JP5701147B2 - 枠組構造体、および該枠組構造体に用いられる各種部材、並びに該枠組構造体を備える建築物 - Google Patents
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Description
在来工法とは、簡単に言えば、柱や梁などの軸組部材によって建築物の主要部分を形成する工法である。この在来工法では、例えば、図15に示したように、柱110の上に梁120を架けることで、建築物の主要部分をなす構造体100が形成される。この構造体100は、鉛直荷重に対しては柱110で支えるとともに、水平荷重に対しては、柱110,110の間に配置された筋交い130などによって抵抗する構造となっている。
しかしながら、上述した在来工法では、小径の間伐材は柱や梁などの主要構造材に用いることができず、羽柄材としての利用に限られることから、国産間伐材の利用を促進するのが難しいとの問題があった。
本発明の枠組構造体は、
木材によって形成された複数の長尺の縦枠部材と、
木材によって形成された複数の帯板状の水平梁部材と、が組み合わされてなる枠組構造体であって、
前記複数の縦枠部材が千鳥状に2列に配置されることで構成される第1の縦枠部材列および第2の縦枠部材列を備え、
前記第1の縦枠部材列および第2の縦枠部材列の間には、前記複数の水平梁部材が、前記縦枠部材の軸方向に所定の間隔で配置されており、
前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材、および前記第2の縦枠部材列の縦枠部材と接合されることで、前記第1の縦枠部材列と第2の縦枠部材列とが互いに固定されていることを特徴とする。
前記帯板状の水平梁部材には、その軸方向の一辺部および他辺部に沿って千鳥状に複数の切欠部が形成されており、
前記水平梁部材の一辺部に沿って形成されている切欠部に前記第1の縦枠部材列の縦枠部材が挿通された状態で、前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材と接合されるとともに、
前記水平梁部材の他辺部に沿って形成されている切欠部に前記第2の縦枠部材列の縦枠部材が挿通された状態で、前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材と接合されている。
また、このような切欠部を形成しても、水平梁部材の断面性能は殆ど低下しないため、枠組構造体の構造耐力が低下することもない。
前記水平梁部材は、その断面が長方形状に形成され、該長方形断面の強軸方向が、前記第1の縦枠部材列および第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材の軸方向に対して垂直をなすようにして配置されていることが望ましい。
また、上記発明において、
前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材、および前記第2の縦枠部材列の縦枠部材と、ビスによって接合されていることが望ましい。
前記第1の縦枠部材列または前記第2の縦枠部材列の少なくともいずれか一方には、少なくともその隣接する縦枠部材同士を固定する縦枠固定部材が設置されていることが望ましく、
この際、上記発明において、
前記縦枠固定部材が木製合板であることが望ましい。
前記第1の縦枠部材列と第2の縦枠部材列との間には、
前記第1の縦枠部材列の縦枠部材と、この第1の縦枠部材列の縦枠部材に最も近接する前記第2の縦枠部材列の縦枠部材とを互いに固定する縦枠列固定部材が設置されていることが望ましく、
この際、上記発明において、
前記縦枠列固定部材が、縦枠部材の軸方向に所定の間隔で配置されている水平梁部材の間を接続するように設置されていることが望ましい。
帯板状の土台部材を備え、
前記土台部材の一面側には、複数の係合部が千鳥状に2列に形成されており、
前記土台部材の複数の係合部の各々に、前記縦枠部材の一端部が係合せられることで、前記複数の縦枠部材が千鳥状に2列に配置されていることが望ましく、
この際、上記発明において、
前記土台部材が木材によって形成されるとともに、
前記係合部が、前記土台部材の一面側から突出するように設置された鋼製の棒状部材であって、
前記土台部材の複数の棒状部材の各々に、前記縦枠部材の一端面に形成されている孔が挿通されることで、前記複数の縦枠部材が千鳥状に2列に配置されていることが望ましい。
上記発明において、
前記第1の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔、および前記第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔と、前記水平梁部材の配置間隔とが、ともに同じ配置間隔となるように構成されていることが望ましく、
この際、上記発明において、
前記第1の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔、および前記第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔と、前記水平梁部材の配置間隔とが、ともに1/4間または1/3間となるように構成されていることが望ましい。
上述した枠組構造体に用いられる縦枠部材であって、
長尺の木製部材からなり、その断面寸法が1寸5分角の正方形状に形成されているとともに、
前記水平梁部材が配置される位置に対応して予めマークが付されていることを特徴とする。
上述した枠組構造体に用いられる水平梁部材であって、
帯板状の木製部材からなり、その軸方向の一辺部および他辺部に沿って千鳥状に複数の切欠部が形成されているとともに、
前記木製部材の断面が長方形状に形成されていることを特徴とする。
上述した枠組構造体に用いられるビスであって、
軸部と、該軸部よりも大径に形成された笠部と、該笠部から軸方向に延設された頭部と、を備えることを特徴とする。
上述した枠組構造体を少なくともその一部に備えることを特徴とする。
この際、上記発明において、
前記建築物の一部をなす枠組構造体には、前記第1の縦枠部材列を構成する縦枠部材、または前記第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材、の少なくともいずれか一方の縦枠部材を部分的に切断することで形成された開口が形成されている。
図1は、本発明の枠組構造体を示した斜視図、図2は、本発明の枠組構造体に用いられる水平梁部材を示した斜視図、図3は、本発明の枠組構造体に用いられる縦枠部材を示した斜視図である。また、図4は、本発明の枠組構造体に水平荷重が作用した場合において、水平梁部材の内部に生ずる応力を説明するための図である。
図1に示したように、複数の縦枠部材10a,10bは、千鳥状に2列に配置されている。すなわち、図1の手前側には複数の縦枠部材10aが、互いに平行に立設した状態で、所定の間隔Lで配置されており、これにより、第1の縦枠部材列10Aが構成されている。また、図1の奥側には複数の縦枠部材10bが、互いに平行に立設した状態で、所定の間隔Lで配置されており、これにより、第2の縦枠部材列10Bが構成されている。なお、上記間隔Lは、縦枠部材10a,10bの芯間距離を示している。
このようにして、図1に示したように、複数の縦枠部材10a,10bが、千鳥状に2列に配置されている。
すなわち、図4に示したように、図中の矢印方向から枠組構造体2に対して水平荷重Fが作用すると、水平梁部材20には図中の符号Sで示したようにジグザグ状に内部応力が伝播する。この際、この内部応力が伝播する部分は、切欠部22a,22bが形成されている位置と重ならないため、切欠部22a,22bを形成したことによる断面欠損は、水平梁部材20の構造耐力には殆ど影響を与えないこととなる。
土台部材40は、木製の帯板状部材からなり、図5に示したように、その帯板状部材の一面側の軸方向の一辺部42A側には、鋼製の棒状部材からなるスタッド44aが、所定の間隔Lで設置されている。また、その軸方向の他辺部42B側には、同じく鋼製の棒状部材からなるスタッド44bが、所定の間隔Lで設置されている。そして、これら複数のスタッド44aからなる列と、複数のスタッド44bからなる列とは、互いに平行に1/2Lだけずらされた位置に設置されている。そして、図5に示したように、複数のスタッド44a,44bが、千鳥状に2列に設置されている。
したがって、この縦枠部材10a,10bの一端面に形成されている孔14を、上述したスタッド44a,44bに挿通し、両者を係合させることで、複数の縦枠部材10a,10bを、土台部材40の上に千鳥状に2列に簡単に配置することができるようになっている。
ここで、図6Aおよび図6Bは、本発明の枠組構造体を組み立てる方法を説明するための図である。また、図7は、縦枠部材と水平梁部材とを接合する方法を説明するための図である。
ここで、図9〜図10は、本発明の別の実施形態の枠組構造体であって、縦枠固定部材が設置されている枠組構造体を示した斜視図である。
ここで、図11は、本発明の更に別の実施形態の枠組構造体であって、縦枠列固定部材が設置されている枠組構造体を示した斜視図である。また、図12は、縦枠列固定部材を説明するための図であり、図12の(a)は、縦枠列固定部材が設置されている状態を示した側面図、図12の(b)は、縦枠列固定部材が設置されている状態を示した平面図、図12の(c)は、縦枠列固定部材を示した斜視図である。
ここで、図13は、本発明の枠組構造体を備えた建築物を示した斜視図、図14は、本発明の枠組構造体を備えた別の建築物を示した斜視図である。
このように、上述した枠組構造体2から構成される本発明の建築物4は、縦枠部材10a,10bおよび水平梁部材20など、限られた部材を規則的に組み合わせることで構成されるため、高い専門性を必要とせず、誰でも簡単に構築することが可能である。
例えば、本発明の建築物4は、何も仮設用の建築物には限定されず、例えば、物置小屋や倉庫などの本設用の建築物としても利用可能である。
4 建築物
10A,10B 縦枠部材列
10a,10b 縦枠部材
12 下穴
14 孔
20 水平梁部材
22a,22b 切欠部
24A 一辺部
24B 他辺部
30 縦枠固定部材
30a,30b,30c 木製合板
30d 筋交い部材
32 位置決め孔
40 土台部材
42A 一辺部
42B 他辺部
44a,44b スタッド
50 ビス
52 軸部
54 笠部
56 頭部
60 縦枠列固定部材
100 構造体
110 柱
120 梁
130 筋交い
200 構造体
210 縦枠
230 構造用合板
Claims (17)
- 木材によって形成された複数の長尺の縦枠部材と、
木材によって形成された複数の帯板状の水平梁部材と、が組み合わされてなる枠組構造体であって、
前記複数の縦枠部材が千鳥状に2列に配置されることで構成される第1の縦枠部材列および第2の縦枠部材列を備え、
前記第1の縦枠部材列および第2の縦枠部材列の間には、前記複数の水平梁部材が、前記縦枠部材の軸方向に所定の間隔で配置されており、
前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材、および前記第2の縦枠部材列の縦枠部材と接合されることで、前記第1の縦枠部材列と第2の縦枠部材列とが互いに固定されていることを特徴とする枠組構造体。 - 前記帯板状の水平梁部材には、その軸方向の一辺部および他辺部に沿って千鳥状に複数の切欠部が形成されており、
前記水平梁部材の一辺部に沿って形成されている切欠部に前記第1の縦枠部材列の縦枠部材が挿通された状態で、前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材と接合されるとともに、
前記水平梁部材の他辺部に沿って形成されている切欠部に前記第2の縦枠部材列の縦枠部材が挿通された状態で、前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材と接合されていることを特徴とする請求項1に記載の枠組構造体。 - 前記水平梁部材は、その断面が長方形状に形成され、該長方形断面の強軸方向が、前記第1の縦枠部材列および第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材の軸方向に対して垂直をなすようにして配置されていることを特徴とする請求項2に記載の枠組構造体。
- 前記複数の水平梁部材の各々が、前記第1の縦枠部材列の縦枠部材、および前記第2の縦枠部材列の縦枠部材と、ビスによって接合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の枠組構造体。
- 前記第1の縦枠部材列または前記第2の縦枠部材列の少なくともいずれか一方には、少なくともその隣接する縦枠部材同士を固定する縦枠固定部材が設置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の枠組構造体。
- 前記縦枠固定部材が木製合板であることを特徴とする請求項5に記載の枠組構造体。
- 前記第1の縦枠部材列と第2の縦枠部材列との間には、
前記第1の縦枠部材列の縦枠部材と、この第1の縦枠部材列の縦枠部材に最も近接する前記第2の縦枠部材列の縦枠部材とを互いに固定する縦枠列固定部材が設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の枠組構造体。 - 前記縦枠列固定部材が、縦枠部材の軸方向に所定の間隔で配置されている水平梁部材の間を接続するように設置されていることを特徴とする請求項7に記載の枠組構造体。
- 帯板状の土台部材を備え、
前記土台部材の一面側には、複数の係合部が千鳥状に2列に形成されており、
前記土台部材の複数の係合部の各々に、前記縦枠部材の一端部が係合せられることで、前記複数の縦枠部材が千鳥状に2列に配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の枠組構造体。 - 前記土台部材が木材によって形成されるとともに、
前記係合部が、前記土台部材の一面側から突出するように設置された鋼製の棒状部材であって、
前記土台部材の複数の棒状部材の各々に、前記縦枠部材の一端面に形成されている孔が挿通されることで、前記複数の縦枠部材が千鳥状に2列に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の枠組構造体。 - 前記第1の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔、および前記第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔と、前記水平梁部材の配置間隔とが、ともに同じ配置間隔となるように構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の枠組構造体。
- 前記第1の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔、および前記第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材の配置間隔と、前記水平梁部材の配置間隔とが、ともに1/4間または1/3間となるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の枠組構造体。
- 請求項1から11のいずれかに記載の枠組構造体に用いられる縦枠部材であって、
長尺の木製部材からなり、その断面寸法が1寸5分角の正方形状に形成されているとともに、
前記水平梁部材が配置される位置に対応して予めマークが付されていることを特徴とする縦枠部材。 - 請求項2または3に記載の枠組構造体に用いられる水平梁部材であって、
帯板状の木製部材からなり、その軸方向の一辺部および他辺部に沿って千鳥状に複数の切欠部が形成されているとともに、
前記木製部材の断面が長方形状に形成されていることを特徴とする水平梁部材。 - 請求項4に記載の枠組構造体に用いられるビスであって、
軸部と、該軸部よりも大径に形成された笠部と、該笠部から軸方向に延設された頭部と、を備えることを特徴とするビス。 - 請求項1から11のいずれかに記載の枠組構造体を少なくともその一部に備えることを特徴とする建築物。
- 前記建築物の一部をなす枠組構造体には、前記第1の縦枠部材列を構成する縦枠部材、または前記第2の縦枠部材列を構成する縦枠部材、の少なくともいずれか一方の縦枠部材を部分的に切断することで形成された開口が形成されていることを特徴とする請求項16に記載の建築物。
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