以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係わる製本システム1の概略構成を説明するための概要図である。
図1に示すように、この製本システム1は、クライアント端末2と、親機である画像形成装置3と、製本装置4と、子機である複数の画像形成装置5A〜5M(以下、特定しない画像形成装置を単に画像形成装置5と称する。)とを備えている。
なお、クライアント端末2と、画像形成装置3と、複数の画像形成装置5とは、LAN(Local Area Network)などのネットワークNで通信可能に接続されている。
ここで、クライアント端末2は、製本データを画像形成装置3に送信して、画像形成装置3および製本装置4に製本に係る処理を行わせる情報処理装置である。
なお、ここでいう製本データとは、製本物の表紙部分と本体部分(表紙部分でくるまれる部分)に使用する記録用紙(記録媒体)を指定する種別情報(サイズ、秤量、材質などを示す情報)などを含むジョブ情報と、表紙部分に使用する記録用紙に印刷する画像(文字や図形など)の画像データ(以下、単に「表紙データ」という場合がある。)と、本体部分に使用する記録用紙に印刷する画像の画像データ(以下、単に「本体データ」という場合がある。)などから構成されている。
画像形成装置3は、製本装置4に連結され、クライアント端末2から受信した製本データに基づいて記録用紙に画像を印刷する印刷装置であり、具体的には、製本データのジョブ情報に基づき、本体部分への使用が指定された記録用紙(第1の記録媒体)を収容する用紙トレイ(用紙収容部)(不図示)、および、表紙部分への使用が指定された記録用紙(第2の記録媒体)を収容する用紙トレイ(用紙収容部)31にそれぞれ収容されている第1の記録媒体および第2の記録媒体に画像を印刷する印刷装置である。
即ち、画像形成装置3は、受信した製本データに含まれるジョブ情報を解析することにより、表紙部分に使用する記録用紙を特定し、その記録用紙に、表紙データで示される画像を印刷するとともに、本体部分に使用する記録用紙(少なくとも本体部分に使用する記録用紙の2倍以上の大きさの記録用紙)を特定し、その記録用紙に、本体データで示される画像を印刷する。
製本装置4は、画像形成装置3と連結され、画像形成装置3から、本体部分の画像が印刷された複数の記録用紙が供給され、供給された複数の記録用紙を束状に集積し、集積した記録用紙束(記録媒体束)(即ち、本体部分)に、糊付けなどの処理により表紙部分となる記録用紙を接合するなどの製本処理を行うことにより、冊子状の製本物を生産する装置である。
画像形成装置5は、画像形成装置3とは異なり、製本装置4とは連結されておらず、製本装置4と離れた箇所などに設置され、ネットワークNを介して受信した画像データに基づいて記録用紙に画像を印刷する印刷装置である。
図2は、クライアント端末2のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、クライアント端末2は、一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、CPU(Central Processing Unit)20と、このCPU20とバスラインBL1を介して接続されるROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスク装置)23、記憶媒体処理部24および通信インタフェース部25と、それらに電力を供給する電力供給部29とを備えている。
ここで、CPU20は、コンピュータ全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御する。ROM21またはHDD23は、コンピュータにおける各種処理を実行するための処理プログラムなどの各種ファイルを記憶する。RAM22は、入力データや表示データなどの作業中のデータを一時的に記憶したり、コンピュータの起動時にROM21またはHDD23から読み出された処理プログラムなどの各種ファイルを一時的に記憶する。
なお、HDD23には、後述の図9に示す機能的構成を実現するための処理プログラムP1などが記憶されている。
記憶媒体処理部24は、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)やDVD−RW(Digital Versatile Disc−Rewritable)などの外部記憶媒体に対する読み書き処理を行う。
通信インタフェース部25は、通信インタフェース回路(不図示)を有し、ネットワークNを介して接続される画像形成装置3や画像形成装置5などの他の機器との間で製本データなどの各種データの送受信を行う。
入力部26は、各種機能キーを含むキーボードやマウスなどを有し、それらキーボードおよびマウスからの操作信号を入力処理する。
表示部27は、ディスプレイなどを有し、そのディスプレイに、CPU20がプログラムに従うことによりトレイ一覧表示画面S1(図3参照)や表紙セット促し画面S2(図4参照)などの各種表示画面を表示する。
図3は、トレイ一覧表示画面S1の一構成例を説明するための図である。
図3に示すように、このトレイ一覧表示画面S1は、親機である画像形成装置3において製本装置4の所定位置Pに表紙部分となる記録用紙を供給できない障害が発生した場合に、後述の検索処理の結果に基づいて表示部27に表示される画面であり、ユーザが表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5を選択するための画面である。
なお、ここでいう所定位置Pとは、製本装置4が、製本物の本体部分となる記録用紙束に、前記製本物の表紙部分となる記録用紙を接合するなどの製本処理を行うことが可能な位置のことである。
また、このトレイ一覧表示画面S1では、ユーザは、入力部26のマウスやキーボードを用いて、カーソルを所望の画像形成装置に合わせ、選択確定ボタンアイコンを選択することにより、カーソルが指す画像形成装置(画像形成装置5Aまたは画像形成装置5Mなど)を、画像形成装置3の代わりに表紙部分を代理印刷する画像形成装置として指定することができるようになっている。
更に、このトレイ一覧表示画面S1では、ユーザが、キャンセルボタンアイコンを選択することにより、表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5の指定を行わないことも可能となっている。
なお、図3の例では、子機である複数の画像形成装置5A、・・・、画像形成装置5Mのうち、画像形成装置5Aおよび画像形成装置5Mが、画像形成装置3の代わりに表紙部分の代理印刷を行うことが可能な画像形成装置であり、且つ、ユーザが表紙部分に使用を所望する記録用紙、即ち、ジョブ情報に含まれる表紙部分に使用する記録用紙の種別に一致する種別の記録用紙を収納する用紙トレイ51を有する画像形成装置であることを示している。
また、図3の例では、画像形成装置5を識別する情報として、名称としての「画像形成装置5A」や「画像形成装置5M」を表示する場合を示しているが、これに限定されず、どの画像形成装置5であるかをユーザが認識できれば良く、型番や設置箇所などを表示するように構成することも可能である。
図4は、表紙セット促し画面S2の一構成例を説明するための図である。
図4に示すように、この表紙セット促し画面S2は、図3のトレイ一覧表示画面S1において、表紙部分を代理印刷する画像形成装置として選択指定された画像形成装置5が、表紙部分の印刷を終了した場合に、表示部27で表示される画面であり、ユーザに対して画像形成装置5で印刷された表紙部分となる記録用紙を製本装置4にセットすることを促すための画面である。
なお、この表紙セット促し画面S2では、「製本装置の手差しトレイに表紙をセットして下さい。」などの文字情報を表示することにより、ユーザに対して表紙部分となる記録用紙を製本装置4にセットすることを促すようになっている。
また、この表紙セット促し画面S2では、ユーザが、閉じるボタンアイコンを選択することにより、この表紙セット促し画面S2を閉じることが可能となっているが、これ以外にも、例えば、表示を開始してから一定時間経過した後に自動的に閉じたり、製本装置4で該当する製本処理が再開された場合に自動的に閉じるように構成することも可能である。
図2に戻って、スピーカ部28は、スピーカなどを有し、そのスピーカを用いて警告音や予め登録されている音声などを出力処理する。
電力供給部29は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電圧を各負荷部に必要な電力に変換して供給する。
図5は、画像形成装置3のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図5に示すように、画像形成装置3は、一般的に良く知られている印刷装置のハードウェア構成となっており、例えば、制御部31と、この制御部31とバスラインBL2を介して接続される操作表示部32、第1の通信インタフェース部33、第2の通信インタフェース部34およびエンジン部35と、それらに電力を供給する電力供給部36とを備えている。
ここで、制御部31は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク装置(HDD)などを有し、この画像形成装置3全体を制御するコンピュータである。
なお、CPUは、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御し、ROMは、画像形成装置3における各種処理を実行するための処理プログラムなどの各種ファイルを記憶し、RAMは、作業中のデータを一時的に記憶したり、画像形成装置3の起動時などにROMやHDDから読み出された処理プログラムなどを一時的に記憶したりする。
なお、ROMには、後述の図10に示す機能的構成を実現するための処理プログラムP2などが記憶されている。
操作表示部32は、タッチパネル式の表示部などで構成される操作パネルであり、表示部には、制御部31のCPUがプログラムに従うことによりエラー表示画面S3(図6参照)や、表紙セット促し/再開指示画面S4(図7参照)などの各種表示画面を表示する。
図6は、エラー表示画面S3の一構成例を説明するための図である。
図6に示すように、このエラー表示画面S3は、画像形成装置3において製本装置4の所定位置Pに表紙部分を供給できないジャムなどの障害が発生した場合に、操作表示部32に表示される画面であり、ユーザに対して画像形成装置3で表紙部分の印刷ができないことを通知するための画面である。
なお、このエラー表示画面S3では、「エラーが発生しました。ジャムにより、表紙の印刷ができません。」などの文字情報を表示することにより、ユーザに対して表紙部分の印刷ができないことを通知するようになっている。
図7は、表紙セット促し画面S4の一構成例を説明するための図である。
図7に示すように、この表紙セット促し/再開指示画面S4は、図3のトレイ一覧表示画面S1で選択された画像形成装置5において表紙部分の印刷が終了した場合に、操作表示部32で表示される画面であり、ユーザに対して表紙部分となる記録用紙を製本装置4にセットすることを促すとともに、製本装置4に対する製本処理の再開を指示することを促すための画面である。
なお、この表紙セット促し/再開指示画面S4では、表紙セット促し画面S2(図4参照)と同様に、「製本装置の手差しトレイに表紙をセットして下さい。」という文字情報を表示することにより、ユーザに対して表紙部分となる記録用紙を製本装置4にセットすることを促すとともに、「表紙給紙ボタンアイコン」と、「セットが終了しましたら、をタッチして下さい。」という文字情報とを表示することにより、ユーザに対して「表紙給紙ボタンアイコン」のタッチ操作を促すようになっている。
図5に戻って、第1の通信インタフェース部33は、通信インタフェース回路(不図示)を有し、ネットワークNを介して接続されるクライアント端末2や画像形成装置5などの他の機器との間で、製本データや表紙データなどの各種データの送受信を行う。
第2の通信インタフェース部34は、通信インタフェース回路(不図示)を有し、シリアル信号線(不図示)を介して接続される製本装置4との間で、製本指示信号や製本再開信号などの各種データの送受信を行う。
エンジン部35は、プリンタユニット351などを有している。このプリンタユニット351は、第1の通信インタフェース部33を介してクライアント端末2から受信した印刷データに基づき、記録用紙に画像を印刷するプリンタ機能を実現するためのユニットである。
なお、本実施形態では、エンジン部35は、プリンタユニット351のみを有する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、スキャナ機能を実現するためのスキャナユニットや、ファクシミリ通信機能を実現するためのファクシミリユニットなどを有する形態とすることも可能である。なお、前記した各種機能ユニットは、一般的に良く知られている周知のハードウェア構成を有している。
電力供給部36は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電圧を各負荷部に必要な電力に変換して供給する。
なお、画像形成装置5のハードウェア構成は、図5に示す画像形成装置3と略同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
図8は、製本装置4のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
図8に示すように、製本装置4は、一般的に良く知られている製本装置のハードウェア構成となっており、例えば、制御部41と、この制御部41とバスラインBL3を介して接続される通信インタフェース部42およびエンジン部43と、それらに電力を供給する電力供給部44とを備えている。
ここで、制御部41は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク装置(HDD)などを有し、この製本装置4全体を制御するコンピュータである。
なお、CPUは、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御し、ROMは、製本装置4における各種処理を実行するための処理プログラムなどの各種ファイルを記憶し、RAMは、作業中のデータを一時的に記憶したり、製本装置4の起動時などにROMやHDDから読み出された処理プログラムなどを一時的に記憶したりする。
なお、ROMには、後述の図11に示す機能的構成を実現するための処理プログラムP3などが記憶されている。
通信インタフェース部42は、通信インタフェース回路(不図示)を有し、シリアル信号線(不図示)を介して接続される画像形成装置3などの他の機器との間で製本指示信号や製本再開信号などの各種データの送受信を行う。
エンジン部43は、製本ユニット431などを有している。
この製本ユニット431は、通信インタフェース部42を介して画像形成装置3から製本指示信号または製本再開信号を受信した場合に、画像形成装置3から、本体部分の画像が印刷された複数の記録用紙が供給され、供給された複数の記録用紙を束状に集積し、集積した記録用紙束(本体部分)に、糊付けなどの処理により表紙部分となる記録用紙を接合するなどの製本処理を行うことにより、冊子状の製本物を生産する製本機能を実現するためのユニットである。
なお、本実施形態の製本装置4は、所定位置P(図1参照)に表紙部分となる記録用紙を供給する方法として、画像形成装置3から搬送ローラなどの所定の供給手段(不図示)を介して所定位置Pに供給する方法と、ユーザによって手差しトレイ41(図1参照)にセットされた表紙部分となる記録用紙を、手差しトレイ41と接続される所定位置Pに供給する方法とを採用している。
また、製本ユニット431は、製本処理に必要な各種機構部として、例えば、クランプ部、糊塗布部、断裁部、角背成形部、冊子搬送部および冊子収納部(いずれも不図示)などを有している。
ここで、クランプ部は、画像形成装置3から供給された複数の記録用紙(本体部分)を束状に集積し、一冊分の枚数に達した場合に、クランプ(固める)処理を実行するものである。
糊塗布部は、クランプ部でクランプ処理された記録用紙束の所定部分に糊を塗布するものである。
断裁部は、所定位置に供給された表紙部分となる記録用紙を、冊子の表紙として最適なサイズに断裁するものである。
角背成形部は、糊塗布部で糊が塗布された記録用紙束の所定部分に表紙部分となる記録用紙を貼り付けるものである。
冊子搬送部は、完成した冊子を、所定の搬送経路(不図示)を介して冊子収納部に排出するものである。
冊子収納部は、冊子搬送部を介して取得した冊子を集積するものである。
なお、前記した製本ユニットの各種機構部は、一般的に良く知られている周知のハードウェア構成を有している。
電力供給部44は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電圧を各負荷部に必要な電力に変換して供給する。
図9は、クライアント端末2の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図9に示すように、クライアント端末2は、後述の図14の処理手順を実行するための機能的構成として、製本データ送信部201、障害検知部202、検索部203、一覧表示部204、エラー通知部205、選択通知部206および表紙セット報知部207を含む製本指示処理部200を有している。
なお、この製本指示処理部200は、CPU20がHDD23に記憶されている処理プログラムP1を、RAM22上に展開して実行することにより実現されるものである。
製本データ送信部201は、クライアント端末2または他の情報処理装置(不図示)で作成された製本データを画像形成装置3に送信する。
障害検知部202は、画像形成装置3から送信される障害通知信号を受信することにより、画像形成装置3において製本装置4の所定位置Pに表示部分となる記録用紙を供給できないジャムなどの障害が発生したことを検知し、検索部203に障害を検知した旨を通知する。
検索部203は、障害検知部202から通知があった場合に、ネットワークN上の子機である複数の画像形成装置5A、・・・、画像形成装置5Mの中から、画像形成装置3の代わりに表紙部分の代理印刷することが可能な用紙トレイ、即ち、ユーザにより表紙部分の記録用紙として指定された種別の記録用紙を収容する用紙トレイを有している画像形成装置5を検索する。
より具体的には、検索部203は、一定時間経過毎などの所定のタイミングで、各画像形成装置5から、各画像形成装置5が有する用紙トレイ51に関するトレイ情報(即ち、収納している記録用紙の種別情報などを含む)を取得し、該取得したトレイ情報に該当する画像形成装置5の識別情報(ID)を対応付けたトレイ情報登録テーブル(不図示)などを、ROMやRAMなどの記憶手段で保持させる。
そして、検索部203は、障害検知部202から通知があった場合に、クライアント端末2から受信した製本データに含まれるジョブ情報から、表紙部分として指定された記録用紙の種別情報を取得し、該取得した種別情報と前記トレイ情報登録テーブル(不図示)とを用いて、表紙部分として指定された記録用紙と同一の記録用紙(例えば、サイズ、秤量、材質など全ての条件が一致する記録用紙)または略同一の記録用紙(例えば、サイズ、秤量、材質などの各種条件のうち少なくとも一つが一致する記録用紙)を収納する用紙トレイを有している画像形成装置5の識別情報を抽出し、一覧表示部204に出力する。なお、検索部203は、該当する画像形成装置5が抽出できなかった場合には、エラーである旨を通知するエラー信号を、エラー通知部205に出力する。
一覧表示部204は、検索部203から入力した識別情報に基づき、図3に示すトレイ一覧表示画面S1を表示部27に表示する。また、一覧表示部204は、ユーザにより選択された画像形成装置5の識別情報を選択通知部206に出力するとともに、キャンセルボタンアイコンが押下された場合に、エラーである旨を通知するエラー信号を、エラー通知部205に出力する。
エラー通知部205は、検索部203または一覧表示部204からエラー信号を入力した場合に、エラー表示を指示するためのエラー通知信号を、画像形成装置3に送信する。
選択通知部206は、一覧表示部204から識別情報を受信した場合に、当該識別情報を含み、その識別情報で特定される画像形成装置5に表紙部分の代理印刷を指示させるための選択通知信号を、画像形成装置3に送信する。
表紙セット報知部207は、表紙部分の代理印刷を行った画像形成装置5から表紙部分の印刷終了を通知する終了通知信号を受信した場合に、図4に示す表紙セット促し画面S2を表示部27に表示させる。
図10は、親機である画像形成装置3の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図10に示すように、画像形成装置3は、後述の図15および図16の処理手順を実行するための機能的構成として、製本データ受信部301、本体印刷部302、本体供給部303、表紙印刷部304、表紙供給部305、障害検出部306、障害通知部307、障害発生報知部308、表紙データ作成/送信部309、表紙セット報知部310および再開指示部311を含む印刷処理部300を有している。
なお、この印刷処理部300は、制御部31のCPUが、ROMに記憶されている処理プログラムP2を、RAM上に展開して実行することにより実現されるものである。
製本データ受信部301は、クライアント端末2から送信される製本データを受信する。
本体印刷部302は、製本データ受信部301で受信した製本データのジョブ情報に基づき、本体部分への使用が指定された記録用紙(第1の記録媒体)を収容する用紙トレイ(用紙収容部)(不図示)から、記録用紙(第1の記録媒体)を送り出して印字ヘッドなどの印字手段(不図示)が印字を実行する印字箇所に搬送するとともに、その搬送した記録用紙(第1の記録媒体)に印字手段を用いて本体部分の画像を印刷する印刷処理を行う。
本体供給部303は、本体印刷部302で画像が印刷された記録用紙(第1の記録媒体)を、製本装置4の所定位置(不図示)に供給する。
表紙印刷部304は、製本データ受信部301で受信した製本データのジョブ情報に基づき、表紙部分への使用が指定された記録用紙(第2の記録媒体)を収容する用紙トレイ(用紙収容部)31から、記録用紙(第2の記録媒体)を送り出して印字ヘッドなどの印字手段(不図示)が印字を実行する印字箇所に搬送するとともに、その搬送した記録用紙(第2の記録媒体)に印字手段を用いて表紙部分の画像を印刷する印刷処理を行う。
表紙供給部305は、表紙印刷部304で画像が印刷された記録用紙(第2の記録媒体)を、製本装置4の所定位置P(図1参照)に供給する。
障害検出部306は、表紙部分の印刷処理中に、製本装置4の所定位置Pに表紙部分となる記録用紙(第2の記録媒体)を供給することのできないジャムなどの障害が発生したことを検出するものであり、障害の発生を検出した場合に、障害が発生した旨を通知する発生信号を障害通知部305に出力する。
障害通知部307は、障害検出部305から発生信号を入力した場合に、クライアント端末2および製本装置4に対して障害が発生した旨を通知する障害通知信号を送信する。
障害発生報知部308は、クライアント端末2からエラー通知信号を受信した場合に、エラー表示画面S3(図6参照)を操作表示部32に表示させる。
表紙データ作成/送信部309は、クライアント端末2から選択通知信号を受信した場合に、製本データを表紙データと本体データとに分離し、分離した表紙データを選択通知信号で特定される画像形成装置5に送信する。
表紙セット報知部310は、表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5から表紙部分の印刷終了を通知する終了通知信号を受信した場合に、表紙セット促し/再開指示画面S4(図7参照)を操作表示部32に表示させる。
再開指示部311は、表紙セット促し/再開指示画面S4の表紙給紙ボタンアイコンが選択操作された場合に、製本装置4に対して製本処理の再開を指示する再開指示信号を送信する。
図11は、製本装置4の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図11に示すように、製本装置4は、後述の図17の処理手順を実行するための機能的構成として、再開指示受信部401および製本実行部402を含む製本処理部400を有している。
なお、この製本処理部400は、制御部41のCPUが、ROMに記憶されている処理プログラムP3を、RAM上に展開して実行することにより実現されるものである。
再開指示受信部401は、画像形成装置3から製本の再開を指示する再開指示信号を受信し、製本実行部402に出力する。
製本実行部402は、画像形成装置3から製本開始信号を入力した場合や、再開指示受信部401から再開指示信号を入力した場合に、画像形成装置3から供給された本体部分の記録用紙を1冊分の記録用紙束として集積(スタック)し、集積した記録用紙束に、所定位置に供給されている表紙部分となる記録用紙を、糊付けなどの所定の処理により接合することにより、冊子状に製本する製本処理を実行する。
図12は、子機である画像形成装置5の機能的構成を説明するためのブロック図である。
図12に示すように、画像形成装置5は、後述の図18の処理手順を実行するための機能的構成として、表紙データ受信部501、表紙印刷部502および印刷終了通知部503を含む代理印刷処理部500を有している。
なお、この代理印刷処理部500は、画像形成装置5の制御部(不図示)のCPU(不図示)が、ROM(不図示)に記憶されている処理プログラム(不図示)を、RAM(不図示)上に展開して実行することにより実現されるものである。
表紙データ受信部501は、画像形成装置3から表紙データを受信する。
表紙印刷部502は、表紙データ受信部501で受信した表紙データに基づいて、表紙部分の画像を記録用紙に印刷する、即ち、表紙部分の代理印刷を実行する。
印刷終了通知部503は、表紙印刷部502による表紙部分の代理印刷が終了した場合に、クライアント端末2および画像形成装置3に対して表紙部分の印刷が終了した旨を通知する終了通知信号を送信する。
次に、前記説明した構成の製本システム1における各種処理動作について説明する。
図13は、クライアント端末2から画像形成装置3に製本データが送信された場合の、製本システム1における概略的な処理の流れを説明するためのシーケンス図であり、特に、この場合、画像形成装置3で表紙部分が印刷できないジャムなどの障害が発生した場合の処理の流れを示している。
図13に示すように、このシーケンスでは、まず、ユーザ操作に基づいてクライアント端末2が、製本データを作成し、該作成した製本データを画像形成装置3に送信する(ステップS1)。
続いて、製本データを受信した画像形成装置3が、本体部分の画像を記録用紙に印刷し、画像が印刷された記録用紙(本体部分)を製本装置4に供給する(ステップS2)。
製本装置4では、画像形成装置3から供給される記録用紙を束状に集積(スタック)する(ステップS3)。
そして、製本装置4において、1冊分の記録用紙(本体部分)が束状に集積された後、画像形成装置3が、表紙部分の画像を記録用紙に印刷し、画像が印刷された記録用紙(表紙部分)を製本装置4に供給する(ステップS4)。
ここで、ステップS4の処理中に、表紙部分が印刷できないジャムなどの障害が発生したとすると、画像形成装置3が、クライアント端末2および製本装置4に対して障害発生を通知する(ステップS5)。これにより、障害発生の通知を受けた製本装置4では、製本処理を一時停止する。
一方、障害発生の通知を受けたクライアント端末2では、ネットワークN上で表紙部分の代理印刷が可能な他の画像形成装置5を検索し(ステップS6)、検索の結果およびユーザ操作に応じて画像形成装置3にエラー通知または選択通知を行う。
続いて、エラー通知または選択通知を受けた画像形成装置3が、障害発生を報知したり、表紙データを表紙部分の代理印刷を行う他の画像形成装置5に送信したりする(ステップS7)。
続いて、表紙データを受信した他の画像形成装置5が、表紙部分の代理印刷を実行し(ステップS8)、表紙部分の印刷が終了した場合に、クライアント端末2および画像形成装置3に表紙部分の印刷終了通知を行う。
続いて、クライアント端末2が、他の画像形成装置5からの印刷終了通知を受けた場合に、表紙セット促し画面S2(図4参照)を表示部27に表示させ(ステップS9)、他方、画像形成装置3が、表紙セット促し/再開指示画面S4(図7参照)を操作表示部32に表示させる(ステップS10)。
その後、ユーザによって、製本装置4の手差しトレイ41に他の画像形成装置5で代理印刷された表紙部分となる記録用紙がセットされ、表紙セット促し/再開指示画面S4の表紙給紙ボタンアイコンが選択操作されると、画像形成装置3が、製本装置4に対して製本印刷の再開指示を行う(ステップS11)。これにより、再開指示を受けた製本装置4が、製本処理を再開する(ステップS12)。
図14は、クライアント端末2の製本指示処理部200で実行される処理手順を説明するためのフローチャートであって、図13のシーケンスにおけるクライアント端末2の処理の詳細を説明するためのフローチャートでもある。
図14に示すように、クライアント端末2では、まず、ステップS101において、製本データ送信部201が、ユーザ操作に基づいて作成した製本データを画像形成装置3に送信する。
続いて、製本指示処理部200では、ステップS102およびステップS103において、画像形成装置3から、障害通知信号、または、印刷が正常に終了した旨を示す正常終了通知信号のいずれかの受信を待機する。
ここで、障害検知部202が、画像形成装置3から障害通知信号を受信すると(ステップS102:Yes)、続いて、ステップS104において、検索部203が、ネットワークNに接続された複数の画像形成装置5A、・・・、画像形成装置5Mの中から、ユーザにより指定された種別の記録用紙を用いて表紙部分の代理印刷が可能な画像形成装置5を検索する。
この検索の結果、表紙部分の代理印刷が可能な画像形成装置5が存在する場合には(ステップS105:Yes)、続いて、ステップS106において、一覧表示部204が、該当する画像形成装置5の一覧を表示するトレイ一覧表示画面S1(図3参照)を表示部27に表示させる。
ここで、ユーザにより、トレイ一覧表示画面S1(図3参照)の一覧表示の中からいずれかの画像形成装置5が選択された場合には(ステップS107:Yes)、続いて、ステップS108において、選択通知部206が、ユーザにより選択された画像形成装置5を画像形成装置3に通知する選択通知信号を画像形成装置3に送信する。
続いて、ステップS109において、製本指示処理部200が、前記選択された画像形成装置5から、表紙部分の代理印刷が終了した旨を通知する終了通知信号を受信するのを待機する。
ここで、終了通知信号を受信すると(ステップS109:Yes)、続いて、ステップS110において、表紙セット報知部207は、表紙セット促し画面S2(図4参照)を表示部27に表示させて、ここでの処理を終了する。
一方、ステップS102およびステップS103の待機処理において、製本指示処理部200が、画像形成装置3から正常終了の通知信号を受信すると(ステップS103:Yes)、ここでの処理を終了する。
また、一方、ステップS104の検索処理において、表紙部分の代理印刷が可能な画像形成装置5が検出できなかった場合(ステップS105:No)、および、ステップS106の処理において、ユーザが、トレイ一覧表示画面S1(図3参照)の一覧表示の中から画像形成装置5を選択しなかった場合には(ステップS107:No)、続いて、ステップS111において、エラー通知部205が、画像形成装置3にエラー通知信号を送信し、その後、ここでの処理を終了する。
図15および図16は、画像形成装置3の印刷処理部300で実行される処理手順を説明するためのフローチャートであり、図15が、ジャムなどの障害が発生しない通常状態における画像形成装置3の処理手順を示し、図16は、図15の処理手順の表紙部分の印刷処理中に、製本装置4の所定位置Pに表紙部分となる記録用紙を供給できないジャムなどの障害が発生した場合の画像形成装置3の処理手順、即ち、図13のシーケンスにおける画像形成装置3の処理手順を示している。
図15に示すように、画像形成装置3の印刷処理部300では、製本データ受信部301が、クライアント端末2からの製本データの受信を待機しており(ステップS201)、ここで、製本データ受信部301が、製本データを受信すると(ステップS201:Yes)、続いて、本体印刷部302が、本体部分の画像を記録用紙に印刷する処理を実行し(ステップS202)、本体供給部303が、画像が印刷された本体部分を構成する記録用紙を製本装置4に供給する(ステップS203)。
そして、ステップS202およびステップS203の処理により、本体部分となる全ての記録用紙、即ち、1冊分の記録用紙が製本装置4に集積(スタック)されると、続いて、表紙印刷部304が、表紙部分の画像を記録用紙に印刷する処理を実行し(ステップS204)、表紙供給部305が、画像が印刷された表紙部分となる記録用紙を製本装置4に供給する(ステップS205)。
一方、図16に示すように、障害検出部306が、図15のステップS204の表紙部分の印刷処理中に、製本装置4の所定位置Pに表紙部分となる記録用紙を供給できないジャムなどの障害の発生を検出すると(ステップS301:Yes)、続いて、ステップS302において、障害通知部307が、クライアント端末2および製本装置4に障害が発生したことを通知する障害発生通知信号を送信する。
その後、ステップS303およびステップS304において、印刷処理部300では、クライアント端末2から、エラー通知信号または選択通知信号のいずれかの受信を待機する。
この待機処理において、印刷処理部300がエラー通知信号を受信すると(ステップS303:Yes)、続いて、ステップS304において、障害発生報知部308が、操作表示部32でエラー表示画面S3(図6参照)を表示し、ここでの処理を終了する。
一方、前記待機処理において、クライアント端末2から、選択通知信号を受信すると(ステップS305:Yes)、続いて、ステップS306およびステップS307において、表紙データ作成/送信部309が、表紙データを作成し、選択通知信号に含まれる識別情報で特定される画像形成装置5に対して表紙データを送信する。
続いて、ステップS308において、印刷処理部300は、表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5からの表紙部分の印刷終了を通知する終了通知信号の受信を待機する。
この待機処理において、印刷処理部300が終了通知信号を受信すると(ステップS308:Yes)、続いて、ステップS309において、表紙セット報知部310が、操作表示部32で表紙セット促し/再開指示画面S4(図7参照)を表示する。
これにより、ユーザが、表紙セット促し/再開指示画面S4の表紙給紙ボタンアイコンを選択操作すると(ステップS310:Yes)、続いて、ステップS311において、再開指示部311が、製本装置4に対して製本処理の再開を指示する再開指示信号を送信し、ここでの処理を終了する。
図17は、製本装置4の製本処理部400で実行される処理手順を説明するためのフローチャートであり、図13のシーケンスにおける製本装置4の処理の詳細を説明するためのフローチャートでもある。
図17に示すように、製本装置4の製本処理部400は、まず、ステップS401において、画像形成装置3から供給された本体部分となる複数の記録用紙を束状に集積(スタック)し、1冊分の記録用紙のスタックが完了すると、続いて、ステップS402およびステップS403において、製本処理部400が、表紙部分の供給が行われるか、または、画像形成装置3から障害発生通知信号を受信するかを待機する。
その待機処理において、製本処理部400が、障害通知信号を受信することなく、表紙部分の供給が行われたことを検知すると(ステップS402:Yes)、続いて、ステップS404において、製本実行部402が、本体部分となる記録用紙束に、表紙部分となる記録用紙を結合するなどの所定の製本処理を実行し、製本処理が完了した後、ここでの処理を終了する。
一方、前記待機処理において、製本処理部400が、障害通知信号を受信すると(ステップS403:Yes)、続いて、ステップS405およびステップS406において、製本処理部400は、製本処理を一時停止し、画像形成装置3からの製本処理の再開を指示する再開指示信号の受信を待機する。
その待機処理において、製本処理部400が、再開指示信号を受信すると(ステップS406:Yes)、処理を、ステップS404に移行させて、製本処理を再開し、製本処理が完了すると、ここでの処理を終了する。
図18は、表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5の代理印刷処理部500で実行される処理手順を説明するためのフローチャートであり、この場合、図13のシーケンスにおける画像形成装置5の処理の詳細を説明するためのフローチャートでもある。
図18に示すように、表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5では、まず、ステップS501において、表紙データ受信部501が、画像形成装置3から表紙データを受信すると(ステップS501:Yes)、続いて、ステップS502において、表紙印刷部502が、表紙部分の代理印刷を実行する。
その後、表紙部分の代理印刷が終了すると(ステップS503:Yes)、続いて、ステップS504において、印刷終了通知部503が、表紙部分の印刷が終了したことを通知する終了通知信号をクライアント端末2および画像形成装置3に送信し、ここでの処理を終了する。
次に、前記した実施形態の変形形態について図19〜図21を用いて説明する。
前記した実施形態では、画像形成装置3から、表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5に表紙データを送信する形態について説明したが、以下では、クライアント端末2から画像形成装置5に表紙データを送信する変形形態について説明する。
図19は、図9に示すクライアント端末2の機能的構成の変形形態を説明するためのブロック図である。
なお、図19に示す製本指示処理部200Aは、図9に示すクライアント端末2の機能的構成である製本指示処理部200に、表紙データ作成/送信部208を新たに設けた構成となっている。なお、表紙データ作成/送信部208以外のその他の構成については、図9のものと略同様の処理を行うため、ここでの説明は省略するものとする。
即ち、この表紙データ作成/送信部208は、一覧表示部204により、操作表示部32で表示されるトレイ一覧表示画面S1(図3参照)において、ユーザが表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5を選択指定した場合に、表紙データを作成し、該作成した表紙データを指定された画像形成装置5に送信する。
なお、変形形態の処理を実行するための画像形成装置3の機能的構成は、図10の印刷処理部300の表紙データ作成/送信部309を省略することにより実現できるため、ここでは図示および説明を省略するものとする。
図20は、図13に示すシーケンスの変形形態を説明するためのシーケンス図である。
図20に示すシーケンスにおいて、図13に示すシーケンスと異なる点は、図13に示すステップS6の処理が、ステップS6Aの処理に変更され、同じく図13に示すステップS7の処理が、ステップS7Aの処理に変更された点であり、それ以外は同様の処理を行うため、ここでは、同一の処理については説明を省略するものとする。
即ち、図20に示すように、クライアント端末2は、画像形成装置3から障害発生の通知を受けた場合、ステップS6Aにおいて、表紙部分の代理印刷が可能な他の画像形成装置5を検索するとともに、表紙データ作成/送信部208が作成した表紙データを、他の画像形成装置5に送信し、画像形成装置3は、クライアント端末2からエラー通知信号または選択通知信号を受信した場合、ステップS7Aにおいて、障害発生の報知を行うものの、図13で説明したような表紙データの送信などによる表紙部分の代理印刷を依頼する処理は実行しない。
図21は、図14に示すフローチャートの変形形態を説明するためのフローチャートである。
図21に示すフローチャートでは、図14に示すフローチャートと異なる点は、図14のステップS108の処理とステップS109の処理との間に、ステップS112の処理を追加した点であり、その他の処理は同一であるため、ここでは、同一の処理については説明を省略するものとする。
即ち、図21に示す処理手順では、ステップS108の処理後のステップS112において、表紙データ作成/送信部208が、表紙データを作成し、作成した表紙データを表紙部分の代理印刷を行う画像形成装置5に送信するようになっている。
なお、前記した変形形態においては、画像形成装置3は、図16のフローチャートにおけるステップS306およびステップS307の処理を省略した処理手順を実行することで対応することができるので、ここでは図示および説明を省略するものとする。
即ち、前記した実施形態によれば、製本装置4に連結された画像形成装置3において、製本装置4の所定位置Pに表紙部分となる記録用紙を供給できない障害が発生した場合に、ネットワークN上で表紙部分の代理印刷が可能な他の画像形成装置5を検索し、検索された他の画像形成装置5に表紙部分の代理印刷を行わせるとともに、その他の画像形成装置5で印刷された表紙部分となる記録用紙を、製本装置4の手差しトレイ41にセットして製本処理を再開するように構成したため、製本システム1における製本処理のダウンタイムを抑制または防止し、従来技術に比べより製本物の生産性が低下するのを抑制または防止することができる。
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本実施形態は、前記した実施形態により限定されるものではない。
例えば、前記した実施形態では、クライアント端末2が一台のみである場合について説明したが、これに限定されず、複数のクライアント端末2を備える製本システム1とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、他の画像形成装置5は、製本装置4が連結されていない画像形成装置5の場合について説明したが、これに限定されず、他の製本装置が連結されている画像形成装置5とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、本体部分となる記録用紙束に、表紙部分となる記録用紙を接合するような製本処理を実行する製本装置4の場合について説明したが、これ以外にも、例えば、複数の記録用紙束の所定箇所に、結合部分となる他の記録用紙を挿入するような製本処理を実行する製本装置4とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、糊付けなどの処理により製本物を生産するくるみ製本処理を実行する製本装置4の場合について説明したが、これに限定されず、他の製本処理を実行する製本装置4とすることも可能であり、製本処理の種類は問わないものとする。具体的には、例えば、ステープル綴じなどの製本処理を実行する製本装置4とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、画像形成装置3における障害として、表紙部分の印刷処理中におけるジャムの場合を例にして説明したが、これ以外にも、例えば、表紙部分に指定された記録用紙が存在しない状況を、製本装置4の所定位置Pに表紙部分を供給できない障害として検出するような形態とすることも可能である。
また、前記した実施形態では、画像形成装置3以外にも、クライアント端末2においても表紙セットを促すための画面(表紙セット促し画面S2)を表示する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、クライアント端末2では、表紙セットを促すための画面を表示しないように構成することも可能である。
また、前記した実施形態では、画像形成装置3で製本装置4の製本処理の再開を指示することができる形態について説明したが、これ以外にも、クライアント端末2において製本処理の再開を指示することができるように構成することも可能である。
また、前記した実施形態では、説明を簡略化するために、一つの印刷ジョブで、印刷部数が一部、即ち、一冊の製本物を生産する場合について説明したが、これに限定されず、
一つの印刷ジョブで、印刷部数が複数、即ち、複数冊の製本物を生産する場合にも対応することが可能である。
また、前記した実施形態では、紙などの記録用紙に画像を印刷する印刷装置としての画像形成装置3を利用する形態について説明したが、これに限定されず、記録用紙などの記録媒体に画像を形成することが可能な画像形成装置であれば種類は問わないものとする。
また、前記した実施形態では、画像形成装置3と製本装置4とが別体である場合について説明したが、これに限定されず、画像形成装置3と製本装置4とを一体的に構成する、即ち、画像形成装置3のハードウェア構成および機能的構成を有する画像形成装置(画像形成部)と、製本装置4のハードウェア構成および機能的構成を有する製本装置(製本部)とを、一つの筐体内に収容して実現するような形態とすることも可能である。
また、前記した実施形態のクライアント端末2、画像形成装置3、製本装置4および画像形成装置5で実行される各種プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
その他、前記した実施形態におけるシステム構成、各装置のハードウェア構成および機能的構成、表示画面の構成、処理手順などは、単なる例として記載したものであり、本実施形態は、これらにより限定されない。