JP5755569B2 - 肺癌を検出する方法 - Google Patents

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Description

本出願は、2009年2月25日に出願された米国特許仮出願第61/155,364号の優先権を主張し、目的に応じてその全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
肺癌は、世界のがんによる死亡の主要な死因である。肺癌は、小細胞肺癌(「SCLC」)と非小細胞肺癌(「NSCLC」)の2つの型に分類される。SCLCは、予後不良を伴う極めて高悪性型の肺癌であり、診断後の生存期間の中央値は約1ヵ月から3ヵ月である。肺癌症例の約80%は、NSCLCとして分類され、NSCLCは腺癌、扁平上皮癌と大細胞癌の3つの亜型に分類される。すべてのNSCLのうちで85%を超えるのは、腺癌または扁平上皮癌のいずれかである。
肺癌は、外見的症状が何ら現れないこともあるので、初期病期で診断するのが困難である。症状が現れるとき、症状は癌の種類、肺癌の位置および広がるパターンによって変わる可能性があり、したがって、癌と容易に相関がみられない。肺癌がすでに転移しているときに、唯一正確に診断されることが多い。
肺癌を診断するための現在の技法としては、胸部X線および/またはコンピュータ断層撮影(「CT」)走査が挙げられる。これらの技法のうちの1つによる診断は通常、より侵襲的な手法、たとえば経皮的肺生検法または経気管支性生検法によって確認されるが、これらの生検は依然として肺癌の誤診をもたらすこともある。(Butnor (2008) Arch. Pathol. Lab. Med. 132:1118−1132)。
治療(たとえば、手術、化学療法、放射線療法または併用による)における進歩にもかかわらず、肺癌の予後は、依然として不良であり、わずかに15%の患者が診断の時期から5年以上生存している。最も一般的なNSCLCのうち、腺癌はより急速に進行し、したがって扁平上皮癌より予後がさらに悪い。扁平上皮癌は発現するまで数年かかり、したがって、初期病期で診断される可能性が高い。
肺癌の死亡率および罹患率を低下させるための1つの提案は、無症候者において肺癌を検出するおよび治療するためには、リスクの高い個人、たとえば現在喫煙している、または一定期間大量に喫煙していた人たちが定期的なスクリーニングを開始することである。このような方法で、初期病期の肺癌は、外科的切除によって根絶させることができ、この方法は治癒のための唯一の現実的な選択であると考えられる。(Field et al. (2008) Br. J. Cancer 99:557−562)。
肺癌の分子標識に対する必要性が依然として残っている。
一部の実施形態では、被験者において肺癌の存在を検出する方法が、提供される。一部の実施形態では、方法は被験者からの試料において少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、(i)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む;または(iii)配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルは、被験者において肺癌の存在を示す。一部の実施形態では、該方法は、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルと、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルとを比較することをさらに含む。
一部の実施形態では、被験者において肺癌の検出を容易にする方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、(i)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む;または(iii)配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、方法は、被験者が肺癌を有するかどうか決定する目的で、医師に検出の結果を通知することを含む。
一部の実施形態では、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出すると、試料中の標的RNAにまたはその相補配列に相補的である少なくとも1つのポリヌクレオチドと試料の核酸をハイブリッド形成することと;標的RNA、標的RNAのDNAアンプリコン、および標的RNAの相補配列から選択される少なくとも1つの核酸とハイブリッド形成したポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの複合体を検出することとを含む。
一部の実施形態では、被験者において肺癌の存在を検出するための方法は、(a)被験者から試料を得ることと;(b)試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出するために該試料を研究室に提供することと;(c)試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを示す連絡を研究室から受け取ることとを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、(i)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である1つの配列を含む;または(iii)配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える、少なくとも1つの標的RNAのレベルは、肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも5つの標的RNAのレベルが検出される。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも5つの標的RNAのレベルを検出することで、肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、(i)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成しない;または(ii)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である1つの配列を含まない;および(iii)配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含まない、少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することを含む。
一部の実施形態では、方法は、(a)表6のポリヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成することができる;または(b)表6のポリヌクレオチド配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である1つの配列を含む少なくとも1つの標的RNAの検出を含む。一部のこのような実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することで、非小細胞肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、(a)表7のポリヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成することができる;または(b)表7のポリヌクレオチド配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である1つの配列を含む少なくとも1つの標的RNAの検出を含む。一部のこのような実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することで、扁平上皮癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、(a)表8のポリヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成することができる;または(b)表8のポリヌクレオチド配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である1つの配列を含む少なくとも1つの標的RNAの検出を含む。一部のこのような実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することで、腺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、(a)表9のポリヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成することができる;または(b)表9のポリヌクレオチド配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む少なくとも1つの標的RNAの検出を含む。一部のこのような実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することで、高悪性度肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、(a)表32もしくは33のポリヌクレオチド配列と特異的にハイブリッド形成することができる;または(b)表32もしくは33のポリヌクレオチド配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む少なくとも1つの標的RNAの検出を含む。
一部の実施形態では、被験者からの試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出すること含む、肺癌の存在を検出する方法が提供される。ここで、少なくとも1つの標的RNAは、(i)配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルと比べて減少している試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルは、被験者において肺癌の存在を示す。一部の実施形態では、方法は、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルと比較することを含む。
一部の実施形態では、被験者において肺癌の検出を容易にする方法が提供され、該方法は、(a)少なくとも1つの標的RNAが、(i)配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することと、(b)被験者が肺癌を有するかどうかを決定する目的で医師に検出の結果を通知することとを含む。
一部の実施形態では、被験者において肺癌の存在を検出する方法が提供され、ここで該方法は、(a)被験者から試料を得ることと、(b)少なくとも1つの標的RNAが、(i)配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出するために研究室に試料を提供することと、(c)試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを示す連絡を研究室から受け取ることとを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルと比べて減少している少なくとも1つの標的RNAのレベルは肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの第2の標的RNAのレベルを検出することをさらに含み、ここで、少なくとも1つの第2の標的RNAが、(i)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリッド形成することができる;または(ii)配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む;または(iii)配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの第2の標的RNAの正常なレベルを超える試料中の少なくとも1つの第2の標的RNAのレベルが被験者において肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、方法は、試料から核酸を単離することを含む。一部の実施形態では、核酸は、DNAから分離されたRNAを含む。一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
一部の実施形態では、合成ポリヌクレオチドが提供される。一部の実施形態では、複数の合成ポリヌクレオチドを含む組成物が提供される。一部の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは第1の領域を含み、ここで第1の領域は、1〜165、254〜360、1063〜1081、1090〜1190、2064〜2091、2107〜2168、1363〜1659、2312〜2440、および2576〜2680の配列の1つの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、もしくは少なくとも15の隣接するヌクレオチドの1つの配列と同一であるかまたは相補的である、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、もしくは少なくとも15の隣接するヌクレオチドの1つの配列を含む。一部の実施形態では、合成ポリヌクレオチドは検出可能な標識を含む。一部の実施形態では、この検出可能な標識は、FRET標識である。一部の実施形態では、第1の領域は標的RNAのある領域と同一であるまたは相補的である。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、標的RNAのある領域と同一でない、または相補的でない第2の領域をさらに含む。
一部の実施形態では、キット類が提供される。一部の実施形態では、キットは合成ポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、キットは、複数の合成ポリヌクレオチドを有する組成物を含む。一部の実施形態では、キットは少なくとも1つのポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、キットはdNTPを含む。
本発明のさらなる実施形態および詳細を後述する。
実施例1に記述したようにA549ヒト腺癌細胞系に由来する精製した全RNAの質を評価するために、Agilent Bioanalyser2100上で得た電気泳動図を示す。
4.1. 肺癌を検出するステップ
4.1.1. 一般法
標的RNAのレベルを測定することによる肺癌を検出する方法が提供される。一部の実施形態では、ヒトにおいて非肺小細胞癌を検出するための方法が提示される。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルと比べて少なくとも1つの標的RNAのレベルの変化を検出することを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAのレベルの上昇は、肺癌を示している。一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、肺癌を示している。一部の実施形態では、方法は、表1、2、6〜9、18、20、23、27、28、30、および32〜34の配列から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる少なくとも1つの標的RNAのレベルの変化を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる少なくとも1つの標的RNAのレベルの変化を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、表4、5、および38のミクロRNAから選択される少なくとも1つの標的RNAのレベルの変化を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくもと15、少なくとも16、少なくとも17、少なくもと18、少なくとも19、少なくとも20、少なくもと21、少なくとも22、少なくとも23、または24の隣接するヌクレオチドを含む少なくとも1つの標的RNAのレベルの変化を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、配列番号1〜397、1063〜1210,1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくもと15、少なくとも16、少なくとも17、少なくもと18、少なくとも19、少なくとも20、少なくもと21、少なくとも22、少なくとも23、または24の隣接するヌクレオチドに相補的である1つの配列を含む少なくとも1つの標的RNAのレベルの変化を検出することを含む。一部の実施形態では、レベルの変化は、レベルの上昇である。一部の実施形態では、レベルの変化は、レベルの減少である。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの標的RNAのレベルの上昇および少なくとも1つの別の標的RNAのレベルの減少を検出することを含む。一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
本開示では、「選択される配列」は「選択される1つの配列」と「選択される1つまたは複数の配列」の両方を包含する。したがって、「選択される配列」が用いられるとき、記載された配列のうちの1つ、または1つもしくは複数が選択されてもよいことが理解されるべきである。
標的RNAの正常なレベルを超える標的RNAのレベルを検出すると、試料が採取される患者において肺癌が存在することを示す。一部の実施形態では、この検出するステップは定量的に行われる。別の実施形態では、この検出するステップは定性的に行われる。一部の実施形態では、標的RNAを検出すると、標的RNA、標的RNAのDNAアンプリコン、および標的RNAの相補配列から選択されるポリヌクレオチドおよび核酸を含む複合体を形成することを含む。一部の実施形態では、次いで、この複合体のレベルが検出されて、同じ複合体の正常なレベルと比較される。一部の実施形態では、この複合体のレベルは、試料中の標的RNAのレベルと相関する。
「非小細胞肺癌」すなわち「NSCLC」は、ヒトで見つかる肺癌の2つのカテゴリーのうちの1つである。肺癌と診断された患者のうちの約80%は、非小細胞肺癌を有する。NSCLCは、細胞が由来する部位によって、3つの下位カテゴリーにさらに分類される:(i)肺胞の内面を覆い、粘液などの物質を作る細胞に由来する腺癌;(ii)扁平細胞類に由来する扁平上皮癌または類表皮癌;および(iii)いくつかの異なる種類の大細胞に由来する可能性のある大細胞癌。NSCLC患者の50%以上は、腺癌または扁平上皮癌のいずれかを有する。非扁平上皮癌の組織型は、腺癌および大細胞癌の両方を含む。
癌は、臨床病期および病理病期に分けることができる。臨床病期は、腫瘍についてのすべての入手可能な情報、たとえば、理学的検査、放射線検査、内視鏡検査等を通して収集される情報に基づく。病理病期は、腫瘍の顕微鏡的病理所見に基づく。
TNM(腫瘍、結節、転移)分類は、腫瘍の大きさと腫瘍が近傍の組織にすでに浸潤しているかどうか、リンパ節への転移、および遠隔転移の3つのパラメータによって癌を分類する。T(腫瘍)では、原発腫瘍の大きさと程度によって1から4の番号を割り当てられている。N(結節)では、0から3の番号を割り当てられており、0はリンパ節への転移がないことを意味する。1は最も近いリンパ節への転移であり、3は最も遠いリンパ節への転移であって最大の番号であり、2は1と3の中間である。M(転移では、遠隔転移がないものに0を割り当て、または領域のリンパ節を越えた遠隔転移に1を割り当てている。
肺癌の場合、総合的な病期分類は、癌に0、I、II、III,およびIVのローマ数字、ならびに病期によって文字のAまたはBを割り当てる。病期0は、上皮内癌であり、通常、腫瘍を形成しない。病期IA(T1N0M0)およびIB(T2N0M0)は、体の一部に局在している癌である。病期IIA(T1N1M0)およびIIB(T2N1M0およびT3N0M0)は、局在しているが、さらに進行する癌である。病期IIIA(T1〜3N2M0またはT3N1M0)およびIIIB(いずれかのT4もしくはいずれかのN3M0)の癌も局在的に進行する。病期IV(いずかのM1)は、すでに移転した癌である。本明細書で用いる場合、用語「初期病期の癌」とは、病期IAとIB癌の癌および病期IIAとIIBの癌をいう。
本明細書で用いる場合、肺癌の「高悪性」型は、1つの病期から次の病期まで急速に進行するおよび/または初期病期で転移し、患者にとって予後不良をもたらす肺癌である。
以下の表1および2は、肺癌細胞において標的RNAと相補的である、またはハイブリッド形成することがわかっている397のハイブリッド形成プローブを記載する。これらの標的RNAは、いくつかの原発腫瘍の細胞系および/またはヒト肺癌細胞系(それぞれ実施例1および2)においてレベルの上昇で、またはレベルの減少で検出された。該プローブのうちの275は、ヒト細胞内で発現される新規の標的RNA種に相補的であり、かつハイブリッド形成する。残りの122のプローブは、他の人たちによってmiRBaseに追加されてきた公知のミクロRNAに相補的であり、かつハイブリッド形成する(http://microrna.sanger.ac.uk/; Griffiths−Jones S. et al. (2007) Nucl. Acids Res. 36:154−158を参照されたい)。これらの後者のプローブは、表1および2で「mir」または「let」のいずれかで表されている。
以下の表18〜21には、いくつかの原発腫瘍においてレベルの上昇で検出された標的RNAに相補的であり、かつハイブリッド形成することがわかっているハイブリッド形成プローブを記載する(実施例4を参照されたい)。表18および20に記載したいくつかのプローブは、ヒト細胞内で発現される新規標的RNA種に相補的であり、かつハイブリッド形成する。表18および20の他のプローブは、他の人たちによってmiRBaseに追加されてきた公知のミクロRNAに相補的であり、かつハイブリッド形成する(http://microrna.sanger.ac.uk/;Griffiths−Jones S. et al. (2007) Nucl. Acids Res. 36:154−158を参照されたい)。これらの後者のプローブは、「mir」または「let」のいずれかで表されている。
以下の表23および24には、いくつかの原発腫瘍においてレベルの減少で検出された標的RNAに相補的であり、かつハイブリッド形成することがわかっているハイブリッド形成プローブを記載する(実施例4を参照されたい)。表23および24に記載したいくつかのプローブは、ヒト細胞内で発現される新規標的RNA種に相補的であり、かつハイブリッド形成する。表23および24の他のプローブは、他の人たちによってmiRBaseに追加されてきた公知のミクロRNAに相補的であり、かつハイブリッド形成する(http://microrna.sanger.ac.uk/;Griffiths−Jones S. et al. (2007) Nucl. Acids Res. 36:154−158を参照されたい)。これらの後者のプローブは、「mir」または「let」のいずれかで表されている。
以下の表27および28には、いくつかの肺癌細胞系においてレベルの上昇で検出された標的RNAに相補的であり、かつハイブリッド形成することがわかっているハイブリッド形成プローブを記載する(実施例5を参照されたい)。表27および28に記載したいくつかのプローブは、ヒト細胞内で発現される新規標的RNA種に相補的であり、かつハイブリッド形成する。表27および28の他のプローブは、他の人たちによってmiRBaseに追加されてきた公知のミクロRNAに相補的であり、かつハイブリッド形成する(http://microrna.sanger.ac.uk/; Griffiths−Jones S. et al. (2007) Nucl. Acids Res. 36:154−158を参照されたい)。これらの後者のプローブは、「mir」または「let」のいずれかで表されている。
以下の表30には、いくつかの肺癌細胞系においてレベルの減少で検出された標的RNAに相補的であり、かつハイブリッド形成することがわかっているハイブリッド形成プローブを記載する(実施例5を参照されたい)。表30に記載したいくつかのプローブは、ヒト細胞内で発現される新規標的RNA種に相補的であり、かつハイブリッド形成する。表30の他のプローブは、他の人たちによってmiRBaseに追加されてきた公知のミクロRNAに相補的であり、かつハイブリッド形成する(http://microrna.sanger.ac.uk/; Griffiths−Jones S. et al. (2007) Nucl. Acids Res. 36:154−158を参照されたい)。これらの後者のプローブは、「mir」または「let」のいずれかで表されている。
表1および2ではそれぞれ、確認した原発腫瘍の各々に対して、および確認した細胞系の各々に対して測定した標的RNAの発現レベルは、正常ヒト肺の全RNAで測定された発現レベルと比べると発現の倍数変化として発現される(実施例1および2を参照されたい)。同様に、表18〜21、23、24、27、28、および30では、確定した原発腫瘍のそれぞれに対して、および確定した細胞系のそれぞれに対して測定した標的RNAの発現レベルは、正常ヒト肺の全RNAで測定された発現レベルと比べると発現の倍数変化として発現される(実施例4および5を参照されたい)。
表6には、NSCLCにおいてレベルの増加で表れている表1からの標的RNAを記載する。表7には、扁平上皮癌でレベルの上昇でより頻繁に現れている標的RNAを記載する。一部の実施形態では、方法は、表7からの少なくとも1つの標的RNAのベレルの上昇を検出することを含む。一部のこのような実施形態では、表7からの少なくとも1つの標的RNAのレベルの上昇を検出すると、扁平上皮癌を示している。表8には、腺癌においてレベルの上昇でより頻繁に現れている標的RNAを記載する。一部の実施形態では、方法は、表8からの少なくとも1つの標的RNAのレベルの上昇を検出することを含む。一部のこのような実施形態では、表8からの少なくとも1つの標的RNAのレベルの上昇を検出すると、腺癌を示している。表9には、高悪性型の肺癌においてレベルの上昇で現れている標的RNAを記載する。一部の実施形態では、方法は、表9からの少なくとも1つの標的RNAのレベルの上昇を検出することを含む。一部のこのような実施形態では、表9からの少なくとも1つの標的RNAのレベルの上昇を検出すると、高悪性型の肺癌を示している。
一部の実施形態では、方法は、単一のプローブで複数のisomirを検出することを含む。1つまたは複数のisomirのレベルの上昇を検出すると、肺癌を示しているとみなされる。複数のミクロRNAが同じ配列を有するが異なる遺伝子から発現されるとき、1つまたは複数の遺伝子は、肺癌患者において上方制御されることがある。これらの遺伝子のいずれか1つから発現されるミクロRNAを検出すると、肺癌を示しているとみなされる。
本明細書での参照の便宜上のためであって、限定する目的ではないが、一部の「標的RNA」種は、本明細書に記載する表および実施例1において、「ミクロRNA」と表示される。一部の実施形態では、標的RNAは、表1、2、6〜9、18、20,23、27、28、30、および32〜34のいずれかに記載するハイブリッド形成プローブに特異的にハイブリッド形成できる単一の成熟ミクロRNAである。一部の実施形態では、標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210,1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む単一の成熟ミクロRNAである。一部の実施形態では、標的RNAは、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む単一の成熟ミクロRNAである。一部の実施形態では、標的RNAは複数の標的RNAを含むこともあり、それらのすべては、単一の相補的プローブ配列(たとえば、2つ以上の標的ミクロRNAがisomirであるとき)に特異的にハイブリッド形成することができる。一部の実施形態では、「ミクロRNA」と表示されているのは、1つまたは複数の標的RNAが成熟ミクロRNAに対する標準的な定義を満たさないように、それぞれのハイブリッド形成プローブに特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAである。一部の実施形態では、標的RNAは、mRNAである。一部の実施形態では、「標的RNA」は、Piwi結合RNA(piRNA)、すなわち動物細胞中で発現されるsmallRNAであり、大きさ(26〜31nt)においてミクロRNAと異なり、かつ転写遺伝子のサイレンシングに関与するPiwiタンパク質と独特な複合体を形成する。
成熟ヒトミクロRNAは、一般的に17〜27の隣接するリボヌクレオチドで構成され、かつ長さが19〜25のヌクレオチド、または長さが21もしくは22のヌクレオチドであることが多い。本開示によって検出されることができる一部の標的ミクロRNAの配列は、表3、22、25、29、31、および37に示すpre−ミクロRNA配列内に見出される(配列番号398〜793、1211〜1362、1708〜2063、2184〜2311、2453〜2575、および2681〜2688、2690、および2691)。一部の実施形態では、複数の成熟標的RNAは、表3、22、25、29、31、および37に示す単一のpre−ミクロRNAに由来する。一部の公知の成熟ミクロRNAの配列は、以下の表4および5に示す(配列番号794〜1043、および2692)。さらに、一部の実施形態では、ミクロRNAは、表38の配列(配列番号2576〜2672)のある配列の少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、または少なくとも26の隣接するヌクレオチドを含む。
理論に束縛されるものではないが、本明細書で記述されるように、哺乳類ミクロRNAは成熟する。ミクロRNAをコードしている遺伝子が転写され、「pri−ミクロRNA」または「pri−miRNA」として知られているミクロRNA前躯体の産生をもたらす。pri−miRNAは、複数のpri−miRNAを含む多シストロン性RNAの一部になり得る。一部の状況では、pri−miRNAは、不適正塩基を含むこともあるステムおよびループによってヘアピンを形成する。pri−miRNAのヘアピン構造は、リボヌクレアーゼIIIエンドヌクレアーゼタンパク質であるDroshaによって認識される。Droshaは、pri−miRNA内の末端ループを認識して、らせんターンおよそ2回分をステムに切断して、「pre−ミクロRNA」または「pre−miRNA」として知られている60〜70のヌクレオチド前駆体を生成する。Droshaは、pri−miRNAを段違い切断によって一般的なリボヌクレアーゼIIIエンドヌクレアーゼに切断して、5’ホスフェートおよび約2つのヌクレオチド3’オーバーハングを有するpre−miRNAステムループを得ることができる。Drosha切断部位を越えて伸長しているらせんターン約1回分のステム(約10のヌクレオチド)は、効率的なプロセシングに不可欠になり得る。続いて、pre−miRNAは、Ran−GTPおよび搬出受容体Exportin−5によって核から細胞質に能動的に輸送される。
pre−miRNAは、別のリボヌクレアーゼIIIエンドヌクレアーゼであるDicerによって認識されることができる。一部の状況では、Dicerは、pre−miRNAの二本鎖ステムを認識する。Dicerは、ステムループ構造のベースで、5’ホスフェートおよび3’オーバーハングも認識することが可能である。Dicerは、ステムループ構造のベースかららせんターン2回分、離れた末端ループを切り離して、追加の5’ホスフェートおよび約2つのヌクレオチド3’オーバーハングを残すことが可能である。結果として生じる、不適正塩基対を含む可能性のあるsiRNA様二本鎖は、成熟ミクロRNAおよびミクロRNAとして知られている同様の大きさの断片を含む。ミクロRNAおよびミクロRNAは、pri−miRNAおよびpre−miRNAの対向するアームに由来することもある。次いで、成熟ミクロRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(「RISC」)、すなわちリボ核酸タンパク質に添加される。一部の実施形態では、ミクロRNAも、遺伝子サイレンシングまたは他の活性を有する。
配列がチミン(T)塩基を含む場合、標的RNAは代わりにウラシル(U)塩基を含むことがあると理解される。
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一部の実施形態では、標的RNAは、患者における肺癌の状態または進行をモニターするために、該患者から1回または複数回にわたり収集した試料で測定されることができる。
一部の実施形態では、検査される試料は、肺組織の収集で通常用いられる技法、たとえば気管支鏡検査法、気管支洗浄法、気管支擦過法、または経気管支針穿刺吸引法などの1種類または複数種類の技法を用いて得られる。一部の実施形態では、細胞を採取するために、気管支肺胞洗浄、すなわち、生理食塩水で気道を洗浄することによって損傷なしで患者から試料を採取する。一部の実施形態では、試料は生検によって、たとえばコンピュータ断層撮影(CT)を用いる針生検によって採取される。
一部の実施形態では、検査される試料は、体液、たとえば血液、痰、粘液、唾液、尿、精液等である。一部の実施形態では、検査される試料は、血液試料である。一部の実施形態では、血液試料は全血である。一部の実施形態では、血液試料は血液細胞の試料である一部の実施形態では、血液試料は血漿である。一部の実施形態では、血液試料は血清である。
一部の実施形態では、検査される臨床試料は、新たに採取される。別の実施形態では、試料は新鮮凍結標本である。一部の実施形態では、試料は組織試料、たとえばホルマリン固定パラフィン包埋試料である。一部の実施形態では、試料は体腔液細胞診の試料である。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法は、肺細胞の試料、たとえば通常の気管支鏡検査法によって採取される試料で肺癌の早期発見のために用いられる。一部の実施形態では、本明細書に記述される方法は、血液または血清の試料中の肺癌の早期発見のために使われる。
一部の実施形態では、検査される臨床試料は、以下の危険因子のうちの1つまたは複数を有する個人から採取される。すなわち、喫煙歴、45歳以上、ラドンガスへの曝露、間接喫煙または職業性発癌物質(たとえばアスベスト、放射線、ヒ素、クロム酸塩、ニッケル、クロロメチルエーテル、マスタードガスもしくはコークス炉排出物)への曝露、または結核等の先行疾患による肺の瘢痕である。一部の実施形態では、臨床試料は、胸部X線検査および/もしくはコンピュータ断層撮影(「CT」)走査の異常診断、咳、限局性胸痛、または嗄声等の肺癌に付随している可能性のある、診断徴候または臨床症状を有する個人から採取される。
したがって、一部の実施形態では、本明細書に記述される方法は、危険因子のない健常な個人の定期的スクリーニングのために使用できる。一部の実施形態では、本明細書に記述される方法を用いて、上述の危険因子のうちの1つまたは複数を有する無症候者をスクリーニングする。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法を用いて、患者において肺癌の治療の有効性を評価することができる。一部の実施形態では、標的RNAの発現レベルは、治療の間、種々の時期で測定され、および肺癌のいずれかの徴候が現れる前に、または治療を開始する前に、たとえば気管支鏡検査法によって患者から採取された保管試料からの標的RNAの発現レベルと比較される。一部の実施形態では、標的RNA発現レベルは、患者から採取された正常な組織の保管試料、すなわち、患者の肺の腫瘍のない部分から生検によって採取された組織試料からの標的RNAの発現レベルと比較される。正常な試料での標的RNA発現レベルは、標的RNA発現レベルにおいて何ら異常な変化がないことを証明することが理想的である。したがって、このような実施形態では、肺癌患者の治療の経過は、同患者が健康であったとき、もしくは治療を開始する前の同患者に由来する肺細胞の試料との比較によって、または同患者に由来する健常な肺細胞の試料との比較によって、評価することができる。
方法が2つ以上の標的RNAの発現を検出することを含む実施形態では、複数の標的RNAの発現レベルは、同じアッセイ反応において同時並行してまたは同時に検出されることも可能である。一部の実施形態では、発現レベルは、別々のアッセイ反応において同時並行してまたは同時に検出される。一部の実施形態では、発現レベルは、異なる時点で、たとえば連続するアッセイ反応において検出される。
一部の実施形態では、方法は、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することを含む。ここで、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出すると、該被験者において肺癌の存在を示す。一部の実施形態では、方法は、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することと、該試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルと少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルとを比較することとを含む。ここで、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルは、該被験者において肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、被験者において肺癌の診断を容易にする方法が提供される。このような方法は、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することを含む。一部の実施形態では、被験者に由来する試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルに関する情報は、医師に伝えられる。本明細書で用いる場合、「医師」とは、患者を診断するおよび/または治療する個人もしくは実体、たとえば病院、クリニック、診療所、医師、看護師、もしくは前述の実体および個人のいずかれかのエージェントをいう。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出することは、医師または医師のエージェントから被験者の試料を受け取った研究室で行われる。該研究室は、本明細書に記述される方法を含む任意の方法によって検出を行い、次いでその結果を医師に通知する。本明細書で用いる場合、結果は、何らかの方法によって医師に提供されるとき、「通知された」とする。一部の実施形態では、この通知は、口頭もしくは書面によることもあり、電話による、直接に、電子メールによる、郵送もしくは他の宅配便によることもあり、またはたとえば医師がアクセスできるデータベース(医師によって制御されていない複数のデータベースを含む)にこの情報を直接入れることによって行うこともある。一部の実施形態では、情報は電子形式で維持される。一部の実施形態では、情報は、記憶装置または他のコンピュータで読取り可能な媒体、たとえばRAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、コンピュータチップ、デジタルビデオディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープ等に保管されることができる。
一部の実施形態では、肺癌の存在を検出する方法が提供される。一部の実施形態では、肺癌を診断する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、被験者から試料を得ることと、該試料中の少なくとも1つの標的RNAレベルの検出のために該試料を研究室に提供することとを含む。一部の実施形態では、方法は、該試料中の少なくとも1つの標的RNAレベルを示す連絡を研究室から受け取ることをさらに含む。一部の実施形態では、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルが、少なくとも1つの標的RNAの正常なレベルを超える場合、肺癌が存在する。本明細書で用いる場合、「研究室」とは、本明細書に記述される方法を含む任意の方法によって、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを検出して、医師にそのレベルを通知するいずれかの施設である。一部の実施形態では、研究室は医師の管理下にある。一部の実施形態では、研究室は医師の管理下にはない。
一部の実施形態では、研究室が医師に少なくとも1つの標的RNAのレベルを通知するとき、研究室は、正常なレベルに関する数値を提供しても提供しなくても、試料中の少なくとも1つの標的RNAのレベルを表す数値を通知する。一部の実施形態では、研究室は、「高い」、「上昇した」等の質的評価を提供することによって少なくとも1つの標的RNAのレベルを通知する。
本明細書で用いる場合、方法が肺癌を検出すること、肺癌の存在を決定すること、および/または肺癌を診断することに関するとき、該方法は、行われる方法のステップにおける活動を含むが、その結果は肺癌の存在に対して陰性である。すなわち、肺癌を検出すること、決定すること、および診断することは、陽性または陰性のいずれかの結果(たとえば標的RNAのレベルが正常であるか、または正常を超えるかどうか)をもたらす様々な方法を実行する例を含む。
本明細書で用いる場合、用語「被験者」とは、ヒトを意味する。一部の実施形態では、本明細書に記述される方法は、非ヒト動物に由来する試料で用いられることも可能である。
ゲノムにおいて互いに物理的に近位にある標的RNAの共通発現、または協調発現は、本明細書での方法においてこのような近位染色体の標的RNAの情報価値のある使用を可能にする。
表3は、表1および2の配列番号1〜397のうちの1つに同じく存在するある配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる397の標的RNAのそれぞれの染色体上の位置を特定している。表22は、表18および20の配列番号1063〜1210のうちの1つに同じく存在するある配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる標的RNAの染色体上の位置を特定している。表25は、表23の配列番号1363〜1707のうちの1つに同じく存在するある配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる標的RNAの染色体上の位置を特定している。表29は、表27および28の配列番号2064〜2183のうちの1つに同じく存在するある配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる標的RNAの染色体上の位置を特定している。表31は、表30の配列番号2312〜2452のうちの1つに同じく存在するある配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる標的RNAの染色体上の位置を特定している。このように、一部の実施形態では、表3、22、25、29、および31の染色体上の位置の約1キロベース(kb)以内、約2kb以内、約5kb以内、約10kb以内、約20kg以内、約30kb以内、約40kb以内、および約50kb以内にも位置する1つまたは複数の標的RNAの発現レベルは、本明細書に記述される方法においてそれぞれ表に記載された標的RNAの発現の測定の代わりに、または測定に追加して検出される。Baskerville, S.およびBartel D.P. (2005) RNA 11:241−247を参照されたい。
一部の実施形態では、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAを検出することと、および/または配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む1つまたは複数の標的RNAを検出することと、および/または配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む1つまたは複数の標的RNAを検出することとを組み合わせて、本明細書の方法は、ヒトmiRNomeに由来する少なくとも1つのミクロRNAの発現レベルを検出することをさらに含む。
一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも一部分に相補的である少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
一部の実施形態では、2つ以上の標的RNAは、単一の反応で同時に検出される。一部の実施形態では、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、または少なくとも10の標的RNAは、単一の反応で同時に検出される。一部の実施形態では、すべての標的RNAは、単一の反応で同時に検出される。
一部の実施形態では、配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、その試料が採取された個人において肺癌の存在を示している。一部の実施形態では、配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも一部分に相補的である少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、その試料が採取された個人において肺癌の存在を示している。一部の実施形態では、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、その試料が採取された個人において肺癌の存在を示している。一部の実施例形態では、配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、その試料が採取された個人において肺癌の存在を示している。一部の実施形態では、配列番号1〜397、1363〜1707、および2312〜2452から選択される配列の少なくとも一部分に相補的である少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、その試料が採取された個人において肺癌の存在を示している。一部の実施形態では、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、その試料が採取された個人において肺癌の存在を示している。
一部の実施形態では、表6のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、非小細胞肺癌の存在を示している。
一部の実施形態では、表7のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、扁平上皮癌を示している。
一部の実施形態では、表8のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、腺癌を示している。
一部の実施形態では、表9のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、高悪性度肺癌を示している。
一部の実施形態では、表32または33のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、肺癌を示している。
一部の実施形態では、表34のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、肺癌を示している。
一部の実施形態では、配列番号15、26、27、30、129、164、184、191、196、197、205、207、214、219、225、246、および248から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、非小細胞肺癌を示している。
一部の実施形態では、配列番号15、26、27、および191から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加、ならびに配列番号92および171から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、扁平上皮癌または腺癌を示している。
一部の実施形態では、配列番号4、36、50、93、122、125、139、140、144、146、159、226、239、および241から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、扁平上皮癌または腺癌を示している。
一部の実施形態では、配列番号19、27、33、48、55、72、73、94、101、105、112、117、130、131、133、134、135、143、155、158、160、161、163、165、221、238、240、および246から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、扁平上皮癌を示している。
一部の実施形態では、配列番号19、27、33、48、55、72、73、94、101、105、112、117、130、131、133、134、135、143、155、158、160、161、163、165、221、238、240、および246から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの減少は、腺癌を示している。
一部の実施形態では、配列番号27、72、73、161、または246から選択される配列に特異的にハイブリッド形成することができる1つまたは複数の標的RNAのレベルの増加は、高悪性型の腺癌を示している。
4.1.2. 代表的な対照群
一部の実施形態では、各標的RNAに対する正常なレベル(「対照」)は、正常ヒト肺細胞または他の参照試料に特有である平均レベルもしくは範囲として決定されることができ、そのレベルもしくは範囲に対して、試料中で測定されたレベルが比較されることができる健常被験者における標的RNAの決定された平均レベルまたは範囲は、肺癌を示す標的RNAの正常以上のレベルまたは正常以下のレベルを検出するための基準として使われることが可能である。一部の実施形態では、標的RNAの正常なレベルは、たとえば、非小細胞肺癌の病期I、IIまたはIIIAのために外科的切除を受けた患者に由来する正常肺組織から、1人または複数の個人に由来する個別のもしくはプールされたRNA含有試料を用いて、決定されることが可能である。
一部の実施形態では、標的RNAの発現の正常なレベルを決定することは、標的RNA、該標的RNAのDNAアンプリコン、および該標的RNAの相補配列から選択される核酸にハイブリッド形成されるプローブを含む複合体を検出することを含む。すなわち、一部の実施形態では、発現の正常なレベルは、標的RNAそれ自体よりはむしろ標的RNAのDNAアンプリコンまたは標的RNAの相補配列を検出することによって、決定されることができる。一部の実施形態では、この複合体の正常なレベルは決定されて、対照として用いられる。一部の実施形態では、複合体の正常なレベルは、標的RNAの正常なレベルと相関する。このように、標的の正常なレベルが本明細書で考察されるとき、一部の実施形態では、そのレベルは、この複合体を検出することによって決定されることが可能である。
一部の実施形態では、対照は、単一の個人の細胞、たとえば、病期I、II、またはIIIAの非小細胞肺癌のために外科的切除を受けた患者に由来する正常組織からのRNAを含む。一部の実施形態では、対照は、検査試料を採取した個人の肺の解剖学的におよび/または細胞学的に正常な領域から取り出される。一部の実施形態では、対照は複数の個人に由来する細胞のプールからのRNAを含む。一部の実施形態では、対照は、複数の個人に由来する血液、たとえば全血または血清のプールからのRNAを含む。一部の実施形態では、対照は、市販されているヒトRNA、たとえばヒト肺全RNA(Ambion;AM7968)を含む。一部の実施形態では、正常なレベルまたは正常範囲は、レベルの上昇に対して試料を検査する前にすでにあらかじめ定められている。
一部の実施形態では、標的RNAの正常なレベルは、1つまたは複数の継代細胞系、通常は、正常ヒト肺細胞において発現のレベルに近い少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを有することが以前に示されている細胞系から決定されることが可能である。
一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比較することをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを少なくとも1つの標的RNAの発現の対照レベルと比較することをさらに含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの発現の対照レベルは、正常な細胞の少なくとも1つの標的RNAの発現レベルである。一部のこのような実施形態では、対照レベルは、正常なレベルと呼ばれることもある。一部の実施形態では、正常な細胞内の少なくとも1つの標的RNAの発現レベルと比べて、少なくとも1つの標的RNAの発現のより大きなレベルは、肺癌を示す。一部の実施形態では、正常な細胞内の少なくとも1つの標的RNAの発現レベルと比べて少なくとも1つの標的RNAの発現のレベルの減少は、肺癌を示す。
一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、たとえば肺癌確定患者からの発現の参照レベルと比較される。一部のこのような実施形態では、参照試料と比べて少なくとも1つの標的RNAの同様の発現レベルは、肺癌を示す。
一部の実施形態では、それぞれ少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルもより少なくとも約2倍を超える、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。一部の実施形態では、正常な細胞で構成される対照試料中のそれぞれ少なくとも1つの標的RNAのレベルもより少なくとも約2倍を超える、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。種々の実施形態では、正常な細胞で構成される対照試料中のそれぞれ少なくとも1つの標的RNAの発現レベルもより少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍を超える、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。種々の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルもより少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍を超える、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、それぞれ少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比べると少なくとも約2倍減少している、少なくとも1つの標的RNAの発現のレベルは、肺癌の存在を示す。一部の実施形態では、正常な細胞で構成される対照試料中のそれぞれ少なくとも1つの標的RNAのレベルと比較すると少なくとも約2倍減少している、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。種々の実施形態では、正常な細胞で構成される対照試料中のそれぞれ少なくとも1つの標的RNAの発現レベルと比較すると少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍減少している、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。種々の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比較すると少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍減少している、少なくとも1つの標的RNAの発現レベルは、肺癌の存在を示す。
一部の実施形態では、標的RNAの発現の対照レベルは、試料中の標的RNAの発現レベルとして、同じ期間の間に、たとえば同じアッセイで、またはアッセイのバッチで決定される。一部の実施形態では、標的RNAの発現の対照レベルは、試料中の標的RNAの発現レベルとして、同じ時期の間に決定されない。一部のこのような実施形態では、発現の対照レベルは、前もって決定されている。
一部の実施形態では、たとえばその標的RNAが正常な細胞では、極めて低いレベルで発現される、または全く発現されないことがわかっているとき、標的RNAの発現レベルは、発現の対照レベルと比較されない。一部のこのような実施形態では、試料中の標的RNAの高いレベルを検出すると、肺癌を示している。あるいは、標的RNAが正常な細胞で高いレベルで発現されることが知られている場合、試料中の極めて低レベルの標的RNAが検出されると、肺癌を示している。
4.1.3. RNAを調製する代表的な方法
標的RNAは、任意の適切な方法によって調製されることが可能である。全RNAは、Wilkinson, M. (1988) Nucl. Acids Res. 16(22): 10,933;およびWilkinson, M. (1988) Nucl. Acids Res. 16(22): 10934に記載のプロトコルを含むがこれらに限定されない任意の方法によって、またはたとえばTRIzol(登録商標)試薬(Invitrogen(商標))、全RNA抽出キット(iNtRON Biotechnology)、全RNA精製キット(Norgen Biotek Corp.)、RNAqueous(商標)(Ambion)、MagMAX(商標)(Ambion)、RecoverAll(商標)(Ambion)、RNeasy(Qiagen)等の市販されているキットもしくは試薬を用いることで、単離されることが可能である。
一部の実施形態では、smallRNAは単離されるか、または濃縮される。一部の実施形態では、「smallRNA」とは、約200ヌクレオチド(nt)長より小さいRNA分子をいう。一部の実施形態では、「smallRNA」とは、約100ntより小さい、約90ntより小さい、約80ntより小さい、約70ntより小さい、約60ntより小さい、約50ntより小さい、または約40ntより小さいRNA分子をいう。
smallRNAの濃縮は、方法によって達成されることが可能である。この方法としては、有機抽出に続いて、特殊な結合溶液および洗浄液を用いることによるガラス繊維フィルタ上での核酸分子の吸着を含む方法、およびスピンカラム精製を用いる方法が挙げられるがこれらに限定されない。smallRNAの濃縮は、市販されているキット、たとえばmirVana(商標)単離キット(Applied Biosystems)、mirPremier(商標)ミクロRNA単離キット(Sigma−Aldrich)、PureLink(商標)miRNA単離キット(Invitrogen)、miRCURY(商標)RNA単離キット(Exiqon)、ミクロRNA精製キット(Norgen Biotek Corp.)、miRNeasyキット(Qiagen)等を用いて達成されることが可能である。一部の実施形態では、精製はTRIxol(登録商標)(Invitrogen)の方法によって達成されることが可能であり、該方法は、フェノール/イソチオシアナート溶液を使用し、この溶液にクロロホルムを加えてRNA含有水相を分離する。続いて、smallRNAは、イソプロピルアルコールを用いる沈殿によって水相から回収される。一部の実施形態では、smallRNAは、クロマトグラフ法、たとえばApplied Biosystemsから入手可能なflashPAGE(商標)フラクショネーターを使用するゲル電気泳動を用いて精製されることができる。
一部の実施形態では、smallRNAは、他のRNA分子から単離されて、smallRNA画分(たとえば、200以下のヌクレオチド長であるRNA分子、たとえば100未満のヌクレオチド長、たとえば50未満のヌクレオチド長、たとえば約10〜約40のヌクレオチド長を含む)が実質的に純粋になるように、標的RNAを濃縮する。これは、より大きいRNA分子に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%純度以上であるが、100%純度未満であることを意味する。あるいは、smallRNAの濃縮は、倍濃縮基準で表すこともできる。一部の実施形態では、試料中のRNA単離物または全RNAにおけるより大きいRNAの濃度に対して、smallRNAは、約、少なくとも約、または多くても約5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、140倍、150倍、160倍、170倍、180倍、190倍、200倍、210倍、220倍、230倍、240倍、250倍、260倍、270倍、280倍、290倍、300倍、310倍、320倍、330倍、340倍、350倍、360倍、370倍、380倍、390倍、400倍、410倍、420倍、430倍、440倍、450倍、460倍、470倍、480倍、490倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、1100倍、1200倍、1300倍、1400倍、1500倍、1600倍、1700倍、1800倍、1900倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍、6000倍、7000倍、8000倍、9000倍、10,000倍、あるいはそれ以上、またはその中で誘導可能ないずれかの範囲で濃縮される。
さらに別の実施形態では、発現は、RNAが最初に細胞から精製されていない試料で測定される。
一部の実施形態では、標的RNAが検出される前に、RNAは修飾される。一部の実施形態では、修飾RNAは、全RNAである。別の実施形態では、修飾RNAは、全RNAから、またはたとえばRNAが200未満のヌクレオチド長、たとえば100未満のヌクレオチド長、たとえば50未満のヌクレオチド長、たとえば約10〜約40のヌクレオチド長の細胞可溶化物から精製されたsmallRNAである。本明細書に記述される方法で利用可能なRNA修飾としては、化学的にまたは酵素的に達成可能なポリ−dA尾部もしくはポリ−dT尾部の付加、および/またはビオチン等の小分子の付加が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAが逆転写される。一部の実施形態では、存在する場合は、RNAが逆転写されるとき、たとえば逆転写の間にポリ−dA尾部またはポリ−dT尾部がcDNAに付加されるとき、RNAは修飾される。別の実施形態では、RNAは、逆転写される前に、修飾される。一部の実施形態では、全RNAは転写される。別の実施形態では、RNAが逆転写される前に、smallRNAは単離されるか、または濃縮される。
標的RNAが逆転写されるとき、標的RNAの相補配列が形成される。一部の実施形態では、標的RNAそれ自体(またはそのDNAコピー)よりはむしろ、標的RNAの相補配列が検出される。このように、本明細書で考察される方法が、標的RNAが検出される、または標的RNAのレベルが決定されることを示すとき、このような検出または決定は、標的RNAそれ自体の代わりに、またはそれ自体に加えて標的RNAの相補配列上で行われることが可能である。一部の実施形態では、標的RNAよりはむしろ、標的RNAの相補配列が検出されるとき、該標的RNAの相補配列に相補的であるプローブが用いられる。このような実施形態では、プローブは、ウリジンの代わりにチミジンを含み、および/または別の修飾ヌクレオチドも含むこともあるが、標的RNAの順序どおりに同一である少なくとも一部分を含む。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAを検出する方法は、前述の標的RNAに相補的なcDNAを増幅することを含む。この増幅は、任意の方法によって達成されることができる。代表的な方法としては、リアルタイムPCRと、エンドポイントPCRと、cDNAとアニーリングされるT7プロモーターに由来するT7ポリメラーゼ、たとえばImplen、GeRNAnyから入手可能なSenseAmp Plus(商標)キットによって提供される等を用いる増幅とが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、標的RNAに相補的な標的RNAまたはcDNAが増幅されるとき、標的RNAのDNAアンプリコンが形成される。DNAアンプリコンは一本鎖または二本鎖であってもよい。一部の実施形態では、DNAアンプリコンが一本鎖のとき、DNAアンプリコンの配列は、順方向または逆方向のいずれかで標的RNAに関連する。一部の実施形態では、標的RNAそれ自体よりはむしろ、標的RNAのDNAアンプリコンが検出される。このように、本明細書で考察される方法が、標的RNAが検出される、または標的RNAのレベルが決定されることを示すとき、このような検出または決定は、標的RNAそれ自体の代わりに、またはそれ自体に追加して標的RNAのDNAアンプリコン上で行われることが可能である。一部の実施形態では、標的RNAよりはむしろ、標的RNAのDNAアンプリコンが検出されるとき、標的RNAの相補配列と相補的であるプローブが使われる。一部の実施形態では、標的RNAよりはむしろ、標的RNAのDNAアンプリコンが検出されるとき、標的RNAに相補的であるプローブが用いられる。さらに、一部の実施形態では、複数のプローブが使われてもよく、かつ一部のプローブは標的RNAに相補的であってもよく、一部のプローブは標的RNAの相補配列に相補的であってもよい。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAを検出する方法は、後述するようにRT−PCRを含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAを検出することは、RT−PCR反応のリアルタイムモニタリングを含む。これは、任意の方法で達成されることができる。このような方法としては、TaqMan(登録商標)、分子標識、またはScorpionプローブ(すなわちFRETプローブ)およびインターカレート色素、たとえばSYBR Green、EvaGreen、チアゾールオレンジ、YO−PRO、TO−PRO等の使用が挙げられるがこれらに限定されない。
4.1.4. 代表的な解析方法
上述のように、患者に由来する試料において肺癌を検出するための方法が提示される。一部の実施形態では、この方法は、配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを検出することを含み、試料中の発現レベルは、正常な肺細胞に由来する試料等の対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルを超える。一部の実施形態では、方法は、配列番号1〜397、1063〜1210、2064〜2183、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む少なくとも1つまたは複数の標的RNAのレベルを検出することを含み、試料中のレベルは、対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルを超える。一部の実施形態では、方法は、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む少なくとも1つまたは複数の標的RNAのレベルを検出することを含み、試料中のレベルは、対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルを超える。
一部の実施形態では、方法は、配列番号1〜397、1363〜1707、2312〜2452から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを検出することを含み、試料中の発現レベルは、正常な肺細胞に由来する試料等の対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比べると減少する。一部の実施形態では、方法は、配列番号1〜397、1363〜1707、2312〜2452から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む1つまたは複数の標的RNAのレベルを検出することを含み、試料中のレベルは、対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比べると減少する。一部の実施形態では、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む1つまたは複数の標的RNAのレベルを検出することを含み、試料中のレベルは、対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比べると減少する。
一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
一部の実施形態では、たとえば上述の場合、方法は、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成せず、かつ配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含まない、ヒトmiRNomeの少なくとも1つの標的RNAの発現レベルを検出することをさらに含み、試料中の発現レベルは、対照試料中の少なくとも1つの標的RNAの発現の正常なレベルと比べると変化する。本明細書で用いる場合、用語「ヒトmiRNome」とは、ヒト細胞およびそこから産生される成熟ミクロRNA内のすべてのミクロRNA遺伝子をいう。
所望の少なくとも1つの標的RNAの特異的検出および定量化できる(または半定量化できる)検出を可能にする能力があるいずれかの解析手順を、本明細書で提示される方法で用いることが可能である。このような解析手順としては、実施例1、2、4、および5に記載のマイクロアレイ方法、実施例3に記載のミクロビーズ方法、および当業者にとって既知の方法が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、標的RNAの検出は、標的RNAまたはその相補配列に相補的であるポリヌクレオチドと、標的RNA、該標的RNAのDNAアンプリコン、および該標的RNAの相補配列から選択される核酸とを含む複合体を形成することを含む。このように、一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは標的RNAと複合体を形成する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、たとえば、標的RNAから逆転写されたcDNA等の標的RNAの相補配列と複合体を形成する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、標的RNAのDNAアンプリコンと複合体を形成する。本明細書で用いる場合、二本鎖DNAアンプリコンが複合体の一部であるとき、該複合体は該DNAアンプリコンの一方の鎖または両方の鎖を含むことがある。したがって、一部の実施形態では、複合体はDNAアンプリコンの1つの鎖だけを含む。一部の実施形態では、複合体は、三重鎖であって、ポリヌクレオチドおよびDNAアンプリコンの両方の鎖を含む。一部の実施形態では、複合体は、ポリヌクレオチドと、標的RNA、該標的RNAの相補配列、または該標的RNAのDNAアンプリコンとの間のハイブリッド形成によって形成される。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、プライマーまたはプローブである。
一部の実施形態では、方法は、複合体を検出することを含む。一部の実施形態では、複合体は、検出時期に関連する必要はない。すなわち、一部の実施形態では、複合体は形成され、次いで該複合体は分離されるか、またはある方法で破壊されて、該複合体から構成成分が検出される。このようなシステムの例は、TaqMan(登録商標)アッセイである。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドがプライマーであるとき、複合体の検出は、標的RNA、該標的RNAの相補配列、または標的RNAのDNAアンプリコンの増幅を含むこともある。
一部の実施形態では、本明細書に記載する方法において少なくとも1つの標的RNAを検出するために使用される解析方法は、リアルタイム定量化RT−PCR法を含む。Chen, C. et al.(2005) Nucl. Acids Res. 33: e179およびPCT公報番号第WO2007/117256号を参照されたい。これら全体は参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAを検出するために用いられる解析方法は、米国特許出願公開番号第2009/0123912 A1号に記載された方法を含む。この特許公開の全体は参照によって本明細書に組み込まれる。該米国特許出願公開に記載された代表的な方法では、第1の部分および第2の部分を含み、該第1の部分は特定のミクロRNAの3’末端と選択的にハイブリッド形成し、および該第2の部分はユニバーサルプライマーの配列を含む、伸長プライマーを用いて、ミクロRNAを逆転写して、cDNAを作製する。次いで、ミクロRNAの5’末端に選択的にハイブリッド形成する逆方向プライマーおよびユニバーサルプライマーを用いて、定量PCR反応でcDNAを増幅する。
一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAを検出するために用いられる解析方法は、TaqMan(登録商標)プローブの使用を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAを検出するために用いられる解析方法は、TaqMan(登録商標)アッセイ、たとえばApplied Biosystems, Inc.から販売されているTaqMan(登録商標)ミクロRNA Assaysがある。代表的なTaqMan(登録商標)アッセイでは、全RNAは試料から単離される。一部の実施形態では、このアッセイを用いて、ミクロRNAを含有する約10ngの全RNA入力試料、たとえば約9ngの入力試料、たとえば約8ngの入力試料、たとえば約7ngの入力試料、たとえば約6ngの入力試料、たとえば約5ngの入力試料、たとえば約4ngの入力試料、たとえば約3ngの入力試料、たとえば約2ngの入力試料、および約1ngもの少量の入力試料でも解析することができる。
TaqMan(登録商標)アッセイは、標的RNAの3’末端に特に相補的であるステムループプライマーを使用する。代表的なTaqMan(登録商標)アッセイでは、ステムループプライマーの標的RNAへのハイブリット形成の後に、標的RNA鋳型の逆転写が続き、該プライマーの3’末端の伸長をもたらす。逆転写の結果は、そのアンプリコンの5’末端にステムループプライマー配列を有し、かつ3’末端に標的RNAのcDNAを有するキメラ(DNA)アンプリコンである。標的RNAの定量化は、すべてのステムループ標的RNAプライマーの5’末端の配列に相補的である配列を有するユニバーサル逆方向プライマーと、標的RNA特異的順方向プライマーと、標的RNA配列特異的TaqMan(登録商標)プローブとを用いるリアルタイムRT−PCRによって達成される。
このアッセイは、蛍光共鳴エネルギー転移(「FRET」)を用いて、合成PCR産物を検出して定量化する。通常は、TaqMan(登録商標)プローブは、5’末端に結合する蛍光色素分子と、3’末端に結合する消光分子とを含み、その結果色素分子と消光分子が近接近して、該消光分子がFRETを介して該色素分子の蛍光シグナルを抑制することが可能になる。ポリメラーゼは、TaqMan(登録商標)プローブが結合するキメラアンプリコン鋳型を複製すると、ポリメラーゼの5’ヌクレアーゼが該プローブを切断して、該色素分子と該消光分子を分離し、その結果FRETが消失して、蛍光シグナルが生成される。蛍光は、切断されるプローブの量に比例して各RT−PCRサイクルとともに増加する。
RNA検出および/または定量化のためのさらに代表的な方法は、たとえば、米国特許出願公開第2007/0077570号(Lao et al.)、PCT公開番号第WO2007/025281号(Tan et al.)、米国特許出願公開第2007/0054287号(Bloch)、PCT公開番号WO2006/0130761号(Block)、およびPCT公開番号第WO2007/011903号(Lao et al.)に記載されている。目的に応じてこれら全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、リアルタイムRT−PCRアッセイの結果の定量化は、既知の濃度の核酸から標準曲線を作成し、次いで未知の濃度の標的RNAに対する定量的情報を補外することによって行われる。一部の実施形態では、標準曲線を生成するために使用される核酸は、既知の濃度のRNA(たとえばミクロRNA)である。一部の実施形態では、標準曲線を生成するために使用される核酸は、in vitroで生成された精製二本鎖のプラスミドDNAまたは一本鎖DNAである。
一部の実施形態では、標的核酸および内在性参照の増幅効率がほぼ等しい場合、定量化は、比較Ct(サイクル閾値、たとえば蛍光シグナルがバックグラウンド以上に上昇するために必要とされるPCRの回数)法によって達成される。Ct値は、試料中の核酸標的の量に反比例する。一部の実施形態では、関心の標的RNAのCt値は、対照またはキャリブレーター、たとえば正常組織からのRNA(たとえばミクロRNA)と比較することができる。一部の実施形態では、キャリブレーターおよび関心の標的RNA試料のCt値は、適当な内在性ハウスキーピング遺伝子に標準化される。
TaqMan(登録商標)アッセイに加えて、本明細書に提示される方法においてPCR産物の検出および定量化に有用な他のリアルタイムRT−PCR化学反応としては、以下に考察される分子標識、Scorpionプローブおよびインターカレート色素、たとえばSYBR Green、EvaGreen、チアゾールオレンジ、YO−PRO、TO−PROが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、リアルタイムRT−PCR検出は、単一の標的RNAの発現を特異的に検出して、定量化するために行われる。一部の実施形態では、標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる標的RNAから選択される。一部の実施形態では、標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含む。一部の実施形態では、標的RNAは、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、表6のプローブ配列から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成する。一部の実施形態では、標的RNAは、表7のプローブ配列から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成する。一部の実施形態では、標的RNAは、表8のプローブ配列から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成する。一部の実施形態では、標的RNAは、表9のプローブ配列から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成する。一部の実施形態では、標的RNAは、表32および33のプローブ配列から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成する。一部の実施形態では、標的RNAは、表34のプローブ配列から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成する。
一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
種々の実施形態では、リアルタイムRT−PCR検出を利用して、単一の多重反応で、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つの標的RNAを検出する。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である配列を含む。一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
一部の実施形態では、方法は、ある多重RT−PCR反応において、各標的RNAが表6のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成することができる、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、少なくとも10、または少なくとも15の標的RNAの発現を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、単一の多重RT−PCR反応を用いて、各標的RNAが表7のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成することができる、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、または少なくとも25の標的RNAの発現を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、単一の多重RT−PCR反応を用いて、各標的RNAが表8のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成することができる、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、または少なくとも7つの標的RNAの発現を検出することを含む。一部の実施形態では、方法はある多重RT−PCR反応を用いて、各標的RNAが表9のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成することができる、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、または少なくとも50の標的RNAの発現を検出することを含む。一部の実施形態では、方法はある多重RT−PCR反応を用いて、各標的RNAが表32または33のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成することができる、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、または少なくとも標的RNAの発現を検出することを含む。一部の実施形態では、方法は、ある多重RT−PCR反応において、各標的RNAが表34のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成することができる、少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、または少なくとも60の標的RNAの発現を検出することを含む。
一部の多重実施形態では、たとえばTaqMan(登録商標)プローブ等、異なるRNA標的にそれぞれ特異的な複数のプローブが使用される。一部の実施形態では、各標的RNAに特異的なプローブは、同じ多重反応で使用される別のプローブとスペクトル的に識別できる。
一部の実施形態では、リアルタイムRT−PCR産物の定量化は、二本鎖DNA産物に結合する色素、たとえばSYBR Green、EvaGreen、チアゾールオレンジ、YO−PRO、TO−PRO等を用いて達成される。一部の実施形態では、アッセイは、QiagenのQuantiTect SYBR Green PCRアッセイである。このアッセイでは、全RNAは最初に試料から単離される。続いて全RNAは、3’末端でポリアデニル化され、次いで5’末端でポリ−dTを有するユニバーサルプライマーを用いて逆転写される。一部の実施形態では、単一の逆転写反応は、複数の標的RNAをアッセイするのに十分である。次いで、リアルタイムRT−PCRは、標的RNA特異的プライマーと、5’末端にポリ−dT配列を含むmiScript Universal Primerとを用いて達成される。SYBR Green色素は、二本鎖DNAに非特異的に結合して、励起されると、発光する。一部の実施形態では、高度に特異的なプライマーのアニーリングをPCR鋳型(たとえば、QiagenからのQuantiTect SYBR Green PCRキットで利用できる)に促進するバッファ条件を用いて、SYBR Greenに結合して、定量化に悪影響を与えることになる非特異的DNA二本鎖およびプライマー二量体が形成されないようにする。このように、PCR産物が蓄積すると、SYBR Greenからのシグナルが上昇して、特定の産物の定量化を可能にする。
リアルタイムRT−PCRは、当技術分野で利用可能な任意のRT−PCR計測手段を用いて、行われる。通常、リアルタイムRT−PCRデータ収集および解析で使用される計測手段は、サーマルサイクラー、蛍光励起および発光収集のための光学、および任意にコンピュータとデータ収集と解析ソフトウェアを含む。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法で用いられる解析方法は、DASL(登録商標)(cDNA−mediated Annealing,Selection,Extention,and Ligation)Assay、たとえば、Illumina,Inc.から入手可能なMicroRNA Expression Profiling Assay(http://www.illumina.com/downloads/MicroRNAAssayWorkflow.pdfを参照されたい)がある。一部の実施形態では、全RNAは、任意の方法によって解析されるべく試料から単離される。さらに、一部の実施形態では、smallRNAは、任意の方法によって解析されるべく試料から単離される。次いで、全RNAまたは単離したsmallRNAは、ポリアデニル化されることが可能である(>18Aの部分は、反応混合物中のRNAの3’末端に加えられる)。このRNAは、PCRプライマー部位と、試料RNAのポリ−dA尾部に結合するポリ−dT領域とを有する配列を5’末端から3’末端に含むビオチン標識DNAプライマーを用いて、逆転写される。次いで、結果として生じるビオチン化cDNA転写物は、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用を介して固体支持体とハイブリッド形成し、次いで1つまたは複数の標的RNA特異的ポリヌクレオチドと接触する。標的RNA特異的ポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端に、PCRプライマー部位を含む領域と、アドレス配列を含む領域と、標的RNA特異的配列とを含む。
一部のDASL(登録商標)実施形態では、標的RNA特異的配列は、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689のうちの1つの配列内に、または相補的な領域内に同じく存在する配列を有する、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNA特異的配列は、ヒトmiRNomeのミクロRNAの少なくとも一部に相補的であるプローブ配列を含む。
ハイブリッド形成の後、標的RNA特異的ポリヌクレオチドは、伸長され、次いで伸長産物は固定化cDNAアレイから溶出される。蛍光標識ユニバーサルプライマーを用いる第2のPCR反応は、標的RNA特異的配列を含む蛍光標識DNAを生成する。次いで、この標識PCR産物は、検出および定量化のためにミクロビーズアレイとハイブリッド形成する。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法において、少なくとも1つの標的RNAの発現を検出して定量化するために用いられる解析方法は、ビーズベースのフローサイトメトリーアッセイである。Lu J. et al. (2005) Nature 435:834−838を参照されたい。その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。ビーズベースのフローサイトメトリーアッセイの例は、Luminex,Inc.のxMAP(登録商標)技術である(http://www.luminexcorp.com/technology/index.htmlを参照されたい)。一部の実施形態では、全RNAは試料から単離され、次いでビオチンで標識される。次いで、この標識RNAは、異なる蛍光強度を有する2種類の色素でそれぞれ標識されたミクロビーズに共有結合する標的RNA特異的捕獲プローブ(たとえば、http://www.luminexcorp.com/products/assays/index.htmlのLuminex,Inc.から販売されているFlexmiR(商標)製品)とハイブリッド形成する。ストレプトアビジンに結合したリポーター分子(たとえば、ストレプトアビジン−フィコエリトリン(「SAPE」としても知られている))は、捕獲した標的RNAに付着し、次いで各ビーズの固有のシグナルはフローサイトメトリーを使用して読まれる。一部の実施形態では、RNA試料(全RNAまたは濃縮smallRNA)は、最初にポリアデニル化され、続いて、試料RNAの3’末端のポリ−dA尾部およびビオチン化デンドリマーに付着したポリヌクレオチドの5’末端に相補的である架橋ポリヌクレオチドを用いて、ビオチン化3DNA(商標)デンドリマー(つまり、それに結合した多数のビオチン分子をもつ多重アームDNA)、たとえばVantage(商標)ミクロRNA LabelingキットとしてMarigen Biosciencesから販売されている等で標識される。次いで、フローサイトメトリーによる解析の前に、ストレプトアビジン結合リポーター分子は、ビオチン化デンドリマーに付着される。http://www.marligen.com/vantage−microrna−labeling−kit.htmlを参照されたい。一部の実施形態では、ビオチン標識RNAは、最初にSAPEに曝露され、続いてRNA/SAPE複合体は、DNAデンドリマーに付着した抗フィコエリトリン抗体に曝露され、これで900もの数のビオチン分子に結合することができる。これによって、複数のSAPE分子に、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用を介してビオチン化デンドリマーと結合することを可能にする。このようにしてアッセイからのシグナルが増加する。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法において少なくとも1つの標的RNAの発現を検出するおよび定量化するために用いられる解析方法は、ゲル電気泳動および標識プローブ(たとえば放射標識または化学発光標識で標識されたプローブ)による検出、たとえばNorthernブロッティングによる等がある。一部の実施形態では、全RNAは、試料から単離され、次いでSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によってサイズ分離される。分離されたRNAは、次いで、膜上にブロットされて、放射標識された相補的プローブとハイブリッド形成する。一部の実施形態では、代表的なプローブとしては、以下に考察される場合、1つまたは複数の親和性を高めたヌクレオチド類似体、たとえば、デオキシリボースまたはリボース糖の代わりに二環式糖部分を含有するロックド核酸(「LNA」)類似体が挙げられる。たとえば、Varallyay, E. et al.(2008) Nature Protocols 3(2):190−196を参照されたい。その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、全RNA試料は、さらに精製されて、smallRNAのために濃縮することができる。一部の実施形態では、たとえば、標的RNAの両末端に相補的である(「パドロックプローブ」)長いプローブを用いるローリングサークル増幅、プローブを環状化させるための連結によって、それに続いて、プライマーとして環状化プローブとハイブリッド形成した標的RNAを用いるローリングサークル複製によって、標的RNAは増幅されることができる。たとえば、Jonstrup, S.P. et al.(2006) RNA 12:1−6を参照されたい。その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。次いで、増幅産物は、たとえば、ゲル電気泳動およびNorthernブロッティングを用いて、検出され、定量化されることができる。
代替実施形態では、標識プローブは、単離された全RNAと溶液中でハイブリッド形成し、その後RNAは、一本鎖RNA、たとえばプローブの非ハイブリッド形成部分または非ハイブリッド形成標的RNAについて速やかなリボヌクレアーゼ消化を受ける。これらの実施形態では、次いで、リボヌクレアーゼ処理した試料は、SDS−PAGEおよび放射標識プローブの検出、たとえばNorthernブロッティングによって解析される。http://www.ambion.com/catalog/CatNum.php?1552で、Applied Biosystems, Inc.から販売されているmirVana(商標)miRNA検出キット製品カタログを参照されたい。
一部の実施形態では、本明細書に記述される方法において少なくとも1つの標的RNAを検出して定量化するために用いられる解析方法は、マイクロアレイとのハイブリッド形成による。たとえば、Liu, C.G. et al.(2004) Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 101:9740−9744; Lim, L.P. et al. (2005) Nature 433:769−77を参照されたい。それぞれ、その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。実施例1、2、4、および5を参照されたい。
一部の実施形態では、マイクロアレイを用いることによる標的RNAの検出および定量化は、表面プラズモン共鳴法によって達成される。たとえば、http://nano.cancer.gov/news_center/nanotech_news_2006−10−30b.aspから入手可能なNanotech News (2006)を参照されたい。これらの実施形態では、全RNAは、検査される試料から単離される。任意選択で、RNA試料は、smallRNAの集団を濃縮するためにさらに精製される。精製後、RNA試料は、マイクロアレイ上の定義された部位にプローブを含有するアドレス指定できるマイクロアレイに結合する。非限定的な代表的プローブとしては、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689に記載される配列を含むプローブが挙げられる。代表的なプローブは、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である領域を含むプローブがあるがこれらにも限定されない。代表的なプローブは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含むプローブがあるがこれらにも限定されない。一部の実施形態では、以下に考察される場合、1つまたは複数の親和性を高めたヌクレオチド類似体、たとえばロックド核酸(「LNA」)ヌクレオチド類似体を含有する。マイクロアレイとのハイブリッド形成後、該アレイにハイブリッド形成するRNAは、まずポリアデニル化され、次いで該アレイは、それら粒子に結合したポリ−dTを有する金粒子に曝露される。結合した標的RNAの量は、表面プラズモン共鳴法を使用して定量化される。
一部の実施形態では、マイクロアレイは、RNAプライム、アレイベースKlenow酵素(「RAKE」)アッセイで利用される。Nelson, P.T. et al.(2004) Nature Methods 1(2):1−7; Nelson, P.T. et al.(2006) RNA 12(2):1−5を参照されたい。それぞれの全体は参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、全RNAは試料から単離される。一部の実施形態では、smallRNAは、試料から単離される。次いで、RNA試料は、アドレス指定できるアレイ上の5’末端で固定化されたDNAプローブとハイブリッド形成する。一部の実施形態では、DNAプローブ類は、5’末端から3’末端に、すべてのプローブに対して同じである「スペーサー」配列を有する第1の領域と、ヌクレオシスを含有する3つのチミジンを有する第2の領域と、関心の標的RNAに相補的である配列を有する第3の領域とを含む。
代表的な関心の標的RNAとしては、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成することができる標的RNAと;配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと同一である領域を含む標的RNAと;配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である領域を含む標的RNAとが挙げられるがこれらに限定されない。標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列を含む核酸に特異的にハイブリッド形成しないmiRNome内の標的RNAも含む。一部の実施形態では、その成熟型での標的RNAは、30未満のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
試料はアレイとハイブリッド形成した後、エキソヌクレアーゼIに曝露され、非ハイブリッド形成したいずれかのプローブも消化される。次いで、DNAポリメラーゼIのKlenow酵素断片は、ビオチン化dATPとともに適用され、ハイブリッド形成した標的RNAに、鋳型としてDNAプローブを用いるこの酵素に対してプライマーとして作用することを可能にする。次いで、スライドを洗浄して、フルオロフォア標識ストレプトアビジンを適用し、ハイブリッド形成してKlenow伸長した標的RNAを含むアレイ上のスポットを試料から検出して定量化する。
一部の実施形態では、RNA試料は逆転写される。一部の実施形態では、RNA試料は、ビオチン/ポリ−dAランダム8量体プライマーを使用して逆転写される。そのプライマーが用いられるとき、RNA鋳型は消化されて、ビオチン含有cDNAは、標的RNAの特異的検出を可能にするプローブが結合したアドレス指定可能なマイクロアレイとハイブリッド形成する。一部の実施形態では、マイクロアレイは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列内に、または相補的な領域内に同じく存在する、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドを有する少なくとも1つのプローブを含む。マイクロアレイへのcDNAのハイブリッド形成の後、マイクロアレイは、検出可能なマーカー、たとえば蛍光色素が結合したストレプトアビジンに曝露され、次いで結合したcDNAが検出される。Liu C.G. et al.(2008) Methods 44:22−30を参照されたい。その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、標的RNAは、マイクロタイタープレートのウェル内の結合されたプローブを用いるELISA様アッセイで検出され、定量化される。Mora J.R. and Getts R.C. (2006) BioTechniques 41:420−424およびBioTechniques 41(4):1−5の補足資料;Getts et al.に対する米国特許出願公開第2006/0094025号を参照されたい。それぞれの全体は参照によって本明細書に組み込まれる。これらの実施形態では、smallRNAに濃縮されたRNAの試料は、ポリアデニル化されるか、または逆転写されてそのcDNAがポリアデニル化されるかのいずれかである。RNAまたはcDNAは、マイクロタイタープレートのウェル内の固定化されたプローブとハイブリッド形成する。ここで、各プローブは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689のうちの1つの配列内に、または相補的な領域内に同じく存在する配列、またはたとえば、RNAもしくはcDNAが該アレイとハイブリッド形成したかどうかに応じて、ヒトmiRNomeの標的RNA(またはその逆相補配列)の1つまたは複数の配列等の配列を含む。一部の実施形態では、ハイブリッド形成したRNAは、たとえば、複数のビオチン分子または複数の西洋ワサビペルオキシダーゼ分子で標識されているDNAデンドリマー(たとえばGenisphere, Inc., http://www.genisphere.com/about_3dna.htmlから入手可能なもの)、ならびに捕獲核酸のポリ−dA尾部に結合するポリ−dT配列を5’末端に、および捕獲配列の領域に相補的である配列を3’末端に含有する架橋ポリヌクレオチド等の捕獲配列を用いて標識される。捕獲配列がビオチン化されている場合、次いでマイクロアレイは、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合したストレプトアビジンに曝露される。標的RNAのハイブリッド形成は、たとえばテトラメチルベンジジン(TMB)等の西洋ワサビペルオキシダーゼ基質を付加することによって、およびこの溶液の吸光度を450nMで測定することによって検出される。
さらに別の実施形態では、アドレス指定可能なマイクロアレイを用いて、量子ドットを使用する標的RNAを検出する。http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=548377から入手可能なLiang, R.Q. et al.(2005) Nucl. Acids Res. 33(2):e17を参照されたい。その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、全RNAは試料から単離される。一部の実施形態では、smallRNAは、試料から単離される。標的RNAの3’末端は、ビオチン−X−ヒドラジドを用いてビオチン化される。ビオチン化標的RNAは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689のうちの1つもしくは複数の配列内に、または相補的な領域内に同じく存在する配列を有する固定化プローブおよび/またはヒトmiRNomeの1つまたは複数のミクロRNAに相補的な配列以外の配列を有するプローブを含むマイクロアレイ上で捕獲される。次いで、ハイブリッド形成された標的RNAは、ビオチン−ストレプトアビジン結合を介して、量子ドッドで標識される。共焦レーザーは、量子ドットに蛍光を発せさせて、そのシグナルが定量化されることができる。代替実施形態では、smallRNAは、比色アッセイを用いて検出されることができる。これらの実施形態では、smallRNAは、金粒子標識に続いて銀強化したストレプトアビジンで標識される。ハイブリッド形成された標的RNAに結合した金のナノ粒子は、銀イオンの金属銀への還元を触媒する。次いで金属銀は、CCDカメラを用いる比色測定で検出されることが可能になる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAの検出および定量化は、マイクロ流体デバイスと単一分子検出法を用いて達成される。一部の実施形態では、単離した全RNAの試料中の標的RNAは、2つのプローブとハイブリッド形成する。第1のプローブは、標的RNAの5’末端の核酸に相補的であり、第2のプローブは、標的RNAの3’末端の核酸に相補的である。一部の実施形態では、各プローブは、1つまたは複数の親和性を高めたヌクレオチド類似体、たとえばLNAヌクレオチド類似体を含み、および各プローブは、異なる蛍光発光スペクトルを有する異なる蛍光色素で標識される。次いで、この試料は、マイクロ流体キャピラリーを通して流される。該キャピラリー内では、光子の固有の同時発生バーストが特定の標的RNAを同定し、かつ光子の固有の同時発生バーストの数がカウントされて試料中の標的RNAの量を定量化できるように、複数のレーザーが蛍光プローブを励起する。Neely et al.に対する米国特許出願公開第2006/0292616号を参照されたい。その全体は参照により本明細書によって組み込まれる。一部の代替実施形態では、標的RNAに特異的なプローブは、たとえば、フルオロフォア、電子スピン標識等から選択される3つ以上の相異なる標識で標識され、次いで、たとえば全RNA、またはsmallRNAに濃縮される試料等のRNA試料とハイブリッド形成することができる。次いで、標的RNA/プローブ二重体は、マイクロ流体デバイス内のチャネルを通される。チャネルは3つの標識の固有のシグナルを記録する検出器を含む。このように、個々の分子は、それらの固有のシグナルによって検出され、カウントされる。Fuchs et al.,U.S. Genomics, Inc.に対する米国特許第7,402,422号および第7,351,538号を参照されたい。それぞれの全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
非限定的な代表的な標的RNA特異的プローブとして、配列番号1〜397から選択される配列を含むプローブ類が挙げられる。非限定的な代表的な標的RNA特異的プローブとして、配列番号1〜397から選択される配列に相補的な配列を含むプローブ類が挙げられる。非限定的な代表的な標的RNA特異的プローブとして、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチド、または少なくとも15の隣接するヌクレオチドの相補配列を含むプローブ類も挙げられる。
任意選択で、試料RNAは、ハイブリッド形成の前に修飾される。次いで、RNA/プローブ二重体は、マイクロ流体デバイス内のチャネルを通される。チャネルは3つの標識の固有のシグナルを記録する検出器を含む。このように、個々の分子は、それらの固有のシグナルによって検出され、カウントされる。Fuchs et al., U.S. Genomics, Inc.に対する米国特許第7,402,422号および第7,351,538号を参照されたい。それぞれの全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAの検出および定量化は、溶液に基づいたアッセイ、たとえば修飾インベーダーアッセイによって達成される。Allawi H.T. et al.(2004) RNA 10:1153−1161を参照されたい。その全体は参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、修飾インベーダーアッセイは、未分画の細胞の界面活性剤溶解物上で行われることができる。別の実施形態では、修飾インベーダーアッセイは、細胞から単離された全RNA上で、またはsmallRNAに濃縮された試料上で行われることができる。試料中の標的RNAは、ヘアピン構造を形成する2つのプローブとアニーリングされる。第1のプローブは、標的RNAの5’末端と、標的RNAの5’末端の領域の配列に相補的である配列を有する3’末端の領域とにヘアピン構造を有する。第1のプローブの3’末端は「侵襲性ポリヌクレオチド」である。第2のプローブは、5’末端から3’末端に、標的RNAに相補的でない第1の「フラップ」領域と、標的RNAの3’末端に相補的な配列を有する第2の領域と、ヘアピン構造を形成する第3の領域とを有する。これらの2つのプローブが標的RNA標的に結合すると、該プローブは、標的RNA鋳型上にプローブの重複構造を作製し、該構造は第2のプローブのフラップを溶液に放出するCleavase酵素によって認識される。次いで、フラップ領域は、第2の反応鋳型(「SRT」)の3’末端の相補的な領域に結合する。FRETポリヌクレオチド(5’末端に結合した蛍光色素と、3’末端近くに結合した蛍光色素を消光するクエンチャーとを有する)は、SRTの5’末端の相補的な領域に結合し、その結果、フラップ領域の3’末端とFRETポリヌクレオチドの5’末端の重複構造が作製される。Cleavaseはこの重複構造を認識して、FRETポリヌクレオチドの5’末端を切断し、蛍光色素が溶液に放出されるときに蛍光シグナルを生成する。
4.1.5. 代表的なポリヌクレオチド
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドが提供される。一部の実施形態では、合成ポリヌクレオチドが提供される。合成ポリヌクレオチドとは、本明細書で用いる場合、化学的に、または酵素的にin vitroで合成されたポリヌクレオチドをいう。ポリヌクレオチドの化学合成は、ポリヌクレオチドシンセサイザー、たとえば、OgiloPilot(GE Healthcare)、ABI3900 DNA Synthesizer(Applied Biosystems)等を使用することによる合成が挙げられるがこれらに限定されない。酵素合成は、酵素増幅、たとえばPCRによるポリヌレクレオチドの生成が挙げられるが、これに限定されない。
一部の実施形態では、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689、ならびに配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689に相補的な配列から選択される配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドが提供される。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689のいずれかに見出されない配列、またはいずれかに相補的でない配列を有する領域をさらに含む。一部の実施形態では、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692、ならびに配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692に相補的な配列から選択される配列の少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含むポリヌクレオチドが提供される。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692のいずれかに見出されない配列、またはいずれかに相補的でない配列を有する領域をさらに含む。
「領域」とは、特定の配列、たとえば配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、794〜1043、および2576〜2672のいずれかの完全長の配列、または完全長の配列の相補配列を含むことができ、または特定の配列、たとえば配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、794〜1043、および2576〜2672のいずれかの下位配列、または下位配列の相補配列を含むことができる。一部の実施形態では、このような下位配列は、特定の配列番号もしくはその相補配列からの8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29またはそれ以上の隣接するヌクレオチドを含むこともある。
種々の実施形態では、ポリヌクレオチドは、500未満、300未満、200未満、150未満、100未満、75未満、50未満、40未満、または30未満のヌクレオチドを含む。種々の実施形態では、ポリヌクレオチドは、8と200の間、8と150の間、8と100の間、8と75の間、8と50の間、8と40の間、または8と30の間のヌクレオチド長である。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはプライマーである。一部の実施形態では、プライマーは検出可能な部分で標識されている。一部の実施形態では、プライマーは標識されていない。プライマーとは、本明細書で用いる場合、標的RNAに、または該標的RNAから逆転写されたcDNAに、または標的RNAもしくはcDNA(総称して「鋳型」と呼ぶ)から増幅されたアンプリコンに特異的にハイブリッド形成することができ、かつ鋳型、ポリメラーゼおよび適切なバッファと試薬の存在下で伸長されてプライマー伸長産物を形成することができるポリヌクレオチドである。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはプローブである。一部の実施形態では、プローブは、検出可能な部分で標識されている。検出可能な部分とは、本明細書で用いる場合、たとえば蛍光色素等の直接的に検出可能な部分、およびたとえば結合対のメンバー等の間接的に検出可能な部分が挙げられる。一部の実施形態では、検出可能な部分が結合対のメンバーであるとき、プローブは、その結合対の第2のメンバーに結合した検出可能な標識とともに該プローブをインキュベートすることによって検出可能になり得る。一部の実施形態では、プローブが捕獲プローブ、たとえばマイクロアレイ上またはビーズ上のプローブであるとき、プローブは標識されない。一部の実施形態では、プローブは、たとえばポリメラーゼによって、伸長できない。別の実施形態では、プローブは伸長可能である。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドはFRETプローブであり、一部の実施形態においてFRETプローブは、5’末端で蛍光色素(ドナー)で標識され、かつ3’末端でクエンチャー(アクセプター)、すなわちこれらの化学基が近接近にあるとき(すなわち同一のプローブに付着される)、蛍光色素からの蛍光発光を吸収する(すなわち抑制する)化学基で標識される。別の実施形態では、該ドナーおよびアクセプターは、FRETプローブの末端に存在しない。したがって、一部の実施形態では、ドナー部分の発光スペクトルは、アクセプター部分の吸収スペクトルとかなり重複しなければならない。
4.1.5.1. 代表的なポリヌクレオチド修飾
一部の実施形態では、本明細書に記述される少なくとも1つの標的RNAを検出する方法は、修飾された1つまたは複数のポリヌクレオチド、たとえば1つまたは複数の親和性を高めたヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチドを使用する。本明細書に記述される方法で有用な修飾ポリヌクレオチドには、逆転写用のプライマー、PCR増幅プライマー、およびプローブが挙げられる。一部の実施形態では、親和性を高めたヌクレオチドを組み込むことで、デオキシリボヌクレオチドだけを含有するポリヌクレオチドと比較すると、その標的核酸に対する結合親和性および特異性が上昇し、かつより短いポリヌクレオチドの使用を可能にする、またはポリヌクレオチドと該標的核酸の間のより短い領域の相補性を可能にする。
一部の実施形態では、親和性を高めたヌクレオチド類似体には、1つまたは複数の塩基修飾、糖修飾、および/または骨格修飾を含むヌクレオチド類が挙げられる。
一部の実施形態では、親和性を高めたヌクレオチド類似体での使用のための修飾塩基類としては、5−メチルシトシン、イソシトシン、シュードイソシトシン、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、2−クロロ−6−アミノプリン、キサンチンおよびヒポキサンチンが挙げられる。
一部の実施形態では、親和性を高めたヌクレオチド類似体としては、2’置換糖類等の修飾糖類、たとえば、2’−O−アルキル−リボース糖類、2’−アミノ−デオキシリボース糖類、2’−フルオロ−デオキシリボース糖類、2’−フルオロ−アラビノース糖類、および2’−O−メトキシエチル−リボース(2’MOE)糖類を有するヌクレオチド類が挙げられる。一部の実施形態では、修飾糖類は、アラビノース糖類、またはd−アラビノ−ヘキシトール糖類である。
一部の実施形態では、親和性を高めたヌクレオチド類似体は、たとえばペプチド核酸(PNA;たとえばアミノ酸骨格によって結合したヌクレオベ−スを含むオリゴマー)の使用等の骨格修飾を含む。他の骨格修飾には、ホスホロチオネート結合、ホスホジエステル修飾核酸、ホスホジエステルとホスホロチオネート核酸の組合せ、メチルホスホナート、アルキルホスホナート、リン酸エステル、アルキルホスホノチオア−ト、ホスホロアダート、カルバマート、カルボナート、ホスファートトリエステル、アセトアミダート、カルボキシメチルエステル、メチルホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、p−エトキシ、およびそれらの組合せが挙げられる。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドには、修飾塩基を有する少なくとも1つの親和性を高めたヌクレオチド類似体、修飾糖質を有する少なくともヌクレオチド(同一のヌクレオチドであってもよい)、および/または自然に存在しない少なくとも1つのヌクレオチド間結合が挙げられる。
一部の実施形態では、親和性を高めたヌクレオチド類似体は、二環式糖である、ロックド核酸(「LNA」)糖を含む。一部の実施形態では、本明細書に記述される方法で使用するためのポリヌクレオチドは、LNA糖を有する1つまたは複数のヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、LNA糖類を有するヌクレオチドからなる1つまたは複数の領域を含む。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドが組み入れられているLNA糖類を有するヌクレオチドを含む。たとえばFrieden, M. et al.(2008) Curr. Pharm. Des. 14(11):1138−1142を参照されたい。
4.1.5.2. 代表的なプライマー
一部の実施形態では、プライマーが提供される。一部の実施形態では、プライマーは、標的RNAの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドと同一である、または相補的である。一部の実施形態では、プライマーは、標的RNAと同一でない、または相補的でない部分もしくは領域を含むこともある。一部の実施形態では、標的RNAと同一でない、または相補的でないプライマーの領域は、該標的RNAと同一でない、または相補的でないプライマーのいずれかの領域も同一の領域または相補的な領域を破壊しないように、隣接している。
一部の実施形態では、プライマーは、標的RNA内に同じく存在する部分を含む。一部のこのような実施形態では、標的RNA内に同じく存在する領域を含むプライマーは、該RNAから逆転写されたcDNAと、または該標的RNAもしくはcDNAの増幅によって生成されたアンプリコンと選択的にハイブリッド形成することができる。一部の実施形態では、用いられる特定のアッセイの条件下で、cDNAまたはアンプリコンと選択的にハイブリッド形成できるように、プライマーは、該cDNAまたはアンプリコンの十分な部分に相補的である。
本明細書で用いる場合、「選択的にハイブリッド形成する」とは、たとえばプライマーまたはプローブ等のポリヌクレオチドが、ハイブリッド形成する領域内に異なるヌクレオチド配列を有する同じ試料中に存在する別の核酸とハイブリッド形成するよりも少なくとも5倍を超える親和性で、試料中の特定の核酸とハイブリッド形成することを意味する。代表的なハイブリッド形成の条件は、実施例1で考察される。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、ハイブリッド形成する領域内に異なるヌレオチド配列を有する同じ試料中に存在する別の核酸と該ポリヌクオチドがハイブリッド形成するよりも少なくとも10倍を超える親和性で該試料中の特定の核酸とハイブリッド形成することになる。
非限定的な代表的なプライマーとしては、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列内に同じく存在する配列、またはある領域に相補的である配列を含むプライマー類が挙げられる。代表的なプライマーとしては、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと同じであるか、または相補的である領域を含むプライマー類も挙げられるが、これらに限定されない。代表的なプライマーとしては、配列番号794〜1043、2576〜2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと同じであるか、または相補的である領域を含むプライマー類も挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、プライマーを用いて、たとえば本明細書に考察される場合、標的RNAを逆転写する。一部の実施形態では、プライマーを用いて、標的RNAまたはそれから逆転写されたcDNAを増幅する。一部の実施形態では、この増幅は、たとえば、本明細書に考察される場合、定量PCRである。一部の実施形態では、プライマーは検出可能な部分を含む。
4.1.5.3. 代表的なプローブ
種々の実施形態では、肺癌の存在を検出する方法は、プローブによるヒト試料の核酸をハイブリッド形成することを含む。一部の実施形態では、プローブは、標的RNAに相補的である部分を含む。一部の実施形態では、プローブは、標的RNA内に同じく存在する部分を含む。一部のこのような実施形態では、標的RNAに相補的なプローブは、用いられる特定のアッセイの条件下で、該プローブが標的RNAと選択的にハイブリッド形成するように、標的RNAの十分な部分に相補的である。一部の実施形態では、標的RNAに相補的であるプローブは、該標的RNAの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドに相補的である。一部の実施形態では、標的RNAに相補的であるプローブは、該標的RNAの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドに相補的である領域を含む。すなわち、標的RNAに相補的であるプローブは、該標的RNAに相補的でない部分または領域を含むこともある。一部の実施形態では、標的RNAに相補的であるプローブの領域は、該標的RNAに相補的でないプローブのいずれかの領域が相補的な領域を破壊しないように、隣接している。
一部の実施形態では、プローブは、標的RNA内に同じく存在する部分を含む。一部のこのような実施形態では、標的RNA内に同じく存在する領域を含むプローブは、該RNAから逆転写されたcDNAと、または標的RNAもしくはcDNAの増幅によって生成されたアンプリコンと選択的にハイブリッド形成することができる。一部の実施形態では、用いられる特定のアッセイの条件下で、cDNAまたはアンプリコンと選択的にハイブリッド形成するように、プローブは、該cDNAまたはアンプリコンの十分な部分に相補的である。一部の実施形態では、cDNAまたはアンプリコンに相補的であるプローブは、該cDNAまたはアンプリコンの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドに相補的である。一部の実施形態では、標的RNAに相補的であるプローブは、該cDNAまたはアンプリコンの少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、または少なくとも24の隣接するヌクレオチドに相補的な領域を含む。すなわち、cDNAまたはアンプリコンに相補的であるプローブは、該cDNAまたはアンプリコンに相補的でない部分または領域を含むこともある。一部の実施形態では、cDNAまたはアンプリコンに相補的であるプローブの領域は、該cDNAまたはアンプリコンに相補的でないプローブのいずれかの領域が、相補的な領域を破壊しないように、隣接する。
非限定的な代表的なプローブとしては、配列番号1〜397に記載される配列を含むプローブ類が挙げられる。非限定的な代表的なプローブとしては、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列内に同じく存在する配列、または領域に相補的である配列を含むプローブ類が挙げられる。代表的なプローブとしては、配列番号1〜397、1063〜1210、1363〜1707、2064〜2183、2312〜2452、2673〜2680、および2689から選択される配列と同じである領域、または選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドに相補的である領域を含むプローブ類が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、1つまたは複数の標的RNAを検出できるように定量化する方法は、(a)全RNAを単離することと;(b)標的RNAを逆転写して、該標的RNAに相補的であるcDNAを生成することと;(c)(b)からのcDNAを増幅することと;(d)リアルタイムRT−PCRを用いて標的RNAの量を検出することとを含む。
上述のように、一部の実施形態では、リアルタイムRT−PCR検出は、FRETプローブを用いて行われる。このFRETプローブとしては、TaqMan(登録商標)プローブ、分子標識プローブ、およびScorpionプローブが挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、リアルタイムRT−PCR検出および定量化は、TaqMan(登録商標)プローブ、すなわち通常、DNAの一端に共有結合した蛍光色素と、該DNAの他端に共有結合した消光分子とを有する直鎖状プローブを用いて行われる。FRETプローブは、FRETプローブがcDNAとハイブリッド形成するとき、蛍光色素が消光されるように、およびcDNAの増幅の間、プローブが消化されるとき、蛍光色素がプローブから放出されて、蛍光シグナルを生成するように、cDNAの領域に相補的である配列を含む。このような実施形態では、試料中の標的RNAの量は、cDNA増幅の間に測定される蛍光の量と比例する。
TaqMan(登録商標)プローブは通常、該プローブが、もたらされるPCRアンプリコンと特異的にハイブリッド形成できるように、標的RNAの領域に相補的である、または標的RNA鋳型から逆転写されるその相補的cDNAに相補的である配列(すなわち、プローブ領域の配列は、検出されるべき標的RNAに相補的であるか、または該標的RNA内に同じく存在する)を有する隣接するヌクレオチドの領域を含む。一部の実施形態では、プローブは、標的RNA鋳型から逆転写されたcDNAの領域に完全に相補的である配列、または領域内に同じく存在する配列を有する少なくとも6の隣接するヌクレオチドの領域、たとえば、検出されるべき標的RNAから逆転写されたcDNAの領域に相補的である配列、または領域に同じく存在する配列を有する少なくとも8の隣接するヌクレオチド、少なくとも10の隣接するヌクレオチド、少なくとも12の隣接するヌクレオチド、少なくとも14の隣接するヌクレオチド、または少なくとも16の隣接するヌクレオチドの領域を含む。
一部の実施形態では、TaqMan(登録商標)プローブ配列に相補的である配列を有するcDNAの領域は、cDNA分子の中心に、または中心付近に存在する。一部の実施形態では、相補性領域の5’末端および3’末端にcDNAの少なくとも2つのヌクレオチド、少なくとも3つのヌクレオチド、少なくとも4つのヌクレオチド、少なくとも5つのヌクレオチドが非比依存的に存在する。
一部の実施形態では、分子標識を用いて、PCR産物を検出して定量化することができる。TaqMan(登録商標)のように分子標識は、FRETを用いて、プローブの両端に付着した蛍光色素およびクエンチャーを有するプローブを介して、PCR産物を検出して定量化する。TaqMan(登録商標)とは異なり、分子標識は、PCRサイクルの間、インタクトのままである。分子標識プローブは、溶液中に遊離すると、ステムループ構造を形成し、それによって色素およびクエンチャー十分に近接近して、蛍光消光を引き起こすことが可能になる。分子標識が標的とハイブリッド形成するとき、ステムループ構造は消滅し、その結果色素とクエンチャーが間隙を介して分離されて、色素が蛍光を発する。分子標識は、たとえば、Gene Link(http://www.genelink.com/newsite/products/mbintro.aspを参照されたい)から入手可能である。
一部の実施形態では、Scorpionプローブは、配列特異的プライマーとしておよびPCR産物の検出と定量化のための両方で使用されることが可能である。分子標識の様に、Scorpionプローブは、標的核酸とハイブリッド形成されないときに、ステムループ構造を形成する。しかし、分子標識とは異なり、Scorpionプローブは、配列特異的プライミングとPCR産物検出の両方を達成する。蛍光色素分子は、Scorpionプローブの5’末端に付着し、クエンチャーは3’末端に付着する。Scorpionプローブの3’末端部分は、PCRプライマーの伸長産物と相補的であり、この相補的部分は、非増幅可能な部分によって該プローブの5’末端に結合される。Scorpionプライマーが伸長されると、該プローブの標的特異的配列は、伸長したアンプリコン内のその相補配列に結合する。このようにしてステムループ構造が開くと、5’末端上の色素が蛍光を発生させシグナルを生成することが可能になる。Scorpionプローブは、たとえばPremier Biosoft Internationalから入手可能である(http://www.premierbiosoft.com/tech_notes/Scorpion.htmlを参照されたい)。
一部の実施形態では、FRETプローブ上で使用することができる標識としては、Alex Fluor色素等の比色標識および蛍光標識、BODIPY FL等のBODIPY色素;Cascade Blue;Cascade Yellow;たとえば、7−アミノ−4−メチルクマリン、アミノクマリンおよびヒドロキシクマリン等のクマリンとその誘導体;たとえばCy3およびCy5等のシアニン色素;エオシンとエリトロシン;たとえばフルオレセインイソチオシアナート等のフルオレセインとその誘導体;たとえばQuantum Dye(商標)等のランタニドイオンの大環状キレート;Marina Blue;Oregon Green;ローダミンレッド、テトラメチルローダミンおよびローダミン6G等のローダミン色素;Texas Red;たとえばチアゾールオレンジ−エチジウムヘテロ二量体等の蛍光エネルギー移動色素;およびTOTABが挙げられる。
色素の具体例としては、上記で特定したものと以下を含むがこれらに限定されない:Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、およびAlexa Fluor 750;たとえば、BODIPY 493/503、ODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/655、BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY TMR、およびBODIPY−TR等のアミン反応BODIPY色素;Cy3、Cy5、6−FAM、フルオレセインイソチオシアナート、HEX、6−JOE、Oregon Green 488、Oregon Green 500、Oregon Green 514、Pacific Blue、REG、Rhodamine Green、Rhodamine Red、Renographin、ROX、SYPRO、TAMRA、2’,4’,5’,7’−テトラブロモスルホンフルオレセイン、およびTET。
本明細書に記述される方法の一部の実施形態で用いるためのRT−PCRプローブの調製において有用な蛍光標識されたリボヌクレオチドの具体例としては、Molecular Probes (Introgen)から入手可能であり、これらには、Alexa Fluor 488−5−UTP、フルオレセイン−12−UTP、BODIPY FL−14−UTP、BODIPY TMR−14−UTP、テトラメチルローダミン−6−UTP、Alexa Fluor 546−14−UTP、Texas Red−5−UTP、およびBODIPY TR−14−UTPが挙げられる。他の蛍光リボヌクレオチド、たとえばCy3−UTPおよびCy5−UTPは、Amersham Biosciences (GE Healthcare)から入手可能である。
本明細書に記述される方法で用いるためのRT−PCRプローブの調製において有用な蛍光標識されたデオキシリボヌクレオチドの例は、ジニトロフェニル(DNP)−1’−dUTP、Cascade Blue−7−dUTP、Alexa Fluor 488−5−dUTP、フルオレセイン−12−dUTP、Oregon Green 488−5−dUTP、BODIPY FL−14−dUTP、Rhodamine Green−5−dUTP、Alexa Fluor 532−5−dUTP、BODIPY TMR−14−dUTP、テトラメチルローダミン−6−dUTP、Alexa Fluor 546−14−dUTP、Alexa Fluor 568−5−dUTP、Texas Red−12−dUTP、Texas Red−5−dUTP、BODIPY TR−14−dUTP、Alexa Fluor 594−5−dUTP、BODIPY 630/650−14−dUTP、BODIPY 650/665−14−dUTP;Alexa Fluor 488−7−OBEA−dCTP、Alexa Fluor 546−16−OBEA−dCT、Alexa Fluor 594−7−OBEA−dCTP、Alexa Fluor 647−12−OBEA−dCTPが挙げられる。蛍光標識されたヌクレオチドは、市販されており、たとえば、Invitrogenから購入することが可能である。
一部の実施形態では、色素および他の部分、たとえばクエンチャーは、本明細書に記述した方法で用いられるポリヌクレオチド、たとえばFRETプローブに、修飾ヌクレオチドを介して導入される。「修飾ヌクレオチド」とは、化学的に修飾されているが、依然としてヌクレオチドとして機能するヌクレオチドをいう。一部の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、共有結合した、色素またはクエンチャー等の化学残基を有し、かつたとえば、ポリヌクレオチドの固相合成を目的として、ポリヌクレオチドに導入されることができる。別の実施形態では、修飾ヌクレオチドとしては、該修飾ヌクレオチドを核酸に組み入れる前、組み入れる間、組み入れた後、色素またはクエンチャーと反応することができる1つまたは複数の反応基が挙げられる。具体的な実施形態では、修飾ヌクレオチドは、アミン修飾ヌクレオチド、すなわち反応アミン基を有するように修飾されたヌクレオチドである。一部の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、修飾塩基残基、たとえばウリジン、アデノシン、グアノシンおよび/またはシトシンを含む。具体的な実施形態では、アミン修飾ヌクレオチドは、5−(3−アミノアリル)−UTP;8−[(4−アミノ)ブチル]−アミノ−ATPおよび8−[(6−アミノ)ブチル]−アミノ−ATP;N6−(4−アミノ)ブチル−ATP、N6−(6−アミノ)ブチル−ATP、N4−[2,2−オキシ−ビス−(エチルアミン)]−CTP;N6−(6−アミノ)ヘキシル−ATP;8−[(6−アミノ)ヘキシル]−アミノ−ATP;5−プロパルギルアミノ−CTP、5−プロパルギルアミノ−UTPから選択される。一部の実施形態では、異なる核酸塩基残基を有するヌクレオチドは、たとえば、5−(3−アミノアリル)−UTPの代わりの5−(3−アミノアリル)−GTP)等、同様に修飾されている。多くのアミン修飾ヌクレオチドは、たとえばApplied Biosystems、Sigma、Jena BioscienceおよびTriLinkから市販されている。
代表的な検出可能な部分は、結合のメンバー類が挙げられるがこれらに限定されない。一部のこのような実施形態では、結合対の第1のメンバーは、ポリヌクレオチドに結合される。結合対の第2のメンバーは、たとえば蛍光標識等の検出可能な標識に結合される。結合対の第1のメンバーに結合されたポリヌクレオチドが、検出可能な標識に結合された結合対の第2のメンバーとともにインキュベートされるとき、結合対の第1および第2のメンバーは会合して、該ポリヌクレオチドが検出されることができる。代表的な結合対としては、ビオチンとストレプトアビジン、抗体と抗原等が挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、複数の標的RNAは、単一の多重反応で検出される。一部のこのような実施形態では、固有のcDNAを標的にする各プローブは、プローブから放出されるとき、スペクトル的に識別可能である。このように、各標的RNAは、固有の蛍光シグナルによって検出される。
当業者は、選択されたアッセイのための適切な検出方法、たとえばリアルタイムRT−PCRアッセイを選択することができる。選択された検出方法は、必ずしも上述の方法である必要はなく、かつ任意の方法でよい。
4.2. 代表的な組成物およびキット
他の態様では、組成物は提供される。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に述べる方法において使用するために提供される。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも一つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも一つのプライマーを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも一つのプローブを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも一つのプライマー、および少なくとも一つのプローブを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの標的RNA特異的プライマーを含む組成物が提供される。“標的RNA特異的プライマー”という用語は、(i)配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の一つと同一である配列、または(ii)配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の一つに見られる隣接するヌクレオチド領域の配列と相補的である配列、を有する隣接するヌクレオチド領域を有するプライマーを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの標的RNA特異的プローブを含む組成物が提供される。“標的RNA特異的プローブ”という用語は、(i)配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の一つと同一である配列、または(ii)配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の一つに見られる隣接するヌクレオチド領域の配列と相補的である配列、を有する隣接するヌクレオチド領域を有するプライマーを含む。
いくつかの実施形態では、標的RNA特異的プライマーおよび標的RNA特異的プローブはデオキシリボヌクレオチドを含む。他の実施形態では、標的RNA特異的プライマーおよび標的RNA特異的プローブは、少なくとも一つのヌクレオチド類似体を含む。非限定的で例示的なヌクレオチド類似体は、LNA類似体とペプチド核酸(PNA)類似体を含む本明細書記載の類似体を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的RNA特異的プライマーおよび標的RNA特異的プローブは、ハイブリッド形成結合エネルギーを増加させる少なくとも一つのヌクレオチド類似体を含む(例えば上記で述べた親和性増強ヌクレオチド類似体)。いくつかの実施形態では、本明細書に述べる組成物中の標的RNA特異的プライマーまたは標的RNA特異的プローブは、試料中の一つの標的RNAと結合する。いくつかの実施形態では、単一のプライマーまたはプローブは、例えば複数の異性体といった複数の標的RNAと結合する。
いくつかの実施形態では、単一の標的RNAに特異的である一より多いプライマーまたはプローブが組成物中に存在し、そのプライマーまたはプローブは、標的RNA内の重なり合うまたは空間的に分離した領域と結合し得る。
理解されるであろうことは、下記に明確に記述されていないとしても、いくつかの実施形態では、本明細書に述べる組成物は標的RNAから逆転写されるcDNAにハイブリッド形成するようにデザインされており、組成物は、標的RNA(またはそれらの領域)と同一である配列を有する少なくとも一つの標的RNA特異的プライマーまたは標的RNA特異的プローブ(またはそれらの領域)を含むことである。
いくつかの実施形態では、標的RNAは、表6、表7、表8、表9、表32、表33、または表34の一つ内の少なくとも一つのプローブ配列に特異的にハイブリッド形成する能力を有する。いくつかの実施形態では、標的RNAは、配列番号794から1043、2576から2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、その成熟形では、30未満のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、ミクロRNAである。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、または少なくとも8個の標的RNAのそれぞれに関して、標的RNA特異的プライマーおよび/または標的RNA特異的プローブを複数含み、標的RNAは、配列番号794から1043、2576から2672、および2692の一つと同一である配列を有する隣接するヌクレオチド領域を含む。いくつかの実施形態では、その複数には、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、または少なくとも12個の標的RNAのそれぞれに関して、標的RNA特異的プライマーおよび/または標的RNA特異的プローブが含まれ、標的RNAは、配列番号794から1043、2576から2672、および2692の一つと同一である配列を有する隣接するヌクレオチド領域を含む。いくつかの実施形態では、その複数には、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも75個、または少なくとも100個の標的RNAのそれぞれに関して、標的RNA特異的プライマーおよび/または標的RNA特異的プローブが含まれ、標的RNAは、配列番号794から1043、2576から2672、および2692の一つと同一である配列を有する隣接するヌクレオチド領域を含む。理解されるであろうことは、いくつかの実施形態では、本明細書に述べる標的RNAは、表4、表5、および表38の少なくとも一つ内で述べられる配列と同一である配列を含むことである。理解されるであろうことは、配列がチミン(T)塩基を含む場所は、標的RNAではウラシル(U)塩基を代わりに含み得ることである。
いくつかの実施形態では、組成物は、水性組成物である。いくつかの実施形態では、水性組成物は、下記に述べるように例えばリン酸塩、トリス、HEPESなどの緩衝成分および/またはさらなる成分を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば凍結乾燥されるといった乾燥物であり、液体の添加による再構成に適している。乾燥組成物は、緩衝成分および/またはさらなる成分を含み得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、一またはそれ以上のさらなる成分を含む。追加的成分は、NaCl、KCl、およびMgClといった塩類;熱安定性ポリメラーゼを含むポリメラーゼ;dNTP;RNアーゼ阻害剤;ウシ血清アルブミン(BSA)など;例えばβ‐メルカプトエタノールといった還元剤;EDTAなど;その他、を含むが、これらに限定されない。当業者は、組成物の使用意図に依存し、適した組成物成分を選択し得る。
いくつかの実施形態では、基板に付着する標的RNA特異的プローブを含む、アドレス指定可能なマイクロアレイ(addressable microarray)成分が提供される。
本明細書に述べる方法で使用されるマイクロアレイは、プローブが共有結合でまたは非共有結合で付着する固体の基板を含む。いくつかの実施形態では、一またはそれ以上の標的RNAまたはcDNAにハイブリッド形成することができるプローブは、定義した位置で基板に付着する(“アドレス指定可能なアレイ”)。当業者により理解されるであろうことは、プローブは、多種多様な方法で基板に付着し得る。いくつかの実施形態では、プローブは、最初に合成され、次に、基板に付着される。他の実施形態では、プローブは基板上で合成される。いくつかの実施形態では、プローブは、例えば光重合やフォトリソグラフィーといった技術を使用して基板表面上で合成される。
いくつかの実施形態では、固体の基板は、プローブの付着またはプローブの関連付けに適した別々の個別のサイトを含むために修飾され、また少なくとも一つの検出方法を受け入れる。基板の代表的な例には、ガラスや修飾ガラスや官能化ガラス、プラスチック(アクリル樹脂、スチレンからのポリスチレン、他材料の共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、TeflonJなどを含む)、多糖、ナイロンまたはニトロセルロース、樹脂、シリコンや修飾シリコンを含むシリカまたはシリカベースの材料、炭素、金属、無機ガラス、およびプラスチックを含む。いくつかの実施形態では、基板は、はっきりとした蛍光なしに、光学的検出を可能にする。
いくつかの実施形態では、基板は平面である。他の実施形態では、プローブは、例えば、試料量を最小にするためのフロースルー試料解析(flow−through sample analysis)のために、チューブの内側表面に置かれる。他の実施形態では、プローブは、マルチウェルプレートのウェル内に置かれ得る。さらに他の実施形態では、プローブは、アドレス指定可能なマイクロビーズアレイに付着され得る。しかし他の実施形態では、プローブは、例えば、特別なプラスチックで作られる独立気泡フォームを含む軟質フォームといった、軟質基板へと付着され得る。
基板とプローブは、後の両者の付着のために、官能基で誘導体化され得る。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、これらに限定されないが、アミノ基、カルボキシル基、オキソ基、およびチオール基を含む一またはそれ以上の化学的官能基で誘導体化される。いくつかの実施形態では、プローブは、一またはそれ以上の官能基によって、基板に直接付着する。いくつかの実施形態では、プローブは、リンカー(すなわち、ハイブリッド形成と検出に関与するプローブ領域を、基板表面から遠ざけるためのスペースである隣接するヌクレオチド領域)によって、基板に間接的に付着する。いくつかの実施形態では、プローブは、5’末端によって、固体基板に付着する。他の実施形態では、プローブは、3’末端によって、付着する。さらに他の実施形態では、プローブは、内部ヌクレオチドによって、基板に付着する。いくつかの実施形態では、プローブは、固体基板に非共有結合で付着し、例えば、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用があり、そこでプローブはビオチン化され、基板表面はストレプトアビジンとの共有結合で覆われる。
いくつかの実施形態では、組成物は、基板に付着するプローブを有するマイクロアレイを含み、そこで少なくとも一つのプローブ(またはそれらの領域)は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、または少なくとも100個のプローブは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を含む、少なくとも一つの標的RNA特異的プローブ、ならびにヒトmiRNomeの標的RNA領域と同一であるまたは相補的である配列を含む、少なくとも一つの標的RNA特異的プローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、各標的RNA特異的プローブを、マイクロアレイ上の一つの位置のみで含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、少なくとも一つの標的RNA特異的プローブを、マイクロアレイ上の複数の位置で含む。
本明細書では、標的RNA(またはその標的領域)と“相補的な”または“部分的に相補的な”という用語を使用し、そして標的RNA配列へのプローブ配列の“相補性”の割合は、標的RNA配列の逆相補配列への“同一性”の割合である。本明細書に述べる組成物に使用されるプローブ(またはそれらの領域)と、本明細書に開示する標的RNAとの間での“相補性”の程度を決定することにおいて、“相補性”の程度は、プローブ(またはそれらの領域)の配列と、標的RNA配列の最良の配列の逆相補配列との間の同一性の割合として表わされる。割合は、2つの配列間で同一な配列塩基の数を数え、プローブ中の隣接するヌクレオチドの合計数で割り、100を掛けることで計算される。
いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、標的RNAの標的領域に完全に相補的である配列を有する領域を有する少なくとも一つのプローブを含む。他の実施形態では、マイクロアレイは、標的RNAの最良配列領域の配列と比較する場合、一またはそれ以上の塩基ミスマッチを含む配列を有する領域を有する少なくとも一つのプローブを含む。
上記で述べたように、本明細書で使用するプローブまたは標的RNAの“領域”は、特定の配列番号またはその相補配列からの8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、またはそれ以上の隣接するヌクレオチド、を含み得るまたはからなり得る。いくつかの実施形態では、領域は、プローブまたは標的RNAと同じ長さである。他の実施形態では、領域は、プローブまたは標的RNAの長さより短い。
いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個の隣接するヌクレオチドの領域を有する少なくとも一つのプローブを含む。
いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表6、表7、表8、表9、表32、表33、および表34の一つのプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する少なくとも一つのプローブを含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表6、表7、表8、表9、表32、表33、および表34の一つのプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有さない少なくとも一つのプローブをさらに含む。
いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表6内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個、または少なくとも15のプローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表7内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、または少なくとも25個のプローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表8内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも6個、または少なくとも7個のプローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表9内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、または少なくとも50個のプローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表32内または表33内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、または少なくとも40個のプローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、表34内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、または少なくとも70個のプローブを、含む。
いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、ヒトmiRNome(すなわち、マイクロアレイを作製する時点での、miRBase(http://microrna.sanger.ac.uk/)に他者らによって登録される公に知られるミクロRNA)の大部分を、例えばヒトmiRNomeの少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を含む標的RNAと相補的である配列を有する領域を有するプローブを、含む。いくつかの実施形態では、マイクロアレイは、ヒトmiRNomeの大部分を、例えばヒトmiRNomeの少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を含む標的RNAと同一である配列を有する領域を有するプローブを、含む。
いくつかの実施形態では、成分は、例えばLuminexにより販売されているマイクロビーズに付着するプローブを含み、各マイクロビーズは、各ビーズに固有のシグナルを作成するために異なる強度で赤色の赤外線フルオロフォアで内部を染色される。いくつかの実施形態では、本明細書に述べる方法を実行するのに役立つ組成物は、各々が固有のスペクトル特性を有する複数のマイクロビーズを含む。ビーズ内の染料から発せられる固有のスペクトル特性は特定のプローブ配列と関連しているように、各々が固有に標識されたマイクロビーズは、固有の標的RNA特異的プローブに付着する。非限定的で例示的なプローブ配列は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689を含む。また、非限定的で例示的なプローブ配列は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される配列、と同一であるまたはその配列と相補的である領域を有するプローブを含む。いくつかの実施形態では、プローブ配列は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、または少なくとも24個の隣接するヌクレオチドを、含む。
いくつかの実施形態では、固有に標識したマイクロビーズは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する領域を有するプローブに、付着する。他の実施形態では、固有に標識したマイクロビーズは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される最も類似した配列、ならびに配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689と相補的である配列、と比較した場合一またはそれ以上の塩基ミスマッチを含む配列を有する領域を有するプローブに付着する。
いくつかの実施形態では、固有に標識した複数のマイクロビーズを含む組成物が提供され、そこで少なくとも一つのマイクロビーズは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個の隣接するヌクレオチドの領域を有するプローブに付着する。
いくつかの実施形態では、固有に標識した複数のマイクロビーズを含む組成物が提供され、そこで少なくとも一つのマイクロビーズは、表6、表7、表8、表9、表32、表33、および表34の一つ内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個の隣接するヌクレオチドの領域を有するプローブに付着する。いくつかの実施形態では、組成物は、表6、表7、表8、表9、表32、表33、および表34の一つ内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である領域を有さないプローブに付着する、固有に標識した少なくとも一つのマイクロビーズを、さらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、表6内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する固有の標的RNA特異的プローブにそれぞれが付着する、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個、または少なくとも15の固有に標識したマイクロビーズを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表7内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する固有の標的RNA特異的プローブにそれぞれが付着する、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、または少なくとも25個の固有に標識したマイクロビーズを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表8内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する固有の標的RNA特異的プローブにそれぞれが付着する、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも6個、または少なくとも7個の固有に標識したマイクロビーズを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表9内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する固有の標的RNA特異的プローブにそれぞれが付着する、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、または少なくとも50個の固有に標識したマイクロビーズを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表32内または表33内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する固有の標的RNA特異的プローブにそれぞれが付着する、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、または少なくとも40個の固有に標識したマイクロビーズを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表34内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有する固有の標的RNA特異的プローブにそれぞれが付着する、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、または少なくとも70個の固有に標識したマイクロビーズを、含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、固有に標識した複数のマイクロビーズを含み、そこで複数は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する領域を有するプローブに付着する少なくとも一つのマイクロビーズを含む。いくつかの実施形態では、複数は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する領域を有するプローブにそれぞれが付着する、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも75個、または少なくとも100個のマイクロビーズを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、いずれにも同一ではないまたはいずれの領域にも相補的ではない配列を有する領域を有する標的RNA特異的プローブに付着する、固有に標識した少なくとも一つのマイクロビーズを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、固有に標識した複数のマイクロビーズを含み、複数の少なくとも一つは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する領域を有するプローブに付着し、また少なくとも第二のビーズは、ヒトmiRNomeからの標的RNA、と同一であるまたはその領域と相補的である配列を有する領域を有するプローブに付着する。
いくつかの実施形態では、組成物は、固有に標識した複数のマイクロビーズを含み、複数の各々は、例えばヒトmiRNome の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%といった、ヒトmiRNome の大部分を含む標的RNAと相補的である領域を有する固有のプローブに付着する。いくつかの実施形態では、組成物は、例えばヒトmiRNome の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%といった、ヒトmiRNome の大部分を含む標的RNAと同一である配列を有する領域を有する固有のプローブに付着する、固有に標識した複数のマイクロビーズを、含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの標的RNAを検出するための少なくとも一つのポリヌクレオチドを含む組成物は提供される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、逆転写酵素反応のためのプライマーとして使用される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、増幅のためのプライマーとして使用される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、RT−PCRのためのプライマーとして使用される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも一つの標的RNAを検出するためのプローブとして使用される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、検出可能なように標識される。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、FRETプローブである。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、TaqMan(登録商標)プローブ、モレキュラービーコン(Molecular Beacon)、またはスコーピオンプローブである。
いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である配列を有する、少なくとも一つのFRETプローブを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、異なる一つと同一であるまたは異なる一つの領域と相補的である配列をそれぞれが有する、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも75個、または少なくとも100個のFRETプローブを、含む。
いくつかの実施形態では、PCR反応中にプローブが分解される際に、特定の標的RNAに関連する固有の蛍光放射が生成されるように、FRETプローブはドナー/アクセプターのペアで標識される。いくつかの実施形態の中では、組成物が複数のFRETプローブを含む場合には、PCR反応中にプローブが分解される際に、特定のプローブ配列および/または特定の標的RNAに関連する固有の蛍光放射が各プローブによって生成されるように、各プローブは異なるドナー/アクセプターのペアで標識される。いくつかの実施形態では、FRETプローブの配列は、標的RNAの標的領域と相補的である。他の実施形態では、FRETプローブは、標的RNAの最良配列領域の配列と比較する場合、一またはそれ以上の塩基ミスマッチを含む配列を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個のヌクレオチドからなるFRETプローブを含み、そこで少なくとも配列の一部は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である。いくつかの実施形態では、FRETプローブの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個のヌクレオチドは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の、一つと同一であるまたは一つの領域と相補的である。いくつかの実施形態では、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の一つ、の配列またはその相補配列と比較する場合、FRETプローブは一つ、二つ、または三つの塩基ミスマッチを有する配列を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、または少なくとも25個のヌクレオチドからなるFRETプローブを含み、そこで少なくとも配列の一部は、表6、表7、表8、表9、表32、表33、または表34の一つ内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である。
いくつかの実施形態では、組成物は、表6内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個、または少なくとも15の固有標識化標的RNA特異的FRETプローブを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表7内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、または少なくとも25個の固有標識化標的RNA特異的FRETプローブを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表8内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも6個、または少なくとも7個の固有標識化標的RNA特異的FRETプローブを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表9内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、または少なくとも50個の固有標識化標的RNA特異的FRETプローブを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表32内または表33内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、または少なくとも40個の固有標識化標的RNA特異的FRETプローブを、含む。いくつかの実施形態では、組成物は、表34内のプローブ配列、と同一であるまたはその領域と相補的である配列をそれぞれが含む、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、または少なくとも70個の固有標識化標的RNA特異的FRETプローブを、含む。
いくつかの実施形態では、キットは、上記で述べたポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、キットは、上記で述べた少なくとも一つのプライマーおよび/またはプローブを含む。いくつかの実施形態では、キットは、例えば熱安定性ポリメラーゼといった少なくとも一つのポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、キットは、dNTPを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に述べるリアルタイムRT−PCR法で使用するキットは、標的RNA特異的FRETプローブを一またはそれ以上、および/あるいは標的RNAの逆転写用の一またはそれ以上のプライマー、および/あるいは標的RNA増幅用のまたはそれから逆転写されたcDNA増幅用の一またはそれ以上のプライマーを含む。
いくつかの実施形態では、一またはそれ以上のプライマーおよび/またはプローブは“線形”である。“線形”のプライマーは、一本鎖分子であるポリヌクレオチドを指し、典型的には例えば少なくとも3個、4個、または5個の隣接するヌクレオチドの短い領域を含まず、隣接するヌクレオチドはプライマーが内部二本鎖を形成するように同一ポリヌクレオチド内の他領域と相補的である。いくつかの実施形態では、逆転写で使用するプライマーは、3’末端に少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、またはそれ以上の隣接するヌクレオチドの領域を含み、これは標的RNAの5’末端の少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、またはそれ以上の隣接するヌクレオチドの領域と相補的である。
いくつかの実施形態では、キットは、標的RNAから逆転写されたcDNAを増幅するために線形プライマーの一またはそれ以上のペア(“順方向プライマー”と“逆方向プライマー”)を含む。したがって、いくつかの実施形態では、第一のプライマーは、標的RNAの5’末端の少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個の隣接するヌクレオチドの領域の配列と同一である配列を含む、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個の隣接するヌクレオチドの領域を、含む。さらに、いくつかの実施形態では、第二のプライマーは、標的RNAの3’末端の少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個の隣接するヌクレオチドの領域の配列と相補的である配列を含む、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個の隣接するヌクレオチドの領域を、含む。いくつかの実施形態では、キットは、標的RNAから逆転写されるcDNAを増幅するための第一のプライマーセットを含み、プライマーセットは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689の一つと同一である配列を含む核酸と、ならびに/または配列番号794から1043、2576から2672、および2692から選択される配列を有する少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む標的RNAから逆転写したcDNAと、特異的にハイブリッド形成することができる。
いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも75個、または少なくとも100個のプライマーセットを含み、各プライマーセットは、異なる標的RNAから逆転写されるcDNAを増幅するためのものであり、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される配列と、ならびに/または配列番号794から1043、2576から2672、および2692から選択される配列を有する少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む標的RNAから逆転写したcDNAと、特異的にハイブリッド形成することができる。いくつかの実施形態では、キットは、試料中の標的RNAから逆転写される一またはそれ以上のcDNAを増幅し得る、少なくとも一つのプライマーセットを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に述べる組成物に使用されるプローブおよび/またはプライマーは、デオキシリボヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に述べる組成物に使用されるプローブおよび/またはプライマーは、デオキシリボヌクレオチドと、例えば上記で述べたLNAアナログや他の二本鎖安定化ヌクレオチドアナログといった一またはそれ以上のヌクレオチドアナログを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に述べる組成物に使用されるプローブおよび/またはプライマーは、すべてのヌクレオチドアナログを含む。いくつかの実施形態では、プローブおよび/またはプライマーは、相補性領域内に、例えばLNAアナログといった一またはそれ以上の二本鎖安定化ヌクレオチドアナログを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に述べる組成物は、標的RNAの量を標準化するのに使用される一またはそれ以上のハウスキーピング遺伝子に特異的なプローブ、そしてRT−PCRの場合にはプライマー、も含む。そのようなプローブ(とプライマー)は、U6 snRNA、RNU44、RNU48、U47、7SL scRNA、U1 snRNA、5.8S rRNA、およびU87 scaRNAから選択されるハウスキーピング遺伝子の一またはそれ以上の生成物に特異的なものを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に述べるリアルタイムRT−PCR法に使用されるキットは、逆転写反応と増幅反応に使用される試薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、例えば逆転写酵素といった酵素と、例えばTaqポリメラーゼといった熱安定性DNAポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、キットは、逆転写と増幅に使用するためのデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)をさらに含む。さらなる実施形態では、キットは、プローブやプライマーの特定のハイブリッド形成のために最適化されたバッファを含む。
4.2.1 RNAレベルの標準化の例
いくつかの実施形態では、標的RNA発現レベルの定量には、一細胞当たりの全RNA量についておよび試料調製中での試料損失程度について推定する必要がある。異なる試料間、または異なる条件下で調製した試料間での違いを修正するために、いくつかの実施形態での標的RNA量は、少なくとも一つの内在性ハウスキーピング遺伝子の発現で標準化される。
本明細書に述べる方法において標準遺伝子として使用するのに適した遺伝子は、正常試料と肺癌患者からの試料との間で、または異なる細胞株の間で、または異なる成長条件および試料調製条件の間で、生成物の量が変化しないものを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に述べる方法での標準化対照として有用な内在性ハウスキーピング遺伝子は、U6 snRNA、RNU44、RNU48、U47、7SL scRNA、U1 snRNA、5.8SrRNA、およびU87 scaRNAを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ミクロRNAの測定量を標準化するのに使用する少なくとも一つの内在性ハウスキーピング遺伝子は、U6 snRNA、RNU44、RNU48、U47、7SL scRNA、U1 snRNA、5.8SrRNA、およびU87 scaRNAから選択される。いくつかの実施形態では、一つのハウスキーピング遺伝子は、標準化に使用される。いくつかの実施形態では、一つより多いハウスキーピング遺伝子は、標準化に使用される。
4.2.2. 定性的方法の例
いくつかの実施形態では、方法は、正常な標的RNAプロファイル(いくつかの例示的実施形態では、対照試料の標的RNAプロファイル)と比較して、ヒト試料から生じる標的RNAプロファイルの質的変化を検出することを含む。発現プロファイルでのいくつかの質的変化は、被験者からの試料中での肺癌の存在を示す。“標的RNAプロファイル”という用語は、同一試料中の複数の標的RNAの同時発現に関する一連のデータを指す。
いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個、または少なくとも15の標的RNAは、表6内のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成し得る。いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも8個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、または少なくとも25個の標的RNAは、表7内のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成し得る。いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも6個、または少なくとも7個の標的RNAは、表8内のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成し得る。いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、または少なくとも50個の標的RNAは、表9内のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成し得る。いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、または少なくとも40個の標的RNAは、表32または表33の一つ内のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成し得る。いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、または少なくとも70個の標的RNAは、表34内のプローブ配列に特異的にハイブリッド形成し得る。
いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも75個は、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含む。いくつかの実施形態では、複数の標的RNAの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個は、配列番号794から1043、2576から2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、その成熟形において、30未満のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAはミクロRNAである。
標的RNA発現プロファイルの作成に使用する定性的発現データは、本明細書に示す解析手法を含むあらゆる適切な解析手法を使用して得られる。
いくつかの実施形態では、例えば、同時発現データは、上記で述べた例えばマイクロアレイを使用して得られる。したがって、上記で述べたように特定の標的RNAの定量的発現レベルのアッセイを使用することに加えて、miRNomeの大部分と相補的である配列を有するプローブを含むマイクロアレイが、標的RNA発現パターンの解析に関して、標的RNA遺伝子発現プロファイリングを行なうために使用され得る。
いくつかの実施形態では、標的RNAの特異的な特徴は、肺癌に関する確立したマーカーに関連する。いくつかの実施形態では、標的RNAの特異的な特徴は、例えばグラム陽性細菌感染に起因する肺癌、グラム陰性細菌感染に起因する肺癌、またはマイコバクテリア感染に起因する肺癌といった、細菌感染に起因する肺癌に関する確立したマーカーに関連する。いくつかの実施形態では、標的RNAの特異的な特徴は、ウイルス感染に起因する肺癌に関する確立したマーカーに関連する。いくつかの実施形態では、標的RNAの特異的な特徴は、例えば、細菌とウイルスによる重感染、あるいは一より多いウイルス株によるまたは一より多い細菌株による重感染といった、複数の感染に起因する肺癌に関する確立したマーカーに関連する。いくつかの実施形態では、標的RNAの特異的な特徴は、肺癌の重症度レベルに直接関連する。
発現プロファイリング方法によると、いくつかの実施形態では、肺癌を有する疑いの被験者から採取した試料からの全RNAは、定量的に逆転写され、試料中のRNAと相補的な標識オリゴヌクレオチドのセットを提供する。次に、オリゴヌクレオチドは、標的RNA特異的プローブを含むマイクロアレイにハイブリッド形成し、試料のハイブリッド形成プロファイルを提供する。結果は、試料のハイブリッド形成プロファイルであり、試料中の標的RNAの発現パターンを表わす。ハイブリッド形成プロファイルは、試料から逆転写されたオリゴヌクレオチドがマイクロアレイの標的RNA特異的プローブに結合することから発せられるシグナルを含む。いくつかの実施形態では、プロファイルは、結合の有りまたは無し(シグナル対0シグナル)として記録される。いくつかの実施形態では、記録されるプロファイルは、各ハイブリッド形成からの信号の強度を含む。プロファイルは、正常試料、すなわち非特異的試料またはいくつかの実施形態では、対照試料、から生じたハイブリッド形成プロファイルと比較される。
4.3. 代表的な付加的標的RNA
いくつかの実施形態では、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される配列を含む核酸と特異的にハイブリッド形成することができる一またはそれ以上の標的RNAを検出すること、ならびに/あるいは、配列番号794から1043、2576から2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む一またはそれ以上の標的RNAを検出すること、ならびに/あるいは、配列番号1から397、1063から1210、1363から1707、2064から2183、2312から2452、2673から2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含む一またはそれ以上の標的RNAを検出すること、を組合せて、本明細書の方法は、肺癌に関連する少なくとも一つの他のマーカーの発現レベルを検出することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に述べる方法は、特殊なヘアピン型を有する肺癌関連の低分子RNAの発現変化を検出することをさらに含む。
他の実施形態では、本明細書に述べる方法は、染色体の共依存、すなわちヒトゲノムにおいて互いが近くにクラスター化する標的RNAのことでありともに制御される傾向がある、を検出することをさらに含む。したがって、さらなる実施形態では、方法は、表3、表22、表25、表29、および表31内のミクロRNA前駆体の染色体位置から50,000 bp以内の染色体上にそれぞれが位置する一またはそれ以上の標的ミクロRNAの発現を検出することを、含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第8染色体では、8p21.3〜21.2、8p12、8p11.21、8q11.21、8q21.11、または8q24.22〜24.3;第9染色体では、9p21.3、9p13.3、9p11.2、9q22.32、9q31.3〜34.11、または9q34.3;第10染色体では、10q21.3〜23.31、10q24.1、10q24.32、10q25.3、または10q26.3;第11染色体では、11p15.5、11p14.1、11q12.1〜23.2、11q13.4〜14.1、11q23.2〜24.1、または11q25;第12染色体では、12p13.32〜13.31、12p13.1、12p12.1、12q12〜14.1、12q14.3〜21.1、12q21.32〜23.2、または12q24.23;第13染色体では、13q13.3、13q14.2、13q21.33、13q22.3、または13q31.3;第14染色体では、14q11.1〜13.2、14q24.3〜31.1、または14q32.2〜32.31;第15染色体では、15q3、15q23〜24.32、または15q25.3〜26.2;第16染色体では、16p13.3〜13.2、16p11.2、または16q12.1〜22.3;第17染色体では、17p13.3、17p13.1〜11.2、17q12〜21.1、17q22〜23.3、または17q25.3l;第18染色体では、18q11.2、18q21.31〜33、または18q22.3;第19染色体では、19p13.3〜13.2、19p13.12〜12、19q12、または19q13.32〜13.42;第20染色体では、20p13、20p11.1、20q12、または20q13.32;第21染色体では、21q21.1〜22.11;第22染色体では、22q11.21または22q12.1〜13.31;X染色体では、Xp11.4〜11.22、Xq13.1〜13.3、Xq22.3、Xq25〜27.1、またはXq27.3〜28にクラスター化する一またはそれ以上の標的RNAの発現を検出する。
4.4. 医薬組成物と治療方法
いくつかの実施形態では、開示は、例えば個人の肺癌細胞において下方制御されるまたは上方制御されるといった、標的RNAの発現が脱制御される肺癌、の治療方法に関連する。癌細胞内で少なくとも一つの標的RNAが上方制御される場合では、方法は、肺癌細胞の増殖を阻害するように、少なくとも一つの標的RNAの発現を阻害する少なくとも一つの化合物を有効量で個人に投与することを含む。あるいは、いくつかの実施形態では、癌細胞内で少なくとも一つの標的RNAが上方制御される場合では、方法は、肺癌細胞の増殖を阻害するように、少なくとも一つの標的RNAの活性を阻害する少なくとも一つの化合物を有効量で個人に投与することを含む。そのような化合物は、いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、を含むポリヌクレオチドであり得る。
肺癌細胞内で少なくとも一つの標的RNAが下方制御される場合では、方法は、個体内の肺癌細胞の増殖を阻害するように、単離した標的RNA(すなわち、いくつかの実施形態では、標的RNAは、化学的に合成されるか組み換え技術によって発現されるか自然環境から精製される)、または単離したバリアント、またはそれらの生物学的に活性な断片、の有効量を投与することを、含む。
本開示は、肺癌を治療するための医薬組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも一つの単離した標的RNA、または単離したバリアント、またはそれらの生物学的に活性な断片、および医薬的に許容され得るキャリヤを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも一つの単離した標的RNAは、正常レベルと比較して(いくつかの例示的実施形態では、対照試料中の標的RNAレベルと比較して)、肺癌細胞において減少した発現レベルを示す標的RNAに相当する。いくつかの実施形態では、単離した標的RNAは、配列番号1から397、1363から1707、および2312から2452の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる標的RNAである。いくつかの実施形態では、正常レベルと比較して、肺癌細胞において減少した発現レベルを示す単離した標的RNAは、配列番号 92または171の一つと同一である配列、あるいは表34内のプローブ配列と同一である配列、を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腺癌の治療に有用であり、また配列番号4、36、50、93、122、125、139、140、144、146、159、226、239、または241の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる単離した標的RNAを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腺癌の治療に有用であり、また配列番号19、27、33、48、55、72、73、94、101、105、112、117、130、131、133、134、135、143、155、158、160、161、163、165、221、238、240、または246の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる単離した標的RNAを含む。
いくつかの実施形態では、単離した標的RNAは、癌細胞中で下方制御される内在性の野生型標的RNA遺伝子からの生成物(例えば、表3に述べる遺伝子からの生成物)と同一である。いくつかの実施形態では、単離した標的RNAは、標的RNAバリアント、またはそれらの生物学的に活性な断片である。本明細書で使用する“バリアント”は、関連する野生型標的RNAに対して100%未満の配列同一性を有するが野生型標的RNAの一またはそれ以上の生物学的活性(例えば、肺癌に関連した、標的RNA分子発現や細胞プロセスを阻害する能力)を持ち続ける標的RNA遺伝子生成物を、指す。標的RNAの“生物学的に活性な断片”は、野生型標的RNAの一またはそれ以上の生物学的活性を有する標的RNA遺伝子生成物の断片である。いくつかの実施形態では、単離した標的RNAは、化学療法、放射線療法、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない一またはそれ以上のさらなる抗癌治療、と併用して投与され得る。いくつかの実施形態では、単離した標的RNAは、さらなる抗癌治療と併用して投与される。いくつかの実施形態では、単離した標的RNAは、さらなる抗癌治療に連続して投与される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、標的RNAの発現を阻害する少なくとも一つの化合物を含む。いくつかの実施形態では、化合物は、正常レベルと比較して(いくつかの代表的な実施形態では、対照試料中の標的RNAレベルと比較して)肺癌細胞において増加した発現を有する一またはそれ以上の標的RNAに、特異的である。いくつかの実施形態では、標的RNA発現阻害剤は、配列番号1から397、1063から1210、2064から2183、2673から2680、および2689の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに、特異的である。いくつかの実施形態では、標的RNA発現阻害剤は、配列番号15、26、27、または191の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに、特異的である。いくつかの実施形態では、標的RNA発現阻害剤は、配列番号 15、26、27、30、129、164、184、191、196、205、207、214、219、225、246または248の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに、特異的である。いくつかの実施形態では、標的RNA発現阻害剤は、表6、表7、表8、表9、表32、または表33の一つ内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに、特異的である。いくつかの実施形態では、表6内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに特異的である、標的RNA発現阻害剤は、非小細胞肺癌の治療に有用である。いくつかの実施形態では、表7内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに特異的である、標的RNA発現阻害剤は、扁平上皮癌の治療に有用である。いくつかの実施形態では、表8内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに特異的である、標的RNA発現阻害剤は、腺癌の治療に有用である。いくつかの実施形態では、表9内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる少なくとも一つの標的RNAに特異的である、標的RNA発現阻害剤は、高悪性度肺癌の治療に有用である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、扁平上皮癌の治療に有用であり、また配列番号4、36、50、93、122、125、139、140、144、146、159、226、239、または241の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる標的RNAに特異的である標的RNA発現阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、扁平上皮癌の治療に有用であり、また配列番号19、27、19、27、33、48、55、72、73、94、101、105、112、117、130、131、133、134、135、143、155、158、160、161、163、165、221、238、240、または246の一つと同一である配列を含む少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる標的RNAに特異的である標的RNA発現阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、扁平上皮癌の治療に有用であり、また表7内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる標的RNAに特異的である標的RNA発現阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腺癌の治療に有用であり、また表8内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる標的RNAに特異的である標的RNA発現阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、高悪性度肺癌の治療に有用であり、また表9内の少なくとも一つの核酸プローブに選択的にハイブリッド形成することができる標的RNAに特異的である標的RNA発現阻害剤を含む。
いくつかの実施形態では、標的RNA阻害剤は、二本鎖RNA、アンチセンス核酸、および酵素的RNA分子から選択される。いくつかの実施形態では、標的RNA阻害剤は、低分子阻害剤である。いくつかの実施形態では、標的RNA阻害剤は、化学療法、放射線療法、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない他の抗癌治療、と併用して投与され得る。いくつかの実施形態では、標的RNA阻害剤は、他の抗癌治療と併用して投与される。いくつかの実施形態では、標的RNA阻害剤は、他の抗癌治療に連続して投与される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、Sempleらの2010年1月17日付のNature Biotechnology advance online publication(doi:10.1038/nbt.1602)によって説明されまた投与されており、あらゆる目的に関してそのすべてを参照として本明細書に組み込む。
本明細書で使用する“治療する”、“治療している”、“治療”という用語は、肺癌の症状の発症を防止するか遅延させること、および/または肺癌の症状の重症度か頻度を減少させることを含む、肺癌に関連した症状を改善することを、指す。
標的RNAの、または標的RNA発現阻害剤の、または標的RNA活性阻害剤の“有効量”という用語は、肺癌に苦しむ個体における癌細胞の増殖を阻害するのに十分な量のことである。本明細書に開示する医薬組成物に使用する化合物の有効量は、例えば、治療を受ける個人のサイズおよび重量、疾患の病期、年齢、個人の健康状態および性別、投与経路、ならびに投与は局所か全身かどうか、といった因子を考慮して、当業者によって容易に決定される。
単離した標的RNA、または標的RNA阻害剤、またはそれらの医薬的に許容され得る塩に加えて、本明細書に開示する医薬組成物は、水、バッファ水、生理食塩水、0.4%食塩水、0.3%グリシン、およびヒアルロン酸を含むがこれらに限定されない、医薬的に許容され得るキャリアを、含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えばリポソーム中に、カプセル化された単離した標的RNAまたは標的RNA発現阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、上記のセクション4.1.5で述べた核酸骨格の修飾によって、ヌクレアーゼ抵抗性である、単離した標的RNAまたは標的RNA発現阻害剤を、含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば安定剤、抗酸化剤、オスモル濃度調節剤、およびバッファといった、医薬的に許容され得る賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルキル化剤、抗代謝剤、エピポドフィロトキシン、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、植物性アルカロイド、植物性テルペノイド、モノクローナル抗体、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、白金化合物、プロテインキナーゼ阻害剤、およびアンチセンス核酸を含むがこれらに限定されない少なくとも一つの化学療法剤、をさらに含む。
医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、タブレット、錠剤、小粒、カプセル、液体を含むカプセル、パウダー、徐放性製剤、坐薬、乳剤、エアロゾル、スプレー、懸濁液、または使用に適したあらゆる他の形、といった形で摂取され得る。投与方法は、経口、非経口、静脈内、経口、および吸入によるものを含むがこれらに限定されない。
次の実施例は、例示することのみを目的とし、限定的であることを決して意図しない。
5. 実施例
5.1 実施例1:原発性肺腫瘍からのミクロRNA
マイクロアレイ解析を使用して、原発性肺腫瘍において特定のミクロRNAは脱制御される(例えば、過剰に発現されるまたは発現が低下させられる)ことを実証した。
全RNAは、下記に述べるように、凍結組織試料から調製された表10内の各原発性腫瘍から抽出された。
凍結組織試料からのRNA調製
保存された凍結腫瘍標本または凍結させたばかりの腫瘍標本を、Invitrogen(カールズバッド、カリフォルニア州)のTRIzol(登録商標)試薬中で、すり鉢とすりこぎでホモジナイズし、メーカーのプロトコールに従ってRNAをさらに抽出した。全RNA試料は、RNアーゼなしの水で希釈し、そして−80℃で保存した。

Figure 0005755569

Figure 0005755569
Epi4、Epi7、Epi5、Adk1、Adk3、Adk11、Adk8、Adk9、およびAdk2は、10例の患者から切除された原発性腫瘍を特定する。Epi(類表皮)は扁平上皮癌であり、一方Adk(腺癌)は非扁平上皮癌である。
上記の 表10内では、“na”は、情報が入手可能ではなかったことを示す。病期カラム内の“Y”は、患者が外科的切除の前に治療を受けたことを示す。“P”は、患者が外科的切除の前に治療を受けなかったことを示す。
病期は、NSCLCのための“TNM”病期システムに従う。NSCLCのための“T”カテゴリーは次のことを示す:(a)T1が示すのは、腫瘍は、その径が3cm以下であり、肺を囲む膜に達しておらず、気管支の主気管支に影響を及ぼさないことである;(b) T2の腫瘍は、次の特徴を一またはそれ以上有する:(i)腫瘍径が3cmを超える;(ii)主気管支に及ぶが、竜骨(気管が左主気管支と右主気管支に分かれる地点)より2cm以上離れている;(iii)肺を囲む膜に浸潤している;または、(iv)気道を部分的に塞ぐが、肺全体を崩壊させることはないまたは肺炎を発症させることはない;(c)T3が示すのは、次の特徴の一またはそれ以上を有するあらゆるサイズの腫瘍である:(i)腫瘍は、胸壁、横隔膜、二つの肺の間の空間を囲む膜、または心臓を囲む嚢の膜に浸潤している;(ii)腫瘍は、主気管支に浸潤し、竜骨まで2cm未満であるが、竜骨自体には及んでいない;または、(iii)腫瘍は、肺全体を崩壊させる程または肺全体に肺炎を発症させる程、気道に浸潤している。“N”番号は、リンパ節の関与を示し、次のことを示す:(a)N0は、癌がリンパ節付近に広がっていないことを示す;(b)N2は、竜骨付近のリンパ節への、または胸骨の後ろで縦隔の前の空間内のリンパ節への広がりを示す。浸潤を受けるリンパ節は、原発性腫瘍と同側にある;および、(c)NXは、付近のリンパ節を判定できないことを示す。
患者から切除された正常な肺組織(この場合では、腫瘍から可能な限り遠位の肺の場所からのもの)からの全RNAと、肺腫瘍に隣接する場所からの正常な肺組織(Ambion)からの全RNAは、対照として使用された。
全RNAの調製および解析
全RNAは、TRIzol(登録商標)の標準的プロトコール(Invitrogen)を使用して、単離した。2個の75cmフラスコのコンフルエントからの細胞を、培養した(=約10細胞)。全RNAは、Invitrogen(カールズバッド、カリフォルニア州)のTRIzol(登録商標)試薬を使用して、メーカーのプロトコールに従って調製した。全RNA試料は、RNアーゼなしの水で希釈し、そして−80℃(−112°F)で保存した。
RNAの質は、OD 260/280比率を計算することにより評価した。全RNA試料の質は、A549ヒト腺癌細胞株からの全RNAから得られた図1に示すエレクトロフェログラムによって例示するように、またAgilent Bioanalyser 2100を使用して評価されるように、高いものであった。同様のエレクトロフェログラムは、他の原発性腫瘍試料からの全RNAに関しても得られた。
ミクロRNA精製
ミクロRNAの精製は、Flash PAGE Fractionator(Ambion)を使用して行なった。Ambionゲル精製プロトコールは、ミクロRNAを含めた40ヌクレオチド(nt)長未満の低分子RNAを濃縮する。簡潔には、全RNA試料は、Flash PAGE Fractionatorを使用して、プレキャストゲルで泳動する。40 nt未満の全RNA画分(“ミクロRNA画分”)は、ゲル泳動後に回収され、そしてRNアーゼなしの水中に再懸濁された。
マイクロアレイ解析
プローブのデザインおよびスポッティング
マイクロアレイ調製に使用するオリゴヌクレオチドプローブは、5’−NH−(C)−(スペーサー)−(オリゴマープローブ配列)−3’構造を有した。5’−アミノ基は、アレイ基板上に化学結合することを可能にした。オリゴヌクレオチドプローブとアレイ基板との非特異的な相互作用を防止するために、下記に示すように、各プローブは15 ntの同一のスペーサー配列も含んでいた:
5’アミノC6−TTGTAATACGACTCA―オリゴプローブ配列(配列番号:1044)
表1内および表2内に示すプローブ配列は、リンカーを省略する。
プローブは、Eurofins MWG Operon(エーバースベルク、ドイツ)による標準的なプロトコールに従って合成した。Nexterion(Schott)マイクロアレイスライド・ガラスは、固体基板としてマイクロアレイに使用した。
スポッティングに使用するオリゴヌクレオチドプローブ濃度は、25 μmolであった。プローブは、Schottからアレイガラス基板とともに提供されたNexterionスポッティングバッファを使用し、より大きなスッポットのサイズを可能とするために1%SDS(ナトリウムドデシルスルファート)を添加し(例えば、SDSなしで70〜100ミクロンと比較して、100〜150ミクロン)、二連でスポットした。スポッターは、Stealth SMP3ピン(Telechem)を備えたQArray mini (Genetix)を使用した。一通りのスポットをつけた後に、スポッティング用針は、次の一通りのプローブをスポットする前に60mM NaOHで5回洗浄した。各スライドは、スポットされたプローブの32ブロックでデザインされており、各ブロックはスポットされたプローブが20x20の四角である。各プローブは、二連でスポットされた。スポットされたスライドガラスは、使用されるまで4℃で保存された。
ミクロRNAの標識化
ミクロRNA画分の標識化は、European Molecular Biology GroupによってEMBL(ハイデルベルク、ドイツ)で開発された出版プロトコール(Castoldiらの“A sensitive array for microRNA expression profiling (miChip) based on locked nucleic acids (LNA)”(ロック核酸(LNA)に基づくミクロRNA発現プロファイリング(miChip)のための高感度アレイ)、RNA 2006 May;12(5):913−20. Epub 2006 Mar 15、そのすべてを参照として本明細書に組み込む)に従い行った。簡潔には、ミクロRNA画分は、RNアーゼなしの水で1Xに希釈したAmbionバッファ中で10 μMの色素標識の四ヌクレオチド(5’−rUrUrUrU −Cy5− 3’) (またはその代替として、5’−rUrUrUrU −Cy3−3’) (Biospring、ドイツ)、8%ポリエチレングリコール(PEG)、2 mMアデノシン三リン酸(ATP)、およびT4 RNAリガーゼ(0.7U/μl)を含む混合物とともに、4℃で6時間にわたりインキュベートした。標識化反応は、65℃で15分間にわたり混合物を加熱することにより行った。この手順は、すべてのミクロRNAの3’末端にポリ−U色素標識尾部を結合させた。標識試料は、ハイブリッド形成を行う前は、4℃で保存した。
アレイのハイブリッド形成
標識ミクロRNA画分は、Discovery hybridization station(Ventana、ツーソン、アリゾナ州)を使用して、スポットしたアレイとハイブリッド形成された。簡潔には、1%BSA、2X SSC、および0.2%SDSの混合物2 mLは、42℃で30分間にわたりチップとインキュベートされた。次に、チップは、EZ Prepバッファ(Ventana)で一回洗浄され、そして次に、Ribowash(Ventana)でさらに三回洗浄された。次に、標識ミクロRNA混合物20 μlとChipHybe Reagent(Ventana) 180μlは、アレイに添加された。アレイは、37℃で6分間にわたり加熱され、次に、42℃で 8時間にわたりインキュベートされ、この後に加熱は停止された。チップは、Ribowash(Ventana)で一回洗浄され、次に、37℃で2分間にわたり加熱された。チップは、CheapClean(Ventana)1滴を添加したRibowash(Ventana)で再度洗浄され、そして37℃で2分間にわたりインキュベートされた。チップは、Ribowash(Ventana)を使用して、さらに二回洗浄された。チップは、乾燥状態で一晩保存された。次の日に、Discovery hybridization stationに関するVentanaの使用説明書に従い、最終的な洗浄が行われた。スライドは、2X SSC+0.2X SDSバッファで二回洗浄され、次に、0.1X SSCでさらに1回洗浄された。すべてのスライドは、Arrayit(TeleChem International、サニーベール、カリフォルニア州)から入手した高速遠心分離機を使用して室温で乾燥され、そしてスキャンの前には暗所に保存された。
ChipHybe Reagent溶液(溶液1)の代替として、次に示す溶液(溶液2)は、1.5X TMAC Hybridization Solutionを2で試料を1(体積比)で混合することによってプローブ:標的RNAハイブリッドを形成するためにハイブリッド形成に使用され得るが、したがって最終的な成分濃度は3M TMAC、0.10% Sarkosyl、50mM Tris、および4mM EDTAであり、42℃で8時間にわたりアレイ上でインキュベートされる。
Figure 0005755569
*TMACはテトラメチルアンモニウムクロリドである。
各生体試料とハイブリッド形成することに関する技術的反復(technical replicates)を、下記の表11に示す。

Figure 0005755569
アレイイメージの獲得
アレイは、Axon(商標)スキャナ(Molecular Devices、サニーベール、カリフォルニア州)とそれらのGenepix(商標)ソフトウェアを使用して、スキャンされた。イメージは、tiff形式にフォーマットされ、16ビット/ピクセル(1600*1600)のイメージ色深度により定義された。そのような設定では、ピクセルは、0から65,535の範囲の強度値を推測し得る。最大強度値を示すピクセルは、“飽和”しており、65,535値を割り当てられる。アレイスキャンの解像度は10 μm/ピクセルに設定された。異なる蛍光色素(例えばCy5やCy3)を使用するハイブリッド形成実験のために、光電子増倍管(PMT)は、高強度スポットに合わせられた(Cy3は、Cy5より低いPMT設定でスキャンされる)。
アレイイメージの解析
レーザースキャナのPMTは、スライド上に与えられた各“地点”に関して撮られた蛍光強度をデジタル化し、その地点に対応するピクセルとして数値を保存した。そのようなピクセルから構成される画像は、次に、解析される。
画像解析のための最初のタスクは、分割と呼ばれるプロセスを使用して、スポット位置を検出することであった。スポットは、可変半径または固定半径のサークルによって分割された。正確に分割し定量するには、スポットの直径は、5〜6ピクセルを超えることが必要であった。分割を行う前に、スポットのおよその位置を示すインデキシンググリッドが与えられた。分割することはそれ自身で、グリッドサークル近くのスポット末端を検出した。簡潔には、Genepixソフトウェアは、アレイ上の各スポットにサークルを割り当てる(分割)。分割は、完全な長方形のグリッド上にスポットがほとんど乗らないことのように、スポッティングが不完全であることおよび/または基板に歪みがあることのために、若干柔軟に行わなければならなかった。
ソフトウェアによる分割の後、サークルは手作業で修正され、アレイ上のすべてのスポットが明確に同定されるまでサークルはスポット上に調整された。この段階で、実際のスポットをそのバックグラウンドと区別するのを妨げるような高いバックグラウンドノイズをアレイが示した場合、アレイをさらなる解析には使用しなかった。
イメージ解析の第2のタスクは、スポットを定量し、そのデータを結果ファイルへとエクスポートすることであった。ひとたびスポットがイメージ上に位置づけられたならば、これは比較的容易で明確に定義されたタスクであった。スポット強度を定量するのに最も頻繁に使用される統計的アプローチは、スポットに属するピクセルの平均値または中央値であった。中央値によるアプローチは、ピクセルの外れ値が存在する場合に、平均値よりもロバスト性であった。しかしながら、実際には、平均値または中央値を使用して得られた結果に差異はほとんどみられなかった。
アレイデータの解析
すべてのアレイデータは、R bioconductor package(“Bioconductor: open software development for computational biology and bioinformatics”(Bioconductor:計算生物学とバイオインフォマティクスのためのオープンソフトウェア開発)、Genome Biol. 2004;5(10):R80. Epub 2004 Sep 15、そのすべてを参照として本明細書に組み込む)を使用して解析した。
アレイデータは、内部対照(表12)に関してスポット強度を比較することによって、最初にその質に関して検証された。一つの内部対照(配列番号1046)は、標識化対照として使用され(この合成RNAは、標識化する前に、精製ミクロRNA画分に添加される)、7つの他の内部対照(配列番号1047〜1052、および1045)は、データの正規化のために使用された(これらの合成RNA対照は、ハイブリッド形成を行う前に、アレイごとにそれぞれを520 fmolで全RNA画分に添加される)。

Figure 0005755569
Figure 0005755569
スポットの強度が、その位置のバックグラウンド強度の平均値に標準偏差の1.5倍を加えた数値を超えるすべての配列を、発現ミクロRNAに分類した。アレイ強度データを、さらなる解析に有効であるとみなすために、次の基準を満たすことが必要であった:
1. ハイブリッド形成対照の特異性は、許容基準内になければならなかった(例えば、CTL26に対してそれに対応する単一塩基変異体であるCTL26_MUT、またはCTL13に対してそれに対応する単一塩基変異体であるCTL13_MUT)。
2. 陽性対照(ポジティブコントロール6)の反復でのシグナル強度のおおよその均一性。
3. 各ブロックのための陽性対照に基づいたシグナル強度のブロック中央値の間でのおおよその均一性。
4. 検出されたすべての配列に基づいたアレイシグナル中央値の間でのおおよその均一性。
5. 精製と標識化の対照(CTL30)のシグナル強度。
データの統計的正規化は、Log2ratioを計算することによってなされ、そこでLog2ratioは、二連スポットのシグナルの平均強度/ブロックのためのすべての陽性対照の強度の中央値、に等しい。アレイのすべてのブロックでの非均質的な標識化を回避するために、正規化は各ブロックで行った。このブロックごとの正規化は、スライドの全体での正規化を使用するよりもより効率的であることが示されてきた。得られた値は、Log2値である。
各オリゴヌクレオチドプローブのスポットの強度は、原発性肺腫瘍からの試料に対して正常な肺組織からの試料で比較され、各ミクロRNAでの相対的な発現を評価することとなった。
発現の倍率変化は、2(Log2ratio)に相当する。Log2ratioは、比較される二つの条件間での比率であり、またはlog2(X細胞株/X正常)であり、これは(log2X細胞株−log2X正常)と同じであり、そこでXは測定された強度値である。“正常”条件からのシグナルがない場合では、実験での最低の測定強度値がベースラインとして使用され、この数値から倍率変化発現値が計算された。ゼロ未満の倍率変化値は、(1/倍率変化)倍の下方制御に相当する。
データを表1に示す。表1に述べる数値は、各腫瘍細胞試料における特定プローブへのハイブリッド形成に関して測定されたシグナル強度と、対照試料(NHBE細胞)における同プローブへのハイブリッド形成に関して測定されたシグナル強度とを、比較することにより計算した倍率変化を示す。特定プローブへのハイブリッド形成に関して検出されたシグナルが、対照試料と腫瘍細胞試料の両方において閾値未満である場合には、表内には“nd”の記号が付与され、倍率変化は計算されなかった。同様に、特定アレイプローブへのハイブリッド形成が対照試料に検出されたが腫瘍細胞試料には検出されなかった場合には、倍率変化計算値の前に“nd”が付与される。対照試料にシグナルが検出されなかった場合には、倍率変化計算のために閾値が使用された。これは、対照試料と比較して、腫瘍細胞試料の倍率変化の過小評価が生じ、それは標的RNAの上方制御と下方制御に関して、表1ではそれぞれ“>”記号または“<”記号により示された。
5.2 実施例2:肺癌細胞株からの標的RNAの解析
細胞株
全RNAは、肺癌に関する研究で一般に使用される異なる三つの肺細胞株から調製された。RNAは、標的RNAアレイのプロファイリングに使用された。
下記の表14に述べるように、細胞株は、腺癌、扁平上皮癌、および大細胞癌に由来する多様なものから選択された。すべての細胞株は、LGC Promochem(ATCC)から購入され、ATCCのガイドラインに従って培養された。

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実施例1に述べたように、マイクロアレイデータの獲得および解析を行った。
正常ヒト気管支上皮細胞(NHBE、ATCC no. CC−2540)からの全RNAは、対照として使用された。
データを表2に示す。示す数値は、原発性腫瘍細胞試料において特定アレイプローブへのハイブリッド形成に関して測定されたシグナル強度と、対照試料において同プローブへのハイブリッド形成に関して測定されたシグナル強度の平均値とを、比較することにより計算した倍率変化に相当する。シグナルが、対照試料と原発性腫瘍細胞試料の両方において閾値未満である場合には、倍率変化は計算されなかった(表2では“nd”で示される)。特定プローブへのハイブリッド形成が対照試料に検出されたが原発性腫瘍細胞試料には検出されなかった場合には、倍率変化計算値の前に“nd”が付与される。対照試料においてアレイプローブへのハイブリッド形成に関してシグナルが検出されなかった場合には、倍率変化計算のために閾値が使用され、これによって、対照試料と比較して、原発性腫瘍細胞試料の倍率変化の過小評価が生じた。これは表2では、標的RNAの上方制御と下方制御に関して、それぞれ“>”記号または“<”記号により示された。
5.3 実施例3:Luminex Platformにおける標的RNAの解析
Luminexテクノロジー(Luminex Corp.、Austin、テキサス州)は、プローブ標識ビーズへの液相でのハイブリッド形成の後に、蛍光色素を異なる比率で有するビーズをフローサイトメトリーによって検出することに基づく。100種類までの異なる色素比率を有するビーズが利用可能であり、これは、単一試料を、同時に100個までの検査項目に関して調べることを可能にする。
Luminexビーズへのプローブのカップリング
実施例1および表1に述べるような配列を有する各5’−アミノ基修飾プローブの一定分量を、分子生物学等級水中に0.1nmol/μL濃度で調製した。プローブは、メーカーのプロトコール(Luminexビーズカップリングプロトコール)に従って、カルボジイミド化学を使用し、ビーズに結合される。プローブ結合ビーズは、4℃で保存される。
Luminex解析のための全RNA調製
7つの内部対照(アレイの対照に使用したものと同じ合成RNA)をそれぞれ50 fmol、生体試料から単離した全RNA画分に添加する。Luminexビーズとハイブリッド形成を行う前に、全RNA調製物は、単一RNA分子の環状化や、他のRNA分子への連結の結果生じるデンドリマーの形成を回避するために処理を受ける。デンドリマーの形成を回避するために、RNAは、子ウシ腸ホスファターゼ(calf intestinal phosphatase;CIP)で前処理し、5’リン酸基を除去する。CIP試薬はInvitrogen(カールズバッド、カリフォルニア州)から入手できる、またCIP反応はメーカーのプロトコールに従って行う。
ビーズ標識化とハイブリッド形成
CIP処理をした後、次に、全RNA画分は、Vantage microRNA Labelling Kit (Marligen)を使用して、ビオチンで標識化される。標識画分は、Marligenのプロトコールを使用して、Luminexビーズにハイブリッド形成される。簡潔には、オリゴヌクレオチドビーズは、Marligenハイブリッド形成溶液(1.5X TMAC)と標識全RNAと混合される。ハイブリッド形成は、暗所で60℃で1時間にわたり行なわれる。ハイブリッド形成の後、ビーズは、Luminex標準6X SSPET洗浄用バッファ(リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、EDTA、トリトンX−100、pH 7.4)を使用して洗浄される。
ビーズハイブリッド形成の検出
Luminexビーズの検出は、ストレプトアビジンフィコエリトリン(SAPE)( Europa Bioproducts、ケンブリッジ、英国)を使用して行われる。SAPEは、Luminexのプロトコールに従って、洗浄済みビーズに添加される。次に、ビーズは、より優れた解能力のために高ゲイン設定を使用したLuminex IS−200機器を使用して読み取られる。
データ獲得とデータ解析
Luminex IS−200は、反応混合物中の各色素比率の少なくとも25個のビーズを読み取る。各色素比率ビーズは、特定のプローブ配列に相当し、そして、強度値は、すべての読み取ったビーズの平均値として戻ってくる。平均蛍光強度(MFI)データは、合成RNA対照を使用して標準化され、そして、正常試料と疾患試料との間の倍率変化は、Bioplexソフトウェア(Bio−Rad、ハーキュリーズ、カリフォルニア州)とR bioconductor package (“Bioconductor: open software development for computational biology and bioinformatics”(Bioconductor:計算生物学とバイオインフォマティクスのためのオープンソフトウェア開発)、Genome Biol. 2004;5(10):R80. Epub 2004 Sep 15)を使用して計算される。
5.4 実施例4:さらなる原発性肺腫瘍からの標的RNAの解析
実施例1で解析した3つの原発性肺腫瘍は、本解析に含まれた(Adk−9、Adk−10、およびEpi−4)。実施例1でのそれらの腫瘍から単離されたミクロRNA画分は、下記に述べるマイクロアレイ実験で使用された。
患者コホート
上記にリストアップした(および、表15の最初の3行に含まれる)3つの腫瘍に加えて、肺癌と診断された15例の患者は、コホートに含まれ、男性9例で女性6例であった。さらなる患者(Ksarc−17)からの正常組織も、本研究に含まれた。肺扁平上皮癌と肺非扁平上皮癌は、最も頻繁に生じる肺癌タイプの2つであり(すべての肺癌の70%を超える)、以前の扁平上皮癌患者(Epi−4)および非扁平上皮癌患者(Adk−9およびAdk−10)に加えて、扁平上皮癌を診断された患者4例(Kmalp−21、Kmalp−25、Epi−42、およびKmalp−44)、非扁平上皮癌を診断された患者7例(Adk−40、Adk−41、Adk−48、Adk−49、Adk−15、Adk−23、およびAdk−29)が含まれた。さらに、カルチノイドを診断された1例(Car−13)、肉腫様癌を診断された1例(Ksarc−19)、小細胞肺癌を診断された1例(Scc−27)、および大細胞神経内分泌癌を診断された1例(Lcnec−31)も選択された。表15は、患者のリストと各患者の様々な臨床的特徴を示す。

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PT=原発性腫瘍
DNT=遠位の正常組織
NA=情報は入手できず
患者の内5例は、高悪性度肺癌を有しており、Ksarc−19(肉腫様癌)、Adk−9、Adk−10、Adk−29(すべて腺癌)、Lcnec−31であった。患者Ksarc−19は、手術後1カ月で再発し、そして6カ月後に死亡した。患者Car−13(カルチノイド)は、ゆっくり進行する形の肺癌を有していた。
原発性腫瘍のみが、患者6例から採取され(以前の4例の患者からも同様であり、合計10例となる)、一方、原発性腫瘍と遠位の正常組織は、患者9例から採取された。患者1例(Ksarc−17)からは、遠位の正常組織のみが使用された。原発性腫瘍中の腫瘍細胞対正常細胞の相対量は、すべての患者に関して90%と100%との間であった。遠位の正常組織は、原発性腫瘍から可能な限り離れた位置から採取され、検出可能な腫瘍細胞を含んでいなかった。
組織試料
原発性肺腫瘍に由来する、保存凍結標本または凍結させたばかりの標本を使用した。組織試料は、TRIzol(登録商標)試薬(Invitrogen、カールズバッド、カリフォルニア州)中で、すり鉢とすりこぎでホモジナイズし、メーカーのプロトコールに従ってRNAを抽出した。RNA試料は、RNアーゼなしの水で希釈し、そして−80℃(−112°F)で保存した。
ミクロRNA調製:
全試料は、Flash PAGE Fractionator(Ambion)を使用して、ミクロRNA画分に関して濃縮された。簡潔には、全RNA試料は、Flash PAGE Fractionatorを使用して、プレキャストゲルで泳動された。40 nt未満の全RNA画分(“ミクロRNA画分”)は、ゲル泳動後に回収され、そしてRNアーゼなしの水中に再懸濁された。
マイクロアレイ解析
プローブのデザインおよびスポッティング
マイクロアレイ調製に使用するオリゴヌクレオチドプローブは、5’−NH−(C)−(スペーサー)−(オリゴマープローブ配列)−3’構造を有した。5’−アミノ基は、アレイ基板上に化学結合することを可能にした。ポリヌクレオチドプローブとアレイ基板との非特異的な相互作用を防止するために、下記に示すように、各プローブは15 ntの同一のスペーサー配列も含んでいた:
5’アミノC6−TTGTAATACGACTCA―オリゴプローブ配列(配列番号1044)。
表内に示すプローブ配列は、リンカーを省略する。
プローブは、Eurofins MWG Operon(エーバースベルク、ドイツ)による標準的なプロトコールに従って合成した。Nexterion(Schott)マイクロアレイスライドガラスは、固体基板としてマイクロアレイに使用した。
スポッティングに使用するオリゴヌクレオチドプローブ濃度は、25 μmolであった。プローブは、Schottからアレイガラス基板とともに提供されたNexterionスポッティングバッファを使用し、より大きなスポットのサイズを可能とするために1%SDS(ナトリウムドデシルスルファート)を添加し(例えば、SDSなしで70〜100ミクロンと比較して、100〜150ミクロン)、二連でスポットした。スポッターは、Stealth SMP3ピン(Telechem)を備えたQArray mini (Genetix)を使用した。一通りのスポットをつけた後に、スポッティング用針は、次の一通りのプローブをスポットする前に60mM NaOHで5回洗浄した。各スライドは、スポットされたプローブの48ブロックでデザインされており、各ブロックはスポットされたプローブが20x18の四角である。各プローブは、二連でスポットされた。スポットされたスライドガラスは、使用されるまで4℃で保存された。
ミクロRNAの標識化
ミクロRNA画分の標識化は、European Molecular Biology GroupによってEMBL(ハイデルベルク、ドイツ)で開発された出版プロトコール(Castoldiらの“A sensitive array for microRNA expression profiling (miChip) based on locked nucleic acids (LNA)”(ロック核酸(LNA)に基づくミクロRNA発現プロファイリング(miChip)のための高感度アレイ)、RNA 2006 May;12(5):913−20. Epub 2006 Mar 15、そのすべてを参照として本明細書に組み込む)に従い行った。簡潔には、ミクロRNA画分は、RNアーゼなしの水で1Xに希釈したAmbionバッファ中で10 μMの色素標識の四ヌクレオチド(5’−rUrUrUrU −Cy5− 3’) (またはその代替として、5’−rUrUrUrU −Cy3−3’) (Biospring、ドイツ)、8%ポリエチレングリコール(PEG)、2 mMアデノシン三リン酸(ATP)、およびT4 RNAリガーゼ(0.7U/μl)を含む混合物とともに、4℃で6時間にわたりインキュベートした。標識化反応は、65℃で15分間にわたり混合物を加熱することにより行った。この手順は、すべてのミクロRNAの3’末端にポリ−U色素標識尾部を結合させた。標識試料は、ハイブリッド形成を行う前は、4℃で保存した。
アレイのハイブリッド形成
表16は、各腫瘍試料のために行なわれたアレイ反復の回数を示す。
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標識ミクロRNA画分は、Discovery hybridization station(Ventana、ツーソン、アリゾナ州)を使用して、スポットしたアレイとハイブリッド形成された。簡潔には、1%BSA、2X SSC、および0.2%SDSの混合物2 mLは、42℃で30分間にわたりチップとインキュベートされた。次に、チップは、EZ Prepバッファ(Ventana)で一回洗浄され、そして次に、Ribowash(Ventana)でさらに三回洗浄された。次に、標識ミクロRNA混合物20 μlとChipHybe Reagent(Ventana) 180μlは、アレイに添加された。アレイは、37℃で6分間にわたり加熱され、次に、42℃で 8時間にわたりインキュベートされ、この後に加熱は停止された。チップは、Ribowash(Ventana)で一回洗浄され、次に、37℃で2分間にわたり加熱された。チップは、CheapClean(Ventana)1滴を添加したRibowash(Ventana)で再度洗浄され、そして37℃で2分間にわたりインキュベートされた。チップは、Ribowash(Ventana)を使用して、さらに二回洗浄された。チップは、乾燥状態で一晩保存された。次の日に、Discovery hybridization stationに関するVentanaの使用説明書に従い、最終的な洗浄が行われた。スライドは、2X SSC+0.2X SDSバッファで二回洗浄され、次に、0.1X SSCでさらに1回洗浄された。すべてのスライドは、Arrayit (TeleChem International、サニーベール、カリフォルニア州)から入手した高速遠心分離機を使用して室温で乾燥され、そしてスキャンの前には暗所に保存された。
アレイイメージの獲得
アレイは、Axon(商標)スキャナ(Molecular Devices、サニーベール、カリフォルニア州)とそれらのGenepix(商標)ソフトウェアを使用して、スキャンされた。イメージは、tiff形式にフォーマットされ、16ビット/ピクセル(1600*1600)のイメージ色深度により定義された。そのような設定では、ピクセルは、0から65,535の範囲の強度値を推測し得る。最大強度値を示すピクセルは、“飽和”しており、65,535値を割り当てられる。アレイスキャンの解像度は10 μm/ピクセルに設定された。異なる蛍光色素(例えばCy5やCy3)を使用するハイブリッド形成実験のために、光電子増倍管(PMT)は、高強度スポットに合わせられた(Cy3は、Cy5より低いPMT設定でスキャンされる)。
アレイイメージの解析
レーザースキャナのPMTは、スライド上に与えられた各“地点”に関して撮られた蛍光強度をデジタル化し、その地点に対応するピクセルとして数値を保存した。そのようなピクセルから構成される画像は、次に、解析される。画像解析のための最初のタスクは、分割と呼ばれるプロセスを使用して、スポット位置を検出することであった。スポットは、可変半径または固定半径のサークルによって分割された。正確に分割し定量するには、スポットの直径は、5〜6ピクセルを超えることが必要であった。分割を行う前に、スポットのおよその位置を示すインデキシンググリッドが与えられた。分割することはそれ自身で、グリッドサークル近くのスポット末端を検出した。簡潔には、Genepixソフトウェアは、アレイ上の各スポットにサークルを割り当てる(分割)。分割は、完全な長方形のグリッド上にスポットがほとんど乗らないことのように、スポッティングが不完全であることおよび/または基板に歪みがあることのために、若干柔軟に行わなければならなかった。
ソフトウェアによる分割の後、サークルは手作業で修正され、アレイ上のすべてのスポットが明確に同定されるまでサークルはスポット上に調整された。この段階で、実際のスポットをそのバックグラウンドと区別するのを妨げるような高いバックグラウンドノイズをアレイが示した場合、アレイをさらなる解析には使用しなかった。
イメージ解析の第2のタスクは、スポットを定量し、そのデータを結果ファイルへとエクスポートすることであった。ひとたびスポットがイメージ上に位置づけられたならば、これは比較的容易で明確に定義されたタスクであった。スポット強度を定量するのに最も頻繁に使用される統計的アプローチは、スポットに属するピクセルの平均値または中央値であった。中央値によるアプローチは、ピクセルの外れ値が存在する場合に、平均値よりもロバスト性であった。しかしながら、実際には、平均値または中央値を使用して得られた結果に差異はほとんどみられなかった。
アレイデータの解析
すべてのアレイデータは、R bioconductor package(“Bioconductor: open software development for computational biology and bioinformatics”(Bioconductor:計算生物学とバイオインフォマティクスのためのオープンソフトウェア開発)、Genome Biol. 2004;5(10):R80. Epub 2004 Sep 15、そのすべてを参照として本明細書に組み込む)を使用して解析した。
アレイデータは、内部対照に関してスポット強度を比較することによって、最初にその質に関して検証された。一つの内部対照(配列番号1046;表17)は、標識化対照として使用され(この合成RNAは、標識化する前に、精製ミクロRNA画分に添加される)、6つの他の内部対照(配列番号1047〜1052)は、データの正規化のために使用された(これらの合成RNA対照は、ハイブリッド形成を行う前に、アレイごとにそれぞれを520 fmolで全RNA画分に添加される)。表17に、合成RNAに結合するプローブ配列と、変異プローブ配列も示す(配列番号1054から1061)。
Figure 0005755569

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スポットの強度が、その位置のバックグラウンド強度の平均値に標準偏差の1.5倍を加えた数値を超えるすべての配列を、発現ミクロRNAに分類した。アレイ強度データを、さらなる解析に有効であるとみなすために、次の基準を満たすことが必要であった:
1. ハイブリッド形成対照の特異性は、許容基準内になければならなかった(例えば、CTL26に対してそれに対応する単一塩基変異体であるCTL26_MUT)。
2. 陽性対照の反復でのシグナル強度のおおよその均一性。
3. 各ブロックのための陽性対照に基づいたシグナル強度のブロック中央値の間でのおおよその均一性。
4. 検出されたすべての配列に基づいたアレイシグナル中央値の間でのおおよその均一性。
5. 精製と標識化の対照(CTL30)のシグナル強度。
データの統計的正規化は、Log2ratioを計算することによってなされ、そこでLog2ratioは、二連スポットのシグナルの平均強度/ブロックのためのすべての陽性対照の強度の中央値、に等しい。アレイのすべてのブロックでの非均質的な標識化を回避するために、正規化は各ブロックで行った。このブロックごとの正規化は、スライドの全体での正規化を使用するよりも効率的であることが示されてきた。得られた値は、Log2値である。
各ポリヌクレオチドプローブのスポットの強度は、腫瘍からの試料に対して正常組織からの試料で比較され、各ミクロRNAでの相対的な発現を評価することとなった。
発現の倍率変化は、2(Log2ratio)に相当する。Log2ratioは、比較される二つの条件間での比率であり、またはlog2(X細胞株/X正常)であり、これは(log2X細胞株−log2X正常)と同じであり、そこでXは測定された強度値である。“正常な”条件からのシグナルがない場合では、実験での最低の測定強度値がベースラインとして使用され、この数値から倍率変化発現値が計算された。ゼロ未満の倍率変化値は、(1/倍率変化)倍の下方制御に相当する。
結果
マイクロアレイデータは、検証した腫瘍試料の半数を超えるものにおいて、増加レベルが存在した標的RNAを同定するために解析された。表18と表19には、標的RNA、腫瘍試料の何パーセントが増加レベルで存在するのか、および、増加レベルで存在するそれらの腫瘍試料の増加倍率の平均、を示す。6例の腫瘍のデータを表18に示し、残りの13例の腫瘍のデータを表19に示す。表18には、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列も示す。
マイクロアレイデータは、腫瘍試料の50%未満において、正常レベルよりも少なくとも5倍高いレベルで存在する標的RNAを同定するために、さらに解析された。表20と表21には、標的RNA、腫瘍試料の何パーセントが増加レベルで存在するのか、および、増加レベルで存在するそれらの腫瘍試料の増加倍率の平均、を示す。6例の腫瘍のデータを表20に示し、残りの13例の腫瘍のデータを表21に示す。表20には、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列も示す。ついに、表22には、表18から表21の各標的RNAに関する、ミクロRNA前駆体配列と、ミクロRNA前駆体遺伝子の染色体位置を示す。
次に、マイクロアレイデータは、検証した腫瘍試料の半数を超えるものにおいて、少なくとも5倍の減少レベルで存在した標的RNAを同定するために解析された。表23と表24には、標的RNA、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列、腫瘍試料の何パーセントが増加レベルで存在するかを示す。6例の腫瘍のデータを表23に示し、残りの13例の腫瘍のデータを表24に示す。表25には、表23と表24の各標的RNAに関する、ミクロRNA前駆体配列と、ミクロRNA前駆体遺伝子の染色体位置を示す。
ついに、上記の表9には、最も悪性度が高い癌の5例(Ksarc−19、Adk−9、Adk−10、Adk−29、およびLnec−31)の内少なくとも3例において、高レベルが存在した標的RNAを示す

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実施例5:さらなる肺癌細胞株からの標的RNAの解析
全RNAは、表26にリストアップした8つの細胞株(7つの肺癌細胞株および1つの正常な肺細胞株)から調製された。細胞株は、LGC promochem(ATCC)から購入され、ATCCガイドラインに従って培養された。

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実施例4に述べたように、マイクロアレイデータの獲得および解析は行なわれた。
正常ヒト気管支上皮細胞(NHBE)からの全RNAは、対照として使用された。
マイクロアレイデータは、検証した細胞株の少なくとも4つにおいて、増加レベルで存在した標的RNAを同定するために解析された。表27には、標的RNA、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列、NHBE細胞と比較した際の各細胞株における倍率増加を示す。
マイクロアレイデータは、2つまたは3つの細胞株において増加レベルで存在したが、標的RNAのレベルの増加の平均がNHBE細胞と比較して少なくとも5倍である標的RNAを同定するために、さらに解析された。表28には、標的RNA、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列、NHBE細胞と比較した際の各細胞株における倍率増加を示す。表29には、表27と表28の各標的RNAに関する、ミクロRNA前駆体配列と、ミクロRNA前駆体遺伝子の染色体位置を示す。
次に、マイクロアレイデータは、少なくとも4つの細胞株において少なくとも5倍の減少レベルで存在する標的RNAを同定するために、解析された。表30には、標的RNA、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列、NHBE細胞と比較した際の各細胞株における倍率増加を示す。表30には、同一の標的RNAに少なくとも2倍の増加レベルが存在する細胞株の数も示す。表31には、表30の各標的RNAに関する、ミクロRNA前駆体配列と、ミクロRNA前駆体遺伝子の染色体位置を示す。

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5.6 実施例6:原発性腫瘍および細胞株における標的RNAレベル
実施例4と実施例5からのデータは、原発性肺腫瘍と肺癌細胞株の両方において発現増加がみられる標的RNAを同定するために、分析された。表32は、表27からの標的RNA(すなわち、少なくとも4つの細胞株において増加レベルが存在した標的RNA)のリストであり、これらは表18から表21にも存在する(すなわち、検証した原発性肺腫瘍の50%超えるものにおいて増加レベルが存在した標的RNA、および検証した原発性肺腫瘍の50%未満において少なくとも5倍の増加レベルで存在する標的RNA)。表33は、表28からの標的RNA(すなわち、2つまたは3つの細胞株において少なくとも5倍の増加レベルが存在した標的RNA)のリストであり、これらは表18から表21にも存在する。

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ついに、表34には、正常組織または正常細胞株と比較して、原発性腫瘍と原発性細胞株の両方において減少レベルで存在する標的RNAを示す。
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5.7 実施例7:原発性腫瘍からのさらなる標的RNA
実施例4で同定した標的RNAに加えて、いくつかの新たな標的RNAは、扁平上皮癌(SCC)において高レベルで存在したため、その実験中に同定された。さらに、一つの新たな標的RNA(miR−320c)は、実施例4での最も悪性度の高い腫瘍の少なくとも3つにおいて発現が上昇したため、同定された。それらの新たな標的RNAと、miR−320cは、各原発性腫瘍での倍率変化ともに表35と表36に示す。6例の腫瘍のデータを表35に示し、残りの13例の腫瘍のデータを表36に示す。表35には、標的RNAを検出するのに使用したプローブ配列も示す。表37には、表35と表36の各標的RNAに関する、ミクロRNA前駆体と、ミクロRNA前駆体遺伝子の染色体位置を示す。

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5.8 実施例8:ミクロRNA同定のためのバイオインフォマティク解析
例えば、表1、表2、表6から表9、表18から表21、表23、表27、表28、表30、および表32から表34に示すプローブで検出されたミクロRNAを同定するために、低分子RNA配列(smRNASeq)データセットは、プローブ配列を使用して解析され、それらの配列によって検出された発現ミクロRNAが同定された。その解析は、明確な末端部を有する97個の配列を同定した。それら97個のミクロRNA配列候補を、表38に示す。
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本出願で述べたすべての出版物、特許、特許出願、および他の文書は、あらゆる目的に関してそのすべてを参照として組み込まれるものとして出版物、特許、特許出願、または他の文書がそれぞれ個々に示されているように、それと同程度に、あらゆる目的に関してそのすべてを参照として本出願に組み込む。
様々な特定の実施形態が例示され述べられたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、変更され得ることが理解されるであろう。

Claims (16)

  1. 被験者における肺癌の存在を検出する方法であって、前記方法は、前記被験者からの試料中の一つの標的RNAのレベルの検出を含み、ここで前記一つの標的RNAは:
    (i) 配列番号1089の配列を有する核酸に特異的にハイブリダイズすることができる、あるいは、
    (ii) 配列番号1089の配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含み、
    ここで前記標的RNAの正常レベルを超える、前記試料中の一つの標的RNAのレベルは、前記被験者における肺癌の存在を示す、方法。
  2. 被験者における肺癌の治療の有効性を評価するための方法であって、
    (a) 前記被験者からの試料中の一つの標的RNAのレベルを検出することを含み、ここで前記標的RNAは:
    (i) 配列番号1089の配列を有する核酸に特異的にハイブリダイズすることができる;あるいは、
    (ii) 配列番号1089の配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含み、
    ここで前記試料中の一つの標的RNAのレベルが前記治療前よりも低いことが、前記治療の有効性を示す、方法。
  3. 前記試料中の標的RNAのレベルの検出は、
    (a) 前記試料の核酸を、前記試料中の標的RNAまたはそれらの相補配列と相補的である少なくとも一つのポリヌクレオチドとハイブリダイズさせること;ならびに、
    (b) 前記標的RNA、前記標的RNAのDNAアンプリコン、および前記標的RNAの相補配列から選択される少なくとも一つの核酸とハイブリダイズしたポリヌクレオチドを含む少なくとも一つの複合体を検出すること
    を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記方法は、前記試料から核酸を単離することをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記核酸は、DNAから分離されたRNAを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくとも一つの追加の標的RNAのレベルが検出される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法であって、ここで前記追加の標的RNAは:
    (i) 配列番号1から397、1063から1088、1090から1210、2064から2183、2673から2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリダイズすることができる;あるいは、
    (ii) 配列番号1から397、1063から1088、1090から1210、2064から2183、2673から2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含む;あるいは、
    (iii) 配列番号794から916、918から1043、2576から2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含む、
    方法。
  7. なくとも一つの標的RNAの正常レベルを超える、少なくとも一つの標的RNAのレベルの検出が、肺癌の存在を示す、請求項に記載の方法。
  8. なくとも二つの標的RNAの正常レベルを超える、少なくとも二つの標的RNAのレベルの検出が、肺癌の存在を示す、請求項に記載の方法。
  9. 少なくとも二つの追加の標的RNAのレベルが検出される、請求項に記載の方法であって、
    ここで前記少なくとも二つの追加の標的RNAは:
    (i) 配列番号1から397、1063から1088、1090から1210、2064から2183、2673から2680、および2689から選択される配列を有する核酸に特異的にハイブリダイズすることができるか、あるいは、
    (ii) 配列番号1から397、1063から1088、1090から1210、2064から2183、2673から2680、および2689から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドと相補的である配列を含むか、あるいは、
    (iii) 配列番号794から916、918から1043、2576から2672、および2692から選択される配列の少なくとも15の隣接するヌクレオチドを含み、
    ならびに、
    ここで前記少なくとも二つの追加の標的RNAは異なっている、方法。
  10. なくとも一つの標的RNAの正常レベルを超える、少なくとも一つの標的RNAのレベルの検出が、肺癌の存在を示す、請求項に記載の方法。
  11. なくとも二つの標的RNAの正常レベルを超える、少なくとも二つの標的RNAのレベルの検出が、肺癌の存在を示す、請求項に記載の方法。
  12. なくとも三つの標的RNAの正常レベルを超える、少なくとも三つの標的RNAのレベルの検出が、肺癌の存在を示す、請求項に記載の方法。
  13. 少なくとも五つの標的RNAの前記レベルが検出される、請求項に記載の方法。
  14. 前記試料は肺組織である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記肺組織は、気管支鏡検査法によって採取された肺細胞の試料である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記試料は血液または血清である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
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