JP5646852B2 - 半導体光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体光素子及びその製造方法に関し、特に、活性領域の上方もしくは下方に回折格子が設けられる半導体光素子の特性向上に関する。
半導体光素子の中には、単一モードの光を出射するために、例えば、分布帰還型半導体レーザ(Distributed Feedback Laser)素子のように、半導体素子内部に回折格子が設けられる場合がある。ウェハ上に複数の半導体光素子が形成される過程で、ウェハ表面にレジストが塗布され、電子線描画装置によって、ウェハ表面に対して、電子線露光が施されることにより、回折パターンが形成される。
ウェハ表面に対して、1回の工程で、電子線露光を施すことが出来る領域には限度があるために、ウェハ表面のうち、1個の半導体光素子が形成される領域に対して電子線露光を施す工程を、ウェハを搭載するステージが移動するとともに、ウェハ表面上に対して繰り返すのが一般的である。回折格子は、半導体光素子の光の出射方向に沿って並んで形成される。それゆえ、半導体光素子の出射方向に沿って1列に隣接して並ぶ複数の半導体素子が形成される領域に対して、上記工程が、出射方向に沿って、端側から順に繰り返され、1列に隣接して並ぶ複数の半導体光素子それぞれに対して、回折パターンが形成される。
特開2005−353761号公報 特開2007−305871号公報
図5は、隣り合う2個の半導体光素子それぞれに形成される回折格子と劈開位置を示す模式図である。図5に示す回折格子は、回折格子の位相を概念的に示しているものであり、回折格子の実際の形状とは異なる。他の模式図においても、同様である。
図5(a)は、設計上の回折格子の配置と劈開位置を示している。ウェハ表面のうち、劈開位置120をはさんで隣り合う2個の素子110A,110Bが形成される領域それぞれに、回折格子111A,111Bが形成されるよう、設計されている。前述の通り、1個の素子が形成される領域に対して電子線露光を施す工程を、ステージの移動とともに繰り返し、ウェハ表面に形成される複数の半導体光素子それぞれに回折格子となる回折パターンが形成される。例えば、ウェハ表面の領域のうち、素子110Aが形成される領域に対して、電子線露光を施すことにより、回折格子111Aの回折パターンが形成され、そして、ステージを移動させた後に、素子110Bが形成される領域に対して、電子線露光を施すことにより、回折格子111Bの回折パターンが形成される。ウェハ工程が完了した後、劈開位置120でウェハを劈開することにより、素子110A及び素子110Bの半導体光素子が作製される。
図5(b)は、実際に作製される回折格子の配置の例と劈開位置の例を示している。実際には、ステージ移動の際に位置ずれが生じることとなる。たとえ、素子110Aが形成される領域に対して、回折格子111Aの回折パターンが設計通りに形成されたとしても、次に、素子110Bが形成される領域に対して形成される回折格子111Bの回折パターンは、設計された位置とは異なる位置に形成されてしまう。図5(b)には、破線で囲んで示されている通り、回折格子111Bの回折パターンが、設計された位置より右側にずれて形成され、位置ずれ122が生じている場合が示されている。
さらに、ウェハ工程が完了した後、ウェハ上に形成された複数の半導体光素子それぞれに劈開することにより、複数の半導体光素子のチップが製造される。ウェハを劈開する工程において、劈開の誤差が生じるので、実際の劈開位置121は、設計された劈開位置120とは異なる位置となる。図5(b)は、素子110Aと素子110Bとの実際の劈開位置121が、設計された劈開位置120より右側にずれている状態を示している。
以上、説明した通り、回折パターンが形成される際に生じる回折格子の位置のずれや、素子が劈開される際に生じる劈開位置のずれにより、半導体光素子の特性は一定せずに、1枚のウェハにおいて作製される複数の半導体光素子において、歩留まりを低下させる原因となっている。
このような問題に対して、特許文献1に、前後側の端面それぞれが反射防止膜によって被膜される分布帰還型半導体レーザ素子において、光導波路となる活性層の領域のうち、レーザ素子の前方端面及び後方端面をそれぞれ含む一部の領域それぞれの上方には、回折格子が形成されない分布帰還型半導体レーザ素子について、開示がある。しかし、特許文献1に開示される分布帰還型半導体レーザ素子は、前方端面及び後方端面それぞれが反射防止膜によって被膜されており、一般に用いられる、前方の端面には反射防止膜が、後方の端面には高反射膜が、それぞれ被膜される半導体光素子については、記載がなく、また、示唆もない。
また、特許文献2に、回折格子を形成するための回折パターンを、分布帰還型半導体レーザ素子の全長より長く設け、なおかつ、回折パターンが重ならないように設計することにより、分布帰還型半導体レーザ素子を作製する方法について、開示がある。しかし、特許文献2に開示される分布帰還型半導体レーザ素子の作製方法には、劈開の誤差については、記載がなく、また、示唆もない。
本発明は、上記課題を鑑みて、1枚のウェハから作製される複数の半導体光素子の特性のばらつきを抑制し、歩留まりが向上する半導体光素子、及び、その製造方法の提供を目的とする。
(1)上記課題を解決すべく、本発明に係る半導体光素子の製造方法は、光を出射する活性層と、前記活性層の上方もしくは下方に形成される回折格子層を備える多層構造を含む、半導体光素子の製造方法であって、前記回折格子層を、前記活性層の上方もしくは下方となる領域のうち、出射方向に延伸する一部の領域に形成する回折格子層形成工程と、前記多層構造を前記一部の領域の中途部で劈開し、前方端面を形成する前方端面形成工程と、前記多層構造を、前記一部の領域の一端若しくは他端の少なくとも一方の外方で劈開し、後方端面を形成する後方端面形成工程と、を含むことを特徴とする。
(2)上記(1)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記後方端面形成工程は、前記多層構造を、前記一部の領域の一方及び他端それぞれの外方で劈開する工程であってもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記回折格子層工程に、電子線露光を施す工程が含まれていてもよい。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、前記回折格子層に、所定の周期で出射方向に沿って繰り返される回折格子が形成され、前記回折格子層の前記前方端面から前記後方端面の内側に位置する後端までの距離を、前記多層構造長の60%以上90%以下としてもよい。
(5)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、前記回折格子層は、前記前方端面から出射方向に沿って、所定の周期で繰り返される回折格子が形成される第1回折格子領域と、出射方向に沿って前記所定の周期で繰り返され、前記第1回折格子領域の前記回折格子と逆位相となる回折格子が形成されるとともに、前記前方端面側から出射方向に沿って、前記第1回折格子領域のさらに外方に位置する第2回折領域と、を含み、前記回折格子層の前記前方端面から前記後方端面の内側に位置する後端までの距離は、前記多層構造長の90%以上としてもよい。
(6)上記(5)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記第1回折格子領域と前記第2回折格子領域の間に位置する領域を、出射方向に沿って、前記前方端面から、前記多層構造長の60%以上90%以下に配置してもよい。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、前記回折格子の結合係数と、前記多層構造長の積が、1以上2以下としてもよい。
(8)上記(7)に記載の半導体光素子の製造方法であって、前記前方端面を、3%以下の反射率の反射防止膜によって、前記後方端面を、60%以上99%以下の反射率の反射膜によって、それぞれ覆う工程を、さらに含んでいてもよい。
(9)また、本発明に係る半導体光素子は、光を出射する活性層と、前記活性層の上方もしくは下方に形成される回折格子層を備える多層構造を含む、半導体光素子であって、前記多層構造は、前記活性層から前記光を出射する前方端面と、前記前方端面の反対側に、前記前方端面から多層構造長の距離、離れて位置する後方端面とを有し、前記回折格子層は、前記前方端面から、出射方向に沿って、前記後方端面より内側に位置する後端に亘って、延伸する、ことを特徴としてもよい。
(10)上記(9)に記載の半導体光素子であって、前記回折格子層に、所定の周期で出射方向に沿って繰り返される回折格子が形成され、前記回折格子層の前記前方端面から前記後端までの距離は、前記多層構造長の60%以上90%以下であってもよい。
(11)上記(9)に記載の半導体光素子であって、前記回折格子層は、前記前方端面から出射方向に沿って、所定の周期で繰り返される回折格子が形成される第1回折格子領域と、出射方向に沿って前記所定の周期で繰り返され、前記第1回折格子領域の前記回折格子と逆位相となる回折格子が形成されるとともに、前記前方端面側から出射方向に沿って、前記第1回折格子領域のさらに外方に位置する第2回折領域と、を含み、前記回折格子層の前記前方端面から前記後端までの距離は、前記多層構造長の90%以上であってもよい。
(12)上記(11)に記載の半導体素子であって、前記第1回折格子領域と前記第2回折格子領域の間に位置する領域が、出射方向に沿って、前記前方端面から、前記多層構造長の60%以上90%以下に位置してもよい。
(13)上記(9)乃至(12)のいずれかに記載の半導体光素子であって、前記回折格子の結合係数と、前記多層構造長の積が、1以上2以下であってもよい。
(14)上記(13)に記載の半導体光素子であって、前記前方端面は、3%以下の反射率の反射防止膜によって、前記後方端面は、60%以上99%以下の反射率の反射膜によって、それぞれ覆われていてもよい。
なお、ここで、位相が逆位相であるとは、第1回折格子領域に備えられる回折格子の回折パターンを、出射方向に沿って、延長することにより、第2回折格子領域に仮想的に設けられる回折格子の位相に対して、第2回折格子領域に備えられる回折格子の位相が、逆位相となっていることをいう。
本発明により、1枚のウェハから作製される複数の半導体光素子の特性のばらつきを抑制し、歩留まりが向上する半導体光素子、及び、その製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の全体斜視図である。 本発明の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の断面図である。 本発明の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子における回折格子層を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の閾値利得最小値のメディアン値を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の閾値利得の主副モード差のメディアン値を示す図である。 本発明の実施形態に係る電子線露光の工程を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子における回折格子層を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の閾値利得最小値のメディアン値を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子の閾値利得の主副モード差のメディアン値を示す図である。 隣り合う2個の半導体光素子それぞれに形成される回折格子と劈開位置を示す模式図である。
本発明に係る実施形態について、以下に、詳細な説明をする。ただし、以下に示す図は、あくまで、実施形態を説明するためのものであって、図の縮尺が、当該実施形態に係る半導体光素子の縮尺と必ずしも一致するものではない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る半導体光素子は、波長1.3μm帯のInGaAlAs系多重量子井戸活性層を備える分布帰還型半導体レーザ素子1である。
図1Aは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の全体斜視図である。図1Aに示す通り、分布帰還型半導体レーザ素子1は、n型InP基板11上に、活性層12を含む多層構造を有している。ここで、活性層12は、InGaAlAs系材料からなる多重量子井戸層を含んでいる。
分布帰還型半導体レーザ素子1の多層構造は、光導波路となる領域の外方で多層構造の両側が除去されたメサストライプ構造となっている。さらに、分布帰還型半導体レーザ素子1は、メサストライプ構造の両側が、埋め込み層16によって埋め込まれている埋め込みヘテロ(Burried Hetero:以下、BHと記す)構造を有している。ここで、埋め込み層16は、鉄(Fe)が不純物として添加されたInP層からなっており、埋め込み層16は電気的には高抵抗であり、半絶縁性を示している。埋め込み層16は、Feが不純物として添加されたInP層に限定されることはなく、たとえば、ルテニウム(Ru)が不純物として添加されたInP層であってもよい。
図1Bは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の構造を示す斜視図である。図1Bには、分布帰還型半導体レーザ素子1の中心部から、光の出射方向に対して垂直となる断面と、出射方向に平行に延び、多層構造の積層方向に対して垂直となる断面とが、示されている。図1Bに示す通り、メサストライプ構造において、活性層12の上側には、回折格子層13を含むp型InPクラッド層14が形成されており、回折格子層13により、分布帰還型半導体レーザ素子1は、単一縦モードの光を発振する。
図1Cは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の断面図である。図1Cには、分布帰還型半導体レーザ素子1の中心部を通り、出射方向に平行に延び、多層構造の積層方向に対して垂直となる断面が示されている。前述の通り、p型InPクラッド層14の内部には、回折格子層13が形成されているが、図1Cに示す通り、活性層12のうち、図中右側の端面から一部の部分の上方には、回折格子層13が形成されていない。すなわち、回折格子層13は、図中左側の端面から、横方向に沿って延伸し、図中右側の端面より内側(左側)に位置する後端に亘って、形成されている。ここで、図中左側の端面とは、分布帰還型半導体レーザ素子1の前方端面を指しており、前方端面のうち、活性層12の端面となる領域より、光が出射される。また、図中右側の端面とは、前方端面の反対側である、分布帰還型半導体レーザ素子1の後方端面を指している。前方端面と後方端面との距離を、多層構造長と定義する。
分布帰還型半導体レーザ素子1の発振波長が1310nmとなるように、回折格子層13には、光の出射方向に沿って所定の周期で繰り返される回折格子が一様に形成されており、回折格子層13には、2つの回折格子領域にそれぞれ設けられる回折格子の位相が互いに異なる、位相シフト領域が設けられていない。
前方端面は、反射防止膜23(図1Aと図1Bには図示せず)で覆われている。また、後方端面は、反射膜24で覆われている。
図1Dは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の断面図である。図1Dには、分布帰還型半導体レーザ素子1の分布帰還型半導体レーザ素子1の中心部から、出射方向に対して垂直となる断面が示されている。前述の通り、n型InP基板11の上側に形成される、活性層12を含む多層構造が、メサストライプ構造をなしており、メサストライプ構造の両側を埋め込み層16によって埋め込まれるBH構造となっている。また、メサストライプ構造の上方には、p型電極21が、n型InP基板11の下面には、n型電極22が、それぞれ形成されている。
本発明の特徴は、回折格子層13が、多層構造のうち、前方及び後方の端面のいずれかの端面を含む一部の部分には形成されていないところにある。これにより、回折格子層13が形成されない端面側において、ステージ移動の際に生じる位置ずれによる回折格子の位置ずれ、及び、劈開位置の位置ずれより生じる歩留まりの低下を抑制することが出来る。半導体レーザ素子の特性の観点より、回折格子層13が形成されない端面とは、後方の端面であるのが望ましい。
図2Aは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1における回折格子層13を示す模式図である。図中左側の端面から図中右側の端面までの距離は、多層構造長Lである。ここで、多層構造長Lには、図1Cに示す反射防止膜23及び反射膜24の厚みは含まれないものとする。図2Aの右側の一部の部分には、回折格子層13は形成されていない。すなわち、図中左側の端面から図中右側の端面内側のある位置に亘って、回折格子層13が形成されている。回折格子層13の右端から、図中右側の端面までの距離をLとする。すなわち、Lとは、分布帰還型半導体レーザ素子1の多層構造のうち、回折格子層13が形成されない部分の長さである。前述した通り、回折格子層13には、回折格子が一様に形成されており、位相シフト領域は設けられていない。
分布帰還型半導体レーザ素子1は、前方端面から出射される光の出力を大きくするために、低い反射率である反射防止膜23で前方端面が覆われ、高い反射率である反射膜24で後方端面が覆われる。反射防止膜23の反射率は低ければ低い方が望ましい。また、前述の通り、後方端面から一部の部分に回折格子層13が形成されていないのが望ましいので、以下、図2Aの左側の端面を前方端面、右側の端面を後方端面とする。
回折格子層13が形成されない部分の長さLの多層構造長Lに対する比をzとして、閾値利得最小値(Minimum αth)、及び、閾値利得の主副モード差(δαth)の、zに対する依存性について数値計算を行った。閾値利得最小値が小さいほど、主モードの光出力が大きくなる。閾値利得の主副モード差(δαth)が大きいほど、主モードの光出力に対して、副モードの光出力がより小さくなり、すなわち、副モード抑圧比が大きくなる。よって、閾値利得最小値が小さく、閾値利得の主副モード差が大きいとき、半導体光素子としての特性が向上する。
回折格子層13の回折格子の結合計数κと、多層構造長Lとの積であるκLについて、κL=1となる場合と、κL=2となる場合について、この数値計算が行われている。また、それぞれの場合に対して、前方端面を覆う反射防止膜の反射率を3%とし、後方端面を覆う反射膜の反射率については、反射率が、60%、80%、99%となる場合について、数値計算がそれぞれ行われている。なお、一般的な分布帰還型半導体レーザ素子において、回折格子層は、前方端面から後方端面に亘って設けられているので、一般に、κLにおけるLとは、多層構造長であり、かつ、回折格子層長である。しかし、本発明の実施形態において、κLにおけるLとは、多層構造長Lであり、回折格子層13の全長ではない。
図2Bは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の閾値利得最小値のメディアン値を示す図である。ここで、メディアン値を、前方端面における回折格子の位相と後方端面付近に回折格子があると仮定した場合の位相をそれぞれ1周期内で10個の異なる位相値について合計100通り行われた計算結果より求めている。
κL=1となる場合も、κL=2となる場合も、前方端面から後方端面に亘って回折格子層13が形成される従来の分布帰還型半導体レーザ素子であるz=0と比較して、zの値が小さい場合は、閾値利得最小値のメディアン値はzの値に依らず、ほぼ一定に変化し、zが0.5よりも大きくなると、zが大きくなるにつれて、閾値利得最小値が大きくなっている。
図2Cは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の閾値利得の主副モード差のメディアン値を示す図である。ここで、メディアン値を、図2Bに示す閾値利得最小値のメディアン値と同様にして、求めている。
κL=1となる場合も、κL=2となる場合も、z=0と比較して、zが0より大きくなるにつれて、閾値利得の主副モード差は大きくなっており、閾値利得の主副モード差は、zが0.2から0.3の近傍でピーク値となり、さらにzの値が大きくなると、閾値利得の主副モード差は小さくなる。
よって、位相シフトがない分布帰還型半導体レーザ素子1において、κL=1からκL=2の間とし、前方端面を反射率3%以下の反射防止膜で覆い、後方端面を反射率60%以上99%以下とした場合、zの値を、10%以上40%以下とするのが望ましい。すなわち、zの値とは、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成されない部分の長さLの比であるので、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成される部分の長さの比が、60%以上90以下となるのが望ましい。ここで、回折格子層13が形成される部分の長さとは、前方端面から、後方端面の内側に位置する後端までの距離である。
このように、zの値を10%以上40%以下とすることにより、上記に述べた回折格子の位置ずれ、及び、劈開位置の位置ずれの影響を抑制出来ることに加え、前方端面から後方端面に亘って回折格子層13が形成される従来の分布帰還型半導体レーザ素子と比較して、さらに閾値が小さくなり、かつ、副モード抑制比がさらに大きくなる高い特性を有する、位相シフトがない分布帰還型半導体レーザ素子が作製される。
次に、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の製造方法について、図1Dなどを用いて、説明する。n型InP基板11となるウェハに、後述する多層が積層され、その後、劈開することにより、複数の分布帰還型半導体レーザ素子1が作製される。
(第1工程)
まず、たとえば有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて、n型InP基板11上に、n型InGaAlAs光閉じ込め層、InGaAlAs多重量子井戸層、及び、p型InGaAlAs光閉じ込め層が、順に積層されることにより、活性層12が形成される(第1工程)。InGaAlAs多重量子井戸層には障壁層と互いに配置される井戸層が6層設けられており、これら井戸層には特性向上のために圧縮歪が導入されている。ここで、各井戸層の層厚は8nm、圧縮歪の歪量は1.0%とする。InGaAlAs多重量子井戸層の構造は、室温での発振波長が1310nmとなるよう形成される。
ここで、InGaAlAs多重量子井戸層を上下に挟んで設けられるp型InGaAlAs光閉じ込め層及びn型InGaAlAs光閉じ込め層は、InGaAlAs多重量子井戸層における光の閉じ込めを強化している。一般に、光導波路機能は、コア領域を、これより屈折率の低いクラッド層で挟み込むことにより生じており、クラッド層、量子井戸層、クラッド層と、順に積層される構造により、光導波路機能が実現される。さらに、量子井戸層における光の閉じ込めをさらに強化するために、クラッド層と量子井戸層の間に、量子井戸層の屈折率より低い光閉じ込め層が設けられる。光の閉じ込めを強化するために、クラッド層の屈折率は、光閉じ込め層の屈折率よりさらに低くなるように、クラッド層が形成される。
(第2工程)
次に、回折格子層13を含むp型InPクラッド層14が形成される。すなわち、たとえばMOCVD法を用いて、p型InP層、回折格子層13となるp型InGaAsP層が積層され、p型InGaAsP層に回折パターンを形成することにより、回折格子層13が形成(回折格子層形成工程)され、回折格子層13の上側にp型InP層がさらに積層され、p型InPクラッド層14が形成される。さらに、p型InGaAsコンタクト層15が形成される(第2工程)。
ここで、第1工程及び第2工程において、p型層もn型層も、不純物添加によるキャリア濃度がともに、1×1018atom/cm程度となるように、形成する。
また、回折格子層13の極性はp型としている。このような構造を有する分布帰還型半導体レーザ素子は、光の伝播方向に屈折率のみが周期的に変化しており、屈折率結合型分布帰還型半導体レーザ素子と呼ばれる。
(回折格子層形成工程)
回折格子層13は、以下に説明する通り、たとえば電子線リソグラフィによって形成される。まず、回折格子層13となるp型InGaAsP層にレジストが塗布され、その後、電子線描画装置により、電子線露光が施される。これにより、塗布されたレジスト上に、回折パターンが形成される。次に、塗布されたレジストのうち、電子線露光により電子線が照射された領域にあるレジストが、現像液によって除去される(現像)。現像により残存されたレジストを保護膜として、ウェットエッチング若しくはドライエッチングが施さる。これにより、p型InGaAsP層のうち、電子線露光により電子線が照射された領域が、エッチングによって除去され、回折格子が形成される。最後に、残存するレジストを剥離して、回折格子層形成工程が完了する。
図3は、当該実施形態に係る電子線露光の工程を示す模式図である。図3に示す長方形の形状それぞれは、製造工程がすべて完了後、1個の分布帰還型半導体レーザ素子1となるチップ領域である。図3では、ウェハ表面のうち、このチップ領域が縦に6個並んでいる領域が、チップ領域30Aからチップ領域30Fとして、示されている。実際には、ウェハには、格子状に縦横それぞれに広がるチップ領域が並んでおり、図3は、縦方向に1列に並ぶ複数のチップ領域の一部が示されている。
図3は、前述の第2工程の途中であって、p型InP層と、回折格子層13となるp型InGaAs層が、順に積層され、さらに、p型InGaAsP層の上面にレジストが塗布されている状態を表している。
各チップ領域の下方には、多層構造の一部が形成され、多層構造の一部には、活性層12も含まれる。製造工程が完了後に、活性層12のうち、光導波路となる領域は、各チップ領域の中央部の下方に、図中縦方向に延伸して形成される。回折格子層13は、活性層12のうち、光導波路領域の上方に設けられる。すなわち、図3において、光の出射方向とは、図中縦方向である。
当該実施形態の回折格子層形成工程において、回折格子層13を、図中縦方向に延伸する光導波路領域の上方となる領域の一部に形成する。
図3には、チップ領域30Aからチップ領域30Fの6個のチップ領域が示されており、上から順に、チップ領域30Aとチップ領域30B、チップ領域30Cとチップ領域30D、チップ領域30Eとチップ領域30Fが、それぞれ1対となっている。
1対となる2個のチップ領域に対して、電子線描画装置により、一度に、電子露光が施され、塗布されたレジスト上に回折パターンが形成される。そして、ウェハを搭載するステージが移動し、隣接する1対となる2個のチップ領域の一部に、電子露光により、回折パターンが形成され、これを繰り返す。
たとえば、図3に示す通り、チップ領域30Aとチップ領域30Bとなる領域の中央部であって、図中縦方向に延伸する一部の領域に、一度に、電子露光が施され、回折パターン18Aが形成される。次に、ステージが移動し、チップ領域30Cとチップ領域30Dとなる領域の一部の領域に、一度に、電子露光が施され、回折パターン18Cが形成される。同様に、ステージが移動した後、チップ領域30Eとチップ領域30Fとなる領域の一部の領域に、回折パターン18Eが形成される。ウェハ上の領域に対して、電子線露光を施す工程がすべて完了した後、前述の通り、現像とエッチングによって、回折格子層13が形成される。
ここで、例えば、図3に示す通り、チップ領域30Cとチップ領域30Dとなる領域のうち、一部の領域に、回折パターン18Cが形成されている。回折パターン18Cは、チップ領域30Cとチップ領域30Dとなる領域の中央部であって、図中縦方向に延伸している。さらに、回折パターン18Cの図中上端は、チップ領域30Cの図中上端より、下側(内側)に位置している。同様に、回折パターン18Cの図中下端は、チップ領域30Dの図中下端より、上側(内側)に位置している。すなわち、チップ領域30Cの上端から一部の領域には、回折パターン18Cは形成されておらず、同様に、チップ領域30Dの下端から一部の領域には、回折パターン18Cは形成されていない。
(第3工程)
p型InGaAsコンタクト層15が形成された後、すなわち、第2工程完了後、多層構造のうち、光導波路領域の外方となる領域を除去し、メサストライプ構造が形成される(第3工程)。多層構造の上面のうち、光導波路領域の上方に位置する領域に対して、二酸化珪素膜(SiO膜)が形成され、SiO膜を保護マスクとして、多層構造のうち、SiO膜が被膜していない領域を、上から順に、p型InGaAsコンタクト層15、p型InPクラッド層14、活性層12、そして、n型InP基板11の一部に至るまで、エッチングにより除去する。ここで、エッチングとは、たとえば、塩素系ガスによる反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)等のドライエッチングであっても、臭素系溶液などによるウェットエッチングであっても、さらに、ドライエッチングとウェットエッチングの併用であってもよい。
(第4工程)
次に、メサトライプ構造の両側を、埋め込み層16によって埋め込み、さらに、メサストライプ構造の上面に被膜するSiO膜を除去することにより、BH構造を形成する(第4工程)。埋め込み層16は、Feを不純物として添加したInP層であり、高抵抗となる半絶縁性である。埋め込み層16は、MOVPE(Metal-organic Vapor Phase Epitaxy)法により、結晶成長炉において、600℃となる成長温度で、Feを不純物として添加したInPを結晶成長させることにより、形成される。ここでは、埋め込み層16を、Feを不純物として添加したInP層としたが、例えば、Ruを不純物として添加したInP層であってもよい。光導波路領域の両側を埋め込み層16で埋め込んでいるBH構造は、光導波路領域にある光が両側に漏れるのを抑制し、光を光導波路領域により閉じ込め得る構造である。
(第5工程)
さらに、p型InGaAsコンタクト層15の上面に、p型電極21を蒸着し、n型InP基板11の下面を研磨した後に、n型InP基板11の下面に、n型電極22を蒸着する(第5工程)。これにより、ウェハ上に複数の分布帰還型半導体レーザ素子1となる多層構造が形成されるウェハ工程が完了する。
(第6工程)
ウェハ工程終了後、ウェハをバー状に劈開し、前方端面となる劈開面に反射防止膜23を、後方端面となる劈開面に反射膜24をコーティングし、その後、各チップに劈開することにより、複数の分布帰還型半導体レーザ素子1が作製される(第6工程)。
前述の通り、ウェハ上には、劈開後、複数の分布帰還型半導体レーザ素子1となる複数のチップ領域が格子状に、縦横にそれぞれ広がって並んでいる。格子状に並ぶ複数のチップ領域のうち、図3には、図中縦方向に並ぶ6個のチップ領域が示されているが、実際には、図3に示す各チップ領域の両側には、図中横方向にそれぞれ広がって、複数のチップ領域が並んでいる。
図3に示す横方向に、ウェハをそれぞれ劈開することにより、図中横方向に1列に並んでいるチップ領域が、バー状となる。ここで、たとえば、チップ領域30Cとチップ領域30Dとなる領域の一部の領域には、回折パターン18Cによって形成された回折格子層13が形成されている。
チップ領域30Cとチップ領域30Dは、劈開面41によって、劈開される。劈開面41は、図3に示す回折パターン18Cの図中中央部を貫いており、ここを回折パターン18Cによって形成される回折格子層13の中途部とする。劈開面41によって、チップ領域30Cの下端面と、チップ領域30Dの上端面が形成されるが、これらは共に、それぞれ、分布帰還型半導体レーザ素子1の前方端面となる。それゆえ、1対となる2個のチップ領域の間を劈開する工程を、前方端面形成工程とする。
チップ領域30Cとチップ領域30Bは、劈開面42によって、劈開される。劈開面42は、図3に示す回折パターン18Cの上端の外方に位置しており、劈開面42によって、チップ領域30Cはチップ領域30Bより劈開される。同様に、劈開面42は、図3に示す回折パターン18Aの下端の外方に位置している。この際、劈開面42によって、チップ領域30Cの上端面と、チップ領域30Bの下端面が形成されるが、これらは共に、それぞれ、分布帰還型半導体レーザ素子1の後方端面となる。よって、図3に示す回折パターン18Cの上端とは、チップ領域30Cに形成される分布帰還型半導体レーザ素子1の後方端面より内側に位置する後端である。
同様に、チップ領域30Dとチップ領域30Eは、劈開面42によって、劈開され、チップ領域30Dの下端面と、チップ領域30Eの上端面が形成され、これらは共に、それぞれ、分布帰還型半導体レーザ素子1の後方端面となる。同様に、図3に示す回折パターン18Cの下端とは、チップ領域30Dに形成される分布帰還型半導体レーザ素子1の後方端面より内側に位置する後端である。出射方向に沿って、互いに隣接する2対のチップ領域の間を劈開する工程を、後方端面形成工程とする。
前方端面形成工程及び後方端面形成工程により、図3の横方向に1列に並んでいる複数のチップ領域が、バー状となる。例えば、チップ領域30Cを含んで1列に並んでいる複数のチップ領域の場合、上端面が後方端面であり、下端面が前方端面である。前述の通り、前方端面に反射防止膜を、後方端面に反射膜をコーティングし、その後、チップ領域30Cの左右端を劈開することにより、チップ化され、分布帰還型半導体レーザ素子1が作製される。
以上が、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の製造方法である。当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、チップ領域の出射方向に延伸する一部の領域に対して、電子線露光が施されることにより、後方端面を含む一部には、回折格子層13が形成されていない、位相シフトがない分布帰還型半導体レーザ素子が形成される。
さらに、当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、隣り合う2個のチップ領域に対して、一度に、電子線露光を施すことにより、回折格子層形成工程における工程数を軽減することが可能となっている。一度に電子線露光を行う領域から、2個の半導体光素子の作製が可能となる。
また、当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、κL=1からκL=2の間であって、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成される部分の比が、60%以上90%以下となるように、回折格子層13を形成することにより、高い特性を有する、位相シフトがない分布帰還型半導体レーザの製造が可能となる。典型的には、たとえば、κL=1.4とし、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成される部分の比を80%となるよう、回折格子層13を形成するとよい。
さらに、第6工程において、反射率3%以下の反射防止膜23で前方端面を被膜し、60%以上99%以下の反射率となる反射膜24で後方端面を被膜すると、さらによい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る半導体光素子は、波長1.3μm帯のInGaAlAs系多重量子井戸活性層を備える分布帰還型半導体レーザ素子1である。当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の基本的な構成は、第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1と同じである。
当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1は、第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1と、多層構造に備えられる回折格子層13の構成が主に異なる。第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の回折格子層13は、回折格子が一様に形成されており、位相シフト領域が設けられていないのに対して、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の回折格子層13には、位相シフト領域が設けられている。
分布帰還型半導体レーザ素子1の発振波長が1310nmとなるように、回折格子層13には、出射方向に沿って所定の周期で繰り返される回折格子がともに形成される第1回折格子領域と第2回折領域を備えている。第1回折格子領域と第2回折格子領域との間には、位相シフト領域が設けられており、これにより、第2回折格子領域に備えられる回折格子の位相は、第1回折格子領域に備えられる回折格子の位相と、逆位相となっている。このような構造は、一般に、λ/4位相シフトと呼ばれている。
ここで、位相が逆位相であるとは、以下のことを示す。第1回折格子領域に備えられる回折格子の回折パターンを、出射方向に沿って、延長することにより、第2回折格子領域に仮想的に設けられる回折格子の位相に対して、第2回折格子領域に備えられる回折格子の位相が、逆位相となっていることをいう。
このような構造とするために、第1回折格子領域と第2回折格子領域との間には、位相シフト領域が設けられており、位相シフト領域とは、例えば、第1回折格子領域の回折格子の第2回折格子領域側の端における位相と、第2回折格子回折格子領域の回折格子の第1回折格子領域側の端における位相が同じ場合に、出射方向に沿って、回折格子の周期の半整数倍(0.5倍、1.5倍、2.5倍など)の長さにおいて、何も回折格子パターンがない平坦な面を有している領域などをいう。
図4Aは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1における回折格子層13を示す模式図である。図2Aと同様に、図中左側の端面から図中右側の端面までの距離は、多層構造長Lであり、多層構造長Lには、反射防止膜23及び反射膜24の厚みは含まれていないものとする。
図2Aに示す第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の回折格子層13と同様に、図4Aの右側の一部の部分には、回折格子層13は形成されていない。すなわち、図中左側の端面から図中右側の端面内側のある位置に亘って、回折格子層13が形成されている。図2Aと同様に、回折格子層13の右端から、図中右側の端面までの距離をLとする。
図4Aに示す通り、回折格子層13は、図中左側から、順に、第1回折格子領域13A、位相シフト領域13C、第2回折格子領域13Bを、備えている。図中右側の端から、回折格子層13の位相シフト領域13Cの中心部までの距離をLとする。
第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1と同様に、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1は、前方端面が反射防止膜23で覆われ、後方端面が反射膜24で覆われる。
端面から一部の部分に回折格子層13が形成されていないことにより、位相シフト領域を有する分布帰還型半導体レーザ素子の特性は影響を受けるが、後方端面から一部の部分に回折格子層13が形成されていないのが望ましい。以下、図4Aの左側の端面を前方端面、右側の端面を後方端面とする。そして、特性の影響を小さくするために、回折格子層13が形成されない部分の長さLは、小さい方が望ましい。回折格子層13が形成されない部分の長さLの多層構造長Lに対する比であるzは、10%以下が望ましい。すなわち、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成される部分の長さの比が、90%以上となるのが望ましい。そして、zの値は、ウェハを劈開する工程において生じる劈開誤差の精度と考慮して、決定すればよい。たとえば、典型的には、zが5%である。すなわち、多層構造長に対する回折格子層13が形成される部分の長さの比が、95%である。
位相シフト領域13Cを示す距離Lの多層構造長Lに対する比をzとして、閾値利得最小値(Minimam αth)、及び、閾値利得の主副モード差(δαth)の、zに対する依存性について数値計算を行った。前述の通り、閾値利得最小値が小さく、閾値利得の主副モード差が大きいとき、半導体光素子としての特性が向上する。
第1の実施形態と同様に、κL=1となる場合と、κL=2となる場合について、この数値計算が行われている。また、それぞれの場合に対して、前方端面を覆う反射防止膜の反射率を3%とし、後方端面を覆う反射膜の反射率については、反射率が、60%、80%、99%となる場合について、そして、さらに、それぞれの場合に対して、z=0となる場合と、z=0.10となる場合について、数値計算がそれぞれ行われている。
図4Bは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の閾値利得最小値のメディアン値を示す図である。ここで、メディアン値を、第1の実施形態の場合と同様に、前方端面における回折格子の位相と後方端面付近に回折格子があると仮定した場合の位相をそれぞれ1周期内で10個の異なる位相値について合計100通り行われた計算結果より求めている。
図4Bに実線にシンボルを付して示される曲線は、z=0となる場合を表している。κL=1となる場合も、κL=2となる場合も、閾値利得最小値のメディアン値は、zに対して強い依存性を示していない。また、図4Bに実線にシンボルを付して示される曲線それぞれの近傍に、点線で示される曲線は、それぞれの場合におけるz=0.10となる場合を表している。それぞれの場合における閾値利得最小値のメディアン値は、z=0となる場合とz=0.10となる場合とで、ほぼ一致しており、z=0.10となる場合は、後方端面から一部の部分に回折格子層13が形成されていないことにおける特性の影響はほとんどないと考えられる。
図4Cは、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の閾値利得の主副モード差のメディアン値を示す図である。ここで、メディアン値を、図4Bに示す閾値利得最小値のメディアン値と同様にして、求めている。
図4Bと同様に、図4Cに実線にシンボルを付して示される曲線は、z=0となる場合を表しており、それぞれの曲線の近傍に、点線で示される曲線は、それぞれの場合におけるz=0.10となる場合を表している。
=0となる場合において、κL=1となる場合も、κL=2となる場合も、位相シフトがない構造を意味するz=0と比較して、zが0より大きくなるにつれて、閾値利得の主副モード差は大きくなっており、閾値利得の主副モード差は、zが0.2から0.3の近傍でピーク値となり、さらにzの値が大きくなると、zが0.5となるまで、閾値利得の主副モード差は小さくなる。zがさらに大きくなると、閾値利得の主副モード差は振動しながら再度大きくなっている。
=0.10となる場合において、z=0となる場合と比較して、zが0以上0.40以下となる領域において、それぞれの場合において、閾値利得の主副モード差の低下は10%程度に抑制されている。それゆえ、zを10%以下とするならば、端面から一部の部分に回折格子層13が形成されていないことによる特性の影響は抑制されていると考えられる。それゆえ、前述の通り、zの値は、10%以下が望ましい。すなわち、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成される部分の長さの比が、90%以上となるのが望ましい。
このように、zの値を10%以下とすることにより、上記に述べた回折格子の位置ずれ、及び、劈開位置の位置ずれの影響を抑制しつつ、レーザ素子としての特性低下が抑制される、位相シフト領域を有する分布帰還型半導体レーザ素子が作製される。
さらに、位相シフト領域を有する当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1において、κL=1からκL=2の間とし、前方端面を反射率3%以下の反射防止膜で覆い、後方端面を反射率60%以上99%以下とした場合、zの値を、10%以上40%以下とするのが望ましい。すなわち、第1回折格子領域13Aと第2回折格子領域13Bとの間に位置する位相シフト領域13Cは、前方端面から、多層構造長Lの60%以上90以下に位置するのが望ましい。典型的には、たとえば、κL=1.4とし、z=80%とするとよい。
このように、zの値を10%以上40%以下とすることにより、上記に述べた回折格子の位置ずれ、及び、劈開位置の位置ずれの影響を抑制出来ることに加え、さらに閾値が小さくなり、かつ、副モード抑制比がさらに大きくなる高い特性を有する、位相シフト領域を有する分布帰還型半導体レーザ素子が作製される。
次に、当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の製造方法について、説明する。当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の作製方法は、第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の作製方法と、基本的な工程は同じである。
当該実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の作製方法は、第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ素子1の作製方法と、回折格子層形成工程が主に異なる。
第1の実施形態に係る回折格子層形成工程において、塗布されたレジスト上に、回折パターンは、所定の周期で一様に繰り返されるよう、形成されるのに対して、当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、形成される回折パターンは、その後の工程により、回折格子層13が、第1回折格子領域13Aと、第2回折格子領域13Bと、第1回折格子領域13Aと第2回折格子領域13Bとの間に、位相シフト領域13Cとが、備えられるよう、設計されている。
当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、チップ領域の出射方向に延伸する一部の領域に対して、電子線露光が施されることにより、後方端面を含む一部には、回折格子層13が形成されていない、位相シフト領域を有する分布帰還型半導体レーザ素子が形成される。
さらに、当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、隣り合う2個のチップ領域に対して、一度に、電子線露光を施すことにより、回折格子層形成工程における工程数を軽減することが可能となっている。一度に電子線露光を行う領域から、2個の半導体光素子の作製が可能となる。
また、当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、多層構造長Lに対する回折格子層13が形成される部分の比が、90%以上となるように、回折格子層13を形成することにより、回折格子の位置ずれ、及び、劈開位置の位置ずれの影響を抑制しつつ、レーザ素子としての特性低下が抑制される、位相シフト領域を有する分布帰還型半導体レーザ素子を作製される。
さらに、当該実施形態に係る回折格子層形成工程において、κL=1からκL=2の間であって、後方端面から位相シフト領域までの距離の多層構造長Lに対する長さの比が、60%以上90%以下となるように、回折格子層13を形成することにより、高い特性を有し、位相シフト領域を有する分布帰還型半導体レーザの製造が可能となる。典型的には、たとえば、κL=1.4とし、後方端面から位相シフト領域までの距離の多層構造長Lに対する長さの比を80%となるよう、回折格子層13を形成するとよい。
第6工程において、反射率3%以下の反射防止膜23で前方端面を被膜し、60%以上99%以下の反射率となる反射膜24で後方端面を被膜すると、さらによい。
以上、本発明について、n型InP基板11上に形成され、圧縮歪が導入されたInGaAlAs系多重量子井戸活性層を備え、波長1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザ素子を例に説明した。しかし、基板の材料や、活性層の材料、また、井戸層に導入される歪の符号、そして、発振波長の波長帯は、この例に限定されるものではない。例えば、活性層にInGaAsP系の材料を用いて作製されてもよいし、井戸層に導入される歪が引張り歪であってもよいし、発振波長が1.55μm帯に含まれていもよい。
また、本発明において、BH構造を有する半導体光素子を例に説明しているが、この構造に限定されるものではなく、例えば、リッジストライプ構造を有する半導体光素子であってもよい。
さらに、本発明においては、回折格子層を活性層の上方に設けている例を説明しているが、この構造に限定されるものではなく、活性層の下方に回折格子層を設けても良い。
1 分布帰還型半導体レーザ素子、11 n型InP基板、12 活性層、13 回折格子層、13A 第1回折格子領域、13B 第2回折格子領域、13C 位相シフト領域、14 p型InPクラッド層、15 p型InGaAsコンタクト層、16 埋め込み層、18A,18C,18E 回折パターン、21 p型電極、22 n型電極、23 反射防止膜、24 反射膜、30A,30B,30C,30D,30E,30F チップ領域、41,42 劈開面、110A、110B 素子、111A,111B 回折格子、120,121 劈開位置、122 位置ずれ、L 多層構造長。

Claims (8)

  1. 光を出射する活性層と、前記活性層の上方もしくは下方に形成される回折格子層を備える多層構造を含む、半導体光素子の製造方法であって、
    前記回折格子層を、前記活性層の上方もしくは下方となる領域のうち、出射方向に延伸する一部の領域に形成する回折格子層形成工程と、
    前記多層構造を前記一部の領域の中途部で劈開し、前方端面を形成する前方端面形成工程と、
    前記多層構造を、前記一部の領域の一端若しくは他端の少なくとも一方の外方で劈開し、後方端面を形成する後方端面形成工程と、
    前記前方端面を、3%以下の反射率の反射防止膜によって、前記後方端面を、60%以上99%以下の反射率の反射膜によって、それぞれ覆う工程と、
    を含み、
    前記回折格子層は、
    前記前方端面から出射方向に沿って、所定の周期で繰り返される回折格子が形成される第1回折格子領域と、
    出射方向に沿って前記所定の周期で繰り返され、前記第1回折格子領域の前記回折格子と逆位相となる回折格子が形成されるとともに、前記前方端面側から出射方向に沿って、前記第1回折格子領域のさらに外方に位置する第2回折領域と、
    を含み、
    前記回折格子層の前記前方端面から前記後方端面の内側に位置する後端までの距離は、前記多層構造長の90%以上と
    前記回折格子の結合係数と、前記多層構造長の積が、1以上2以下とする、
    ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体光素子の製造方法であって、
    前記回折格子層の前記前方端面から前記後方端面の内側に位置する後端までの距離は、前記多層構造長の95%以下とする、
    ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体光素子の製造方法であって、
    前記後方端面形成工程は、
    前記多層構造を、前記一部の領域の一端及び他端それぞれの外方で劈開する工程である ことを特徴とする半導体光素子の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、
    前記回折格子層工程に、電子線露光を施す工程が含まれる、
    ことを特徴とする、半導体光素子の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体光素子の製造方法であって、
    前記第1回折格子領域と前記第2回折格子領域の間に位置する領域を、出射方向に沿って、前記前方端面から、前記多層構造長の60%以上90%以下に配置する、
    ことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  6. 光を出射する活性層と、前記活性層の上方もしくは下方に形成される回折格子層を備える多層構造を含む、半導体光素子であって、
    前記多層構造は、前記活性層から前記光を出射する前方端面と、前記前方端面の反対側に、前記前方端面から多層構造長の距離、離れて位置する後方端面とを有し、
    前記前方端面は、3%以下の反射率の反射防止膜によって、前記後方端面は、60%以上99%以下の反射率の反射膜によって、それぞれ覆われ、
    前記回折格子層は、前記前方端面から、出射方向に沿って、前記後方端面より内側に位置する後端に亘って、延伸し、
    前記回折格子層は、
    前記前方端面から出射方向に沿って、所定の周期で繰り返される回折格子が形成される第1回折格子領域と、
    出射方向に沿って前記所定の周期で繰り返され、前記第1回折格子領域の前記回折格子と逆位相となる回折格子が形成されるとともに、前記前方端面側から出射方向に沿って、前記第1回折格子領域のさらに外方に位置する第2回折領域と、
    を含み、
    前記回折格子層の前記前方端面から前記後端までの距離は、前記多層構造長の90%以上であ
    前記回折格子の結合係数と、前記多層構造長の積が、1以上2以下である、
    ことを特徴とする半導体光素子。
  7. 請求項に記載の半導体光素子であって、
    前記回折格子層の前記前方端面から前記後端までの距離は、前記多層構造長の95%以下である、
    ことを特徴とする半導体光素子。
  8. 請求項又は請求項に記載の半導体素子であって、
    前記第1回折格子領域と前記第2回折格子領域の間に位置する領域が、出射方向に沿って、前記前方端面から、前記多層構造長の60%以上90%以下に位置する、
    ことを特徴とする半導体素子。
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