JP5676325B2 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、患者の顎運動をシミュレートする技術に関し、特に総合企画された装置、方法、プログラムに関する診断機器としての技術に関する。

従来より、患者の歯列を矯正する際に、コンピュータシステムを用いて矯正治療の方針を決定するシステムがある。例えば特許文献1に記載の技術によれば、患者の歯列の三次元画像を用いて、矯正終了後の歯列を予想できたり具体的には、歯列の三次元画像において、様々な方法で歯を移動させることができる。また、予想される歯列に基づいて、歯科医師は、矯正治療の方針を決定することもできるプログラムを有している。

一方で、歯並びのみならず、噛み合わせにも着目して矯正方針を決定する技術が開発されている。例えば特許文献2の記載技術によれば、コンピュータシステムにツインホビー咬合器の機能を用いて(他のバーチャル咬合器にも活用できる)実現することにより、患者の歯列の三次元画像を用いて、各個人のバーチャル・咬合器が再現でき、患者の歯列が正しく咬合するかを判断することができる。

特開2010−506692号公報 特開2007−37687号公報

歯の噛み合わせの異常は、例えば顎内障のような疾病につながる。したがって、特許文献1に記載の発明のように歯並びが美しくなるように歯牙配列を修整するのみならず、特許文献2に記載の発明のように理想的な歯の噛み合わせが得られるように、全歯牙の歯列弓並びに歯牙配列の修整を行うことが好ましい。一方で特許文献2に記載の発明は、ツインホビー咬合器の機能をコンピュータシステムを用いて実現するものである。しかしながら患者の顎運動は複雑であり、ツインホビー咬合器で完全に再現することはできない。

本発明は、患者の顎運動をコンピュータ上で再現することを目的とする。

本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
患者の上顎及び下顎を表す三次元モデルを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記上顎を表す三次元モデルと前記取得手段により取得された前記下顎を表す三次元モデルとの間の偏心運動を導出する導出手段と、
を備え、
前記導出手段は、前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の前記上顎を表す三次元モデルとの接触滑走運動を、前記偏心運動として導出し、
前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の側方への前記偏心運動は、下式
ΔX=−B×δl −C×Θhl+ΔXwl
ΔY= C×γl −A×δl +ΔYwl
ΔZ= A×Θhl+B×γl +ΔZwl
δl=(ΔXcl−ΔXwl)/Lc=(Λcl×cosΩcl)/Lc
γl=tanΩcl×δl−(ΔXwl×tanΩcl+ΔZwl)/Lc
Θhl=(δl/Ai)×((Ci×tanΩcl−Ai−Lc×tanBe)×tanΦil−(Lc/2)×tanΩcl)
(上式において、ΔXwlは作業側顆頭中心の前方変位、ΔYwlは作業側顆頭中心の側方変位、ΔZwlは作業側顆頭中心の下方変位、ΔXclは非作業側顆頭中心の前方変位、Λclは側方顆路長、Ωclは矢状側方顆路傾斜角、Ai及びCiは切歯点の運動座標系における3次元座標、Lcは顆頭間距離、Beはベネット角、並びにΦilは前頭側方切歯路傾斜角を表し、(ΔX,ΔY,ΔZ)は下顎上の座標(A,B,C)にある点の三次元変位である)
に従って導出されることを特徴とする。

患者の顎運動をコンピュータ上で再現することができる。

実施例1及び2に係る情報処理装置の構成の一例を示す図。 実施例1に係る情報処理装置が行う処理の一例を示すフローチャート。 実施例3に係るコンピュータの構成の一例を示す図。 ITH下顎運動理論式を説明するための図。 アキシス平面と他平面の交わりを示す図。 Y軸方向から見たアキシス平面と他平面との交わりを示す図。 矢状面から見た樋状、顆頭の変位を示す図。 歯牙のスプリント誘導を示す図。 総合企画診断プロセスを示す図。 多次元定義を示す図。 アキシス平面と他平面の交わりを示す図。 矢状面から見た顆頭、樋状の変位を示す図。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。

以下に、本発明の実施例1に係る情報処理装置について説明する。本実施例によれば、情報処理装置上で顎運動を再現することができる。本実施例に係る情報処理装置は、バーチャル咬合器の機能を有するCAD・CAMシステムでありうる。従来技術において、咬合器の機能を情報処理装置上で再現するバーチャル咬合器は存在した。しかしながら、咬合器の機能自体だけで再現できる患者の顎運動は限られている。したがって、従来技術のバーチャル咬合器では、患者の顎運動を高い精度で再現し、診断の資料として利用することはできなかった。したがって、既存のバーチャル咬合器(CAD・CAM)で咬合状態を再現することは、歯科医療の診断資料としては不十分であった。

バーチャル咬合器は、各社様々な咬合平面を基準として製作をしている。そのために各個人情報をスキャンニング、CT等から、2D、3Dに変換しながら物理シュミレーションを活用して、チェック・バイト、ゴシックアーチ、パントグラフ(例えば、アキシオ・グラフ等)を採得して顆路角、切歯路角を定めて補綴、矯正、義歯等を製作するのが現状のバーチャル・咬合器である。今回のITH下顎運動理論式は、企画化された請求項にあるベネット運動の理論式、各種咬合平面における角度等を表にまとめてある。そこで、各種咬合平面における顆路角、切歯路角、樋状角度、ベネット角を設定してある。また、高山の下顎運動理論式の条件1である、臼歯部の再現において偏心運動の後方歯牙の前方の移動を基準値に沿って製作することで、顎内障を発現してしまった。その経緯から、後方運動の再現が重要であると仮定して今回のITH下顎運動理論式が完成できたのである。さらに、顎内障の再現過程から理論式を導出した。これら、全て、個人情報と平均値的な診断としてのエビデンスとの比較をすることで、顎顔面運動の再現が可能となる。また、咬合平面から、高山の理論式は、アキシス平面を基準として数値化されている。また、前方基準点も理論式に取り込まれる数値である。アキシス平面の黄金分割比から、70ミリとしたときの前方基準点を43ミリに定めている。各個人によって、顔面の高さ、つまり、咬合高径は、異なるので、例えば80ミリと計測されれば、前方の高さは、算出できる。つまり、各個人情報を2D、3Dに置換すれば、個人のバーチャル咬合器が再現できることになる。これも、同様なことであって今回の理論式の平均値との比較で過去、現在、未来の展望を見定めることで、結果が判断されて治療方針が決定される総合企画診断プロセスと言える。このプロセスを図9に示す。

従来の咬合器を用いた歯科診療においては、歯牙又は義歯は非常に審美的に作製され、患者に提供されることが求められた。特に健康保険適用外の材料を使用して作成される補綴物に関しては審美的であることが要求される。しかしながらこれらの歯牙又は義歯は、技工士による調整、例えばリマウントによる試行錯誤が必要であった。それにも関わらず口腔内に装着する際には歯科医師によって口腔内の調整が施工せざるを得ないことが、常であった。一方で本実施例に従って作製された歯牙又は義歯は、正確に口腔内に装着されうる。なぜなら、本実施例に係る情報処理装置は、患者の3軸6自由度の上下顎運動をより高い精度で再現することができ、さらに個々の歯牙の形態を考慮して顎運動を再現しうるからである。条件2の前歯部の数値を基準化すれば、審美的であって機能的な要素も包括されている。ただし、限界は、あるものの、その際に、顎矯正をすることから、動的、保定後の矯正完了後に最終の審美性を見極められる。さらには、義歯に必要なあらゆる材質に順ずる人工歯も製作が可能であり、個々人に適合させうる歯冠の形態も同様に製作可能である。ここでは通念として用いられる「審美的」との語を用いたが、これは醜いものを改善することを意味し、本来は、美しく綺麗になることを意味する「美容的」との語を用いるべきであることを付記する。

すなわち、
1.歯科治療の眞の診断となる基準は、全世界どこにも存在していない。
2.総合治療手段の真髄であるCAD・CAM機器には、情報伝達ソフト遺伝子の欠落がある。
3.エビデンス・ベースド・デンティストリー(眞の診断)とアルゴリズム(個人情報の調和)のいずれを選択するのか、両者合い見回ることにより、医療の場との頂点と基盤とを構築する。
4.個人情報を活用することは重要であるが、本来あるべき真理となるCADとして認識されるのであろうか。本発明者は永久歯の段階で将来の展望を予測してきて20数年間になる。
5.科学的な総合企画理論式「ITH下顎運動理論式」を活用して、歯科医師が誠の決断を下すための、治療のための結果決断から診断のためになる方法論を、本発明は全世界に提供する。

本実施例に係る情報処理装置は特に、顎運動プログラムを用いて、顎運動を再現しうる。例えば本実施例に係る情報処理装置は、顎運動プログラムが組み込まれたCADでありうる。本実施例に係る顎運動プログラムは、20年以上に亘って収集された臨床成績を解析した結果をもとにして、本発明者によって開発された。本実施例に係る顎運動プログラムは、理論式(方程式)の形で表現しうる。この理論式(ITH下顎運動理論式)は、高山下顎運動理論式(Hobo S, Takayama H: Oral Rehabilitation clinical determination of Occlusion, 1997. Quintessence Publishing Co, Inc., 咬合学, クインテッセンス社, 1995.)を再評価することにより構築された。また、このITH下顎運動理論式は、顎後方運動及び顎内障の発現過程を理論的に示す。

具体的には本発明者は、高山の下顎運動理論式における誤りを発見し、さらに後方運動領域における理論式を発見した。以下に修正点と修正理論式を提示していく。(1)Table.11 樋型調節性切歯指導板の側翼角の理論式から、水平側方切歯路角の投影角と実角を再現する算出式が存在しなかった。(2)Table.12 蝶番回転角の算出式の前方顆路角(誤Ωil→正Ωcp)と顆頭間距離(誤Lc、正 1/2Lc)代入に誤りが懸念された。(3)Table.13 咬頭路傾斜の算出式の蝶番回転角(誤Θtmp→正Θthp)が方程式に誤って代入されていることが発見された。(4)Table.17 樋状テーブルの切歯指導板にガイドされた咬合器の上顎フレームの蝶番回転角の算出式の顆路角(誤りΩcp→正Ωcl)が方程式に誤って代入されていることが発見された。

過去20年間にわたる臨床成績結果が功を奏していたのは、高山が計算式を導出する前の膨大な資料と作図とから咬合器の寸法値と顎頭頚部の平均値を算出した結果に誤りが無かったためであった。ITH多次元構想理論式原案によって、高山の顎内障発現過程による作図を活用して問題を解消できた。また、ツインホビー咬合器による後方運動分析によって、いわゆる早期接触部位が、後方運動にとって重要性であることが確認できた。顆路以外のどこかで衝立のごとく保持しているという推論から、後方運動の要因が後方歯牙に起因することを発見した。こうして、多次元構想によるエビデンス・ベースド・デンティストリーを確立した。ここでは、ITH下顎運動理論式の有効性とバーチャル咬合器の実現可能性を示す。各個人の評価ポイントとする数値を計測することで、各個人のいわゆるバーチャル咬合器の再現も可能であり、平均値としての評価と比較できる。また、データ管理のもとで多次元構想が実現できる。

本実施例において例として用いられる顎運動プログラムは、個人の顔の大きさや顎の形状・長さなどの個人に特有のパラメータにしたがって、個人にとって最も快適な咬合が行える平均的な顎運動を再現しうる。再現された平均的な顎運動と患者との比較を、実際に患者の歯牙の形状・顎の矯正等を行うことなく、この顎運動プログラムは、歯科医師に患者の状態を診断しうる情報を提供できる。言い換えれば、この顎運動プログラムは、患者の総合的な診断を支援しうる。また、本実施例に係る情報処理装置は、空間軸及び時間軸を含む、4次元の診断資料を提供しうる。すなわち本実施例に係る情報処理装置は、患者の顎の3次元画像を提供するのに加え、時間軸に沿った3軸6自由度の上下顎運動を再現して提供しうる。平均的な顎運動、臨床エビデンス、及び快適な咬合の関係について、例えば川添尭彬氏は、「臨床エビデンスと歯科補綴学」(補綴誌、第46巻、476頁、2002年)において、次のように述べている。「可能な限り適切な臨床エビデンス(平均値的なデータ)を用いながら、個性的な個々の患者において、害のない適切な臨床診断を行うには、平均値的な臨床エビデンスに加えて医師の深遠なフィロソフィーや経験、さらに、医療資源、患者の嗜好等への配慮をも統合する高次の医療判断技術が含まれている。

本実施例によれば、3軸6自由度の顎関節運動が再現できる。また、歯牙咬頭傾斜角と咬頭路斜面の状態と接触状態変化を再現できる。本実施例によれば、人体(個体も)の顎運動自体をPC内で再現できる。(既存の技術は、顎運動を患者の外部で再現する咬合器の動きをPC内で再現したもので、咬合器の動き自体には再現する限界が存在する。)また、以下に示すように、ITH顎運動理論が発見された。これらの特徴は、ITH下顎運動理論式が完成したことと、バーチャルで上顎、下顎歯列を再現する技術を応用することによって実現可能となる。本実施例によれば、PC内で、人体の顎運動の再現と合わせて咬合理論、診断理論などの顎運動を加えることで診断材料を歯科医師が受け取れる。(従来では、咬合器を使用して診断するための技術と知識が技術者に必要とされた。)

ITH下顎運動理論式は、3次元CT等による表記された寸法値を導出することで、各歯牙の咬頭傾斜面の形状を精確に作成可能である。つまり、各歯牙メーカーから販売されている人工歯を標準であるかの判定もできる。その違いをも精査できる特徴を兼ね備えている。

以下に本実施例に係る情報処理装置について説明するが、用いられうる情報処理装置は以下で説明するものに限られない。例えば、患者の3軸6自由度の上下顎運動をより高い精度で再現すること、本実施例に係る顎運動プログラム(CAD)を用いること、などの以下に説明する特徴を、既存のバーチャル咬合器の可動特性に合わせて適用してもよい。アキシス平面を基準とする計算からすべてのバーチャル咬合器に連動可能である。

また上述のような、3軸6自由度の顎運動を数値化して4次元までのシミュレーションを行うシステムは、歯牙咬頭傾斜角を再現することにより、上下歯牙の斜面の形状と接触状態の差異及び変化を構築できるシステムと、統合することもできる。例えばAutodesk(SoftImage)、3−Shape、カボデンタルシステム、セレック、プロセラ、セルコン、エンジェルクラウン、インセラム、ウワルセラム、エベレスト、Image Instruments、他日本のメーカーなどが販売している物理シミュレーションシステムと統合することができる。また、本実施例に係る情報処理装置は例えばサーバであってもよく、クライアント装置と通信回線で接続されうる。この場合、クライアント装置は、MRA、MAI、CT、スキャニングされた視覚映像等によって得られた画像を、本実施例に係る情報処理装置に送信することができる。また、本実施例に係る情報処理装置は、クライアント装置から送信された画像を用いて後述のような処理を行い、処理結果をクライアント装置に送信することもできる。

ここで図1(A)を参照して、本実施例に係る情報処理装置100について詳しく説明する。本実施例に係る情報処理装置100は、取得部110と、運動導出部120と、出力部130とを備える。

取得部110は、患者Xの上顎モデル及び下顎モデルをそれぞれ示す入力データ180を取得する。入力データ180は、三次元データでありうる。三次元データの取得方法としては、様々な方法を用いることができる。例えば、本実施例に係る情報処理装置が撮影手段(不図示)を備えてもよい。この撮影手段が患者の上顎及び下顎を撮影することにより、取得部110は、上顎モデル及び下顎モデルをそれぞれ示す三次元データを取得することができる。

この撮影手段は、直接三次元画像を撮影できてもよい。例えば、3M ESPEのC.O.S(チェアーサイド・オーラル・スキャナー)などを用いることができる。DICO(株)、スリーディ・システム・ジャパン、ニコン、コニカ・ミノルタ、Image Instruments、Exocadなど、他社製品機器も同様なものがある。顔面の3D写真も重要であって、Image Instrumentsのソフトも活用できる。一方でこの撮影手段は、二次元画像を撮影してもよい。この場合、撮影手段によって撮影された二次元画像は、周知の方法によって、三次元データへと変換される。この変換は、本実施例に係る情報処理装置が有する変換手段(不図示)が行ってもよい。またこの変換は、本実施例に係る情報処理装置とは独立の変換装置が行ってもよい。この二次元画像としては例えば、X線写真、セファロ、歯科用CT、歯列パノラマ写真、光学スキャンニング(これは現在14ミクロンの精度を有している装置(3−shapeの機器)などを用いることができる)などを用いることができるが、これらには限定されない。上顎モデル及び下顎モデルをそれぞれ示す三次元データへと変換されうる二次元画像であれば十分である。

取得部110は、上述の二次元データ又は三次元データを外部から取得してもよい。例えば、ユーザが、上述の二次元データ又は三次元データを取得部110へと入力してもよい。また取得部110は、上述の二次元データ又は三次元データを独立の装置から受信することにより取得してもよい。例えば、遠隔装置から、通信回線を通して、上述の二次元データ又は三次元データを受信してもよい。この遠隔装置とは、画像撮影機器であってもよいし、歯科医院に備えられたコンピュータであってもよい。

さらに、取得部110が取得する上顎モデル及び下顎モデルは、パラメータによって表されていてもよい。このパラメータは、患者X個人の上顎と下顎との少なくとも一方の構造を示すパラメータでありうる。例えば、Hobo S, Takayama H: Oral Rehabilitation clinical determination of Occlusion, 1997. Quintessence Publishing Co, Inc. で使用されているパラメータを、このパラメータとして用いることができる。取得部110は、上述の二次元データ又は三次元データから、このようなパラメータを算出してもよい。

運動導出部120は、取得部110が取得した上顎モデル及び下顎モデルをそれぞれ示す三次元データを用いて、上顎モデルと下顎モデルとの間の偏心運動を導出する。本実施例において運動導出部120が導出する偏心運動は、基準的な咬頭傾斜角に従う偏心運動であるかもしれない。電子的計測と運動学的解析から、臼歯離開の要因は、顆路・切歯路・咬頭傾斜角の3つから構成されていることが分かっている。咬頭傾斜角は、個人間でのばらつきが少ないことが分かっている。したがって、基準的な咬頭傾斜角に従う偏心運動は、個人間でばらつきの少ない、基準的な(理想的な)偏心運動であるといえる。上顎と下顎とが適正に咬合している場合、こうして導出された偏心運動において上顎と下顎とは正しく接触するものと考えられる。したがってこうして導出された偏心運動は、歯科医師に対する有益な診療情報となりうる。偏心運動とは、顎頭頚部の特に上顎骨体に対する、下顎歯列弓の前方、側方、後方への運動の総称である。ここで偏心運動には、咬頭嵌合位より後方、側方、あるいは前方への運動を含み、特に前方滑走運動及び側方滑走運動を含む。咬頭嵌合位とは、最大接触面積で上下歯牙が嵌合している際の位置を指す。側方運動は、作業側運動と非作業側運動に分類される。これは、1本ずつの上下歯牙の狭義的にも同様な運動としても表現される。顎機能時に使用される、咬頭嵌合位より後方、側方、あるいは前方へ変位した咬合位を偏心咬合位という。解剖学的には、咬頭頂から裂溝部あるいは頬舌側の辺縁隆線に至る咬頭斜面の傾きを咬頭傾斜といい、これと歯の長軸に垂直な平面とがなす角を咬頭傾斜角という。咬頭傾斜角を用いる理由としては、高山の理論式の誕生にまつわる臼歯離開量を再現するために、上梓しているように、顆路・切歯路・咬頭傾斜角の3要素を発見したことがある。このうち咬頭傾斜角は非常にバラツキが少なく、ブレのある顆路やバラツキのある切歯路に比べ約4倍の信頼度がある。つまり、咬頭傾斜角は歯牙の展開角度と考えられる。下顎運動理論式から顆路・前歯・臼歯の形態の再現が可能であって、前歯と臼歯を別個に再現することで臼歯離開量も再現できる。さらに、切歯指導板及び樋状テーブルの機能を再現しうるため、歯牙の角度的形態(咬頭傾斜角及び切歯路角)を再現することができる。咬合学カラーアトラス、及び英語版の著書のインビボ・インビトロの臨床知見において立証されている。

偏心運動を導出するための方法として、本実施例においては以下の理論式(1)を用いる。もちろん、他の手法、例えばアキシオグラフによる顎運動の採得、チェックバイト法、ゴツィック・アーチ法など、を用いて偏心運動を導出してもよい。本願において、以下の理論式(1)をITH下顎運動理論式と呼ぶ。ITH下顎運動理論式を用いることにより、3軸6自由度の顎運動を表現することができる。理論式(1)は、請求項に記載の上記説明した内容の新理論式も含めて、バーチャル咬合器ソフトの開発に必須な条件として大事である。以下で図4を用いて説明するように、3軸6自由度の顎運動は、(X,Y,Z)軸方向の並進運動、及び原点周りの回転運動(γ,δ,θ)として表現することができる。

本来、下顎は上記にある6つの移動である回転と滑走平行移動が同時に起こり、移動経路を解析するのは難しい。しかし、今解析の目的は、移動経路ではなく移動前後の変位が目的である。また、物体の位置の変位は動きの順序に全く影響を受けないので、6つの移動を独立に考えても問題はない。よって、今回は回転運動→滑走平行移動の順に考える。以上より運動の基本式は以下のようになる。(A,B,Cはそれぞれ移動前のX,Y,Z成分、ΔOx,ΔOy,ΔOzはそれぞれ滑走平行移動のX,Y,Z成分である。)

[ITH下顎運動理論式(1)]
ΔX=−B×δ−C×Θ+ΔOx
ΔY= C×γ+A×δ+ΔOy
ΔZ= A×Θ−B×γ+ΔOz

理論式(1)は、下顎の運動を表す理論式である。以下に、式(1)について説明する。下顎運動を解析するためにまず上顎に固定した座標系を前後方向をX軸(前+)、左右方向をY軸(右+)、上下方向をZ軸(下+)と設定する。3次元空間内の下顎の任意の点の変位は3次元の滑走平行移動と3次元の回転の6つの移動で表すことができる。

下顎の運動は前方運動と側方運動の大きく2つの運動に分けられ、所謂、適正な中心位から前方領域の運動と後方領域の運動の計4つに分類される。前方運動では顆頭間軸と正中面との交点を原点に、側方運動においては運動前の作業側の顆頭中心を原点とする。なお、側方運動は右側方運動と左側方運動があるが、これらは正中面で対称な運動をするので、右側方運動について解析する。X−Y平面内での回転角をδ(rad)、Y−Z平面内での回転角をγ(rad)、顆頭間軸を回転軸とした回転の回転角をθ(rad)とする。

このように、式(1)では、上顎に固定した基準座標系が用いられる。この座標系においては、前後方向がX軸、左右方向がY軸、上下方向がZ軸である。それぞれ、前、右、下を正方向とする。すなわち、X−Y面は水平面であり、Y−Z面は前頭面であり、Z−X面は矢状面である。

また、下顎の一点を運動座標系の原点Oとし、運動座標系の座標軸(x,y,z)は基準座標系の座標軸(X,Y,Z)に平行であるものとする。そして、下顎の並進運動及び回転運動を含む運動を行った後の原点Oの三次元変位を、(ΔOx,ΔOy,ΔOz)とする。また、下顎運動後の、運動座標系のy軸がX−Y面内でY軸となす角のラジアン表示(前から見て時計回りの向きを正)をδとする。同様に、y軸がY−Z面内でY軸となす角のラジアン表示(前から見て時計回りの向きを正)をγとする。さらに、回転δ及びγが行われたあとz−x面がy軸の周りに回転する角のラジアン表示(右からみて時計回りの向きを正)をΘとする。以上の定義については図4に示されている。

この場合に、運動座標系の位置(A,B,C)にある下顎上の任意の一点の基準座標系に対する三次元変位が、理論式(1)を用いて、(ΔX,ΔY,ΔZ)で表される。

この式はA,B,C,δ,γ,Θ,ΔOx,ΔOy,ΔOzの全てについて符号を考えなければならない煩雑さがあるが、前方領域や後方領域、前方運動や側方運動の全てを含めた、滑走平行移動と回転運動の6つの移動の全ての動きについてこの式で解析をする事ができ、以下に挙げる式の基となっている。

理論式(1)に基づいて、中心位咬合又は咬頭嵌合位よりも前方(前方運動領域)の顎の運動を表す前方運動理論式(1−1)と、咬頭嵌合位よりも後方(後方運動領域)の顎の運動を表す後方運動理論式(1−2)とが得られる。これら異なるそれぞれの式に従って、前方運動領域及び後方運動領域における顎運動を導出することができる。すなわち、前方運動理論式(1−1)に従って、患者Xの上顎モデル及び下顎モデル、又はこれらを表すパラメータから、前方運動領域における患者Xが実際に行っている顎運動、すなわち中心位咬合又は咬頭嵌合位から下顎歯列弓が前方に移動している様、を導出することができる(第2の計算方法)。同様に、後方運動理論式(1−2)に従って、患者Xの上顎モデル及び下顎モデル、又はこれらを表すパラメータから、後方運動領域における患者Xが実際に行っている顎運動、すなわち中心位咬合又は咬頭嵌合位から下顎歯列弓が後方に移動している様、を導出することができる(第1の計算方法)。

まず、前方運動理論式(1−1)(高山の運動理論式)について説明する。計算を簡単にするためにA,B,Cは移動前のX座標、Y座標、Z座標のそれぞれの絶対値、δ,γ,Θは回転角の大きさとして、この6つについてはすべて正の値を代入すればよいように符号を調整した式が以下の(1−1)式である。
[前方運動理論式(1−1)]
ΔX= B×δ−C×Θ+ΔOx
ΔY= C×γ+A×δ+ΔOy
ΔZ= A×Θ+B×γ+ΔOz

前方運動理論式(1−1)からは、前方運動を表す式(1−1−1)と、側方運動(右側方運動及び左側方運動)を表す式(1−1−2)とを導くことができる。以下の式において、
Ωcp:前方運動において顆頭間軸中点の運動軌跡が矢状面内で水平基準面となす傾斜角(左右の矢状前方顆路傾斜角の平均)
Λcp:平均前方顆路長(√((ΔXcp,ave)+(ΔZzp,ave)):三平方)
Δcl:側方顆路長(√(ΔXcl+ΔYcl+ΔZcl))
ΔXcp,ave:左右顆頭中心の前方変位の平均(顆頭間軸中点の前方変位)
ΔZcp,ave:左右顆頭中心の下方変位の平均(顆頭間軸中点の下方変位)
ΔXwl:作業側顆頭中心の前方変位
ΔYwl:作業側顆頭中心の側方変位(ただし右側方運動のときは右を正、左側方運動のときは左を正)
ΔZwl:作業側顆頭中心の下方変位
ΔXil:切歯点の前方変位
ΔYil:切歯点の側方変位(ただし右側方運動のときは右を正、左側方運動のときは左を正)
ΔZil:切歯点の下方変位
Ωcp=tan-1(ΔZcp,ave/ΔXcp,ave):前方運動において顆頭間軸中点の運動軌跡が矢状面内で水平基準面となす傾斜角(左右の矢状前方顆路傾斜角の平均)
Ωcl=tan-1(ΔZcl/ΔXcl):側方運動において非作業側の顆路が矢状面内で水平基準面となす傾斜角(矢状側方顆路傾斜角)
Be=tan-1(ΔYcl/ΔXcl):側方運動において非作業側の顆路が水平面内で矢状面となす傾斜角(ベネット角、または水平側方顆路角)
Ωip=tan-1(ΔZip/ΔXip):前方運動において切歯路が矢状面内で水平基準面となす傾斜角(矢状前方切歯路傾斜角)
Ωil=tan-1(ΔZil/ΔXil):側方運動において切歯路が矢状面内で水平基準面となす傾斜角(矢状側方切歯路傾斜角)
Φil=tan-1(ΔZil/ΔYil):側方運動において切歯路が前頭面内で水平基準面となす傾斜角(前頭側方切歯路傾斜角)
Ψil=tan-1(ΔYil/ΔXil):側方運動において切歯路が水平面内で矢状面となす角(水平側方切歯路角、またはゴツィック・アーチ角)
Θhp:前方運動における顆頭間軸(y軸)の回りの回転角のラジアン表示:前方運動におけるΘ(前方蝶番回転角)
Θhl:側方運動における顆頭間軸(y軸)の回りの回転角のラジアン表示:側方運動におけるΘ(側方蝶番回転角)
δl:側方運動における作業側顆頭中心を通り顆頭間軸と非作業側顆路とを含む面に垂直な軸の回りの回転角の水平面投影のラジアン表示:側方運動におけるδ(水平側方回転角)
γl:側方運動における作業側顆頭中心を通り顆頭間軸と非作業側顆路とを含む面に垂直な軸の回りの回転角の前頭面投影のラジアン表示:側方運動におけるγ(前頭側方回転角)
Lc:左右の顆頭中心C,C’間の距離:顆頭間軸C−C’の長さ(顆頭間距離)
(Ai,Bi,Ci):切歯点の運動座標系における3次元座標
を表す。また、前方運動式においては顆頭間軸と正中面との交点Mを運動座標系の原点とする。さらに、側方運動式においては作業側の顆頭中心C,C’を原点とする。これらの点については図4に示されている。

[前方運動における前方運動式(1−1−1)]
前方領域(前方運動理論式)での前方運動は顆頭間軸を回転軸としてその周りに回転する蝶番回転運動とX軸,Z軸方向にプラスの平行移動の運動である。前方運動では、左右の変位はないとみなすためΔY=0とおいて解析を進める。よって基本式においてδ=0,γ=0,δOy=0と置くことと同値である。また、Θは口が開く方向を+と設定すると、以下のようになる。
ΔX=−C×Θhp+ΔOx
ΔY=0
ΔZ= A×Θhp+ΔOz

滑走平行移動のΔOx,ΔOzは顆頭の平行移動のX,Y成分であるから、ΔOx=cosΩcp×Λcp,ΔOz=sinΩcp×Λcpとなる。(Λcp:顆路長)よって、前方運動の式は以下のようになる。
ΔX= cosΩcp×Λcp−C×Θhp
ΔZ= sinΩcp×Λcp+A×Θhp

また、
tanΩip=ΔZip/ΔXip
よりΘhpを求めると、
Θhp=((tanΩip−tanΩcp)×cosΩcp×Λcp)/(Ci×tanΩip+Ai)
と求まる。

[前方運動における側方運動式(1−1−2)]
側方運動は作業側の顆頭中心を中心としたX−Y平面の回転運動、Y−Z平面の回転運動と蝶番回転運動の3次元の回転運動と、顆頭の3次元の滑走平行移動(ΔXwl,ΔYwl,ΔZwl)の運動であり、下記のように表せる。
ΔX= B×δl −C×Θhl +ΔXwl
ΔY= C×γl +A×δl +ΔYwl
ΔZ= A×Θhl +B×γl +ΔZwl

この式に作業側、非作業側の顆頭中心の座標を代入してδl,γlについて解くと、
δl=(ΔXcl−ΔXwl)/Lc=(Λcl×cosΩcl)/Lc
γl=(ΔZcl−ΔZwl)/Lc
となり、
tanΩcl=ΔZcl/ΔXcl
より、
γl=tanΩcl×δl+(ΔXwl×tanΩcl−ΔZwl)/Lc
また、
tanΦil=ΔZil/ΔYil
より、
Θhl=(δl/Ai)×((Ci×tanΩcl+Ai+Lc×tanBe)×tanΦil−(Lc/2)×tanΩcl)
が求まり、他に
ΔYwl=(Lc×δl+ΔXwl)×tanBe
が得られる。(ΔXwl,ΔZwlは測定により求める。測定できない場合は0として計算する。)

以上の式は1次近似を用いた近似式であるため、10−1mmまでは信頼できる値として求められる。さらに精度を上げるための2次微小の項は以下のようであり、これを1次近似の式に加えることで10−3mmまで求められるようになる。
ΔΔX=−A×((δl+Θh)/2)−C×δlγl/2
ΔΔY= B×((δl+γl)/2)+A×γlΘh−C×δlΘh
ΔΔZ=−C×((γl+Θh)/2)−A×δlγl/2

次に、後方運動理論式(1−2)について説明する。高山が発表した下顎運動の理論式は適正な中心位から前方の領域に移動する運動のみについて書かれているが、ITH下顎運動理論式は適正な中心位から後方の領域も含めた運動に対して解析が行うことができ、下顎が後方に移動する際に必要となる臼歯の傾斜角度を求められるようになった。以下に詳細を記す。

[後方運動理論式(1−2)]
ΔX=−B×δ−C×Θ+ΔOx
ΔY= C×γ−A×δ+ΔOy
ΔZ= A×Θ+B×γ+ΔOz
後方運動理論式(1−2)からも、前方運動を表す式(1−2−1)と、側方運動(右側方運動及び左側方運動)を表す式(1−2−2)とを導くことができる。

[後方運動における前方運動式(1−2−1)]
後方領域の前方運動は前方運動理論式の運動と比べると、蝶番回転運動は同じで口が開く方向が+と設定してあるが、滑走平行移動についてはX軸は−、Z軸は+の方向に動くので以下のようになる。
ΔX=−cosΩcp×Λcp−C×Θhp
ΔZ= sinΩcp×Λcp+A×Θhp
Θhp=((tanΩip−tanΩcp)×cosΩcp×Λcp)/(Ai−Ci×tanΩip)

[後方運動における側方運動式(1−2−2)]
後方運動は前方領域の運動と比べると、X−Y平面内での回転δが逆方向に回転する。そのため、Y軸に平行な滑走平行移動ΔYwlも前方運動理論式のそれとは逆の方向に移動すると考える。他の滑走平行移動の2つと回転の2つの動きは前方運動理論式と同じであるから前方運動理論式の式においてδl→−δl、ΔYwl→−ΔYwlに変換すればよい。よって以下のようになる。(前方領域と同じようにδl、γl、2次微小項も求めた。)

ΔX=−B×δl −C×Θhl+ΔXwl
ΔY= C×γl −A×δl +ΔYwl
ΔZ= A×Θhl+B×γl +ΔZwl
δl=(ΔXcl−ΔXwl)/Lc=(Λcl×cosΩcl)/Lc
γl=tanΩcl×δl−(ΔXwl×tanΩcl+ΔZwl)/Lc
Θhl=(δl/Ai)×((Ci×tanΩcl−Ai−Lc×tanBe)×tanΦil−(Lc/2)×tanΩcl)
ΔYwl=−(Lc×δl+ΔXwl)×tanBe
ΔΔX=−A×((δl+Θh)/2)+C×δlγl/2
ΔΔY= B×((δl+γl)/2)+A×γlΘh+C×δlΘh
ΔΔZ=−C×((γl+Θh)/2)+A×δlγl/2

後方運動理論式より算出した第1臼歯の変位・傾斜度は以下のようになる。
ΔX=−Bδ−CΘ
ΔZ=Cγ−Aδ+ΔYwl
ΔZ=Bγ+AΘ
Θhp=−9.244262507×10-3
ΔXmp=−1.558592329
ΔZmp=1.928362829
Ωmp=51.05324
Θhl=−0.0221825621
ΔXmw=0.4052117727
ΔYmw=−0.3822412627
ΔZmw=−0.3127691477
ΔXmnw=−0.5589696418
ΔYmnw=−0.3822412627
ΔZmnw=0.836297517
Φmw=29.69135211
Φmnw=51.00212093

[ベネット角算出について]
この算出法は以下のように、まずアキシス平面上で非作業側の顆頭の変位を算出し、それを他平面から見た座標に変換し、高山の理論式を用いてBe角を算出する。図5及び図6は、この算出方法を示す。まず基準となるアキシス平面で高山の理論式から非作業側の顆頭の座標を求める。

ΔXwl=Lc×δl
ΔYwl=ΔXwl×tanBe=Lc×δl×tanBe
ΔZwl=Lc×γ
より、
ΔXwl=2.29
ΔYwl=0.61
ΔZwl=1.92
が得られる(アキシス平面でのBe角は15°)。座標と図6からX軸とOAのなす角が約40°と求められ、各平面でのx’、Be角を求める式が以下のようになった。
x’=OAcos(40+α)
Be=tan-1(ΔYwl/x’)

これより各平面の値は以下のようになった。

以上示したように、運動導出部120はベネット運動の再現理論式に従って、ベネット運動を含む偏心運動を導出することができる。

[各基準咬合平面に対する顆路と樋状の傾斜に対する角度の違いについて]
咬合器には様々な基準平面を用いたものがあり、また、咬合器において樋状傾斜角度と顆路傾斜角度の差をマコーリス(McHorris)は、5°という値が臨床的に良いと報告している。これについて仮想の咬合器を想定して顆頭と樋状か移動した際の変位量を以下のようにして調べる。

この側翼角を求めるには、アキシス平面での側翼角の値から、アキシス平面での顆頭を原点とした樋状の位置を算出し、その値を各平面の座標に変換し、側翼角を高山の理論式に用いて算出した。高山の理論式から演算された臼歯部の側翼角と、臼歯部の咬頭路傾斜角は実際の条件1とは異なっている。これが、後方運動の条件となる。(条件3・4)

以上に示したITH下顎運動理論式は水平基準面をアキシス平面としていた。これを他平面に応用できるようにする。水平基準面が変わると、矢状面での全ての角度とX座標とZ座標に影響が生じる。矢状面での各角度においてはアキシス平面となす角αだけ引けばよい。X座標とZ座標についての変換法を以下に記す。

図11は、アキシス平面と他平面の交わりを示す。図11のように顆頭(C)をアキシス平面と他平面の原点、なす角をαと設定する。アキシス平面上での臼歯(M)、切歯(I)、樋状(G)のX,Z座標はそれぞれ(40,40)、(80,40)、(120,60)であるのでアキシス平面と直線CMとのなす角は45°、直線CIGとのなす角は26.5°と求められた。これより他平面上でのX,Z座標は以下のように求められる。
X’=40√2×cos(45+α)
Z’=40√2×sin(45+α)
X’=40√5×cos(26.5+α)
Z’=40√5×cos(26.5+α)
X’=60√5×cos(26.5+α)
X’=60√5×sin(26.5+α)

これより他平面の座標は以下のようになった。

今回はまず移動前後のアキシス平面での座標から他平面の座標にそれぞれ変換して顆路と樋状の変位を調べる。図7は、矢状面から見た樋状、顆頭の変位を示す。

図7のように下顎の切歯を原点、アキシス平面と他平面との交線が切歯点上にくるように設定した。C1は顆頭の移動前の位置、G1は樋状の移動前の位置であり、G1からX軸方向に−7.1mm、Z軸方向に−7.1mmだけ移動した点をG2とすると、顆頭はC1からX軸方向に−7.8mm、Z軸方向に−6.2mmだけ移動した(この点をC2とする)。ITH下顎運動理論式の他平面への応用より他平面での座標(X’c1 , Z’c1)、(X’g1 , Z’g1)は求まっている。また、X’c2、Z’c2、X’g2、Z’g2は以下のように求まる。
X’C2=X’C1−10×cos(40−α)
Z’C2=Z’C1−10×sin(40−α)
X’G2=X’G1−10×cos(45−α)
Z’G2=Z’G1−10×sin(45−α)
これより求まった数値は以下のような結果である。

これらからX’−X’、Z’−Z’の計算をすることで各基準平面での変位が求まり、以下のようになった。

これから下図の各平面のβについて求める。図12は、矢状面から見た顆頭、樋状の変位を示す。図12において、G’1はG2からZ軸に平行に、C2からX軸に平行に引いた線の交点である。G’2はG1からG2のZ成分と同じだけG’1から移動した点である。これよりβは以下のようにして求められる。

他平面についても同様に以下のようになる。

これより各平面で求まったβは以下のようになった。

[ITH下顎運動理論式を他平面に応用するにあたって]
ITH下顎運動理論式を他平面に用いるにあたって、矢状面の角度、ベネット角など、あらゆる角度について一度考慮して計算しなければならない。これを考慮しなかった場合と考慮した場合の計算結果を以下に記す。なお、顆頭、切歯、樋状の各平面でのX,Z座標は、上に示した通りである。(Y座標は基準平面が変わっても座標の数値は不変である。)また、矢状面角度は比較のためにアキシス平面に変換し直した。

平面が変わるとX,Z座標が変化し、Y座標は変化しないので各平面においての矢状面、前頭面、水平面角度、ベネット角など全ての値が変わる。各平面でITH下顎運動理論式を計算するにあたって、矢状面角度(Ωcp、Ωip、Ωgp、Ωcl)、前頭面角度(Φil)、ベネット角(Be)について各平面に合った数値で計算しなければならない。これまでの値はアキシス平面での値であった。他平面にもITH下顎運動理論式を活用するには以下の計算をし、それぞれの値を使わなければならない。

矢状面角度について、他平面での矢状面角度(Ω’)は、アキシス平面の矢状面角度(Ω)にアキシス平面とその平面がなす角αを足せばよい。前頭面角度について、前頭面側方切歯路傾斜度Φilを他平面に合った値に変換するには、まずアキシス平面での側方運動をした後の切歯の座標を求め、その値を他平面の座標に変換しΔZil、ΔYilを求め、その値から各平面でのΦilを求める。ベネット角については別に述べる。また、条件1、条件2の値は以下の通りである。

[アングル1級叢生の抜歯]
アングル1級叢生の抜歯、非抜歯症例からの論文からも述べられているように、仮にフランクフルト平面に対してのU1―L1の角度47°は、実際どのように関係しているかを以下に列挙していく。

ツインホビー咬合器のインサイザルポール・樋状テーブルの位置関係は、下顎切歯から40ミリ前方、垂直に20ミリ下方に再現されていて、顆路中心部から、垂線をおろした前方距離が120ミリである。高山の下顎運動理論式では、顔面間距離を80ミリに設定しているから、40ミリの中間を咬合器に再現する必要がある。実際のツインホビー咬合器の上弓と下弓の高さが、80ミリとすると前歯部・臼歯部を2分割にする手技のために模型を分割にするツインステージ法は、ピンデックスによる上下歯牙分割の高さが、足りない事から保母は、咬合器の上弓フレームを20ミリ上方にスライドさせている。運動理論式の計算には、問題が生じていない。つまり、顆路中心点の位置を切歯路から80ミリに規格した咬合器として製作されている。次に、前方基準点43ミリは、上顎右側中切歯の切端を再現しているので、2.15°下方に上顎咬合平面が再現される。但し、咬合平面は一般的に下顎歯列弓を基準としているので、オーバーバイト、オーバージェット平均3ミリの角度差も考慮する必要がある。上顎中切歯が下顎中切歯より3ミリ(理論式の顆路移動距離3ミリにも相当している。)前方は、83ミリのさいにおける角度が、2.07°である。前での本来の咬合平面として再現される下顎中切歯では、2.15°であるから、ほぼ約2.1°=(2°)の違いがある。つまり、切歯路部における角度は仮想咬合平面を7.37−2.07(2.15)=5.3°(5.22°)に算術された値になる。所謂、この値が、仮想咬合平面とすれば、各水平基準平面と言われている数値と約2°の値が後述する結果に対し、重要なポイントになっていく。

前項のExt郡においてフランクフルト平面に対しての切歯路角度は、46.85°=47°の範囲になっている。前での2°の差は、切歯路上で、フランクフルト平面で47°という結果から咬合平面の影響を受けないというアングルI級叢生の論文の結果から、2°減ずる数値45°が仮想咬合平面における角度になる。上記表の角度を見ると矛盾しているようであるがアングルI級のデータから実際の切歯路角度は、咬合平面の影響を受けないとことから、咬合器の角度の算術角度に誤りは、ないもののアキシス平面における高山の理論式からの数値計算を考慮すればなんら根拠が無いと判断される。さらに、咬合器の機種が変動しても咬合器上弓フレームのズレは、限りなくゼロに近い。マコーリスが論文で提唱している顆路角度と、切路角度の差5°は、臨床的に違和感の無いと言われる所以であろう。各種咬合平面の数値は、すべて、アキシス平面の数値と同様な結果をもたらすといえる。

次に、樋状、顆路角との差を120ミリ上弓の咬合器そのもののズレ角度の計算から約10ミリ仮想移動は、おおよそ、アキシス平面に対してフランクフルト平面との角度(7.35°)を、そのまま上弓フレームの顆路角上(40°)を同様に10ミリ移動していることになり、ほぼ平行に移動している。つまり、他の基準として再現される咬合平面についても算術する事にした。同様に、一般的に用いられている基準咬合平面(咬合学P.194 表8−5を参照)でも切歯路角には、ほとんど影響していないという結果になった。高山の下顎運動理論式の前方基準点3ミリ下方における角度が、約2°であること、仮想咬合平面の計算からフランクフルト平面に対する角度は、咬合平面の影響を受けないことで、切歯路角度が、47°であれば2°減じた値45°として再現できる。同様に、顆路角斜面において、樋状と咬合器上弓を180°逆転されて誘導されているので、切歯路角度を樋状角にスライドさせて、顆路上を同距離120ミリ移動していけば、顆路角度40°と樋状角度45°の差が5°である事は(マコーリスは臨床的に顆路角と切歯路角と差が、5°である事に臨床的に違和感のない咬合顎位と報告している)、全ての基準平面に対する角度をツインホビー・ゼロホビー咬合器等にトレースしても咬合平面の影響を一切受けずに再現される用に規格している。また、前での、5.3°であれ同様な仮想移動をしても同じ結果をもたらす。さらに、一般臨床では咬合器の誘導範囲は、10ミリを超えて歯牙を誘導しながら全顎歯列の調整をしている。しかも、切歯路角における角度は、咬合平面の影響を受けないと言う結果から、切歯路角において、上述の2.1°、おおよそ2°を減じてフランクフルト平面時の切歯路角として再評価できる。つまり、高山の下顎運動理論式の前方基準点3ミリ下方における角度が、約2°であること、仮想咬合平面の計算からフランクフルト平面に対する角度は、咬合平面の影響を受けないことで、切歯路角度が、47°であれば2°減じた値45°として再現できる。

高山の下顎運動理論式において明確に切歯路角度が45°であることを記述していない。つまり、下顎運動理論式から矢状面内における各々の基準数値を計算した値は、樋状切歯路角度46°(45°)、切歯路角度44°(43°+2°=45°)上顎前歯が3ミリ下方に修正されているため、顆路角度40.5°(40°)である(咬合学クインテンセンス出版者アペンデックスより演算した結果で、カッコ内の数値が、咬合器上の数値である)。高山の下顎運動理論頭頚部基本術式からの演算では、樋状角が、45°、顆路角度が、40°の際の切歯路角度は、43°であるが、前方基準点43ミリの3ミリを補正することで、45°に規定されるように咬合器が定められている。また、故高山博士は、物理学的に1°位の差は、ファジーであって曖昧さに相当すると発言していた。つまり、これこそツインホビー咬合器上で再現される角度となり、著者の20年以上の下顎運動理論式から導入されたツインホビー咬合器を用いることで、今回の切歯路角度45°を特定しても、良い臨床成積の効果をもたらしている所以であろう。

上梓のことから、切歯路角は、高山の下顎運動理論式からの演算を基準にして、水平面に対する各基準咬合平面の影響を受けていない結果となった。Class I叢生のプリアジャステッド装置による治療は、四本の小臼歯の抜歯、非抜歯に関わらず骨格系に変化を認めないことを示していた。しかしながら、抜歯群では上下顎の中切歯歯軸傾斜度がそれぞれ治療によって舌側傾斜した。Miyakeらの報告では、上下顎中切歯歯軸は、動的治療によって抜歯群、非抜歯群ともに変化は認められなかった。Miyakeらの抜歯群のU1 to FHは、治療前111.7°と本研究の抜歯群の116.77°に比較して小さい値であった。下顎中切歯は、治療前に94.61°であったが90.03°と4.58°減少しcondylar incisal angleが90°に近似した。McHorrisによれば、condylar incisal angleは90°が機能的に最も安定していると述べている。上下顎前歯歯軸はそれぞれ減少したものの、U1-L1 to FH(切歯路角)は治療によって変化しなかった。しかし、保定期に治療前の平均値に比較して4.5°増加し46.9°を示した。これはMcHorrisが述べるように機能的な要因によって一定の値をとったものと考えられる。顆路角と切歯路角の差が5°であることで、切歯路角度と各基準咬合平面に相関性をもたらし、McHorrisのデータから臨床的にも合致することが、決定づけられた結果に遭遇することになった(伊藤のツインホビー咬合器を活用した診断方法を参照)。

[顎内障の基本式について]
顎内症の歯牙の誘導については第2臼歯を1.5mm高くすると切歯は3mm前方に移動し、臼歯は3mm下方に移動する。これについて、第2臼歯を高くしたことによる下顎への(誘導の)影響について調べる。これにより、顎内症患者について第2臼歯を高くする方法で治療するときに何mm高くすればよいか目安がわかるようになる。以下の方法で理論式を導いた。

図8においては簡単の為に矢状面から見た上下の歯牙列を長方形で表した。(2)において上下の歯牙に幅1.5mmのスプリントを入れ、斜線部分を削ぎ取ったのが(3)である。(2)から(3)において下顎が第2臼歯を中心とした回転をし、切歯がもとの高さに戻る。臼歯−切歯間は40mmであるので(3)の切歯点において上下の歯牙のなす角θは
θ=tan-1(Z/40)=tan-1(1.5/40)=2.14°
と求まった。

これより第2臼歯を原点とした下顎の任意の点(X,Z)のこの回転による移動後の座標(X’,Z’)は以下のようにして求められる。
また、第2臼歯を1.5mm高くすると切歯は3mm前方に移動するので、求める式は以下のようになる
X’=X×cosθ−Z×sinθ+3
Z’=X×sinθ+Z×cosθ+1.5

これをもとにして、第2臼歯を1.5mm高くしたときの切歯と顆頭の移動後の座標を求めた結果は以下のようになる。

以上のように導出された式に対し、上述のように患者Xの上顎モデル及び下顎モデル、又はこれらを表すパラメータを適用することにより、患者Xが実際に行っている顎運動を導出することができる。例えば以上示したように、運動導出部120は、バーチャル咬合器再現の理論式及び顎内障の再現過程の理論式に従って偏心運動を導出することができる。POSTUROGRAFIAの機器類はこれらの問題を解決する糸口を示唆してくれた。POSTUGRAFIAは人間のバランスを支える複数の要素の関連性を診断したり、他にもRetinianas、感覚的な要因、眼球運動の要素 Propioceptivas、Oculomotrices等も考慮されている。人間がある一定の環境で自らの姿勢を維持する事が出来るのは、体の感覚受容器が外部の状況を察知するからであって、人間は外部の環境を理解する事が出来なければ姿勢を維持する事ができない。姿勢から眼球の運動Oculomotricidadは迷路前庭との関連性を見て、網膜の位置を決めたり、下半身では、頭部の前後・上下・左右の関係「exocaptore cefalicos」は、相互的に関連してきびす:足裏(踵:かかと)の位置等に関与している。

出力部130は、運動導出部120が導出した偏心運動を示す情報を出力データ190として出力する。出力部130の出力方法としては、様々な方法を採用することができる。たとえば出力部130は、上顎と下顎との間の偏心運動を示す動画を出力しうる。特に出力部130は、歯を接触させながらの前方運動又は側方運動を示す動画を出力してもよい。出力部130が出力する動画においては、前方運動領域での運動が示されていてもよいし、後方運動領域での運動が示されていてもよい。

出力部130が出力する情報は動画に限られず、運動導出部120が導出した偏心運動に従う静止画像を出力してもよい。また、出力部130が生成する画像は、二次元画像でもよいし、三次元画像であってもよい。出力部130は、様々な方法で画像データを出力しうる。例えば画像出力部130は、ディスプレイ(不図示)を介して画像データを表示しうる。また画像出力部130は、入出力装置(不図示)を介して記憶媒体に画像データを格納してもよい。さらに、取得部110がデータを外部の装置から取得している場合には、画像出力部130は、この外部の装置に対して画像データを送信してもよい。

さらには、出力部130が出力する情報は、運動導出部120が導出した偏心運動の性質を示すパラメータであってもよい。例えば、Hobo S, Takayama H: Oral Rehabilitation clinical determination of Occlusion, 1997. Quintessence Publishing Co, Inc. で使用されているパラメータを、このパラメータとして用いることができる。この場合、運動導出部120は顎運動(偏心運動)そのものを導出するのではなく、患者Xが実際に行っている顎運動を示すパラメータを導出してもよい。

次に図2を参照して、本実施例に係る情報処理装置100が行う処理について説明する。図2は、情報処理装置100が行う処理を示すフローチャートである。

ステップS210において取得部110は、上述のように入力データ180を取得する。ステップS220において運動導出部120は、上述のように上顎モデルと下顎モデルとの間の偏心運動を導出する。ステップS230において出力部130は、運動導出部120が導出した偏心運動を示す出力データ190を出力する。

[実施例1の変形例]
実施例1において運動導出部120は、患者Xの上顎モデル及び下顎モデルを用いて、上顎と下顎との間の偏心運動を導出した。しかしながら、患者Xの上顎モデル及び下顎モデルをそのまま用いる必要はない。例えば歯科医師のようなユーザは、上顎モデル及び下顎モデルに対して、変形などの操作を加えることもできる。この操作には、例えば歯の形状を変えること、及びそれぞれの歯を移動させることが含まれる。

この場合、ユーザによって操作が加えられた後の上顎モデル及び下顎モデルが、入力データ180として情報処理装置100に入力されてもよい。また、取得部110が、ユーザからの指示を受けて、取得した入力データ180が示す上顎モデル及び下顎モデルを修正してもよい。

以下に、本発明の実施例2に係る情報処理装置について説明する。実施例2に係る情報処理装置101は、上顎と下顎との間の偏心運動と、患者の任意の顎運動とを比較することができる。本実施例に係る情報処理装置を、図1(B)に示す。本実施例に係る情報処理装置101は実施例1に係る情報処理装置100と同様に、取得部110と、運動導出部120と、出力部130とを備える。本実施例に係る取得部110と運動導出部120とは、実施例1と同様に動作する。また出力部130は、比較部150の比較結果を出力する他は、実施例1と同様に動作する。このため、取得部110、運動導出部120、及び出力部130については説明を省略する。

本発明の実施例2に係る情報処理装置101は、再生部140を有していてもよい。再生部140は、取得部110が取得した上顎の三次元モデルと下顎の三次元モデルとを用いて、患者Xの上顎と下顎との間の偏心運動を再生でき、再現もできる。顎運動の構築再生は、様々な方法によって行うことができる。例えば再生部140は、取得部110を介して、患者Xの顎運動を撮像することによって得られた動画像を取得してもよい。この動画像を解析することにより、患者Xの実際の顎運動を導出することができる。導出した顎運動に従って上顎の三次元モデルと下顎の三次元モデルとを動かすことにより、患者Xの顎運動を再生することができる。

再生部140が再生・再現する偏心運動は、基準的な咬頭傾斜角に従う基準的な運動(基準運動)でありうる。例えば再生部140は、上述の前方運動理論式及び後方運動理論式に対して基準的な咬頭傾斜角を適用することにより、上顎と下顎との間の基準的な運動を再生・再現することができる。

前方運動領域と後方運動領域とでは、異なる咬頭傾斜面の咬頭傾斜角を適用することができ、こうして前方運動領域における運動又は後方運動領域における運動を算出することができる。また、前方運動を導出する際と、側方運動を導出する際とで、異なる咬頭傾斜角を適用することができる。さらには、側方運動において作業側と非作業側とで、異なる咬頭傾斜角を適用することができる。ここで作業側とは、臼歯部の奥歯で咀嚼している側を指し、作業側においては歯牙の咬頭傾斜面が滑走している。また、作業側の反対側を、非作業側と呼ぶ。顆路を中心とする左右側のうち固定されている歯列弓側を作業側と呼ぶこともできる。この場合反対側の顆路の移動側を非作業側と呼び、下顎歯列弓が非作業側から作業側に移動しているという様に言うことができる。適用する咬頭傾斜角は全ての歯(全ての臼歯)について同一である必要はなく、それぞれの歯ごとに固有の異なる咬頭傾斜角を適用することもできる。エビデンス・ベースド・デンティストリーからなる診断においては、平均的な要素を踏まえていることが重要である。このような科学的な根拠の裏打ちをもって、ITH下顎運動理論式は顎運動を導出することができる。

適用する咬頭傾斜角は、例えば平均値的な趣旨に基づいて決定することができる。例えば、複数人についての咬頭傾斜角の平均値を用いることができる。もちろん、患者の属性(性別、年齢など)ごとの平均値を用いることもできる。

適用できる咬頭傾斜角の一例を挙げると、例えば前方運動領域において、第一大臼歯の前方運動における矢状面の傾斜角は43°、側方運動における作業側の前頭面の傾斜角は25°、側方運動における非作業側の前頭面の傾斜角は34°でありうる。また、第二大臼歯の前方運動における矢状面の傾斜角は43°、側方運動における作業側の前頭面の傾斜角は25°、側方運動における非作業側の前頭面の傾斜角は35°でありうる。また、例えば後方運動領域において、上顎第二大臼歯の前方運動における矢状面の傾斜角は47°、側方運動における矢状面の傾斜角は40°でありうる。1歯の咬合面の形態もITH理論式からピンポイントに角度を算出できる。

再生部140が再生した偏心運動は、運動導出部120が導出した偏心運動と比較されるため、運動導出部120が導出した基準的な偏心運動に相当する、患者Xの顎の偏心運動を再生、再現することが好ましい。すなわち、運動導出部120が導出する偏心運動と、再生部140が再生する偏心運動とは、同種の運動であることが好ましい。同種の運動とは、例えば略同方向の運動でありうるし、略同領域での運動でありうる。たとえば、運動導出部120が前方運動領域での運動を導出するのならば、再生部140も前方運動領域での運動を再生することが好ましい。また、運動導出部120が側方運動を導出するのなら、再生部120も側方運動を再生、再現することが好ましい。

再生部140は、歯科医師のようなユーザから、上顎と下顎との間の運動に対する指示を取得してもよい。ユーザは、患者の顎運動を示す任意の指示を行うことができる。例えば再生部140は、取得部110が取得した上顎の三次元モデルと下顎の三次元モデルをユーザに対して表示してもよい。ユーザは表示された三次元モデルを見ながら、上顎と下顎との三次元モデルを自由に運動させることができる。こうしてユーザは、患者Xの上顎と下顎との間の偏心運動を再生することができる。ITH下顎運動理論式を用いて、各歯牙の咬頭傾斜面の角度を設定することができる。つまり、様々な顎運動に対しても、咬頭傾斜角度を設定することにより、より良い顎頭頚部の環境を再現できる。一方で以上のように再生された運動は、平均値的なデータに基づく基準的な運動における自由度を超越すると考えられる。これが、平均値が臨床エビデンスとなりうる所以である。1歯の咬合面の形態もITH理論式からピンポイントに角度を算出できる。

実施例2に係る情報処理装置101は、比較部150をさらに備える。比較部150は、運動導出部120が導出した偏心運動と、上顎と下顎との間の基準的な運動とを比較することができる。この基準的な運動は、例えばユーザによって、予め設定された偏心運動であってもよい。情報処理装置101が再生部140を備える場合には、この基準的な運動として、再生部140が再生・再現した偏心運動を用いてもよい。すなわち比較部150は、運動導出部120が導出した偏心運動と、再生部140が再生・再現した偏心運動とを比較してもよい。以下、比較部150が、運動導出部120が導出した偏心運動と、再生部140が再生・再現した偏心運動とを比較する場合について説明する。しかしながら、比較部150が、運動導出部120が導出した偏心運動と、予め設定された偏心運動とを比較する場合についても同様である。比較は様々な方法によって行うことができる。例えば、運動の移動距離を比較しても良いし、運動の向きを比較しても良い。この場合、運動が一致するか否かを比較結果としてもよいし、運動がどの程度異なるかを比較結果としてもよい。特に比較部150は、前方運動領域と後方運動領域とのそれぞれについて、運動導出部120が導出した偏心運動と、予め設定された偏心運動又は再生部140が再生・再現した偏心運動とを比較することが好ましい。さらに比較部150は、前方運動と側方運動とのそれぞれについて、運動導出部120が導出した偏心運動と、予め設定された偏心運動又は再生部140が再生・再現した偏心運動とを比較することが好ましい。

さらには、上下顎1本ずつの傾斜面に対する接触の状況を、下顎歯列弓自体が理論式にのっとって運動する時の被蓋している1歯ずつの接触部位の削除、あるいは築成の手順に基づいて運動を比較することもできる。例えば、運動導出部120が導出した偏心運動と、再生部140が再生した偏心運動とのそれぞれについて、それぞれの歯が接触しているか否かを判断する。運動に伴って歯は接触したり離れたりする。そこで、歯が接触していく順序、歯が離れていく順序、あるいはこの双方を判断しても良い。運動導出部120が導出した偏心運動と、再生部140が再生し再現した偏心運動との間で、この順序が一致しているのなら、順序が一致していることを示す情報を出力しうる。また、この順序が異なっているのなら、順序が異なっていることを示す情報を出力しうるし、どの歯について順序が異なっているのかを示す情報を出力してもよい。

上述のような歯の接触状態の評価は、実施例1に示したITH下顎運動理論式を利用することにより行うこともできる。また再生部140は、顎運動についての周知の比較手段を用いて、運動を比較してもよい。さらには比較部150は、運動導出部120が導出した偏心運動と、再生部140が再生した偏心運動との双方を、出力部130に出力させてもよい。この場合ユーザは、双方の偏心運動を比較することができる。

本実施例によれば、理論式に従う基準的な顎運動と、患者の顎運動とを、比較することができる。こうして、患者の顎運動と、基準的な顎運動との違いを判定することができる。本実施例によれば、各個人のデータからの情報と、エビデンスとしての平均値であらわされている基準値とを比較する事も可能である。また、平均値を基準値として用いることにより、各個人の本来あるべき正常な状況及び環境に、患者の歯牙を誘導するための評価情報を提供することができる。(参考文献:伊藤秀文、高山寿夫、噛み合わせの科学、第24巻、第1号、81頁、2004年)

[実施例2の変形例]
運動導出部120が顎運動そのものを導出するのではなく、患者Xが実際に行っている顎運動を示すパラメータを導出する場合、比較部150は、運動導出部120が導出したパラメータと、基準値とを比較してもよい。この基準値は、平均的な趣旨に基づいて予め決定されていてもよい。すなわち、臨床的に測定された複数人についての顎運動データから求められる、顎運動を示すパラメータの平均値を、この基準値として用いることができる。特にこの基準値は、基準的(平均的)な咬頭傾斜角に従う顎運動を示すパラメータであることが好ましい。もっともこの基準値は、理想的な運動を示すパラメータとして予めユーザによって決定された値であってもよい。

さらにはこの基準値は、患者の属性(性別、年齢など)に対応して設定された値であってもよい。例えばこの基準値は、患者の属性(性別、年齢など)ごとの、顎運動を示すパラメータの平均値であってもよい。この場合、取得部110は入力データ180の一部として患者の属性を取得してもよく、比較部150は取得部110が取得した患者の属性に対応する基準値を取得してもよい。

本変形例において比較部150は、この基準値を取得する。この基準値は、例えば再生部140に格納されていてもよい。すなわち再生部140は、平均的な顎運動を再生する代わりに、この平均的な顎運動を示すパラメータを比較部150に出力してもよい。もっとも比較部150は、この基準値をユーザから取得してもよい。

そして比較部150は、運動導出部120が導出したパラメータと、基準値との比較結果を出力する。例えば比較部150は、運動導出部120が導出したパラメータと基準値との差を出力してもよい。また比較部150は、運動導出部120が導出したパラメータと基準値との差を、所定の閾値と比較してもよい。この場合比較部150は、この差が所定の閾値よりも大きいか、あるいは所定の閾値よりも小さいすなわち差がほとんどないか、を示す情報を出力してもよい。

さらに比較部150は、運動導出部120が導出したパラメータが複数ある場合、それぞれのパラメータを対応する基準値と比較してもよい。この場合比較部150は、どのパラメータが基準値と乖離しているかを示す情報を出力してもよい。あるパラメータが基準値と乖離しているか否かは、パラメータと基準値との差を所定の閾値と比較することにより行うことができる。

実施例2と同様に比較部150は、前方運動領域と後方運動領域とのそれぞれについて、運動導出部120が導出したパラメータと基準値とを比較することが好ましい。さらに比較部150は、前方運動と側方運動とのそれぞれについて、運動導出部120が導出したパラメータと基準値とを比較することが好ましい。また、前方運動領域と後方運動領域とで異なる基準値が設定されていてもよいし、前方運動と側方運動とで異なる基準値が設定されていてもよい。さらには、側方運動において、作業側と非作業側とについて顎運動を示すパラメータが独立に求められてもよい。この場合、作業側と非作業側とについて異なる基準値が設定されていてもよく、それぞれのパラメータは対応する基準値と比較されてもよい。

比較することにより、過去・現在・未来の治療の方針を定める対策を包括しうる。こうして、請求項の理論式を総合企画されたプログラムをあらゆる他社のシステム機器に連動できる。また、4Dからひとつずつ条件を加えることで次元の拡大を可能にできる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムが実現できる。多次元定義を図10に示す。すなわち、4Dの構想は、ITH顎運動理論式も基準にして各患者の個人データを解析して現在の咬合を再現する。5Dは、過去・現在・未来の経時的変化を再現し、機能性としての判断が総合的にできる。6Dは、現在の状況が過去においてどのような経過でもって進行しているかの原因を特定する事と、現在から将来(未来)の予防方法を適確に診断する。7Dは、原因の特定、予防方法から治療方法に至り、結果の予測をする。8Dは、その結果予測から、患者自身の五感である感覚受容器への伝達のための対策である。ここで、治療のための診断対策が取り入れられて治療方針が位置づけられる。3−Shapeの医療に使用されている機器が存在しているが、今回のものは、歯科の感覚受容器としての範疇である。

言い換えれば本実施例に記載の技術に従えば、過去・現在・未来の前記偏心運動の経時的変化を再現する5次元の機能と、過去において状況がどのように進行して現在に至ったのか原因を特定して現在から将来への予防方法を診断する6次元の機能と、前記原因の特定及び前記予防方法に従って治療方法を提示し該治療方法による結果の予測を行う7次元の機能と、該結果の予測に従って患者自身の五感である感覚受容器への伝達方法を提示する8次元の機能と、を実現しうる。このような機能は、上に示したようなITH総合企画顎顔面運動理論式によって、またはこの理論式を含むプログラムによって実現しうる。

高山の下顎運動理論式の再評価をすることで、誤りを提示することができ後方運動の理論式を考察し、ITH下顎運動理論式を導出することができた。今後、一般歯科、矯正歯科分野等で、咬合器に上下顎歯列模型を装着して診断する方法と、顎頭頚部領域を含めたコンピュータによる画像システム(3D・4D)により、治療のための手順が分かりやすく説明できる。さらなるエビデンス・ベースド・メディスンの確立に貢献することになればと考える。近年の全世界各社のCAD・CAM機器は、スキャンニング等の精度は、工業界の寸法数値に限りなく近づいてきた。

最近世界各国でCAD・CAMの機械が工業製品から医療界に進出し、現在、企業の矛先は(歯科医と技工士に対して向けられているが)量産体制を見越した機器類に変貌している。某大手の補綴の製作工程をみても、一貫性のある治療方式を理解させようとしているように見えて、歯科医と技工士の匠に頼らざるを得ない。寸法精度はかなり良くなり、シロナ(モリタ販売)「DEREC AC」は、Biogenericと言う精確な測定原理に基づいて、個々の歯の状態を一瞬にして計量的分析から咬合面の形態を再現する(短波長青色LED)。他社のCAD・CAMである「3 Shape Dental System」、3Mの「COS(チェアサイド、オーラル、スキャナー)」も最新機器としての高精度管理は、抜群である。但し、一般歯科医が修復物の治療をしてしまった経緯は、説明どころか、診断すらもできていない。つまり、究極の診断がないのである。診断と治療は、一体性のある統合的概念であるべきである。

一般の歯科治療は、試行錯誤法に準じて執り行われているのが現状である。歯科医と患者は、エビデンスに則り同じレベルで対等な関係でなくてはいけない。科学的な根拠と数十年の臨床知見、患者の知識レベルの同意のもとで、診断と治療には一体性をもたせるべきである。

以下に、本発明の実施例3に係る情報処理装置について説明する。本実施例においては、上述の各実施例に係る処理を、コンピュータにより行わせる。図3は、本実施例に係るコンピュータ500を示す。コンピュータ500は、CPU510と、RAM520と、ROM530と、記憶装置540と、I/F(ネットワークインタフェース)550と、入力装置560と、出力装置570とを備える。もっとも、これらの要素の全てをコンピュータ500が備える必要はない。またコンピュータ500は、図示されない他の要素を備えてもよい。本実施例に係るコンピュータ500は、家庭用のパーソナルコンピュータであってもよいし、テレビ画像を表示するテレビであってもよいし、iPad(登録商標)のようなタブレット型パソコンであってもよいし、サーバであってもよい。

CPU510は、コンピュータ500全体の動作を制御する。CPU510は、RAM520又はROM530に格納されているプログラムに従って動作しうる。RAM520は、データ及びプログラムを一時的に格納することができる。ROM530は不揮発メモリであり、例えばコンピュータ500を動作させるために必要なプログラムを格納することができる。記憶装置540は、データ及びプログラムを格納する装置でありうる。また記憶装置540からは、格納されたデータ及びプログラムを読み出す装置でありうる。記憶装置540には例えば、ハードディスク、CDドライブ、DVDドライブなどが含まれる。

I/F550は、本実施例に係るコンピュータ500をネットワーク580に接続するためのインタフェースである。I/F550を介して本実施例に係るコンピュータ500は、ネットワーク580にアクセスすることができる。さらにI/F550及びネットワーク580を介して、本実施例に係るコンピュータ500は、他の装置との間でデータを送信及び受信することができる。

入力装置560は、ユーザがコンピュータ500に対して指示を与えるための装置である。入力装置560には例えば、キーボード及びマウスが含まれる。出力装置570は、ユーザに対してコンピュータ500が情報を提示するための装置である。出力装置570には、ディスプレイ及びプリンタが含まれる。

上述の各実施例に係る処理をこのコンピュータ500に行わせるためには、上述の各実施例の機能をコンピュータプログラムにより表現し、このコンピュータプログラムをコンピュータ500に実行させればよい。具体的にはこのコンピュータプログラムは、記憶装置540を介して、又はI/F550を介して、RAM520へとロードされる。例えばCD−ROMのような記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMドライブである記憶装置540を介して、ハードディスクである記憶装置540へとインストールされうる。また、ネットワーク580上のコンピュータプログラムは、I/F550を介して、ハードディスクである記憶装置540へとインストールされうる。そして、ハードディスクである記憶装置540上のコンピュータプログラムは、RAM520へとロードされうる。CPU510は、RAM520へとロードされたコンピュータプログラムに従って、コンピュータ500を制御しうる。

以上のように、上述の各実施例の機能を実現するコンピュータプログラムを用いて、上述の各実施例の処理を行うことができる。また、このコンピュータプログラムを格納する、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体を、コンピュータ500にセットすることにより、上述の各実施例の処理を行うことができる。したがって、コンピュータが読み取り可能なこのような記憶媒体もまた、本発明の範疇に含まれる。

Claims (10)

  1. 患者の上顎及び下顎を表す三次元モデルを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記上顎を表す三次元モデルと前記取得手段により取得された前記下顎を表す三次元モデルとの間の偏心運動を導出する導出手段と、
    を備え、
    前記導出手段は、前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の前記上顎を表す三次元モデルとの接触滑走運動を、前記偏心運動として導出し、
    前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の側方への前記偏心運動は、下式
    ΔX=−B×δl −C×Θhl+ΔXwl
    ΔY= C×γl −A×δl +ΔYwl
    ΔZ= A×Θhl+B×γl +ΔZwl
    δl=(ΔXcl−ΔXwl)/Lc=(Λcl×cosΩcl)/Lc
    γl=tanΩcl×δl−(ΔXwl×tanΩcl+ΔZwl)/Lc
    Θhl=(δl/Ai)×((Ci×tanΩcl−Ai−Lc×tanBe)×tanΦil−(Lc/2)×tanΩcl)
    (上式において、ΔXwlは作業側顆頭中心の前方変位、ΔYwlは作業側顆頭中心の側方変位、ΔZwlは作業側顆頭中心の下方変位、ΔXclは非作業側顆頭中心の前方変位、Λclは側方顆路長、Ωclは矢状側方顆路傾斜角、Ai及びCiは切歯点の運動座標系における3次元座標、Lcは顆頭間距離、Beはベネット角、並びにΦilは前頭側方切歯路傾斜角を表し、(ΔX,ΔY,ΔZ)は下顎上の座標(A,B,C)にある点の三次元変位である)
    に従って導出されることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記導出手段は、第1の計算方法を用いて前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の前記偏心運動を導出し、前記第1の計算方法とは異なる第2の計算方法を用いて前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも前方にある場合の前記偏心運動を導出することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記導出手段は、前記上顎を表す三次元モデルと前記下顎を表す三次元モデルとの少なくとも一方に対する変形指示を受け取り、当該変形指示に従う変形後の前記上顎を表す三次元モデルと前記下顎を表す三次元モデルとの間の偏心運動を導出し、当該導出された前記偏心運動のパラメータを基準値と比較することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の前記偏心運動の導出は、下式
    ΔX=−B×δ−C×Θ+ΔOx
    ΔY= C×γ−A×δ+ΔOy
    ΔZ= A×Θ+B×γ+ΔOz
    (上式において、(ΔOx,ΔOy,ΔOz)は下顎の一点を運動座標系(x,y,z)の原点Oとする場合の下顎運動後の原点Oの三次元変位であり、δは該下顎運動後に運動座標系のy軸がX−Y面内でY軸となす角のラジアン表示であり、γは該下顎運動後にy軸がY−Z面内でY軸となす角のラジアン表示γであり、Θは回転δ及びγが行われたあとz−x面がy軸の周りに回転する角のラジアン表示であり、(ΔX,ΔY,ΔZ)は下顎上の座標(A,B,C)にある点の三次元変位である)
    に基づいて行われることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記導出手段は、ベネット運動の再現理論式に従ってベネット運動を含む前記偏心運動を導出することを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記導出手段は、バーチャル咬合器再現の理論式及び顎内障の再現過程の理論式に従って前記偏心運動を導出することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 過去・現在・未来の前記偏心運動の経時的変化を再現する5次元の機能と、過去において状況がどのように進行して現在に至ったのか原因を特定して現在から将来への予防方法を診断する6次元の機能と、前記原因の特定及び前記予防方法に従って治療方法を提示し該治療方法による結果の予測を行う7次元の機能と、該結果の予測に従って患者自身の五感である感覚受容器への伝達方法を提示する8次元の機能と、を実現することを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
  8. 情報処理装置が行う情報処理方法であって、
    患者の上顎及び下顎を表す三次元モデルを取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得された前記上顎を表す三次元モデルと前記取得工程で取得された前記下顎を表す三次元モデルとの間の偏心運動を導出する導出工程と、
    を含み、
    前記導出工程では、前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の前記上顎を表す三次元モデルとの接触滑走運動を、前記偏心運動として導出し、
    前記下顎を表す三次元モデルが咬頭嵌合位よりも後方にある場合の側方への前記偏心運動は、下式
    ΔX=−B×δl −C×Θhl+ΔXwl
    ΔY= C×γl −A×δl +ΔYwl
    ΔZ= A×Θhl+B×γl +ΔZwl
    δl=(ΔXcl−ΔXwl)/Lc=(Λcl×cosΩcl)/Lc
    γl=tanΩcl×δl−(ΔXwl×tanΩcl+ΔZwl)/Lc
    Θhl=(δl/Ai)×((Ci×tanΩcl−Ai−Lc×tanBe)×tanΦil−(Lc/2)×tanΩcl)
    (上式において、ΔXwlは作業側顆頭中心の前方変位、ΔYwlは作業側顆頭中心の側方変位、ΔZwlは作業側顆頭中心の下方変位、ΔXclは非作業側顆頭中心の前方変位、Λclは側方顆路長、Ωclは矢状側方顆路傾斜角、Ai及びCiは切歯点の運動座標系における3次元座標、Lcは顆頭間距離、Beはベネット角、並びにΦilは前頭側方切歯路傾斜角を表し、(ΔX,ΔY,ΔZ)は下顎上の座標(A,B,C)にある点の三次元変位である)
    に従って導出されることを特徴とする情報処理方法。
  9. コンピュータを、請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
  10. ITH総合企画顎顔面運動理論式を包括することを特徴とする、請求項9に記載のプログラム。
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