JP5705713B2 - 中空銅コアシリコンナノワイヤー、シリコン複合銅基板及びこれらの製造方法並びにリチウムイオン二次電池 - Google Patents

中空銅コアシリコンナノワイヤー、シリコン複合銅基板及びこれらの製造方法並びにリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、中空部分に銅を含むコア部を有するシリコンナノワイヤーに関するものである。
従来、リチウムイオン二次電池の負極活物質として、天然黒鉛、人造黒鉛、無定形炭素、メソフェーズ炭素などの各種炭素系材料や、チタン酸リチウム、スズ合金などを用いたリチウムイオン二次電池が実用化されている。
一方、高容量化を目指し、リチウム化合物として理論容量の大きな金属や合金、特にシリコンおよびその合金を負極活物質として用いるリチウムイオン二次電池用の負極が開発されている。しかし、リチウムイオンを吸蔵したシリコンは、吸蔵前のシリコンに対して約4倍まで体積が膨張するため、シリコンを負極活物質として用いた負極は、充放電サイクル時に膨張と収縮を繰り返す。そのため、負極活物質の剥離などが発生し、従来の炭素系活物質を用いた負極と比較して、寿命が極めて短いという問題があった。
シリコンを使用した負極としては、シリコンナノワイヤー(シリコン繊維またはシリコンナノチューブとも呼ばれる)を、負極活物質として用いる負極などがある(例えば、特許文献1、2を参照)。
特許文献1では、垂直方向に成長した酸化亜鉛(ZnO)のナノロッドを有する基板に、シランガスを用いてシリコンをコーティングし、ZnOナノロッドを除去することで、シリコンナノチューブを得る方法が開示されている。
特許文献2では、シリコン基板をエッチングし、例えば長さ100μm、直径0.2μmのシリコンピラーを得た後、基板から剥離(デタッチング)することでシリコン繊維を得る方法が開示されている。
特開2010−192444号公報 特表2009−523923号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載の負極は、シリコンナノワイヤー中の電子伝導率が低いことに起因し、リチウムイオンの充放電に長い時間がかかるという問題点があった。また、特許文献1や2に記載の負極は、充放電を繰り返すうちに充放電容量が低下し、サイクル特性が十分でないという問題点もあった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、ナノワイヤー中に銅を含むコア部を有し、高い充電容量と、高速充放電性、良好なサイクル特性を兼ね備える、リチウムイオン二次電池の負極などに用いられるシリコンナノワイヤーを得ることである。
前述した目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
(1)シリコンを含むシェル部と、前記シェル部が形成する中空部分に非連続的に存在する、銅を含むコア部と、を有することを特徴とする中空銅コアシリコンナノワイヤー。
(2)銅基板の少なくとも片面に、(1)に記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを有し、前記中空銅コアシリコンナノワイヤーが、前記銅基板上に接続していることを特徴とするシリコン複合銅基板。
(3)銅基板の少なくとも片面に、(1)に記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを含む塗布膜を有することを特徴とするシリコン複合銅基板。
(4)直径が10〜500nmであることを特徴とする(1)に記載の中空銅コアシリコンナノワイヤー。
(5)銅基板を、圧力容器中にて、有機シランと有機分散媒を含む雰囲気中で300〜600℃に加熱し、前記銅基板上に中空銅コアシリコンナノワイヤーを形成することを特徴とするシリコン複合銅基板の製造方法。
(6)前記有機シランがフェニルシランであり、前記銅基板を380〜500℃に加熱することを特徴とする(5)に記載のシリコン複合銅基板の製造方法。
(6)銅基板を、圧力容器中にて、有機シランと有機分散媒を含む雰囲気中で300〜600℃に加熱し、前記銅基板上に中空銅コアシリコンナノワイヤーを形成する工程と、前記銅基板から、前記中空銅コアシリコンナノワイヤーを分離する工程と、を具備することを特徴とする中空銅コアシリコンナノワイヤーの製造方法。
(7)銅基板を、圧力容器中にて、有機シランと有機分散媒を含む雰囲気中で300〜600℃に加熱し、前記銅基板上に中空銅コアシリコンナノワイヤーを形成する工程と、前記銅基板から、前記中空銅コアシリコンナノワイヤーを分離する工程と、前記中空銅コアシリコンナノワイヤーをスラリー中に分散する工程と、前記スラリーを他の銅基板上に塗布する工程とを具備することを特徴とするシリコン複合銅基板の製造方法。
(8)(2)または(3)に記載のシリコン複合銅基板を、負極に用い、さらに正極と非水電解質とを備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明により、ナノワイヤー中に銅を含むコア部を有し、高い充電容量と、高速充放電性、良好なサイクル特性を兼ね備える、リチウムイオン二次電池の負極などに用いられるシリコンナノワイヤーを得ることができる。
本発明の実施の形態に係るシリコンナノワイヤー1の断面図。 本発明の実施の形態に係るシリコン複合銅基板7aを示す図。 本発明の実施の形態に係るシリコン複合銅基板7bを示す図。 (a)〜(d)本発明の実施の形態に係るシリコンナノワイヤー1の製造方法を示す図。 (a)〜(b)実施例1に係るシリコンナノワイヤーの製造方法を示す図 (a)実施例1に係るシリコン複合銅基板の電子顕微鏡写真、(b)(a)での白線枠内の拡大図。 実施例1に係るシリコンナノワイヤーの電子顕微鏡写真と、同一視野での銅とシリコンのEDS観察結果。
(中空銅コアシリコンナノワイヤー1)
以下図面に基づいて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る中空銅コアのシリコンナノワイヤー1の断面図である。シリコンナノワイヤー1は、シリコンを含むシェル部5と、シェル部5が形成する中空部分に非連続的に存在する、銅を含むコア部3とを有する。
シリコンナノワイヤー1の形成条件により、圧力や温度、投入原料の量により、シリコンナノワイヤー1の直径や長さを調整することができるがシリコンナノワイヤー1の直径は、10〜500nm程度である。また、コア部3の直径は、シリコンナノワイヤー1の直径の半分以下であることが好ましい。
シリコンナノワイヤー1の長軸方向の長さは、成長速度や成長時間によって変わるが、おおむね、50μm以下である。
コア部3は、シェル部5が形成する中空部分に非連続的に形成される。後述するとおり、合成中は、柱状の連続したコア部15の周囲にシェル部5が形成されると考えられる。しかしながら、反応終了後に冷却し、コア部15とシェル部5が収縮する際に、両者の熱膨張率の違いにより、銅を含むコア部15の方が、シリコンを含むシェル部5より多く収縮するため、コア部15が分断され、現在の非連続的なコア部3が形成したと考えられる。銅を含むコア部は、銅のみからなる場合と、例えば、シリコンナノワイヤー形成時にシェル部とコア部の界面での相互拡散などにより銅―シリコン固溶体となる場合や、さらには、部分的に銅とシリコンの化合物である銅シリサイド化合物(δ相、ε相、η相)などが形成される場合もあり、これらが銅コアの中に、混在することもある。以上の銅を含むコア部の組成も、シリコンナノワイヤー寸法形状などと同様に、シリコンナノワイヤーの形成条件に左右されるため、これらを調整することにより、銅を含むコア部の組成を制御することができる。以上の理由により、本発明における「銅を含むコア部」とは、コア部が銅のみからなる場合、銅―シリコン固溶体、銅シリサイド化合物(δ相、ε相、η相)の何れの場合も含むものとする。
(シリコン複合銅基板)
シリコンナノワイヤー1を具体的な用途に使用する際、図2に示すような、銅基板9の少なくとも片面に、シリコンナノワイヤー1が接続しているシリコン複合銅基板7aとして用いることができる。シリコン複合銅基板7aは、シリコンナノワイヤー1を銅基板9から成長させ、シリコンナノワイヤー1を剥離しない状況で得られる。シリコン複合銅基板7aにおいて、シリコンナノワイヤー1の端部は、銅基板9に金属結合や共有結合などで結合している。
銅基板9の厚さや大きさは、用途に応じて適宜変更可能である。シリコン複合銅基板7aまたは後述するシリコン複合銅基板7bをリチウムイオン二次電池の負極に用いる場合、銅基板9としては、銅箔が好ましい。
あるいは、シリコンナノワイヤー1は、図3に示すように、銅基板9の少なくとも片面に、シリコンナノワイヤー1を含む塗布膜11を有するシリコン複合銅基板7bとして用いることもできる。シリコン複合銅基板7bは、銅基板9にシリコンナノワイヤー1を含むスラリーを塗布することにより得られる。なお、図3では、シリコンナノワイヤー1を簡略化して図示している。
シリコン複合銅基板7bをリチウムイオン二次電池の負極に使用する場合は、銅箔に、シリコンナノワイヤー1、導電助剤、結着剤、増粘剤、溶媒などを混練したスラリーを塗布して、シリコン複合銅基板7bを形成する。
シリコンナノワイヤー1のスラリー中への分散には、一般的な混練機を用いることができ、ニーダー、撹拌機、分散機、混合機などと呼ばれるスラリーを調製可能な装置を用いることができる。
また、スラリーの塗布は、スラリーを銅基板9に塗布可能な一般的な塗工装置を用いることができ、例えばロールコーターや、ドクターブレードによるコーター、コンマコーター、ダイコーターである。
スラリー中の固形分において、シリコンナノワイヤー1が25〜90重量%、導電助剤が5〜70重量%、結着剤が1〜30重量%、増粘剤が0〜25重量%を含む。
水系スラリーを調整するときは、結着剤としてスチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)等のラテックス(ゴム微粒子の分散体)を使用することができ、増粘剤としてはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の多糖類等を1種または2種以上の混合物として用いることが適している。また、有機系スラリーを調製するときは、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用することができ、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いることができる。
導電助剤は、炭素、銅、スズ、亜鉛、ニッケル、銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の導電性物質からなる粉末である。炭素、銅、スズ、亜鉛、ニッケル、銀の単体の粉末でもよいし、それぞれの合金の粉末でもよい。例えば、ファーネスブラックやアセチレンブラックなどの平均粒径1nm〜1μmの一般的なカーボンブラックを使用できる。
導電助剤の平均粒径は一次粒子の平均粒径を指す。アセチレンブラック(AB)のような高度にストラクチャー形状が発達している場合にも、ここでは一次粒径で平均粒径を定義し、SEM写真の画像解析で平均粒径を求めることができる。
結着剤は、樹脂の結着剤であり、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのフッ素樹脂やゴム系、さらには、ポリイミド(PI)やアクリルなどの有機材料を用いることができる。
(シリコンナノワイヤー、シリコン複合銅基板の製造方法)
シリコンナノワイヤー、シリコン複合銅基板の製造方法を、図4を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、銅基板9を用意する。銅基板9の表面は、脱脂・洗浄されることが好ましい。
その後、圧力容器中に、有機シランの溶液と、銅基板9とを設置する。この際、銅基板9が有機シランの溶液に浸漬しないようにし、有機シランと有機分散媒の溶液から蒸発した蒸気が接する状態にする。次に、銅基板9を圧力容器中で、有機シランの雰囲気中で、300℃以上600℃以下に加熱する。このとき、有機シランとしては、以下に示すフェニルシラン、テトラメチルシラン、シロールなどを使用できる。
また、圧力容器内には、有機シランは、有機分散媒との溶液として導入される。有機分散媒は、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、キシレンなどから選択された一つまたはその混合物であることが好ましい。
なお、有機シランとしてフェニルシランを用いる場合は、加熱温度が380℃から500℃の間であることが好ましい。
有機シランは、高温高圧環境にあると、ソルボサーマル反応により、シラン(SiH)と副生成物に熱分解する。さらに、このシランがシリコンとして析出する。この反応において、有機シランからシランへの熱分解の速度は、シランからシリコンへの分解の速度に比べて遅いため、本反応において、シリコンの析出は緩やかである。
図4(b)は、反応初期の銅基板9の様子である。反応初期においては、シリコンの濃度が少ないため、シリコンの析出が少なく、銅シリサイドが析出する。析出した銅シリサイドは、ナノドット13を形成する。
図4(c)は、反応後期の銅基板9の様子である。反応後期は、シリコンの濃度が高いため、銅基板9上にシリコンが析出し、ナノドット13からシリコンを含むシェル部5が成長する。同時に、銅基板9由来の銅が、ナノドット13より、銅のシリサイドまたは銅を含むコア部15として析出し、コア部15の周囲をシェル部5が覆うコアシェル型のナノワイヤーが得られる。コア部15は銅基板9から連続的につながっており、シェル部5の内部に空洞はないと考えられる。
その後、冷却すると、コア部15の銅が、シェル部5のシリコンよりも収縮しやすいため、連続的であったコア部15が、不連続なコア部3に分断され、シリコンナノワイヤー1が得られる。また、銅基板9からシリコンナノワイヤー1が成長したシリコン複合銅基板7aが得られる。
さらに、図4(d)に示すように、シリコン複合銅基板7aから、シリコンナノワイヤー1を剥離させると、シリコンナノワイヤー1が得られる。ナノワイヤー1の銅基板9からの剥離は、ナイフなどの金属製の刃で剥離させる方法、分散媒に浸した後に超音波振動を付与して剥離させる方法、銅基板9を薬品でエッチングして剥離させる方法等が挙げられる。
また、剥離したシリコンナノワイヤー1を、スラリーにして塗布すると、シリコンナノワイヤー1を含む塗布膜11が得られ、シリコン複合銅基板7bが得られる。
なお、銅基板9の片方の面に、樹脂等でマスクをすることで、一方の面にのみシリコンナノワイヤー1を有するシリコン複合銅基板7aを作製することもできる。
なお、本発明の実施の形態では銅基板9を用いたが、シリコンと金属間化合物を形成する特性から、銅以外に銀や白金の基板を用いる場合でも、銀を含むコアまたは白金を含むコアの中空シリコンナノワイヤーを得ることができると考えられる。
(リチウムイオン二次電池)
正極と負極との間にセパレータを配置して、電池素子を形成する。このような電池素子を巻回、または積層して円筒形の電池ケースや角形の電池ケースに入れた後、電解質または電解液を注入して、リチウムイオン二次電池とする。
(リチウムイオン二次電池用正極)
まず、正極活物質、導電助剤、結着剤および溶媒を混合して正極活物質の組成物を準備する。前記正極活物質の組成物をアルミ箔などの金属集電体上に直接塗布・乾燥し、正極とする。
前記正極活物質としては、一般的に使われるものであればいずれも使用可能であり、例えばLiCoO、LiMn、LiMnO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiFePOなどの化合物である。
導電助剤としては、例えばカーボンブラックを使用し、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、水溶性アクリル系バインダーを使用し、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水などを使用する。このとき、正極活物質、導電助剤、結着剤および溶媒の含量は、リチウムイオン二次電池で通常的に使用するレベルである。
(セパレータ)
セパレータとしては、正極と負極の電子伝導を絶縁する機能を有し、リチウムイオン二次電池で通常的に使われるものであればいずれも使用可能である。例えば、微多孔性のポリオレフィンフィルムを使用できる。
(電解液・電解質)
リチウムイオン二次電池における電解液および電解質には、有機電解液(非水系電解液)、無機固体電解質、高分子固体電解質等が使用できる。
有機電解液の溶媒の具体例として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ―ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の非プロトン性溶媒、あるいはこれらの溶媒のうちの2種以上を混合した混合溶媒が挙げられる。
有機電解液の電解質には、LiPF、LiClO、LiBF、LiAlO、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCl、LiCFSO、LiCFCO、LiCSO、LiN(CFSO等のリチウム塩からなる電解質の1種または2種以上を混合させたものを用いることができる。
有機電解液の添加剤として、負極活物質の表面に有効な固体電解質界面被膜を形成できる化合物を添加することが望ましい。例えば、分子内に不飽和結合を有し、充電時に還元重合できる物質、例えばビニレンカーボネート(VC)などを添加する。
また、上記の有機電解液に代えて固体状のリチウムイオン伝導体を用いることができる。たとえばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン等からなるポリマーに前記リチウム塩を混合した固体高分子電解質や、高分子材料に電解液を含浸させゲル状に加工した高分子ゲル電解質を用いることができる。
さらに、リチウム窒化物、リチウムハロゲン化物、リチウム酸素酸塩、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH、LiPO−LiSiO、LiSiS、LiPO−LiS−SiS、硫化リン化合物などの無機材料を無機固体電解質として用いてもよい。
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態では、従来にない構造である、銅を含むコア部と、シリコンを含むシェル部を有する中空シリコンナノワイヤーを形成することができる。
本発明の実施の形態に係るシリコンナノワイヤーは、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用可能であり、本実施の形態に係るシリコン複合銅基板は、リチウムイオン二次電池の負極として使用可能である。
本発明の実施の形態に係るシリコン複合銅基板を負極に用いたリチウムイオン二次電池は、シリコンのシェル部の内部に銅のコア部を有するため、充放電時のシリコンの電子の授受効率が上がり、充放電速度の向上が実現できる。なお、本実施の形態においては銅のコア部が不連続であるが、不連続であっても銅のコア部を有することで、銅のコア部を有しないシリコンナノワイヤーに比べると電子の授受効率が高い。
また、本発明の実施の形態に係るシリコン複合銅基板は、リチウムイオン二次電池の負極として用いた場合、シリコンが負極活物質となるので、黒鉛を用いた従来のリチウムイオン二次電池に比べて容量が大きい。
また、本発明の実施の形態によると、シェル部が、中空部分を有するため、シェル部にリチウムイオンが出入りして金属が膨張収縮する際の内部歪みが緩和され、シェル部の微粉化・割れを防止することができる。つまり、本実施の形態にナノワイヤーを負極材料として用いるリチウムイオン二次電池は、従来のリチウムイオン二次電池よりもサイクル寿命が良好である。
また、本発明の実施の形態に係るシリコンナノワイヤーは、発光材料や太陽電池の受光体としても使用可能である。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(シリコン複合銅基板7aの作製)
幅1cm、長さ4cm、厚さ250μmの銅基板9を、アルカリ溶液、さらに硫酸溶液に浸し、脱脂・洗浄を行った。
その後、図5(a)に示すように、フェニルシランとトルエンを1:19の割合で混合した原料溶液21を石英ガラス製のるつぼ23に入れ、さらにるつぼ23の上部に銅基板9を固定した。
さらに、銅基板9を固定したるつぼ23を、容器内筒25に入れ、さらにオートクレーブ(圧力容器)27内に設置した。
その後、1時間かけて450℃まで昇温した。450℃まで昇温した際のオートクレーブ内の圧力は約5MPaであった。
温度を2時間維持した後、4〜5時間除冷し、シリコン複合銅基板7aを得た。
気化した原料29が接触する、銅基板9のるつぼ23側に、黄白色の繊維状物質が大量に生成していることが確認された。
得られた銅板の断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、銅板の表面に図6(a)、(b)のように、無数のナノワイヤーが観察された。
その後、銅基板の表面のナノワイヤーをナイフでこすり落とし、透過型電子顕微鏡で観察し、EDS(エネルギー分散形X線分光)マッピングを行ったところ、図7に示すように、シリコンを含むシェル部と、その中空部分に銅を含むコア部を有するシリコンナノワイヤーが観察された。図7の中央の写真で黒く写っている部分がコア部であり、灰色に写っている部分がシェル部である。
[実施例2〜4、比較例1、2]
オートクレーブ加熱時の温度を変える以外は、実施例1と同様にシリコン複合銅基板を作製した。
その作製結果を以下の表1に示す。
ナノワイヤーの生成量は、450℃をピークに低温または高温へなるほど減少し、360℃または550℃では、ナノワイヤーが生成しなかった。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しえることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………シリコンナノワイヤー
3………コア部
5………シェル部
7a、7b………シリコン複合銅基板
9………銅基板
11………塗布膜
13………ナノドット
15………コア部
21………原料溶液
23………るつぼ
25………容器内筒
27………オートクレーブ
29………気化した原料

Claims (9)

  1. シリコンを含むシェル部と、
    前記シェル部が形成する中空部分に非連続的に存在する、銅を含むコア部と、
    を有することを特徴とする中空銅コアシリコンナノワイヤー。
  2. 銅基板の少なくとも片面に、請求項1に記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを有し、
    前記中空銅コアシリコンナノワイヤーが、少なくとも金属結合および/または共有結合によって前記銅基板上に接続していることを特徴とするシリコン複合銅基板。
  3. 銅基板の少なくとも片面に、請求項1に記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを含む塗布膜を有することを特徴とするシリコン複合銅基板。
  4. 直径が10〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の中空銅コアシリコンナノワイヤー。
  5. 銅基板を、圧力容器中にて、有機シランと有機分散媒を含む雰囲気中で300〜600℃に加熱し、その後冷却することにより、前記銅基板上に請求項1記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを形成することを特徴とするシリコン複合銅基板の製造方法。
  6. 前記有機シランがフェニルシランであり、前記銅基板を380〜500℃に加熱することを特徴とする請求項5に記載のシリコン複合銅基板の製造方法。
  7. 銅基板を、圧力容器中にて、有機シランと有機分散媒を含む雰囲気中で300〜600℃に加熱し、その後冷却することにより、前記銅基板上に請求項1記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを形成する工程と、
    前記銅基板から、前記中空銅コアシリコンナノワイヤーを分離する工程と、
    を具備することを特徴とする中空銅コアシリコンナノワイヤーの製造方法。
  8. 銅基板を、圧力容器中にて、有機シランと有機分散媒を含む雰囲気中で300〜600℃に加熱し、その後冷却することにより、前記銅基板上に請求項1記載の中空銅コアシリコンナノワイヤーを形成する工程と、
    前記銅基板から、前記中空銅コアシリコンナノワイヤーを分離する工程と、
    前記中空銅コアシリコンナノワイヤーをスラリー中に分散する工程と、
    前記スラリーを他の銅基板上に塗布する工程と
    を具備することを特徴とするシリコン複合銅基板の製造方法。
  9. 請求項2または3に記載のシリコン複合銅基板を負極に用い、さらに正極と非水電解質とを備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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