JP5704838B2 - 被覆マグネタイト粒子の製造方法 - Google Patents
被覆マグネタイト粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5704838B2 JP5704838B2 JP2010123818A JP2010123818A JP5704838B2 JP 5704838 B2 JP5704838 B2 JP 5704838B2 JP 2010123818 A JP2010123818 A JP 2010123818A JP 2010123818 A JP2010123818 A JP 2010123818A JP 5704838 B2 JP5704838 B2 JP 5704838B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- silica layer
- silane compound
- core
- core particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compounds Of Iron (AREA)
Description
カチオン交換樹脂を用いたイオン交換によって、シリカ層が形成されたコア粒子における該シリカ層中に含まれるアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの量を低減させ、次いで
シリカ層が形成された前記コア粒子とシラン化合物とを乾式法によって混合し、該シリカ層の表面を該シラン化合物で被覆し、引き続き熱処理を行ってシラン化合物層を形成する工程を有し、
シラン化合物として、R1 xSi(OR2)4-x(式中R1は、同一の又は異なる炭素数2〜10のアルキル基を表し、R2は、R1と同じ鎖長であるか又はそれよりも短鎖のアルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。xが2又は3である場合、R1は、その炭素数が上述の範囲であることを条件として、同種のアルキル基でもよく、あるいは異種のアルキル基でもよい。)で表されるアルコキシシランから生成した化合物を用いる被覆マグネタイト粒子の製造方法を提供するものである。
コア粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して撮影された像から測定する。具体的には、SEM写真(倍率40,000倍)を用い、写真上の粒径を同軸方向に200個以上計測し、その個数平均から求める。
装置名:HEWLETT PACKARD社製 6890GC/5973MSD
アジレント社製 7694ヘッドスペースサンプラー
測定方法:
20mL HS用バイヤル中試料50mgをヘッドスペースサンプラーにて加熱(140℃×30min)し、発生ガスのGC−MS分析を行った。
測定条件:
〔ヘッドスペースサンプラー条件〕
オーブン(試料加熱) 140℃×30min
ループ 150℃
トランスファーライン 160℃
〔GC−MS条件〕
(1)C6、C8検出
スキャンモード
カラム:DB−5(HP社製)
温度条件:
注入口 250℃
オーブン 初期温度40℃ 10min、10℃/min 40〜200℃、200℃ 5min
スプリット比: 50:1
(2)iso−C4検出
スキャンモード
カラム:Pola Plot Q(VARIAN社製)
温度条件:
注入口 250℃
オーブン 初期温度100℃、20℃/min 100〜250℃
スプリット比:20:1
解析方法:
アルキル基を含むシラン化合物は、これを100℃程度以上に加熱することでアルキル基が分解し、対応するアルケン及びアルキルアルデヒドを生成する。例えばアルキル基がC8の場合は1−オクテン及びオクタナールが生成し、C6の場合は1−ヘキセン及びヘキサナールが生成する。iso−C4の場合はイソブテン及び1−メチルプロピナールが生成する。そこで、測定によって得られたマススペクトルのピークの中からアルケン及びアルデヒドのピークを確認することで、シラン化合物中のアルキル基のカーボン数を特定できる。例えば、条件(1)では、C8に由来する1−オクテンは4.2分(m/z=112、83、70、55、43)付近にピークが観察され、C6に由来する1−ヘキセンは1.5分(m/z=84、56、41)付近にピークが観察される。条件(2)では、iso−C4に由来するイソブテンは、4.7分(m/z=56、41、28)付近にピークが観察される。
(1)マグネタイトのコア粒子A及びBの製造
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸第一鉄水溶液50リットルと、ケイ酸ナトリウムをSi換算で0.0157mol/L含む、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルとを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この液の温度を85℃に保ちながら20L/minで空気を通気し、水酸化第一鉄の湿式酸化を行った。これによってマグネタイトのコア粒子Aを生成させた。得られたコア粒子Aを通常の洗浄、濾過、乾燥、粉砕工程により処理した。このコア粒子Aは球状であった。このコア粒子Aの詳細を以下の表1に示す。これとは別に、ケイ酸ナトリウムをSi換算で0.0314mol/L含む、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いる以外は、前記と同様にして、マグネタイトのコア粒子Bを生成させた。得られたコア粒子Bを通常の洗浄、濾過、乾燥、粉砕工程により処理した。このコア粒子Bは球状であった。このコア粒子Bの詳細を以下の表1に示す。コア粒子Bは、その製造時に多量のケイ酸ナトリウムを用いたので、粒子の表面にシリカが偏析してシリカ層が形成されていた。
〔製造例I〕
前記の(1)で得られたコア粒子Bのスラリーをフィルタープレスで濾過、洗浄した後に、再度水でリスラリーを行った。このスラリー100L(固形分50g/L)に、500g(コア粒子Bに対して10%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入した。そして、スラリーを2時間攪拌してイオン交換を行った。イオン交換後のスラリーのpHは5.5であった。その後、イオン交換樹脂をメッシュで濾過して除去し、通常の濾過、洗浄を行い、乾燥、解砕をしてシリカ層が形成されたコア粒子Iを得た。なお、上述したとおり、シリカ層が形成されたコア粒子Iの原料として用いたコア粒子Bは、既にその表面に、シリカの偏析によってシリカ層が形成されているものである。コア粒子Iを得た。コア粒子Iの詳細を以下の表2に示す。
コア粒子Bを用い、かつ通常の濾過、洗浄を行い、乾燥、解砕をして、シリカ層が形成されたコア粒子IIを得た。コア粒子IIの詳細を以下の表2に示す。
前記の(1)で得られたコア粒子Aのスラリーに、珪酸ソーダ3号をコア粒子Aに対してSi換算で0.10%添加して30分撹拌した。次いで、希硫酸をスラリーに加え、pHを6.0に調整した。このスラリーをフィルタープレスで濾過、洗浄した後に、再度水でリスラリーを行った。このスラリー100L(固形分50g/L)に、500g(コア粒子Aに対して10%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入した。そして、スラリーを2時間攪拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュで濾過して除去し、通常の濾過、洗浄を行い、乾燥、解砕をしてシリカ層が形成されたコア粒子IIIを得た。コア粒子IIIの詳細を以下の表2に示す。
珪酸ソーダ3号の添加量を、コア粒子Aに対してSi換算で0.15%及び0.20%にする以外は製造例IIIと同様にして、シリカ層が形成されたコア粒子IV及びVを得た。これらのコア粒子の詳細を以下の表2に示す。
前記の(1)で得られたコア粒子Aのスラリーに、珪酸ソーダ3号をコア粒子Aに対してSi換算で0.10%添加して30分撹拌した。次いで、希硫酸をスラリーに加え、pHを6.0に調整した。このスラリーをフィルタープレスで濾過、洗浄した。その後、乾燥、解砕をして、シリカ層が形成されたコア粒子VIを得た。コア粒子VIの詳細を以下の表2に示す。
製造例IIIにおいて、イオン交換樹脂SK110(三菱化学製)の使用量を300g(コア粒子Aに対して6%)に減量した。また、イオン交換の時間を1時間に短縮した。これら以外は製造例IIIと同様にして、シリカ層が形成されたコア粒子VIIを得た。コア粒子VIIの詳細を以下の表2に示す。
シリカ層が形成されたコア粒子IV(1kg)をハイスピードミキサ(深江パウテック社製LFS−2型)に投入し、回転数2000rpmで乾式撹拌しながら、n−ヘキシルトリメトキシシラン22.7g(0.11mol)を2分間にわたって滴下し、その後3分間撹拌した。次いで120℃で1時間大気下にて熱処理を行い、実施例1の被覆マグネタイト粒子を得た。また、シリカ層が形成されたコア粒子の種類及びアルコキシシランの種類を以下の表3に示すものとする以外は、前記と同様にして実施例2〜6並びに比較例1及び2の被覆マグネタイト粒子を得た。使用したアルコキシシランのモル数は、実施例1と同様とした。
水蒸気吸着量測定装置BELSORP18(日本ベル株式会社製)を用いて、25℃、相対圧0.9における被覆マグネタイト粒子1g当たりの水蒸気吸着量(mg)を測定する。
有機溶媒としてテトラヒドロフランが用いる。超音波分散処理の条件は、被覆マグネタイト粒子2gに対して有機溶媒10mLを加え、超音波ホモジナイザ(BRANSON社製SONIFIER450、超音波出力90W)を用い、超音波照射時間1分とする。再乾燥は、磁気によって被覆マグネタイト粒子を分離した後、50℃・120分の条件で行う。解砕はサンプルミルを用いて30秒行う。その後、上述の方法で被覆マグネタイト粒子の水蒸気吸着量(mg/g)を測定する。
次の式から算出する。
水蒸気吸着量の増加率(%)=〔(分散処理後の水蒸気吸着量−分散処理前の水蒸気吸着量)÷分散処理前の水蒸気吸着量〕×100
Claims (4)
- マグネタイトのコア粒子と、その表面を被覆するシリカ層と、該シリカ層の表面を被覆するシラン化合物層とを有する被覆マグネタイト粒子の製造方法であって、
カチオン交換樹脂を用いたイオン交換によって、シリカ層が形成されたコア粒子における該シリカ層中に含まれるアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの量を低減させ、次いで
シリカ層が形成された前記コア粒子とシラン化合物とを乾式法によって混合し、該シリカ層の表面を該シラン化合物で被覆し、引き続き熱処理を行ってシラン化合物層を形成する工程を有し、
シラン化合物として、R1 xSi(OR2)4-x(式中R1は、同一の又は異なる炭素数2〜10のアルキル基を表し、R2は、R1と同じ鎖長であるか又はそれよりも短鎖のアルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。xが2又は3である場合、R1は、その炭素数が上述の範囲であることを条件として、同種のアルキル基でもよく、あるいは異種のアルキル基でもよい。)で表されるアルコキシシランから生成した化合物を用いる被覆マグネタイト粒子の製造方法。 - 前記シリカ層におけるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の含有量の合計が、被覆マグネタイト粒子の質量に対して50ppm以下となるようにイオン交換を行う請求項1に記載の製造方法。
- マグネタイトのコア粒子と、シリカ源とを混合し、表面にシリカ層が形成された前記コア粒子を得る請求項1又は2に記載の製造方法。
- 第一鉄塩の中和反応によって生じた水酸化第一鉄コロイド溶液に酸化性ガスを吹き込む湿式酸化法によってマグネタイトのコア粒子を製造するときに、該コア粒子の表面にシリカを偏析させて、表面にシリカ層が形成された前記コア粒子を得る請求項1に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010123818A JP5704838B2 (ja) | 2010-05-31 | 2010-05-31 | 被覆マグネタイト粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010123818A JP5704838B2 (ja) | 2010-05-31 | 2010-05-31 | 被覆マグネタイト粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011246328A JP2011246328A (ja) | 2011-12-08 |
JP5704838B2 true JP5704838B2 (ja) | 2015-04-22 |
Family
ID=45412081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010123818A Expired - Fee Related JP5704838B2 (ja) | 2010-05-31 | 2010-05-31 | 被覆マグネタイト粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5704838B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0416518A (ja) * | 1990-05-07 | 1992-01-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 無機物質表面の改質方法 |
JP2003104996A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | Hitachi Maxell Ltd | 核酸結合用磁性担体およびその製造方法 |
JP4351740B2 (ja) * | 2003-01-15 | 2009-10-28 | 三井金属鉱業株式会社 | マグネタイト粒子及びその製造方法 |
JP2004305055A (ja) * | 2003-04-04 | 2004-11-04 | Hitachi Maxell Ltd | 磁性複合粒子およびその製造方法 |
JP5400321B2 (ja) * | 2008-05-27 | 2014-01-29 | 三井金属鉱業株式会社 | 複合被覆マグネタイト粒子の製造方法 |
JP5330794B2 (ja) * | 2008-10-24 | 2013-10-30 | 三井金属鉱業株式会社 | 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-05-31 JP JP2010123818A patent/JP5704838B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011246328A (ja) | 2011-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4172034B2 (ja) | 耐加水分解性の被覆を有し、凝集物のないナノスケール酸化鉄粒子の製造方法 | |
US10920120B2 (en) | Ceria composite particle dispersion, method for producing same, and polishing abrasive grain dispersion comprising ceria composite particle dispersion | |
JP6649279B2 (ja) | 変性コロイダルシリカおよびその製造方法、並びにこれを用いた研磨剤 | |
JP5330794B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 | |
JP5422904B2 (ja) | 磁性トナー用疎水性磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造方法 | |
JP5862467B2 (ja) | シリカ複合粒子の製造方法 | |
JP2008297183A (ja) | 多孔質酸化物粒子およびその製造方法 | |
JP7037918B2 (ja) | セリア系複合微粒子分散液、その製造方法及びセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液 | |
JP2011063482A (ja) | 金内包コアシェル型単分散球状メソポーラスシリカ | |
JP5704838B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子の製造方法 | |
JPH054325B2 (ja) | ||
JP4346403B2 (ja) | 表面処理シリカ粒子及びその用途 | |
JP5657282B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子 | |
US9431159B2 (en) | Iron cobalt ternary alloy nanoparticles with silica shells and metal silicate interface | |
JP5606018B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子 | |
JP5657280B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 | |
JP5400440B2 (ja) | マグネタイト粒子 | |
JP5715329B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子 | |
JP2019182687A (ja) | コロイダルシリカ | |
JP6061704B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子 | |
JP5400321B2 (ja) | 複合被覆マグネタイト粒子の製造方法 | |
JP6086753B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 | |
JP5773581B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子の製造方法 | |
JP2013193890A (ja) | 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 | |
JP5657281B2 (ja) | 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140805 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150224 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5704838 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |