JP5699722B2 - マグネシウム合金 - Google Patents

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本発明は、マグネシウムを主体とするマグネシウム合金に関し、特に良好な機械的強度と共に優れた延性を有するマグネシウム合金に関する。
マグネシウム合金は実用金属の中でも最も比重が小さい部類に属するため、従来から鉄鋼材料やアルミニウム合金等に替わる軽量材料として各種分野において使用されている。その一例として、例えば自動車においても、排気ガスの低減や燃費の向上等のために軽量化が求められており、エンジンプロックやトランスミッションケース等の内燃機関用部材やその他の構造部材としてマグネシウム合金が使用されている。このように自動車等の構造部材としてマグネシウム合金を使用する場合、構造持続信頼性や安全性などの観点からマグネシウム合金には引張り強度などの機械的強度のみならず延性も要求される。そこで、異種金属の添加や特殊な製造方法等により機械的強度及び延性を高めた高強度高延性マグネシウム合金が、下記特許文献1や特許文献2に提案されている。
特許文献1では、マグネシウムに、アルミニウム又は亜鉛を0.2〜4原始%と、ランタノイド等の希土類元素を0.5〜5原始%添加し、急冷凝固アトマイズ法によってマグネシウム合金を製造している。特許文献2では、AZ91系やAZ31系などのマグネシウム合金に0.5〜5重量%のカルシウムを添加することで難燃性としながら、これを粉砕してからパルス通電焼結法によって成形焼結し、得られた焼結体を押出し加工や引き抜き加工などによって永久変形させる塑性加工することで、高強度及び高延性化している。なお、AZ91系やAZ31系等のマグネシウム合金は日本工業規格(JIS)や米国材料試験協会(ASTM)によって規格化されたマグネシウム合金である。例えばAZ91系は鋳造用マグネシウム合金であり、その基本的組成はアルミニウム8.5〜9.5重量%、亜鉛0.45〜0.9重量%、マンガン0.17〜0.40重量%、残部がマグネシウムからなる。
特開2002−256370号公報 特開2008−81842号公報
しかしながら、特許文献1では極めて高価な希土類元素を添加しているので、材料コストが嵩む。また、急冷凝固アトマイズ法といった特殊且つ高度な技術を使用しなければならない。特許文献2でも、粉砕、焼結、塑性加工という工程を経て製造しなければならず、製造工程が煩雑である。
しかも、特許文献1や特許文献2ではある程度の延性は有するが、比較的多量に異種金属を添加していることで粗大金属間化合物が晶出ないし析出する。そのため、結晶粒界において破壊が進展し易くなり、高い延性までは得られていない。具体的には、特許文献1では破断伸びが4%程度しかなく、特許文献2ではAZ91系のマグネシウム合金を用いた場合の伸び率は7.5%程度しかない。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであり、高価な希土類元素を含有せず、良好な機械的強度と共に優れた延性を有する、製造が容易なマグネシウム合金を提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明のマグネシウム合金は、ケイ素(Si)0.1〜0.7重量%と、亜鉛(Zn)0.3〜0.7重量%と、マンガン(Mn)0.3〜0.7重量%とを含み、残部がマグネシウム(Mg)となっている。このような組成であれば、引張強さが120MPa以上であり、且つ破断伸びが10%以上であるマグネシウム合金を得ることができる。
また、本発明のマグネシウム合金は、上記組成とすることで、高強度化や高延性化のための工程として鋳造以外の工程を経ずに容易に製造することができる。但し、積極的な高強度化や高延性化のための工程でなければ、所定の基本形状に鋳造した後の最終形状への仕上げ加工として、切削加工や研削加工等の機械加工、圧延加工、又は鍛造などの後処理を行うことを否定するものではない。
本発明によれば、マグネシウムに添加する異種金属の濃度を必要最低限に抑えることで金属間化合物の生成をできるだけ抑制し、破壊の起点を可能な限り少なくすることで、良好な機械的強度を担保しながら優れた延性を有するマグネシウム合金を容易に得ることができる。また、本発明のマグネシウム合金では、ケイ素添加時に析出する粒界析出物が、例えばAE42系マグネシウム合金などにおけるニッケル(Ni)や銅(Cu)に由来する粒界析出物に比べてマグネシウムとの電位差が小さいため、耐食性も高くなる。
試料1〜5の引張強さ及び破断伸び結果である。 試料6〜7の引張強さ及び破断伸び結果である。 試料8〜9の引張強さ及び破断伸び結果ある。
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明のマグネシウム合金は、適量のケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、及びマンガン(Mn)を含み、残部がマグネシウム(Mg)となっている。なお、マグネシウム合金中には極微量の不可避的不純物も含まれる。
ケイ素は、微細な金属間化合物であるマグネシウムシリサイド(MgSi)として合金中に分散している。当該マグネシウムシリサイドはマグネシウムに対する固体溶解度が非常に低く、主として合金の機械的強度増大に寄与する。
亜鉛は、マグネシウム合金中において金属間化合物(MgZn化合物)の状態で存在し、当該金属間化合物が結晶粒界の滑りを防止することで、主として延性に寄与する。
マンガンも、主として機械的強度の向上に寄与する。しかも、ケイ素と併用することで、その相乗効果により効率良く機械的強度を向上することができる。すなわち、マンガンを少量添加することで、ケイ素の添加量を抑えながらマグネシウム合金の機械的強度を効率良く向上することができる。
マグネシウムへの各異種金属の添加量は、ケイ素を0.1〜1.0重量%、亜鉛を0.3〜0.7重量%、マンガンを0.3〜0.7重量%とする。各異種金属の添加量がこの範囲より少ないと、添加金属による作用効果が得られず、強度及び延性が低下する。一方、各異種金属の添加量が上記範囲より多いと、合金が脆化して強度が低下すると共に、延性も低下する。各異種金属の添加量が上記範囲であれば、常温(室温)において、引張強さが120MPa以上という良好な機械的強度を得ながら、破断伸びが10%以上という優れた延性を得ることができる。
マグネシウムへの各異種金属の添加量は、好ましくはケイ素を0.3〜0.7重量%、亜鉛を0.3〜0.7重量%、マンガンを0.3〜0.7重量%とする。この範囲であれば、常温(室温)において、引張強さが140MPa以上に向上するばかりか、破断伸びが15%以上というより優れた延性を得ることができる。
このようなマグネシウム合金は、従来から最も一般的な鋳造によって得ることができる。すなわち、電気炉等において溶融したマグネシウムにケイ素、亜鉛、マンガンを添加した溶湯を、所定形状の型に鋳込むことで製造できる。鋳造方法としては、金型や砂型を用いた重力式鋳造、加圧式鋳造のいずれでもよい。なお、本発明のマグネシウム合金は、積極的な高強度化や高延性化のための処理工程として、鋳造以外の処理工程は不要である。上記組成とするだけで、高強度化と高延性化を実現できるからである。積極的な高強度化や高延性化のための工程でなければ、所定の基本形状に鋳造した後、最終形状への仕上げ加工として、切削加工や研削加工等の機械加工、圧延加工、又は鍛造などの後処理を行うことはある。
本発明のマグネシウム合金は、自動車、航空機、列車などの動力駆動する車両の構造部材として好適に使用することができる。特に、エンジンブロックやトランスミッションケース等の内燃機関用部材として好適に使用できる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
各金属を表1に示す組成で配合した試料1〜9と、比較例1として99.9%の純マグネシウムと、比較例2としてダイカスト用マグネシウム合金であるAZ91を、鋳造により製造した。詳しくは、電気炉において750℃で溶解したマグネシウムに、マンガン、亜鉛、ケイ素を所定量添加した溶湯を十分に攪拌し、5分間沈静した。その後、10分間アルゴンガスにてバブリングし、15分間沈静後にインゴット形状に注湯した。
Figure 0005699722
得られた各試料及び比較例について、引張り強度と破断伸びを測定した。その結果を図1〜3に示す。なお、図1〜3において、棒グラフは引張強さを示し、◆は破断伸びを示す。
図1の結果から、純マグネシウム(比較例1)では、機械的強度と延性の双方が低かった。一方、従来からあるAZ91(比較例2)では強度は良好であったが、やはり延性は低かった。これに対し、図1〜3における試料1〜9の結果から、ケイ素含有量が0.1〜1.0重量%であり、亜鉛含有量が0.3〜0.7重量%であり、且つマンガン含有量が0.3〜0.7重量%であれば、引張強さが120MPa以上で、破断伸びが10%以上のマグネシウム合金を得られることがわかった。さらに、ケイ素含有量を0.3〜0.7重量%、亜鉛含有量を0.3〜0.7重量%、且つマンガン含有量を0.3〜0.7重量%とすると、引張強さが140MPa以上で、破断伸びが15%以上というより優れた延性を有するマグネシウム合金を得られることがわかった。特に、ケイ素含有量が0.5重量%、亜鉛含有量が0.5重量%、且つマンガン含有量が0.5重量%であれば、引張強さが160MPa以上で、破断伸びが20%以上という極めて優れた延性を有するマグネシウム合金を得られた。

Claims (2)

  1. ケイ素0.1〜0.7重量%と、亜鉛0.3〜0.7重量%と、マンガン0.3〜0.7重量%とを含み、残部がマグネシウムであるマグネシウム合金。
  2. 引張強さが120MPa以上であり、破断伸びが10%以上である、請求項1に記載のマグネシウム合金。
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