JP5664660B2 - 無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法 - Google Patents
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Description
(a)ゾル・ゲル法によって1種又は2種以上のガラス形成成分を反応させて、ゾルを得ること;
(b)得られたゾル中で、追加の還元剤の存在において、金属塩を分散させて、金属コロイドを形成すること;
(c)得られた分散体を、噴霧乾燥によって、キセロゲルでカプセル化された金属コロイドに転化させること;並びに
(d)得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドを加熱して、これらを緻密化すること。
具体的には、本発明の実施態様としては下記の態様を挙げることができる:
〈1〉下記の工程を特徴とする、無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法:
(a)ゾル・ゲル法によって1種又は2種以上のガラス形成成分を反応させて、ゾルを得ること;
(b)得られた前記ゾル中で、追加の還元剤の存在において、金属塩を分散させて、金属コロイドを形成すること;
(c)得られた分散体を、噴霧乾燥によって、キセロゲルでカプセル化された金属コロイドに転化させること;及び
(d)得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドを加熱して、緻密化すること。
〈2〉工程(b)で得られた分散体にUV処理を施す、請求項1に記載の方法。
〈3〉工程(a)のゾルが、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られるものである、請求項1又は2に記載の方法:
(A)一般式SiX 4 (I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R 1 a R 2 b SiX (4−a−b) (II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R 1 は非加水分解性基であり、R 2 は官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意に、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
〈4〉前記加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される、請求項3に記載の方法。
〈5〉前記オルガノシラン(B)として、エポキシシラン又はアミノシランが使用される、請求項3又は4に記載の方法。
〈6〉加水分解及び重縮合が、錯体形成剤の存在において行われる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
〈7〉好ましくはB 2 O 3 の使用によって、工程(a)において得られるゾルの屈折率が、特定の用途に適合させられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
〈8〉前記金属塩、好ましくは錯化された形態の前記金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
〈9〉前記金属塩が、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
〈10〉工程(b)で使用される追加の還元剤が、グルコース、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド、グリセリン、ヘキサメチレンテトラアミン、メトキシポリエチレングリコール、ヒドロキノン、及び尿素から成る群のうちの少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
〈11〉得られた前記キセロゲル・カプセル化金属コロイドを775℃まで加熱する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
〈12〉コーティングされていない金属コロイド核の直径が5〜25nmである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
〈13〉前記カプセル化金属コロイドの粒度が50nm〜2μmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
〈14〉金属塩から製造されかつカプセル内にカプセル化されている金属コロイドを有し、前記カプセルは、ガラス形成成分からゾル・ゲル法によって製造され緻密化されることによってキセロゲル又はガラスにされており、前記カプセル内の金属コロイドの割合が少なくとも80%、有利には少なくとも95%、特に好ましくはほぼ100%である、無機有色顔料特に請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な無機有色顔料。
〈15〉前記カプセルが、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られる、請求項14に記載の無機有色顔料:
(A)一般式SiX 4 (I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R 1 a R 2 b SiX (4−a−b) (II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R 1 は非加水分解性基であり、R 2 は官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意に、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
〈16〉前記加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される、請求項15に記載の無機有色顔料。
〈17〉前記オルガノシラン(B)として、エポキシシラン又はアミノシランが使用される、請求項15又は16に記載の無機有色顔料。
〈18〉加水分解及び重縮合が、錯体形成剤の存在において行われる、請求項15〜17のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈19〉前記金属塩、好ましくは錯化された形態の前記金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択される、請求項14〜18のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈20〉前記金属塩は、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている、請求項14〜19のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈21〉コーティングされていない金属コロイド核の直径が5〜25nmである、請求項14〜20のいずれか一項に記載の無機有色顔料。
〈22〉前記カプセル化金属コロイドの粒度が約1μmである、請求項14〜21のいずれか一項に記載の方法。
〈23〉特に請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって製造可能な、請求項14〜22のいずれか一項に記載の無機有色顔料の、コーティング系における使用。
(A)一般式SiX4(I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R1 aR2 bSiX(4−a−b)(II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R1は非加水分解性基であり、R2は官能基を有する基であり、Xは上記のとおりであり、かつa及びbは0、1、2又は3であり、ここで、これらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意の、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
「キセノン・アーク耐候性試験」:
試験条件:
設備: Atlas Ci 4000
作業サイクル: 102分間の照射、18分間の照射+降雨
光強度(300〜400nm): 60W/m2
乾燥段階: 63℃、50%相対空気湿度
降雨段階: 45℃、95%相対空気湿度
噴霧速度: 200ml/分
(A)一般式SiX4(I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、
(B)一般式R1 aR2 bSiX(4−a−b)(II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R1は非加水分解性基であり、R2は官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)、並びに
(C)随意に、ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。
1.黄色顔料粉末としてのナノサイズ範囲のSiO2カプセル化Agコロイドの製造
(a)AgNO3を含むベース・ゾル系
出発材料:
166mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
出発材料:
170mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
0.95gのヒドロキノン
・グルコース Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:10
・アスコルビン酸 Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:5
・ホルムアルデヒド Ag:還元剤のモル比=1:1
・グリセリン Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:5
・ヘキサメチレンテトラアミン Ag:還元剤のモル比=1:1
・メトキシポリエチレングリコール Ag:還元剤のモル比=1:1
・ヒドロキノン Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:2及び1:5
・尿素 Ag:還元剤のモル比=1:4
出発材料:
166mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
出発材料:
170mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
0.95gのヒドロキノン
・ヒドロキノン Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:5
・グルコース Ag:還元剤のモル比=1:1
・アスコルビン酸 Ag:還元剤のモル比=1:1及び1:0.2
・ホルムアルデヒド Ag:還元剤のモル比=1:9、1:18、1:45及び1:90
出発材料:
170mlのエタノール
34.2mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)
8.5mlのテトラエトキシシラン(TEOS)
6.3mlの0.1M硝酸
5.2gのテトラエチルボレート(TEB)
1.47gの硝酸銀
2.5mlの蒸留水
6.25mlの[3−(2−アミノエチル−アミノ)−プロピル]トリメトキシシラン(DIAMO)
0.95gのヒドロキノン
1.52gのアスコルビン酸
・ヒドロキノン+アスコルビン酸
Ag:ヒドロキノン:アスコルビン酸のモル比=1:1:1
・ヒドロキノン+ホルムアルデヒド
Ag:ヒドロキノン:ホルムアルデヒドのモル比=1:1:0.5
先ず、二成分クリアペイント系(アクリル樹脂+イソシアネート硬化剤)中に、約6.6重量%の製造されたAg顔料を導入する。ここで、この顔料は、超音波ランスを使用して(約5〜10分間)、アクリル樹脂中に取り込む。次いで硬化剤(アクリル樹脂に対して半分の重量)を添加し(樹脂:硬化剤の混合比2:1)、そして完成した混合物を数分にわたって室温で攪拌する。黄色に着色されたこのようなコーティング系を、ガラス板(10cm×10cm)上に手動ナイフを使用して約120μmの湿潤膜厚で塗布する。次いで、塗布済みコーティングを18分間にわたって、温度140℃で緻密化する。結果として生じる硬質層は、黄色を帯びており、概して透明である。
Claims (16)
- 下記の工程を特徴とする、無機有色顔料としてのカプセル化金属コロイドの製造方法:
(a)ゾル・ゲル法によって1種又は2種以上のガラス形成成分を反応させて、ゾルを得ること;
(b)得られた前記ゾル中で、追加の還元剤の存在において、金属塩を分散させて、金属コロイドを形成すること;
(c)得られた分散体を、噴霧乾燥によって、キセロゲルでカプセル化された金属コロイドに転化させること;及び
(d)得られたキセロゲル・カプセル化金属コロイドを加熱して、緻密化すること。 - 工程(b)で得られた分散体にUV処理を施す、請求項1に記載の方法。
- 工程(a)のゾルが、物質量比(A):(B)=5〜50:50〜95で、下記の成分を加水分解及び重縮合させることによって得られるものである、請求項1又は2に記載の方法:
(A)一般式SiX4(I)の少なくとも1種の加水分解性シラン、又はこれらから誘導されるオリゴマー(上記式中、基Xは同じ又は異なるものであり、かつ加水分解性基又はヒドロキシル基を意味する)、並びに
(B)一般式R1 aR2 bSiX(4−a−b)(II)の少なくとも1種のオルガノシラン、又はこれから誘導されるオリゴマー(上記式中、R1は非加水分解性基であり、R2は官能基を有する基であり、Xは前記のとおりであり、かつa及びbはそれぞれ0、1、2又は3であり、ここでこれらの和(a+b)は1、2又は3である)。 - 工程(a)のゾルが、前記成分(A)及び(B)に加えて、下記の成分(C)を加水分解及び重縮合させることによって得られるものである、請求項3に記載の方法:
(C)ガラス形成元素の1種又は2種以上の化合物。 - 前記加水分解性シラン(A)として、テトラアルコキシシランが使用される、請求項3又は4に記載の方法。
- 前記オルガノシラン(B)として、エポキシシラン又はアミノシランが使用される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 加水分解及び重縮合が、錯体形成剤の存在において行われる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
- B2O3の使用によって、工程(a)において得られるゾルの屈折率を調節する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記金属塩が、金属硝酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ヒ素化物、金属リン化物、及び金属カルコゲニドから成る群から選択されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記金属塩が、銀、金、銅、鉄、鉛、パラジウム、及び白金の塩から成る群から選択されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 工程(b)で使用される追加の還元剤が、グルコース、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド、グリセリン、ヘキサメチレンテトラアミン、メトキシポリエチレングリコール、ヒドロキノン、及び尿素から成る群のうちの少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 得られた前記キセロゲル・カプセル化金属コロイドを775℃まで加熱する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- コーティングされていない金属コロイド核の直径が5〜25nmである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記カプセル化金属コロイドの粒度が50nm〜2μmである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法によって製造された前記カプセル化金属コロイドを有する、無機有色顔料。
- 請求項15に記載の無機有色顔料の、コーティング系における使用。
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