JP5654531B2 - 感作性物質評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感作性物質の評価方法及び感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価する方法に関する。
生体において、アレルギーを誘発する物質(感作性物質)を正当に評価及び検出することは、極めて重要である。これまでに、感作性物質を評価する方法としては、実験動物に被験物質を適用し、その皮膚等に生じる反応を観察する方法が知られている(非特許文献1、2、3)。しかしながら、これらの方法は、被験物質を評価する試験期間が長く、また、動物愛護等の見地からも動物を用いない感作性物質評価方法の開発が望まれている。
Magnusson B.,et al., J.Invest.Dermatol.,1969,52,268−276 Sato Y.,et al.,Contact Dermatitis,1981,7,255−257 Buehler E.V.,Arch.Dermatol., 1965,91,171−177
化学物質等によりアレルギーが成立する過程は、複数の段階からなる(非特許文献4、5)。まず、最初の段階では、感作性物質が生体内のタンパク質と結合し、本来生体内に存在しない物質へと修飾される。次に、抗原提示細胞は、このような物質を抗原として認識すると、細胞内で様々なシグナルが伝達され、細胞膜表面タンパク質の発現変化等を経て、活性化する。活性化した抗原提示細胞は、所属リンパ節へと移動し、その細胞表面に抗原を結合したMHCIIタンパク質を発現し、共刺激分子と呼ばれるタンパク質を介してT細胞と結合し、抗原提示を行う。また、この際、IL−1、IL−3、IL−6、GM−CSF、TNF−α、INF−γなどの多くのサイトカインやケモカインを産生する。このような抗原提示細胞としては、血液中の樹状細胞及び単球、皮膚中のランゲルハンス細胞等が知られている。活性化した抗原提示細胞により、抗原提示を受けたT細胞は、記憶T細胞となり、アレルギーが成立する。さらに、皮膚におけるケラチノサイトのように、抗原提示に直接関わっていないが、感作性物質に反応して様々なサイトカインを分泌することで、アレルギーの成立を促進する細胞も存在する。したがって、アレルギーの成立過程は、複数の細胞が関与し、さらに多くのサイトカインが様々な効果を発揮することで成り立っており、極めて複雑な生体反応である。
多田富雄,免疫学イラストレイテッド 原書第5版,南江堂 Jacques B.,et al.,Nature,1998,392,245−252
アレルギーの成立過程は複雑であるが、この過程に関わる様々な因子が明らかとなりつつある。抗原により活性化された抗原提示細胞は、p38MAPK、JNKなどのリン酸化酵素が活性化され(非特許文献6)、細胞膜表面上にCD54、CD86、CD83、CD1−a、CD40、HLA−DR、E−カドヘリン、CCR7などのレセプターを発現し(非特許文献7)、さらに、IL−1、IL−3、IL−6、GM−CSF、TNF−α、INF−γ、MIP−1α、MIP−1βなどのサイトカインを分泌すると報告されている(非特許文献4、8)。しかし、アレルギーに関わる因子が非常に多く、多岐にわたっており、それらの相互関係には不明な点が多く、現在のところ、そのメカニズムは解明されていない。
Aiba S.,AATEX,2005,11,49−58 Staquet M.J.,et al.,Toxicology in Vitro,2004,18,493−500 Alexander H,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1992,89,1398−1402
このように、幾つかのアレルギーに関わる因子が同定されてはいるものの、アレルギー反応の複雑さから、動物を用いない感作性物質の評価方法の開発は困難であった。そのため、現在のところ、有用なin vitro感作性物質評価方法は確立されていない。
これまでに、動物を用いない感作性物質の評価方法に関しては、細胞を感作性物質と培養し、特定の遺伝子又はタンパク質の発現増加を指標とした方法が一般的であった。例えば、株化された培養細胞であるTHP−1において、CD86及びCD54について(特許文献1)、MIP−1α及びMIP−1βについて(特許文献2)、CCR7、IL−23、及びATF−3(特許文献3)について、それぞれ発現増加を指標としているものがある。その他には、ケラチン細胞とランゲルハンス細胞の共培養系において、感作性物質によるMHCII、IL−1β、GM−CSF、MIP2、TNF−α、インターフェロン誘発タンパク質10(IP10)、及びINF−γの発現増加を指標とした方法も報告されている(特許文献4)。しかし、いずれの方法においても、感作性の指標となるマーカー(感作性マーカー)遺伝子及びタンパク質の発現が低いことや、感度又は精度が低いことが知られていた。
特開2004−222582号 特開2005−278628号 特開2006−136215号 第2821457号
さらに、感作性物質には、感作性が強い物質と、感作性が弱い物質があるため、それらの性質を見極め、より詳細な感作性物質の情報を得ることが出来る動物を用いない感作性物質の評価方法に関しては皆無であった。
以上より、動物を用いない感作性物質の評価方法の開発において、感作性物質を正確に評価するために、複雑なアレルギーの成立過程を再現するとともに、感度及び精度を向上させ、さらに、感作性物質における感作性の強弱をも検出できる新たな感作性マーカーの発見が望まれていた。
かかる状況に鑑み、本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決し、哺乳動物細胞を用い、高い感作性物質の検出感度及び精度を備え、さらに、感作性の強弱についても検出可能な、新たな感作性マーカーを探索し、より感度の高い感作性物質評価方法を提供することにある。
このような事情により、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、感作性物質に対するヒト細胞の反応を詳細に解析し、高い感作性物質の検出感度及び精度を備え、さらに、感作性の強弱についても検出可能な優れた感作性マーカーを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
哺乳動物細胞と被験物質とをインキュベートし、当該細胞の感作性マーカーの発現を測定することを特徴とする、被験物質の感作性を評価する方法であって、該感作性マーカーが、(1)から1種又は2種以上選択されたマーカー、又は(2)から1種又は2種以上選択されたマーカーであることを特徴とする、被験物質の感作性を評価する方法。
(1)感作性マーカー群A:IL−10 受容体(IL−10R)、CD44、NF−κB、IκBα、IκBε、フーリン(furin)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(uPA−R)、TNFα誘導タンパク質3(A20)、TRAIL受容体2(TRAIL−R2)、インターフェロン制御因子−1(IRF−1)、血小板由来成長因子α(PDGFα)、v−Jun、インシュリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP3)、ヘムオキシゲナーゼ−1(HO−1)、チオレドキシン還元酵素−1(TR−1)、クラスII主要組織適合抗原(MHCII)、CD86、マクロファージ炎症タンパク質1α(MIP−1α)、MIP1β、ケモカイン受容体7(CCR7)。
(2)感作性マーカー群B:IL−4受容体(IL−4R)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)、メタロチオネイン−1(MT−1)、オステオポンチン(OPN)、シトクロームP450還元酵素(P450)、ケモカインリガンド5(CCL5)、CCL23、ティッシュインヒビターオブMMP−3(TIMP3)、TGF−β タイプII受容体(TGFRII)、インターフェロン誘導タンパク質p78(MxA)、アネキシンA5(AxA5)、GROα、GROβ、FosB、アクチビンA受容体(AAR)、シスタチンB(CTB)、インテグリンβ5(ITβ5)、IL−1α、IL−1β、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、TNF−α、IFN−γ、CD54。
哺乳動物細胞と被験物質とをインキュベートし、当該細胞の感作性マーカーの発現を測定することを特徴とする、被験物質の感作性を評価する方法であって、該感作性マーカーが、(1)から1種又は2種以上選択されたマーカー、及び(2)から1種又は2種以上選択されたマーカーであることを特徴とする、被験物質の感作性を評価する方法。
(1)感作性マーカー群A:IL−10 受容体(IL−10R)、CD44、NF−κB、IκBα、IκBε、フーリン(furin)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(uPA−R)、TNFα誘導タンパク質3(A20)、TRAIL受容体2(TRAIL−R2)、インターフェロン制御因子−1(IRF−1)、血小板由来成長因子α(PDGFα)、v−Jun、インシュリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP3)、ヘムオキシゲナーゼ−1(HO−1)、チオレドキシン還元酵素−1(TR−1)、クラスII主要組織適合抗原(MHCII)、CD86、マクロファージ炎症タンパク質1α(MIP−1α)、MIP1β、ケモカイン受容体7(CCR7)。
(2)感作性マーカー群B:IL−4受容体(IL−4R)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)、メタロチオネイン−1(MT−1)、オステオポンチン(OPN)、シトクロームP450還元酵素(P450)、ケモカインリガンド5(CCL5)、CCL23、ティッシュインヒビターオブMMP−3(TIMP3)、TGF−β タイプII受容体(TGFRII)、インターフェロン誘導タンパク質p78(MxA)、アネキシンA5(AxA5)、GROα、GROβ、FosB、アクチビンA受容体(AAR)、シスタチンB(CTB)、インテグリンβ5(ITβ5)、IL−1α、IL−1β、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、TNF−α、IFN−γ、CD54。
哺乳動物細胞が、血液、骨髄、リンパ節、及び/又は皮膚由来であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の被験物質の感作性を評価する方法。
哺乳動物細胞が、培養細胞(THP−1、U−937、KG−1、MUTZ−1、HL−60、Jurkat)から1種以上選択される培養細胞であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被験物質の感作性を評価する方法。
哺乳動物細胞と感作性物質と被験物質とをインキュベートし、当該細胞の感作性マーカーの発現を測定することを特徴とする、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価する方法であって、該記感作性マーカーが、(1)から1種又は2種以上選択されたマーカー、及び/又は(2)から1種又は2種以上選択されたマーカーであることを特徴とする、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価する方法。
(1)感作性マーカー群A:IL−10 受容体(IL−10R)、CD44、NF−κB、IκBα、IκBε、フーリン(furin)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(uPA−R)、TNFα誘導タンパク質3(A20)、TRAIL受容体2(TRAIL−R2)、インターフェロン制御因子−1(IRF−1)、血小板由来成長因子α(PDGFα)、v−Jun、インシュリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP3)、ヘムオキシゲナーゼ−1(HO−1)、チオレドキシン還元酵素−1(TR−1)、クラスII主要組織適合抗原(MHCII)、CD86、マクロファージ炎症タンパク質1α(MIP−1α)、MIP1β、ケモカイン受容体7(CCR7)。
(2)感作性マーカー群B:IL−4受容体(IL−4R)、単球走化性タンパク質1(MCP−1)、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)、メタロチオネイン−1(MT−1)、オステオポンチン(OPN)、シトクロームP450還元酵素(P450)、ケモカインリガンド5(CCL5)、CCL23、ティッシュインヒビターオブMMP−3(TIMP3)、TGF−β タイプII受容体(TGFRII)、インターフェロン誘導タンパク質p78(MxA)、アネキシンA5(AxA5)、GROα、GROβ、FosB、アクチビンA受容体(AAR)、シスタチンB(CTB)、インテグリンβ5(ITβ5)、IL−1α、IL−1β、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、TNF−α、IFN−γ、CD54。
以下に、本発明において見出された感作性マーカーについて説明する。
IL−10R
IL−10をノックアウトしたマウスにおいて、アレルギー性喘息が緩和されることから、そのレセプターであるIL−10Rのアレルギーへの関与が推測される(非特許文献9)。
Justice J.P.,et al.,Am.J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.,2001,280,L363−L368
IL−4R
ヒト単球において、IL−4はIL−1、TNF−αの産生を抑制することから、IL−4Rは、マクロファージなどの多くの機能に関わっていると考えられている(非特許文献10)。
Essner R.,et al.,J.Immunol.,1989,142,3857
CD44
CD44は、ランゲルハンス細胞や樹状細胞の遊走に関わっていると考えられている(非特許文献11)。
Johannes M.,et al.,J.Cell Biol.,1997,5,1137−1147
MCP−1
MCP−1は、活性化した抗原提示細胞によって産生され、獲得免疫のエンハンサーとして機能すると推察されている(非特許文献12)。
Tekstra J.,et al.,Clin.Immunol.,2001,101,77−85
MMP−9
MMP−9は、樹状細胞の遊走及びケモカインの産生に関わっていると考えられている(非特許文献13)。
Karim Y.,et al.,J.Immunol.,2003,171,1016−1022
MT−1
MT−1は、感作性物質により、表皮において発現が亢進すると考えられている(非特許文献14)。
Santussi B.,et al.,Contact Dermatitis,2000,43,103−106
NF−κB
NF−κBは、樹状細胞が成熟する際に活性化すると考えられている(非特許文献15)。
Sandip B.,et al.,BLOOD,2004,104,1100−1109
furin
furinは、抗原提示細胞がウィルススーパー抗原をT細胞に提示する際に必要であると考えられている(非特許文献16)。
Wadsworth C.,et al.,J.Virol.,2000,74,8262−8267
OPN
OPNは、CD44のリガンドの1つであり、細胞の遊走に関わっていると考えられている(非特許文献17)。
Goodison S.,et al.,J.Clin.Pahol.:Mol.Pathol.,1999,52,189−196
P450
P450は、炎症により、発現が亢進すると考えられている(非特許文献18)。
Lim H.B.,et al.,Free Radical Biol. Med.,1998,25,635−644
uPA−R
uPA−Rは、細胞外マトリックスの分解や細胞の接着に関与し、細胞の遊走に必要であると考えられている(非特許文献19)。
Jan B.,et al.,J.Exp.Med.,1995,181,1381−1390
CCL5
CCL5は、炎症により、細胞外マトリックスの分解を促進し、細胞の遊走に関わると考えられている(非特許文献20)。
Chabot V.,et al.,J.Leukoc.Biol.,2006,79,767−778
CCL23
CCL23は、ケモカイン受容体1のリガンドであると考えられる。(非特許文献21)
Robert D.B.,et al.,J.Immunol.,2005,174,7341−7351
TIMP3
TIMP3は、細胞の遊走に関わっており、ヒト成熟樹状細胞において発現していると考えられている(非特許文献22)。
Osman M.,et al.,Immunology,2002,105,73−82
TGFRII
TGFRIIは、TGF−βのシグナルを細胞内に伝達し、細胞の遊走に関わると考えられている(非特許文献23)。
Heinfried H.R.,et al.,J.Immunol.,2005,174,2778−2786
A20
A20は、NF−κBの活性に伴い発現が亢進し、樹状細胞の成熟に関わると考えられる(非特許文献24)。
Ming−Qing X.,World J.Gastroenterol.,2003,9,1296−1301
TRAIL−R2
TRAIL−R2は、アポトーシスに関わるレセプターであり、樹状細胞に発現していると考えられている(非特許文献25)。
Martin L.,et al.,BLOOD,2000,96,2628−2631
MxA
MxAは、即時性喘息患者におけるウィルスの感染時に発現が亢進すると考えられている(非特許文献26)。
Imamura H.,Allergy,2001,56,895−898
AxA5
AxA5は、INF−γによるシグナル伝達を介した細胞の応答を調節すると考えられている(非特許文献27)。
Leon C.,et al.,J.Immunol.,2006,176,5934−5942
IRF−1
IRF−1は、MHCIIの発現に関わると考えられている(非特許文献28)。
Barbaro A.L.,Eur.J.Imuunol.,2002,32,1309−1318
PDGFα
PDGFαは、IFN−γによって活性化された細胞を遊走させると考えられている(非特許文献29)。
Morelli P.I.,et al.,Atherosclerosis,2006,184,39−47
GROα
GROαは、ヒト単球において、LPSによって誘導されると考えられている(非特許文献30)。
Innocenti M.,et al.,Infect.Immun.,2001,69,3800−3801
GROβ
GROβは、炎症部位における活性化した単球及び好中球において産生されると考えられている(非特許文献31)。
Naoko I.,et al.,Mol.Cell.Biol.,1990,10,5596−5599
FosB、v−Jun
FosやJunは、転写因子Activating Protein−1の構成因子であり、MMPの発現を制御していると考えられている(非特許文献32)。
Marina R.,et al.,Biochem.J.,2003.369,485−496
AAR
TGF−βスーパーファミリーに属するActivin Aのレセプターであり、アレルギーにおける炎症過程に関与していると考えられている(非特許文献33)。
Seong H.C.,et al.,J.Immunol.,2003,170,4045−4052
CTB
シスタチンは、IFN−γによって活性化されたマクロファージにおいて、NOの産生を促進すると考えられている(非特許文献34)。
Ludovic V.,et al.,J.Biol.Chem.,1996,271,28077−28081
IGFBP3
IGFBP3は、アレルギー患者において発現が亢進すると考えられている(非特許文献35)。
Hauache A.G.,J.Investig.Allergol.Clin.Immunol.,2003,13,266−271
ITβ5
ITβ5は、細胞の移動や接着に関与すると考えられている(非特許文献36)。
Mark O.N.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1993,90,2517−2521
HO−1、TR−1
HO−1は、マクロファージにおいて、チオレドキシンによって誘導されると考えられている。また、TR−1が阻害されると、このHO−1の誘導が抑制されると考えられている(非特許文献37)。
Philippe W.,et al.,J.Biol.Chem.,2000,275,24840−24846
したがって、本発明は、ヒト又は哺乳動物細胞において、感作性マーカー群A、Bから選抜された、1種又は2種以上の感作性マーカーの発現を検出することを特徴とする、感作性物質の評価方法、及び感作性物質に対する活性化剤又は抑制剤の評価方法を提供する。
<感作性マーカー群A>
IL−10R、CD44、NF−κB、IκBα、IκBε、furin、uPA−R、A20、TRAIL−R2、IRF−1、PDGFα、v−Jun、IGFBP3、HO−1、TR−1、MHCII、CD86、MIP−1α、MIP1β、CCR7。
<感作性マーカー群B>
IL−4R、MCP−1、MMP−9、MT−1、OPN、P450、CCL5、CCL23、TIMP3、TGFRII、MxA、AxA5、GROα、GROβ、FosB、AAR、CTB、ITβ5、IL−1α、IL−1β、GM−CSF、TNF−α、IFN−γ、CD54。
本発明で用いる哺乳動物細胞は、本発明の目的に沿うものであれば、哺乳動物から採取した血液、骨髄、リンパ節、及び/又は皮膚組織の細胞を用いることができる。例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の哺乳動物から得られた血液、骨髄、リンパ節、及び/又は皮膚組織の細胞を用いることができる。
この場合、上記哺乳動物細胞の中でも、血液、骨髄細胞を用いることが好ましい。
また、本発明で用いる哺乳動物細胞が、培養細胞である場合、本発明の目的に沿うものであれば、細胞バンクから入手可能な培養細胞や市販されている培養細胞を入手して用いることができる。例えば、THP−1、U−937、KG−1、MUTZ−1、HL−60、Jurkat等の培養細胞から1種以上選択し、用いることができる。
この場合、上記培養細胞の中でも、THP−1及び/又はU−937を用いることが好ましい。
これらの哺乳動物細胞を用いて、以下の培養方法及び解析方法により、被験物質の感作性を評価、又は、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価することができる。
本発明の哺乳動物細胞を培養するための培地としてはこれらの細胞を培養することができる常用の任意の培地を用いることができるが、RPMI1640、DMEM、MEM等が挙げられる。これらの培地には、5〜20%のウシ胎児血清(FBS)を添加することが好ましい。
感作性物質の評価においては、培地中の哺乳動物細胞に被験物質を添加し、37℃、5%CO下にて、0.5〜72時間、好ましくは2〜24時間培養する。また、感作性物質を活性化又は抑制する物質の評価においては、培地中の哺乳動物細胞に既知の感作性物質と被験物質を添加し、37℃、5%CO下にて、0.5〜72時間、好ましくは2〜24時間培養する。
培養終了後、感作性マーカー遺伝子の発現量を測定する方法として、マイクロアレイ法、セルアレイ法、組織アレイ法、定量的又は定性的RT−PCR法、ノーザンブロッティング法等を用いることができる。また、感作性マーカータンパク質の発現量を測定する方法としては、ウェスタンブロッティング法、ELISA法、セルアレイ法、組織アレイ法等が挙げられる。
本発明は、哺乳類細胞を用いて、被験物質の感作性を評価、又は、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価する方法であり、従来の方法に比べて感度及び/又は精度を向上させ、さらに、感作性の強弱についてと、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価することが可能である。
以下、次に本発明を詳細に説明するため、具体的且つ詳細な実施例を挙げるが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
哺乳類細胞として、THP−1(ヒト単核球由来細胞株:ATCCから購入)を用いて、感作性物質による遺伝子の発現変化について、マイクロアレイ解析を行った。
培地液の調製
RPMI1640(GIBCO社製)に10%FBS、100units/mLペンシリン(Sigma社製)と100μg/mLストレプトマイシン(ベーリンガー社製)を加えて調整した。
強い感作性物質の調製
強い感作性を示す物質として、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン(DNCB,Sigma社製)とp−ベンゾキノンe(BQ,Sigma社製)を用い、それぞれ、2.5mg/mL、3.0mg/mLとなるようにDMSOに溶解し用いた。
弱い感作性物質の調製
弱い感作性を示す物質としては、硫酸ニッケル(Ni,Sigma社製)とオイゲノール(EU,Sigma社製)を用い、それぞれ、20mg/mL、15mg/mLとなるように生理食塩水に溶解し用いた。
細胞と被験物質の培養
培地中のTHP−1(American Type Culture Collectionから分譲)に、それぞれの終濃度が、DNCBは5.0μg/mL、BQは6.0μg/mL、Niは200μg/mL、EUは150μg/mLとなるように添加し、COインキュベーター中で、37℃にて8時間培養した。また、コントロールとして、被験物質を添加しない未適用対照を設けた。
マイクロアレイ解析
培養終了後、細胞よりTORIZOL(invitrogen社製)にて細胞を溶解することによって総RNAを抽出し、cDNAラベル化キット(GEヘルスケア社製)を用いてRT−PCR法にて、RNAから蛍光ラベル化されたcDNAを合成した。合成したcDNAをInteligene Human Cytokinechip Ver3.1(Takara社製)に、60℃にて、16時間ハイブリダイズした。ハイブリダイズ終了後、蛍光スキャナ(ScanArray Gx,PerkinElmer社製)にて各遺伝子の発現量を測定し、コントロールと各被験物質間の発現差を解析ソフト(ScanArray Express Ver3.0,PerkinElmer社製)により解析した。
解析ソフトより得られた遺伝子の発現量を用い、コントロールと比較した各遺伝子の相対発現量を、以下の式(1)を用いて算出した。
式(1)
各被験物質を添加した細胞における遺伝子発現量/コントロールの遺伝子発現量=相対発現量
(比較例1)
比較例として、非感作性物質としてラウリル硫酸ナトリウム(SLS,Sigma社製)を5.0mg/mLにて生理食塩水に溶解し、50μg/mLとなるように細胞に添加し、実施例1と同様の実験を行った。
解析方法
実施例1及び比較例1により評価した遺伝子の中から、強い感作性物質(DNCB、BQ)、弱い感作性物質(Ni、EU)及び非感作性物質(SLS)に対して、コントロールと比較して発現が変化したものを解析した。
遺伝子の変化(発現量)が、コントロールと比較して2.0倍以上であった場合を「+++」、1.5倍以上2.0倍未満であった場合を「++」、1.2倍以上1.5倍未満であった場合を「+」、1.2倍未満であった場合を「−」とし、表1に示した。
(解析結果)
その結果、強い感作性物質(DNCB、BQ)のみに対して、遺伝子の変化(発現量)が、コントロールと比較して1.5倍以上(「++」、「+++」の変化)であった遺伝子について、19種類(遺伝子No.1〜19)を見出した。この遺伝子群を、感作性マーカー群Aとし、表1に示した。また、弱い感作性物質(Ni、EU)のみに対して、遺伝子の変化(発現量)が、コントロールと比較して1.5倍以上(「++」、「+++」の変化)であった遺伝子について、25種類(遺伝子No.20〜44)を見出した。この遺伝子群を、感作性マーカー群Bとし、表1に示した。その他の変化しなかった遺伝子4種類(遺伝子No.45〜48)に関しては、反応なし群として表1に示した。
以上の結果より、感作性マーカー群Aは、強い感作性物質に対して、特異的に増加する優れた感作性マーカー群であることを確認した。また、感作性マーカー群Bは、弱い感作性物質に対して、特異的に増加する優れた感作性マーカー群であることを確認した。
Figure 0005654531
以上の結果から、特に感作性マーカー群Aは、強い感作性物質を検出するのに優れており、これに対して感作性マーカー群Bは、弱い感作性物質を検出するのに優れていることを確認した。また、より多くの感作性マーカーを評価することで、未知の感作性物質の検出が可能となる。この場合、感作性マーカー群A及びBを組み合わせて検出することで、強い感作性物質と弱い感作性物質を同時に検出することができる。したがって、本発明において発見した感作性マーカーは、個々で感作性物質を検出し、その感作性の強弱を判断することが可能であり、さらに、複数の感作性マーカー又は感作性マーカー群を組み合わせることにより、今まで以上に、検出感度及び精度が向上し、さらに広い範囲で感作性物質を検出することができる優れた感作性マーカーであると言える。
(被験物質の感作性の有無及び強弱に関する評価方法)
実施例1の解析結果をもとに、感作性マーカー群Aと感作性マーカー群Bから任意に感作性マーカーを選択し、既知の強い感作性物質と弱い感作性物質について感作性の有無、及び、感作性の強弱について判定した。
強い感作性物質を検出する感作性マーカーとしては、感作性マーカー群AのCD44、NFκ―B、uPA−R、A20、IRF−1、PDGFα、HO−1、CD86、MIP−1α、CCR7を選択した。また、弱い感作性物質を検出する感作性マーカーとしては、感作性マーカー群BのMCP−1、MMP−9、OPN、CCL5、CCL23、MxA、GROα、IL−1β、INF−γ、CD54を選択した。
強い感作性物質として、1,4−フェニレンジアミン(PDA,Sigma社製)と、ホルムアルデヒド(FA,Sigma社製)を用い(非特許文献38、39、40、41、42、43、44)、弱い感作性物質としては、イソオイゲノール(IEU,Sigma社製)と、2−メルカプトベンゾチアゾール(2−MBT,Sigma社製)を用いた(非特許文献38、39、40、41、42、43、44)。PDA、FAともに、生理食塩水に溶解させ、最終濃度がPDAは、100μg/mL、FAは、6.0μg/mLとなるように調製し、IEU、2−MBTは、DMSOに溶解させ、最終濃度がIEUは、150μg/mL、2−MBTは、100μg/mLとなるように調製し、実施例1と同様な方法で解析し、それぞれの感作性マーカーの発現量の変化を解析した。
Basketter D.A.,et al.,Fd.Chem.Toxic.,1992,30,65−69 Basketter D.A.,et al.,Contact Dermatitis,2002,47,1−6 Basketter D.A.,et al.,Fd.Chem.Toxic.,1994,32,543−547 Basketter D.A.,et al.,Fd.Chem.Toxic.,1996,34,985−997 Kimber I.,et al.,J.Toxicol.Environ.Health A.,1998,53,563−579 皮膚,第34巻,増刊第14号 Holliday M.R.,et al.,J.Appl.Toxicol.,1996,16,65−70
(比較例2)
非感作性物質として塩化ベンズアルコニウム(BAC,Sigma社製)を用い、生理食塩水に溶解させ、3.0μg/mLとなるように調製し、実施例1と同様な方法で解析し、それぞれの感作性マーカーの発現量の変化を解析した。
(評価方法)
実施例2及び比較例2の解析結果をもとに、以下の表2に示した判定基準により感作性の有無、及び、感作性の強弱に関して評価した。
Figure 0005654531
(評価結果)
以上の判定基準により評価した、感作性マーカー群A及びBから任意に選択した感作性マーカーの相対発現量と評価結果を表3に示した。その結果、感作性物質(PDA及びFA)に対して、任意に選択した感作性マーカー群Aは顕著な増加を示し、任意に選択した感作性マーカー群Bにおいては、いずれも変化しなかった。以上の結果から、PDA及びFAは、本発明の評価基準から強い感作性物質であると判断した。
また、感作性物質(IEU及び2−MBT)に対して、任意に選択した感作性マーカー群Bは顕著な増加を示し、任意に選択した感作性マーカー群Aにおいては、いずれも変化しなかった。以上の結果から、IEU及び2−MBTは、本発明の評価基準から弱い感作性物質であると判断した。
これに対し、非感作性物質であるBACでは、いずれの感作性マーカー群においても変化はみられなかった。
本発明における評価基準による、PDA及びFAは強い感作性物質、IEU及び2−MBTは弱い感作性物質、BACは非感作性物質であるとの評価結果は、ヒトやモルモットを用いた感作性試験の評価結果と同じであり、感作性マーカー群AとBを組み合わせることで、感作性の有無と感作性の強弱を、感度及び精度よく評価できることを確認した。
Figure 0005654531
以上の結果より、感作性マーカー群Aは強い感作性物質を、感作性マーカー群Bは弱い感作性物質を検出することが確認できた。また、いずれの感作性マーカー群にも反応しないものは非感作性物質であることが確認できた。これにより、感作性マーカー群AとBを組み合わせることにより、感作性物質の強弱を特異的に評価できることを確認した。
また、その他にも、感作性マーカー群Aから任意のマーカー3種(遺伝子No.1、4、15)を、感作性マーカー群Bから任意のマーカー3種(遺伝子No.20、29、42)を選択して、同様な評価を行ったところ、実施例2と同様に評価できることを確認した。これにより、それぞれの感作性マーカー群より、3種ずつ選択した場合でも、感作性の有無及びその強弱を評価できることを確認した。
さらに、感作性マーカー群Aから任意のマーカー1種(遺伝子No.12)を、感作性マーカー群Bから任意のマーカー1種(遺伝子No.26)を選択して、同様な評価を行ったところ、実施例2と同様に評価できることを確認した。これにより、それぞれの感作性マーカー群より、1種ずつ選択した場合でも、感作性の有無及びその強弱を評価できることを確認した。
以上より、感作性マーカー群AとBから、それぞれ任意に1種又は2種以上を選択して、評価に用いることで、感作性物質の強弱を特異的に評価できることを確認した。
なお、実施例2と同様な評価を用いて、感作性の不明な物質の評価を行ったところ、感作性の有無及び、その強弱に関しても評価できることを確認した。
したがって、感作性マーカー群A、Bに属するIL−10R、IL−4R、CD44、MCP−1、MMP−9、MT−1、NF−κB、IκBα、IκBε、furin、OPN、P450、uPA−R、CCL5、CCL23、TIMP3、TGFRII、A20、TRAIL−R2、MxA、AxA5、IRF−1、PDGFα、GROα、GROβ、FosB、v−Jun、AAR、CTB、IGFBP3、ITβ5、HO−1、TR−1、MHCII、CD86、MIP−1α、MIP−1β、CCR7、IL−1α、IL−1β、GM−CSF、TNF−α、IFN−γ、CD54の発現を測定することにより、化学物質等の感作性を正当に評価及び検出することができ、さらに感作性の強度を評価できることから、本評価方法は、動物を用いない感作性物質の評価に大きく貢献できるものである。
(感作性物質に対する、被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用の評価方法)
感作性物質に対する、被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用の評価方法として、既知の感作性物質と評価したい被験物質を同時にインキュベーションすることで、感作性マーカー(感作性マーカー群A、Bから任意に選択したもの)の発現量を実施例1と同様な方法で解析し、その増減により、被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用の評価を行った。
感作性マーカー群Aからとしては、CD44、NFκ―B、CD86を選択した。また、感作性マーカー群Bからとしては、MCP1、IL−1β、CD54を選択した。
強い感作性を示す物質として、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン(DNCB)を2.5mg/mLの濃度でDMSOに溶解し、最終濃度が5.0μg/mLになるように培養液に添加して用いた。弱い感作性を示す物質として、硫酸ニッケル(Ni)を2.0mg/mLの濃度で生理食塩水に溶解し、最終濃度が200μg/mLになるように培養液に添加して用いた。また、評価する被験物質として、現在、免疫抑制剤として使用されている、シクロスポリン(Sigma社製)を10μg/mLとなるように水溶液として用いた。これら、物質を同時にインキュベートし、実施例1と同様な方法で解析し、感作性マーカーの発現量の変化をもとに、被験物質の感作性抑制作用について評価した。
以上の方法により評価した、感作性マーカー群A又はBから任意に選択した感作性マーカーの相対発現量の変化を表4に示した。その結果、強い感作性物質であるDNCB及び弱い感作性物質であるNiに対して、それぞれシクロスポリンを同時にインキュベートすることで、任意に選択した感作性マーカーの相対発現量は、いずれも顕著に減少した。
Figure 0005654531
以上の結果から、シクロスポリンは、感作性抑制作用を持つ物質であると評価できた。
また、その他にも、感作性マーカー群Aから任意のマーカー3種(遺伝子No.1、4、15)を、感作性マーカー群B(遺伝子No.20、29、42)から任意のマーカー3種を選択して、同様な評価を行ったところ、実施例3と同様に評価できることを確認した。これにより、それぞれの感作性マーカー群より、3種ずつ選択した場合でも、感作性物質に対する、被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用の評価が可能であることを確認した。
さらに、感作性マーカー群Aから任意のマーカー1種(遺伝子No.12)を、感作性マーカー群Bから任意のマーカー1種(遺伝子No.26)を選択して、同様な評価を行ったところ、実施例3と同様に評価できることを確認した。これにより、それぞれの感作性マーカー群より、1種ずつ選択した場合でも、感作性物質に対する、被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用の評価が可能であることを確認した。
なお、この他にも感作性の増強作用を示す物質(コンプリートアジュバンド、フナコシ社製)を用いて、同様な評価を行ったところ、感作性増強作用を持つ物質であることを確認できた。
したがって、感作性マーカー群A、Bに属するIL−10R、IL−4R、CD44、MCP−1、MMP−9、MT−1、NF−κB、IκBα、IκBε、furin、OPN、P450、uPA−R、CCL5、CCL23、TIMP3、TGFRII、A20、TRAIL−R2、MxA、AxA5、IRF−1、PDGFα、GROα、GROβ、FosB、v−Jun、AAR、CTB、IGFBP3、ITβ5、HO−1、TR−1、MHCII、CD86、MIP−1α、MIP−1β、CCR7、IL−1α、IL−1β、GM−CSF、TNF−α、IFN−γ、CD54の発現を測定することにより、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価することができることから、本評価方法は、免疫賦活剤や免疫抑制剤の開発への応用が期待できる。
本発明の活用例として、化学物質等の安全性評価への応用が期待される。哺乳類の血液、骨髄及び培養細胞を用いることで、感作性マーカーの発現を指標に、動物を用いずに感作性の有無及び強弱の評価が可能になる。また、感作性物質に対する被験物質の感作性増強作用又は感作性抑制作用を評価することができることから、免疫賦活剤や免疫抑制剤の開発に有用である。

Claims (4)

  1. 哺乳動物細胞と被験物質とをインキュベートし、細胞の感作性マーカーの発現量を測定する工程、該発現量を、被験物質を添加していない対照細胞における該感作性マーカーの発現量と比較する工程、及び該比較結果に基づいて被験物質の感作性を評価する工程を含む、被験物質の感作性を評価する方法であって、
    該感作性マーカーが、(1)IL−10受容体(IL−10R)、及び(2)単球走化性タンパク質1(MCP−1)、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)、オステオポンチン(OPN)、ケモカインリガンド5(CCL5)、CCL23、インターフェロン誘導タンパク質p78(MxA)、およびGROαから選択される1種または2種以上のマーカーの組み合わせであることを特徴とする、上記方法
  2. IL−10Rに加えて、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(uPA−R)、血小板由来成長因子α(PDGFα)、TNFα誘導タンパク質3(A20)、及びインターフェロン制御因子−1(IRF−1)から選択される1種または2種以上のマーカーの発現量を測定する、請求項1に記載の方法
  3. 哺乳動物細胞が、血液、骨髄、リンパ節、及び/又は皮膚由来であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法
  4. 哺乳動物細胞が、THP−1、U−937、KG−1、MUTZ−1、HL−60、Jurkatから1種以上選択される培養細胞であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法
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