「アルキニル」は、直鎖、二次、三次、または環状の炭素原子を含み、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素のsp三重結合)を有する炭化水素である。例には、アセチレン(−C≡CH)およびプロパルギル(−CH2C≡CH)が含まれるが、これらに限定されない。
「アルキレン」は、飽和、分岐鎖、直鎖、または環状であり、親アルカンの同一または2つの異なる炭素原子からの2つの水素原子の除去によって誘導される2つの1価のラジカル中心を有する炭化水素ラジカルをいう。典型的なアルキレンラジカルには、メチレン(−CH2−)、1,2−エチル(−CH2CH2−)、1,3−プロピル(−CH2CH2CH2−)、および1,4−ブチル(−CH2CH2CH2CH2−)などが含まれるが、これらに限定されない。
「アリール」は、親芳香環系の1つの炭素原子からの1つの水素原子の除去によって誘導される6〜20個の炭素原子の1価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。典型的なアリール基には、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、およびビフェニルなど由来のラジカルが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用する場合、「ヘテロアリール」には、少なくとも1つの環が1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、O、S、Nなど)を含む芳香環である5〜20個の原子の単環系または多環系が含まれる。1つの実施形態では、用語ヘテロアリールには、炭素からなる5個または6個の環原子および非ペルオキシドの酸素、硫黄、およびN(X)(式中、Xは存在しないかH、O、(C1〜C4)アルキル、フェニル、またはベンジルである)からなる群からそれぞれ選択される1〜4個のヘテロ原子を含む単環式芳香環のラジカルならびに約8〜10個の環原子のオルト縮合二環式複素環のラジカル(特に、ベンズ誘導体またはそのプロピレン、トリメチレン、またはテトラメチレンラジカルの縮合によって誘導された誘導体)が含まれる。
本明細書中で使用する場合、「複素環」には、例として、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin、New York、1968)(特に、1、3、4、6、7、および9章);The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs”(John Wiley & Sons、New York、1950から現在)(特に、13、14、16、19、および28巻);およびJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載のこれらの複素環が含まれるが、これらに限定されない。本発明の1つの特定の実施形態では、「複素環」には、1つまたは複数の(例えば、1、2、3、または4個)炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置換された本明細書中に定義の「炭素環」が含まれる。用語「複素環」には、本明細書中に定義のヘテロアリール環系も含まれる。Q1およびZ2aが、それらが結合している原子と一緒になって複素環を形成する場合、Q1およびZ2aが、それらが結合している原子と一緒になって形成された複素環は、典型的には、約25個までの原子を含むことができる。
複素環の例には、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4H−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、イサチノイル、およびビス−テトラヒドロフラニル:
制限されない例として、炭素結合複素環は、ピリジンの2、3、4、5、または6位、ピリダジンの3、4、5、または6位、ピリミジンの2、4、5、または6位、ピラジンの2、3、5、または6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール、またはテトラヒドロピロールの2、3、4、または5位、オキサゾール、イミダゾール、またはチアゾールの2、4、または5位、イソキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3、4、または5位、アジリジンの2または3位、アゼチジンの2、3、または4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、または8位、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位に結合する。なおさらに典型的には、炭素結合複素環には、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、または5−チアゾリルが含まれる。
制限されない例として、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位に結合する。さらにより典型的には、窒素結合複素環には、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、および1−ピペリジニルが含まれる。
「炭素環」は、約25個までの炭素原子を有する飽和、不飽和、または芳香族の環をいう。典型的には、炭素環は、単環として約3〜7個の炭素原子、二環として約7〜12個の炭素原子、多環として約25個までの炭素原子を有する。単環式炭素環は、典型的には、3〜6個の環原子、さらにより典型的には、5または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、典型的には、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系として配置された7〜12個の環原子またはビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置された9または10個の環原子を有する。用語「炭素環」には、飽和または不飽和の炭素環である「シクロアルキル」が含まれる。単環式炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキシ−1−エニル、1−シクロヘキシ−2−エニル、1−シクロヘキシ−3−エニル、フェニル、スピリル、およびナフチルが含まれる。
用語「多炭素環」は、約6〜約25個の炭素原子を有し、且つ2個以上の環(例えば、2、3、4、または5個の環)を有する飽和または不飽和の多環系をいう。環を縮合および/または架橋して多環系を形成することができる。例えば、本用語には、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]環系、ならびに任意の合成可能な位置を介した式(I)の化合物の残部に連結することができる以下の架橋環系:
アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリルなどに関する用語「置換」(例えば、「置換アルキル」、「置換アルキレン」、「置換アリール」、「置換アリールアルキル」、「置換ヘテロシクリル」、および「置換カルボシクリル」)は、それぞれ、1つまたは複数の水素原子が非水素置換基とそれぞれ独立して置換されたアルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、カルボシクリルを意味する。典型的な置換基には、−X、−R、−O−、=O、−OR、−SR、−S−、−NR2、−N+R3、=NR、−CX3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO2、=N2、−N3、−NHC(=O)R、−C(=O)R、−C(=O)NRR−S(=O)2−、−S(=O)2OH、−S(=O)2R、−OS(=O)2OR、−S(=O)2NR、−S(=O)R、−OP(=O)(OR)2、−P(=O)(OR)2、−P(=O)(O−)2、−P(=O)(OH)2、−P(O)(OR)(O−)、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O−、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NRR、−C(S)NRR、−C(=NR)NRR(式中、各Xは、独立して、ハロゲン:F、Cl、Br、またはIであり、各Rは、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、または保護基もしくはプロドラッグ部分である)が含まれるが、これらに限定されない。アルキレン基、アルケニレン基、およびアルキニレン基を同様に置換することもできる。別途示さない限り、用語「置換」を、置換することができる2つ以上の部分を有するアリールアルキルなどの基と合わせて使用する場合、置換基をアリール部分、アルキル部分、または両方に結合することができる。
式Iの化合物の特定の部分(例えば、任意選択的に置換されたアリール基)に関する用語「任意選択的に置換された」は、0、1、2、またはそれを超える置換基を有する部分をいう。
疾患または容態に関する範囲の用語「処置(treatment)」または「処置すること(treating)」には、疾患または容態発症の防止、疾患または容態の阻害、疾患または容態の排除、および/または疾患または容態の1つまたは複数の症状の緩和が含まれる。
本明細書中で使用される立体化学的な定義および慣習は、一般に、S.P.Parker、Ed.、McGraw−Hill Dictionary of Chemical
Terms(1984)McGraw−Hill Book Company、New
YorkおよびEliel、E.and Wilen、S.、Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley&Sons、Inc.、New Yorkに従う。多数の有機化合物は、光学活性形態で存在する。すなわち、これらは、偏光面を回転させる能力を有する。光学活性化合物の説明において、接頭辞DおよびLまたはRおよびSを使用して、そのキラル中心について分子の絶対配置を示す。接頭辞dおよびlまたは(+)および(−)を使用して、化合物による偏光面回転の兆候を示し、(−)または1は化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdの接頭辞を付けた化合物は右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、これらが相互の鏡像であること以外は同一である。特定の立体異性体を鏡像異性体ということもでき、かかる異性体の混合物は、しばしば、鏡像異性体混合物と呼ぶ。鏡像異性体の50:50混合物をラセミ混合物またはラセミ体といい、これは、化学反応または化学的過程において立体選択または立体特異性が存在しなかった場合に起こり得る。用語「ラセミ混合物」または「ラセミ体」は、光学活性を欠く2つの鏡像異性体種の等モル混合物をいう。本発明は、本明細書中に記載の化合物の全ての立体異性体を含む。
「プロドラッグ部分」は、代謝中、全身または細胞内のいずれかで、加水分解、酵素切断、またはいくつかの他の過程によって活性な阻害化合物から分離される不安定な官能基をいう(Bundgaard,Hans,“Design and Application of Prodrugs”in A Textbook of Drug Design and Development(1991),P.Krogsgaard−Larsen and H.Bundgaard,Eds.Harwood Academic Publishers,pp.113−191)。本発明のホスホナートプロドラッグ化合物を使用して酵素活性化機構が可能な酵素には、アミダーゼ、エステラーゼ、細菌酵素、ホスホリパーゼ、コリンエステラーゼ、およびホスファターゼが含まれるが、これらに限定されない。プロドラッグ部分は、溶解性、吸収、および親油性を向上させて薬物送達、生物学的利用能、および有効性を最適にするのに役立ち得る。プロドラッグ部分には、活性代謝産物または薬物自体が含まれ得る。
リン基のアリールエステル、特に、フェニルエステルは、経口生物学的利用能を向上させると報告されている(De Lombaertら(1994)J.Med.Chem.37:498)。ホスファートに対してオルト位のカルボン酸エステルを含むフェニルエステルも記載されている(Khamnei and Torrence,(1996)J.Med.Chem.39:4109−4115)。ベンジルエステルは、親ホスホン酸を生成することが報告されている。いくつかの場合、オルト位またはパラ位の置換基は、加水分解を促進することができる。アシル化フェノールまたはアルキル化フェノールを有するベンジルアナログは、酵素(例えば、エステラーゼ、オキシダーゼなど)の作用によってフェノール化合物を生成し、これがベンジルC−O結合での切断を受けてリン酸およびキノンメチド中間体を生成することができる。このプロドラッグクラスの例は、Mitchellら(1992)J.Chem.Soc.Perkin Trans.II 2345;Glazier WO91/19721に記載されている。ベンジルメチレンに結合したカルボン酸エステル含有基を含むさらなる他のベンジルプロドラッグが記載されている(Glazier、WO91/19721号)。チオ含有プロドラッグは、ホスホナート薬の細胞内送達に有用であると報告されている。これらのプロエステルはエチルチオ基を含み、これは、チオール基がアシル基でエステル化されているか別のチオール基と組み合わされてジスルフィドを形成する。ジスルフィドの脱エステル化または還元によって遊離チオ中間体が生成され、その後にリン酸およびエピスルフィドに分解される(Puechら(1993)Antiviral Res.,22:155−174;Benzariaら(1996)J.Med.Chem.39:4958)。
「保護基」は、官能基の性質または化合物の性質を全体としてマスクするか変化させる化合物部分をいう。化学的保護基および保護/脱保護ストラテジーは、当該分野で周知である。例えば、Protective Groups in Organic Chemistry,Theodora W.Greene,John Wiley&Sons,Inc.,New York,1991を参照のこと。保護基は、しばしば、一定の官能基の反応性のマスキング、所望の化学反応の有効性の補助(例えば、秩序があり、且つ計画的な様式での化学結合のマスキングおよび破壊)に使用される。化合物の官能基の保護により、保護された官能基の反応性に加えて他の物理的性質(一般的な分析ツールによって測定することができる極性、親油性(疎水性)、および他の性質など)が変化する。化学的に保護された中間体自体は、生物学的に活性であっても不活性であってもよい。
保護された化合物はまた、in vitroおよびin vivoでの変化した(いくつかの場合、至適化された)性質(細胞膜の通過および酵素分解または隔離に対する耐性など)を示し得る。この役割では、意図する治療効果を有する保護された化合物を、プロドラッグということができる。保護基の別の機能は親薬物をプロドラッグに変換し、それにより、in vivoでのプロドラッグの変換の際に親薬物が放出されることである。活性プロドラッグは親薬物よりも効率的に吸収することができるので、プロドラッグは、親薬物よりもin vivoで高い効力を保有し得る。保護基は、化学的中間体の場合にin vitroで除去されるか、プロドラッグの場合にin vivoで除去される。化学的中間体に関して、脱保護後に得られる生成物(例えば、アルコール)が生理学的に許容可能であることは特に重要ではないが、一般に、生成物が薬理学的に無害であることがより望ましい。
保護基は、合成手順(すなわち、本発明の化合物の調製経路または調製方法)の間の保護された基との副反応を防止するために利用可能であり、この保護基は一般的に公知であり且つ使用され、任意選択的に使用される。ほとんどの場合、どの基を保護するのかに関する決定および保護する場合の化学的保護基「PG」の性質は、保護されるべき反応の化学的性質(例えば、酸性、塩基性、酸化、還元、または他の条件)および意図する合成の方向に依存するであろう。化合物が複数のPGで置換されている場合、PG基は、同一である必要はなく、一般に、同一でない。一般に、PGを使用して、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオ基、またはアミノ基などの官能基を保護し、それにより、副反応を防止するか、そうでなければ効率的な合成を容易にする。遊離脱保護基を得るための脱保護の順序は、意図する合成方向および遭遇する反応条件に依存し、当業者によって決定される任意の順序であり得る。
本発明の化合物の種々の官能基を保護することができる。例えば、−OH基(ヒドロキシル、カルボン酸、ホスホン酸、または他の官能基を問わず)のための保護基には、「エーテルまたはエステル形成基」が含まれる。エーテルまたはエステル形成基は、本明細書中に記載の合成スキーム中において化学保護基として機能することができる。しかし、いくつかのヒドロキシル保護基およびチオ保護基は、エーテル形成基でもエステル形成基でもなく、当業者に理解されるように、以下で考察したアミドと共に含まれる。
非常に多数のヒドロキシル保護基およびアミド形成基ならびに対応する化学切断反応は、Protective Groups in Organic Synthesis,Theodora W.Greene(John Wiley&Sons,Inc.,New York,1991,ISBN 0−471−62301−6)(“Greene”)に記載されている。Kocienski,Philip J.;Protecting Groups(Georg Thieme Verlag Stuttgart,New York,1994)(その全体が本明細書中で参考として援用される)も参照のこと。特に、Chapter 1,Protecting Groups:An Overview,pages 1−20,Chapter 2,Hydroxyl Protecting Groups,pages 21−94,Chapter 3,Diol
Protecting Groups,pages 95−117,Chapter 4,Carboxyl Protecting Groups,pages 118−154,Chapter 5,Carbonyl Protecting Groups,pages 155−184。カルボン酸、ホスホン酸、ホスホナート、スルホン酸の保護基および他の酸の保護基は、下記のGreeneを参照のこと。
本発明の1つの実施形態では、化合物は単離形態および精製形態である。一般に、用語「単離および精製」は、化合物が生物材料(例えば、血液、組織、細胞など)を実質的に含まないことを意味する。本発明の1つの特定の実施形態では、この用語は、本発明の化合物または抱合体が生物材料を少なくとも約90重量%含まないことを意味し、別の特定の実施形態では、この用語は、本発明の化合物または抱合体が生物材料を少なくとも約98重量%含まないことを意味し、別の特定の実施形態では、この用語は、本発明の化合物または抱合体が生物材料を少なくとも約99重量%含まないことを意味する。別の特定の実施形態では、本発明は、合成によって調製された(例えば、ex vivo)本発明の化合物または抱合体を提供する。
本発明の化合物はまた、一定の場合において互変異性体として存在することができる。たった1つの非局在化共鳴構造を描写することができるが、全てのかかる形態は本発明の範囲内である。例えば、プリン系、ピリミジン系、イミダゾール系、グアニジン系、アミジン系、およびテトラゾール系のエナミン互変異性体が存在することができ、全てのその可能な互変異性形態は本発明の範囲内である。
治療上の使用のために、本発明の化合物の有効成分の塩は、典型的には、生理学的に許容可能であろう(すなわち、塩は、生理学的に許容可能な酸または塩基由来の塩であろう)。しかし、例えば、生理学的に許容可能な化合物の調製または精製で生理学的に許容可能でない酸または塩基の塩も使用することができる。全ての塩は、生理学的に許容可能な酸または塩基に由来するかどうかにかかわらず、本発明の範囲内である。
親化合物の1つまたは複数のアミノ酸との塩も本発明の範囲内に含まれる。任意の天然または非天然アミノ酸、特に、タンパク質成分として見出された天然に存在するアミノ酸が適切であるが、アミノ酸は、典型的には、塩基性または酸性の基(例えば、リジン、アルギニン、またはグルタミン酸)または中性基(グリシン、セリン、トレオニン、アラニン、イソロイシン、またはロイシンなど)を有する側鎖を保有するアミノ酸である。
本発明の化合物は、HCVのインヒビター、かかるインヒビターの中間体として作用することができるか、下記の他の有用性を有することができる。インヒビターは、一般に、肝臓の表面上または腔中の位置に結合する。肝臓中に結合する化合物は、種々の可逆度で結合することができる。実質的に不可逆的に結合する化合物は、本発明のこの方法で使用するのに理想的な候補である。一旦標識されると、実質的に不可逆的に結合する化合物は、HCV検出のプローブとして有用である。したがって、本発明は、HCVを含む疑いのあるサンプルを標識に結合した本発明の化合物を含む組成物で処置する工程および標識の活性に及ぼすサンプルの影響を観察する工程を含む、HCVを含む疑いのあるサンプル中のNS3の検出方法に関する。適切な標識は診断分野で周知であり、安定なフリーラジカル、フルオロフォア、放射性同位体、酵素、化学発光基、および色素原が含まれる。本明細書中の化合物を、ヒドロキシルまたはアミノなどの官能基を使用して従来の様式で標識する。1つの実施形態では、本発明は、1つまたは複数の検出可能な標識を含むかこれに結合または連結する式(I)の化合物を提供する。本発明の文脈内で、HCVを含む疑いのあるサンプルには、生物;組織または細胞の培養物;生物材料のサンプル(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙、痰、唾液、および組織サンプルなど)などの生体サンプル;実験サンプル;食物、水、または大気サンプル;細胞、特に、所望の糖タンパク質を合成する組換え細胞の抽出物などの生体生成物サンプルなどの天然または人工の材料が含まれる。典型的には、サンプルは、HCVを含む疑いがあるであろう。サンプルを、任意の媒体(水および有機溶媒/水混合物が含まれる)中に含めることができる。サンプルには、ヒトなどの生物および細胞培養物などの人工材料が含まれる。
本発明の処置工程は、本発明の化合物をサンプルに添加する工程を含むか、組成物の前駆体をサンプルに添加する工程を含む。添加工程は、任意の上記の投与方法を含む。
必要に応じて、化合物適用後のHCV活性を、任意の方法(直接および間接的なHCV活性の検出方法が含まれる)によって観察することができる。定量的、定性的、および半定量的なHCV活性の決定方法の全てが意図される。典型的には、上記のスクリーニング方法の1つを適用するが、生物の生理学的性質の観察などの任意の他の方法も適用可能である。
しかし、HCVを阻害することができる化合物のスクリーニングでは、酵素アッセイの結果が常に細胞培養アッセイに相関し得ないことに留意すべきである。したがって、細胞ベースのアッセイを、典型的には、予備スクリーニングツールとするべきである。
有効成分を単独で投与することが可能である一方で、有効成分を薬学的処方物として存在させることが好ましいかもしれない。動物およびヒトの両方への使用のための本発明の処方物は、1つまたは複数の許容可能なキャリアおよび任意選択的な他の治療成分と共に少なくとも1つの上記定義の有効成分を含む。キャリアは、処方物の他の成分と適合可能であり、且つそのレシピエントに対して生理学的に無害であるという意味で「許容可能」でなければならない。
処方物には、上記投与経路に適切な処方物が含まれる。処方物は、単位投薬形態で都合良く存在することができ、薬学分野で周知の任意の方法によって調製することができる。技術および処方物は、一般に、Remington’s Pharmaceutical
Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)に見出される。かかる方法は、1つまたは複数の副成分から構成されるキャリアを有効成分と関連づける工程を含む。一般に、処方物を、液体キャリアまたは微粉化固体キャリアまたはその両方との有効成分の均一且つ親密な関連づけおよびその後の必要に応じた生成物の成形によって調製する。
経口投与に適切な本発明の処方物は、それぞれ所定量の有効成分を含む個別の単位(カプセル、カシェ、または錠剤など);粉末または顆粒;水性または非水性の液体の溶液または懸濁液;または水中油滴型の液体乳濁液または油中水滴型液体乳濁液として存在することができる。有効成分を、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与することもできる。
錠剤を、任意選択的に1つまたは複数の副成分と共に圧縮または成形することによって作製する。圧縮錠を、任意選択的に結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤、または分散剤と混合した自由流動性形態(粉末または顆粒など)の有効成分の適切な機械での圧縮によって調製することができる。成形錠剤を、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化有効成分の混合物の適切な機械での成形によって作製することができる。錠剤を任意選択的にコーティングまたは分割することができ、任意選択的に、錠剤から有効成分が持続放出または制御放出されるように処方する。
眼または他の外部組織(例えば、口腔および皮膚)への投与のために、処方物を、好ましくは、例えば、0.075〜20%w/wの量(0.1%と20%との間の範囲で0.1%w/wずつ増加する量(0.6%w/w、0.7%w/wなど)、好ましくは0.2〜15%w/w、最も好ましくは0.5〜10%w/wの有効成分が含まれる)の有効成分を含む局所用軟膏またはクリームとして適用する。軟膏中に処方する場合、有効成分を、パラフィンまたは水混和性の軟膏基剤のいずれかと共に使用することができる。あるいは、有効成分を、水中油滴型クリーム基剤を含むクリーム中に処方することができる。
必要に応じて、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30%w/wの多価アルコール(すなわち、2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコール(プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、およびポリエチレングリコール(PEG400が含まれる)、およびその混合物など))を含むことができる。局所処方物は、望ましくは、皮膚または他の罹患領域への有効成分の吸収または透過を向上させる化合物を含むことができる。かかる皮膚浸透促進剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連アナログが含まれる。
本発明の乳濁液の油相を、公知の様式で公知の成分から構成することができる。相が乳化剤(そうでなければエマルジェントとして公知)のみを含むことができるが、少なくとも1つの乳化剤と脂肪もしくは油または脂肪および油の両方との混合物を含むことが望ましい。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。油および脂肪の両方を含むことも好ましい。同時に、安定剤を含むか含まない乳化剤からいわゆる乳化蝋が作製され、油および脂肪を含むワックスからいわゆる乳化軟膏基剤が作製され、これが、クリーム処方物の油性分散相を形成する。
本発明の処方物での使用に適切なエマルジェントおよび乳濁液安定剤には、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、およびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。
処方物に適切な油または脂肪の選択は、所望の美容的性質の達成に基づく。クリームは、好ましくは、チューブまたは他の容器からの漏れを防止するのに適切な稠度を有する非油性、非染色性、および洗浄可能な生成物であるべきである。直鎖または分岐鎖の一塩基または二塩基アルキルエステル(ジイソアジパート、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、2−エチルヘキシルパルミタート、またはCrodamol CAPとして公知の分岐鎖エステルのブレンドなど)を使用することができ、最後の3つが好ましいエステルである。これらを、必要な性質に応じて単独または組み合わせて使用することができる。あるいは、白軟パラフィンおよび/または流動パラフィンまたは他の鉱物油などの高融点の脂質を使用する。
本発明の薬学的処方物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤および任意選択的に他の治療薬と共に1つまたは複数の本発明の化合物を含む。有効成分を含む薬学的処方物は、意図する投与方法に適切な任意の形態であり得る。経口で使用する場合、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性の懸濁液、分散性の粉末または顆粒、乳濁液、硬カプセルまたは軟カプセル、シロップ、またはエリキシルを調製することができる。経口での使用を意図する組成物を、薬学的組成物の製造のための当該分野で公知の任意の方法にしたがって調製することができ、かかる組成物は、口当たりの良い調製物を得るための1つまたは複数の剤(甘味剤、香味物質、着色剤、および防腐剤が含まれる)を含むことができる。錠剤の製造に適切な非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤との混合物中に有効成分を含む錠剤が許容可能である。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、燐酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど);造粒剤および崩壊剤(トウモロコシデンプンまたはアルギン酸など);結合剤(セルロース、微結晶性セルロース、デンプン、ゼラチン、またはアカシアなど);および滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなど)であり得る。錠剤はコーティングしなくてもよいか、胃腸管での崩壊および吸着を遅延させ、それによって長期間にわたって持続的に作用させるために公知の技術(マイクロカプセル化が含まれる)によってコーティングすることができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの徐放性材料を単独またはワックスと共に使用することができる。
経口用の処方物は、有効成分を不活性固体希釈剤(例えば、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合した硬ゼラチンカプセルまたは有効成分を水または油性媒体(ラッカセイ油、流動パラフィン、またはオリーブ油など)と混合した軟ゼラチンカプセルとして存在することもできる。
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適切な賦形剤と混合した活性材料を含む。かかる賦形剤には、懸濁剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアゴムなど)、および分散剤または湿潤剤(天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)など)が含まれる。水性懸濁液はまた、1つまたは複数の防腐剤(エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾアートなど)、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の香味物質、および1つまたは複数の甘味剤(スクロースまたはサッカリンなど)を含むことができる。
油性懸濁液を、植物油(ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、またはココナッツ油など)または鉱物油(流動パラフィンなど)中への有効成分の懸濁によって処方することができる。経口懸濁液は、増粘剤(蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールなど)を含むことができる。甘味剤(上記の甘味剤など)および香味物質を添加して、味の良い経口調製物を得ることができる。これらの組成物を、抗酸化剤(アスコルビン酸など)の添加によって保存することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に適切な本発明の分散性粉末および顆粒により、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1つまたは複数の防腐剤と混合した有効成分が得られる。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上記開示のものによって例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味料、香味物質、および着色剤)も存在することができる。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油滴型乳濁液の形態であり得る。油相は、植物油(オリーブ油またはラッカセイ油など)、鉱物油(流動パラフィンなど)、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤には、天然に存在するゴム(アカシアゴムおよびトラガカントガムなど)、天然に存在するホスファチド(ダイズレシチンなど)、脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルまたは部分エステル(ソルビタンモノオレアートなど)、およびこれらの部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなど)が含まれる。乳濁液はまた、甘味剤および香味物質を含むことができる。シロップおよびエリキシルを、甘味剤(グリセロール、ソルビトール、またはスクロースなど)を使用して処方することができる。かかる処方物はまた、粘滑剤、防腐剤、香味物質、または着色剤を含むことができる。
本発明の薬学的組成物は、滅菌注射調製物(滅菌注射水性懸濁液または滅菌注射油性懸濁液など)の形態であり得る。この懸濁液を、上記の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用した公知の技術にしたがって処方することができる。滅菌注射調製物はまた、非毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒(1,3−ブタンジオール溶液など)の滅菌注射溶液または懸濁液であり得るか、凍結乾燥粉末として調製することができる。そのうちで使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌不揮発性油を、溶媒または懸濁化剤として従来通りに使用することができる。この目的のために、任意のブランドの不揮発性油(合成モノグリセリドまたはジグリセリドが含まれる)を使用することができる。さらに、脂肪酸(オレイン酸など)を、注射剤の調製で同様に使用することができる。
単回投薬形態の作製のためにキャリア材料と組み合わせることができる有効成分の量は、処置される宿主および特定の投与様式に応じて変化するであろう。例えば、ヒトへの経口投与を意図する徐放性処方物は、適切且つ都合の良い量のキャリア材料を配合した約1〜1000mgの活性材料を含むことができ、キャリア材料の量は、全組成物の約5から約95%まで(重量:重量)で変化し得る。投与量が容易に測定可能な薬学的組成物を調製することができる。例えば、静脈内注入を意図する水溶液は、約30mL/時間の速度で適切な体積の注入を行うために、1mlの溶液あたり約3〜500μgの有効成分を含むことができる。
眼への投与に適切な処方物には、有効成分を有効成分に適切なキャリア(特に、水性溶媒)中に溶解または懸濁した点眼薬が含まれる。有効成分は、好ましくは、かかる処方物中に0.5〜20%w/w、有利には0.5〜10%w/w、特に約1.5%w/wの濃度で存在する。
口腔への局所投与に適切な処方物には、風味をつけた基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)中に有効成分を含むロゼンジ;不活性基剤(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなど)中に有効成分を含む香剤;および適切な液体キャリア中に有効成分を含む含嗽剤が含まれる。
肺内または鼻腔内投与に適切な処方物は、粒子サイズが、例えば、0.1〜500ミクロンの範囲(0.1と500ミクロンの間の範囲で、例えば0.5、1、30ミクロン、35ミクロンずつ増加する粒子サイズが含まれる)であり、この処方物を、肺胞嚢に送達させるために鼻道を介した迅速な吸入または口腔を介した吸入によって投与する。適切な処方物には、有効成分の水溶液または油性溶液が含まれる。エアゾールまたは乾燥粉末投与に適切な処方物を、従来の方法にしたがって調製し、HCV活性に関連する容態の処置または予防で使用される前述の化合物などの他の治療薬と共に送達させることができる。
膣投与に適切な処方物は、有効成分に加えて当該分野で適切であることが公知のキャリアなどを含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、または噴霧処方物として存在することができる。
非経口投与に適切な処方物には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および処方物を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる水性および非水性滅菌注射液ならびに懸濁剤および増粘剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。
処方物は、単位用量または複数回用量の容器(例えば、密封したアンプルおよびバイアル)中に存在し、使用直前に滅菌液体キャリア(例えば、注射用の水)の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)条件下で保存することができる。即時注射液および懸濁液を、前述の種類の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製する。好ましい単位投薬量の処方物は、上記で引用した1日量または1日の分割量またはその適切な一部の有効成分を含む処方物である。
上に特記した成分に加えて、本発明の処方物は、問題の処方物の型を考慮した当該分野で従来の他の薬剤を含むことができ、例えば、経口投与に適切な処方物は香味物質を含むことができると理解すべきである。
獣医学的キャリアは、組成物投与に有用な材料であり、獣医学分野で不活性または許容可能であり、且つ有効成分と適合する固体、液体、または気体材料であり得る。これらの獣医学的組成物を、経口、非経口、または任意の他の所望の経路で投与することができる。
本発明の化合物を、有効成分を制御放出させて投与頻度を低くするか、有効成分の薬物動態学プロフィールまたは毒性プロフィールを改善するように処方することもできる。したがって、本発明はまた、徐放または制御放出のために処方された1つまたは複数の本発明の化合物を含む組成物を提供する。
有効成分の有効用量は、処置される容態の性質、毒性、化合物が予防的に使用されるかどうか(低用量)、送達方法、および薬学的処方物に少なくとも依存し、従来の用量漸増研究を使用して臨床家によって決定されるであろう。約0.0001〜約100mg/kg体重/日、典型的には、約0.01〜約10mg/kg体重/日、より典型的には約.01〜約5mg/kg体重/日、より典型的には約0.05〜約0.5mg/kg体重/日であると予想され得る。例えば、体重約70kgの成人ヒトの候補1日量は、1mg〜1000mg、好ましくは5mgと500mgとの間の範囲であり、単回用量または複数回用量の形態をとることができる。
任意の本発明の化合物を1つまたは複数の他の有効成分と患者への同時または連続的投与のための単一投薬形態に組み合わせることも可能である。併用療法を、同時または連続的レジメンとして投与することができる。連続投与する場合、組み合わせを、2回以上の投与で投与することができる。
併用療法により、「相乗作用」および「相乗効果」(すなわち、有効成分と共に使用した場合に化合物の個別使用よる結果の和を超える効果)を得ることができる。有効成分を、以下:(1)同時処方して、組み合わせ処方物中で同時に投与または送達させた場合;(2)個別の処方物として交互または並行して送達させた場合;または(3)いくつかの他のレジメンによる場合、相乗効果を達成することができる。交互療法で送達させる場合、連続的(例えば、個別の錠剤、丸薬、またはカプセル)または個別のシリンジでの異なる注射によって化合物を投与または送達させた場合に相乗効果を達成することができる。一般に、交互療法中、有効投薬量の各有効成分を、連続的(すなわち、定期的)に投与するのに対して、併用療法では、有効投薬量の2つ以上の有効成分を共に投与する。
式Iの化合物と組み合わせることができる適切な活性治療薬または治療成分には、インターフェロン(例えば、ペグ化rIFN−α2b、ペグ化rIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2b XL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インファーゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEG−インファーゲン、ペグ化IFN−β、経口インターフェロンα、フェロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インファーゲン+アクティミューン、DUROSを含むIFN−ω、およびアルブフェロン);リバビリンアナログ(例えば、レベトール、コペガス、レボビリンVX−497、およびビラミジン(タリバビリン));NS5aインヒビター(例えば、A−831およびA−689);NS5bポリメラーゼインヒビター(例えば、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB 1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、およびXTL−2125);NS3プロテアーゼインヒビター(例えば、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065);α−グルコシダーゼ1インヒビター(例えば、MX−3253(セルゴシビル)およびUT−231B);肝保護剤(hepatoprotectant)(例えば、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451);HCVの非ヌクレオシドインヒビター(例えば、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体);および他のHCV治療薬(例えば、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975(イサトリビン(isatoribine))、
XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811)が含まれ得る。
さらに別の実施形態では、本出願は、少なくとも1つのさらなる治療薬および薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、および/またはエステルを含む薬学的組成物を開示する。
本発明によれば、本発明の化合物と組み合わせて使用される治療薬は、本発明の化合物と組み合わせて使用した場合に治療効果を有する任意の薬剤であり得る。例えば、本発明の化合物と組み合わせて使用される治療薬は、インターフェロン、リバビリンアナログ、NS3プロテアーゼインヒビター、NS5bポリメラーゼインヒビター、α−グルコシダーゼ1インヒビター、肝保護剤、HCVの非ヌクレオシドインヒビター、および他のHCV治療薬であり得る。
別の実施形態では、本出願は、ペグ化rIFN−α2b、ペグ化rIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2b XL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インファーゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEG−インファーゲン、ペグ化IFN−β、経口インターフェロンα、フエロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インファーゲン+アクティミューン、DUROSを含むIFN−ω、アルブフェロン、レベトール、コペガス、レボビリン、VX−497、ビラミジン(タリバビリン)、A−831、A−689、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB 1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、XTL−2125、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065、MX−3253(セルゴシビル)、UT−231B、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975(イサトリビン)、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811および薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる治療薬と組み合わせて本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、および/またはエステルを含む薬学的組成物を提供する。
式Iの化合物とさらなる活性治療薬との組み合わせを、HCVが感染した患者およびHIV感染などの他の容態の患者を処置するために選択することができる。したがって、式Iの化合物を、HIVの処置で有用な1つまたは複数の化合物(例えば、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシドインヒビター、逆転写酵素のHIVヌクレオシドインヒビター、逆転写酵素のHIVヌクレオチドインヒビター、HIVインテグラーゼインヒビター、gp41インヒビター、CXCR4インヒビター、gp120インヒビター、CCR5インヒビター、インターフェロン、リバビリンアナログ、NS3プロテアーゼインヒビター、NS5bポリメラーゼインヒビター、α−グルコシダーゼ1インヒビター、肝保護剤、HCVの非ヌクレオシドインヒビター、および他のHCV治療薬)と組み合わせることができる。
より具体的には、1つまたは複数の本発明の化合物を、1)HIVプロテアーゼインヒビター(例えば、アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ロピナビル+リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、AG1859、DG35、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、およびGW640385X、DG17、PPL−100)、2)逆転写酵素のHIV非ヌクレオシドインヒビター(例えば、カプラビリン、エミビリン、デラビリジン、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリド A、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、およびTMC−120、TMC−278(リルピビリン)、エファビレンツ、BILR355BS、VRX840773、UK−453,061、RDEA806)、3)逆転写酵素のHIVヌクレオシドインヒビター(例えば、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(±−FTC)、D−d4FC、エムトリシタビン、ホスファジド(phosphazide)、ホジブジンチドキシル、ホサルブジンチドキシル、アプリシチビン(AVX754)、アムドキソビル、KP−1461、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、ジドブジン+ラミブジン)、4)逆転写酵素のHIVヌクレオチドインヒビター(例えば、テノホビル、フマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン、フマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン+エファビレンツ、およびアデホビル)、5)HIVインテグラーゼインヒビター(例えば、クルクミン、クルクミン誘導体、キコル酸、キコル酸誘導体、3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸誘導体、カフェー酸フェネチルエステル、カフェー酸フェネチルエステル誘導体、チロホスチン、チロホスチン誘導体、ケルセチン、ケルセチン誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、およびL−870810、MK−0518(ラルテグラビル)、BMS−707035、MK−2048、BA−011、BMS−538158、GSK364735C)、6)gp41インヒビター(例えば、エンフビルチド、シフビルチド、FB006M、TRI−1144、SPC3、DES6、Locus gp41、CovX、およびREP9)、7)CXCR4インヒビター(例えば、AMD−070)、8)侵入インヒビター(例えば、SP01A、TNX−355)、9)gp120インヒビター(例えば、BMS−488043およびBlockAide/CR)、10)G6PDおよびNADH−オキシダーゼインヒビター(例えば、イムニチン)、10)CCR5インヒビター(例えば、アプラビロック、ビクリビロック、INCB9471、PRO−140、INCB15050、PF−232798、CCR5mAb004、およびマラビロック)、11)インターフェロン(例えば、ペグ化rIFN−α2b、ペグ化rIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2bXL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インファーゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEG−インファーゲン、ペグ化IFN−β、経口インターフェロンα、フエロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インファーゲン+アクティミューン、DUROSを含むIFN−ω、およびアルブフェロン)、12)リバビリンアナログ(例えば、レベトール、コペガス、レボビリン、VX−497、およびビラミジン(タリバビリン))、13)NS5aインヒビター(例えば、A−831およびA−689)、14)NS5bポリメラーゼインヒビター(例えば、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、HCV−796、BILB1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、およびXTL−2125)、15)NS3プロテアーゼインヒビター(例えば、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(テラプレビル)、ITMN−191、およびBILN−2065)、16)α−グルコシダーゼ1インヒビター(例えば、MX−3253(セルゴシビル)およびUT−231B)、17)肝保護剤(例えば、IDN−6556、ME3738、MitoQ、およびLB−84451)、18)HCVの非ヌクレオシドインヒビター(例えば、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体)、19)他のHCV治療薬(例えば、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI4065、バビツキシマブ、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975(イサトリビン)、XTL−6865、ANA971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811)、19)薬物動態学的エンハンサー(例えば、BAS−100およびSPI452)、20)RNアーゼHインヒビター(例えば、ODN−93およびODN−112)、21)他の抗HIV薬(例えば、VGV−1、PA−457(ベビリマット)、アムプリゲン、HRG214、シトリン、ポリムン、VGX−410、KD247、AMZ 0026、CYT99007、A−221HIV、BAY50−4798、MDX010(イプリムマブ)、PBS119、ALG889、およびPA−1050040)からなる群から選択される1つまたは複数の化合物と組み合わせることができる。
代替胃腸分泌物中における化合物の安定性の決定方法は公知である。37℃で1時間のインキュベーションの際に代替腸液または胃液中で保護された基の約50モルパーセント未満が脱保護される場合、本明細書中で、化合物は胃腸管中で安定と定義する。化合物が胃腸管に対して安定であるというだけの理由で、化合物をin vivoで加水分解することができないことを意味しない。本発明のホスホナートプロドラッグは、典型的には、消化器系で安定であるが、一般に、消化器の管腔、肝臓、または他の代謝器官中、または細胞内で親薬物に実質的に加水分解される。
多数の例示的な本発明の組成物の調製方法を以下に提供する。これらの方法は、かかる調製物の性質を例示することを意図し、適用可能な方法の範囲を制限することを意図しない。
一般に、実施すべき特定の反応についての温度、反応時間、溶媒、および作製手順などの反応条件は、当該分野で共通の条件であろう。引用された参考資料は、参考資料中で引用された材料と共にかかる条件の詳細な説明を含む。典型的には、温度は−100℃〜200℃であり、溶媒は非プロトン性またはプロトン性であり、反応時間は10秒間〜10日間であろう。作業は、典型的には、任意の未反応の試薬の反応停止ならびにその後の水/有機層系の間の分配(抽出)および生成物を含む層の分離からなる。
典型的には、室温付近の温度(約20℃)で酸化還元反応を行うが、金属水素化物の還元についてはしばしば0℃〜−100℃で行い、溶媒は、典型的には、還元については非プロトン性であり、酸化についてはプロトン性であっても非プロトン性であってもよい。所望の変換が達成されるように反応時間を調整する。
典型的には、室温付近の温度で縮合反応を行うが、非平衡の速度制御された縮合については一般に低温(0℃〜−100℃)である。溶媒は、プロトン性(平衡化反応で一般的)または非プロトン性(速度制御反応で一般的)のいずれかであり得る。
反応副生成物の共沸除去および無水反応条件(例えば、不活性ガス環境)の使用などの標準的な合成技術は、当該分野で一般的であり、適用可能な場合に適用するであろう。
用語「処理(treated)」、「処理(treating)」、および「処理(treatment)」などは、化学合成操作と併せて使用する場合、接触、混合、反応、反応させること、接触に至らせること、および1つまたは複数の化学物質を1つまたは複数の他の化学物質に変換する様式などで処理することを示す当該分野で一般的な他の用語を意味する。これは、「化合物1の化合物2での処理」が、「化合物1を化合物2と反応させること」、「化合物1の化合物2との接触」、「化合物1の化合物2との反応」、および化合物1を、化合物2で「処理すること」、「反応すること」、「反応させること」などを妥当に示すための有機合成分野で一般的な他の表現と同義であることを意味する。例えば、処理は、有機化学物質を反応させる妥当且つ通常の様式を示す。他で示さない限り、通常の濃度(0.01M〜10M、典型的には0.1M〜1M)、温度(−100℃〜250℃、典型的には−78℃〜150℃、より典型的には−78℃〜100℃、さらにより典型的には0℃〜100℃)、反応容器(典型的には、ガラス、プラスチック、金属)、溶媒、圧力、大気(典型的には、酸素および水に非感受性の反応のための空気または酸素もしくは水に感受性を示す反応のための窒素もしくはアルゴン)などが意図される。有機合成分野で公知の類似の反応の知識を、所与のプロセスでの「処理」のための条件および装置の選択で使用する。特に、有機合成の当業者は、当該分野の知識に基づいて記載のプロセスの化学反応を首尾よく実施すると妥当に予想される条件および装置を選択する。
各例示的スキームおよび例(以後、「例示的スキーム」)の修正により、特定の例示的材料の種々のアナログが生成される。適切な有機合成方法を記載した上記引用を、かかる修正に適用可能である。
各例示的スキームでは、反応生成物を相互に分離し、そして/または出発物質から分離することが有利かもしれない。各工程または一連の工程の所望の生成物を、当該分野で一般的な技術によって所望の均一度に分離および/または精製(以後、分離)する。典型的には、かかる分離は、多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィを含む。クロマトグラフィは、多数の方法(例えば、逆相および順相クロマトグラフィ;サイズ排除クロマトグラフィ;イオン交換クロマトグラフィ;高速、中速、および低速液体クロマトグラフィ法および装置;小規模分析;疑似移動床(SMB)および分離薄層および厚層クロマトグラフィ、ならびに小規模薄層技術およびフラッシュクロマトグラフィが含まれる)を含むことができる。
別のクラスの分離方法は、所望の生成物、未反応の出発物質、または反応副生成物などに結合するために選択されるかそうでなければ分離可能な試薬での混合物の処理を含む。かかる試薬は、活性炭、分子篩、またはイオン交換担体などの吸着体または吸収体を含む。あるいは、試薬は、塩基性材料の場合の酸、酸性材料の場合の塩基、結合試薬(抗体、結合タンパク質など)、選択キレート剤(クラウンエーテルなど)、または液体/液体イオン抽出試薬(LIX)などであり得る。
適切な分離方法の選択は、関与する材料の性質に依存する。例えば、蒸留および昇華における沸点および分子量、クロマトグラフィにおける極性官能基の有無、ならびに多相抽出における酸性および塩基性の媒体中の材料の安定性など。当業者は、所望の分離が得られる可能性が最も高い技術を適用するであろう。
その立体異性体を実質的に含まない単一の立体異性体(例えば、鏡像異性体)を、光学活性分割剤を使用したジアステレオマー形成などの方法を使用したラセミ混合物の分割によって得ることができる(Stereochemistry of Carbon Compounds,(1962)by E.L.Eliel,McGraw Hill;Lochmuller,C.H.,(1975)J.Chromatogr.,113,3)283−302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物を、任意の適切な方法((1)キラル化合物とのイオン性のジアステレオマー塩の形成および分別晶出または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化剤とのジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、および(3)キラル条件下での実質的に純粋であるか富化された立体異性体の直接的分離が含まれる)によって分離および単離することができる。
方法(1)では、ジアステレオマー塩を、鏡像異性体的に純粋なキラル塩基(ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、およびα−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)など)の酸性官能性を保有する不斉化合物(カルボン酸およびスルホン酸など)との反応によって形成することができる。ジアステレオマー塩を誘導して分別晶出またはイオンクロマトグラフィによって分離することができる。アミノ化合物の光学異性体の分離のために、キラルのカルボン酸スルホン酸(カンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸、または乳酸など)の添加により、ジアステレオマー塩を形成することができる。
あるいは、方法(2)により、分割すべき基質をキラル化合物の1つの鏡像異性体と反応させてジアステレオマー対を形成する(Eliel,E.and Wilen,S.(1994)Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley&Sons,Inc.,p.322)。ジアステレオマー化合物を、不斉化合物の鏡像異性体的に純粋な誘導体化剤(メンチル誘導体など)との反応ならびにその後のジアステレオマーの分離および遊離の鏡像異性体富化キサンテンを得るための加水分解によって形成することができる。光学純度の決定方法は、キラルエステル(メチルエステル(例えば、塩基の存在下での(−)メチルクロロホルマート)またはラセミ混合物のMosherエステル(α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセタート(Jacob III.(1982)J.Org.Chem.47:4165))など)の作製および2つのアトロプ異性体性ジアステレオマーの存在についてのNMRスペクトルの分析を含む。アトロプ異性体化合物の安定なジアステレオマーを、アトロプ異性体性ナフチル−イソキノリンの分離方法にしたがった順相および逆相クロマトグラフィ(Hoye,T.,WO96/15111)によって分離および単離することができる。方法(3)により、2つの鏡像異性体のラセミ混合物を、キラル固定相を使用したクロマトグラフィによって分離することができる(Chiral Liquid Chromatography(1989)W.J.Lough,Ed.Chapman and
Hall,New York;Okamoto,(1990)J.of Chromatogr.513:375−378)。富化または精製した鏡像異性体を、不斉炭素原子を使用して他のキラル分子を識別するために使用される方法(旋光性および円二色性など)によって識別することができる。
スキームおよび実施例
これらの例示的方法の一般的態様を、以下および実施例に記載する。以下のプロセスの各生成物を、次のプロセスでのその使用前に任意選択的に分離、単離、および/または精製する。
本発明の化合物の多数の例示的な調製方法を、本明細書中(例えば、以下の実施例中)に示す。これらの方法は、かかる調製物の性質の例示を意図し、適用可能な方法の範囲を制限することを意図しない。一定の本発明の化合物を、本発明の他の化合物の調製のための中間体として使用することができる。
工程A:中間体の調製:
1.中間体Iの調製
工程1:乾燥し、アルゴンをパージした三つ口丸底フラスコ(1000mL)に、0℃で無水ジクロロメタン(100mL)およびEt
2Zn(28mL、273mmol)を添加した(注意:アルゴン供給は、ニードルによってはならない。適切なガラスアダプターのみを使用すること。過剰な圧力の上昇を防止するために第2のバブラーをフラスコに取り付けることもできる。)。次いで、シクロペンタン−3−オール(10.0mL、119mmol)をフラスコに滴下し(大量のエタンガスが発生した)、ガス発生が停止するまで反応混合物を撹拌させた。次いで、ジヨードメタン(22mL、242mmol)を、30分間にわたって滴下した。反応物を室温まで加温させ、アルゴンを能動的に流しながら一晩撹拌させ続け、その時点でTLC分析によって出発アルコールの完全な消失が示された。次いで、反応物をCH
2Cl
2で希釈し、2M HClで反応を停止させた(白色沈殿が完全に溶解するはずである)。二相混合物を分液漏斗に注ぎ、有機層を回収した。100mLの物質が残存するまで、溶媒を減圧下で除去した。
工程2:無水ジクロロメタン(525mL)をフラスコに添加し、その後にトリエチルアミン(34mL、245mmol)を滴下した。反応物を、窒素を能動的に流しながら室温で撹拌させ続け、その時点でジスクシンイミジルカーボナート(40.7g、159mmol)をフラスコに少しずつ添加した。TLC分析によって出発物質の完全な消失が示されるまで(2〜3日)、反応物を撹拌させた。完了の際、反応混合物の反応を1M HCl(200mL×2)で停止させ、H2O(200mL×2)で洗浄した。所望の物質を、CH2Cl2を使用して抽出し、合わせた有機層を、無水MgSO4を使用して乾燥させ、シリカプラグに通した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、フラッシュクロマトグラフィ(Rf=0.33,1:1 Hex/EtOAc)を使用して精製して、中間体I(22g、75%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ5.24(t,1H),3.82(s,4H),2.24(m,2H),2.03(d,2H),1.38(m,2H),0.48(m,1H),0.40(m,1H)。
2.中間体IIの調製:
cis−3−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン(980mg、10mmol)、4−ニトロ安息香酸(2.0g、12mmol)、およびトリフェニルホスフィン(3.0g、12mmol)を含むTHF(20mL)の溶液に、0℃でジイソプロピルアゾジカルボキシラート(2.58mL、12mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、2.2g(0.96g、77%)のエステルを得た。LC/MS=775.4(M
++1)。
このエステルをTHF(40mL)に溶解し、水酸化リチウム水溶液(2g/20mL)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、ジエチルエーテル(30mL)を添加した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、約10mLに濃縮した。ジクロロメタン(40mL)を添加し、硫酸ナトリウムで再度乾燥させた。得られた生成物のアルコール溶液を約20mLに濃縮し、これを次の反応に直接使用した。式Iの調製手順に類似の手順にしたがって中間体IIを得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ4.80(t,1H),3.82(s,4H),2.38(m,2H),2.01(d,2H),1.40(m,2H),0.45(m,1H),0.02(m,1H)。
3.トリペプチド中間体の調製:
工程1:N−t−Boc−cis−4−ヒドロキシ−L−プロリンメチルエステル(100.0g、407.7mmol)およびDABCO(1.5当量、68.6g、611.6mmol)を、メカニカルスターラーおよび添加漏斗を備えた2L三つ口丸底フラスコ中の無水トルエン(200mL)に溶解した。溶液をN
2下にて0℃に冷却後、4−ブロモ−ベンゼンスルホニルクロリド(1.3当量、135.6g、530.0mmol)を含む300mLのトルエンの溶液を60分間にわたって添加漏斗で添加した。反応混合物を撹拌し、一晩(16時間)室温まで加温させた。混合物を2Lの1M Na
2CO
3(水溶液)にゆっくり注ぎ、生成物をEtOAc(2L)で抽出した。有機相を0.5N
HCl(2L)、H
2O(1L)、およびブライン(1L)によって洗浄後、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して195.45gのの黄色油性ブロシラート生成物を得た。
上記ブロシラート(407.7mmol)を含むジクロロメタン(300mL)溶液に4.0M HClを含むジオキサン(500mL、5当量)をゆっくり添加し、得られた溶液を室温で2時間撹拌させた。エーテル(500mL)を反応混合物に添加後、混合物を15分間撹拌し、白色沈殿を濾過によって回収した。固体をエーテルおよびヘキサンで洗浄し、次いで、真空下で一晩乾燥させて、153.0gのHClアミン塩(2工程で381.8mmol、収率94%)を得た。
工程2:Boc−tert−ブチル−グリシン(97.0g、420.0mmol)を含むDMF(200mL)およびDCM(200mL)の溶液に、室温でHATU(217.76g、572.7mmol)およびヒューニッヒ塩基(126mL、1145.4mmol)を添加した。混合物を室温で20分間撹拌した後、前のHCl塩(153.0g、381.8mmol)およびヒューニッヒ塩基(126mL、1145.4mmol)を含むDMF(200mL)およびジクロロメタン(200mL)の溶液を、上記酸混合物に少しずつ添加した。反応混合物を、LCMSによってモニタリングしながら室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮してジクロロメタンを除去し、形成された白色固体を濾別した。残存DMF溶液を酢酸エチル(1L)で希釈し、3%LiCl(水溶液)(3×650mL)、飽和NH4Cl(2×500mL)、0.5N HCl(水溶液)(2×600mL)、ブライン(500mL)、飽和NaHCO3(3×500mL)、およびブライン(500mL)で連続的に洗浄した。得られた有機画分を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、粗トリペプチド(111g)を得た。
工程3:メチルエステル(120g、207.8mmol)を含むTHF(300mL)、MeOH(75mL)溶液に、LiOH(26.18g、623.4mmol)のH2O溶液(150mL)を添加した。溶液を、室温で4時間撹拌させた。混合物を、3N
HClで約pH5.5に酸性化しながら氷浴中で冷却し、10分間撹拌し、得られた白色固体を濾過によって回収した。固体を、さらなる水、エーテル、およびヘキサンで洗浄した。固体を真空下にて40℃で一晩乾燥させて、95.78g(82%)の酸を得た。
工程4:カルボン酸(81.4g、144.27mmol)を含むDMF(200mL)およびジクロロメタン(200mL)の溶液に、室温でHATU(82.3g、216.4mmol)およびヒューニッヒ塩基(47.5mL、432.8mmol)を添加した。混合物を室温で20分間撹拌した後、アミン(158.7mmol)およびヒューニッヒ塩基(47.5mL、1145.4mmol)を含むDMF(200mL)およびジクロロメタン(200mL)の溶液を、上記酸混合物に少しずつ添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、LCMSによってモニタリングした。混合物を減圧下で濃縮してジクロロメタンを除去した後、形成された白色固体を濾別した。残存DMF溶液を、酢酸エチル(600mL)で希釈し、3% LiCl(水溶液)(2×550mL)、飽和NH4Cl(500mL)、1N HCl(水溶液)(500mL)、飽和NaHCO3(500mL)、およびブライン(300mL)で連続的に洗浄した。得られた有機画分を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、粗トリペプチド(111g)を得た。
工程5:粗トリペプチドを室温で4N HClを含むジオキサン(300mL)に溶解し、2時間撹拌した。次いで、真空下で濃縮し、乾燥するまでジクロロメタン(2×200mL)で同時蒸発させた。残渣をEtOAc(600mL)および飽和NaHCO3水溶液(1L)に溶解した。これを強く撹拌した。10分後、炭酸ビシクロ[3.1.0]ヘクス−3−イルエステル2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イルエステル(中間体I、41.4g、173.1mmol)を、一度に添加した。得られた混合物をさらに30分間撹拌後、有機層を回収し、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、94.44g(92%)のトリペプチド中間体IIIを得た。
4.キノリン中間体IVの調製:
工程1:1−(2−アミノ−3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(70.7g、354mmol)を、48% HBr水溶液(500mL)中にて110℃で72時間撹拌した。混合物を撹拌しながら0℃に冷却後、固体を濾過し、水で洗浄した。得られた固体を飽和NaHCO
3溶液(約350mL)でトリチュレートし、濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、暗褐色固体として約40g(61%)の粗生成物を得た。LC/MS=186(M
++1)。
工程2:1−(2−アミノ−3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−エタノン(40g、215mmol)を、DMF(360ml)に溶解した。炭酸セシウム(140g、430mmol)を添加し、その後にブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(54.5g、323mmol)を添加した。次いで、混合物を65℃で24時間強く撹拌した。室温への冷却の際、EtOAc(1L)およびH2O(1L)を混合物に添加した。有機層をEtOAc(1×400ml)で抽出した。合わせた有機層を3%LiCl水溶液(2×1L)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、白色固体として所望の生成物を得た(39g、67%)。
工程3:1−[2−アミノ−3−クロロ−4−(2,2−ジメトキシ−エトキシ)−フェニル]−エタノン(13g、47.5mmol)およびイソプロピルアミノチアゾール−4−カルボン酸ヒドロブロミド(12.64g、47.5mmol)の混合物を含むピリジン(150ml)に、−40℃でオキシ塩化リン(9.47g、61.8mmol)をゆっくり添加した。次いで、混合物を0℃で4時間撹拌した。反応完了の際、H2O(30ml)を混合物に滴下した。次いで、混合物を0℃でさらに15分間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣をCH2Cl2に溶解し、ヘキサンを溶液にゆっくり添加すると、黄色固体が沈殿し始めた。母液中にあまり多くの生成物が残存しなくなるまで、さらなるヘキサンを添加した(18g、85%)。
工程4:2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−カルボン酸[6−アセチル−2−クロロ−3−(2,2−ジメトキシ−エトキシ)−フェニル]−アミド(18g、40.7mmol)を、トルエン(400ml)に懸濁した。NaH(2.4g、61mmol)を、H2発生をモニタリングしながら強く撹拌した混合物に添加した。混合物は、加熱還流中に透明な溶液になった。3時間の還流後、反応が完了した。混合物を室温に冷却した。AcOH(69.2mmol)水溶液(3倍体積)を混合物に添加した。0℃で1時間の強い撹拌後、固体を濾過によって回収し、H2Oでリンスした。湿ったケーキを高真空下で一定重量まで乾燥させて、中間体IV(15g、86%)を得た。
5.キノリン中間体Vの調製:
固体である2−クロロ−3−メトキシ−フェニルアミン(3.98g、25mmol)およびマロン酸(2.63g、25mmol)の混合物を含む250ml丸底フラスコに、オキシ塩化リン(2.5ml、27.5mmol)を添加した。混合物を95℃に加熱すると、強い撹拌中にゆっくりと気泡が発生し、1.5時間で気泡発生が停止した。次いで、混合物を室温に冷却した。オキシ塩化リン(30ml)を暗褐色タール様物質に添加し、115℃に加熱した。加熱の際、全物質が溶解した。3時間の還流後、混合物を真空下で濃縮した。残渣をクロロホルムで希釈し、氷水に注いだ。3N NaOH水溶液を添加してpH10に調整した。水層をクロロホルムで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、白色固体として生成物を得た(2工程で2.75g、46%)。LC/MS=261.9(M
++1)。
ピラゾール(3.1g、45.7mmol)およびトリクロロ化合物(1.2g、4.57mmol)の混合物を、密封マイクロ波管中で加熱した。全固体が80℃で融解した後、管をハウスバキュームに供して残存する水分を除去し、混合物を115℃で18時間攪拌させた。酢酸エチルおよびH
2Oを添加して全固体を溶解した。有機相を、0.5N
HCl水溶液およびブラインで洗浄した。次いで、有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。固体を酢酸エチル/ヘキサンでトリチュレートし、濾過によって回収し、高真空下でさらに乾燥させて、淡黄色固体としてピラゾールを得た(1.28g、少量のビス添加付加物が夾雑している)。LC/MS=294.0(M
++1)。
前工程由来の生成物(650mg、2.2mmol)を、酢酸ナトリウム(2.2g、27mmol)と共に酢酸(7ml)に懸濁した。混合物を、密封マイクロ波管中にて130℃で3日間加熱した。室温への冷却中に混合物が固化した。酢酸エチルおよびH
2Oを添加して、混合物を溶解した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を有機層に添加し、5分間撹拌した。次いで、有機層をブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。次いで、残渣を酢酸エチル/ヘキサンでトリチュレートした。中間体V(HPLCによって精製)を濾過によって回収した(2工程で300mg、50%)。LC/MS=276.0(M
++1)。
セクションB:
(実施例1)化合物1の調製
メチルエステル(0.62g、1.1mmol)、ヒドロキシキノリン(0.34g、1.1mmol)、および炭酸セシウム(0.39g、1.2mmol)の混合物を含むNMP(6mL)を、65℃で16時間撹拌した。混合物を、酢酸エチル(50mL)と3%LiCl水溶液(50mL)との間で分配した。有機層を3%LiCl水溶液(50mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、赤褐色固体としてカップリング生成物(0.45g、64%)を得た。上記生成物を含むTHF(2mL)およびMeOH(2mL)の溶液を、水酸化リチウム水溶液(0.29mg/2mL)にて室温で3時間処理し、4N HClで中和した。揮発性溶媒の除去後、混合物をジクロロメタンで抽出し、抽出物を乾燥するまで濃縮して酸生成物を得た。LC/MS=642.3(M
++1)。
酸(440mg、0.69mmol)、(1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル塩酸塩(147mg、0.82mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.48mL、2.8mmol)の溶液に、0℃でHATU(390mg、1.0mmol)を添加し、30分間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および3%LiCl水溶液(50mL)を、撹拌しながら混合物に添加した。有機層を取り、3%LiCl水溶液(50mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、赤褐色固体としてカップリング生成物を得た(0.35g、66%)。LC/MS=765.5(M
++1)。上記生成物を含むジクロロメタン(3mL)の溶液を、4N HClを含むジオキサン(8mL)にて室温で2時間処理し、乾燥するまで濃縮し、アミンを得た。
アミン(38mg、0.054mmol)を含むジクロロメタン(20mL)および5%重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)の二相性溶液に、出発物質が完全に消費されるまで(30分毎、全部で約25mg/1mL)、中間体Iを含むジクロロメタンの溶液を4回に分けて添加した。ジクロロメタン層を取り、濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製した。次いで、メチルエステル生成物を、MeOH/水(20mL/2mL)に溶解した。過剰量の水酸化リチウム(100mg)を添加し、室温で24時間撹拌した。ジクロロメタン(40mL)および1N HCl(20mL)を連続的に添加した。撹拌しながら、水溶液が約pH7になるまで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を滴下した。ジクロロメタン層を濃縮し、残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製して、14mg(33%)の化合物1を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.75(s,1H),8.24(d,J=9.6Hz,1H),8.18(s,1H),7.75(m,2H),7.34(d,J=9.6Hz,1H),5.87(dd,1H),5.77(brs,1H),5.28(d,J=17.1Hz,1H),5.11(d,J=10.5Hz,1H),4.74(t,1H),4.64(d,1H),4.51(t,1H),4.20(m,2H),4.09(m,1H),4.05(s,3H),2.78(m,1H),2.59(m,1H),2.20(q,1H),1.95(dd,1H),1.85(dd,1H),1.72(m,2H),1.43(m,2H),1.34(d,6H),1.19(m,2H),1.04(s,9H),0.38(m,2H)。LC/MS=775.4(M
++1);LC/MS R
t=2.45分。
(実施例2)化合物2の調製
化合物2を、カーボナートIIの使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.75(s,1H),8.28(d,J=9.6Hz,1H),8.18(s,1H),7.77(s,1H),7.73(s,1H),7.34(d,J=9.6Hz,1H),5.86(dd,1H),5.77(brs,1H),5.28(d,J=17.1Hz,1H),5.11(d,J=10.5Hz,1H),4.72(t,1H),4.64(d,1H),4.18(m,1H),4.12(m,2H),4.06(s,3H),2.78(m,1H),2.58(m,1H),2.20(q,1H),1.93(dd,1H),1.4−1.4(m,4H),1.34(d,6H),1.30(m,2H),1.22(m,2H),1.04(s,9H),0.38(q,1H),−0.14(m,1H)。LC/MS=775.4(M
++1);LC/MS R
t=2.33分。
(実施例3)化合物3の調製
化合物3を、8−クロロ−2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−7−メトキシ−キノリン−4−オールの使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得たトリペプチド中間体の使用を除いて、化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=809.5(M
++1);LC/MS R
t=4.42分(運転6分)。
(実施例4)化合物4の調製
化合物4を、8−クロロ−2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−7−メトキシ−キノリン−4−オールの使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得たトリペプチドの使用を除いて、化合物2の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=809.5(M
++1);LC/MS R
t=4.38分(運転6分)。
(実施例5)化合物5の調製
化合物5を、エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールの使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得たカーボナートの使用を除いて、化合物3の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=823.3(M
++1);分析HPLC R
t=5.40分(運転7分)。
(実施例6)化合物6の調製
化合物6を、(+)−エンド−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールの使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得たカーボナートの使用を除いて、化合物3の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=823.3(M
++1);分析HPLC R
t=5.41分(運転7分)。
(実施例7)化合物7の調製
化合物7を、(1R,2S)−1−アミノ−2−エチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル塩酸塩の使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得たトリペプチドからの出発を除いて、化合物3の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
カーボナートを、trans−6,6−ジフルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−オール(WO266640558号にしたがって得た後、シリカゲルクロマトグラフィ分離によってcisおよびtrans異性体に分離した)の使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=847.5(M++1);LC/MS Rt=2.76分。
(実施例8)化合物8の調製
化合物8を、cis−6,6−ジフルオロ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−オールの使用を除いて化合物1の調製手順に類似の手順に従うことによって得たカーボナートの使用を除いて、化合物7の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=847.5(M
++1);LC/MS R
t=2.73分。
(実施例9)化合物9の調製
トリペプチド(391mg、0.55mmol)および中間体V(150mg、0.55mmol)を、NMP(3ml)に溶解した。炭酸セシウム(352mg、1.08mmol)を混合物に添加し、混合物を70℃で4時間加熱した。酢酸エチルおよび3%LiCl水溶液を残渣に添加した。有機層を、3%LiCl水溶液(1回)およびブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をTHF(1.5ml)に溶解した。LiOH水溶液(5.5mmol、1.5ml)を混合物に添加し、その後にMeOH(2ml)を添加した。室温で1.5時間の強い撹拌後に反応が完了した。4N HCl水溶液を添加して、pH5に調整した。酢酸エチルおよびブラインを残渣に添加し、有機層を真空下で濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製して、化合物9を得た(120mg、低溶解性により、精製中に生成物がいくらか喪失した)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.78(s,1H),8.56(s,1H),8.04(d,J=9.3Hz,1H),7.91(s,1H),7.51(s,1H),7.40(d,J=9.3Hz,1H),7.01(d,J=8.4Hz,1H),6.67(s,1H),5.64−5.77(m,1H),5.58(brs,1H),5.20(d,J=17.7Hz,1H),5.05(d,J=11.4Hz,1H),4.59(t,1H),4.44(t,J=8.4Hz,1H),4.33(d,1H),3.94−4.07(m,2H),4.02(s,3H),2.48−2.60(m,1H),2.20−2.35(m,1H),1.85−2.11(m,2H),1.72−1.85(m,1H),1.50−1.51(m,2H),1.05−1.35(m,4H),0.93(s,9H),0.39(q,1H),0.25−0.38(m,1H)。LC/MS=735.4(M
++1)。
(実施例10)化合物10の調製
化合物10を、化合物9の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.78(s,1H),8.31(brs,1H),8.04(d,J=9.6Hz,1H),7.91(s,1H),7.50(s,1H),7.38(d,J=9.3Hz,1H),6.98(d,J=9.9Hz,1H),6.66(s,1H),5.56(s,1H),4.59(t,1H),4.44(t,J=8.4Hz,1H),4.33(d,1H),3.94−4.07(m,2H),4.02(s,3H),2.48−2.60(m,1H),2.20−2.35(m,1H),1.85−2.11(m,2H),1.40−1.60(m,2H),1.06−1.30(m,4H),0.93(s,9H),0.90−1.05(m,4H),0.39(q,1H),0.25−0.38(m,1H)。LC/MS=737.4(M
++1)。
(実施例11)化合物11の調製
化合物11を、化合物9の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。LC/MS=863.5(M
++1)。
(実施例12)化合物12の調製
化合物11(25mg)を、50% TFAを含むCH
2Cl
2に溶解した。室温で2時間の撹拌後に反応が完了した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をCH
3CNおよびH
2Oに溶解し、凍結し、凍結乾燥器に入れて、淡黄色固体として化合物12を得た(20mg)。LC/MS=763.5(M
++1)。
(実施例13)化合物13の調製
メチルエステル(0.95g、1.08mmol)をCH
2Cl
2(10ml)に溶解し、4N HClを含む1,4−ジオキサン(30ml)を添加した。室温で4時間の撹拌後に反応が完了した。混合物を真空下で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(80ml)およびCH
2Cl
2(80ml)を残渣に添加した。全残渣が溶解するまで強く撹拌し続けた。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、250mg(0.322mmol)の物質をCH
2Cl
2(2ml)に溶解し、次いで、酢酸(56μl、0.967mmol)およびアセトン(72μl、0.967)を添加した。室温で20分間の撹拌後、混合物を0℃に冷却し、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(102mg、0.483mmol)を一度に添加した。室温で10時間の撹拌後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液およびCH
2Cl
2を混合物に添加した。有機層をブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、淡黄色固体として生成物を得た(180mg)。固体をTHF(4ml)に溶解し、LiOH(184mg、44mmol)の水溶液(4ml)を添加し、その後にMeOH(4ml)を添加した。2時間で反応が完了した。混合物を真空下で濃縮した。TFAを添加してpH2に調整した。混合物を真空下で濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製して、鮮黄色固体として化合物13を得た(128mg)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.66(s,1H),8.22(d,J=9.3Hz,1H),8.00(m,1H),7.94(d,J=7.5Hz,1H),7.79(s,1H),7.58(d,J=9.3Hz,1H),7.14(d,J=8.4Hz,1H),5.70(s,1H),4.72(t,J=8.4Hz,1H),4.54(d,J=12.3Hz,1H),4.39(t,J=6.6Hz,1H),4.01−4.25(m,2H),4.13(s,3H),2.73−2.83(m,1H),2.50−2.62(m,1H),1.85−1.92(m,1H),1.60−1.80(m,5H),1.45−1.60(3H),1.47(d,6H),1.10−1.30(m,3H),1.00(s,9H),0.32−0.40(m,1H),0.25−0.35(m,1H);LC/MS=805.5(M
++1)。
(実施例14)化合物14の調製
環状トリペプチド(5g、10.4mmol)およびp−トルエンスルホニルヒドラジド(14.6g、78.2mmol)をエチレングリコールジメチルエーテル(90ml)に溶解した。酢酸ナトリウム(12.8g、156mmol)を添加し、その後にH
2O(10ml)を添加した。次いで、懸濁液を95℃に加熱した。8時間撹拌後に混合物を室温に冷却した。酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液を混合物に添加した。有機層を0.5N HCl水溶液、ブラインで洗浄し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、白色固体として所望の生成物を得た(4.2g、84%)。この固体(4.2g、8.7mmol)およびDABCO(3.2g、27.9mmol)をトルエン(12ml)に溶解した。4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(7.1g、27.9mmol)を含むトルエン(12ml)を混合物に滴下した。反応物を室温で撹拌したままにした。5%炭酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルを混合物に添加し、20分間強く撹拌したままにした。水層を酢酸エチル(1回)で抽出した。合わせた有機層を5%炭酸ナトリウム水溶液(2回)、1N HCl水溶液(1回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、オフホワイトの固体として粗物質を得た。粗物質をCH
2Cl
2に溶解し、4N HClを含む1,4−ジオキサンを添加した。室温で2時間の撹拌後に反応が完了した。混合物を真空下で濃縮し、高真空下でさらに一晩乾燥させた。粗残渣2.5g(約3.9mmol)に酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。全固体が溶解するまで、混合物を強く撹拌した(水層のpHを8超に保持)。P3スクシンイミジルエステル(1.13g、4.7mmol)を含む酢酸エチルを混合物に添加した。30分間で反応が完了した。水層を酢酸エチル(1回)で抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、白色固体としてブロシラートを得た(4工程で2.5g、88%)。LC/MS=724.3(M
++1)。
化合物14を、示すように大環状トリペプチドおよびキノリンの使用を除いて化合物9の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.65(s,1H),8.29(d,J=9.3Hz,1H),7.69(s,1H),7.64(d,J=9.6Hz,1H),5.71(s,1H),4.78(d,J=8.1,1H),4.72(d,1H),4.40−4.52(m,3H),4.25(d,1H),4.00−4.18(m,2H),3.85−3.89(m,1H),3.47(s,3H),2.63−2.80(m,2H),1.10−2.00(m,23H),1.35(d,J=6.3Hz,6H),0.30−0.39(m,2H)。LC/MS=851.5(M
++1)。
(実施例15)化合物15の調製
化合物15を、示すように大環状トリペプチドおよびキノリンの使用を除いて化合物9の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.65(s,1H),8.33(d,J=9.6Hz,1H),8.20(s,1H),7.76(s,1H),7.60(d,J=9.3Hz,1H),5.72(s,1H),4.75−4.82(m,3H),4.58−4.70(m,2H),4.30(d,1H),4.09(d,1H),3.92−4.06(brs,4H),3.81(t,2H),3.59(brs,4H),2.60−2.80(m,2H),1.10−2.00(m,23H),1.38(d,J=5.4Hz,6H),0.32−0.42(m,2H)。LC/MS=921.5(M
++1)。
(実施例16)化合物16の調製
化合物16を、化合物9の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.59(s,1H),8.11(d,J=9.3Hz,1H),7.80−7.96(m,4H),7.51(d,J=9.3Hz,1H),7.04(d,1H),5.65−5.78(m,1H),5.58(s,1H),5.18(d,1H),5.06(d,J=10.5Hz),4.62(t,1H),4.45(t,1H),4.32(t,1H),3.90−4.20(m,2H),4.04(s,3H),2.50−2.65(m,1H),2.22−2.38(m,1H),1.78−2.10(m,3H),1.42−1.60(m,3H),1.10−1.38(3H),1.47(d,6H),1.10−1.30(m,3H),0.94(s,9H),0.23−0.48(m,1H);LC/MS=803.5(M
++1)。
(実施例17)化合物17の調製
乾燥し、窒素をパージした丸底フラスコ(250mL)に、Boc保護ジペプチドを添加した。次いで、無水CH
2Cl
2(15mL)をフラスコに添加し、得られた透明な黄色混合物を、完全に均一になるまで撹拌した。最後に、HCl(5mL、4Nジオキサン溶液)をフラスコに滴下し、出発物質が完全に消失するまで(LC/MSによって示す場合、1.5時間)、反応混合物を室温で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、アミン塩を次の工程で使用した。LC/MS=473.0(M
++1)。
アミン塩を含む丸底フラスコ(500mL)に、アミノ酸(951.63mg、3.67mmol)およびCH
2Cl
2(150mL)を添加した。次いで、DIPEA(2.56mL、14.68mmol)を添加し、均一な混合物を0℃に冷却した。次いで、HATU(3.49g、9.18mmol)をフラスコに添加し、反応混合物を室温まで加温させた。出発物質が完全に消失するまで、反応物を室温で撹拌し続けた。一晩の撹拌後、TLCおよびLC−MS分析は、反応の完了を示した。溶媒を減圧下で除去し、トリペプチドを得られたままで次の工程で使用した。LC/MS=714.2(M
++1)。
トリペプチドを含む丸底フラスコ(100mL)に、無水CH
2Cl
2(15mL)を添加した。混合物を数分間撹拌させた。HCl(9.18mL、4Nジオキサン溶液)を滴下した。反応物を室温で1.5時間撹拌し続け、その時点でLC−MSは出発物質の完全な消失を示した。溶媒を減圧下で除去し、アミン塩を得られたままで次の工程で使用した。LC/MS=614.1(M
++1)。
アミン塩を含む丸底フラスコ(250mL)にEtOAc(65mL)を添加した。次いで、飽和NaHCO
3(60mL)を添加し、二相性溶液を1時間強く撹拌し、この時点で両方の相が均一であった。炭酸エステル(1.05g、4.40mmol)およびEtOAc(15mL)の溶液を別の丸底フラスコ(50mL)に作製し、この溶液をカニューレを介して反応フラスコに添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、この時点で、LC−MSは出発物質の完全な消失を示した。有機層を分離し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAC/1:1 EtOAc/MeOH)を使用して精製した。1.0g(4工程で37%)のトリペプチドを得た。LC/MS=710.2(M
++1)。
乾燥し、アルゴンパージした梨型フラスコ(50mL)に、キノリン(500mg、1.32mmol)、トリペプチド(1.00g、1.35mmol)、および無水NMP(4mL)を添加した。フラスコを穏やかに加温して、溶解を増大させた。次いで、Cs
2CO
3(531.24mg、1.63mmol)を添加し、フラスコを予熱した65℃の油浴中に入れた。2.5時間の撹拌後、LC−MSは、出発物質から所望の生成物への50%の変換を示した。油浴温度を80℃に上昇させ、反応物をさらに2時間撹拌し続けた。次いで、フラスコを室温に冷却し、LiOH水溶液(10mL、25mmol)を添加し、その後にMeOH/THFの1:1溶液(40mL)を添加した。次いで、フラスコを、45℃に設定した予熱油浴に入れ、出発物質が完全に消失するまで撹拌させた。3.5時間後、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をEtOAcで希釈し、1M HClで中和した。水層をEtOAc(3×15mL)で抽出し、合わせた有機層を2%LiCl(3×10mL)およびブライン(3×10mL)で洗浄し、次いで、MgSO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を分取HPLC(水/アセトニトリル(0.05%
TFA)を使用して精製した。400mg(2工程で35%)の化合物17を得た。
1H NMR(CDCl
3,300MHz)δ8.62(s,1H),8.28(m,1H),7.67(m,2H),5.82(m,1H),5.30(m,1H),5.13(m,2H),4.72(m,1H),4.50(s,1H),4.37(s,1H),4.03(m,7H),3.92(m,6H),3.47(s,2H),3.32(s,2H),2.83(m,2H),2.61(m,2H),1.92(m,2H),1.72(m,4H),1.56(m,4H),1.18(m,6H),0.27(m,2H)。
(実施例18)化合物18の調製
ビス−フェノール(2.0g、6.58mmol)を0℃でDMF(50ml)に溶解し、NaH(589mg、14.73mmol)を少しずつ添加した。反応物を30分間撹拌した。次いで、2−(2−ブロモ−エトキシ)−テトラヒドロピラン(1.05mL、6.95mmol)を混合物に添加した。次いで、混合物を室温で強く撹拌し、HPLC、LC/MSによってモニタリングした。18時間後、反応物をEtOAcおよび3%LiCl水溶液で希釈し、pH6に酸性化した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮して、所望の生成物(2.61g、92%)を得た。LC/MS=430(M
++1)。
工程1および2:上記と同一の手順を使用した。LC/MS=890(M
++1)。
工程3:酸(503.5mg、0.566mmol)をMeOH(1.80mL)に溶解し、0℃に冷却した。濃HCl(1.8mL)を溶液に添加した。混合物を2時間撹拌した。反応完了の際、混合物を濃縮して溶媒を除去した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物18を得た(159.2mg)、LC/MS=805(M++1)。
(実施例19)化合物19の調製
工程1:酸、p−TsNHNH
2、およびNaOAcの混合物を含むDME(10mL)/H
2O(1mL)を、95℃で2時間加熱した。反応完了の際、混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)および1N HClで(約pH3まで)希釈した。層の分離後、水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、黄色固体を得た。LC/MS=892(M
++1)。
工程2:酸をMeOH(3mL)に溶解し、0℃に冷却した。濃HCl(3mL)を溶液に添加した。混合物を2時間撹拌した。反応完了の際、混合物を濃縮して溶媒を除去した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、黄色固体として所望の化合物19を得た(187.7mg)。LC/MS=807(M++1)。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.80(b,1H),8.20(d,1H),7.9(m,1H),7.50(m,1H),7.30(d,1H),5.90−5.80(m,2H),5.10(m,1H),4.80−4.40(m,4H),4.3(m,3H),4.05(m,3H),3.20(m,1H),3.00−2.70(m,1H),2.20(m,2H),1.80−1.60(m,6H),1.50(m,2H),1.3(m,9H),1.10−0.90(m,14H),0.50(m,2H)。
(実施例20)化合物20の調製
工程1:上記と同一の手順を使用してアニリン(1.877g)から開始し、2.56gの生成物を得た。LC/MS=337(M
++1)。
工程2:アミド化合物(1.50g、4.45mmol)をt−BuOH(12.5ml)に溶解した。t−BuOK(9.3mL、4.45mmol)を、強く撹拌した混合物に添加した。反応は、75℃で6時間後に完了した。混合物を室温に冷却した。これを4N HCl(5mL)で酸性化した。スラリーをNaH2PO4(0.5N)で処理し、濾過した。ケーキを水およびエーテルで洗浄し、次いで、乾燥させて、所望の生成物(1.256g、89%)を得た。LC/MS=319(M++1)。
化合物20を、上記手順を使用して合成した。LC/MS=779(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.13(d,1H),7.51(s,1H),7.47(d,1H),6.91(s,1H),5.90−5.78(m,1H),5.53(b,1H),5.31−5.09(dd,2H).4.68−4.49m,3H),4.21(s,1H),4.07(b,5H),3.22(m,1H),2.72(m,1H),2.51(m,1H),2.20(m,1H),1.97(m,1H),1.85(m,1H),173−1.63(m,2H),1.44(s,3H),1.41(s,3H),1.36−1.14(m,4H),1.01(s,9H),0.97(s,2H),0.33(m,2H)。
(実施例21)化合物21の調製
化合物21を、上記手順を使用して合成した。LC/MS=781(M
++1)。
1H
NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.13(d,1H),7.51(s,1H),7.47(d,1H),6.91(s,1H),5.53(b,1H)4.70−4.40(m,3H),4.21(s,1H),4.07(b,5H),3.67(b,2H),2.72(m,1H),2.52(m,1H),2.20(m,1H),1.97(m,1H),1.85(m,1H),173−1.63(m,2H),1.44(s,3H),1.41(s,3H),1.36−1.14(m,4H),1.01(s,9H),0.97(s,2H),0.33(m,2H)。
(実施例22)化合物22の調製
ビス−フェノール(600mg、1.79mmol)を0℃でDMF(18ml)に溶解し、Cs
2CO
3(584mg、1.79mmol)を混合物に添加し、その後にブロモ−アセトニトリル(0.15mL)を添加した。混合物を65℃に加熱し、HPLCおよびLC/MSによってモニタリングした。4時間後、反応物をEtOAcおよび3%LiCl水溶液で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで再度抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮して、粗生成物(536mg、80%)を得た。LC/MS=375(M
++1)。
工程1:上記と同一の手順を使用のこと。508mgの中間体IIから491mgの生成物を得た。LC/MS=851(M
++1)。
工程2:メチルエステル(491mg、0.578mmol)およびNaI(1.738g)をピリジン中で混合し、115℃で19時間加熱した。反応完了の際、混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、0.5N HClでpH4に酸性化した。EtOAc(3回)で抽出し、有機物を合わせ、MgSO4で乾燥させた。濃縮粗生成物を分取HPLCによって精製して、黄色固体として所望の化合物22を得た(71mg、14.7%),LC/MS=837(M++1)。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.63(s,1H),8.34(d,1H),8.17(s,1H),7.76(s,1H),7.64(d,1H),5.69(b,1H),5.38(b,2H),4.73−4.50(m,3H),4.16(s,1H),4.20−3.98(m,3H),2.80−2.58(m,2H),2.0−1.8(m,2H),1.66(m,4H),0.98(s,2H),0.34(m,2H)。
(実施例23)化合物23の調製
工程1:ビス−フェノール(7g、23.4mmol)をDMF(50ml)に溶解し、炭酸セシウム(15.25g、46.8mmol)を混合物に添加し、その後にブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(4.13mL、35.1mmol)を添加した。次いで、混合物を65℃で強く撹拌し、HPLCおよびLC/MSによってモニタリングした。さらなる0.5当量のブロモアセトアルデヒドジメチルアセタールおよび1当量の炭酸セシウムを添加した。18時間後、LC/MSは出発物質が残存していないことを示したが、大量のビス−アルキル化副生成物が形成された。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。混合物を3%LiCl水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、MeOH/EtOAcを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(1.72g、19%)を得た。LC/MS=390(M
++1)。
工程2:室温のトリペプチド(1.46g、3.75mmol)および炭酸セシウム(1.58g、4.88mmol)の混合物を含むNMP(18.5ml)に、キノリン(2.94g、4.12mmol)を一度に添加した。混合物を65℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(100ml)を混合物に添加した。混合物を3%LiCl水溶液(1×100ml)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望の生成物を得た(2.07g、64%)。LC/MS=837(M
++18)。
工程3:アセタール(1.24g、1.43mmol)を含む氷酢酸(16mL)の溶液に、1.4N HClの水溶液(6mL)を添加した。混合物を60℃で1.5時間撹拌した。反応完了の際、混合物を濃縮して溶媒を除去し、トルエン(2回)と同時蒸発させて残存酢酸を除去した。次いで、残渣をEtOAc(100mL)および飽和NaHCO3(100mL)に溶解後、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣を高真空下で1時間さらに乾燥させてアルデヒド(1.16g)を得、これを次の工程でそのまま使用した。
工程4:粗アルデヒドをCH2Cl2(16ml)に溶解し、次いで、モルホリン(164μl、1.89mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(462mg、2.18mmol)を0℃で混合物に添加した。次いで、氷酢酸(25μl、7.8mmol)を混合物に滴下した。反応は、0℃にて10分間で完了した。飽和NaHCO3水溶液を添加して反応を停止させた。さらに20分間の撹拌後、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。粗生成物は、そのままで使用するのに十分な純度であった(LC/MSによる)。LC/MS=890(M++1)。
この粗生成物をTHF(60ml)に溶解し、次いで、LiOH(1200mg、28.6mmol)の水溶液(20ml)を添加し、その後にMeOH(4ml)を添加した。混合物を、室温で20時間撹拌したままにした。反応完了の際、TFAを0℃で添加して、pH4に調整した。混合物をEtOAc(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物23を得た(1.086g、73%)。LC/MS=876(M++1)。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ7.94(d,1H),7.40(s,1H),7.44(d,1H),7.39(s,1H),7.04−7.01(m,1H),5.39(m,1H),4.32−4.20(m,5H),3.80−3.68(m,4H),3.59(bs,3H),3.40(m,2H),3.35−3.24(m,4H),3.93−3.92(m,2H),2.40−2.19(m,2H),1.65−1.47(m,2H),1.33−1.25(m,3H),1.16−1.11(m,1H),1.05−1.01(m,1H),0.96(s,3H),0.95(s,3H),0.86−0.79(m,3H),0.65(s,9H),0.57(m,2H)。
(実施例24)化合物24の調製
工程1:2−アミノ−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル(500mg、3.2mmol)およびアセトン(2.35mL、32mmol)の混合物を含むTHF(6mL)を、室温で撹拌した。ボラン(BH
3・Sme
2)(10MのTHF溶液、0.64mL、6.4mmol)を、シリンジを介してゆっくり添加して、発熱および発泡を制御した。次に、AcOH(0.362mL、6.4mmol)を同一の様式で添加した(18時間後、さらなる2当量のボランおよびAcOHを添加した)。混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、LC/MSによってモニタリングした。室温で3日後、反応物には依然としていくらかのSMが残存していた。これを真空下で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、飽和NH
4Cl溶液、0.1M NH
4OH、およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物を得た(0.40g、64%)。LC/MS=199(M
++1)。
工程2:上記で得たエステル(2.5、10.86mmol)を含むEtOH(42mL)および水(28mL)の混合物に、NaOH(3.1g、77.4mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。これをTLCによってモニタリングした。反応終了後、これを氷浴中で冷却し、濃HClの添加によって酸性化してpH3に調整した。次いで、混合物を真空下で濃縮してエタノールを除去した。残存物をCH2Cl2(3×200mL)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、所望の生成物(1.86g、87%)を得た。LC/MS=171(M++1)。
工程3:酸(1.86g、10.94mmol)を含むDCM(10ml)に、CDI(1.774g、10.94mmol)を添加した。次いで、混合物を室温で2時間撹拌した。アニリン(1.446g、8.75mmol)を添加し、その後にCH
3SO
3H(2.13mL、32.82mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。反応完了の際、これをDCM(100mL)で希釈し、1N HCl(2×100mL)で洗浄した。この有機相にK
2CO
3(3.02g、21.88mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物を得た(863.4mg、22%)。LC/MS=382(M
++1)。
工程4:上記で得たメチルケトン(863.4mg、2.45mmol)を、トルエン(20ml)に懸濁した。H2発生をモニタリングしながら、NaH(147.3mg、3.68mmol)を強く撹拌した混合物に添加した。反応物を、3時間還流した(110℃)。混合物は透明な溶液ではなかった。LC/MSは、依然として約1/3の出発物質が残存していることを示した。冷却後、約80mgのNaHを慎重に添加し、その後に20mLのTHFを添加して溶解を補助した。混合物をさらに2時間加熱し、反応はほぼ完全に完了した。室温への冷却後、濃HClの添加によって反応を停止させて、約pH2〜3に調整した。スラリーを室温で1時間撹拌した。10mLのCH3CNを添加し、その後に5mL H2O、次いで20mLのエーテルを添加した。混合物をさらに30分間撹拌し、次いで、固体を濾過によって回収し、エーテルおよびヘキサンで洗浄した。湿ったケーキを高真空下で一定重量まで乾燥させた(390mgのHCl塩、840mg、100%)。LC/MS=334(M++1)。
工程5: 上記と同一の手順を使用して、化合物24を分取HPLC精製後に黄色固体として得た(30mg)。LC/MS=794(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.74(s,1H),8.54(s,1H),8.25(d,1H),7.59(m,2H),5.90−5.80(m,1H),5.65(bs,1H),5.31−5.09(dd,2H).4.73(t,1H),4.54(m,1H),4.14(s,3H),4.11−3.99(m,5H),2.81−2.60(m,2H),2.2(m,1H),2.00−1.60(m,4H),1.50−1.40(m,2H),1.35(s,3H),1.33(s,3H),1.20(m,2H),1.02(s,9H),0.34(m,2H)。
(実施例25)化合物25の調製
上記と同一の手順を使用して、化合物25を分取HPLC精製後に黄色固体として得た。LC/MS=796(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.64(s,1H),8.60(s,1H),8.26(d,1H),7.61(m,2H),5.67(bs,1H),4.73(t,1H),4.53(m,1H),4.15(s,3H),4.12(m,5H),2.81−2.60(m,2H),2.2(m,1H),2.00−1.40(m,6H),1.36(s,3H),1.34(s,3H),1.23(m,2H),1.02(s,9H),0.34(m,2H)。
(実施例26)化合物26の調製
工程1:2−オキソ−酪酸(15g、147mmol)、p−TsOH(300mg)の混合物を含むベンゼン(60mL)およびEtOH(125mL)を、90℃で5時間撹拌した(還流)。混合物を室温に冷却した後、真空下で濃縮した(20℃未満の水浴)。得られた残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、飽和NaHCO
3溶液およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮して(20℃未満の水浴)、所望の生成物(12.2g、64%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ4.30(q,2H),2.85(q,2H),1.35(t,3H),1.11(t,3H)。
工程2:CuBr2(32g、147.1mmol)を含むEtOAc(500mL)の懸濁液に、エステル(6.2g、47.7mmol)を含むCHCl3(200mL)を添加した。混合物を90℃で16時間撹拌した(還流)。これを、TLC(EtOAc:ヘキサン=1:4、Rf=0.5、Rf=0.4)によってモニタリングした。混合物を室温に冷却した後、これを、200mLの1:1 EtOAc:ヘキサン溶液で溶離するシリカゲルベッドによって濾過した。濾液を真空下で濃縮して(20℃未満の水浴)、所望の生成物(10.75g、108%)を得た。LC/MSによって質量を検出できなかった。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ5.17(q,1H),4.38(q,2H),1.81(t,3H),1.38(t,3H)。
工程3:ブロミド(1.672g、8mmol)およびイソプロピル−チオ尿素(0.944g、8mmol)の混合物を含む12mLのEtOHを、50℃で15分間マイクロ波にかけた。混合物を室温に冷却した後、これを真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物を得た。LC/MS=229.9(M++1)。
工程4:エステル(1.7g、7.45mmol)を含むEtOH(12mL)および水(8mL)の混合物に、NaOH(1.8g、44.7mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応物をTLCによってモニタリングした。反応終了後、これを氷浴中で冷却し、濃HClで酸性化してpH3に調整した。次いで、混合物を真空下で濃縮してエタノールを除去した。残存するスラリーを、CH2Cl2(3×200mL)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、所望の酸生成物(1.2g、80%)を得た。
工程5:酸(1.2g、5.99mmol)を含むDCM(10ml)に、CDI(972mg、5.99mmolを添加した。次いで、混合物を室温で2時間撹拌した。アニリン(792mg、4.89mmol)を添加し、その後にCH
3SO
3H(1.17mL、18mmol)を添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。反応完了の際、これをDCM(100mL)で希釈し、1N HCl(2×100mL)で洗浄した。有機相に、K
2CO
3(1.66g、12mmol)を添加し、この混合物を室温で2時間撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィによって精製して、所望のアミド生成物(1.46g、70%)を得た。LC/MS=382(M
++1)。
工程6:アミド化合物(1.46g、3.82mmol)をトルエン(30ml)に懸濁した。H2発生をモニタリングしながら、NaH(0.23g、5.73mmol)を強く撹拌した混合物に添加した。混合物は、加熱還流中に透明な溶液になった。反応は、3時間の還流後に完了した。反応物を室温に冷却し、IPA(5mL)で反応を停止させ、次いで、ヘプタン(30mL)を添加した。スラリーを室温で1時間撹拌した。形成された固体を濾過によって回収し、エーテルで洗浄した。回収された固体をAcCN/H2O(2:1)に溶解し、次いで、3N HClで酸性化した。得られたスラリーを1時間撹拌し、固体を濾過によって再度回収した。湿ったケーキを高真空下で一定重量まで乾燥させた(390mgのHCl塩、1.07mmol、28%)。LC/MS=363(M++1)。
工程7:キノリン(0.39g、1.07mmol)およびブロシラート(692mg、0.974mmol)の混合物を含むNMP(10ml)に、炭酸セシウム(696mg、2.14mmol)を添加した。混合物を65℃で2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(60ml)および3%LiCl水溶液(60ml)を混合物に添加した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望のメチルエステル生成物を得た(0.59g)。LC/MS=835)。
工程8:メチルエステルをTHF(20ml)に溶解し、LiOH(0.6g)の水溶液(10ml)を添加し、その後にMeOH(1ml)を添加した。混合物を、室温で20時間撹拌したままにした。反応完了の際、40%TFA水溶液を添加して0℃でpH7に調整した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮し、次いで、分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物26を得た(714mg、79%)。LC/MS=823(M++1)。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.74(s,1H),8.26(d,1H),7.59(d,1H),7.35(s,1H),6.00−5.74(m,2H),5.31−5.09(dd,2H).4.69(t,1H),4.52(dd,1H),4.21−3.96(m,10H),2.81(m,5H),2.58(m,1H),2.20(m,1H),1.94(m,1H),1.85−1.60(m,4H),1.45(m,1H),1.38(s,3H),1.35(s,3H),1.20(m,2H),1.01(s,9H),0.33(m,2H)。
(実施例27)化合物27の調製
化合物26(320mg、0.388mmol)、p−TsNHNH
2(542mg、2.91mmol)、およびNaOAc(477mg、5.82mmol)の混合物を含むDME(10mL)およびH
2O(1mL)の混合物を、95℃で2時間加熱した。反応完了の際、これを室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、1N HClでpH3に調整した。有機層および水層の分離後、水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物27を得た(252mg、79%)。LC/MS=825(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.24(d,1H),7.58(d,1H),7.31(s,1H),5.72(m,1H),4.71(t,1H),4.58(dd,1H),4.43(t,1H),4.14(s,3H),4.05(m,1H),3.93(m,1H),2.81(s,3H),2.59(m,1H),2.40(dd,2H),1.94(m,1H),1.80(m,1H),1.64(m,3H),1.52(m,1H),1.38(s,3H),1.36(s,3H),1.27(m,2H),1.01(s,9H),0.33(m,2H)。
(実施例28)化合物28の調製
工程1:ブロシラート中間体III(15g、35mmol)およびIV(27.5g、38.5mmol)の混合物を含むNMP(200ml)に、炭酸セシウム(25.1g、77mmol)を添加した。混合物を65℃で5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(600ml)および3%LiCl水溶液(600ml)を混合物に添加した。有機層を、3%LiCl水溶液(1×600ml)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望のメチルエステルを得た(23.6g、75%)。LC/MS=900.13(M
++1)。
工程2:メチルエステル(23.6g、26mmol)を氷酢酸(200ml)に溶解し、1.4N HCl水溶液(75ml)を溶液に添加した。混合物を60℃で1時間撹拌した。反応完了の際、混合物を濃縮して溶媒を除去し、トルエン(2回)と同時蒸発させて残存酢酸を除去した。次いで、CO2発生をモニタリングしながら、残渣をEtOAc(500ml)および飽和NaHCO3水溶液(混合物の中和に十分)に溶解した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣を高真空下で1時間さらに乾燥させ、次の工程でそのまま使用した。粗物質をCH2Cl2(360ml)に溶解し、モルホリン(3.4g、39mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(7.2g、34mmol)を、0℃で混合物に添加した。次いで、氷酢酸(0.47g、7.8mmol)を混合物に滴下した。反応は、0℃にて10分間で完了した。飽和NaHCO3水溶液を添加して反応を停止させた。さらに20分間の撹拌後、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望のアミン生成物を得た(12g、50%)。LC/MS=924.63(M++1)。
工程3:アミン(12g、13mmol)をTHF(200ml)に溶解し、LiOH(11g、260mmol)の水溶液(200ml)を添加し、その後にMeOH(200ml)を添加した。混合物を、室温で20時間撹拌したままにした。反応完了の際、4N HCl水溶液を添加して0℃でpH7に調整した。混合物を、EtOAc(2×400ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮して、黄色固体として化合物28を得た(11g、93%)。LC/MS=911.52(M++1)。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ7.95(d,1H),7.90(s,1H),7.48(s,1H),7.31(d,1H),5.42(s,1H),4.37(dd,1H),4.20(m,2H),3.83−3.56(m,7H),3.50(m,2H),3.39(m,2H),2.45(m,1H),2.27(m,1H),1.62(m,2H),1.50(m,1H),1.33(m,2H),1.18(m,1H),1.05(m,8H),0.90(m,3H),0.76(m,11H),0.14−0.04(m,2H)
(実施例29)化合物29の調製
工程1:N
2パージしたフラスコに、ビスフェノール(939mg、2.79mmol)、モルホリンエチルクロリド(545mg、2.93mmol)、Cs
2CO
3(1.9g、5.87mmol)、およびNaI(84mg、0.56mmol)を充填した。次いで、この混合物にDMF(20mL)を添加し、均一な混合物を65℃の予熱油浴中で16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、アリコートを取り出し、濾過した。所望の生成物を、分取逆相HPLCによってこれらのアリコートから単離した。これにより、TFA塩としてキノリン生成物を得た。MeOH:4N HCl/ジオキサン混合物へのTFA塩の溶解および蒸発によってHCL塩に変換した。このプロセスを3回行って、収率14%で200mgの生成物を得た。LC/MS=449.32(M
++1)。
工程2:N
2パージしたフラスコに、キノリン(200mg、0.38mmol)、ブロシラート(323mg、0.456mmol)、およびCs
2CO
3(372mg、0.76mmol)を充填した。次いで、この混合物にNMP(5mL)を添加し、得られた均一な混合物を65℃の予熱油浴中で4.5時間加熱した。LC/MSによって反応は認められなかった。さらなるCs
2CO
3(124mg、0.25mmol)を添加した。2時間後、LC/MSによって判断したところブロシラートが完全に消費された一方で、キノリンは残存した。さらなるブロシラート(68mg、0.095mmol)を反応物に添加し、一晩加熱し続けた。LC/MSおよびHPLCによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を室温に冷却し、CH
2Cl
2で希釈した。少量の5%LiCl(水溶液)をこれに添加し、層を分離した。水層をCH
2Cl
2(1回)で逆抽出し、合わせた有機層をMeOHで明澄化し、濃縮した。残渣をMeOHに再溶解し、逆相HPLCによって黄色固体として317mgのメチルエステル(収率72%)を単離した。LC/MS=922.59(M
++1)。
工程3:メチルエステル(306mg、0.266mmol)をTHF(1.5mL)およびMeOH(1mL)の混合物に溶解し、溶液を0℃に冷却した。LiOH・H
2O(45mg、1.06mmol)をdH
2O(0.5mL)に溶解し、これを、エステルを含むTHF/MeOH溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。2時間後、反応は完了していなかった。さらなるLiOH・H
2O(23mg、0.54mmol)を添加した。さらに1時間後、反応は依然として完了してなかったので、さらなるLiOH・H
2O(23mg、0.54mmol)を添加した。さらに3.5時間後、HPLCによると反応が完了したようであった。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物29を、逆相HPLCによって反応混合物から直接単離した。黄色固体として223mg(収率74%)の29を単離した。LC/MS=910.53(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.33(d,J=9.3Hz,1H),8.23(s,1H),7.78(s,1H),7.62(d,J=9.3Hz,1H),5.86(dd,J=9.9,16.5Hz,1H),5.73(s,1H),5.29(d,J=17.1Hz,1H),5.11(d,J=10.2Hz,1H),4.79(s,2H),4.70(t,J=8.7Hz,1H),4.56(m,2H),4.20−3.92(m,8H),3.83(s,3H),3.59(brds,4H),2.78(dd,J=7.2,14.1Hz,1H),2.61(m,1H),2.21(q,J=8.9Hz,1H),1.98(m,1H),1.86(m,1H),1.76−1.64(m,2H),1.46(m,1H),1.39(d,J=6.3Hz,6H),1.19(m,2H),1.04(s,12H),0.38(m,2H)。
(実施例30)化合物30の調製
工程1:アルコール(3.42g、0.015mmol)をTHF(55mL)に溶解した。この溶液に、CBr
4(5.47g、0.017mmol)を添加した。Ph
3P(4.46g、0.017mmol)をTHF(20mL)に溶解し、添加漏斗を介して反応物にゆっくり添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。TLCによって判断したところ、反応は完了していた。反応物をヘキサンで希釈し、形成された白色沈殿を濾過によって除去した。より多くの固体が濾液中に沈殿した。混合物を分液漏斗に移し、有機層を、飽和NaHCO
3(水溶液)(2回)、dH
2O(2回)、およびブライン(1回)で抽出した。有機層を、Na
2SO
4および少量のMgSO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、EtOAc/ヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって濾液からブロミド(2.59g、収率59%)を単離した。ブロミドを無色オイルとして単離し、これは、静置の際に結晶性固体に変化した。LC/MS=293.02(M
++1)。
工程2:N
2パージしたフラスコに、ブロミド(738mg、2.5mmol)、ビスフェノール(1g、2.4mmol)、Cs
2CO
3(1.21g、3.7mmol)、およびNaI(72mg、0.48mmol)を充填した。この混合物にDMF(24mL)を添加し、均一な混合物を65℃の予熱油浴中で加熱した。2時間後、ごく少量のブロミドが残存した。さらなるブロミド(141mg、0.48mmol)を反応物に添加し、16時間加熱し続けた。翌日、LC/MSによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。この混合物を、少量の飽和NaHCO
3(水溶液)で塩基性化した5%LiCl(水溶液)(2回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相を、少量のMgSO
4を含むNa
2SO
4で乾燥させた。真空濾過による乾燥剤の除去後、キノリンを、黄褐色固体として濾液から単離した(800mg、61%)。LC/MS=548.26(M
++1)。
工程3:N
2パージしたフラスコに、キノリン(800mg、1.46mmol)、ブロシラート(1.24g、1.75mmol)およびCs
2CO
3(570mg、1.75mmol)を充填した。次いで、この混合物にNMP(14.6mL)を添加し、得られた均一な混合物を65℃の予熱油浴中で加熱した。2時間後、反応は非常に進行していた。加熱をさらに9時間継続し、次いで、反応物を室温で7時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、得られた混合物を、5%LiCl(水溶液)(2回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相を、Na
2SO
4および少量のMgSO
4で乾燥させた。真空濾過によって乾燥剤を除去した。メチルエステルを、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって濾液から淡黄褐色固体として単離した(1.33g、89%)。LC/MS=1021.75(M
++1)。
工程4:メチルエステル(1.33g、1.3mmol)をCH
2Cl
2(10mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、4N HClを含むジオキサン(3.25mL、13mmol)を滴下した。次いで、冷浴を除去した。LC/MSによって判断したところ、反応は2時間後に完了した。反応物を濃縮し、CH
2Cl
2に再溶解し、再度濃縮した。残渣をCH
2Cl
2に再溶解し、次いで、飽和NaHCO
3(水溶液)(1回)で抽出した。有機相を、Na
2SO
4および少量のMgSO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮して、淡黄色泡としてアミンを得た(1.23g、100%)。
LC/MS=921.53(M
++1)。
工程5:アミン(608mg、0.66mmol)を1,2−DCE(7mL)に溶解した。この溶液に、37% HCHO/H
2O(49μL、0.66mmol)を添加した。次いで、この混合物にNaHB(OAc)
3(560mg、2.64mmol)を添加した。反応は、LC/MSによって30分後に完了したと判断された。飽和NaHCO
3(水溶液)の添加によって反応を停止させた。次いで、反応物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)(3回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相を、Na
2SO
4および少量のMgSO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をMeOHに再溶解し、この溶液を濃縮した。このMeOHの溶解および濃縮をさらに2回繰り返して、桃橙色泡としてメチルアミン(569mg、収率92%)を得た。LC/MS=935.59(M
++1)。
工程6:メチルエステル(615mg、0.658mmol)を、MeOH(2.2mL)およびTHF(3.3mL)に溶解した。この溶液を0℃に冷却し、LiOH・H
2O(138mg、3.29mmol)を含むdH
2O(0.5mL)の溶液をゆっくり添加した。次いで、冷浴を除去した。3.5時間後、LC/MSおよびHPLCによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を0℃に冷却し、1N HClの添加によって反応を停止させた。化合物30(590mg、収率78%)を、逆相HPLCによって反応停止した反応物から黄色固体として単離した。LC/MS=921.48(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.30(d,J=10.2Hz,1H),8.29(s,1H),7.81(s,1H),7.62(d,J=10.2Hz,1H),5.86(dt,J=9.9,16.8Hz,1H),5.76(s,1H),5.28(d,J=17.1Hz,1H),5.11(d,J=10.2Hz,1H),4.72(t,J=8.4Hz,1H),5.59(d,J=5.4Hz,3H),4.47(t,J=6.3Hz,1H),4.15(s,1H),4.12−3.99(m,2H),3.43(s,4H),3.32−3.18(m,8H),2.93(s,3H),2.80(dd,J=6.6,14.1Hz,1H),2.61(m,1H),2.22(dd,J=8.4,9Hz,1H),1.95(m,1H),1.86−1.60(m,3H),1.46(dd,J=5.4,9.3Hz,1H),1.38(d,J=6.6Hz,6H),1.20(m,2H),1.03(s,12H),0.34(m,2H)。
(実施例31)化合物31の調製
化合物30(97mg、0.084mmol)をDME(2mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(200uL)、pTolSO
2NHNH
2(117mg、0.63mmol)、およびNaOAc(103mg、1.26mmol)に添加した。次いで、反応フラスコを95℃の予熱油浴中に2時間入れた。LC/MSによって反応は完了したと判断された。反応物を室温に冷却し、少量のMeOHを添加して反応物を単相にした。次いで、反応物を濾過し、化合物31(69mg、収率71%)を、逆相HPLCによって濾液から黄色固体として単離した。LC/MS=923.52(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.29(d,J=9Hz,1H),8.28(s,1H),7.80(s,1H),7.60(d,J=9Hz,1H),5.74(s,1H),4.74−4.56(m,4H),4.49(t,J=6.3Hz,1H),4.15(s,1H),4.18−3.99(m,2H),3.53(s,6H),3.47(s,6H),2.96(s,3H),2.78(dd,J=7.2,14.1Hz,1H),2.60(m,1H),1.96(m,1H),1.82(m,1H),1.65(m,3H),1.52(t,J=7.5Hz,1H),1.43(m,2H),1.39(d,J=6.3Hz,6H),1.23(q,J=3.9Hz,2H),1.20(m,1H),1.02(s,14H),0.37(m,2H)。
(実施例32)化合物32の調製
工程1:N
2パージしたフラスコに、ビスフェノール(998mg、2.97mmol)、ブロミド(293μL、3.11mmol)、Cs
2CO
3(2.03g、6.24mmol)、およびNaI(89mg、0.59mmol)を充填した。次いで、この混合物にDMF(33mL)を添加し、均一な混合物を65℃の予熱油浴中で7時間加熱し、次いで、室温に冷却し、一晩撹拌した。反応混合物を100mLのEtOAcに取り出した。固体を濾別し、50mLのEtOAcで洗浄した。有機物を合わせ、3×100mLの5%LiCl水溶液で抽出し、その後にブラインによって抽出した。有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、固体を濾別し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を10mLのメタノールに取り出し、分取逆相HPLCによって精製した。これにより、TFA塩としてキノリンを得た。キノリンのTFA塩のMeOH:4N HCl/ジオキサン混合物への溶解および蒸発によってHCl塩に変換した。このプロセスを3回繰り返して黄色固体として収率24%で305mgのキノリンを得た。LC/MS=394(M
++1)。
工程2:N
2パージしたフラスコに、キノリン(305mg、0.78mmol)、ブロシラート(554mg、0.78mmol)、およびCs
2CO
3(760mg、2.34mmol)を充填した。次いで、この混合物にNMP(10mL)を添加し、得られた均一な混合物を65℃の予熱油浴中で4.5時間加熱した。LC/MSによって判断したところ、反応は進行していなかった。さらなるCs
2CO
3(250mg、0.78mmol)を添加し、反応物を一晩加熱した。LC/MSおよびHPLCによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。少量の5%LiCl(水溶液)をこれに添加し、層を分離した。水層をEtOAc(1回)で逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をDCMに再溶解し、382mgのメチルエステル(収率57%)を、シリカゲルクロマトグラフィによって黄色固体として単離した。LC/MS=868(M
++1)。
工程3:メチルエステル(380mg、0.44mmol)を、THF(5mL)およびMeOH(2.5mL)の混合物に溶解し、0℃に冷却した。LiOH・H
2O(32mg、1.32mmol)をdH
2O(2.5mL)に溶解し、これを、エステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。2時間後、反応は完了していなかった。さらなるLiOH・H
2O(32mg、1.32mmol)を添加した。さらに1時間後、反応は依然として完了してなかったので、さらなるLiOH・H
2O(32mg、1.32mmol)を添加した。さらに3.5時間後、HPLCによると反応が完了したようであった。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物32を、逆相HPLCによって反応混合物から直接単離した。黄色固体として235mg(収率63%)の32を単離した。LC/MS=853(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.75(s,1H),8.29(s,1H),8.27(d,J=9.4Hz,1H),7.83(s,1H),7.68(d,J=9.4Hz,1H),5.86(dd,J=9.1,16.5Hz,1H),5.77(s,1H),5.31(d,J=17.4Hz,1H),5.13(d,J=11Hz,1H),4.75(t,J=8.9Hz,1H),4.62(d,J=12.2Hz,1H),4.52(s,1H),4.41(m,1H),4.13−4.05(m,4H),3.87(s,3H),3.31(s,3H),2.76(m,1H),2.61(m,1H),2.22(q,J=8.7Hz,1H),1.92−1.59(m,7H),1.48(m,1H),1.39(d,J=6.4Hz,6H),1.20(m,2H),1.02(s,9H),0.49−0.32(m,3H)。
(実施例33)化合物33の調製
工程1:N
2パージしたフラスコに、キノリン(810mg、2.05mmol)、中間体III(1.46g、2.05mmol)、およびCs
2CO
3(1.39g、4.3mmol)を充填した。次いで、この混合物にNMP(10mL)を添加し、得られた均一な混合物を65℃の予熱油浴中で16時間加熱した。LC/MSおよびHPLCによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。少量の5%LiCl(水溶液)をこれに添加し、層を分離した。水層をEtOAc(1回)で逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をDCMに再溶解し、シリカゲルクロマトグラフィによって黄色固体として382mgのメチルエステル(収率63%)を単離した。LC/MS=869(M
++1)。
工程2:メチルエステル(1.12g、1.29mmol)を、THF(5mL)およびMeOH(2.5mL)の混合物に溶解した。LiOH(309mg、12.9mmol)をdH
2O(4mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。4時間後、反応は70%完了していた。反応物を室温で一晩撹拌させた。さらなるLiOH・H
2O(32mg、1.32mmol)を添加した。さらに3.5時間後、HPLCによると反応が完了したようであった。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物33を、逆相HPLCによって反応混合物から直接単離した。黄色固体として913mg(収率83%)の33を単離した。LC/MS=855(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.64(s,1H),8.30(s,1H),8.26(d,J=9.5Hz,1H),7.83(s,1H),7.67(d,J=9.5Hz,1H),5.76(s,1H),4.75(t,J=8.3Hz,1H),4.62(t,J=11.9Hz,1H),4.51(s,2H),4.40(m,1H),4.13−4.05(m,4H),3.87(s,3H),3.31(s,3H),2.78(m,1H),2.60(m,1H),1.94−1.59(m,9H),1.48(m,1H),1.38(d,J=6.4Hz,6H),1.21(m,2H),1.01(s,9H),0.36−0.32(m,3H)。
(実施例34)化合物34の調製
工程1:N
2パージしたフラスコに、ビスフェノール(1.02g、2.98mmol)、クロリド(471mg、3.27mmol)、Cs
2CO
3(2.01g、6.23mmol)、およびNaI(89mg、0.59mmol)を充填した。次いで、この混合物にDMF(24mL)を添加し、均一な混合物を65℃の予熱油浴中で7時間加熱した。反応の進行はLC/MSによって検出されなかった。加熱を一晩継続した。翌日、LC/MSによって20%未満の変換が認められた。さらなる0.8当量のNaIを添加し、温度を85℃に上昇させた。反応混合物を再度一晩加熱した。LC/MSは完全な変換を示した。反応混合物を、C18のルーズパックによって濾過した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を10mLのメタノールに取り出した。キノリンを分取逆相HPLCによって精製した。これにより、TFA塩としてキノリンを得た。MeOH:4N HCl/ジオキサン混合物へのTFA塩の溶解および蒸発によってHCl塩に変換した。このプロセスを3回行って、収率25%で327mgのキノリンHCl塩を得た。LC/MS=408(M
++1)。
工程2:N
2パージしたフラスコに、キノリン(180mg、0.375mmol)、ブロシラート(400mg、0.563mmol)、およびCs
2CO
3(366mg、1.13mmol)を充填した。この混合物にNMP(5.6mL)を添加し、得られた均一な混合物を、65℃の予熱油浴中で4.5時間加熱した。LC/MSによって判断したところ、反応の進行は認められなかった。さらなるCs
2CO
3(150mg、0.45mmol)を添加し、反応物を一晩加熱した。LC/MSおよびHPLCによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。少量の5%LiCl(水溶液)をこれに添加し、層を分離した。水層をEtOAc(1回)で逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をDCMに再溶解し、シリカゲルクロマトグラフィによって黄色固体として237mgのメチルエステル(収率42%)を単離した。LC/MS=881(M
++1)。
工程3:メチルエステル(237mg、0.269mmol)を、THF(1.5mL)およびMeOH(1mL)の混合物に溶解した。LiOH・H
2O(30mg、1.07mmol)をdH
2O(0.5mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。4時間後、反応は40%完了していた。反応物を室温で一晩撹拌させた。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物34を、逆相HPLCによって反応混合物から直接単離した。黄色固体として218mg(収率94%)の34を単離した。LC/MS=867(M
++1)。
(実施例35)化合物35の調製
化合物34(145mg、0.167mmol)を、DME(1.5mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(150uL)、pTolSO
2NHNH
2(187mg、1.0mmol)、およびNaOAc(150mg、1.84mmol)を添加した。次いで、反応フラスコを95℃の予熱油浴中に2時間入れた。LC/MSによって反応は完了したと判断された。反応物を室温に冷却し、少量のMeOHを添加して、反応物を単相にした。次いで、反応物を濾過し、35(97mg、収率63%)を、逆相HPLCによって黄色固体として濾液から単離した。
LC/MS=868(M
++1)。
(実施例36)化合物36の調製
工程1:アルデヒド(実施例28に類似の様式で調製)(1.17g、1.38mmol)をDCM(15mL)に溶解した。この溶液にモルホリン(239mg、2.07mmol)を添加した。次いで、この混合物にNaHB(OAc)
3(380mg、1.79mmol)を添加し、その直後にAcOH(24μL、0.414mmol)を添加した。LC/MSによって10分後に反応が完了したと判断された。半飽和NaHCO
3(水溶液)の添加によって反応を停止させた。次いで、反応物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)(3回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をMeOHに再溶解し、この溶液を濃縮した。このMeOHの溶解および濃縮をさらに2回繰り返した。粗物質を最少量のDCMに取り、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体としてメチルエステル(908mg、収率70%)を得た。LC/MS=950(M
++1)。
工程2:メチルエステル(772mg、0.813mmol)を、THF(7mL)およびMeOH(5mL)の混合物に溶解した。LiOH・H
2O(171mg、4.07mmol)をdH
2O(3mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。3時間後、反応は完了していた。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物36をEtOAc中に抽出した。有機物を1N HCl、ブラインで抽出し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させた。固体を濾過によって除去し、有機物を減圧下で除去した。化合物36(701mg)を、分取HPLCを使用して黄色固体として単離した。LC/MS=936(M
++1)。
(実施例37)化合物37の調製
化合物36(701mg、0.748mmol)をDME(5mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(500uL)、pTolSO
2NHNH
2(697mg、3.74mmol)、およびNaOAc(613mg、7.48mmol)を添加した。反応フラスコを、95℃の予熱油浴中に2時間入れた。LC/MSによって反応は完了したと判断された。反応物を室温に冷却し、少量のMeOHを添加して、反応物を単相にした。次いで、反応物を濾過し、37(802mg、収率92%)を、逆相HPLCによって濾液から黄色固体として単離した。LC/MS=938(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ8.26(s,1H),7.98(d,J=9.4Hz,1H),7.86(s,1H),7.42(s,1H),7.24(d,J=9.5Hz,1H),5.36(s,1H),4.51(s,6H),4.38−4.19(m,5H),3.82−3.45(m,5H),2.53−2.32(m,3H),1.84(m,1H),1.66−1.28(m,5H),1.18(s,7H),1.03(d,J=6.5Hz,6H),0.89(m,1H),0.67(s,14H),0.14−0.04(m,2H)。
(実施例38)化合物38の調製
工程1:Arパージしたフラスコに、60% NaH(4.26g、106mmol)およびTHF(60mL)を充填した。アルコール(5g、26.67mmol)を含むTHF(40mL)を含む溶液をゆっくり添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、ジメチルスルファート(5.07mL、53.3mmol)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。飽和NH
4Cl(水溶液)で反応を停止させた(注意:過度のガス放出)。混合物15分間撹拌し、次いで、有機層を水層から分離した。水層をEtOAcで抽出した。有機物を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcに取り、半飽和NaHCO
3(水溶液)で洗浄し、その後にブラインで洗浄した。有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、無色オイルとして粗メチルエーテル(8.56g、42.03mmol)を得た。LC/MS=202(M
++1)。
工程2:Arパージしたフラスコに、メチルエーテル(8.56g、42.03mmol)を充填し、その後にDCM(30mL)を充填した。4.0N HClを含むジオキサン(30mL、120mmol)をゆっくり添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。LC/MSによって反応は完了したと判断された。溶媒を減圧下で除去して粗アミン(7g、50mmol)を得、これを次の工程でそのまま使用した。LC/MS=102(M
++1)。
工程3:Arパージしたフラスコに、アミン(7g、50mmol)、THF(150mL)、CBz−Cl(10.7mL、76mmol)を充填し、氷浴を使用して0℃に冷却した。Et
3N(21.1mL、150mmol)をゆっくり添加した。反応をLCMSによってモニタリングした。1時間後に反応は完了していた。溶媒を減圧下で除去した。残渣をEtOAcに取り、0.5N HCl(水溶液)、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣を最少量のDCMに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、白色固体としてカルバマート(4.52g、全収率72%)を得た。LC/MS=236(M
++1)。
工程4:Arパージしたフラスコに、カルバマート(4.5g、19.1mmol)およびEtOH(50mL)を充填した。フラスコから気体を抜き、Arで再加圧した。このプロセスを3回繰り返した。次いで、反応フラスコに10% Pd/Cを充填し、フラスコの気体を抜いた。次いで、フラスコにH
2雰囲気を再充填した。反応物をH
2雰囲気下にて室温で撹拌し、LC/MSによって反応の進行をモニタリングした。3時間後に反応は完了していた。PTFEフィルターを使用した真空濾過によって固体を除去した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(3×50mL)と同時蒸発させて、無色オイルとして粗アミンを得た(2.03g、20.0mmol)。LC/MS=102(M
++1)。
工程5:アルデヒド(1.00g、1.17mmol)をDCM(15mL)に溶解し、アミン(176mg、1.75mmol)を添加した。次いで、この混合物にNaHB(OAc)
3(322mg、1.52mmol)を添加し、その直後にAcOH(20μL、0.3mmol)を添加した。LC/MSによって10分後に反応が完了したと判断された。半飽和NaHCO
3(水溶液)の添加によって反応を停止させた。次いで、反応物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)(3回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をMeOHに再溶解し、この溶液を濃縮した。このMeOHの溶解および濃縮をさらに2回繰り返して、黄色固体として粗メチルエステルを得た(968mg、収率88%)。LC/MS=936(M
++1)。
工程6:エステル(968mg、1.03mmol)を、THF(10mL)およびMeOH(6mL)の混合物に溶解した。LiOH(200mg、4.67mmol)をdH
2O(3mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。3時間後、反応は完了していた。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物38をEtOAc中に抽出し、次いで、1N HClおよびブラインで抽出した。次いで、有機物をNa
2SO
4で乾燥させた。固体を濾過によって除去し、揮発性有機物を減圧下で除去した。黄色固体として化合物38(900mg)を単離した。LC/MS=922(M
++1)。
(実施例39)化合物39の調製
化合物38(900mg、0.977mmol)をDME(5mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(1mL)、pTolSO
2NHNH
2(920mg、4.93mmol)、およびNaOAc(850mg、10.36mmol)を添加した。反応フラスコを、95℃の予熱油浴中に2時間入れた。LC/MSによって反応は完了したと判断された。反応物を室温に冷却し、少量のMeOHを添加して、反応物を単相にした。次いで、反応物を濾過し、39(686mg、収率76%)を、逆相HPLCによって濾液から黄色固体として単離した。LC/MS=924(M
++1)。
(実施例40)化合物40の調製
工程1:アルデヒド(1.00g、1.17mmol)をDCM(15mL)に溶解した。この溶液に、ピペリジン(173μL、1.75mmol)を添加した。次いで、この混合物にNaHB(OAc)
3(322mg、1.52mmol)を添加し、その直後にAcOH(20μL、0.3mmol)を添加した。LC/MSによって10分後に反応が完了したと判断された。半飽和NaHCO
3(水溶液)の添加によって反応を停止させた。次いで、反応物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)(3回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をMeOHに再溶解し、この溶液を濃縮した。このMeOHの溶解および濃縮をさらに2回繰り返して、黄色固体として粗エステル(964mg、収率90%)を得た。LC/MS=920(M
++1)。
工程2:エステル(964mg、1.02mmol)を、THF(10mL)およびMeOH(6mL)の混合物に溶解した。LiOH(200mg、4.67mmol)をdH
2O(3mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。3時間後、反応は完了していた。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物40をEtOAc中に抽出し、次いで、1N HClで抽出し、次いで、ブラインで抽出した。次いで、有機物をNa
2SO
4で乾燥させた。固体を濾過によって除去し、揮発性有機物を減圧下で除去した。黄色固体として化合物40(900mg)を単離した。LC/MS=906(M
++1)。
(実施例41)化合物41の調製
化合物40(900mg、0.977mmol)をDME(5mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(1mL)、pTolSO
2NHNH
2(920mg、4.93mmol)、およびNaOAc(850mg、10.36mmol)を添加した。反応フラスコを、95℃の予熱油浴中に2時間入れた。LC/MSによって反応は完了したと判断された。反応物を室温に冷却し、少量のMeOHを添加して、反応物を単相にした。次いで、反応物を濾過し、41(631mg、収率69%)を、逆相HPLCによって濾液から黄色固体として単離した。LC/MS=908(M
++1)。
(実施例42)化合物42の調製
工程1:アルデヒド(0.5g、0.584mmol)をDCM(8mL)に溶解した。この溶液にアミン(181mg、0.887mmol)を添加した。次いで、この混合物にNaHB(OAc)
3(161mg、0.76mmol)を添加し、その直後にAcOH(10μL、0.15mmol)を添加した。LC/MSによって10分後に反応が完了したと判断された。半飽和NaHCO
3(水溶液)の添加によって反応を停止させた。次いで、反応物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)(3回)およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をMeOHに再溶解し、この溶液を濃縮した。このMeOHの溶解および濃縮をさらに2回繰り返して、黄色固体として粗エステルを得た(503mg、収率95%)。LC/MS=1003(M
++1)。
工程2:エステル(503mg、0.501mmol)を、THF(5mL)およびMeOH(3mL)の混合物に溶解した。LiOH(100mg、2.34mmol)をdH
2O(1.5mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。3時間後、反応は完了していた。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物42をEtOAc中に抽出し、次いで、1N HClで抽出し、次いで、ブラインで抽出した。次いで、有機物をNa
2SO
4で乾燥させた。固体を濾過によって除去し、揮発性有機物を減圧下で除去した。黄色固体として化合物42(450mg)を単離した。LC/MS=989(M
++1)。
(実施例43)化合物43の調製
化合物42(450mg、0.501mmol)をDME(3mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(0.5mL)、pTolSO
2NHNH
2(425mg、2.46mmol)、およびNaOAc(425mg、5.17mmol)を添加した。次いで、反応フラスコを、95℃の予熱油浴中に2時間入れた。LC/MSによって反応は完了したと判断された。反応物を室温に冷却し、少量のMeOHを添加して、反応物を単相にした。次いで、反応物を濾過し、43(334mg、収率67%)を、逆相HPLCによって濾液から黄色固体として単離した。LC/MS=991(M
++1)。
(実施例44)化合物44の調製
工程1:2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−キノリン−4,7−ジオール(2g、6.6mmol)を、N
2下でDMF(20mL)に溶解した。このあとに0℃でNaH(60%)(0.56g、14.2mmol)を添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、次いで、ブロモ−アセトニトリルを添加した。混合物を室温まで加温し、室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、pH4に保持しながら1N
HClで洗浄した。所望の生成物が沈殿した。濾過後、かなり純粋な黄色固体を得た。この物質を次の工程で直接使用した。LC/MS=341.33(M
++1)。
工程2:上記で得たキノリン(1.32g、粗物質)およびブロシラートトリペプチド(2.9g、4.3mmol)の混合物を含むNMP(10mL)に、炭酸セシウム(2.5g、7.7mmol)を添加した。混合物を65℃で5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、次いで、EtOAc(600mL)および3%LiCl水溶液を混合物に添加した。有機層を分離し、3%LiCl水溶液、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望の生成物を得た(1.18g、1.49mmol)。LC/MS=790.38(M
++1)。
工程3:Bocトリペプチド(1.18g、1.5mmol)を含むDCM(10mL)の溶液に、室温で4N HClを含むジオキサン(30mmol、7.5mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。LC/MSは2つの生成物が形成されたことを示し、そのうちの一方は所望の脱Boc中間体であり、他方はC−7位のニトリルが酸に加水分解された脱Boc中間体である。反応溶媒を減圧下で除去して、粗物質を得た。粗物質を含むDCMに飽和NaHCO
3水溶液(15mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。中間体I(0.54g、2.25mmol)を一度に添加し、得られた反応混合物を室温でさらに30分間撹拌した。LC/MSは、2つの生成物が1:1で形成されたことを示した。一方のピークは所望の生成物であり、他方のピークは対応するC−7酸化合物である。有機相を分配し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。黄色固体として粗物質を得、これを次の工程で直接使用した。LC/MS=814.42(M
++1)。
工程4:上記粗物質を含むジオキサンに、LiOH(0.19g、4.5mmol)水溶液を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。LC/MSは、2つの主な化合物が形成されたことを示した。反応溶媒を真空下で除去し、粗物質を分取HPLCによって精製した。黄色固体として化合物44(0.153g、0.183mmol)を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD)δ8.30(d,1H),8.18(s,1H),7.73(m,2H),7.41(d,1H),5.92−5.77(m,2H),5.28(d,1H),5.11(d,1H),4.96(s,2H),4.73−4.55(m,3H),4.19−4.06(m,3H),2.78(m,1H),2.58(m,1H),2.21(m,1H),1.96(m,2H),1.74−1.63(m,3H),1.46(m,3H),1.33(m,6H),1.22(m,2H),1.04(s,9H),0.49−0.37(m,2H)。LC/MS=819.44(M++1)。
(実施例45)化合物45の調製
工程1:キノリン(0.2g、0.53mmol)およびブロシラートトリペプチド(0.412g、0.59mmol)の混合物を含むNMP(4mL)に、炭酸セシウム(0.345g、1.1mmol)を添加した。混合物を65℃で7時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、3%LiCl水溶液、ブラインで洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望の生成物を得た(0.26g、0.31mmol、59%)。LC/MS=848.44(M
++1)。
工程2:エステル(0.26g、0.31mmol)およびNaI(0.70g、0.45mmol)の混合物を含むピリジン(7mL)を、N2下にて110℃で一晩加熱した。反応物をLC−MSによってモニタリングした。LC−MSは95%変換を示した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を分取HPLCによって精製して、黄色固体として45(0.085g、0.1mmol、34%)を得た。LC/MS=834.41(M++1)。
(実施例46)化合物46の調製
工程1:アミド化合物(1.2g、3.41mmol)を含むトルエン(28mL)の懸濁液に、室温でNaH(60%)(0.20g、5.12mmol)を添加した。混合物を加熱還流し、2.5時間撹拌した。LC−MSは、反応が完了していることを示した。反応物を0℃に冷却し、AcOH(0.90mL、5.80mmol)を含む3mL H
2Oを添加し、混合物を0℃で45分間撹拌した。撹拌中、大量の黄色固体が沈殿した。濾過後、濾過ケーキをH
2O、Et
2Oで洗浄し、高真空下で乾燥させた。粗黄色固体(1.00g、3.00mol、88%)を、次の工程で直接使用した。LC/MS=334.34(M
++1)。
工程2:DCM(50mL)に溶解した上記で得た粗生成物の懸濁液に、BBr3(1N DCM溶液)(13.4mL、13.4mmol)を添加した。混合物を加熱還流し、4時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、氷に注いだ。4N NaOHを使用して、pH14に調整した。水相をDCMで2回抽出し、2N HClでpH4に調整した。黄色固体が沈殿し、これらを濾過によって単離した。濾過ケーキをH2O、Et2Oで洗浄し、高真空下で乾燥させた。黄色固体が得られ(0.41g、1.28mmol、42%)、これを次の反応で直接使用した。LC/MS=320.33(M++1)。
工程3:室温のビスフェノール(0.41g、1.28mmol)および1−ブロモ−2−メトキシ−エタン(0.18g、1.28mmol)の混合物を含むDMF(3mL)に、NaH(60%)(0.062g、2.58mmol)を一度に添加した。反応物をN2下で一晩撹拌した。粗物質を分取HPLCによって精製し、所望の生成物としての表題化合物(0.202g、0.53mmol、41%)を、黄色固体として得た。LC/MS=378.34(M++1)。
工程4:キノリン(0.2g、0.53mmol)、Cs
2CO
3(0.35g、1.05mmol)、および中間体III(0.415g、0.58mmol)の混合物を含むNMP(4mL)を、65℃に加熱し(65℃か76℃かはグラフを参照のこと)、6時間撹拌した。10mLのEtOAcを添加して反応物を希釈し、混合物を、H
2O、5%LiCl、およびブラインで洗浄した。Na
2SO
4での乾燥および濃縮後、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、フォームとしてメチルエステルを得た(0.19g、0.22mmol、42%)。LC/MS=854.08(M
++1)。
工程5:メチルエステル(0.19g、0.22mmol)を含むMeOH(1mL)およびTHF(1mL)の溶液に、LiOH(0.18g、4.2mmol)水溶液を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。粗物質を分取HPLCによって精製して、黄色固体化合物として46を得た(0.11g、0.13mmol、60%)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.64(s,1H),8.26(d,1H),7.69(s,1H),7.64(d,1H),5.69(s,1H),4.72(dd,1H),4.60−4.43(m,3H),4.14−4.01(m,3H),3.87(s,2H),3.47(s,2H),2.74(m,1H),2.63(m,1H),1.97−1.80(m,2H),1.67(m,3H),1.51(m,1H),1.49−1.34(m,7H),1.22(m,2H),1.02(s,9H),0.34(m,2H)。LC/MS=841.56(M
++1)。
(実施例47)化合物47の調製
工程1:酸出発物質(2.87g、19.5mmol)および1−[2−アミノ−3−クロロ−4−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−エタノン(4.72g、19.5mmol)をピリジン(180mL)に溶解した。得られた溶液を−30℃に冷却し、次いで、POCl
3を溶液に滴下した。添加後、反応物を30分間で−10℃まで加温し、−10℃で4時間撹拌した。20mLのH
2Oを添加して、0℃で反応を停止させ、得られた混合物を0℃で5分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣にEtOAcを添加し、得られた溶液を、飽和NaHCO
3、H
2O、およびブラインで洗浄した。Na
2SO
4での乾燥および濃縮後、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、所望の生成物(4.2g、11.3mmol、58%)を得た。LC/MS=373.01(M
++1)。
工程2:封管中のアミド(2.0g、5.4mmol)およびイソプロピルアミン(3.2g、54mmol)の混合物を含むプロパン−2−オール(20mL)を、70℃に加熱した。3.5時間の加熱後、反応物を室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をTHF(15mL)に溶解し、0.3N HCl(40mL)をこの溶液に添加した。この混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を分配し、有機相を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、アミン(0.84g、2.13mmol、40%)を得た。LC/MS=396.21(M++1)。
工程3:アミン(1.38g、3.49mmol)を含むトルエン(20mL)の懸濁液に、室温でNaH(60%)(0.20g、5.12mmol)を添加した。混合物を2.5時間加熱還流した。LC−MSは、反応が完了していることを示した。反応物を0℃に冷却し、AcOH(0.90mL、5.80mmol)を含む3mLのH2Oを反応物に添加し、混合物を0℃で45分間撹拌した。この撹拌中、キノリン生成物が沈殿した。濾過後、濾過ケーキをH2O、Et2Oで洗浄し、高真空下で乾燥させた。かなりの純度の粗黄色固体(1.18g、3.13mol、90%)が得られ、これを次の反応で直接使用した。LC/MS=378.34(M++1)。
工程4:キノリン(0.77g、2.03mmol)、Cs
2CO
3(1.3g、4mmol)およびトリペプチドメチルエステル(1.6g、2.2mmol)の混合物を含むNMP(10mL)を65℃に加熱し、6時間撹拌した。25mLのEtOAcを添加して反応物を希釈し、混合物を、H
2O、5%LiCl、およびブラインで洗浄した。有機物のNa
2SO
4での乾燥および濃縮後、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、固体として表題化合物を得た(1.2g、1.4mmol、69%)。LC/MS=851.84(M
++1)。
工程5:メチルエステル(0.5g、0.58mmol)を含むMeOH(5mL)およびTHF(5mL)の溶液に、LiOH(0.24g、5.8mmol)水溶液(水の量は不明)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。粗物質を分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物47を得た(0.33g、0.4mmol、69%)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.58(s,1H),8.26(d,1H),7.66(s,1H),7.62(d,1H),5.89(m,1H),5.67(bs,1H),5.29(dd,1H),5.11(m,1H),4.72(m,1H),4.54−4.49(m,4H),4.15(s,1H),4.10−4.00(m,2H),3.87(m,2H),3.47(s,3H),2.75(m,1H),2.61(m,1H),2.21(m,2H),1.94(m,1H),1.85(m,1H),1.72−1.61(m,3H),1.40−1.10(m,9H),1.02(s,9H),0.49−0.34(m,2H)。LC/MS=837.94(M
++1)。
(実施例48)化合物48の調製
工程1:2,4−ジクロロ−キノリン−7−オール(2.23g、10.4mmol)およびイソプロピル−(1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(1.44g、11.5mmol)を、室温でNMP(30mL)に溶解した。得られた混合物を115℃に加熱し、12時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、5%LiClおよびブラインで洗浄した。有機画分のNa
2SO
4での乾燥および濃縮後、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、表題化合物(1.6g、5.28mmol、51%)を得た。LC/MS=303.30(M
++1)。
工程2:キノリン(0.81g、2.67mmol)および(2−クロロ−エチル)−ジメチル−アミンHCl塩(0.42g、2.94mmol)を、DMF(10mL)に溶解した。これの後にCs2CO3(1.74g、5.34mmol)を添加した。反応物を65℃に加熱し、17時間撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、5%LiClおよびブラインで洗浄した。有機画分のNa2SO4での乾燥および濃縮後、粗物質をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、表題化合物(0.5g、1.34mmol、50%)を得た。LC/MS=374.24(M++1)。
工程3:トリペプチド酸(0.51g、1.06mmol)をDMSO(10mL)に溶解した。この溶液に、KO
tBu(0.6g、5.3mmol)を添加した。混合物を、室温で1.5時間撹拌した。次いで、クロロキノリン(0.44g、1.17mmol)を反応物に一度に添加し、得られた反応物を室温で一晩撹拌した。0.5mL AcOHを反応物に添加し、反応混合物を分取HPLCによって精製して、化合物48(0.309g、0.37mmol、36%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.64(s,1H),8.16(d,1H),7.68(s,1H),7.34(d,1H),7.28(d,1H),6.28(m,1H),5.62(bs,1H),4.64(dd,2H),4.55(m,2H),4.19(s,1H),4.15−3.97(m,2H),3.69(m,2H),3.30(s,2H),3.02(s,6H),2.90−2.53(m,3H),2.02−1.80(m,3H),1.71−1.98(m,3H),1.51−1.34(m,3H),1.29(d,6H),1.23−1.06(m,3H),1.02(s,9H),0.49−0.34(m,2H)。LC/MS=817.71(M
++1)。
(実施例49)化合物49の調製
工程1:α−クロロアセトン(10.4g、112.8mmol)およびアミノ−チオキソ−酢酸エチルエステル(5.0g、37.6mmol)の混合物を含むエタノール(100mL)を、80℃で6時間撹拌した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製して、白色固体としてエステルを得た(3.2g、50%)。次いで、エチルエステル生成物(1.5g、8.8mmol)を、THF/MeOH/水(10mL/10mL/10mL)混合物に溶解した。過剰な水酸化リチウム(3.0g)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)を反応混合物に添加した。混合物に1N HClをゆっくり添加することによってpH4に調整した。分離後、有機層をMgSO
4で乾燥させた。濃縮後、白色固体として所望の生成物(0.8g、64%)を得た。LC/MS=143.7(M
++1)。
工程2:酸(0.36g、2.47mmol)およびアニリン(0.40g、1.65mmol)の混合物を含むピリジン(15mL)に、−40℃でPOCl
3(0.38g、2.47mmol)をゆっくり添加した。次いで、混合物を0℃で4時間撹拌した。反応完了の際、H
2O(5mL)を混合物に滴下した。次いで、混合物を0℃でさらに15分間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製して、固体としてアミドを得た(0.45g、74%)。アミド(0.45g、1.22mmol)をt−BuOH(10mL)に懸濁した。t−BuOK(0.29g、2.57mmol)を強く撹拌した混合物に添加した。混合物を75℃で4時間加熱した。混合物を室温に冷却した。4N HCl/ジオキサン(1mL)をゆっくり添加して混合物を酸性化した。濃縮後、粗物質を1N KH
2PO
4/H
2O(50mL)に注いだ。形成された固体を濾過によって単離し、水で洗浄した。高真空下で一晩の乾燥後、固体としてキノリン(0.4g、93%)を得た。LC/MS=350.8(M
++1)。
工程3:トリペプチド(0.20g、0.28mmol)およびキノリン(0.10g、0.28mmol)の混合物を含むNMP(5mL)に、炭酸セシウム(0.18g、0.56mmol)を添加した。混合物を85℃で6時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)および3%LiCl水溶液(50mL)を混合物に添加した。有機層を3%LiCl水溶液(1×50mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望のメチルエステル生成物を得た(0.15g、65%)。
工程4:メチルエステル(0.15g、0.18mmol)をTHF(2mL)に溶解し、LiOH(0.05g、1.8mmol)水溶液(2mL)を添加し、その後にMeOH(2mL)を添加した。混合物を、室温で3時間撹拌し続けた。反応完了の際、0℃で4N HCl水溶液を添加してpH4に調整した。混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮して、黄色固体として化合物49を得た(0.14g、95%)。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.10(d,J=9.6Hz,1H),7.70(s,1H),7.44(d,J=9.6Hz,1H),7.36(s,1H),5.82(dd,1H),5.53(brs,1H),5.30(d,J=17.1Hz,1H),5.12(d,J=10.2Hz,1H),4.65(m,1H),4.58(m,1H),4.39(m,2H),4.22(s,1H),4.10(m,2H),3.86(m,2H),3.49(m,4H),2.83(m,3H),2.57(m,3H),2.39(m,1H),2.18(m,1H),2.07(m,1H),1.84(m,1H),1.68(m,2H),1.44(m,1H),1.35(m,1H),1.23(m,1H),1.04(s,9H),0.48(m,1H),0.30(m,1H)。LC/MS=810.4(M++1)。
(実施例50)化合物50の調製
化合物50を、化合物49の調製手順に類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.62(s,1H),8.08(d,J=8.7Hz,1H),7.69(s,1H),7.42(d,J=9.3Hz,1H),7.34(s,1H),5.51(brs,1H),4.65−4.52(m,2H),4.38(m,2H),4.22(s,1H),4.10(m,1H),3.85(m,2H),3.49(s,3H),2.74(m,1H),2.56(s,3H),2.20(m,1H),2.08(m,1H),1.85(m,1H),1.68(m,3H),1.50−1.21(m,7H),1.02(m,12H),0.48(m,1H),0.30(m,1H)。LC/MS=812.6(M
++1)。
(実施例51)化合物51の調製
工程1:トリペプチド(1.30g、1.92mmol)およびキノリン(0.55g、1.53mmol)の混合物を含むNMP(15mL)に、炭酸セシウム(0.94g、2.88mmol)を添加した。混合物を85℃で6時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)および3%LiCl水溶液(50mL)を混合物に添加した。有機層を3%LiCl水溶液(1×50mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、黄色固体として所望のメチルエステル生成物を得た(0.85g、65%)。上記生成物を含むジクロロメタン(10mL)の溶液を、4N HClを含むジオキサン(20mL)にて室温で2時間処理し、乾燥するまで濃縮して、HCl塩としてアミン化合物を得た。LC/MS=708.9(M
++1)。
工程2:アミン(0.71g、1.0mmol)を含むジクロロメタン(40mL)および5%重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)の二相性溶液に、中間体I(0.36g、1.5mmol)を含むジクロロメタンの溶液を4回に分けて添加した。これらの添加を出発物質が完全に消費されるまで継続した。ジクロロメタン層を取り、濃縮した。次いで、メチルエステル生成物を、THF/MeOH/水混合物(5mL/5mL/5mL)に溶解した。過剰な水酸化リチウム(240mg)を添加し、反応物を室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(40mL)を添加し、混合物に1N HClをゆっくり添加することによってpH4に調整した。分離後、有機層を濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物51(750mg、91%)を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.76(s,1H),8.25(d,J=9.6Hz,1H),8.18(s,1H),7.75(m,2H),7.36(d,J=9.3Hz,1H),5.91−5.82(m,1H),5.77(brs,1H),5.31(d,J=15.9Hz,1H),5.12(d,J=10.2Hz,1H),4.74(m,1H),4.62(m,1H),4.52(m,1H),4.36(m,2H),4.25−4.05(m,3H),3.87(m,2H),3.46(s,3H),2.82(m,1H),2.61(m,1H),2.22(m,2H),1.99−1.62(m,5H),1.35(d,J=6.3Hz,6H),1.49−1.21(m,4H),1.02(m,9H),0.48(m,1H),0.34(m,1H)。LC/MS=819.5(M
++1)。
(実施例52)化合物52の調製
51(0.60g、0.73mmol)および酢酸ナトリウム(0.83g、10.2mmol)の混合物を含むDME/H
2O(9mL/1mL)に、p−トルエンスルホンヒドラジド(0.96g、5.1mmol)を添加した。混合物を95℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(50ml)を混合物に添加した。有機層を0.05N HCl水溶液(1×50ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物52(450mg、75%)を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.65(s,1H),8.27(d,J=9.0Hz,1H),8.18(s,1H),7.76(m,2H),7.38(d,J=9.0Hz,1H),5.77(brs,1H),4.74(t,1H),4.62(d,1H),4.52(t,1H),4.37(m,2H),4.18−4.04(m,3H),3.86(m,2H),3.46(s,3H),2.76(m,1H),2.58(m,1H),2.20(q,1H),1.97−1.85(m,2H),1.70−1.65(m,3H),1.54(m,1H),1.46−1.41(m,2H),1.35(m,6H),1.22(m,2H),1.02(m,12H),0.48(m,1H),0.30(m,1H)。LC/MS=821.6(M
++1)。
(実施例53)化合物53の調製
工程1:アニリン(1.21g、6.06mmol)および酸(0.84g、6.09mmol)の混合物を含むピリジン(55mL)に、−40℃でPOCl
3(1.02g、6.68mmol)をゆっくり添加した。次いで、混合物を0℃で4時間撹拌した。反応完了の際、H
2O(5mL)を混合物に滴下した。次いで、混合物を0℃でさらに15分間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機層を(Na
2SO
4)を乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、固体としてアミドを得た(1.77g、92%)。アミド(1.70g、5.3mmol)をt−BuOH(40mL)に懸濁した。t−BuOK(1.30g、11.2mmol)を強く撹拌した混合物に添加した。混合物を75℃に5時間加熱した。混合物を室温に冷却した。4N HCl/ジオキサン(5mL)をゆっくり添加して混合物を酸性化した。濃縮後、粗物質を1N KH
2PO
4/H
2O(100mL)に注いだ。形成された固体を濾過によって単離し、水で洗浄した。高真空下で一晩の乾燥後、固体としてキノリン(1.5g、94%)を得た。LC/MS=302.4(M
++1)。
工程2:化合物53を、上記から得たキノリンの使用を除いて化合物50の調製手順に類似の手順によって得た。
1H NMR(300MHz,DMSO):δ12.43(brs,1H),9.59(s,1H),8.69(s,1H),8.57(m,1H),8.13(d,J=8.7Hz,1H),7.83(s,1H),7.51(d,J=8.7Hz,1H),7.06(d,J=8.7Hz,1H),5.68(m,1H),5.60(brs,1H),5.21(d,J=18.0Hz,1H),5.07(d,J=9.9Hz,1H),4.67(m,1H),4.45(m,1H),4.32(m,1H),4.04(m,4H),2.66(s,3H),2.28(m,2H),2.03−1.80(m,4H),1.35−1.19(m,4H),0.95(s,9H),0.44(m,1H),0.33(m,1H)。LC/MS=761.5(M
++1)。
(実施例54)化合物54の調製
化合物54を、化合物50、化合物52の調製手順に類似の手順によって得た。
1H NMR(300MHz,DMSO):δ9.59(s,1H),8.69(s,1H),8.41(m,1H),8.14(d,J=9.3Hz,1H),7.84(s,1H),7.51(d,J=8.7Hz,1H),7.04(d,J=8.7Hz,1H),5.60(brs,1H),4.68(m,1H),4.45(m,1H),4.29(m,1H),4.04(m,5H),2.67(m,4H),2.28(m,2H),2.03−1.80(m,4H),1.58−1.42(m,4H),0.94(m,12H),0.44(m,1H),0.35(m,1H)。LC/MS=763.3(M
++1)。
(実施例55)化合物55の調製
化合物55を、示したP2キノリンの使用を除いて化合物50の調製手順に類似の手順によって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ9.01(s,1H),8.76(s,1H),8.37(d,J=9.0Hz,1H),7.99(s,1H),7.70(d,J=9.9Hz ,1H),5.89(m,1H),5.83(brs,1H),5.31(d,J=15.3Hz,1H),5.13(d,J=9.6Hz,1H),4.75(m,1H),4.65(m,1H),4.41(m,1H),4.19−4.07(m,5H),3.56(m,1H),2.82(m,1H),2.63(m,1H),2.22(m,1H),1.91(m,1H),1.75−1.63(m,2H),1.56(d,J=7.2Hz,6H),1.49−1.20(m,5H),0.98(s,9H),0.48(q,1H),0.34(m,1H)。LC/MS=794.5(M
++1)。
(実施例56)化合物56の調製
化合物56を、反応物としての55の使用を除いて化合物52の調製手順に類似の手順によって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.92(s,1H),8.65(s,1H),8.30(d,J=9.6Hz,1H),7.92(s,1H),7.63(d,J=9.3Hz ,1H),5.77(brs,1H),4.75(m,1H),4.62(m,1H),4.45(m,1H),4.16(m,5H),3.55(m,1H),2.79(m,1H),2.61(m,1H),2.20(m,1H),1.97(m,1H),1.89(m,1H),1.80(m,3H),1.56(d,J=6.9Hz,6H),1.59−1.22(m,6H),1.05(m,12H),0.48(q,1H),0.30(m,1H)。LC/MS=796.4(M
++1)。
(実施例57)化合物57の調製
化合物57を、化合物52の調製手順に類似の手順によって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.33(m,1H),7.83(s,1H),7.65(d,J=9.6Hz,1H),5.77(brs,1H),4.77(m,1H),4.62(m,1H),4.42(m,1H),4.17(s,3H),4.17−4.05(m,3H),2.79(m,1H),2.61(m,1H),2.20(m,1H),1.98(m,1H),1.79(m,1H),1.70−1.49(m,4H),1.45−1.21(m,5H),1.38(d,J=6.6Hz,6H),1.05(m,12H),0.48(m,1H),0.30(m,1H)。LC/MS=811.4(M
++1)。
(実施例58)化合物58の調製
アミン(0.15g、0.19mmol)を含むジクロロメタン(10mL)および5%重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)の二相性溶液に、出発物質アミンが完全に消費されるまで、カーボナート(0.08g、0.29mmol)を含むジクロロメタンの溶液を4回に分けて添加した。ジクロロメタン層を取り、濃縮した。次いで、メチルエステル生成物を、THF/MeOH/水混合物(2mL/2mL/2mL)に溶解した。過剰な水酸化リチウム(46mg)を添加し、反応物を室温で4時間撹拌した。酢酸エチル(40mL)を添加し、混合物に1N HCl/H
2Oをゆっくり添加することによってpH4に調整した。分離後、有機層を濃縮した。残渣を、溶離液として水/アセトニトリル(0.05% TFA)を使用した分取HPLCによって精製して、黄色固体として化合物58(140mg、88%)を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.66(m,1H),8.32(m,2H),7.82(s,1H),7.63(d,J=9.3Hz,1H),5.76(brs,1H),4.77(m,1H),4.66(m,1H),4.28−4.03(m,8H),2.84(m,1H),2.65(m,1H),2.08(m,2H),1.86−1.63(m,6H),1.79(m,1H),1.70−1.49(m,3H),1.55−1.36(m,2H),1.39(d,J=6.9Hz,6H),1.28(m,2H)1.04(m,12H),LC/MS=841.4(M
++1)。
(実施例59)化合物59の調製
アルコール(0.40g、1.1mmol)を含むDMSO(5mL)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(0.38g、3.3mmol)をゆっくり添加した。この後にクロロ−キノリン(0.32g、1.2mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(50mL)を混合物に添加し、1N HClの添加によってpH2に調整した。分離後、有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。濃縮後、粗生成物を高真空下で一晩乾燥させ、次の工程で直接使用した。
酸(0.60g、粗物質、1.1mmol)、(1R,2S)−1−アミノ−2−エチル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル塩酸塩(0.22g、1.2mmol)、およびNMM(0.56g、5.5mmol)の溶液に、0℃でHATU(0.63g、1.65mmol)を添加した。反応物を30分間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および3%LiCl水溶液(50mL)を、撹拌しながら混合物に添加した。有機層を取り、3%LiCl水溶液(50mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、白色固体としてカップリングトリペプチド生成物(0.28g、37%)を得た。LC/MS=692.8(M++1)。
化合物59を、上記手順と類似の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.81(s,1H),8.05(d,J=9.3Hz,1H),7.91(s,1H),7.49(s,1H),7.35(m,1H),7.12(d,J=9.0Hz,1H),6.67(s,1H),5.53(brs,1H),4.65(m,2H),4.55(d,J=12.3Hz,1H),4.22−4.16(m,3H),3.95(s,3H),2.75(m,1H),2.56(m,1H),2.20(m,1H),2.10−1.85(m,3H),1.71−1.64(m,3H),1.52−1.38(m,3H),1.29−1.20(m,2H),1.02(m,12H),0.48(m,1H),0.36(m,1H)。LC/MS=703.4(M
++1)。
(実施例60)化合物60の調製
工程1:アニリン(38.3g、206mmol)および1−クロロメチル−4−メトキシ−ベンゼン(29.4mL、216mmol)を無水DMF(412mL)に溶解し、Cs
2CO
3(77.2g、326mmol)で処理し、次いで、50℃で90分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで、H
2OとEtOAcとの間で分配して均一な溶液を得た。次いで、EtOAcを蒸発させた。沈殿した固体を濾過し、次いで、H
2O、MeOH、30% DCM/ヘキサン、および50% EtOAc/ヘキサンで洗浄した。固体を高真空下で乾燥させて、PMB保護生成物(52.2g、83%)を得た。LC/MS=306(M
++1)。
工程2:アニリン(52.2g、171mmol)および酸(29.0g、196mmol)を無水ピリジン(853mL)に溶解し、−8℃にてPOCl3(18.8mL、205mmol)で処理した。60分間の撹拌後、反応混合物を濃縮し、EtOAcおよび1N HClで分配し、次いで、EtOAcおよびDCMで抽出した。溶媒の除去後、粗生成物をシリカでのカラムクロマトグラフィ(30〜80% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、アミド(44.6g、60%)を得た。m/z 436.(M+H)。
工程3:アミド(9.04g、20.8mmol)およびイソプロピルアミン(17.7mL、208mmol)を含むTHF(177mL)を、65℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、EtOAcと1N HClとの間で分配し、次いで、EtOAcおよびDCMで抽出した。溶媒の除去後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(50〜80% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、アミン(6.06g、64%)を得た。LC/MS=457.8(M++1)。
工程4:アミン(18.4g、40.3mmol)をトルエン(300mL)に懸濁し、次いで、NaH(2.42g、60.4mmol)を添加した。混合物を、125℃で80分間撹拌した。室温への冷却後、AcOH(3.76mL、66.4mmol)の水溶液(300mL)を添加した。形成された固体を濾過し、H2Oおよびトルエンで洗浄し、次いで、高真空下で一晩乾燥させて、キノリン(15.0g、84%)を得た。LC/MS=440(M++1)。
工程5:キノリン(1.00g、2.27mmol)、トリペプチドブロシラート(1.78g、2.50mmol)、およびCs
2CO
3(1.85g、5.68mmol)を含むNMPを、65℃で3時間30分間撹拌した。反応混合物をEtOAcとブラインとの間で分配し、次いで、EtOAcで抽出した。揮発性有機物の蒸発後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(50〜100% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、エステル(1.64g、79%)を得た。LC/MS=914(M
++1)。
工程6:エステル(6.29g、6.89mmol)を含むDCM(100mL)にTFA(10mL)を添加した。室温で100分間の撹拌後、100mLのトルエンを添加し、次いで、混合物を濃縮した。粗物質を飽和NaHCO3とDCMとの間で分配し、次いで、DCMで抽出した。揮発性有機物の除去後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(65〜100% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、フェノール(4.50g、82%)を得た。LC/MS=793.7(M++1)。
工程7:フェノール(520mg、0.655mmol)およびブロミド(231mg、0.787mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、Cs
2CO
3(534mg、1.64mmol)で処理した。次いで、反応物を50℃で45分間撹拌した。反応混合物をH
2OとEtOAcとの間で分配し、EtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発性有機物の除去後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(80〜100% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、エステル(600mg、91%)を得た。LC/MS=1005.7(M
++1)。
工程8:エステル(600mg、0.597mmol)を無水DCM(6mL)に溶解し、次いで、4N HCl/ジオキサン(3mL、12.0mmol)で処理した。室温で2時間の撹拌後、トルエン(6mL)を添加し、反応物を濃縮した。高真空下で30分間の乾燥後、得られた固体をTHF(5.37mL)に溶解した。混合物に、MeOH(1.79mL)および2N LiOH(3.58mL)を添加した。40℃で65分間の撹拌後、反応混合物を室温に冷却した。反応混合物を2N HCl(3.8mL)で中和し、濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、化合物60(301mg、50%)を得た。
1H NMR(CD
3OD,300MHz):δ8.63(s,1H),8.47(s,1H),8.16(d,1H),7.53(s,1H),7.48(d,1H),5.80−5.71(m,1H),5.56(bs,1H),5.18(d,1H),5.10(d,1H),4.61(t,1H),4.49−4.41(m,3H),4.06−3.89(m,3H),3.29−3.18(m,8H),3.14(t,2H),3.07(t,2H),2.67−2.62(m,1H),2.54−2.51(m,1H),2.14−2.08(m,1H),1.89−1.84(m,1H),1.76−1.71(m,1H),1.63−1.53(m,2H),1.38−1.31(m,2H),1.27−1.24(d,6H),1.13−1.08(m,2H),0.93(s,9H),0.29−0.23(m,2H);LC/MS=891(M
++1)。
(実施例61)化合物61の調製
工程1:N
2パージしたフラスコに、フェノール(604mg、0.761mmol)、クロリド(170mg、0.913mmol)、Cs
2CO
3(620mg、1.90mmol)、およびNaI(60mg、0.45mmol)を充填した。次いで、この混合物にDMF(7mL)を添加し、均一な混合物を65℃の予熱油浴中で加熱した。30分後、LC/MSによると反応は40%未満完了した。6時間後、反応は完了した。反応混合物をEtOAcで希釈し、3×100mLの5%LiCl、100mLの半飽和NaHCO
3(水溶液)、およびブラインで洗浄した。有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮した。粗メチルエステルを、次の工程でそのまま使用した。LC/MS=907(M
++1)。
工程2:エステル(620mg、0.69mmol)を、THF(6mL)およびMeOH(2mL)の混合物に溶解した。LiOH・H
2O(143mg、3.41mmol)をdH
2O(2mL)に溶解し、これを、0℃に冷却したエステルを含むTHF/MeOHの溶液にゆっくり添加した。完全な添加の際、氷浴を除去した。3時間後に反応が完了した。反応物を0℃に冷却し、2N HClで中和した。化合物61を逆相HPLCによって反応混合物から直接単離して、オフホワイトの固体として472mgを得た(収率78%)。
LC/MS=892(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ8.31(s,1H),8.02(s,1H),7.89(d,J=9.2Hz,1H),7.18−7.14(m,2H),5.53(dd,J=9.0,15.8Hz,1H),5.20(s,1H),4.93(d,J=17.4Hz,1H),4.74(d,J=10.2Hz,1H),4.33(m,4H),4.11(d,J=12.7Hz,1H),3.84−3.22(m,12H),2.93(brs,8H),2.29(q,J=4.5Hz,1H),1.87(m,1H),1.66(m,1H),1.55(m,1H),1.35(m,1H),1.14(m,1H),0.97(d,J=6.45Hz,6H),0.87(m,1H),0.67(s,9H),0.13−0.01(m,2H)。
(実施例62)化合物62の調製
工程1:フェノール(1.10g、4.64mmol)を含むDMF(21mL)の溶液に、ブロミド(1.40g、4.77mmol、1.2当量)および炭酸セシウム(3.80g、11.6mmol、2.5当量)を添加した。得られた混合物を予熱した浴(50℃、外部温度、油浴)に入れ、55分間強く撹拌した。室温への冷却の際、反応混合物をEtOAcで希釈し、水(1回)で洗浄した。水層をEtOAc(1回)で逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(50%〜75% EtOAc/ヘキサン)によって精製して、キノリン(1.71g、50%)を得た。LC/MS実測値515.28(M
++H,C
26H
36ClN
6O
3=515.25)。
工程2:トリペプチド酸(303mg、0.634mmol)を含むDMSO(3.3mL)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(365mg、3.17mmol、5当量)を添加した。得られたスラリーを室温で2時間撹拌した。キノリン(359mg、0.697mmol、1.1当量)を含むDMSO(3mL)の溶液を反応混合物に滴下した。得られたスラリーを、室温で16.5時間撹拌した。酢酸(0.3mL)で反応を停止させ、逆相HPLC(30〜90% MeCN/H
2O−1% TFA)によって精製して、酸を得た(100mg、16%)。LC/MS実測値958.27(M
++H,C
50H
72N
9O
10=958.54)。
工程3:酸(100mg、0.104mmol)を含むCH
2Cl
2(0.2mL)の溶液に、4N HClを含むジオキサン(1.0mL)の溶液を添加した。得られた混合物を室温で1.25時間撹拌し、濃縮し、逆相HPLC(30〜90% MeCN/H
2O−1% TFA)によって精製して、化合物62(10mg、11%)を得た。
1H NMR(d
3−MeOD,400MHz):δ8.48(s,1H),7.98(d,1H),7.43(s,1H),7.21(s,1H),7.05(dd,1H),7.03(d,1H),6.10(d,1H),5.49(s,1H),4.52−4.56(m,2H),4.41(d,1H),4.23(t,2H),4.10(s,1H),3.97(m,2H),3.85(t,1H),3.18(q,4H),2.93(t,2H),2.85(m,4H),2.61(m,1H),2.46(m,1H),2.03(m,1H),1.89(m,1H),1.80(m,2H),1.55(t,4H),1.41(m,2H),1.35(d,2H),1.19(d,8H),0.92(s,9H);LCMS実測値858.30(M
++H,C
45H
64N
9O
8=858.49)。
(実施例63)化合物63の調製
89.5mg(0.115mmol)の酸および15.5mg(0.116mmol)のN−クロロスクシンイミドを含む2mLのDMFの溶液を、0℃で20時間撹拌し、さらなる5mgのN−クロロスクシンイミドを反応物に添加した。得られた溶液を0℃で42時間撹拌した。溶液を濾過した後、生成物を反復分取HPLCによって精製し、精製生成物を凍結乾燥させて、78.4mgの化合物63を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.63(s,1H),8.30(d,1H,J=9.0Hz),7.87(s,1H),7.74(s,1H),7.38(d,1H,J=9.0Hz),5.76(s,1H),4.62−4.74(m,2H),4.55(appt t,1H,J=6.8Hz),4.13−4.24(m,2H),4.05−4.13(m,1H),4.06(s,3H),2.75−2.85(m,1H),2.55−2.67(m,1H),1.82−2.05(m,2H),1.60−1.72(m,3H),1.37−1.58(m,3H),1.32(d,6H,J=6.6Hz),1.14−1.27(m,3H),0.95−1.06(m,12H),0.35−0.44(m,2H);LC/MS=811(M
++1)。
(実施例64)化合物64の調製
工程1:1.0g(1.41mmol)のトリペプチド、448.9mg(1.34mmol)のキノリン、および920mg(2.82mmol)の炭酸セシウムの混合物を含むN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で6時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)および5%LiCl水溶液(20mL)で希釈した後、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、2相を分離した。水画分を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機画分を水で洗浄し、合わせ、(MgSO
4)で乾燥させ、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、いくらかの夾雑物を含む864mg(76%)のトリペプチドを得た。LC/MS=808(M
++1)。
工程2:864mg(1.07mmol)のメチルエステルおよび128.5mg(5.37mmol)のLiOH混合物を含むTHF(5mL)、メタノール(5mL)、および水(5mL)を、室温で14.5時間撹拌した。ロータリーエバポレーターを使用して、反応物を半分の体積に濃縮した。0.83mL(10.77mmol)のトリフルオロ酢酸の添加によって濃縮溶液を酸性化した後、混合物を水(5mL)およびメタノール(5mL)で希釈し、0℃の浴中で1時間撹拌した。固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。固体を加熱によってジオキサン−アセトニトリル−水混合物に溶解し、次いで、凍結乾燥させて818mgの化合物64を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.09(d,1H,J=9.3Hz),7.72(s,1H),7.40(d,1H,J=9.3Hz),7.34(s,1H),5.77−5.92(m,1H),5.56(s,1H),5.28(d,1H,J=18.0Hz),5.10(d,1H,J=10.2Hz),4.56−4.70(m,2H),4.52(m,1H),4.24(br s,1H),4.00−4.16(m,2H),4.06(s,3H),3.23(hept,1H,J=6.6Hz),2.72−2.82(m,1H),2.45−2.58(m,1H),2.07−2.26(m,1H),1.92−2.06(m,1H),1.76−1.92(m,1H),1.62−1.76(m,2H),1.26−1.50(m,1H),1.41(d,6H,J=6.6Hz),1.12−1.26(m,2H),1.02(m,9H),0.27−0.42(m,2H);LC/MS=794(M++1)。
(実施例65)化合物65の調製
520.9mg(0.573mmol)の化合物64、810mg(4.35mmol)のトシルヒドラジド、および707mg(8.62mmol)の酢酸ナトリウムの混合物を含むジメトキシエタン(10mL)および水(1mL)を、95℃の浴中で1時間撹拌した。反応混合物を、水および少量のNaHCO
3水溶液で希釈した。次いで、この混合物を酢酸エチル(2回)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を50%メタノール水溶液にて0℃で1時間トリチュレートし、形成された固体を濾過によって単離した。固体をジオキサン、アセトニトリル、および水の混合物に溶解し、2〜3滴のトリフルオロ酢酸の添加によって酸性化し、凍結乾燥させて、447mgの化合物65を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.07(d,1H,J=9.0Hz),7.70(s,1H),7.39(d,1H,J=9.0Hz),7.34(s,1H),5.54(s,1H),4.56−4.69(m,2H),4.51(m,1H),4.23(br s,1H),4.00−4.14(m,2H),4.05(s,3H),3.22(hept,1H,J=6.9Hz),2.68−2.80(m,1H),2.40−2.58(m,1H),1.93−2.06(m,1H),1.78−1.93(m,1H),1.58−1.72(m,3H),1.37−1.58(m,1H),1.41(d,6H,J=6.9Hz),1.27−1.37(m,1H),1.10−1.27(m,3H),0.94−1.10(m,12H),0.27−0.42(m,2H);LC/MS=796(M
++1)。
(実施例66)化合物66の調製
工程1:2.721g(8.13mmol)のメチルエーテルを含む100mLのCH
2Cl
2の溶液を、室温で撹拌した。次いで、42mL(42mmol)のBBr
3を含むCH
2Cl
2を添加した。得られた混合物を50℃の浴中で5時間還流し、次いで、さらなる8.4mL(8.4mmol)のBBr
3を含むCH
2Cl
2を添加した。2時間の還流後、さらなる8.4mL(8.4mmol)のBBr
3を含むCH
2Cl
2を添加し、得られた混合物を18時間還流した。得られた混合物を300gの氷に注ぎ、混合物を約18g(約450mmol)のNaOHの添加によって塩基性化した。2相の分離後、水画分を水(100mL)で抽出した。2つの水画分をCH
2Cl
2で洗浄し、合わせ、濃HClを使用して約pH6にした。得られた混合物を氷浴中で1時間撹拌し、濾過した。固体を水で洗浄し、乾燥させた。固体を100mL水にて室温で1時間トリチュレートし、形成された固体を濾過し、水で洗浄後、真空下で乾燥させて2.566g(98%)のビスフェノールを得た。
工程2:2.454g(7.65mmol)のビスフェノールおよび671mg(16.78mmol)の60%NaHの混合物を250mL丸底フラスコに入れ、0℃で40mLのDMFを添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した後、0.80mL(8.51mmol)の2−ブロモエチルメチルエーテルを添加した。得られた混合物を4℃で48時間撹拌し、酢酸エチル(120mL)および5%LiCl水溶液(120mL)で希釈した。混合物を1N HClでpH4〜6に調製し、さらなる酢酸エチル(約1L)で希釈した後、混合物を室温で1時間撹拌した。上部有機画分を、固体を含む下部水画分から分離した。水画分中の固体を酢酸エチル(1L)で溶解し、有機画分を分離した。2つの有機画分を水(1L)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を200mLのCH2Cl2でトリチュレートし、不溶性物質を濾過した。濾液を濃縮し、溶離液としてヘキサン、酢酸エチル、およびメタノールの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、732mgのキノリンを得た。LC/MS=379(M++1)。
工程3:595mg(0.837mmol)のトリペプチド、300mg(0.791mmol)のキノリン、および546mg(1.68mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む4.2mLのN−メチルピロリジンを、を65℃の浴中で16.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)および5%LiCl水溶液(20mL)で希釈した後、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、2相を分離した。水画分を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機画分を水(2回)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、いくらかの夾雑物を含む410mg(61%)のメチルエステルを得た。LC/MS=852(M
++1)。
工程4:410mg(0.48mmol)のエステルおよび115mg(4.81mmol)のLiOHの混合物を含むTHF(2mL)、メタノール(2mL)、および水(2mL)を、室温で4時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をDMFに溶解し、0.45mL(5.84mmol)のトリフルオロ酢酸の添加によって酸性化した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(2回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣をジオキサンに溶解し、凍結乾燥させて、372mgの化合物66を得た。1H
NMR(300MHz,CD3OD):δ8.73(s,1H),8.08(d,1H,J=8.6Hz),7.73(s,1H),7.41(d,1H,J=9.0Hz),7.34(s,1H),5.76−5.94(m,1H),5.56(s,1H),5.28(d,1H,J=16.8Hz),5.10(d,1H,J=10.8Hz),4.57−4.70(m,2H),4.52(m,1H),4.38(br m,2H),4.23(br,1H),4.05−4.16(m,1H),3.86(br m,2H),3.49(s,3H),3.23(hept,1H,J=6.6Hz),2.70−2.82(m,1H),2.46−2.58(m,1H),2.12−2.26(m,1H),1.83−2.07(m,2H),1.62−1.75(m,2H),1.37−1.48(m,2H),1.41(d,6H,J=6.6Hz),1.26−1.37(m,1H),1.19(br,1H),1.02(s,9H),0.27−0.42(m,2H);LC/MS=838(M++1)。
(実施例67)化合物67の調製
工程1:628mg(0.881mmol)の中間体III、317mg(0.837mmol)のキノリン、および632mg(1.94mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む4.4mLのN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(20mL)および5%LiCl水溶液(20mL)で希釈した後、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、2相を分離した。水画分を酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機画分を水(2回)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、504mg(71%)のエステルを得た。LC/MS=854(M
++1)。
工程2:504mg(0.59mmol)のエステルおよび71mg(2.96mmol)のLiOHの混合物を含むTHF(2mL)、メタノール(2mL)、および水(2mL)を、室温で15時間撹拌した。さらなる71mg(2.96mmol)のLiOHを添加し、混合物を室温で6時間撹拌した。溶液を濃縮した後、残渣を酢酸エチルに溶解し、トリフルオロ酢酸の添加によって酸性化した。溶液を水(2回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を50%メタノール水溶液(5mL)中にて0℃で2時間トリチュレートし、濾過した。固体を水で洗浄した後、これらを真空下で乾燥させて535mg(95%)の化合物67を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.09(d,1H,J=8.7Hz),7.74(s,1H),7.42(d,1H,J=8.7Hz),7.37(s,1H),5.57(s,1H),4.48−4.70(m,3H),4.39(m,2H),4.22(m,1H),4.04−4.16(m,1H),3.86(m,2H),3.49(s,3H),3.23(hept,1H,J=6.9Hz),2.69−2.82(m,1H),2.46−2.60(m,1H),1.76−2.08(m,2H),1.27−1.76(m,6H),1.41(d,6H,J=6.9Hz),1.22(m,3H),1.01(s,9H),0.90−1.10(m,3H),0.28−0.42(m,2H);LC/MS=840(M++1)。
(実施例68)化合物68の調製
工程1:2.000g(9.62mmol)の酸を含むメタノール(20mL)およびトルエン(20mL)のスラリーを、8mL(16mmol)の2.0M TMSCHN
2を含むエーテルを滴下しながら0℃で撹拌した。0℃で30分および室温で10分後、30℃未満の浴を使用したロータリーエバポレーターを使用して溶液を濃縮し、残渣を真空下でさらに乾燥させた。残渣を含むメタノール(15mL)に、3.75mL(16.4mmol)の25%ナトリウムメトキシドを含むメタノールを添加し、得られた溶液を70℃の浴中で1時間還流した。溶液を濃縮した後、残渣をシリカゲル上に吸着させ、クロマトグラフィによって精製して、997mgのエステルを得た。LC/MS=174(M
++1)。
工程2:992mgのエステルおよび274mg(11.44mmol)のLiOHを含むTHF(9mL)、メタノール(3mL)、および水(3mL)の溶液を、室温で30分間撹拌した。混合物を、約1/3の体積まで濃縮し、水(25mL)で希釈し、次いで、酢酸エチル(25mL)で抽出した。有機洗浄物を水(1×25mL)で抽出した。水画分を合わせ、1N HCl(15mL)で酸性化し、生成物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して、835mg(92%)の酸を得た。LC/MS=160(M++1)。
工程3:824mgの酸および274mg(5.18mmol)のLiOHを含むピリジン(50mL)の溶液を、約30分間撹拌した。得られた混合物をフリーザー中で2.5時間撹拌し、次いで、2.5mLの水で反応を停止させ、濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび飽和NaHCO3水溶液に溶解した。水画分を水(1×1)で抽出した。水画分を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、495mg(28%)の酸を得た。LC/MS=341(M++1)。
工程4:495mg(1.45mmol)のアミドおよび350mg(3.12mmol)のカリウムtert−ブトキシドの混合物を含むtert−BuOH(7.3mL)を、75℃で7.5時間撹拌した。1.5mL(6mmol)の4N HClを含むジオキサンを添加した後、混合物を濃縮した。残渣を1N NaH2PO4(25mL)にて室温で1時間トリチュレートし、濾過した。固体を水で洗浄し、次いで、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、423mgのキノリンを得た。LC/MS=323(M++1)。
工程5: 302mg(0.424mmol)のトリペプチド、130mg(0.402mmol)のキノリン、および304mg(0.932mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む3mLのN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(15mL)および5%LiCl水溶液(15mL)で希釈した後、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、水および酢酸エチルでのさらなる希釈後に、2相を分離した。有機画分を水(1回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、いくらかの夾雑物を含む199mg(62%)のエステルを得た。LC/MS=798(M
++1)。
工程5:302mg(0.424mmol)の中間体III、130mg(0.402mmol)のキノリン、および304mg(0.932mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む3mLのN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(15mL)および5%LiCl水溶液(15mL)で希釈した後、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、水および酢酸エチルでのさらなる希釈後に、2相を分離した。有機画分を水(1回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を、ヘキサン−酢酸エチルでのコンビフラッシュを使用したクロマトグラフィによって精製して、いくらかの夾雑物を含む199mg(62%)のエステルを得た。LC/MS=798(M++1)。
199mg(0.25mmol)のエステルおよび59mg(2.48mmol)のLiOHの混合物を含むTHF(4mL)、メタノール(2mL)、および水(2mL)を室温で20時間撹拌し、濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、0.3mL(4.04mmol)のトリフルオロ酢酸の添加によって酸性化した。2相の分離後、水画分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した後、残渣を分取HPLCによって精製して、132mgの化合物68を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.48(s,1H),8.08(d,1H,J=9.6Hz),7.86(s,1H),7.63(d,1H,J=9.6Hz),5.76(br,1H),4.76(m,1H),4.60(m,1H),4.45(t,1H),4.31(s,3H),4.17(s,3H),4.15(m,1H),4.03−4.12(m,1H),2.74−2.85(m,1H),2.55−2.67(m,1H),1.86−2.02(m,1H),1.74−1.86(m,1H),1.28−1.74(m,6H),1.12−1.28(m,3H),1.02(m,9H),0.96−1.12(m,3H),0.30−0.44(m,2H);LC/MS=784(M++1)。
(実施例69)化合物69の調製
101mg(0.142mmol)のトリペプチド、44mg(0.136mmol)のキノリン、および104mg(0.320mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む1mLのN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(5mL)および5%LiCl水溶液(5mL)で希釈した後、得られた混合物を、室温で30分間撹拌した。水および酢酸エチルでのさらなる希釈後、2相を分離した。有機画分を水(1回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、いくらかの夾雑物を含む71mgのエステルを得た。LC/MS=796(M
++1)。
71mg(0.090mmol)のエステルおよび21mg(0.881mmol)のLiOHの混合物を含むTHF(2mL)、メタノール(1mL)、および水(1mL)を室温で5時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび水に溶解し、0.1mLのトリフルオロ酢酸の添加によって酸性化した。2相の分離後、水画分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した後、残渣を分取HPLCによって精製して、54mgの化合物69を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.75(s,1H),8.48(s,1H),8.31(d,1H,J=9.6Hz),7.86(s,1H),7.63(d,1H,J=9.0Hz),5.86(m,1H),5.77(br,1H),5.29(d,1H,J=17.1Hz),5.12(d,1H,J=10.8Hz),4.73(m,1H),4.60(m,1H),),4.45(m,1H),4.31(s,3H),4.17(s,3H),4.15(m,1H),4.05−4.13(m,1H),2.74−2.92(m,1H),2.54−2.66(m,1H),2.14−2.27(m,1H),1.87−2.02(m,2H),1.76−1.87(m,1H),1.69−1.76(m,1H),1.63(m,1H),1.42−1.50(m,1H),1.28−1.42(m,1H),1.19(br,1H),1.03(m,9H),0.30−0.44(m,2H);LC/MS=782(M++1)。
(実施例70)化合物70の調製
工程1:7.413g(42.22mmol)のエステルを含むTHF(45mL)の溶液を、1N LiOH(45mL)を30分間にわたって添加しながら、0℃の浴中で撹拌した。添加後、溶液を0℃で2時間撹拌し、13mL(52mmol)の4N HClの添加によって酸性化した。得られた混合物を、減圧下で半分の体積まで濃縮した。濃縮混合物を水で希釈した後、生成物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。抽出物を合わせ、ブライン(50mL×1)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4),濃縮して、5.972(96%)の酸を得た。
工程2:3.345g(18.02mmol)の粗フェノールおよび7.055g(21.65mmol)の炭酸セシウムの混合物を含むDMF(30mL)を、1.9mL(20.22mmol)の2−ブロモエチルメチルエーテルを添加しながら、室温で撹拌した。混合物を65℃で5時間撹拌し、酢酸エチル(500mL)および5%LiCl水溶液(250mL)で希釈した。2層を分離した後、水画分を酢酸エチル(300mL)で抽出し、有機画分を水(300mL)で洗浄し、有機物を合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、3.611g(82%)のアニリンを得た。LC/MS=244(M++1)。
工程3:778mg(5.28mmol)の酸および1.157g(4.75mmol)のアニリンの混合物を含むDMF(30mL)を、1.9mL(5.90mmol)のPOCl3を添加しながら、−25℃の浴中で撹拌した。混合物を−5〜−15℃で3時間撹拌し、次いで、2.5mLおよび5%LiCl水溶液(250mL)を添加した。5分後、混合物を濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、1.131g(64%)のアミドを得た。LC/MS=373(M++1)。
工程4:1.031g(2.76mmol)のアミドを含むTHF(9.5mL)およびシクロプロピルアミン(1.9mL、27.42mmol)の混合物を圧力管に入れ、65℃の浴中で5時間撹拌し、濃縮した。残渣を水と合わせ、混合物を室温で24時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液(50mL)で希釈した。次いで、生成物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機抽出物を合わせ、水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、生成物を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、769mg(71%)のアミンを得た。LC/MS=394(M++1)。
工程5:767mg(1.95mmol)のアミンおよび119mg(2.98mmol)のNaH(鉱物油中の60%分散物)を含むトルエン(11.5mL)の懸濁液を、110℃の浴にて3時間還流後、さらなる41mg(1.03mmol)の60%NaHを添加した。2時間の還流後、さらなる80mg(2.0mmol)の60% NaHを添加し、混合物を1時間還流し、次いで、室温に冷却した。懸濁液に、0.38mL(6.64mmol)の酢酸を含む2.3mLの水溶液を添加し、得られた混合物を0℃の浴中で 30分間撹拌し、濾過した。回収した固体を水で洗浄し、真空下で乾燥させて、612mg(84%)のキノリンを得た。LC/MS=376(M++1)。
工程6:663mg(0.930mmol)のトリペプチドIII、332mg(0.883mmol)のキノリン、および674mg(2.07mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む6.6mLのN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で16時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(15mL)および5%LiCl水溶液(26mL)で希釈した後、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、さらなる5%LiCl水溶液および酢酸エチルを添加し、2相を分離した。水画分を酢酸エチル(1回)で抽出し、2つの有機画分を水(1回)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、359mgのエステル化合物を得た。LC/MS=851(M
++1)。
工程7:359mg(0.423mmol)のエステルおよび200mg(8.35mmol)のLiOHの混合物を含むTHF(5mL)、メタノール(5mL)、および水(5mL)を、室温で16時間撹拌した。トリフルオロ酢酸の添加によって溶液を酸性化した後、混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、回収した生成物をトリフルオロ酢酸で凍結乾燥させて、261mgの化合物70を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.66(s,1H),8.27(d,1H,J=9.7Hz),7.70(s,1H),7.64(d,1H,J=9.7Hz),5.68(s,1H),4.35−4.78(m,4H),4.02−4.20(m,2H),3.87(br,2H),3.47(s,3H),2.4−2.9(m,2H),1.89−2.04(m,1H),1.77−1.89(m,1H),1.28−1.77(m,4H),1.23(m,3H),0.94−1.11(m,12H),0.85−0.94(m,2H),0.70(br,2H),0.28−0.44(m,2H);LC/MS=837(M++1)。
(実施例71)化合物71の調製
557mg(0.784mmol)のトリペプチド、279mg(0.741mmol)のキノリン、および563mg(1.73mmol)の炭酸セシウムの混合物を含む5.6mLのN−メチルピロリジンを、65℃の浴中で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(5mL)および5%LiCl水溶液(20mL)で希釈した。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、5%LiCl水溶液(30mL)および酢酸エチル(50mL)でのさらなる希釈後に2相を分離した。水画分を酢酸エチル(1回)で抽出し、2つの有機画分を水(1回)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、288mg(46%)のエステルを得た。LC/MS=849(M
++1)。
288mg(0.339mmol)のエステルおよび41mg(1.71mmol)のLiOHの混合物を含むTHF(4mL)、メタノール(4mL)、および水(4mL)を、室温で16時間撹拌した。トリフルオロ酢酸の添加によって溶液を酸性化した後、混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、回収した生成物をトリフルオロ酢酸で凍結乾燥させて、238mgの化合物71を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.58(s,1H),8.24(d,1H,J=8.7Hz),7.64(s,1H),7.60(d,1H,J=8.7Hz),5.77−5.96(m,1H),5.66(s,1H),5.29(d,1H,J=17.4Hz),5.11(d,1H,J=9.9Hz),4.71(m,1H),4.42−4.62(m,3H),4.04−4.20(m,2H),3.87(br,2H),3.47(s,3H),2.54−2.88(m,2H),2.10−2.30(m,1H),1.55−2.06(m,5H),1.27−1.50(m,3H),1.21(m,3H),1.03(m,9H),0.80−0.93(m,2H),0.69(br,2H),0.30−0.44(m,2H);LC/MS=835(M++1)。
(実施例72)化合物72の調製
工程1:2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オールを、Cottleら、J.Chem.Soc.1946,289由来の修正手順にしたがって、2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オールから調製した。−5℃(外部温度、NaCl/氷浴)の2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オール(250mL、2.61mol、1.76当量)の水溶液(400mL)に、エチレンオキシド(65.25g、1.48mol、−78℃で濃縮)を添加した。溶液を16時間にわたって撹拌し、その間に温度を室温に加温した。真空下でH
2Oを除去し、残存する2−アミノ−2−メチル−プロパン−1−オールを蒸留した。粗残渣をボイルしたEtOAcに溶解し、ヘキサンの添加によって沈殿させて、無色結晶として2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オールを得た(145.5g、74%)。LC/MS実測値134.03(M
++H,C
6H
16NO
2=134.12)。
工程2:3,3−ジメチルモルホリンを、Cottleら、J.Chem.Soc.1946,289由来の修正手順にしたがって、2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オールから調製した。3℃(内部温度、氷浴)のH2SO4(110mL、2.06mol、1.85当量)に、2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール(145.5g、1.09mol)を少しずつゆっくり添加した。反応物の内部温度が70℃に上昇した。得られた溶液を、185℃(内部温度、油浴)に2時間加熱し、その間に溶液が褐色になる。室温への冷却の際、H2O(250mL)を添加し、その後、溶液のpHが塩基性になるまで固体NaOHをゆっくり添加した。溶液をEtOAc(500mL)で希釈し、二相混合物を15時間強く撹拌した。次いで、溶液をセライトで濾過し、H2OおよびEtOAcで洗浄した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。水層をEtOAcで2回逆抽出した。得られた有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した(圧力>80torr)。粗生成物を蒸留して(76℃、98torr)、無色オイルとして3,3−ジメチルモルホリンを得た(46.0g、36%)。LC/MS実測値116.04(M++H,C6H14NO=116.11)。
工程3:−78℃(外部温度、アセトン/CO2(s))の3,3−ジメチルモルホリン(12.15g、106mmol)を含むMeOH(17mL)を含む圧力容器中に、エチレンオキシド(6.2mL、125mmol、1.2当量、−78℃で濃縮)を添加した。溶液を密封し、20時間にわたって撹拌し、その間に温度を室温に加温した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物を蒸留して(75℃、0.5torr)、約15%の3,3−ジメチル−モルホリンが夾雑する無色オイルとして2−(3,3−ジメチル−モルホリン−4−イル)−エタノール(14g、82%)を得た。LC/MS実測値160.10(M++H,C8H18NO2=160.13)。
工程4:2−(3,3−ジメチル−モルホリン−4−イル)−エタノール(7.2g、45mmol)およびCBr4(16.4g、49mmol、1.1当量)を含むTHF(150mL)の溶液に、PPh3(12.9g、49mmol、1.1当量)を含むTHF(75mL)の溶液を滴下した。得られたスラリーを室温で19時間撹拌し、その時点でスラリーをヘキサンで希釈し、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、得られたオイルをCH2Cl2で希釈した。次いで、溶液をNaHCO3(水性、飽和)およびブラインで2回洗浄した。水層をCH2Cl2で逆抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を蒸留して(65℃、0.5torr)黄色オイルとして4−(2−ブロモ−エチル)−3,3−ジメチル−モルホリン(5.4g、54%)を得た。1H NMR(CDCl3,400MHz)δ3.69(t,2H),3.28(s,2H),3.28(t,2H),2.70(t,2H),2.58(t,2H),0.99(s,6H);LC/MS実測値222.02(M++H,C8H17BrNO=222.05)。
工程5:トリペプチド中間体(504mg、0.63mmol)を含むDMF(6mL)の溶液に、4−(2−ブロモ−エチル)−3,3−ジメチル−モルホリン(165mg、0.74mmol、1.2当量)およびCs
2CO
3(520mg、1.59mmol、2.5当量)を添加した。スラリーを50℃(外部温度、油浴)に45分間加熱した。HPLCによって反応が完了したと判断されるまで、さらなる4−(2−ブロモ−エチル)−3,3−ジメチル−モルホリン(410mg、1.84mmol、3当量)を少しずつ添加した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄した。水層をEtOAcで逆抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をTHF(4mL)およびMeOH(1.2mL)の混合物に溶解し、これにLiOH(1N(水性)、3.2mL、5当量)を添加した。スラリーを室温で12時間撹拌し、その時点でHCl(1N、3.2mL)を添加し、溶液を真空下で濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(30〜95% MeCN/H
2O/0.1% TFA)によって精製して、黄色粉末として化合物72を得た(498mg、85%)。
1H NMR(d
3−MeOD,400MHz,回転異性体の4:1混合物)主な回転異性体):δ8.70(s,1H),8.43(s,1H),8.26(d,1H),7.50(s,1H),7.52(d,1H),5.86(dt,1H),5.59(s,1H),5.28(dd,1H),5.10(dd,1H),4.69(m,3H),4.48(d,1H),3.95−4.21(m,4H),3.75(m,3H),2.67(m,3H),2.17(m,1H),2.04(m,1H),1.94(m,1H),1.84(m,1H),1.65−1.73(m,2H),1.53(s,6H),1.43−1.53(m,2H),1.40(m,1H)1.35(s,3H),1.33(s,3H),1.21−1.27(m,2H),1.06(m,2H),1.04(s,9H),0.39(m,2H);LC/MS実測値920.15(M
++H,C
47H
63ClN
7O
10=920.43)。
(実施例73)化合物73の調製
化合物72(164mg、0.18mmol)を含むDME(3.6mL)およびH
2O(0.4mL)の溶液に、p−トルエンスルホニルヒドラジド(251mg、1.35mmol、7.5当量)およびNaOAc(221mg、2.69mmol、15当量)を添加した。反応混合物を、95℃(外部温度、油浴)に1.25時間加熱した。溶液を室温に冷却し、MeOHで希釈し、濾過した。濾液を逆相HPLC(20〜65% MeCN/H
2O/0.1% TFA)によって精製して、黄色粉末として化合物73を得た(35mg、21%)。
1H NMR(d
3−MeOD,400MHz,回転異性体の4:1混合物)主な回転異性体:δ8.59回転異性体(s,1H),8.43(s,1H),8.25(d,1H),7.53(s,1H),7.50(d,1H),5.59(s,1H),4.66(m,3H),4.47(d,1H),3.95−4.21(m,4H),3.75(m,4H),2.67(m,4H),2.22(m,2H),2.01(m,1H),1.91(m,1H),1.65−1.73(m,4H),1.53(s,6H),1.43−1.53(m,4H),1.35(s,3H),1.33(s,3H),1.21−1.27(m,3H),1.04(s,9H),0.39(m,2H);LC/MS実測値922.15(M
++H,C
47H
65ClN
7O
10=922.45)。
(実施例74)化合物74の調製
工程1:オーバーヘッドスターラーおよび還流冷却器を取り付けた三つ口フラスコに、マロン酸(25.4g、244mmol)およびm−アニシジン(27mL、244mmol)を添加した。次いで、オキシ塩化リン(33.5mL、366mmol)を少しずつ添加した。気体発生の終了後、スラリーを95℃にゆっくり加熱し、30分間撹拌した。次いで、得られたフォームを室温に冷却し、オキシ塩化リン(100mL、732mmol)を添加した。混合物を120℃に加熱し、3時間撹拌した。氷浴中で冷却後、氷水をゆっくり添加して残存するオキシ塩化リンの反応を停止させ、その後、溶液がpH8に到達するまで5N NaOHを添加した。次いで、混合物を酢酸エチルで希釈し、有機層を回収した。次いで、有機相を水およびブラインで洗浄した。硫酸ナトリウムでの乾燥および濃縮後、粗残渣をシリカ(CH
2Cl
2)でのカラムクロマトグラフィによって精製して、ジクロリドを得た。
工程2:ジクロリドを硫酸(150mL)に溶解し、160℃の油浴中で2時間加熱した。室温への冷却後、混合物を氷水に注いだ。懸濁液を酢酸エチルで希釈し、次いで、有機相を水でおよび飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、フェノール(2工程で18.4g、35%)を得た。
工程3:フェノール(2.13g、9.95mmol)を含む1−メチル2−ピロリジノン(5mL)にピラゾール(1.37g、10.9mmol)を添加し、混合物を115℃に一晩加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、所望の生成物(2.92g、97%)を得た。
工程4:上記で得たフェノール(2.92g、9.68mmol)、4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(2.16g、11.6mmol)、Cs2CO3(6.94g、21.3mmol)、およびNaI(200mg、1.33mmol)の溶液を、65℃に一晩加熱した。室温への冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、次いで、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、HPLCによって精製して、キノリン中間体(1.54g、38%)を得た。
工程5:トリペプチド(500mg、1.04mmol)を無水DMSO(10mL)に溶解し、次いで、固体KOtBu(350mg、3.12mmol)で処理した。室温で1時間の撹拌後、キノリン中間体(380mg、1.97mmol)を添加し、反応物を一晩撹拌した。次いで、酢酸(700μL)で反応を停止させ、HPLCによって精製して、化合物74(161mg、18%)を得た。
1H NMR(CD
3OD,300MHz)δ8.57(s,1H),8.11(d,1H),7.53(s,1H),7.31(s,1H),7.18(dd,1H),6.17(d,1H),5.56(m,1H),,4.71(t,1H),4.64(t,1H),4.59−4.55(m,2H),4.50(d,1H),4.17(s,1H),4.10−3.78(m,6H),3.75−3.71(m,2H),3.64−3.28(m,4H),2.72−2.53(m,2H),2.05−1.88(m,2H),1.73−1.61(m,3H),1.50(dd,1H),2.53(dd,1H),1.38−1.02(m,5H),1.29(s,3H),1.37(s,3H),1.02(s,9H),0.40−0.37(m,2H);C
45H
63N
8O
9について計算したLRMS[M+H]
+:859.5,実測値859.2。
(実施例75)化合物75の調製
トリペプチド(450mg、0.94mmol)を無水DMSO(10mL)に溶解し、固体KOtBu(582mg、5.18mmol)で処理した。室温で1時間後、キノリン(437mg、1.04mmol)を添加し、反応物を一晩撹拌した。酢酸(400μL)で反応を停止させ、次いで、HPLCによって精製して、化合物75(632mg、80%)を得た。
1H NMR(CD
3OD,400MHz)δ8.68(s,1H),8.58(d,1H),8.12(d,1H),7.56(d,1H),7.31(s,1H),7.19(dd,1H),6.19(d,1H),5.86−5.79(m,1H),5.57(m,1H),5.26(dd,1H),5.09(dd,1H),4.70(t,1H),4.64(t,1H),4.59−4.56(m,2H),4.51(d,1H),4.21(s,1H),4.13−3.84(m,6H),3.75−3.73(m,2H),3.30−3.65(m,4H),2.74−2.68(m,1H),2.58−2.51(m,1H),2.22−2.16(m,1H),2.05−1.98(m,1H),1.94−1.89(m,1H),1.73−1.64(m,2H),1.52(d,1H),1.44(dd,1H),1.29(s,3H),1.27(s,3H),1.26−1.18(m,2H),1.03(s,9H),0.40−0.37(m,2H);C
45H
61N
8O
9について計算したLRMS[M+H]
+:857.5,実測値857.2。
(実施例76)化合物76の調製
1−{[1−[2−(ビシクロ[3.1.0]ヘクス−3−イルオキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチル−ブチリル]−4−(4−ブロモ−ベンゼンスルホニルオキシ)−ピロリジン−2−カルボニル]−アミノ}−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(100mg、0.14mmol)、2−(5−イソプロピルアミノ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−7−メトキシ−キノリン−4−オール(62mg、0.18mmol)、および炭酸セシウム(60mg、0.18mmol)の混合物を含むNMP(1mL)を、65℃で3時間撹拌した。混合物をTFA(0.16mL)で中和し、HPLCによって精製してエステルを得た。これをメタノール(10mL)、THF(15mL)、および水酸化リチウム水溶液(120mg/3mL)に溶解した。混合物を45℃で1時間撹拌し、濃縮して揮発性溶媒を除去し、1N HClで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を濃縮し、HPLCによって精製して、化合物76(5.5mg、5%)を得た。LC/MS=810.5(M
++1)。
(実施例77)化合物77の調製
工程1:1H−ピラゾール−3−イルアミン(8.3g、100mmol)、アセトン(7.4mL、100mmol)、および酢酸(12mL、200mmol)の混合物を含むTHF(280mL)に、氷水浴で冷却しながら、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(27g、120mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、50℃で3時間撹拌した。室温への冷却後、10N NaOH(40mL)を滴下し、1時間穏やかに撹拌した。デカンテーションによって透明な溶液を単離した。ゴム状残渣をTHF(2×50mL)で洗浄した。全THF溶液を合わせ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc)によって精製して、無色オイルとしてイソプロピル−(1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(8.5g、68%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl
3):δ7.34(d,1H),5.62(d,1H),3.58(m,1H),1.22(d,6H)。
工程2:2,4−ジクロロ−7−メトキシ−キノリン(1.34g、5.88mmol)およびイソプロピル−(1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(1.10g、8.80mmol)の混合物を、封管中で撹拌しながら、115℃で3時間加熱した。約20分の加熱後、管内の上昇した圧力を、ニードルの使用によって放出した。次いで、混合物をジクロロメタンに溶解し、シリカゲルカラムにロードした。ジクロロメタンおよびメタノールでの溶離により、[1−(4−クロロ−7−メトキシ−キノリン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−イソプロピル−アミン(1.53g、82%)を得た。LC/MS=317.2(M++1)。
工程3:[1−(4−クロロ−7−メトキシ−キノリン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−イソプロピル−アミン(0.52g、1.6mmol)および酢酸ナトリウム一水和物(1.0g)の混合物を含む酢酸(5mL)を、130℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで、酢酸エチル(50mL)と水(50mL)との間で分配した。有機層を真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、[1−(4−ヒドロキシ−7−メトキシ−キノリン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−イソプロピル−アミン(0.09g、19%)を得た。LC/MS=299.1(M++1)。
工程4:トリペプチド(420mg、0.59mmol)、[1−(4−ヒドロキシ−7−メトキシ−キノリン−2−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]−イソプロピル−アミン(174mg、0.58mmol)、および炭酸セシウム(0.22mg、0.68mmol)の混合物を含むNMP(2mL)を、65℃で16時間撹拌した。この混合物に、LiOH水和物(400mg)の水溶液(3mL)を添加した。40℃で撹拌しながら、混合物がほぼ均一になるまでメタノールを添加し、次いで、2時間撹拌した。揮発性溶媒の除去後、混合物を酢酸エチルと3%LiCl水溶液との間で分配した。水溶液を1N HClで中和後、有機層を取り出した。水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を合わせ、濃縮した。残渣をHPLCによって精製して、TFA塩として化合物77を得た(260mg、51%)。
IH NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.60(d,J=3.0Hz,1H),8.07(d,J=9.0Hz,1H),7.62(s,1H),7.29(s,1H),7.17(d,J=9.3Hz,1H),6.26(d,J=2.7Hz,1H),5.85(m,1H),5.63(brs,1H),5.28(d,J=16.2Hz,1H),5.11(d,J=10.5Hz,1H),4.69(t,1H),4.56(m,1H),4.16(m,1H),3.99(s,3H),2.74(m,1H),2.55(m,1H),2.21(q,1H),1.98(m,1H),1.84(m,1H),1.70(m,2H),1.44(m,2H),1.31(d,6H),1.21(m,2H),1.04(s,9H),0.98(m,2H),0.34(m,2H)。LC/MS=758.5(M
++1)。
(実施例78)化合物78の調製
中間体IIIの使用を除いて化合物77の調製手順に類似の手順にしたがって、化合物78を得た。
IH NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.65(s,1H,交換可能),8.61(d,J=2.7Hz,1H),8.09(d,J=9.0Hz,1H),7.62(s,1H),7.30(s,1H),7.17(d,J=9.6Hz,1H),6.25(d,J=2.7Hz,1H),5.63(brs,1H),4.69(t,1H),4.55(m,2H),4.18(m,1H),4.05(m,2H),4.00(s,3H),2.74(m,1H),2.55(m,1H),1.95(m,1H),1.82(m,1H),1.65(m,2H),1.41(m,4H),1.30(d,6H),1.22(m,4H),1.02(s,9H),0.98(m,2H),0.35(m,2H)。LC/MS=760.5(M
++1)。
(実施例79)化合物79の調製
化合物79を、上記の手順に従うことによって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.68(s,1H,交換可能),8.62(d,J=3.0Hz,1H),8.07(d,J=9.0Hz,1H),7.62(s,1H),7.29(s,1H),7.19(d,J=8.7Hz,1H),6.26(d,J=2.7Hz,1H),5.62(brs,1H),4.69(t,1H),4.54(m,2H),4.30(m,2H),4.17(s,1H),4.03(m,2H),3.84(m,2H),3.46(s,3H),2.74(m,1H),2.55(m,1H),1.96(m,1H),1.84(m,1H),1.68(m,3H),1.52(t,1H),1.42(m,2H),1.30(d,6H),1.22(m,4H),1.02(s,9H),0.98(m,2H),0.35(m,2H)。LC/MS=804.7(M
++1)。
(実施例80)化合物80の調製
工程1:トリペプチド(830mg、1.2mmol)、2−(3−イソプロピルアミノ−ピラゾール−1−イル)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キノリン−4−オール(410mg、1.2mmol)、および炭酸セシウム(440mg、1.35mmol)の混合物を含むNMP(4mL)を、65℃で16時間撹拌した。混合物を、酢酸エチル(30mL)と3%LiCl(30mL)との間で分配した。水層を、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせ、濃縮した。
工程2:上記のように形成された粗カップリング生成物を、ジクロロメタン(20mL)に溶解し、4N HClを含むジオキサン(20mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、乾燥するまで濃縮した。残渣を、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウムとの間で分配した。この二相性溶液に、穏やかに撹拌しながら中間体I(344mg、1.4mmol)を含む酢酸エチル(3mL)の溶液を滴下した。酢酸エチル層を取り、濃縮した。
工程3:次いで、得られた残渣をTHF(20mL)、MeOH(20mL)、およびLiOH一水和物(1.0g)を含む水(10mL)に再溶解し、45℃で1時間撹拌した。揮発性溶媒の除去後、溶液を1N HClで約pH5に中和し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機抽出物を濃縮し、HPLCによって精製して、所望の画分の凍結乾燥後に淡黄色固体として化合物80(TFA塩として632mg、57%)を得た。1H
NMR(300MHz,CD3OD):δ8.75(s,1H,交換可能),8.57(d,J=2.7Hz,1H),8.05(d,J=9.3Hz,1H),7.55(s,1H),7.25(s,1H),7.16(d,J=9.0Hz,1H),6.24(d,J=2.7Hz,1H),5.86(m,1H),5.58(brs,1H),5.28(d,J=15.9Hz,1H),5.11(d,J=10.5Hz,1H),4.71(t,1H),4.54(m,2H),4.28(m,2H),4.18(s,1H),4.03(m,2H),3.83(m,2H),3.46(s,3H),2.74(m,1H),2.55(m,1H),2.20(m,1H),1.96(m,1H),1.84(m,1H),1.68(m,2H),1.42(m,2H),1.30(d,6H),1.22(m,1H),1.02(s,9H),0.98(m,2H),0.36(m,2H)。LC/MS=802.7(M++1)。
(実施例81)化合物81の調製
工程1:ブロシラートメチルエステル(1.41g、1.95mmol)および炭酸セシウム(1.90g、5.82mmol)の混合物を含むNMP(6.5mL)に、酢酸(0.35mL、5.82mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で30分間撹拌し、次いで、65℃で16時間撹拌した。混合物を、酢酸エチル(40mL)と3%LiCl水溶液(40mL)との間で分配した。酢酸エチル層を乾燥するまで濃縮し、メタノール(20mL)およびTHF(20mL)に再溶解した。水酸化リチウム水溶液(1.0g/10mL)を添加し、室温で16時間撹拌した。さらなる水酸化リチウム溶液(0.5g/5mL)を添加し、45℃で2時間撹拌した。揮発性溶媒の除去後、酢酸エチル(40mL)を添加した。水層を6N HClで約pH2に中和した。次いで、酢酸エチル層をブラインで洗浄し、乾燥するまで濃縮して、無色固体としてアルコールを得た(920mg、96%)。LC/MS=490.3(M
−−1)。
工程2:アルコール(420mg、0.85mmol)を含むDMSO(10mL)の溶液に、1.0Mカリウムt−ブトキシドを含むTHFを添加し、室温で30分間撹拌した。{1−[4−クロロ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン−2−イル]−1H−ピラゾール−3−イル}−イソプロピル−アミン(440mg、1.06mmol)を含むTHF(2mL)の溶液を添加した。次いで、混合物を室温で16時間撹拌し、酢酸で中和し、濃縮して揮発性溶媒を除去した。残渣をHPLCに供して、凍結乾燥の際に帯黄色固体として化合物81を得た(TFA塩として340mg、35%)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.62(d,J=2.7Hz,1H),8.17(d,J=9.3Hz,1H),7.62(s,1H),7.33(s,1H),7.23(d,J=9.3Hz,1H),6.25(d,J=2.4Hz,1H),5.62(brs,1H),4.75(m,2H),4.67(s,1H),4.59(m,2H),4.33(d,J=6.6Hz,1H),3.8−4.1(m,6H),3.75(m,2H),3.49(brs,4H)2.68(m,2H),1.1−2.1(m,28H,イソプロピルMeについての1.30ppmにJ=6.3Hzのダブレットを含む),0.39(m,2H)。LC/MS=871.6(M
++1)。
(実施例82)化合物82の調製
工程1:アミド(18.8g、0.078mmol)をEtOH(75mL)に溶解した。この溶液に、12N HCl(水溶液)を添加した。次いで、反応混合物を115℃の予熱浴中に入れ、5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、次いで、氷浴でさらに冷却した。形成された小さな針状結晶を真空濾過によって単離し、Et
2Oで洗浄し、高真空下に16時間おいた。塩酸塩の収量は10.1g(67%)であった。LC/MS=158.3(M
++1)。
工程2:アミン(10.1g、0.052mol)を、1MのBBr
3を含むCH
2Cl
2(163mL、0.163mol)の溶液に溶解した。これにより、大量に発煙およびガス放出が生じた。反応物を40℃の予熱浴中に入れた。反応物のN
2ラインを、CaSO
4を充填した乾燥管と交換した。反応物を8時間加熱し、次いで、室温で一晩撹拌した。翌日、LC/MSによって判断したところ、反応は完了していた。反応物を氷浴に入れ、MeOHを非常にゆっくり添加し、大量のHBrガスが形成された。反応物は、最終的に、白色懸濁液が形成されるにつれて非常に高粘度になった。全てが溶液になるまで、さらなるMeOHをこの懸濁液に添加した。次いで、これを白色シロップになるまで濃縮した。これをdH
2Oに溶解し、この溶液をEtOAc(2回)で抽出した。純粋なフェノールを含んでいたので、これらの洗浄物を確保した。次いで、水層を固体NaHCO
3でpH7にし、さらなるEtOAc(2回)で抽出した。これらの有機洗浄物を合わせ、ブラインで抽出し、Na
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。フェノールを、EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによってこの残渣から単離した。この物質を純粋なフェノールを含む元のEtOAc抽出物と合わせて、7.07g(95%)のわずかにオフホワイトの固体を得た。LC/MS=144.3(M
++1)。
工程3:フェノール(3.5g、0.024mol)およびCs
2CO
3(9.4g、0.029mol)を充填したフラスコに、DMF(120mL)を添加し、次いで、MeOEtBr(2.52mL、0.027mol)を添加した。次いで、この混合物を65℃の予熱浴中に入れた。反応物を4.25時間撹拌し、さらなるMeOEtBr(200μL、0.0021mol)を添加した。さらなる1時間の撹拌後、反応物を室温に冷却した。反応物をEtOAcと5%LiCl(水溶液)との間で分配した。形成された固体を、混合物へのdH
2Oの添加によって溶解した。層を分離し、有機層をさらなる5%LiCl(水溶液)(2回)およびブライン(1回)で洗浄した。次いで、有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって、フェノール性エーテルを無色液体として残渣から単離した(4.7g、98%)。LC/MS=202.2(M
++1)。
工程4:アニリン(4.7g、0.023mol)をCH
2Cl
2(125mL)に溶解した。この溶液に、1,1’−チオカルボニルジ−2(1H)−ピリドン(5.58g、0.023mol)を一度に添加した。反応物を室温で2時間撹拌させた。次いで、反応物を濃縮して、溶液から白色固体が沈殿した。全てをCH
2Cl
2に再溶解し、EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって、白色固体としてイソチオシアナートを単離した(5.36g、96%)。
1H NMR(400MHz,(CD
3)
2SO):δ7.35(t,J=8Hz,1H),7.19(dd,J=8.8,4.6Hz,1H),7.14(dd,J=8,1.6Hz,1H),4.22(m,2H),3.69(m,2H),3.32(s,3H)。
工程5:氷浴中で冷却したNaHのスラリー(鉱物油の60%分散物)(1.06g、0.026mol)を含むTHF(120mL)に、マロン酸ジエチル(3.34mL、0.022mol)を滴下した。次いで、氷浴を除去し、反応物を室温で1.5時間撹拌した。次いで、反応物を氷浴中で冷却し、イソチオシアナート(5.36g、0.022mol)を含むTHF(80mL)溶液を、ゆっくりとした一連の流れで添加した。イソチオシアナートおよびTHFの溶液が作製されたフラスコを、さらなるTHF(20mL)でリンスし、これも反応物に添加した。次いで、冷浴を除去し、反応物を3時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮し、得られた黄色フォームを高真空下に一晩おいた。
上記合成生成物を含むDMF(100mL)の溶液を−45℃に冷却した。ヨウ化エチル(2.13mL、0.026mol)を、反応物にゆっくり滴下した。反応物を−45℃の浴中で2時間撹拌し、次いで、加温したままにし、一晩撹拌した。反応物をdH2Oで希釈することによって不透明になり、これは白色沈殿を含んでいた。次いで、反応を停止させた反応物をEt2Oおよびヘキサンの1:1混合物で抽出し、その後にEt2Oで抽出し、次いで、EtOAcで抽出した。EtOAc抽出物を合わせ、5%LiCl水溶液(2回)で逆抽出した。有機物を合わせ、ブラインで抽出し、次いで、Na2SO4で乾燥させた。次いで、乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによってワックス状結晶性固体としてこの残渣からS−アルキル化化合物およびN−アルキル化化合物の混合物を単離した(9.11g、96%)。LC/MS(RT=3.95)=432.2(M++1);LC/MS(RT=4.02)=432.0(M++1)。
工程6:S−アルキル化化合物およびN−アルキル化化合物(9.1g、0.021mol)の混合物をPh
2O(80mL)に溶解した。この溶液を320℃の予熱砂浴中に入れた。内部温度220℃で17分後、TLC分析によって反応が完了していると判断された。反応物を室温に冷却し、シリカゲルカラムへの反応物の直接ローディングによってキノリンを単離した。100%ヘキサンの溶離液を使用して、Ph
2Oを溶離した。次いで、溶離液中のEtOAcの比率を35%にすることによってキノリンをカラムから溶離した。キノリンを白色結晶固体として単離した(6.8g、84%)。LC/MS=386.2(M
++1)。
工程7:キノリン(6.8g、0.0176mol)をTHF(40mL)と混合した。次いで、MeOHを添加し(40mL)、次いで、1N NaOH(水溶液)(88mL、0.088mol)を一度に添加した。全てが溶液になり、反応物を加熱した。次いで、反応物を85℃の予熱浴中に入れ、19.5時間撹拌し、LC/MSによってチェックした。完全に反応しなかったので、さらなるNaOH(1.2gを含む20mLのdH
2O)を添加し、反応物を撹拌し続けた。さらに4時間後、還流冷却器を除去し、反応物中のいくらかの有機溶媒の蒸発によって反応物を濃縮した。次いで、還流冷却器を反応フラスコに戻し、さらに10時間加熱し続けた。反応物を室温に冷却させ、一晩撹拌した。この時点で、LC/MSによって判断したところ、完全に反応していた。反応物を氷浴に入れ、4N HClでpH4にした。これによって反応停止した反応物が沈殿を伴って粘度が高くなった。これをCH
2Cl
2で抽出した。有機相を濃縮し、残渣をMeOHに懸濁した。真空濾過によって白色固体を単離して、鮮白色固体としてカルボン酸を得た(3.84g、61%)。LC/MS=358.1(M
++1)。
工程8:カルボン酸(3.84g、0.0107mol)をPh
2O(32mL)に懸濁した。この混合物を、310℃の予熱砂浴中に入れた。内部温度が150℃に到達した時、カルボン酸は溶液になった。反応物を内部温度250℃に15分間保持し、次いで、室温に冷却した。冷却の際に、溶液から固体が沈殿した。これらの固体を真空濾過によって単離し、濾過ケーキをヘキサンで洗浄して、淡黄色固体として脱カルボキシル化キノリンを得た(3.19g、94%)。LC/MS=314.2(M
++1)。
工程9:脱カルボキシル化キノリン(2.59g、0.0083mol)をDMF(28mL)に溶解した。この溶液に、Cs
2CO
3(8.1g、0.0249mol)を添加し、3分後にPMBCl(1.69mL、0.01245mol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。LC/MSによって反応は完了したと判断された。5%LiCl(水溶液)およびEtOAcの添加によって反応を停止させた。水層をdH
2Oで希釈し、層を分離した。有機層をdH
2O(1回)、5%LiCl(水溶液)(3回)、およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相を、Na
2SO
4およびMgSO
4の混合物で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって残渣からPMB保護キノリンを単離した(2.04g、56%)。LC/MS=434.1(M
++1)。
工程10:PMB保護キノリン(2.0g、0.00461mol)をCH
2Cl
2(46mL)に溶解した。この溶液に、mCPBA(4.59g、0.00922mol)を一度に添加した。反応をLC/MSによってモニタリングした。さらなるmCPBA(700mg)を30分後および3時間後(180mg)に反応物に添加した。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。3.5時間後、反応物をCH
2Cl
2で希釈し、飽和NaHSO
3(水溶液)を反応物に添加した。全固体がこれら2つの層に溶解した。層を分離し、有機層を、飽和NaHSO
3(水溶液)(1回)および2N NaOH(2回)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮して、結晶性白色固体としてスルホンを得た(2.19g、100%)。LC/MS=466.1(M
++1)、488.2((M
++23)。
工程11:スルホン(600mg、0.00129mol)を含むフラスコに、iPr−アミノピラゾール(1.6g、0.01288mol)を添加した。反応フラスコを115℃の予熱油浴中に入れた。反応物を24時間撹拌し、次いで、室温に冷却した。反応物をdH
2OとEtOAcとの間で分配した。有機相を、dH
2O(1回)、ブライン(1回)で抽出し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、キノリン生成物を、最初にEtOAcおよびヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィによって大部分の夾雑物を除去し、次いで、カラムをMeOHおよびCH
2Cl
2の混合物でフラッシングして依然として不純な生成物を回収することによって半精製した。逆相HPLCによって精製を終了して、黄色固体として生成物キノリンを得た(250mg、51%)。LC/MS=377.1(M
++1)。
工程12:丸底フラスコに、キノリン(236mg、0.626mmol)、中間体III(446mg、0.626mmol)、およびCs
2CO
3(358mg、1.10mmol)を充填した。NMP(3.2mL)を添加し、反応フラスコを65℃の油浴に入れた。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。5.5時間後、それ以上反応は進行しなかった。反応物を室温に冷却し、EtOAcとdH
2Oとの間で分配した。層を分離し、次いで、有機相をdH
2O(1回)、5%LiCl(水溶液)(3回)、およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相を、Na
2SO
4およびMgSO
4の混合物で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって白色固体としてカップリング生成物を単離した(465mg、87%)。LC/MS=852.1(M
++1)。
工程13:メチルエステル(465mg、0.542mmol)を、THF(2.7mL)およびMeOH(1.8mL)に溶解した。個別のフラスコ中に、LiOH(114mg、2.71mmol)を含むdH
2O(900μL)の溶液を調製し、室温で第1のフラスコに添加した。次いで、反応フラスコを32℃の油浴中に入れた。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。6時間後、反応物を室温に冷却した。反応物を2N
HClで中和し、MeOHで明澄化した。混合物をフリーザー中で一晩保存した。化合物82を逆相HPLCによって混合物から単離し、次いで、凍結乾燥させて、黄色粉末(434mg、86%)を得た。LC/MS=839.0(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3CN):δ8.65(d,J=2.8Hz,1H),8.61(s,1H),8.01(d,J=9.2Hz,1H),7.31(d,J=9.2Hz,1H),7.31(s,1H),6.21(d,J=2.8Hz,1H),5.50(s,1H),4.67(t,J=8Hz,1H),4.58(t,J=6.8Hz,1H),4.49(d,J=11.6Hz,1H),4.37(t,J=4.4Hz,2H),4.20(s,1H),4.05(d,J=9.2Hz,1H),3.86(m,1H),3.85(t,J=4.4Hz,1H),3.48(s,3H),2.70(dd,J=13.6,8Hz,1H),2.56(m,1H),2.00(m,1H),1.88(m,1H),1.67(m,3H),1.51(五重線,J=8Hz,1H),1.39(m,2H),1.32(d,J=6.8Hz,6H),1.22(dd,J=9.2,4.4Hz,2H),1.18(m,1H),1.01(m,12H),0.38(m,1H),0.33(m,1H)。
(実施例83)化合物83の調製
工程1:丸底フラスコに、キノリン(288mg、0.918mmol)、中間体III(654mg、0.917mmol)、およびCs
2CO
3(523mg、1.61mmol)を充填した。次いで、この混合物をNMPに懸濁した。次いで、反応物を65℃の浴中に入れ、7.5時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、dH
2OとEtOAcとの間で分配した。次いで、有機層を、dH
2O(1回)、5%LiCl(水溶液)(3回)、およびブライン(1回)で抽出した。次いで、有機相を、Na
2SO
4およびMgSO
4の混合物で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮した。EtOAcおよびヘキサンの混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィによって白色固体として残渣からカップリング生成物を単離した(590mg、82%)。LC/MS=787.7(M
++1)。
工程2:メチルエステル(590mg、0.749mmol)を、THF(3.75mL)およびMeOH(2.5mL)に溶解した。この溶液を氷浴中で冷却し、次いで、LiOH(157mg、3.74mmol)を含むdH
2O(3.75mL)の溶液を滴下した。次いで、氷浴を除去し、反応物を室温で4時間撹拌した。反応物を氷浴中で再度冷却し、1N HClを使用して反応物のpHをpH1〜2にした。溶液は、細かい白色固体を伴って不透明になった。反応物をEtOAc(2回)で抽出し、合わせた有機層をブラインで抽出し、Na
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を真空濾過によって除去し、濾液を濃縮して、白色フォームとして化合物83を得た(598mg)。106mgの粗化合物83を逆相HPLCによって精製し、次いで、凍結乾燥させて、白色粉末(88mg)を得た。LC/MS=773.5(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3CN):δ7.51(d,J=9.2Hz,1H),7.16(s,1H),6.82(d,J=9.2Hz,1H),6.26(s,1H),5.95(d,J=8.4Hz,1H),5.33(dt,J=19.6,9.6Hz,1H),4.91(s,1H),4.89(d,J=11.2Hz,1H),4.71(d,J=11.2Hz,1H),4.31(t,J=6.4Hz,1H),4.08(t,J=8.8Hz,1H),3.99(d,J=12Hz,1H),3.93(d,J=3.2Hz,2H),3.86(m,1H),3.55(d,J=10.4Hz,1H),3.39(t,J=10.4Hz,2H),3.02(s,3H),2.98(四重線,J=7.2Hz,2H),2.16(dd,J=14.4,7.2Hz,1H),1.94(m,1H),1.77,(四重線,J=8.8Hz,1H),1.61(m,1H),1.56(五重線,J=2.4Hz,1H),1.48(m,1H),1.32(dd,J=7.6,5.6Hz,1H),1.24(d,J=14.4Hz,1H),1.06(t,J=7.6Hz,3H),0.97(m,2H),0.80(m,2H),0.58(s,9H),−0.02(m,2H)。
(実施例84)化合物84の調製
化合物83(490mg、0.634mmol)をDME(6.34mL)に溶解した。この溶液に、dH
2O(634μL)、pTolSO
2NHNH
2(884mg、4.75mmol)を添加し、次いで、NaOAc(780mg、9.51mmol)を添加した。次いで、反応物を95℃の浴中に入れ、1.75時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、化合物84を逆相HPLCによって精製し、次いで、凍結乾燥させて、オフホワイトの粉末(270mg、55%)を得た。LC/MS=775.7(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3COD):δ7.99(d,J=9.2Hz,1H),7.33(d,J=9.2Hz,1H),6.82(s,1H),5.51(s,1H),4.64(t,J=8.4Hz,1H),4.52(t,J=7.2Hz,1H),4.48(d,J=13.6Hz,1H),4.38(d,J=3.2Hz,2H),4.16(s,1H),4.00(dd,J=14,4.4Hz,1H),3.84(t,J=4.4Hz,2H),3.47(s,3H),3.44(dd,J=6.8,2Hz,2H),2.69(dd,J=14.4,8Hz,1H),2.49(ddd,J=14.4,9.6,4.4Hz,1H),1.98(m,1H),1.85(m,1H),1.65(dt,J=14.8,7.6Hz,3H),1.50(t,J=7.6Hz,4H),1.40(dd,J=8,4.8Hz,1H),1.34(d,J=14.4Hz,1H),1.20(m,3H),1.00(s,12H),0.36(m,1H),0.32(五重線,J=4Hz,1H)。
(実施例85)化合物85の調製
工程1:キノリン(450mg、0.965mmol)を含むTHF(5.0mL)の溶液に、21%NaOEtのエタノール溶液(1.10mL、2.89mmol)をゆっくり添加した。溶液を室温で10分間撹拌した後、2N HCl(10mL)を添加した。得られた混合物を5分間撹拌し、EtOAc(10mL)で希釈し、5分間撹拌した。2層を分離した後、水層をEtOAc(10mL)で抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、385mg(96%)のPMB保護エトキシキノリンを得た。LC/MS=418(M
++1)。
工程2:PMB保護キノリン385mg(0.923mmol)を含むジクロロメタン(5.0mL)およびTFA(5.0mL)の溶液を、室温で10分間撹拌した。反応が進行するにつれて、無色から紫色に変化する。溶液を減圧下で濃縮し、5%重炭酸ナトリウムを使用してpH8に調整し、次いで、EtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、254mg(92%)のヒドロキシルキノリンを得た。LC/MS=298(M++1)。
工程3:中間体III(800mg、1.12mmol)、キノリン(332mg、1.12mmol)、および炭酸セシウム(802mg、2.46mmol)の混合物を含むNMP(5mL)を、65℃で16時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(20mL)および5%LiCl(20mL)で希釈し、室温で30分間撹拌した。2層を分離し、水層をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機画分を、5%LiCl(3×20mL)、水で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。有機画分を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗物質を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、685mg(79%)のエステルを得た。LC/MS=773(M
++1)。
工程4:エステル(685mg、0.88mmol)を含むTHF(3mL)およびメタノール(5mL)の混合物に、LiOH一水和物(210mg、5.0mmol)の水溶液(3mL)を添加した。混合物を、35℃で3時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、10%HClでpH2に調整した。メタノール(5mL)を混合物に添加し、溶離液としてアセトニトリル0.1%のTFA溶液および水0.1%のTFA溶液の混合物を使用する逆相分取HPLCによって精製して、323mg(48%)の化合物85を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD):δ(ppm)7.85(d,J=9.2Hz,1H),7.15(d,J=9.2Hz,1H),6.37(s,1H),5.34(br,1H),4.53−4.35(br,5H),4.24(br,2H),4.08(s,1H),3.99−3.87(br,1H),3.74−3.72(m,2H),3.36(s,3H),2.60(m,1H),2.40(m,1H),1.93(m,1H),1.82(m,2H),1.58−1.52(br,4H),1.43−1.36(br,4H),1.31−1.21(br,2H),1.13−1.03(br,3H),0.91(s,9H),0.84(s,1H),0.21−0.02(br,2H).LC/MS=760(M++1)。
(実施例86)化合物86の調製
工程1:NaH(214mg、5.35mmol)の混合物を含むTHF(3.5mL)に、2−メトキシエチルアルコール(253μL、3.21mmol)を滴下した。混合物を室温で15分間撹拌した後、キノリン(534mg、1.07mmol)を含むTHF(1.5mL)の溶液を添加し、得られた溶液を10分間撹拌した。2N HCl(10mL)の添加によって反応を停止させ、得られた混合物を5分間撹拌した。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、5分間撹拌した後、2層を分離し、水画分をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、504mg(98%)のPMB保護ビス−メトキシエトキシキノリンを得た。LC/MS=448(M
++1)。
工程2:PMB保護キノリン504mg(1.12mmol)を含むジクロロメタン(5.0mL)およびTFA(5.0mL)の溶液を、室温で10分間撹拌した。反応が進行するにつれて、無色から紫色に変化する。溶液を減圧下で濃縮し、5%重炭酸ナトリウムを使用してpH8に調整し、次いで、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、367mg(100%)のヒドロキシルキノリンを得た。LC/MS=328(M++1)。
工程3:中間体III(800mg、1.12mmol)、キノリン(367mg、1.12mmol)、および炭酸セシウム(802mg、2.46mmol)の混合物を含むNMP(5mL)を、65℃で16時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(20mL)および5%LiCl(20mL)で希釈し、室温で30分間撹拌した。2層を分離し、水画分をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機画分をLiCl(3×20mL)、水で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した後、これを乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。残渣を、溶離液としてヘキサンおよび酢酸エチルの混合物を使用するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、829mg(92%)のエステルを得た。LC/MS=803(M
++1)。
工程4:エステル(829mg、1.02mmol)を含むTHF(3mL)およびメタノール(5mL)の混合物に、LiOH一水和物(210mg、5.0mmol)の水溶液(3mL)を添加した。混合物を、35℃で3時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、10%HClでpH2に調整した。メタノール(5mL)を混合物に添加し、溶離液としてアセトニトリル0.1%のTFA溶液および水0.1%のTFA溶液の混合物を使用する逆相分取HPLCによって精製して、528mg(66%)の化合物86を得た。1H NMR(400MHz,CD3OD):δ(ppm)7.81(d,J=8.99Hz,1H),7.10(d,J=9.2Hz,1H),6.35(s,1H),5.28(br,1H),4.59−4.36(br,5H),4.22(br,2H),4.08(s,1H),3.89−3.85(br,1H),3.75−3.70(m,2H),3.36(s,3H),3.34(s,3H),2.58(m,1H),2.38(m,1H),1.93(m,1H),1.82(m,H),1.58−1.50(br,4H),1.42−1.23(br,4H),1.1−1.05(br,3H),0.88(s,9H),0.82(s,1H),0.19−0.2(br,2H).LC/MS=790(M++1)。
(実施例87)化合物87の調製
工程1:ジヒドロキシキノリン(2g、6.6mmol)を0℃でDMF(50ml)に溶解し、NaH(792mg、19.8mmol)を少しずつ添加した。これを0℃で30分間撹拌し、その後に4−(2−クロロエチル)−モルホリン塩酸(1.36g、7.3mmol)を添加した。混合物を60℃で5時間撹拌し、次いで、室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcおよび3%LiCl水溶液で希釈した。2層を分離し、水画分をEtOAcで再度抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、MeOH/EtOAcを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、1.46g(43%)の所望の生成物を得た。LC/MS=415(M
++1)。
工程2:化合物87(TFA塩として570mg、74%)を、大環状トリペプチド(1.2gmg、1.7mmol、不純物30%未満)およびキノリン(500mg、0.965、不純物20%)を使用した化合物82の調製手順に類似の手順によって得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.64(s,1H),8.33(d,1H),8.22(s,1H),7.83(s,1H),7.78(d,1H),7.41(dd,1H),5.7(b,1H),4.78−4.62(m,5H),4.30(d,1H),4.29−4.07(m,7H),3.79(t,2H),3.54(brs,4H),2.80−2.60(m,2H),1.10−2.04(m,34H),0.97−0.92(m,1H),0.32−0.42(m,2H)。LC/MS=888.7(M
++1)。
(実施例88)化合物88の調製
工程1:保護ヒドロキシプロリン(10g、40.8mmol)、PDC(23.0g、61.2mmol)、および10gの4Aモレキュラーシーブの混合物を含むジクロロメタン(150mL)を、室温で4日間撹拌した。これをCeliteのパイルで濾過し、さらなるジクロロメタンを使用してパッドを洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、7.86g(79%)の所望のケトンを得た。LC/MS=144(M
++1−Boc)。
工程2:ケトン(4.3g、17.7mmol)の混合物を含むジクロロメタン(80mL)を、DAST(5.8mL、44.25mmol)をゆっくり添加しながら、N2下にて−78℃で撹拌した。混合物を室温に加温させ、24時間撹拌した。反応混合物の反応を氷水で停止させた。2層を分離した後、水画分をジクロロメタン(300mL)で抽出し、合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、4.37g(93%)のジフルオロ化合物を得た。LC/MS=166(M++1−Boc)。
工程3:ジフルオロ−エステル(4.37g、16.5mmol)の混合物を含むTHF(50mL)を、1M DIBALを含むTHF(36.3mL、36.3mmol)を30分間にわたって滴下しながら、N2下にて−78℃で撹拌した。混合物を室温に加温させ、48時間撹拌した。混合物をEtOAc(100mL)および飽和酒石酸カリウムナトリウム(100mL)で希釈し、2相が明確になるまで、得られた混合物を30分間強く撹拌した。2層を分離した後、水画分をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機画分をブラインで乾燥させ、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、1.56g(40%)のアルコールを得た。LC/MS=138(M++1−Boc)。
工程4:前の工程のトリペプチド(500mg、0.616mmol)およびアルコール(175mg、0.739mmol)、PPh
3(261mg、0.986mmol)、およびDIAD(0.191mL、0.986mmol)の混合物を含むTHF(10mL)を、3時間還流した。混合物を室温に冷却し、濃縮した後、残渣を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、628mg(99%)の所望の生成物を得た。LC/MS=1031.3(M
++1)。
工程5:上記Boc保護化合物を、4N HClを含むジオキサン(10mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、粗生成物を得た。LC/MS=930.2(M
++1)。
工程6:上記化合物を、THF(3mL)、MeOH(3mL)、およびLiOH(462mg、11.56mmol)を含む水(10mL)に溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液をTFAで酸性化し、次いで、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、ビス−TFA塩として500.8mg(2工程で76%)の化合物88を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.64(s,1H),8.33(d,1H),8.22(s,1H),7.78(s,1H),7.60(d,1H),5.72(b,1H),4.90−4.55(m,5H),4.22−4.13(m,2H),4.00−3.88(m,2H),3.00−2.60(m,3H),2.00−1.80(m,2H),1.70−1.65(m,2H),1.57−1.40(m,2H),1.40(s,3H),1.38(s,3H),1.22(m,2H),1.03−0.92(m,10H),0.35(m,2H).LC/MS=916.2(M++1)。
(実施例89)化合物89の調製
工程1:実施例88の工程5の手順によってBoc保護を行った。
工程2:上記脱Boc化合物を含む1,2−ジクロロエタン(6mL)の溶液に、室温でNaBH(OAc)3(520mg、2.45mmol)およびホルムアルデヒド(37%水溶液、0.1mL、1.23mmol)を添加した。1時間後、混合物を濃縮し、EtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮して、粗メチル化化合物を得た。LC/MS=944.2(M++1)。
工程3:上記メチル化化合物を、THF(3mL)、MeOH(3mL)、およびLiOH(500mg)を含む水(10mL)に溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液をTFAで酸性化し、次いで、真空下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、ビス−TFA塩として510mg(3工程で69%)の化合物89を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.64(s,1H),8.31(d,1H),8.23(s,1H),7.73(s,1H),7.62(d,1H),5.72(b,1H),4.90−4.50(m,5H),4.30−3.68(m,7H),3.20(s,3H),3.05−2.60(m,3H),2.00−1.80(m,2H),1.70−1.63(m,2H),1.54−1.40(m,2H),1.40(s,3H),1.38(s,3H),1.22(m,2H),1.03−0.92(m,10H),0.34(m,2H).LC/MS=930.2(M++1)。
(実施例90)化合物90の調製
工程1:反応物(1.17g、1.44mmol)および3−ヒドロキシメチル−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(376mg、1.73mmol)、PPh
3(604mg、2.30mmol)、およびDIAD(0.445mL、2.30mmol)の混合物を含むTHF(15mL)を、3時間還流した。LC/MSは、他の副生成物および大量の出発物質と共に形成されたいくつかの生成物を示した。試薬の他方の半分を添加し、一晩還流した。混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィおよびその後の分取HPLCによって精製して、142mg(10%)の所望の生成物を得た。LC/MS=1010.3(M
++1)。
工程2:上記のBoc保護化合物(55mg、0.054mmol)を、4N HClを含むジオキサン(3mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮して粗脱保護生成物を得た。LC/MS=910.3(M
++1)。
工程3:上記化合物およびLiOH(50mg)を、THF(5mL)、MeOH(0.5mL)、および水(2mL)に溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液をTFAで酸性化し、次いで、真空下で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLCによって精製して、17mg(2工程で28%)の化合物90を得た。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.64(s,1H),8.31(d,1H),8.25(s,1H),7.80(s,1H),7.68−7.55(m,4H),5.72(b,1H),4.79−4.47(m,5H),4.25−3.84(m,10H),3.50−3.39(m,2H),2.86−2.60(m,2H),2.00−1.80(m,2H),1.70−1.62(m,2H),1.54−1.40(m,2H),1.40(s,3H),1.38(s,3H),1.34−1.20(m,4H),1.03−0.92(m,10H),0.35(m,2H)。LC/MS=896.2(M++1)。
(実施例91)化合物91の調製
化合物91を、実施例89に記載の手順によって得た。分取HPLCによる精製後、ビス−TFA塩として25.5mg(27%)の化合物91を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.64(s,1H),8.29(d,1H),8.23(s,1H),7.78(s,1H),7.73(m,1H),5.72(b,1H),4.79−4.47(m,5H),4.30−3.95(m,10H),3.61−3.43(m,2H),3.17(s,3H),2.86−2.50(m,2H),2.00−1.80(m,2H),1.70−1.61(m,2H),1.57−1.40(m,2H),1.40(s,3H),1.38(s,3H),1.34−1.20(m,4H),1.05−0.90(m,10H),0.35(m,2H).LC/MS=910.3(M
++1)。
(実施例92)化合物92の調製
化合物92を、実施例90に記載の手順によって得た。分取HPLCによる精製後、ビス−TFA塩として17.4mgの化合物92を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.64(s,1H),8.29(d,1H),8.22(s,1H),7.78(s,1H),7.61(d,1H),5.71(b,1H),4.73−4.49(m,5H),4.25−3.84(m,10H),3.50−3.39(m,2H),2.86−2.60(m,2H),2.00−1.80(m,2H),1.70−1.62(m,2H),1.54−1.40(m,2H),1.40(s,3H),1.38(s,3H),1.30−1.20(m,4H),1.05−0.91(m,10H),0.33(m,2H).LC/MS=896.2(M
++1)。
(実施例93)化合物93の調製
化合物93を、実施例89に記載の手順によって得た。分取HPLCによる精製後、ビス−TFA塩として16.0mgの化合物93を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.63(s,1H),8.31(d,1H),8.24(s,1H),7.80(s,1H),7.64(s,1H),5.72(b,1H),4.75−4.47(m,5H),4.20−3.92(m,10H),3.61−3.40(m,2H),3.18(s,3H),2.80−2.55(m,2H),2.00−1.80(m,2H),1.70−1.62(m,2H),1.50−1.40(m,2H),1.40(s,3H),1.38(s,3H),1.20−1.10(m,4H),1.05−0.97(m,10H),0.35(m,2H).LC/MS=910.3(M
++1)。
(実施例94)化合物94の調製
工程1:1−[2−アミノ−3−クロロ−4−(2,2−ジメトキシ−エトキシ)−フェニル]−エタノン(2g、7.3mmol)を含むピリジン(20mL)の溶液に、0℃でシクロヘキサンカルボニルクロリド(1.12g、7.7mmol)をゆっくり添加した。混合物を室温で2時間撹拌した後、H
2O(10mL)を混合物に添加した。生成物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、白色固体として1.9g、(65%)のアミドを得た。LC/MS=383.8(M
++1)。
工程2:アミド(1.9g、5.0mmol)およびt−BuOK(0.62g、0.55mmol)を、室温でt−BuOH(20mL)に溶解し、還流下で2時間撹拌した。反応完了の際、3N HClを反応物に添加して約pH3に調整し、それにより、生成物が沈殿した。固体を濾過し、エーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させて、白色固体としてキノリンを得た(1.6g、100%)。LC/MS=366.1(M++1)。
工程3:化合物94(170mg)を、化合物82を調製するための上記の手順と同一の手順を使用して合成した。LC/MS=852.9(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.06(d,1H),7.32(d,1H),7.04(s,1H),5.45(b,2H),4.34(dd,1H),4.25(d,1H),4.15(dd,1H).3.79−2.98(m,11H),2.42(m,1H),2.25(m,1H),1.75−1.61(m,3H),1.54−1.45(m,3H),1.35−1.00(m,10H),0.91−0.84(m,2H),0.73−0.61(m,12H),0.14−0.03(m,2H)。
(実施例95)化合物95の調製
工程1および工程2:キノリンを、実施例94中の上記手順を使用して合成した。LC/MS=324.2(M
++1)。
工程3:化合物95(550mg)を、化合物82を調製するための上記の手順と同一の手順を使用して合成した。LC/MS=810.5(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.33(d,1H),7.60(d,1H),6.77(s,1H),5.69(bs,1H),4.78(b,2H),4.66(dd,1H),4.51(m,1H),4.13−3.31(m,11H),2.96−2.68(m,2H),2.57−2.49(m,1H),2.01−1.81(m,2H),1.69−1.35(m,10H),1.24−1.10(m,2H),1.05−0.94(m,12H),0.36−0.33(m,2H)。
(実施例96)化合物96の調製
工程1および工程2:キノリンを、実施例94中の上記手順を使用して合成した。LC/MS=342.7(M
++1)。
工程3:化合物96(260mg)を、化合物82を調製するための上記の手順と同一の手順を使用して合成した。LC/MS=829.4(M
++1)。
(実施例97)化合物97の調製
工程1:イミダート塩(2.99g、16mmol)およびアニリン(2g、14.5mmol)を、N
2雰囲気下でエタノール(7mL)に溶解した。反応混合物を、30℃で一晩撹拌した。混合物を濾過した後、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、無色オイルの形態で濃縮生成物を得た(3.6g、87%)。LC/MS=285.9(M
++1)。
工程2:濃縮生成物(3.6g、87%)を含むジフェニルエーテル(36mL)の溶液を加熱砂浴(300℃)に入れ、溶液の温度を約240〜250℃に保持しながら、混合物を12分間撹拌させた。混合物を室温に冷却し、所望の生成物が褐色固体で沈殿した。固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、高真空下で乾燥させて、キノリン(2.33g、9.7mmol、77%)を得た。LC/MS=240.0(M++1)。
工程3:キノリン(2.33g、9.7mmol)を含むDMF(30mL)の溶液に、炭酸セシウム(12.64g、39mmol)および2−ブロモ−1,1−ジメトキシ−エタン(2.6g、15mmol)を添加した。得られた混合物を65℃で10時間撹拌した。混合物を濾過した後、濾液をEtOAcおよびH2Oで希釈し、3N HClを添加してpH3に調整した。分離した有機画分を5%LiClおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、白色固体として8−クロロ−7−(2,2−ジメトキシ−エトキシ)−2−エトキシ−キノリン−4−オールを得た(1.27g、3.87mmol、40%)。LC/MS=328.1(M++1)。
工程4:化合物97(754mg)を、化合物82を調製するための上記の手順と同一の手順を使用して合成した。LC/MS=814.6(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ7.61(d,1H),6.82(d,1H),6.01(s,1H),5.01(s,1H),4.41−4.30(m,1H),4.29−4.19(m,3H),4.15−4.01(m,2H),3.95−2.95(m,12H),2.30(m,1H),2.10(m,1H),2.84−0.59(m,19H),0.2−0.04(m,2H)。
(実施例98)化合物98の調製
工程1:ブロシラート(1.1g、1.52mmol)および炭酸セシウム(0.99g、3.04mmol)の混合物を含むNMP(10mL)に、室温でキノリン(0.40g、1.22mmol)を一度に添加した。混合物を85℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈した。混合物を3%LiCl水溶液(1×100mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望の生成物を得た(0.70g、71%)。LC/MS=813(M
++1)。
工程2:エステル(0.70g、0.86mmol)を含むHOAc(10mL)の溶液に1.4N HCl水溶液(5mL)を添加し、得られた溶液を、60℃で1.5時間撹拌した。反応完了の際、混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した後、有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、粗アルデヒドを得た。粗アルデヒドを含むCH2Cl2(20mL)の溶液に、0℃でモルホリン(112μL、1.29mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(237mg、1.12mmol)を添加した。次いで、氷酢酸(25μL、7.8mmol)を化合物に添加した。0℃にて10分間で反応が完了した。飽和NaHCO3溶液を添加して反応を停止させた。混合物を20分間撹拌した後、分離した有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。粗生成物は、そのまま使用するのに十分な純度であった(LC/MSによる)。LC/MS=838(M++1)。
工程3:この粗生成物を含むTHF(6mL)の溶液にLiOH(384mg、16mmol)の水溶液(6mL)を添加し、その後にMeOH(6mL)を添加した。混合物を、室温で20時間撹拌した。反応完了の際、0℃でTFAを添加してpH4に調整し、生成物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。生成物を分取HPLCによって精製して、白色固体として化合物98を得た(0.51g、53%)。LC/MS=824(M++1)。1H NMR(400MHz,CD3OD):δ8.05(d,J=8.8Hz 1H),7.21(d,J=9.2Hz,1H),6.38(s,1H),5.61(m,1H),5.39(m,2H),4.87(m,1H),4.63−4.54(m,5H),4.26(m,1H),4.07(m,2H),4.01(m,1H),3.87(m,1H),3.76(m,3H),3.48(m,2H),2.63−2.54(m,1H),2.54−2.47(m,2H),2.33−2.67(m,1H),2.04−1.89(m,3H),1.87(m,1H),1.75(m,2H),1.67−1.59(m,3H),1.55(m,2H),1.46−1.37(m,8H),1.29−1.14(m,4H),0.39(m,2H)。
(実施例99)化合物99の調製
化合物98(0.20g、0.24mmol)およびp−トルエンスルホニルヒドラジド(0.31g、1.68mmol)をエチレングリコールジメチルエーテル(2mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(0.28g、3.36mmol)およびH
2O(0.2mL)を添加した。次いで、懸濁液を撹拌しながら95℃で3時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、DMF(4mL)で希釈し、分取HPLCによって精製して、白色固体として化合物99を得た(0.12g、60%)。LC/MS=826(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ8.03(d,J=9.2Hz,1H),7.23(d,J=9.2),3.42(m,2H),2.59(m,2H),2.04−1.89(m,3H),1.87(m,1H),Hz,1H),6.41(s,1H),5.38(bs,1H),4.75−4.69(m,2H),4.61−4.54(m,6H),4.49(m,1H),4.32(m,1H),4.08−3.98(m,5H),3.75(m,5H 1.75(m,2H),1.67−1.59(m,3H),1.55(m,2H),1.46−1.37(m,8H),1.29−1.14(m,4H),0.37(m,2H)。
(実施例100)化合物100の調製
工程1:2,4,8−トリクロロ−7−メトキシキノリン(0.32g、1.19mmol)を、封管中でイソプロピルアミン(4mL)に溶解し、50℃で10時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、H
2Oで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、ジクロロキノリン(0.231g、0.81mmol、68%)を得た。LC/MS=285.1(M
++1)。
工程2:ジクロロキノリン(0.145g、0.51mmol)および酢酸ナトリウム(0.625g、7.6mmol)の混合物を含むHOAc(2mL)を封管に入れ、130℃で17時間撹拌した。混合物を室温に冷却した後、固化した混合物をさらなるEtOAcによって溶解し、H2Oおよび飽和NaHCO3(3回)で洗浄した。飽和NaHCO3で洗浄するにつれて、所望の生成物が沈殿し、これを濾過した。濾過ケーキをトルエンで処理し、濃縮して(3回)、8−クロロ−2−イソプロピルアミノ−7−メトキシ−キノリン−4−オール(0.09g、67%)を得た。LC/MS=267.1(M++1)。
工程3:化合物100(110mg)を、化合物82を調製するための上記の手順と同一の手順を使用して合成した。LC/MS=728.4(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.02(d,1H),7.26(d,1H),6.45(bs,1H),5.61(bs,1H),5.06(bs,1H),4.68(dd,1H),4.56−4.45(m,2H),4.25−3.97(m,6H),3.32(s,1H),2.76−2.68(m,2H),2.56−2.49(m,1H),2.14(m,1H),1.99−1.78(m,2H),1.68−1.64(m,3H),1.53−1.16(m,6H),1.05−0.94(m,14H),0.37−0.30(m,2H)。
(実施例101)化合物101の調製
工程1および工程2:キノリンを、実施例100中の上記手順と類似の手順を使用して合成した。LC/MS=283.1(M
++1)。
工程3:化合物101(82mg)を、化合物82を調製するための上記の手順と同一の手順を使用して合成した。LC/MS=744.4(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.02(d,1H),7.306(d,1H),6.51−6.37(m,1H),5.58−5.45(m,1H),4.68(dd,1H),4.56−4.44(m,2H),4.15−3.96(m,5H),3.79(m,4H),3.55−3.47(m,2H),3.31(m,1H),2.72−2.49(m,2H),2.14(m,1H),1.99−1.78(m,2H),1.68−1.64(m,3H),1.53−1.22(m,6H),1.20−0.94(m,14H),0.37−0.30(m,2H)。
(実施例102)化合物102の調製
工程1:2,4,8−トリクロロ−7−メトキシ−キノリン(100mg、0.38mmol)、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(44mg、0.38mmol)、および炭酸セシウム(185mg、0.57mmol)の混合物を含むDMF(2mL)を、50℃で22時間撹拌した。LC/MSは、他の副生成物と共に形成されたいくらかの生成物を示した。混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、3%LiClおよびブラインで洗浄した。有機層および不溶性物質を合わせ、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、89mg(67%)の一置換生成物を得た。LC/MS=341.2(M
++1)。
工程2:上記ジクロロキノリン(48mg、0.14mmol)およびNaOAc(173mg、2.11mmol)の混合物を含むHOAc(2mL)を、封管中にて130℃で36時間撹拌した。室温への冷却後、混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaHCO3およびブラインで洗浄した。有機層および不溶性物質を合わせ、真空下で濃縮して純粋な所望のヒドロキシキノリン生成物である白色固体を得、これを次の工程でそのまま使用した。LC/MS=323.11(M++1)。
工程3:中間体III(130mg、0.182mmol)、ヒドロキシキノリン、および炭酸セシウム(137mg、0.42mmol)の混合物を含むNMP(2mL)を、65℃で5時間撹拌した。室温への冷却後、混合物をTHF(5mL)およびMeOH(1mL)で希釈し、水酸化リチウム(100mg)水溶液(3mL)を混合物に添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、TFAで中和した。揮発性溶媒の除去後、残渣を分取HPLCによって精製して、TFA塩として53mg(2工程で42%)の化合物102を得た。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.85(s,1H),8.11(d,1H),7.44(d,1H),6.22(s,1H),5.81(b,1H),4.50(m,1H),4.3−4.0(m,4H),4.06(s,3H),3.72(s,3H),2.47(m,2H),2.04(m,2H),1.75−1.1.79(m,10H),1.03−0.92(m,14H),0.44(m,2H).LC/MS=784.1(M
++1)。
(実施例103)化合物103の調製
工程1:中間体III(0.15g、0.21mmol)および炭酸セシウム(0.14g、0.42mmol)の混合物を含むNMP(5mL)に、室温でキノリン(0.05g、0.21mmol)を一度に添加した。混合物を85℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、EtOAc(30mL)で希釈した。混合物を、3%LiCl水溶液(1×20mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望の生成物を得た(0.09g、60%)。LC/MS=710(M
++1)。
工程2:エステル(0.06g、0.085mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.25g、1.67mmol)をピリジン(3mL)に溶解し、115℃に7時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して大部分のピリジンを除去した。残渣をDMF(2mL)に溶解し、分取HPLCによって精製して、固体として化合物103を得た(0.02g、35%)。LC/MS=696(M++1)。1H NMR(300MHz,CD3OD):δ8.15(d,J=9.0Hz,1H),7.57(d,J=9.3Hz,1H),7.40(s,1H),5.49(s,1H),4.69(m,1H),4.51−4.41(m,2H),4.16(m,1H),4.08(s,3H),4.01(m,1H),2.69(m,1H),2.49(m,1H),2.00(m,1H),1.91(m,1H),1.69(m,2H),1.50(m,1H),1.43−1.36(m,3H),1.25−1.13(m,3H),1.04−0.95(m,12H),0.35−0.27(m,2H)。
(実施例104)化合物104の調製
工程1:メチルエステルキノリン(0.20g、0.75mmol)をTHF(5mL)に溶解し、1M DIBALを含むヘキサン(2.3mL、2.30mmol)を添加しながら0℃に冷却した。混合物を室温で1時間撹拌した後、H
2O(2mL)を混合物にゆっくり添加した。1N HClの添加によって混合物をpH2に調整した。形成された固体を濾過し、真空下で一晩乾燥させて、アルコール(180mg、93%)を得た。LC/MS=240(M
++1)。
工程2:化合物104(0.31g、56%)を、化合物82を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=701(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.41(d,J=9.9Hz,1H),7.74(d,J=9.3Hz,1H),7.54(s,1H),5.75(s,1H),5.16(s,2H),4.73(m,1H),4.61(m,1H),4.49(m,1H),4.33(m,1H),4.19(s,3H),4.09(m,1H),2.85(m,1H),2.60(m,1H),2.20(m,1H),1.94(m,1H),1.91(m,1H),1.69(m,2H),1.50(m,1H),1.43−1.36(m,3H),1.25−1.13(m,3H),1.04−0.95(m,12H),0.38−0.31(m,2H)。
(実施例105)化合物105の調製
工程1:アニリン(0.30g、1.5mmol)およびピリジン(0.24g、3.0mmol)を含むジクロロメタン(10mL)の溶液を、3,3−ジメチルアクリロイルクロリド(0.24g、2.0mmol)を15分間にわたって添加しながら0℃で撹拌し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮した後、残渣をEtOAc(50mL)に溶解し、飽和NaHCO
3、1N HCl、およびブラインによって洗浄した。有機画分を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望のアミドを得た(0.35g、80.3%)。LC/MS=282(M
++1)。
工程2:アミド(0.32g、1.1mmol)を含むt−BuOH(10mL)の溶液を、t−BuOK(0.27g、2.4mmol)を添加しながら強く撹拌した。反応物を75℃で3時間加熱し、室温に冷却した。混合物を4N HCl(1mL)で酸性化して濃縮した後、残渣をEtOAc(30)に溶解し、H2O(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。有機画分を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望のキノリンを得た(0.11g、37%)。LC/MS=264(M++1)。
工程3:化合物105(0.10g、66%)を、化合物82を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=725(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ8.35(s,J=9.6Hz,1H),8.30(s,1H),7.67(d,J=9.6Hz,1H),7.33(s,1H),6.79(s,1H),5.73(s,1H),4.76(t,J=8.8Hz,1H),4.64(d,J=12.4Hz,1H),4.30(t,J=10.8Hz,1H),4.16(s,1H),4.08−4.01(m,2H),2.80(m,1H),2.60(m,1H),2.22(d,J=12.8Hz,6H),1.92(m,1H),1.48(m,1H),1.74−1.40(m,6H),1.27−1.13(m,4H),1.04−0.96(m,12H),0.36−0.32(m,2H)。
(実施例106)化合物106の調製
工程1:アニリン(8.0g、29.3mmol)およびピリジン(4.6g、58.6mmol))を含むジクロロメタン(100mL)の溶液を、3,3−ジメチルアクリロイルクロリド(4.2g、35.2mmol)を15分間にわたって添加しながら0℃で撹拌した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮した後、残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、飽和NaHCO
3、1N HCl、およびブラインによって洗浄した。有機画分を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望のアミドを得た(6.0g、57.6%)。LC/MS=355(M
++1)。
工程2:アミド(6.0g、16.9mmol)を含むt−BuOH(120mL)の溶液を、t−BuOK(3.9g、35.4mmol)を添加しながら強く撹拌した。混合物を75℃で3時間加熱し、室温に冷却した。混合物を4N HCl(10mL)で酸性化して濃縮した後、残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、H2O(50mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機画分を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、EtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、淡褐色固体として所望のキノリンを得た(1.62g、28%)。LC/MS=338(M++1)。
工程3:化合物106(0.51g、75%)を、化合物98を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=824(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD)δ8.30(s,J=9.3Hz,1H),8.30(s,1H),7.57(d,J=9.3Hz,1H),7.18(s,1H),6.69(s,1H),5.62(s,1H),4.74−4.67(m,3H),4.58−4.52(m,2H),4.16(m,1H),4.08−3.99(m,6H),3.79(m,2H),3.57(m,4H),2.80(m,1H),2.60(m,1H),2.29(s,3H),2.14(s,3H),2.02(m,1H),1.91(m,1H),1.69(m,3H),1.50(m,1H),1.43−1.36(m,2H),1.24−1.13(m,3H),1.04−0.96(m,12H),0.36−0.32(m,2H)。
(実施例107)化合物107の調製
化合物107(0.14g、70%)を、化合物98を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=836(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ8.41(d,J=9.2Hz,1H),7.68(d,J=9.2Hz,1H),7.34(s,1H),6.78(s,1H),5.74(bs,1H),4.81−4.72(m,5H),4.48(m,1H),4.24(m,1H),4.06−3.99(m,4H),4.08−3.98(m,5H),3.82(m,2H),3.57(m,4H),2.74−2.67(m,2H),2.24(d,J=21.2Hz,6H),2.04−1.89(m,2H),1.87(m,1H),1.75(m,2H),1.67−1.59(m,3H),1.55(m,2H),1.46−1.37(m,4H),1.29−1.14(m,4H),0.37(m,2H)。
(実施例108)化合物108の調製
化合物108(0.17g、60%)を、化合物98を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=834(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ8.43(d,J=9.2Hz,1H),7.66(d,J=9.6Hz,1H),7.35(s,1H),6.78(s,1H),5.77(bs,1H),5.62(m,1H),5.38(m,1H),4.81(m,4H),4.72(t,J=8.0Hz,1H),4.39(t,J=6.8Hz,1H),4.13(m,1H),4.05−3.99(m,4H),3.82(m,2H),3.56(m,3H),2.74−2.67(m,2H),2.22(d,J=16.0Hz,6H),1.93−1.88(m,2H),1.78−1.74(m,2H),1.67−1.59(m,3H),1.55(m,2H),1.46−1.37(m,4H),1.29−1.14(m,4H),0.35(m,2H)。
(実施例109)化合物109の調製
化合物109を、化合物98を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=820.55(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.00(d,1H),7.23(d,1H),6.46(s,1H),5.37(b,1H),5.29(m,1H),5.04(dd,1H),4.42−4.31(m,5H),4.19(dd,1H),3.84(m,1H),3.71−3.65(m,5H),3.47(m,1H),3.24(m,4H),2.98(m,3H),2.37(m,2H),2.27−2.15(m,2H),1.96(m,1H),1.67−1.44(m,2H),1.34−1.07(m,10H),0.93−0.82(m,2H),0.05−0.00(m,1H)。
(実施例110)化合物110の調製
化合物110を、化合物99を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=822.38(M
++1)。
1H NMR(300MHz,CD
3OD):δ8.23(d,1H),7.49(d,1H),6.68(s,1H),5.59(s,1H),4.68−4.61(m,3H),4.52(dd,1H),4.45( dd,1H),4.17(m,1H),3.95−3.80(m,4H),3.71(m,2H),3.48(b,3H),3.22(m,1H),2.69−2.52(m,3H),1.91−1.84(m,1H),1.79−1.64(m,3H),1.59−1.08(m,20H),0.31−0.24(m,1H)。
(実施例111)化合物111の調製
工程1:2,4,8−トリクロロ−7−メトキシ−キノリン(2.48mg、9.45mmol)およびH
2SO
4(20mL)の混合物をマイクロ波管に密封し、マイクロ波反応器中にて150℃で1時間加熱した。室温への冷却後、混合物を強く撹拌しながら氷水混合物にゆっくり注いだ。褐色固体を濾過し、冷水で洗浄し、乾燥させて、1.54g(66%)の所望の生成物を得た。LC/MS=350.24(M
++3)。
工程2:2,4,8−トリクロロキノリン−7−オール(1.74g、7.0mmol)を含むDMF(70mL)の溶液に、Cs2CO3(10.26g、31.5mmol)およびNaI(210mg、1.4mmol)を添加した。混合物を65℃に4時間加熱した。室温への冷却後、混合物をEtOAcおよび3%LiCl水溶液で希釈した。2層を分離した後、有機画分を乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを使用し、次いで、MeOH/EtOAcを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、1.9g(75%)の所望の生成物を得た。LC/MS=363.0(M++3)。
工程3:2,4,8−トリクロロ−7−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−キノリン(900mg、2.49mmol)およびイソプロピルアミン(30mL)の混合物を封管に密封し、50℃に10時間加熱した。混合物を濃縮した後、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを使用したシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィによって精製して、930mg(97%)の所望の生成物を得た。LC/MS=384.0(M
++1)。
工程4:上記4,8−ジクロロキノリン(930mg、2.42mmol)および酢酸ナトリウム(3.0g、36.3mmol)を含む酢酸(12mL)の溶液を、130℃に18時間加熱した。混合物を真空下で濃縮した後、残渣を分取HPLCによって精製して、882mg(76%)の所望のヒドロキシキノリン生成物を得た。LC/MS=366.0(M++1)。
工程5:化合物111(400mg)を、化合物98を調製するための上記手順を使用して合成した。LC/MS=837.4(M
++1)。
1H NMR(400MHz,CD
3OD):δ8.63(s,1H),8.38(d,1H),8.24(s,1H),7.80(d,1H),6.94(s,1H),6.16(b,1H),5.29(m,2H),5.03(t,1H),4.37(m,4H),4.23(m,1H),3.90(m,2H),3.70(m,4H),3.45(t,2H),3.21(b,3H),2.98(s,1H),2.40(m,1H),2.20(m,2H),1.98(q,1H),1.63−1.28(m,6H),1.20−1.07(m,10H),1.04−0.84(m,2H),0.39(m,2H)。
(実施例112)
本明細書中に記載の手順に類似の手順を使用して、以下の式(I)の化合物を調製することもできる。
(実施例113)
本明細書中に記載の手順に類似の手順を使用して、以下の式(I)の化合物を調製することもできる。
(実施例114)
本明細書中に記載の手順に類似の手順を使用して、以下の式(I)の化合物を調製することもできる。
(実施例115)
以下に、ヒトで治療的または予防的に使用するための式Iの化合物(「化合物X」)を含む代表的な薬学的投薬形態を例示する。
(i)錠剤1 mg/錠剤
化合物X= 100.0
ラクトース 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロースナトリウム 12.0
微結晶性セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0
(ii)錠剤2 mg/錠剤
化合物X= 20.0
微結晶性セルロース 410.0
デンプン 50.0
グリコール酸デンプンナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0
(iii)カプセル mg/カプセル
化合物X= 10.0
コロイド状二酸化ケイ素 1.5
ラクトース 465.5
アルファ化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0
(iv)注射液1(1mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸形態) 1.0
リン酸二ナトリウム 12.0
リン酸二水素ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0N水酸化ナトリウム溶液
(pH7.0〜7.5に調製) 適量
注射用蒸留水 十分量 1mL
(v)注射液2(10mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸形態) 10.0
リン酸二水素ナトリウム 0.3
リン酸二ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール 400 200.0
01N水酸化ナトリウム溶液
(pH7.0〜7.5に調製) 適量
注射用蒸留水 十分量 1mL
(vi)エアロゾル mg/カン
化合物X= 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0
上記処方物を、薬学分野で周知の従来の手順によって得ることができる。
生物学的アッセイ
NS3酵素の力価:精製NS3プロテアーゼをNS4Aペプチドと複合体化し、次いで、化合物の連続希釈物(溶媒としてDMSOを使用)とインキュベートした。二重標識ペプチド基質の添加によって反応を開始させ、得られた動的な蛍光増加を測定する。速度データの非線型回帰を行ってIC50を計算する。遺伝子型1bプロテアーゼに対する活性を最初に試験する。遺伝子型1bに対して得られた力価に応じて、さらなる遺伝子型(1a、2a、3)および/またはプロテアーゼインヒビター耐性酵素(D168Y、D168V、またはA156T変異体)を試験することができる。BILN−2061を、全アッセイ中のコントロールとして使用する。実施例1〜81の化合物を本アッセイで評価し、約1μm未満のIC50値を有することが見い出された。
レプリコンの力価および細胞傷害性:Huh−luc細胞(BartenschlagerのI389luc−ubi−neo/NS3−3’/ET遺伝子型1bレプリコンを安定に複製する)を、化合物の連続希釈物(溶媒としてDMSOを使用)で72時間処理する。レプリコンのコピー数を生物発光によって測定し、非線型回帰を行ってEC50を計算する。同一の薬物希釈物で処理した並行プレートを、Promega CellTiter−Glo細胞生存アッセイを使用して細胞傷害性についてアッセイする。1bレプリコンに対して達成された力価に応じて、化合物を遺伝子型1aレプリコンおよび/またはD168YまたはA156T変異をコードするインヒビター耐性レプリコンに対して試験することができる。BILN−2061を、全アッセイ中のコントロールとして使用する。実施例1〜81の化合物を本アッセイで評価し、約5μm未満のEC50値を有することが見い出された。
レプリコン力価に及ぼす血清タンパク質の影響
生理学的濃度のヒト血清アルブミン(40mg/mL)またはα酸糖タンパク質(1mg/mL)を補足した通常の細胞培養場培地(DMEM+10%FBS)中でレプリコンアッセイを行う。ヒト血清タンパク質の存在下でのEC50を、通常培地中のEC50と比較して、力価の変化倍率(fold shift)を決定する。
酵素選択性:哺乳動物プロテアーゼ(ブタ膵臓エラスターゼ、ヒト白血球エラスターゼ、プロテアーゼ3、およびカテプシンDが含まれる)の阻害を、各酵素のそれぞれの基質についてのKmで測定する。各酵素のIC50をNS3 1bプロテアーゼを使用して得たIC50と比較して選択性を計算する。
MT−4細胞の細胞傷害性:MT4細胞を、化合物の連続希釈物で5日間処理する。細胞生存性を、Promega CellTiter−Gloアッセイを使用して処理期間の終了時に測定し、非線型回帰を行ってCC50を計算する。
EC50での細胞に関連する化合物濃度:Huh−luc培養物を、EC50と同濃度の化合物とインキュベートした。複数の時点で(0〜72時間)、細胞を冷培地で2回洗浄し、85%アセトニトリルで抽出した。各時点での培地サンプルも抽出する。細胞および培地抽出物をLC/MS/MSによって分析して、各画分中の化合物のモル濃度を決定する。
溶解性および安定性:安定性を、10mMのDMSO保存液のアリコートを取り、総DMSO濃度1%を使用して試験液(PBS(pH7.4)および0.1N HCl(pH1.5))中に最終濃度100μMの化合物を調製することによって決定する。試験液を、浸透しながら室温で1時間インキュベートする。次いで、溶液を遠心分離し、回収した上清をHPLC/UVでアッセイする。溶解性を、定義された試験液中で検出された化合物の量を同一濃度のDMSO中で検出された量と比較することによって計算する。37℃での試験培地中での1時間のインキュベーション後の化合物の安定性も決定する。
凍結保存されたヒト、イヌ、およびラットの肝細胞における安定性:各化合物を、肝細胞懸濁液(100μl、80,000細胞/ウェル)中にて37℃で1時間までインキュベートする。凍結保存された肝細胞を、無血清インキュベーション培地中で再構成する。懸濁液を、96ウェルプレートに移す(50μL/ウェル)。化合物を、インキュベーション培地中で2μMに希釈し、次いで、肝細胞懸濁液に添加してインキュベーションを開始する。インキュベーション開始から0、10、30、および60分後にサンプルを取り、0.3%ギ酸を含む90%アセトニトリル/10%水からなる混合物で反応を停止させる。各サンプル中の化合物濃度を、LC/MS/MSを使用して分析する。肝細胞懸濁液中の化合物の消失半減期を、濃度−時間データを単相性(monophasic)指数方程式に当てはめることによって決定する。データをスケールアップして、固有の肝臓クリアランスおよび/または総肝臓クリアランスも示す。
ヒト、イヌ、およびラット由来の肝臓S9画分における安定性:各化合物を、S9懸濁液(500μl、3mgタンパク質/mL)中にて37℃で1時間までインキュベートする(n=3)。化合物をS9懸濁液に添加して、インキュベーションを開始する。インキュベーション開始から0、10、30、および60分後にサンプルを取る。各サンプル中の化合物濃度を、LC/MS/MSを使用して分析する。S9懸濁液中の化合物の消失半減期を、濃度−時間データを単相性指数方程式に当てはめることによって決定する。
Caco−2透過性:順方向(AからB)および逆方向(BからA)の両方の透過性を測定する。Caco−2単層を、12ウェルCostar Transwell(登録商標)プレート中のコラーゲンコーティングした微小孔性ポリカーボネート膜上でコンフルエンスまで成長させる。化合物を、順方向透過性(AからB)については頂端側に投与し、逆方向透過性(BからA)については基底外側に投与した。細胞を、5% CO2を含む加湿インキュベーター中にて37℃でインキュベートする。インキュベーションの開始時ならびにインキュベーションの1時間後および2時間後に、受け取りチャンバー(receiver chamber)から200μLアリコートを取り、新鮮なアッセイ緩衝液と交換する。各サンプル中の化合物濃度を、LC/MS/MSで決定する。見かけ上の透過性(Papp)を計算する。
血漿タンパク質の結合:
血漿タンパク質の結合を、平衡透析によって測定する。各化合物は、最終濃度2μMでブランク血漿にスパイクされる。スパイクされた血清およびリン酸緩衝液を、アセンブリした透析セルの反対側に入れ、次いで、37℃の水浴中でゆっくり回転させる。インキュベーション後、血漿およびリン酸緩衝液中の化合物濃度を決定する。非結合率を、以下の式を使用して計算する。
式中、C
fおよびC
bは、それぞれ、透析後の緩衝液濃度および血漿濃度として決定した遊離濃度および結合濃度である。
CYP450プロファイリング:
各化合物を、NADPHの存在下および非存在下で5つの各組換えヒトCYP450酵素(CYP1A2、CYP2C9、CYP3A4、CYP2D6、およびCYP2C19が含まれる)とインキュベートする。連続サンプルを、インキュベーションの開始時ならびにインキュベーションの5、15、30、45、および60分後のインキュベーション混合物から取る。インキュベーション混合物中の化合物濃度を、LC/MS/MSで決定する。各時点でインキュベーション後に残存する化合物の比率を、インキュベーション開始時のサンプルとの比較によって計算する。
ラット、イヌ、サル、およびヒトの血漿における安定性:
化合物を、血漿(ラット、イヌ、サル、またはヒト)中にて37℃で2時間までインキュベートする。化合物を、最終濃度1および10ug/mLで血漿に添加する。化合物添加から0、5、15、30、60、および120分後にアリコートを取る。各時点での化合物および主な代謝産物の濃度を、LC/MS/MSによって測定する。
全ての刊行物、特許、および特許書類は、個別に参考として援用されるかのように本明細書中で参考として援用される。本発明は、種々の特定の実施形態および好ましい実施形態および技術を参照して記載されている。しかし、本発明の精神および範囲を保持しながら多数の変更形態および修正形態を得ることができると理解すべきである。