JP5628954B2 - 複数のモータを同期制御するモータ制御装置 - Google Patents

複数のモータを同期制御するモータ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも2つのモータを同期制御するモータ制御装置に関し、特に、工作機械において工具を駆動する工具軸用モータとワークを駆動するワーク軸用モータを同期制御するモータ制御装置に関する。
工作機械においては、工作機械の駆動軸ごとにモータを有し、これらモータをモータ制御装置により駆動制御する。このような工作機械におけるモータ制御装置は、三相交流入力電源のある交流電源側から供給された交流電力を整流して直流電力を出力する順変換器(整流器)と、順変換器の直流側である直流リンクに接続され、直流リンクにおける直流電力とモータの力行電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換する逆変換器と、を備え、駆動軸ごとに設けられた逆変換器の交流側に接続されたモータの速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御する。ギア加工機やカム加工機などの工作機械においては、工具を駆動する工具軸用モータと、ワークを駆動するワーク軸用モータの2つ回転軸とを同期させて駆動することで、工具でワークを加工する。図7は、ギア加工機の工具軸およびワーク軸を説明する図である。ギア加工機の駆動軸として、砥石やカッターなどの工具を駆動する工具軸とワークを駆動するワーク軸とがある。
工具軸用モータとワーク軸用モータとを同期制御するモータ制御方式として、大きく分けてNC指令同期方式とマスタースレーブ同期制御方式の2つがある。各制御方式について、一例として2つのモータを同期制御する場合を例にとり図8および図9を参照して以下に説明する。
図8は、NC指令同期方式に基づくモータ制御装置の構成を例示するブロック図である。モータAとモータBとを同期制御するモータ制御装置101は、モータAおよびモータBに交流の駆動電力をそれぞれ供給するために個別に設けられた逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bと、モータAおよびモータBが所望の動作をするような駆動電力を逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bに出力させるよう逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bを制御する数値制御装置50とからなる。逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bは、内部に設けられた半導体スイッチング素子のスイッチング動作により、入力された直流電力を交流電力に変換する。なお、図8においては、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換して逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bへ供給する順変換器については図示を省略している。
図8に示すように、数値制御装置50には駆動指令作成手段61が設けられており、NC指令同期方式においては、モータAとモータBとを同期制御する駆動指令が駆動指令作成手段61により作成されて逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bの両方へ出力される。モータAおよびモータBは予め設定された同期比で同期動作させるために、駆動指令作成手段61により作成された駆動指令の一方に当該同期比が乗算される。駆動指令作成手段61により作成された駆動指令は、数値制御装置50と逆変換器51−Aおよび51−Bとの間にそれぞれ設けられた通信回路62−Aおよび通信回路62−Bを介して各逆変換器内の駆動指令受信手段63−Aおよび駆動指令受信手段63−Bにそれぞれ伝送される。制御部64−Aおよび制御部64−Bは、受信した駆動指令とモータAおよびモータBの駆動の結果生じる位置情報であるフィードバックパルス(以下、「位置フィードバック情報」と称する)とに基づき、モータAおよびモータBを駆動するための交流電力を逆変換器51−Aおよび51−Bが出力するようそれぞれ制御する。このように、NC指令同期方式においては、数値制御装置50の駆動指令作成手段61により作成された駆動指令を逆変換器51−Aおよび逆変換器51−Bの両方へ出力し、モータAとモータBとを同期制御している。
図9は、マスタースレーブ同期方式に基づくモータ制御装置の構成を例示するブロック図である。モータAとモータBとを同期制御するモータ制御装置102は、モータAおよびモータBに交流の駆動電力をそれぞれ供給するために個別に設けられた逆変換器71−Aおよび逆変換器71−Bと、モータAおよびモータBが所望の動作をするような駆動電力を逆変換器71−Aおよび逆変換器71−Bに出力させるよう逆変換器71−Aおよび逆変換器71−Bを制御する数値制御装置70とからなる。逆変換器71−Aおよび逆変換器71−Bは、内部に設けられた半導体スイッチング素子のスイッチング動作により、入力された直流電力を交流電力に変換するものである。図9に示す例では、モータAが駆動する軸をマスター軸とし、モータBが駆動する軸をスレーブ軸とする。なお、図9においては、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換して逆変換器71−Aおよび逆変換器71−Bへ供給する順変換器については図示を省略している。
図9に示すように、数値制御装置70には駆動指令作成手段81が設けられており、マスタースレーブ同期方式においては、駆動指令が駆動指令作成手段81により作成されて逆変換器71−Aおよび逆変換器71−Bのうちの一方(図示の例では逆変換器71−A)へ出力される。駆動指令作成手段81により作成された駆動指令は、数値制御装置70と逆変換器71−Aとの間に設けられた通信回路82−1を介して逆変換器71−A内の駆動指令受信手段83に伝送される。逆変換器71−A内の制御部84−Aは、受信した駆動指令とモータAの駆動の結果生じる位置フィードバック情報とに基づき、モータAを駆動するための交流電力を逆変換器71−Aが出力するよう制御する。また、モータAの駆動の結果生じる位置フィードバック情報は、逆変換器71−Aと逆変換器71−Bとの間に設けられた通信回路82−2を介して逆変換器71−Bに転送される。転送されたモータAの位置フィードバック情報(フィードバックパルス)は所定の同期比が乗算されて、マスター軸を駆動するモータAのフィードバックパルスに比例した駆動指令が作成される。逆変換器71−B内の制御部84−Bは、このようなモータAの位置フィードバック情報に基づいた駆動指令に従い、モータBを駆動するための交流電力を逆変換器71−Bが出力するよう制御する。このように、マスタースレーブ同期方式においては、マスター軸を駆動するモータ(図示の例ではモータA)については、数値制御装置70の駆動指令作成手段81により作成された駆動指令に基づき駆動し、一方、スレーブ軸を駆動するモータ(図示の例ではモータB)については、マスター軸を駆動するモータの位置フィードバック情報に比例した駆動指令に基づき駆動することで、モータAとモータBとの同期制御を実現している。
工作機械においてNC指令同期方式とマスタースレーブ同期方式は工作機械の適用場面に応じて適宜使い分けられている。例えば、切削加工時の外乱の周波数が低い場合にはマスタースレーブ同期方式を採用して同期制御の精度を高めることができるが、一方、切削加工時の外乱の周波数が高い場合には、マスタースレーブ同期方式を採用すると、マスター軸の振動によってスレーブ軸が振られ、安定した切削加工を維持することができない。したがって、切削加工時の外乱の周波数が高い場合にはNC指令同期方式が採用される。
例えば、ギア加工機において、モータ制御装置の交流電源側に停電が発生したときに駆動軸とワーク軸とが噛み合って同期が行われていた場合、停電発生によりモータ制御装置が制御不能に陥ると、駆動軸とワーク軸との間の同期関係が崩れ、工具、ワーク、あるいは工作機械本体自身が破損してしまう可能性がある。このような事態を回避するためには、停電発生時においても駆動軸とワーク軸との同期関係を維持したまま、工具軸およびワーク軸のうちの一方の軸を他方の軸から退避させる動作を行う必要がある。そこで、停電発生時の軸退避動作のためのバックアップ電源を確保するために、大容量の無停電電源装置やキャパシタなどを設けることが一般的であるが、大容量のバックアップ電源はコストが高く占有スペースも大きいという欠点がある。
そこで、バックアップ電源の低コスト化および省スペース化を図るべく、停電発生時には工具軸もしくはワーク軸のモータの減速により生じた回生エネルギーを利用して軸退避動作のための駆動電圧を直流リンクにおける直流電圧の形で確保し、停電発生後もしばらくは工具軸およびワーク軸を同期駆動させつつ軸退避動作を行う制御方法が提案されている。このようなモータ減速時に発生する回生エネルギーを利用する制御方法においては、直流リンクの直流電圧を監視し、この直流電圧が所定の範囲内に収まるようモータの減速制御もしくは加速制御を行う必要がある。
マスタースレーブ同期方式に基づくモータ制御装置において、交流電源側の停電を検出したときに工具軸に減速指令を与えて、その減速の際に生じる回生エネルギーを利用してモータを駆動するための制御電圧を直流リンクにおける直流電圧に確保し、工具軸とワーク軸との同期関係を維持しながら駆動させつつ、工具軸とワーク軸とを離す軸退避動作を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術によれば、マスター軸のアンプ(逆変換器)で直流リンクにおける直流電圧を監視し、マスター軸モータを減速制御すると、スレーブ軸モータはマスター軸モータのフィードバック情報に基づき追従するため、マスター軸とスレーブ軸との同期関係を維持しながら減速制御を行うことが可能となり、さらに工具軸とワーク軸を離す軸退避動作が可能になる。
特開平8−227307号公報
工作機械においてNC指令同期方式とマスタースレーブ同期方式は工作機械の適用場面に応じて適宜使い分けられることは既に説明した通りである。工作機械の使われ方によっては、2軸同期の方法は、マスタースレーブ方式ではなく、NC指令同期方式を採用したい場合もある。例えば、切削加工時の外乱の周波数が高い場合には、上述の理由からNC指令同期方式が採用されるのが通常である。しかしながら、NC指令同期方式の場合、モータ減速の際の回生エネルギーを使用した同期駆動および軸退避動作を実現することは難しい。その理由は次の通りである。
NC指令同期方式では、数値制御装置が工具軸およびワーク軸の両方に対して同期した駆動指令を与えて制御を行っている。ここにモータ減速時の回生エネルギーを使用した上記軸退避動作を実現しようとした場合、数値制御装置側で直流リンクにおける直流電圧を監視し、この監視結果に基づいて駆動軸およびワーク軸に対する減速または加速指令を与えて直流リンクにおける直流電圧をある所定の範囲に収める制御を行うことになる。しかしながら、直流リンクにおける直流電圧に関する情報は、通常はアンプ(逆変換器)側で取得されるので、取得された直流リンクにおける直流電圧に関する情報をアンプから数値制御装置側に伝送する必要があり、またさらに、数値制御装置側においては伝送されてきた情報に基づいて工具軸とワーク軸に対する減速または加速指令を作ってアンプ側に出力するという処理を行う必要がある。このような一連の処理には、直流リンクにおける直流電圧に関する情報の伝送処理、指令作成処理、および指令出力処理といった処理が含まれており、直流リンクにおける直流電圧に関する情報が取得されてからこれに対応した指令出力処理がなされるまで時間を要する。つまり、検出された電圧に基づいて指令が出力されるまでの間には時間的な遅延が存在する。交流電源側において停電が発生していない通常の制御状態でのシステム全体の消費エネルギーがある程度大きいモータ制御装置の場合においては、交流電源側で停電が発生すると、直流リンクにおける直流電圧は急速に低下してしまい、またあるいは、モータ減速時の回生エネルギーが大きすぎると、直流リンクにおける直流電圧は急速に許容電圧レベルを超えてしまう。したがって、上記遅延が存在するNC指令同期方式の場合は、上述したモータの減速エネルギーを使用した同期駆動および軸退避動作を実現することは難しく、大容量のバックアップ電源を用いらざるを得ない。
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、少なくとも2つのモータを同期制御する工作機械において、交流電源側の停電発生時において軸退避動作を実行することができる、低コストで省スペースのモータ制御装置を提供することにある。
上記目的を実現するために、本発明においては、少なくとも2つのモータを同期制御するモータ制御装置は、交流電源側から供給された交流電力を直流電力に変換して出力する順変換器と、順変換器の直流側である直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、直流リンクにおける直流電力を変換して第1のモータを駆動する交流電力を出力する第1の逆変換器と、直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、直流リンクにおける直流電力を変換して第2のモータを駆動する交流電力を出力する第2の逆変換器と、順変換器の交流電源側の停電の有無を検出する停電検出手段と、停電検出手段が停電を検出しない場合は、第1のモータと第2のモータとを同期制御するための第1の逆変換器および第2の逆変換器の両方に対するNC指令同期用駆動指令を作成し、停電検出手段が停電を検出した場合は、第1の逆変換器に対するマスター用駆動指令を作成するとともに、マスター用駆動指令のもとで駆動された第1のモータの位置フィードバック情報を用いて第1のモータと第2のモータとを同期制御するための第2の逆変換器に対するスレーブ用駆動指令を作成する指令作成手段と、を備える。
上記指令作成手段は、上記マスター用駆動指令として、直流リンクの電圧を所定の範囲内に維持するよう第1の逆変換器を制御する直流電圧維持指令を作成する直流電圧維持指令作成手段を有し、この直流電圧維持指令作成手段は、第1の逆変換器内に設けられてもよい。
上記指令作成手段は、NC指令同期用駆動指令を作成する駆動指令作成手段を有し、この駆動指令作成手段は、第1のモータおよび第2のモータの動作を統括制御する数値制御装置内に設けられ、停電検出手段が停電を検出した場合における位置フィードバック情報を用いて第1のモータと第2のモータとを同期制御するための第2の逆変換器に対するスレーブ用駆動指令は、第2の逆変換器内で作成されてもよい。
また、モータ制御装置は、駆動指令作成手段と第1の逆変換器とを通信可能に接続する第1の通信手段と、駆動指令作成手段と第2の逆変換器とを通信可能に接続する第2の通信手段と、を備えてもよく、この場合、停電検出手段が停電を検出しない場合に駆動指令作成手段により作成されたNC指令同期用駆動指令は、第1の通信手段および第2の通信手段を介して第1の逆変換器および第2の逆変換器へそれぞれ伝送される。
また、モータ制御装置は、第1の逆変換器と第2の逆変換器との間を通信可能に接続する第3の通信手段を備えてもよく、この場合、停電検出手段が停電を検出した場合に第1のモータから第1の逆変換器へ送られた位置フィードバック情報は、第3の通信手段を介して第2の逆変換器へ転送される。
またあるいは、モータ制御装置は、第1のモータからの位置フィードバック情報を第1の逆変換器と第2の逆変換器とに分岐して分配する分岐手段をそなえてもよい。
また、第1のモータおよび第2のモータのうち、いずれか一方が工作機械の工具軸を回転駆動する工具軸用モータであり、他方が工作機械のワーク軸を回転駆動するワーク軸用モータであるようにしてもよい。
また、モータ制御装置は、直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、直流リンクにおける直流電力を変換して工具軸とワーク軸との間の距離を制御する工具移動軸用モータを駆動する交流電力を出力する第3の逆変換器を備え、上記指令作成手段は、停電検出手段が停電を検出した場合に工具軸およびワーク軸のうちの一方を他方から退避させるよう工具移動軸用モータを駆動するための第3の逆変換器に対する退避指令を作成する退避指令作成手段を有するようにしてもよい。
工具軸は、ギア加工機もしくはカム加工機における工具を駆動する軸であってもよい。
本発明によれば、少なくとも2つのモータを同期制御する工作機械において、交流電源側の停電発生時において軸退避動作を実行することができる、低コストで省スペースのモータ制御装置を実現することができる。
一般に、少なくとも2つのモータの同期制御を実現する方式として、NC指令同期方式とマスタースレーブ同期方式は、工作機械の適用場面に応じて適宜使い分けられている。例えば、切削加工時の外乱の周波数が低い場合にはマスタースレーブ同期方式を採用して同期制御の精度を高めることができるが、一方、切削加工時の外乱の周波数が高い場合には、マスタースレーブ同期方式を採用すると、マスター軸の振動によってスレーブ軸が振られ、安定した切削加工を維持することができないのでNC指令同期方式が採用される。本発明は、特に、切削加工時の外乱の周波数が高い場合に対応すべくNC指令同期方式が採用される工作機械に好適である。すなわち、本発明によれば、交流電源側に停電が発生したときは、NC指令同期方式からマスタースレーブ同期方式に切り換えることによって、従来のNC指令同期方式では不可能であった、モータ減速の際に生じる回生エネルギーを利用した工具軸とワーク軸とを離す軸退避動作を実現することができるので、軸退避動作のための大容量のバックアップ電源は不要であり、したがって低コストで省スペースのモータ制御装置を実現することができる。本発明によれば、交流電源側の停電発生時にはマスタースレーブ同期方式に基づいて同期制御し、工具移動軸用モータに対しては工具移動軸が退避動作を行うよう制御し、なおかつ、停電発生時のエネルギー源として利用される直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲内に収まるよう制御するので、停電発生時に直流リンクにおける直流電圧は急速に低下したり、またあるいは許容電圧レベルを超えてしまうことはない。
本発明によるモータ制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施例によるモータ制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 に示すモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 に示すモータ制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施例によるモータ制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 図5に示すモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 ギア加工機の工具軸およびワーク軸を説明する図である。 NC指令同期方式に基づくモータ制御装置の構成を例示するブロック図である。 マスタースレーブ同期方式に基づくモータ制御装置の構成を例示するブロック図である。
図1は、本発明によるモータ制御装置の機能ブロック図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。ここでは、2つのモータAおよびBを同期制御するモータ制御装置1の各機能について説明する。第1のモータAおよび第2のモータBのうち、いずれか一方は、工作機械の工具軸を回転駆動する工具軸用モータであり、他方は工作機械のワーク軸を回転駆動するワーク軸用モータである。また、工具軸は、ギア加工機もしくはカム加工機における工具を駆動する軸である。例えば、ギア加工機の場合、砥石やカッターなどの工具を駆動する工具軸とワークを駆動するワーク軸が駆動軸となる。なお、モータ制御装置1により制御されるモータの個数は2個以上であってもよい。
第1のモータAおよび第2のモータBを同期制御するモータ制御装置1は、順変換器11と、第1の逆変換器12−Aと、第2の逆変換器12−Bと、停電検出手段13と、指令生成手段14とを備える。
順変換器11は、三相交流電源3(以下、単に「交流電源」と称する)側から供給された交流電力を整流し、順変換器11の直流側である直流リンクへ直流電力を出力する。本発明では、用いられる順変換器11の実施形態は特に限定されず、例えば120度通電回生機能付き3相全波整流回路、あるいはPWM制御方式の整流回路などがある。
順変換器11と第1の逆変換器12−Aおよび第2の逆変換器12−Bとは、直流リンクを介して接続される。第1の逆変換器12−Aおよび第2の逆変換器12−Bは、例えばPWMインバータなどのような、内部にスイッチング素子を有する変換回路として構成される。ここでは、モータ制御装置1で第1のモータAおよび第2のモータBを同期制御することを例として取り挙げているので、駆動する第1のモータAおよび第2のモータBごとに第1の逆変換器12−Aおよび第2の逆変換器12−Bが設けられる。
第1の逆変換器12―Aは、直流リンク側から供給される直流電力を、指令生成手段14から受信した指令に基づき内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、第1のモータAを駆動するための所望の電圧および所望の周波数の三相交流電力に変換する。第1のモータAは、供給された電圧可変および周波数可変の三相交流電力に基づいて動作することになる。また、第1のモータAの制動時には回生電力が発生するが、指令生成手段14から受信した指令に基づき、第1のモータAで発生した回生電力である交流電力を、直流電力へ変換して直流リンクへ戻す。このように、第1の逆変換器12−Aは、受信した指令に基づき、直流リンクにおける直流電力と第1のモータAの力行電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換するものである。
同様に、第2の逆変換器12―Bは、直流リンク側から供給される直流電力を、指令生成手段14から受信した指令に基づき内部のスイッチング素子をスイッチング動作させ、第2のモータBを駆動するための所望の電圧および所望の周波数の三相交流電力に変換する。第2のモータBは、供給された電圧可変および周波数可変の三相交流電力に基づいて動作することになる。また、第2のモータBの制動時には、指令生成手段14から受信した指令に基づき、第2のモータBで発生した回生電力である交流電力を、直流電力へ変換して直流リンクへ戻す。このように、第2の逆変換器12−Bも、受信した指令に基づき、直流リンクにおける直流電力と第2のモータBの力行電力もしくは回生電力である交流電力とを相互電力変換するものである。
停電検出手段13は、順変換器11の交流電源3側の停電の有無を検出する。図示の例では交流電源3の交流電圧を用いて順変換器11の交流電源3側の停電の有無を検出しているが、順変換器11の直流側である直流リンクの直流電圧を用いて順変換器11の交流電源側の停電の有無を検出するようにしてもよい。停電検出手段13で生成された停電検出信号は指令生成手段14に送られる。
指令生成手段14は、駆動指令作成手段21および直流電圧維持指令作成手段22を備える。
駆動指令作成手段21は、停電検出手段13が停電を検出しない場合に、第1のモータAと第2のモータBとを同期制御するための第1の逆変換器12−Aおよび第2の逆変換器12−Bの両方に対するNC指令同期用駆動指令を作成する。
電検出手段13により停電されなかった場合は、このNC指令同期用駆動指令によって第1の逆変換器12−Aおよび第2の逆変換器12−Bの電力変換動作が制御される。
一方、停電検出手段13が停電を検出した場合は、直流電圧維持指令作成手段22により作成されたマスター用駆動指令としての直流リンクの電圧を所定の範囲内に維持するための直流電圧維持指令によって、前記第1の逆変換器12−Aの電力変換動作が制御される。マスター用駆動指令としての直流電圧維持指令により、第1のモータAは駆動されることになるが、当該駆動指令のもとで駆動された第1のモータAの位置フィードバック情報は、第1のモータAと第2のモータBとを同期制御するための第2の逆変換器12−Bに対するスレーブ用駆動指令を作成するのに用いられる。スレーブ用駆動指令は、第2の逆変換器12−Bにおいて生成される。
続いて、上述の第1の逆変換器12−A、第2の逆変換器12−B、停電検出手段13、および指令生成手段14の具体的な実施例について説明する。上述したように、モータ制御装置1で同期制御する第1のモータAおよび第2のモータBのうち、いずれか一方は、工作機械の工具軸を回転駆動する工具軸用モータであり、他方は工作機械のワーク軸を回転駆動するワーク軸用モータであるが、ここでは、一例として第1のモータAを工具軸用モータとし、第2のモータBをワーク軸用モータとした場合について説明する。
図2は、本発明の第1の実施例によるモータ制御装置の具体的構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施例では、停電検出手段13は、順変換器11内の制御部に設けられる。参照符号11−1は、順変換器11内に設けられるスイッチング素子のブリッジ回路からなる交流直流変換回路11−1を示す。
工具軸用モータAを駆動するための交流電力を出力する工具軸用逆変換器12−A内には、スイッチング素子のブリッジ回路からなる直流交流変換回路(図示せず)のほかに、直流電圧維持指令作成手段22、切換えスイッチSW2、および通信部43が設けられる。切換えスイッチSW2は、工具軸用逆変換器12−Aの電力変換動作を停電の有無によって切り換えられるものであり、その動作については後述する。通信部43は、工具軸用逆変換器12−Aとワーク軸用逆変換器12−Bとの間を通信可能に接続する通信手段として機能するものであり、工具軸用逆変換器12−A内の制御部とワーク軸用逆変換器12−B内の制御部とを結ぶ通信回線であり、有線でも無線でもよい。
ワーク軸用モータBを駆動するための交流電力を出力するワーク軸用逆変換器12−B内には、スイッチング素子のブリッジ回路からなる直流交流変換回路(図示せず)のほかに、切換えスイッチSW3が設けられる。切換えスイッチSW3は、ワーク軸用逆変換器12−Bの電力変換動作を停電の有無によって切り換えられるものであり、その動作については後述する。
停電検出手段13が停電を検出した場合に工具軸およびワーク軸のうちの一方を他方から退避させるための工具移動軸を駆動する工具移動軸用モータCが設けられる。工具移動軸用逆変換器12−Cは、直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、直流リンクにおける直流電力を変換して工具軸とワーク軸との間の距離を制御する工具移動軸用モータCを駆動する交流電力を出力する。
工具軸用モータ12−Aおよびワーク軸用モータ12−Bの動作を統括制御する 数値制御装置31内には、駆動指令作成手段21、工具移動軸用駆動指令作成手段23、切換えスイッチSW1、および退避指令作成手段24が設けられる。切換えスイッチSW1は、工具移動軸用逆変換器12−Cの電力変換動作の指令を作成する手段として、工具移動軸用駆動指令作成手段23と退避指令作成手段24とを停電の有無によって切り換えるものである。工具移動軸用駆動指令作成手段23は、非停電時(すなわち正常時)において加工処理が行えるよう工具軸とワーク軸とを接近させる動作を工具移動軸用モータCがするよう、工具移動軸用逆変換器12−Cを制御する指令を作成する。退避指令作成手段24は、停電発生時において工具軸およびワーク軸のうちの一方を他方から退避させるため動作を工具移動軸用モータCがするよう、工具移動軸用逆変換器12−Cを制御する指令を作成する。
数値制御装置31内の駆動指令作成手段21と工具軸用逆変換器12−Aとの間には互いに通信可能に接続する通信回路41が設けられ、数値制御装置31内の駆動指令作成手段21とワーク軸用逆変換器12−Bとの間には互いに通信可能に接続する通信回路42が設けられる。通信回路41および42は有線でも無線でもよい。
続いて、図に示すモータ制御装置の動作について図3および図4を参照して説明する。図3は、図に示すモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。また、図4は、図に示すモータ制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
非停電時(すなわち正常時)では、工作機械における加工内容に応じて数値制御装置31内の駆動指令作成手段21が作成した工具軸のためのNC指令同期用駆動指令が通信回路41を介して工具軸用逆変換器12−Aに出力される。また、駆動指令作成手段21が作成した工具軸のためのNC指令同期用駆動指令に予め設定された同期比が乗算されたワーク軸のためのNC指令同期用駆動指令が、通信回路42を介してワーク軸用逆変換器12−Bに出力される。これらNC指令同期用駆動指令に追従して、工具軸においては工具軸用逆変換器12−Aが出力する交流電力により工具軸用モータ12−Aが動作し(ステップS100)、ワーク軸においてはワーク軸用逆変換器12−Bが出力する交流電力によりワーク軸用モータ12−Bが動作する(ステップS200)ことになる。非停電時(すなわち正常時)では、このように工具軸用モータ12−Aおよびワーク軸用モータ12−Bともに駆動指令作成手段21が作成したNC指令同期用駆動指令に基づいて動作するので、工具軸用モータ12−Aとワーク軸用モータ12−Bとの間でNC指令同期が実現される。また、所定の加工処理が行えるよう工具移動軸用駆動指令作成手段23が作成した工具移動軸用駆動指令は、工具移動軸用逆変換器12−Cへ出力される。この工具移動軸用駆動指令に追従して、工具移動軸においては工具移動軸用逆変換器12−Cが出力する交流電力により工具移動軸用モータ12−Cが動作する(ステップS300)。
ステップS101、S201およびS301では、数値制御装置31は、受信した停電検出手段13からの停電検出信号(図4)に基づき、順変換器11の交流電源側に停電が発生したか否かを判定する。停電検出信号は、数値制御部31内の切り換えスイッチSW1、工具軸用逆変換器12−A内の切り換えスイッチSW2、およびワーク軸用逆変換器12−B内の切り換えスイッチSW3へ出力される。停電検出信号に基づき交流電源側に停電が発生したと判定されると、スイッチSW1、スイッチSW2、およびスイッチSW3は、「非停電」側から「停電」側に切り換えられ、各軸は次のように動作する。ここで、停電発生時における各軸のモータは、直流リンクにおける直流電力を変換した交流電力により駆動される。
まず、停電発生時の工具軸の動作について説明する。
ステップS102において、工具軸用逆変換器12−A内に設けられた直流電圧維持指令作成手段22は、直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲の下限値以下であるか否かを判定する。下限値以下である場合はステップS104へ進み、そうではない場合はステップS103へ進む。
ステップS102において直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲の下限値以下であると判定された場合は、ステップS104において、直流電圧維持指令作成手段22は、工具軸用モータAが回生動作をするための交流電力を工具軸用逆変換器12−Aが出力するよう制御するためのマスター用駆動指令として、直流電圧維持指令を作成する。このマスター用駆動指令としての直流電圧維持指令により、工具軸用逆変換器12−Aは、工具軸用モータAが減速動作をするよう、内部に設けられたスイッチング素子のスイッチング動作を制御し、工具軸用モータAで回生された交流電力を直流電力に変換して直流リンクに戻す。この回生動作により、直流リンクにおける直流電圧は上昇する(図4)。ステップS104の後はステップS106へ進む。
ステップS102において直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲の下限値以下であると判定されなかった場合は、ステップS103において、直流電圧維持指令作成手段22は、直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲の上限値以上であるか否かを判定する。上限値以上である場合はステップS105へ進み、そうではない場合はステップS106へ進む。
ステップS103において直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲の上限値以上であると判定された場合は、ステップS105において、直流電圧維持指令作成手段22は、工具軸用モータAが力行動作をするための交流電力を工具軸用逆変換器12−Aが出力するよう制御するための直流電圧維持指令を作成する。この直流電圧維持指令により、工具軸用逆変換器12−Aは、工具軸用モータAが加速動作、または一定速度維持動作をするよう、内部に設けられたスイッチング素子のスイッチング動作を制御し、直流リンクにおける直流電力を交流電力に変換して工具軸用モータAへ出力する。これにより、工具軸用モータAは加速、または一定速度を維持し、直流リンクにおける直流電力は消費されて直流電圧は低下する(図4)。ステップS105の後はステップS106へ進む。
ステップS106では、工具軸用モータAにおいて位置フィードバック情報(フィードバックパルス)が作成され(図4)、ステップS107において、工具軸用モータAで作成された位置フィードバック情報が通信部43を介して工具軸用逆変換器12−Aからワーク軸用逆変換器12−Bへ転送される。その後、ステップS102へ戻る。以降、ステップS102〜S107の処理が繰り返し実行され、直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲内に収まるよう工具軸のモータ速度が制御される(図4)。
次に、停電発生時のワーク軸の動作について説明する。
ステップS202において、ワーク軸用逆変換器12−Bは、通信部43を介して工具軸用逆変換器12−Aから位置フィードバック情報を受信する。そして、ステップS203では、ワーク軸用逆変換器12−B内の制御部において、転送された工具軸用モータAの位置フィードバック情報に所定の同期比を乗算して、工具軸用モータAのフィードバックパルスに比例したスレーブ用駆動指令を作成する。ワーク軸逆変換器12−Bは、このようなモータAの位置フィードバック情報に基づいたスレーブ用駆動指令に従い、ワーク軸用モータBを駆動するための交流電力を出力する。これにより、ワーク軸用モータBは動作する。ワーク軸用モータBは、上述のように工具軸用モータAの位置フィードバック情報を用いて作成されたスレーブ用駆動指令に基づいて同期動作することから、工具軸がマスター軸となり、ワーク軸がスレーブ軸となるマスタースレーブ同期が実現される。
次に、停電発生時の工具移動軸の動作について説明する。
ステップS302において、数値制御装置31内の退避指令作成手段24は、停電発生時において工具軸およびワーク軸のうちの一方を他方から退避させるため動作を工具移動軸用モータCがするよう、工具移動軸用逆変換器12−Cを制御する退避指令を作成し、これを工具移動軸用逆変換器12−Cへ出力する。この退避指令に基づいて工具移動軸用逆変換器12−Cは、内部に設けられたスイッチング素子のスイッチング動作を制御し、直流リンクにおける直流電力を交流電力に変換して工具移動軸用モータCへ出力する。これにより、工具移動軸用モータCは、工具軸およびワーク軸のうちの一方を他方から退避させるよう工具移動軸を動作させる。この退避動作のための工具移動軸用モータCは、直流リンクにおける直流電力をエネルギー源としてその範囲内で動作が完結するようにする。
以上説明したように、本発明の第1の実施例によれば、交流電源側の非停電時(すなわち正常時)には工具軸用モータAとワーク軸用モータBとをNC指令同期方式に基づいて同期制御する。また、交流電源側の停電発生時には工具軸用モータAとワーク軸用モータBとをマスタースレーブ同期方式に基づいて同期制御し、工具移動軸用モータCに対しては工具移動軸が退避動作を行うよう制御し、なおかつ、停電発生時のエネルギー源として利用される直流リンクにおける直流電圧が所定の電圧維持範囲内に収まるよう制御する。この直流電圧制御により、停電発生時に行われる軸退避動作のために、直流リンクにおける直流電圧は急速に低下したりまたあるいは許容電圧レベルを超えてしまうことはない。
図5は、本発明の第2の実施例によるモータ制御装置の具体的構成を示すブロック図である。また、図6は、図5に示すモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。本発明の第2の実施例は、上述の第1の実施例における工具軸用逆変換器12−A内の通信部43の代わりに、工具軸用逆変換器12−Aの外部に設けられた分岐回路44を用いたものである。
図5において、分岐回路44は、工具軸用モータAからの位置フィードバック情報を工具軸用逆変換器12−Aとワーク軸用逆変換器12−Bとに分岐して分配する。なお、これ以外の回路構成要素については図1および図2に示す回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。
また、図6において、図3のステップS107の代わりに、ステップS108として、工具軸用モータで作成された位置フィードバック情報が分岐回路44によって工具軸用逆変換器12−Aとワーク軸用逆変換器12−Bとに分岐されて分配される。なお、これ以外の処理については図3に示す処理と同様であるので、同一の処理には同一符号を付して当該処理についての詳細な説明は省略する。
なお、上述の第1および第2の実施例では、図1の第1のモータAを工具軸用モータとし、図1の第2のモータBをワーク軸用モータとした場合について説明したが、第1のモータAをワーク用モータとし、第2のモータBを工具軸用モータとして実現してもよい。この場合は、交流電源側の停電発生時おけるマスタースレーブ同期方式に基づく同期制御において、ワーク軸用モータがマスター軸に対応し、工具軸用モータがスレーブ軸に対応する。
本発明は、少なくとも2つのモータを同期制御するモータ制御装置、特に、工作機械において工具を駆動する工具軸用モータとワークを駆動するワーク軸用モータを同期制御するモータ制御装置に適用することができる。このモータ制御装置は、駆動軸ごとにモータを有する工作機械に適用することができ、例えば、駆動軸を、加工機における工具を駆動する軸と、加工機におけるワークを駆動する軸とすることができる。
1 モータ制御装置
3 三相交流電源
11 順変換器
12−A 第1の逆変換器
12−B 第2の逆変換器
13 停電検出手段
14 指令作成手段
21 駆動指令作成手段
22 直流電圧維持指令作成手段
23 工具移動軸用駆動指令作成手段
24 退避指令作成手段
41、42 通信回路
43 通信部
44 分岐回路
A 第1のモータ
B 第2のモータ
SW1、SW2、SW3 切換えスイッチ

Claims (9)

  1. 少なくとも2つのモータを同期制御するモータ制御装置であって、
    交流電源側から供給された交流電力を直流電力に変換して出力する順変換器と、
    前記順変換器の直流側である直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、前記直流リンクにおける直流電力を変換して第1のモータを駆動する交流電力を出力する第1の逆変換器と、
    前記直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、前記直流リンクにおける直流電力を変換して第2のモータを駆動する交流電力を出力する第2の逆変換器と、
    前記順変換器の交流電源側の停電の有無を検出する停電検出手段と、
    前記停電検出手段が停電を検出しない場合は、第1のモータと第2のモータとを同期制御するための前記第1の逆変換器および前記第2の逆変換器の両方に対するNC指令同期用駆動指令を作成し、前記停電検出手段が停電を検出した場合は、前記第1の逆変換器に対するマスター用駆動指令を作成するとともに、前記マスター用駆動指令のもとで駆動された第1のモータの位置フィードバック情報を用いて第1のモータと第2のモータとを同期制御するための前記第2の逆変換器に対するスレーブ用駆動指令を作成する指令作成手段と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記指令作成手段は、前記マスター用駆動指令として、前記直流リンクの電圧を所定の範囲内に維持するよう前記第1の逆変換器を制御する直流電圧維持指令を作成する直流電圧維持指令作成手段を有し、
    前記直流電圧維持指令作成手段は、前記第1の逆変換器内に設けられる請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記指令作成手段は、前記NC指令同期用駆動指令を作成する駆動指令作成手段を有し、
    前記駆動指令作成手段は、第1のモータおよび第2のモータの動作を統括制御する数値制御装置内に設けられ、
    前記停電検出手段が停電を検出した場合における前記位置フィードバック情報を用いて第1のモータと第2のモータとを同期制御するための前記第2の逆変換器に対するスレーブ用駆動指令は、前記第2の逆変換器内で作成される請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記駆動指令作成手段と前記第1の逆変換器とを通信可能に接続する第1の通信手段と、
    前記駆動指令作成手段と前記第2の逆変換器とを通信可能に接続する第2の通信手段と、
    を備え、
    前記停電検出手段が停電を検出しない場合に前記駆動指令作成手段により作成されたNC指令同期用駆動指令は、前記第1の通信手段および前記第2の通信手段を介して前記第1の逆変換器および前記第2の逆変換器へそれぞれ伝送される請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記第1の逆変換器と前記第2の逆変換器との間を通信可能に接続する第3の通信手段を備え、
    前記停電検出手段が停電を検出した場合に第1のモータから前記第1の逆変換器へ送られた前記位置フィードバック情報は、前記第3の通信手段を介して前記第2の逆変換器へ転送される請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 第1のモータからの前記位置フィードバック情報を前記第1の逆変換器と前記第2の逆変換器とに分岐して分配する分岐手段を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 第1のモータおよび第2のモータのうち、いずれか一方が工作機械の工具軸を回転駆動する工具軸用モータであり、他方が前記工作機械のワーク軸を回転駆動するワーク軸用モータである請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記直流リンクに接続され、受信した指令に基づき、前記直流リンクにおける直流電力を変換して前記工具軸と前記ワーク軸との間の距離を制御する工具移動軸用モータを駆動する交流電力を出力する第3の逆変換器を備え、
    前記指令作成手段は、前記停電検出手段が停電を検出した場合に前記工具軸および前記ワーク軸のうちの一方を他方から退避させるよう前記工具移動軸用モータを駆動するための前記第3の逆変換器に対する退避指令を作成する退避指令作成手段を有する請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記工具軸は、ギア加工機もしくはカム加工機における工具を駆動する軸である請求項7または8に記載のモータ制御装置。
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