JP5629702B2 - バッチ式ロータリーキルン及びバッチ式ロータリーキルンによる加熱処理方法 - Google Patents
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Description
特に、高度な温度制御が要求される加熱処理には、流動式(連続式)ではなく、加熱処理を施す被加熱物を全量投入し加熱処理を施した後にその全量を排出するバッチ式が採られる。
キルン本体2にはその周面に開口部8と、内部に部屋が形成されており、開口部8から部屋内に被加熱物7が投入及び排出される。
加熱処理時にはキルン本体2を回転装置4b,5,17で回転させるので、開口部8には蓋30がなされる。
また、キルン本体2にはキルン本体2内の雰囲気の温度を測定して管理するために温度センサー10が挿入されている。加熱処理中はキルン本体2が回転するので、図14に示すように、キルン本体2の周面に絶縁碍子33を介して銅バー34を巻き、碍子受け38側に取付けられた絶縁碍子33から延びるスプリング35でカーボンブラシ36を銅バー34に押し付けて通電させて、温度センサー10からの信号をリード線37及びセンサーコード42を介して受信器41に送る。
なお、ここでいうキルン本体(2)の側面とは、キルン本体(2)の軸に略垂直なキルン本体(2)の平面状壁面をいう。
また、回転装置はキルン本体の回転方向を切り替え可能であって、投入された被加熱物よりも開口部が上方に位置する範囲においてキルン本体を揺動させながら投入された被加熱物に加熱処理を施すので、加熱処理を施している間、開口部を開放した状態であっても開口部からキルン本体内の被加熱物が漏れ出ない。
したがって、被加熱物の投入から排出までの一連の作業を完全自動化することができる。
しかも、キルン本体を揺動させながら加熱処理を施すので、キルン本体の昇温した周面内壁が反復して被加熱物の下に入り被加熱物を加熱する。また、揺動により被加熱物が撹拌される。よって、本発明に係るバッチ式ロータリーキルンであっても被加熱物は均一に加熱される。
このとき、棒状ヒーターも揺動するため、棒状ヒーターの上に被加熱物が堆積し難いので、棒状ヒーターの過加熱が防止され棒状ヒーターが損傷し難い。
また、回転装置が、キルン本体を揺動可能にする揺動機構を備えるので、温度センサーが受信器とセンサーコードで繋がれたまま被加熱物に加熱処理を施すことができ、構造が単純である。
しかも、揺動機構はキルン本体の回転方向を切り替えて部屋に投入された被加熱物よりも開口部が上方に位置する範囲においてキルン本体を揺動可能であるので、開口部が終始開放した状態であっても、開口部からキルン本体内の被加熱物が漏れ出ない。よって、被加熱物の投入から排出までの一連の作業を完全自動化可能である。
このとき、揺動機構はキルン本体を揺動可能なので、棒状ヒーターも揺動し棒状ヒーターの上に被加熱物が堆積し難い。よって、棒状ヒーターの過加熱を抑制できるので、棒状ヒーターが損傷し難い。
図1乃至図6を参照して、本発明の第一実施形態に係るバッチ式ロータリーキルン100及びそのバッチ式ロータリーキルン100による加熱処理方法を説明する。
このバッチ式ロータリーキルン100は、加熱装置21でキルン本体2内に熱を供給して被加熱物7(例えば、酸化チタンやセラミック粉)に加熱処理を施した後には被加熱物7の全量をキルン本体2の周面に設けられた開口部8から排出するものであり、キルン本体2と、加熱装置21と、回転装置4b,5,17と、温度センサー10と、受信器41を備える。
そして、特に回転装置4b,5,17に特徴を有する。
なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
キルン本体2の内部には、被加熱物7が投入される部屋が形成されており、その部屋に連通する開口部8がキルン本体2の周面に設けられている。
そのキルン本体2の内部(部屋)の内径は、キルン本体2の側面側から軸方向中央が最も大きくなるように傾斜しており、開口部8はキルン本体2の内径が最大である軸方向中央に設けられている。
開口部8には蓋が無く、終始開放した状態で保持される。
キルン本体2の上方には、外径がキルン本体2の開口部8の径よりも大きく鉛直に延びる投入パイプ24が設けられており、キルン本体2の開口部8を真上に配置したときに開口部8と投入パイプ24が同心軸上となる。なお、キルン本体2が回転又は揺動しても投入パイプ24の位置は変わらないように固定されている。
ここで、キルン本体2の開口部8付近に取付けられたリミットスイッチ28が投入パイプ24側に取付けられた検知バー29に押され、開口部8と投入パイプ24の位置が一致したと確認できたときにのみスクリューフィーダー11は動作可能である。
また、キルン本体2の周面外壁の軸方向中央はフード14で覆われており、開口部8は外観に現れない。フード14はキルン本体2の下方では図2に示すように漏斗状になっている。
さらに、キルン本体2の周面の両側面側には、内径がキルン本体2の外径と略等しいタイヤ3がそれぞれ全周に設けられており、図3に示すように、片側二つの受けローラー18がキルン本体2のタイヤ3をそれぞれ上載して支持する。
このとき、図4に示すように、ストッパーローラー12がタイヤ3を挟む位置にあるので、タイヤ3が受けローラー18から外れて落ちてしまうことはない。
また、他方の側面(煙道25が形成されていない側)の外周には第一スプロケット4aが設けられている。
バーナー21の放射口はキルン本体2の側面内壁と面一になっている。
このようにバーナー21はキルン本体2の側面に取付けられているので、キルン本体2が回転又は揺動するときには、その動きに追従する。
なお、支持台を設けてその上にバーナー21を配置してもよく、このときキルン本体2はバーナー21とは独立して揺動等する。
また、減速機5にはキルン本体2の回転方向を切り替えて部屋に投入された被加熱物7よりも開口部8が上方に位置する範囲においてキルン本体2を揺動可能にする揺動機構としての役割もある。
詳しくは、第二スプロケット4bは第一スプロケット4aの下方に設けられ、両者はローラーチェーン17で連結されている。よって、減速機5からの動力が第二スプロケット4b、及びローラーチェーン17を介して第一スプロケット4aに伝わり、キルン本体2を揺動させる。
また、温度センサー10が、温度センサー10からの信号を受信する受信器41とセンサーコード42で繋がれている。
以上の構成要素のほとんどが架台13に直接的又は間接的に上載されている。
最初に、減速機5を作動させてキルン本体2の開口部8を真上に位置させる。このとき、検知バー29がリミットスイッチ28を押すので、スクリューフィーダー11を作動させて被加熱物7をキルン本体2に投入する。
投入される被加熱物7の量は、キルン本体2の部屋の容量の半分以下であって、煙道25やバーナー21の放射口は被加熱物7で埋没してしまわない量である。なお、被加熱物7の量を少なくすると揺動の幅を大きくすることができる。
次に、バーナー21に着火し、上方揺動を行いながら投入された被加熱物7に加熱処理を施す。
これら被加熱物7の投入から排出までの一連の作業において、開口部8は終始開放した状態である。
また、回転装置4b,5,17が、キルン本体2を揺動可能にする揺動機構5を備えるので、温度センサー10が受信器41とセンサーコード42で繋がれたまま被加熱物7に加熱処理を施すことができ、構造が単純である。よって、コストが低廉でしかも不具合が発生し難い。
しかも、揺動機構5はキルン本体2の回転方向を切り替えて部屋に投入された被加熱物7よりも開口部8が上方に位置する範囲においてキルン本体2を揺動可能であるので、開口部8が終始開放した状態であっても、開口部8からキルン本体2内の被加熱物7が漏れ出ない。よって、被加熱物7の投入から排出までの一連の作業を完全自動化可能である。
しかも、キルン本体2を揺動させながら加熱処理を施すので、キルン本体2の昇温した周面内壁が反復して被加熱物7の下に入り被加熱物7を加熱する。また、揺動により被加熱物7が撹拌される。よって、本実施形態に係るバッチ式ロータリーキルン100であっても被加熱物7は均一に加熱される。
次に図7と図8を参照して、本発明の第二実施形態に係るバッチ式ロータリーキルン100を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、キルン本体2の両側面にそれぞれバーナー21が設けられていること、及びそれに伴って煙突26の位置がキルン本体2中央部に設けられたことであり、その他の構成要素及びこれを用いた加熱処理方法に関しては第一実施形態と同一である。
詳しくは、図8に示すように、一方のバーナー21はキルン本体2周面内壁奥側に火炎を放射するように配置され、また他方のバーナー21はキルン本体2周面内壁手前側に火炎を放射するように配置されている。つまり、それぞれのバーナー21はその放射口を他方のバーナー21の放射口に対向させないようにキルン本体2の側面に対して角度がつけられている。
次に図9乃至図12を参照して、本発明の第三実施形態に係るバッチ式ロータリーキルン100を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との主な違いは加熱装置であり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。
また、棒状ヒーター6に電力を供給するヒーター電源43をさらに備え、それぞれの棒状ヒーター6はヒーター電源43と一本以上のヒーターコード20で繋がれている。
また、キルン本体2はその外周と隙間27を開けた状態で鋼板1で覆われている。
また、棒状ヒーター6がヒーター電源43とヒーターコードで繋がれた状態でキルン本体2を上方揺動させながら被加熱物7に加熱処理を施す。
また、加熱処理を施している間、開口部8を開放した状態であっても開口部8からキルン本体2内の被加熱物7が漏れ出ない。
したがって、被加熱物7の投入から排出までの一連の作業を完全自動化することができる。
このとき、揺動機構5はキルン本体2を揺動可能なので、棒状ヒーター6も揺動し棒状ヒーター6の上に被加熱物7が堆積し難い。よって、棒状ヒーター6の過加熱を抑制できるので、棒状ヒーター6が損傷し難い。
また、金属レトルトを使用しないので、1300℃くらいの高温まで加熱温度を上げることができる。
2 キルン本体
3 タイヤ
4a 第一スプロケット
4b 第二スプロケット(回転装置)
5 減速機(回転装置)
6 棒状ヒーター(加熱装置)
7 被加熱物
8 開口部
9 タイヤサポート
10 温度センサー
11 スクリューフィーダー
12 ストッパーローラー
13 架台
14 フード
15 排気口
17 ローラーチェーン(回転装置)
18 受けローラー
19 軸受
20 ヒーターコード
21 バーナー(加熱装置)
22 排気フード
23 当て板
24 投入パイプ
25 煙道
26 煙突
27 隙間
28 リミットスイッチ
29 検知バー
30 蓋
31 ハンドル
33 絶縁碍子
34 銅バー
35 スプリング
36 カーボンブラシ
37 リード線
38 碍子受け
41 受信器
42 センサーコード
43 ヒーター電源
100 バッチ式ロータリーキルン
200 バッチ式ロータリーキルン
Claims (7)
- 略水平に延びる軸の回りに回転可能に支持された略円柱状で内部に被加熱物が投入される部屋が形成されたキルン本体と、
前記キルン本体内に熱を供給する加熱装置と、
前記キルン本体を前記軸の回りに回転させる回転装置を備え、前記加熱装置で前記キルン本体内に熱を供給して前記被加熱物に加熱処理を施した後には前記被加熱物の全量を前記キルン本体の周面に設けられた開口部から排出するバッチ式ロータリーキルンによる加熱処理方法において、
前記回転装置は前記キルン本体の回転方向を切り替え可能であって、
前記被加熱物を前記キルン本体に投入し、
前記投入された被加熱物よりも前記開口部が上方に位置する範囲において前記キルン本体を揺動させながら前記投入された被加熱物に加熱処理を施し、
前記開口部を下方に向けて前記キルン本体から前記加熱処理を施された被加熱物を排出し、
しかも前記被加熱物の投入から排出までの一連の作業において、前記開口部は終始開放した状態であることを特徴とするバッチ式ロータリーキルンによる加熱処理方法。 - 前記キルン本体に挿入され前記キルン本体内の雰囲気又は前記被加熱物の温度を測定する温度センサーと、
前記温度センサーからの信号を受信する受信器をさらに備え、
前記温度センサーが前記受信器とセンサーコードで繋がれた状態で前記キルン本体を揺動させながら前記被加熱物に加熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のバッチ式ロータリーキルンによる加熱処理方法。 - 前記加熱装置は、前記キルン本体の軸に平行となるように前記キルン本体の側面間に架け渡して配置された棒状ヒーターであって、
前記棒状ヒーターに電力を供給するヒーター電源をさらに備え、
前記棒状ヒーターが前記ヒーター電源とヒーターコードで繋がれた状態で前記キルン本体を揺動させながら前記被加熱物に加熱処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッチ式ロータリーキルンによる加熱処理方法。 - 略水平に延びる軸の回りに回転可能に支持された略円柱状で内部に被加熱物が投入される部屋が形成されたキルン本体と、
前記キルン本体内に熱を供給する加熱装置と、
前記キルン本体を前記軸の回りに回転させる回転装置と、
前記キルン本体に挿入され前記キルン本体内の雰囲気又は前記被加熱物の温度を測定する温度センサーと、
前記温度センサーからの信号を受信する受信器を備え、前記加熱装置で前記キルン本体内に熱を供給して前記被加熱物に加熱処理を施した後には前記被加熱物の全量を前記キルン本体の周面に設けられた開口部から排出するバッチ式ロータリーキルンにおいて、
前記温度センサーが前記受信器とセンサーコードで繋がれるとともに、
前記回転装置が、前記キルン本体の回転方向を切り替えて前記部屋に投入された前記被加熱物よりも前記開口部が上方に位置する範囲において前記キルン本体を揺動可能にする揺動機構を備え、
しかも前記開口部が終始開放した状態で保持されることを特徴とするバッチ式ロータリーキルン。 - 前記加熱装置は、前記キルン本体の軸に平行となるように前記キルン本体の側面間に架け渡して配置された棒状ヒーターであって、
前記棒状ヒーターに電力を供給するヒーター電源をさらに備え、
前記棒状ヒーターが前記ヒーター電源とヒーターコードで繋がれたことを特徴とする請求項4に記載のバッチ式ロータリーキルン。 - 前記加熱装置は、前記キルン本体の側面の中央部に配置され前記キルン本体内に火炎を放射するバーナーであることを特徴とする請求項4に記載のバッチ式ロータリーキルン。
- 前記バーナーは、前記キルン本体の両側面の中央部にそれぞれ設けられ、
それぞれの前記バーナーはその放射口を他方の前記バーナーの放射口に対向させないように前記キルン本体の側面に対して角度をつけて配置されたことを特徴とする請求項6に記載のバッチ式ロータリーキルン。
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