備え、
前記エントロピー符号化部は、
各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、
前記算出部は、
各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす動画像符号化装置。
(付記2)
前記エントロピー符号化部は、
各グループの圧縮データの算術符号化を終えた時点で、算術符号化処理において値が未確定のため保留されているビット数が1以上であり、かつ次のグループのN個のブロックの圧縮データの算術符号化により出力したビット数が0の場合に、スライスヘッダを挿入し、算術符号化処理のリセットを行う付記1記載の動画像符号化装置。
(付記3)
前記エントロピー符号化部は、
各グループの圧縮データの算術符号化を終えた時点で、算術符号化処理において値が未確定のため保留されているビット数が1以上であり、かつ次のグループのN−1個のブロックの圧縮データの算術符号化により出力したビット数が0の場合に、未確定ビットを出力するためにN番目のブロックの圧縮データの変更が必要であると判定したとき、復号結果が変更前後で変わらないように該圧縮データを変更してエントロピー符号化する付記1記載の動画像符号化装置。
(付記4)
前記エントロピー符号化部は、
動きベクトル予測値のインデックス情報に相当するビンに対して、仮に算術符号化を行い、未確定のため保留されているビット数が1以上であると判定したとき、前記インデックス情報を反転させ、反転したインデックス情報が示す動きベクトル予測値を用いてエントロピー符号化する付記3記載の動画像符号化装置。
(付記5)
動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置が実行する動画像符号化方法であって、
複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出し、
前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御し、
前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成し、
各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力し、
前記ビットストリームを出力する処理は、
各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、
前記復号時刻を算出する処理は、
各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす動画像符号化方法。
(付記6)
動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置に実行させるための動画像符号化プログラムであって、
複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出し、
前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御し、
前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成し、
各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力し、
前記ビットストリームを出力する処理は、
各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、
前記復号時刻を算出する処理は、
各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす動画像符号化プログラム。
20 動画像符号化装置
80 動画像処理装置
211 ソース符号化部
212 エントロピー符号化部
213 符号化量制御部
214 グループ決定部
215 グループ復号時刻情報算出部
216 復号時刻情報付加部
310、510 二値化部
311、511 算術符号化部
312、512 コンテキスト計算部
313、513 リセット判定部
314、514 終端符号出力部
315、515 カウンタ
516 符号化データ変更部

Claims (6)

  1. 動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置であって、
    複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出する算出部と、
    前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御する符号化量制御部と、
    前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成するソース符号化部と、
    各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力するエントロピー符号化部と、を備え、
    前記エントロピー符号化部は、
    各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、
    前記算出部は、
    各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす動画像符号化装置。
  2. 前記エントロピー符号化部は、
    各グループの圧縮データの算術符号化を終えた時点で、算術符号化処理において値が未確定のため保留されているビット数が1以上であり、かつ次のグループのN個のブロックの圧縮データの算術符号化により出力したビット数が0の場合に、スライスヘッダを挿入し、算術符号化処理のリセットを行う請求項1記載の動画像符号化装置。
  3. 前記エントロピー符号化部は、
    各グループの圧縮データの算術符号化を終えた時点で、算術符号化処理において値が未確定のため保留されているビット数が1以上であり、かつ次のグループのN−1個のブロックの圧縮データの算術符号化により出力したビット数が0の場合に、未確定ビットを出力するためにN番目のブロックの圧縮データの変更が必要であると判定したとき、復号結果が変更前後で変わらないように該圧縮データを変更してエントロピー符号化する請求項1記載の動画像符号化装置。
  4. 前記エントロピー符号化部は、
    動きベクトル予測値のインデックス情報に相当するビンに対して、仮に算術符号化を行い、未確定のため保留されているビット数が1以上であると判定したとき、前記インデックス情報を反転させ、反転したインデックス情報が示す動きベクトル予測値を用いてエントロピー符号化する請求項3記載の動画像符号化装置。
  5. 動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置が実行する動画像符号化方法であって、
    複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出し、
    前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御し、
    前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成し、
    各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力し、
    前記ビットストリームを出力する処理は、
    各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、
    前記復号時刻を算出する処理は、
    各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす動画像符号化方法。
  6. 動画像データに含まれる各ピクチャを複数のブロックに分割し、該ブロック毎に符号化処理を行う動画像符号化装置に実行させるための動画像符号化プログラムであって、
    複数のブロックを含むグループ毎に、復号時刻を算出し、
    前記復号時刻に基づいて各ブロックの符号量を制御し、
    前記制御された符号量に基づいて各ブロックを符号化して圧縮データを生成し、
    各ブロックの圧縮データを算術符号化して、ビットストリームを出力し、
    前記ビットストリームを出力する処理は、
    各グループの圧縮データに相当する全ビットが、次のグループの所定個のブロックの圧縮データの算術符号化を終えた時点で出力されていない場合、算術符号処理で蓄積された未確定ビットを出力する処理を行い、
    前記復号時刻を算出する処理は、
    各グループの復号時刻を所定個のブロックの処理時間ずらす動画像符号化プログラム。
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