JP5708599B2 - 光プローブ - Google Patents

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本発明は、光干渉断層撮像(Optical Coherence Tomography: OCT)の手法を用いて測定するために使用される光プローブに関するものである。
血管などの管腔形状の対象物の内腔の断層構造を測定する手法として光干渉断層撮像(OCT)が知られており、また、このOCT測定のために対象物の内腔に挿入されて使用される光プローブも知られている(特許文献1参照)。OCT測定は、シングルモード光ファイバの先端(遠位端)に接続されたグレーデッドインデックス光ファイバをレンズとして機能させて、ワーキングディスタンスが1mmより長く、スポットサイズが100μmより小さくなるように構成することで、1mmより大きな内半径を持つ対象物を100μmより細かい空間分解能で光学的に測定することができる。
OCT測定は、血管内の病変を診断して治療方法を選択する際に用いられる。病変をOCT測定すると、病変の断層画像が得られる。断層画像では、病変の内部において光を強く散乱する部位は明るく、光を弱くしか散乱しない部位は暗い階調で、単色の画像で表示される。この画像の明暗の分布のパタンは病変によって異なるので、画像の明暗パタンから病変の種類を或る程度推定できることが知られている(非特許文献1参照)。
米国特許第6,445,939号明細書 米国特許出願公開第2002/0151823号明細書
W. M. Suh, Circ CardiovascImaging. 2011;4:169-178
従来の光プローブを用いたOCT装置では、病変の種類の識別が困難である場合があり、例えば脂質病変(lipid-rich plaque)と石灰化病変(fibrocalcificplaque)との識別が困難であることを、本発明者は見出した。
非特許文献1にも記載されているように、脂質病変は暗い階調と明瞭でない輪郭を特徴とし、石灰化病変は暗い階調と明瞭な輪郭を特徴とする。しかし、階調の明暗は相対的なものであるので、個体差や測定条件などによるばらつきが加わると、判断が難しい。また、輪郭の明瞭さについても、実際の病変は様々な形のパタンがあるので、これも判断が難しい場合が多い。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、血管内の脂質の分布を測定する光学測定装置に用いるのに適した光プローブを提供することを目的とする。
本発明の光プローブは、近位端と遠位端との間で光を伝送する光ファイバと、近位端において光ファイバと接続されている光コネクタと、遠位端において光ファイバと接続され、光ファイバの遠位端から出射される光を集光する集光光学系と、遠位端において光ファイバと接続され、光ファイバの遠位端から出射される光を偏向する偏向光学系と、光ファイバを包囲して光ファイバに沿って延び、光ファイバ,光コネクタ,集光光学系および偏向光学系に対して回転自在であるジャケットチューブと、ジャケットチューブの内腔に充填された緩衝流体と、を備えることを特徴とする。さらに、光ファイバが1.53μmより短いカットオフ波長を有し、光ファイバ,集光光学系,偏向光学系,ならびに,光ファイバの基底モードに結合する光路上にある緩衝流体およびジャケットチューブが波長帯域1.6μm〜1.8μmにおいて−2dB〜0dBの光透過率を有し、光ファイバ,集光光学系および偏向光学系それぞれが、石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスで構成され、緩衝流体が、生理食塩水,デキストラン水溶液またはシリコーンオイルであり、ジャケットチューブが、FEP,PFA,PTFE,PETまたはナイロンで構成され、偏向光学系と緩衝流体との界面および緩衝流体とジャケットチューブとの界面のうち一方の界面での比屈折率差が他方の界面での比屈折率差に対して3.2倍以上異なることを特徴とする
本発明の光学的測定装置で用いられる光プローブは、近位端と遠位端との間で光を伝送する光ファイバと、近位端において光ファイバと接続されている光コネクタと、遠位端において光ファイバと接続され、光ファイバの遠位端から出射される光を集光する集光光学系と、遠位端において光ファイバと接続され、光ファイバの遠位端から出射される光を偏向する偏向光学系と、光ファイバを包囲して光ファイバに沿って延び、光ファイバ,光コネクタ,集光光学系および偏向光学系に対して回転自在であるジャケットチューブと、ジャケットチューブの内腔に充填された緩衝流体と、を備えることを特徴とする。さらに、光ファイバが1.53μmより短いカットオフ波長を有し、光ファイバ,集光光学系,偏向光学系,ならびに,光ファイバの基底モードに結合する光路上にある緩衝流体およびジャケットチューブが波長帯域1.6μm〜1.8μmにおいて−2dB〜0dBの光透過率を有し、光ファイバ,集光光学系および偏向光学系それぞれが、石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスで構成され、緩衝流体が、生理食塩水,デキストラン水溶液またはシリコーンオイルであり、ジャケットチューブが、FEP,PFA,PTFE,PETまたはナイロンで構成されている。
本発明の光学的測定装置は、上記の光プローブと、波長帯域1.6μm〜1.8μmにおいて光を発生させる光源と、光源から発せられた光を2分岐して照明光および参照光として出力する光分岐部と、波長帯域において光を検出する光検出器と、波長帯域において光減衰スペクトルを分析して当該分析結果を画像情報として取得する分析部と、を含む。
そして、本発明の光学的測定装置は、光分岐部から出力された照明光を光ファイバの近位端に入射させ遠位端から出射させて対象物に照射し、その照射に伴い対象物で生じた後方反射光を光ファイバの遠位端に入射させ近位端から出射させて光検出器に導くとともに、光分岐部から出力された参照光をも光検出器に導いて、後方反射光と参照光とによる干渉光を光検出器により検出し、分析部により後方反射光のスペクトルを分析して対象物の断層構造の情報および対象物における物質の分布情報を得て、対象物の内部における物質の分布情報を断層画像情報として取得することを特徴とする。
本発明の光学的測定装置では、分析部により、後方反射光のスペクトルのうち波長範囲1.70〜1.75μmに吸収ピークを持つスペクトル成分を抽出し、スペクトル成分に基づいて脂質の分布情報を分析して当該分析結果を断層画像情報として取得するのが好適である。
また、本発明の光学的測定装置では、偏向光学系と緩衝流体との界面および緩衝流体とジャケットチューブとの界面のうち一方の界面での比屈折率差が他方の界面での比屈折率差に対して3.2倍以上異なり、光分岐部から出力された照明光が一方の界面で反射されて光検出器に到達した反射光と参照光とによる干渉光を光検出器により検出し、分析部により、反射光のスペクトルを限定された波長帯域でフーリエ解析して自己相関関数を遅延時間の関数として計算し、この自己相関関数がピークを持つ遅延時間の波長帯域における波長依存性を計算して、後方反射光が受ける波長分散の推定値を算出するのが好適である。
本発明によれば、従来技術では測定が難しかった血管内の脂質の分布を測定することができる。
本実施形態の光プローブ10を備えるOCT装置1の構成を示す図である。 脂質病変、正常血管およびラードそれぞれの透過率のスペクトルを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態の光プローブ10を備えるOCT装置1の構成を示す図である。OCT装置1は、光プローブ10および測定部30を備え、対象物3の光干渉断層画像を取得する。
光プローブ10は、近位端11aと遠位端11bとの間で光を伝送する光ファイバ11と、近位端11aにおいて光ファイバ11と接続されている光コネクタ12と、遠位端11bにおいて光ファイバ11と光学的に接続されている集光光学系13および偏向光学系14と、光ファイバ11を包囲して光ファイバに沿って延びるサポートチューブ15およびジャケットチューブ16と、ジャケットチューブの内腔に充填された緩衝流体17と、を備える。光コネクタ12は測定部30に光学的に接続される。光ファイバ11は1.53μmより短いカットオフ波長を有する。光ファイバ11,集光光学系13,偏向光学系14,ならびに,光ファイバ11の基底モードに結合する光路上にある緩衝流体17およびジャケットチューブ17は、波長帯域1.6μm〜1.8μmにおいて−2dB〜0dBの光透過率を有する。
光ファイバ11は、1〜2mの長さを有し、石英ガラスで構成される。光ファイバ11は、波長範囲1.6μm〜1.8μmにおいて2dB以下、好ましくは1dB以下の伝送損失を有し、1.53μm以下のカットオフ波長を有し、上記波長範囲においてシングルモードで動作する。そのような光ファイバとしては、ITU−TG.652,G.654、G.657に準拠した光ファイバが好適である。特にITU−TG.654AまたはCに準拠した光ファイバは、波長1.55μmにおいて伝送損失が0.22dB/km以下と低く、典型的には純シリカガラスのコアを有し、非線形光学係数が低く、自己位相変調などの非線形光学効果による雑音を低減できるので特に好適である。
光ファイバ11の遠位端11bには、集光光学系13としてのグレーデッドインデックス(GRIN)レンズと偏向光学系14としてのミラーとが直列的に融着接続されて設けられている。集光光学系13は、光ファイバ11の遠位端11bから出射される光を集光する。偏向光学系14は、光ファイバ11の遠位端11bから出射される光を径方向へ偏向する。
レンズ(集光光学系13)およびミラー(偏向光学系14)は、石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスで構成され、波長1.6μm〜1.8μmの波長範囲において2dB以下の伝送損失を有する。ミラーは、円柱形のガラスに、軸に対して35〜55度の角度をなす平坦な反射面を形成した構造をとる。この平坦な反射面はそのままでも光を反射させることができるが、さらに反射面にアルミニウムまたは金を蒸着することで、波長1.6〜1.8μmにおける反射率を高めることが好適である。
光ファイバ11はサポートチューブ15の内腔に収納されている。サポートチューブ15は、光ファイバ11の少なくとも一部分および光コネクタ12に固定されている。その結果、光コネクタ12を回転させると、それと共にサポートチューブ15も回転し、さらに回転トルクが光ファイバ11に伝達され、光ファイバ11、集光光学系13、偏向光学系14およびサポートチューブ15が一体となって回転する。それにより、光ファイバ11だけを回転させた場合に比べて、光ファイバ21に負荷されるトルクが低減され、トルクによる光ファイバ11の破断を防ぐことができる。
サポートチューブ15は、0.15mm以上の厚さを持つと共に、ステンレスと同等程度の100〜300GPaのヤング率を持つことが望ましい。サポートチューブ15は、必ずしも周方向に連結していなくともよく、5〜20本程度の線を撚り合わせた構造とし、それによって柔軟性を調整しても良い。そのようなサポートチューブは特許文献2に開示されている。
光ファイバ11、集光光学系13、偏向光学系14およびサポートチューブ15は、ジャケットチューブ16の内腔に収納され、その中で回転することができる。それにより、回転する部分が対象物3に接触して対象物3が破損することが防止される。照明光は偏向光学系14から出射され、ジャケットチューブ16を透過して、対象物3へ照射される。ジャケットチューブ16は、FEP、PFA、PTFE、PETまたはナイロンで構成され、10〜50μmの厚さを有し、波長1.6〜1.8μmにおける透過損失が2dB以下となる透明度を有する。
ジャケットチューブ16の内腔は緩衝流体17が充填される。緩衝流体17は、回転するサポートチューブ16の外面とジャケットチューブ15の内面との間の摩擦を低減するとともに、偏向光学系14とジャケットチューブ16との間の光路における屈折率変化量を調整する。緩衝流体17は、生理食塩水、デキストラン水溶液またはシリコーンオイルであり、波長1.6〜1.8μmにおいて2dB以下の透過損失を有する。
測定部30は、光を発生させる光源31と、光源31から発せられた光を2分岐して照明光および参照光として出力する光分岐部32と、光分岐部32から到達した光を検出する光検出器33と、光分岐部32から到達した参照光を出力する光端末34と、光端末34から出力された参照光を光端末34へ反射させる反射鏡35と、光検出器33により検出された光のスペクトルを分析する分析部36と、分析部36による分析の結果を出力する出力ポート37と、を備える。
測定部30において光源31から出力された光は、光分岐部32により2分岐され照明光および参照光として出力される。光分岐部32から出力された照明光は、光コネクタ12を経て光ファイバ11の近位端11aに入射され、光ファイバ11により導光されて遠位端11bから出射されて、集光光学系13および偏向光学系14を経て対象物3に照射される。その対象物3への照明光の照射に応じて生じた後方反射光は、偏向光学系14および集光光学系13を経て光ファイバ11の遠位端11bに入射され、光ファイバ11により導光されて近位端11aから出射されて、光コネクタ12および光分岐部32を経て光検出器33に結合される。
光分岐部32から出力された参照光は、光端末34から出射されて反射鏡35で反射され、光端末34および光分岐部32を経て検出器33に結合される。対象物3からの後方反射光と参照光とは光検出器33において干渉し、この干渉光が光検出器33により検出される。干渉光のスペクトルは分析部36に入力される。分析部36において、干渉光のスペクトルの解析が行われ、対象物3の内部の各点における後方反射効率の分布が計算される。その計算結果に基づいて対象物3の断層画像が計算され、画像信号として信号出力ポート37から出力される。
なお、光ファイバ11の遠位端11bから出射された照明光が対象物3を経由して再び光ファイバ11の遠位端11bに戻るメカニズムとしては、厳密には反射や屈折や散乱がある。しかし、それらの違いは本発明にとっては本質的でないので、簡潔化のために本明細書ではこれらを総称して後方反射と呼ぶ。
本実施形態においては、測定部30において、光源31は、波長1.6μm〜1.8μmの波長範囲にわたってスペクトルが連続的に広がった広帯域の光を発生させる。この波長範囲では、図2に示すように、脂質病変は、波長1.70〜1.75μmに吸収ピークを持っており、この点で正常血管と異なる。純粋な脂質であるラードも同様の吸収ピークを持つことから、この吸収ピークは脂質による寄与であるといえる。したがって、脂質を含む対象物3を測定すると、干渉光のスペクトルは、脂質による吸収の影響を受け、波長1.70〜1.75μmにおいて隣接波長帯に比べて大きな減衰を示す。
さらに、干渉光のスペクトルは対象物3の断層構造の情報をも有していることから、物質の吸収の影響が少ない波長帯域を選択してスペクトルをフーリエ解析することにより、対象物3の断層構造の情報が得られる。断層構造情報と脂質吸収情報とを合わせて解析することで、脂質を分布表示した断層画像を計算することができる。
この計算は、脂質自体の吸収および脂質の分布の双方がスペクトルに影響することから、1つのスペクトルに対応する脂質の分布は複数あり得る。しかし、非特許文献1に記載されているように脂質は正常血管に比べて散乱強度が低い特徴を有することなどが知られているので、この既知の情報に最も整合するような解を選択することにより、脂質の分布を求めることができる。
光ファイバ11、集光光学系13、偏向光学系14、緩衝流体17およびジャケットチューブ16は、全てが同じ物質ではないので、屈折率が必ずしも等しくなく、相互の間の界面で光が反射し得る。このような光プローブ10の界面で生じる反射光は、対象物3からの後方反射光と混合されて検出されるので、雑音ともなり得る。しかし、本実施形態においては、光プローブ10の界面で生じる反射光を測定系の校正に用いる。
OCT測定において、対象物3からの後方反射光と参照光とは、互いに異なる光路を経由するので、光路上の波長分散も互いに異なり得る。波長分散が異なると、光の群遅延時間が波長によって異なる。OCT測定では、波長の関数であるスペクトルをフーリエ解析することで自己相関関数を群遅延時間の関数として計算し、それに基づいて断層画像を生成するので、波長によって群遅延時間が異なると断層画像の空間分解能が低下することが知られている。この問題は、対象物3を測定する前に、対象物3に替えて鏡などの基準物体を測定して波長分散の影響を測定しておき、その結果に基づいて分散を補償するデータ処理を行うことで解決できることが知られている。
しかし、本実施形態では、断層画像の取得だけでなく物質分布の推定の際にもスペクトル情報を用いるので、従来のOCTに比べて波長分散の影響に対してより敏感となる。それ故、対象物3を測定する前に分散補償処理を行う従来の方法では、測定中に生じ得る測定系の機械的変動や温度変動による波長分散変動によって、物質分布の推定に影響が生じ得る。そこで、測定中、測定直前または測定直後に遠位端11bにおける光プローブ10の界面での反射を測定して分散補償処理を行うことが好適である。
具体的には、遠位端11bにおける光プローブ10の界面で生じる反射光と参照光とを干渉させて光検出器33により検出し、分析部36により、限定された複数の波長帯域で波長スペクトルをフーリエ解析して自己相関関数を計算し、その自己相関関数上の反射ピークの位置が、解析に用いる波長帯域によって変化しないような波長分散の値を推定し、その推定された波長分散を相殺するように数値的に分散を加えることで分散補償処理を行うことが好適である。
この目的を達成するためには、遠位端11bにおいて光プローブ10の1箇所の界面において、観測可能かつ光検出器33を飽和させない強さの反射光が生じることが望ましい。OCT測定では典型的に−100〜−50dBの範囲の反射率を測定することが可能である。そこで、光ファイバ11と集光光学系13との界面、集光光学系13と偏向光学系14との界面、偏向光学系14と緩衝流体17との界面、緩衝流体17とジャケットチューブ16との界面、および、ジャケットチューブ16と外部媒質との界面、のいずれか1つにおいて、−100〜−50dBかつ他の界面に比べて10dB以上高い反射が生じることが望ましい。
ここで、界面での反射率は、遠位端11bにおける光ファイバ11のコアから出射して界面に入射した光パワーに対する、該界面で反射されて光ファイバ11のコアに再結合した光パワーの比率である。従って、界面での反射率は、界面における屈折率変化だけでなく界面の形状にも依存する。偏向光学系14と緩衝流体17との界面、緩衝流体17とジャケットチューブ16との界面、および、ジャケットチューブ16と外部媒質との界面は、いずれも円柱状であるので、その形状の効果で反射率が0〜30dB程度低下する。ジャケットチューブ16の外側に存在する外部媒質は、対象物3が血管である場合は、血液または生理食塩水であることが典型的であり、屈折率(典型的な屈折率評価波長である波長589nmでの値、以下同じ。)は1.33である。
そこで、一つの好適な組み合わせは、ジャケットチューブ16をFEPまたはPFA(屈折率1.34)で構成し、緩衝流体17を生理食塩水(屈折率1.33)とし、光ファイバ11、集光光学系13および偏向光学系14を石英ガラスで構成する組み合わせである。このとき、光ファイバ11と集光光学系13との界面での比屈折率差は0%となり、集光光学系13と偏向光学系14との界面での比屈折率差は0%となり、偏向光学系14と緩衝流体17との界面での比屈折率差は8.99%となり、緩衝流体17とジャケットチューブ16との界面での比屈折率差は0.82%となり、ジャケットチューブ16と外部媒質との界面での比屈折率差は0.82%となる。なお、界面の両側の媒質の屈折率をn、nとしたとき、その界面での比屈折率差は2(n−n)/(n+n) なる式で定義される。
この場合、偏向光学系14と緩衝流体17との界面での比屈折率差8.99%は、他の界面に比べて11倍となる。界面における反射率は比屈折率差の2乗に比例するので、偏向光学系14と緩衝流体17との界面での反射率は、他の界面での反射率に比べて21dB以上高い。なお、光ファイバ11、集光光学系13および偏向光学系14それぞれの屈折率が一致しているので、これらの間の界面での反射率は無視できる。この結果、複数の界面での反射がOCT断層画像上で重なることがなく、偏向光学系14と緩衝流体17との界面での反射ピークを明瞭に観測することができ、この反射ピークを用いて波長分散の校正を行うことが可能となる。
1…OCT装置、3…対象物、10…光プローブ、11…光ファイバ、11a…近位端、11b…遠位端、12…光コネクタ、13…集光光学系、14…偏向光学系、15…サポートチューブ、16…ジャケットチューブ、17…緩衝流体、30…測定部、31…光源、32…光分岐部、33…光検出器、34…光端末、35…反射鏡、36…分析部、37…出力ポート。

Claims (1)

  1. 近位端と遠位端との間で光を伝送する光ファイバと、
    前記近位端において前記光ファイバと接続されている光コネクタと、
    前記遠位端において前記光ファイバと接続され、前記光ファイバの前記遠位端から出射される光を集光する集光光学系と、
    前記遠位端において前記光ファイバと接続され、前記光ファイバの前記遠位端から出射される光を偏向する偏向光学系と、
    前記光ファイバを包囲して前記光ファイバに沿って延び、前記光ファイバ,前記光コネクタ,前記集光光学系および前記偏向光学系に対して回転自在であるジャケットチューブと、
    前記ジャケットチューブの内腔に充填された緩衝流体と、
    を備え、
    前記光ファイバが1.53μmより短いカットオフ波長を有し、
    前記光ファイバ,前記集光光学系,前記偏向光学系,ならびに,前記光ファイバの基底モードに結合する光路上にある前記緩衝流体および前記ジャケットチューブが波長帯域1.6μm〜1.8μmにおいて−2dB〜0dBの光透過率を有し、
    前記光ファイバ,前記集光光学系および前記偏向光学系それぞれが、石英ガラスまたはホウケイ酸ガラスで構成され、
    前記緩衝流体が、生理食塩水,デキストラン水溶液またはシリコーンオイルであり、
    前記ジャケットチューブが、FEP,PFA,PTFE,PETまたはナイロンで構成され、
    前記偏向光学系と前記緩衝流体との界面および前記緩衝流体と前記ジャケットチューブとの界面のうち一方の界面での比屈折率差が他方の界面での比屈折率差に対して3.2倍以上異なる、
    ことを特徴とする光プローブ。
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