JP5721176B2 - 薬品類カセット - Google Patents
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Description
この装置では、薬品類が横一列に並べられ、可動蓋が軸回転の前半動作で次の薬品類の前進を阻みながら先頭の薬品類の排出を可能とし、可動蓋の軸回転終了間際に次以降の薬品類が揃って一気に前進するようになっている。
この薬品類カセットでも、薬品類が滑落面上に横一列で並べられ、排出部材が揺動の前半動作で次の薬品類の前進を阻みながら先頭の薬品類の排出を可能とし、排出部材が揺動終了間際に次以降の薬品類が揃って一気に前進するようになっている。この薬品類カセットは、滑落方式なので、上述した転がり難い箱詰体8を取り扱うこともできる。
そのうち上述したPTP包装剤2の取り扱いに好適な薬品類カセットは(例えば特許文献3参照)、PTP包装剤2を各々は横にしたうえで縦に積み重ねて整列収納させた状態で保持する整列収納部と、その中のPTP包装剤2を下から順に長手方向へ横送りして前方へ排出する順次排出機構とを具えている。整列収納部は、下端部に排出口が形成された箱体からなり、PTP包装剤2を上面に載せて保持する内底部材を具えている。順次排出機構は、PTP包装剤2のうち最下のものの後端を引っ掛ける引掛部材と、前記引掛部材を前記内底部材に沿って前送りする送り機構とを具えている。
何れにしても(特許文献3,4参照)、上下に積み重ねた薬品類を下から順に横送り排出する従来の薬品類カセットでは、最下の薬品類が排出されると、そこに出来た隙間へ、達磨落としのように、二番目以降の薬品類が一気に落下してくるようになっている。
これに対し、薬品類を上下に積み重ねて多数保持する謂わば縦収納型の場合(特許文献3,4参照)、多段に配設して薬品類払出装置に組み込んでも、カセット前面を透明にしたりカセット前面に縦長の窓等を形成する程度のことで容易に、収納薬品類の目視確認が可能になる。また、整列収納部が簡素で済むうえ、排出の高速化もし易い、といった利点もある。とはいえ、積み重ねるので、重たい薬品類や脆い薬品類は、得意でない。
しかしながら、ピロー包装体6の場合、重くなく脆弱でもないとは言っても、包装袋が薄いため、乱暴に扱ったり強い衝撃を与えたりすると、包装袋がひしゃげたり包装袋に皺が寄ったりするので、中身の薬の機能は維持していても外観は損なわれてしまう。
そこで、縦収納型でも先頭薬品類の排出後に残った薬品類に掛かる衝撃が小さくて済む薬品類カセットを簡便に実現することが、技術的な課題となる。
内底部の縁上に排出口の形成されている収納空間に多数の薬品類を各々は横にしたうえで縦に積み重ねて整列収納させた状態で保持する整列収納部と、前記薬品類のうち最下のものを押出部材で横から押して前記排出口から送り出すことにより前記薬品類を下から順に排出する順次排出機構とを備えた薬品類カセットにおいて、
前記押出部材とは別体の又は一体のものからなり前記押出部材を支持する横向きの支軸と、前記支軸を軸回転させる駆動手段とが、前記順次排出機構に設けられており、
前記押出部材の回転運動時に前記押出部材を通過させる切欠が、前記整列収納部の前記内底部に形成されており、
前記支軸から外周方向へ渦巻状に突き出ていて前記支軸寄りの近心部外周面から先端部寄りの遠心部外周面にかけて単調に外周面半径を増す渦巻状部材が、前記押出部材に採用されており、
前記支軸が軸回転させられると、それに伴って、前記押出部材の先端部が前記内底部の上に出て前記薬品類のうち最下のものに当接して横送りするとともに、前記薬品類のうち次に前記内底部の上に来るものを前記押出部材の外周面が前記内底部の下になるまで暫時は下支えするようになっていることを特徴とする。
その押出部材の外周面が近心部外周面から遠心部外周面にかけて単調に外周面半径を増すことから、二番目の薬品類を暫く下支えする部分が先端部近くの遠心部外周面からそうでない近心部外周面へと移るので、二番目の薬品類は、自由落下するのでなく、押出部材の外周面によって落下速度を規制されて、ゆっくり下降する。
しかも、最下の薬品類の横送り機能だけでなく、二番目の薬品類の落下速度規制機能まで、回転して内底部上に出入りする渦巻状の押出部材によって具現化されている。
したがって、この発明によれば、縦収納型でも先頭薬品類の排出後に残った薬品類に掛かる衝撃が小さくて済む薬品類カセットを簡便に実現することができる。
図1〜3に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を具現化したものであり、図4に示した実施例2は、押出部材の変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
また、同図(d)は、少し後へ傾けて設置した単体の薬品類カセット10の縦断側面図であり、同図(e)は、傾斜設置の薬品類カセット10を背向かいで多段に組み込んだPTP払出装置30の要部の縦断側面図である。
整列収納部11〜16は、例えば金属や硬質プラスチック等からなる縦長の箱状体であり、ピロー包装体6の収納空間10aを囲う左側板11と後背板12と右側板13と前板14と内底部16とを具えているが、補充容易化等のため、上面が解放されており、前板14が開閉式になっていて、さらに閉時には磁力等で前板14の閉状態が維持されるようにもなっている。前板14の前面には、図示は割愛したが、補充時の薬品確認やバーコード入力作業が容易かつ的確に行えるよう、例えばピロー包装体6の中の薬品名や識別コードを印刷したラベルが貼り付けられている。
さらに、この整列収納部11〜16では、後背板12の下端部が内底部16の縁上まで切り欠かれて、そこに排出口10bが形成されている。排出口10bは、ピロー包装体6のうち最下のものは円滑に通過させるが、ピロー包装体6のうち下から二番目のものとそれより上のものは通過させないような大きさに形成されている。
下部枠21は、例えば金属や硬質プラスチック等の板体を背の低い箱状に組み上げたものであり、下部枠21のうち内底部16を兼ねる天板部分とそれに連なる前板部分には、押出部材23の回転運動時に押出部材23を通過させる切欠16aが、押出部材23と同じ個数だけ形成されている。このような下部枠21に対して、支軸22と押出部材23と電動モータ24と伝動ギヤ25は内蔵され、排出センサ26は外装されている。排出センサ26は、従来カセット(特許文献1〜4参照)に装備されていたものと同じ光学式の排出センサで良く、反射光検出型でも遮光検出型でも良く、排出口10bからの薬品類排出を非接触で直接的に検出するようになっている。
電動モータ24及び伝動ギヤ25は、支軸22を軸回転させる駆動手段であり、回転出力軸と支軸22とが伝動ギヤ25を介在させて噛合している。そして、図示しない内蔵の又は外部の制御回路の制御に従い、ピロー包装体6を一つ排出する必要が生じる度に支軸22を軸回転させ、その排出が完了すると、支軸22の軸回転を止めるようになっている。
また、薬品類カセット10に専用の制御回路を付設して、単体の薬品類カセット10を独立動作させても良いが、薬品類払出装置30に多数の薬品類カセット10を組み込むような場合(図1(e)参照)、後背側を向かい合わせにした薬品類カセット10の対を横(紙面貫通方向)に並べるとともに、その下方に排出後のピロー包装体6を収集する搬送機構31を設置して一段分を構成し、それを上下に配設して多段化すると良い。
このように、二番目から最下になる過程で下降する際、ピロー包装体6bがピロー包装体6aの上面から押出部材23の遠心部外周面23bと中間部外周面23cと近心部外周面23dとをその順に経由して内底部16に至るが、押出部材23の外周面の下支え担当部分の高さが漸減するように押出部材23の外周面が形成されているので、ピロー包装体6bもその上に積み重なっている他のピロー包装体6も穏やかに下降する。
また、揺動センサ15aか排出センサ26か何れかが故障すると、異常の判定がなされて、薬品類カセット10の動作が停止し、さらに、ブザー等があれば警報音が発せられ、アラームランプ等があればそれが点滅する。
図4(b)に示した押出部材23は、先端部23aや遠心部外周面23bは二つに分離しているが、中間部外周面23cや近心部外周面23dが繋がって一体化している。
図4(c)に示した押出部材23は、一個の押出部材23であるが、軸方向の長さが長くなっている。
図4(e)に示した押出部材23は、点対称・反対称な二個の押出部材23を一体化したものであり、支軸22の半回転毎に交互に押出部材23が働くようになっている。
図4(f)に示した押出部材23は、放射状に配置した三個の押出部材23を一体化したものであり、支軸22の1/3回転毎に順に押出部材23が働くようになっている。
なお、上記実施例では、下部枠21の天板部分と収納空間10aの内底部16とが兼用の一体物になっていたが、それらは別体のものであっても良い。
上記実施例では、支軸22と押出部材23とが別体のものからなり押出部材23が支軸22に外嵌めされている構造例を図示したが、それらは、一体成形されたものでも良く、溶着等にて一体化されていても良い。
上記実施例では、伝動部材がギヤ25であったがベルトなど他の部材であっても良く、伝動ギヤ25を省いて支軸22と電動モータ24とを直結させても良い。
10…薬品類カセット、
10a…収納空間、10b…排出口、11…左側板、12…後背板、
13…右側板、14…前板、15…揺動留具、15a…揺動センサ、
16…内底部、16a…切欠、
21…下部枠、22…支軸、23…押出部材、23a…先端部(作用部)、
23b…遠心部外周面、23c…中間部外周面、23d…近心部外周面、
24…電動モータ、25…伝動ギヤ、26…排出センサ、
30…薬品類払出装置、31…搬送機構
Claims (2)
- 内底部の縁上に排出口の形成されている収納空間に多数の薬品類を各々は横にしたうえで縦に積み重ねて整列収納させた状態で保持する整列収納部と、前記薬品類のうち最下のものを押出部材で横から押して前記排出口から送り出すことにより前記薬品類を下から順に排出する順次排出機構とを備えた薬品類カセットにおいて、前記押出部材とは別体の又は一体のものからなり前記押出部材を支持する横向きの支軸と前記支軸を軸回転させる駆動手段とが前記順次排出機構に設けられており、前記押出部材の回転運動時に前記押出部材を通過させる切欠が前記整列収納部の前記内底部に形成されており、前記支軸から外周方向へ渦巻状に突き出ていて前記支軸寄りの近心部外周面から先端部寄りの遠心部外周面にかけて単調に外周面半径を増す渦巻状部材が前記押出部材に採用されており、前記支軸が軸回転させられるとそれに伴って前記押出部材の先端部が前記内底部の上に出て前記薬品類のうち最下のものに当接して横送りするとともに前記薬品類のうち次に前記内底部の上に来るものを前記押出部材の外周面が前記内底部の下になるまで暫時は下支えするようになっており、前記薬品類だけの圧力では揺動しないが前記押出部材の押出力には揺動する揺動留具が揺動端部を前記排出口の外側に位置させて前記整列収納部に装備されており、前記排出口からの薬品類排出を非接触で直接的に検出する光学式の排出センサに加えて、前記揺動留具の揺動に応じて作動することにより間接的に前記排出口からの薬品類排出を検出する揺動センサも、設けられていることを特徴とする薬品類カセット。
- 前記順次排出機構による薬品類排出動作に対して前記排出センサと前記揺動センサとが共に感応したときには正常状態と判定するが何れか一方しか感応しないときには異常状態と判定して以後の排出動作を停止するようになっていることを特徴とする請求項1記載の薬品類カセット。
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