JP5667666B2 - 糖結晶含有液を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、糖結晶含有液を製造する方法、特には糖を過飽和状態で含有する液にせん断力を付与して糖結晶含有液を製造する方法に関する。
糖結晶含有液を製造する方法は一般に、糖を過飽和状態で含有する液を用意する工程、当該液に種結晶を添加し、そして攪拌する工程を含む。
上記攪拌により、せん断力が当該液に付与されて、糖結晶が晶出する。糖結晶の晶出を促進する為に、上記攪拌において高い攪拌速度が採用されうる。しかし、より高い攪拌速度を採用すると、攪拌によって液温が上昇し、適切な過飽和度が維持できない場合がある。また、液温の上昇によって、糖結晶が溶解しうる。
上記種結晶によって、糖結晶の晶出が促進される。上記種結晶の大きさ、形状、乃至は添加量が、起晶する結晶の大きさ、形状、乃至は目数に影響する。よって、糖結晶を晶出させる方法において、種結晶の大きさ、形状、及び添加量の設定は重要である。例えば、当該添加量が少ない場合、十分な量乃至は十分な数の糖結晶が晶出しない場合がある。
下記特許文献1は、「水溶解度が低温で低溶解度である糖類或いは糖アルコールを、高温の水に高濃度で溶解して、糖液を製造する工程と、前記糖液を過飽和温度まで冷却する工程と、前記糖液を急速撹拌する工程と、前記糖液の全てが結晶化しない所定の時間内において、前記糖液を層流状態として、前記糖液の過飽和糖を微細結晶として析出させる工程とよりなる事を特徴とする糖類或いは糖アルコールの微細結晶を有するスラリーの製造方法」を記載する(請求項1)。
下記特許文献2は、「果糖含量90%以上からなり、固形物濃度87w/w%以上の果糖溶液と、この果糖溶液1に対し0.5〜5倍量の多量の結晶を含む溶液を、急速攪拌機を有する起晶塔に連続的に供給し、40℃〜50℃において急速混合し、得られた混合液を結晶塔に連続的に供給し、新しい結晶が自然発生しない条件下で徐冷し、結晶を成長せしめる晶出処理を行なうことを特徴とする無水結晶果糖の連続結晶化方法」を記載する(請求項1)。
下記特許文献3は、「予めホエー濃縮液中で結晶化させた乳糖をホモゲナイザーで均質化して乳糖結晶を 100メッシュ以下に破砕した後、ノズルアトマイザーを用いて圧力噴霧乾燥することを特徴とするホエー粉末の製造方法」を記載する(請求項1)。特許文献3は、当該製造方法において、「予めホエー濃縮液中で乳糖を結晶化するに際して、濃縮液を急速冷却して乳糖の微小結晶を生成させること」を記載する(請求項2)。
下記特許文献4は、「ショ糖からイソマルツロースを生成する酵素をショ糖液に作用させてイソマルツロース含有糖液を得、当該糖液からイソマルツロース含有固形物を製造する方法であって、前記糖液中においてメディアン径5〜60μmのイソマルツロース結晶を晶出させること、ここで前記メディアン径はレーザー回折式粒度分布測定により測定したものである、そして前記イソマルツロース結晶を有する糖液を熱風温度50〜95℃でスプレードライすることを含む前記方法」を記載する(請求項1)。上記イソマルツロース結晶の晶出は、イソマルツロース含有糖液のBrixの調整を行い、そして当該糖液についてエージングを行なうことにより行なわれる(段落0033)。
特開2012−239422号公報 特開昭60−118200号公報 特開平8−298927号公報 特開2013−005790号公報
本発明は、糖結晶含有液を製造する方法において、起晶を促進し、目数や結晶の大きさに影響する種結晶を添加する必要なく起晶の条件が安定した再現性のある製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、糖を過飽和状態で含有する液を用意する工程、及び当該液にせん断力を付与する工程を含む、糖結晶含有液を製造する方法であって、当該せん断力を付与する工程が、当該液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させることを含み、せん断処理時の当該液の温度が10〜50℃である、前記方法を提供する。当該せん断力を付与する工程は好ましくは、圧力式ホモジナイザーにより行なわれうる。
本発明の方法において、当該液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させることによりせん断力が当該液に付与されることによって、より多くの数の結晶核が当該液中に生成される。すなわち、本発明の方法によって、起晶が促進される。また、本発明の方法では、種結晶の添加が不要である。
液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させることによりせん断力を付与する工程は、従来、液体の乳化・分散の為に又は粒子の粉砕の為に用いられていた。これまで、当該工程は、起晶の為に用いられることはなかった。しかし、当該工程により起晶が促進されることが、本発明者らにより発見された。
また、本発明の方法では、糖液の温度上昇が抑制される。その結果、液の適切な過飽和状態が維持される。さらに、晶出した糖結晶の溶解が抑制される。
また、本発明の方法では、糖結晶の所望の数及び/又は大きさを達成するのに要する時間が短縮される。これは、上記の起晶の促進及び/又は糖液の温度上昇の抑制によると考えられる。
また、本発明の方法は、種々の糖、例えばイソマルツロース及びスクロースなどの結晶を晶出させる為に適用できる。また、本発明の方法は、複数種の糖を含む溶液についても適用可能である。さらに、本発明の方法は、結晶性の糖及び非結晶性の糖を含む液についても適用できる。
また、本発明の方法では、当該液を当該狭路に複数回通過させることができる。すなわち、当該狭路を通過させた液が任意のタンクに送られ、当該タンクから再度当該狭路に当該液を送って通過させることができる。複数回通過させることによって、晶出率を高めることができる。晶出率とは、全体の固形分のうち、何重量%が結晶になったかを示すものである。また、通過回数を規定する代わりに、所定時間狭路とタンクとの間を循環させることもできる。上記の通過回数及び循環処理時間の調節により、結晶の粒度と目数の調整が可能である。
また、従来の方法では、攪拌装置の攪拌翼に過度の負荷がかかり、攪拌装置の停止又は故障が起こっていた。しかし、本発明の方法では、攪拌翼を用いないので、装置の停止及び故障の発生が抑制される。
せん断力付与装置中の狭路部分の例を示す図である。 イソマルツロース結晶含有液の顕微鏡写真の写しである。 スクロース結晶含有液の顕微鏡写真の写しである。 スクロース結晶含有液の顕微鏡写真の写しである。
本発明において、「糖」は、液中に過飽和状態で存在することができ且つ結晶化可能なものであれば任意のものであってよい。「糖」は例えば、糖類又は糖アルコールでありうる。糖類は例えば、二糖類、例えばスクロース、ラクトース、イソマルツロース(パラチノース、三井製糖の登録商標)、及びマルトース、並びに、単糖類、例えばグルコース及びフルクトースでありうる。糖アルコールは例えば、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、還元イソマルツロース(還元パラチノース、登録商標)でありうる。
本発明において、「過飽和状態」とは、溶液が、ある温度における溶解度に相当する量以上の溶質を含む状態をいう。
本発明において、「糖を過飽和状態で含有する液」は、当該液の温度における当該糖の溶解度に相当する量以上の量で当該糖を溶解している液をいう。当該液は、複数種の糖を含み又は溶解している液であってもよい。当該液の例として、例えば、イソマルツロース及びトレハルロースを含む液を挙げることができる。当該イソマルツロース及びトレハルロースを含む液は、例えば、Protaminobacter rubrum、Serratia plymuthica、Erwinia rhapontici、又はKlebsiella sp.が生成する酵素α-グルコシルトランスフェラーゼをショ糖に作用させて得られた糖液であってよい。当該糖液の糖組成は例えば、イソマルツロースが60〜90質量%、トレハルロースが5〜35質量%、並びにグルコース及び果糖がそれぞれ0.2〜5質量%でありうる。当該糖液の製造方法は、例えば特開2013−005790号公報に記載されている。
本発明において、「糖を過飽和状態で含有する液を用意すること」は、任意の手段によって行なわれてよい。例えば、Brix55〜90°、特には56〜88°、さらに特には57〜85°の糖溶液を調製し、当該糖溶液を徐々に冷却することにより行なわれる。上記Brixを有する糖溶液の調整は、加熱により行なわれうるが、他の方法により行なわれてもよい。当該糖溶液の調製方法は、例えば特開2013−005790号公報に記載されている。上記冷却は、当業者に既知の任意の手段により行なわれてよい。例えば、当該糖溶液を結晶缶中に用意し、当該結晶缶中で糖溶液温度を徐々に下げることによって、糖を過飽和状態で含有する液が得られる。当該糖を過飽和状態で含有する液は、糖を過飽和状態で含有していればよく、糖の一部が晶出又は固形化したものであってもよい。
本発明において、「せん断力」は、液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させることにより付与される。本発明において、当該せん断力を液に付与する装置を、せん断力付与装置ともいう。
当該狭路は、せん断力付与装置中の上記液の流路において狭められている個所を言う。当該狭路において、液の流速が増大されるとともに、液にせん断力が与えられる。当該狭路の幅は当業者によって適宜設定することが可能であるが、例えば1〜2000μm、特には1〜1000μm、特には10〜800μm、より特には30〜600μm、さらにより特には50〜500μmでありうる。当該幅は、上記液の進行方向に対する垂直方向の狭路幅をいう。当該狭路の少なくとも一つの箇所が、上記液にせん断力が与えられるような幅を有せばよく、例えば上記例示された距離を有するものであればよい。当該幅が小さすぎる場合は、液の詰まりが発生しうる。当該幅が大きすぎる場合は、付与されるせん断力が弱くなり、起晶が不十分となりうる。当該狭路の幅は固定されていてもよく、又は、通過させる液の流量、付与される圧力、及びバルブ形状等によって変動するものであってもよい。当該狭路は例えば、狭路の幅が変動しうる圧力式ホモジナイザーにおいて、均質バルブとバルブシートとの間の隙間であり(バルブ隙間ともいう)、狭路の幅は、均質バルブとバルブシートとの間の最短距離でありうる。また、上記狭路中の液の流速は、付与される圧力及び狭路の幅等によって変動しうる。
また、当該圧力は、上記狭路の入口において液に加えられる圧力でありうる。当該圧力は、例えば下記で説明する狭路の幅が圧力及び流量等によって変動しうる圧力式ホモジナイザーにおいて、装置に付属の圧力計により測定される。当該圧力式ホモジナイザーにおいて、当該圧力計は均質圧力計ともいう。当該圧力は例えば、好ましくは1〜100MPa、より好ましくは2〜90MPa、より好ましくは3〜80MPa、より好ましくは3〜70MPa、より好ましくは5〜50MPa、さらにより好ましくは7〜30MPaでありうる。圧力が高すぎると液温が過度に上昇しうる。圧力が低すぎる場合は、起晶が十分に起こらない。
本発明において、液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させた場合に付与されるせん断力は、強力且つ瞬間的なものである。強力且つ瞬間的なせん断力の付与によって、起晶が促進される。さらに、強力且つ瞬間的なせん断力の付与では、液温の上昇が小さい。従来の攪拌によるせん断力は、中程度のせん断力を、例えばニーダでは数十秒程度付与するものであり、液温上昇により起晶した結晶の再溶解が起こる。また、本発明において、液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させることにより、せん断力の付与に加えて、キャビテーション及び/又は結晶の粉砕が起こると考えられる。キャビテーションは、狭路の通過後に急激に液の圧力が減少することで起こりうる。粉砕は、圧力を付与した状態で狭路を通過させることにより液が加速され、加速された状態で装置内の壁に衝突することにより起こりうる。当該壁は、狭路から噴出した液が加速された状態で衝突するように設けられていればよく、例えば、狭路中の液の進行方向に対して垂直に且つ狭路の出口から任意の距離をあけて設けられていてよい。狭路の出口から当該壁までの距離は当業者によって適宜設定することが可能であるが、例えば0.1〜5mm、特には0.3〜4mm、より特には0.5〜3mmでありうる。当該壁の例として、例えば、圧力式ホモジナイザーがインパクトリングを備えている場合には、当該インパクトリングを挙げることができる。これら作用の相乗作用によって、起晶が促進され、すなわち新たに生じる結晶核の数が増加すると考えられる。また、起晶が促進されることにより、既存結晶の成長が抑制されると考えられる。既存結晶の成長が抑制されることにより、より小さな結晶がより多く存在する液が得られると考えられる。
本発明において、上記せん断力付与装置の例として、「圧力式ホモジナイザー」を挙げることができる。圧力式ホモジナイザーは、高圧ホモジナイザー又は乳化分散装置とも呼ばれる。圧力式ホモジナイザーにおいて、当該狭路の幅は、固定されていてもよく、又は、通過させる液の流量、付与される圧力、及びバルブ形状等によって変動するものであってもよい。
上記狭路の幅が固定された装置の例として、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)、スターバースト(株式会社スギノマシン)等を挙げることができる。狭路の幅は当業者によって適宜設定することが可能であるが、例えば0超〜1000μm以下、特には10〜800μm、より特には30〜600μm、さらにより特には50〜500μmでありうる。
上記狭路の幅が変わりうる装置では、例えば均質バルブとバルブシートとの間の隙間に液が通過させられる。狭路の幅が変わりうる装置の例として、高圧ホモジナイザー(ラニー社)、ホモゲナイザー(三和アンジニアリング株式会社)、ホモゲナイザーHV−E型、HV−A型、及びHV−H型(いずれも株式会社イズミフードマシナリ)、及びゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)等を挙げることができる。均質バルブとバルブシートとから形成される狭路の幅は、上記のとおり通過させる液の流量、付与される圧力、及びバルブ形状等によって変動しうるものであるが、例えば0超〜1000μm以下、特には10〜800μm、より特には30〜600μm、さらにより特には50〜500μmでありうる。
上記均質バルブのディスク形状は例えば、渦巻き式、フラット式、シャープ式、又はネット式のディスク形状であってよい。耐久性の観点から、渦巻き式が好ましい。また、上記装置内に、上記狭路は1つ又は複数設けられてよい。各狭路を構成する均質バルブのディスク形状は同じであってよく又は異なっていてもよい。例えば、上記狭路の幅が変わりうる装置において、1つめの均質バルブのディスク形状が渦巻き式であり、2つ目の均質バルブのディスク形状がフラット式である。
図1は、上記せん断力付与装置中の狭路部分の一例を示す。図1に示すせん断力付与装置(101)は、バルブシート(111)及びバルブ(113)を備えている。また、せん断力付与装置(101)は任意的に、連続使用時の摩損対応の消耗品であるインパクトリング(112)を備えていてもよい。せん断力付与装置(101)は加圧機構と均質バルブ機構を備えており、当該加圧機構は過飽和糖液(糖を過飽和状態で含有する液)(102)に安定した高圧状態を作り出し、且つ、当該均質バルブ機構は均質化の効果を決定する。せん断力付与装置(101)では、過飽和糖液(102)がバルブシート(111)間に入り、そして圧縮されてバルブ(113)に衝突する。この際に、処理液は、調節可能であるバルブシート(111)とバルブとの間の狭路を通過し、当該狭路を通過することで液の流速が増大される。せん断力付与装置(101)がインパクトリング(112)を備えている場合には、上記該流速が増大した液が、圧力開放され、インパクトリング(112)に衝突する。インパクトリングを備えていない場合には、この箇所にある壁に衝突する。そして、処理液である糖結晶含有液(103)が出口へと流れる。
本発明において、せん断処理時の液の温度は、糖の溶解度及び糖の過飽和の程度によって適宜定められる。温度が高すぎると、適切な過飽和度が維持できない。温度が低すぎる場合は、糖液が固結しうる。適切な過飽和度を維持し且つ糖液の固結を防ぐことができる温度は、当業者が適宜設定できる。酵素α-グルコシルトランスフェラーゼをショ糖に作用させて得られた上記糖液の場合及びスクロース溶液の場合、上記温度は、例えば10〜50℃、好ましくは12〜48℃、より好ましくは15〜45℃でありうる。
本発明において、上記せん断処理は、糖を過飽和状態で含有する液の全部又は一部に対して行なわれてよい。すなわち、糖を過飽和状態で含有する液の一部に対して上記せん断処理を行ない、当該処理した液を残りの液に戻しても、結晶核の生成が促進される。例えば、糖を過飽和状態で含有する液の体積の半量乃至は全量に相当する量が均質バルブの隙間を通過すると考えられる。
本発明における糖結晶含有液が有する糖結晶晶出率は、当該液の用途によって適宜調節されうる。晶出率とは、糖結晶含有液中の糖総量のうち、結晶になった糖の率(質量%)を示す。晶出率の下限は、例えば10%、20%、30%、又は40%でありうる。糖結晶の晶出率の上限は、例えば80%、70%、又は60%でありうる。晶出率の範囲は、例えば10〜70%、特には20〜60%でありうる。下記で述べるスプレードライに適する晶出率として、特には30〜50%、より特には35〜45%が好ましい。晶出率の測定は、結晶を含む液を1.5ml容エッペンドルフチューブに1g入れ、遠心分離機(株式会社佐久間製作所製のM150IV)により16,000rpmで1分間遠心分離を行い、上清のBrixを測定し、以下の式で算出される。
以下の式において、A,B、S、M及びXは下記を示す。
A:全体量(g)
B:結晶固形量(無水)(g)
S:ホモジナイザー処理前の過飽和糖液の糖含量(質量/質量%)
M:遠沈後上清液Brix(°)
X:晶出率(%)
イソマルツロースの晶出率
(1a)総固形量の関係式
A×S/100=(A−1.05×B)×M/100+B (結晶水を5%として計算)
(2a)晶出率
X=B/(A×S/100)×100
上記(1a)及び(2a)より、測定不可能なBを消去して、式を整理すると下記の通りである。
X=(S−M)/S(100−1.05M)×10000
砂糖の晶出率
(1b)総固形量の関係式
A×S/100=(A−1.0×B)×M/100+B (砂糖は無水結晶である)
(2b)晶出率
X=B/(A×S/100)×100
上記(1b)及び(2b)より、測定不可能なBを消去して、式を整理すると下記の通りである。
X=(S−M)/S(100−M)×10000
その他の糖の晶出率についても、結晶が結晶水を含むか、又は、結晶が無水結晶であるかに応じて、上記式が適用される。
本発明における糖結晶含有液の粘度は好ましくは、スプレードライヤによりスプレードライ可能な粘度、又は高圧ポンプでスプレードライ可能な粘度でありうる。当該粘度は、当業者が使用するスプレードライヤの種類又は高圧ポンプの種類によって適宜調節しうる。
本発明の製造方法により得られた糖結晶含有液は、例えばスプレードライすることにより、固形化、特には粉末化されうる。当該スプレードライの方法は、例えば特開2013−005790号公報に記載されている。
本発明における糖結晶含有液の糖結晶は、好ましくは0.1〜60μm、より好ましくは0.5〜55μm、さらにより好ましくは1〜50μmのメディアン径を有する。当該メディアン径はレーザー回折式粒度分布測定により測定されたものでありうる。測定のためにSALD−2000J(株式会社島津製作所)が用いられる。上記メディアン径により、スプレードライ(例えば特開2013−005790号公報に記載の方法)による当該液の固形化、特には粉末化が達成されうる。メディアン径が上記範囲より大きい場合、スプレードライをしても、液中の結晶と非結晶の糖液とが分離し、当該分離の結果、スプレードライにより得られた産物において、非結晶の糖液が糖結晶により包まれず、結晶が非結晶の糖液により取り囲まれる。そして、得られた産物は吸湿性が高く、非常にべたべたしたり、または固結したりしやすい。
下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものでない。
下記の実施例において、Brixはデジタル屈折計(株式会社アタゴ、RX-5000)で測定した。
下記の実施例において、粒径はメディアン径である。当該粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所、SALD−2000J)により測定した。
40質量%のショ糖液に、Protaminobacter rubrumから得られたα-グルコシルトランスフェラーゼを反応させてイソマルツロース含有糖液を得、そして当該イソマルツロース含有糖液を脱塩した。当該酵素反応及び脱塩は、中島良和、「パラチノースの製法と用途」、澱粉科学、日本澱粉学会、1982年、第35巻、第2号、p.131〜139、に記載された方法に従った。この脱塩液のBrixは38.2°であった。表1は、当該脱塩液の糖組成を示す。
当該脱塩液を、冷却トラップ(UT−50型、東京理科器械株式会社製)、ダイアフラム型真空ポンプ(DIVAC2.2L、東京理科器械株式会社製)を接続したロータリーエバポレーター(N−11、東京理科器械株式会社製)の10Lフラスコに入れ、85℃に加熱しながらBrixを65°に調整した濃縮液を得た。当該濃縮液をステンレス缶にとり、30℃まで徐々に冷却して過飽和状態でイソマルツロースを含有する液を得た。過飽和状態であるかどうかは、当該濃縮液のBrix及び温度と、当該温度におけるイソマルツロースの溶解度とから判断した。当該過飽和状態のイソマルツロース含有液を、圧力式ホモジナイザー(HV−0H−06−3.7SS、株式会社イズミフードマシナリ)によって、30MPa、60MPa、又は75MPaの均質圧力且つ100〜120L/Hrの流量で処理した。均質圧力は、シリンダーブロック出口から均質バルブ間に設けられた圧力計により測定した。ホモジナイザー投入時の上記イソマルツロース水溶液の液温は30℃であった。当該ホモジナイザーは2つの均質バルブ、すなわち液が大気圧超の圧力を付与して通過される狭路を2つ有するものであった。当該狭路の幅は、適用圧力によって変わりうるものであるが、いずれの適用圧力においても約100μmであった。これら均質バルブを構成する均質ディスクは、それぞれ渦巻式ディスク及びフラット式ディスクであった。上記圧力式ホモジナイザー処理において、上記過飽和状態水溶液をこれら2つの均質バルブのバルブ隙間をそれぞれ1回ずつ通過させた。その結果、イソマルツロース結晶含有液が得られた。
上記処理後のイソマルツロース結晶含有液の温度は、適用した均質圧力が30MPa、60MPa、及び75MPaである場合についてそれぞれ33.4℃、40.5℃、及び44.4℃であった。すなわち、温度上昇幅は、それぞれ3.4℃、10.5℃、及び14.4℃であった。
Brixを69°に調整したこと以外は、実施例1に記載の方法に従い濃縮液を得た。当該濃縮液をステンレス缶にとり、40℃まで徐々に冷却して過飽和状態でイソマルツロースを含有する液を得た。当該過飽和状態のイソマルツロース含有液について、適用された均質圧力が10、15、20、30、40、50、60、又は75MPaであったこと以外は、実施例1に記載のとおりのホモジナイザー処理を行なった。当該ホモジナイザー処理の結果、いずれの均質圧力の場合についても、イソマルツロース結晶含有液が得られた。
また、上記処理後のイソマルツロース結晶含有液の温度は、適用した均質圧力が10、15、20、30、40、50、60、及び75MPaである場合についてそれぞれ34、34.5、36、39、44、44.5、46、及び48℃であった。すなわち、温度変化は、それぞれ−6℃、−5.5℃、−4℃、−1℃、+4℃、+4.5℃、+6℃、及び+8℃であった。
実施例1に記載の方法に従い、過飽和状態でイソマルツロースを含有する液を得た。当該過飽和状態の液について、適用された均質圧力が10、20、30、40、50、60、又は70MPaであったこと以外は実施例1に記載のとおりにホモジナイザー処理を行なった。ホモジナイザーへの投入時のイソマルツロース水溶液の液温は31℃であった。ホモジナイザー処理の結果、いずれの均質圧力の場合についても、イソマルツロース結晶含有液が得られた。均質圧力が30MPaである場合に得られたイソマルツロース結晶含有液を、顕微鏡によって450倍の倍率で撮影した写真の写しを図2に示す。図2においてメッシュの間隔は100μmである。図2に示されるとおり、当該液に含まれる結晶は針状のものであり、当該結晶の長手方向の長さが100μm未満であり、その長さの多くが60μm以下であった。
上記処理後のイソマルツロース結晶含有液の温度は、適用した均質圧力が10、20、30、40、50、60、及び70MPaである場合についてそれぞれ31.5、32、33.5、35.2、37.8、40.6、及び43℃であった。すなわち、温度上昇はそれぞれ、0.5℃、1℃、2.5℃、4.2℃、6.8℃、9.6℃、及び12℃であった。
(比較例1)
実施例1に記載の方法に従い、過飽和状態でイソマルツロースを含有する液を得た。当該過飽和状態の液について、均質圧力を付与しなかったこと以外は実施例1に記載のとおりにホモジナイザー処理を行なった。ホモジナイザーへの投入時のイソマルツロース水溶液の液温は31℃であった。ホモジナイザー処理により得られた糖結晶含有液は、100μm前後又はそれより大きな結晶を多く含むものであった。これは、起晶する結晶の数が少ないことにより、すでに生じた結晶が大きく成長してしまうからであると考えられる。また、当該糖結晶含有液の液温は25.6℃であった。
Brixを61°に調整したこと以外は実施例1に記載の方法に従い濃縮液を得た。当該濃縮液をステンレス缶にとり、30℃まで徐々に冷却して過飽和状態でイソマルツロースを含有する液を得た。当該過飽和状態の液を、実施例1に記載のとおりの圧力式ホモジナイザーにより処理した。適用された均質圧力は20MPaであった。当該処理の方式は、当該濃縮液を2つの均質バルブ(1段目が渦巻き式、2段目がフラット式)のバルブ隙間を1〜6回通過させ、あるいは、当該濃縮液を25〜54分間の循環方式で処理するものであった。当該循環方式の処理は、当該圧力式ホモジナイザーで処理された液を循環配管によってステンレス缶に戻し、再度圧力式ホモジナイザーに送って、ホモジナイザー処理するものであった。これらのいずれの処理方式においても、イソマルツロース結晶含有液が得られた。また、いずれの処理方式においても、均質バルブの詰まりは発生せず、装置の停止や故障は起こらなかった。
表2は、各処理方式において得られたイソマルツロース結晶含有液の液温を示す。
表2から、バルブ隙間の通過回数の増加に伴い又は循環時間の増加に伴い、液温が上昇することが分かる。また、パス回数を重ねることによって、結晶を砕く(すなわち、目数が増える)効果が見られた。
上記処理において種結晶を添加した場合であっても、イソマルツロース結晶含有液が得られた。
スクロース(グラニュ糖、三井製糖株式会社)を水に添加し、約70〜80℃に加熱してBrix76°のスクロース水溶液を得た。当該水溶液の温度を40℃まで徐々に冷却し、過飽和状態のスクロース水溶液を得た。当該水溶液は白濁しており、すなわちスクロースの一部が晶出しており、過飽和状態であることが確認された。当該過飽和状態の液を、圧力式ホモジナイザー(HV−0H−06−3.7SS、株式会社イズミフードマシナリ)によって、20MPaの均質圧力、及び100L/Hrの流量で、1時間、循環方式処理した。当該循環方式の処理は、実施例4で述べたとおりのものである。当該ホモジナイザーは2つの均質バルブを有するものであった。これら均質バルブを構成する均質ディスクは、それぞれ渦巻式ディスク及びフラット式ディスクであった。当該処理の結果、スクロース結晶含有液が得られた。
上記処理において、処理時間の経過に伴いスクロース結晶の晶出率が上昇した。スクロース結晶の晶出率の上昇は、処理開始から50分後に、晶出率が約32.0%となったところで安定した。処理開始50分後のスクロース結晶含有液の粘度は330mPa・sであった。
図3は、処理開始後10分(A)及び50分(B)でのスクロース結晶含有液の顕微鏡写真の写し(VHX−200、株式会社キーエンス、によって450の倍率で撮影)を示す。スクロース結晶の晶出率は、処理開始後10分において15.9%であり、処理開始後50分後(終了時)において32.0%であった。図3から、当該液中のスクロース結晶が確認できる。
実施例5に記載の方法に従いスクロース水溶液を得た。4種類のBrix(74°、76°、78°、及び80°)の水溶液を用意した。Brix74°の水溶液は20℃まで徐々に冷却して過飽和状態とし、Brix76°、78°、及び80°の水溶液は40℃まで徐々に冷却して過飽和状態とした。これら4種類の過飽和状態水溶液を、実施例1に記載の圧力式ホモジナイザーによって、20MPaの均質圧力及び120L/Hrの流量で処理した。当該ホモジナイザーにおいて用いられた均質ディスクは、実施例1に記載のものと同じであった。当該処理を循環方式で、Brix74°、76°、78°及び80°の水溶液それぞれについて、70分、75分、90分及び40分行なった。当該処理の結果、スクロース結晶含有液が得られた。
上記4種の水溶液それぞれについて、晶出率を測定した。また、上記処理の終了後、さらに処理液を45℃で保持し、夫々880、115、130及び880分での晶出率を測定した。表3は、測定した晶出率を示す。表3中、「晶出少ない」とは、晶出率測定できない(すなわち、遠心分離で分離できない)程度だが、白濁しだした状態を意味する。また、表3中、「−」とは、データなし(測定せず)を意味する。
表3から判るように、いずれのBrixにおいても、スクロース結晶が晶出した。Brix80°及び液温40℃の場合に、晶出率の上限到達時間は最も短く、且つ、晶出率が最も高かった。
図4は、Brix80°及び液温40℃の場合の処理において、処理開始後10、20、30、40、及び880分でのスクロース結晶含有液の顕微鏡写真(VHX−200、株式会社キーエンス、により倍率450倍で撮影)の写し(それぞれ、(A),(B),(C)、(D)及び(E)に対応する)を示す。図4から、当該液中のスクロース結晶が確認できる。
実施例6に記載の方法に従いBrix78°のスクロース水溶液を得た。当該水溶液は40℃又は30℃まで徐々に冷却して過飽和状態とした。これら2種類の過飽和状態水溶液を、実施例1に記載の圧力式ホモジナイザーによって、20MPaの均質圧力及び120L/Hrの流量で処理した。当該ホモジナイザーにおいて用いられた均質ディスクは、実施例1に記載のものと同じであった。当該処理を循環方式で、それぞれ75分又は60分行なった。40℃のものについては、循環処理において、循環経路中に保温タンクを設けた。当該保温タンクにおいて、攪拌羽2本を設置して攪拌した。ホモジナイザー処理の結果、スクロース結晶含有液が得られた。
上記2種の水溶液それぞれについて晶出率を測定した。表4は、測定した晶出率を示す。
表4に示されるとおり、40℃の場合、処理時間の経過に従い晶出率は増加したが、75分では晶出率が減少した。当該減少は、ホモジナイザー処理による液温上昇によって、結晶が溶解したことによると考えられる。また、30℃の場合は、45分で晶出率の上昇が止まったと考えられるので、60分でホモジナイザー処理を停止した。
(比較例2:ニーダ処理)
実施例1に記載の方法に従い脱塩液を得た。当該脱塩液を加熱して、Brix61°、63°、65°、67°、及び69°の各濃縮液を得た。Brix61°の濃縮液については15℃に冷却して過飽和状態とした。Brix63°、65°、及び67°の各濃縮液についてはそれぞれ30℃に冷却して過飽和状態とした。Brix69°の濃縮液については40℃に冷却して過飽和状態とした。これらの過飽和状態の各液を、2種類のニーダ(S1KRCニーダ、呼称寸法φ25×255L(L/D=10.2)、株式会社栗本鐵工所、又は、KRCハイブリッドリアクター、株式会社栗本鐵工所)でせん断処理した。回転数はそれぞれ320min−1及び130min−1であった。処理時の液温は、上記冷却後温度にそれぞれ維持した。いずれのBrix及びいずれの装置においても、100μm超の結晶が液中に多く見られた。これは、起晶する結晶数が少ないことにより、既存の結晶が成長したことによると考えられる。すなわち、得られた糖液中の結晶の目の数が少なかった。
(比較例3:エマルダー処理)
実施例1に記載の方法に従い脱塩液を得た。当該脱塩液を加熱して、Brix61°の濃縮液を得た。当該濃縮液を30℃に冷却して過飽和状態とした。当該過飽和状態の液を、エマルダー(EB−1010、株式会社イズミフードマシナリ)又はハイエマルダー(SPVE22−1405、株式会社イズミフードマシナリ)でせん断処理した。当該せん断処理におけるエマルダー回転数は3600回転又は1800回転とした。ハイエマルダー回転数は3600回転とした。当該エマルダーの均質化部を通過する回数は1、2、及び5回又は3分間の循環とした。ハイエマルダーの均質化部を通過する回数は1回又は2.5分間の循環とした。いずれの場合についても、100μm超の結晶が液中に多く見られた。これは、起晶する結晶数が少ないことにより、既存の結晶が成長したことによると考えられる。すなわち、得られた糖液中の結晶の目の数が少なかった。
表5は、当該せん断処理におけるエマルダー回転数、通過回数又は循環時間、処理量、投入時液温及び出口での液温を示す。同様に、表6は、当該せん断処理におけるハイエマルダー回転数、通過回数又は循環時間、処理量、投入時液温及び出口での液温を示す。
表5に示されるとおり、1800rpmでのエマルダー処理では投入時液温から出口温度への温度上昇幅が小さかった。しかし、起晶が起こらなかった。そこで、3600rpmに回転数を上げてせん断力を強くしたが、やはり起晶が起こらなかった。通過回数を増加し又は循環処理としても、起晶が起こらなかった。また、3600rpmの場合は、投入時液温から出口温度への温度上昇幅が大きかった。起晶しなかった理由は、せん断力が弱いことに加えて、液温の上昇により適切な過飽和状態が保てないことによると考えられる。表6に示されるとおり、ハイエマルダーの場合においても起晶が起こらなかった。
(比較例4:ホモミキサー処理)
実施例1に記載の方法に従い脱塩液を得た。当該脱塩液を加熱して、Brix61°の濃縮液を得た。当該濃縮液を30℃に冷却して過飽和状態とした。当該液を、ホモミキサー(コンビミックス(商標)3M−5、プライミクス株式会社)又はホモミキサー(ロボミックス(商標)、プライミクス株式会社)でせん断処理した。当該せん断処理における回転数はいずれのホモミキサーについても12000rpmであった。
前者のホモミキサーによる処理では、結晶は晶出しなかった。Brixを63°に上昇させた濃縮液の場合であっても、結晶は晶出しなかった。
後者のホモミキサーによる処理では結晶が晶出したが、起晶効果が弱く、目数が少ないために結晶が大きくなり、すなわち起晶が不充分であった。また、処理開始後50秒又は80秒前後(複数回処理の結果)で装置が停止した。当該停止は、メカシール部分に糖液が絡むことにより、過度の負荷が装置にかかったためであると考えられる。
101 せん断力付与装置
102 過飽和糖液
103 糖結晶含有液
111 バルブシート
112 インパクトリング
113 バルブ

Claims (4)

  1. 糖を過飽和状態で含有する液を用意する工程、及び
    当該液にせん断力を付与する工程
    を含む、糖結晶含有液を製造する方法であって、
    当該せん断力を付与する工程が、当該液に大気圧超の圧力を加えて狭路を通過させることを含み、せん断処理時の当該液の温度が10〜50℃である、前記方法。
  2. 前記せん断力を付与する工程が、圧力式ホモジナイザーによって行なわれる、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記圧力が1〜100MPaである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記圧力が7〜30MPaである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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