以下に添付図面を参照して、開示の技術に係る候補表示プログラム、候補表示装置および候補表示方法の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、実施例1に係る情報処理装置の概要および特徴、実施例1に係る情報処理装置の構成、実施例1に係る候補表示制御処理の流れ、実施例1に係る画面の出力例、実施例1の効果を順に説明し、次に、実施例1と同様に、実施例2に係る情報処理装置、実施例3に係る情報処理装置、実施例4に係るカーナビゲーション装置、実施例5に係るカーナビゲーション装置、実施例6に係る情報処理装置について順に説明し、最後に他の実施例を説明する。
[実施例1に係る情報処理装置の概要および特徴]
図1を用いて、実施例1に係る情報処理装置10の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る情報処理装置10の概要および特徴を説明するための図である。
この情報処理装置10は、複数の候補を表示部20に一覧で表示するとともに、入力部30から受け付けた移動操作に応じて複数の候補間で選択対象を遷移させつつ現に選択対象として指示されている一つの候補を区別して表示することを概要としており、ユーザによる候補選択に際する操作性を向上させることを主たる特徴としている。
この主たる特徴について簡単に説明すると、図1に示すように、情報処理装置10は、文字入力に際して複数の候補が発生すると、候補表示制御部12によって、所定の一つの候補を所定の中心に配置するとともに、他の候補を当該中心から複数の方向へ放射状に配置して、表示部20に一覧で表示し、入力部30の方向キー31による移動操作を最初に受け付ける際に、中心に配置された候補を選択対象として区別して表示する。
具体的に例を挙げると、情報処理装置10は、ユーザによって入力部30から文字情報「く」を受付けると、アプリケーション11の自動補完機能が働くことで発生した「く」で始まる「栗・来る・ください・クラッシック・君・栗ケーキ・くれる・草津・栗饅頭」の9個の候補13を、候補表示制御部12によって当該9個の候補13のうち、例えば「くれる」を中心とした3行3列のマトリックス21で表示部20に表示するとともに、入力部30から方向キー31の操作を最初に受け付けるまで、マトリックス21の中心に位置する「くれる」を最初の選択対象として選択カーソル22を合わせて表示する。なお、情報処理装置10は、方向キー31の上下左右いずれかの移動操作を受け付けると、マトリックス21の中心に表示された選択カーソルを、受け付けた方向に位置する候補に合わせて表示する。また、情報処理装置10は、決定キー32の決定操作を受け付けると、現に選択対象としている候補、すなわち選択カーソルを合わせて表示している候補を選択して本文にその候補を表示する。
こうすることによって、最初に選択対象として区別して表示している候補と、他の複数の候補との間に生じる距離の不平等が緩和され、情報処理装置10は、少ない操作の受付けによって候補間で選択対象を遷移させることができる。すなわち、図1のマトリックス21では、ユーザが候補を選択する際、全ての候補は、最低2回の方向キー31の操作の範囲に位置しているので、情報処理装置10は、従来のように候補の選択対象を遷移させるために何回も方向キーの移動操作をユーザから受け付ける必要はない。
この結果、実施例1に係る情報処理装置10は、上記した主たる特徴の通り、ユーザによる候補選択に際する操作性を向上させることが可能となる。
[実施例1に係る情報処理装置の構成]
次に、図2を用いて、図1に示した情報処理装置10の構成を説明する。図2は、情報処理装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この情報処理装置10は、入力部40と、出力部50と、入出力制御I/F部60と、記憶部70と、制御部80とから構成される。
入力部40は、各種の情報や操作指示の入力を受付け、キーボードやマウスなどで構成される。具体的には、入力部40は、後述する候補表示制御部82によって候補の選択がなされるまでの一連の操作指示(選択カーソルの移動指示や、候補選択の決定指示など)をユーザから受け付けたり、各種アプリケーション81が実行されている際に必要な情報をユーザから受け付けたりする。
出力部50は、各種処理の結果を出力し、ディスプレイやモニタなどで構成される。具体的には、出力部50は、各種アプリケーション81の実行画面や、候補表示制御部82が各種アプリケーション81から受け取った複数の候補の一覧を表示出力する(図8〜図10参照)。
入出力制御I/F部60は、入力部40および出力部50と、記憶部70および制御部80との間におけるデータ転送を制御する。
記憶部70は、制御部80による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、各種アプリケーション81に利用される各種データ71の他に候補表示記憶部72を備える。
候補表示記憶部72は、後述する候補表示制御部82による各種処理に必要なデータを記憶する。具体的には、候補表示記憶部72は、後述するリスト作成部82bによって作成されたリスト(図3参照)や、配置テーブル作成部82cによって作成された配置テーブル(図4、図5参照)および候補配置部82dによって候補の配置がなされた配置テーブル(図7参照)などを一時的に記憶する。
制御部80は、情報処理装置10を制御して各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、各種アプリケーション81および候補表示制御部82を備える。
各種アプリケーション81は、それぞれの仕事や利用目的のために実行される応用ソフトウェアであり、実行中に複数の候補が発生した場合には、その複数の候補を候補入力部82aに出力する。具体的には、各種アプリケーション81は、文書作成ソフトなどが実行されている際、仮名漢字変換が行われ複数の候補が発生すると、その複数の候補を候補入力部82aに出力する。
候補表示制御部82は、複数の候補を出力部50に一覧で表示するとともに、入力部40から受け付けた移動操作指示に応じて、複数の候補の間で選択対象を遷移させつつ現に選択対象として指示されている一つの候補を区別して表示し、図2に示すように、候補入力部82aと、リスト作成部82bと、配置テーブル作成部82cと、候補配置部82dと、候補表示制御部82eと、選択対象表示制御部82fとを備える。なお、候補配置部82dは、特許請求の範囲に記載の「候補表示手順」に対応し、選択対象表示制御部82fは、同じく「選択対象表示手順」に対応する。
候補入力部82aは、各種アプリケーション81で発生した複数の候補を受け付ける。具体的には、候補入力部82aは、文書作成ソフトなどから複数の候補を受け付けると、当該複数の候補をリスト作成部82bに出力するとともに、候補の数情報を配置テーブル作成部82cに出力する。例えば、候補入力部82aは、文書作成ソフト実行中に平仮名「こうこう」が漢字変換されて9個の漢字の候補(後攻・高校・航行など)を受け付けると、「後攻」「高校」「航行」などの候補をリスト作成部82bに出力し、「9」の数情報を配置テーブル作成部82cに出力する。
リスト作成部82bは、候補入力部82aから受け付けた候補からリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部72に格納する。具体的には、リスト作成部82bは、候補入力部82aから候補を受け付けると、各候補と識別情報(後述する候補配置部82dが処理する情報であり、1から始まる数字の連番が望ましい)とを対応付けたリストを作成し、候補表示記憶部72に格納する。例えば、リスト作成部82bは、図3に示すように、「こうこう」の漢字変換候補である「後攻・高校・航行・煌々・口腔・公行・孝行」に対し、「航行」に「1」を対応付けて、「高校」に「2」を対応付けて、「後攻」に「3」を対応付けるなどして候補のリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部72に格納する。なお、図3は、リスト作成部82bがリストを作成するまでを説明するための図である。
配置テーブル作成部82cは、候補入力部82aから受け付けた数情報から配置テーブルを作成し、当該配置テーブルを候補表示記憶部72に格納する。具体的には、候補入力部82aから数情報を受け付けると、その数情報をもとにセルをマトリックス状に並べた配置テーブルを作成し、後述する候補配置部82dの処理において必要となる中心セルを定め、当該配置テーブルを候補表示記憶部72に格納する。
例えば、配置テーブル作成部82cは、図4に示すように、「こうこう」の漢字変換候補が9個であり、「9」の数情報を受け付けると、候補表示記憶部72に格納されている関数(round(sqrt(n))×round(sqrt(n)))を用いて9個の候補が納まる3行3列の表を作成する。なおここでは、sqrt(n)とはnの平方根を返す関数とし、round(sqrt(n))とはsqrt(n)の小数点以下切り上げの値を返す関数とするので、配置テーブル作成部82cは、nに数情報を代入することによってn個の候補が納まる配置テーブルを作成する。そして、配置テーブル作成部82cは、2行2列目のセル83を中心セルに定め、当該配置テーブルを候補表示記憶部72に格納する。
また、例えば、配置テーブル作成部82cは、図5に示すように、自動補完機能によって発生した「く」で始まる言葉の候補が15個であり、「15」の数情報を受け付けた場合には、同様の処理で16個の候補が納まる4行4列の配置テーブルを作成する。ただし、この場合には中心が一意に定まらないため、網かけを施した4つのセル84のうち任意のセルを中心セルに定め、その配置テーブルを候補表示記憶部72に格納する。なお、図4および図5は、配置テーブル作成部82cが配置テーブルを作成するまでを説明するための図である。
候補配置部82dは、所定の一つの候補を所定の中心に配置するとともに、他の候補を中心から複数の方向へ放射状に配置する。具体的には、候補配置部82dは、リスト作成部82bが作成したリストと、配置テーブル作成部82cが作成した配置テーブルとを候補表示記憶部72から読み込み、所定の処理で候補を配置し、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部72に格納するとともに、候補表示制御部82eに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。なお、候補配置部82dによる配置の処理の詳細については後述する。
候補表示制御部82eは、複数の候補を出力部50に一覧で表示する。具体的には、候補表示制御部82eは、候補配置部82dからの信号を受け取ると、候補表示記憶部72から候補配置済の配置テーブルを読み込み、出力部50に配置テーブルを出力するとともに、選択対象表示制御部82fに選択カーソルの表示を指示する信号を出力する。
選択対象表示制御部82fは、入力部40から移動操作を最初に受け付ける際に、中心に配置された候補を選択対象として出力部50に区別して表示する。具体的には、選択対象表示制御部82fは、候補表示制御部82eからの信号を受け取ると、中心セルに配置された候補を最初の選択対象として選択カーソルをその候補の位置に表示するなど他の候補と区別して表示する。そして、選択対象表示制御部82fは、入力部40より出力された選択対象の切り替え指示を受け付けると、選択対象を切り替えるとともに、現に選択対象とされている候補として他の候補と区別して表示する。また、選択対象表示制御部82fは、入力部40より出力された決定指示を受け付けると、現に選択対象とされている候補を選択結果として各種アプリケーション81に出力する。
[実施例1に係る候補表示制御処理]
次に、図6を用いて、実施例1に係る情報処理装置10の候補表示制御部82による処理を説明する。図6は、実施例1における情報処理装置10の候補表示制御部82の処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、候補表示制御部82において、候補入力部82aは、n個の候補を受け付けると(ステップS601肯定)、当該n個の候補をリスト作成部82bに出力し、候補の数情報を配置テーブル作成部82cに出力する。
そして、リスト作成部82bは、候補入力部82aからn個の候補を受け取ると、候補のリスト(候補[pos]=<候補[1],候補[2]・・・,候補[n]>)を作成し、候補表示記憶部72に格納する(ステップS602)。ここで、「pos(1<=pos<=n)」とは、後述する候補配置部82dの処理に扱う変数を表し、候補[pos]とはリストの中でpos番目の候補を表す。
次に、配置テーブル作成部82cは、候補入力部82aから候補の数情報を受け取ると、中心セルを定めた配置テーブル(round(sqrt(n))×round(sqrt(n))の表)を作成し、候補表示記憶部72に格納する(ステップS603)。
次に、候補配置部82dは、変数posに初期値1を代入するとともに、新たな変数d(中心セルからd回の移動操作の受付けで届く距離を表す)に初期値0を代入する(ステップS604)。
そして、候補配置部82dは、リスト作成部82bが作成したリストと、配置テーブル作成部82cが作成した配置テーブルとを候補表示記憶部72から読み込むと、候補を相次いで配置テーブルに配置する(ステップS605〜ステップS609)。なお、この手順をわかりやすく説明するために、以下の説明では9個の候補を受け取った場合の(n=9)手順を図6とともに図7も用いて説明する。なお、図7は、候補配置部82dが配置テーブルに候補を配置する流れを説明するための図である。
まず、候補配置部82dは、配置テーブルにおいて距離0のセル、すなわち中心セルに空きがあるかを判断し(ステップS605)、セルに空きがあるので(ステップS605肯定)、候補[1]を任意の距離0の空きセルに配置する(ステップS607)。この時点で、候補配置部82dは、図7のAに示すように、配置テーブルに対し距離0のセル(網かけセル)に候補[1]を配置していることになる。
図6に戻ると、n個の候補全てが配置されていないので(ステップS608否定)、候補配置部82dは、変数posをインクリメントし、すなわち変数posに1を加算することで変数posの値を2として(ステップS609)再度距離0のセルに空きがあるか判断する(ステップS605)。
ここで、距離0のセルにはすでに候補[1]が配置されており、距離0のセルに空きがないので(ステップS605否定)、候補配置部82dは、変数dをインクリメントし、すなわち変数dの値を1として(ステップS606)、距離1のセルに空きがあるか判断し(ステップS605)、今回はセルに空きがあるので(ステップS605肯定)、候補[2]を任意の距離1の空きセルに配置する(ステップS607)。この時点で、候補配置部82dは、図7のBに示すように、配置テーブルに対し距離1のセル(網かけセル)の一つに候補[2]を配置していることになる。
図6に戻ると、n個の候補全てが配置されていないので(ステップS608否定)、候補配置部82dは、変数posをインクリメントし、すなわち変数posの値を3として(ステップS609)、再度距離1のセルに空きがあるか判断する(ステップS605)。
ここで、距離1のセルには残り3つの空きセルがあるので、候補配置部82dは、距離1の全てのセルに候補を配置するまで、すなわち変数posの値が6になるまで同様の処理を繰り返す。
候補配置部82dは、変数posの値が6になるまで同様の処理を繰り返すと、距離1のセルにはすでに候補[2]〜候補[5]が配置されており、距離1のセルに空きがないので(ステップS605否定)、変数dをインクリメントし、すなわち変数dの値を2として(ステップS606)、距離2のセルに空きがあるか判断し(ステップS605)、今回はセルに空きがあるので(S605肯定)、候補[6]を任意の距離2の空きセルに配置する(ステップS607)。この時点で、候補配置部82dは、図7のCに示すように、配置テーブルに対し距離2のセル(網かけセル)の一つに候補[6]を配置していることになる。
図6に戻ると、n個の候補全てが配置されていないので(ステップS605否定)、候補配置部82dは、変数posをインクリメントし、すなわち変数posの値を7として(ステップS606)距離2のセルに空きがあるか判断する(ステップS605)。
ここで、距離2のセルには残り3つの空きセルがあるので、候補配置部82dは、距離2の全てのセルに候補を配置するまで、すなわち変数posの値が9になるまで同様の処理を繰り返す。そうすることで候補配置部82dは、図7のDに示すように、9個の候補全てを配置テーブルに配置する結果となる。
図6に戻ると、候補配置部82dは、n個の候補全てを配置すると(ステップS608肯定)、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部72に格納するとともに、候補表示制御部82eに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。そして、候補表示制御部82eは、候補表示記憶部72から配置テーブルを読み込み、出力部50に出力することでディスプレイに配置テーブルを表示し(ステップS610)、選択対象表示制御部82fは、ディスプレイに表示された配置テーブルの中心セルに選択カーソルを表示し(ステップS611)、処理を終了する。
[実施例1に係る画面の出力例]
最後に、図8、図9および図10を用いて、この情報処理装置10が表示するディスプレイの画面の具体例を説明する。なお、図8〜図10は、出力部50の画面の例を示す図である。
情報処理装置10は、ユーザによって例えば文書作成のアプリケーションが実行され、文字が入力されると、図8に示すようにディスプレイに文章を表示する。ここで、ユーザによって「こうこう」の仮名漢字変換が実行され、文書作成のアプリケーションで発生した候補が候補表示制御部82によって処理されると、情報処理装置10は、図9に示すように、中心セルに配置された「後攻」に選択カーソルを置いて「こうこう」の漢字変換候補の配置テーブルをディスプレイに表示する。
さらに、情報処理装置10は、ユーザによって例えば左1回、上1回の選択対象の移動操作を受け付けると、図10に示すように「煌々」に選択カーソルを置いた配置テーブルをディスプレイに表示させる。そして、情報処理装置10は、ユーザによって決定操作を受け付けることで候補を選択し、仮名漢字変換の処理を終了する。
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、所定の一つの候補を所定の中心に配置するとともに、他の候補を当該中心から複数の方向へ放射状に配置して、複数の候補を表示部に一覧で表示し、入力部から移動操作を最初に受け付ける際に、中心に配置された候補を選択対象として表示部に区別して表示するので、最初に選択対象として区別して表示している候補と、他の複数の候補との間に生じる距離の不平等を緩和し、少ない操作の受付けで候補間の選択対象を遷移させる結果、ユーザによる候補選択に際する操作性を向上させることが可能となる。
また、実施例1によれば、複数の候補を一覧で表示する際の配置基準を保持し、その配置基準に基づいて、複数の候補を表示部に一覧で表示するので、配置基準に従った秩序ある配置で候補の一覧が表示される結果、ユーザによる目的の候補の発見を早くすることが可能となる。
上述した実施例1では、配置テーブルに中心セルを定め、中心セルから近い順に空いているセルへ候補を配置する手法を説明したが、実施例2では、所定の基準(配置ポリシー)に基づいて配置テーブルに候補を配置する手法について説明する。
[実施例2に係る情報処理装置の構成]
図11は、実施例2における情報処理装置90の構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置90は、実施例1と同様、入力部100と、出力部110と、入出力制御I/F部120と、記憶部130と、制御部140とから構成される。また、記憶部130は、各種データ131と、候補表示記憶部132とから構成され、候補表示記憶部132は、配置ポリシー記憶部132aを備える。さらに、制御部140は、各種アプリケーション141と、候補表示制御部142とから構成され、候補表示制御部142は、候補入力部142aと、リスト作成部142bと、配置テーブル作成部142cと、配置ポリシー受付部142dと、候補配置部142eと、候補表示制御部142fと、選択対象表示制御部142gとを備える。なお、入力部100と、出力部110と、入出力制御I/F部120と、記憶部130と、各種データ131と、候補表示記憶部132と、制御部140と、各種アプリケーション141と、候補入力部142aと、リスト作成部142bと、配置テーブル作成部142cと、候補表示制御部142fと、選択対象表示制御部142gについては実施例1と同一の動作をするのでここでは説明を省略し、以下では、配置ポリシー記憶部132aと、配置ポリシー受付部142dと、候補配置部142eとについて説明する。
配置ポリシー記憶部132aは、複数の候補を一覧で表示する際の配置基準を記憶する。具体的には、配置ポリシー記憶部132aは、後述する候補配置部142eが複数の候補を配置テーブルに配置する際の一定の法則となる配置ポリシーを、ある一意の識別情報に対応付けて記憶する。例えば、図12に示すように、配置ポリシー記憶部132aは、配置ポリシー「中心から時計回りに配置」を配置ポリシーID「1」に対応付けて記憶する。
配置ポリシー受付部142dは、後述する候補配置部142eが配置ポリシー記憶部132aから一意に配置ポリシーを読み込むための情報を受け付け、具体的には、配置ポリシー受付部142dは、入力部100から配置ポリシーの変更に係る変更情報を受け付けると、当該変更情報を候補配置部142eに出力する。例えば、配置ポリシーID「1」を受け付けると、配置ポリシー受付部142dは、この配置ポリシーID「1」を候補配置部142eに出力する。
候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部132aによって記憶された配置基準に基づいて複数の候補を配置する。具体的には、候補配置部142eは、リスト作成部142bが作成したリストと、配置テーブル作成部142cが作成した配置テーブルとを候補表示記憶部132から読み込むとともに、配置ポリシー受付部142dから受け取った変更情報に基づいた設定によって配置ポリシー記憶部132aから配置ポリシーを読み込み、当該配置ポリシーに基づいて配置テーブルの各セルに配置順を付与して候補を配置し、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部132に格納するとともに、候補表示制御部142fに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。
ここで、候補配置部142eが配置テーブルの各セルに配置順を付与する例を図13〜図15を用いて説明する。なお、図13〜図15は、候補配置部142eが配置テーブルに配置順を付与するまでを説明するための図である。また、図13〜図15では、3行3列の配置テーブルであって2行2列目のセルを中心セルと定めた配置テーブルを用い、他のセルを中心セルから見た位置によって表現する。例えば1行2列目のセルを「上セル」、1行3列目のセルを「右上セル」、2行3列目のセルを「右セル」と表現する。
例えば、配置ポリシー受付部142dから受け取った変更情報によって、配置ポリシーID「1」に対応付けられた配置ポリシーを読み込む設定がなされた候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部132aから「1」に対応する配置ポリシー「中心から時計回りに配置」(図12参照)を読み込み、最初に中心セルに配置順の情報である「1」を付与する。この時点で、配置テーブルには図13のAに示すような配置順が付与される。
そして、候補配置部142eは、配置ポリシー「中心から時計回りに配置」に従って、上セルに「2」、右セルに「3」、下セルに「4」そして左セルに「5」を時計回りに付与する。この時点で、配置テーブルには図13のBに示すような配置順が付与される。
さらに、候補配置部142eは、配置ポリシー「中心から時計回りに配置」に従って、左上セルに「6」、右上セルに「7」、右下セルに「8」そして左下セルに「9」を同様に時計回りに付与する。この時点で、配置テーブルには図13のCに示すような配置順が付与される。
また、例えば、配置ポリシー受付部142dから受け取った変更情報によって、配置ポリシーID「2」に対応付けられた配置ポリシーを読み込む設定がなされた候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部132aから「2」に対応する配置ポリシー「中心から反時計回りに配置」(図12参照)を読み込み、最初に中心セルに配置順の情報である「1」を付与する。この時点で、配置テーブルには図14のAに示すような配置順が付与される。
そして、候補配置部142eは、配置ポリシー「中心から反時計回りに配置」に従って、上セルに「2」、左セルに「3」、下セルに「4」そして右セルに「5」を反時計回りに付与する。この時点で、配置テーブルには図14のBに示すような配置順が付与される。
さらに候補配置部142eは、配置ポリシー「中心から反時計回りに配置」に従って、右上セルに「6」、左上セルに「7」、左下セルに「8」そして右下セルに「9」を同様に反時計回りに付与する。この時点で、配置テーブルには図14のCに示すような配置順が付与される。
また、例えば、配置ポリシー受付部142dから受け取った変更情報によって、配置ポリシーID「3」に対応付けられた配置ポリシーを読み込む設定がなされた候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部132aから「3」に対応する配置ポリシー「中心から上下左右に配置」(図12参照)を読み込み、最初に中心セルに配置順の情報である「1」を付与する。この時点で、配置テーブルには図15のAに示すような配置順が付与される。
そして、候補配置部142eは、配置ポリシー「中心から上下左右に配置」に従って、上セルに「2」、下セルに「3」、左セルに「4」そして右セルに「5」を上下左右に付与する。この時点で、配置テーブルには図15のBに示すような配置順が付与される。
さらに、候補配置部142eは、配置ポリシー「中心から上下左右に配置」に従って、左上セルに「6」、左下セルに「7」、右上セルに「8」そして右下セルに「9」を同様に上下左右に付与する。この時点で、配置テーブルには図15のCに示すような配置順が付与される。
[実施例2に係る候補表示制御処理]
次に、図16を用いて、実施例2に係る情報処理装置90の候補表示制御部142による処理を説明する。図16は、実施例2における情報処理装置90の候補表示制御部142の処理の流れを示すフローチャートである。
図16に示すように、まず、候補表示制御部142において、候補入力部142aは、n個の候補を受け付けると(ステップS1601肯定)、当該n個の候補をリスト作成部142bに出力し、候補の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
そして、リスト作成部142bは、候補入力部142aからn個の候補を受け取ると、候補のリスト(候補[pos]=<候補[1],候補[2]・・・,候補[n]>)を作成し、候補表示記憶部132に格納する(ステップS1602)。ここで、「pos(1<=pos<=n)」とは、後述する候補配置部142eの処理に扱う変数を表し、候補[pos]とはリストの中でpos番目の候補を表す。
次に、配置テーブル作成部142cは、候補入力部142aから候補の数情報を受け取ると、中心セルを定めた配置テーブル(round(sqrt(n))×round(sqrt(n))の表)を作成し、候補表示記憶部132に格納する(ステップS1603)。
次に、候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部100aから配置ポリシーを取得し(ステップS1604)、候補表示記憶部132から配置テーブルを読み込むと、配置ポリシーに従って配置テーブルの各セルに配置順を付与し(ステップS1605)、変数posに初期値1を代入する(ステップS1606)。
そして、候補配置部142eは、配置順を付与した配置テーブルに対して候補表示記憶部132から読み込んだリストを用いて候補を相次いで配置テーブルに配置する(ステップS1607〜ステップS1609)。なお、この手順をわかりやすく説明するために、以下の説明では9個の候補を受け取り(n=9)、かつ配置テーブルには配置ポリシー「中心から時計回りに配置」によって配置順が付与された場合の手順を図16とともに図17を用いて説明する。なお、図17は、候補配置部142eが配置順を付与した配置テーブルに候補を配置する流れを説明するための図である。
まず、候補配置部142eは、配置テーブル内で配置順が最も高い未配置セルに候補[1]を配置する(ステップS1607)。この時点で、候補配置部は、図17のAに示すように、「1」の配置順が付与されたセルに候補[1]を配置していることになる。
図16に戻ると、n個の候補全てが配置されていないので(ステップS1608)、候補配置部142eは、変数posをインクリメントし、すなわち変数posの値を2として(ステップS1609)、配置テーブル内で配置順が最も高い未配置セル(「2」の配置順が付与されたセル)に候補[2]を配置する(ステップS1607)。変数posの値が3になるまで同様の処理を繰り返すと、候補配置部142eは、図17のBに示すように、「1」、「2」、「3」の配置順が付与されたセルにそれぞれ候補[1]、候補[2]、候補[3]を配置していることになる。
図16に戻ると、候補配置部142eは、変数posの値が9になるまで同様の処理を繰り返し、配置テーブル内で配置順が最も高い未配置セル(「9」の配置順が付与されたセル)に候補[9]を配置する(ステップS1607)。そうすることで候補配置部142eは、図17のCに示すように、9個の候補全てを配置テーブルに配置する結果となる。
図16に戻ると、候補配置部142eは、n個の候補全てを配置すると(ステップS1608肯定)、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部132に格納するとともに、候補表示制御部142fに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。そして、候補表示制御部142fは、候補表示記憶部132から配置テーブルを読み込み、出力部50に出力することでディスプレイに配置テーブルを表示し(ステップS1610)、選択対象表示制御部142gは、ディスプレイに表示された配置テーブルの中心セルに選択カーソルを表示し(ステップS1611)、処理を終了する。
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、複数の候補を一覧で表示する際の配置基準を保持し、その配置基準に基づいて複数の候補を表示部に一覧で表示するので、配置基準に従った秩序ある配置で候補の一覧が表示される結果、ユーザによる目的の候補の発見を早くすることが可能となる。
上述した実施例2では、発生した複数の候補には優先順位がないものとして説明したが、実施例3では発生した複数の候補に優先順位がある場合について説明する。なお、図11に示す情報処理装置90と同様の構成で説明を行い、同一の動作をする構成要素については説明を省略し、実施例2と異なる動作をする各種アプリケーション141と、候補入力部142aと、リスト作成部142bと、について説明する。
[実施例3に係る情報処理装置の構成]
各種アプリケーション141は、それぞれの仕事や利用目的のために実行される応用ソフトウェアであり、実行中に発生した複数の候補に優先順位を付けて候補入力部142aに出力する。具体的には、各種アプリケーション141は、文書作成ソフトなどが実行されている際、仮名漢字変換が行われ複数の候補が発生すると、その複数の候補を使用頻度などの基準によって優先順位を付けて候補入力部142aに出力する。
候補入力部142aは、各種アプリケーション141で発生した優先順位のある複数の候補を受け付け、具体的には、候補入力部142aは、文書作成ソフトなどから優先順位のある複数の候補を受け付けると、優先順位に基づいて優先度の情報を候補に付加してリスト作成部142bに出力するとともに、候補の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
例えば、候補入力部142aは、文書作成ソフトから平仮名「こうこう」の優先順位のある9個の漢字の候補(1.高校、2.後攻、3.航行・・・)を受け付けると、「高校」、「後攻」、「航行」などの候補にそれぞれ「1」、「2」、「3」なる優先度の情報を付加してリスト作成部142bに出力するとともに、「9」の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
リスト作成部142bは、優先度の情報が付加された候補を候補入力部142aから受け付けて候補のリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部132に格納する。具体的には、リスト作成部142bは、候補入力部142aから優先度の情報が付加された候補を受け付けると、候補を優先度順にソートし、識別情報(後述する候補配置部142eが処理する情報であり、1から始まる数字の連番が望ましい)を対応付けたリストを作成し、候補表示記憶部132に格納する。
例えば、リスト作成部142bは、図18に示すように、優先度の情報が付加された「こうこう」の漢字変換候補である「後攻(3)・高校(1)・航行(2)・煌々(7)・口腔(4)・公行(5)・孝行(6)」に対し、優先度順にソートを行い、優先度が1番高い「高校」に「1」を対応付けて、「航行」に「2」を対応付けて、「後攻」に「3」を対応付けるなどして候補のリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部132に格納する。なお、図18は、実施例3に係るリスト作成部142bがリストを作成するまでを説明するための図である。
[実施例3に係る候補表示制御処理]
次に、図19を用いて、実施例3に係る情報処理装置90の候補表示制御部142による処理を説明する。図19は、実施例3における情報処理装置90の候補表示制御部142の処理の流れを示すフローチャートである。なお、リスト作成部142bが複数の候補を優先度順にソートする処理を除き、実施例2と同様の処理の流れであるので簡単に説明する。
図19に示すように、まず、候補表示制御部142において、候補入力部142aは、優先順位のあるn個の候補を受け付けると(ステップS1901肯定)、当該n個の候補に優先度の情報を付加してリスト作成部142bに出力し、候補の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
そして、リスト作成部142bは、候補入力部142aから優先度つきのn個の候補を受け取ると、優先度でソートしつつ候補のリスト(候補[pos]=<候補[1],候補[2]・・・,候補[n]>)を作成し、候補表示記憶部132に格納する(ステップS1902)。ここで、「pos(1<=pos<=n)」とは、後述する候補配置部142eの処理に扱う変数を表し、候補[pos]とはリストの中でpos番目の候補を表す。
そして、配置テーブル作成部142cは、候補入力部142aから候補の数情報を受け取ると、中心セルを定めた配置テーブル(round(sqrt(n))×round(sqrt(n))の表)を作成して候補表示記憶部132に格納し、候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部132aから配置ポリシーを取得し、当該配置ポリシーに従って候補表示記憶部132から読み込んだ配置テーブルの各セルに配置順を付与し、変数posに初期値1を代入する(ステップS1903〜ステップS1906)。
そして、候補配置部142eは、配置順を付与した配置テーブルに対して候補表示記憶部132から読み込んだリストを用いて候補を相次いで配置テーブルに配置し(ステップS1907〜ステップS1909)、n個の候補全てを配置すると(ステップS1908肯定)、候補表示制御部142fに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。
そして、候補表示制御部142fは、候補表示記憶部132から配置テーブルを読み込み、出力部110に出力することでディスプレイに配置テーブルを表示し(ステップS1910)、選択対象表示制御部142gは、ディスプレイに表示された配置テーブルの中心セルに選択カーソルを表示し(ステップS1911)、処理を終了する。
[実施例3の効果]
上記したように、実施例3によれば、複数の候補は、候補として選択される可能性の高低を示す優先度が属性として付与されているものであって、優先度が最も高い候補を所定の中心に配置するとともに、他の候補を当該中心から複数の方向へ放射状に配置して、複数の候補を表示部に一覧で表示し、入力部から移動操作を最初に受け付ける際に、中心に配置された優先度が最も高い候補を選択対象として表示部に区別して表示するので、最優先の候補が最初に選択対象として表示される結果、さらに目的の候補の発見が早くなる。
次に、上述した実施例3に係る情報処理装置90をカーナビゲーション装置に適用した場合を、実施例4として説明する。なお、以下ではある地点から近い駅の検索結果として、「1.武蔵中原駅、2.武蔵新城駅、3.武蔵小杉駅、4.元住吉駅、5.向河原駅、6.平間駅、7.武蔵溝の口駅、8.多摩川駅、9.津田山駅」の優先順位で9箇所の候補が発生したものとして説明を行う。
候補表示制御部142における候補入力部142aは、各種アプリケーション141の検索結果である優先順位のある9箇所の候補を受け付けると、9箇所の候補に優先度を付加したものをリスト作成部142bに出力するとともに、「9」の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
リスト作成部142bは、9箇所の候補を優先度順にソートし、図20に示すように、優先順位が高いものから順番に「1」〜「9」までの数字の連番を対応付けてリストを作成する。なお、図20は、実施例3に係る情報処理装置90をカーナビゲーション装置に適用した例を説明するための図である。
候補配置部142eは、図21に示すように、配置テーブル作成部142cが「9」の数情報に基づいて作成した配置テーブルに配置ポリシー「中心から上下左右に配置」によって配置順を付与し、上記のリストに基づいて候補を配置する。なお、図21は、図20と同様に実施例3に係る情報処理装置90をカーナビゲーション装置に適用した例を説明するための図である。
候補表示制御部142fは、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部132から読み込み、出力部110に出力することで当該配置テーブルを表示し、選択対象表示制御部142gは、配置テーブルの中心セルに配置された「武蔵中原駅」を最初の選択対象として選択カーソルを合わせて表示する。
以上の結果、情報処理装置90は、図22に示すように、出力部110である画面上に選択カーソルが「武蔵中原駅」に置かれた配置テーブルを表示する。なお、図22は、実施例4に係る出力部110の画面の例を示す図である。
[実施例4の効果]
カーナビゲーション装置においても、最優先の候補が最初に選択対象として表示される結果、さらに目的の候補の発見が早くなる。
上述した実施例4では、情報処理装置90をカーナビゲーション装置に適用し、発生した複数の候補に優先順位が付けられている場合について説明したが、実施例5では、同様に情報処理装置90をカーナビゲーション装置に適用し、発生した複数の候補に属性(東西南北などの位置情報)が付けられる場合について説明する。なお、図11に示す情報処理装置90と同様の構成で説明を行い、同一の動作をする構成要素については、説明を省略する。
[実施例5に係るカーナビゲーション装置の構成]
各種アプリケーション141は、カーナビゲーション装置の各種機能を実行するための応用ソフトウェアであり、実行中に複数の候補が発生した場合には、その複数の候補に属性を付けて候補入力部142aに出力する。具体的には、各種アプリケーション141は、ある所定の地点から近い駅やレストランなどの目的地の検索を実行し、複数の候補がある場合には、当該所定の地点に一番近い候補を中心とした位置関係で成立する属性(東西南北などの位置情報)をそれぞれの候補に付けて候補入力部142aに出力する。
候補入力部142aは、各種アプリケーション141で発生した属性付きの複数の候補を受け付け、具体的には、候補入力部142aは、各種アプリケーション141から属性付きの複数の候補を受け付けると、当該複数の候補に属性の情報を付加してリスト作成部142bに出力するとともに、候補の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。例えば、候補入力部142aは、ある所定の地点から近い駅の検索結果である9箇所の候補(武蔵中原駅(中心)、武蔵新城駅(北)、元住吉(西)など9箇所の駅)を各種アプリケーション141から受け付けると、「武蔵中原駅」、「武蔵新城駅」、「元住吉」などの候補にそれぞれ「中心」、「北」、「西」なる属性の情報を付加してリスト作成部142bに出力し、「9」の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
リスト作成部142bは、属性の情報が付加された候補を候補入力部142aから受け付けて候補のリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部132に格納する。具体的には、リスト作成部142bは、候補入力部142aから属性の情報が付加された候補を受け付けると、かかる候補と識別情報(後述する候補配置部142eが処理する情報であり、1から始まる数字の連番が望ましい)とを対応付けたリストを作成し、候補表示記憶部132に格納する。例えば、リスト作成部142bは、図23に示すように、属性の情報が付加された「武蔵新城駅(北)」に「1」を対応付けて、「武蔵中原駅(中心)」に「2」を対応付けて、「元住吉駅(西)」に「3」を対応付けるなどして候補のリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部132に格納する。なお、図23は、実施例5に係るリスト作成部142bが作成するリストの例を示す図である。
候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部142dによって記憶された配置基準に基づいて配置した複数の候補を出力部110に一覧で表示する。具体的には、候補配置部142eは、リスト作成部142bが作成したリストと、配置テーブル作成部142cが作成した配置テーブルとを候補表示記憶部132から読み込むとともに、配置ポリシー受付部142dから受け取った変更情報に基づいて配置ポリシー記憶部132aから配置ポリシーを読み込み、当該配置ポリシーに基づいて配置テーブルの各セルに属性を付与して候補を配置し、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部132に格納するとともに、候補表示制御部142fに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。
例えば、候補配置部142eは、3行3列の配置テーブルに対して、配置ポリシー「東西南北の位置関係で配置」に従って、図24のAに示すように属性を各セルに付与する。また、例えば、候補配置部142eは、同様に配置ポリシー「前後左右の位置関係で配置」に従って、図24のBに示すように属性を各セルに付与する。なお、図24は、実施例5に係る候補配置部142eが属性を付与した配置テーブルの例を示す図である。
[実施例5に係る候補表示制御処理]
次に、図25を用いて、実施例5に係るカーナビゲーション装置の候補表示制御部142による処理を説明する。図25は、実施例5におけるカーナビゲーション装置の候補表示制御部142の処理の流れを示すフローチャートである。
図25に示すように、まず、候補表示制御部142において、候補入力部142aは、属性付きのn個の候補を受け付けると(ステップS2501肯定)、当該n個の候補に属性の情報を付加してリスト作成部142bに出力し、候補の数情報を配置テーブル作成部142cに出力する。
そして、リスト作成部142bは、候補入力部142aから属性付きのn個の候補を受け取ると、候補のリスト(候補[pos]=<候補[1],候補[2]・・・,候補[n]>)を作成し、候補表示記憶部132に格納する(ステップS2502)。ここで、「pos(1<=pos<=n)」とは、後述する候補配置部142eの処理に扱う変数を表し、候補[pos]とはリストの中でpos番目の候補を表す。
そして、配置テーブル作成部142cは、候補入力部142aから候補の数情報を受け取ると、配置テーブル(round(sqrt(n))×round(sqrt(n))の表)を作成して候補表示記憶部132に格納し、候補配置部142eは、配置ポリシー記憶部132aから配置ポリシーを取得し、当該配置ポリシーに従って候補表示記憶部132から読み込んだ配置テーブルの各セルに属性を付与し、変数posに初期値1を代入する(ステップS2503〜ステップS2506)。
そして、候補配置部142eは、属性を付与した配置テーブルに対して候補表示記憶部132から読み込んだリストを用いて、図26のA〜Cに示すように候補を相次いで配置テーブルに配置し(ステップS2507〜ステップS2509)、n個の候補全てを配置すると(ステップS2508肯定)、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部132に格納するとともに、候補表示制御部142fに当該配置テーブルの表示を指示する信号を出力する。なお、図26は、実施例5に係る候補配置部142eが属性を付与した配置テーブルに候補を配置する流れを説明するための図である。
そして、候補表示制御部142fは、候補表示記憶部132から配置テーブルを読み込み、出力部110に出力することでディスプレイに配置テーブルを表示し(ステップS2510)、選択対象表示制御部142gは、ディスプレイに表示された配置テーブルの中心セルに選択カーソルを表示し(ステップS2511)、処理を終了する。
以上の結果、実施例5に係るカーナビゲーション装置は、図27に示すように、出力部110である画面上に選択カーソルが「武蔵中原駅」に置かれた配置テーブルを表示する。ここで、各候補は、実施例4とは異なり、武蔵中原駅を中心にした実際の位置関係を反映して配置テーブルに配置されている。なお、図27は、実施例5に係る出力部110の画面の例を示す図である。
[実施例5の効果]
上記したように、実施例5によれば、複数の候補は、候補が所在する位置を示す位置情報が属性として付与されているものであって、現在位置に該当する候補を所定の中心に配置するとともに、他の候補を当該中心から位置情報に基づいて複数の方向へ放射状に配置して、複数の候補を表示部に一覧で表示し、入力部から移動操作を最初に受け付ける際に、中心に配置された現在位置に該当する候補を選択対象として表示部に区別して表示するので、現在位置に該当する候補が最初に選択対象として表示されるとともに、他の候補が現在位置から対応した方向に表示される結果、ユーザによる目的の候補の発見を早くすることが可能となるとともに、ユーザによる各候補の位置把握を直感的に行わせることが可能になる。ここまでの説明では、受け取った候補のサイズを基に自動的に配置テーブルのサイズを決定していたが、入力される候補の数が決まっているような場合には、配置ポリシーとともにテーブルサイズを指定される形でも実施できる。
上述した実施例1〜5では、複数の候補を一つの配置テーブルに配置し、当該配置テーブルを表示部に表示する手法を説明したが、実施例6では、複数の候補を属性で分類し、属性ごとに複数の配置テーブルを作成して候補を配置し、当該複数の配置テーブルを表示部に表示する手法を説明する。
[実施例6に係る情報処理装置の構成]
図28は、実施例6における情報処理装置150の構成を示すブロック図である。同図に示すように、情報処理装置150は、実施例1〜5と同様、入力部160と、出力部170と、入出力制御I/F部180と、記憶部190と、制御部200とから構成される。また、記憶部190は、各種データ191と、候補表示記憶部192とから構成され、候補表示記憶部192は、2次元配置ポリシー記憶部192aおよび3次元配置ポリシー記憶部192bを備える。さらに、制御部200は、各種アプリケーション201と、候補表示制御部202とから構成され、候補表示制御部202は、候補入力部202aと、リスト作成部202bと、配置テーブル作成部202cと、配置ポリシー受付部202dと、候補配置部202eと、配置テーブル配置部202fと、候補表示制御部202gと、選択対象表示制御部202hとを備える。なお、入力部160と、出力部170と、入出力制御I/F部180と、記憶部190と、各種データ191と、候補表示記憶部192と、制御部200と、各種アプリケーション201とについては実施例1〜5と同一の動作をするのでここでは説明を省略し、以下では、2次元配置ポリシー記憶部192aと、3次元配置ポリシー記憶部192bと、候補入力部202aと、リスト作成部202bと、配置テーブル作成部202cと、配置ポリシー受付部202dと、候補配置部202eと、配置テーブル配置部202fと、候補表示制御部202gと、選択対象表示制御部202hについて説明する。
2次元配置ポリシー記憶部192aは、実施例2の配置ポリシー記憶部132aと同様、複数の候補を一覧で表示する際の配置基準を記憶する。具体的には、2次元配置ポリシー記憶部192aは、後述する候補配置部202eが複数の候補を配置テーブルに配置する際の一定の法則となる2次元配置ポリシーを、ある一意の識別情報に対応付けて記憶する。
3次元配置ポリシー記憶部192bは、複数の配置テーブルを一覧で表示する際の配置基準を記憶する。具体的には、3次元配置ポリシー記憶部192bは、後述する配置テーブル配置部202fが複数の配置テーブルを配置する際の一定の法則となる3次元配置ポリシーを、ある一意の識別情報に対応付けて記憶する。例えば、図29に示すように、3次元配置ポリシー記憶部192bは、配置ポリシー「配置テーブルを重ねて配置」を配置ポリシーID「1」に対応付けて記憶する。
候補入力部202aは、各種アプリケーション201で発生した優先順位のある複数の候補を受け付ける。具体的には、候補入力部142aは、候補の数情報をリスト作成部202bに出力する処理を除き、実施例3と同様、文書作成ソフトなどから優先順位のある複数の候補を受け付けると、優先順位に基づいて優先度の情報を候補に付加してリスト作成部202bに出力する。
リスト作成部202bは、候補入力部202aから受け付けた候補からリストを作成し、当該リストを候補表示記憶部192に格納する。具体的には、リスト作成部202bは、候補入力部202aから優先度の情報が付加された複数の候補を受け付けると、所定の基準(候補の品詞や初めの一文字など)によって当該複数の候補をいくつかの属性に分類するとともに、属性ごとに優先度でソートして識別情報(後述する候補配置部202eが処理する情報であり、1から始まる数字の連番が望ましい)を対応付けた属性ごとの複数のリストを作成する。そして、リスト作成部202bは、それぞれのリストに属性情報を付加させて候補表示記憶部192に当該リストを格納するとともに、各リストの候補の合計を数情報として属性情報を付加させ、後述する配置テーブル作成部202cに出力する。
例えば、リスト作成部202bは、図30に示すように、「く」の自動補完機能による複数の候補であり優先度が付加された9個の候補「クリスマス(1)、クリスマスケーキ(2)、クリスマスツリー(3)、栗(4)、草(5)、栗きんとん(6)、草津(7)、草むら(8)、栗饅頭(9)」に対し、初めの一文字「草」、「ク」、「栗」によって3つの属性に分類するとともに、属性ごとに優先度でソートして複数のリストを作成する。すなわち、「草」の属性では、「草」に「1」を対応付けて、「草津」に「2」を対応付けて、「草むら」に「3」を対応付けて候補のリストを作成し、「ク」の属性では、「クリスマス」に「1」を対応付けて、「クリスマスツリー」に「2」を対応付けて、「クリスマスケーキ」に「3」を対応付けて候補のリストを作成し、「栗」の属性では、「栗」に「1」を対応付けて、「栗きんとん」に「2」を対応付けて、「栗饅頭」に「3」を対応付けて候補のリストを作成する。なお、図30は、実施例6に係るリスト作成部202bがリストを作成するまでを説明するための図である。
配置テーブル作成部202cは、リスト作成部202bから受け付けた数情報から属性ごとに配置テーブルを作成し、当該配置テーブルを候補表示記憶部192に格納する。具体的には、配置テーブル作成部202cは、リスト作成部202bから属性情報が付加された数情報を受け付けると、当該数情報をもとにセルをマトリックス状に並べた配置テーブルを属性ごとに作成し、後述する候補配置部202eの処理において必要となる中心セルを定め、属性情報を当該配置テーブルに付与し、候補表示記憶部192に格納する。
配置ポリシー受付部202dは、後述する候補配置部202eおよび配置テーブル配置部202fがそれぞれ2次元配置ポリシー記憶部192aおよび3次元配置ポリシー記憶部192bから一意の配置ポリシーを読み込む設定をなすための情報を受け付け、具体的には、配置ポリシー受付部202dは、入力部160から2次元配置ポリシーの変更に係る変更情報を受け付けた場合には、当該変更情報を候補配置部202eに出力し、3次元配置ポリシーの変更に係る変更情報を受け付けた場合には、当該変更情報を配置テーブル配置部202fに出力する。
候補配置部202eは、2次元配置ポリシー記憶部192aによって記憶された配置基準に基づいて複数の候補を配置する。具体的には、候補配置部202eは、リスト作成部202bが作成したリストと、配置テーブル作成部202cが作成した配置テーブルとを候補表示記憶部192から同じ属性ごとに読み込むとともに、配置ポリシー受付部202dから受け取った変更情報に基づいた設定によって2次元配置ポリシー記憶部192aから2次元配置ポリシーを取得し、当該2次元配置ポリシーに基づいて配置テーブルの各セルに配置順を付与して候補を配置し、候補配置済の配置テーブルを候補表示記憶部192に格納するとともに、配置テーブル配置部202fに配置テーブルの配置を指示する信号を出力する。
配置テーブル配置部202fは、3次元配置ポリシー記憶部192bによって記憶された配置基準に基づいて複数の配置テーブルを配置する。具体的には、配置テーブル配置部202fは、候補配置部202eからの信号を受け取ると、候補表示記憶部192から候補配置済の配置テーブルを読み込むとともに、配置ポリシー受付部202dから受け取った変更情報に基づいた設定によって3次元配置ポリシー記憶部192aから3次元配置ポリシーを取得し、当該3次元配置ポリシーに基づいて配置テーブルを配置し、配置テーブル一覧を候補表示記憶部192に格納するとともに、候補表示制御部202gに当該配置テーブル一覧の表示を指示する信号を出力する。
候補表示制御部202gは、配置テーブルの一覧を出力部170に表示する。具体的には、候補表示制御部202gは、配置テーブル配置部202fからの信号を受け取ると、候補表示記憶部192から配置テーブル一覧を読み込み、出力部170に当該配置テーブル一覧を出力するとともに、選択対象表示制御部202hに選択カーソルの表示を指示する信号を出力する。
選択対象表示制御部202hは、入力部160から移動操作を最初に受け付ける際に、複数の領域のうちの所定の領域において中心に配置された候補を選択対象として出力部170に区別して表示する。具体的には、選択対象表示制御部202hは、候補表示制御部202gからの信号を受け取ると、所定の配置テーブルにおける中心セルに配置された候補を最初の選択対象として選択カーソルを当該候補の位置に表示するなど他の候補と区別して表示する。
そして、選択対象表示制御部202hは、入力部160から選択対象の切り替え指示を受け付けると、選択対象を切り替えるとともに、現に選択対象とされている候補として他の候補と区別して表示する。
また、選択対象表示制御部202hは、入力部160から選択領域(配置テーブル)の切り替え指示を受け付けると、選択領域を切り替えるとともに、現に選択領域とされている領域を他の領域と区別して表示する。なお、入力部160は、選択カーソルの移動指示や、候補選択の決定指示を受け付ける他に、選択領域の切り替え指示などを受け付ける。
そして、選択対象表示制御部202hは、入力部160から決定指示を受け付けると、現に選択対象とされている候補を選択結果として各種アプリケーション201に出力する。
[実施例6に係る候補表示制御処理]
次に、図31を用いて、実施例6に係る情報処理装置150の候補表示制御部202による処理を説明する。図31は、実施例6における情報処理装置150の候補表示制御部202の処理の流れを示すフローチャートである。
図31に示すように、まず、候補表示制御部202において、候補入力部202aは、優先順位のあるn個の候補を受け付けると(ステップS3101肯定)、当該n個の候補に優先度の情報を付加してリスト作成部202bに出力する。
そして、リスト作成部202bは、候補入力部202aから優先度つきのn個の候補を受け取ると、所定の基準によってm種類の属性に分類し、属性ごとに優先度でソートしつつm個のリスト(リスト[list]=<リスト[1]、リスト[2]・・・リスト[m]>)を作成し、候補表示記憶部192に格納する(ステップS3102)とともに、配置テーブル作成部202cに各リストの候補の合計を数情報として出力する。ここで、「list」とは、後述する候補配置部202eの処理に扱う変数を表し、リスト[list]とはリストの中でlist番目のリストを表す。
そして、配置テーブル作成部202cは、リスト作成部202bから候補の数情報を受け取ると、当該数情報に基づいて、中心セルを定めた属性ごとの配置テーブルを作成し、候補表示記憶部192に格納する(ステップS3103)。
そして、候補配置部202eは、変数listに初期値1を代入すると(ステップS3104)、候補表示記憶部192からリスト[1]および当該リスト[1]と同属性の配置テーブルを読み込み(ステップS3105〜ステップS3106)、2次元配置ポリシーに従って候補を相次いで配置する(ステップS3107〜ステップS3113)。
そして、候補配置部202eは、m個のリストおよび当該m個のリストと同属性の各配置テーブルが全て読み込まれていない場合には(ステップS3114否定)、変数listを相次いでインクリメントすることで、m個全てのリストの候補を同属性の各配置テーブルに配置する(ステップS3105〜ステップS3115)。
そして、候補配置部202eは、全ての候補を各配置テーブルに配置すると(ステップS3114肯定)、候補配置済の各配置テーブルを候補表示記憶部192に格納するとともに、配置テーブル配置部202fに当該配置テーブルの配置を指示する信号を出力する。
候補配置部202eからの信号を受け取った配置テーブル配置部202fは、3次元配置ポリシー記憶部192bから3次元配置ポリシーを取得し(ステップS3116)、候補表示記憶部192から読み込んだ各配置テーブルを3次元配置ポリシーに従って配置し、候補表示記憶部192に配置テーブル一覧を格納するとともに(ステップS3117)、候補表示制御部202gに配置テーブル一覧の表示を指示する信号を出力する。
配置テーブル配置部202fからの信号を受け取った候補表示制御部202gは、配置テーブル一覧を候補表示記憶部192から読み込み、出力部170に出力することでディスプレイに配置テーブル一覧を表示し(ステップS3118)、選択対象表示制御部202hは、ディスプレイに表示された配置テーブル一覧のうち所定の一つの配置テーブルの中心セルに選択カーソルを表示し(ステップS3119)、処理を終了する。
[実施例6に係る画面の出力例]
最後に、図32〜図37を用いて、この情報処理装置150が表示するディスプレイの画面の具体例を説明する。なお、図32〜図37は、実施例6に係る出力部170の画面の例を示す図である。
情報処理装置150は、ユーザによって例えば文書作成のアプリケーションが実行され、文字が入力されると、ディスプレイに文章を表示する。ここで、例えば、ユーザによって「く」の文字が入力されたときに文書作成のアプリケーションによる自動補完機能で発生した候補が候補表示制御部202によって処理されると、情報処理装置150は、図32に示すように、属性別の3つの配置テーブルを重なるようにディスプレイに表示するとともに、最前面の配置テーブルの中心セルに選択カーソルを置く。さらに詳しく説明すると、背面に表示される配置テーブルは、前面の配置テーブルに全て覆われるのではなく、1行目の候補が表示されるように重ねて表示される。また、それぞれの配置テーブルの近傍には「1」などの番号が表示され、情報処理装置150は、かかる番号を数字キーの入力を受け付けることで、選択された番号の配置テーブルが最前面に表示される。
例えば、情報処理装置150は、ユーザによって例えば数字キーの「2」の入力を受け付けると、図33に示すように、属性「草」の配置テーブルを最前面に表示するとともに、配置テーブルの中心セルに選択カーソルを置く。そして、情報処理装置150は、ユーザによって例えば上1回の選択対象の移動操作を受け付けると、図34に示すように「草津」に選択カーソルを表示させ、さらに決定操作を受け付けることで候補を選択し、文書作成のアプリケーションに候補を出力することで処理を終了する。
また、例えば、情報処理装置150は、3次元配置ポリシーの変更によって、図35に示すような配置テーブルの表示を行う。この場合には、情報処理装置150は、現に選択領域とされている選択配置テーブルを立体的に表示することで他の配置テーブルと区別して表示し、当該選択配置テーブルの中心セルに選択カーソルを置く。そして、情報処理装置150は、ユーザによって例えば数字キーの「2」の入力を受け付け、さらに上1回の選択対象の移動操作を受け付けると、図36に示すように、属性「草」の配置テーブルを現に選択領域として立体的に表示し、中心セルに表示されていた選択カーソルを「草津」の上に表示し、決定操作を受け付けることで候補を選択し、文書作成のアプリケーションに候補を出力することで処理を終了する。
また、例えば、情報処理装置150は、図37に示すように、関東周辺のラーメン屋の検索結果で発生した候補を、「都道府県」の属性に分けて複数の配置テーブルを作成し、当該複数の配置テーブルを「東京」を中心とした位置関係を反映して配置し、出力部の画面に表示することもできる。
[実施例6の効果]
上記したように、実施例6によれば、複数の候補は、所定の属性が付与されているものであって、複数の候補を属性に基づいて複数の領域に区分けして表示部に表示し、かつ、各領域内で所定の一つの候補を所定の中心に配置するとともに、他の候補を当該中心から複数の方向へ放射状に配置し、入力部から移動操作を最初に受け付ける際に、複数の領域のうちの所定の領域において中心に配置された候補を選択対象として表示部に区別して表示するので、領域内で同じ属性の候補が配置される結果、ユーザによる目的の候補の発見を早くすることが可能となる。また、候補の数が多い場合には、一つの一覧で表示するのに比較して、ユーザによる候補の選択がより少ない操作で行われることが可能となる。
また、実施例6によれば、複数の領域に区分けされた候補を表示する際の配置基準を保持し、当該配置基準に基づいて、複数の領域に区分けされた候補を表示部に表示するので、属性ごとに区分けして表示する際も、配置基準に従った秩序ある配置で候補の一覧が表示される結果、ユーザによる目的の候補の発見を早くすることが可能となる。
さて、これまで実施例1〜6に係る情報処理装置について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例7に係る情報処理装置として、種々の異なる実施例を(1)〜(4)に区分けして説明する。
(1)配置テーブル
上記の実施例1〜6では、情報処理装置の配置テーブル作成部は、マトリックス状の配置テーブルを作成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図38−1および図38−2に例示するように、各セルと中心セルとの距離に不平等が生じないものであればよい。いずれの配置テーブルも最低2回の移動操作で全てのセルに選択カーソルを表示させることが可能である。
また、実施例1〜6では、情報処理装置の配置テーブル作成部は、入力部が上、下、左、右の4方向の移動操作を受け付けることを前提として配置テーブルを作成する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図38−3に例示するように、入力部が上、右下、左下の3方向の移動操作を受け付ける場合であっても配置テーブルを作成することが可能である。
(2)選択カーソル
上記の実施例1〜6では、情報処理装置の選択対象表示制御部が表示する選択カーソルはセルに網かけを施すことで説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図39−1〜図39−3に例示するように、選択対象の候補を指示する適当な図形を表示してもよいし、選択対象の候補を点滅表示してもよいし、選択対象の候補を異なる書体で表示してもよい。
(3)システム構成等
また、上記の実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置(情報処理装置10、情報処理装置90および情報処理装置150)の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、例えば、候補表示制御部82eと選択対象表示制御部82fとを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(4)候補表示プログラム
ところで、上記の実施例1〜6では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現するようにしてもよい。そこで、以下では、図42を用いて、上記の実施例1に示した情報処理装置10と同様の機能を有する候補表示プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図42は、候補表示プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
同図に示すように、情報処理装置としてのコンピュータ210は、キーボード211、ディスプレイ212、CPU213、ROM214、HDD215およびRAM216をバス217などで接続して構成される。
ROM214には、上記の実施例1に示した情報処理装置10と同様の機能を発揮する候補表示プログラム、つまり、図42に示すように、各種アプリケーションプログラム214a、候補入力プログラム214b、リスト作成プログラム214c、配置テーブル作成プログラム214d、候補配置プログラム214e、候補表示制御プログラム214f、選択対象表示制御プログラム214gが予め記憶されている。なお、これらのプログラム214a〜214gについては、図2に示した情報処理装置10の各構成要素と同様、適宜統合または分散してもよい。
そして、CPU213が、これらのプログラム214a〜214gをROM214から読み出して実行することで、図42に示すように、各プログラム214a〜214gは、各種アプリケーションプロセス213a、候補入力プロセス213b、リスト作成プロセス213c、配置テーブル作成プロセス213d、候補配置プロセス213e、候補表示制御プロセス213f、選択対象表示制御プロセス213gとして機能するようになる。なお、各プロセス213a〜213gは、図2に示した各種アプリケーション81、候補入力部82a、リスト作成部82b、配置テーブル作成部82c、候補配置部82d、候補表示制御部82e、選択対象表示制御部82fにそれぞれ対応する。
また、HDD215には、図42に示すように、各種テーブル215a、候補表示テーブル215bが設けられる。この各種テーブル215aは、図2に示した各種データ71に対応し、候補表示テーブル215bは、候補表示記憶部72に対応する。そして、CPU213は、各種データ216aを各種テーブル215aに対して登録し、候補表示データ216bを候補表示テーブル216bに対して登録するとともに、この各種データ216aおよび候補表示データ216bを読み出してRAM216に格納し、RAM216に格納された各種データ216aおよび候補表示データ216bに基づいて候補表示制御処理などを実行する。
なお、上記した各プログラム214a〜214gについては、必ずしも最初からROM214に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ210に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータ210の内外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ210に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ210がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。