JP5638473B2 - 焼結機械部品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
焼結機械部品は軸受の機能を必要としない場合は潤滑油を用いる必要がなく、使用条件に合わせて樹脂材料を選択することができる。また表面処理を施したり防錆油を用いることで鉄系材料を選択することができる。
また、機械部品の機能に加えて軸受としての機能も必要とする場合には潤滑性を付与するために以下に示す4つの方法がある。(1)樹脂材料を選択して使用する。(2)焼結金属に潤滑油を含浸させた軸受と樹脂材料とを組み合わせて使用する。(3)銅系または鉄銅系焼結金属に潤滑油を含浸させた焼結機械部品(特許文献1参照)を使用する。(4)焼結金属に潤滑油を含浸させた軸受と焼結機械部品とを組み合わせて使用する。
ここで焼結機械部品とは、JIS Z 2500に記載される、機械の構成部品として用いる粉末冶金製品をいう。また、混和ちょう度は、JIS K2220で規定される方法により測定した 25℃における 60 回混和ちょう度である。
また、上記金属粉末として粒子径 100 メッシュ以下の金属粉末を使用し、圧粉密度は 6.4〜7.2g/cm3の範囲で圧縮成形することを特徴とする。
また、焼結金属の表面開孔率が 20%〜35%であるので、焼結金属表面に保持された液状のグリースに加え、焼結金属に含浸された液状のグリースが染み出し、長時間運転した場合でも、異音発生の防止、摩耗の抑止が期待できる。
本発明においては、これらの中で比較的安価であり、摺動性・静粛性に耐え得ることから銅系焼結金属、鉄系焼結金属、鉄銅合金系焼結金属を用いることが好ましい。これらの焼結金属は、単独でも、2種類以上組み合わせても使用できる。
焼結機械部品の製造工程は、まず、原料となる金属粉末とグラファイト等の添加材とを混合し、この混合物を金型に充填して部品形状等に圧縮成形する。そして、この成形物を焼結してサイジングを行なった後、真空含浸等により液状のグリースを含浸する。含浸後、必要に応じて油切りを行ない、部品表面に液状のグリースが薄く均一に付着した状態とする。
表面開孔率は粉末の粒子径および圧粉体の密度で調整することができる。本発明においては粒子径 100 メッシュ以下の金属粉を使用し、圧粉密度は 6.4〜7.2g/cm3の範囲で成形することによって表面開孔率を上記範囲に調整することができる。また、焼結後に、サイジングやコイニング、バレル処理を施すことにより、表面開孔率を微調整することもできる。
このため、本発明の焼結機械部品は、軟質材料から形成される機械部品と摺動または接触する要素を有する機械装置にも使用することができる。好適な機械装置の一例としては、焼結金属からなる駆動歯車と、合成樹脂からなる定着ローラ歯車やアイドラ歯車等が組み合わされている複写機やレーザービームプリンターの定着装置を挙げることができる。
図1は複写機やレーザービームプリンター等の画像形成装置における定着部周辺部に装着される歯車を示す図である。1は焼結金属からなる駆動歯車、2は合成樹脂からなる定着ローラ歯車、3はアイドラ歯車、4は排紙ローラ歯車、5はヒーター、6は排紙ローラ、7は定着ローラをそれぞれ示す。
焼結金属からなる駆動歯車1には液状のグリースが含浸されていて、相手材である合成樹脂からなる定着ローラ歯車2との接触・噛み合いによる摩耗・異音発生を防ぐことができるとともに、低トルクとなる。
これらの中で比較的安価であり、広い温度範囲で使用できることから金属石けんまたはウレア化合物を使用することが好ましい。
混和ちょう度 400 以上である液状のグリースは、潤滑油の長所である流動性および潤滑性と、グリースの長所である保持性および非蒸発性とを合わせ持っている。すなわち、潤滑油が繊維である増ちょう剤に保持され、外部への流出が少なくなり、焼結機械部品としての耐久性が向上する。また流出した潤滑油も焼結部品表面に残りやすく、その結果、機械部品としての接触・噛み合いによる摩耗・異音発生を防ぐことができると共に、軸受の機能を有する場合も低トルクとなる。
これに対して、潤滑油は、良好な流動性を有し潤滑性に優れているが、遠心力による飛散および蒸発を生じやすい。一方、通常のグリース(混和ちょう度 400 未満)は、保持力があって飛散しにくいが、流動性が悪く負荷が大きくなる欠点がある。
2 定着ローラ歯車
3 アイドラ歯車
4 排紙ローラ歯車
5 ヒーター
6 排紙ローラ
7 定着ローラ
Claims (6)
- 表面に開孔部分を有し、その表面開孔率が 20%〜35%であり、金属粉末とグラファイトとを混合した焼結金属からなる焼結機械部品であって、
前記焼結機械部品が、歯車であり、
前記焼結金属に、JIS K2220で規定される方法により測定した 25℃における 60 回混和ちょう度 400 以上である液状のグリースを含浸させ、
前記液状のグリースは、基油に金属石けんまたはウレア化合物である増ちょう剤をグリース全体に対して 0.5 重量%〜5 重量%配合してなることを特徴とする焼結機械部品。 - 前記焼結金属は、銅系焼結金属、鉄系焼結金属および鉄銅合金系焼結金属から選ばれた少なくとも一つの焼結金属であることを特徴とする請求項1記載の焼結機械部品。
- 前記焼結機械部品は、該部品表面に前記液状のグリースを付着させてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の焼結機械部品。
- 表面に開孔部分を有する焼結金属に混和ちょう度 400 以上である液状のグリースを含浸してなる焼結機械部品の製造方法であって、
前記焼結機械部品が、歯車であり、
前記焼結金属の原料となる金属粉末とグラファイトとを含む混合物を金型に充填して部品形状に圧縮成形し、この成形物を焼結し、焼結後に、サイジング、コイニング、またはバレル処理を施して、該焼結金属の表面開孔率を20%〜35%に調整する工程と、得られた焼結金属に、基油に金属石けんまたはウレア化合物である増ちょう剤をグリース全体に対して 0.5 重量%〜5 重量%配合してJIS K2220で規定される方法により測定した 25℃における 60 回混和ちょう度 400 以上である液状のグリースを真空含浸により含浸する工程と、含浸後、油切りを行ない、部品表面に前記液状のグリースが付着した状態とする工程とを備えてなることを特徴とする焼結機械部品の製造方法。 - 前記焼結金属は、銅系焼結金属、鉄系焼結金属および鉄銅合金系焼結金属から選ばれた少なくとも一つの焼結金属であることを特徴とする請求項4記載の焼結機械部品の製造方法。
- 前記金属粉末として粒子径 100 メッシュ以下の金属粉末を使用し、圧粉密度は 6.4〜7.2g/cm3の範囲で圧縮成形することを特徴とする請求項4または請求項5記載の焼結機械部品の製造方法。
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