JP5707700B2 - 金型装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカストあるいは射出成型に利用される金型装置に関する。
従来、ダイカストを利用して孔等の中空部を有する製品を製造する場合に使用される金型装置として、例えば特許文献1に記載される構成が知られている。このような金型装置を利用して製造される中空部を有する製品としては、例えば電動パワーステアリング装置のラックハウジングがある。ラックハウジングは、ステアリング操作に伴うステアリングシャフトの回転をピニオンギヤとの噛合を通じて直線運動に変換するラック軸が挿通される。図14に示されるように、ラックハウジング201は、第1の筒部202及び当該第1の筒部202の軸線に対して斜状に交わる第2の筒部203を備えてなる。第1の筒部202には図示しないラック軸が、第2の筒部203には当該ラック軸に噛み合う図示しないピニオンシャフトが挿入される。
このラックハウジング201の製造には、例えば固定型204、可動型205、並びに第1〜第3の可動中子206〜208を備えてなる金型装置が使用される。固定型204及び可動型205はラックハウジング201の外形形状を、第1及び第2の可動中子206,207は第1の筒部202の内形形状を、第3の可動中子208は第2の筒部203の内形形状を形成するためのものである。これら固定型204、可動型205、並びに第1〜第3の可動中子206〜208が組み合わせられることによりラックハウジング201の形状に対応するキャビティ209が形成される。このキャビティ209に溶湯が充填される。そして当該溶湯が冷却されて凝固した後に、第1〜第3の可動中子206〜208が離型され、次いで固定型204及び可動型205が離型されることにより、成型品であるラックハウジング201が取り出される。
特開2006−55868号公報
前述した第1〜第3の可動中子206〜208のように、ダイカストにより成型品に中空部を形成するための可動中子には抜き勾配が設けられる。この抜き勾配は、離型性の観点から、なるべく大きくすることが好ましい。しかし、抜き勾配を大きくするにつれて離型性は向上するものの、成型品の肉厚が大きくなって成型品の重量が増加する問題が発生する。また、抜き勾配を大きくするほど切削代が大きくなり、歩留まりの低下につながる。
逆に、成型品に対する可動中子の抜き長さが長い等の理由により、抜き勾配を十分に確保することが困難である場合には、前述の締め付け力に起因して、可動中子の離型性の確保が困難になったり、成型品に傷が発生したりするおそれがある。溶湯はその冷却及び凝固に伴い可動中子の表面に凝着し、この凝着力も前述の締め付け力と同様に、可動中子を引き抜く際の大きな抵抗力となる。このため、当該凝着力に起因して、可動中子を引き抜く際に、成型品の表面に傷が発生したり、成型品が変形したりすることも懸念される。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、可動中子の抜き抵抗の低減化を図り、もって可動中子の離型性を維持向上させることができる鋳造金型を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、固定型と可動型とを互いに接し合わせることにより形成される空間部に対し、駆動装置の作動を通じて抜き差し可能とされた可動中子が外方から挿入されることにより、円筒状の中空部を有する成型品の形状に対応するキャビティが形成される金型装置において、前記成型品の取り出しの際における前記駆動装置の抜き動作を利用して当該可動中子を回転させる回転機構を備えてなることをその要旨とする。
通常、成型品の成型が完了した後には、これを取り出すために可動中子がキャビティから抜かれる。この際、本発明によるように、可動中子を回転させることにより、当該可動中子と成型品との凝着が緩和される。このため、当該凝着が緩和される分だけ可動中子の抜き抵抗を低減すること、ひいては可動中子の離型性を維持向上させることができる。
また、前記回転機構は、前記可動中子の前記キャビティと反対側の端部が相対回転可能に挿入されるとともに、前記駆動装置の抜き動作を通じて、前記可動中子に対してその抜き差し方向に沿って相対的に変位可能なスライダと、前記スライダの前記抜き差し方向における直線運動を前記可動中子の回転運動に変換する変換機構と、を備えている。
この構成によれば、駆動装置の作動によるスライダの変位を通じて、可動中子はその抜き差し方向に沿って変位する。また、スライダの前記抜き差し方向における直線運動は、変換機構により可動中子の回転運動に変換される。このように、駆動装置の抜き動作に機械的に連動させることにより、必要とされるタイミングで、可動中子を回転させることが可能となる。
また、前記スライダは、当該スライダが前記可動中子に対してその抜き方向へ変位したときに当該可動中子の一部と係合することにより、前記可動中子に対して前記スライダがそれ以上に前記抜き方向へ変位することを規制する第1規制部と、前記スライダが前記可動中子に対してその差し方向へ変位したときに当該可動中子の一部と係合することにより、前記可動中子に対して前記スライダがそれ以上に前記差し方向へ変位することを規制する第2規制部とを備え、前記第1規制部は、前記可動中子が前記空間部に挿入されて前記キャビティを形成する状態で、前記可動中子に対して当該スライダが前記抜き方向へ一定距離だけ変位したときに前記可動中子の一部と係合するように設けられ、前記可動中子は、前記スライダを介して前記駆動装置に連結されるとともに、前記スライダと係合した状態において、前記スライダと一体的に前記抜き差し方向に沿って変位するように設けられ、前記変換機構は、前記可動中子の外周面及び前記スライダの内周面の一方に設けられて当該可動中子の抜き差し方向に対して交わる方向へ延びるカム溝と、同じく他方に設けられて前記カム溝に案内されるピンとからなるカム機構として構成されている。
この構成によれば、可動中子が固定型と可動型との間に形成される空間部に挿入されて前記キャビティが形成される状態において、スライダが可動中子の抜き方向へ変位した場合、当該スライダは、可動中子の抜き方向へ一定距離だけ変位するまでの間においては、当該可動中子に対して相対変位する。すなわち、駆動装置の抜き動作の開始当初において、可動中子はその抜き方向へ変位することはなく、カム機構の動作を通じた回転運動のみを行う。すなわち、スライダの抜き方向への変位に伴いピンがカム溝に案内されることにより可動中子は回転する。そして、スライダが可動中子に対して一定距離だけ相対変位したとき、当該スライダ(その規制部)は可動中子の一部分に係合してこれと一体的にその抜き方向への変位が可能となる。こうした動作が、成型品の取り出しの際に行われることにより、可動中子の離型性の維持向上が好適に図られる。これは、可動中子の回転運動を通じて当該可動中子と成型品との凝着状態が緩和されて、その緩和された分だけ抜き抵抗が低減された後に、当該可動中子はその抜き方向へ変位することによる。
また、可動中子の外周面及びスライダの内周面に、カム溝又はピンを設けるだけであるので、簡単な構成で、可動中子の抜き動作と回転動作との両立が図られる
請求項に記載の発明は、請求項に記載の金型装置において、前記成型品は、パワーステアリング装置のラックハウジングであることをその要旨とする。
本発明によるように、ラックハウジングのような長物を成型する際には、その長さが大きくなるほど、抜き長さが長くなる等の理由により、抜き勾配を十分に確保することが困難となる。また、その中空部分を形成する可動中子と成型品とが凝着する範囲、ひいては当該凝着による可動中子の抜き抵抗の増大も懸念される。このような成型品を製造する場合に、請求項に記載される金型装置は好適である。当該金型装置によれば、可動中子と成型品との間の凝着による抜き抵抗が緩和されるからである。
本発明によれば、金型装置において、可動中子の抜き抵抗の低減化を図り、もって可動中子の離型性を維持向上させることができる。
電動パワーステアリング装置の概略図。 ダイカストマシンの概略を示す正面図。 (a)は、図2の上下方向に沿って切断した金型装置の要部断面図、(b)は、固定型及び可動型間に形成される空間部を示す要部断面図、(c)は、成型品の形状に対応するキャビティを示す要部断面図。 図3の1−1線断面図。 (a)は、第1の可動中子の正面図、(b)は、第1の可動中子の側面図。 第1の可動中子におけるカム溝が形成された部位の展開図。 ピンが第1及び第2の溝部内を相対変位するときのスライダの移動量と回転量との関係を示すグラフ。 (a)は、ピンが第1の係合位置にあるときの第1の可動中子の回転位置を示す図5(a)における2−2線断面図、(b)は、ピンが第2の係合位置にあるときの第1の可動中子の回転位置を示す図5(a)における2−2線断面図。 挿入状態である第1の可動中子とスライダとの相対位置関係を示す図4のA矢視図。 引き抜き可能状態における第1の可動中子とスライダとの相対位置関係を示す図4のA矢視図。 (a)は、他の実施の形態におけるピンとカム溝との係合態様を示す第1の可動中子の要部断面図、(b)は他の実施の形態におけるピンの先端部を示す拡大図。 (a)は、他の実施の形態におけるカム溝の平面図、(b)は、図12(a)の3−3線断面図。 (a)は、他の実施の形態における図3の1−1線に沿った要部断面図、(b)は、雄ねじ部及び雌ねじ部のねじ山の形状を示す要部断面図、(c)は、雄ねじ部のリード角を示す雄ねじ部の要部正面図。 ラックハウジングに対する締め付け力を示す要部断面図。
以下、本発明を、電動パワーステアリング装置のラックハウジングを製造する金型装置に具体化した一実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。
<電動パワーステアリング装置の概略構成>
まず、電動パワーステアリング装置の概略的な構成について説明する。図1に示すように、電動パワーステアリング装置において、ステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10側からコラムシャフト12、インターミディエイトシャフト13及びピニオンシャフト14の順に連結されてなる。ピニオンシャフト14はこれに直交して設けられるラックハウジング15に収容されたラック軸16のラック部分16aに噛合されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト11の回転は、ピニオンシャフト14とラック部分16aとの噛み合いを通じてラック軸16の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動を通じて転舵輪18の舵角が変更される。また、電動パワーステアリング装置は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するモータ19を備えてなる。当該モータ19は、歯車等からなる減速機構20を介してステアリングシャフト11に作動連結されている。モータ19の回転力は減速機構20により減速されてこれがアシスト力として操舵系、正確にはステアリングシャフト11に伝達される。
ラックハウジング15は、第1の筒部21、及び当該第1の筒部21の軸線に対して交わる第2の筒部22、及び図1に二点鎖線で示される第3の筒部23を備えてなる。第1の筒部21にはラック軸16が、第2の筒部22には当該ラック軸16に噛み合うピニオンシャフト14が挿入されている。第3の筒部23は図1の紙面奥側へ開口し、当該第3の筒部23にはラック軸16をピニオンシャフト14側へ押圧する図示しないラックガイドが挿入される。ラックハウジング15の両端部には図示しないステアリングラックブーツが装着される。これにより、ラックハウジング15の内部への埃あるいは水等の浸入が抑制される。ラックハウジング15は、例えばADC12(JIS)等のアルミニウム合金を形成材料としてダイカストマシンにより製造される。
<ダイカストマシンの概略構成>
次に、ダイカストマシンの概略的な構成を説明する。図2に示すように、ダイカストマシン31は、溶解炉32、2つのアキュムレータ(ACC)33,34、射出装置35、スプレー装置36、金型装置37、型締め装置38、及び制御装置39を備え、これらが同図において左から順に並設されている。2つのアキュムレータ33,34、射出装置35、スプレー装置36、金型装置37、及び型締め装置38は基台40上に、溶解炉32及び制御装置39は床の上に設けられている。
溶解炉32は、成形材料(ここでは、アルミニウム合金)を溶解して溶湯を生成する。
2つのアキュムレータ33,34のうち、一方のアキュムレータ33は射出用の圧力を、他方のアキュムレータ34は増圧用の圧力を生成する。これらアキュムレータ33,34は、いずれも窒素等の不活性ガスの圧縮エネルギを利用するものである。
射出装置35は、射出用及び増圧用のアキュムレータ33,34により発生される圧力を利用して、溶解炉32において生成される溶湯を金型装置37の内部に圧入する。
金型装置37は、固定盤41に固定された固定型42、及び可動盤43に固定された可動型44を備えてなる。可動盤43は図示しないボール螺子装置あるいはシリンダ機構等の移動機構の作動を通じて、基台40の上面を固定盤41に対して接近又は離間する方向(図2の左右方向)へ移動可能とされている。可動型44は、可動盤43と一体的に変位する。可動型44が固定型42に接触された状態において、これらの間には成型品を形成するための空間(キャビティ)が形成される。固定型42及び可動型44は、SKD61(JIS)等の合金工具鋼鋼材により形成される。なお、この金型装置37については後に詳述する。
スプレー装置36は、成型品の成形開始に際して、金型の内面に離型剤を吹き付ける。離型剤とは、溶湯が型に焼き付くことを抑制したり、成型品の型離れをよくしたりするために使用する溶剤をいう。離型剤は、成形サイクル毎に塗布される。
型締め装置38は、成型品の成形に際して、固定型42に接触された可動型44を当該固定型42に圧接させることにより、キャビティの内部に対して溶湯の射出が開始されてから当該溶湯が冷却固化するまでの間、溶湯の射出圧力によって可動型44が固定型42から離間しないように締め付ける。
制御装置39は、ダイカストマシン31の各部を統括的に制御する。
<金型装置>
次に、金型装置について詳細に説明する。図3(a)に示すように、固定型42は、母型51及び入子52を備えてなる。この入子52は、母型51の可動型44側に形成された凹部53に嵌め込まれ固定されている。入子52の可動型44側の側面には、成型品P(ここでは、ラックハウジング15)の外形形状を形成する成型凹部54が形成されている。同様に、可動型44も母型55及び入子56を備えてなる。この入子56は、母型55の固定型42側の側面に形成された凹部57に嵌め込まれ固定されている。入子56の固定型42側の側面には、固定側の成型凹部54とともに成型品の外形形状を形成する成型凹部58が形成されている。これら固定側の成型凹部54及び可動側の成型凹部58は、図3(a)の紙面手前方向へ延びるように形成されている。図3(b)に示されるように、固定型42に対して可動型44が合わせられることにより、これらの間に成型品Pの外形形状に対応する空間部Sが形成される。
また、図3(a)に示されるように、金型装置37は、これら固定型42及び可動型44の他、ラックハウジング15の中空部、すなわち内形形状を形成する複数個の可動中子(図3(a)では1つのみ図示する。)70を備えてなる。図3(c)に示されるように、これら可動中子7は、ラックハウジング15の成型時において固定型42及び可動型44により形成される空間部Sに挿入されて当該固定型42及び可動型44とともにラックハウジング15の形状(外形形状及び内形形状)を有する空間部であるキャビティCを形成する。このキャビティCには射出装置35からの溶湯が金型装置37に設けられた給湯経路を通じて供給される。
<給湯経路>
ここで、金型装置37の給湯経路について説明する。図3(a)に示すように、可動側の入子56において、その固定型42側の側面には溝61が形成されている。この溝61の一端は成型凹部58に連通し、同じく他端は外部に開放されている。そして、固定型42に対して可動型44が合わせられることにより、当該入子52と溝61とから湯口62が形成される。
また、可動型44の固定型42側の側面には、第1の湯道形成部材63が嵌め込まれている。第1の湯道形成部材63は直方体状に形成されて、その一の側面(図3(a)中の上面)は入子56と面接触している。第1の湯道形成部材63には、固定型42と可動型44との合わせ面(分割面)であるパーティングラインPLから突出する突部64が形成されている。
また、固定型42において、可動型44側に設けられた第1の湯道形成部材63に対応する部位には、第2の湯道形成部材65が設けられている。第2の湯道形成部材65は、両端が開口した筒状に形成されるとともに、その両端部は固定型42の可動型44側の側面及びこれと反対側の側面に露出している。第2の湯道形成部材65の内部には、第1の湯道形成部材63の突部64が挿入可能とされている。固定型42に対して可動型44が接触して合わせられた状態において、第1の湯道形成部材63の突部64と第2の湯道形成部材65の内面との間には、湯道66が形成される。この湯道66は、固定側の入子52と可動側の入子56との間に形成される先の湯口62に連通する。
第2の湯道形成部材65の突部64が挿入される側の端部と反対側の端部には、スリーブ67が接続されている。スリーブ67は固定盤41(図3では図示略)に挿通された状態に保持される。このスリーブ67は、その固定型42側の端部が開口した筒状に形成されている。スリーブ67の固定型42と反対側の端部は、固定盤41の固定型42と反対側の側面から突出し、当該突出する部分には溶湯の注ぎ口68が形成されている。そしてスリーブ67には、給湯機械のラドル(容器)69により溶解炉32から運ばれる溶湯が注ぎ口68を介して注ぎ込まれる。
スリーブ67の内部には、射出装置35の作動を通じて当該スリーブ67内を往復動するプランジャ70が設けられている。このプランジャ70が固定型42側へ変位することにより、スリーブ67内の溶湯は、湯道66及び湯口62を通じて固定型42と可動型44との間の空間部に押し出される。なお、プランジャ70の押出速度は、2つのアキュムレータ33,34内の圧力により決まる。
<可動中子>
次に、金型装置の可動中子について詳細に説明する。図4に示すように、金型装置37は、固定型42及び可動型44を閉じたときにこれらの間に形成される空間部Sに挿入される第1の可動中子71、第2の可動中子72、及び第3の可動中子73を備えてなる。第1及び第2の可動中子71,72は第1の筒部21の内形形状を、第3の可動中子73は第3の筒部23の内形形状を形成するためのものである。これら第1〜第3の可動中子71〜73は、SKD等の合金工具鋼鋼材により形成される。
第1の可動中子71は第1の筒部21の一端側(図4における上側)の内形形状に、第2の可動中子72は第1の筒部21の他端側(図4における下側)の内形形状に、第3の可動中子73は第3の筒部23の内形形状に、それぞれ対応する外形形状を有する段付きの円柱状に形成されている。第1及び第2の可動中子71、72は、可動型44の変位方向(図4中の左右方向)に対して直交する方向において互いに反対側から空間部S内に挿入される。本例では、第1の可動中子71は図4における上方から、第2の可動中子72は同じく下方から挿入される。第3の可動中子73は、第1及び第2の可動中子71,72の挿入方向に対して直交する方向(図4における左右方向)から空間部S内に挿入される。
第3の可動中子73は、可動型44をその変位方向へ貫通した状態で母型55に固定されている。したがって、第3の可動中子73は、可動型44と一体的に変位する。第3の可動中子73は、可動型44が固定型42に接触すると同時に空間部S内に挿入される。
第2の可動中子72は、第1の可動中子71に比べて短く形成されている。第2の可動中子72は、その先端部が第3の可動中子73の内端部に対応する位置まで挿入される。第2の可動中子72の空間部S(成型品P)と反対側の端部は、可動部材74を介してシリンダ機構75のプランジャ75aに連結されている。シリンダ機構75としては、例えば油圧等の流体圧を利用するものが採用される。可動部材74は、固定型42と可動型44とが閉じたときにこれらの間に形成される空間部分である案内部76に収容されている。第2の可動中子72は、当該案内部76を構成する固定型42の内側面及び可動型44の内側面に案内されて、第2の可動中子72の抜き差し方向(上下方向)へスライド変位可能とされている。シリンダ機構75は、可動型44の側壁にブラケット77を介して固定されている。したがって、シリンダ機構75及びそのプランジャ75aに連結された第2の可動中子72は、可動型44と一体的に変位する。
第1の可動中子71は、その先端部が第3の可動中子73の内端部に対応し且つ第2の可動中子72の先端部に当接する位置まで挿入される。第1の可動中子71の空間部S(成型品P)と反対側の端部は、スライダ81を介してシリンダ機構82のプランジャ82aに連結されている。シリンダ機構82としては、例えば油圧等の流体圧を利用する直動型のものが採用される。スライダ81は、固定型42と可動型44とが閉じたときにこれらの間に形成される空間部分である案内部83に収容されている。第1の可動中子71は、当該案内部83を構成する固定型42の内側面及び可動型44の内側面に案内されて、第1の可動中子71の抜き差し方向(上下方向)へスライド変位可能とされている。シリンダ機構82は、可動型44において先のシリンダ機構75が固定された側壁と反対側の側壁に、ブラケット84を介して固定されている。したがって、シリンダ機構82及びそのプランジャ82aに連結された第1の可動中子71は、可動型44と一体的に変位する。なお、当該第1の可動中子71の構成については、後に詳述する。
<スライダ>
図4の左上に拡大して示されるように、スライダ81は、シリンダ機構82のプランジャ82aに連結される第1のスライダ91、及び当該第1のスライダ91のプランジャ82aと反対側の側面に連結される第2のスライダ92を備えてなる。
第1のスライダ91には、挿入穴93が形成されている。この挿入穴93には、第1の可動中子71の端部が抜け止め状態でその軸方向へ摺動可能に、且つ摺動回転可能に挿入されている。
第2のスライダ92は、円筒状に形成されている。第2のスライダ92には、第1のスライダ91側から順に、第1の挿通孔94及び第2の挿通孔95が互いに連通するように形成されている。第1の挿通孔94の内径は、第2の挿通孔95の内径よりも大きく設定されている。これら第1及び第2の挿通孔94,95には、第1の可動中子71がその軸方向へ摺動可能に、且つ回転可能に挿入されている。また、第2のスライダ92において、第1の可動中子71を挟んで左右両側の2つの外側面には、それぞれ凹部96が形成されている。これら凹部96の内底面には、その内部と第1の挿通孔94とを連通する連通孔97が形成されている。
これら凹部96には、それぞれ蓋体98が装着されている。当該蓋体98の内面(第1の可動中子71側の側面)には、円柱状のピン99が固定されている。当該ピン99は、蓋体98の外方からボルト100を締め付けることにより、蓋体98の内面に固定される。このピン99の先端部は、蓋体98の連通孔97を通じて第2のスライダ92の内部に突出するとともに、第1の可動中子71の表面に形成されるカム溝101に係合する。なお、当該カム溝101については、後に詳述する。
<第1の可動中子>
次に、第1の可動中子71の構造について詳細に説明する。図5(a),(b)に示すように、第1の可動中子71は、外径の異なる複数の段付き部を有する多段の円柱状に形成されている。
第1の可動中子71は、大きく4つの部分からなる。すなわち、第1の可動中子71は、図5(a),(b)において、上側から順に、第1〜第4の部分111〜114に区分されている。第1の部分111は、先の第1のスライダ91の挿入穴93(図4参照)に挿入される部位である。第2の部分112は、第2のスライダ92の第1の挿通孔94に挿通される部位である。第3の部分113は、第2のスライダ92の第2の挿通孔95に挿通される部位である。第4の部分114は、固定型42と可動型44との間に挿入されてこれらとともにキャビティCを形成する部位である。第4の部分114は、2段の軸状をなすとともに、その先端側の小径部には、抜き勾配αが設定されている。この抜き勾配αは、成型材料の特性(成型収縮率、剛性、潤滑性など)、成型品の形状(肉厚など)、金型の精度等を考慮して、例えば0.5°〜2°の範囲内の値とされる。
第1〜第4の部分111〜114の外径は、第2の部分112が最も大きく、次いで第3の部分113が大きく設定されている。ここで、固定型42及び可動型44が閉じた状態において、これら型間には第4の部分114(正確には、その大径部)の外形形状に対応した開口部115が形成される。このため、第1の可動中子71を当該開口部115に挿入した際には、第3の部分113と第4の部分114との間の段差面113aが、2つの入子52,56における開口部115の周縁部に当接することにより、第1の可動中子71の固定型42及び可動型44間への挿入が規制される。
第2の部分112の軸方向長L1は、第1の挿通孔94の軸方向長L2、正確には、第1のスライダ91の内端面と第2のスライダ92の内底面との間の距離L3よりも小さく設定されている。また、前述したように、第1の可動中子71はスライダ81(第1及び第2のスライダ91,92)に対して、その軸方向へ摺動可能に、且つ回転可能に支持されている。このため、第1の可動中子71は、第2の部分112の軸方向長L1と、第1のスライダ91の内端面と第2のスライダ92の内底面との間の距離L3との差の分だけ、スライダ81に対して、その軸方向へ相対的に変位可能となる。
また、図5(a)に示されるように、第2の部分112の外周面には、2つのカム溝101が互いに反対側に位置するように形成されている。図5(b)に示されるように、これらカム溝101は、第1の可動中子71の軸線方向(図5(b)における上下方向)に対して交わる方向へ延びている。
<カム溝>
次に、カム溝101について詳細に説明する。図6に示すように、カム溝101は、第1の溝部121と第2の溝部122とが滑らかに連続されてなる。第1の溝部121は第1の可動中子71の第3の部分113側(図中の右側)に、第2の溝部122は同じく第1の部分111側(図中の左側)に配設されている。第1の溝部121は、第1の可動中子71の軸線に対して平行に延びる軸線AXに対して鋭角である第1の角度θ1を有して交わる第1の軸線O1に沿って延びている。また、第2の溝部122は、先の軸線AXに対して鋭角である第2の角度θ2を有して交わる第2の軸線O2に沿って延びている。第2の角度θ2は、第1の角度θ1よりも大きな値に設定される。
そして前述したように、また図6の下部に二点鎖線で示されるように、カム溝101には、スライダ81(正確には、第2のスライダ92)に設けられたピン99が係合する。当該ピン99は、第1の可動中子71の軸線方向における変位に伴い、カム溝101内を相対的に変位する。当該ピン99は、当該カム溝101に案内されて、その第1の溝部121の端部に係合する第1の係合位置P1と、第2の溝部122の端部に係合する第2の係合位置P2との間を変位する。
前述したように、カム溝101は、第1の可動中子71の軸線方向に対して交わるように形成されている。このため、第1の可動中子71がその軸線方向において変位したとき、ピン99がカム溝101内を相対変位することにより、当該第1の可動中子71は回転する。スライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量(回転角)は、カム溝101が第1の可動中子71の軸線に対して交わる角度により決まる。すなわち、カム溝101の第1の可動中子71の軸線に対して交わる角度が大きくなるほどスライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量は大きく、逆にカム溝101の第1の可動中子71の軸線に対して交わる角度が小さくなるほどスライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量は小さくなる。
前述したように、第2の溝部122の第2の軸線O2と第1の可動中子71の軸線(軸線AX)とのなす角度である第2の角度θ2は、第1の溝部121の第1の軸線O1と第1の可動中子71の軸線(軸線AX)とのなす角度である第1の角度θ1よりも大きく設定されている。このため、図7のグラフに示されるように、横軸にスライダ81の移動量を、縦軸に第1の可動中子71の回転量(角度θr)をプロットした場合、例えばピン99が第1の係合位置P1から第2の係合位置P2へ向けて相対変位する場合についてみたとき、ピン99が第2の溝部122内を相対変位するときのスライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量は、ピン99が第1の溝部121内を相対変位するときのスライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量よりも大きくなる。
また、図8(a),(b)に示されるように、第1の可動中子71をその軸方向からみたとき、図8(a)に示される第1の係合位置P1に位置するピン99の軸線Op1と、図8(b)に示される第2の係合位置P2に位置するピン99の軸線Op2とのなす角度θrの分だけ、当該第1の可動中子71が回転する。この角度θrは、成型品を傷つけない程度に、あるいは傷つけたとしても致命傷とならない程度に第1の可動中子71の回転量を抑えるという観点に基づき設定される。本例では、角度θrは、例えば30°に設定される。
<第1の可動中子とスライダとの位置関係>
次に、第1の可動中子71とスライダ81との相対的な位置関係について説明する。
<挿入状態>
まず、第1の可動中子71が固定型42と可動型44との間の開口部115(図5(a)参照。)に挿入されて、スライダ81及び第1の可動中子71の段差面113aが2つの入子52,56に当接し、かつ第1の可動中子が第2の可動中子72に当接した状態について説明する。この状態において、図9に示すように、第2の部分112のシリンダ機構82と反対側(図中の下側)の側面と、第1の挿通孔94の内底面(図中の下側の内側面)との間には、隙間δが形成されている。当該隙間δの距離は、先の図5(a)に示されるように、第2の部分112の軸方向長L1と、第1のスライダ91の内端面と第2のスライダ92の内底面との間の距離L3との差の値に等しい。また、この状態において、ピン99は第1の係合位置P1に保持されている。
<引き抜き動作開始時>
第1の可動中子71が前述した挿入状態に保持されている状態において、シリンダ機構82の作動を通じて、第1の可動中子71のキャビティCに対する引き抜き方向(図中の上方)への外力Fがスライダ81に印加された場合、当該スライダ81は第1の可動中子71に対してその軸方向へ相対的に変位する。このとき、第1の可動中子71が上方へ変位することはない。一方で、スライダ81の上方への変位に伴い、ピン99はカム溝101に案内されて第2の係合位置P2へ向けて相対的に変位する。当該変位に伴い第1の可動中子71は回転する。詳述すると、ピン99がカム溝101における第1の溝部121内を相対変位する間においては、先の図6に併せ示されるように、第1の可動中子71は、自身の軸線(正確には、これを平行をなす軸線AX)と第1の溝部121の軸線(第1の軸線O1)とのなす角度である第1の角度θ1に応じて、緩やかに回転する。
そして、スライダ81がさらに上方へ変位すると、これに伴いピン99はカム溝101に案内されて第1の溝部121から第2の溝部122内へ相対変位する。ピン99がカム溝101における第2の溝部122内を相対変位する間においては、先の図6に併せ示されるように、第1の可動中子71は、自身の軸線(正確には、これを平行をなす軸線AX)と第2の溝部122の軸線(第2の軸線O2)とのなす角度である第2の角度θ2に応じて、すばやく回転する。すなわち、前述したように、スライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量が増大される。
第1の溝部121は、第1の可動中子71を回転させる量が少ない反面、第1の可動中子71を回転させようとする力が大きく、第1の可動中子71をその軸線方向へ変位させようとする力が小さい。このように、少ない回転量、且つ大きな回転力で第1の可動中子71を回転させるので、成型品P(製品)が傷付きにくい。
<引き抜き可能状態>
そして、図10に示されるように、スライダ81がさらに上方へ変位すると、第1の挿通孔94の内底面が第1の可動中子71における第2の部分112のシリンダ機構82と反対側(図中の下側)の側面に当接する。この状態になってはじめて第1の可動中子71を上方へ変位させることが可能となる(引き抜き可能状態)。そして、これ以降は、スライダ81と第1の第1の可動中子71は、一体的に上方へ変位する。また、スライダ81と第1の可動中子71との相対変位がないので、当該第1の可動中子71が回転することはない。このときには、第1の可動中子71における第2の部分112の上面と、スライダ81における第1の挿通孔94の内頂面との間に、隙間δが形成される。なお、第2のスライダ92の底壁(下側の壁)は、スライダ81の抜き方向への変位を規制する規制部として機能する。
<挿入時>
図10に示される状態において、シリンダ機構82の作動を通じて、第1の可動中子71の引き抜き方向と反対方向(図中の下方)への外力Fがスライダ81に印加された場合、スライダ81は第1の可動中子71と一体的に下方へ変位する(図9参照。)。スライダ81が下方へ変位する途中で、第1の可動中子71の段差面113aが入子52,56に当接すると(図5(a)参照。)、スライダ81は、前述の隙間δの分だけ、第1の可動中子71に対して下方へ相対変位する。この際、ピン99がカム溝101内を、第2の係合位置P2から第1の係合位置P1へ向けて変位することにより、第1の可動中子71は前述した挿入時と逆方向へ回転する。その後、スライダ81の端面が入子52,56に当接して、スライダ81の下方向への変位が停止する。
<ダイカストマシンの動作>
次に、前述のように構成したダイカストマシン31の動作を説明する。
さて、ダイカストマシン31によりラックハウジング15を製造する際にはまず、固定型42、可動型44、及び第1〜第3の可動中子71〜73が組み合わせられることにより、金型装置37の内部にキャビティCが形成される。次に、型締め装置38による型締めが行われる。すなわち、可動型44が固定型42に対して圧接される。この状態を維持しつつ、射出装置35の作動を通じて、金型装置37内のキャビティCに溶湯が高圧で射出される。この際、型締め装置38によって、可動型44が固定型42に圧接されているため、溶湯の射出圧力によって可動型44が固定型42から離間することはない。そして、キャビティCの内部に充填された溶湯は、冷却及び固化されることにより、当該キャビティCの内部において所望の成型品P(ラックハウジング15)が成形される。ちなみに、キャビティCの内部に充填された溶湯によって、キャビティCを構成する固定型42、可動型44、及び第1〜第3の可動中子71〜73が昇温するが、これらの内部に設けられる図示しない水冷式の冷却機構により昇温が抑えられる。
キャビティCの内部の溶湯が凝固した後、成型品Pを取り出す際には、まず前述した型締め状態が解除された上で、第1〜第3の可動中子71〜73がキャビティCから引き抜かれる。この後、可動型44が固定型42から離間される。そして成型品Pを取り出す位置として定められた型開き位置まで、可動型44が固定型42に対して離間したところで、可動型44の移動が停止される。
次に、固定型42あるいは可動型44に密着した成型品Pを取り出す。すなわち、図示しない突き出し機構の作動を通じて、固定型42あるいは可動型44に密着した成型品Pが当該固定型42あるいは可動型44に対して離間する方向へ突き出される。これにより、成型品Pは固定型42あるいは可動型44から剥がれて、固定型42及び可動型44の間から取り出される。この成型品Pの取り出しは、図示しないロボットにより行われる。最後に、スプレー装置36の作動を通じて、固定型42及び可動型44におけるキャビティCを形成する部位である成型凹部54,58等に離型剤が塗布される。以上で、成型品Pの1回の成形サイクルが完了となる。
ここで、先の図14に示されるように、キャビティCの内部に充填された溶湯は、凝固するに伴い収縮する。そして第1〜第3の可動中子71〜73には当該溶湯の収縮による締め付け力が作用する。また、溶湯はその凝固に伴い第1〜第3の可動中子71〜73の表面に凝着する。これら締め付け力及び凝着力は、第1〜第3の可動中子71〜73を引き抜く際の大きな抵抗力となる。特に、第1の可動中子71は、第2及び第3の可動中子72,73に比べて長く、溶湯との接触面積も大きくなりがちである。このため、第1の可動中子71の抜き抵抗は、第2及び第3の可動中子72,73の抜き抵抗よりも大きくなる。この点、本例では、第1の可動中子71を引き抜くに際してこれを回転させることにより、当該第1の可動中子71と成型品P(凝固した溶湯)との凝着が緩和される。すなわち、当該凝着が緩和される分だけ抜き抵抗が低減される。そしてその上で、第1の可動中子71の実際の引き抜き動作が行われる。これにより、第1の可動中子71の離型性の維持向上が図られる。また、抜き抵抗が低減されることにより、成型品Pとの凝着による成型品Pの傷付きありは変形等も抑制される。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1の可動中子71は、成型品Pの取り出しの際におけるシリンダ機構82の抜き動作、すなわちプランジャ82aの往復運動に連動して、当該第1の可動中子71を回転させる回転機構を備えてなる。
通常、成型品Pの成型が完了した後には、これを取り出すために第1の可動中子71がキャビティCから引き抜かれる。この際、第1の可動中子71を回転させることにより、当該第1の可動中子71と成型品Pとの凝着が緩和される。このため、当該凝着が緩和される分だけ第1の可動中子71の抜き抵抗を低減すること、ひいては第1の可動中子71の離型性を維持向上させることができる。成型サイクルの向上も期待できる。また、第1の可動中子71を回転させることなく単に引き抜くようにした場合と異なり、成型品Pにおける傷等の発生が抑制される。これにより、歩留まりを確保することもできる。
(2)シリンダ機構82の抜き動作に連動してこれを回転させる回転機構として、次のような構成を採用した。すなわち、当該回転機構は、スライダ81及びカム機構を備えなる。スライダ81は、第1の可動中子71のキャビティCと反対側の端部が抜け止め状態に且つ相対回転可能に挿入されるとともに、シリンダ機構82の作動を通じて第1の可動中子71の抜き差し方向に沿って変位する。また、スライダ81は、その抜き差し方向に沿って一定距離だけ第1の可動中子71に対して相対変位可能に設けた。カム機構は、スライダ81の抜き差し方向における直線運動を第1の可動中子71の回転運動に変換する変換機構として機能する。このカム機構は、第1の可動中子71の外周面に設けられて当該第1の可動中子71の抜き差し方向に対して交わる方向へ延びるカム溝101と、スライダ81の内周面に設けられてカム溝101に案内されるピン99とからなる。
この構成によれば、スライダ81の第1の可動中子71に対する抜き方向への相対変位を通じてピン99がカム溝101に案内されることにより、当該第1の可動中子71は回転する。第1の可動中子71の外周面にカム溝101を、スライダ81の内周面にピン99を設けるという簡単な構成で、第1の可動中子71の抜き動作と回転動作との両立が図られる。また、カム機構を利用することにより、簡単な構成で、しかも必要とされるタイミングで、第1の可動中子71を回転させることが可能となる。また、カム機構を利用することにより、第1の可動中子71の駆動源としては、汎用の直動型のシリンダ機構82で足りる。特殊な駆動装置を使用する必要がないので、金型装置37の製品コストの増大を抑制することができる。
(3)スライダ81は、第1の可動中子71に対してその抜き差し方向に沿って相対的に変位可能に設けた。そして、スライダ81は、第1の可動中子71が固定型42と可動型44との間の空間部Sに挿入されてキャビティCを形成する状態で、当該第1の可動中子71に対してその抜き方向へ一定距離だけ変位したとき、当該第1の可動中子71の一部(第2の部分112)と係合することにより、当該第1の可動中子71に対するその抜き方向への変位が規制される。
この構成によれば、第1の可動中子71が固定型42と可動型44との間の空間部Sに挿入されてキャビティCが形成される状態において、スライダ81が第1の可動中子71の抜き方向へ変位した場合、当該スライダ81は、第1の可動中子71の抜き方向へ一定距離(隙間δ)だけ変位するまでの間においては、当該第1の可動中子71に対して相対変位する。すなわち、シリンダ機構82の抜き動作の開始当初において、当該第1の可動中子71はその抜き方向へ変位することはなく、前述のカム機構の動作を通じた回転運動のみを行う。そして、スライダ81が第1の可動中子71に対して一定距離だけ相対変位したとき、当該スライダ81は第1の可動中子71の一部分に係合してこれと一体的にその抜き方向への変位が可能となる。こうした動作が、成型品Pの取り出しの際に行われることにより、第1の可動中子71の離型性の維持向上が好適に図られる。これは、第1の可動中子71の回転運動を通じて当該第1の可動中子71と成型品Pとの凝着状態が緩和されて、その緩和された分だけ抜き抵抗が低減された後に、当該第1の可動中子71はその抜き方向へ変位することによる。
(4)カム溝101は、第1の溝部121と第2の溝部122とが滑らかに連続されてなる。第1の溝部121は、第1の可動中子71の抜き差し方向に沿って延びる当該第1の可動中子71の中心軸(すなわち、軸線AX)に対して、鋭角である第1の角度θ1を有して交わる第1の軸線O1に沿って延設される。第2の溝部122は、第1の溝部121よりも第1の可動中子71の空間部Sに対する挿入側の端部と反対側に設けられて、当該第1の可動中子71の中心軸に対して第1の角度θ1よりも大きく設定される第2の角度θ2を有して交わる第2の軸線O2に沿って延設される。
この構成によれば、スライダ81が第1の可動中子71の抜き方向へ変位するにつれて、ピン99は第1の溝部121から第2の溝部122へ向けて案内される。これにより、第1の可動中子71は回転する。ここで、第2の溝部122の軸線と第1の可動中子71の中心軸とのなす第2の角度θ2は、第1の溝部121の軸線と第1の可動中子71の中心軸とのなす第1の角度θ1よりも大きく設定される。このため、ピン99が第2の溝部122に案内されているときの第1の可動中子71の回転量(スライダ81の移動量当たり)は、当該ピン99が第1の溝部121に案内されているときの回転量よりも大きくなる。ちなみに、これら回転量の差は、第1の角度θ1と第2の角度θ2との差に応じて決まる。このように、スライダ81の抜き方向への変位に伴う第1の可動中子71の回転量を、小から大へ二段階に設定することにより、第1の可動中子71の円滑な抜き動作が可能となる。例えばスライダ81の移動量当たりの第1の可動中子71の回転量を、はじめから第2の角度θ2に対応する回転量に設定することも考えられるものの、成型後において第1の可動中子71と成型品Pとが凝着した状態にあるときには当該第1の可動中子71は少しずつ回転させることが望ましい。すなわち、はじめから第2の角度θ2に対応する回転量に設定する場合には、第1の可動中子71の表面を、これに凝着した成型品Pから急激に剥がすようなかたちになるので、第1の可動中子71、あるいは成型品Pに傷等がつきやすくなる。これに対して、本例のように、第1の可動中子71を少しずつ回転させて、ある程度だけ第1の可動中子71と成型品Pとの凝着が緩和されてから、第1の可動中子71の回転量を大きくすることにより、成型品Pにおける傷等の発生が抑制される。歩留まりの向上にもつながる。
(5)本例の金型装置37は、電動パワーステアリング装置のラックハウジング15の製造に好適である。
ラックハウジング15のような長物を成型する際には、その長さが大きくなるほど、抜き勾配を十分に確保することが困難となる。これは、抜き長さが長くなる等の理由による。また、成型品の中空部分が長くなるほど、これを形成する可動中子と成型品とが凝着する範囲、ひいては当該凝着による可動中子の抜き抵抗の増大が懸念される。この点、本例の金型装置37によれば、可動中子(第1の可動中子71)と成型品Pとの間の凝着による抜き抵抗が緩和されるため、ラックハウジング15のような長物の成型品を製造する場合に好適である。また、アルミニウム合金等のように、成型収縮率の大きな材料を成型材料とする場合には、特に有効である。さらに、抜き勾配を確保しにくい成型品を製造する場合にも有効である。
(6)既存の可動中子に対して回転機能を簡単に付加することができる。既存の可動中子に対してカム溝101及びピン99を追加して設けるだけでよい。
(7)第1の可動中子71には、ピン99及びカム溝101を一組とする二組のカム機構を、これらが互いに反対側に位置するように設けた。このため、第1の可動中子71の引き抜き動作時において、安定した回転を発生させることができる。
(8)第1の可動中子71の引き抜き時において回転させることにより、抜き抵抗の低減が図られる。第1の可動中子71をその引き抜き時に回転させないようにした場合に比べて、抜き勾配の低減化が図られる。
(9)第1の可動中子71は、その回転動作を通じて成型品Pとの凝着が緩和されてから引き抜かれる。このため、第1の可動中子71の抜き差し方向における傷の発生が抑制される。
(10)本例では、スライダ81を介して、シリンダ機構82のプランジャ82aと第1の可動中子71とを連結した。このため、プランジャ82aと第1の可動中子71とを直接的に連結する場合と異なり、それらの軸心をずらして連結することが容易になる。ひいては、シリンダ機構82の設置自由度が向上する。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・図11(a)に示すように、ピン99の先端にラジアル軸受131を設け、当該ラジアル軸受131とカム溝101の内側面との摺接を通じて、ピン99がカム溝101に案内されるようにしてもよい。このようにすれば、ピン99は滑らかにカム溝101に案内される。また、図11(b)に示すように、ピン99の先端に合成樹脂材料により形成された滑り軸受132を装着するようにしてもよい。さらに、図12(a),(b)に示されるように、カム溝101の内周面及び内底面のすべてを合成樹脂材料により覆うようにしてもよい。このようにしても、カム溝101とピン99とを直接的に摺動させる場合に比べて、それらの間の摩擦を低減することができる。ピン99はカム溝101に円滑に案内される。
・本例では、ピン99とカム溝101とからなるカム機構を通じて、スライダ81の直線運動を第1の可動中子71の回転運動に変換するようにしたが、次のようにしてもよい。すなわち、図13(a)に示すように、第1の可動中子71をスライダ81に回転可能に連結する。第1の可動中子71において、スライダ81への挿入部分とスライダ81からの突出部分との間に形成される小径部71aに2つ割の蓋部材141を側方から装着することにより、第1の可動中子71のスライダ81に対する抜け止めが図られる。また、第1の可動中子71において、固定型42と可動型44との間に位置する部分には、その外周面に沿って螺旋状の溝142a(図13(b)を参照。)が形成されることにより雄ねじ部142が設けられている。この雄ねじ部142は、固定型42及び可動型44の間に形成される開口部143に挿入されて、2つの入子52,56に当接する。また、開口部143の内周面における入子52,56寄りの部分には、当該内周面に沿って螺旋状の溝144a(図13(b)を参照。)が形成されることにより雌ねじ部144が設けられている。この雌ねじ部144は、先の雄ねじ部142に嵌り合う。図13(b)に示されるように、雄ねじ部142及び雌ねじ部144は、これらのねじ山の断面形状が台形状をなす台形ねじとして形成されている。また、雄ねじ部142及び雌ねじ部144のねじ山の稜線は、第1の可動中子71に対して、急な勾配を有している。すなわち、第1の可動中子71に抜き差し方向への外力が作用した場合、雄ねじ部142及び雌ねじ部144間にねじ作用が発生する程度に、リード角β(図13(c)を参照。)が設定される。例えばリード角βは、40°以上〜90°未満の範囲内の値に設定される。なお、雄ねじ部142及び雌ねじ部144は、2条あるいは3条等の複数のつる巻線を有する多条ねじとしてもよい。条数を増やすほど、第1の可動中子71の抜き差し方向における変位量当たりの回転量が少なくなる。また、雄ねじ部142及び雌ねじ部144は、台形ねじではなく、例えば三角ねじ等としてもよい。
これら雄ねじ部142及び雌ねじ部144からなるねじ機構により、スライダ81の抜き差し方向への直線運動が当該第1の可動中子71の回転運動に変換される。すなわち、スライダ81を介して第1の可動中子71に対してその抜き差し方向への外力が印加された場合、雄ねじ部142と雌ねじ部144との間のねじ作用により第1の可動中子71は抜き差し方向へ変位しながら回転する。この回転を通じて第1の可動中子71と成型品Pとの間の凝着が緩和され、ひいては第1の可動中子71の抜き抵抗が低減される。また、第1の可動中子71に雄ねじ部142を、両型間に雌ねじ部144を設けるだけであるので、簡単な構成で、第1の可動中子71の抜き動作と回転動作との両立が図られる。
・本例では、カム溝101を第1及び第2の溝部121,122から形成したが、単一種類の溝として形成してもよい。例えば、カム溝101は、第1の軸線O1に沿って延びるように、あるいは第2の軸線O2に沿って延びるように形成することも可能である。
・第1の可動中子71に対して離型剤を塗布する際にも当該第1の可動中子71を回転させるようにしてもよい。このようにすれば、第1の可動中子71の全周に亘って万遍なく離型剤を塗布することが可能になる。第1の可動中子71の離型性の維持向上にもつながる。
・本例では、第1の可動中子71の駆動装置としてシリンダ機構82を採用したが、モータ等を利用したボール螺子機構等を採用してもよい。すなわち、スライダ81に対して第1の可動中子71の抜き差し方向への外力を印加できる構成であればよい。このようにしても、駆動装置の抜き動作(回転装置の例では、その回転運動)を利用して、第1の可動中子71を抜き差し方向へ変位させつつ回転させることができる。
・本例では、3つの可動中子を使用したが、使用する可動中子の個数及び形状は、成型品に応じて適宜設定される。可動中子の個数は、1つ、2つ又は4つ以上としてもよい。
・本例では、成型材料(溶湯)としてアルミニウム合金を採用したが、マグネシウム合金等の他の材料を使用してもよい。成型材料は製品に応じて適宜選択される。
・第1の可動中子71における第1の挿通孔94の内部に、第1の可動中子71を引き抜き方向へ常時付勢する圧縮コイルばね等の弾性部材を設けてもよい。例えば、第1の挿通孔94内において、第3の部分113に圧縮コイルばねを装着する。当該圧縮コイルばねの弾性力により、第1の可動中子71の引き抜き動作が補助される。
・溶融金属によるダイカストだけではなく、溶融樹脂を使用する射出成型機の金型に適用することも可能である。
・本例では、ピン99及びカム溝101からなるカム機構(回転機構)を、第1の可動中子71のみに設けたが、第2及び第3の可動中子72,73に設けるようにしてもよい。
・本例では、ピン99をスライダ81側に、カム溝101を第1の可動中子71側に設けたが、これを逆にしてもよい。すなわち、ピン99を第1の可動中子71側に、カム溝101をスライダ81側に設ける。
・本例では、第1の可動中子71の回転量は30°としたが、当該回転量は適宜変更して設定してもよい。
・本例では、スライダ81を介して第1の可動中子71をその軸線方向へ変位させるようにしたが、このスライダ81を省略してもよい。この場合には、第1の可動中子71を、シリンダ機構82のプランジャ82aに回転可能に連結する。そして、固定型42及び可動型44(あるいは両入子52,56)及び第1の可動中子71の一方にカム溝101を、他方にピン99を設ける。このようにしても、シリンダ機構82の抜き動作に連動して、第1の可動中子71は引き抜きと同時に回転する。なお、プランジャ82aと第1の可動中子71とは、直接的に連結してもよいし、何らかの連結部材を介して連結してもよい。このようにすれば、第1の可動中子71は、その軸線方向への引き抜きと同時に回転する。そしてこの回転を通じて、第1の可動中子71と成型品Pとの凝着を緩和することが可能となる。
・本例では、金型装置37による成型品Pとして、電動パワーステアリング装置のラックハウジング15を例に挙げたが、油圧式のパワーステアリング装置のラックハウジングも同様にして製造可能である。また、パワーステアリング装置のラックハウジングに限らず、中空部を有する他の製品を製造することも可能である。例えば入子52,56を交換することにより、ラックハウジング15と異なる外形形状を有する他の製品を製造することができる。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)固定型と可動型とを互いに接し合わせることにより形成される空間部に対し、駆動装置の作動を通じて抜き差し可能とされた可動中子が外方から挿入されることにより、円筒状の中空部を有する成型品の形状に対応するキャビティが形成される金型装置において、前記両型と前記可動中子との間には、前記成型品の取り出しの際における前記駆動装置の抜き動作を利用して当該可動中子を回転させる回転機構を備え、前記回転機構は、前記可動中子の外周面及び前記可動中子が挿入される前記両型間の開口部における内周面の一方に設けられて当該可動中子の抜き差し方向に対して交わる方向へ延びる溝と、同じく他方に設けられて前記溝に案内される突部とを備えてなる金型装置。
(ロ)前記(イ)項において、前記突部は前記可動中子の外周面に沿って形成される螺旋状の雄ねじ山、前記溝は前記開口部の内周面に沿って形成される螺旋状の雌ねじ溝であって、前記可動部材を介して前記可動中子にその抜き差し方向への外力が印加された際、前記第1の可動中子の雄ねじ山が形成された部分及び前記開口部の雌ねじ溝が形成された部分間にねじ作用が発生する程度に、これら雄ねじ溝及び雌ねじ溝のリード角が設定されてなる金型装置。
これら(イ),(ロ)の構成としても、駆動装置の抜き動作を利用して当該可動中子を回転させることが可能となる。
(ハ)請求項に記載の金型装置において、前記カム溝は、前記可動中子の抜き差し方向に沿って延びる当該可動中子の中心軸に対して鋭角である第1の角度を有して交わる第1の軸線に沿って延びる第1の溝と、前記第1の溝よりも前記可動中子の前記空間部に対する挿入側の端部と反対側に設けられて当該可動中子の中心軸に対して前記第1の角度よりも大きく設定される第2の角度を有して交わる第2の軸線に沿って延びる第2の溝と、が滑らかに連続されてなる金型装置。
この構成によれば、ピンが第2の溝に案内されているときの可動中子の単位時間当たりの回転量は、当該ピンが第1の溝に案内されているときの単位時間当たりの回転量よりも大きくなる。このように、スライダの抜き方向への変位に伴う可動中子の回転量を、小から大へ二段階に設定することにより、可動中子の円滑な抜き動作が可能となる。
15…ラックハウジング、37…金型装置、42…固定型、44…可動型、71…第1の可動中子、81…スライダ(可動部材)、82…シリンダ機構(駆動装置)、99…ピン(突部)、101…カム溝、121…第1の溝部、122…第2の溝部、C…キャビティ、O1…第1の軸線、O2…第2の軸線、P…成型品、S…空間部、θ1…第1の角度、θ2…第2の角度。

Claims (2)

  1. 固定型と可動型とを互いに接し合わせることにより形成される空間部に対し、駆動装置の作動を通じて抜き差し可能とされた可動中子が外方から挿入されることにより、円筒状の中空部を有する成型品の形状に対応するキャビティが形成される金型装置において、
    前記成型品の取り出しの際における前記駆動装置の抜き動作を利用して当該可動中子を回転させる回転機構を備え、
    前記回転機構は、前記可動中子の前記キャビティと反対側の端部が相対回転可能に挿入されるとともに、前記駆動装置の抜き動作を通じて、前記可動中子に対してその抜き差し方向に沿って相対的に変位可能なスライダと、
    前記スライダの前記抜き差し方向における直線運動を前記可動中子の回転運動に変換する変換機構と、を備え、
    前記スライダは、
    当該スライダが前記可動中子に対してその抜き方向へ変位したときに当該可動中子の一部と係合することにより、前記可動中子に対して前記スライダがそれ以上に前記抜き方向へ変位することを規制する第1規制部と、
    前記スライダが前記可動中子に対してその差し方向へ変位したときに当該可動中子の一部と係合することにより、前記可動中子に対して前記スライダがそれ以上に前記差し方向へ変位することを規制する第2規制部とを備え、
    前記第1規制部は、前記可動中子が前記空間部に挿入されて前記キャビティを形成する状態で、前記可動中子に対して当該スライダが前記抜き方向へ一定距離だけ変位したときに前記可動中子の一部と係合するように設けられ、
    前記可動中子は、前記スライダを介して前記駆動装置に連結されるとともに、前記スライダと係合した状態において、前記スライダと一体的に前記抜き差し方向に沿って変位するように設けられ、
    前記変換機構は、前記可動中子の外周面及び前記スライダの内周面の一方に設けられて当該可動中子の抜き差し方向に対して交わる方向へ延びるカム溝と、同じく他方に設けられて前記カム溝に案内されるピンとからなるカム機構として構成されてなる金型装置。
  2. 請求項に記載の金型装置において、
    前記成型品は、パワーステアリング装置のラックハウジングである金型装置。
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