JP5672196B2 - 電気部品、非水電解質電池およびそれに用いるリード線及び封入容器 - Google Patents

電気部品、非水電解質電池およびそれに用いるリード線及び封入容器 Download PDF

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Description

本発明は、小型電子機器の電源等として用いられる電気部品及び非水電解質電池、並びにこれらを構成する部材であるリード線及び封入容器に関するものである。
電子機器の小型化、軽量化に伴って、これらの機器に使用される電池、コンデンサなどの電気部品についても小型化、軽量化が求められている。このため、例えば、袋体を封入容器として用い、その内部に非水電解質(電解液)、正極、及び負極を封入してなる非水電解質電池が採用されている。非水電解質としてはLiPF、LiBFなどのフッ素を含有するリチウム塩をプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどに溶解した電解液が使用されている。
封入容器には電解液やガスの透過、外部からの水分の浸入を防止する性質が求められる。このため、アルミニウム箔などの金属層を樹脂で被覆したラミネートフィルムが封入容器の材料として用いられ、2枚のラミネートフィルムの端部を熱融着して封入容器を形成する。
封入容器の一端は開口部とし、この内部には非水電解質、正極板、負極板、セパレータ等を封入する。さらに正極板及び負極板にその一端が接続されたリード導体を封入容器の内部から外部へ延びるように配置して、最後に開口部をヒートシール(熱融着)することで封入容器の開口部を閉じると共に、封入容器とリード導体とを接着して開口部を封止する。この最後に熱融着される部分をシール部と呼ぶ。
このとき、封入容器とリード導体とは熱融着層を介して接着(熱融着)される。熱融着層はあらかじめリード導体のシール部に対応する部分に設けておくか、又は封入容器のシール部に対応する部分に設けておくことで封入容器の金属層とリード導体との間に介在させる。ヒートシール時に熱融着層の流動性が高いと、封入容器とリード導体との接着力を高めることができる。しかし熱融着時に流動しすぎると、金属層とリード導体とが短絡してしまう。このことから、シール部には金属層とリード導体との短絡を発生させることなく、接着性、シール性(密封性)を維持できるという特性が求められる。
特許文献1にはこのような非水電解質電池に用いる電池用封入袋及びリード線が開示されている。リード導体の導体直上にマレイン酸変性ポリオレフィン層を設けて熱融着層とすることで、シール部の密封性を高めることができると記載されている。
特許第3562129号公報 特開2009−99527号公報
シール部においては封入容器とリード導体との接着性、密封性が必要とされるが、封止直後の接着性が充分であっても、時間が経過すると徐々に接着力が低下し、金属層またはリード導体との界面で剥がれが生じるという問題がある。これは時間の経過と共にシール部分から水分が透過し、封入容器の内部に封入された電解質と水との反応でフッ化水素酸が発生してリード導体(金属)が腐食することに起因する。特に自動車用途に用いられる電気部品では長期にわたって使用できる必要があり、熱融着部分の耐電解液性をさらに向上することが課題となっている。特に負極のリード導体として用いるニッケルやニッケルメッキ層との界面での剥がれが生じやすく、耐電解液性の改善が求められている。
耐電解液性を改善するために、特許文献2では表面がニッケルであるリード導体の表面および側面にアミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物およびリン化合物の複合皮膜層を形成した電池タブが開示されている。複合皮膜層を形成することにより電解質と水分により発生するフッ化水素酸によるニッケル層の腐食を防止し、ニッケル層の溶出を防ぐことができると記載されている。しかしこの方法では重金属であるクロムを使用するため、環境面で好ましくない。
本発明はこのような問題に鑑み、初期状態及び電解液との接触状態での接着性、密封性を高めることができる電気部品、非水電解質電池、及びそれらに用いるリード線、封入容器を提供することを課題とする。
本発明は、金属層を有する封入容器と、前記封入容器の内部から外部に延びるリード導体とを有し、前記封入容器と前記リード導体とがシール部で熱融着されてなる電気部品であって、前記シール部の少なくとも一部において、前記金属層と前記リード導体との間であって前記リード導体と接する部分に、スルホニル基又はスルホ基を有する熱融着層を有することを特徴とする電気部品である封入容器とリード導体とは熱融着層を介して熱融着される。熱融着層がスルホニル基又はスルホ基を有することで耐電解液性が向上する。
前記熱融着層として、スルホニル基又はスルホ基を有するオレフィン系モノマーを共重合モノマーとした共重合体が好ましく使用できる例えばイソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体が好ましいこのような熱融着層は靱性に優れており割れにくい。またスルホニル基又はスルホ基を有するオレフィン系モノマーの共重合割合を任意に変更することで、共重合体中のスルホニル基又はスルホ基量を調整することができる。これらの共重合体は単独で使用しても良いが、シール部の接着性を向上するためには酸変性ポリオレフィン樹脂と組み合わせて使用することが好ましい。
酸変性ポリオレフィンは金属との密着性及び耐熱性に優れているため、スルホン化処理した酸変性ポリオレフィンを熱融着層として用いると耐電解液性に加えて導体との密着性、耐熱性が優れ好ましいスルホン化処理によって、酸変性ポリオレフィンにスルホニル基(SO)又はスルホ基(SOH)が導入される。蛍光X線分析によって熱融着層に含まれる硫黄含有量を定量することで、スルホニル基又はスルホ基の導入量を分析可能である。熱融着層に含まれる硫黄含有量は0.1重量%以上2重量%以下が好ましい硫黄含有量が0.1重量%未満であると充分な耐電解液性向上効果が得られない。また硫黄含有量が2重量%を超えると、初期の導体との接着力が低下する。
さらに本発明は、金属層を有する封入容器、前記封入容器の内部から外部に延びるリード導体、並びに、前記封入容器の内部に封入された非水電解質及び前記封入容器の内部に封入され、前記リード導体の端部に接続される電極を有し、前記封入容器と前記リード導体とがシール部で熱融着されてなる非水電解質電池であって、前記シール部の少なくとも一部において、前記金属層と前記リード導体との間であって前記リード導体と接する部分に、スルホニル基又はスルホ基を有する熱融着層を有する非水電解質電池を提供するこのような構成の非水電解質電池はシール部の接着性、密封性が高く、さらに耐電解液性が高いので、使用状態で時間が経過しても接着性、密封性を維持することができる。
また本発明は、上記電気部品、又は非水電解質電池に用いられるリード線であって、リード導体と、前記リード導体の少なくとも前記シール部に対応する部分を被覆し、前記リード導体と接する熱融着層とを有し、該熱融着層がスルホニル基又はスルホ基を有するリード線を提供する
リード導体のシール部に対応する部分とは、リード導体と封入容器(金属層)とが接着する部分である。この部分に対応するリード導体の片面又は両面を、スルホニル基又はスルホ基を有する熱融着層で被覆する。このような構成のリード線を用いることで、シール部の接着性、密封性が高く、さらに使用状態で時間が経過しても接着性、密封性を維持することができる電気部品及び非水電解質電池が得られる。リード導体がニッケル又はニッケルを表面にめっきした金属であると、特に耐電解液性向上効果が高くなる
また本発明は、上記電気部品、又は非水電解質電池に用いられる封入容器であって、金属層と、前記金属層の少なくとも前記シール部に対応する部分を被覆する熱融着層を有し、前記リード導体と接する部分において、前記熱融着層がスルホニル基又はスルホ基を有することを特徴とする封入容器を提供する
金属層のシール部に対応する部分とは、リード導体と封入容器(金属層)とが接着する部分である。封入容器は一般に、金属層と金属層の全面を被覆する樹脂層とからなるラミネートフィルムから形成される。シール部に対応する部分の樹脂層の表面に、スルホニル基又はスルホ基を有する熱融着層を設ける。もしくは、該樹脂層の全部又は一部を熱融着層とし、シール部に対応する部分の熱融着層を、スルホニル基又はスルホ基を有するものとする。例えば熱融着層のシール部に対応する部分をスルホン化することで、熱融着層にスルホニル基又はスルホ基を導入できる。このような構成の封入容器を用いることで、シール部の接着性、密封性が高く、さらに使用状態で時間が経過しても接着性、密封性を維持することができる電気部品及び非水電解質電池を得ることができる。
本発明によれば、初期状態及び電解液との接触状態での接着性、密封性を高めることができる電気部品、非水電解質電池、及びそれらに用いるリード線、封入容器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質電池の正面図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質電池の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係るリード線の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る封入容器の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る封入容器の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る封入容器の部分断面図である。
本発明の電気部品の構造について図を用いて説明する。図1はリチウムイオン電池などの非水電解質電池の一実施形態を模式的に表す正面図であり、図2は図1のA−A’部における部分断面図である。この非水電解質電池1は、略長方形の封入容器2と、封入容器2の内部から外部に延びるリード導体3を有している。
封入容器2は、図2に示されるように、金属層5と、金属層5を被覆する樹脂層6、樹脂層7とからなる3層のラミネートフィルム8からなる。金属層5はアルミニウム箔などの金属から形成される。封入容器の外側に位置する樹脂層6としては6,6−ナイロン、6−ナイロンなどのポリアミド樹脂や、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。また封入容器2の内部に位置する樹脂層7には非水電解質に溶解せず、また加熱して溶融する絶縁性樹脂を用いることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、酸変性スチレン系エラストマーが例示される。封入容器2は、2枚のラミネートフィルム8を重ね合わせて、リード導体が貫通する辺以外の3辺をヒートシールして作製する。封入容器の外周部では、2つの金属層5は樹脂層7を介して接着される。
シール部9において、リード導体3は熱融着層4を介して封入容器(ラミネートフィルム8)と接着(熱融着)される。熱融着層4はスルホニル基又はスルホ基を有する。特にリード導体3と接する表面にスルホニル基又はスルホ基を含有すると好ましい。
非水電解質電池の内部には、更に、リード導体の端部に接続された正極および負極集電体10、11、非水電解質13、並びにセパレータ12が封入される。
熱融着層4を構成する材料には、ヒートシール時の熱によって溶融して封入容器とリード導体とを接着可能な任意の樹脂を使用できる。たとえばポリオレフィン系樹脂、酸変性スチレン系エラストマーなどが使用できる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィンなどが例示される。特にマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等で変性されて接着性の官能基を持つ酸変性ポリオレフィンが好ましい。なかでも無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は金属との接着性、シール性にすぐれている。これらの樹脂をスルホン化処理することでスルホニル基又はスルホ基を導入する。スルホニル基又はスルホ基は、スルホン酸ナトリウムのような塩としても良い。
スルホン化処理は、樹脂を無水硫酸ガス(三酸化硫黄)に接触させる方法、フッ素及び亜硫酸の混合ガスに接触させる方法、二酸化硫黄ガスに接触させる方法等によって行うことができる。シート状の熱融着層を作製した後スルホン化処理を行っても良いし、スルホン化処理した樹脂を押出加工して熱融着層を作製しても良い。
スルホニル基又はスルホ基を有するオレフィン系モノマーを共重合モノマーとした共重合体を熱融着層として使用しても良い。例えばイソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとし、他のオレフィン系モノマーと共重合させた共重合体を熱融着層として使用できる。共重合体はブロックポリマー、ランダムポリマーどちらでも好ましく使用できる。イソプレンスルホン酸ナトリウムは水溶性の官能基であるため、イソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体(イソプレンスルホン酸ポリマー)は水溶性となる。このため、イソプレンスルホン酸ポリマーを水分散液とし、酸変性ポリオレフィンなどの表面(リード導体と接する面)にイソプレンスルホン酸ポリマー水分散液を塗布して使用することができる。あるいはイソプレンスルホン酸ポリマー水分散液をリード導体の表面に塗布、乾燥して熱融着層を形成しても良い。
熱融着層にはこれらの樹脂の他に、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、着色剤等の各種添加剤を混合することが可能である。これらの樹脂材料及び添加剤をオープンロール、加圧ニーダー、単軸混合機、2軸混合機などの既知の混合装置を用いて混合した後押出成形などによってフィルム状の熱融着層を作製する。熱融着層の厚みはリード導体の厚みに依存するが、30μm〜200μmが好ましい。
熱融着層は、加速電子線やγ線などの電離放射線の照射によって架橋して使用することもできる。架橋することで耐熱性を高めることができ、使用時の温度が上がった場合の接着力の低下や、リード導体と金属層との短絡を防止することができる。熱融着層全体を架橋しても良いし、熱融着層を多層構造とし、非架橋層と架橋した層とを積層しても良い。この場合スルホニル基又はスルホ基を有する熱融着層を非架橋層として導体と接する側に設けてその外側に架橋層を設けると、導体との密着力と耐熱性とを両立できて好ましい。
熱融着層4は、予めリード導体3のシール部に対応する部分を被覆するように設けても良い。このような構造のものをリード線と定義する。図3はリード線の概略断面図である。リード導体3の両面を熱融着層4が被覆している。熱融着層は多層構造としても良い。その場合、図3に示すように、リード線と接する部分を、スルホニル基又はスルホ基を有する熱融着層とし、その外側に他の樹脂からなる層15を設ける。なおリード線はタブリードと呼ばれることもある。
リード導体3としてはアルミニウム、ニッケル、銅、ニッケルめっき銅などの金属が使用される。リチウムイオン電池の場合は正極にはアルミニウム、負極にはニッケルまたはニッケルめっき銅が用いられることが多い。
熱融着層4は、予め封入容器側に設けても良い。この場合、ラミネートフィルムの少なくともシール部に対応する部分を熱融着層4で被覆する。このような封入容器としては、樹脂層7の内部に熱融着層4を設けた形態(図4)や、樹脂層7の全部を熱融着層4に置き換えた形態(図5)、及び絶縁樹脂層7の一部(シール部に対応する部分)を熱融着層4に置き換えた形態等(図6)が例示される。またリード導体と封入容器とをシール(熱融着)する際に、熱融着層をリード導体と封入容器の間に挟み込んでも良い。これらの場合でも、熱融着層を多層構造としても良く、スルホニル基又はスルホ基を有する樹脂からなる層がリード導体と接するように他の層を設ける。
この実施形態においては、リチウムイオン電池を例に説明したが、本発明の電気部品及び非水電解質電池はこの形状に限られない。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1〜3)
厚み50μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムを無水硫酸ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理した後、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して中和し、純水で洗浄して60℃で乾燥させて熱融着層を作製した。スルホン化処理時間を変えて3種類の熱融着層を作製した。それぞれの熱融着層の硫黄含有量を表1に示す。
負極用のリード導体として厚さ0.1mm、幅20mm、長さ40mmのニッケルめっき銅を準備した。作製した熱融着層をリード導体の両面に被覆した後、200℃で5秒プレスして接着し、リード線を作製した。
(初期接着力の評価)
作製したリード線を10mm幅に切断し、熱融着層とリード導体との接着力を180°剥離試験で測定した。なお引張速度は100mm/分とした。
(耐電解液性の評価)
エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、炭酸ジメチル(DMC)を1:1:1の体積比率で混合し、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/lとなるように溶解した電解液を準備した。この電解液に実施例1〜3のリード線を浸漬し、電解液の水分率が900〜1000ppmになるように調整して65℃の恒温槽内に4週間放置した後、絶縁フィルムとリード導体との剥がれがないかどうかを目視で観察した。
(比較例1)
熱融着層として厚み50μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルム(スルホン化処理していないもの)を用いたこと以外は実施例1〜3と同様にしてリード線を作製し、評価した。以上の結果を表1に示す。
Figure 0005672196
熱融着層をスルホン化処理した実施例1〜3は、初期接着力が高く、また電解液に4週間浸漬した後も剥がれ無く、耐電解液浸漬性が良好であった。これに対し、熱融着層をスルホン化処理せず、熱融着層にスルホニル基又はスルホ基が導入されていない(硫黄含有量が0%である)比較例1では、初期接着力は良好であるが電解液に浸漬してから約1週間で剥がれが生じた。
(実施例4)
イソプレンスルホン酸ポリマー水溶液(JSR(株)製ダイナフローCS1201:スルホン酸含量15%)に水を加えて固形分濃度を10質量%に調整した処理液を作製した。負極用のリード導体として厚さ0.1mm、幅20mm、長さ40mmのニッケルめっき銅を準備し、上記処理液に浸漬した後100℃で乾燥してリード導体表面に熱融着層を形成した。この熱融着層上に厚み100μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムを200℃で5秒プレスして接着し、リード線を作製した。作製したリード線について、実施例1〜3と同様に初期接着力、耐電解液性を評価した。
(実施例5)
イソプレンスルホン酸ポリマー水溶液(JSR(株)製ダイナフローCS1201:スルホン酸含量15%)に水を加えて固形分濃度を10質量%に調整した処理液を作製した。厚み100μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムの片面に上記処理液を塗布し、100℃で乾燥した。負極用のリード導体として厚さ0.1mm、幅20mm、長さ40mmのニッケルめっき銅を無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムの上記処理出来を塗布した面に重ね合わせ、200℃で5秒プレスして接着し、リード線を作製した。作製したリード線について実施例1〜3と同様に初期接着力、耐電解液性を評価した。
(実施例6)
イソプレンスルホン酸ポリマー水溶液(JSR(株)製ダイナフローCS1106:スルホン酸含量70%)に水を加えて固形分濃度を10質量%に調整した処理液を作製した。負極用のリード導体として厚さ0.1mm、幅20mm、長さ40mmのニッケルめっき銅を準備し、上記処理液に浸漬した後100℃で乾燥してリード導体表面に熱融着層を形成した。この熱融着層上に厚み100μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムを200℃で5秒プレスして接着し、リード線を作製した。作製したリード線について実施例1〜3と同様に初期接着力、耐電解液性を評価した。
(比較例2)
負極用のリード導体として厚さ0.1mm、幅20mm、長さ40mmのニッケルめっき銅を準備した。このリード導体と、厚み100μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルムとを200℃で5秒プレスして接着し、リード線を作製した。作製したリード線について実施例1〜3と同様に初期接着力、耐電解液性を評価した。以上の結果を表2に示す。
Figure 0005672196
イソプレンスルホン酸ポリマーからなる熱融着層を形成した実施例4〜6は、イソプレンスルホン酸ポリマー処理していない比較例2と比べると若干初期接着力が低いが、使用上充分な接着を有している。また電解液に4週間浸漬した後も剥がれ無く耐電解液浸漬性が良好であった。これに対し、イソプレンスルホン酸ポリマーを使用せず、熱融着層にスルホニル基又はスルホ基が導入されていない比較例2では、初期接着力は良好であるが電解液に浸漬してから約1週間で剥がれが生じた。
1 非水電解質電池
2 封入容器
3 リード導体
4 熱融着層
5 金属層
6 樹脂層
7 樹脂層
8 ラミネートフィルム
9 シール部
10 正極集電体
11 負極集電体
12 セパレータ
13 非水電解質
15 他の樹脂層

Claims (5)

  1. 金属層を有する封入容器と、前記封入容器の内部から外部に延びるリード導体とを有し、前記封入容器と前記リード導体とがシール部で熱融着されてなる電気部品であって、
    前記シール部の少なくとも一部において、前記金属層と前記リード導体との間であって前記リード導体と接する部分に熱融着層を有し、熱融着層がイソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体、又は硫黄含有量が0.1重量%以上2重量%以下となるようにスルホン化処理した酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする、電気部品。
  2. 金属層を有する封入容器、前記封入容器の内部から外部に延びるリード導体、並びに、前記封入容器の内部に封入された非水電解質及び前記封入容器の内部に封入され、前記リード導体の端部に接続される電極を有し、前記封入容器と前記リード導体とがシール部で熱融着されてなる非水電解質電池であって、
    前記シール部の少なくとも一部において、前記金属層と前記リード導体との間であって前記リード導体と接する部分に熱融着層を有し、熱融着層がイソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体、又は硫黄含有量が0.1重量%以上2重量%以下となるようにスルホン化処理した酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする、非水電解質電池。
  3. 請求項1に記載の電気部品、又は請求項2に記載の非水電解質電池に用いられるリード線であって、
    リード導体と、前記リード導体の少なくとも前記シール部に対応する部分を被覆し、前記リード導体と接する熱融着層とを有し、該熱融着層がイソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体、又は硫黄含有量が0.1重量%以上2重量%以下となるようにスルホン化処理した酸変性ポリオレフィンであることを特徴とするリード線。
  4. 前記リード導体は、ニッケル又はニッケルを表面にめっきした金属からなる、請求項に記載のリード線。
  5. 請求項1に記載の電気部品、又は請求項3に記載の非水電解質電池に用いられる封入容器であって、
    金属層と、前記金属層の少なくとも前記シール部に対応する部分を被覆する熱融着層を有し、前記リード導体と接する部分において、前記熱融着層がイソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体、又は硫黄含有量が0.1重量%以上2重量%以下となるようにスルホン化処理した酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする、イソプレンスルホン酸ナトリウムを共重合モノマーとした共重合体からなることを特徴とする、封入容器。
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