JP5656432B2 - プレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形性に優れるステンレス鋼板及びその製造方法に関し、特に、高価かつ希少な元素であるNiを多量に含有しないプレス成形性に優れた2相ステンレス鋼板(フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板)およびその製造方法に関するものである。
ステンレス鋼を大きく分類するとオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、2相(フェライト・オーステナイト)系ステンレス鋼に分けられる。オーステナイト系ステンレス鋼は、Niを7%以上含有し、成形性に優れた鋼種が多い。フェライト系ステンレス鋼はNiをほとんど含有せず、一般的に成形性はオーステナイト系ステンレス鋼に比べてかなり低い。一方、2相(フェライト・オーステナイト)系ステンレス鋼は、これまで成形性、耐食性などにおいてオーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ステンレス鋼の中間的な位置づけを持つ鋼種が多い。しかし近年、フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼においても塑性加工時のオーステナイト相の加工誘起マルテンサイト変態を活用してオーステナイト系ステンレス鋼に近い成形性を有する技術が開発されている。特許文献1では主構成相がフェライト相であり、残留オーステナイト相を含有するステンレス鋼を用いて、TRIP現象によって引張破断伸びを高めた技術が記載されている。特許文献2ではオーステナイト相の安定性を規定し、引張伸びを高める方法が述べられている。特許文献3においてはオーステナイト相の分率ならびにオーステナイト相中のC、N量を規定し、引張試験における全伸びを高める技術が示されている。
さらに、特許文献4では張り出し成形性を向上させるためにMn量を2%以下としてフェライト相の延性低下を抑制する方法が示されている。また、特許文献5ではフェライト・オーステナイト相として分布する際のオーステナイト相の結晶粒形状を限定することで製品の均一伸びを向上させ、成形性を向上させる方法が示されている。
しかし、特許文献1では、実施例に示されるように引張破断伸びが34〜42%と必ずしも破断伸びは高くない。また実際の成形加工においては鋼板が破断して「割れ」発生しなくとも板厚減少(ネッキング)が生じた時点で成形不可と判断することが多い。すなわち引張試験における「破断伸び」より、変形限界である「均一伸び」が成形性を決めるが、均一伸びは不明である。特許文献2においては引張破断伸びが最大46%で、また特許文献3では実施例で最大71%までの破断伸びが記載されているが、これらの文献においても実際の成形性を支配する均一伸びに関する記載は一切見あたらず、成形性との関係は不明確である。
成形性を示す記載としては、特許文献4に張り出し成形性を向上させる記載がある。Mn量の低下とγ相率の増加により張り出し成形性の指標となるエリクセン値を向上させる方法である。しかし、実際のプレス成形において張り出し成形のみを用いた成形方法はごく希であり、絞り成形と重なった複合成形が一般的である。
特許文献5で明記されている均一伸びは変形限界を示しているが、変形様式の異なる絞り成形では均一伸びよりも塑性異方性を示すr値の影響が顕著である。したがって、一般的なプレス成形性という視点では必ずしも変形限界と一対一の関係が成り立たない。
特開平10−219407号公報 特開平11−71643号公報 特開2006−169622号公報 特開2006−200035号公報 特開2009−52115号公報
従来技術では、引張試験における均一伸びが高くても実際のプレス加工では割れが生じることがあった。絞り成形と張り出し成形の複合する一般的なプレス成形に対する二相鋼の材料設計指針や材料特性を明確化することが課題である。本発明者らは、特に二相鋼のプレス成形時に求められる加工硬化挙動を明確化することが重要と考えた。
上記のような課題に鑑み、本発明ではプレス成形性が良好であるフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法を提供することが目的である。
本発明者らは、フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼のプレス成形性を大幅に向上させるため、フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の成分組成に基づき、ミクロ組織、引張特性および表面性状の影響をラボ試験により鋭意検討を重ねた。その結果、プレス成形性が優れるミクロ組織、引張特性、表面粗さ、成分の組み合わせがあることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨は、次の通りである。
(1)質量%で、
C:0.10%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:4.0%以下、
P:0.050%以下、
S:0.010%以下、
Cr:17〜25%、
Ni:0.60〜5.0%、
N:0.01〜0.15%、
Al:0.01〜0.2%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、歪0.05〜0.1間のn値が0.2未満、歪0.15以上0.3以下のn値が0.25以上であり、かつ、フェライト相率が40%以上80%以下、最終製品における表面粗さRzが0.5以上3.0μm未満であることを特徴とするプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
(2)さらに、質量%で、
Cu:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜2.0%、
の1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)記載のプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
(3)さらに、質量%で、
Nb:0.03〜0.50%、
Ti:0.03〜0.50%、
の1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)または(2)記載のプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
(4)さらに、質量%で、
Ca:0.0005〜0.0030%、
Mg:0.0005〜0.0030%、
B:0.0005〜0.003%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の成分の熱延鋼板に、60%以上の冷間圧延を実施し、冷間圧延板焼鈍温度を1100〜1150℃で30秒以下とし、900℃までの冷却速度を15℃/秒以下で焼鈍し、焼鈍後にHF/HNO 溶液を用いて、HF/HNO 条件(g/L)がHNO 100L換算で、(5g/100L)以上(50g/100L)未満の範囲でデスケールをし、歪0.05〜0.1間のn値が0.2未満、歪0.15以上0.3以下のn値が0.25以上であり、かつ、フェライト相率が40%以上80%以下、最終製品における表面粗さRzを0.5以上3.0μm未満とすることを特徴とするプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
以下、上記(1)〜(5)の鋼板に係わる発明をそれぞれ本発明という。また、(1)〜(5)の発明を合わせて、本発明ということがある。
本発明によれば、高価かつ稀少な元素であるNiを多量に含有することなくプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を製造できるため、資源保護ならびに環境保全に貢献しうるものと考えられる。
歪量とn値の関係で限界絞り比を明示した図である。 表面粗さRzと均一伸びの異方性の関係に限界絞り比を重ねた図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の重要な要素である引張試験における歪とn値の関係およびフェライト相率について説明する。
歪0.05〜0.1間のn値0.2未満、歪0.15以上0.3以下のn値0.25以上、フェライト相率40%〜80%:フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の引張特性はそのミクロ組織によって大きく影響を受ける。ミクロ組織は概ね組成によって決定されるため、これらを独立して制御することは不可能である。
図1は組成の異なる3種類のフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板の歪とn値の関係に限界絞り比を重ね合わせた図である。
ここで、n値とは、引張試験で得られる応力−歪曲線の2点における荷重と伸びの関係から求められる指標であり、その数値が大きければ2点間の硬化が大きいことを意味している。具体的には、製品に引張試験を実施した際に製品の変形にともない成形荷重が上昇する。一般に加工硬化として知られる現象であり、この際の(変形量/初期の長さ)として無次元化した値を歪としている。したがって、n値を求める場合には歪量が重要となる。歪量が小さい場合には、変形は軟質部へ集中し易く、歪量の増加に伴って変形は拡大し、破断近傍では硬質部の破壊が破断限界となり易い。例えば、Nのようにオーステナイト相の硬度を著しく上昇させる元素を低減し、オーステナイト相とフェライト相の硬度差を小さくできれば、変形がフェライト相への集中を回避できる。同様に、各相の分散形態として、どちらかの相の肥大化を避け、硬質となりがちなオーステナイト相の分散形態を製造工程で制御できれば、加工硬化係数であるn値の制御も可能となる。限界絞り比2.15と優れる結果を示したのは、加工初期のn値が小さく、加工後期にn値が上昇する特性を有した鋼A(0.025%C−0.6%Si−3.1%Mn−0.025%P−0.001%S−20.6%Cr−1.0%Ni−0.08%N)であった。この鋼の限界絞り比が優れる理由は以下のように考えられる。加工初期のn値が低いことは、鋼板の初期変形、すなわち、成形金型との馴染み易さを向上させる。n値が低いことは加工硬化が少ないことを表しており、Punchによって鋼板が変形を始めた直後にPunch形状に追従する変形が可能となる。
これに対して、限界絞り比が1.95であった鋼B(0.020%C−0.8%Si−3.5%Mn−0.025%P−0.001%S−21.5%Cr−0.8%Ni−0.24%N)は、加工初期のn値が高く、金型へ馴染むことなく変形が継続されるため、変形部に過度の応力集中が発生する。その結果、ミクロ組織の軟質部にボイドが生成し始め、その後の変形で成長、連結し破断に至るため限界絞り値の向上は得られない。さらに、初期に変形する面積に対して、残りの面積が小さい場合にはそのまま変形が完了する場合があるが、残り面積が大きい場合には変形部の強度が未変形部強度よりも大きくなければ変形を継続できず、割れが発生する。
したがって、導入される歪量が大きくなる加工後期には、それに伴って加工硬化する。すなわちn値が高くなることが、絞り成形では重要である。鋼Bが鋼A(0.025%C−0.6%Si−3.1%Mn−0.025%P−0.001%S−20.6%Cr−1.0%Ni−0.08%N)に比較して限界絞り比が高くなっているのは、この効果によるものと考えられる。鋼Cは、組成は鋼Aと等しいものの、冷間圧延板の焼鈍条件が1150℃×300sと長かったためにフェライト相率が85%と非常に高くなったために延性が低下し、その結果、限界絞り比が1.90と低下した。
したがって、歪0.05〜0.1間のn値0.2未満、歪0.1以上0.3以下のn値0.25以上とした。好ましくは、歪0.05〜0.1間のn値0.1〜0.15、歪0.1以上0.3以下のn値0.25〜0.4である。
このような歪とn値の関係は、フェライト単相鋼やオーステナイト単相鋼の加工硬化特性で用いられるような成分や結晶粒径のみで得られる結果ではなく、各相の成分、相比率および分散形態を正確に制御することでのみ得られるものである。具体的には、フェライト相率が少ない場合には、当然のことながらオーステナイト相の比率が高くなる。その結果、歪とn値の関係はオーステナイト系ステンレス鋼に類似した特性になりやすく、低歪域から高いn値を示す。逆に、フェライト相の比率が高いとフェライト系ステンレス鋼の特性が反映され、高歪域でも低n値を示す。フェライト相率が適正の範囲では、低歪ではフェライト相の変形が優先となるためn値は低く、歪量の増加にともないフェライト相の加工硬化とオーステナイト相の加工硬化が相乗されることにより、n値が増加する。したがって、フェライト相率は40%〜80%とした。好ましくは、45%〜65%である。
次に、表面粗さRz0.5以上3.0μm未満とした理由について説明する。ステンレス鋼板をプレス成形する際には、多くの場合潤滑油を用いる。これは、鋼板が金型へ焼き付き易い特性を有しているためであり、焼き付きによる製品歩留まりの低下や金型摩耗を抑制して、生産性を確保する狙いがある。したがって、潤滑油が成型過程で鋼板と金型の境界に存在していることが重要となる。
潤滑油が鋼板もしくは金型表面に存在していても、成形時に金型に鋼板表面が強く押し付けられ、鋼板表面を擦りながら移動していくため、同時に潤滑油の存在スペースが失われてしまう。ここで、フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼では、二相が存在するため最終デスケール時に溶解量が異なるため、単相のフェライト系ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼とは異なった各相に対応する表面の凹凸が発現する。また、この二相は硬さが異なるため、成形過程での変形量が異なる。すなわち、適度な表面粗さにより潤滑油が鋼板表面に存在し易い凹凸が形成され、成形過程でこの凹凸が維持されながら変形していくため、プレス過程で高い潤滑性能が発揮されプレス成形性が高くなることが明確になった。
図2は表面粗さRzと均一伸びの差の関係に限界絞り比を重ねた図である。Rzが0.5未満では、潤滑油を捕捉する凹凸が充分ではなく、3.0μm以上では凹凸が大きすぎるため、凹部に潤滑油が存在するのみで凸部頂上には潤滑油ができない。限界絞り比が2.0超となるのは、0.5以上3.0μm未満である。好ましくは、1.0〜2.0μmの範囲である。
次いで、均一伸びの異方性に関して説明する。
フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板は二相組織を有しているが、圧延工程で展伸されるためミクロ組織は展伸粒が生じ易く、引張特性にも異方性が生じ易い。引張特性に異方性が存在すると、円筒絞りのような成形では延性の低い方向で割れが発生する。対して、後述のオーステナイト相を球状分断するような組織制御を実施し均一伸びの差が小さくなった条件では、破断起点がランダム化し、高い成形能に繋がることが分かった。均一伸びの差が3%以上では、絞り比が2.05以上の成形で、特定の方向でのみ割れが発生したため、3%未満とした。好ましくは、2%未満である。
以下に成分の限定理由を述べる。なお、以下に示す「%」とは質量%を表す。
C:Cはオーステナイト相の安定度に大きな影響を及ぼす元素である。0.10%超の含有をするとオーステナイト相の硬度が著しく上昇する場合がある。またCr炭化物の析出を促進するために粒界腐食の発生をもたらすため、0.10%を上限とした。また耐食性の点からCは低くするほうが好ましいが、低減するためには精錬時のコスト増加を招く。好ましくは、0.01〜0.04%の範囲であり、さらに好ましくは、0.025〜0.04%の範囲である。
Si:Siは脱酸元素として使われたり、耐酸化性向上のために含有されたりする場合がある。しかし、2.0%超の含有は材料の硬質化をもたらし、均一伸びが低下するため、これを上限とした。またSiを極低減するためには精錬時のコスト増加を招く。好ましくは、0.05〜1.0%の範囲であり、さらに好ましくは、0.4〜1.0%の範囲である。
Mn:Mnはオーステナイト相に濃化し、オーステナイト相の安定度を変化させるのに重要な役割を持つ。しかし多量の含有は耐食性や熱間加工性の低下をもたらすため、上限を4.0%とした。0.05%未満とするには製錬工程におけるコスト増加を招くため、下限を0.05%とすることが望ましい。耐食性の点からは低い方が好ましく上限は3.0%未満とすることが望ましい。
P:Pは不可避的に混入する元素であり、またCrなどの原料に含有されているため、低減することが困難であるが、多量に含有した場合には成形性を低下させるため、上限を0.050%未満とした。
S:SはMnと結合して介在物をつくり、発銹の基点となる場合があるため、上限を0.010%未満とした。低いほど耐食性からは好ましいため、0.003%以下とすることが望ましい。
Cr:Crは耐食性を確保するために必要な元素であり、17%以上の含有が必要である。しかし、多量の含有は熱間加工割れの原因となり、精錬工程のコスト増加につながるため、上限を25%とした。好ましくは、20〜23%の範囲である。
Ni:Niはオーステナイト安定化元素であり、オーステナイト相の安定度を調整するために重要な元素である。また熱間加工割れを抑制する効果を持つため、0.6%以上含有させる。5.0%を超える含有は、原料コストの増加をもたらし、またオーステナイト、フェライトの2相組織を得ることが困難になる場合があるため、これを上限とした。好ましくは、0.60〜2.4%の範囲である。さらに好ましくは、0.6〜2.2%の範囲である。
N:NはC同様にオーステナイト相の安定度に大きな影響を及ぼす元素である。また固溶して存在した場合に耐食性を向上させる効果を持つため、0.01以上含有することとする。但し、0.15%以上含有した場合は硬度の上昇が著しくなり、均一伸びが低下する場合が認められるほか、Cr窒化物が析出しやすくなって逆に耐食性の低下をもたらすため、これを上限とした。安定して効果を得るためには0.06以上が好ましい。
Al:Alは鋼の脱酸能力が非常に大きい元素であり、フェライト相の靱性向上の観点から必ず添加する必要がある。脱酸により酸化物系介在物を減少させ高い靱性を得るためには0.01%以上の含有が必要である。一方過剰な添加は鋼の硬質化を招き、加工性を低下させる可能性があるので0.2%以下の含有量とする。好ましくは、0.02〜0.1%の範囲である。
また、選択的に下記元素を含有することができる。
Cu:CuもNi同様、オーステナイト安定化元素であり、オーステナイト相の安定度を調整するために重要な元素である。ただし、2.0%を超える含有は熱間加工時の割れを促進し、また強度を上昇させるため、これを上限とした。安定して効果を得るためには、0.1%以上が好ましい。
Mo:Moは耐食性を向上させる元素であるため、選択的に含有しても良い。0.1%以上の含有により、耐食性向上効果が発揮される。安定して効果を得るためには、0.5%以上が好ましい。ただし、2.0%を超えると均一伸びが低下し、原料コストが大きく増加するため、これを上限とした。
Nb:Nbは溶接熱影響部の粗大化を防止する効果があるが、0.50%超の含有は均一伸びを低下させるため、これを上限とした。安定して効果を得るためには、0.03%以上が望ましい。
Ti:TiもNb同様、溶接熱影響部の粗大化を防止する効果を有する。さらには凝固組織を微細等軸晶化するため、0.03%以上の含有が好ましい。ただし、0.50%超の含有は均一伸びを低下させるため、これを上限とした。
Ca:Caは脱硫、脱酸のために若干含有されることがある。但し、0.003%超の含有によって熱間加工割れが生じやすくなり、また耐食性が低下するため、これを上限とした。安定して効果を得るためには、0.0005%以上が望ましい。
Mg:Mgは、脱酸だけでなく、凝固組織を微細化する効果を持つ。これらの効果を安定して発揮するためには、0.0005%以上の含有が望ましい。また、0.003%超の含有は製鋼工程でのコスト増加をもたらすため、これを上限とした。
B:Bは粒界強度を上昇させるのに有効な元素である。このような効果を安定して発揮するためには、0.0005%以上の含有が望ましい。また、0.003%超の含有は多量のホウ化物生成を招き、耐食性を著しく低下させる。
次ぎに、製造方法についての限定理由を述べる。
熱延鋼板に60%以上の冷間圧延を実施し、冷間圧延板焼鈍温度を1100〜1150℃で保持時間30秒以下とし、900℃までの冷却速度を15℃/秒以下としたのは次の理由による。
フェライト・オーステナイト系ステンレス鋼の組織は、フェライト相とオーステナイト相の二相から成り立っているが、熱処理条件により二相の存在状態および各相の特性(例えば、硬度)は変化する。すなわち、各相の比率変化は成分変化を伴って生じることから、相比率のみを増減することでn値の制御は達成できないため、熱処理条件等製造条件の最適化が重要である。
この特長を活用すれば、成形に有利な組織形態を得ることができる点に着目し、熱処理条件を変更した試験を実施した。その結果、1100℃以上の温度でフェライト相の粒成長によるオーステナイト相の分断球状化が得られることが明らかとなった。さらに、この球状化し分散するオーステナイト相によりフェライト相の粒成長が抑制効果を発揮する。しかし、1150℃を超える温度や保持時間が30秒を超える熱処理条件では、オーステナイト相が部分的に消失するためフェライト相の粒成長が著しくなり、高歪域におけるn値の低下を招くことが明らかとなった。ここで、冷延板焼鈍に供する素材の冷間圧延率が低い場合には、フェライト相に冷間圧延の歪が集中して導入されるため、熱処理によるオーステナイト相の拡散効果が低減し、展伸粒が残存してしまう。好ましくは、5〜20秒の範囲である.また、熱処理後の冷却速度が15℃/秒を超えると冷却過程でのオーステナイト相の析出が不足し、高歪域でのn値が低下することも明らかとなった。好ましくは、10〜15℃/秒の範囲である。一方、上記の1100℃以上1150℃の温度範囲の熱処理においては通常オーステナイト相の析出を伴うので、温度が低い場合にオーステナイト相の析出が促進され、組成によっては更に顕著となる場合がある。このような場合には、熱処理後の冷却速度によるγ析出の制御は期待できないため、冷却速度が15℃/秒を超えるとフェライト相率が40%未満となることがある。
以下実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1に示す化学組成の鋼を真空高周波溶解炉により、厚さ50mm、幅160mm幅の鋳塊とし、1200℃に加熱した後に、熱間圧延により厚さの異なる熱延板を作製した。その後、1050℃で熱延板焼鈍の後、デスケール、冷間圧延の工程を経て、0.6〜1.5mm厚の冷延板を製造した。これら冷延板の最終焼鈍において、最終焼鈍の温度、保持時間および冷却速度を変化させた。得られた焼鈍板のデスケールは、アルカリソルト浴(430℃30秒保定)によるスケール改質処理の後にHF/HNO溶液を用いたデスケールにより供試材とした。ここで、HF/HNOの条件は、HF=5〜50g/L、HNO=20〜100g/Lで変化させ、溶液温度を50℃、浸漬時間を20秒で固定することで、表面粗さを変化させた。溶解量が少なければ、スケール残りや各相における溶解量の差が小さくなるため表面が平坦であり、溶解量が多すぎれば、各相の溶解量の差が大きくなるため、凹凸が顕在化し、表面粗さが著しく大きくなった。HF/HNO条件(g/L)がHNO100L換算で、(5g/100L)以上(50g/100L)未満の範囲では溶解量が適正であり、最終製品における表面粗さRzが0.5以上3.0μm未満となった。HF/HNO条件が前記範囲を外れる場合、すなわち(5g/100L)未満では溶解量が少なく、(50g/100L)以上では溶解量が過大となった。
供試材の表面粗さ測定は、ミツヨト製SV3000CNC3次元粗さ計(触針径:2μm)を用い、JISB0601’01に準拠した条件で高さ倍率2000倍として圧延方向に対して90°方向のRzを3回実施し平均を求めた。n値測定のための引張試験は、圧延方向に対して0°と90°方向から採取したJIS13号B試験片により、JISに準拠した条件で2回測定し平均値を求めた。この引張試験で応力−歪線図の測定を実施し、歪0.01(伸び1%に相当)ステップで荷重を測定し、応力を求めて各歪間のn値を算出した。限界絞り比の測定はエリクセン社製142/40型薄板成形試験機を用い、Punch径40mm、Die径43mmの金型を用い、試験片径を76mm〜90mmまで2mm間隔とすることで絞り比(試験片径/Punch径)を変化させ、途中で破断することなく絞り抜けた上限の絞り比を限界絞り比とした。絞り試験の条件は、クッション圧1ton、潤滑剤は#122ワックスとした。
Figure 0005656432
熱間圧延材に施した冷間圧延以降の製造条件および得られた鋼板を用いて調査した表面粗さRz、各歪間におけるn値、均一伸びおよび限界絞り比を表2に示す。
Figure 0005656432
表1から明らかなように成分範囲、各歪間のn値およびフェライト相率が本発明範囲を満足する場合に、限界絞り比は2.0超となっている。No.26〜No.34は、成分が範囲外であり、本願発明の製造条件を満たしていたとしても各歪間のn値もしくはフェライト相率および表面粗さが外れているため、限界絞り比が1.95以下と低くなっている。No.1−1のように成分範囲は満足しているもののフェライト相率が低く外れていると少ないフェライト相に応力集中が起こり、深絞り試験において容易に破断が発生している。また、No.2−1ではフェライト相率は満足するものの各歪間のn値が本発明範囲から外れており、低歪域ではn値が高いため過度の成形荷重により不均一な応力分布が生じ、かつ、高歪では応力集中部の加工硬化が少ないため、容易に破断が生じるため限界絞り比が低くなっている。No.8−2は高歪側0.15〜0.3間のn値が低くなっており、成形末期で破断が発生した。No.10−4は、各間のn値は発明範囲を満足しているもののフェライト相率および表面粗さが低めに外れており、成形過程で潤滑油の存在箇所が少なく金型との接触抵抗が著しく高くなり、軟質なフェライト相が応力集中に耐えられずき裂が発生するため、限界絞り比の向上は認められなかった。
また、表2に示されるように成分範囲、各歪間のn値、フェライト相率および製造条件が本発明例を満足する場合(No.1−3、2−5、3−3、4−2、5、6、7、8−1、9、10−3、11〜21)には、限界絞り比は2.05以上と高くなっている。成分範囲、高歪域のn値、フェライト相率は本発明範囲を満足しているものの、No.1−2では最終焼鈍温度が下限を外れ、オーステナイト相の分断球状化が不十分なため、低歪側でのn値が本発明範囲を外れており、全ての条件が満足しているNo.1−3に比較し、限界絞り比が低くなっている。同様に、No.2−4では表面粗さが本発明範囲を大きく超えて外れており、加工初期に潤滑油が表面の凹部に集中し凸部では製品と金型間の潤滑が不十分となるため限界絞り比は低くなっている。また、No.2−3では冷間圧延率が低く外れており、最終焼鈍でオーステナイト相の球状分断化に必要な歪の導入が不十分なため顕著な繊維状組織が存在し、フェライト相とオーステナイト相の界面から破断が生じている。No.4−3では保定時間が長く、オーステナイト相が安定化するとともに成長しフェライト相率の低下を招いている。その結果、変形過程でフェライト相に歪が集中するため限界絞り比が低くなっている。No.10−1では冷却速度が発明範囲を外れている。最終焼鈍温度も低めであり、焼鈍時間が少ないことも重なってフェライト相率の低下につながり、かつ、フェライト相とオーステナイト相の不均一分布の影響により、高歪域でのn値の上昇が生じていない。
本発明により、プレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼を得ることが可能となる。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.10%以下、
    Si:2.0%以下、
    Mn:4.0%以下、
    P:0.050%以下、
    S:0.010%以下、
    Cr:17〜25%、
    Ni:0.60〜5.0%、
    N:0.01〜0.15%、
    Al:0.01〜0.2%
    を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、歪0.05〜0.1間のn値が0.2未満、歪0.15以上0.3以下のn値が0.25以上であり、かつ、フェライト相率が40%以上80%以下、最終製品における表面粗さRzが0.5以上3.0μm未満であることを特徴とするプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
  2. さらに、質量%で、
    Cu:0.1〜2.0%、
    Mo:0.1〜2.0%、
    の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1記載のプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
  3. さらに、質量%で、
    Nb:0.03〜0.50%、
    Ti:0.03〜0.50%、
    の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2記載のプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
  4. さらに、質量%で、
    Ca:0.0005〜0.0030%、
    Mg:0.0005〜0.0030%、
    B :0.0005〜0.0030%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の成分の熱延鋼板に、60%以上の冷間圧延を実施し、冷間圧延板焼鈍温度を1100〜1150℃で30秒以下とし、900℃までの冷却速度を15℃/秒以下で焼鈍し、焼鈍後にHF/HNO 溶液を用いて、HF/HNO 条件(g/L)がHNO 100L換算で、(5g/100L)以上(50g/100L)未満の範囲でデスケールをし、歪0.05〜0.1間のn値が0.2未満、歪0.15以上0.3以下のn値が0.25以上であり、かつ、フェライト相率が40%以上80%以下、最終製品における表面粗さRzを0.5以上3.0μm未満とすることを特徴とするプレス成形性に優れたフェライト・オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
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